JP2005000083A - 生小魚の包装体及び生小魚の保存・流通・販売方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】傷みやすいシラス等の生小魚を生食用商品としての鮮度を維持した状態で安全に保存・流通・販売できると共に、生小魚に好ましい風味を付与し、あらためて味付けするまでもなく、そのまま生で又は加熱して食することができる、鮮度のよい生小魚の包装体を提供すること及び調味したシラス等の生小魚を生食用商品として安定した状態で保存・流通・販売する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】シラス等の生小魚を調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填・密封してある生小魚の包装体及びその状態で生小魚を保存・流通・販売する方法。生小魚の重量の50%以上の調味液を充填することが好ましい。調味液としては、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を越える糖類の溶液、還元澱粉分解物の溶液、濃度3%を越える食塩水又はこれをベースとする塩味系調味液、これらの調味液を複合したもの、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)等を使用するのが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】シラス等の生小魚を調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填・密封してある生小魚の包装体及びその状態で生小魚を保存・流通・販売する方法。生小魚の重量の50%以上の調味液を充填することが好ましい。調味液としては、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を越える糖類の溶液、還元澱粉分解物の溶液、濃度3%を越える食塩水又はこれをベースとする塩味系調味液、これらの調味液を複合したもの、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)等を使用するのが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生小魚の包装体とその生小魚の保存・流通・販売方法に関する。詳しくは、生食用商品としての鮮度を維持した状態で適度に調味してあるシラス等の生小魚の包装体とこれら調味した生小魚を生食用商品としての鮮度を維持したまま保存、流通又は販売する方法に関する。
【0002】
本発明において、小魚とは、シラス、イカナゴ、シラウオ等の総称である。これらの程度に小さい魚であれば、稚魚・幼魚でなくても、本発明の「小魚」に含まれる。なお、シラスとは、カタクチイワシ、マイワシ、キビナゴ等の稚魚や幼魚の総称である。また、本発明において、生小魚とは、加熱や乾燥等の処置をしていない小魚のことをいい、冷蔵又は冷凍状態にしてある小魚を含む。
【0003】
【従来の技術】
従来、シラスやイカナゴを代表例とする小魚は、漁獲後、船上や加工場等において汚れや異物除去のため、清水や海水で洗浄され、水切りした後、適宜の容器に詰めて、冷凍状態又は冷凍後要冷蔵の状態で出荷されている。
したがって、生小魚は、完全に水切りされたものが、包装されたままか又は包装を解いて、チルド状態で店頭に陳列され、販売されることが多い。しかし、このように処理された生小魚は、店頭に並べた翌日、すなわち、販売開始から24時間程度経過した後は、生臭み、変色、離水、粘液発現、身くずれ等が生じ始めて、食品としての安全性や商品価値が低下するという問題がある。
このように、シラスやイカナゴ等の小魚は短時間で傷みやすいため、生食用商品として販売するのが難しいので、通常は、塩水でボイルした後、乾燥させたものを保存、流通又は販売している。
【0004】
一般に、魚体は、生存中であっても、体表粘液、えら、内蔵内液、消化管等にはすでに多数の細菌が存在している。特に体表の粘液には細菌が多数存在している。また、魚体は、死後、筋肉内酵素すなわち内因性酵素の作用による自己消化・分解がまず起きる。しかし、死後硬直終了後の解硬以降は、主として細菌による外因性酵素作用による分解が起こり、体表の粘質物発現及び劣化が始まって、離水、変色、酸化も同時進行して腐敗に至るものと考えられる。特にシラス等の稚魚・幼魚は、組織自体及び組織結合が弱く、死後直後から死後硬直開始までが短時間で、また、死後硬直期間も短時間であり、短時間で解硬に至り、劣化・腐敗へと進行していくものと考えられる。
【0005】
このため、従来から、生小魚の鮮度維持法に関していくつかの特許出願がみられる。例えば、特開2000−287617号公報には、シラス等の小魚をアルカリ水溶液に浸漬するか又はアルカリ水溶液を吹き付ける等によって処理し、次いで、このように処理した魚に付着したアルカリ水溶液を洗浄するか又は中和することを特徴とする魚の褐変もしくは黒化防止方法が開示されている。また、特開2000−300169号公報には、褐変もしくは黒化した小魚をアルカリ水溶液で処理し、該小魚に付着したアルカリ水溶液を洗浄するか又は中和することを特徴とする小魚の処理方法が開示されている。
これらの方法は、それなりの効果を奏するとしても、アルカリ水溶液で処理するのに手間がかかる上、生小魚を店頭に陳列する前に、その生小魚に付着しているアルカリ水溶液を洗浄するか又は中和処理して除去しなければならず、さらに手間がかかるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−287617号公報
【特許文献2】
特開2000−300169号公報
【0007】
上記の状況に鑑み、本発明者は、先に、水又は氷水、糖度0.01〜30%の糖液、濃度0.01〜3%の塩水、濃度0.1〜10%の魚醤溶液等を保存水として、シラス等の生小魚を、これらいずれかの保存水と共に、その保存水中に浸すように容器に充填・密封してある生小魚の包装体及びその保存水中に浸すように容器に充填・密封した状態で、保存、流通又は販売する生小魚の保存・流通・販売方法を発明し、特許出願している(特願2002−033298「生小魚の包装体及び生小魚の保存・流通・販売方法」)。
【0008】
上記特願2002−033298に係る「生小魚の包装体及び生小魚の保存・流通・販売方法」は、傷みやすいシラス等の生小魚を、感覚的にも衛生的にも生食用商品としての鮮度を維持した状態で安全に保存、流通、また販売でき、その結果、生小魚を生食用商品として安定供給できる点において、まことに画期的なものである。
特願2002−033298に係る発明では、保存水として、「生小魚の表面を保護することができ、かつ、生小魚の表面に付着しても味や臭いが移り難く、また、味や臭いが移ったとしても違和感が生じない液体」という選定基準に基づいて研究した結果、上記の保存水を使用することに到達した。
【0009】
本発明者らは、生小魚の保存方法についてさらに研究を続け、生小魚の鮮度を維持した状態で保存と調味を同時におこなうことができれば、さらに有用であることを知見した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明は、傷みやすいシラス等の生小魚を、感覚的にも衛生的にも生食用商品としての鮮度を維持した状態で安全に保存、流通、また販売できると共に、保存中の生小魚に好ましい風味を積極的に付与し、あらためて味付けするまでもなく、そのまま生で又は加熱して食することができる、鮮度のよい生小魚の包装体を提供することを第一の課題とする。また、本発明は、調味したシラス等の生小魚を、生食用商品として安定した状態で保存、流通、また販売する方法を提供することを第二の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために、「生小魚の表面を保護することができ、かつ、生小魚に好ましい風味を積極的に付与することができる調味液」を選定すべく種々の試験をおこない、生小魚を特定の調味液と共に容器に充填して密封包装することによって上記の課題を解決できることを見いだし、さらに研究を続け、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明のうち請求項1に記載する発明は、シラス等の生小魚を調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填・密封してある生小魚の包装体である。
【0013】
また、本発明のうち請求項2に記載する発明は、生小魚の重量に対して50%以上の量の調味液を充填してある請求項1に記載の生小魚の包装体である。
【0014】
また、本発明のうち請求項3に記載する発明は、調味液として、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を超える糖類の溶液、濃度3%を超える食塩水又はこれをベースとする塩味系調味液、これらの調味液を複合したもののいずれかを使用している請求項1又は2に記載の生小魚の包装体である。
【0015】
さらに、本発明のうち請求項4に記載する発明は、調味液として、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)を使用している請求項1又は2に記載の生小魚の包装体である。
【0016】
さらに、本発明のうち請求項5に記載する発明は、シラス等の生小魚を調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填・密封した状態で、保存、流通又は販売する生小魚の保存・流通・販売方法である。
【0017】
さらに、本発明のうち請求項6に記載する発明は、生小魚の重量に対して50%以上の量の調味液を充填する請求項5に記載の生小魚の保存・流通・販売方法である。
【0018】
さらに、本発明のうち請求項7に記載する発明は、調味液として、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を超える糖類の溶液、濃度3%を超える食塩水又はこれをベースとする塩味系調味液、これらの調味液を複合したもののいずれかを使用する請求項5又は6に記載の生小魚の保存・流通・販売方法である。
【0019】
さらに、本発明のうち請求項8に記載する発明は、調味液として、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)を使用する請求項5又は6に記載の生小魚の保存・流通・販売方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、本発明の説明において「%」の表示は、特に断らない限り「重量%」を示す。
本発明において、対象とする生小魚は、できるだけ新鮮なものを使用することとし、漁獲後、速やかに異物除去、魚体の洗浄等の処置をするのが好ましい。そのため、漁獲した小魚は、船上でただちにこれらの処置をおこなうか、漁場から処理場へ可及的速やかに送ることが好ましい。
【0021】
本発明では、新鮮な生小魚、好ましくは異物の除去や魚体の洗浄を済ませた生小魚を、調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填する。
本発明において、生小魚を「調味液と共に」充填するとは、生小魚と調味液とを同一の容器に充填するという意味であり、両者の充填の先後は問題ではない。
また、本発明において、生小魚を「調味液中に浸すように容器に充填する」とは、容器に詰めた生小魚の表面が調味液の水面から露出しないように、生小魚全体が調味液で十分に覆われるようにする、という意味である。生小魚を、調味液中に浸すように容器に充填するためには、例えば、生小魚1kgに対して調味液を0.5kg以上充填するというように、生小魚の重量に対して調味液の量を50%以上として充填するのが好ましい。調味液の量が50%未満であると、生小魚の低温維持、乾燥防止、酸化防止等の品質的効果や、色、透明感、みずみずしさ、鮮度感等の感覚的効果が乏しくなって、商品価値に影響を生じることがあるので、注意する必要がある。
【0022】
また、調味液は、できるだけ低い温度のもの、特に10℃以下のものを使用するのが好ましい。そのため、本発明の生小魚の包装体には、生小魚を浸すのに支障がない程度に砕いた氷を調味液中に添加しておくことが好ましい。調味液の温度が高くなると、生小魚の自己消化・分解が進行して、粘質物を発現しやすくなるので、注意しなければならない。
なお、調味液は、容器の上部にできるだけヘッドスペースを残さないように充填するのが好ましい。
【0023】
本発明において、生小魚と共に容器に充填する調味液は、生小魚に対して品質保持剤として機能すると共に、調味付与剤としても機能する性状のものであることが必要である。すなわち、本発明で用いる調味液は、生小魚の表面を保護することができると共に、浸漬している生小魚に好ましい風味を付与し、開封後あらためて生小魚を味付けする必要がなく、そのまま生で又は加熱して食することができる調味液であれば、どのような調味液を使用しても差し支えない。
【0024】
本発明における好ましい調味液をいくつか例示すると、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を超える糖類の溶液、濃度3%を超える食塩水又はこれをベースとする塩味系の調味液、これらの調味液を適宜複合したもの、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(ただし、濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)、その他の各種の調味料、その他の各種のスープ類等を挙げることができる。以下、本発明で用いるのに好ましい調味液について、さらに詳しく説明する。
【0025】
まず、本発明で用いる調味液としては、普通醤油、濃口醤油、薄口醤油、たまり醤油、白醤油、減塩醤油等の各種の醤油類やこれらをベースにした醤油系調味料、例えば、めんつゆ、おでんつゆ、うなぎのたれ、煮物のたれ、すき焼きのたれ、中華スープ等を挙げることができる。さらに、これら醤油類又は醤油系調味料を清水で適度に希釈した調味液を使用することが好ましい。これら醤油類又は醤油系調味料の希釈濃度は、重量換算で10〜80%程度にするとよい。
【0026】
また、本発明で用いる調味液として、糖類の溶液が好ましい。糖類としては、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類以上の多糖類、糖アルコール類(糖の分子に水素添加したアルコール基を有する糖質。低カロリー甘味料として使用される。)等を挙げることができる。糖類の溶液は、これらを適宜の濃度に希釈したものを使用することが好ましい。糖類の溶液の希釈濃度は、各糖類の性質・甘味度・平均分子量等にもよるが、濃度で5%以上、好ましくは30%を超えて70%までにするのがよい。
【0027】
また、本発明で用いる糖類の溶液として、糖アルコール類の一つである還元澱粉分解物の溶液が好ましい。還元澱粉分解物とは、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等の通常用いられる澱粉類を酸及び/又は酵素によって加水分解したものを、必要に応じて脱色・精製した後、常法により水素添加して得られるもので、通常は水溶液として用いる。本発明では濃度30〜60%程度に溶液化して使用するのが好ましい。
【0028】
また、本発明で用いる調味液として、海水塩、岩塩、人工塩等を清水に溶解させた各種の食塩水やこれらをベースにして旨味調味料を添加して製した塩味系の調味液等を挙げることができる。ただし、食塩水は、濃度3%を超えるものであることが必要である。
【0029】
また、本発明で用いる調味液としては、上記の各種調味液を適宜に複合したもの、例えば、薄口醤油に水飴を適宜量加えて清水で希釈した調味液、薄口醤油にかつおエキスを適宜量加えて清水で希釈した調味液等を使用してもよい。
【0030】
さらに、本発明で用いる調味液としては、農産物・畜産物・水産物又は微生物のいずれかに由来するエキス類、例えば、野菜ジュース、果実ジュース、トマトピューレー、椎茸エキス、チキンエキス、かつおエキス、酵母エキス、魚醤溶液等を挙げることができ、適宜の濃度に希釈したものを使用することが好ましい。これらエキス類の希釈濃度は、各エキス類の味の濃度にもよるが、重量換算で0.1〜10%程度にするとよい。ただし、魚醤溶液は、濃度10%を超えるものを使用することが必要である。
【0031】
生小魚を、上記のような任意の調味液と共に容器に充填した後、この容器に蓋を被せて密封する。密封は、常法のとおり、容器内に空気が通じないようにすればよく、通常は、蓋と容器の隙間を粘着テープ等でシールすればよい。
このようにして製した生小魚の包装体は、生食用商品保存の常法として、できるだけ低い温度下で保存・流通・販売すればよい。すなわち、この包装体の保存や流通や販売が短期間で済むのであれば、常温(10〜15℃程度)又は冷蔵状態(0〜10℃程度)に維持して保存・流通・販売して差し支えなく、この包装体を或る程度の期間を経た後に保存又は流通もしくは販売するのであれば、チルドの状態(−5〜+5℃程度)又は冷凍(凍結)状態を維持して保存・流通・販売することが好ましい。なお、冷凍や解凍の方法は、常法のとおりでよく、冷蔵は、室温を10℃以下に維持するのが好ましい。
【0032】
【作用】
本発明に係る生小魚の包装体は、生小魚を調味液と共にその調味液中に浸すように容器に充填することによって、生小魚が大気に直接触れないようにしてあるので、生小魚の酸化や酸敗臭の発生を防止でき、また、生小魚の乾燥を防止してみずみずしさを保ち、生小魚の視覚的な鮮度感を維持できると共に、生小魚を調味液に浸漬することによって、生小魚には好ましい風味が付与されているので、包装体を開封した後あらためて生小魚を味付けする必要がない。また、好みにより生小魚をさらに味付けするとしても、生小魚には下味(したあじ)を付けてあるので調味が簡単で済む。
さらに、物理的にも生小魚の表面を調味液で覆い、保護することになるので、生小魚の表面変質を可及的に防ぎ、蛋白質等の内部組織の変質を防止し、また、生小魚の離水の防止に効果がある。一般に、離水が生じると、生小魚の細胞外皮がドリップや粘液となって変色や身だれを生じさせ、視覚的にも食感的にも商品価値を著しく低下させるが、本発明のように、生小魚の表面を調味液で覆うと、ドリップや粘液が薄まるので、商品価値を維持できる。
【0033】
本発明の生小魚の包装体は、これを開封すると、開封直後の外観がきわめて新鮮な状態である。また、調味液は清澄のままで、生小魚も透明感があり、味や香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、離水、変色、粘質物発現、身だれ等が生じておらず、生食用商品としての価値を十分に有するものである。
しかも、包装体中の生小魚は、あらためて調味する必要がない程度に適度に調味されてあり、そのまま食する生食用商品として十分に販売できるものである。
以下、参考例、実施例及び比較例をもって、本発明をさらに説明する。
【0034】
【参考例1】
<生シラスの異物除去・魚体洗浄方法の例>
漁獲直後の生シラスを、約5℃の清水に浸漬して30秒間攪拌し、魚体の洗浄と異物の除去をおこなった。この清水処理は、水を取り替えて連続して3回繰り返した。その後、水切りをして、異物除去と洗浄処理を終えた生シラスを得た。
【0035】
【実施例1】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その1)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、5リットル容のプラスチック製の丸缶に詰めて、その上から+5℃の醤油希釈液(水50%、砕氷20%、市販薄口醤油30%)を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。丸缶にできるだけヘッドスペースを残さないように、この醤油希釈液を十分に充填した後丸蓋を被せて、容器と蓋の隙間に外側から粘着テープを巻き付けて密封して、生シラスの包装体とした。使用した醤油希釈液の量は3.1kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷凍室に運び、−20℃にて冷凍した。この生シラスの包装体を3カ月後に冷凍室から取り出して自然解凍して、24時間後に開封したところ、醤油希釈液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の醤油味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0036】
【実施例2】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その2)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、5リットル容のプラスチック製の丸缶に詰めて、その上から+5℃の醤油希釈液(水50%、砕氷20%、市販薄口醤油30%)を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。丸缶にできるだけヘッドスペースを残さないように、この醤油希釈液を十分に充填した後丸蓋を被せて、容器と蓋の隙間に外側から粘着テープを巻き付けて密封して、生シラスの包装体とした。なお、使用した醤油希釈液の量は3.1kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷蔵室に運び、+5℃にて冷蔵した。この生シラスの包装体を24時間後に冷蔵室から取り出して開封したところ、醤油希釈液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の醤油味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0037】
【実施例3】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その3)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、5リットル容のプラスチック製の丸缶に詰めて、その上から+5℃の魚介エキス希釈液(水80%、砕氷15%、粉末かつおエキス2%、粉末昆布エキス2%、粉末グルタミン酸ナトリウム1%)を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。丸缶にヘッドスペースを残さないように、この魚介エキス希釈液を十分に充填した後丸蓋を被せて、容器と蓋の隙間に外側から粘着テープを巻き付けて密封して、生シラスの包装体とした。使用した魚介エキス希釈液の量は3.1kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷凍室に運び、−20℃にて冷凍した。この生シラスの包装体を3カ月後に冷凍室から取り出して自然解凍して、24時間後に開封したところ、魚介エキス希釈液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも生シラスは、そのまま食することができる程度の呈味感のある味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0038】
【実施例4】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その4)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、5リットル容のプラスチック製の丸缶に詰めて、その上から+5℃の魚介エキス希釈液(水80%、砕氷15%、粉末かつおエキス2%、粉末昆布エキス2%、粉末グルタミン酸ナトリウム1%)を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。丸缶にヘッドスペースを残さないように、この魚介エキス希釈液を十分に充填した後丸蓋を被せて、容器と蓋の隙間に外側から粘着テープを巻き付けて密封して、生シラスの包装体とした。使用した魚介エキス希釈液の量は3.1kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷蔵室に運び、+5℃にて冷蔵した。この生シラスの包装体を24時間後に冷蔵室から取り出して開封したところ、魚介エキス希釈液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の醤油味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0039】
【実施例5】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その5)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス1kgを、2リットル容のプラスチック製の角型トレーに充填して、その上から濃度50%に調整した+5℃の還元澱粉分解物水溶液を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。容器にヘッドスペースを残さないように、この還元澱粉分解物水溶液を十分に充填した後蓋を被せて、容器と蓋の外側の隙間に粘着テープを巻き付けて密封し、生シラスの包装体とした。なお、使用した還元馬鈴薯澱粉分解物水溶液の量は0.6kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷凍室に運んで、−20℃にて冷凍した。この生シラスの包装体を3カ月後に冷凍室から取り出して自然解凍して、24時間後に開封したところ、還元澱粉分解物水溶液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の甘い味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0040】
【実施例6】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その6)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス1kgを、2リットル容のプラスチック製の角型トレーに充填して、その上から濃度50%に調整した+5℃の還元澱粉分解物水溶液を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。容器にできるだけヘッドスペースを残さないようにこの還元澱粉分解物水溶液を十分に充填した後、蓋を被せて、容器と蓋の外側の隙間に粘着テープを巻き付けて密封し、生シラスの包装体とした。なお、使用した還元小麦澱粉分解物水溶液の量は0.6kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷蔵室に運んで、+5℃にて冷蔵した。この生シラスの包装体を24時間後に冷蔵室から取り出して開封したところ、還元澱粉分解物水溶液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の甘い味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0041】
【比較例1】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その7)>
参考例1の異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス1kgを、2リットル容のプラスチック製の角型トレーに詰め、清水や調味液を注入することなく、そのまま蓋を被せて、容器と蓋の外側の隙間に粘着テープを巻き付けて密封した。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷凍室に運んで、−20℃にて冷凍状態した。
この生シラスの包装体を3カ月後に冷凍室から取り出して自然解凍した後24時間後に開封したところ、生臭み、離水、変色、粘質物発現、身だれ等が生じ始めており、商品価値が低下した状態であることが確認された。
【0042】
【比較例2】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その8)>
参考例1の異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、3リットル容のプラスチック製の角型トレーに詰め、清水や調味液を注入することなく、そのまま蓋を被せて、容器と蓋の外側の隙間に粘着テープを巻き付けて密封した。
このようにして製した生シラスの包装体はただちに冷蔵室に運んで、+5℃にて冷蔵した。
この生シラスの包装体を24時間後に冷蔵室から取り出して開封したころ、すでに生臭み、離水、変色、粘質物発現、身だれが生じ始めており、商品価値が低下した状態であることが確認された。
【0043】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、本発明に係る生小魚の包装体は、シラス等の傷みやすい生小魚を、調味液と共に調味液に浸すように容器に充填・密封したものであるので、傷みやすい生小魚を生食用商品としての鮮度を十分に維持したまま、適度に調味した状態で保存し、流通させ、また販売に供することができるので、きわめて有用である。また、本発明の包装体中の生小魚は、容器から取り出して使用する前に洗浄等の処理をする必要がないことは勿論、あらためて調味する必要がなく、そのまま使用できるので、手間がかからない。好みにより調味する場合でも、生小魚にはすでに下味(したあじ)を付けてあるので、調味は簡単で済む。このように、本発明に係る生小魚の包装体は、きわめて重宝なものである。
【0044】
さらに、本発明に係る生小魚の保存・流通・販売方法は、シラス等の傷みやすい生小魚を、調味液と共に調味液に浸すように容器に充填・密封した状態で保存し、流通させ、また販売に供する方法であるので、傷みやすい生小魚を生食用商品としての鮮度を十分に維持したまま、適度に調味した状態で保存、流通又は販売することができる。したがって、本発明に係る生小魚の保存・流通・販売方法は、傷みやすい生小魚を新鮮な状態を維持したまま、適度に調味した状態で、いつでもどこへでも安定して供給できるので、きわめて有用な方法である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、生小魚の包装体とその生小魚の保存・流通・販売方法に関する。詳しくは、生食用商品としての鮮度を維持した状態で適度に調味してあるシラス等の生小魚の包装体とこれら調味した生小魚を生食用商品としての鮮度を維持したまま保存、流通又は販売する方法に関する。
【0002】
本発明において、小魚とは、シラス、イカナゴ、シラウオ等の総称である。これらの程度に小さい魚であれば、稚魚・幼魚でなくても、本発明の「小魚」に含まれる。なお、シラスとは、カタクチイワシ、マイワシ、キビナゴ等の稚魚や幼魚の総称である。また、本発明において、生小魚とは、加熱や乾燥等の処置をしていない小魚のことをいい、冷蔵又は冷凍状態にしてある小魚を含む。
【0003】
【従来の技術】
従来、シラスやイカナゴを代表例とする小魚は、漁獲後、船上や加工場等において汚れや異物除去のため、清水や海水で洗浄され、水切りした後、適宜の容器に詰めて、冷凍状態又は冷凍後要冷蔵の状態で出荷されている。
したがって、生小魚は、完全に水切りされたものが、包装されたままか又は包装を解いて、チルド状態で店頭に陳列され、販売されることが多い。しかし、このように処理された生小魚は、店頭に並べた翌日、すなわち、販売開始から24時間程度経過した後は、生臭み、変色、離水、粘液発現、身くずれ等が生じ始めて、食品としての安全性や商品価値が低下するという問題がある。
このように、シラスやイカナゴ等の小魚は短時間で傷みやすいため、生食用商品として販売するのが難しいので、通常は、塩水でボイルした後、乾燥させたものを保存、流通又は販売している。
【0004】
一般に、魚体は、生存中であっても、体表粘液、えら、内蔵内液、消化管等にはすでに多数の細菌が存在している。特に体表の粘液には細菌が多数存在している。また、魚体は、死後、筋肉内酵素すなわち内因性酵素の作用による自己消化・分解がまず起きる。しかし、死後硬直終了後の解硬以降は、主として細菌による外因性酵素作用による分解が起こり、体表の粘質物発現及び劣化が始まって、離水、変色、酸化も同時進行して腐敗に至るものと考えられる。特にシラス等の稚魚・幼魚は、組織自体及び組織結合が弱く、死後直後から死後硬直開始までが短時間で、また、死後硬直期間も短時間であり、短時間で解硬に至り、劣化・腐敗へと進行していくものと考えられる。
【0005】
このため、従来から、生小魚の鮮度維持法に関していくつかの特許出願がみられる。例えば、特開2000−287617号公報には、シラス等の小魚をアルカリ水溶液に浸漬するか又はアルカリ水溶液を吹き付ける等によって処理し、次いで、このように処理した魚に付着したアルカリ水溶液を洗浄するか又は中和することを特徴とする魚の褐変もしくは黒化防止方法が開示されている。また、特開2000−300169号公報には、褐変もしくは黒化した小魚をアルカリ水溶液で処理し、該小魚に付着したアルカリ水溶液を洗浄するか又は中和することを特徴とする小魚の処理方法が開示されている。
これらの方法は、それなりの効果を奏するとしても、アルカリ水溶液で処理するのに手間がかかる上、生小魚を店頭に陳列する前に、その生小魚に付着しているアルカリ水溶液を洗浄するか又は中和処理して除去しなければならず、さらに手間がかかるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−287617号公報
【特許文献2】
特開2000−300169号公報
【0007】
上記の状況に鑑み、本発明者は、先に、水又は氷水、糖度0.01〜30%の糖液、濃度0.01〜3%の塩水、濃度0.1〜10%の魚醤溶液等を保存水として、シラス等の生小魚を、これらいずれかの保存水と共に、その保存水中に浸すように容器に充填・密封してある生小魚の包装体及びその保存水中に浸すように容器に充填・密封した状態で、保存、流通又は販売する生小魚の保存・流通・販売方法を発明し、特許出願している(特願2002−033298「生小魚の包装体及び生小魚の保存・流通・販売方法」)。
【0008】
上記特願2002−033298に係る「生小魚の包装体及び生小魚の保存・流通・販売方法」は、傷みやすいシラス等の生小魚を、感覚的にも衛生的にも生食用商品としての鮮度を維持した状態で安全に保存、流通、また販売でき、その結果、生小魚を生食用商品として安定供給できる点において、まことに画期的なものである。
特願2002−033298に係る発明では、保存水として、「生小魚の表面を保護することができ、かつ、生小魚の表面に付着しても味や臭いが移り難く、また、味や臭いが移ったとしても違和感が生じない液体」という選定基準に基づいて研究した結果、上記の保存水を使用することに到達した。
【0009】
本発明者らは、生小魚の保存方法についてさらに研究を続け、生小魚の鮮度を維持した状態で保存と調味を同時におこなうことができれば、さらに有用であることを知見した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明は、傷みやすいシラス等の生小魚を、感覚的にも衛生的にも生食用商品としての鮮度を維持した状態で安全に保存、流通、また販売できると共に、保存中の生小魚に好ましい風味を積極的に付与し、あらためて味付けするまでもなく、そのまま生で又は加熱して食することができる、鮮度のよい生小魚の包装体を提供することを第一の課題とする。また、本発明は、調味したシラス等の生小魚を、生食用商品として安定した状態で保存、流通、また販売する方法を提供することを第二の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために、「生小魚の表面を保護することができ、かつ、生小魚に好ましい風味を積極的に付与することができる調味液」を選定すべく種々の試験をおこない、生小魚を特定の調味液と共に容器に充填して密封包装することによって上記の課題を解決できることを見いだし、さらに研究を続け、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明のうち請求項1に記載する発明は、シラス等の生小魚を調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填・密封してある生小魚の包装体である。
【0013】
また、本発明のうち請求項2に記載する発明は、生小魚の重量に対して50%以上の量の調味液を充填してある請求項1に記載の生小魚の包装体である。
【0014】
また、本発明のうち請求項3に記載する発明は、調味液として、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を超える糖類の溶液、濃度3%を超える食塩水又はこれをベースとする塩味系調味液、これらの調味液を複合したもののいずれかを使用している請求項1又は2に記載の生小魚の包装体である。
【0015】
さらに、本発明のうち請求項4に記載する発明は、調味液として、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)を使用している請求項1又は2に記載の生小魚の包装体である。
【0016】
さらに、本発明のうち請求項5に記載する発明は、シラス等の生小魚を調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填・密封した状態で、保存、流通又は販売する生小魚の保存・流通・販売方法である。
【0017】
さらに、本発明のうち請求項6に記載する発明は、生小魚の重量に対して50%以上の量の調味液を充填する請求項5に記載の生小魚の保存・流通・販売方法である。
【0018】
さらに、本発明のうち請求項7に記載する発明は、調味液として、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を超える糖類の溶液、濃度3%を超える食塩水又はこれをベースとする塩味系調味液、これらの調味液を複合したもののいずれかを使用する請求項5又は6に記載の生小魚の保存・流通・販売方法である。
【0019】
さらに、本発明のうち請求項8に記載する発明は、調味液として、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)を使用する請求項5又は6に記載の生小魚の保存・流通・販売方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、本発明の説明において「%」の表示は、特に断らない限り「重量%」を示す。
本発明において、対象とする生小魚は、できるだけ新鮮なものを使用することとし、漁獲後、速やかに異物除去、魚体の洗浄等の処置をするのが好ましい。そのため、漁獲した小魚は、船上でただちにこれらの処置をおこなうか、漁場から処理場へ可及的速やかに送ることが好ましい。
【0021】
本発明では、新鮮な生小魚、好ましくは異物の除去や魚体の洗浄を済ませた生小魚を、調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填する。
本発明において、生小魚を「調味液と共に」充填するとは、生小魚と調味液とを同一の容器に充填するという意味であり、両者の充填の先後は問題ではない。
また、本発明において、生小魚を「調味液中に浸すように容器に充填する」とは、容器に詰めた生小魚の表面が調味液の水面から露出しないように、生小魚全体が調味液で十分に覆われるようにする、という意味である。生小魚を、調味液中に浸すように容器に充填するためには、例えば、生小魚1kgに対して調味液を0.5kg以上充填するというように、生小魚の重量に対して調味液の量を50%以上として充填するのが好ましい。調味液の量が50%未満であると、生小魚の低温維持、乾燥防止、酸化防止等の品質的効果や、色、透明感、みずみずしさ、鮮度感等の感覚的効果が乏しくなって、商品価値に影響を生じることがあるので、注意する必要がある。
【0022】
また、調味液は、できるだけ低い温度のもの、特に10℃以下のものを使用するのが好ましい。そのため、本発明の生小魚の包装体には、生小魚を浸すのに支障がない程度に砕いた氷を調味液中に添加しておくことが好ましい。調味液の温度が高くなると、生小魚の自己消化・分解が進行して、粘質物を発現しやすくなるので、注意しなければならない。
なお、調味液は、容器の上部にできるだけヘッドスペースを残さないように充填するのが好ましい。
【0023】
本発明において、生小魚と共に容器に充填する調味液は、生小魚に対して品質保持剤として機能すると共に、調味付与剤としても機能する性状のものであることが必要である。すなわち、本発明で用いる調味液は、生小魚の表面を保護することができると共に、浸漬している生小魚に好ましい風味を付与し、開封後あらためて生小魚を味付けする必要がなく、そのまま生で又は加熱して食することができる調味液であれば、どのような調味液を使用しても差し支えない。
【0024】
本発明における好ましい調味液をいくつか例示すると、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を超える糖類の溶液、濃度3%を超える食塩水又はこれをベースとする塩味系の調味液、これらの調味液を適宜複合したもの、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(ただし、濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)、その他の各種の調味料、その他の各種のスープ類等を挙げることができる。以下、本発明で用いるのに好ましい調味液について、さらに詳しく説明する。
【0025】
まず、本発明で用いる調味液としては、普通醤油、濃口醤油、薄口醤油、たまり醤油、白醤油、減塩醤油等の各種の醤油類やこれらをベースにした醤油系調味料、例えば、めんつゆ、おでんつゆ、うなぎのたれ、煮物のたれ、すき焼きのたれ、中華スープ等を挙げることができる。さらに、これら醤油類又は醤油系調味料を清水で適度に希釈した調味液を使用することが好ましい。これら醤油類又は醤油系調味料の希釈濃度は、重量換算で10〜80%程度にするとよい。
【0026】
また、本発明で用いる調味液として、糖類の溶液が好ましい。糖類としては、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類以上の多糖類、糖アルコール類(糖の分子に水素添加したアルコール基を有する糖質。低カロリー甘味料として使用される。)等を挙げることができる。糖類の溶液は、これらを適宜の濃度に希釈したものを使用することが好ましい。糖類の溶液の希釈濃度は、各糖類の性質・甘味度・平均分子量等にもよるが、濃度で5%以上、好ましくは30%を超えて70%までにするのがよい。
【0027】
また、本発明で用いる糖類の溶液として、糖アルコール類の一つである還元澱粉分解物の溶液が好ましい。還元澱粉分解物とは、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスターチ、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等の通常用いられる澱粉類を酸及び/又は酵素によって加水分解したものを、必要に応じて脱色・精製した後、常法により水素添加して得られるもので、通常は水溶液として用いる。本発明では濃度30〜60%程度に溶液化して使用するのが好ましい。
【0028】
また、本発明で用いる調味液として、海水塩、岩塩、人工塩等を清水に溶解させた各種の食塩水やこれらをベースにして旨味調味料を添加して製した塩味系の調味液等を挙げることができる。ただし、食塩水は、濃度3%を超えるものであることが必要である。
【0029】
また、本発明で用いる調味液としては、上記の各種調味液を適宜に複合したもの、例えば、薄口醤油に水飴を適宜量加えて清水で希釈した調味液、薄口醤油にかつおエキスを適宜量加えて清水で希釈した調味液等を使用してもよい。
【0030】
さらに、本発明で用いる調味液としては、農産物・畜産物・水産物又は微生物のいずれかに由来するエキス類、例えば、野菜ジュース、果実ジュース、トマトピューレー、椎茸エキス、チキンエキス、かつおエキス、酵母エキス、魚醤溶液等を挙げることができ、適宜の濃度に希釈したものを使用することが好ましい。これらエキス類の希釈濃度は、各エキス類の味の濃度にもよるが、重量換算で0.1〜10%程度にするとよい。ただし、魚醤溶液は、濃度10%を超えるものを使用することが必要である。
【0031】
生小魚を、上記のような任意の調味液と共に容器に充填した後、この容器に蓋を被せて密封する。密封は、常法のとおり、容器内に空気が通じないようにすればよく、通常は、蓋と容器の隙間を粘着テープ等でシールすればよい。
このようにして製した生小魚の包装体は、生食用商品保存の常法として、できるだけ低い温度下で保存・流通・販売すればよい。すなわち、この包装体の保存や流通や販売が短期間で済むのであれば、常温(10〜15℃程度)又は冷蔵状態(0〜10℃程度)に維持して保存・流通・販売して差し支えなく、この包装体を或る程度の期間を経た後に保存又は流通もしくは販売するのであれば、チルドの状態(−5〜+5℃程度)又は冷凍(凍結)状態を維持して保存・流通・販売することが好ましい。なお、冷凍や解凍の方法は、常法のとおりでよく、冷蔵は、室温を10℃以下に維持するのが好ましい。
【0032】
【作用】
本発明に係る生小魚の包装体は、生小魚を調味液と共にその調味液中に浸すように容器に充填することによって、生小魚が大気に直接触れないようにしてあるので、生小魚の酸化や酸敗臭の発生を防止でき、また、生小魚の乾燥を防止してみずみずしさを保ち、生小魚の視覚的な鮮度感を維持できると共に、生小魚を調味液に浸漬することによって、生小魚には好ましい風味が付与されているので、包装体を開封した後あらためて生小魚を味付けする必要がない。また、好みにより生小魚をさらに味付けするとしても、生小魚には下味(したあじ)を付けてあるので調味が簡単で済む。
さらに、物理的にも生小魚の表面を調味液で覆い、保護することになるので、生小魚の表面変質を可及的に防ぎ、蛋白質等の内部組織の変質を防止し、また、生小魚の離水の防止に効果がある。一般に、離水が生じると、生小魚の細胞外皮がドリップや粘液となって変色や身だれを生じさせ、視覚的にも食感的にも商品価値を著しく低下させるが、本発明のように、生小魚の表面を調味液で覆うと、ドリップや粘液が薄まるので、商品価値を維持できる。
【0033】
本発明の生小魚の包装体は、これを開封すると、開封直後の外観がきわめて新鮮な状態である。また、調味液は清澄のままで、生小魚も透明感があり、味や香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、離水、変色、粘質物発現、身だれ等が生じておらず、生食用商品としての価値を十分に有するものである。
しかも、包装体中の生小魚は、あらためて調味する必要がない程度に適度に調味されてあり、そのまま食する生食用商品として十分に販売できるものである。
以下、参考例、実施例及び比較例をもって、本発明をさらに説明する。
【0034】
【参考例1】
<生シラスの異物除去・魚体洗浄方法の例>
漁獲直後の生シラスを、約5℃の清水に浸漬して30秒間攪拌し、魚体の洗浄と異物の除去をおこなった。この清水処理は、水を取り替えて連続して3回繰り返した。その後、水切りをして、異物除去と洗浄処理を終えた生シラスを得た。
【0035】
【実施例1】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その1)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、5リットル容のプラスチック製の丸缶に詰めて、その上から+5℃の醤油希釈液(水50%、砕氷20%、市販薄口醤油30%)を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。丸缶にできるだけヘッドスペースを残さないように、この醤油希釈液を十分に充填した後丸蓋を被せて、容器と蓋の隙間に外側から粘着テープを巻き付けて密封して、生シラスの包装体とした。使用した醤油希釈液の量は3.1kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷凍室に運び、−20℃にて冷凍した。この生シラスの包装体を3カ月後に冷凍室から取り出して自然解凍して、24時間後に開封したところ、醤油希釈液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の醤油味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0036】
【実施例2】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その2)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、5リットル容のプラスチック製の丸缶に詰めて、その上から+5℃の醤油希釈液(水50%、砕氷20%、市販薄口醤油30%)を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。丸缶にできるだけヘッドスペースを残さないように、この醤油希釈液を十分に充填した後丸蓋を被せて、容器と蓋の隙間に外側から粘着テープを巻き付けて密封して、生シラスの包装体とした。なお、使用した醤油希釈液の量は3.1kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷蔵室に運び、+5℃にて冷蔵した。この生シラスの包装体を24時間後に冷蔵室から取り出して開封したところ、醤油希釈液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の醤油味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0037】
【実施例3】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その3)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、5リットル容のプラスチック製の丸缶に詰めて、その上から+5℃の魚介エキス希釈液(水80%、砕氷15%、粉末かつおエキス2%、粉末昆布エキス2%、粉末グルタミン酸ナトリウム1%)を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。丸缶にヘッドスペースを残さないように、この魚介エキス希釈液を十分に充填した後丸蓋を被せて、容器と蓋の隙間に外側から粘着テープを巻き付けて密封して、生シラスの包装体とした。使用した魚介エキス希釈液の量は3.1kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷凍室に運び、−20℃にて冷凍した。この生シラスの包装体を3カ月後に冷凍室から取り出して自然解凍して、24時間後に開封したところ、魚介エキス希釈液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも生シラスは、そのまま食することができる程度の呈味感のある味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0038】
【実施例4】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その4)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、5リットル容のプラスチック製の丸缶に詰めて、その上から+5℃の魚介エキス希釈液(水80%、砕氷15%、粉末かつおエキス2%、粉末昆布エキス2%、粉末グルタミン酸ナトリウム1%)を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。丸缶にヘッドスペースを残さないように、この魚介エキス希釈液を十分に充填した後丸蓋を被せて、容器と蓋の隙間に外側から粘着テープを巻き付けて密封して、生シラスの包装体とした。使用した魚介エキス希釈液の量は3.1kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷蔵室に運び、+5℃にて冷蔵した。この生シラスの包装体を24時間後に冷蔵室から取り出して開封したところ、魚介エキス希釈液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の醤油味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0039】
【実施例5】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その5)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス1kgを、2リットル容のプラスチック製の角型トレーに充填して、その上から濃度50%に調整した+5℃の還元澱粉分解物水溶液を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。容器にヘッドスペースを残さないように、この還元澱粉分解物水溶液を十分に充填した後蓋を被せて、容器と蓋の外側の隙間に粘着テープを巻き付けて密封し、生シラスの包装体とした。なお、使用した還元馬鈴薯澱粉分解物水溶液の量は0.6kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷凍室に運んで、−20℃にて冷凍した。この生シラスの包装体を3カ月後に冷凍室から取り出して自然解凍して、24時間後に開封したところ、還元澱粉分解物水溶液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の甘い味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0040】
【実施例6】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その6)>
参考例1の方法により異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス1kgを、2リットル容のプラスチック製の角型トレーに充填して、その上から濃度50%に調整した+5℃の還元澱粉分解物水溶液を注ぎ、攪拌して生シラスの表面がこの液で覆われるようにした。容器にできるだけヘッドスペースを残さないようにこの還元澱粉分解物水溶液を十分に充填した後、蓋を被せて、容器と蓋の外側の隙間に粘着テープを巻き付けて密封し、生シラスの包装体とした。なお、使用した還元小麦澱粉分解物水溶液の量は0.6kgであった。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷蔵室に運んで、+5℃にて冷蔵した。この生シラスの包装体を24時間後に冷蔵室から取り出して開封したところ、還元澱粉分解物水溶液は清澄で、生シラスも透明感があり、味、香り、食感的にも鮮度感があって、しかも、生シラスは、そのまま食することができる程度の甘い味に味付けされているので、生食用商品として十分に使用・販売できる状態であることが確認された。
【0041】
【比較例1】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その7)>
参考例1の異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス1kgを、2リットル容のプラスチック製の角型トレーに詰め、清水や調味液を注入することなく、そのまま蓋を被せて、容器と蓋の外側の隙間に粘着テープを巻き付けて密封した。
このようにして製した生シラスの包装体は、ただちに冷凍室に運んで、−20℃にて冷凍状態した。
この生シラスの包装体を3カ月後に冷凍室から取り出して自然解凍した後24時間後に開封したところ、生臭み、離水、変色、粘質物発現、身だれ等が生じ始めており、商品価値が低下した状態であることが確認された。
【0042】
【比較例2】
<生シラスの容器詰・密封処理方法の例(その8)>
参考例1の異物除去と洗浄処理を済ませた生シラス2kgを、3リットル容のプラスチック製の角型トレーに詰め、清水や調味液を注入することなく、そのまま蓋を被せて、容器と蓋の外側の隙間に粘着テープを巻き付けて密封した。
このようにして製した生シラスの包装体はただちに冷蔵室に運んで、+5℃にて冷蔵した。
この生シラスの包装体を24時間後に冷蔵室から取り出して開封したころ、すでに生臭み、離水、変色、粘質物発現、身だれが生じ始めており、商品価値が低下した状態であることが確認された。
【0043】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、本発明に係る生小魚の包装体は、シラス等の傷みやすい生小魚を、調味液と共に調味液に浸すように容器に充填・密封したものであるので、傷みやすい生小魚を生食用商品としての鮮度を十分に維持したまま、適度に調味した状態で保存し、流通させ、また販売に供することができるので、きわめて有用である。また、本発明の包装体中の生小魚は、容器から取り出して使用する前に洗浄等の処理をする必要がないことは勿論、あらためて調味する必要がなく、そのまま使用できるので、手間がかからない。好みにより調味する場合でも、生小魚にはすでに下味(したあじ)を付けてあるので、調味は簡単で済む。このように、本発明に係る生小魚の包装体は、きわめて重宝なものである。
【0044】
さらに、本発明に係る生小魚の保存・流通・販売方法は、シラス等の傷みやすい生小魚を、調味液と共に調味液に浸すように容器に充填・密封した状態で保存し、流通させ、また販売に供する方法であるので、傷みやすい生小魚を生食用商品としての鮮度を十分に維持したまま、適度に調味した状態で保存、流通又は販売することができる。したがって、本発明に係る生小魚の保存・流通・販売方法は、傷みやすい生小魚を新鮮な状態を維持したまま、適度に調味した状態で、いつでもどこへでも安定して供給できるので、きわめて有用な方法である。
Claims (8)
- シラス等の生小魚を調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填・密封してある生小魚の包装体。
- 生小魚の重量に対して50%以上の量の調味液を充填してある請求項1に記載の生小魚の包装体。
- 調味液として、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を超える糖類の溶液、濃度3%を超える食塩水又はこれをベースとする塩味系調味液、これらの調味液を複合したもののいずれかを使用している請求項1又は2に記載の生小魚の包装体。
- 調味液として、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)を使用している請求項1又は2に記載の生小魚の包装体。
- シラス等の生小魚を調味液と共に調味液中に浸すように容器に充填・密封した状態で、保存、流通又は販売する生小魚の保存・流通・販売方法。
- 生小魚の重量に対して50%以上の量の調味液を充填する請求項5に記載の生小魚の保存・流通・販売方法。
- 調味液として、醤油類もしくは醤油系調味料又はこれらの希釈液、濃度30%を超える糖類の溶液、濃度3%を超える食塩水又はこれをベースとする塩味系調味液、これらの調味液を複合したもののいずれかを使用する請求項5又は6に記載の生小魚の保存・流通・販売方法。
- 調味液として、農産物・畜産物・水産物もしくは微生物のいずれかに由来するエキス類又はその希釈液(濃度10%以下の魚醤溶液を除く。)を使用する請求項5又は6に記載の生小魚の保存・流通・販売方法。
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JP2003167438A JP2005000083A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 生小魚の包装体及び生小魚の保存・流通・販売方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008228670A (ja) * | 2007-03-22 | 2008-10-02 | Hakodate Tanabe Shokuhin Kk | 貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法 |
JP5013443B1 (ja) * | 2012-02-17 | 2012-08-29 | 株式会社財文水産 | 冷凍しらす及び同しらすの製造方法 |
JP5583868B1 (ja) * | 2014-04-23 | 2014-09-03 | 株式会社 海泉水産 | 生シラス風味食品 |
CN111406926A (zh) * | 2020-04-02 | 2020-07-14 | 广州市拾三食品有限公司 | 一种花胶酱的存储结构和花胶酱的制备方法 |
-
2003
- 2003-06-12 JP JP2003167438A patent/JP2005000083A/ja active Pending
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