JP2006155801A - 光記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2枚の基板を貼り合わせてなる光記録媒体において、良好な機械特性を有し、高速記録に対応可能な光記録媒体を提供する。
【解決手段】 少なくとも第1の基板と記録層とを有する第1の積層体と、少なくとも第2の基板を有する第2の積層体とを貼り合わせてなる光記録媒体の製造方法であって、
前記第1の基板を成型してから、前記第1の積層体と前記第2の積層体とを貼り合わせるまでの間及び貼り合せた後に熱処理工程を少なくとも2回設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光記録媒体の製造方法であって、特に、貼り合わせ型で、記録線速度14m/s以上で情報を記録する光記録媒体の製造方法に関する。
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金等の金属からなる反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。
近年、記録密度のより高い光記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に反射層、そしてさらに必要により保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。
以上の光記録媒体において、記録層の形成に際し、記録層形成用の塗布液を塗布後、1回のみの熱処理を施していた(例えば、特許文献1、2参照。)。ところが、その後の工程を経ると、残留応力、歪みがあり、光記録媒体の機械特性が悪化することがあった。機械特性(面振れ、ラジアルチルト、タンジェンシャルチルト等)が悪いと、高速で回転させた場合、フォーカスサーボやトラッキングサーボがかかりにくくなり、良好な記録が行えないばかりか、場合によっては記録中にサーボが外れてしまいトラッキング不能となるという問題がある。特に、近年、DVD−R/RW、DVD+R/RWではなどの光ディスクにおいて、4倍速以上(記録線速度14m/s以上)の高速記録の要求が高まっており(例えば、特許文献3参照。)、高速記録の場合は、等倍速など低速記録の場合と比べ、良好な機械特性が要求される。
特開2002−109793号公報 特開2004−139671号公報 特開2002−8238号公報
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、2枚の基板を貼り合わせてなる光記録媒体において、良好な機械特性を有し、高速記録に対応可能な光記録媒体を提供することにある。
上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、本発明者は、下記本発明により当該目的を達成できることを見出した。即ち、
<1> 少なくとも第1の基板と記録層とを有する第1の積層体と、少なくとも第2の基板を有する第2の積層体とを貼り合わせる工程を有する光記録媒体の製造方法であって、前記第1の基板に記録層を形成してから、第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせるまでの間及び貼り合わせた後に熱処理工程を少なくとも2回設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
<2> 前記熱処理工程が、40℃以上の温度を15分間以上保持する工程であることを特徴とする前記<1>に記載の光記録媒体の製造方法である。
本発明によれば、2枚の基板を貼り合わせてなる光記録媒体において、良好な機械特性を有し、高速記録に対応可能な光記録媒体を提供することができる。
本発明の光記録媒体の製造方法は、少なくとも第1の基板と記録層とを有する第1の積層体と、少なくとも第2の基板を有する第2の積層体とを貼り合わせる工程を有する光記録媒体の製造方法であって、前記第1の基板に記録層を形成してから、第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせるまでの間及び貼り合わせた後に熱処理工程を少なくとも2回設けたことを特徴としている。
以下、先ず、本発明の光記録媒体の製造方法により製造される光記録媒体について説明する。
<光記録媒体>
本発明に係る光記録媒体は、貼り合わせ型の光記録媒体、すなわち、DVD±R、HD DVDなどDVD構成の光記録媒体に適用することができる。
本発明の光記録媒体においては、第1の積層体は、少なくとも第1の基板と記録層とを有し、その他、必要に応じて、反射層、中間層、保護層を設けることができる。また、第2の積層体は、少なくとも第2の基板を有する。第2の積層体は第2の基板のみからなる構成でもよく、この場合、単層ということで、厳密には積層体ではないが、本明細書においては便宜上積層体と呼ぶ。いずれにしても、第1の積層体と第2の積層体とは、第1の積層体の記録層側に第2の積層体が位置するように貼り合わせる。
以下、DVD−R等の光記録媒体を例に、本発明に使用される上記基板および各層について説明する。なお、層構成や材料等は、単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
[基板(第1の基板、第2の基板)]
基板としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましく、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。
第1の基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。
プリグルーブのトラックピッチは、280〜900nmの範囲とすること好ましく、300〜850nmとすることがより好ましい。また、プリグルーブの深さ(溝深さ)は、15〜160nmの範囲とすることが好ましく、25〜150nmとすることがより好ましい。さらに、プリグルーブの半値幅は、50〜400nmの範囲とすることが好ましく、100〜380nmとすることがより好ましい。
[記録層]
記録層に用いる色素は特に限定されないが、使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。
記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜200nmの範囲にある。
[反射層]
反射層には、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
[保護層]
反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光記録媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を記録層を内側にして貼り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層の材料としては、SiO2、MgF2、SnO2、Si34などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を用いることができる。保護層の層厚は、一般には0.1〜100μmの範囲にある。
また、反射層と記録層との間に、記録層の特性に応じて、例えば、記録層との接着性向上のための光透過層を設けてもよい。
光透過層としては、レーザー波長で90%以上の透過率があるものであれば如何なる材料をも使用することができる。
上記光透過層は、従来公知の方法により形成することができ、光透過層の厚さは、2〜50nmとすることが好ましい。
保護層は、水分の侵入やキズの発生を防止する。保護層を構成する材料としては、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、二酸化ケイ素等であることが好ましく、なかでも紫外線硬化樹脂であることが好ましい。該紫外線硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業社製の「SD−640」等の紫外線硬化樹脂を挙げることができる。また、SD−347(大日本インキ化学工業社製)、SD−694(大日本インキ化学工業社製)、SKCD1051(SKC社製)等を使用することができる。保護層の厚さは、1〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。
また、保護層が、レーザー光路として使用される層構成においては、透明性を有することが必要とされる。ここで、「透明性」とは、記録光および再生光に対して、該光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
<光記録媒体の製造方法>
以上の光記録媒体を製造し得る本発明の光記録媒体の製造方法について以下に詳述する。
[第1の基板、第2の基板の成形]
第1の基板、第2の基板の成形は、前述の基板材料を用い、射出成形、圧縮成形、又は射出圧縮成形によって行うことができる。また、スタンパーを油圧プレス機のモールディングダイスの片側に取り付け、溶融点付近まで加熱した樹脂をプレス加工することにより圧縮成形することもできる。
[記録層の形成]
記録層は、上記色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して色素溶液を調製し、次いでこの色素溶液を基板(第1の基板)のプリグルーブが形成された面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより形成される。
塗布法として、スピンコート法を適用する際の温度は、溶剤の速乾性、所望の色素膜厚(記録層の厚み)が得て、生産性を向上させる観点から、23℃以上とすることが好ましく、25℃以上とすることがより好ましい。温度の上限は特にないが、溶剤の引火点より低い温度とする必要があり、好ましく35℃とする。
また、記録物質等を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー、加温等の方法を適用することができる。
色素溶液を調製する際の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
褪色防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平2−300288号、同3−224793号、及び同4−146189号等の各公報に記載されている。
前記結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素100質量部に対して0.2〜20質量部、好ましくは、0.5〜10質量部、更に好ましくは1〜5質量部である。
塗布温度としては、20〜40℃であれば特に問題はないが、好ましくは25〜35℃、さらに好ましくは27〜33℃である。また、塗布時の相対湿度としは、20〜60%RHであればよく、好ましくは30〜50%RH、さらに好ましくは35〜45%RHである。
[反射層の形成]
反射層は、例えば、上記反射性物質を、蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。本発明においては、保存性を向上させる目的、或いは外観を変える目的で、反射層は上記材料を単層で積層してもよく、2種以上の材料を多層に積層してもよい。
[保護層の形成]
保護層は、無機物質の場合は、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により、有機物質の場合は、プラスチックフィルムのラミネート、溶剤に溶解した塗布液の塗布乾燥等により形成することができる。あるいは保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを、接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。
ディスクの反りを防止するため、塗布膜への紫外線の照射はパルス型の光照射器(好ましくは、UV照射器)を用いて行うことが好ましい。パルス間隔はmsec以下が好ましく、μsec以下がより好ましい。1パルスの照射光量は特に制限されないが、3kW/cm2以下が好ましく、2kW/cm2以下がより好ましい。
また、照射回数は特に制限されないが、20回以下が好ましく、10回以下がより好ましい
以上の光記録媒体の製造方法は、熱処理工程の存在を無視したものである。本発明においては、第1の基板を成型してから、第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせるまでの間及び貼り合わせた後に熱処理工程を少なくとも2回設ける。以下、熱処理工程について説明する。
[熱処理工程]
熱処理工程は、製造途中の光記録媒体に対して、所定の温度で所定の時間保持する工程である。少なくとも2回の熱処理工程を設けることで、基板に残留する歪みや応力を開放することができ、光記録媒体の完成時の機械特性を改善することができる。熱処理工程は、例えば、以下の時点で設けることが好ましい。
(1)成型した基板(第1の基板及び/又は第2の基板)冷却後
(2)色素塗布液を塗布した後
(3)反射層形成後
(4)第1の積層体と第2の積層体とを貼り合せた後
本発明においては熱処理工程を少なくとも2回設けるが、前記(1)〜(4)のすべての時点で設けることが好ましいが、2回の場合は、前記(1)と前記(2)、又は前記(2)と前記(3)の時点が挙げられ、中でも、(2)色素塗布液を塗布した後、及び(4)第1の積層体と第2の積層体とを貼り合せた後の時点の2回設けることが好ましい。
熱処理工程における温度と保持時間は、40℃以上で15分間以上とすることが好ましく、50℃以上で、15分以上とすることがより好ましく、60℃以上で、20分以上とすることがさらに好ましい。上限としては80℃で、180分であることが好ましい。
また、熱処理工程における雰囲気は湿度30%RH以下のドライの環境が好ましい。
本発明においては、熱処理工程を少なくとも2回設けるが、それぞれの工程における熱処理温度と保持時間を同じとしても、異ならせてもよい。
[第1の積層体と第2の積層体との貼り合わせ]
第1の積層体と第2の積層体との貼り合わせには、種々の接着剤を使用することができる。例えば、第1の基板側にある保護層上に紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業(株)製SD640等)をスピンコート法によって、20〜60μmの厚さに塗布して、接着層を形成する。形成した接着層上に、第2の基板を載置し、第2の基板上から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて貼り合わせる。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
射出成型機(住友重機械工業(株)製)を用いて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(溝深さ150nm、溝幅300nm、トラックピッチ0.74μm)および凹部を有する外径120mm、内径15mm、厚さ0.6mmの透明な第1の基板を作製した。同様にして、第2の基板を作製した。
作製した第1の基板及び第2の基板に対し、80℃で30分間保持し、熱処理を施した(熱処理工程)。
下記化学式で表わされる色素A0.25gおよび色素B0.06gをフッ素アルコール(2,2,3,3テトラフルオロプロパノール溶剤)30gに混合し、1時間超音波処理を施して溶解し、色素塗布液を調製した。
Figure 2006155801
・・・色素A
Figure 2006155801
・・・色素B
温度25℃、相対湿度45%RHにて、調製した色素塗布液をスピンコート法によって、前記第1の基板のグルーブが形成されている面に塗布し、80℃で30分間保持し熱処理を施し(熱処理工程)、厚さ80nmの記録層を形成した。
次いで、形成した記録層上に、DCマグネトロンスパッタにより銀をスパッタリングして、厚さ80nmの反射層を形成した。
以上のようにして記録層および反射層が形成された第1の基板(第1の積層体)をスピンコーターにセットし、UV硬化接着剤を前記反射層上に塗布し60rpmでスピンコートした。そして、第1の基板上に第2の基板(第2の積層体)をかぶせ、さらに4400rpmで回転させてUV硬化接着剤を2枚の基板の間に充填した。
貼り合わせ後の基板を別のターンテーブルに移し、該ターンテーブルとともにUV照射部に移動させUV光を照射してUV硬化接着剤を硬化させ、2枚の基板を接着して光ディスク(光記録媒体)を作製した。
[実施例2]
実施例1における2回の熱処理工程を、色素塗布液を塗布した後、及び第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせた後の時点に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2の光記録媒体を作製した。
[実施例3]
実施例1における2回の熱処理工程を、第1の基板及び第2の基板成形後(冷却後)、色素塗布液を塗布した後、及び第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせた後の時点に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の光記録媒体を作製した。
[比較例1]
実施例1における2回の熱処理工程のうち、第1の基板及び第2の基板成形後(冷却後)の時点の熱処理工程を取り止めたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の光記録媒体を作製した。
[比較例2]
実施例1における2回の熱処理工程のうち、色素塗布液を塗布した後の時点の熱処理工程を取り止めたこと以外は実施例1と同様にして比較例2の光記録媒体を作製した。
[比較例3]
実施例1における2回の熱処理工程を取り止め、代わりに、第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせた後の時点に熱処理工程を設けたこと以外は実施例1と同様にして比較例3の光記録媒体を作製した。
[評価]
前記各実施例1〜3及び比較例1〜3の光記録媒体の以下の(1)〜(3)の特性について、ジャパンEM製、DLD4000機械特性評価装置を用いて評価した。結果を表1に示す。
(1)面振れ量の最大値平均(n=10)
(2)ラジアルチルト(R−tilt)の最大値平均(n=10)
(3)タンジェンシャルチルト(T−tilt)の最大値平均(n=10)
Figure 2006155801
表1より、実施例1〜3の光ディスクは、比較例1〜3の光ディスクと比較して、機械特性が良好で、特に、面振れ量及びタンジェンシャルチルトが良化していることが分かる。

Claims (2)

  1. 少なくとも第1の基板と記録層とを有する第1の積層体と、少なくとも第2の基板を有する第2の積層体とを貼り合わせてなる光記録媒体の製造方法であって、
    前記第1の基板を成型してから、前記第1の積層体と前記第2の積層体とを貼り合わせるまでの間及び貼り合わせた後に熱処理工程を少なくとも2回設けることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 前記熱処理工程が、40℃以上の温度を15分間以上保持する工程であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造方法。
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