JP2005007982A - 車両のシートスライド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロック機構を構成するラッチレバーを付勢するための棒状ばねを位置決めする。
【解決手段】ラッチレバー8には、回動軸19,20を中心とする所定半径の円の円周上にロアレール1に係合させるロック爪7を設け、前記円の円周方向でのロック爪7とは反対側に棒状ばね11の中間部が係合するバネ掛け部17を設け、当該バネ掛け部17は前記円の接線方向でアッパレール2に形成した天井部2fと側部2eとの屈曲部と略対向する位置に配置されており、棒状ばね11は、略くの字形を有する棒状であって、両端部をアッパレール2の屈曲部に当接させると共に中間部をバネ掛け部17に当接させており、棒状ばね11の中間部には一対の突出部11aを設け、一対の突出部11aの間に配置される第2受け部17bをバネ掛け部17に設け、棒状ばね11をその長さ方向で位置決めする。
【選択図】 図1
【解決手段】ラッチレバー8には、回動軸19,20を中心とする所定半径の円の円周上にロアレール1に係合させるロック爪7を設け、前記円の円周方向でのロック爪7とは反対側に棒状ばね11の中間部が係合するバネ掛け部17を設け、当該バネ掛け部17は前記円の接線方向でアッパレール2に形成した天井部2fと側部2eとの屈曲部と略対向する位置に配置されており、棒状ばね11は、略くの字形を有する棒状であって、両端部をアッパレール2の屈曲部に当接させると共に中間部をバネ掛け部17に当接させており、棒状ばね11の中間部には一対の突出部11aを設け、一対の突出部11aの間に配置される第2受け部17bをバネ掛け部17に設け、棒状ばね11をその長さ方向で位置決めする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートスライド装置に関し、シートを前後へスライドさせた状態でロックするロック機構に用いられるバネ部材を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車用シートにおいては、シートレイアウトの多様化が求められており、フロントシートだけでなくセカンドシートやサードシート等にもシートスライド装置が設けらている。そして、ここで採用されるシートスライド装置は、車両の床面に埋め込まなければならなかったり、狭いスペースに設置しなければならない等、多くの制約のある条件下での設置が求められている。
【0003】
このため、このような厳しい条件下での設置を実現するため、従来は、車両のフロアに固定されたロアレールに、シートに固定されたアッパレールがスライド自在に組み付けられると共に、ロアレールに対するアッパレールのスライド位置を変更してロックするロック機構が設けられ、このロック機構がロアレールとアッパレールとの間の狭い空間に配置されて車両のシートスライド装置が構成されている。
【0004】
前記ロック機構は、アッパレールに回動自在に取り付けられたラッチレバーをバネ部材を介して付勢し、ラッチレバーのロック爪をロアレールに取り付けられたロックプレートの嵌合孔に嵌合することで、ロアレールに対してアッパレールをロックするようになっている。
【0005】
ここで、ラッチレバーを付勢するバネ部材は、その両端部をアッパレールに当接させ、中間部はラッチレバーの回動中心から離れた位置に係合させている。そして、バネ部材が撓んだ状態ではバネ部材の両端の位置がバネ部材の長さ方向へ変動するので、バネ部材の位置決めを行なうために、アッパレールにはバネ部材の一端を固定する取付孔とバネ部材の他端をガイドする係合長孔を形成した構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。また、バネ部材の両端部には屈曲部を形成し、アッパレールには当該屈曲部を嵌め込む長孔状の引っ掛かり穴を形成した構成のものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−154356号公報([0013]、図7・図9)
【0007】
【特許文献2】
特開2002−200934号公報([0015]、図2・図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、バネ部材の両端を係合させるためにアッパレールに加工を施さなければならず、生産コストが高くなってしまう。また、バネ部材をアッパレールに組み付ける際にはバネ部材の両端部が取付孔等に係合する構成にすることが必要になり、組み付け性が悪い。
【0009】
そこで本発明は、バネ部材の両端を規制することなく、バネ部材の中間部のみがラッチレバーに対して位置決めされるようにした車両のシートスライド装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の構成は、ラッチレバーには、回動軸を中心とする所定半径の円の円周上にロアレールに係合させるロック爪を設け、当該ロック爪とは反対側にバネ部材が係合するバネ掛け部を設け、当該バネ掛け部は前記円の接線方向で前記アッパレールに形成した屈曲部と略対向する位置に配置されており、バネ部材は、略くの字形を有する棒状であって、両端部をアッパレールの屈曲部に当接させると共に中間部をバネ掛け部に当接させており、バネ掛け部とバネ部材の中間部とのうちのいずれか一方に一対の拘束部を設け、他方には一対の拘束部の間に配置される係止部を設けたことを特徴とする。
【0011】
この発明では、相互に対向するように設けたアッパレールの屈曲部とバネ掛け部との間に略くの字形を有する棒状のバネ部材を配置したので、バネ部材の組み付けが容易に行なえると共に、バネ部材の両端部がアッパレールの屈曲部から移行してしまうことがない。また、一対の拘束部の存在によりアッパレールの長手方向への係止部の移動が拘束されるので、ラッチレバーのバネ掛け部に対して、バネ部材が相対的に移動することができず、これによってバネ部材の位置決めがなされる。
【0012】
請求項2に係る発明の構成は、請求項1において、バネ掛け部は、バネ部材を受け止めるために略Y字状に形成された一対の受け部で構成され、一対の受け部のいずれかを係止部とし、一対の拘束部としてバネ部材の中間部に一対の突出部を形成したことを特徴とする。
【0013】
この発明では、ラッチレバーのバネ掛け部を、略Y字状に形成された一対の受け部で構成したので、受け部を小さく形成してもラッチレバーの作動範囲においてバネ部材がラッチレバーのバネ掛け部から外れることはない。また、バネ部材に一対の突出部を形成するのに、棒状のバネ部材を曲げ形成すればよく、成形が容易である。
【0014】
請求項3に係る発明の構成は、請求項1または2において、アッパレールは、ラッチレバーが回動可能に支持される略水平な天井部と、当該天井部の左右両側に略直角に下方へ伸びる一対の側部とを備え、一方の側部へ向かって前記ラッチレバーのロック爪が付勢されるように、他方の側部と天井部との間の屈曲部にバネ部材の両端を当接させたことを特徴とする。
【0015】
この発明では、狭い空間に設けた棒状のバネ部材により、ラッチレバーを効率よく付勢できる。また、アッパレールの側部と天井部との間の屈曲部にバネ部材の両端を当接させるため、バネ部材の両端を位置決めするための構成をアッパレールに別個に設ける必要がない。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明による車両のシートスライド装置の分解斜視図であり、図2,図3,図7はシートスライド装置の部分断面側面図、図4〜図6はシートスライド装置の長手方向と交差する方向の断面図を夫々示している。
【0018】
図1に示すように、シートスライド装置は、車両のフロアに固定されるロアレール1と、シートの左右の下端に取り付けられるアッパレール2とを備え、ロアレール1に対してアッパレール2が、リテーナ3に保持されたローラ4とガイドボール5とを介して長さ方向へスライド自在となっている。
【0019】
具体的には、ロアレール1の断面形状は、開口部が上向きの略コ字状の基本断面部の上端に内側へ屈曲した内曲げ部1aを夫々延設して構成され、アッパレール2の断面形状は、同様に開口部が下向きの略コ字状の基本断面部の下端に外側へ曲げた外曲げ部2aを夫々延設して構成されている。そして、アッパレール2は、各外曲げ部2aとそれに対峙する側部2b,2eとで、ロアレール1の内曲げ部1aを挟み込むようにして組み付けられている。前記リテーナ3はロアレール1とアッパレール2との間にフリー状態で組み入れられ、リテーナ3に保持されたローラ4はアッパレール2の外曲げ部2aの下面を支持し、ガイドボール5はアッパレール2の外曲げ部2aの側面をガイドする。
【0020】
このように構成されたロアレール1とアッパレール2との間には、ロアレール1に沿ってアッパレール2をスライドさせた後に固定するためのロック機構6が設けられている。このロック機構6は、ラッチレバー8と、爪支持プレート12と、ロックプレート10と、で構成される。ラッチレバー8と爪支持プレート12とがアッパレール2に結合されており、ロックプレート10はロアレール1に結合されている。回動するラッチレバー8のロック爪7を、爪支持プレート12の支持孔14に係合させた後にロックプレート10の嵌合孔9に係合させることで、アッパレール2がロアレール1に対して固定される。
【0021】
前記ラッチレバー8は略コの字形状に形成され、コの字形状の対向する2辺が、一対の支持ブラケット16を介して長手方向の回動軸の回りに回動自在にアッパレール2に設けられている。そして、ラッチレバー8の一方の辺には入力アーム18が一体に形成されており、この入力アーム18を介して外部からラッチレバー8に操作力が入力される。図4,図5にも示すように、ラッチレバー8の対向する2辺を連結する部分には、後述する回動軸19,20を中心とする所定半径の円の円周上の一方側に複数のロック爪7が形成され、他方側にはバネ掛け部17が形成されている。バネ掛け部17は、2片の第1受け部17aと1片の第2受け部17bとを、棒状ばね11の中間部を受け止めるように略Y字状に形成したものであり、第1受け部17aと第2受け部17bとは相互に略90度をなしている。前記のように、この一対の受け部17a,17bからなるバネ掛け部17は、ラッチレバー8の回動軸19,20を中心とする所定半径の円の円周上に配置されており、バネ掛け部17は、この円の接線方向において、アッパレール2の天井部2fと側部2eとの間の屈曲部と対向するように設けられている。
【0022】
前記一対の支持ブラケット16は、爪支持プレート12と共にアッパレール2の天上部2fに固定されている。即ち、支持ブラケット16から立ち上がる嵌合片16aを爪支持プレート12の嵌合孔12aおよびアッパレール2の天井部2fの嵌合孔2cに嵌合させた後に嵌合片16aを加熱して加圧・変形させることで、支持ブラケット16および爪支持プレート12の双方がアッパレール2に結合されている。そして、一対のブラケット16の相互に対向する鉛直部にはエンボス成形によって回動軸19,20が突設され、前記ラッチレバー8の孔8aに回動軸19,20を挿入することで、ラッチレバー8はアッパレール2の長手方向の回動軸19,20の回りに回動自在に支持されている。
【0023】
前記爪支持プレート12は、相互に離間した一対の取付部12b,12bと、これらの取付部12b,12bから取付部間を繋ぐように延設された鉛直部12cと、で構成され、アッパレール2の天上部2fの長手方向の略中央部に、取付部12b,12bの部分が取り付けられ、鉛直部12cがアッパレール2の一方の側部2bに若干偏寄するように配置されている。この鉛直部12cの下部には、ラッチレバー8のロック爪7を挿入するための支持孔14が、アッパレール2の長手方向に沿って複数形成されている。
【0024】
前記ラッチレバー8のロック爪7がロックプレート10の嵌合孔9に係合する方向へ、ラッチレバー8を回動させるために、棒状ばね(バネ部材)11が設けられている。棒状ばね11は、全体が略くの字形状であり、棒状ばね11の両端は略直角に曲げられており、曲げられた部分は円弧状になっている。棒状ばね11の中央部には、ラッチレバー8における第2受け部17bに対する位置決めを行なうために、ラッチレバー8の第2受け部(係止部)17bを、棒状ばね11の長さ方向から挟持する一対の突出部(拘束部)11aが形成されている。
【0025】
棒状ばね11は、その両端部がアッパレール2の天上部2fと側部2eとが交わる屈曲部の内側に当接し、その中央部が2片の第1受け部17aと1片の第2受け部17bとが略Y字状に形成されたバネ受け部17に当接し、ラッチレバー8のロック爪7をアッパレール2の一方の側部2bへ向かって常時付勢している。そして、棒状ばね11の一対の突出部11aが第2受け部17bを、棒状ばね11の長さ方向から挟持しているので、棒状ばね11がその長さ方向へ移動することはない。
【0026】
ロックプレート10は、長手方向の両端部を除くほぼ全域が断面略L字状に形成されると共に、ロアレール1の長手方向の所定範囲に亙るようにように長尺に形成されている。このロックプレート10におけるL字の一方の辺を成す基部10aは、ロアレール1の底面の幅方向略中央部に長さ方向の複数箇所をスポット溶接やプロジェクション溶接等によって結合され、基部10aの長手方向の両端部にはアンカー領域が設けられている。そのアンカー領域にはレール固定用のボルト22が挿通され、ロアレール1を車両のフロアに固定するときに、そのアンカー領域がボルト22によってフロアに結合される。
【0027】
ロックプレート10におけるL字の他方の辺を成す鉛直部10bには、前述の嵌合孔9が長手方向に亙って複数形成されており、図4に示すように鉛直部10bは前記爪支持プレート12の鉛直部12cとアッパレール2の一方の側部2bとの間に配置されている。鉛直部10bの嵌合孔9はラッチレバー8のロック爪7が挿入嵌合される部分であるため、隣接する嵌合孔9,9間のピッチはロック爪7のピッチと同じになっている。
【0028】
ロックプレート10における基部10aの後端部には基部10aを屈曲させることで傾斜部23が形成されている。この傾斜部23は、ライタ等がロアレール1の中に落下した後にアッパレール2が後退してライタ等を後方へ押し出した場合でも、ライタ等がボルト22の頭部に引っ掛かることなくボルト22の頭部を乗り越えるようにするために形成したものである。
【0029】
また、図4に示すようにアッパレール2の一方の側部2bのうちの、爪支持プレート12の支持孔14に対峙する位置には、ロックプレート10の鉛直部10bに近接する方向に窪む窪み部25が設けられ、その窪み部25に、支持孔14に対応するように同様の支持孔26が形成されている。この窪み部25の支持孔26は、ロック時に、ロック爪7の先端部が挿入係合される部分であり、爪支持プレート12の支持孔14と共にロック爪7を支持する第2の爪支持部を構成している。
【0030】
アッパレール2の軸方向略中央には天上部2fと一方の側部2bとに跨るように切欠き2dが形成され、ラッチレバー8の入力アーム18がその切欠き2dを通してレール2の外部に僅かに突出している。そして、アッパレール2側には図示しない支持ブラケット等を介して操作レバー28のホルダー29が揺動自在に軸支され、そのホルダー29の後端部の操作片29aによって前記入力アーム18が上下方向に揺動操作されるようになっている。したがって、操作レバー28の先端が上方側に揺動操作されると、操作片29aが入力アーム18を下方へ押し下げ、それによって棒状ばね11の付勢力に抗して、ラッチレバー8がロックプレート10を開放する方向へ回動される。
【0031】
シートの他方の側部にも同様のシートスライド装置が配置されており、そのシートスライド装置にも操作レバー28の他端側が同様に連結され、操作レバー28の操作力が同様に他端側のシートスライド装置にも伝達される。したがって、シートの左右のロック機構6は常に連動して同時に操作される。
【0032】
このシートスライド装置は以上のような構成であるため、シートが任意のスライド位置でロックされているときには、図4に示すようにラッチレバー8が棒状ばね11の付勢力を受けてロックプレート10へ向かって回動変位しており、このとき、ラッチレバー8のロック爪7は、爪支持プレート12の支持孔14、ロックプレート10の嵌合孔9、アッパレール2の支持孔26の三者に挿通されている。
【0033】
この状態からシートを前後方向での異なる位置に変更する場合には、操作レバー28の先端を上方に回動操作し、ラッチレバー8を図5に示すように棒状ばね11の付勢力に抗して回動させ、それによってラッチレバー8のロック爪7を支持孔26・嵌合孔9・支持孔14の三者から引き抜き、シートの自由なスライドを可能にする。この状態においてシートのスライド位置を任意位置に変更し、その後に操作レバー28を開放する。すると、ラッチレバー8が棒状ばね11の付勢力によって元の状態に復帰し、ロック爪7が支持孔14・嵌合孔9・支持孔26の三者に挿通され、シートが再び固定される。
【0034】
操作レバー28を回動操作してラッチレバー8を図5に示すように棒状ばね11の付勢力に抗して回動させ、その後に操作レバー28を開放するという操作を繰り返すことになり、ラッチレバー8が回動する際に棒状ばね11が伸縮するが、棒状ばね11の中間部に形成された一対の突出部11aが第2受け部17bを挟んでいるので、棒状ばね11は棒状ばね11の長さ方向へ移動することはなく、常に同じ位置に位置決め保持される。
【0035】
相互に対向するように設けたアッパレール2の屈曲部とバネ掛け部17との間に略くの字形を有する棒状バネ11を配置したので、棒状バネ11の組み付けが容易に行なえると共に、棒状バネ11の両端部がアッパレール2の屈曲部から移行してしまうことがない。また、一対の突出部11aの存在によりアッパレール2の長手方向への受け部17bの移動が拘束されるので、ラッチレバー8のバネ掛け部17に対して、棒状バネ11が相対的に移動することができず、これによって棒状バネ11の位置決めがなされる。
【0036】
ラッチレバー8のバネ掛け部17を、略Y字状に形成された一対の受け部17a,17bで構成したので、受け部17a,17bを小さく形成してもラッチレバー8の作動範囲において棒状バネ11がラッチレバー8のバネ掛け部17から外れることはない。また、棒状バネ11に一対の突出部11aを形成するのに、棒状バネ11を曲げ形成すればよく、成形が容易である。
【0037】
なお、本実施例ではラッチレバーのバネ掛け部を両側から挟む一対の突出部をバネ部材の中間部に設けたが、逆にバネ部材の中間部を挟む一対の突出部をラッチレバーのバネ掛け部に形成するようにしてもよい。更に、ラッチレバーのバネ掛け部とバネ部材の中間部とのうちのいずれか一方には周囲に拘束部を形成することになる孔を形成し、他方には係止部に相当する突出部を形成し、孔に突出部を遊嵌する構成にしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明による車両のシートスライド装置によれば、相互に対向するように設けたアッパレールの屈曲部とバネ掛け部との間に略くの字形を有する棒状のバネ部材を配置したので、バネ部材の組み付けが容易に行なえると共に、バネ部材の両端部がアッパレールの屈曲部から移行してしまうことがない。また、ラッチレバーのバネ掛け部とバネ部材の中間部とのうちのいずれか一方に一対の拘束部を設け、他方には一対の拘束部の間に配置されて移動を拘束される係止部を設けたので、一対の拘束部の存在により係止部の移動が拘束され、ラッチレバーのバネ掛け部に対して、バネ部材が相対的に移動することができず、これによってバネ部材の位置決めが確実に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両のシートスライド装置の実施の形態を示す分解斜視図。
【図2】実施の形態に係り、シートを最も後方にスライドさせた状態を示す説明図。
【図3】実施の形態に係り、図2の要部の拡大図。
【図4】図3のA−A矢視図であり、ロック状態を示す。
【図5】図3のA−A矢視図であり、ロック解除の状態を示す。
【図6】図3のB−B矢視図。
【図7】実施の形態に係り、シートを最も前方にスライドさせた状態を示す説明図。
【符号の説明】
1…ロアレール
2…アッパレール
2b,2e…側部
2f…天井部
6…ロック機構
7…ロック爪
8…ラッチレバー
11…棒状ばね
11a…突出部
17…バネ掛け部
17a…第1受け部
17b…第2受け部
19,20…回動軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートスライド装置に関し、シートを前後へスライドさせた状態でロックするロック機構に用いられるバネ部材を改良したものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車用シートにおいては、シートレイアウトの多様化が求められており、フロントシートだけでなくセカンドシートやサードシート等にもシートスライド装置が設けらている。そして、ここで採用されるシートスライド装置は、車両の床面に埋め込まなければならなかったり、狭いスペースに設置しなければならない等、多くの制約のある条件下での設置が求められている。
【0003】
このため、このような厳しい条件下での設置を実現するため、従来は、車両のフロアに固定されたロアレールに、シートに固定されたアッパレールがスライド自在に組み付けられると共に、ロアレールに対するアッパレールのスライド位置を変更してロックするロック機構が設けられ、このロック機構がロアレールとアッパレールとの間の狭い空間に配置されて車両のシートスライド装置が構成されている。
【0004】
前記ロック機構は、アッパレールに回動自在に取り付けられたラッチレバーをバネ部材を介して付勢し、ラッチレバーのロック爪をロアレールに取り付けられたロックプレートの嵌合孔に嵌合することで、ロアレールに対してアッパレールをロックするようになっている。
【0005】
ここで、ラッチレバーを付勢するバネ部材は、その両端部をアッパレールに当接させ、中間部はラッチレバーの回動中心から離れた位置に係合させている。そして、バネ部材が撓んだ状態ではバネ部材の両端の位置がバネ部材の長さ方向へ変動するので、バネ部材の位置決めを行なうために、アッパレールにはバネ部材の一端を固定する取付孔とバネ部材の他端をガイドする係合長孔を形成した構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。また、バネ部材の両端部には屈曲部を形成し、アッパレールには当該屈曲部を嵌め込む長孔状の引っ掛かり穴を形成した構成のものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−154356号公報([0013]、図7・図9)
【0007】
【特許文献2】
特開2002−200934号公報([0015]、図2・図4)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、バネ部材の両端を係合させるためにアッパレールに加工を施さなければならず、生産コストが高くなってしまう。また、バネ部材をアッパレールに組み付ける際にはバネ部材の両端部が取付孔等に係合する構成にすることが必要になり、組み付け性が悪い。
【0009】
そこで本発明は、バネ部材の両端を規制することなく、バネ部材の中間部のみがラッチレバーに対して位置決めされるようにした車両のシートスライド装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の構成は、ラッチレバーには、回動軸を中心とする所定半径の円の円周上にロアレールに係合させるロック爪を設け、当該ロック爪とは反対側にバネ部材が係合するバネ掛け部を設け、当該バネ掛け部は前記円の接線方向で前記アッパレールに形成した屈曲部と略対向する位置に配置されており、バネ部材は、略くの字形を有する棒状であって、両端部をアッパレールの屈曲部に当接させると共に中間部をバネ掛け部に当接させており、バネ掛け部とバネ部材の中間部とのうちのいずれか一方に一対の拘束部を設け、他方には一対の拘束部の間に配置される係止部を設けたことを特徴とする。
【0011】
この発明では、相互に対向するように設けたアッパレールの屈曲部とバネ掛け部との間に略くの字形を有する棒状のバネ部材を配置したので、バネ部材の組み付けが容易に行なえると共に、バネ部材の両端部がアッパレールの屈曲部から移行してしまうことがない。また、一対の拘束部の存在によりアッパレールの長手方向への係止部の移動が拘束されるので、ラッチレバーのバネ掛け部に対して、バネ部材が相対的に移動することができず、これによってバネ部材の位置決めがなされる。
【0012】
請求項2に係る発明の構成は、請求項1において、バネ掛け部は、バネ部材を受け止めるために略Y字状に形成された一対の受け部で構成され、一対の受け部のいずれかを係止部とし、一対の拘束部としてバネ部材の中間部に一対の突出部を形成したことを特徴とする。
【0013】
この発明では、ラッチレバーのバネ掛け部を、略Y字状に形成された一対の受け部で構成したので、受け部を小さく形成してもラッチレバーの作動範囲においてバネ部材がラッチレバーのバネ掛け部から外れることはない。また、バネ部材に一対の突出部を形成するのに、棒状のバネ部材を曲げ形成すればよく、成形が容易である。
【0014】
請求項3に係る発明の構成は、請求項1または2において、アッパレールは、ラッチレバーが回動可能に支持される略水平な天井部と、当該天井部の左右両側に略直角に下方へ伸びる一対の側部とを備え、一方の側部へ向かって前記ラッチレバーのロック爪が付勢されるように、他方の側部と天井部との間の屈曲部にバネ部材の両端を当接させたことを特徴とする。
【0015】
この発明では、狭い空間に設けた棒状のバネ部材により、ラッチレバーを効率よく付勢できる。また、アッパレールの側部と天井部との間の屈曲部にバネ部材の両端を当接させるため、バネ部材の両端を位置決めするための構成をアッパレールに別個に設ける必要がない。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明による車両のシートスライド装置の分解斜視図であり、図2,図3,図7はシートスライド装置の部分断面側面図、図4〜図6はシートスライド装置の長手方向と交差する方向の断面図を夫々示している。
【0018】
図1に示すように、シートスライド装置は、車両のフロアに固定されるロアレール1と、シートの左右の下端に取り付けられるアッパレール2とを備え、ロアレール1に対してアッパレール2が、リテーナ3に保持されたローラ4とガイドボール5とを介して長さ方向へスライド自在となっている。
【0019】
具体的には、ロアレール1の断面形状は、開口部が上向きの略コ字状の基本断面部の上端に内側へ屈曲した内曲げ部1aを夫々延設して構成され、アッパレール2の断面形状は、同様に開口部が下向きの略コ字状の基本断面部の下端に外側へ曲げた外曲げ部2aを夫々延設して構成されている。そして、アッパレール2は、各外曲げ部2aとそれに対峙する側部2b,2eとで、ロアレール1の内曲げ部1aを挟み込むようにして組み付けられている。前記リテーナ3はロアレール1とアッパレール2との間にフリー状態で組み入れられ、リテーナ3に保持されたローラ4はアッパレール2の外曲げ部2aの下面を支持し、ガイドボール5はアッパレール2の外曲げ部2aの側面をガイドする。
【0020】
このように構成されたロアレール1とアッパレール2との間には、ロアレール1に沿ってアッパレール2をスライドさせた後に固定するためのロック機構6が設けられている。このロック機構6は、ラッチレバー8と、爪支持プレート12と、ロックプレート10と、で構成される。ラッチレバー8と爪支持プレート12とがアッパレール2に結合されており、ロックプレート10はロアレール1に結合されている。回動するラッチレバー8のロック爪7を、爪支持プレート12の支持孔14に係合させた後にロックプレート10の嵌合孔9に係合させることで、アッパレール2がロアレール1に対して固定される。
【0021】
前記ラッチレバー8は略コの字形状に形成され、コの字形状の対向する2辺が、一対の支持ブラケット16を介して長手方向の回動軸の回りに回動自在にアッパレール2に設けられている。そして、ラッチレバー8の一方の辺には入力アーム18が一体に形成されており、この入力アーム18を介して外部からラッチレバー8に操作力が入力される。図4,図5にも示すように、ラッチレバー8の対向する2辺を連結する部分には、後述する回動軸19,20を中心とする所定半径の円の円周上の一方側に複数のロック爪7が形成され、他方側にはバネ掛け部17が形成されている。バネ掛け部17は、2片の第1受け部17aと1片の第2受け部17bとを、棒状ばね11の中間部を受け止めるように略Y字状に形成したものであり、第1受け部17aと第2受け部17bとは相互に略90度をなしている。前記のように、この一対の受け部17a,17bからなるバネ掛け部17は、ラッチレバー8の回動軸19,20を中心とする所定半径の円の円周上に配置されており、バネ掛け部17は、この円の接線方向において、アッパレール2の天井部2fと側部2eとの間の屈曲部と対向するように設けられている。
【0022】
前記一対の支持ブラケット16は、爪支持プレート12と共にアッパレール2の天上部2fに固定されている。即ち、支持ブラケット16から立ち上がる嵌合片16aを爪支持プレート12の嵌合孔12aおよびアッパレール2の天井部2fの嵌合孔2cに嵌合させた後に嵌合片16aを加熱して加圧・変形させることで、支持ブラケット16および爪支持プレート12の双方がアッパレール2に結合されている。そして、一対のブラケット16の相互に対向する鉛直部にはエンボス成形によって回動軸19,20が突設され、前記ラッチレバー8の孔8aに回動軸19,20を挿入することで、ラッチレバー8はアッパレール2の長手方向の回動軸19,20の回りに回動自在に支持されている。
【0023】
前記爪支持プレート12は、相互に離間した一対の取付部12b,12bと、これらの取付部12b,12bから取付部間を繋ぐように延設された鉛直部12cと、で構成され、アッパレール2の天上部2fの長手方向の略中央部に、取付部12b,12bの部分が取り付けられ、鉛直部12cがアッパレール2の一方の側部2bに若干偏寄するように配置されている。この鉛直部12cの下部には、ラッチレバー8のロック爪7を挿入するための支持孔14が、アッパレール2の長手方向に沿って複数形成されている。
【0024】
前記ラッチレバー8のロック爪7がロックプレート10の嵌合孔9に係合する方向へ、ラッチレバー8を回動させるために、棒状ばね(バネ部材)11が設けられている。棒状ばね11は、全体が略くの字形状であり、棒状ばね11の両端は略直角に曲げられており、曲げられた部分は円弧状になっている。棒状ばね11の中央部には、ラッチレバー8における第2受け部17bに対する位置決めを行なうために、ラッチレバー8の第2受け部(係止部)17bを、棒状ばね11の長さ方向から挟持する一対の突出部(拘束部)11aが形成されている。
【0025】
棒状ばね11は、その両端部がアッパレール2の天上部2fと側部2eとが交わる屈曲部の内側に当接し、その中央部が2片の第1受け部17aと1片の第2受け部17bとが略Y字状に形成されたバネ受け部17に当接し、ラッチレバー8のロック爪7をアッパレール2の一方の側部2bへ向かって常時付勢している。そして、棒状ばね11の一対の突出部11aが第2受け部17bを、棒状ばね11の長さ方向から挟持しているので、棒状ばね11がその長さ方向へ移動することはない。
【0026】
ロックプレート10は、長手方向の両端部を除くほぼ全域が断面略L字状に形成されると共に、ロアレール1の長手方向の所定範囲に亙るようにように長尺に形成されている。このロックプレート10におけるL字の一方の辺を成す基部10aは、ロアレール1の底面の幅方向略中央部に長さ方向の複数箇所をスポット溶接やプロジェクション溶接等によって結合され、基部10aの長手方向の両端部にはアンカー領域が設けられている。そのアンカー領域にはレール固定用のボルト22が挿通され、ロアレール1を車両のフロアに固定するときに、そのアンカー領域がボルト22によってフロアに結合される。
【0027】
ロックプレート10におけるL字の他方の辺を成す鉛直部10bには、前述の嵌合孔9が長手方向に亙って複数形成されており、図4に示すように鉛直部10bは前記爪支持プレート12の鉛直部12cとアッパレール2の一方の側部2bとの間に配置されている。鉛直部10bの嵌合孔9はラッチレバー8のロック爪7が挿入嵌合される部分であるため、隣接する嵌合孔9,9間のピッチはロック爪7のピッチと同じになっている。
【0028】
ロックプレート10における基部10aの後端部には基部10aを屈曲させることで傾斜部23が形成されている。この傾斜部23は、ライタ等がロアレール1の中に落下した後にアッパレール2が後退してライタ等を後方へ押し出した場合でも、ライタ等がボルト22の頭部に引っ掛かることなくボルト22の頭部を乗り越えるようにするために形成したものである。
【0029】
また、図4に示すようにアッパレール2の一方の側部2bのうちの、爪支持プレート12の支持孔14に対峙する位置には、ロックプレート10の鉛直部10bに近接する方向に窪む窪み部25が設けられ、その窪み部25に、支持孔14に対応するように同様の支持孔26が形成されている。この窪み部25の支持孔26は、ロック時に、ロック爪7の先端部が挿入係合される部分であり、爪支持プレート12の支持孔14と共にロック爪7を支持する第2の爪支持部を構成している。
【0030】
アッパレール2の軸方向略中央には天上部2fと一方の側部2bとに跨るように切欠き2dが形成され、ラッチレバー8の入力アーム18がその切欠き2dを通してレール2の外部に僅かに突出している。そして、アッパレール2側には図示しない支持ブラケット等を介して操作レバー28のホルダー29が揺動自在に軸支され、そのホルダー29の後端部の操作片29aによって前記入力アーム18が上下方向に揺動操作されるようになっている。したがって、操作レバー28の先端が上方側に揺動操作されると、操作片29aが入力アーム18を下方へ押し下げ、それによって棒状ばね11の付勢力に抗して、ラッチレバー8がロックプレート10を開放する方向へ回動される。
【0031】
シートの他方の側部にも同様のシートスライド装置が配置されており、そのシートスライド装置にも操作レバー28の他端側が同様に連結され、操作レバー28の操作力が同様に他端側のシートスライド装置にも伝達される。したがって、シートの左右のロック機構6は常に連動して同時に操作される。
【0032】
このシートスライド装置は以上のような構成であるため、シートが任意のスライド位置でロックされているときには、図4に示すようにラッチレバー8が棒状ばね11の付勢力を受けてロックプレート10へ向かって回動変位しており、このとき、ラッチレバー8のロック爪7は、爪支持プレート12の支持孔14、ロックプレート10の嵌合孔9、アッパレール2の支持孔26の三者に挿通されている。
【0033】
この状態からシートを前後方向での異なる位置に変更する場合には、操作レバー28の先端を上方に回動操作し、ラッチレバー8を図5に示すように棒状ばね11の付勢力に抗して回動させ、それによってラッチレバー8のロック爪7を支持孔26・嵌合孔9・支持孔14の三者から引き抜き、シートの自由なスライドを可能にする。この状態においてシートのスライド位置を任意位置に変更し、その後に操作レバー28を開放する。すると、ラッチレバー8が棒状ばね11の付勢力によって元の状態に復帰し、ロック爪7が支持孔14・嵌合孔9・支持孔26の三者に挿通され、シートが再び固定される。
【0034】
操作レバー28を回動操作してラッチレバー8を図5に示すように棒状ばね11の付勢力に抗して回動させ、その後に操作レバー28を開放するという操作を繰り返すことになり、ラッチレバー8が回動する際に棒状ばね11が伸縮するが、棒状ばね11の中間部に形成された一対の突出部11aが第2受け部17bを挟んでいるので、棒状ばね11は棒状ばね11の長さ方向へ移動することはなく、常に同じ位置に位置決め保持される。
【0035】
相互に対向するように設けたアッパレール2の屈曲部とバネ掛け部17との間に略くの字形を有する棒状バネ11を配置したので、棒状バネ11の組み付けが容易に行なえると共に、棒状バネ11の両端部がアッパレール2の屈曲部から移行してしまうことがない。また、一対の突出部11aの存在によりアッパレール2の長手方向への受け部17bの移動が拘束されるので、ラッチレバー8のバネ掛け部17に対して、棒状バネ11が相対的に移動することができず、これによって棒状バネ11の位置決めがなされる。
【0036】
ラッチレバー8のバネ掛け部17を、略Y字状に形成された一対の受け部17a,17bで構成したので、受け部17a,17bを小さく形成してもラッチレバー8の作動範囲において棒状バネ11がラッチレバー8のバネ掛け部17から外れることはない。また、棒状バネ11に一対の突出部11aを形成するのに、棒状バネ11を曲げ形成すればよく、成形が容易である。
【0037】
なお、本実施例ではラッチレバーのバネ掛け部を両側から挟む一対の突出部をバネ部材の中間部に設けたが、逆にバネ部材の中間部を挟む一対の突出部をラッチレバーのバネ掛け部に形成するようにしてもよい。更に、ラッチレバーのバネ掛け部とバネ部材の中間部とのうちのいずれか一方には周囲に拘束部を形成することになる孔を形成し、他方には係止部に相当する突出部を形成し、孔に突出部を遊嵌する構成にしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明による車両のシートスライド装置によれば、相互に対向するように設けたアッパレールの屈曲部とバネ掛け部との間に略くの字形を有する棒状のバネ部材を配置したので、バネ部材の組み付けが容易に行なえると共に、バネ部材の両端部がアッパレールの屈曲部から移行してしまうことがない。また、ラッチレバーのバネ掛け部とバネ部材の中間部とのうちのいずれか一方に一対の拘束部を設け、他方には一対の拘束部の間に配置されて移動を拘束される係止部を設けたので、一対の拘束部の存在により係止部の移動が拘束され、ラッチレバーのバネ掛け部に対して、バネ部材が相対的に移動することができず、これによってバネ部材の位置決めが確実に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両のシートスライド装置の実施の形態を示す分解斜視図。
【図2】実施の形態に係り、シートを最も後方にスライドさせた状態を示す説明図。
【図3】実施の形態に係り、図2の要部の拡大図。
【図4】図3のA−A矢視図であり、ロック状態を示す。
【図5】図3のA−A矢視図であり、ロック解除の状態を示す。
【図6】図3のB−B矢視図。
【図7】実施の形態に係り、シートを最も前方にスライドさせた状態を示す説明図。
【符号の説明】
1…ロアレール
2…アッパレール
2b,2e…側部
2f…天井部
6…ロック機構
7…ロック爪
8…ラッチレバー
11…棒状ばね
11a…突出部
17…バネ掛け部
17a…第1受け部
17b…第2受け部
19,20…回動軸
Claims (3)
- 車両のフロアに固定されたロアレールに、シートに固定されたアッパレールがスライド自在に組み付けられ、当該アッパレールとロアレールとにより形成される長手方向の空間内に、前記ロアレールに対する前記アッパレールのスライド位置を変更してロックするロック機構が設けられ、
当該ロック機構は、ラッチレバーを前記アッパレールの長手方向と略平行な回動軸の回りに回動可能な状態で前記アッパレールに設け、前記アッパレールをロックする方向へ前記ラッチレバーを付勢するためのバネ部材を設けた車両のシートスライド装置において、
前記ラッチレバーには、前記回動軸を中心とする所定半径の円の円周上に前記ロアレールに係合させるロック爪を設け、当該ロック爪とは反対側に前記バネ部材が係合するバネ掛け部を設け、当該バネ掛け部は前記円の接線方向で前記アッパレールに形成した屈曲部と略対向する位置に配置されており、前記バネ部材は、略くの字形を有する棒状であって、両端部を前記アッパレールの前記屈曲部に当接させると共に中間部を前記バネ掛け部に当接させており、
前記バネ掛け部と前記バネ部材の中間部とのうちのいずれか一方に一対の拘束部を設け、他方には一対の拘束部の間に配置される係止部を設けたことを特徴とする車両のシートスライド装置。 - 前記バネ掛け部は、前記バネ部材を受け止めるために略Y字状に形成された一対の受け部で構成され、前記一対の受け部のいずれかを前記係止部とし、前記一対の拘束部として前記バネ部材の中間部に一対の突出部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両のシートスライド装置。
- 前記アッパレールは、ラッチレバーが回動可能に支持される略水平な天井部と、当該天井部の左右両側に略直角に下方へ伸びる一対の側部とを備え、一方の側部へ向かって前記ラッチレバーの前記ロック爪が付勢されるように、他方の側部と天井部との間の屈曲部に前記バネ部材の両端を当接させたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のシートスライド装置。
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