JP3093758U - ピンチハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 物干しスペースを有効に活用でき、かつ、洗
濯物の間隔を保って干すことができるとともに、保管時
にかさばらない物干し具を提供する。 【解決手段】 コの字型のフレームを連結し、連結部で
折りたためるようにした折りたたみ式の角形形状ピンチ
ハンガーにおいて、長手方向のフレームには、当該フレ
ームに取り付けるための取付部と、前記取付部から分岐
した複数の剛性を有する腕部であって、先端付近にピン
チ連結機構を有する腕部とを備えたピンチ吊り具が、当
該フレームに対して交差する向きで、少なくとも当該フ
レーム方向に前記取付部を概中心に回動可能な状態で複
数取り付けられたことを特徴とするピンチハンガーを提
供する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、物干し具に係り、特に、ピンチを用いて洗濯物を干すピンチハンガ ーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

物干し具として一般に用いられているピンチハンガーは、フレームから吊り下 げられた多数のピンチを使用して洗濯物を吊るすようになっている。従来のピン チハンガーは、フレーム上の１箇所につき１個のピンチをクサリ等により吊り下 げるようになっているが、小型のピンチハンガーだと、フレーム上のピンチを吊 り下げる場所が限られるので、十分な数のピンチを吊り下げることができない。

【０００３】 このため、例えば、実開平４−６４３９０号公報において、図８に示すように 、２つのピンチを吊り紐、クサリ等の連結具を用いて連結させることが提案され ている。

【０００４】 この連結具の分岐部付近をピンチハンガーのフレームに取り付けたり、従来の ピンチハンガーに吊るされたピンチで挟持することによって、１箇所に吊るすピ ンチの数を多くすることができる。この結果、小型のピンチハンガーであっても 十分な数のピンチを備えることができ、物干しスペースが有効に利用されるよう になっている。

【０００５】 また、２つのピンチを連結させる他例として、特開２０００−１４９９３号公 報には、図９に示すように、ハンガー等の支持体に複数個のピンチ吊りを引掛け 、各ピンチ吊りに所定間隔をおいて一対のピンチを吊り下げることにより、ズボ ン、スカート等の筒状の洗濯物を筒状のままで干せるようにした干し具が記載さ れている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前者のように、吊り紐、クサリ等の連結具を用いて連結したピンチ のそれぞれに洗濯物を吊るすと、洗濯物の重みのために、ピンチが真下に引っ張 られるので、連結したピンチ同士が接触し、ピンチに吊るされた洗濯物が重なっ てしまうことになる。

【０００７】 このため、洗濯物の間の風通しが悪くなり、洗濯物が乾きにくくなってしまう 。また、洗濯物が重なると、濡れた衣類同士が、長時間接触することになるので 、一方の洗濯物の色が他方の洗濯物に移ってしまう色移りが発生するおそれもあ る。

【０００８】 これを防止するために、後者のような形状とすることも考えられるが、非使用 時の収納形態について考慮されておらず、保管時にかさばるという問題が生じる 。

【０００９】 本考案の目的は、物干しスペースを有効に活用でき、かつ、洗濯物の間隔を保 って干すことができるとともに、保管時にかさばらない物干し具を提供すること にある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案によれば、 コの字型のフレームを連結し、連結部で折りたためるようにした折りたたみ式 の角形形状ピンチハンガーにおいて、 長手方向のフレームには、当該フレームに取り付けるための取付部と、前記取 付部から分岐した複数の剛性を有する腕部であって、先端付近にピンチ連結機構 を有する腕部とを備えたピンチ吊り具が、当該フレームに対して交差する向きで 、少なくとも当該フレーム方向に前記取付部を概中心に回動可能な状態で複数取 り付けられたことを特徴とするピンチハンガーが提供される。

【００１１】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態について図面を参照して説明する。

【００１２】 図１は、本考案を適用したピンチハンガー１０の一例を示す図である。本図に 示すように、ピンチハンガー１０は、いわゆる折りたたみ式の角型形状となって いる。すなわち、コの字型に形成された２つのフレーム１１を連結し、連結部分 １２でフレーム１１が互いに向き合う方向で半分に折れ曲がるように構成されて いる。また、フレーム１１には、物干し竿等に吊るすためのフック機構を備えた 吊り具１３が取り付けられている。補強目的等のため、さらに、内枠用のフレー ムを設けるようにしてもよい。

【００１３】 本図に示すように、フレーム１１には、複数のピンチ吊り具２０が取り付けら れ、各ピンチ吊り具２０には、複数のピンチ３０が取り付けられる。なお、ピン チ吊り具２０は、図示した方向に縦横を定めた場合に、少なくとも縦方向（長手 方向）のフレーム１１に取り付けるものとする。

【００１４】 ピンチを取り付けるためのピンチ吊り具２０は、図２に示すように、フレーム １１に取り付けられた部分（図示せず）から分岐した２つの腕部２３を有してい る。それぞれの腕部２３の先端付近には、ピンチ連結機構２３ａとして、ピンチ を吊るすための孔が設けられている。この孔にピンチ３０のリング状ばねを通し たり、吊りひも等を介してピンチ３０を吊るすことにより、１つのピンチ吊り具 ２０に複数のピンチ３０を取り付けることができるようになっている。なお、ピ ンチ連結機構２３ａは、ピンチを吊るすための孔に限られない。例えば、ピンチ ３０のリング状バネを掛けるためのフック形状としてもよい。また、腕部２３の 形状も直線状に限られず、例えば、くの字状等としてもよい。

【００１５】 このようにピンチ吊り具２０を介してピンチ３０をピンチハンガー１０のフレ ーム１１に取り付けることで、小型のピンチハンガー１０であっても十分な数の ピンチ３０を備えることが可能となり、物干しスペースを有効に利用することが できるようになる。

【００１６】 ピンチ吊り具２０は、剛性を有する素材、例えば、合成樹脂を用いて成型され ており、腕部２３の先端同士が容易には接触しない構造になっている。ただし、 ピンチ吊り具２０全体が剛性を有する必要はない。少なくとも、腕部２３の分岐 箇所（根本）からピンチ連結機構２３ａまでが剛性を有し、その位置関係を保て ればよい。

【００１７】 このように、腕部２３が剛性を有しているため、フレーム１１に取り付けられ たピンチ吊り具２０に吊るされた２つのピンチ３０同士の間隔が保たれ、ピンチ ３０に吊るされた洗濯物の間隔も保たれる。この結果、風通しがよくなり、従来 の物干しスペースを有効に活用できる効果に加え、洗濯物の乾きが早くなるとい う効果が得られる。

【００１８】 なお、腕部２３は、２つのみならず、３つ以上設けるようにしてもよい。図３ は、３つの腕部２３を備えたピンチ吊り具２０を示している。この場合、３つ以 上の腕部２３は、左右対称となる位置関係で、同一平面上に設けることが望まし い。ただし、これに限られるものではない。

【００１９】 図１に示すように、本実施形態において、ピンチ吊り具２０は、縦方向のフレ ーム１１に対しては、縦方向のフレーム１１と交差する向きで取り付けるように する。また、横方向のフレーム１１に取り付ける場合には、横方向のフレームと 同じ向きでフレームに取り付けることが望ましい。

【００２０】 図４は、このような向きでピンチ吊り具２０をフレーム１１に取り付けたピン チハンガー１０を折りたたんだときの状態を示す図である。本図に示すように、 各ピンチ吊り具２０は、フレーム１１との取り付け部分から、ピンチ吊り具２０ 自身およびピンチ３０の重さによって、下向きに垂れるようになっている。なお 、本図では、ピンチハンガー１０を折りたたんだとき、ピンチ吊り具２０が外側 にくるように連結部分１２を構成しているが、ピンチ吊り具２０が内側にくるよ うに連結部分１２を構成するようにしてもよい。

【００２１】 一般に、折りたたみ式の角形形状のピンチハンガー１０は、保管時には、図４ に示すように折りたたんで立てた状態で収納されることが多い。本考案を適用し たピンチハンガー１０は、ピンチ吊り具２０が縦方向のフレーム１１に交差する 向きで縦方向のフレーム１１に取り付けられているため、折りたたんで立てると 、ピンチ吊り具２０が縦方向のフレーム１１に対して寝る状態で安定する。この ため、折りたたんだピンチハンガー１０の奥行きが薄くなり、保管時にかさばら ないようになる。

【００２２】 折りたたんで立てたときに、ピンチ吊り具２０がフレーム１１に対して寝る状 態となるために、ピンチ吊り具２０は、縦方向のフレーム１１に対しては、少な くとも、フレーム１１方向に回動可能な状態で取り付けるようにする。また、横 方向のフレーム１１に対しては、少なくとも、フレーム１１と交差する方向に回 動可能な状態（ただし、全回転である必要はない）で取り付けるようにすること が望ましい。

【００２３】 そこで、ピンチ吊り具２０とフレーム１１との取り付け態様について説明する 。

【００２４】 図５は、ピンチ吊り具２０とフレーム１１との取り付け態様の第１例を示す。

【００２５】 図５（ａ）に示すように、ピンチ吊り具２０のフレーム１１との取付部分（以 下、取付部）２１には、円柱状の突起物２１ａが、腕部２３と同方向に２箇所設 けられている。

【００２６】 縦方向のフレーム１１には、ピンチ吊り具取り付け箇所毎に、側面に２つの取 り付け孔１１ａが設けられている。そして、ピンチ吊り具２０の突起物２１ａの それぞれを、縦方向のフレーム１１の取り付け孔１１ａにはめることにより、図 ５（ｂ）に示すように、突起部２１ａを中心に、縦方向のフレーム１１方向に回 動可能な状態で、ピンチ吊り具２０がピンチハンガー１０に取り付けられる。

【００２７】 横方向のフレーム１１には、ピンチ吊り具取り付け箇所毎に、フレーム１１に 交差する２つの面が形成され、それぞれの面に取り付け孔１１ｂが設けられてい る。そして、ピンチ吊り具２０の突起物２１ａのそれぞれを、横方向のフレーム １１の取り付け孔１１ｂにはめることにより、図５（ｃ）に示すように、突起部 ２１ａを中心に、横方向のフレーム１１と交差する方向に回動可能な状態で、ピ ンチ吊り具２０がピンチハンガー１０に取り付けられる。

【００２８】 図６は、ピンチ吊り具２０とフレーム１１との取り付け態様の第２例を示す。

【００２９】 図６（ａ）に示すように、ピンチ吊り具２０の取付部２１には、腕部２３と交 差する方向に口が開いたフック２１ｂが形成されている。

【００３０】 縦方向のフレーム１１には、ピンチ吊り具取り付け箇所毎に、縦方向のフレー ム１１と交差する向きの軸状の掛け部１１ｃが設けられている。そして、ピンチ 吊り具２０のフック２１ｂを、縦方向のフレーム１１の掛け部１１ｃに掛けるこ とにより、図６（ｂ）に示すように、フック２１ｂを中心に、縦方向のフレーム １１方向に回動可能な状態で、ピンチ吊り具２０がピンチハンガー１０に取り付 けられる。

【００３１】 横方向のフレーム１１には、ピンチ吊り具取り付け箇所毎に、横方向のフレー ム１１と同じ向きの軸状の掛け部１１ｄが設けられる。そして、ピンチ吊り具２ ０のフック２１ｂを、横方向のフレーム１１の掛け部１１ｄに掛けることにより 、図６（ｃ）に示すように、フック２１ｂを中心に、横方向のフレーム１１と交 差する方向に回動可能な状態で、ピンチ吊り具２０がピンチハンガー１０に取り 付けられる。

【００３２】 図５および図６に示した取り付け態様では、縦方向のフレーム１１に取り付け られたピンチ吊り具２０の縦方向のフレーム１１に交差する方向への動きが制限 される。洗濯物を干す際の利便性を考慮し、ピンチ吊り具２０の縦方向のフレー ム１１に交差する方向への自由度を高めるために、例えば、取付部２１と腕部２ ３との連結部分を細くして柔軟性を持たせるようにしてもよい。

【００３３】 図７は、ピンチ吊り具２０とフレーム１１との取り付け態様の第３例を示す。

【００３４】 図７（ａ）に示すように、ピンチ吊り具２０の取付部２１には、取り付け孔２ １ｃが、腕部２３と同方向に設けられている。

【００３５】 この取り付け孔２１ｃと、フレーム１１に設けられた１または複数の取り付け 孔１１ｅとにリング等の連結部材１５を通すことにより、図７（ｂ）に示すよう に、ピンチ吊り具２０がほぼ自由に動く状態で、ピンチ吊り具２０をピンチハン ガー１０に取り付けられる。この場合も、縦方向のフレーム１１に取り付けるピ ンチ吊り具２０が、縦方向のフレーム１１に交差する向きに安定するように取り 付けことが望ましい。なお、連結部材１５は、リングに限られず、連結紐、クサ リ等を用いることができる。さらには、図７（ｃ）に示すように、ピンチ吊り具 ２０の取付部２１をリング形状として、フレーム１１に設けられた取り付け孔等 に取り付けるようにしてもよい。図７（ｃ）に示した形状では、ピンチ吊り具２ ０を、単体で、他のピンチ等に吊り下げて用いることもできる。なお、ピンチ吊 り具２０とフレーム１１との取り付け態様は、これらに限られない。

【００３６】 本実施例のピンチハンガー１０によれば、物干しスペースを有効に活用でき、 かつ、洗濯物の間隔を保って干すことができるとともに、保管時にかさばらない という効果に加え、さらに、以下の効果を奏することができる。

【００３７】 すなわち、ピンチ吊り具２０が剛性を有しているため、ピンチハンガー１０の を折りたたんだとき、あるいは、ピンチハンガー１０同士を重ねたとき等にも、 ピンチ３０等が絡まりにくくなる。

【００３８】 また、同一のピンチ吊り具２０に吊るされたピンチ３０同士の相対位置が固定 されるため、組となっているピンチ３０の判別が容易となる。この結果、組とし て干すことが望ましい洗濯物、例えば、靴下等を干すべきピンチ３０を容易に見 分けることができる。

【００３９】 また、縦方向のフレーム１１に取り付けられたピンチ吊り具２０に吊るされた ピンチ３０のうち、内側に位置するピンチ３０同士を使用して容易に渡し干しを 行なうことができる。このとき、フレーム１１の内側に位置したピンチ３０の色 を、１つおき、または、２つおきに変えることで、一方のピンチ３０に対応する 他方のピンチ３０をすぐに見分けることができるようになる。

【００４０】 さらに、フレーム１１の内側に位置したピンチ３０を使用して、下着等の人目 に触れさせたくない洗濯物を干し、フレーム１１の外側に位置したピンチ３０を 用いて他の洗濯物を干すことで、内側に干した洗濯物を見えづらくすることがで きる。

【００４１】

【考案の効果】

上述のように、本考案によれば、物干しスペースを有効に活用でき、かつ、洗 濯物の間隔を保って干すことができるとともに、保管時にかさばらない物干し具 が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用したピンチハンガー１０の一例を
示す図。

【図２】ピンチ吊り具２０を説明するための図。

【図３】腕部２３を３つ設けたピンチ吊り具２０を示す
図。

【図４】ピンチハンガー１０を折りたたんだときの状態
を示す図。

【図５】ピンチ吊り具２０とフレーム１１との取り付け
態様の第１例を示す図。

【図６】ピンチ吊り具２０とフレーム１１との取り付け
態様の第２例を示す図。

【図７】ピンチ吊り具２０とフレーム１１との取り付け
態様の第３例を示す図。

【図８】２つのピンチを吊り紐、クサリ等の連結具を用
いて連結させた従来例を示す図。

【図９】筒状の洗濯物を筒状のままで干せるようにした
干し具の従来例を示す図。

【符号の説明】

１０…ピンチハンガー １１…フレーム ２０…ピンチ吊り下げ具 ２１…取付部 ２３…腕部 ３０…ピンチ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コの字型のフレームを連結し、連結部で折
   りたためるようにした折りたたみ式の角形形状ピンチハ
   ンガーにおいて、 長手方向のフレームには、当該フレームに取り付けるた
   めの取付部と、前記取付部から分岐した複数の剛性を有
   する腕部であって、先端付近にピンチ連結機構を有する
   腕部とを備えたピンチ吊り具が、当該フレームに対して
   交差する向きで、少なくとも当該フレーム方向に前記取
   付部を概中心に回動可能な状態で複数取り付けられたこ
   とを特徴とするピンチハンガー。
2. 【請求項２】請求項１に記載のピンチハンガーにおい
   て、 短手方向のフレームには、ピンチ吊り具が、当該フレー
   ムと同じ向きで、少なくとも当該フレームと交差する方
   向に前記取付部を概中心に回動可能な状態で複数取り付
   けられたことを特徴とするピンチハンガー。
3. 【請求項３】コの字型のフレームを連結し、連結部で折
   りたためるようにした折りたたみ式の角形形状ピンチハ
   ンガーにおいて、 長手方向のフレームには、当該フレームに取り付けるた
   めの取付部と、前記取付部から分岐した複数の剛性を有
   する腕部であって、先端付近にピンチ連結機構を有する
   腕部とを備えたピンチ吊り具が、連結部材を介して、遊
   動可能な状態で複数取り付けられたことを特徴とするピ
   ンチハンガー。
4. 【請求項４】コの字型のフレームを連結し、連結部で折
   りたためるようにした折りたたみ式の角形形状ピンチハ
   ンガーにおいて、 長手方向のフレームには、当該フレームに取り付けるた
   めの取付部と、前記取付部から分岐した複数の剛性を有
   する腕部であって、先端付近にピンチ連結機構を有する
   腕部とを備えたピンチ吊り具が、連結部材を介して、当
   該フレームに対して交差する向きで、遊動可能な状態で
   複数取り付けられたことを特徴とするピンチハンガー。
5. 【請求項５】請求項３または４に記載のピンチハンガー
   において、 短手方向のフレームにも、ピンチ吊り具が、連結部材を
   介して、遊動可能な状態で複数取り付けられたことを特
   徴とするピンチハンガー。