JP3076860U - 物干しハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純な構造でありながら十分な強度と優れた
機能を有する安価な物干しハンガーを提供する。 【解決手段】 吊り下げフック２を取り付けた枠体３に
多数のピンチ４を懸装して物干しハンガー１を構成す
る。ここで、物干しハンガー１の枠体３は鋼線より成
り、枠体３には鋼線を波状に曲成したピンチ吊り下げ部
５が下向きに溶着されている。この枠体３は、外枠３ａ
の他に内枠３ｂが設けてあり、各々枠体にはピンチ吊り
下げ部５が溶着されている。また折りたたみ機構１３
は、左右二つの枠体を構成する鋼線の先端部をリング状
に曲成した連結部９を、連結ピン８によって連結部材６
に回動自在に軸支して構成されている。連結部材６に設
けた倒れ止め７は枠体展開時のストッパとして機能す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ピンチ付きの物干しハンガーに関し、特に、枠体を鋼線により構成 した物干しハンガーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、洗濯し終えた小物類を乾かすための物干し用品として、手頃な大き さの物干しハンガーと呼ばれるものが多く市販されている。通常、これらの物干 しハンガーは、角状や円状を成す合成樹脂製、或いは金属製等の枠体に洗濯物を 吊着するためのピンチを多数懸装して構成されている。また、これら物干しハン ガーは、ハンガーの形態を小形に纏めることができると収納保管の際に好都合で あることから、多くのものは折りたたみ可能な構造になっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来品はピンチの吊り下げや枠体の補強のために多くのパーツ類が 使われている。特に、合成樹脂製ハンガーは、強度的に劣るため、枠体を太くし たり、その断面形状をＵ字形とする等の補強のための工夫が成されており、また 、金属製のハンガーは、補強のために枠体を縦に二重構造とすると共に、この２ 本の枠間にピンチの吊り下げ機構を形成したものもある。このため、枠構造も自 ずと複雑化してコスト高となっていた。

【０００４】 また、折りたたみ式の物干しハンガーでは、展開時に枠体同士が倒れ合ったり 、重なり合ったりするのを防止するために大掛かりな折りたたみ機構を設けたも のが多く、これが枠構造を更に複雑にし、コストアップの要因となっていた。コ ストダウンのため、枠体同士をぶつけ合うことでストッパとした単純構造の折り たたみ式の物干しハンガーも有るが、このような物は使用の際に枠体を変形させ たり破損・損傷させたりする危険性が有り、寿命の点からも余り好ましいもので はなかった。

【０００５】 本考案は、上記した従来品の問題点を解消し、単純な構造であって、且つ、十 分な強度と優れた機能性を有する安価な物干しハンガーを提供することを目的と している。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち、請求項１に記載の本考案は、吊り下げフック（２）を取り付けた枠 体（３）に多数のピンチ（４）を懸装して成る物干しハンガー（１）において、 前記枠体（３）は鋼線より成り、且つ、当該枠体（３）に、鋼線を波状に曲成し たピンチ吊り下げ部（５）を下向きに溶着して成ることを特徴としている。

【０００７】 また、請求項２に記載の本考案は、前記枠体（３）は、外枠（３ａ）と当該外 枠（３ａ）同士を繋ぐ内枠（３ｂ）とで構成されており、且つ、その各々に前記 ピンチ吊り下げ部（５）が溶着されていることを特徴としている。

【０００８】 請求項１または請求項２の構成では、前記ピンチ吊り下部は、パーツ数も少な く単純な構造であり、且つ、このピンチの吊り下部を溶着することにより、同時 に枠体の強化が図れる。

【０００９】 また、請求項３に記載の本考案は、前記枠体（３）は、連結部材（６）を介し て回動自在に連結された二つの枠体にて構成されており、且つ、前記連結部材（ ６）は、前記二つの枠体の回動基部（１０，１０）間に位置して展開時に枠体の 回動を規制する倒れ止め（７）を有することを特徴としている。これにより、展 開時に枠体同士が倒れ合ったり、重なり合ったりする不都合を無くすことができ る。

【００１０】 さらに、請求項４に記載の本考案は、前記二つの枠体の先端部をリング状に曲 成した各々連結部（９，９）が連結ピン（８）により前記連結部材（６）に軸支 されることを特徴としている。上記した折りたたみ機構は、パーツ数も少なくて 済む極めて単純な構造であるため、大幅なコストダウンが図れる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、図１〜図５に基づいて本考案に係る物干しハンガーの一実施形態を説明 する。

【００１２】 図１は本考案に係る物干しハンガーの一実施形態を示す正面図、図２は枠体の 構造を示す図、図３は折りたたみ機構の分解斜視図、図４は折りたたみ機構の要 部拡大斜視図、図５は別の枠体構造を示す図である。

【００１３】 図１および図２に示すように、本実施形態の物干しハンガー１は、外径が３Φ 程度の丸棒状の鋼線で構成した四角形の枠体３を備えており、その外枠３ａおよ び内枠３ｂには、各枠部と同径の鋼線より成るピンチ吊り下げ部５が溶接によっ て固着されている。尚、鋼線として強度、耐食性、溶着性等に優れるステンレス 鋼を用いると好適である。

【００１４】 上記したピンチ吊り下げ部５は、等間隔の波状に曲成した長い鋼線を、各枠部 のサイズに合わせてカットし、波形状の谷部５ａが下向きになるようにして直接 枠体３に溶接したものであるから、取付のための専用パーツは必要はなく、よっ て構造は極めて単純である。この多数形成されたピンチ吊り下げ部５の谷部５ａ に洗濯物を吊着するためのピンチ４がリング１２を介して懸装されている。

【００１５】 また、枠体３にピンチ吊り下げ部５が溶接されることにより、この吊り下げ部 ５の波形状が吊り下げ荷重に対して大きな補強効果を奏するから、従来品より軽 量でありながら、且つ、従来品以上の十分な強度を得ることができる。また、本 実施形態のように適所に内枠３ｂを設けることにより、一度に多くの小物類を干 せるのと同時に、その分の荷重に耐え得る強固な枠体３を構成できる。そして、 枠体３の所定箇所に取り付けた４本のチェーン１１を介して吊り下げフック２が 取り付けられて、本実施形態の物干しハンガー１が構成される。

【００１６】 また、図２に示すように、本実施形態の物干しハンガー１は、外枠３ａの中央 部に相対向して設けた折りたたみ機構１３，１３を備えており、これにより展開 と折りたたみの二態様を実現している。

【００１７】 前記折りたたみ機構１３は、図３に示すように、左右二つの枠体３ａ，３ａを 構成する鋼線の対向端を各々略直角に立ち上げると共に、先端部をリング状に曲 成して連結部９，９とし、これら双方の連結部９，９を重ね合わせて連結ピン８ にて連結部材６の扁平部６ａに穿設した加締孔１５に加締め止めすることにより 二つの枠体３ａ、３ａを回動自在に軸支する構造である。そして、この連結部材 ６の下部に角状の倒れ止め７が形成されており、図４（ａ）に示すように、連結 部材６に両枠体を連結することにより、略直角に折り曲げられたこれら回動基部 １０，１０の隙間に前記角状の倒れ止め７が介在されて両枠体３ａ、３ａの回動 を規制し、物干しハンガー１を展開した時のストッパとして機能するようになっ ている。これにより、物干しハンガー１を使用する際に枠体同士が倒れ合ったり 、重なり合ったりする不都合が無くなり、何時でも確実な形に展開できるから、 洗濯物を手際良く吊着することができる。

【００１８】 このように、本構成の折りたたみ機構１３は、連結部材６と連結ピン８のみを パーツとして使用し、あとは鋼線の先端部をリング状に加工するだけで良いから 、構成パーツ数の少い極めて単純な構造となっている。尚、本実施形態では、連 結部材６の孔１４を利用して吊り下げフック２を取り付けるためのチェーン１１ が取り付けてある。

【００１９】 以上、本実施形態では、図２に示す構成のように、外枠３ａに直交または並行 する形で２本の内枠３ｂ，３ｂを設けた枠体の例を説明したが、枠体の構成はこ れに限定されるものではないことは勿論であり、図５に示すように、内枠３ｂを 外枠３ａに対して斜めに（菱形形状）に設けても良い。この場合も、内枠３ｂに はピンチ吊り下げ部５が溶着されその谷部５ａにピンチ４が懸装されている。ま た、図示しないが、このような内枠３ｂを設けず外枠３ａのみの枠体構成として も良いことは言うまでもない。

【００２０】

【考案の効果】

以上、説明したように、本考案の物干しハンガーは、鋼線より成る枠体の外枠 や内枠に波状に曲成したピンチ吊り下げ部を溶接しただけの極めて単純な構造で あり、従来品のように多くのパーツ類を必要としないため、パーツの管理コスト を大幅に削減することができる。加えて、枠体にピンチの吊り下部を溶接するこ とにより、補強用として別パーツを使用しなくとも、その波形状が奏する補強効 果により枠体自体の強度は十分得られるようになる。特に、内枠を有する枠構成 にすることにより、枠体はより一層強化されることになる。

【００２１】 また、折りたたみ機構は、二つの枠体を構成する鋼線の先端部をリング状に曲 成した連結部を連結ピンによて連結部材に回動自在に軸支する構成としたので、 構造は極めて単純であり、且つ、使用するパーツ類も少なくて済むから、管理コ スト、部品コスト、製造コストを削減し、大幅なコストダウンが図れる。

【００２２】 また、連結部材に設けた倒れ止めが物干しハンガーを展開した時のストッパと して機能し、展開時に枠体同士が倒れ合ったり、重なり合ったりする不都合が無 くなるため、洗濯物を手際良く吊着することができる。

【００２３】 以上のように、本考案によれば、軽量、且つ、極めて単純な構造でありながら 、従来品と同等以上の優れた機能性が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る物干しハンガーの一実施形態を示
す正面図である。

【図２】枠体の構造を示す図で、（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面図である。

【図３】折りたたみ機構の分解斜視図である。

【図４】折りたたみ機構の要部拡大斜視図で、（ａ）は
展開状態を示し、（ｂ）は折りたたみ状態を示す。

【図５】図２とは別の枠体構造を示す図で、（ａ）は平
面図、（ｂ）は正面図である。

【符号の説明】

１ 物干しハンガー ２ 吊り下げフック ３ 枠体 ３ａ 外枠 ３ｂ 内枠 ４ ピンチ ５ ピンチ吊り下げ部 ６ 連結部材 ７ 倒れ止め ８ 連結ピン ９ 連結部 １０ 回動基部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊り下げフック（２）を取り付けた枠体
   （３）に多数のピンチ（４）を懸装して成る物干しハン
   ガー（１）において、 前記枠体（３）は鋼線より成り、且つ、当該枠体（３）
   に、鋼線を波状に曲成したピンチ吊り下げ部（５）を下
   向きに溶着して成ることを特徴とする物干しハンガー。
2. 【請求項２】 前記枠体（３）は、外枠（３ａ）と当該
   外枠（３ａ）同士を繋ぐ内枠（３ｂ）とで構成されてお
   り、且つ、その各々に前記ピンチ吊り下げ部（５）が溶
   着されていることを特徴とする請求項１に記載の物干し
   ハンガー。
3. 【請求項３】 前記枠体（３）は、連結部材（６）を介
   して回動自在に連結された二つの枠体にて構成されてお
   り、且つ、前記連結部材（６）は、前記二つの枠体の回
   動基部（１０，１０）間に位置して展開時に枠体の回動
   を規制する倒れ止め（７）を有することを特徴とする請
   求項１または請求項２の何れかに記載の物干しハンガ
   ー。
4. 【請求項４】 前記二つの枠体の先端部をリング状に曲
   成した各々連結部（９，９）が連結ピン（８）により前
   記連結部材（６）に軸支されることを特徴とする請求項
   ３に記載の物干しハンガー。