JP2008029157A - ステーターコア - Google Patents

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Toshiyuki Sonoda
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Abstract

【課題】コギングトルクやトルクリップルを低減することができ、かつコイルの絶縁性の劣化を防止することできるステーターコア、及びモータステーターを提供する。
【解決手段】ステーターコア1は、円環状のヨーク部10と、ヨーク部10に一体に形成された複数のティース11とからなり、磁性材料で形成された圧粉成形体である。各ティース11は、ヨーク部10の内周側から突出し、ヨーク部10の内周面に等間隔に配置される。隣接する二つのティース間につくられる空間12がスキュー構造をなす。各ティース11は、ヨーク部10と接続されていない内周側端11bから空心のコイル100が挿入可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータに利用されるステーターコア、及びこのコアとコイルとを具えるモータステーターに関するものである。特に、コギングトルクやトルクリップルを低減することができ、かつコイルの絶縁性の劣化を防止することができるステーターコアに関するものである。
従来、モータの構成部材として、鋼といった磁性材料からなるコアに巻線を巻回してなるコイルを配したローターやステーターが広く知られている。ステーターコアとして、図5(I)に示すように、円環状のヨークY1の内周側から、ヨークY1がつくる円環の中心軸Cm1に向かって突出する複数のティースT1を具えるステーターコアS1がある。他のステーターコアとして、図5(II)に示すように、複数の分割コアScを環状に組み合わせてなるステーターコアS2がある。各分割コアScは、環状に組み合わせた際、円環状に配置される分割ヨークY2と、ヨークY2の内周側から、ヨークY2がつくる円環の中心軸Cm2に向かって突出するティースT2とを具える。コアS1や分割コアScは、薄い電磁鋼板を複数積層させて構成されるものが代表的である。ティースT1,T2の外周には、巻線からなるコイルCが配置されて、モータステーターが構成される。
モータは、コギングトルクやトルクリップルを低減することで、回転時の振動を低減できる。図5に示すコアS1,Scのように、ティースT1,T2においてヨークY1,Y2と反対側の周縁に、その外周面から突出する鍔fを設けたり、隣接するティース間につくられる空間をスキュー構造(斜溝構造)にすることで(特許文献1,2参照)、上記コギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
特開2005-261188号公報 特開2005-261182号公報
ティースの外周面から突出する鍔を具えるティースは、その外周に巻線を直接巻回することでコイルを配置可能である。しかし、図5(I)に示す円環状のヨークと複数のティースとが一体化したコアでは、コアの内周側空間内に巻線用ノズルを配置して、このノズルを移動させながら巻線を巻回しなければならず、巻線を巻回しにくい。また、コイルが形成されたティースに隣接する別のティースにコイルを形成する際、既にコイルが存在することで、これらティース間の空間が狭くなっているため、新たなコイルを形成しにくい。
ティースの外周面から突出するような鍔を設けなければ、別途巻線を巻回して形成したコイルをティースにおいてヨーク部と反対側の端部から挿入配置することができる。この場合、鍔の形成によるコギングトルクやトルクリップルの低減が図れない。ティースに鍔を設ける代わりに、隣接するティース間の空間をスキュー構造にすることが考えられる。しかし、スキュー構造のコアは、積層鋼板で形成すると、作製に手間がかかることに加えて、コイルの絶縁性を劣化させる恐れがある。鋼板を用いてスキュー構造のコアを作製するには、所定形状の薄板材を積層方向に少しずつずらして積層する、或いは積層後にずらすため、時間がかかる。また、ずらして積層した板材間には、微小な段差が生じるため、コイルをティースに挿入する際、この段差の角部が巻線の表面を傷つける、具体的には、巻線の絶縁被覆を剥がす恐れがある。絶縁被覆が剥離すると、コアとコイルとの間を十分に絶縁できなかったり、隣り合うティースに配置されるコイル同士が短絡する恐れがある。
一方、分割コアは、個々に巻線を巻回可能であり、比較的容易に巻線を巻回できる。具体的には、各分割コアを巻線機に回転可能に固定し、コアを回転させて、固定された巻線ノズルから供給される巻線を巻き取ることでコイルが形成される。しかし、分割コアを巻線機に固定することで、コアを損傷する恐れがある。これに対して、別途形成したコイルをティースの外周に装着させる構成では、巻回時に分割コアを損傷することがない。しかし、ティースの外周面から突出する鍔を具える分割コアでは、コイルをティースに配置できない。また、鍔ではなくスキュー構造を採択すると、上述したように絶縁不良の問題がある。
そこで、本発明の主目的は、コギングトルクやトルクリップルを低減可能であり、コイルの絶縁特性の劣化を防止できるステーターコアを提供することにある。また、本発明の他の目的は、このステーターコアを具えるモータステーターを提供することにある。
本発明は、隣接するティース間につくられる空間がスキュー構造となるように圧粉成形体でコアを構成すると共に、予め形成されたコイルをティースに配置可能な形状とすることで上記主目的を達成する。本発明は、円環状のヨーク部と、ヨーク部の内周側から突出する複数のティースとを具えるステーターコアであり、このコアは、圧粉成形体からなる。各ティースは、ヨーク部の反対側の端部から空心のコイルを挿入可能である。そして、このコアは、隣接するティース間につくられる空間がスキュー構造をなす。
本発明コアは、隣り合うティース間の空間がスキュー構造であるため、コギングトルクやトルクリップルを低減して、モータ回転時の振動を低減することができる。特に、本発明コアは、圧粉成形体とすることで、その表面が滑らかであるため、積層鋼板からなるコアのように巻線の絶縁被覆を損傷することがなく、この損傷による絶縁性の劣化を防止することができる。また、本発明コアは、各ティースがそれぞれ予め形成した空心のコイルを挿入可能な形状であることから、本発明コアに直接コイルを形成することがなく、巻回作業中に損傷することがない。更に、本発明コアは、波巻きのように二つ以上のティースを跨ぐように巻線を配置するのではなく、一つのティースに一つのコイル、例えば、整列巻きで多層に巻線を巻回してなるコイルを配置する構成であるため、コイルを簡単に配置することができる。以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明コアは、磁性材料から構成される磁性部材であり、ティースの外周に巻線からなるコイルが挿入配置されて、モータに利用される。このコアは、円環状のヨーク部と、複数のティースとから構成される。各ティースは、ヨーク部の内周側から突出した柱状であり、ヨーク部の周方向に等間隔に配置される。隣接するティース間の空間は、コイルの収納部(スロット)に利用される。各ティースは、一方の周縁がヨーク部に接続され、他方の周縁(内周側周縁)、つまり、ヨーク部と反対側の端部が開放された状態であり、この開放された端部からコイルを挿入し、ティースの外周面にコイルを配置する。従って、各ティースの内周側周縁には、空心のコイルが挿入可能なように、その外周面から突出する鍔を設けていない。本発明コアは、隣接するティース間の空間をスキュー構造とするため、上記鍔を具えていなくても、コギングトルクやトルクリップルを低減することができる。
各ティースは、一対のコイルエンド面と一対のコイルサイド面とを有する。コイルエンド側とは、ヨーク部がつくる円環の中心軸(モータの回転軸に一致する軸)方向に向く側であり、この側に配置される面をコイルエンド面と呼び、コイルサイド側とは、ティースが隣接する側であり、この側に配置される面をコイルサイド面と呼ぶ。隣り合う二つのティース間につくられる空間、つまり、一方のティースのコイルサイド面と、他方のティースのコイルサイド面とで挟まれる空間が、コアの内周側から見たときに上記中心軸に交差するように、つまりスキュー構造となるようにティースを形成する。具体的には、ティースにおいてヨーク部と反対側の面、つまり、内周側の面が例えば、平行四辺形状、或いは等脚台形状となるようにティースを形成する。このとき、ティースは、コイルエンド面及びコイルサイド面の双方を平面で形成してもよいし、コイルサイド面を平面とし、コイルエンド面をコイルの湾曲部分に沿った曲面としてもよい。双方を平面とする場合、製造時に均一的な加圧を行い易く、簡単に精度よく本発明コアを製造できる。コイルエンド面を曲面とする場合、デッドスペースを低減してコイルの占積率を高められる。
ティースの内周側の面を平行四辺形状とする場合、両コイルサイド面は、コアの内周側から見たとき、互いに平行すると共に、上記中心軸に対して交差するように設け、二つのコイルサイド面で挟まれる空間が平行四辺形状になるようにする。両コイルサイド面が上記中心軸に平行である場合、コアの内周側から見たとき、ティースの内周側面は長方形状となり、二つのコイルサイド面で挟まれる空間は、上記中心軸に平行し、スキュー構造とならない。
ティースの内周側の面を等脚台形状とする場合、二つのコイルサイド面で挟まれる空間が平行四辺形状になるように、コアの内周側から見たとき、隣り合うティースにおいて台形の向き(上辺又は下辺の位置)が逆になるようにティースを設ける。
或いは、コイルサイド面を弓状に湾曲させた曲面としてもよい。このとき、二つのティースに挟まれる空間が滑らかな螺旋(ヘリカル)を描くことで、同空間が平行四辺形状である場合よりも、コギングトルクやトルクリップルを更に低減することができると考えられる。
ヨーク部は、コイルエンド側において各ティースの外周面とヨーク部の外周面とが面一であり、かつコイルサイド側において各ティースの外周面よりも突出するようにしてもよいし、各ティースの全周に亘って、その一方の周縁から突出するようにしてもよい。前者の場合、コアを金型から抜き易く、製造が容易である。このコアの場合、ティースに配置したコイルは、コイルエンド側においてコアから突出して存在する。後者の場合、ヨーク部の断面積(磁路面積)が増加するため、トルクを向上できる。また、コアがつくるスロットが大きくなることから、巻き数を増加して、トルクを向上できる。このコアの場合、ティースに配置したコイルの端面は、コイルエンド側及びコイルサイド側の双方とも、ヨーク部に覆われる。
本発明コアは、円環状のヨーク部と複数のティースとが一体に形成された一体型でも、複数の分割コアを組み合わせて構成される分割型でもよい。一体型のコアは、組み合わせ作業が不要であると共に、接合不良が生じない。分割型の場合、各分割コアは、環状に組み合わせた際、円環状に配置される分割ヨーク部と、分割ヨーク部の内周側から突出するティースとを具える構成とする。つまり、各分割コアは、少なくとも一つのティースと、円弧状の分割ヨーク部とからなる。一つの分割ヨーク部に対して、複数のティースを具える構成としてもよい。分割コアは、個々に空心のコイルをティースに挿入できるため、コイルの挿入が容易である。また、分割コアは、分割ヨーク部とティースとが分離可能な構成、つまり、分割ヨーク部片とティース片とを組み合わせて構成してもよい。このとき、コイルの挿入前において、両者を分離しておき、ティースにコイルを装着後、両者を一体化することができる。一体化は、例えば、接着剤を利用したり、分割コア同士の一体化に利用する焼嵌リングを用いて行う。接着剤は、磁気特性に影響を与えない程度の厚さとなるように調整する。例えば、本発明コアと、ローターとのエアギャップが1mm程度である場合、接着剤の厚さは、0.1mm程度が許容される範囲であると考えられる。
本発明コアは、圧粉成形体とする。形成材料は、鉄系材料、特に、鉄や鋼といった強磁性材料が挙げられる。このような磁性材料からなる粉末を所定形状の金型に充填して加圧して本発明コアを製造する。圧粉成形体は、表面が平滑であり、スキュー構造を有していても角部を滑らかにすることができるため、本発明コアは、コイルをティースに挿入する際などで、コイルを形成する巻線の絶縁被覆を損傷することがほとんどない。形成材料として、磁性材料の粉末に更に絶縁材料を混合して各粉末表面に絶縁被膜を形成した被覆粉末を用いると、電気抵抗を高めて、渦電流の発生に伴う損失を低減できる。上記絶縁材料は、例えば、リン酸塩系の無機材料などがある。本発明コアは、圧粉成形体とすることで、スキュー構造を有する複雑な形状であっても比較的容易に製造でき、かつ磁気の方向性が一定である板材の積層体と比較して、磁気の方向性の自由度が大きいといった磁気特性に優れている。
金型を利用したプレス成型により、本発明コアを形成してもよいが、ティースの形状によっては、プレス時の加圧が不均一になり、精度よく成型できない場合が考えられる。そこで、プレス成型で大まかな形状を形成し、切削加工により、所定の形状に仕上げることで、本発明コアを形成してもよい。例えば、ティースが曲面を有する場合、切削加工を利用すると、所定の形状を高精度に形成できる。
コイルが接触する箇所、主としてティースの外周面には、絶縁材料からなるインシュレータを配置すると、コアとコイルとをより確実に絶縁することができる。インシュレータは、ティースの外周に配置しておき、その上にコイルを挿入させてもよいが、コイルを形成する際に巻線機の芯材に配置させて、インシュレータの外周にコイルを形成すると、インシュレータとコイルとを同時にティースの外周に配置することができる。
本発明コアに配置させるコイルは、巻線機などを用いて、巻線を芯材に巻回して形成する。芯材は、ティースの外形に沿った形状のものを利用する。このような空心のコイルを必要数用意し、各コイルをそれぞれティースに挿入することで、本発明コアとコイルとを具える本発明モータステーターが得られる。コイルは、本発明コアの全てのティースに配置する。本発明コアを分割型とする場合、各分割コアのティースにコイルを挿入配置後、焼嵌などにより、分割コアを一体化することで本発明モータステーターが得られる。本発明ステーターは、例えば、アウター型ローターやインナー型ローターのモータのステーターに利用できる。
コイルを形成する巻線は、導体の外周に絶縁被覆を具えるものが代表的であり、断面円形状の丸線や断面矩形状の平角線などが利用できる。コイルは、巻線を多層に整列巻きしたものが、占積率が高く好ましい。本発明コアは、複数のティースを跨ぐようにコイルが配置される形態、具体的には、分布巻きコイルや波巻きコイルを配置するのではなく、一つのティースに一つのコイルを配置する形態、代表的には集中巻きコイルを配置するものである。三相交流モータの場合、一般に、波巻きコイルは、複数のスロット、具体的には6スロットで1相をつくるのに対し、集中巻きコイルは、一つのコイルで1相をつくることができる。
本発明コアは、スキュー構造を有することで、コギングトルクやトルクリップルを低減することができ、圧粉成形体とすることで、コイルをティースに挿入する際などで、コイルを形成する巻線の絶縁被覆の損傷を防止することができる。
<実施例1 一体型コア>
図1(I)は、本発明コアの正面図、(II)は、このコアの内周側からティースを平面的に見た図である。コア1は、円環状のヨーク部10と、ヨーク部10に一体に形成された複数のティース11とからなる。各ティース11は、ヨーク部10の内周側から、ヨーク部10がつくる円環の中心(中心軸Ca)に向かってこの円環の径方向に突出する柱状部材であり、ヨーク部10の内周面に所定の間隔を空けて等間隔に配置される。また、各ティース11は、ヨーク部10と反対側の端部、つまりヨーク部10と接続されていない内周側端11bから空心のコイル100が挿入されて、ティース11の外周にコイル100が配置される。各ティース11の外周面に予め形成されたコイル100を配置させることで、モータステーターが構築される。コア1の最も特徴とするところは、圧粉成形体からなることと、隣接する二つのティース間につくられる空間12がスキュー構造をなすことにある。
各ティース11は、ティース同士が隣り合う側に配置されるコイルサイド面11sと、中心軸Ca方向に配置されるコイルエンド面11eと、コア1の内周側に配置される内周側面11iとを具える。コイルサイド面11sは、コア1の内周側から見たとき、図1(II)に示すように中心軸Caに対して交差するように弓状に湾曲した曲面からなり、コイルエンド面11eは、ヨーク部10のコイルエンド面と面一となる平面からなる。コイルサイド面11s,コイルエンド面11eに接続される内周側面11iは、)状の面である。また、内周側面11iは、コイルエンド側から見たとき、図1(I)に示すように直線状となる平面であるが、ヨーク部10に向かって凹むように湾曲させてもよい。この点は、後述する変形例及び実施例についても同様である。このような形状のティース11がヨーク部10に複数配置され、隣り合うティースの間に形成される空間12は、コイルサイド面11sの形状に沿った湾曲した形状となる。つまり、空間12は、中心軸Caに交差したスキュー構造となる。
また、各ティース11のヨーク部側(外周側)は、ヨーク部10と一体に接続され、各ティース11の内周側は、鍔を設けておらず、開放された状態である。この内周側からコイル100、例えば、整列巻きに多層に巻線を巻回した集中巻きコイルを挿入配置すると、コイルサイド面11s及びコイルエンド面11eは、コイル100で覆われ、ティース11の内周側面11iが露出された状態となる。
なお、ティースの形状に沿った形状の芯材、つまり、コイルサイド面に対応した凹状部分と凸状部分とを有する芯材を用いて、巻線を巻回することで、ティースの形状に沿ったコイルを形成できる。或いは、凹状部分を平面とした芯材を用いてコイルを形成し、コイルをティースに挿入する際、治具などを用いて押し込んでコイルを変形させることで、コイルをティースの形状に沿って配置してもよい。
コア1は、磁性材料からなる粉末を所定形状の金型に充填して加圧して製造した圧粉成形体である。コア1は、ヨーク部10からティース11が突出し、かつスキュー構造を有するという複雑な形状であるが、圧粉成形体とすることで、簡単に製造できる。
上記構成を具えるステーターコア1は、スキュー構造を有することで、コギングトルクやトルクリップルを低減して、モータ回転時の振動を低減することができる。また、コア1は、予め形成したコイルを挿入配置する構成であるため、コイル形成時にコアを損傷することがない。更に、コア1は、圧粉成形体であるため、コイルを挿入する際などで、コイルの絶縁被覆を損傷し難く、絶縁被覆の損傷による絶縁性の劣化を防止できる。加えて、コア1は、複数のティースと円環状のヨーク部とが一体に成形されているため、磁気回路を構成するヨーク部にエアギャップが生じず、磁気特性に優れる。また、コア1は、一体成形により、組み合わせ作業などが不要である。なお、各コイルには、給電部材を接続し、例えば、三相交流の各相(u相、v相、w相)の電流を流す。このとき、u相のコイル、v相のコイル、w相のコイルが順に並ぶようにする。
(変形例1-1)
上記実施例1では、コイルサイド面が曲面であるティースを説明したが、コイルサイド面を平面としてもよい。このとき、ティースの内周側面を平行四辺形状(ただし、コイルサイド面は、円環の中心軸に対して非直交に交差するものとする)、或いは等脚台形状とする。このようなコアは、製造時に均一的に加圧し易く、所定の形状に精度よく製造することができる。
(変形例1-2)
上記実施例1では、ティースのコイルエンド面とヨーク部のコイルエンド面とが面一である構成を説明したが、ヨーク部のコイルエンド面がティースのコイルエンド面よりも突出するように、つまり、ティースの全周に亘ってヨーク部が突出する構成としてもよい。この構成により、ヨーク部のコイルサイド面の面積が大きくなって磁路面積が増大するため、トルクを向上できる。この変形例1-2の構成は、後述する実施例2,3についても適用できる。
実施例1では、円環状のヨーク部と、複数のティースとが一体に形成されたコアを説明した。次に、複数の分割コアを組み合わせて構成されるコアを説明する。
<実施例2 分割型コア>
図2(I)は、本発明コアの正面図、(II)は、このコアを内周側から平面的に見た図である。コア2は、複数の分割コア2'を組み合わせて、円環状に構成される。各分割コア2'は、組み合わせた際に円環状のヨーク部20をつくる円弧状の分割ヨーク部20sと、分割ヨーク部20sに一体に形成された一つのティース21とからなる。各分割コア2'のティース21は、上記実施例1のコア1のティース11と同様に、分割ヨーク部20sの内周側から、ヨーク部20がつくる円環の中心(中心軸Cb)に向かってこの円環の径方向に突出する柱状部材であり、環状に組み合わせた際、ヨーク部20の内周面に等間隔に配置される。また、各ティース21は、分割ヨーク部20sと接続されていない内周側端21bから空心のコイル101が挿入されて、ティース21の外周に配置される。分割コア2'も実施例1のコア1と同様に圧粉成形体であり、円環状に組み合わせた際、隣接する二つの分割コアのティース間につくられる空間22がスキュー構造である。
各分割コア2'においてティース21は、コイルサイド面21s及びコイルエンド面21eの双方とも平面からなる。コイルサイド面21sは、コア2の内周側から見たとき、中心軸Cbに交差し、コイルエンド面21eは、分割ヨーク部20sのコイルエンド面と面一である。ティース21の内周側面21iは、平行四辺形状としている。このようなティース21を具える分割コア2'を円環状に組み合わせた際、隣り合うティースの間に形成される空間22は、コイルサイド面21sの形状に沿った平行四辺形状となる。つまり、空間22は、中心軸Cbに交差するスキュー構造となる。
コア2は、実施例1と同様に製造した圧粉成形体としている。コア2は、ティース21を平面で構成することで、均一的な加圧を行い易く、成形精度に優れる。
コア2は、以下のようにしてモータステーターを構築できる。各分割コア2'のティース21に配置するコイル101、例えば、整列巻きに多層に巻線を巻回した集中巻きコイルを用意し、各分割コア2'のティース21において鍔を設けていない内周側端21bから、コイル101を挿入して、分割コア2'とコイル101とが一体となったセグメントを作製する。所定数のセグメントを用意して、これらを円環状に配置し、焼嵌リングなどにより一体化する。分割コア2を一体化してから、各ティースにコイルを配置してもよい。
上記構成を具えるステーターコア2は、実施例1と同様に1.モータ回転時の振動低減、2.コイル形成時のコアの損傷防止、3.絶縁被覆の損傷による絶縁性の劣化の防止という優れた効果を奏する。また、コア2は、円環状に組み合わせる前に、分割コアごとにティースにコイルを配置できるため、コイルの挿入が容易である。更に、コア2は、ティースを平面で構成される形状にしているため、圧粉成形性に優れる。
(変形例2-1)
上記実施例2では、分割ヨーク部とティースとが一体である分割コアを説明したが、分割コア自体が更に分割可能な構成とすることができる。図3(I)は、分割ヨーク部とティースとに分割可能な分割コアをコイルエンド側から見た平面説明図、(II)は、(I)の分割コアの組み立て状態を説明する斜視説明図、(III)は、分割ヨーク部の一部とティースとが一体となった一体部材を具える分割コアをコイルエンド側から見た平面説明図、(IV)は、(III)の分割コアの組み立て状態を説明する斜視説明図である。なお、この変形例は、後述する実施例3についても適用できる。
図3(I),(II)に示す分割コア3の基本的構成は、実施例2の分割コア2'と同様であり、分割ヨーク部30sとティース31とを有している。分割コア3は、分割ヨーク部30sとティース31とが分離可能である点が実施例2と異なる。分割ヨーク部30sとティース31とは、接着剤で一体にする。このように分割ヨーク部30sとティース31とが分離可能であることで、コイルの挿入前に両者を分離しておくと、コイルの挿入をティース31の内周側からでも、外周側(分割ヨーク部30sが接合される側)からでも行うことができる。
図3(III),(IV)に示す分割コア4も分割コア3と同様に分割ヨーク部40sとティース41とが分離可能である。但し、この分割コア4は、分割ヨーク部40sの一部(中央片40sc)がティース41と一体である。つまり、分割コア4は、中央片40scと一体のティース41と、中央片40scの両側に配置されて、分割ヨーク部40sを構成する二つの側片40syとから構成される。この分割コア4は、コイル挿入前に三者を分離しておくことで、コイルの挿入をティース41の内周側からでも、中央片40scの外周側からでも行える。また、この分割コア4は、円環状のヨーク部をその周方向に分割して構成される円弧状の分割ヨーク部40sを更に同じ周方向に分割した構成である。そのため、焼嵌などにより分割コア同士を接合する際に同時に分割ヨーク部40s(側片40sy)とティース41とを一体に接合することができ、接着剤が不要である。
<実施例3 分割型コア>
図4(I)は、本発明コアの正面図、(II),(III)は、このコアを内周側から平面的に見た図である。コア5の基本的構成は、実施例2のコア2と同様であり、複数の分割コア5'を組み合わせて円環状に構成される。各分割コア5'は、組み合わせた際に円環状のヨーク部50をつくる円弧状の分割ヨーク部50sと、分割ヨーク部50sに一体に形成されたティース51とからなる圧粉成形体である。分割コア5'を円環状に組み合わせた際、隣接する二つの分割コアのティース間につくられる空間52がスキュー構造をなす。分割コア5'と実施例2の分割コア2'との相違点は、ティ−ス51の形状にある。以下、この点を中心に説明し、その他の詳細な説明は省略する。
各分割コア5'においてティース51は、コイルサイド面51s及びコイルエンド面51eの双方とも平面からなる。コイルサイド面51sは、コア5の内周側から見たとき、分割ヨーク部50sがつくる円環の中心軸Ccに交差し、コイルエンド面51eは、分割ヨーク部50sのコイルエンド面と面一である。ティース51の内周側面51iは、図4(II),(III)に示すように等脚台形状にしている。これら分割コア5'は、円環状に配置する際、隣り合うティース51の台形の向きが、コア5の内周側から見たときに互い違いの向きになるようにする。つまり、図4(II)に示すように隣り合う二つのティースのうち、一方のティースがつくる台形の上辺が上、他方のティースがつくる台形の上辺が下を向くように分割コア5'を配置する。このとき、隣り合うティースの間に形成される空間52は、コイルサイド面51sに挟まれて平行四辺形状となる。従って、空間52も実施例2と同様に、中心軸Ccに交差するスキュー構造となる。特に、コア5では、実施例2のコア2のように隣り合う平行四辺形状の空間22が同じ方向に並ぶのではなく、平行四辺形状の空間52が互い違いの方向に並ぶ。
上記構成を具えるステーターコア5は、実施例1,2と同様に1.モータ回転時の振動低減、2.コイル形成時のコアの損傷防止、3.絶縁被覆の損傷による絶縁性の劣化の防止という優れた効果を奏する。また、コア5も、分割コアを環状に組み合わせる前に、分割コアごとにティースにコイルを挿入できる。更に、コア5は、ティースの内周側面を等脚台形状とすることで、製造する際、金型から抜き易く、製造性に優れる。なお、図4(II)では、コア5の全てのティース51にコイルを配置していないが、実際には、実施例1,2のコア1,2と同様に、図4(III)に示すように全てのティース51にコイル102を配置する。各コイルには、例えば、三相交流の各相(u相、v相、w相)の電流を流す。各相をつくるコイルは、例えば、u相、v相、w相が順に並ぶようにする。
なお、上述した実施例1〜3及び変形例は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
本発明ステーターコア及びモータステーターは、モータの構成部材に好適に利用することができる。本発明コアやステーターを具えるモータは、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などの高出力が要求されるモータに好適に利用できる。
(I)は、複数のティースと円環状のヨーク部とが一体である本発明ステーターコアの正面図、(II)は、このコアを内周側から見た状態を平面的に示す部分図である。 (I)は、複数の分割コアを組み合わせて一体とする本発明ステーターコアの正面図、(II)は、このコアを内周側から見た状態を平面的に示す部分図である。 本発明ステーターコアを構成する分割コアを説明するものであり、(I)は、分割ヨーク部とティースとに分割可能な分割コアをコイルエンド側から見た平面説明図、(II)は、(I)の分割コアの組み立て状態を説明する斜視説明図、(III)は、分割ヨーク部の一部とティースとが一体となった一体部材を具える分割コアをコイルエンド側から見た平面説明図、(IV)は、(III)の分割コアの組み立て状態を説明する斜視説明図である。 複数の分割コアを組み合わせて一体とする本発明ステーターコアにおいて、内周側面が等脚台形状のティースを具えるコアを示しており、(I)は、このコアの正面図、(II),(III)は、このコアを内周側から見た状態を平面的に示す部分図である。 従来のステーターコアを示す断面図であり、(I)は、複数のティースと円環状のヨークとが一体であるコア、(II)は、複数の分割コアを組み合わせて一体とするコアを示す。
符号の説明
1,2,5 ステーターコア 2',3,4,5' 分割コア 10,20,50 ヨーク部
11,21,31,41,51 ティース 11e,21e,51e ティースのコイルエンド面
11i,21i ティースの内周側面 11s,21s,51s ティースのコイルサイド面
11b,21b ティースの内周側端 12,22,52 空間 20s,30s,40s,50s 分割ヨーク部
40sc 中央片 40sy 側片 100,101,102 コイル
S1,S2 ステーターコア Sc 分割コア f 鍔 T1,T2 ティース
Y1,Y2 ヨーク C コイル

Claims (7)

  1. 円環状のヨーク部と、ヨーク部の内周側から突出する複数のティースとを具えるステーターコアであって、
    このコアは、圧粉成形体からなり、
    各ティースは、ヨーク部と反対側の端部から空心のコイルを挿入可能であり、
    隣接するティース間につくられる空間がスキュー構造をなすことを特徴とするステーターコア。
  2. ステーターコアは、複数の分割コアを環状に組み合わせて構成され、
    各分割コアは、環状に組み合わせた際、円環状に配置される分割ヨーク部と、分割ヨーク部の内周側から突出するティースとを具えることを特徴とする請求項1に記載のステーターコア。
  3. ティースのコイルサイド面は、曲面からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のステーターコア。
  4. ティースは、ヨーク部と反対側の面が平行四辺形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のステーターコア。
  5. ティースは、ヨーク部と反対側の面が等脚台形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のステーターコア。
  6. 分割コアは、ティース片と分割ヨーク部片とを組み合わせて構成されることを特徴とする請求項2に記載のステーターコア。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のステーターコアと、各ティースの外周に配置されたコイルとを具えることを特徴とするモータステーター。
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