JP2005006721A - ハンガー - Google Patents

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Kyoko Hashimoto
京子 橋本
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Abstract

【課題】別個に洗濯バサミを用意しなくても、吊り持ちされた繊維製品が位置ずれしたり吊持杆から脱落することのないハンガーが求められている。
【解決手段】ハンガー1は、衣料などの繊維製品を吊り持つ吊持杆6,6を吊下げフック3から横方向に張り出して設けたものにおいて、繊維製品挟持用の挟持部材7を吊持杆6に当該杆心方向に沿って揺動可能に枢支し、挟持部材7と吊持杆6との間に設けた弾性部材11によって、挟持部材7の吊下げフック3寄り端部を吊持杆6の湾曲部6Dから離れる方向に付勢して摘み操作部7Gとし、かつ、挟持部材7の吊持杆先端6E寄り端部を吊持杆6の受座12へ近接する方向に付勢して繊維製品挟持部7Fとした構成にしてある。繊維製品挟持部7Fが受座12に接している状態で挟持部材7の上面7Iと吊持杆6の上面6Iとが略面一となるように、挟持部材7および吊持杆6が形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば襟ぐりや履き口の広い衣料、肩紐を有する衣料、またはバスタオルなどといった繊維製品の吊り持ちに適したハンガーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般のハンガーの正面図を図8に示す。図に示したハンガー51は、吊下げフック3を備えた本体基部2の左右に、衣料やタオルなどの繊維製品を吊り持つ直線状の吊持杆6(図中、実線で示す)がそれぞれ横方向斜め下向きに張り出して形成されており、吊持杆6のそれぞれの先端は横架杆13で一体に連結されている。
ところで、近年のファッション多様化により襟ぐりの広い衣料が出回っている。そこで、広い襟ぐり17を持つTシャツ16を洗濯してハンガー51で干すにあたっては、襟ぐり17から一方の吊持杆6を差し入れて一方の腕部に通し、他方の吊持杆6が襟ぐり17に入ったのちにハンガー51全体を戻して、他方の吊持杆6を他方の腕部に通し、Tシャツ16を左右均等に整えて吊り持ちさせるようにしていた。しかしながら、前記のように吊り持ちされたTシャツ16は風などにより簡単に位置ずれ(図中、2点鎖線で示す位置)し、ひいては吊持杆6から外れて脱落することがあった。かかる問題は肩紐を有するキャミソールなどに使用する場合にも生じる。
【0003】
そこで、図中一点鎖線で示すように、吊持杆6に凹部25と突起部26を設け、凹部25に衣料の肩紐などを掛けて吊り持ちさせるようにしたものと類似のハンガーが、下記の特許文献1で提案されている。ところが、このように凹部25や突起部26を有するハンガーであっても、強い風が吹けば、せっかく掛けた肩紐が突起部26から外れて凹部25から飛び出し、衣料が吊持杆6から脱落することがある。
【0004】
【特許文献1】
実開平7−28482号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、上記した直線状の吊持杆を有するハンガーや、凹部と突起部を有するハンガーを用いる場合、いったんハンガーに繊維製品を吊り持ちさせたのち、別個の洗濯ピンチで挟持しておく必要があった。
しかしながら、このような使用態様であると、洗濯バサミを別途用意しなければならない。また、洗濯バサミを収容しておく小籠も必要である。それに伴い、吊り持ちや取り外しの際に洗濯バサミを小籠に出し入れする手間がかかる。あるいは、小籠に手などが触れて洗濯バサミが散乱したり紛失したりすることがある。また、洗濯バサミによる挟持跡がはっきりと残り、衣料の外観を損なうという不具合もある。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、別個に洗濯バサミを用意しなくても、吊り持ちされた繊維製品が位置ずれしたり吊持杆から脱落することのないハンガーの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るハンガーは、衣料などの繊維製品を吊り持つ吊持杆を吊下げフックから横方向に張り出して設けたハンガーにおいて、繊維製品挟持用の挟持部材を吊持杆に当該杆心方向に沿って揺動可能に枢支し、挟持部材と吊持杆との間に設けた弾性部材によって、挟持部材の吊下げフック寄り端部を吊持杆から離れる方向に付勢して摘み操作部とし、かつ、挟持部材の吊持杆先端寄り端部を吊持杆へ近接する方向に付勢して繊維製品挟持部とした構成にしてある。
【0008】
また、前記構成において、挟持部材の繊維製品挟持部が吊持杆に接している状態で挟持部材の上面と吊持杆の上面とが略面一となるように、挟持部材および吊持杆が形成されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係るハンガーの正面図、図2は図1のL部を拡大したもので図3におけるB−B線矢視断面図、図3は図2のA−A線矢視断面図である。
各図において、この実施形態に係るハンガー1は例えば合成樹脂で大部分が形成されており、縦穴4を持つ本体基部2に吊下げフック3が係止ピン5を通されて回動自由に枢支されている。本体基部2の左右には、衣料やタオルなどの繊維製品を吊り持つ吊持杆6がそれぞれ横方向斜め下向きに張り出して形成されている。各吊持杆6の中間部分はそれぞれ下向きに凹陥した湾曲部6Dとなっており、それぞれの先端6Eは自由端となっている。各湾曲部6D上には、ピン穴15(図3)を有する一対のヒンジ板部9,9がそれぞれ上向きに突設されている。また、各湾曲部6Dの先端6E寄り端部は吊持杆6の上面6Iよりも一段低い受座12となっている。左右の受座12,12間の距離は特に限定されるものでないが、例えば、繊維製品の襟ぐりの左右寸法や肩紐間寸法に合わせて設定するとよい。
【0010】
上記した構成の湾曲部6Dに、繊維製品を挟持するためのピンチ構造20がそれぞれ設けられる。これらのピンチ構造20は、前記したヒンジ板部9,9と、汎用洗濯バサミの一部品の形状に類似した挟持部材7と、挟持部材7と吊持杆6との間に設けられた鋼線製のコイルバネ(弾性部材)11と、ヒンジ板部9,9のピン穴15,15に通されて挟持部材7を揺動可能に枢支する枢支ピン10とから構成されている。
挟持部材7の長手方向中央部には、ピン穴14,14(図3)を有する一対のヒンジ板部8,8が下向きに突設されている。これらのヒンジ板部8,8は湾曲部6Dのヒンジ板部9,9と重ね合わせられ、それぞれのピン穴14,14,15,15に枢支ピン10が通される。これにより、挟持部材7が吊持杆6の杆心方向に沿って揺動可能に吊持杆6に枢支される。すなわち、枢支ピン10はその軸心を前後方向水平に向けて配置されており、挟持部材7は吊持杆6の上面6Iに対し近接離間するように揺動する。
【0011】
この場合、コイルバネ11は一対のヒンジ板部9,9間に内装されコイル部に枢支ピン10が通されて保持される。コイルバネ11はその一端が挟持部材7の下面のフック3寄りに係止され、他端が湾曲部6Dの上面のフック3寄りに係止される。このように配備されたコイルバネ11の付勢力により、挟持部材7の吊下げフック3寄り端部は吊持杆6の湾曲部6Dから離れる方向(矢印R方向)に常時付勢される摘み操作部7Gとなる。また、挟持部材7の吊持杆先端6E寄り端部は吊持杆6の受座12へ近接する方向(矢印S方向)に常時付勢される繊維製品挟持部7Fとなっている。
【0012】
更に、このピンチ構造20では、挟持部材7の繊維製品挟持部7Fが吊持杆6の受座12に密接している状態(すなわち、挟持部材7を使用していない状態)で、挟持部材7の上面7Iと吊持杆6の上面6Iとがほぼ面一となるように、挟持部材7、吊持杆6、および湾曲部6Dの形状並びに配置がそれぞれ設定されている。
但し、この例において、吊持杆6の先端6Eは自由端となっているが、両側の先端6E,6E間を横架杆13(図1中の一点鎖線)で一体に連結した形態のハンガーも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0013】
上記のように構成されたハンガー1は、図4に示すように、襟ぐり17の大きなTシャツ(繊維製品)16を、例えば洗濯して干す場合に用いられる。まず、洗濯したTシャツ16の襟ぐり17からハンガー1の吊持杆6,6を入れ、適当な位置でTシャツ16を吊り持ちさせる。次に、挟持部材7の摘み操作部7Gを指で押し下げて繊維製品挟持部7F(図2中の2点鎖線で示す7F)と受座12との間に隙間を開け、これらの隙間に襟ぐり17の左右の縁部を入れたのち、摘み操作部7Gの力を弛める。これにより、襟ぐり17の左右の縁部が各繊維製品挟持部7Fと各受座12とでそれぞれ挟持される。
【0014】
このように襟ぐり17の縁部がしっかりと挟持部材7で挟持されるので、ハンガー1に吊り持ちされたTシャツ16は風などにより位置ずれせず、吊持杆6から外れて脱落したりしない。また、クローゼットなどに出し入れする際に他の衣料などに触れても、Tシャツ16がハンガー1から脱落するといったことがない。
一方、挟持部材7を用いることなく、Yシャツなどに代表される襟ぐりの浅い衣料を吊り持ちする場合は、挟持部材7の上面7Iと吊持杆6の上面6Iとが面一になっているので、吊り持ちされた衣料の肩部に挟持部材7の跡が残らない。
【0015】
尚、上記の実施形態では、吊持杆6の途中にピンチ構造20を配備した例を示したが、本発明のハンガーはそれに限定されるものでない。例えば、図5に示したハンガー1aのように、吊持杆6の先端6Eにピンチ構造20を配備したものも含まれる。この場合、各吊持杆6Eに内向きの湾曲部6Dが設けられ、各湾曲部6Dにピンチ構造20がそれぞれ配備されている。各吊持杆6は全体として上面6Iが真っ直ぐに形成されている。他方で、吊持杆6の側面(図5では正面)6Hにピンチ構造20(2点鎖線で示す)を配備してもよい。この場合、枢支ピン10はその軸心が垂直方向から少し傾いて配置されており、挟持部材7は吊持杆6の側面6Hに対して近接離間するように揺動する。
これらの実施形態も、襟ぐりの広い衣料や肩紐のある衣料などを挟持部材7で吊り持ちできることは言うまでもない。加えて、吊持杆6が全体的に直線状に形成されているので、吊り持ちした衣料に吊り跡が目立たない。
【0016】
そして、上記では、挟持部材7を使用していない状態で挟持部材7の上面7Iと吊持杆6の上面6Iとがほぼ面一となるように構成したが、本発明のハンガーはそれに限定されるものでない。例えば、図6に示すハンガー1bのように、直線状の吊持杆6の上面6I上にヒンジ板部9を突設し、このヒンジ板部9に挟持部材7を枢支させてピンチ構造20を構成してもよい。このハンガー1bでは、挟持部材7が常に吊持杆6の上面6Iから突出している。従って、繊維製品挟持部7Fで衣料などを挟持できるのは無論のこと、吊持杆6のピンチ構造20よりも上側位置6Jに衣料の肩紐などを掛けて、簡便に吊り持ちさせることも可能である。
【0017】
更に、本発明は、図7に示すようなハンガー1c、いわゆるパラソルハンガーにも適用可能である。このハンガー1cでは、連結杆21の上端に吊下げフック3aが形成されている。吊下げフック3aには枢支ピン23回りに揺動して物干竿などを挟持する挟持アーム22が設けられている。連結杆21の下端には平面に見て円盤状の本体基部2aが設けられている。この本体基部2aには、平面に見て放射状(図示省略)に配置された多数の吊持杆24,24,24,・・・の末端が取り付けられている。各吊持杆24は本体基部2aに対し垂直位置と水平位置との間を矢印Tのように揺動可能に軸支されている。各吊持杆24は末端部の近傍位置に下向きに湾曲した湾曲部24Dがそれぞれ形成されている。これらの湾曲部24Dにピンチ構造20がそれぞれ設けられている。
【0018】
このハンガー1cによれば、挟持部材7で挟んだ洗濯物を取り込む際に、洗濯物を吊持杆24の先端方向に引くだけで洗濯物が挟持部材7から簡単に外れ、外れたあとも他部材に引っ掛かったりしない。従って、洗濯物の取り込みが非常に楽である。
因みに、従来のパラソルハンガー(図示省略)では、吊持杆24の先端に挟持部材がその繊維製品挟持部を本体基部2a側に向けて配置されている。そのため、挟持部材で挟んだ洗濯物を取り込む際に洗濯物をいったん本体基部2a向きに引いて外したのち先端方向に逆行させて取り出さなければならず、外した洗濯物が先端の挟持部材に引っ掛かることが多々あった。
【0019】
尚、挟持部材付きである本発明のハンガーを用いるに適した繊維製品としては、上記したTシャツやキャミソール以外に、例えば、襟ぐりの広いブラウスやランニングシャツ、履き口の広いズボンやジーンズやバッチ、肩紐を有するブラジャー、大判のバスタオルなどが挙げられる。
また、挟持部材と吊持杆との間に設けられる本発明の弾性部材としては、既述したコイルバネに限定されず、板バネやゴム体などを採用することも可能である。
また、本発明の吊下げフックとしては、図1、図5、図6に示した略S字状の吊下げフック3のみならず、図7のような吊下げフック3aおよび挟持アーム22を組み合わせた挟み付け式のものも含まれる。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るハンガーによれば、挟持部材の繊維製品挟持部で繊維製品を挟持するので、吊り持ちされた繊維製品が風などにより位置ずれしたり吊持杆から外れて脱落するといったことを防止できる。また、クローゼットなどに出し入れする際に、吊り持ちした繊維製品が他の衣料などに触れてもハンガーから脱落しない。
【0021】
また、挟持部材の繊維製品挟持部が吊持杆に密着している状態で挟持部材の上面と吊持杆の上面とが略面一となるように構成されている場合は、Yシャツなどに代表される襟ぐりの浅い衣料の肩部に挟持部材の跡が付きにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るハンガーの正面図である。
【図2】図1のL部を拡大したもので図3におけるB−B線矢視断面図である。
【図3】図2のA−A線矢視断面図である。
【図4】前記ハンガーを用いてTシャツを保持する状態を示す説明図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係るハンガーの正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るハンガーの正面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態に係るハンガーの正面図である。
【図8】従来のハンガーを示す正面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c ハンガー
3,3a 吊下げフック
6,24 吊持杆
6D,24D 湾曲部
6E 先端
6I 上面
7 挟持部材
7F 繊維製品挟持部
7G 摘み操作部
7I 上面
10 枢支ピン
11 コイルバネ(弾性部材)
12 受座
16 Tシャツ(繊維製品)
R 矢印
S 矢印

Claims (2)

  1. 衣料などの繊維製品を吊り持つ吊持杆を吊下げフックから横方向に張り出して設けたハンガーにおいて、繊維製品挟持用の挟持部材を吊持杆に当該杆心方向に沿って揺動可能に枢支し、挟持部材と吊持杆との間に設けた弾性部材によって、挟持部材の吊下げフック寄り端部を吊持杆から離れる方向に付勢して摘み操作部とし、かつ、挟持部材の吊持杆先端寄り端部を吊持杆へ近接する方向に付勢して繊維製品挟持部としたことを特徴とするハンガー。
  2. 挟持部材の繊維製品挟持部が吊持杆に接している状態で挟持部材の上面と吊持杆の上面とが略面一となるように、挟持部材および吊持杆が形成されている請求項1に記載のハンガー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104970664A (zh) * 2015-07-01 2015-10-14 南京工业职业技术学院 一种防滑动防坠落的挂钩式衣架

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