JP2005001698A - ロール体の包装方法及び装置 - Google Patents

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Izumi Shimokawa
泉 下川
Hirotaka Sei
浩隆 清
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Abstract

【課題】感光材料ロールを包装シートで包装する際に、その側面用包装部を確実にヒダ折りして、菊折り不良の発生を無くす。
【解決手段】包装シート5を感光材料ロール12の先端に接合する。感光材料ロール12をサーフェイスロール10,11に載せて回転させ、包装シート5の外周面用包装部5aを外周面に巻き付ける。包装シート5の側面用包装部5bをヒダ保持ガイド板16、送りベルト22、折込みローラ23により菊折り状にヒダ折りする。送りベルト22によって側面用包装部5bのグリップ力が高まる。側面用包装部5bが感光材料ロール12の回転中心に向けてテンションを付与されつつ、確実に送られる。菊折りヒダ形成用の弛み部分が確実に形成され、菊折り不良の発生がなくなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面用包装部と側面用包装部とからなる包装シートをロール体に送り、ロール体の回転により前記外周面用包装部をロール体の外周に巻き付けるとともに、側面用包装部をロール体の側面に折り当てて包装するロール体の包装方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−111546号公報(第2,3頁)
【特許文献2】
特許第2631034号明細書(第2,3頁)
【0003】
図11に示すように、写真感光材料などを巻き取ったロール状製品2は、中空の巻き芯3と、これに巻き取られる帯状感光材料のロール4と、遮光性を有する包装シート5と、ブッシュ6とから構成されている(例えば特許文献1参照)。感光材料ロール4の先端4aには、包装シート5が接合されている。この包装シート5は、感光材料ロール4と同一または僅かに大きい幅を有する外周面用包装部5aと、この両端縁部の内面に上端縁が熱溶着される側面用包装部5bとから構成されており、外周面用包装部5aによって感光材料ロール4の外周面が、側面用包装部5bによって感光材料ロール4の両側面が覆われる。
【0004】
外周面用包装部5aは、感光材料ロール4に巻き付けられた後に、その先端が端末テープ7で固定される。また、側面用包装部5bは、感光材料ロール4の側面に沿って折り当てられて、いわゆる菊折りにされ、その縁部が巻き芯3の内部に圧入されたブッシュ6で固定されている。これらの外周面用包装部5a、側面用包装部5bにはヒートシール性や引裂性に優れた遮光性の高密度ポリエチレンフィルム等が利用されている。
【0005】
ロール状製品2を使用するには、このロール状製品2を機器の送り出し軸等に装填した後、外周面用包装部5aの先端を摘んで引き出すと、外周面用包装部5aが側面用包装部5bから引き裂かれて、外周面用包装部5aだけが引き出される。そして、感光材料ロール4の先端4aが引き出された時点で、外周面用包装部5aを感光材料先端4aから剥離又は切除することにより、容易に感光材料を使用することができる。
【0006】
感光材料ロール4の外周面に包装シート5の外周面用包装部5aを巻き付けるとともに、包装シート5の側面用包装部5bを感光材料ロール4の側面に折り込むロール包装方法においては、特許文献2に示されるように、送りローラと折り込みローラとを用いて、菊折りを行うようにしている。
【0007】
そして、送りローラの回転軸線に所定の傾斜角を持たせることにより、包装シートの側縁部をロール体の回転中心へ向けてテンション付与しながら送ることができ、包装シートがロール体の半径方向外方へ押し出されるのが未然に防止され、包装シートの側縁部の折込みが行われる。
【0008】
また、送りベルトに対して包装シートの送り方向前方に、ロール体の側面との間隔が周期的に変化するように支持された折込みローラを配し、この折込みローラによって、送りローラの送り方向前方に生じる包装シートの側縁部の弛み部分を一定間隔でロール体の側面に折り込むことにより、従来のように、包装シートの側縁部が折込みローラをスムーズに通過しないことによるヒダの折込みの遅れの発生や、折り込まれたヒダの大きさ,間隔のバラツキの発生が防止され、規則正しいヒダを有するロール包装体が形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような送りローラ及び折込みローラを用いても、菊折り不良が発生することがある。この菊折り不良には、折りヒダが中心に向かい揃っている正常品に対して、ヒダの折り込み角度が浅く一部が紙ブッシュよりも飛び出している中間飛び出しや、ヒダのところで詰まってしまう中間ジャミングや、ヒダが折られていない曝光などがある。
【0010】
このような菊折り不良に対しては、送りローラ表面のクリーニングを1日に2回程度行う、送りローラの包装シートのニップ量(押し付け位置)の補正を1月に1〜2回程度行う、送りローラの交換を1月に1回程度行うなどにより、改善されることが判ってきている。
【0011】
しかしながら、これらの方法は、設備を停止して行う必要があるため、稼動ロスが発生するという問題がある。また、頻繁な清掃や、表面の磨耗によるニップ量の補正、ローラ交換作業などが強いられるため、メンテナンスコストがかかるという問題もある。
【0012】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、清掃やニップ量調整などのメンテナンスサイクルを長くしても菊折り不良が発生することがないようにしたロール体の包装方法及び装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は菊折り不良の発生原因について鋭意研究を重ねた結果、菊折りのための送りローラによる包装シートのグリップ不足による送り不良が原因であることをつきとめた。すなわち、送り不良は送りローラ表面の状態によって左右され易く、ローラ表面のグリップ力が汚れや磨耗によって低下すると、包装シートの送りが不充分になり、菊折りヒダとなるための弛みが形成されないまま、折込みローラを通過してしまい、遮光性能を満たさない菊折りヒダとなってしまい、菊折り不良が発生することが判った。
【0014】
この菊折り不良を防止するために、送りローラのガイド板へのニップ量を増やすことも考えられるが、単にニップ量を増加させてニップ力(押し付け力)を上げようとすると、送りローラによる包装シートへの線当たりによって、包装シートへの局所的な圧力によりシートが破れてしまう新たな問題が発生する。また、送りローラ表面の磨耗も著しく早まるので、実際にはニップ量の増加で対応することは困難になる。
【0015】
このため、本発明では、包装シートの送りをニップ量の増加で対応する代わりにベルト駆動として菊折りのための包装シートの送りを確実に行うようにしている。すなわち、請求項1記載の発明では、外周面用包装部と側面用包装部とからなる包装シートをロール体に送り、ロール体の回転により前記外周面用包装部をロール体の外周に巻き付けるとともに、側面用包装部をロール体の側面に折り当てて包装するロール体の包装方法において、前記ロール体の側面近傍に前記側面用包装部に接触する送りベルトを配置し、この送りベルトにより前記側面用包装部を前記ロール体の回転中心へ向けてテンションを付与しながら送り、この送りベルトに対して前記包装シートの送り方向前方に、前記ロール体の側面との間隔が周期的に変化するように支持されて回転する折込みローラを配置し、前記送りベルトの送り方向前方に生じる前記側面用包装部の弛み部分を、前記折込みローラによって一定間隔で前記ロール体の側面に折り込むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2記載の発明では、外周面用包装部と側面用包装部とからなる包装シートをロール体に送り、ロール体の回転により前記外周面用包装部をロール体の外周に巻き付けるとともに、側面用包装部をロール体の側面に折り当てて包装するロール体の包装装置において、前記ロール体の側面近傍に設けられ、前記側面用包装部に接触して回転することにより、前記側面用包装部を前記ロール体の回転中心へ向けてテンションを付与しながら送る送りベルトと、この送りベルトに対して前記側面用包装部の送り方向前方に設けられ、前記ロール体の側面との間隔が周期的に変化するように支持されて回転され、前記送りベルトに対して前記側面用包装部の送り方向前方に生じる前記側面用包装部の弛み部分を、一定間隔で前記ロール体の側面に折り込むための折込みローラとを備えることを特徴とする。
【0017】
なお、前記送りベルトはベルトフレームに取り付けられ、このベルトフレームは前記送りベルトの送り方向を変更可能な取付部材を介して取り付けられることが好ましく、これにより、遮光フィルムからなる包装シートのロッド差による表面摩擦力やカールのばらつきなどの条件変化に対しても最適なシート送りが可能になり、突発的な菊折り不良の発生が防止される。また、前記送りベルトは、前記包装シートの送り方向と直交するロール体の半径方向に対してその半径方向外方側が前記包装シートの送り方向前方へ傾斜した回転軸線を有する複数のベルトプーリに掛け巡らされていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のロール包装装置の要部を示す斜視図である。二本のサーフェイスロール10,11には、帯状感光材料をロール状にした感光材料ロール12(ロール体)が載せられている。サーフェイスロール10,11は感光材料ロール12を保持しつつ回転させる。また、感光材料ロール12に接するようにライダーロール13が回転自在に設けられており、このライダーロール13は感光材料ロール12に向けて押し付けられている。
【0019】
感光材料ロール12に近接した位置で図示しないガイドテーブル及びサクションコンベアが設けられており、これらガイドテーブル及びサクションコンベアは、感光材料ロール12に向けて包装シート5を送り込む。包装シート5は、外周面用包装部5aと側面用包装部5bとからなり、外周面用包装部5aは感光材料ロール12の外周面に巻き付けられ、側面用包装部5bは感光材料ロール12の側面に当てられて菊折りされることで、感光材料ロール12が包装される。この包装シート5は、図示しないSSPホーンにより超音波溶着で感光材料の先端部に、外周面用包装部の先端が溶着されることで、接合される。
【0020】
感光材料ロール12の外周面頂部にはライダロール13が当接するように回転自在に設けられており、包装シート5の巻付け時に包装シート5を押圧して、これにバックテンションを付与する。このように、包装シート5を水平方向に送って感光材料ロール12の外周面頂部から巻付けを開始させることにより、重力に逆わらずに包装シート5をコ字形に折り曲げた状態で感光材料ロール12に供給することができる。
【0021】
感光材料ロール12の両側面に近接した位置でヒダ保持ガイド板16が設けられている。このヒダ保持ガイド板16は、後に説明する菊折りされた側面用包装部5bを保持する。また、ヒダ保持ガイド板16には、側面用包装部5bを菊折りするための菊折り開口16aが形成されている。この菊折り開口16aには、菊折りユニット20の折込みローラ23が位置決めされる。この菊折りユニット20は左右1対設けられており、シフト機構26に取り付けられている。シフト機構26は昇降部及び水平移動部から構成されており、ヒダ保持ガイド板16に近接した菊折り位置と、この菊折り位置から斜め上方へ移動した退避位置とに、菊折りユニット20を位置決めする。退避位置では、感光材料ロール12の装填と取り出しとが行われる。
【0022】
図2に示すように、菊折りユニット20は、ユニットフレーム21と、このユニットフレーム21に取り付けられる送りベルト22と、折込みローラ23とから構成されている。送りベルト22は、ヒダ保持ガイド板16(図1参照)に接触するように回転自在に配置されており、ヒダ保持ガイド板16との間で側面用包装部5bをニップ搬送する。この送りベルト22は送り方向に長く突条22aが形成されており、グリップ力が確実に得られるようにされている。そして、送りベルト22は側面用包装部5bの送り方向に回転し、側面用包装部5bに弛み部分を発生させる。
【0023】
折込みローラ23は送りベルト22とは逆方向に回転し、弛み部分を菊折り状にヒダ折りする。ユニットフレーム21は、取付ブラケット25を介してシフト機構26に取り付けられる。折込みローラ23はブラケット27を介してユニットフレーム21に回転自在に取り付けられており、プーリ28,29及びタイミングベルト30を介して第1駆動モータ31により回転駆動される。
【0024】
図3及び図4に示すように、送りベルト22はポリウレタン製のタイミングベルトから構成されており、ベルトフレーム35に第1〜第3のプーリ36,37,38を介して取り付けられている。第1及び第2プーリ36,37は送りベルト22を側面用包装部5bに接触させるためのものであり、保持ブラケット39及び取付ネジ40を介してベルトフレーム35に回動自在に取り付けられている。
【0025】
第3プーリ38はテンション調整を兼ねた駆動用とされており、この第3プーリ38の軸38aには、駆動ベルト41及びプーリ42〜44を介して第2駆動モータ45が連係されている。このため、第3プーリ38の保持ブラケット46は取り付け位置が調節自在な長孔46aを介して、取付ネジ47によりベルトフレーム35に固定されている。また、第2駆動モータ45は、取付ブラケット50を介してベルトフレーム35に取り付けられており、この駆動プーリ43と第3プーリ軸38aの従動プーリ42とに駆動ベルト41が掛け巡らされている。この駆動ベルト41はコイルバネ51を有したスプリングテンショナ52により張力が一定になるように調整されている。
【0026】
図5及び図6に示すように、ベルトフレーム35は取付軸60を介してユニットフレーム21に回転自在に取り付けられ、取付ネジ61により固定される。この取付軸60は第1プーリ36の中心位置に形成されている。ユニットフレーム21の取付ネジ孔62は、取付軸60を中心とした円弧を中心線とする円弧形状の長孔から構成されており、ユニットフレーム21に対してベルトフレーム35を任意の取付角度で取り付けることができる。本実施形態では水平線を基準にして時計方向に40度の角度範囲でベルトフレーム35の取付角度を変えることができる。
【0027】
取付軸60の端面には取付角度を指示する矢印65が形成されている。また、矢印65に対応する位置で、取付軸60の取付孔周辺部には、目盛り66が形成されている。したがって、矢印65が指した目盛り66を基準にして取付角度を変更することができる。
【0028】
図2に示すように、折込みローラ23は、周面の一部が軸方向に長く切り欠かれた切欠き部23aを備えており、この切欠き部23aは折込みローラ23の回転によって、感光材料ロール12の側面に向かい合う。この切欠き部23aは、後に説明するように、菊折りの際にヒダとして折り畳まれて側面用包装部5bが部分的に厚くなるタイミングで切欠き部23aが位置するように回転が制御されることで、この厚くなった部分を円滑に通過させることができる。なお、折込みローラ23は円柱状であっても、またはテーパ状であってもよい。
【0029】
図7に示すように、前記送りベルト22は、感光材料ロール12の半径方向(回転中心Oと巻付開始点Pとを結ぶ直線の方向)に対して、その送り方向A1が傾斜角度θ1となるように、傾斜して取り付けられており、包装シート5の送り方向に回転する。これにより、包装シート5の側面用包装部5bが感光材料ロール12の回転中心へ向けてテンションを付与しつつ送られる。この送りによって、送りベルト22の送り方向前方に包装シート5の側面用包装部5bの弛み70(図8参照)が発生する。すなわち、包装シート5が感光材料ロール12に巻き付き始める巻付開始点Pを過ぎると、側面用包装部5bにおいて内周側部分と外周側部分との間で速度差が発生し、この速度差に起因して弛み70が発生する。
【0030】
送りベルト22による送り方向の前記傾斜角度θ1は、前記取付軸60を中心としてベルトフレーム35を回転させて取付ネジ61で固定することにより、任意角度に調節が可能である。この傾斜角度θ1は、感光材料ロール12の径や菊折りヒダ71の数量などに応じて変更され、好ましくは60°〜75°の範囲であり、より好ましくは65°〜70°である。また、送りベルト22の幅及び接触長さも、対象となる感光材料ロール12の径や菊折りヒダ71の数量に応じて変更されるが、好ましくは20mm〜50mm、より好ましくは25mm〜35mmである。
【0031】
折込みローラ23は、送りベルト22に対し包装シート5の送り方向前方に配置されている。この折込みローラ23により、包装シート5の側面用包装部5bの弛み部分70が、一定間隔で前記感光材料ロール12の側面に折り込まれる。この折込みローラ23の設置位置は、包装シート5が感光材料ロール12に巻きつく巻付開始点Pの近傍とされており、好ましくは、側縁部の弛みが生じ易いように、巻付開始点Pよりも送り方向前方に少しずらした位置が好ましい。最も好ましい位置は、折込みローラ23が感光材料ロール12の側面外周端と対向する点が、巻付開始点Pよりも所望のヒダの大きさ一つ分だけ前方の点となる位置である。このような位置とすることで、包装シート5の弛み部分70がヒダ一つ分になった時にこれを折り込むことが可能となる。また、直線OPに対する折込みローラ23の傾斜角度θ2は10°〜15°が好ましく、より好ましくは12°程度である。
【0032】
次に、図8〜図10を参照して本実施形態の作用を説明する。図8に示すように、包装シート5の側面用包装部5bはヒダ保持ガイド板16と送りベルト22によりニップ搬送される。このとき、送りベルト22が側面用包装部5bに面接触するため、そのグリップ力が高められ、側面用包装部5bが感光材料ロール12の回転中心に向けてテンションを付与されつつ、確実に送られる。したがって、菊折りヒダ形成用の弛み部分70が確実に形成されるため、菊折り不良の発生がなくなる。すなわち、従来の送りローラを用いて菊折りヒダ形成用の弛み部分を形成するものでは、線接触となるため、表面の磨耗や遮光フィルムのロッド差、カールのばらつきなどによって表面摩擦力が変動した場合に、突発的にスリップが発生し、充分な菊折りヒダ形成用の弛み部分が形成されないことがある。このため、この部分で菊折り不良が発生していたが、本発明の場合には、送りベルトによって側面用包装部5bが確実に送られるため、菊折り不良の発生がなくなる。
【0033】
また、送りベルト22によって側面用包装部5bの確実な送りが得られるため、菊折りヒダ数が減ることもなく安定した菊折りが行える。さらに、従来の送りローラに比べて、押圧力を増すことなくグリップ力を上げることができるので、包装シートが破れてしまうこともなくなる。また、従来の送りローラに比べて、包装シートとの接触面積を増やすことができ、耐磨耗性も向上し、部品交換などのメンテナンスサイクルを長くすることができる。また、ベルトのためローラに比べて部品交換が容易に行える。
【0034】
図8に示すように、包装シート5の側面用包装部5bは、送りベルト22を通過した後、弛み部分70を生じるが、図9に示すように、折込みローラ23がその周面を側面用包装部5bに接しながら送り方向と反対側に回転するため、この弛み部分72が所定形状に折り込まれていく。その際、折込みローラ23の回転軸線が感光材料ロールの中心を通る鉛直線(直線OP)に対して角度θ2で傾斜していることから、包装シート5の側面用包装部5bを感光材料ロール12の回転中心に向けてテンション付与しながら折込みがなされる。
【0035】
また、折込みローラ23が截頭円錐形に形成されてるので、その周速度は感光材料ロール12の半径方向外方側ほど大きくなり、このため、折込み力が必要な外周寄り部分には十分な折込み力を付与することができる一方、折込み力があまり必要でなくむしろ折込みローラ23の逆回転による影響を受けやすい内周寄り部分には小さい折込み力を付与することができる。なお、上記影響があまり問題とならない場合には、折込みローラ23を円柱形に形成してもよい。
【0036】
さらに、折込みローラ23の周面には切欠き部23aが形成されているので、折込みローラ23と感光材料ロール12の側面との間隔が周期的に変化することとなる。したがって、図10に示すように、弛み部分73がヒダ71として折り畳まれて側面用包装部5bが厚くなるタイミングで切欠き部23aを感光材料ロール12の側面と向かい合うように折込みローラ23を回転させるようにすれば、厚くなったヒダ71の部分が上記側面用包装部5bと感光材料ロール12の側面との間に形成される隙間を通過するのを極めて容易なものとすることができる。このようにして、上記折込みローラ23が1回転する毎に、感光材料ロール12の側面に側面用包装部5bの弛み部分70,72,73がヒダ71として規則正しく折り込まれていくこととなる。
【0037】
上記ヒダ71を形成する際に、ヒダ71の山折り部が感光材料ロール12の半径方向に延びるように形成すると、ヒダを伏せた場合に山折り部が傾いた渦巻状の菊折りになり、感光材料ロール12の側面を覆うために必要な包装シート5の側面用包装部5bの幅が大きくなってしまう。しかしながら、本実施例においては、折込みローラ23が感光材料ロール12の半径方向に対して上述のように傾斜しているので、放射状の山折り部を形成することができる。
【0038】
なお、折込みローラ23の設置場所は、包装シート5が感光材料ロール12に巻き付く巻付開始点Pの近傍とする。ここで、側面用包装部5bの弛みが生じやすいように、折込みローラ23を上記巻付開始点Pよりも送り方向若干前方に配置させるのが好ましい。最も好ましい位置は、折込みローラ23が感光材料ロール12の側面外周端と対向する点が、上記巻付開始点Pより所望のヒダの大きさ1つ分だけ前方の点となる位置である。このようにすることにより、包装シート5の弛み部分70がヒダ1つ分になった時にこれを折り込むことが可能となる。
【0039】
折込みローラ23と送りベルト22とは包装シート5が一定の速度で送られるように同期駆動させるが、折込みローラ23の動作周期は任意であり、所望の菊折りヒダ数を得ることが可能である。ここで、折込みローラ23は包装シート5との摩擦力が小さい材料(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金(例えばジェラルミン)に対して、硬質アルマイトをベースとし、この硬質アルマイトにテフロン(R)を含浸させたものが好ましく用いられる。)を使用し、送りベルト22にはニップ力を向上させるため包装シート5との摩擦力が大きな材料(例えば、ポリウレタンなどの合成樹脂、またはゴム等)を使用する。
【0040】
折込みローラ23により生成されたヒダ71は、ヒダ保持ガイド板16によって開かないように保持される。ここで、ヒダ保持ガイド板16は、感光材料ロール12の側面部の全面を押さえる必要はなく、感光材料ロール12の周方向に任意幅の部材を設ければよい。本実施例では、感光材料ロール12の巻き芯3の周囲に菊折りに必要な機構を配置させる必要がないため、ここを開放しておくことが可能である。したがって、菊折りされた包装シート5を固定するためのキャップ6の嵌合、およびシール貼り等をロール包装装置上で行うことができる。
【0041】
次に本発明の効果を確認するための実施例を説明する。ベルトプーリ36,37間の距離を30mmとし、幅を30mmとした送りベルト22を用いて、直径が174〜252mmの感光材料ロール12に対して包装シート5により、その側面用包装部5bが菊折り状になるように包装した。3カ月にわたる実施経過によれば、菊折り不良の発生率は0%であった。これに対して、比較例として、送りベルト22に代えて、送りローラを用いた包装装置の菊折り不良発生率は、同じ条件下で、0.08%であり、改善が認められた。本発明で用いられる感光材料ロールの直径などは特に限定されることはないが、直径100〜400mmが好ましく用いられ、150〜300mmが特に好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、ロール体の側面近傍に送りベルトを配置し、この送りベルトにより包装シートの側面用包装部をロール体の回転中心へ向けてテンションを付与しながら送るようにしたから、送りベルトにより側面用包装部のグリップ力が高められる。これにより、菊折りヒダ形成用の弛み部分を確実に形成することができ、菊折り不良の発生がなくなる。また、充分なグリップ力が得られるため、押圧力を増す必要もなくなり、耐久性が増加する分だけ、メンテナンスサイクルが長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロール包装装置の要部を示す斜視図である。
【図2】菊折りユニットを示す斜視図である。
【図3】送りベルトとベルトフレームとを示す平面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】ベルトフレームの取付部を示す正面図である。
【図6】送りベルトの正面図である。
【図7】送りベルトと折込みローラとの位置関係を示す正面図である。
【図8】弛み部分が形成された状態を示す要部の斜視図である。
【図9】弛み部分が折り込まれている状態を示す要部の斜視図である。
【図10】折り込まれて厚みが増した部分が折込みローラを通過している状態を示す要部の斜視図である。
【図11】感光材料ロールと遮光シートと分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
10,11 サーフェイスロール
12 感光材料ロール
13 ライダーロール13、
5 包装シート
5a 外周面用包装部
5b 側面用包装部
16 ヒダ保持ガイド板
16a 菊折り開口
20 菊折りユニット
21 ユニットフレーム
22 送りベルト
23 折込みローラ
35 ベルトフレーム
60 取付軸
61 取付ネジ
65 矢印

Claims (4)

  1. 外周面用包装部と側面用包装部とからなる包装シートをロール体に送り、ロール体の回転により前記外周面用包装部をロール体の外周に巻き付けるとともに、側面用包装部をロール体の側面に折り当てて包装するロール体の包装方法において、
    前記ロール体の側面近傍に前記側面用包装部に接触する送りベルトを配置し、この送りベルトにより前記側面用包装部を前記ロール体の回転中心へ向けてテンションを付与しながら送り、
    この送りベルトに対して前記包装シートの送り方向前方に、前記ロール体の側面との間隔が周期的に変化するように支持されて回転する折込みローラを配置し、前記送りベルトの送り方向前方に生じる前記側面用包装部の弛み部分を、前記折込みローラによって一定間隔で前記ロール体の側面に折り込むことを特徴とするロール体の包装方法。
  2. 外周面用包装部と側面用包装部とからなる包装シートをロール体に送り、ロール体の回転により前記外周面用包装部をロール体の外周に巻き付けるとともに、側面用包装部をロール体の側面に折り当てて包装するロール体の包装装置において、
    前記ロール体の側面近傍に設けられ、前記側面用包装部に接触して回転することにより、前記側面用包装部を前記ロール体の回転中心へ向けてテンションを付与しながら送る送りベルトと、
    この送りベルトに対して前記側面用包装部の送り方向前方に設けられ、前記ロール体の側面との間隔が周期的に変化するように支持されて回転され、前記送りベルトに対して前記側面用包装部の送り方向前方に生じる前記側面用包装部の弛み部分を、一定間隔で前記ロール体の側面に折り込むための折込みローラとを備えてなることを特徴とするロール体の包装装置。
  3. 前記送りベルトはベルトフレームに取り付けられ、このベルトフレームは前記送りベルトの送り方向を変更可能な取付部材を介して取り付けられることを特徴とする請求項2記載のロール体の包装装置。
  4. 前記送りベルトは、前記包装シートの送り方向と直交するロール体の半径方向に対してその半径方向外方側が前記包装シートの送り方向前方へ傾斜した回転軸線を有する複数のベルトプーリに掛け巡らされていることを特徴とする請求項2または3記載のロール体の包装装置。
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