JP2006155801A - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも第1の基板と記録層とを有する第1の積層体と、少なくとも第2の基板を有する第2の積層体とを貼り合わせてなる光記録媒体の製造方法であって、
前記第1の基板を成型してから、前記第1の積層体と前記第2の積層体とを貼り合わせるまでの間及び貼り合せた後に熱処理工程を少なくとも2回設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、2枚の基板を貼り合わせてなる光記録媒体において、良好な機械特性を有し、高速記録に対応可能な光記録媒体を提供することにある。
<1> 少なくとも第1の基板と記録層とを有する第1の積層体と、少なくとも第2の基板を有する第2の積層体とを貼り合わせる工程を有する光記録媒体の製造方法であって、前記第1の基板に記録層を形成してから、第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせるまでの間及び貼り合わせた後に熱処理工程を少なくとも2回設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
以下、先ず、本発明の光記録媒体の製造方法により製造される光記録媒体について説明する。
本発明に係る光記録媒体は、貼り合わせ型の光記録媒体、すなわち、DVD±R、HD DVDなどDVD構成の光記録媒体に適用することができる。
基板としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましく、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。
プリグルーブのトラックピッチは、280〜900nmの範囲とすること好ましく、300〜850nmとすることがより好ましい。また、プリグルーブの深さ(溝深さ)は、15〜160nmの範囲とすることが好ましく、25〜150nmとすることがより好ましい。さらに、プリグルーブの半値幅は、50〜400nmの範囲とすることが好ましく、100〜380nmとすることがより好ましい。
記録層に用いる色素は特に限定されないが、使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。
記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜200nmの範囲にある。
反射層には、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光記録媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を記録層を内側にして貼り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層の材料としては、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を用いることができる。保護層の層厚は、一般には0.1〜100μmの範囲にある。
光透過層としては、レーザー波長で90%以上の透過率があるものであれば如何なる材料をも使用することができる。
上記光透過層は、従来公知の方法により形成することができ、光透過層の厚さは、2〜50nmとすることが好ましい。
また、保護層が、レーザー光路として使用される層構成においては、透明性を有することが必要とされる。ここで、「透明性」とは、記録光および再生光に対して、該光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
以上の光記録媒体を製造し得る本発明の光記録媒体の製造方法について以下に詳述する。
第1の基板、第2の基板の成形は、前述の基板材料を用い、射出成形、圧縮成形、又は射出圧縮成形によって行うことができる。また、スタンパーを油圧プレス機のモールディングダイスの片側に取り付け、溶融点付近まで加熱した樹脂をプレス加工することにより圧縮成形することもできる。
記録層は、上記色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して色素溶液を調製し、次いでこの色素溶液を基板(第1の基板)のプリグルーブが形成された面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより形成される。
塗布法として、スピンコート法を適用する際の温度は、溶剤の速乾性、所望の色素膜厚(記録層の厚み)が得て、生産性を向上させる観点から、23℃以上とすることが好ましく、25℃以上とすることがより好ましい。温度の上限は特にないが、溶剤の引火点より低い温度とする必要があり、好ましく35℃とする。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
反射層は、例えば、上記反射性物質を、蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。本発明においては、保存性を向上させる目的、或いは外観を変える目的で、反射層は上記材料を単層で積層してもよく、2種以上の材料を多層に積層してもよい。
保護層は、無機物質の場合は、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により、有機物質の場合は、プラスチックフィルムのラミネート、溶剤に溶解した塗布液の塗布乾燥等により形成することができる。あるいは保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを、接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。
また、照射回数は特に制限されないが、20回以下が好ましく、10回以下がより好ましい
熱処理工程は、製造途中の光記録媒体に対して、所定の温度で所定の時間保持する工程である。少なくとも2回の熱処理工程を設けることで、基板に残留する歪みや応力を開放することができ、光記録媒体の完成時の機械特性を改善することができる。熱処理工程は、例えば、以下の時点で設けることが好ましい。
(1)成型した基板(第1の基板及び/又は第2の基板)冷却後
(2)色素塗布液を塗布した後
(3)反射層形成後
(4)第1の積層体と第2の積層体とを貼り合せた後
また、熱処理工程における雰囲気は湿度30%RH以下のドライの環境が好ましい。
第1の積層体と第2の積層体との貼り合わせには、種々の接着剤を使用することができる。例えば、第1の基板側にある保護層上に紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業(株)製SD640等)をスピンコート法によって、20〜60μmの厚さに塗布して、接着層を形成する。形成した接着層上に、第2の基板を載置し、第2の基板上から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて貼り合わせる。
射出成型機(住友重機械工業(株)製)を用いて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(溝深さ150nm、溝幅300nm、トラックピッチ0.74μm)および凹部を有する外径120mm、内径15mm、厚さ0.6mmの透明な第1の基板を作製した。同様にして、第2の基板を作製した。
貼り合わせ後の基板を別のターンテーブルに移し、該ターンテーブルとともにUV照射部に移動させUV光を照射してUV硬化接着剤を硬化させ、2枚の基板を接着して光ディスク(光記録媒体)を作製した。
実施例1における2回の熱処理工程を、色素塗布液を塗布した後、及び第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせた後の時点に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2の光記録媒体を作製した。
実施例1における2回の熱処理工程を、第1の基板及び第2の基板成形後(冷却後)、色素塗布液を塗布した後、及び第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせた後の時点に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の光記録媒体を作製した。
実施例1における2回の熱処理工程のうち、第1の基板及び第2の基板成形後(冷却後)の時点の熱処理工程を取り止めたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の光記録媒体を作製した。
実施例1における2回の熱処理工程のうち、色素塗布液を塗布した後の時点の熱処理工程を取り止めたこと以外は実施例1と同様にして比較例2の光記録媒体を作製した。
実施例1における2回の熱処理工程を取り止め、代わりに、第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせた後の時点に熱処理工程を設けたこと以外は実施例1と同様にして比較例3の光記録媒体を作製した。
前記各実施例1〜3及び比較例1〜3の光記録媒体の以下の(1)〜(3)の特性について、ジャパンEM製、DLD4000機械特性評価装置を用いて評価した。結果を表1に示す。
(2)ラジアルチルト(R−tilt)の最大値平均(n=10)
(3)タンジェンシャルチルト(T−tilt)の最大値平均(n=10)
Claims (2)
- 少なくとも第1の基板と記録層とを有する第1の積層体と、少なくとも第2の基板を有する第2の積層体とを貼り合わせてなる光記録媒体の製造方法であって、
前記第1の基板を成型してから、前記第1の積層体と前記第2の積層体とを貼り合わせるまでの間及び貼り合わせた後に熱処理工程を少なくとも2回設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 前記熱処理工程が、40℃以上の温度を15分間以上保持する工程であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造方法。
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JP2004347146A JP2006155801A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 光記録媒体の製造方法 |
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