JP2005004302A - 自動改札機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータM1で搬送手段H1をW方向に駆動し、モータM2で搬送手段H3をX方向に駆動した後、複数枚の乗車媒体のうち大型の媒体をフラッパF2の下側の経路に振り分け、小型の媒体をフラッパF2の上側の経路に振り分けることで、小型の媒体を大型の媒体の上に重ね合わせ、その後2枚の乗車媒体を搬送手段H3で一括して放出口8に放出する。また、モータM1で搬送手段H2、H4および搬送ローラR12をZ方向に駆動し、モータM2で搬送手段H3をY方向に駆動することで、放出口8に放置された2枚の乗車媒体を、放出口8から一括して取り込み、搬送ローラR12の回転力によって搬送手段H4に導いて、搬送手段H2、H4により一括して回収する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚の乗車媒体を処理することが可能な自動改札機に関し、特に、複数枚の乗車媒体を重ね合わせて一括して放出し、かつ、放出した乗車媒体を一括して回収するための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
駅務の省力化と乗客の利便性を目的として、最近では複数枚の乗車媒体を受け入れて処理する自動改札機が多くの駅で導入されている。乗車券と特急券を同時に投入する自動改札機や、乗り越しの場合に切符(普通乗車券)とプリペイドカードあるいは切符と定期券を同時に投入する自動改札機等がその例である。このような自動改札機においては、同時に投入された複数枚の乗車媒体を内部に取り込んだ後、繰出し機構によって媒体を1枚ずつ繰出して、データの読取り・書込み、券面への印刷、パンチ穴の穿孔等の処理を行うようになっている。そして、各乗車媒体に対する処理が終了すると、複数枚の乗車媒体が重ね合わされた状態で、放出口から放出される。このとき、乗客が全ての乗車媒体を放出口から取り損ねることなく抜き取れるように、切符のようなエドモンソン券サイズの小型の媒体は、定期券やプリペイドカードのようなカードサイズの大型の媒体の上に重ね合わされた状態で放出口から放出される。
【0003】
ところで、放出口に放出された乗車媒体は、乗客の取り忘れ等により放出口に放置されることがある。乗車媒体が放出口に放置されたままになると自動改札機の運転の妨げになるため、下記の特許文献1に記載されている自動改札機のように、一定時間が経過すると、自動的に乗車媒体を放出口から取り込んで内部に回収するようにしている。複数枚の乗車媒体を受け付ける自動改札機においても、放出口に放置された乗車媒体を自動的に回収する機能を備えることが要求されているが、複数枚の乗車媒体を重ね合わせて一括して放出口に放出し、かつ、放出した複数枚の乗車媒体を一括して回収することを実現するには、従来複雑な機構を必要としていた。
【0004】
例えば、下記の特許文献2に記載されているような自動改札機では、大きさの異なる複数枚の乗車媒体を、小型の媒体を上にし大型の媒体を下にして重ね合わせるためにそれらを別々の重ね合わせ経路に振り分ける振分用フラッパを設け、重ね合わせて放出口に放出した乗車媒体を別集札箱に回収するために別集札箱へと通じる回収経路を重ね合わせ経路から分岐させる回収分岐用フラッパを設けている。このように2つのフラッパを設けると、各フラッパを動作させるのにソレノイド等の駆動源と動作機構が必要となり、複雑な機構になってしまう。また、放出口の近くに設けた複数の媒体搬送経路を構成するベルトやローラを一つのモータで駆動しているので、モータを正転駆動(受け入れた乗車媒体を処理する方向への駆動)することにより放出口に放出する必要のない乗車媒体(以下、集札媒体と記す)を集札箱に回収するための回収経路と、モータを逆転駆動することにより放出口に放出した乗車媒体を別集札箱に回収するための回収経路とをそれぞれ独立させて設ける必要がある。このように2つの回収経路を独立させて設けると、各回収経路を構成するのにローラやベルト等が多数必要となり、複雑な機構になってしまう。
【0005】
なお、下記の特許文献1の自動改札機では、乗車媒体を放出口に放出するとともに放出した乗車媒体を内部に取り込むための放出経路を構成するローラやベルトを、集札媒体を回収するための回収経路を構成するローラやベルトとは別のモータで駆動することで、放出口から内部に取り込んだ乗車媒体を回収するための回収経路を、集札媒体の回収経路に合流させて、乗車媒体を別集札箱または集札箱に回収するようにしている。しかし、本文献の自動改札機は一枚の乗車媒体を取り扱うものであり、複数枚の乗車媒体を所定の順序で重ね合わせるための機構が設けられていないので、複数枚の乗車媒体を一括して放出することと、一括して回収することはできない。
【0006】
一方、下記の特許文献3の自動改札機では、乗車媒体を一時的に保留する保留部に設けた乗車媒体を反転させるための反転機構において、一つのフラッパとローラとによって、乗車媒体を保留用のホルダーに搬送するための経路とメインの搬送経路に復帰させるための経路とのいずれかに振り分けるとともに、ホルダーに保留した乗車媒体を上記の復帰経路に案内している。しかし、本文献の自動改札機も一枚の乗車媒体を取り扱うものであり、複数枚の乗車媒体を所定の順序で重ね合わせるための機構が設けられていないので、複数枚の乗車媒体を一括して取り扱うことはできない。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−76492号公報
【特許文献2】
特開2000−113242号公報
【特許文献3】
特開2000−322607号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するものであって、その課題とするところは、構造を簡略化しながら、複数枚の乗車媒体を重ね合わせて一括して放出し、かつ、放出した複数枚の乗車媒体を一括して回収することができる自動改札機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、投入口から投入された複数枚の乗車媒体を一枚ずつ処理した後に、当該複数枚の乗車媒体を重ね合わせ位置で重ね合わせて一括して放出口に放出する自動改札機であって、乗車媒体の形態を判別する判別手段と、処理が行われた乗車媒体を第1の経路または第2の経路を通して重ね合わせ位置に搬送する第1の搬送手段と、判別手段の判別結果に基づいて第1の経路と第2の経路のいずれかに乗車媒体を振り分ける振り分け部材と、処理が行われた乗車媒体を回収するために搬送する第2の搬送手段とを設けている。また、重ね合わせ位置に搬送された乗車媒体を放出口に放出するために搬送し、放出した乗車媒体を放出口から取り込むために搬送する第3の搬送手段と、第2の搬送手段と第3の搬送手段とに連接し、第3の搬送手段によって取り込まれた乗車媒体を回収するために搬送する第4の搬送手段とを設けていて、第1の搬送手段、第2の搬送手段、第3の搬送手段および第4の搬送手段に囲まれた領域内に、第1の搬送手段と第4の搬送手段とに接するように搬送ローラを配置している。さらに、第1の搬送手段を乗車媒体の重ね合わせ方向にのみ駆動し、かつ、第2の搬送手段と第4の搬送手段と搬送ローラとを乗車媒体の回収方向にのみ駆動する第1の駆動手段と、第3の搬送手段を乗車媒体の放出方向または乗車媒体の取り込み方向に正逆駆動する第2の駆動手段とを設けている。なお、「乗車媒体の形態」とは、例えば乗車媒体の大きさ、種類、乗車媒体の正常・異常の区別等である。
【0010】
上記の構成において、第1の駆動手段で第1の搬送手段を重ね合わせ方向に駆動し、かつ、第2の駆動手段で第3の搬送手段を放出方向に駆動した後、処理が行われた複数枚の乗車媒体を判別手段の判別結果に基づいて振り分け部材で第1の経路と第2の経路のいずれかに振り分けると、複数枚の乗車媒体を第1の搬送手段によって重ね合わせ位置に所定の順序で重ね合わせることができ、その位置から第3の搬送手段によって一括して放出口に放出することが可能となる。また、放出した複数枚の乗車媒体が放出口に放置されたままの状態となった場合に、第1の駆動手段で第2の搬送手段と第4の搬送手段と搬送ローラとを回収方向に駆動し、かつ、第2の駆動手段で第3の搬送手段を取り込み方向に駆動すると、放置された複数枚の乗車媒体を第3の搬送手段によって放出口から一括して取り込むことができ、その取り込んだ複数枚の乗車媒体を搬送ローラの回転力によって第1の搬送手段ではなく第4の搬送手段に導いて、第4の搬送手段とこれに連接する第2の搬送手段とによって一括して回収することが可能となる。
【0011】
このように、振り分け部材に加えて搬送ローラを設けたことで、特許文献2のような回収分岐用フラッパを設ける必要がなくなり、また、第4の搬送手段と第2の駆動手段とを設けたことで、放出口に放出した乗車媒体を回収するための経路と、放出する必要のない乗車媒体を回収するための経路とを合流させることができる結果、自動改札機の構造を簡略化しながら、複数枚の乗車媒体を重ね合わせて一括して放出し、かつ、放出した複数枚の乗車媒体を一括して回収することが可能となる。
【0012】
また、本発明においては、上記の振り分け部材は、第1の駆動手段が第2の搬送手段と第4の搬送手段と搬送ローラとを乗車媒体の回収方向に駆動し、かつ、第2の駆動手段が第3の搬送手段を乗車媒体の取り込み方向に駆動しているときに、第3の搬送手段によって放出口から取り込まれて搬送される乗車媒体を搬送ローラへとガイドするようにしてもよい。このようにすると、放出口から一括して取り込んだ複数枚の乗車媒体をスムーズに搬送ローラに当接させて、搬送ローラの回転力によって確実に第4の搬送手段に導くことができる。
【0013】
さらに、本発明の典型的な実施形態においては、判別手段は、乗車媒体の大きさが大型か小型かを判別し、振り分け部材は、判別手段が大型と判別した乗車媒体を第1の経路に振り分け、判別手段が小型と判別した乗車媒体を第2の経路に振り分け、第1の搬送手段は、第1の経路を通して搬送した乗車媒体を下にし、第2の経路を通して搬送した乗車媒体を上にして重ね合わせ位置に重ね合わせる。このようにすると、大きさの異なる複数枚の乗車媒体を、小型の媒体を上にし大型の媒体を下にして重ね合わせ位置に重ね合わせることができ、その重ね合わせた状態で一括して放出口に放出することが可能となる。また、その重ね合わせた状態のまま複数枚の乗車媒体を放出口から一括して回収することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る自動改札機PGの外観図である。図1において、1は本体、2はこの本体1内に装備された券処理機構(後述)を覆うカバー、3は本体1に取り付けられたバーフレームである。この自動改札機PGが複数台並設されることによって、駅の改集札通路が形成される。なお、ここではバーフレーム3を備えた伝統的な自動改札機を示しているが、これは一例であって、本発明はバーフレームのない新しいタイプの自動改札機にも適用することができる。また、この自動改札機PGが受け付けて処理する乗車媒体は、小型の媒体であるエドモンソン券サイズの切符(普通乗車券)と、大型の媒体であるカードサイズの定期券およびプリペイドカードである。4a、4bは開閉動作することによって乗客の通行を許可または禁止する一対の扉、5は光電センサ等からなる複数個の通行検知器、6は通路の案内を表示する通路表示器である。7は各種の乗車媒体を受け入れる投入口、8は処理された媒体を放出する放出口、9および10は乗客に対して種々の案内を行うための案内表示器である。11は複数個の光電センサ等からなる通行検知器、12は投入口7に小児用媒体が投入された場合や異常が発生した場合に点灯する警報表示器である。
【0015】
図2は、本体1内の上部に装備された券処理機構20のブロック図を示している。図2において、7は前述の投入口、21は投入口7に投入された複数枚の乗車媒体をローラによって1枚ずつ分離して繰り出す繰出し部、22は繰り出された媒体をその大きさに応じて所定位置に整列する券整列部である。23は磁気ヘッドからなる読取部であって、券整列部22から搬送されてくる乗車媒体に記録されている磁気データを読み取る。24は券反転部であって、投入口7から裏向きに投入された乗車媒体を表向きに反転する。25は磁気ヘッドからなる書込部であって、乗車媒体に乗車駅コードや日付、時間などのデータを書き込む。26は書込部25で書き込まれたデータを磁気ヘッドで読み取って、データが正常に書き込まれていることを確認するためのベリファイ部である。27は乗車媒体のうちプリペイドカードが複数枚投入された場合に、先行するカードのパンチ処理や印刷処理が終了するまで後続のカードを保留するカード保留部、28は乗車媒体が複数枚投入された場合に、媒体の種類にかかわらず、先行する乗車媒体を一時的に保留するプール部である。
【0016】
29は切符の所定位置にパンチ穴を穿孔するための入鋏部、30は切符に所定の印刷を施すための印刷部、31はプリペイドカードの所定位置にパンチ穴を穿孔するためのカードパンチ部、32はプリペイドカードに所定の印刷を施すためのカード印刷部である。33は複数枚の乗車媒体を重ね合せるための重ね合せ部、8は前述の放出口である。放出口8には、重ね合わせ部33で重ね合わせた複数枚の乗車媒体が一括して放出される。34は放出口8に放出する必要のない乗車媒体(以下、集札媒体と記す)を回収する集札部、35は放出口8に放出して乗客の取り忘れ等によりそこに放置された乗車媒体を回収する別集札部である。集札部34および別集札部35には、乗車媒体を収容するための箱体が設けられている。また、集札部34と別集札部35とに通じる経路の分岐点36には、図示しない別集札用フラッパが設けられていて、このフラッパは回収する乗車媒体を集札部34と別集札部35のいずれかに振り分ける。
【0017】
図3は、自動改札機PGの電気的構成を示したブロック図である。41は乗客の通行を検知する通行検知器であって、図1の通行検知器5および通行検知器11からなる。42は乗車媒体を処理する媒体処理部であって、乗車媒体を検知する媒体検知センサ43、媒体を搬送するための搬送モータ44、フラッパやパンチ機構等を作動させるためのソレノイド45、乗車媒体に対するデータの読取りや書込みを行う磁気ヘッド46、および乗車媒体に印刷を行う印字ヘッド47から構成される。媒体検知センサ43は、図2の各部に設けられ、磁気ヘッド46は、図2の読取部23、書込部25、ベリファイ部26に設けられ、印字ヘッド47は、印刷部30およびカード印刷部32に設けられる。48はROMやRAMからなるメモリ、49は図1の扉4a、4bの開閉を制御する扉制御部、50は図1の通路表示器6、案内表示器9、10および警報表示器12からなる表示器、51は異常が発生した場合に駅の係員によって操作される係員スイッチ、52は異常が発生した場合にチャイム等で警報音を出力するスピーカーである。なお、係員スイッチ51は本体1の人目に触れない箇所に設けられる。
【0018】
上述した各ブロック41〜52は制御部であるCPU53に接続され、CPU53は自動改札機PG全体の動作を制御する。また、CPU53は乗車媒体の形態として、媒体の大きさが大型か小型かを判別する。具体的には、図2の繰り出し部21に媒体検知センサ43の一部を構成する光電センサが複数設けられていて、それらの光電センサが乗車媒体を検知して全て遮光すると、CPU53は乗車媒体が大型(カードサイズ)であると判別し、一つでも遮光していないと、CPU53は乗車媒体が小型(エドモンソン券サイズ)であると判別する。CPU53は、本発明における判別手段の一実施形態を構成するものである。54は自動改札機PGとケーブル等によって結ばれた監視盤であり、駅の係員室に設けられる。
【0019】
上述した構成からなる自動改札機PGの動作の概略を以下に説明する。図2において、例えば、投入口7から大きさの異なる2枚の乗車媒体(切符と、定期券またはプリペイドカード)が投入された場合、これらは繰出し部21で1枚ずつ分離して繰り出され、1枚目の乗車媒体は券整列部22を経て、読取部23でデータが読み取られた後、プール部28に保留される。続いて、2枚目の乗車媒体が券整列部22を経て搬送され、読取部23でデータが読み取られた後、書込部25へ搬送される。そして、2枚目の乗車媒体は書込部25でデータが書き込まれ、ベリファイ部26でデータが正常に書き込まれていることを確認される。そして、データが正常に書き込まれていると、2枚目の乗車媒体が切符であれば、入鋏部29でパンチ穴が穿孔された後に印刷部30で所定の情報が印刷され、プリペイドカードであれば、カードパンチ部31でパンチ穴が穿孔された後に印刷部32で所定の情報が印刷され、定期券であれば、入鋏部29および印刷部30を素通りして搬送される。そして、2枚目の乗車媒体が放出口8に放出する必要のある乗車媒体(以下、放出媒体と記す)であれば、それは重ね合せ部33へ搬送されて、後述するようにそこに媒体の大きさに応じて保留される。一方、2枚目の乗車媒体が放出口8に放出する必要のない集札媒体であれば、それは集札部34へ搬送されてそこに回収される。
【0020】
次に、プール部28に保留されていた1枚目の乗車媒体が繰り出されて書込部25へ搬送され、ここでデータが書き込まれる。そして、1枚目の乗車媒体は、ベリファイ部26でデータが正常に書き込まれていることを確認されると、前述したように媒体の種類に応じてパンチ処理と印刷処理が行われる。この後、1枚目の乗車媒体が放出媒体であれば、それは重ね合せ部33へ搬送されてここに保留される。このとき、先に処理された2枚目の乗車媒体が重ね合わせ部33に保留されていれば、1枚目の乗車媒体は2枚目の乗車媒体と重ね合わされる。その際、後述するように、小型の媒体である切符が、大型の媒体である定期券またはプリペイドカードの上に重ね合わされる。一方、1枚目の乗車媒体が集札媒体であれば、それは重ね合せ部33へ搬送されることなく、集札部34へ搬送されてそこに回収される。
【0021】
上述したように2枚の乗車媒体が重ね合わせ部33で重ね合わされると、それらは重ね合わされた状態のまま一括して放出口8に放出される。そして、2枚の乗車媒体は乗客によって放出口8から抜き取られる。これに対して、乗客の取り忘れ等により2枚の乗車媒体が放出口8に放置された場合は、放置されて一定時間が経過すると、2枚の乗車媒体は重ね合わされた状態のまま一括して放出口8から重ね合わせ部33に取り込まれる。そして、2枚の乗車媒体は、別集札部35へ搬送されてここに回収される。
【0022】
図4〜図6は、重ね合わせ部33の具体的機構を示す図であって、図2の破線で囲まれた部分Lの詳細を示している。図4において、H1は本発明における第1の搬送手段の一実施形態であって、ベルトB1、B2と、ローラR1、R2、R3、R13から構成される。ベルトB1はローラR1とその右側にある図示しないローラに懸架され、ベルトB2はローラR1、R2、R3に懸架されている。この搬送手段H1は、データの読取り・書込み、パンチ穴の穿孔、印刷等の処理が行われてベルトB1で搬送されて来た乗車媒体をフラッパF2、F3の下側の経路(第1の経路)または上側の経路(第2の経路)を通して重ね合わせ位置KPに搬送する。フラッパF2は本発明における振り分け部材の一実施形態を構成していて、図示しないソレノイドによって回動する。なお、図示しないソレノイドは、図3のソレノイド45の一部を構成するものである(以下に記すソレノイドについても同様である)。フラッパF2は、回動して上向き(2点鎖線で図示)になることで、前述したようにCPU53(図3)が大型と判別した乗車媒体(定期券またはプリペイドカード)を下側の経路に振り分け、回動して下向き(実線で図示)になることで、CPU53が小型と判別した乗車媒体(切符)を上側の経路に振り分ける。フラッパF3は、図示しないソレノイドによって回動して下向き(実線で図示)になることで、フラッパF2により下側に振り分けられた大型の乗車媒体を下面で重ね合わせ位置KPにガイドするとともに、フラッパF2により上側に振り分けられた小型の乗車媒体を上面で重ね合わせ位置KPにガイドする。また、フラッパF3は、回動して上向き(2点鎖線で図示)になることで、放出口から取り込まれて搬送される乗車媒体を下面とベルトB4、B5との間に導く。
【0023】
H2は本発明における第2の搬送手段の一実施形態であって、ローラR4およびこれの下側に配置されている図示しないローラとこれらに懸架されたベルトB3から構成される。この搬送手段H2は、集札媒体を集札部34に回収するために搬送する。F1は図示しないソレノイドによって回動するフラッパである。このフラッパF1は、回動して上向き(2点鎖線で図示)になることで、集札媒体を搬送手段H2側に振り分け、回動して下向き(実線で図示)になることで、放出媒体を搬送手段H1側に振り分ける。H3は本発明における第3の搬送手段の一実施形態であって、ローラR5、R6、R7、R8とこれらに懸架されたベルトB4、B5から構成される。この搬送手段H3は、重ね合わせ位置KPに搬送された乗車媒体を放出口8に放出するためにX方向に搬送し、また、放出した乗車媒体を放出口8から取り込むためにY方向に搬送する。なお、放出口8に放出された乗車媒体は、ローラR6とローラR11とによって挟まれて保持される。STは図示しないソレノイドによって回動するストッパである。このストッパSTは、回動して上向き(実線で図示)になることで、乗車媒体を重ね合わせ位置KPに保留し、回動して下向き(2点鎖線で図示)になることで、保留した乗車媒体を開放する。
【0024】
H4は本発明における第4の搬送手段の一実施形態であって、ローラR9、R10およびローラR10の下側に配置されている図示しないローラとこれらに懸架されたベルトB6から構成される。なお、ローラR9は、ローラR8と紙面に対して垂直な方向に並列されて配置されている。搬送手段H4は、搬送手段H2と搬送手段H3とに連接し、搬送手段H3によって放出口8から取り込まれた乗車媒体を別集札部35に回収するために搬送する。R12は本発明における搬送ローラの一実施形態である。この搬送ローラR12は、搬送手段H1、H2、H3、H4に囲まれた略三角形状を呈する領域Q内に、搬送手段H1と搬送手段H4とに接するように配置されている。その他の符号の付されていない円は、全てローラを表している。
【0025】
S1は放出口8で乗車媒体を検知するための一対の光電センサである。S2は重ね合わせ位置KPで乗車媒体を検知するための一対の光電センサである。これらのセンサS1、S2は、図3の媒体検知センサ43の一部を構成するものである。M1は本発明おける第1の駆動手段の一実施形態を構成するモータである。このモータM1は正転駆動して、図5に太い実線で示す各部を駆動する。すなわち、モータM1は、搬送手段H1を乗車媒体の重ね合わせ方向Wにのみ駆動し、かつ、搬送手段H2と搬送手段H4と搬送ローラR12とを乗車媒体の回収方向Zにのみ駆動する。M2は本発明おける第2の駆動手段の一実施形態を構成するモータである。このモータM2は正転駆動または逆転駆動して、図6に太い実線で示す各部を駆動する。すなわち、モータM2は、正転駆動して搬送手段H3を乗車媒体の放出方向Xに正駆動し、逆転駆動して搬送手段H3を乗車媒体の取り込み方向Yに逆駆動する。上記のモータM1、M2は、図3の搬送モータ44の一部を構成するものである。
【0026】
図14〜図17は、自動改札機PGにおける乗車媒体の処理手順を示すフローチャートである。図14は全体の処理手順を示し、図15は図14における重ね合わせ処理(ステップS9、S14)の詳細な手順を示し、図16は図14における取り忘れ回収処理(ステップS22)の詳細な手順を示し、図17は図14における集札処理(ステップS10、S15)の詳細な手順を示している。これらの手順のもとになる制御プログラムは、図3のメモリ48のROMに格納されており、図3のCPU53がそのROMからプログラムを順次読み出して各図の処理を実行する。以下、これらの手順について大きさの異なる2枚の乗車媒体(切符と、定期券またはプリペイドカード)が自動改札機PGに投入された場合を例にとって説明する。なお、説明にあたり、乗車媒体の搬送状態を示す図7〜図13を適宜参照する。
【0027】
図14において、投入口7(図2)から大きさの異なる2枚の乗車媒体が同時に投入されると、繰出し部21からまず1枚目の乗車媒体を繰り出す(ステップS1)。このとき同時に、モータM1、M2を正転駆動して、搬送手段H1を重ね合わせ方向Wに駆動し、搬送手段H2、H4と搬送ローラR12を回収方向Zに駆動し、さらに、搬送手段H3を放出方向Xに駆動する。そして、1枚目の乗車媒体の大きさが大型か小型かを判別して、この判別結果に基づいて券整列部22に1枚目の乗車媒体を整列させた後、読取部23でその乗車媒体のデータを読み取る(ステップS2)。データを読み取ると、1枚目の乗車媒体をプール部28に保留する(ステップS3)。続いて、繰出し部21から2枚目の乗車媒体を繰り出し(ステップS4)、2枚目の乗車媒体の大きさが大型か小型かを判別して、この判別結果に基づいて券整列部22に2枚目の乗車媒体を整列させた後、読取部23でその乗車媒体のデータを読み取る(ステップS5)。
【0028】
2枚目の乗車媒体のデータを読み取ると、1枚目の乗車媒体のデータと2枚目の乗車媒体のデータとに基づいて、2枚の乗車媒体が有効か否か、つまり2枚の乗車媒体が改札の通行を許可できる乗車媒体であるか否かを判断する(ステップS6)。ここで、2枚の乗車媒体の金額や乗車区間等が正常であれば、改札の通行を許可できるので、2枚の乗車媒体を判定OKと判断する(ステップS6:YES)。このように判断すると、書込部25で2枚目の乗車媒体にデータを書き込んで、書き込んだデータが正常であることをベリファイ部26で確認した後、媒体の種類に応じて入鋏部29もしくはカードパンチ部31でパンチ処理、および印刷部30もしくはカード印刷部32で印刷処理を行う(ステップS7)。そして、2枚目の乗車媒体が放出媒体であるか否かを判定し(ステップS8)、放出媒体であれば(ステップS8:YES)、2枚目の乗車媒体に対する重ね合わせ処理を図15のフローチャートに従って実行する(ステップS9)。
【0029】
図15において、まず、フラッパF1を回動させて下向きにし(ステップS31)、次に、ストッパSTを回動させて上向きにする(ステップS32)。そして、ステップS33で2枚目の乗車媒体の大きさを確認して、大きさが小型であれば、ステップS34へ移行して、フラッパF2を回動させて下向きにする。このようにすると、2つのフラッパF1、F2とストッパSTとが、図7に示す状態になるので、印刷部30からベルトB1によって搬送されて来た小型の2枚目の乗車媒体(切符)が、フラッパF1で搬送手段H1側に振り分けられて、搬送手段H1によってフラッパF2に当接するまでW方向に搬送された後、フラッパF2で振り分けられて、フラッパF2、F3の上側の経路U(図7)を通って重ね合わせ位置KPに搬送される。そして、2枚目の乗車媒体は、ストッパSTに当接して、媒体T1(図7)のように、前端部が搬送手段H3のX方向への駆動によってストッパSTに押し付けられ、後端部がフラッパF3に持ち上げられた状態で重ね合わせ位置KPに停止する。
【0030】
一方、図15のステップS33で、2枚目の乗車媒体の大きさが大型であれば、ステップS35へ移行して、フラッパF2を回動させて上向きにする。このようにすると、2つのフラッパF1、F2とストッパSTとが、図8に示す状態になるので、印刷部30もしくはカード印刷部32からベルトB1によって搬送されて来た大型の2枚目の乗車媒体(定期券またはプリペイドカード)が、フラッパF1で搬送手段H1側に振り分けられて、搬送手段H1によってフラッパF2、F3の下側の経路D(図8)を通って重ね合わせ位置KPに搬送される。そして、2枚目の乗車媒体は、ストッパSTに当接して、媒体T2のように、前端部が搬送手段H3のX方向への駆動によってストッパSTに押し付けられた状態で重ね合わせ位置KPに停止する。
【0031】
2枚目の乗車媒体が重ね合わせ位置KPに停止するまでにかかる時間はわずかであるので、図15のステップS34またはステップS35を実行した後しばらくすると、2枚目の乗車媒体の重ね合わせ部33への保留が完了し(ステップS36)、重ね合わせ処理を終了する。この後、図14のステップS11に移行して、プール部28に保留されている1枚目の乗車媒体をそこから繰り出して書込部25へ搬送する。そして、書込部25で1枚目の乗車媒体にデータを書き込んで、書き込んだデータが正常であることをベリファイ部26で確認した後、媒体の種類に応じて入鋏部29もしくはカードパンチ部31でパンチ処理、および印刷部30もしくはカード印刷部32で印刷処理を行う(ステップS12)。この後、1枚目の乗車媒体が放出媒体であるか否かを判定し(ステップS13)、放出媒体であれば(ステップS13:YES)、1枚目の乗車媒体に対する重ね合わせ処理を図15のフローチャートに従って実行する(ステップS14)。
【0032】
図15において、前述したように、フラッパF1を回動させて下向きにし(ステップS31)、ストッパSTを回動させて上向きにした(ステップS32)後、ステップS33で1枚目の乗車媒体の大きさを確認する。先に処理した2枚目の乗車媒体の大きさが小型であったならば、ここでは1枚目の乗車媒体の大きさは大型であると判断されるので、ステップS35へ移行して、フラッパF2を回動させて上向きにする。このようにすると、2つのフラッパF1、F2とストッパSTとが、図8に示す状態になるので、大型の1枚目の乗車媒体(定期券またはプリペイドカード)は、前述のように経路Dを通って重ね合わせ位置KPに搬送されて行く。その際、2枚目の乗車媒体が、図7に示す媒体T1のように既に重ね合わせ位置KPに保留されているので、1枚目の乗車媒体は、図9に示す媒体T2のように、媒体T1の下に入り込んでストッパSTに当接し、この媒体T1の下に重ね合わされた状態で重ね合わせ位置KPに停止する。(このとき、2枚の乗車媒体T1、T2の前端部は、搬送手段H3のX方向への駆動によってストッパSTに押し付けられて揃えられる。)つまり、小型の乗車媒体(切符)の下に、大型の乗車媒体(定期券またはプリペイドカード)が重ね合わされた状態となる。
【0033】
一方、先に処理した2枚目の乗車媒体の大きさが大型であったならば、ステップS33では1枚目の乗車媒体の大きさは小型であると判断されるので、ステップS34へ移行して、フラッパF2を回動させて下向きにする。このようにすると、2つのフラッパF1、F2とストッパSTとが、図7に示す状態になるので、小型の1枚目の乗車媒体(切符)は、前述のように経路Uを通って重ね合わせ位置KPに搬送されて行く。その際、2枚目の乗車媒体が、図8に示す媒体T2のように既に重ね合わせ位置KPに保留されているので、1枚目の乗車媒体は、図9に示す媒体T1のように、媒体T2の上に乗り上げてストッパSTに当接し、この媒体T2の上に重ね合わされた状態で重ね合わせ位置KPに停止する。(このとき、2枚の乗車媒体T1、T2の前端部は、搬送手段H3のX方向への駆動によってストッパSTに押し付けられて揃えられる。)つまり、大型の乗車媒体(定期券またはプリペイドカード)の上に、小型の乗車媒体(切符)が重ね合わされた状態となる。
【0034】
1枚目の乗車媒体が重ね合わせ位置KPで2枚目の乗車媒体に重ね合わされるまでにかかる時間はわずかであるので、図15のステップS34またはステップS35を実行した後しばらくすると、1枚目の乗車媒体の重ね合わせ部33への保留が完了し(ステップS36)、重ね合わせ処理を終了する。この後、図14のステップS16に移行して、ストッパSTを回動させて下向きにする。このようにすると、重ね合わせ位置KPに保留されている2枚の乗車媒体が、図10に示す媒体T1、T2のように、重ね合わされた状態のまま搬送手段H3によってX方向に搬送されて、一括して放出口8に放出される。このとき、センサS1が乗車媒体を検知して遮光するので、このセンサS1の信号を受けて、図14のステップS17で乗車媒体を放出口8に放出できたと判断し(ステップS17:YES)、モータM1、M2の正転駆動を停止する(ステップS19)。なお、ステップS16でストッパSTを下向きにした後、センサS1が遮光しなければ、重ね合わせ部33で乗車媒体が詰まる等の異常が発生したため、乗車媒体を放出口8に放出できなかったと判断する(ステップS17:NO)。そして、警報表示器12(図1)の点灯およびスピーカー52(図3)からの警報音によって、処理異常が発生したことを出力し(ステップS18)、投入された乗車媒体に対する処理を終了する。なお、上記のような処理異常が発生したことは、駅の係員室に設けられた監視盤54(図3)に通知される。また、警報表示器12の点灯およびスピーカー52からの警報音は、駅の係員によって係員スイッチ51(図3)が操作されることで停止する。
【0035】
ステップS19でモータM1、M2の正転駆動を停止すると、放出した乗車媒体が放出口8から抜き取られたか否かを判定する(ステップS20)。ここで、2枚の乗車媒体が乗客により放出口8から抜き取られていると、センサS1が投光しているので、このセンサS1の信号を受けて、乗車媒体が放出口8から抜き取られたと判断し(ステップS20:YES)、投入された乗車媒体に対する処理を終了する。一方、センサS1が投光していなければ、乗車媒体が放出口8から抜き取られなかったと判断し(ステップS20:NO)、続けて、乗車媒体を放出口8に放出してから、すなわちセンサS1が遮光してから一定時間経過したか否かを判定する(ステップS21)。なお、乗車媒体を放出口8に放出してからの経過時間は、CPU53がメモリ48の所定の領域を用いて計測している。また、上記の一定時間は、例えば3〜5秒程度である。ステップS21で一定時間経過していなければ(ステップS21:NO)、再び、放出した乗車媒体が放出口8から抜き取られたか否かを判定する(ステップS20)。そして、放出した乗車媒体が放出口8から抜き取られないまま(ステップS20:NO)、一定時間が経過すると(ステップS21:YES)、乗車媒体が取り忘れ等により放出口8に放置されていると判断して、取り忘れ回収処理を図16のフローチャートに従って実行する(ステップS22)。
【0036】
図16において、まず、フラッパF3を回動させて上向きにし(ステップS41)、次に、フラッパF2を回動させて下向きにする(ステップS42)。そして、図2の分岐点36に設けた別集札用フラッパを動作させて(ステップS43)、回収する乗車媒体を別集札部35に振り分けるようにする。続けて、モータM1を正転駆動するとともに、モータM2を逆転駆動して(ステップS44)、モータM1の正転により搬送手段H1を重ね合わせ方向Wに駆動し、搬送手段H2、H4と搬送ローラR12を回収方向Zに駆動するとともに、モータM2の逆転により搬送手段H3を取り込み方向Yに駆動する。
【0037】
上記のようにすると、放出口8に放出されている2枚の乗車媒体T1、T2が、図11に示すように搬送手段H3によって放出口8から一括して取り込まれ、経路Vを通ってY方向に搬送されて行く。このとき、フラッパF3が上向きになっているので、乗車媒体T1、T2がフラッパF3に乗り上げたり、引っ掛かったりすることなく、フラッパF3の下面とベルトB4、B5との間に導かれてスムーズにY方向に搬送されて行く。そして、搬送手段H3と搬送手段H4とが連接することにより、搬送手段H4によって乗車媒体を回収する経路Eが経路Vと直線的に結合しているので、2枚の乗車媒体T1、T2は、搬送手段H4によって経路Eを通ってZ方向に搬送されて行く。このとき、フラッパF2が下向きになっているので、まず大型の乗車媒体T2が、図12(a)に示すようにフラッパF2の下面にガイドされて搬送ローラR12に当接し、この搬送ローラR12の回転力によって図12(b)に示すように搬送手段H4に導かれて、図12(c)に示すように搬送手段H4によってZ方向に搬送されて行く。続いて、小型の乗車媒体T1が大型の乗車媒体T2と同様に、フラッパF2の下面にガイドされて搬送ローラR12に当接し、搬送ローラR12の回転力によって搬送手段H4に導かれて、搬送手段H4によってZ方向に搬送されて行く。この後、図11に示すように搬送手段H4と搬送手段H2とが連接することにより、経路Eが搬送手段H2によって集札媒体を回収する経路Jと合流しているので、2枚の乗車媒体T1、T2は、搬送手段H4と搬送手段H2に挟まれて経路EJ(経路Eと経路Jとが合流した後の経路)を通って搬送されて行き、最終的に、別集札用フラッパによって別集札部35に振り分けられてそこに回収される。
【0038】
2枚の乗車媒体が別集札部35に回収されると、別集札部35に設けた図示しない光電センサ(図3の媒体検知センサ43の一部を構成するもの)が乗車媒体を検知して遮光するので、このセンサの信号を受けて、図16のステップS45で乗車媒体を別集札部35に回収できたと判断し(ステップS45:YES)、モータM1の正転駆動を停止するとともに、モータM2の逆転駆動を停止する(ステップS47)。そして、フラッパF3を回動させて下向きにし(ステップS48)、続けて、別集札用フラッパの動作を停止する(ステップS49)。別集札用フラッパの動作を停止したことで、搬送手段H2、H4によって搬送される乗車媒体は、以降、別集札部35ではなく集札部34に振り分けられてそこに回収されるようになる。この後は、取り忘れ回収処理を終了し、さらに、図14のフローチャートに従って投入された乗車媒体に対する処理を終了する。
【0039】
なお、図16のステップS44でモータM1を正転駆動しモータM2を逆転駆動した後、別集札部35に設けた光電センサが遮光しなければ、前述の経路V、E、EJ等で乗車媒体が詰まる等の異常が発生したため、乗車媒体を別集札部35に回収できなかったと判断する(ステップS45:NO)。このように判断すると、警報表示器12の点灯およびスピーカー52からの警報音によって、処理異常が発生したことを出力し(ステップS46)、この後、モータM1の正転駆動を停止するとともに、モータM2の逆転駆動を停止する(ステップS47)。そして、フラッパF3を回動させて下向きにし(ステップS48)、続けて、別集札用フラッパの動作を停止して(ステップS49)、取り忘れ回収処理を終了し、さらに、図14のフローチャートに従って投入された乗車媒体に対する処理を終了する。なお、上記のような処理異常が発生したことは、監視盤54に通知される。また、警報表示器12の点灯およびスピーカー52からの警報音は、係員によって係員スイッチ51が操作されることで停止する。
【0040】
ところで、図14のステップS8またはステップS13で2枚目の乗車媒体または1枚目の乗車媒体が放出媒体でなければ(ステップS8:NOまたはステップS13:NO)、それは集札媒体であるので、集札処理を図17のフローチャートに従って実行する(ステップS10またはステップS15)。なお、本実施形態の自動改札機PGにおいては、切符を集札媒体として回収するケースはあるが、定期券やプリペイドカードを集札媒体として回収するケースがない運用になっているので、大きさの異なる2枚の乗車媒体(切符と、定期券またはプリペイドカード)が投入口7から投入された場合は、ステップS8とステップS13の両方で乗車媒体が放出媒体でないと判定されることはない。そのため、ステップS10とステップS15の両方で集札処理が実行されることはなく、いずれか一方でのみ集札処理が実行される。
【0041】
図17において、まず、フラッパF1を回動させて上向きにする(ステップS51)。このようにすると、フラッパF1が図13に示す状態になるので、印刷部30からベルトB1によって搬送されて来た2枚目または1枚目の乗車媒体が、媒体T3のように、フラッパF1で搬送手段H2側に振り分けられて、搬送手段H2によって経路Jを通ってZ方向に搬送されて行く。そして、乗車媒体は、搬送手段H2と搬送手段H4に挟まれて経路EJを通って搬送されて行き、最終的に、前述の別集札用フラッパによって集札部34に振り分けられてそこに回収される。このとき、集札部34に設けた図示しない光電センサ(図3の媒体検知センサ43の一部を構成するもの)が乗車媒体を検知して遮光するので、このセンサの信号を受けて、図17のステップS52で乗車媒体を集札部34に回収できたと判断し(ステップS52:YES)、フラッパF1を回動させて下向きにして(ステップS54)、集札処理を終了する。なお、ステップS51でフラッパF1を上向きにした後、集札部34に設けた光電センサが遮光しなければ、前述の経路J、EJ等で乗車媒体が詰まる等の異常が発生したため、乗車媒体を集札部34に回収できなかったと判断する(ステップS52:NO)。このように判断すると、警報表示器12の点灯およびスピーカー52からの警報音によって、処理異常が発生したことを出力し(ステップS53)、この後、フラッパF1を回動させて下向きにして(ステップS54)、集札処理を終了する。
【0042】
上記のように集札処理を終了すると、図14のステップS11またはステップS16に移行する。ステップS11に移行した場合は、ステップS11〜ステップS14までの処理を前述した手順と同様にして実行した後、ステップS16に移行する。そして、ステップS16に移行したとき、重ね合わせ部33の重ね合わせ位置KPには、図8に示したように大型の乗車媒体T2(定期券またはプリペイドカード)が1枚だけ保留されているので、ここでストッパSTを回動させて下向きにすると、その大型の乗車媒体T2が搬送手段H3によって放出口8に放出される。この後は、図14のステップS17〜ステップS22までの処理を前述した手順と同様にして実行し、投入された乗車媒体に対する処理を終了する。なお、ステップS22で取り忘れ回収処理を実行した場合は、放出口8に放出した大型の乗車媒体だけが別集札部35に回収される。
【0043】
また、図14のステップS6で、2枚の乗車媒体の金額や乗車区間等が正常でない場合は、改札の通行を許可できないので、2枚の乗車媒体を判定NGと判断する(ステップS6:NO)。このように判断すると、ステップS23へ移行して、媒体異常処理を実行する。媒体異常処理としては、まず、扉制御部49(図3)によって自動改札機PGの出口側の扉4a(図1)を閉状態にして、通行を禁止する。続いて、警報表示器12の点灯およびスピーカー52からの警報音によって、媒体が異常であることを出力する。そして、図14のステップS9、S11、S14、およびステップS16と同様の処理を実行し、2枚の乗車媒体を放出口8に放出する。さらにこの後、ステップS17〜ステップS22と同様の処理を実行し、投入された乗車媒体に対する処理を終了する。なお、上記の媒体異常処理における警報表示器12の点灯およびスピーカー52からの警報音は、媒体が放出口8に放出された後停止する。
【0044】
以上のように、モータM1で搬送手段H1を重ね合わせ方向Wに駆動し、かつ、モータM2で搬送手段H3を放出方向Xに駆動した後、データの読取り・書込み、パンチ穴の穿孔、印刷等の処理が行われた複数枚の乗車媒体を、媒体の大きさに基づいてフラッパF2で経路Uと経路Dのいずれかに振り分けると、複数枚の乗車媒体を搬送手段H1によって、小型の媒体を上にし大型の媒体を下にして重ね合わせ位置KPに重ね合わせることができ、その位置KPから搬送手段H3によって一括して放出口8に放出することが可能となる。また、放出した複数枚の乗車媒体が放出口8に放置されたままの状態となった場合に、モータM1で搬送手段H2、H4と搬送ローラR12とを回収方向Zに駆動し、かつ、モータM2で搬送手段H3を取り込み方向Yに駆動すると、放置された複数枚の乗車媒体を搬送手段H3によって放出口8から一括して取り込むことができ、その取り込んだ複数枚の乗車媒体を搬送ローラR12の回転力によって搬送手段H1ではなく搬送手段H4に導いて、搬送手段H4とこれに連接する搬送手段H2とによって一括して別集札部35に回収することが可能となる。
【0045】
このように、フラッパF2に加えて搬送ローラR12を設けたことで、特許文献2のような回収分岐用フラッパを設ける必要がなくなり、また、搬送手段H4とモータM2とを設けたことで、放出口8に放出した乗車媒体を回収するための経路(図11の経路Vと結合する経路E)と、放出する必要のない集札媒体を回収するための経路(図11の経路J)とを合流させて1つの経路(図11の経路EJ)にすることができる結果、自動改札機PGの構造を簡略化してコストを低く抑えながら、複数枚の乗車媒体を重ね合わせて一括して放出し、かつ、放出した複数枚の乗車媒体を一括して回収することが可能となる。
【0046】
また、放出口8に放置された乗車媒体を回収する際に、フラッパF2を下向きにする(図16のステップS42)ことで、搬送手段H3によって放出口8から取り込まれてY方向に搬送される乗車媒体を搬送ローラR12へとガイドすることができるので、複数枚の乗車媒体を、スムーズに搬送ローラR12に当接させて、搬送ローラR12の回転力によって確実に搬送手段H4に導くことができる。
【0047】
以上述べた実施形態においては、大きさの異なる2枚の乗車媒体を処理する場合を例に挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではなく、大きさの異なる3枚以上の乗車媒体を処理する場合にも適用することができる。
【0048】
また、上記実施形態では、エドモンソン券サイズの切符(普通乗車券)を小型の乗車媒体として用い、カードサイズの定期券またはプリペイドカードを大型の乗車媒体として用いた場合を例に挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えばカードサイズの特急券を大型の乗車媒体として用い、その特急券よりは小さなサイズであってエドモンソン券よりは大きなサイズの乗車券を小型の乗車媒体として用いるようにしてもよい。つまり、大きさの異なる2枚の乗車媒体のうち、小さい方を小型の乗車媒体とし、大きい方を大型の乗車媒体として用いればよい。
【0049】
また、上記実施形態では、本発明の判別手段の一実施形態としてのCPU53が、乗車媒体の形態として媒体の大きさを判別し、その判別結果に基づいて本発明の振り分け部材としてのフラッパF2を回動させて、小型の媒体を大型の媒体の上に重ね合わせる場合を例に挙げているが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、例えば読取部23で読み取った乗車媒体のデータに基づいて、CPU53が、乗車媒体の形態として媒体の種類を判別し、その判別結果に基づいてフラッパF2を回動させて、常に特定の媒体を他の媒体の上に重ね合わせるようにしてもよい。また、乗車媒体の形態として正常媒体であるか異常媒体であるか、を判別するようにしてもよい。例えば、媒体が自動改札機で受け付け可能な媒体(正常媒体)であるか受け付け不可能な媒体(異常媒体)であるかを判別し、その判別結果に基づいてフラッパF2を回動させて、常に異常な媒体を正常な媒体の上に重ね合わせるようにしてもよい。この場合、異常な媒体が上になって放出されるので、乗客に受け付け不可能な媒体を即座に認識させることができる。なお、上述した2つの場合においては、投入される複数枚の乗車媒体の大きさが異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0050】
さらに、上記実施形態では、投入口7から一括して投入された複数枚の乗車媒体を、一枚ずつに分離して処理した後に重ね合わせて放出口8に放出する自動改札機PGを例に挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではなく、投入口から一枚ずつ投入された複数枚の乗車媒体を、処理した後に重ね合わせて放出口に放出する自動改札機にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、振り分け部材に加えて搬送ローラと第4の搬送手段と第2の駆動手段とを設けたことで、自動改札機の構造を簡略化しながら、複数枚の乗車媒体を重ね合わせて一括して放出し、かつ、放出した複数枚の乗車媒体を一括して回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動改札機の外観図である。
【図2】券処理機構のブロック図である。
【図3】自動改札機の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】重ね合せ部の具体的機構を示す図である。
【図5】重ね合せ部の具体的機構を示す図である。
【図6】重ね合せ部の具体的機構を示す図である。
【図7】小型の乗車媒体が保留された状態を示す図である。
【図8】大型の乗車媒体が保留された状態を示す図である。
【図9】小型と大型の乗車媒体が重ね合わされた状態を示す図である。
【図10】小型と大型の乗車媒体が放出された状態を示す図である。
【図11】小型と大型の乗車媒体が取り込まれた状態を示す図である。
【図12】小型と大型の乗車媒体が回収される状態を示す拡大図である。
【図13】乗車媒体が回収される状態を示す図である。
【図14】乗車媒体の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】重ね合わせ処理の詳細手順を示すフローチャートである。
【図16】取り忘れ回収処理の詳細手順を示すフローチャートである。
【図17】集札処理の詳細手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
7 投入口
8 放出口
53 CPU
F2 フラッパ
H1 搬送手段
H2 搬送手段
H3 搬送手段
H4 搬送手段
KP 重ね合わせ位置
M1 モータ
M2 モータ
PG 自動改札機
Q 領域
R12 搬送ローラ
T1 小型の乗車媒体
T2 大型の乗車媒体
W 重ね合わせ方向
X 放出方向
Y 取り込み方向
Z 回収方向
Claims (3)
- 投入口から投入された複数枚の乗車媒体を一枚ずつ処理した後に、当該複数枚の乗車媒体を重ね合わせ位置で重ね合わせて一括して放出口に放出する自動改札機であって、
乗車媒体の形態を判別する判別手段と、
処理が行われた乗車媒体を第1の経路または第2の経路を通して重ね合わせ位置に搬送する第1の搬送手段と、
前記判別手段の判別結果に基づいて前記第1の経路と前記第2の経路のいずれかに乗車媒体を振り分ける振り分け部材と、
処理が行われた乗車媒体を回収するために搬送する第2の搬送手段と、
重ね合わせ位置に搬送された乗車媒体を放出口に放出するために搬送し、放出した乗車媒体を放出口から取り込むために搬送する第3の搬送手段と、
前記第2の搬送手段と前記第3の搬送手段とに連接し、第3の搬送手段によって取り込まれた乗車媒体を回収するために搬送する第4の搬送手段と、
前記第1の搬送手段、第2の搬送手段、第3の搬送手段および第4の搬送手段に囲まれた領域内に、第1の搬送手段と第4の搬送手段とに接するように配置された搬送ローラと、
前記第1の搬送手段を乗車媒体の重ね合わせ方向にのみ駆動し、かつ、前記第2の搬送手段と第4の搬送手段と搬送ローラとを乗車媒体の回収方向にのみ駆動する第1の駆動手段と、
前記第3の搬送手段を乗車媒体の放出方向または乗車媒体の取り込み方向に正逆駆動する第2の駆動手段と、を備えたことを特徴とする自動改札機。 - 請求項1に記載の自動改札機において、
前記振り分け部材は、前記第1の駆動手段が前記第2の搬送手段と第4の搬送手段と搬送ローラとを乗車媒体の回収方向に駆動し、かつ、前記第2の駆動手段が前記第3の搬送手段を乗車媒体の取り込み方向に駆動しているときに、第3の搬送手段によって放出口から取り込まれて搬送される乗車媒体を搬送ローラへとガイドすることを特徴とする自動改札機。 - 請求項1または請求項2に記載の自動改札機において、
前記判別手段は、乗車媒体の大きさが大型か小型かを判別し、
前記振り分け部材は、前記判別手段が大型と判別した乗車媒体を前記第1の経路に振り分け、前記判別手段が小型と判別した乗車媒体を前記第2の経路に振り分け、
前記第1の搬送手段は、前記第1の経路を通して搬送した乗車媒体を下にし、前記第2の経路を通して搬送した乗車媒体を上にして重ね合わせ位置に重ね合わせることを特徴とする自動改札機。
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JP2003164594A Expired - Lifetime JP4203804B2 (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 自動改札機 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101751699B (zh) * | 2008-12-02 | 2011-06-29 | 中国铁道科学研究院电子计算技术研究所 | 一种堆叠出票装置 |
CN104240304A (zh) * | 2013-06-14 | 2014-12-24 | 重庆金美通信有限责任公司 | 一种售票机的发卡机构 |
CN114482837A (zh) * | 2021-12-29 | 2022-05-13 | 江苏经贸职业技术学院 | 一种基于旅游景点用检票隔离栏杆 |
-
2003
- 2003-06-10 JP JP2003164594A patent/JP4203804B2/ja not_active Expired - Lifetime
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