JP5164026B2 - 電動機固定子およびそれを用いた永久磁石形電動機 - Google Patents

電動機固定子およびそれを用いた永久磁石形電動機 Download PDF

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Description

本発明は、回転子に永久磁石を備え、固定子に巻線を備えた電動機固定子、およびその固定子を用いた永久磁石形電動機に関するもので、特にその固定子に使用する樹脂製絶縁部品の形状に関する。
従来の技術は、樹脂製絶縁部品に２つの片持ち部を持ち、この片持ち部の先端に互いに凸凹の薄肉嵌合部を設け、積層鉄芯の積層方向から中心方向に向けてティース方向の幅方向の両端を覆うように挿入し凹凸の薄肉部が重なり合うように組み合わさり、絶縁をする構成をしていた。（例えば、特許文献１参照）。
図２は、従来例における樹脂製絶縁部品を説明する斜視図で、（ａ）は組立前、（ｂ）は組立後をそれぞれ示している。図２（ａ）において、２１は積層鉄芯、２２は樹脂製絶縁部品を示す。樹脂製絶縁部品２２は、片持ち部２２ａと２２ｂ、片持ち部２２ａ、２２ｂの先端に設けられた薄肉凸部２３、薄肉凹部２４とで構成されている。
特開平１１−４１８４９号公報
従来の樹脂製絶縁部品は、互いの嵌合のため、片持ち部の先端に互いに凸凹の薄肉の形状を構成しているので、片持ち部の根元厚さを薄くすることができないという問題があった。また、樹脂製絶縁部品の成型時に長手方向の長さが長くなると、金型のゲートの位置関係より片持ち部先端まで樹脂がまわらず成型できなくなるので、片持ち部の根元厚さを薄くすることができないという製作上の問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、樹脂製絶縁部品を薄肉化するとともに作業性や品質とに優れた絶縁構成を得ることができる電動機固定子およびその回転固定子を用い、高効率、小型化した永久磁石形電動機を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
本発明は、円周の一部を成す外周ヨークと該外周ヨークの内周から突出するティースとから成る形状に打ち抜かれた電磁鋼板の積層体により構成される積層鉄芯と、略コの字状に形成されて、前記積層鉄芯を互いで狭持する２個の樹脂性絶縁部品と、を有し、前記２個の樹脂性絶縁部品の各々が、前記積層鉄芯の前記ティースの側面に対向する１つの長辺部と、前記長辺部の両端に前記長辺部と一体となって形成され、積層方向における前記積層鉄芯の両端面に対向する２つの短辺部と、から成り、前記２個の樹脂性絶縁部品が、前記積層鉄芯の前記電磁鋼板の面に沿った方向から前記積層鉄芯を互いに狭持して、前記短辺部に形成された嵌合部によって嵌合される電動機固定子において、各樹脂製絶縁部品は、前記２つの短辺部のうち、一方が長く厚く形成され、もう一方が短く薄く形成されており、前記嵌合部は、凹部と、凸部と、によって構成されている電動機固定子としたものである。
なお、前記２個の樹脂性絶縁部品のうち一方の、前記長く厚く形成された短辺部に前記凹部が設けられ、前記２個の樹脂性絶縁部品のうち他方の、前記短く薄く形成された短辺部に前記凸部が設けられてもよい。
また、前記短辺部に、前記樹脂製絶縁部品に巻装するコイル巻き始めを係止するコイル固定用溝が設けられてもよい。
また、前記コイル固定用溝が、前記２個の樹脂性絶縁部品の各々の外径側に配置されて、前記２個の樹脂性絶縁部品の金型が共通化されてもよい。
また、前記長辺部の長さが、前記積層鉄芯の積層方向の長さよりも長くてもよい。
［００１２］
また、本発明は、上記の複数個の電動機固定子の前記外周ヨーク同士を隣接させて成る固定子と、該固定子の前記ティースで形成される内部空間に空隙を介して配置される永久磁石付き回転子と、を備えた永久磁石形電動機としたものであってもよい。
本発明によると、従来技術の樹脂製絶縁部品の嵌合部先端の凸凹薄肉が不要となり長辺部を薄肉化することができ、スロット内絶縁の薄肉化をすることができる。
また、短辺部の嵌合部に凹凸のようなつなぎ構造を構成することにより、ワンタッチで組合せをすることができる。
また、短辺部にコイル固定用溝を設ける場合、コイルの巻装作業時に作業が簡単になり、樹脂製絶縁部品のコイル巻き始めの溝を外径側に配置する場合、２つの部品を対称形にし、同一部品での組合せができ、金型を共通化することができる。
また、長辺部の長さを積層鉄芯の積層方向の長さより長くする場合、積層鉄芯の積層方向長さのばらつきを吸収することができる。
また、樹脂製絶縁部品の短辺部の一方を長く厚くし、もう一方を短く薄くすることにより、樹脂製絶縁部品が巻線時の巻線圧力に耐えることができ、積層鉄芯になじむことができる。
また、この絶縁を施した鉄芯を複数組み合わせることで円環状として固定子を構成し、固定子の内部空間に永久磁石付き固定子を配置する場合、永久磁石形電動機を簡単に構成することができる。
本発明の実施例を示す樹脂製絶縁部品を説明する斜視図で、（ａ）は組立前、（ｂ）は組立後をそれぞれ示している。 本発明の従来技術を示す樹脂製絶縁部品を説明する斜視図で、（ａ）は組立前、（ｂ）は組立後をそれぞれ示している。
１１ 積層鉄芯
１２ 樹脂製絶縁部品
１２ａ 長辺部
１２ｂ 短辺部
１２ｂａ 短辺部の嵌合部凸
１２ｂｂ 短辺部の嵌合部凹
１２ｂｃ コイル固定用溝
１２ｂｄ コイル固定用溝
１３ 外周ヨーク
１４ ティース
１４ａ ティース側面
１５ 積層方向
１６ 積層鉄芯の電磁鋼板の面に沿った方向
２１ 積層鉄芯
２２ 樹脂製絶縁部品
２２ａ 片持ち部
２２ｂ 片持ち部
２３ 薄肉凸部
２４ 薄肉凹部
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図１は、本発明の樹脂製絶縁部品を説明する斜視図で、（ａ）は組立前、（ｂ）は組立後をそれぞれ示している。図１（ａ）において、１１は積層鉄芯、１２は樹脂製絶縁部品を示す。
積層鉄芯１１は、円周の一部を成した形状の外周ヨーク１３と、該外周ヨーク１３の内周にあたる箇所から直角に延びて凸形状を成したティース１４と、から成る形状に打ち抜かれた薄い電磁鋼板の積層体から構成されている。電磁鋼板は図中１５で示す積層方向に積層されている。
樹脂製絶縁部品１２は同一形状のものが２個用意され、その各々は１つの長辺部１２ａと２つの短辺部１２ｂとで構成されている。長辺部１２ａの両端にそれぞれ短辺部１２ｂが一体となって設けられており、全体として略コの字状を形成している。長辺部１２ａは積層鉄芯１１の積層方向の長さよりやや長く形成され、ティース１４の側面１４ａに対向するよう形成される。また、２つの短辺部１２ｂは積層鉄芯１１の積層方向１５の両端面にそれぞれ対向するよう形成される。短辺部１２ｂは、２個の樹脂性絶縁部品１２を図１（ｂ）のように合体させたとき、相手の短辺部１２ｂと接続されるように形成される。
すなわち、本発明の樹脂性絶縁部品１２は、従来の樹脂性絶縁部品とは異なり、積層鉄芯１１の電磁鋼板の面に沿った方向（図１（ａ）の１６で示す方向）から積層鉄芯１１のティース１４に挿入されて、図１（ｂ）のように互いのコの字が対向し、その内部で積層鉄芯１１のティース１４を狭持するよう形成されている。このとき、２個の樹脂性絶縁部品１２は互いの長辺部１２ａがティース側面１４ａに対向して狭持し、短辺部１２ｂは相手の短辺部１２ｂとともに積層鉄芯１１の積層方向１５の両端面に対向して狭持する。
短辺部１２ｂには、２個の樹脂性絶縁部品１２の互いを接続するための嵌合部が形成されている。本実施例では凸部１２ｂａ、凹部１２ｂｂとが形成され、２個の部品がワンタッチで組合せが可能な凹凸つなぎ構造になっている。嵌合が可能であれば嵌合部の形状は凹凸の形状に限定されない。
また、長辺部は、従来のように長辺部に嵌合部が形成されないので、非常に肉薄に形成することができる。これにより、図（ｂ）の状態からコイル（巻線）を巻装する際、コイルの線積率を上げることができる。
また、短辺部１２ｂには、樹脂性絶縁部品１２の周囲にコイルを巻装する際、コイル（巻線）の巻き始めを係止させるコイル固定用溝１２ｂｃ、１２ｂｄが設けられている。コイル固定用溝１２ｂｃ、１２ｂｄは、図１（ｂ）のように２個の樹脂製絶縁部品１２を組み合わせた際、コイル固定用溝１２ｂｃ、１２ｂｄが対称位置に組み合わせられる。すなわちコイル固定用溝１２ｂｃ、１２ｂｄを外径側に配置することで対称形にし、同一部品での組合せができ、金型を共通化することができる。
また、長辺部１２ａを、積層鉄芯１１のばらつきの長さを加味した分、積層鉄芯１１の積層方向長さ１５より若干長くすることで積層鉄芯１１の積層方向の長さのばらつきを吸収できるように構成されている。
さらに本実施例では樹脂性絶縁部品１２の２つの短辺部１２ｂのうち一方を長く厚くし、もう一方を短く薄く構成している。つまり、短辺部１２これによりコイル巻線時の巻線圧力に耐えることができ、積層鉄芯１１になじむことができる。
以上の構成によって形成され、絶縁が施された積層鉄芯を複数組み合わせることで円環状とし、電動機の固定子が構成できる。この固定子の内部空間に永久磁石付き回転子を配置することで、永久磁石形電動機を簡単に構成することができる。なお、電動機の構成については特許文献１の図１などにより公知であるため、説明を省略する。

Claims (6)

  1. 円周の一部を成す外周ヨークと該外周ヨークの内周から突出するティースとから成る形状に打ち抜かれた電磁鋼板の積層体により構成される積層鉄芯と、
    略コの字状に形成されて、前記積層鉄芯を互いで狭持する２個の樹脂性絶縁部品と、
    を有し、
    前記２個の樹脂性絶縁部品の各々が、
    前記積層鉄芯の前記ティースの側面に対向する１つの長辺部と、
    前記長辺部の両端に前記長辺部と一体となって形成され、積層方向における前記積層鉄芯の両端面に対向する２つの短辺部と、
    から成り、
    前記２個の樹脂性絶縁部品が、前記積層鉄芯の前記電磁鋼板の面に沿った方向から前記積層鉄芯を互いに狭持して、前記短辺部に形成された嵌合部によって嵌合される電動機固定子において、
    各樹脂製絶縁部品は、
    前記２つの短辺部のうち、一方が長く厚く形成され、もう一方が短く薄く形成されており、
    前記嵌合部は、
    凹部と、凸部と、によって構成されている
    ことを特徴とする電動機固定子。
  2. 前記２個の樹脂性絶縁部品のうち一方の、前記長く厚く形成された短辺部に前記凹部が設けられ、前記２個の樹脂性絶縁部品のうち他方の、前記短く薄く形成された短辺部に前記凸部が設けられた
    ことを特徴とする請求項１記載の電動機固定子。
  3. 前記長辺部の長さが、前記積層鉄芯の積層方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項１又は２に記載の電動機固定子。
  4. 前記短辺部に、前記樹脂製絶縁部品に巻装するコイル巻き始めを係止するコイル固定用溝が設けられたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の電動機固定子。
  5. 前記コイル固定用溝が、前記２個の樹脂性絶縁部品の各々の外径側に配置されて、前記２個の樹脂性絶縁部品の金型が共通化されたことを特徴とする請求項４に記載の電動機固定子。
  6. 請求項１〜５のいずれか１項に記載の複数個の電動機固定子の前記外周ヨーク同士を隣接させて成る固定子と、
    該固定子の前記ティースで形成される内部空間に空隙を介して配置される永久磁石付き回転子と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石形電動機。
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