JP2005008216A - 紙製容器用補助底板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙製の容器の底面に両面接着テープ5等適宜手段で接着固定される補助底板3であって、容器本体1の底面形状と略同一となる平面形状の発泡スチロール製平板からなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダンボール箱や木質繊維を固めて円筒状にした、いわゆるファイバードラム等の紙製容器に関し、紙製であることによる欠点を補ったり利便性を高めるために、容器底面に取り付ける補助底板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種物品の輸送や保存のため、紙製の容器であるダンボール箱が一般的に用いられ、これらのダンボール箱は、その矩形状の外形を利用して、倉庫や輸送車輌内に積み重ねられて横及び上下方向に詰め込まれることにより空間を有効利用できると共に、使用しない時は折り畳んで平板状とし嵩張らず、更に、廃棄の際は古紙として処分したり焼却でき環境を汚染しないメリットがある。
【0003】
また、近年、金属製のペール缶に代わり、本体を剛性を有する木質繊維(ファイバー)からなる紙製とした、いわゆるファイバードラムが用いられてきており、ダンボール箱では不可能であった各種粉体や粒状体をそのまま収納することができる。
【0004】
このファイバードラムは、本体が軽量な紙製であるので、金属製のペール缶より軽く取り扱いが容易であり、又、廃棄する際には、ダンボール箱と同様、潰して古紙として処分したり焼却できるので環境を汚染しないというメリットがある。
【0005】
また、比較的剛性があるため、金属製のペール缶と同様、ある程度の積み上げ保存が可能であり、積み重ねた場合のドラム同志の位置ずれを防止するため上蓋及び底蓋に係合部を設けて上下各ドラムが係合する工夫をしたものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−301369号公報(図1、図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ダンボール箱やファイバードラム等の紙製容器は、材料の紙が吸水性を有しており、吸水により強度の低下や破れ裂け等の破損を生じることがあるので、通常、水に濡れることがない場所や環境で使用されている。
【0008】
しかし、雨水の浸入や不注意により、倉庫や輸送車輌の床が濡れてしまうことがあり、その場合、積み重ねられた最下段の紙製容器が吸水してしまい、容器を移動する際に吸水部分が破損して収納物が容器から出てしまう事故が生じることになる。
【0009】
また、輸送中の車輌、船舶の振動や揺れ、あるいは倉庫で保管中であっても地震の揺れ等によって上下に重ねられたダンボール箱やファイバードラムが位置ずれを起こし、場合によっては荷くずれを起こすという問題があった。
【0010】
もちろん、特許文献1のように、上下のファイバードラムを蓋の部分で係合させて位置ずれを防止する手段もあるが、蓋の加工が必要であり高コストとなり、又、一般的なファイバードラムやダンボール箱には適用できないという問題があった。
【0011】
そこで、この発明は、紙製容器を用いた場合に、床面が濡れていても容器本体が吸水して破損することがないように、又、積み重ねによる保管や輸送の際に容器同志が位置ずれを起こすことがないようにするための補助具を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、紙製の容器の底面に適宜手段で接着固定される補助底板であって、容器底面形状と略同一となる平面形状の発泡スチロール製平板からなる紙製容器補助底板である。
【0013】
ここで言う紙製の容器とは、前に挙げたダンボール箱やファイバードラム等を言うが、これらに限定されるものではなく、紙で形成された容器一般を示すものである。
【0014】
これらの紙製容器の底面に適宜手段(例えば補助底板側に設けた両面接着テープ等)で接着固定される補助底板は、発泡スチロール製であり水をはじいて吸水しないので、床面が濡れていても紙製容器の底板まで水が浸透しない。
【0015】
また発泡スチロールは表面摩擦抵抗が大きいので、この補助底板を取付けた紙製容器を積み重ねた時、紙製容器上面と、その上に重ねられた紙製容器の補助底板の発泡スチロールとの間の表面摩擦抵抗により、振動や揺れによって容器同志が位置ずれを起こすことが無くなる。
【0016】
なお、補助底板の形状、大きさは、使用する紙製容器の底面形状に合わせて(例えば、ダンボール箱は四角形、円筒状ファイバードラムは円形)、略同一の大きさであれば良いが、並べて置いた時に隣の容器の補助底板と干渉しないように容器底面形状より若干小さい方が好ましい。
【0017】
また、補助底板の厚さは特に限定されないが、薄すぎると床面の水に対しての防水効果が低くなり、又、厚くすぎると積み重ねた時に上下方向のスペースを取りすぎることとなるので3cm程度、容器の大きさとのバランスによっては1cm〜5cmのうちから適当な厚みを選べば良い。
【0018】
また、発泡スチロールの発泡率は強度を損なわない範囲で特に限定されず、例えば約30倍程度でも良く、更に、その強度を損なわない程度に、上下貫通の貫孔、表面凹部、側面切欠部等を1つ又は複数箇所設けるようにしても良い。
【0019】
次に、請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、柱状体形状で上面中央に取手が設けられた紙製容器に用いられる補助底板であって、中央部に上下貫通の貫孔が設けられた構成を採用したものである。
【0020】
柱状体形状の紙製容器とは、主にファイバードラム等の筒状体に上下に蓋を設けて構成されるものがあり、これらは上蓋の中央部に上蓋取り外し取り付け用の取手が設けられていることが多く、この取手が、積み重ねする際に上に重ねた容器底面と接触・干渉することにより積み重ねを不安定にすることが多いが、この請求項2の発明のように中央に貫孔が設けられていれば、取手は、上に積み重ねられた容器の補助底板の貫孔内に入り込み、容器底面と接触・干渉することが無い。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0022】
図1(A)はこの発明の補助底板を取付けた紙製容器を示すものであり、この実施形態では、紙製容器としてファイバードラムを使用しており、容器は、ファイバードラム本体1と、ファイバードラム本体1の上部開口を閉鎖する蓋2とで構成されている。
【0023】
ファイバードラム1の寸法は、この実施形態では収納物を収納した状態で人力で取扱える程度の大きさで、例えば直径約300mm、高さ約410mmの円筒形状であり、紙(ファイバー)の厚みは、側面の胴板部分で約0.15mm、底板部分で約0.2mm程度であるが、この大きさや材料の厚みに限定されるものではなく、紙製容器の剛性が確保できれば、大型で1トン程度の収納容量があるものであっても良い。
【0024】
ファイバードラム本体1の底面に接着固定される補助底板3は、ファイバードラム本体1の底面の寸法より若干小さ目とし、直径約280mm、厚さ約30mmの発泡スチロール製であり、その中央部には強度を損なわない程度の直径約150mmの貫孔4が設けられている。
【0025】
この補助底板3とファイバードラム本体1の底面との接着固定は、図1(B)の取付前の補助底板3の斜視図に示すように、その上面の4箇所に設けられた両面接着テープ5により行なわれる。
【0026】
当該補助底板3が接着固定されたファイバードラムは、載置された床面が水で濡れていても、補助底板3の厚み分だけファイバードラムが底面から離れ、かつ、補助底板3の材質である発泡スチロールは吸水しないので、ファイバードラムが水に濡れて本体1が破損したりすることが無い。
【0027】
図2は、補助底板3を接着固定したファイバードラムを積み重ねた状態を示すものであり、最下段のファイバードラムを除く各ファイバードラムは、その下部の補助底板3が下段のファイバードラムの蓋2上面と重なり合い、その発泡スチロールの高い表面摩擦により上下段のファイバードラムの位置ずれを防止する。
【0028】
なか、ファイバードラムの蓋2は、通常、その周辺部の厚みが厚くなっていることにより、周辺部を除く部分が凹部6を形成しており、補助底板3全体が図示のように蓋2の凹部6に嵌り込むことにより、積み重ねられたファイバードラム同志の固定がより強固になる。
【0029】
図3は、請求項2の発明の実施形態を示す分解斜視図であり、この実施形態のファイバードラムは、その蓋2の中央部に蓋を手で取り付け、取り外しする際の利便性を考慮して取手7が設けられている。
【0030】
また、補助底板3は、先の実施形態で示したものと同一のものであり、説明を省略する。
【0031】
このファイバードラム1をそのまま積み重ねた場合、蓋2の取手7が厚みがあると、たとえ蓋2の凹部6があっても取手7と上に重ねたファイバードラムの底面とがその中央部で接触してしまい、上側のファイバードラムが不安定となり、少しの振動や揺れで荷くずれを起こす可能性がある。
【0032】
しかし、図示のようにファイバードラム本体1の底部に補助底板3を両面接着テープ5により接着固定しておけば、ファイバードラムを積み重ねた時、蓋2の取手7は上に重ねられたファイバードラムに取付けられた補助底板3の貫孔4内に入り込み、貫孔4内では補助底板3の厚み分だけ下側の蓋2と上側のファイバードラムの底面とが離れることになり、取手7とファイバードラム底面が接触することが無くなる。
【0033】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特に紙製容器は円筒形のファイバードラムに限定されず、ダンボール箱やその他紙製で水分を嫌う容器一般に適用できるものである。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、紙製容器の底面に発泡スチロール製の補助底板を取付けることで、床が水で濡れていても紙製容器本体まで濡れてしまうことを防ぎ、紙製容器の吸水による破損を防ぐことができる。
【0035】
また、紙製容器を積み合ねた時、発泡スチロールの表面摩擦抵抗により振動や揺れによる容器の位置ずれを防ぐこともでき、特に、特許文献1のように上下段の容器の係合部を合わせる必要もなく単に積み重ねるだけですべり止め効果を発揮できる。
【0036】
更に上面蓋部に取手を設けた紙製容器においては、補助底板に貫孔を設けておくことにより、取手とその上に重ねられた容器底面や補助底板と接触・干渉することが無い。
【0037】
また、補助底板は発泡スチロール製であるので軽量であり、使用後は紙製容器から取り外すことにより、紙製容器は古紙として再利用したり焼却し、補助底板は再使用することができ、補助底板自体を廃棄する時は、容器内の緩衝材として一般に用いられている発泡スチロールと同じ材料であり、それらと同一ルートで処分することができるメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は補助底板を取付けたファイバードラムの斜視図、(B)は補助底板の斜視図。
【図2】補助底板を取付けたファイバードラムを積み重ねた状態を示す正面図。
【図3】蓋に取手が設けられたファイバードラムを積み重ねた状態の分解斜視図。
【符号の説明】
1 ファイバードラム本体
2 蓋
3 補助底板
4 貫孔
5 両面接着テープ
6 凹部
7 取手
Claims (2)
- 紙製の容器の底面に適宜手段で接着固定される補助底板であって、容器底面形状と略同一となる平面形状の発泡スチロール製平板からなることを特徴とする紙製容器用補助底板。
- 柱状体形状で上面中央に取手が設けられた紙製容器に用いられる補助底板であって、中央部に上下貫通の貫孔が設けられたことを特徴とする請求項1記載の紙製容器用補助底板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003174418A JP2005008216A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 紙製容器用補助底板 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003174418A JP2005008216A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 紙製容器用補助底板 |
Publications (1)
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JP2005008216A true JP2005008216A (ja) | 2005-01-13 |
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JP2003174418A Pending JP2005008216A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 紙製容器用補助底板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005008216A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105564779A (zh) * | 2014-10-17 | 2016-05-11 | 丹阳市华丰精密配件厂 | 易开启且防潮纸箱 |
CN110937251A (zh) * | 2019-12-03 | 2020-03-31 | 徐州喜甜果商贸有限公司 | 一种防潮仓储柜 |
KR20210037963A (ko) * | 2019-09-30 | 2021-04-07 | (주)버드리 | 오염 제거 분리막을 구비하는 용기 |
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2003
- 2003-06-19 JP JP2003174418A patent/JP2005008216A/ja active Pending
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