JP2008228670A - 貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類を、塩濃度が15〜25wt%である塩水に2〜60秒間浸漬し、比重差により異物を分離することを特徴とする貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法及び塩濃度が15〜25wt%である塩水に、2回以上に分けて合計2〜60秒間浸漬し、比重差により異物を分離することを特徴とする前記1記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法。
【選択図】 図1
Description
特に、牡蠣や雲丹等の貝類から貝殻を剥いて、肉や卵を取り出す場合には、貝殻の破片や棘が混入することがしばしばある。海藻類では、小貝、小石、砂等の混入が多くある。これは棲息環境が大きく影響している。
一般に、貝類の脱殻を注意深く行い、貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の水洗浄を繰り返し行っているが、この工程にも限界があり、同様の繰り返しだけでは、同じ異物が残存する可能性は高く、効果的な異物除去方法がないのが現状である。
しかし、回転部材による異物捕捉、単なる比重さによる異物除去、あるいは水洗だけでは、異物除去の効果は低いという問題がある。
1.貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類を、塩濃度が15〜25wt%である塩水に2〜60秒間浸漬し、比重差により異物を分離することを特徴とする貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法を提供する。浸漬時間は、処理する貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の種類及び処理量に応じて、任意に調整することができる。
3.塩水に浸漬した後、水洗して塩抜きを行うことを特徴とする上記1又は2記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法を提供する。
4.貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類を籠に挿入し、濃度を調整した塩水容器に前記籠ごと浸漬することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法を提供する。当然ではあるが、濃度を調整した塩水容器に、前記貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類をそのまま(ばらばらに)挿入し、異物を除去した後、挿入物を籠ですくって、次の洗浄工程へ移送することもできる。本願発明は、これらを全て包含する。
6.塩水溶液の塩水濃度を常時又は間歇的に調整することを上記1〜5のいずれかに記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法を提供する。
貝類は、貝殻を持つ軟体動物の総称であるが、特に巻貝(腹足類)、二枚貝(斧足類)、角貝(掘足類)を言う。貝類には、さらに海胆、海老や蟹などの甲殻類も含まれる。これらは、殻を割いて缶詰や壜詰などに加工されているが、殻や棘などの混入がある。
海藻類としては、昆布、わかめ、ふ海苔、岩のり、くらけ、きくらげ等がある。昆布とわかめには砂が混入し易く、磯で採取したふ海苔には小貝が付着していることが多い。また、加工場が共通している関係で、これらを加工する際にも、貝殻の破片、小石、砂が混入し易い。
本発明の異物除去の対象となる魚類としては、ちりめん、シラスなどが代表的な食品類である。
歯や歯茎を痛めたりする問題となる貝殻の破片、小石、砂、骨類、雲丹の棘などの異物は、いずれも貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類よりも比重の大きなものである。このようなものは、本来水洗槽へ浸漬することにより分離できそうであるが、実際には分離ができず、多くは残存してしまう。
浮上及び沈降させて分離させるためには、塩水を若干攪拌するのが良い。これによって、異物と被処理物との分離を促進させることができる。
被処理物をいくつか挙げ、塩水の濃度を調節した場合の、貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類及び異物の浮上、沈降の結果を、表1に示す。この場合、浸漬時間は2秒である。表1から、塩水濃度15%が境目であることが分かる。海水は、およそ7wt%の塩濃度を有するが、海水では異物の分離効果がないことが分かる。
貝類は、貝殻を除いた部分が異物除去の対象となる。魚は、小魚はそのままの状態、中魚又は比較的大型の魚では、内臓、ひれ部、頭等を除去した魚肉部分を対象とすることができる。これらの卵は、取り出した状態で、異物除去の対象とすることができる。また海草類の多くは、根部を除去したものが対象となるが、食する部分を残した状態でも、本発明の異物除去の対象とすることができる。
これらは、いずれも食品となる部分からの異物の除去であり、異物除去が容易となるように加工したものを含むものであり、その加工条件と方法は、食品の種類により任意である、
本発明においては、15〜25wt%の塩を含有する塩水に、2回以上に分けて合計2〜60秒間浸漬することができる。この場合、浸漬時間は、合計の時間である。数回に分ける方が、より分離効果を高めることができる。
本願発明の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の具体的な異物除去方法は、例えば濃度を調整した塩水容器に、前記貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類をそのまま(ばらばらに)挿入し、異物を除去した後、挿入物を籠ですくって、次の洗浄工程へ移送する。予め、貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類を籠に挿入し、前記籠ごと浸漬することもできる。
貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類よりも目の細かい籠に、該貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類を挿入し、濃度を調整した塩水容器に籠を浸漬することができる。
また、前記塩水溶液の塩水濃度を常時又は間歇的に調整することができる。本願発明の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法は、上記の操作をコンベア式に連続的に行うことも可能である。本願発明はこれらを全て包含する。
すなわち、A樽に、水道水20リッター(20kg)に食塩6.67kgを入れて、25%濃度の塩水溶液を、B樽にも同様に、A樽に、水道水20リッター(20kg)に食塩6.67kgを入れて、25%濃度の塩水溶液を用意した。
水洗後は水切りを行うために、水洗容器(樽)C及び籠Pの置き台Dを準備した。
水洗容器(樽)Cにおいて、水洗は水循環式とし、これに籠Pを入れて塩抜きを行うようにした。この場合、図2に示すように、シャワー式にしても良い。
次に、容器Bから同様に手ざるですくい取り、水洗容器C浸漬した籠Pに挿入して水洗による塩抜きを行った。前記2回の塩水への浸漬により、ホタテ貝は塩味が濃厚になるが、この水洗により、ほぼ原状態に回復した。この水洗後は置き台D上で水切りを行った。
さらに、残量9kgを同様に処理した。この間の処理時間は、全てを含め約15分であった。極めて短時間で、10kgの処理が完了した。この10kgのホタテ貝の剥き身処理した場合の、塩水中に含まれていた異物の残渣を、図3に示す。白い破片は、ホタテ貝の貝殻であり、その他は砂粒と細長状の破片であった。
このように、貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵、海草類は、塩濃度の調整が容易であり、また個体と異物との分離が容易であるために非常に有効である。また、塩気が処理物に若干混入しても、食品として問題にならないという利点もある。
本実施では、塩水を使用したが、砂糖、アミノ酸、無機塩類を使用することもできる。しかし、塩水が最も作業し易く、また食品上無害であることから、塩水の使用が最も利便性が高いと言える。
Claims (6)
- 貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類を、塩濃度が15〜25wt%である塩水に2〜60秒間浸漬し、比重差により異物を分離することを特徴とする貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法。
- 塩濃度が15〜25wt%である塩水に、2回以上に分けて合計2〜60秒間浸漬し、比重差により異物を分離することを特徴とする請求項1記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法。
- 塩水に浸漬した後、水洗して塩抜きを行うことを特徴とする請求項1又は2記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法。
- 貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類を籠に挿入し、濃度を調整した塩水容器に前記籠ごと浸漬することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法。
- 塩水に浸漬後、籠を水洗用容器に移して、洗浄水によるシャワー又は洗浄水への浸漬により塩抜きを行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法。
- 塩水溶液の塩水濃度を常時又は間歇的に調整することを請求項1〜5のいずれかに記載の貝類の肉若しくは卵、魚肉若しくは卵又は海草類の異物除去方法。
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