JP2005004997A - 携帯装置 - Google Patents

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恒夫 佐藤
Yoshihiro Ito
嘉広 伊藤
Shigeaki Ushiro
成明 後
Mamoyuki Komori
政望進 小森
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Abstract

【課題】単純な構成で安定的に電力を供給する。
【解決手段】デジタルカメラ10の装置本体の動作時には、二次電池92から装置本体へ電気エネルギーの供給がなされ、デジタルカメラ10の装置本体の動作停止時には、二次電池92から装置本体への電気エネルギーの供給が停止されるとともに、燃料電池94から二次電池92へ充電処理を実行することができる。このため、効率良く二次電池を充電することができるとともに、単純な構成で安定的に電力を供給することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯装置に係り、特に、燃料電池と二次電池とを備えたデジタルカメラ等の携帯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯装置として、デジタルカメラや携帯電話等が知られている。例えば、デジタルカメラは、ストロボやズームモータ等のように周期的または継続的に電流を必要とする部品が設けられている場合がある。この携帯装置の電源として燃料電池を用いることが考えられている。
【0003】
この燃料電池は、メタノール水や水素等の燃料を化学反応させて電気エネルギーを発生するものであり、その燃料電池を装置に搭載する技術が知られている。
(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1には、外部負荷へ電力を供給するための燃料電池を備えた電力供給装置が示されている。この電力供給装置は、燃料電池へ水素ガス及び空気を供給する燃料電池補器、及び燃料電池補器へ電力を供給する二次電池を備えており、起動時に、二次電池から燃料電池補器へ電力を供給し燃料電池を起動して、その燃料電池から外部負荷へ電力を供給する。
【0005】
上記燃料電池は、効率的な利用が好ましく、負荷状態に応じて燃料電池と二次電池の電力供給経路を切り替える技術が知られている(例えば、特許文献2、及び特許文献3参照)。
【0006】
特許文献2の技術では、装置本体に対して燃料電池から電力を供給するが、装置本体の負荷状態(負荷一定、または負荷変動)により、燃料電池から電力を供給する先を、外部負荷、二次電池、及び補器の何れかに切り替えることで、効率よく燃料電池から装置本体へ電力を供給することができる。
【0007】
また、特許文献3の技術では、装置本体に対して電力を供給するものとして、燃料電池と二次電池とを、装置本体の負荷状態(負荷一定時または供給電力不足)により切り替えている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−213032号公報(第2頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000―173636(第3頁―4頁、第1図)
【特許文献3】
特開2002−315224(第3頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池は、装置本体の急激な負荷変動に対して大まかな電力変動を有する電力供給を安定的にすることができない場合があり、燃料電池から装置本体へ電力を供給するのみでは、装置本体の急激な負荷変動に対応することが出来ない場合がある。また、負荷状態に応じて燃料電池から装置本体への電力の供給と、二次電池から装置本体への電力の供給とを切り替える場合、負荷状態による切替制御が複雑になる。
【0010】
本発明は上記事実を考慮したものであり、単純な構成で安定的に電力を供給することができる携帯装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の携帯装置は、入力された信号により供給された燃料を化学反応させて電気エネルギーを発生する燃料電池と、前記燃料電池により発生された電気エネルギーを充電する充電状態と、充電された電気エネルギーを前記装置本体へ供給する供給状態との何れかの状態に移行する二次電池と、前記装置本体の動作停止状態を検出する検出手段と、前記検出手段により前記装置本体の動作停止状態が検出された場合に、前記二次電池を充電するように前記燃料電池へ発電指示を表す発電信号を出力する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
本発明の携帯装置は、供給された燃料を化学反応させて電気エネルギーを発生する燃料電池を備えている。この燃料電池の化学反応は、入力された信号によって生じ、化学反応によって発生した電気エネルギーは、二次電池へ供給される。二次電池は、燃料電池から供給された電気エネルギーを充電する充電状態と、充電された電気エネルギーを装置本体へ供給する供給状態との何れかの状態に移行する。装置本体の動作時には、二次電池は供給状態にあり、二次電池から装置本体へ電気エネルギーが供給される。この供給された電気エネルギーによって装置本体、すなわち本発明の携帯装置が動作する。
【0013】
検出手段によって装置の動作停止が検出されると、制御手段は、二次電池を充電状態とするように発電指示を表す発電信号を前記燃料電池へ出力する。燃料電池は、発電信号が入力されると電気エネルギーを発生し、発生した電気エネルギーは、二次電池へ供給される。
【0014】
このように、装置本体の動作時に、二次電池に充電された電気エネルギーを装置本体へ供給し、装置本体の動作停止時に、燃料電池により発生された電気エネルギーを二次電池へ充電するため、効率良く二次電池を充電することができるとともに、単純な構成で安定的に電気エネルギーを供給することができる。
【0015】
本発明の携帯装置は、前記二次電池の残量を検知する残量検知手段を更に備え、前記制御手段は、前記残量検知手段により前記二次電池の残量値が所定値以上である場合に、前記発電信号の出力を停止することができる。
【0016】
装置本体の動作停止時に二次電池を充電することにより、効率よく二次電池を充電することができるが、二次電池が満充電状態または満充電状態に近い状態にある場合には、二次電池の充電を行う必要性は低い。そこで、残量検知手段による二次電池の残量値が予め定めた満充電状態を表す所定値以上である場合、制御手段は、携帯装置が動作停止状態であっても、燃料電池への発電信号の出力を停止することができるので、携帯装置が動作停止状態であると共に、二次電池の残量値が所定値より少ない場合に二次電池の充電処理を行うことができ、効率よく二次電池を充電することができる。
【0017】
本発明の携帯装置は、前記二次電池の充電回数を検知する充電回数検知手段を更に備え、前記制御手段は、前記充電回数検知手段により所定値以上の充電回数が検出された場合、前記発電信号の出力を停止することができる。
【0018】
二次電池は、繰り返し充放電が繰り返されることによって、性能が劣化する恐れがある。そこで、予め二次電池の電池性能が劣化する充放電の回数を所定値として定め、充電回数回数検知手段によって所定値以上の充電回数が検出されると、制御手段は、発電信号の出力を停止することができるので、性能劣化の生じた可能性の高い二次電池への充電処理を停止することができる。
【0019】
本発明の携帯装置は、電気エネルギーを装置本体へ供給すると共に、前記装置本体の動作状態を表す動作状態信号を入力する入出力手段と、入力された信号により供給された燃料を化学反応させて電気エネルギーを発生する燃料電池と、前記燃料電池により発生された電気エネルギーを充電する充電状態と、充電された電気エネルギーを前記入出力手段を介して前記装置本体へ供給する供給状態との何れかの状態に移行する二次電池と、前記入力された動作状態信号により、前記装置本体の動作停止状態を検出する検出手段と、前記検出手段により前記装置本体の動作停止状態が検出された場合に、前記二次電池を充電するように前記燃料電池へ発電指示を表す発電信号を出力する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0020】
本発明の携帯装置は、供給された燃料を化学反応させて電気エネルギーを発生する燃料電池を備えている。この燃料電池の化学反応は、入力された信号によって生じ、化学反応によって発生した電気エネルギーは、二次電池へ供給される。二次電池は、燃料電池から供給された電気エネルギーを充電する充電状態と、充電された電気エネルギーを装置本体へ供給する供給状態との何れかの状態に移行する。二次電池に充電された電気エネルギーは、入出力手段を介して装置本体へ供給される。この供給された電気エネルギーによって装置本体は動作する。
【0021】
入出力手段は、電気エネルギーを装置本体へ供給するとともに、装置本体の動作状態を表す動作状態信号を入力する。入出力手段によって装置本体の動作状態を表す動作状態信号が入力されると、検出手段は、入力された動作状態信号によって、装置の動作停止状態を検出する。装置の動作停止が検出されると、制御手段は、二次電池を充電状態とするように発電指示を表す発電信号を前記燃料電池へ出力する。燃料電池は、発電信号が入力されると電気エネルギーを発生し、発生した電気エネルギーは、二次電池へ供給される。
【0022】
このように、装置本体の動作時には、入出力手段を介して二次電池に充電された電気エネルギーを装置本体へ供給し、装置本体の動作停止時には、燃料電池により発生された電気エネルギーを二次電池へ充電するため、効率良く二次電池を充電することができる。また、入出力手段を介して電気エネルギー及び動作状態信号を入出力可能な装置本体へ、携帯装置から長時間安定的に電気エネルギーを供給することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の携帯装置に係るデジタルカメラの一の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0024】
図1(A)に示すように、デジタルカメラ10の本体12の正面側には、レンズ14、撮影範囲等を目視で確認するためのファインダ16、低照度での撮影等の場合に照明光を発するためのフラッシュ装置18が取付けられている。また、本体12の側面には、スマートメディアなどのメモリーカードとしての画像蓄積メモリ20を装填可能なスロット22が設けられており、本体12の上面には、モードダイヤル24、及び電源スイッチ26が設けられ、モードダイヤル24の中央部がシャッタボタン28となっている。また、本体12の底面には、収容口32が設けられている。収容口32は、デジタルカメラ10に電気エネルギー(電力)を供給するための二次電池及び二次電池を充電するための燃料電池を含んで構成される電力供給部30を収容するためのものである。
【0025】
モードダイヤル24は、デジタルカメラの撮影モードを選択するダイヤルであり、例えば、オート撮影モード、マクロ撮影モード、風景撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード等の中から、撮影者は被写体の撮影状況に適した撮影モードを選択することができる。また、シャッタボタン28は、半押しでAFロック、全押しで撮像処理されるように構成されている。
【0026】
また、図1(B)に示すように、本体12の背面には、LCD34が設けられている。LCD34の近傍には、スピーカ38、十字ボタン40、及びメニュー実行ボタン42等の各種選択ボタンが設けられている。なお、上記十字ボタン40、メニュー実行ボタン42、電源スイッチ26、モードダイヤル24、及びシャッタボタン28は、本実施の形態では、スイッチ36として機能する。
【0027】
LCD34は、複数の縮小画像を並べて表示(以下、サムネイル表示と称す。)したり、各種機能選択画面を表示するためのものである。十字ボタン40は、LCD34が各種項目を選択する画面を表示しているときに表示されたボタンを選択したり、カーソルを動かすためのボタンである。また、スピーカ38は音声データを出力するためのものである。メニュー実行ボタン42は、LCD34に表示された画面で十字ボタン40で選択された項目の実行指示を出すボタンである。
【0028】
図2には、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の主要構成をブロック図として示した。
【0029】
デジタルカメラ10は、CCD(Charge Coupled Device)50を備えている。CCD50は、レンズ14により得られる被写体からの反射光を撮影画像を示すアナログ画像データ(以下、画像データという)に変換して出力するためのものである。また、デジタルカメラ10は、CDS(Correlated Double Sampling)52、アナログ/デジタル変換器(以下、A/D変換器という)54、タイミングジェネレータ(以下、TGという)56、モータドライバ58、主制御部60、及び電力供給部30を備えている。
【0030】
CDS52は、CCD50から出力された被写体像を示す出力信号を相関二重サンプリング処理すると共に、R、G、Bの各色信号に色分解処理して、各色信号の信号レベルの調整を行うためのものである。A/D変換器54は、CDS52により処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換し主制御部60へ出力するためのものである。TG56は、CCD50を駆動するためのタイミング信号を生成するためのものである。モータドライバ58は、レンズ14に含まれる撮影倍率を変更するためのズームモータ、CCD50面上に被写体像を合焦させるためのAF(Auto Focus)モータ、及び絞りやシャッタを駆動するためのアイリスシャッタモータ等の各種モータを駆動するためのものである。
【0031】
CCD50から出力された被写体像を示すアナログ画像信号は、CDS52による処理が施され、A/D変換器54によりデジタル画像信号に変換された後、画像データとして、画像入力制御部62を介して主制御部60内に入力される。
【0032】
主制御部60は、デジタルカメラ10の全体的な動作を司るためのものであって、CPU82、EEROM80、及びRAM66からなるマイクロコンピュータを含んで構成される。これらのCPU82、EEROM80、及びRAM66を含むデバイスは、データやコマンドの授受が可能なようにバス84で接続されている。RAM66は、主としてワークメモリとして用いられ、EEPROM80は、各種プログラムやパラメータ等の情報を予め記憶するためのものである。
【0033】
また、主制御部60には、信号処理部64、表示制御部68、メディア制御部72、及び圧縮伸長処理回路70が設けられている、これらの信号処理部64、表示制御部68、メディア制御部72、及び圧縮伸長処理回路70は、バス84に接続されており、バス84を介してデータやコマンドの授受が可能な構成となっている。
【0034】
信号処理部64は、A/D変換器54から入力された画像データに対して所定のデジタル信号処理を行うものであって、ゲイン調整回路、ガンマ補正回路、及び輝度・色差信号処理回路(YC処理回路という)を含んで構成される。A/D変換器54から入力された画像データは、ゲイン調整回路で増幅処理された後、ガンマ補正回路においてガンマ補正処理が施され、YC処理回路において輝度(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)に変換される所定のデジタル信号処理が行われてRAM66に格納される。
【0035】
メディア制御部72は、メモリカード等の記録メディア20に対して画像データを含む各種データを読み書きするためのものである。記録メディア20は、スロット22に装填されることによってメディア制御部72に接続され、データの授受が可能となる。圧縮伸長処理回路70は、画像データを圧縮・伸長するためのものである。RAM66に格納された画像データは、圧縮伸長処理回路70でJPEGなどの所定の圧縮方式で圧縮された後、メディア制御部72を介して、記録メディア20に記録される。なお、画像データの圧縮は必須ではなく、圧縮伸長処理回路70による圧縮処理は省略することが可能である。
【0036】
表示制御部68は、RAM66に格納及び記録メディア20に記録された画像データの画像をLCD24に表示する。また、CPU82には、I/O44を介してスイッチ36が接続されている。スイッチ36は、各種指示入力による信号を入力するためのものである。また、CPU82には、音声を出力するためのスピーカ38が接続されている。
【0037】
また、CPU82には、デジタルカメラ10の各部に対して電力を供給するための電力供給部30が接続されている。電力供給部は、電源供給制御部90、二次電池92、燃料電池94、動作状態検出部96、充電状態検知部97、及び充電サイクルカウンタ98を含んで構成されている。動作状態検出部96は、デジタルカメラ10の上記各部(以下、装置本体という)の動作状態を検出するためのものである。電源供給制御部90は、詳細を後述する燃料電池94の発電の開始及び停止を制御するためのものである。二次電池92は、装置本体に対して電気エネルギーを供給するためのものである。燃料電池94は、二次電池92を充電するためのものであり、図示を省略した二次電池充電回路を介して二次電池92に接続されている。
【0038】
燃料電池94は、例えば、固体高分子形の燃料電池であって、メタノール水を燃料電池に直接供給するメタノール直接型燃料電池(DMFC)が用いられる。このような燃料電池94は、図3に示すように、アノード95とカソード93との間にプロトン伝導膜99が挟まれた構成となっている。そして、アノード95からメタノール水(CH3OH+H2O)が供給され、カソード93から酸素(O2)が供給されることにより、プロトン伝導に伴って化学反応が生じ、メタノールが連続的に酸化されて起電力eが生じると共に、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)が排出される。この起電力eにより負荷91に電力を供給することができる。電源供給制御部90は、燃料電池94のメタノール水(CH3OH+H2O)及び酸素(O2)の供給を制御することによって、燃料電池94の電気エネルギー発生(発電)の開始及び停止を制御する。
【0039】
燃料電池94で発電された電気エネルギーは、図示を省略した二次電池充電回路を介して二次電池92へ供給される。このため、二次電池92は、燃料電池94の電気エネルギーによって充電される。
【0040】
充電サイクルカウンタ98は、二次電池92の充電サイクル数をカウントするためのものである。充電サイクル数とは、二次電池92の充放電の回数を示すものである。本実施の形態では、充電サイクルのサイクル寿命として500サイクルを予め記憶する。このため、本実施の形態では、充電サイクルカウンタ98は、燃料電池94から二次電池92への充電処理及び二次電池94から装置本体への電気エネルギーの供給処理を1サイクルとしてカウントし、この充電サイクル数が500サイクルとなると、サイクル寿命と判断する。
【0041】
なお、本実施の形態では、充電サイクルのサイクル寿命として500サイクルを予め規定する場合を説明するが、このサイクル数は、使用する二次電池の種類により異なり、500サイクルに限定されるものではない。
【0042】
充電状態検知部97は、二次電池92の満充電状態を検知するためのものである。例えば、二次電池としてリチウムイオン電池を使用する場合、満充電状態は、図4(A)の充電時間と充電電流及び充電電圧の関係を表す線図に示される。図4(A)に示すように、リチウムイオン電池の満充電状態は、充電電流が100mA以下となると、満充電と判断することができる。また、二次電池としてニッケル水素電池を使用する場合、満充電状態は、図4(B)の充電時間と充電電流及び充電電圧の関係を表す線図によって示される。図4(B)に示すように、ニッケル水素電池の満充電状態は、充電時間あたりののニッケル水素電池の電圧が−ΔV以上となった場合に、満充電と判断することができる。このように、充電状態検知部97は、二次電池の満受電状態を検知することができる。
【0043】
なお、上記燃料電池94は、本発明の携帯装置の燃料電池に相当し、二次電池92は、本発明の二次電池に相当し、電源供給制御部90は、制御手段に相当する。また、上記充電状態検知部97は、本発明の残量検知手段に相当し、充電サイクルカウンタ98は、充電回数検知手段に相当する。
【0044】
次に、上記実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。
【0045】
図5には、CPU82で実行される処理ルーチンを示した。デジタルカメラ10では、所定時間毎に図4に示す処理ルーチンが実行され、ステップ100において、本体の電源がオフであるか否かを判断する。ステップ100の判断は、動作状態検出部96による、デジタルカメラ10の装置本体の電源がオフであるか否かの検出結果を判別することによって判断することができる。ステップ100で肯定され、本体の電源がオフであることが検出されると、ステップ102へ進む。
【0046】
ステップ102では、二次電池のサイクル寿命であるか否かを判断する。ステップ102の判断は、充電サイクルカウンタ98における、二次電池92の燃料電池94による充電サイクル数が所定回数以下であるか否かの検出結果を判別することによって判断可能である。ステップ102で肯定されると、ステップ112へ進み、スピーカ38を介してサイクル寿命を示すアラーム音を出力する。
【0047】
上記ステップ102で否定されると、ステップ104へ進み、二次電池92が満充電状態であるか否かを判断する。ステップ104の判断は、充電状態検知部97による二次電池92の満充電状態を示す検知結果を判別することによって判断することができる。ステップ104で肯定されると、本ルーチンを終了する。
【0048】
上記ステップ104で否定され、二次電池92が満充電状態では無い場合には、ステップ106へ進み、二次電池充電処理が実行される。ステップ106の処理は、電源供給制御部90を介して、燃料電池94の電気エネルギー発生(発電)開始を示す信号を燃料電池94へ出力するものである。これによって燃料電池94において、メタノール水及び酸素が供給されて発電処理が開始され、発生した電気エネルギーが図示を省略した二次電池充電回路を介して二次電池92へ供給されて、二次電池92が充電される。
【0049】
次にステップ108では、上記ステップ104の判断と同様に、二次電池92が満充電状態であるか否かを判断し、肯定されるまで否定判断を繰り返す。
【0050】
ステップ108で肯定されると、ステップ110において、二次電池92への充電停止処理が実行される。ステップ110の処理は、電源供給制御部90を介して、燃料電池94の電気エネルギー発生(発電)停止を示す信号を燃料電池94へ出力するものである。これによって燃料電池94において、メタノール水及び酸素の供給が停止されることにより発電処理が停止され、燃料電池94から二次電池92への充電処理が停止される。
【0051】
一方、上記ステップ100で否定され、デジタルカメラ10の装置本体の電源がオンであることが検知されると、ステップ114へ進み、上記ステップ110と同様に、燃料電池94から二次電池92への充電停止処理が実行される。次にステップ116において、二次電池92からデジタルカメラ10の装置本体へ、充電された電気エネルギーを供給する電源供給開始処理が実行された後に、本ルーチンを終了する。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態のデジタルカメラ10によれば、デジタルカメラ10の装置本体の電源がオンである場合には、二次電池92から装置本体へ電気エネルギーの供給がなされ、デジタルカメラ10の装置本体の電源がオフである場合には、二次電池92から装置本体への電気エネルギーの供給が停止されるとともに、燃料電池94から二次電池92へ充電処理を実行することができる。このため、効率良く二次電池を充電することができるとともに、単純な構成で安定的に電力を供給することができる。
【0053】
また、二次電池92のサイクル寿命ではない場合にのみ、充電処理を実行することができるので、効率良く二次電池を充電することが可能となる。また、二次電池92の満充電状態を検知し、満充電状態では無い場合にのみ、燃料電池94からの充電処理を実行することができるので、効率良い充電処理を実行することができる。
【0054】
更に、二次電池92のサイクル寿命を検知した場合、アラーム音を出力することができるので、ユーザに対して二次電池92の交換を促すことができる。
【0055】
なお、以上説明したデジタルカメラ10の電力供給部30を、電池パック200として、デジタルカメラ10の本体12に対して着脱可能に設けることも可能である。
【0056】
具体的には、図6に示すように、電池パック200は、図示を省略したマイクロコンピュータを含んで構成されており、動作状態検出部202、充電サイクルカウンタ204、外部供給部206、制御部208、スピーカ210、二次電池212、及び燃料電池214を備えている。これらの動作状態検出部202、充電サイクルカウンタ204、外部供給部206、スピーカ210、二次電池212、及び燃料電池214は、制御部208に接続されており、互いにデータやコマンドの授受が可能な構成となっている。
【0057】
このような電池パック200は、デジタルカメラ10に着脱可能に設けられており、収容口32(図1参照)を介してデジタルカメラ10の本体12に装着されることによって、外部供給部206を介して電気エネルギーをデジタルカメラ10の装置本体へ供給可能となる。動作状態検出部202は、上記動作状態検出部96と略同様に、デジタルカメラ10の装置本体の動作状態を検出するためのものである。制御部208は、デジタルカメラ10の装置本体への電源の供給を制御するための機能部である。二次電池212は、上記二次電池92と同様に、外部供給部206を介してデジタルカメラ10の装置本体に電気エネルギーを供給するためのものである。燃料電池214は、二次電池212を充電するためのものである。燃料電池214の詳細については、上記燃料電池94と同様の構成であるため、説明を省略する。なお、図示は省略するが、燃料電池94には、燃料(メタノール水)を供給するための供給口、酸素を外部から取込むための取込口、上記燃料を貯蔵するとともに、アノード95へ供給可能な燃料タンク、及び反応によって生じた水及び二酸化炭素を外部へ排出するための排出口を備えている。
【0058】
また、制御部210には、スピーカ210が接続されている。スピーカ210は、上記スピーカ38と略同様に、音声データを出力するためのものである。
【0059】
これらの動作状態検出部202、充電サイクルカウンタ204、外部供給部206、スピーカ210、二次電池212、及び燃料電池214は、デジタルカメラ10の本体12に装着されると、制御部208の制御によって、上記図5に示す処理ルーチンと同様の処理が実行される。
【0060】
これによって、デジタルカメラ10に対して、容易に電池パック200を交換可能に設けることができるとともに、上記図2に説明したような電力供給部30をデジタルカメラ10に含めた構成と同様の効果を得ることができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、電力供給部30及び電池パック200は、デジタルカメラ10に装着または、デジタルカメラ10に着脱可能に設けるものとして説明したが、装着可能な装置は、デジタルカメラに限られるものではなく、例えば、携帯電話等の携帯装置に装着することも可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の携帯装置によれば、装置本体の動作時には、二次電池から装置本体へ電気エネルギーを供給し、装置本体の動作停止が検出されると、燃料電池によって発生された電気エネルギーを二次電池へ充電することができるので、単純な構成で安定的に電力を供給することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るデジタルカメラの外観図の一例であり、(A)は本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの正面図であり、(B)は本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの背面図である。
【図2】本実施の形態に係るデジタルカメラの主要構成を示すブロック図である。
【図3】電池パックの主要構成を示すブロック図である。
【図4】二次電池の満充電状態の検出を示す線図であり、(A)は、リチウムイオン電池の満充電状態の検出を示す線図であり、(B)は、ニッケル水素電池の満充電状態の検出を示す線図である。
【図5】本実施の形態に係るデジタルカメラにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る電池パックの主要構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
12 本体
14 レンズ
16 ファインダ
30 電力供給部
90 電源供給制御部
92、212 二次電池
94、214 燃料電池
96、202 動作状態検出部
97 充電状態検知部
98、204 充電サイクルカウンタ

Claims (4)

  1. 入力された信号により供給された燃料を化学反応させて電気エネルギーを発生する燃料電池と、
    前記燃料電池により発生された電気エネルギーを充電する充電状態と、充電された電気エネルギーを前記装置本体へ供給する供給状態との何れかの状態に移行する二次電池と、
    前記装置本体の動作停止状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段により前記装置本体の動作停止状態が検出された場合に、前記二次電池を充電するように前記燃料電池へ発電指示を表す発電信号を出力する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする携帯装置。
  2. 前記二次電池の残量を検知する残量検知手段を更に備え、前記制御手段は、前記残量検知手段により前記二次電池の残量値が所定値以上である場合に、前記発電信号の出力を停止することを特徴とする請求項1に記載の携帯装置。
  3. 前記二次電池の充電回数を検知する充電回数検知手段を更に備え、前記制御手段は、前記充電回数検知手段により所定値以上の充電回数が検出された場合、前記発電信号の出力を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯装置。
  4. 電気エネルギーを装置本体へ供給すると共に、前記装置本体の動作状態を表す動作状態信号を入力する入出力手段と、
    入力された信号により供給された燃料を化学反応させて電気エネルギーを発生する燃料電池と、
    前記燃料電池により発生された電気エネルギーを充電する充電状態と、充電された電気エネルギーを前記入出力手段を介して前記装置本体へ供給する供給状態との何れかの状態に移行する二次電池と、
    前記入力された動作状態信号により、前記装置本体の動作停止状態を検出する検出手段と、
    前記検出手段により前記装置本体の動作停止状態が検出された場合に、前記二次電池を充電するように前記燃料電池へ発電指示を表す発電信号を出力する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする携帯装置。
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