JP2005006481A - インシュレータ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インシュレータ4は、分割コア部13に対応して形成され、周方向端部に挿入孔21gを有する第1インシュレータ部材21と、周方向端部に挿入凸部22gを有する第2インシュレータ部材22とを備える。第1インシュレータ部材21と第2インシュレータ部材22とは、挿入孔21gに挿入凸部22gが軸方向に挿入されることで交互に配設されるとともに互いに回動可能に連結される。挿入孔21gには、軸直交方向に延びる鉤状切り欠き部21hが形成される。挿入凸部22gには、軸直交方向に延び、第1インシュレータ部材21と第2インシュレータ部材22とが所定の回動角度で挿入孔21gに挿入可能、且つ所定の回動角度以外で挿入孔21gに挿抜不能となる鉤状突出部22hが形成される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータのコアと巻線とを絶縁するためのインシュレータ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブラシレスモータ等におけるステータは、コア(ステータコア)のティース部に巻線が巻回されてなる。詳しくは、コアは、放射状に設けられる複数のティース部と各ティース部を径方向外側で連結する環状部とを備え、そのティース部にインシュレータを介して巻線が巻回されることになる。このようなコアとしては、周方向に(ティース部毎に)分割された形状で互いに回動が許容される複数の分割コア部から構成されるものがある。このようなステータでは、分割コア部を環状とする前に、即ちティース部同士の間隔を広げた状態で巻線を巻装することで、隣り合うティース部が邪魔になることなく、巻線を容易に巻装することができる。
【0003】
そして、このようなステータ(コア)に設けられるインシュレータは、分割コア部の回動を許容する、言い換えると分割コア部と一体的に回動可能とされる必要がある。そして、このようなインシュレータとしては、分割コア部毎に別体とされた複数のインシュレータ部材が、それぞれ分割コア部に装着されてインシュレータを構成するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−247788号公報(図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような複数のインシュレータ部材をそれぞれ分割コア部(コア)に対して装着することは組み付け工数が多くなり面倒であるという問題がある。このことは、組み付け時間を増大させるとともに、組み付けコストを増大させる原因となる。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡単な構成としながら、容易にコアに装着することができるインシュレータを提供することにある。
【0007】
又、他の目的として、簡単な構成としながら、容易にコアに装着することができるインシュレータを容易に製造することができるインシュレータの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、周方向に分割され互いの回動が許容される複数の分割コア部から構成され放射状に配置されるティース部と該ティース部の径方向端部を連結する環状部とを有するコアに装着され、前記ティース部と該ティース部に巻装される巻線とを絶縁するためのインシュレータであって、前記分割コア部に対応して形成され、周方向端部に挿入凹部を有する第1インシュレータ部材と、周方向端部に挿入凸部を有する第2インシュレータ部材とを備え、前記第1インシュレータ部材と前記第2インシュレータ部材とは、前記挿入凹部に前記挿入凸部が軸方向に挿入されることで交互に配設されるとともに互いに回動可能に連結され、前記挿入凹部には、軸直交方向に延びる鉤状切り欠き部が形成され、前記挿入凸部には、軸直交方向に延び、前記第1インシュレータ部材と前記第2インシュレータ部材とが所定の回動角度で前記挿入凹部に挿入可能、且つ前記所定の回動角度以外で前記挿入凹部に挿抜不能とする鉤状突出部が形成された。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインシュレータにおいて、前記所定の回動角度は、前記巻線を巻装する際の巻線時回動角度以外に設定される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインシュレータにおいて、前記巻線時回動角度は、複数の前記分割コア部が直線状に配列された角度である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインシュレータの製造方法であって、複数の前記第1及び第2インシュレータ部材を軸方向にずらして且つ前記所定の回動角度に配置されるように型内で成形する成形工程と、前記成形工程の後、前記所定の回動角度に配置されたままの前記第1及び第2インシュレータ部材の少なくとも一方を軸方向に移動させることで、前記挿入凹部に前記挿入凸部を挿入して前記第1及び第2インシュレータ部材を連結する連結工程とを備えた。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインシュレータの製造方法において、前記連結工程は、前記型内で前記第1及び第2インシュレータ部材の一方を軸方向に移動させることで行う。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインシュレータの製造方法において、前記連結工程は、前記第1及び第2インシュレータ部材の一方を前記型に設けた摺接面に摺接させて軸方向に移動させることで行う。
【0013】
請求項7に記載の発明は、周方向に分割される分割コアに巻装される巻線を絶縁するために前記分割コアを被覆するよう形成されるものであって、周方向端部に挿入凹部を有する第1インシュレータ部材と、周方向端部に挿入凸部を有する第2インシュレータ部材とを備え、前記挿入凹部に前記挿入凸部が軸方向に挿入されることで互いに回動可能に連結されるインシュレータの製造方法であって、前記第1及び第2インシュレータ部材を前記挿入凹部と前記挿入凸部とが軸方向にずれるように配置されるように型内で成形する成形工程と、前記成形工程の後、前記第1及び第2インシュレータ部材の少なくとも一方を軸方向に移動させることで、前記挿入凹部に前記挿入凸部を挿入して前記第1及び第2インシュレータ部材を連結する連結工程とを備えた。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、周方向端部に挿入凹部を有する第1インシュレータ部材と、周方向端部に挿入凸部を有する第2インシュレータ部材とは、鉤状切り欠き部及び鉤状突出部にて、所定の回動角度で挿入凹部に挿入凸部が挿入可能とされ、所定の回動角度以外で挿入凹部に挿入凸部が挿抜不能とされる。よって、第1及び第2インシュレータ部材を所定の回動角度で回動可能に連結した後、所定の回動角度以外の状態とするだけで、第1及び第2インシュレータ部材の連結を保持させることができる。これにより、インシュレータ(第1インシュレータ部材及び第2インシュレータ部材)を、容易に、まとめてコアに装着することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、巻線を巻装する際の巻線時回動角度では、挿入凹部から挿入凸部が抜脱不能とされる。よって、巻線を巻装する際に、第1及び第2インシュレータ部材の連結が保持され、第1インシュレータ部材及び第2インシュレータ部材の少なくとも一方が部分的にコアから脱落してしまうといったことが防止される。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、巻線時回動角度は、複数の前記分割コア部が直線状に配列された角度であるため、巻線を巻装する際、隣り合うティース部が略平行に延びるように配置され互いが邪魔になることが低減され、巻線を容易に巻装することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、成形工程では、複数の第1及び第2インシュレータ部材が軸方向にずらされて且つ所定の回動角度に配置されるように型内で成形される。そして、その後の連結工程では、所定の回動角度に配置されたままの第1及び第2インシュレータ部材の少なくとも一方が軸方向に移動されることで挿入凹部に挿入凸部が挿入されて第1及び第2インシュレータ部材が連結される。このようにすると、第1及び第2インシュレータ部材を連結させる際、成形した第1及び第2インシュレータ部材を所定の回動角度に配置し直すといった工程が不要となる。よって、インシュレータ(連結された第1及び第2インシュレータ部材)を容易に得ることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、連結工程では、前記型内で第1及び第2インシュレータ部材の一方が軸方向に移動されることで挿入凹部に挿入凸部が挿入されて第1及び第2インシュレータ部材が連結される。このようにすると、インシュレータ(連結された第1及び第2インシュレータ部材)を更に容易に(無駄に移動させることなく)得ることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、連結工程では、第1及び第2インシュレータ部材の一方が前記型に設けた摺接面に摺接されて軸方向に移動されることで挿入凹部に挿入凸部が挿入されて第1及び第2インシュレータ部材が連結される。このようにすると、インシュレータ(連結された第1及び第2インシュレータ部材)を更に容易に(スムーズ且つ確実に)得ることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、煩わしい凹凸嵌合が型内で型構造に基づいて確実で容易に実施することができ、安価な連結回動可能なインシュレータを提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図21に従って説明する。図1に示すように、回転電機としてのブラシレスモータは、ステータ1と、ステータ1と対向配置されるマグネット(図示略)を有したロータ2(図中、一点鎖線で示す)とを備える。ステータ1は、略円筒状のハウジング3内に配設され、インシュレータ4を介して巻線5が巻装されたコアとしてのステータコア6を備える。
【0022】
ステータコア6は、放射状に設けられ巻線5が巻装される複数のティース部7と、その各ティース部7の径方向外側端部を連結する環状部8とを備える。尚、本実施の形態では、ティース部7は、等角度(30度)間隔に12個形成されている。
【0023】
詳しくは、ステータコア6は、図4(a)〜(c)に示すように、周方向に(ティース部7毎に)分割された形状で互いの回動が許容される複数(本実施の形態では12個)の分割コア部13から構成される。各分割コア部13は、第1積層部材11(図2参照)と、第2積層部材12(図3参照)とが交互に積層されて形成される。
【0024】
第1積層部材11は、図2(a)(b)に示すように、弧状に延びる積層前分割環状部11aと、積層前分割環状部11aの中間部から略直交方向(前記弧状の軸中心方向)に延びる積層前ティース部11bとを有する。積層前ティース部11bの先端部には、周方向に延びる積層前突片11cが形成されている。又、積層前ティース部11bには、板厚方向(軸方向)の一方(図2(b)中、上方)に第1嵌合凹部11dが形成され、且つ板厚方向の他方(図2(b)中、下方)に第1嵌合凸部11eが形成されている。第1嵌合凹部11dと第1嵌合凸部11eは、板厚方向に並んで形成されるとともに、その組が積層前ティース部11bの延設方向に2つ並んで形成されている。
【0025】
又、積層前分割環状部11aの周方向の一端部(図2中、左側端部)には、軸方向から見て(図2(a)参照)円弧凸状の円弧凸部11fが形成されている。又、積層前分割環状部11aの周方向の他端部(図2中、右側端部)には、軸方向から見て(図2(a)参照)円弧凹状の円弧凹部11gが形成されている。即ち、積層前分割環状部11aの周方向両端部には、複数の第1積層部材11を側方に配列した際(図2(a)参照)に、それぞれが嵌って第1積層部材11同士の回動を許容するように円弧凸部11fと円弧凹部11gが形成されている。
【0026】
第2積層部材12は、図3(a)(b)に示すように、第1積層部材11と対称形状に形成されている。即ち、第2積層部材12は、弧状に延びる積層前分割環状部12aと、積層前分割環状部12aの中間部から略直交方向(前記弧状の軸中心方向)に延びる積層前ティース部12bとを有する。積層前ティース部12bの先端部には、周方向に延びる積層前突片12cが形成されている。又、積層前ティース部12bには、板厚方向(軸方向)の一方(図3(b)中、上方)に第2嵌合凹部12dが形成され、且つ板厚方向の他方(図3(b)中、下方)に第2嵌合凸部12eが形成されている。第2嵌合凹部12dと第2嵌合凸部12eは、板厚方向に並んで形成されるとともに、その組が積層前ティース部12bの延設方向に2つ並んで形成されている。
【0027】
又、積層前分割環状部12aの周方向の他端部(図3中、右側端部)には、軸方向から見て(図3(a)参照)円弧凸状の円弧凸部12fが形成されている。又、積層前分割環状部12aの周方向の一端部(図3中、左側端部)には、軸方向から見て(図3(a)参照)円弧凹状の円弧凹部12gが形成されている。即ち、積層前分割環状部12aの周方向両端部には、複数の第2積層部材12を側方に配列した際(図3(a)参照)に、それぞれが嵌って第2積層部材12同士の回動を許容するように円弧凸部12fと円弧凹部12gが形成されている。
【0028】
そして、第1積層部材11と第2積層部材12とが交互に(本実施の形態では5段ずつ)積層されることで、積層前分割環状部11a,12aよりなる分割環状部13aと積層前ティース部11b,12bよりなる前記ティース部7とを有する分割コア部13が形成される。この際、第1及び第2積層部材11,12は、第1嵌合凸部11eが第2嵌合凹部12dに圧入嵌合され、第2嵌合凸部12eが第1嵌合凹部11dに圧入嵌合されることで固定されて、分割コア部13が形成される。この分割コア部13における分割環状部13aの周方向の一端部は、円弧凸部11fと円弧凹部12gにより凹凸を繰り返す形状とされ、同周方向の他端部は、円弧凸部12fと円弧凹部11gにより凹凸を繰り返す形状とされる(図4(b)参照)。そして、複数の分割コア部13が環状に配列されることで、分割環状部13aが前記環状部8を形成し、前記ティース部7が放射状に配置される(図1参照)。尚、この状態では、隣り合う前記分割コア部13における分割環状部13aの周方向端部同士の凹凸が互いに嵌り合って、即ち前記円弧凸部11f,12f同士が軸方向に重なり合って配置される。
【0029】
インシュレータ4は、図5〜図8に示すように、分割コア部13に対応した形状の第1及び第2インシュレータ部材21,22よりなる。第1及び第2インシュレータ部材21,22は、絶縁性を有する樹脂材よりなる。第1及び第2インシュレータ部材21,22は、分割環状部13aの軸方向片方の面上に配置される弧状端面部21a,22aと、分割環状部13aの内周面を覆うための内周端面部21b,22bとを備える。又、第1及び第2インシュレータ部材21,22は、ティース部7の軸方向片方の面を覆うための端面部21c,22cと、ティース部7の両側面を覆うための一対の側面部21d,22dとを備える。前記弧状端面部21a,22aは、巻装される巻線5の径方向外側へのはみ出しを規制すべく軸方向に突出して形成され、その一部には巻線5を係止可能な係止溝21e,22eが形成されている。又、前記端面部21c,22cにおけるティース部7の先端部と対応した端部(図6、図8中、下端部)には、巻装される巻線5の径方向内側へのはみ出しを規制すべく軸方向に立設された内側規制壁21f,22fが形成されている。
【0030】
又、図5及び図6に示すように、第1インシュレータ部材21における前記分割環状部13aの周方向端部と対応した位置であって弧状端面部21aの周方向端部(両端部)には、軸方向に延びる挿入凹部としての挿入孔21gが形成されている。この挿入孔21gには、軸直交方向に延びる(図6に示すように軸方向から見て径方向に延びる)鉤状切り欠き部21hが形成されている。尚、本実施の形態の第1インシュレータ部材21における一対の鉤状切り欠き部21hは、図6に示すように、内側規制壁21f側(図6中、下側)に向かうほど離間するように(図6中、左斜め下方向と、右斜め下方向に)延びている。
【0031】
又、図7及び図8に示すように、第2インシュレータ部材22における前記分割環状部13aの周方向端部と対応した位置であって弧状端面部22aの周方向端部(両端部)には、軸方向に延びる挿入凸部22gが形成されている。この挿入凸部22gには、その先端に軸直交方向に延びる(図8に示すように軸方向から見て径方向に延びる)鉤状突出部22hが形成されている。鉤状突出部22hは、第1インシュレータ部材21と第2インシュレータ部材22とが所定の回動角度(相対位置が所定の角度)で挿入凸部22gを挿入孔21gに挿入可能、且つ所定の回動角度以外で挿入凸部22gを挿入孔21gに対して挿抜不能とするように形成されている。即ち、鉤状突出部22hは、前記所定の回動角度でのみ前記鉤状切り欠き部21hと一致するように形成されている。尚、本実施の形態の第2インシュレータ部材22における一対の鉤状突出部22hは、図8に示すように、内側規制壁22f側(図8中、下側)に向かうほど離間するように(図8中、左斜め下方向と、右斜め下方向に)延びている。
【0032】
ここで、本実施の形態における前記所定の回動角度は、図9に示すように、合わせて12個(6個ずつ)の第1及び第2インシュレータ部材21,22を、ティース部7と対応した側(端面部21c,22c等)が外側を向くように、環状に配列した角度に設定されている。このような所定の回動角度では、図10に示すように、鉤状突出部22hが鉤状切り欠き部21hと一致し、挿入凸部22gを挿入孔21gに挿入可能となる。これにより、第1及び第2インシュレータ部材21,22は、図9に示すような状態で挿入凸部22gが挿入孔21gに挿入されることで、交互に配設されるとともに互いに回動可能に連結される。尚、合わせて12個(6個ずつ)の第1及び第2インシュレータ部材21,22の両端部(両端部の第1及び第2インシュレータ部材21,22における端部)には、前記挿入孔21g、及び前記挿入凸部22gが形成されていない。
【0033】
又、図11は、合わせて12個(6個ずつ)の第1及び第2インシュレータ部材21,22を直線状に配列した状態を示す。本実施の形態におけるこの状態(図11参照)は、ティース部7に巻線5を巻装する際の巻線時回動角度と対応した状態である。この状態(角度)では、鉤状突出部22hが鉤状切り欠き部21hと一致しない(図11中、部分拡大図参照)ため、挿入孔21gから挿入凸部22gが抜脱不能とされる。
【0034】
又、図12は、合わせて12個(6個ずつ)の第1及び第2インシュレータ部材21,22を、ティース部7と対応した側(端面部21c,22c等)が内側を向くように、環状に配列した状態を示す。本実施の形態におけるこの状態(図12参照)は、環状とされたステータコア6(分割コア部13)と対応した状態、即ち、図1に示すようにステータコア6(分割コア部13)に装着されて最終的に配置される状態である。この状態(角度)では、鉤状突出部22hが鉤状切り欠き部21hと一致しない(図12中、部分拡大図参照)ため、挿入孔21gから挿入凸部22gが抜脱不能とされる。
【0035】
上記のように構成されたインシュレータ4(第1及び第2インシュレータ部材21,22)は、前記円弧凸部11f,12f同士が軸方向に重なった状態の複数の分割コア部13(図4参照)に装着されることで、隣り合う分割コア部13を回動可能に連結する。ここで、挿入孔21g及び挿入凸部22gの軸中心は、前記円弧凸部11f,12f及び前記円弧凹部11g,12gの軸中心と同じに設定されており、該軸中心に隣り合う分割コア部13が回動可能とされる。又、本実施の形態のインシュレータ4(第1及び第2インシュレータ部材21,22)は、分割コア部13の軸方向に一対、即ち軸方向の一方と他方に上下対称にそれぞれ設けられる。
【0036】
そして、ティース部7には、隣り合うティース部7の先端部同士の間隔が広げられた状態(開状態)で、インシュレータ4、詳しくは第1及び第2インシュレータ部材21,22の端面部21c,22c及び側面部21d,22dを介して巻線5が巻装される(図21参照)。尚、本実施の形態では、ティース部7が平行に延びるように分割コア部13が直線状に配列された状態であって、第1及び第2インシュレータ部材21,22が直線状に配列された状態で巻線5が巻装される。又、このときの第1及び第2インシュレータ部材21,22(複数の分割コア部13)の回動角度(相対的な角度)を巻線時回動角度としている。そして、複数の分割コア部13は、分割環状部13aが環状の前記環状部8となり且つティース部7が放射状に配設された状態(閉状態)で固定され、ステータ1が構成される。
【0037】
次に、上記のように構成されるステータ1(インシュレータ4)の製造方法(各工程)及び製造装置について説明する。
製造装置は、図13〜図15等に示すように、下側金型31、上側金型32、スライドコア33,34、及び突き出し部材35等を備える。尚、図13は、第1及び第2インシュレータ部材21,22を成形し上側金型32を離間させた状態を上方から見た図であって、図14は(上側金型が離間されていない状態の)図13のD−D断面図、図15は(上側金型が離間されていない状態の)図13のE−E断面図である。又、本実施の形態では、下側金型31、上側金型32、スライドコア33,34、及び突き出し部材35等が、複数の第1及び第2インシュレータ部材21,22を軸方向にずらして且つ前記所定の回動角度(図9参照)に配置されるように成形するための型を構成している。
【0038】
下側金型31は、第1及び第2インシュレータ部材21,22の下側(前記端面部21c,22c等の下面より下側)と略対応した形状に形成され、上側金型は、第1及び第2インシュレータ部材21,22の上側(前記端面部21c,22c等の下面より上側)と略対応した形状に形成されている。下側金型31及び上側金型32は、合わせて12個(6個ずつ)の第1及び第2インシュレータ部材21,22が、交互に、ティース部7と対応した側(端面部21c,22c等)が外側を向くように、環状に配列した角度に成形されるように形成されている(図9及び図13参照)。又、下側金型31及び上側金型32は、図14に示すように、第1インシュレータ部材21が軸方向上側に配置され、第2インシュレータ部材22が軸方向下側に配置されて成形されるように第1インシュレータ部材21と対応した部分と第2インシュレータ部材22と対応した部分とが段差を有して形成されている。又、下側金型31及び上側金型32には、その中央から放射状に各第1及び第2インシュレータ部材21,22と対応する位置まで延びる樹脂注入用の通路36(図13参照)が形成されている。
【0039】
スライドコア33,34は、前記挿入孔21g及び前記挿入凸部22gと対応した位置で径方向に一対設けられ、共に径方向に移動(スライド)可能で、前記挿入凸部22g(鉤状突出部22hを含む)を成形可能に形成されている。突き出し部材35は、下側金型31において前記挿入孔21g及び前記挿入凸部22gと対応した位置であって、挿入凸部22gと対応した位置の下側に上下動可能に設けられている。
【0040】
そして、まず成形工程では、溶融した樹脂を前記樹脂注入用の通路36から注入して、前記型内で、合わせて12個(6個ずつ)の第1及び第2インシュレータ部材21,22を軸方向にずらして且つ前記所定の回動角度に配置されるように成形する(図14及び図15参照)。
【0041】
次に、前記成型工程の後(樹脂が硬化した後)の離型工程は、上側離型工程と、連結工程と、下側離型工程とを備える。
上側離型工程では、図16〜図18に示すように、上側金型32を上動させるとともに、スライドコア33,34を離間させるように径方向に移動(スライド)させる。
【0042】
その後の連結工程では、前記所定の回動角度に配置されたままの第1及び第2インシュレータ部材21,22の一方を軸方向に移動させることで、挿入孔21gに挿入凸部22gを挿入して第1及び第2インシュレータ部材21,22を連結する。詳しくは、連結工程では、図19及び図20に示すように、前記突き出し部材35を第1段階まで上動させて、前記第2インシュレータ部材22を上方に移動させる。尚、このとき、第2インシュレータ部材22は、下側金型31に形成される摺接面37(図17及び図19参照)に摺接されて軸方向に移動される。すると、前記所定の回動角度で、鉤状突出部22hが鉤状切り欠き部21hと一致し、挿入凸部22gを挿入孔21gに挿入可能であるため、挿入凸部22gが挿入孔21gに挿入されて第1及び第2インシュレータ部材21,22が回動可能に連結される。又、図17及び図19では、図14と同様の断面を図示し、断面以外の部分は模式的に図示している。又、図18及び図20では、図15と同様の断面を図示し、断面以外の部分は模式的に図示している。
【0043】
その後の下側離型工程では、前記突き出し部材35を更に第2段階まで上動させて(図示略)、第2インシュレータ部材22と共に第1インシュレータ部材21を上方に移動させる。すると、第1及び第2インシュレータ部材21,22が離型される。
【0044】
次に、直列化工程では、第1及び第2インシュレータ部材21,22を、図11に示すように、直線状に配列する。尚、この状態(角度)では、鉤状突出部22hが鉤状切り欠き部21hと一致しない(図11中、部分拡大図参照)ため、挿入孔21gから挿入凸部22gが抜脱不能とされる。
【0045】
次に、装着工程では、第1及び第2インシュレータ部材21,22(インシュレータ部材4)を、図4に示すように直線状に配列された分割コア部13(ステータコア6)にまとめて装着する。これにより、隣り合う分割コア部13は回動可能に連結される。尚、図4に示すように直線状に配列された分割コア部13は、板材から直線状に配列されるように複数の第1及び第2積層部材11,12が打ち抜かれ、それら第1及び第2積層部材が直線状のまま積層されることで形成される。よって、形成した複数の分割コア部13同士を回動させることなく(相対位置を直すことなく)第1及び第2インシュレータ部材21,22(インシュレータ部材4)が装着される。尚、板材から直線状に配列されるように複数の第1及び第2積層部材11,12を打ち抜くようにすることで、板材の無駄が低減される(打ち抜かれた後の板材の面積が少なくなる)。
【0046】
次に、巻線工程では、複数の分割コア部13(第1及び第2インシュレータ部材21,22)が直線状に配列された状態のままで、即ちティース部7の先端部同士の間隔が広げられた状態(開状態)で、インシュレータ4を介して巻線5を巻装する。
【0047】
次に、真円化工程では、図21に示すように、ティース部7側が内側を向くように、連結された分割コア部13(インシュレータ4を含む)を心金41に巻き取り、真円となるように加圧する。そして、加圧した状態で、隣り合う分割コア部13における分割環状部13aの周方向の端部同士(軸方向に重なり合った状態の円弧凸部11f,12fの部分)をそれぞれ(本実施の形態では12箇所)溶接(例えば、レーザー溶接)することで固定する。これにより、ステータ1が製造される。
【0048】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)挿入孔21gを有する第1インシュレータ部材21と、挿入凸部22gを有する第2インシュレータ部材22とは、鉤状切り欠き部21h及び鉤状突出部22hにて、所定の回動角度で挿入孔21gに挿入凸部22gが挿入可能とされ、所定の回動角度以外で挿入孔21gに挿入凸部22gが挿抜不能とされる。よって、第1及び第2インシュレータ部材21,22を所定の回動角度で回動可能に連結した後、所定の回動角度以外の状態とするだけで、第1及び第2インシュレータ部材21,22の連結を保持させることができる。これにより、インシュレータ4(第1及び第2インシュレータ部材21,22)を、容易に、まとめてステータコア6(分割コア部13)に装着することができる。よって、複数のインシュレータ部材をそれぞれ分割コア部に装着するものに比べて、インシュレータ4のステータコア6への組み付け工数を少なくすることができる。その結果、組み付け時間及び組み付けコストを低減することができる。
【0049】
(2)巻線5を巻装する際の巻線時回動角度では、挿入孔21gから挿入凸部22gが抜脱不能とされる。よって、巻線5を巻装する際に、第1及び第2インシュレータ部材21,22の連結が保持され、第1インシュレータ部材21及び第2インシュレータ部材22の少なくとも一方が部分的にステータコア6から脱落してしまう(軸方向にズレる)といったことが防止される。
【0050】
(3)巻線時回動角度は、複数の分割コア部13が直線状に配列された角度であるため、巻線5を巻装する際、隣り合うティース部7が略平行に延びるように(先端部が離間するように)配置され互いが邪魔になることが低減され、巻線5を容易に巻装することができる。
【0051】
(4)隣り合う分割コア部13の周方向端部である円弧凸部11f,12f同士が軸方向に重なり合うため(軸方向に直線的な隙間ができないため)、隣り合う分割環状部13a間の磁気抵抗が小さくなりステータ1の磁気回路が良好となる。又、分割コア部13同士が軸方向にズレることが防止される。
【0052】
(5)成形工程では、複数の第1及び第2インシュレータ部材21,22が軸方向にずらされて且つ前記所定の回動角度に配置されるように型内で成形される。そして、その後の連結工程では、前記所定の回動角度に配置されたままの第1及び第2インシュレータ部材21,22の一方が軸方向に移動されることで挿入孔21gに挿入凸部22gが挿入されて第1及び第2インシュレータ部材21,22が連結される。このようにすると、第1及び第2インシュレータ部材21,22を連結させる際、成形した第1及び第2インシュレータ部材21,22を所定の回動角度に配置し直すといった工程が不要となる。よって、インシュレータ4(連結された第1及び第2インシュレータ部材21,22)を容易に得ることができる。尚、上記のように構成されるインシュレータ4(連結された第1及び第2インシュレータ部材21,22)は、その(連結部分の)形状により、上記のように容易に得ることができるという効果を有する。
【0053】
(6)連結工程では、前記型内で突き出し部材35にて第2インシュレータ部材22が上方に移動されることで挿入孔21gに挿入凸部22gが挿入されて第1及び第2インシュレータ部材21,22が連結される。このようにすると、インシュレータ4(連結された第1及び第2インシュレータ部材21,22)を更に容易に(無駄に移動させることなく)得ることができる。
【0054】
(7)連結工程では、第2インシュレータ部材22が下側金型31に形成される摺接面37に摺接されて軸方向に移動されることで挿入孔21gに挿入凸部22gが挿入されて第1及び第2インシュレータ部材21,22が連結される。このようにすると、インシュレータ4(連結された第1及び第2インシュレータ部材21,22)を更に容易に(スムーズ且つ確実に)得ることができる。
【0055】
上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、12個の分割コア部13から構成されるステータコア6としたが、複数であれば、その他の個数の分割コア部から構成されるステータコアに変更してもよい。尚、勿論、この場合、第1及び第2インシュレータ部材21,22の個数も変更する必要がある。
【0056】
・上記実施の形態では、巻線時回動角度は、複数の分割コア部13が直線状に配列された状態の角度(図11参照)であるとしたが、他の角度、例えば、図11に示す状態と図9に示す状態の間の角度に変更してもよい。このようにすると、隣り合うティース部7の先端部が更に離間するように配置され互いが邪魔になることが更に低減され、巻線5を更に容易に巻装することができる。又、例えば、巻線時回動角度を、図9に示す状態の角度として、前記所定の回動角度を、図11に示す状態の角度に変更してもよい。尚、この場合、勿論、鉤状切り欠き部21h及び鉤状突出部22hの少なくとも一方の延びる方向を変更する必要がある。
【0057】
・上記実施の形態の挿入孔21gと鉤状切り欠き部21hと挿入凸部22gと鉤状突出部22hとは、同様の作用(第1インシュレータ部材21と第2インシュレータ部材22とが所定の回動角度で連結可能、且つ前記所定の回動角度以外で連結が保持されるという作用)を有すれば、その形状を変更してもよい。例えば、挿入孔21gを、貫通していない挿入凹部に変更してもよい。
【0058】
・上記実施の形態では、隣り合う分割コア部13の周方向端部である円弧凸部11f,12f同士が軸方向に重なり合うステータコア6としたが、周方向端部同士が軸方向に重なり合わない分割コア部よりなるステータコアに変更してもよい。又、隣り合う分割コア部13同士が、ピンや薄肉部等にて回動可能に連結されてなるステータコアに変更してもよい。又、積層部材が積層されてなる分割コア部でなく磁性粉体を焼結してなる分割コア部(ステータコア)に変更してもよい。
【0059】
・上記実施の形態では、連結工程では、前記型内で突き出し部材35にて第2インシュレータ部材22を上方に移動させることで挿入孔21gに挿入凸部22gを挿入するとしたが、第1及び第2インシュレータ部材21,22の少なくとも一方を軸方向に移動させればよく他の方法に変更してもよい。
【0060】
・上記実施の形態では、挿入凸部22gと対応した位置の下側に設けられた突き出し部材35にて第1及び第2インシュレータ部材21,22を上方に移動させる(連結及び離型させる)としたが、それぞれ上方に移動させることができれば、突き出し部材35を他の手段に変更してもよい。又、例えば、突き出し部材を他の箇所に設けてもよく、第1インシュレータ部材21専用の突き出し部材を設けてもよい。
【0061】
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインシュレータと、前記コアとを備えたステータにおいて、前記分割コア部は、周方向端部の長さが異なる第1及び第2積層部材が交互に積層されて形成され、隣り合う前記分割コア部の周方向端部同士が軸方向に重なり合うように設定されたことを特徴とするステータ。このようにすると、隣り合う分割コア部の周方向端部同士が軸方向に重なり合うため、該部分での磁気抵抗が小さくなりステータの磁気回路が良好となる。
【0062】
(ロ)請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインシュレータの製造装置であって、複数の前記第1及び第2インシュレータ部材を軸方向にずらして且つ前記所定の回動角度に配置されるように成形するための型と、前記型に設けられ、前記所定の回動角度に配置されたままの前記第1及び第2インシュレータ部材の一方を軸方向に移動させることで、前記挿入凹部に前記挿入凸部を挿入して前記第1及び第2インシュレータ部材を連結するための突き出し部材とを備えたことを特徴とするインシュレータの製造装置。このような製造装置では、複数の第1及び第2インシュレータ部材が軸方向にずらされて且つ所定の回動角度に配置されるように型にて成形される。そして、所定の回動角度に配置されたままの第1及び第2インシュレータ部材の一方が突き出し部材にて軸方向に移動されることで挿入凹部に挿入凸部が挿入されて第1及び第2インシュレータ部材が連結される。よって、第1及び第2インシュレータ部材を連結させる際、成形した第1及び第2インシュレータ部材を所定の回動角度に配置し直すといった工程が不要となる。よって、インシュレータ(連結された第1及び第2インシュレータ部材)を容易に得ることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によれば、簡単な構成としながら、容易にコアに装着することができるインシュレータを提供することができる。
【0064】
又、請求項4〜7に記載の発明によれば、簡単な構成としながら、容易にコアに装着することができるインシュレータを容易に製造することができるインシュレータの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態におけるブラシレスモータの要部断面図。
【図2】(a)本実施の形態における第1積層部材の平面図。(b)(a)のA−A断面図。
【図3】(a)本実施の形態における第2積層部材の平面図。(b)(a)のB−B断面図。
【図4】(a)本実施の形態におけるステータコアを展開した場合の平面図。(b)同じく正面図。(c)同じく斜視図。
【図5】本実施の形態における第1インシュレータ部材の斜視図。
【図6】本実施の形態における第1インシュレータ部材の平面図。
【図7】本実施の形態における第2インシュレータ部材の斜視図。
【図8】本実施の形態における第2インシュレータ部材の平面図。
【図9】第1及び第2インシュレータ部材を説明するための説明図。
【図10】図10のC−C断面図。
【図11】第1及び第2インシュレータ部材を説明するための説明図。
【図12】第1及び第2インシュレータ部材を説明するための説明図。
【図13】本実施の形態の製造装置及び製造方法を説明するための説明図。
【図14】図13のD−D断面図。
【図15】図13のE−E断面図。
【図16】本実施の形態の製造装置及び製造方法を説明するための説明図。
【図17】本実施の形態の製造装置及び製造方法を説明するための説明図。
【図18】本実施の形態の製造装置及び製造方法を説明するための説明図。
【図19】本実施の形態の製造装置及び製造方法を説明するための説明図。
【図20】本実施の形態の製造装置及び製造方法を説明するための説明図。
【図21】本実施の形態の製造装置及び製造方法を説明するための説明図。
【符号の説明】
4…インシュレータ、5…巻線、6…ステータコア(コア)、7…ティース部、8…環状部、13…分割コア部、21…第1インシュレータ部材、21g…挿入孔(挿入凹部)、21h…鉤状切り欠き部、22…第2インシュレータ部材、22g…挿入凸部、22h…鉤状突出部、31,32…型の一部を構成する下側及び上側金型、33,34…型の一部を構成するスライドコア、35…型の一部を構成する突き出し部材、37…摺接面。
Claims (7)
- 周方向に分割され互いの回動が許容される複数の分割コア部から構成され放射状に配置されるティース部と該ティース部の径方向端部を連結する環状部とを有するコアに装着され、前記ティース部と該ティース部に巻装される巻線とを絶縁するためのインシュレータであって、
前記分割コア部に対応して形成され、周方向端部に挿入凹部を有する第1インシュレータ部材と、周方向端部に挿入凸部を有する第2インシュレータ部材とを備え、
前記第1インシュレータ部材と前記第2インシュレータ部材とは、前記挿入凹部に前記挿入凸部が軸方向に挿入されることで交互に配設されるとともに互いに回動可能に連結され、
前記挿入凹部には、軸直交方向に延びる鉤状切り欠き部が形成され、
前記挿入凸部には、軸直交方向に延び、前記第1インシュレータ部材と前記第2インシュレータ部材とが所定の回動角度で前記挿入凹部に挿入可能、且つ前記所定の回動角度以外で前記挿入凹部に挿抜不能とする鉤状突出部が形成されたことを特徴とするインシュレータ。 - 請求項1に記載のインシュレータにおいて、
前記所定の回動角度は、前記巻線を巻装する際の巻線時回動角度以外に設定されることを特徴とするインシュレータ。 - 請求項2に記載のインシュレータにおいて、
前記巻線時回動角度は、複数の前記分割コア部が直線状に配列された角度であることを特徴とするインシュレータ。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインシュレータの製造方法であって、
複数の前記第1及び第2インシュレータ部材を軸方向にずらして且つ前記所定の回動角度に配置されるように型内で成形する成形工程と、
前記成形工程の後、前記所定の回動角度に配置されたままの前記第1及び第2インシュレータ部材の少なくとも一方を軸方向に移動させることで、前記挿入凹部に前記挿入凸部を挿入して前記第1及び第2インシュレータ部材を連結する連結工程と
を備えたことを特徴とするインシュレータの製造方法。 - 請求項4に記載のインシュレータの製造方法において、
前記連結工程は、前記型内で前記第1及び第2インシュレータ部材の一方を軸方向に移動させることで行うことを特徴とするインシュレータの製造方法。 - 請求項5に記載のインシュレータの製造方法において、
前記連結工程は、前記第1及び第2インシュレータ部材の一方を前記型に設けた摺接面に摺接させて軸方向に移動させることで行うことを特徴とするインシュレータの製造方法。 - 周方向に分割される分割コアに巻装される巻線を絶縁するために前記分割コアを被覆するよう形成されるものであって、周方向端部に挿入凹部を有する第1インシュレータ部材と、周方向端部に挿入凸部を有する第2インシュレータ部材とを備え、前記挿入凹部に前記挿入凸部が軸方向に挿入されることで互いに回動可能に連結されるインシュレータの製造方法であって、
前記第1及び第2インシュレータ部材を前記挿入凹部と前記挿入凸部とが軸方向にずれるように配置されるように型内で成形する成形工程と、
前記成形工程の後、前記第1及び第2インシュレータ部材の少なくとも一方を軸方向に移動させることで、前記挿入凹部に前記挿入凸部を挿入して前記第1及び第2インシュレータ部材を連結する連結工程と
を備えたことを特徴とするインシュレータの製造方法。
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