JP3005746U - 伸縮式ハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンガーの全長を衣服に合わせて伸縮させ
る。 【構成】 ハンガー本体３の水平杆３Ａに、スライド基
板６，７を摺動自在に組みに付ける。このスライド基板
６，７にスライドハンガー４，５の基部を固定する。そ
して、スライドハンガー４，５をハンガー本体３に沿っ
て摺動すれば、ハンガー本体３の全長を変えられる。 【効果】 ハンガー本体３を伸ばせば、長袖の袖口まで
スライドハンガー４，５を通すことができる。これによ
り、長袖が垂れ下がらず、型くずれやしわの発生を防げ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、長袖の衣服を干すのに適した伸縮式ハンガーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、衣服を掛けるハンガーの長さは、概ね衣服の肩幅に設定され、例えば長 袖のトレーナーや和服を掛けたとしても、袖の部分が垂れ下がってしまい、袖が 伸びて型くずれやしわが生じやすい。

【０００３】 そこで、長袖の衣服用としてハンガーの全長を長袖の袖口まで達するように長 く形成することが考えられる。しかし、このような、長いハンガーは、狭い場所 で干す際、場所を取って取り扱いに不便であるとともに、例えば、背広や和服な どの前開きとなる衣服は、長いハンガーでも、袖口までハンガーを通すことがで きるものの、襟口部分だけが開口したセーターやトレーナーなどのは、襟口に長 いハンガーを通すことができず、衣服を掛ける際の利便性を考慮すれば、むしろ 、全長の短いハンガーの方が便利である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述したように、短いハンガーでは、長袖のトレーナーや和服を吊り下げる際 、袖が伸びてしまい、型くずれやしわが生じやすく、一方、長いハンガーでは、 例えば、巾方向にスペース的に余裕のないベランダで干す場合、場所を取って取 り扱いに不便であるとともに、襟口部分が開口したセーターやトレーナーをハン ガーに掛ける際、襟口にハンガーが入りずらいという問題があった。

【０００５】 本考案は、このような問題点を解決しようとするもので、衣服に応じてハンガ ーの長さを変え、長袖を掛ける場合、ハンガーを伸ばして袖を通すことで、型く ずれやしわを防止できる伸縮式ハンガーを提供することを第１の目的とする。ま た、ハンガーを伸縮する際、スライドハンガーが安定的に摺動できる伸縮式ハン ガーを提供することを第２の目的とする。さらに、狭い場所でハンガーをコンパ クトに吊すことができるとともに、ハンガーを物干し竿などに吊り下げた際、外 れ難い構造の伸縮式ハンガーを提供することを第３の目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

請求項１記載の考案は、中央部に物干し竿などに吊り下げるフックを配したハ ンガーベースと、このハンガーベースの両側から水平に突設する細長なハンガー 本体と、このハンガー本体の水平部に沿ってスライド自在に組み付け付けられる スライド基板と、このスライド基板に基部側が固定され前記ハンガー本体に摺動 自在に組み付けたスライドハンガーとを具備したものである。

【０００７】 請求項２記載の考案は、請求項１記載の伸縮式ハンガーにおいて、前記ハンガ ー本体と前記スライドハンガーとをほぼＵ字状に形成し、このハンガー本体の内 側にスライドハンガーを配置し、ハンガー本体の先端にスライドハンガーの先端 部を支持する段部を形成したものである。

【０００８】 請求項３の考案は、請求項１又は２記載の伸縮式ハンガーにおいて、前記ハン ガーベースの中央に、フックベースを水平回転自在に組み付け、このフックベー スに前記フックの基部を軸支してフックを起伏自在に設けたものである。

【０００９】 請求項４の考案は、請求項１〜３のいずれか１項記載の伸縮式ハンガーにおい て、前記フックの先端部に物干し竿などを挾み付けるクリップを回動自在に設け たものである。

【００１０】

【作用】

請求項１の考案は、ハンガー本体に対してスライドハンガーを摺動させること によって、ハンガー本体の全長を衣服の大きさに合わせて調節でき、スライドハ ンガーを伸ばせば、長袖の衣服を干す時、スライドハンガーを袖口まで通すこと ができるので、袖が垂れ下がらず型くずれやしわの発生を防止できる。

【００１１】 請求項２の考案は、スライドハンガーを摺動させる際、スライドハンガーの基 部に組み付けられるスライド基板がハンガー本体の水平部に沿って摺動し、スラ イドハンガーの先端部はハンガー本体の先端部の段部に乗り上がって支持される ので、スライドハンガーを安定的にスライド移動できる。

【００１２】 請求項３の考案は、スライドハンガーを伸ばして衣服を掛けたとしても、ハン ガー本体に対してフックを斜めとなるように回転すれば、巾方向に余裕のない狭 いベランダなどで、場所を取らずに干すことができる。また、フックを倒せば襟 口にハンガー本体を通しやすい。

【００１３】 請求項４の考案は、衣服を掛けたハンガーを物干し竿などに吊り下げる際、フ ックの先端に組み付けたクリップが内側に回動し、クリップとフックで物干し竿 を挾み付けて、風などの影響でハンガーが片寄ることもなく、物干し竿にハンガ ー本体を安定的に吊り下げることができる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の伸縮式ハンガーの一実施例について、添付図面を参照して説明 する。図１乃至図６において、１はフック２とハンガー本体３を取り付けるハン ガーベース、４，５はスライドハンガー、６，７は前記スライドハンガー４，５ を前記ハンガー本体３にスライド自在に組み付けるスライド基板である。

【００１５】 前記ハンガー本体３は、ステンレス製の線材を折り曲げたもので、水平部とな る２本の平行した水平杆３Ａの両端を円弧状に繋げ、その一方の水平杆３Ａの中 央部分を切断して全体に細長いＣ字型に折曲され、切断部の一端部から内側に屈 曲して抜止部８を形成する。一方、前記スライドハンガー４，５は、前記ハンガ ー本体３と同様、ステンレス製の線材を折曲したものであるが、前記ハンガー本 体３より巾が狭く形成された２本の平行した水平杆４Ａ，５Ａの一端を円弧状に 繋げて全体に細長いＵ字型に折曲するもので、ハンガーベース１の両側に左右対 称に配置される。また、これら両スライドハンガー４，５の一端部には、前記ハ ンガー本体３と同様な抜止部９を内側に屈曲して形成している。

【００１６】 前記ハンガーベース１は、図３に示すように、プラスチックの一体成型品で、 上下半割りに分割された上側ケース１Ａと下側ケース１Ｂによって構成され、上 側ケース１Ａに係止爪10が、下側ケース１Ｂに係止爪10と対向する係止孔11が設 けられ、両ケース１Ａ，１Ｂの内面には、図２に示すように、直線状の溝12とＬ 字状の溝12Ａがそれぞれ対向して形成されている。そして、前記係止爪10と係止 孔11とを嵌め合わせ、前記ハンガー本体３の中央部を上下ケース１Ａ，１Ｂで挾 み付けることによって、上下ケース１Ａ，１Ｂに形成する溝12，12Ａが相互に一 致し、前記直線状の溝12にハンガー本体３の水平杆３Ａが嵌まり込み、一方、Ｌ 字状の溝12Ａに、前記抜止部８が嵌まり込んでハンガーベース１にハンガー本体 ３が位置決め状態で一体的に組み付けられる。なお、ハンガーベース１の中央に は内周面中央部に径小段部13Ａを有する開口部13が形成され、この開口部13に、 後述するフックベースを嵌め入れる。

【００１７】 前記スライド基板６，７は、プラスチックの一体成型品であって、前記ハンガ ーベース１と実質同様な構成を成す。すなわち、図４に示すように、上下半割り に分割された上側ケース６Ａ，７Ａと下側ケース６Ｂ，７Ｂによって構成され、 上側ケース６Ａ，７Ａに係止爪14が、下側ケース６Ｂ，７Ｂに係止爪14と対向す る係止孔15が設けらている。また、上下各ケース６Ａ，７Ａ，６Ｂ，７Ｂの内面 には、前記スライドハンガー４，５の基端側を嵌め入れる直線状の溝16とＬ字状 の溝16Ａがそれぞれ対向して形成され、さらに、これら溝16，16Ａの外側に前記 ハンガー本体３の水平杆３Ａを嵌め入れる平行した２条の溝17が形成されている 。そして、ハンガー本体３の内側に前記スライドハンガー４，５を左右対称に配 置し、前記係止爪14と係止孔15とを嵌め合わせることによって、そのハンガー本 体３とスライドハンガー４，５にそれぞれ前記上下各ケース６Ａ，７Ａ，６Ｂ， ７Ｂを挾み付けてハンガー本体３とスライドハンガー４，５にスライド基板６， ７を組み付ける。この時、両スライド基板６，７の内側に形成される直線状の溝 12とＬ字状の溝12Ａにスライドハンガー４，５の水平杆４Ａ，５Ａと抜止部９を 嵌め入れることで、スライド基板６，７にスライドハンガー４，５の基部が位置 決め状態で組み付けられ、両スライド基板６，７の外側に形成する平行した２条 の溝17にそれぞれハンガー本体３の水平杆３Ａを嵌め入れることで、ハンガー本 体３の水平杆３Ａに沿ってスライド基板６，７が摺動自在に組み付けられる。こ れにより、スライド基板６，７を介してスライドハンガー４，５がスライドし、 ハンガー本体３の全長を調整できる。なお、ハンガー本体３の先端には一段低い 段部３Ｂが形成され、その段部３Ｂにスライドハンガー４，５の先端部が支持さ れる。すなわ前記スライドハンガー４，５は、ハンガー本体３の内側に位置して ハンガー本体３と同一平面状に装着され、最も縮めた状態でハンガー本体３の先 端から僅かに外側に突出しており、そのスライドハンガー４，５の先端部が前記 ハンガー本体３の段部３Ｂに乗り上がる。

【００１８】 18は前記ハンガーベース１に前記フック２を装着するフックベースであり、前 記ハンガーベース１の中央部に設けた開口部13に嵌まり込む円形の基板19と、こ の基板19の上面に相対向して突設する突部20と、基板19の下面に垂設する複数本 の係止爪21とを有してプラスチックにより成型される。そして、前記フックベー ス18の各係止爪21を前記開口部13の内周面に形成する径小段部13Ａの下面に係止 することによって、基板19が径小段部13Ａ上に位置して開口部13に水平回転自在 に保持される。また、前記フックベース18に形成する突部20は、上端がＵ字状に 湾曲し、その内側に凸部20Ａが形成されており、この凸部20Ａに前記フック２の 基部に設けた突軸22を係止することによって、水平回転自在なフックベース18に フック２が起伏自在に組み付けられる。また、フック２の先端寄り両側に孔23が 形成され、この孔23にクリップ24の基部両側に設けた突軸25を嵌め入れることに よって、前記フック２の先端にクリップ24を回動自在に組み付ける。なお、この クリップ24は一端がフック２の内側に嵌まり込み、他端側がクリップ24の外側に 延在してフック２に組み付けられている。

【００１９】 以上のように構成される本考案の作用について説明する。まず、本考案のハン ガー本体３に衣服を掛ける場合、衣服の種類によって、例えば、長袖のトレーナ ーあるいは和服を掛けるには、図６に示すように、スライドハンガー４，５を引 き出してハンガー本体３の全長を伸ばせば、袖口までスライドハンガー４，５を 通すことができ、袖が垂れ下がらず型くずれやしわの発生を防止できる。また、 掛ける衣服として襟口が開口した長袖のトレーナー、セーターなどを干す場合、 スライドハンガー４，５を縮めて、ハンガー本体３を戻せば、衣服の襟口にハン ガー本体３を容易に通すことができ、このように襟口にハンガー本体３を通した 後、スライドハンガー４，５を伸ばして袖に通せばよい。なお、この時、フック ２を倒しておけば、襟口にハンガー本体３を通す際、フック２が衣服に引っ掛か らずスムーズに通すことができる。

【００２０】 そして、衣服を掛けたハンガーを干すには、フック２を起こして物干し竿Ａに 吊り下げるが、この時、図５に示すように、フック２の先端に組み付けたクリッ プ24の内端側が物干し竿Ａに接し、衣服を掛けたハンガー本体３の重さによって 、クリップ24の先端が下側に向かって回動し、クリップ24とフック２で物干し竿 Ａを挾み付けて、風などの影響でハンガーが片寄ることもなく、物干し竿Ａにハ ンガーを安定的に吊り下げることができる。また、フック２を取り付けるフック ベース18をハンガーベース１に水平回転自在に組み付けることで、物干し竿Ａに 吊り下げたハンガー本体３をフック２に対して斜めとなるように回転すれば、狭 いベランダなどで、全長を伸ばしたハンガー本体３であっても、場所を取らずに 干すことができる。

【００２１】 以上のように、本考案は、掛ける衣服に応じてスライドハンガー４，５をスラ イドさせることによって、ハンガー本体３の全長を調整し、長袖の衣服を掛ける 場合には、スライドハンガー４，５を伸ばして袖口まで通せば、袖が垂れ下がら ず型くずれやしわの発生を防止できる。勿論、スライドハンガー４，５を縮めて 半袖の衣服を吊り下げることもできる。また、スライドハンガー４，５をスライ ドする際、スライドハンガー４，５の基部に組み付けた両スライド基板６，７が ハンガー本体３の水平杆３Ａに沿ってスライドし、一方、スライドハンガー４， ５の先端部は、ハンガー本体３の先端に折曲する段部３Ｂに乗り上がって支持さ れるため、スライドハンガー４，５を安定的にスライドすることができる。さら に、衣服を掛けたハンガー本体３を物干し竿Ａに吊り下げる際、フック２の先端 に組み付けたクリップ24によって、物干し竿Ａにハンガー本体３を安定的に吊り 下げることができるとともに、物干し竿Ａに吊り下げたハンガー本体３をフック ２に対して斜めとなるように回転すれば、狭いベランダなどで、場所を取らずに 干すことができる。

【００２２】 以上、本考案の実施例を詳述したが、本考案は、前記実施例に限定されるもの ではなく、本考案の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、ハン ガー並びスライドハンガーの形状や材質、あるいはフックの形状や取付構造など は適宜設定すればよいものであり、また、フックに取り付けるクリップの構成や 取付構造等も適宜設定すればよい。

【００２３】

【考案の効果】

請求項１の考案は、中央部に物干し竿などに吊り下げるフックを配したハンガ ーベースと、このハンガーベースの両側から水平に突設する細長なハンガー本体 と、このハンガー本体の水平部に沿ってスライド自在に組み付け付けられるスラ イド基板と、このスライド基板に基部側が固定され前記ハンガー本体に摺動自在 に組み付けたスライドハンガーとを具備したことによって、長袖の衣服をハンガ ーに掛ける際、スライドハンガーを引き出してハンガー本体の全長を伸ばせば、 袖口までスライドハンガーが通り、型くずれやしわの発生を防止できる。

【００２４】 請求項２の考案は、請求項１記載の伸縮式ハンガーにおいて、前記ハンガー本 体と前記スライドハンガーとをほぼＵ字状に形成し、このハンガー本体の内側に スライドハンガーを配置し、ハンガー本体の先端にスライドハンガーの先端部を 支持する段部を形成したことによって、スライドハンガーを摺動させる際、スラ イドハンガーの基部に組み付けられるスライド基板がハンガー本体に沿って摺動 し、スライドハンガーの先端部はハンガー本体の先端部の段部に乗り上がって支 持されるので、スライドハンガーを安定的にスライド移動できる。

【００２５】 請求項３の考案は、請求項１又は２記載の伸縮式ハンガーにおいて、前記ハン ガーベースの中央に、フックベースを水平回転自在に組み付け、このフックベー スに前記フックの基部を軸支してフックを起伏自在に設けたことによって、フッ クを倒せば、ハンガーを襟口に通す際にフックが襟口に引っ掛からず、スムーズ に通すことができ、また、ハンガー本体に対してフックを斜めとなるように回転 すれば、ハンガー本体を斜めにした状態で干すことができるため、巾方向に余裕 のない狭いベランダなどで、場所を取らずに干すことができる。

【００２６】 請求項４の考案は、請求項１〜３記載のいずれか１記載の伸縮式ハンガーにお いて、前記フックの先端部に物干しなどを挾み付けるクリップを回動自在に設け たことによって、衣服を掛けたハンガーを物干し竿などに吊り下げる際、フック の先端に組み付けたクリップが回動し、クリップとフックで物干し竿を挾み付け て、ハンガー本体を安定的に吊り下げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すハンガーの斜視図であ
る。

【図２】同上ハンガーの平面図である。

【図３】同上図２のΙ−Ι線断面図である。

【図４】同上図２のΙΙ−ΙΙ線断面図である。

【図５】同上フック付近の断面図である。

【図６】同上ハンガーを伸ばした状態を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１ ハンガーベース ２ フック ３ ハンガー本体 ３Ａ 水平杆（水平部） ４，５ スライドハンガー ６，７ スライド基板 18 フックベース 24 クリップ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央部に物干し竿などに吊り下げるフッ
   クを配したハンガーベースと、このハンガーベースの両
   側から水平に突設する細長なハンガー本体と、このハン
   ガー本体の水平部に沿ってスライド自在に組み付け付け
   られるスライド基板と、このスライド基板に基部側が固
   定され前記ハンガー本体に摺動自在に組み付けたスライ
   ドハンガーとを具備したことを特徴とする伸縮式ハンガ
   ー。
2. 【請求項２】 前記ハンガー本体と前記スライドハンガ
   ーとをほぼＵ字状に形成し、このハンガー本体の内側に
   スライドハンガーを配置し、ハンガー本体の先端にスラ
   イドハンガーの先端部を支持する段部を形成したことを
   特徴とする請求項１記載の伸縮式ハンガー。
3. 【請求項３】 前記ハンガーベースの中央に、フックベ
   ースを水平回転自在に組み付け、このフックベースに前
   記フックの基部を軸支してフックを起伏自在に設けたこ
   とを特徴とする請求項１又は２記載の伸縮式ハンガー。
4. 【請求項４】 前記フックの先端部に物干し竿などを挾
   み付けるクリップを回動自在に設けたことを特徴とする
   請求項１〜３いずれか１項記載の伸縮式ハンガー。