JP2005001167A - インクジェット記録物の保管方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット記録を施したインクジェット記録物を収納体に挟んで保管するにあたり、経時的な画像の滲みの発生を防止できるインクジェット記録物の保管方法を提供すること。
【解決手段】耐水性支持体の一方の面に、顔料および接着剤を含む少なくとも一層のインク受容層を有するインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管する際、有機溶媒吸着体を、シート基材間に、インクジェット記録物とともに保管する。
【選択図】 なし
【解決手段】耐水性支持体の一方の面に、顔料および接着剤を含む少なくとも一層のインク受容層を有するインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管する際、有機溶媒吸着体を、シート基材間に、インクジェット記録物とともに保管する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を収納体に挟んで保管するにあたり、経時的に画像が滲むのを防止するインクジェット記録物の保管方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性インクを微少なノズルから記録シートに向かって噴出し、該記録シートの面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー化が容易であること、高速記録が可能であること、他の印刷装置より記録コストが安価であること等の理由により、家庭用プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等において広く利用されている。
【0003】
近年、インクジェット記録方式によるプリンタ(インクジェットプリンタ)の急速な普及や、インクジェットプリンタの機能の向上による画像の高精細化・記録速度の高速化により、記録シートにも高度な特性が要望されるようになっている。すなわち、インク吸収性、記録濃度、耐水性、耐光性等の記録特性に優れた記録シートの実現が強く求められている。
特に最近では、粒状感のない写真調の画像を実現するために、低濃度インクを重ね打ちするフォトインク搭載のプリンタが主流となってきている。このようなプリンタを用いて記録する場合、シート上に吐出されるインク量が多くなる。そのため、高いインク吸収性を有する記録シートが求められている。
【0004】
また、デジタルカメラの登場により、撮影した画像をインクジェットプリンタで記録することが行われるようになっている。そのため、銀塩方式の写真に匹敵する画質で記録可能な記録特性と保存性とを兼ね備えた記録シートの実現が強く求められている。さらに、画像が記録された記録シート(インクジェット記録物)をより写真調にするために、高い光沢性も要望されている。
【0005】
記録シートに高い光沢性を付与する方法としては、スーパーカレンダー等の装置を用い、記録体を圧力や温度をかけたロール間に通紙することにより塗工層表面を平滑化する方法、特許文献1,2で記載されているように、粒子径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる粒子径10〜300nmの2次コロイド粒子を含有する方法、特許文献3で記載されているように、その塗工層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物質が、キャストコーターの光沢ロール表面を写し取る方法等が知られている。
【0006】
このような方法により光沢性を付与された記録シートは現在広く普及しており、さらにL判、2L判といった銀塩写真サイズの記録シートも市場にでまわっている。このような記録シートの普及により、手軽に印画ができるため、一般消費者は写真感覚でインクジェットプリンタでの印画を楽しんでいる。
しかし、インクジェット記録物を、印画直後に、銀塩写真同様にアルバムやクリアファイル、クリアブック、クリアフォルダー等の収納体に保存することがよくあるが、保管中に、印字画像に滲みが生じることがある。
【0007】
このような滲みを防止するために、インクジェット記録用シートの耐水性や耐熱湿性を改善することが提案されている。例えば特許文献4では、水性インクによるインクジェット記録に用いる記録媒体であって、支持体表面に2価以上のイオン化数を有する水溶性金属塩の1種以上とカチオン性有機物質の1種以上とを併せ持つ事を特徴とするインクジェット記録媒体が提案されている。また、特許文献5では、支持体上に、少なくとも一層のインク受理層を設けてなる記録媒体に於いて、該インク受理層中に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物を含有する事を特徴とするインクジェット記録媒体が提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−286165号公報
【特許文献2】
特開平10−315610号公報
【特許文献3】
米国特許5275846号明細書
【特許文献4】
特開昭60−67190号公報
【特許文献5】
特開昭60−257286号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、耐水性や耐熱湿性を改善したインクジェット記録用シートを用いた場合であっても、当該インクジェット記録物を印字直後にアルバム等の収納体中に保存すると、数日保存するだけで画像がにじんでしまう問題が生じていた。
【0010】
したがって、本発明の目的は、インクジェット記録を施したインクジェット記録物を収納体に挟んで保管するにあたり、経時的な画像の滲みの発生を防止できるインクジェット記録物の保管方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、経時的な画像に滲みの原因の一つが、インクジェット記録に用いられる水性インク中に含まれる有機溶媒であることを見出した。すなわち、一般的なインクジェットプリンタに用いられている水性インク中には、インク染料及び水のほか、プリントヘッドのノズル詰まりを防止するために、数割程度の高沸点の有機溶剤を含有している。この有機溶剤は、高沸点のためなかなか揮発しにくく、印画直後にアルバム等に密封すると、残留している有機溶剤がインク受容層内を移動し、その結果、インク染料を移動させ、画像の滲みを生じさせ、画質を非常に低下させてしまっていたと考えられる。
本発明者は、この知見に基づき、さらに検討を行った結果、インクジェット記録物を収納体中に保管するにあたり、当該インクジェット記録物を、有機溶媒吸着体とともに保管することにより、経時的な画像の滲みの発生を防止できることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、以下の発明[1]〜[11]を含む。
【0012】
[1]耐水性支持体の一方の面に、顔料および接着剤を含む少なくとも一層のインク受容層を有するインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管する保管方法であって、
シート基材間に、有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物とともに保管することを特徴とするインクジェット記録物の保管方法。
[2]有機溶媒吸着体がシート状である[1]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[3]有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない側に、インクジェット記録物とは別個に配置する[1]又は[2]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[4]有機溶媒吸着体を、インクジェット記録用シートの、インクジェット記録を施さない面に設ける[1]又は[2]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[5]有機溶媒吸着体を、収納体のシート基材の、インクジェット記録物と接する面に設ける[1]又は[2]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[6]有機溶媒吸着体が、活性炭、活性白土、ゼオライト、シリカ、アルミナ、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含有する[1]〜[5]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
[7]収納体が、アルバム、クリアーファイル、クリアーホルダー、またはクリアーブックである[1]〜[6]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
[8]シート基材および有機溶媒吸着体が実質的に光を透過するものである[1]〜[7]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
[9]有機溶媒吸着体が、シリカ、アルミナ、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含有する[8]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[10]インク受容層の少なくとも一層に、平均一次粒子径が3〜40nm、平均二次粒子径が1.3μm以下の顔料を用いる[1]〜[9]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
[11]75°表面光沢度(JIS−Z−8741)が30%以上のインクジェット記録用シートを用いる[1]〜[10]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、耐水性支持体の一方の面に、顔料および接着剤を含む少なくとも一層のインク受容層を有するインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管するにあたり、画像の滲みを抑制したインクジェット記録物の保管方法に関する。
【0014】
<インクジェット記録用シート>
本発明において、インクジェット記録用シートとは、耐水性支持体上にインク受容層が設けられたものである。
耐水性支持体は、インクジェット記録時にコックリングが起こらない用紙であれば特に制限はなく、例えばセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、合成紙類、不織布類、ポリエチレンラミネート紙、上質紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル等のシート類が適宣使用される。
特に、ポリエチレンラミネート紙、ポリエステル等のフィルム類や合成紙を用いると銀塩写真の様な風合いが得られるため、好ましく用いられる。
【0015】
耐水性支持体の平滑度は特に限定はないが、高光沢、高平滑な面を得るためには300秒(王研式、J.TAPPI NO5)以上であることが好ましい。
【0016】
また、耐水性支持体の不透明度にも特に限定はないが、銀塩写真の様な風合いを得るためには、不透明度(JIS P8138)が85%以上であることが好ましい。
【0017】
本発明において、耐水性支持体の、インク受容層が設けられる側の表面には、耐水性支持体とインク受容層との密着性を向上させる目的で、あらかじめ密着処理、または接着処理を施すことが可能である。
また、インク受容層が設けられる側と反対側の表面、すなわち耐水性支持体裏面には、搬送性向上、帯電防止、ブロッキング防止等のための処理を施すことも可能である。
【0018】
次に、インク受容層について説明する。
インク受容層は、顔料および接着剤を含む。
顔料としては、例えば非晶質シリカ(アルミナ等によるカチオン変性シリカを含む)、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナおよびアルミナ水和物、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、各種顔料が適宣使用される。本発明では、特にシリカ化合物、アルミナ化合物が好ましく用いられる。
【0019】
顔料は、3〜40nmの平均一次粒子径を有する複数個の一次粒子の凝集体、すなわち二次粒子であることが好ましく、該二次粒子は、1.3μm以下、より好ましくは10〜1000nmの平均二次粒子径を有することが好ましい。平均二次粒子径が1.3μm、特に1000nmを超えるとインク受容層の透明性、光沢性に問題がある。また、平均二次粒子径が10nm未満であるとインク吸収性が不十分になるおそれがある。
【0020】
インク受容層に用いられる接着剤としては、例えば水溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコールやシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、水分散性樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス等)等の、一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が挙げられる。これらの接着剤は、単独で又は2種以上混合して使用される。
【0021】
本発明においては、接着剤として、特に、インク吸収性、塗膜耐水性のため、ポリビニルアルコール類などの水溶性樹脂が好ましく使用される。より好ましくはポリビニルアルコールが用いられる。ポリビニルアルコールとしては、重合度2000以上のものが好ましい。重合度2000未満では塗膜耐水性が不十分となるおそれがある。
【0022】
インク受容層中の、顔料と接着剤との配合比(固形分の質量比)は特に限定しないが、顔料100質量部に対し、接着剤が好ましくは3〜100質量部、より好ましくは5〜45質量部である。接着剤の添加量が100質量部を越えると、粒子間の細孔が小さくなり、インク吸収性が低下する場合がある。一方、接着剤が3質量部未満であると、インク受容層にひび割れが生じ、インクジェット記録に使用できなくなるおそれがある。
【0023】
インク受容層中には、さらにカチオン性樹脂を添加してもよい。これにより、インク定着性を向上させることができる。
添加されるカチオン性樹脂としては、例えばポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。
カチオン性樹脂の配合量としては、顔料100質量部に対し、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部の範囲で調節される。
【0024】
インク受容層中には、上記の他、一般塗工紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宣配合されていてもよい。
【0025】
次にインクジェット記録シートの製造方法について説明する。
インクジェット記録シートは、例えば耐水性支持体上に、少なくとも顔料と接着剤を含有するインク受容層塗工液を、例えばブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドフレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等、公知の各種塗工装置を用いて塗工、乾燥してインク受容層を形成することにより得ることができる。
【0026】
インク受容層塗工液は、例えば顔料を分散媒体に分散し、これを接着剤と混合することにより得られる。
顔料の分散方法は特に限定されず、例えば一般市販の合成無定型シリカ(数μm)を、分散媒体中で、機械的手段で強い力を与えることにより得られる。機械的手段としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、溶媒攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。分散媒体は、特に限定しないが、例えば水が用いられる。
【0027】
インク受容層塗工液の塗工量は、特に限定するものではないが、好ましくは5〜60g/m2程度に調節する。塗工量が少ないとインク吸収性や画質が低下し、塗工量が多いとひび割れが生じ易くなる。銀塩方式の写真に匹敵する画質が得るためには、15〜45g/m2が好ましい。
【0028】
インク受容層のひび割れの制御上、層の機能分離のためインク受容層塗工液を2回以上に分けて塗工し、インク受容層を2層以上設けてもよい。
必要に応じて2層以上のインク受容層を設ける場合も、上記の各種塗工装置を用いて、インク受容層塗工液を塗工することを繰り返すことができる。
【0029】
また、必要に応じて、特願2001−342671に記載されているように、多孔質なインク受容層の上に、光沢層用塗布液層を設ける工程、該塗布液層を光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程、および該塗布液層を乾燥する工程を含む光沢化手段により光沢層を設ける方法を用いてもよい。
【0030】
本発明では、インクジェット記録用シートの表面は、75度光沢度(JIS−Z−8741)が、30%以上であることが好ましい。これにより、銀塩写真並みの優れた画質や光沢が得られる。
【0031】
<インクジェット記録物>
インクジェット記録物は、上述したインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録が行われたものである。
インクジェット記録は、インクジェット記録用シートのインク受容層側の面に施される。
【0032】
水性インクとしては、特に制限はなく、一般的にインクジェット記録に用いられている水性インクが使用できる。
水性インクの染料としては、直接染料、酸性染料、反応染料、食用染料、建染染料、触媒染料等を挙げることができる。
一般に、水性インク中のインク溶媒には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびn−ブタノール等の低分子量アルコール;1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、およびトリエチレングリコール−n−ブチルエーテル等のアルキレングリコール−アルキルエーテル;2−ピロリドン等のピロリドン誘導体;アセトン;グリセリン;トリメチロールプロパン等の有機溶媒と水とが用いられている。インク溶媒中の有機溶媒の割合は、通常、5〜40質量%の範囲内である。
【0033】
<インクジェット記録物の保管方法>
本発明のインクジェット記録物の保管方法は、インクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管するにあたり、有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物とともに保管することを特徴とする。
【0034】
シート基材としては、特に制限はなく、例えばセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、合成紙類、不織布類、ポリエチレンラミネート紙、上質紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル等のシート類が適宣使用される。
収納体としては、例えば一般的に使用されているアルバムのように、台紙上に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムを重ねたものや、クリヤーファイル、クリヤーホルダー、クリヤーブック等のように、2枚のフィルムを重ねたものが挙げられる。
本発明において、インクジェット記録物は、収納体のシート基材とシート基材との間、例えば台紙とフィルムとの間、またはフィルムとフィルムとの間に挟まれて、有機溶媒吸着体とともに保管される。
【0035】
有機溶媒吸着体は、例えば紙、不織布、布等の紙・布類や、非晶質シリカ(アルミナ等によるカチオン変性シリカを含む)、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナおよびアルミナ水和物、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、活性炭、活性白土等の顔料等を含むことが好ましい。これらの中でも、活性炭、活性白土、ゼオライト、シリカ、アルミナおよびアルミナ水和物が有機溶媒の吸収性が優れているので好ましく用いられる。
【0036】
有機溶媒吸着体の形状は、特に限定されず、シート状、カプセル状、錠剤状等、適宜決定すればよい。使いやすさの点からシート状が好ましい。
【0037】
有機溶媒吸着体は、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない側、すなわちインク受容層と反対側の面に配置されることが好ましい。
また、配置方法としては、インクジェット記録物とは別個のものとして、インクジェット記録物とともに、収納体のシート基材間に配置してもよく、例えばアルバム等の収納体に保存する際に、台紙とフィルムとの間に、インクジェット記録用シートと組み合わせて配置してもよい。
また、有機溶媒吸着体を、例えばシート状として、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない面に、有機溶媒吸着層を設けてもよい。この場合、シート状の有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない面と貼り合わせてもよく、当該面に対して、有機溶媒吸着層塗工液を塗布して設けてもよい。
しかしながら、有機溶媒吸着体を、インクジェット記録用シートと別にすると手間がかかるため、インクジェット記録用シートの、インクジェット記録を施さない面に貼り合わせまたは塗布する事が好ましい。
【0038】
さらに、収納体のシート基材の、インクジェット記録物と接する面に、上記と同様にして、有機溶媒吸着層を設けてもよい。
この場合、シート基材および有機溶媒吸着体が実質的に光を透過するものであると、シート基材間に保管されるインクジェット記録物を外側から確認できるので好ましい。
実質的に光を透過するシート基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のフィルムが挙げられる。
また、実質的に光を透過する有機溶媒吸着体としては、微細なシリカ、アルミナ、アルミナ水和物を含有するものが挙げられる。特に、3〜40nmの平均一次粒子径を有する二次粒子が好ましく、該二次粒子の二次粒子径が10〜1000nmであることがより好ましい。二次粒子径が10nm未満の場合、インクの吸着性が不十分となるおそれがあり、1000nmを越えると、光の透過性を損なうおそれがある。
有機溶媒吸着層を設けた収納体は、例えば、2枚のシート基材の少なくとも一方に、後述のようにして有機溶剤吸収層を形成し、該有機溶剤吸収層を内側にして2枚のシート基材を貼り合わせることにより形成できる。
【0039】
上記配置方法のうち、シート状の有機溶媒吸着体(有機溶媒吸着層)は、例えば顔料を分散媒体に分散し、さらに接着剤と混合して有機溶媒吸着層塗工液を得、例えばブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドフレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等、公知の各種塗工装置を用いて、インクジェット記録シート上、又は収納体のシート基材上、又は任意の基材上に塗工、乾燥しフィルム状として得ることができる。
顔料の分散方法は特に限定せず、例えば一般市販の顔料を機械的手段で強い力を与えることにより得られる。機械的手段としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、溶媒攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。分散媒体は、特に限定しないが、例えば水が用いられる。
【0040】
有機溶媒吸着層に用いられる接着剤としては、例えば水溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコールやシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、水分散性樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス等)等のような、一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が、単独にあるいは2種以上混合して使用される。
【0041】
有機溶媒吸着層塗工液の塗工量は、特に限定するものではないが、好ましくは1〜15g/m2程度に調節する。塗工量が少ないと有機溶媒の吸着性が低下し、塗工量が多いとひび割れが生じ易くなる。
【0042】
本発明の所望の効果を阻害しない限りにおいて、有機溶媒吸着層中には、前記以外の顔料、界面活性剤、接着性樹脂、耐ガス向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カビ防止剤、カチオン性化合物、蛍光増白剤、及び/又は染料等を含有させてもよい。
【0043】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部および質量%を示す。
【0044】
[インク受容層溶液A]
平均粒径3μmの合成無定型シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil HD−2)をサンドグライダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモジナイザー GM−1)でさらに粉砕分散し、一次粒子の平均粒子径が15nm、二次粒子の平均粒子径が100nmよりなる5%水分散液Aを調整した。
次に、水分散液A100部にカチオン樹脂としてスミレーズレジン(住友化学工業社製、商品名:SR−1001)15部を添加し増粘・凝集させた。さらに、二次粒子の平均粒径が150nmになるまで粉砕分散の操作を繰り返して、6%水分散液AK(シリカゾルAK)を調整した。シリカゾルAK100部に5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、インク受容層溶液Aを調整した。
【0045】
〔インク受容層溶液B〕
水分散液Aと同様、粉砕分散の操作を繰り返し、二次粒子の平均粒子径が800nmよりなる10%水分散液B(シリカゾルB)を調整した。シリカゾルB100部に5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合し、インク受容層溶液Bを調整した。
【0046】
(支持体A)
CSF(JIS P−8121)が250mLまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが250mLまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m2、密度1.0g/cm3の原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加えて過熱溶解し、濃度5%に調製したもので、このサイズプレス液を紙の両面に、合計で25mL/m2塗布して、原紙を得た。
【0047】
上記原紙の両面に、コロナ放電処理した後、バンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン樹脂組成物1を、原紙のフェルト面側に、塗工量25g/m2となるようにして、またポリオレフィン樹脂組成物2を、原紙のワイヤー側に、塗工量20g/m2となるように、T型ダイを有する溶融押出し機(溶融温度320℃)で塗布し、フェルト面側を鏡面のクーリングロール、ワイヤー面側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、フェルト面側表面の平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P8138)が93%の、樹脂被覆した耐水性の支持体Aを得た。
【0048】
(ポリオレフィン樹脂組成物1)
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm3、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(商品名:A−220、石原産業社製)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(商品名:Irganox 1010、チバガイギー社製)0.03部、群青(商品名:青口群青NO.2000、第一化成社製)0.09部、蛍光増白剤(商品名:UVITEX OB、チバガイギー社製)0.3部を混合し、ポリオレフィン樹脂組成物1とした。
【0049】
(ポリオレフィン樹脂組成物2)
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm3、メルトインデックス20g/10分)65部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデックス2g/10分)35部を溶融混合し、ポリオレフィン樹脂組成物2とした。
【0050】
(インクジェット記録用シートA)
インク受容層溶液Bをメイヤーバーで塗工量が30g/m2となるように支持体Aのフェルト面側に塗布、乾燥してインク受容層Bを形成した後、該インク受容層B上に、インク受容層溶液A(塗料温度:25℃)をメイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥し、インク受容層Aを形成して、インクジェット記録用シートAを得た。
【0051】
実施例1
活性炭(商品名:粒状白鷺WH2C、三豊化成社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートBを得た。
【0052】
実施例2
活性白土(商品名:シルトンLP−1、粒子径5.2μm、水澤化学社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートCを得た。
【0053】
実施例3
ゼオライト(商品名:トヨビルダー、粒子径1.5μm、トーソー社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートDを得た。
【0054】
実施例4
シリカ(商品名:ファインシールX−45、粒子径4.5μm、トクヤマ社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートEを得た。
【0055】
実施例5
アルミナ(商品名:AM−27、住友化学社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートFを得た。
【0056】
実施例6
アルミナ水和物(商品名:カタロイドAS−3、触媒化学社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートGを得た。
【0057】
実施例7
市販原紙(商品名:OKプリンス、127.9g/m2、配合比:L100%、フリーネス:430cc、王子製紙社製)を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、一般の糊で貼り合わせて、インクジェット記録用シートHを得た。
【0058】
実施例8
アルミナ水和物(商品名:カタロイドAS−3、触媒化学社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、PETフィルム(商品名:ルミラーT、厚さ:75μm、東レ社製)にメイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥し、溶剤吸収層を有する溶剤吸収フィルムを得た。このフィルムを裁断し、塗工層(溶剤吸収層)が内側になるように貼り付けを行い、クリアーファイルを得た。
【0059】
試験例1
下記のサンプル1〜9および比較サンプルについて、目視外観の評価を行った。
サンプル1〜7:得られた実施例1〜7のインクジェット記録用シートのインク受容層側の面に、インクジェットプリンター(商品名:PM950C、エプソン社製)でポートレート(高精細カラーディジタル標準画像データN1、財団法人日本規格協会発行)を印字し、直後にクリヤーブック(商品名:クリヤーブック替紙ラ−880N、コクヨ社製)内にしまい、40℃の環境下で3日放置し、画像のニジミを以下のように評価した。
比較サンプル:比較例として、インクジェット記録用シートAのインク受容層側の面に、上記と同様に印字を行なったもの(インクジェット記録物A)について、上記と同様に放置し、画像のニジミを評価した。
サンプル8:インクジェット記録物Aを、印字直後に、実施例8で得られたクリヤーファイルにしまい、上記と同様に放置して、画像のニジミを評価した。
サンプル9:インクジェット記録物Aを、印字直後に、市販原紙(商品名:OKプリンス、127.9g/m2、配合比:L100%、フリーネス:430cc、王子製紙社製)とともにクリヤーブック(商品名:クリヤーブック替紙ラ−880N、コクヨ社製)内にしまい、上記と同様に放置して、画像のニジミを評価した。なお、市販原紙は、インクジェット記録物Aのインク受容層側と反対側に配置した。
を、
なお、下記評価において、○と△は実用上問題ないレベルである。
○:画像に滲みが見られない
△:ポートレートの髪の毛の部分が若干滲んでいる
×:マゼンタのインクの部分がかなり滲んでいる
【0060】
【表1】
【0061】
この結果から、溶剤吸収層を設けたインクジェット記録用シート又はクリヤーファイルを用いたサンプル1〜6、8のインクジェット記録は、保管後に滲みが見られなかった。また、市販原紙を用いたサンプル7、9のインクジェット記録は、若干の滲みはあったものの、実用上問題のないレベルであった。
これに対し、比較サンプルのインクジェット記録は、かなりの滲みが見られた。
【0062】
【発明の効果】
上述のように、本発明のインクジェット記録物の保管方法により、インクジェット記録を施したインクジェット記録物を収納体に挟んで保管するにあたり、経時的な画像の滲みの発生を防止できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を収納体に挟んで保管するにあたり、経時的に画像が滲むのを防止するインクジェット記録物の保管方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性インクを微少なノズルから記録シートに向かって噴出し、該記録シートの面上に画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少ないこと、フルカラー化が容易であること、高速記録が可能であること、他の印刷装置より記録コストが安価であること等の理由により、家庭用プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷等において広く利用されている。
【0003】
近年、インクジェット記録方式によるプリンタ(インクジェットプリンタ)の急速な普及や、インクジェットプリンタの機能の向上による画像の高精細化・記録速度の高速化により、記録シートにも高度な特性が要望されるようになっている。すなわち、インク吸収性、記録濃度、耐水性、耐光性等の記録特性に優れた記録シートの実現が強く求められている。
特に最近では、粒状感のない写真調の画像を実現するために、低濃度インクを重ね打ちするフォトインク搭載のプリンタが主流となってきている。このようなプリンタを用いて記録する場合、シート上に吐出されるインク量が多くなる。そのため、高いインク吸収性を有する記録シートが求められている。
【0004】
また、デジタルカメラの登場により、撮影した画像をインクジェットプリンタで記録することが行われるようになっている。そのため、銀塩方式の写真に匹敵する画質で記録可能な記録特性と保存性とを兼ね備えた記録シートの実現が強く求められている。さらに、画像が記録された記録シート(インクジェット記録物)をより写真調にするために、高い光沢性も要望されている。
【0005】
記録シートに高い光沢性を付与する方法としては、スーパーカレンダー等の装置を用い、記録体を圧力や温度をかけたロール間に通紙することにより塗工層表面を平滑化する方法、特許文献1,2で記載されているように、粒子径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる粒子径10〜300nmの2次コロイド粒子を含有する方法、特許文献3で記載されているように、その塗工層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物質が、キャストコーターの光沢ロール表面を写し取る方法等が知られている。
【0006】
このような方法により光沢性を付与された記録シートは現在広く普及しており、さらにL判、2L判といった銀塩写真サイズの記録シートも市場にでまわっている。このような記録シートの普及により、手軽に印画ができるため、一般消費者は写真感覚でインクジェットプリンタでの印画を楽しんでいる。
しかし、インクジェット記録物を、印画直後に、銀塩写真同様にアルバムやクリアファイル、クリアブック、クリアフォルダー等の収納体に保存することがよくあるが、保管中に、印字画像に滲みが生じることがある。
【0007】
このような滲みを防止するために、インクジェット記録用シートの耐水性や耐熱湿性を改善することが提案されている。例えば特許文献4では、水性インクによるインクジェット記録に用いる記録媒体であって、支持体表面に2価以上のイオン化数を有する水溶性金属塩の1種以上とカチオン性有機物質の1種以上とを併せ持つ事を特徴とするインクジェット記録媒体が提案されている。また、特許文献5では、支持体上に、少なくとも一層のインク受理層を設けてなる記録媒体に於いて、該インク受理層中に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物を含有する事を特徴とするインクジェット記録媒体が提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−286165号公報
【特許文献2】
特開平10−315610号公報
【特許文献3】
米国特許5275846号明細書
【特許文献4】
特開昭60−67190号公報
【特許文献5】
特開昭60−257286号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、耐水性や耐熱湿性を改善したインクジェット記録用シートを用いた場合であっても、当該インクジェット記録物を印字直後にアルバム等の収納体中に保存すると、数日保存するだけで画像がにじんでしまう問題が生じていた。
【0010】
したがって、本発明の目的は、インクジェット記録を施したインクジェット記録物を収納体に挟んで保管するにあたり、経時的な画像の滲みの発生を防止できるインクジェット記録物の保管方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、経時的な画像に滲みの原因の一つが、インクジェット記録に用いられる水性インク中に含まれる有機溶媒であることを見出した。すなわち、一般的なインクジェットプリンタに用いられている水性インク中には、インク染料及び水のほか、プリントヘッドのノズル詰まりを防止するために、数割程度の高沸点の有機溶剤を含有している。この有機溶剤は、高沸点のためなかなか揮発しにくく、印画直後にアルバム等に密封すると、残留している有機溶剤がインク受容層内を移動し、その結果、インク染料を移動させ、画像の滲みを生じさせ、画質を非常に低下させてしまっていたと考えられる。
本発明者は、この知見に基づき、さらに検討を行った結果、インクジェット記録物を収納体中に保管するにあたり、当該インクジェット記録物を、有機溶媒吸着体とともに保管することにより、経時的な画像の滲みの発生を防止できることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、以下の発明[1]〜[11]を含む。
【0012】
[1]耐水性支持体の一方の面に、顔料および接着剤を含む少なくとも一層のインク受容層を有するインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管する保管方法であって、
シート基材間に、有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物とともに保管することを特徴とするインクジェット記録物の保管方法。
[2]有機溶媒吸着体がシート状である[1]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[3]有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない側に、インクジェット記録物とは別個に配置する[1]又は[2]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[4]有機溶媒吸着体を、インクジェット記録用シートの、インクジェット記録を施さない面に設ける[1]又は[2]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[5]有機溶媒吸着体を、収納体のシート基材の、インクジェット記録物と接する面に設ける[1]又は[2]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[6]有機溶媒吸着体が、活性炭、活性白土、ゼオライト、シリカ、アルミナ、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含有する[1]〜[5]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
[7]収納体が、アルバム、クリアーファイル、クリアーホルダー、またはクリアーブックである[1]〜[6]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
[8]シート基材および有機溶媒吸着体が実質的に光を透過するものである[1]〜[7]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
[9]有機溶媒吸着体が、シリカ、アルミナ、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含有する[8]記載のインクジェット記録物の保管方法。
[10]インク受容層の少なくとも一層に、平均一次粒子径が3〜40nm、平均二次粒子径が1.3μm以下の顔料を用いる[1]〜[9]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
[11]75°表面光沢度(JIS−Z−8741)が30%以上のインクジェット記録用シートを用いる[1]〜[10]のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、耐水性支持体の一方の面に、顔料および接着剤を含む少なくとも一層のインク受容層を有するインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管するにあたり、画像の滲みを抑制したインクジェット記録物の保管方法に関する。
【0014】
<インクジェット記録用シート>
本発明において、インクジェット記録用シートとは、耐水性支持体上にインク受容層が設けられたものである。
耐水性支持体は、インクジェット記録時にコックリングが起こらない用紙であれば特に制限はなく、例えばセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、合成紙類、不織布類、ポリエチレンラミネート紙、上質紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル等のシート類が適宣使用される。
特に、ポリエチレンラミネート紙、ポリエステル等のフィルム類や合成紙を用いると銀塩写真の様な風合いが得られるため、好ましく用いられる。
【0015】
耐水性支持体の平滑度は特に限定はないが、高光沢、高平滑な面を得るためには300秒(王研式、J.TAPPI NO5)以上であることが好ましい。
【0016】
また、耐水性支持体の不透明度にも特に限定はないが、銀塩写真の様な風合いを得るためには、不透明度(JIS P8138)が85%以上であることが好ましい。
【0017】
本発明において、耐水性支持体の、インク受容層が設けられる側の表面には、耐水性支持体とインク受容層との密着性を向上させる目的で、あらかじめ密着処理、または接着処理を施すことが可能である。
また、インク受容層が設けられる側と反対側の表面、すなわち耐水性支持体裏面には、搬送性向上、帯電防止、ブロッキング防止等のための処理を施すことも可能である。
【0018】
次に、インク受容層について説明する。
インク受容層は、顔料および接着剤を含む。
顔料としては、例えば非晶質シリカ(アルミナ等によるカチオン変性シリカを含む)、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナおよびアルミナ水和物、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、各種顔料が適宣使用される。本発明では、特にシリカ化合物、アルミナ化合物が好ましく用いられる。
【0019】
顔料は、3〜40nmの平均一次粒子径を有する複数個の一次粒子の凝集体、すなわち二次粒子であることが好ましく、該二次粒子は、1.3μm以下、より好ましくは10〜1000nmの平均二次粒子径を有することが好ましい。平均二次粒子径が1.3μm、特に1000nmを超えるとインク受容層の透明性、光沢性に問題がある。また、平均二次粒子径が10nm未満であるとインク吸収性が不十分になるおそれがある。
【0020】
インク受容層に用いられる接着剤としては、例えば水溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコールやシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、水分散性樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス等)等の、一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が挙げられる。これらの接着剤は、単独で又は2種以上混合して使用される。
【0021】
本発明においては、接着剤として、特に、インク吸収性、塗膜耐水性のため、ポリビニルアルコール類などの水溶性樹脂が好ましく使用される。より好ましくはポリビニルアルコールが用いられる。ポリビニルアルコールとしては、重合度2000以上のものが好ましい。重合度2000未満では塗膜耐水性が不十分となるおそれがある。
【0022】
インク受容層中の、顔料と接着剤との配合比(固形分の質量比)は特に限定しないが、顔料100質量部に対し、接着剤が好ましくは3〜100質量部、より好ましくは5〜45質量部である。接着剤の添加量が100質量部を越えると、粒子間の細孔が小さくなり、インク吸収性が低下する場合がある。一方、接着剤が3質量部未満であると、インク受容層にひび割れが生じ、インクジェット記録に使用できなくなるおそれがある。
【0023】
インク受容層中には、さらにカチオン性樹脂を添加してもよい。これにより、インク定着性を向上させることができる。
添加されるカチオン性樹脂としては、例えばポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。
カチオン性樹脂の配合量としては、顔料100質量部に対し、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部の範囲で調節される。
【0024】
インク受容層中には、上記の他、一般塗工紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宣配合されていてもよい。
【0025】
次にインクジェット記録シートの製造方法について説明する。
インクジェット記録シートは、例えば耐水性支持体上に、少なくとも顔料と接着剤を含有するインク受容層塗工液を、例えばブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドフレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等、公知の各種塗工装置を用いて塗工、乾燥してインク受容層を形成することにより得ることができる。
【0026】
インク受容層塗工液は、例えば顔料を分散媒体に分散し、これを接着剤と混合することにより得られる。
顔料の分散方法は特に限定されず、例えば一般市販の合成無定型シリカ(数μm)を、分散媒体中で、機械的手段で強い力を与えることにより得られる。機械的手段としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、溶媒攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。分散媒体は、特に限定しないが、例えば水が用いられる。
【0027】
インク受容層塗工液の塗工量は、特に限定するものではないが、好ましくは5〜60g/m2程度に調節する。塗工量が少ないとインク吸収性や画質が低下し、塗工量が多いとひび割れが生じ易くなる。銀塩方式の写真に匹敵する画質が得るためには、15〜45g/m2が好ましい。
【0028】
インク受容層のひび割れの制御上、層の機能分離のためインク受容層塗工液を2回以上に分けて塗工し、インク受容層を2層以上設けてもよい。
必要に応じて2層以上のインク受容層を設ける場合も、上記の各種塗工装置を用いて、インク受容層塗工液を塗工することを繰り返すことができる。
【0029】
また、必要に応じて、特願2001−342671に記載されているように、多孔質なインク受容層の上に、光沢層用塗布液層を設ける工程、該塗布液層を光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスする工程、および該塗布液層を乾燥する工程を含む光沢化手段により光沢層を設ける方法を用いてもよい。
【0030】
本発明では、インクジェット記録用シートの表面は、75度光沢度(JIS−Z−8741)が、30%以上であることが好ましい。これにより、銀塩写真並みの優れた画質や光沢が得られる。
【0031】
<インクジェット記録物>
インクジェット記録物は、上述したインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録が行われたものである。
インクジェット記録は、インクジェット記録用シートのインク受容層側の面に施される。
【0032】
水性インクとしては、特に制限はなく、一般的にインクジェット記録に用いられている水性インクが使用できる。
水性インクの染料としては、直接染料、酸性染料、反応染料、食用染料、建染染料、触媒染料等を挙げることができる。
一般に、水性インク中のインク溶媒には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびn−ブタノール等の低分子量アルコール;1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、およびトリエチレングリコール−n−ブチルエーテル等のアルキレングリコール−アルキルエーテル;2−ピロリドン等のピロリドン誘導体;アセトン;グリセリン;トリメチロールプロパン等の有機溶媒と水とが用いられている。インク溶媒中の有機溶媒の割合は、通常、5〜40質量%の範囲内である。
【0033】
<インクジェット記録物の保管方法>
本発明のインクジェット記録物の保管方法は、インクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管するにあたり、有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物とともに保管することを特徴とする。
【0034】
シート基材としては、特に制限はなく、例えばセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のフィルム類、合成紙類、不織布類、ポリエチレンラミネート紙、上質紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル等のシート類が適宣使用される。
収納体としては、例えば一般的に使用されているアルバムのように、台紙上に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムを重ねたものや、クリヤーファイル、クリヤーホルダー、クリヤーブック等のように、2枚のフィルムを重ねたものが挙げられる。
本発明において、インクジェット記録物は、収納体のシート基材とシート基材との間、例えば台紙とフィルムとの間、またはフィルムとフィルムとの間に挟まれて、有機溶媒吸着体とともに保管される。
【0035】
有機溶媒吸着体は、例えば紙、不織布、布等の紙・布類や、非晶質シリカ(アルミナ等によるカチオン変性シリカを含む)、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナおよびアルミナ水和物、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、活性炭、活性白土等の顔料等を含むことが好ましい。これらの中でも、活性炭、活性白土、ゼオライト、シリカ、アルミナおよびアルミナ水和物が有機溶媒の吸収性が優れているので好ましく用いられる。
【0036】
有機溶媒吸着体の形状は、特に限定されず、シート状、カプセル状、錠剤状等、適宜決定すればよい。使いやすさの点からシート状が好ましい。
【0037】
有機溶媒吸着体は、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない側、すなわちインク受容層と反対側の面に配置されることが好ましい。
また、配置方法としては、インクジェット記録物とは別個のものとして、インクジェット記録物とともに、収納体のシート基材間に配置してもよく、例えばアルバム等の収納体に保存する際に、台紙とフィルムとの間に、インクジェット記録用シートと組み合わせて配置してもよい。
また、有機溶媒吸着体を、例えばシート状として、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない面に、有機溶媒吸着層を設けてもよい。この場合、シート状の有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない面と貼り合わせてもよく、当該面に対して、有機溶媒吸着層塗工液を塗布して設けてもよい。
しかしながら、有機溶媒吸着体を、インクジェット記録用シートと別にすると手間がかかるため、インクジェット記録用シートの、インクジェット記録を施さない面に貼り合わせまたは塗布する事が好ましい。
【0038】
さらに、収納体のシート基材の、インクジェット記録物と接する面に、上記と同様にして、有機溶媒吸着層を設けてもよい。
この場合、シート基材および有機溶媒吸着体が実質的に光を透過するものであると、シート基材間に保管されるインクジェット記録物を外側から確認できるので好ましい。
実質的に光を透過するシート基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のフィルムが挙げられる。
また、実質的に光を透過する有機溶媒吸着体としては、微細なシリカ、アルミナ、アルミナ水和物を含有するものが挙げられる。特に、3〜40nmの平均一次粒子径を有する二次粒子が好ましく、該二次粒子の二次粒子径が10〜1000nmであることがより好ましい。二次粒子径が10nm未満の場合、インクの吸着性が不十分となるおそれがあり、1000nmを越えると、光の透過性を損なうおそれがある。
有機溶媒吸着層を設けた収納体は、例えば、2枚のシート基材の少なくとも一方に、後述のようにして有機溶剤吸収層を形成し、該有機溶剤吸収層を内側にして2枚のシート基材を貼り合わせることにより形成できる。
【0039】
上記配置方法のうち、シート状の有機溶媒吸着体(有機溶媒吸着層)は、例えば顔料を分散媒体に分散し、さらに接着剤と混合して有機溶媒吸着層塗工液を得、例えばブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドフレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等、公知の各種塗工装置を用いて、インクジェット記録シート上、又は収納体のシート基材上、又は任意の基材上に塗工、乾燥しフィルム状として得ることができる。
顔料の分散方法は特に限定せず、例えば一般市販の顔料を機械的手段で強い力を与えることにより得られる。機械的手段としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、溶媒攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。分散媒体は、特に限定しないが、例えば水が用いられる。
【0040】
有機溶媒吸着層に用いられる接着剤としては、例えば水溶性樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコールやシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、澱粉、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、水分散性樹脂(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス等)等のような、一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が、単独にあるいは2種以上混合して使用される。
【0041】
有機溶媒吸着層塗工液の塗工量は、特に限定するものではないが、好ましくは1〜15g/m2程度に調節する。塗工量が少ないと有機溶媒の吸着性が低下し、塗工量が多いとひび割れが生じ易くなる。
【0042】
本発明の所望の効果を阻害しない限りにおいて、有機溶媒吸着層中には、前記以外の顔料、界面活性剤、接着性樹脂、耐ガス向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カビ防止剤、カチオン性化合物、蛍光増白剤、及び/又は染料等を含有させてもよい。
【0043】
【実施例】
以下に実施例をあげて、本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部および質量%を示す。
【0044】
[インク受容層溶液A]
平均粒径3μmの合成無定型シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil HD−2)をサンドグライダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモジナイザー GM−1)でさらに粉砕分散し、一次粒子の平均粒子径が15nm、二次粒子の平均粒子径が100nmよりなる5%水分散液Aを調整した。
次に、水分散液A100部にカチオン樹脂としてスミレーズレジン(住友化学工業社製、商品名:SR−1001)15部を添加し増粘・凝集させた。さらに、二次粒子の平均粒径が150nmになるまで粉砕分散の操作を繰り返して、6%水分散液AK(シリカゾルAK)を調整した。シリカゾルAK100部に5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)24部を混合し、インク受容層溶液Aを調整した。
【0045】
〔インク受容層溶液B〕
水分散液Aと同様、粉砕分散の操作を繰り返し、二次粒子の平均粒子径が800nmよりなる10%水分散液B(シリカゾルB)を調整した。シリカゾルB100部に5%ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合し、インク受容層溶液Bを調整した。
【0046】
(支持体A)
CSF(JIS P−8121)が250mLまで叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが250mLまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)とを、質量比2:8の割合で混合し、濃度0.5%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中に、パルプ絶乾質量に対し、カチオン化澱粉2.0%、アルキルケテンダイマー0.4%、アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%を添加し、十分に攪拌して分散させた。
上記組成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量180g/m2、密度1.0g/cm3の原紙を製造した。上記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボキシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを2:1の質量比で混合し、これを水に加えて過熱溶解し、濃度5%に調製したもので、このサイズプレス液を紙の両面に、合計で25mL/m2塗布して、原紙を得た。
【0047】
上記原紙の両面に、コロナ放電処理した後、バンバリーミキサーで混合分散した下記のポリオレフィン樹脂組成物1を、原紙のフェルト面側に、塗工量25g/m2となるようにして、またポリオレフィン樹脂組成物2を、原紙のワイヤー側に、塗工量20g/m2となるように、T型ダイを有する溶融押出し機(溶融温度320℃)で塗布し、フェルト面側を鏡面のクーリングロール、ワイヤー面側を粗面のクーリングロールで冷却固化して、フェルト面側表面の平滑度(王研式、J.TAPPI No.5)が6000秒、不透明度(JIS P8138)が93%の、樹脂被覆した耐水性の支持体Aを得た。
【0048】
(ポリオレフィン樹脂組成物1)
長鎖型低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm3、メルトインデックス20g/10分)35部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデックス2g/10分)50部、アナターゼ型二酸化チタン(商品名:A−220、石原産業社製)15部、ステアリン酸亜鉛0.1部、酸化防止剤(商品名:Irganox 1010、チバガイギー社製)0.03部、群青(商品名:青口群青NO.2000、第一化成社製)0.09部、蛍光増白剤(商品名:UVITEX OB、チバガイギー社製)0.3部を混合し、ポリオレフィン樹脂組成物1とした。
【0049】
(ポリオレフィン樹脂組成物2)
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.954g/cm3、メルトインデックス20g/10分)65部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.919g/cm3、メルトインデックス2g/10分)35部を溶融混合し、ポリオレフィン樹脂組成物2とした。
【0050】
(インクジェット記録用シートA)
インク受容層溶液Bをメイヤーバーで塗工量が30g/m2となるように支持体Aのフェルト面側に塗布、乾燥してインク受容層Bを形成した後、該インク受容層B上に、インク受容層溶液A(塗料温度:25℃)をメイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥し、インク受容層Aを形成して、インクジェット記録用シートAを得た。
【0051】
実施例1
活性炭(商品名:粒状白鷺WH2C、三豊化成社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートBを得た。
【0052】
実施例2
活性白土(商品名:シルトンLP−1、粒子径5.2μm、水澤化学社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートCを得た。
【0053】
実施例3
ゼオライト(商品名:トヨビルダー、粒子径1.5μm、トーソー社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートDを得た。
【0054】
実施例4
シリカ(商品名:ファインシールX−45、粒子径4.5μm、トクヤマ社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートEを得た。
【0055】
実施例5
アルミナ(商品名:AM−27、住友化学社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートFを得た。
【0056】
実施例6
アルミナ水和物(商品名:カタロイドAS−3、触媒化学社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、メイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥して溶剤吸収層を形成し、インクジェット記録用シートGを得た。
【0057】
実施例7
市販原紙(商品名:OKプリンス、127.9g/m2、配合比:L100%、フリーネス:430cc、王子製紙社製)を、インクジェット記録用シートAのインク受容層が塗工されていない面に、一般の糊で貼り合わせて、インクジェット記録用シートHを得た。
【0058】
実施例8
アルミナ水和物(商品名:カタロイドAS−3、触媒化学社製)100部をサンドグライダーにより粉砕分散した後、10%ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、重合度:1700、ケン化度:99%以上、クラレ社製)40部を混合し、溶剤吸収層用塗料を得た。この溶剤吸収用塗料を、PETフィルム(商品名:ルミラーT、厚さ:75μm、東レ社製)にメイヤーバーで塗工量が5g/m2になるように塗布、乾燥し、溶剤吸収層を有する溶剤吸収フィルムを得た。このフィルムを裁断し、塗工層(溶剤吸収層)が内側になるように貼り付けを行い、クリアーファイルを得た。
【0059】
試験例1
下記のサンプル1〜9および比較サンプルについて、目視外観の評価を行った。
サンプル1〜7:得られた実施例1〜7のインクジェット記録用シートのインク受容層側の面に、インクジェットプリンター(商品名:PM950C、エプソン社製)でポートレート(高精細カラーディジタル標準画像データN1、財団法人日本規格協会発行)を印字し、直後にクリヤーブック(商品名:クリヤーブック替紙ラ−880N、コクヨ社製)内にしまい、40℃の環境下で3日放置し、画像のニジミを以下のように評価した。
比較サンプル:比較例として、インクジェット記録用シートAのインク受容層側の面に、上記と同様に印字を行なったもの(インクジェット記録物A)について、上記と同様に放置し、画像のニジミを評価した。
サンプル8:インクジェット記録物Aを、印字直後に、実施例8で得られたクリヤーファイルにしまい、上記と同様に放置して、画像のニジミを評価した。
サンプル9:インクジェット記録物Aを、印字直後に、市販原紙(商品名:OKプリンス、127.9g/m2、配合比:L100%、フリーネス:430cc、王子製紙社製)とともにクリヤーブック(商品名:クリヤーブック替紙ラ−880N、コクヨ社製)内にしまい、上記と同様に放置して、画像のニジミを評価した。なお、市販原紙は、インクジェット記録物Aのインク受容層側と反対側に配置した。
を、
なお、下記評価において、○と△は実用上問題ないレベルである。
○:画像に滲みが見られない
△:ポートレートの髪の毛の部分が若干滲んでいる
×:マゼンタのインクの部分がかなり滲んでいる
【0060】
【表1】
【0061】
この結果から、溶剤吸収層を設けたインクジェット記録用シート又はクリヤーファイルを用いたサンプル1〜6、8のインクジェット記録は、保管後に滲みが見られなかった。また、市販原紙を用いたサンプル7、9のインクジェット記録は、若干の滲みはあったものの、実用上問題のないレベルであった。
これに対し、比較サンプルのインクジェット記録は、かなりの滲みが見られた。
【0062】
【発明の効果】
上述のように、本発明のインクジェット記録物の保管方法により、インクジェット記録を施したインクジェット記録物を収納体に挟んで保管するにあたり、経時的な画像の滲みの発生を防止できる。
Claims (11)
- 耐水性支持体の一方の面に、顔料および接着剤を含む少なくとも一層のインク受容層を有するインクジェット記録用シートに対し、有機溶媒を含む水性インクによりインクジェット記録を施したインクジェット記録物を、少なくとも2枚のシート基材を含む収納体のシート基材間に挟んで保管する保管方法であって、
シート基材間に、有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物とともに保管することを特徴とするインクジェット記録物の保管方法。 - 有機溶媒吸着体がシート状である請求項1記載のインクジェット記録物の保管方法。
- 有機溶媒吸着体を、インクジェット記録物の、インクジェット記録を施さない側に、インクジェット記録物とは別個に配置する請求項1又は2記載のインクジェット記録物の保管方法。
- 有機溶媒吸着体を、インクジェット記録用シートの、インクジェット記録を施さない面に設ける請求項1又は2記載のインクジェット記録物の保管方法。
- 有機溶媒吸着体を、収納体のシート基材の、インクジェット記録物と接する面に設ける請求項1又は2記載のインクジェット記録物の保管方法。
- 有機溶媒吸着体が、活性炭、活性白土、ゼオライト、シリカ、アルミナ、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
- 収納体が、アルバム、クリアーファイル、クリアーホルダー、またはクリアーブックである請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
- シート基材および有機溶媒吸着体が実質的に光を透過するものである請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
- 有機溶媒吸着体が、シリカ、アルミナ、およびアルミナ水和物から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項8記載のインクジェット記録物の保管方法。
- インク受容層の少なくとも一層に、平均一次粒子径が3〜40nm、平均二次粒子径が1.3μm以下の顔料を用いる請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
- 75°表面光沢度(JIS−Z−8741)が30%以上のインクジェット記録用シートを用いる請求項1〜10のいずれか一項に記載のインクジェット記録物の保管方法。
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2003
- 2003-06-10 JP JP2003165084A patent/JP2005001167A/ja not_active Withdrawn
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