JP2004538023A - 触感と流体処理の改良組合わせを有する吸収性製品 - Google Patents
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Abstract
触感と流体処理の改良組合わせを有する吸収性製品
本発明は触感と、流体収得保持などの流体処理性能との改良された組合わせを有する生理用ナプキン、パンティライナー、オシメ、成人用失禁パッドおよびブリーフなどの吸収性製品に関するものである。この改良組合わせは、吸収性コアが高い毛管圧を有し、この毛管圧によって吸収性コアが吸収性製品の身体面上に堆積された体液を急速に収得しまたこれらの体液を収得後に保持することができるように成された構造によって達成される。ゲル閉塞の少ない吸収性ゲル化材料は好ましい吸収性コア成分であって、この成分は浸透性流体保持メカニズムを形成することによって流体保持を支援する。本発明のトップシートは吸収性コアと共に流体裏抜け性であって、コアと協働して収得された流体の濡れ戻しに対するバリヤを成す。これらのフィブリルは、吸収性製品の身体面が柔らかなビロード様感触を呈するような密度で配置されまたそのようなサイズと機械的特性を有する。
本発明は触感と、流体収得保持などの流体処理性能との改良された組合わせを有する生理用ナプキン、パンティライナー、オシメ、成人用失禁パッドおよびブリーフなどの吸収性製品に関するものである。この改良組合わせは、吸収性コアが高い毛管圧を有し、この毛管圧によって吸収性コアが吸収性製品の身体面上に堆積された体液を急速に収得しまたこれらの体液を収得後に保持することができるように成された構造によって達成される。ゲル閉塞の少ない吸収性ゲル化材料は好ましい吸収性コア成分であって、この成分は浸透性流体保持メカニズムを形成することによって流体保持を支援する。本発明のトップシートは吸収性コアと共に流体裏抜け性であって、コアと協働して収得された流体の濡れ戻しに対するバリヤを成す。これらのフィブリルは、吸収性製品の身体面が柔らかなビロード様感触を呈するような密度で配置されまたそのようなサイズと機械的特性を有する。
Description
【０００１】
これは、放棄された１９９４年６月３０日発行の部分継続特願第０８／２６８，４０４号である放棄された１９９４年１０月２０日発行の継続特願第０８／３２６，５７１号である放棄された１９９５年５月３１日発行の継続特願第０８／４４２．９３５号である１９９７年４月１１日発行のクレレット等の米国係属特願第０８／８３２，７１５号の部分継続である係属中の１９９９年４月８日発行のウオーカ等の米国特願第６０／１２８，２６７号の部分継続である。
【０００２】
発明の分野
本発明は皮膚触感および流体収得保持などの流体処理特性との改良組合わせを有する生理用ナプキン、パンティ・ライナー、オシメ、成人失禁パッドおよびブリーフなどの吸収性製品に関するものである。
【０００３】
発明の背景
生理用ナプキン、パンティ・ライナー、オシメ、成人失禁パッド、ブリーフおよびタンポンなどの吸収性製品は公知であって、尿、糞、および月経などの人体排泄物を吸収するために広く使用されている。代表的な使い捨て吸収性製品は液体不裏抜け性側面ライナーおよび内部の吸収性コアを含むことが多い。吸収性コアは側面ライナーと不透液性バックシートとの間に挟持され、このバックシートは衣類および皮膚を吸収された排泄物との接触から防護する。代表的には側面ライナーはアパチュアを備えた形成フィルムまたは不織トップシート層などのトップシートを含む。また側面ライナーは第１トップシート（これはしばしば分布層、サージ処理層、吸収層または類似の用語で呼ばれる）と流体連通したトップシートなどの多層構造を含む。
【０００４】
このような吸収性製品は、ユーザの流体処理必要性を満たすため、貯まった人体排泄物を吸収性製品の人体接触面から急速に除去し（収得）またこのような収得した流体を人体の表面から離して保持する（保持または濡れ戻し防止）必要がある。代表的には、吸収性製品の流体処理性能は収得の必要と流体保持の必要（濡れ戻し防止）とのバランスをとることを意味する。一般に、コアとトップシートの特性はこのバランスをとるために相互作用する。
【０００５】
吸収性製品の使用者はその他の必要を示し、これらの必要もまた最大限度に満足させなければならない。例えば吸収性製品の人体接触面はできるだけ皮膚に優しくなければならない。皮膚に対する優しさは、柔らかさ、圧縮性、皮膚の近くに流体を保持しないこと、流体を含有しないこと、熱い汗ばんだ感覚を生じるように皮膚を遮断しないことなどの特性を含む。月経用製品の使用者にとっては、またコアによって吸収された月経ができるだけ見えないように隠される（マスキング）ことが重要である。この型の特性は、ある程度コアの性能に依存するが、これより多くトップシートの性能に依存する。
【０００６】
前記の代表的な吸収性製品のコアは２つの基本的要件を持っている。すなわち貯まった流体をトップシートから落としこれらの流体を吸収性コアの中に貯蔵のために引き込むことと、コアまたは製品全体に対して加えられる圧力の結果として、先に吸収された流体の放出（すなわちコアの「絞り出し」と、これに伴う人体表面の濡れ戻し）に抵抗することである。その他の考慮、例えば吸収性コアの全体容積、その厚さおよびその剛性もまた優れた吸収性製品の設計に取って重要である。
【０００７】
コア成分として使用するに適した各種の繊維質ウエブ構造が業界公知であって、その多くが高い毛管圧とその他の望ましい特性を生じるために試みられた。例えば、いずれもベルナルディンに発行された米国特許第５，００９，６５０号および第４，６９９，６１９号がある。ベルナルディン装置は主として広葉樹繊維からなる層を覆った針葉樹パルプ繊維層を含んでいる。しかしベルナルディンの装置は本発明によって示されるような高い毛管圧と流体保持特性を達成できない。さらにベルナルディン装置は層全体に超吸収性粒子を含有させることができない。また保持特性の改良のための２成分繊維の使用も記載されていない。
【０００８】
吸収性製品のトップシートは好ましくは溜まった液体をその表面を通して急速に浸透させなければならない（すなわちトップシートは高い液体裏抜け性を有しなければならない）。さらに流体がトップシートを裏抜けした後、これらの流体が再びライナー表面に逆流してはならない（すなわちトップシートは濡れ戻しを防止しなければならない）。また好ましいトップシートは柔らかで、快適で、できるだけ使用者の皮膚を刺激しないものでなければならない。
【０００９】
当業界ではこのような必要に答えるようにトップシートの特性を改良することを絶えず試みてきた。その１例としての先行技術の１つのアプローチは、形成されたアパチュアを有する熱可塑性フィルムのウエブからなるトップシートを使用するにあった。１９８２年８月３日発行のレイデル等の米国特許第４，３４２，３１４号は、この特許の開示を引例とするが、この種の代表的な成形フィルムを開示している。このようなウエブは、流体を一方の面（着用者接触面）からトップシート素材の中に形成された三次元毛管を通してウエブの中にまたウエブを通して流体を導入しつぎに下方の吸収性構造の中に導入するために毛管流体輸送を利用する。プラスチック様の外観および触感に関する使用者の関心に答えるため、さらに顕微鏡的表面組織（ミクロ組織）および／または顕微鏡的アパチュア（ミクロアパチュア）を含んで、さらにこのようなウエブの視覚感覚と触感とを増進した熱可塑性フィルムウエブが開発された。このような改良の代表的フィルムウエブは１９８４年７月３１日発行のアール等の米国特許第４，４６３，０４５号および１９８６年１２月１６日発行のカロ等の米国特許第４，６２９，６４３号に記載され、これらの開示をここに引例とする。このような形成フィルムトップシートは広く商業的成功を収めたが、多くの使用者はこれをプラスチック様で実際に柔らかではないと受け止めている。
【００１０】
前記以外の先行技術のアプローチはトップシート材料として不織材料ウエブを使用するにある。例えば、前記の成形フィルムトップシート材料と比較して望ましい触感利点を有すると言われている不織材料が１９９５年５月９日発行のカオー・コーポレーションの公開日本特願第７−１１９０１２号に記載されている。
【００１１】
このような不織トップシートの繊維の性質はある程度望ましい触感を与えてはいるが、不織材料は濡れ戻しを防止する点で欠陥のかることが広く知られている。
【００１２】
フィルム材料と不織材料のこれらの利点を結びつける１つのアプローチは、形成フィルム上にオーバレイまたはラミネートとして繊維材料を使用するにあった。この種の代表的なトップシートは、形成フィルム材料のオーバレイとしての不織材料を記載した１９９７年７月１日発行のアジズ等の法令発明登録（ＳＩＲ）第Ｈ１６７０号、および形成フィルムからなる中央区域と形成フィルム上に不織材料が重ねられた側面区域とを有する構造を記載した１９９６年１１月８日にスガハラ名義で発行され１９９３年５月２７日に公開さた米国特願第０８／７４４，８９２号に開示され、その開示をここに引例とする。この種類のウエブは形成フィルムを通しての輸送のほか、繊維間スペースからなる三次元毛管を通しての毛管流体輸送特性と、流体を着用者の接触面から下方の吸収構造に向かって案内する特性とを示す。このようなウエブは、その表面の繊維質の故に、美しい布様表面外観と布様の触感とを示すことができる。しかし公知のようにこのようなウエブは積層ウエブを形成するために追加的材料を使用しまたその製造のために追加的処理段階を必要とするが故に、単一材料を含むトップシートよりも製造コストが高い。さらにこのようなウエブは、流体が不織部分の小さい内部繊維毛管の中に「ひっかかって人体の接触面の近くに留まるるが故に、なおも流体処理上の問題がある。
【００１３】
また業界においては、アパチュア付き（非形成）フィルムを下層の腐蝕層に対して接着して、谷によって相互に分離された一連の隆起ピークを成す事により、前記の三次元毛管による流体操作利点を生じると共に、このように形成されたフィルムのプラスチック感触を低減させる方法が試みられた。このような構造は１９９６年７月１６日発行のゼラゾスキー等の米国特許第５，５３６，５５５号および１９９７年１月２３日発行のキンパリー−クラーク・コーポレーション等のＰＣＴ特願ＷＯ ９７／０２１３３号に記載されている。このような構造はトップシート材料と着用者の身体との間の接触面積を低減させるが、なおもフィルム材料が着用者と接触してプラスチック様触感を生じる。またこのような材料は前記のような積層材料のコスト上の問題点を有する。
【００１４】
１９９７年７月１日にジャクソンなどに発行された米国特許第５，６４３，２４０号は不織ウエブの上にアパチュアフィルム層を重ね合わせた多層構造を有する吸収性製品の身体側ライナー（トップシート）を記載し、この構造においては、フィルム層と不織ウエブは、これらの層が一緒に使用された場合に、このような身体側層を有する吸収性製品は優れた裏抜け率と優れた濡れ戻し性とを有すると言われている。しかし、この請求された吸収性製品の請求された浸透率および濡れ戻し値は前記の各引例に記載された成形フィルムトップシートを有する先行技術の吸収性製品の値と比較すれば、これらの先行技術の製品と請求された製品の性能は極めて類似している。またこの米国特許第’２４０特許の身体接触面は形成フィルムであるから、前記の成形フィルムの触感の欠点がなおも存在するであろう。
【００１５】
従って、優れた流体処理特性と優れた触感特性とを結びつけた改良型吸収性製品の必要性が相変わらず存在する。前述のように、トップシートと吸収性コアの望ましい特性がこれに関連している。例えば、高い毛管圧能力を有するコアはまた同時にトップシートから流体を排出する傾向が強く。従ってトップシートの濡れ戻し防止を支援する。従って吸収性製品全体の設計は複数の設計上の考慮のある程度の妥協を必要とする。例えば、高い毛管圧を有する吸収性コアと、触感と流体処理性能とのバランスをとるトップシートとを前述のように結合することができる。言い替えれば、本発明のコアと本発明のトップシートとを使用する事により、優れた感触と流体処理特性との両方を有する吸収性製品が考えられる。
【００１６】
発明の概要
本発明は感触と流体収得および保持などの流体処理特性との改良された組合わせを有する生理用ナプキン、パンティライナー、オシメ、成人用パッドおよびブリーフなどの吸収性製品に関するものである。このような改良された性質は改良型コアと改良型トップシートとを組合わせることによって達成される。本発明の特に好ましい実施態様は、約３５秒未満の滴収得時間と、約５５秒未満の裏抜け時間と、３０ミリグラム未満の濡れ戻しと、３０乃至６０ＰＳＵの範囲内のパネル柔らかさスコアとを有する。これらの特性は改良された吸収性コア構造を改良された感触および流体処理性と結合することによって得られる。
【００１７】
本発明の好ましい実施態様において、改良型コアは多数の広葉樹パルプ繊維と、多数の針葉樹パルプ繊維と、超吸収性粒子とを含有する。両方の繊維型と超吸収性粒子はエアレイドウエブ構造全体に実質的に均一な混合物として存在する。広葉樹パルプ繊維は好ましくはユーカリ繊維であって、この繊維は好ましくはウエブ重量の約１０％乃至約５０％存在する。針葉樹パルプ繊維は好ましくはサザン針葉樹クラフト繊維であって、これは好ましくはウエブ重量の約２０％乃至約６０％配合される。あるいはまた、パルプ繊維は２成分熱可塑性繊維とすることができる。
【００１８】
本発明による好ましいトップシートはすぐれた流体処理特性と共に改良された感触を有する。トップシートは流体透過性であるが濡れ戻しに対するバリヤを成す。また本発明によるトップシートは好ましくはトップシート材料の下層面から上方に突出した多数のフィブリルを有し、フィブリルの突出する箇所では柔らなビロード様表面を生じる。
【００１９】
発明の詳細な説明
吸収性製品
本発明は触感と流体処理特性との優れた組み合わせを有する吸収性製品に関するものである。本明細書に記載のような生理用ナプキン、オシメ、成人用失禁パッドおよびブリーフ、パンティライナーなどの吸収性製品は一般に３つの基本的構造部品を有する。このような部品の１つは実質的に液状の不裏抜け性バックシートである。このバックシートの上に、本明細書に記載の構造のような吸収性コアが配置される。このバックシートに接合された吸収性コアの上に、吸収性製品の少なくとも外周にそって、透液性トップシートが配置される。オプションとして少なくとも１つの収得部品（場合によって流体分布層と呼ばれる）がこれらのトップシートと吸収性コアとの間に配置される。
【００２０】
本発明は、流体処理特性と触感特性との前述のような優れた組み合わせを有する吸収性製品を生じるためにトップシートと吸収性コアとの新規な組合わせを使用するものである。先行技術の吸収性製品は１つの製品の中にこれらの特性のいずれか１つを与えることができたが、その両方を与えることができなかった。さらに詳しくは、優れた柔らかさと結びついた急速流体収得（低い裏抜け時間と高い滴収得時間）および低い濡れ戻し性（低いぬれ戻し量）とを有する。下記の実施例１は、本発明の二、三の実施態様の流体処理特性と柔らかさを先行技術の吸収性製品と比較している。これらの例は本発明の吸収性製品の優れた性能を明らかに示している。
【００２１】
前述のように、本発明の製品は一般にその上に堆積した体液の急速な収得を生じる。流体の収得は各種のテスト流体を使用して種々の方法で評価することができるが、下記の「分析法」章に記載された滴収得時間と液体裏抜け時間測定法は体液を急速に収得する吸収性製品の能力に関する有効な情報を与えるものと考えられる。いずれの方法も、サンプルとしての人体表面に急速に堆積された一定の流体量を１つのサンプルが収得するのに必要な時間を決定する。このようにして本発明による適当な吸収性製品は約３５秒未満、好ましくは約３０秒未満、さらに好ましくは約２５秒未満、さらに好ましくは約２０秒未満、最も好ましくは約１５秒未満の「滴収得時間」を有する。同様に、本発明による適当な吸収性製品は約６０秒未満、約５５秒未満、さらに約５０秒未満の「液体裏抜け時間」を有する。
【００２２】
また本発明よる吸収性製品は、この吸収性製品が着用者の運動によって力を受けた時にその内部から体表に向かって吸収された体液が移動することを防止して濡れ戻しを最小限に成す。下記の「分析法」に記載の「ぬれ戻しテスト」はこの濡れ戻しの実験手段である。このテストは、サンプルが流体の制御量を吸収し、つぎに制御された圧力を受けた後にこのサンプル面上に戻る吸収されたテスト流体の量を測定する方法てである。この方法によって評価された時に本発明による適当な吸収性製品は約４０ミリグラム未満、好ましくはさらに３０ミリグラム未満、さらに好ましくは２０ミリグラム未満の「濡れ戻し」を有する。
【００２３】
また本発明による吸収性製品は望ましい感触を有する。理論にこだわるつもりではないが、本発明の吸収性製品の触感の主たる原因は着用者の皮膚と吸収性製品の身体側面との相互作用にある。下記に詳細に説明するように、吸収性製品の身体側面は、トップシート材料の構造の上に突出した多数のフィブリルと圧縮性の低密度の身体接触面との故にビロード状の組織を有すると考えられる。
【００２４】
本発明は幼児のオシメと成人用失禁製品を含めてあらゆる型の吸収性製品に適当であるが、特に好ましい実施態様としてこれを図１に示す月経用パッド、生理用ナプキン２０について説明する。この場合用語「生理用ナプキン」とは、女性の外陰部において泌尿生殖器の外部に隣接して着用され、着用者の身体からの月経流体およびその他の膣排泄物（例えば血液、月経および尿）を吸収して収容するためのものである。部分的に着用者の前庭の内部および部分的に外部に配置される陰唇間装置もまた本発明の主旨の範囲内にある。本明細書において用語「外陰部」とは女性の外部から見える生殖器を言う。しかし、本発明はその他の婦人用の衛生用または月経用パッド、例えばパンティライナー、またはその他の吸収性製品、例えば失禁パッド、タンポンおよび類似物にも適用される。
【００２５】
図１は生理用ナプキンの構造をより明瞭に示すために構造の一部を切断された本発明よる生理用ナプキン２０の平坦な状態の平面図である。着用者２０Ａと接触する生理用ナプキン２０の表面が図面の観察者の方に向けられている。図１に図示のように、この生理用ナプキン２０は好ましくは透液性トップシート２１と、不透液性バックシート２３と、コア２５とを含み、コア２５はトップシート２１とバックシート２３との中間に配置される。図１に図示の生理用ナプキン２０は着用者の下着の上に配置される前の生理用ナプキンを示す簡単な吸収性製品である。しかし、本発明は図１に示すの生理用ナプキンの特定の型または構造に限定されないことを了解されたい。
【００２６】
図１の生理用ナプキン２０は２つの面すなわち身体接触面または「身体面」２０Ａと衣類面とを有する。生理用ナプキン２０は図１において身体面から見たように図示されている。生理用ナプキン２０が着用された時に、身体面は着用者の身体に隣接して着用されるが、衣類面はその反対側に配置されて着用者の下着に隣接するように配置される。
【００２７】
生理用ナプキン２０は２つの中心線、すなわち縦方向中心線「Ｌ」と横方向中心線「Ｔ」とを有する。本明細書において「縦方向」は、生理用ナプキン２０が着用された時に直立した着用者を右半分と左半分に２分する垂直面と全体的に整列され（例えば近似的に平行な）生理用ナプキン２０の面の線、軸線または方向を言う。また本明細書において使用される用語「横断」または「横方向」は相互に交換される用語であって、全体として前記縦方向に対して垂直な生理用ナプキン２０の面の中にある線、軸線または方向を言う。
【００２８】
また図１に示す生理用ナプキン２０は外周部３０を有し、この外周部は生理用ナプキン２０の外側縁によって画成され、その縦方向縁（または横縁）は２６で示され、末端縁（または「末端」は）２８で図示されている。図１に示す実施態様において、生理用ナプキン２０は好ましくはその縦方向中心線と横方向中心線に対して対称的であるが、一方の中心線に対して対称的な構造も本発明の主旨の範囲内にある。生理用ナプキン２０は好ましくは側面フラップまたは「ウィング」３４を有し、これらのウィングは着用者のパンティの股部分にそって折り畳まれる。ウィング３４は種々の目的に役立つが、例えば着用者のパンティを汚れから防護しまた生理用ナプキンを着用者のパンティに対して固着するのに役立つ。トップシート、バックシートおよび吸収性コアは公知の種々の構造に組立られるが（いわゆる「チューブ型」製品または側面フラップ製品）、好ましい生理用ナプキン構造は全体として１９９０年８月２１日発行のオズボーン等の米国特許第４，９５０，２６４号、１９８４年１月１０日発行のデマレース等の米国特許第４，４２５，１３０号、１９８２年３月３０日発行のアール等の米国特許第４，３２１，９２４号、１９８７年８月１８日発行のファン・チルバーグ等の米国特許第４，５８９，８７６号に記載されている。
【００２９】
図１に図示の生理用ナプキン２０の好ましい実施態様においては、トップシート２１とバックシート２３は吸収性コア２５よりも大きな縦方向サイズと幅方向サイズとを有する。トップシート２１とバックシート２３は吸収性コア２５の縁部を越えて延在して生理用ナプキンの外周部のみならずサイドフラップを形成する。図１に図示のように、バックシート２３とトップシート２１は生理用ナプキン２０の衣類面と身体面と隣接配置され、好ましくは相互に接合されて外周部３０を成す。例えば、バックシート２３とトップシート２１は相互に、均一な連続的な接着剤そう、接着剤のパタン層、または接着剤の別々の線、螺旋、または点の列によって相互に固着される。満足されると発見された接着剤はＭＮ，セントポールのＨ．Ｂ．フラー・カンパニーによって商品名ＨＬ−１２５８またはＨ−２０３１で市販されている。あるいはまたトップシート２１とバックシート２３は加熱接合、加圧接合、超音波接合、動的機械的接合、またはその他トップシートとバックシートを接合するための業界公知の適当な方法によって相互に接合することができる。
【００３０】
図１−図３は本発明の生理用ナプキン２０の本体部分２２のそれぞれの部品を示す。この本体部分２２は少なくとも３つの主要部品を含む。これらの主要部品は透液性トップシート３８、不透液性バックシート４０、およびトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コア４２である。好ましくは、生理用ナプキン２０の本体部分２２は少なくとも１つのオプションとしての収得部品４４を含む。この収得部品４４はトップシート３８と吸収性コア４２との間に配置された別個の部品とし、またはトップシート３８の一部または吸収性コア４２の一部とすることができる。
【００３１】
トップシート
トップシート３８は、液体（例えば月経および／または尿）を厚さ全体にそって容易に裏抜けさせることのできる透液性部品である。トップシート３８は好ましくは可撓性であって、着用者の皮膚に対して柔らかな感触を与え非刺激的なものである。前述のように。本発明による好ましいトップシートは優れた感触と優れた流体特性とを有する。
【００３２】
本発明の好ましい実施態様において、トップシートの身体面の少なくとも一部は液体がトップシートを通して容易に転送されるように親水性とする。これは、体液が吸収性コア４２の中に流入して吸収されるのでなく、トップシートから離れて流れる傾向を低下させる。トップシート３８の身体面はこれを界面活性剤によって処理する事によって親水性に成される。界面活性剤によってトップシートを処理する適当な方法はオズボーン等の米国特許第４，９５０，２５４号および１９９６年５月２８日発行のウヌーク等の米国特許第５，５２０，８７５号に記載されている。さらに詳しくは、特に好ましい界面活性剤は１９９９年４月８日発行のストーン等の同時係属、同一譲渡米国特願第０９／２８７，９８６号に記載されている。
【００３３】
本発明よる好ましいトップシート３８は、生理用ナプキン２０の身体面２０Ａに堆積した体液がトップシート３８を急速に通過して吸収性コア４２によって吸収されるようにする手段を備える事によって、その触感と流体処理特性との好ましいバランスを発生する。またこのような好ましいトップシートは、生理用ナプキン２０が着用者の運動によって力を加えられた時に期しされた液体が反対方向に移動することを抑止するバリアを成して、濡れ戻しを最小限に成す。またトップシートは、その下部構造の上方に突出するフィブリルを備え、これらのフィブリルが実質的に均等な柔らかで絹様の触感を与える事によって望ましい触感特性を有する。
【００３４】
適当なトップシートは広範な材料から製造することができる。例えば不織布材料、アパチュア処理しれた形成熱可塑性フィルム、アパチュアを備えたプラスチックフィルムおよびハイドロフォーム処理された熱可塑性プラスチックフィルムなどのポリマー材料、多孔性フォーム、網状フォーム、網状熱可塑性フィルムおよび熱可塑性スクリムなどから製造される。適当な織布材料および不織布材料は、合成繊維（例えばポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレン繊維などのポリマー繊維）からなることができる。適当なトップシートは形成熱可塑性フィルム層と繊維層とからなり、または後で消せされる２層の熱可塑性フィルム層からなる複合構造とすることができる。
【００３５】
前述のように、このような好ましいトップシート３８は透液性であって、コア４２によって吸収されるために堆積された体液を急速に裏抜けさせる。このような急速裏抜けを達成する１つの手段は、トップシートを通る複数のアパチュアを備えるにある。このようなアパチュアを有するトップシートは、低エネルギー表面材料を表面上に顕微鏡的に相互離間して堆積された形成フィルムを開示する前記の米国特願第０８／８３２，７１５号、およびアパチュアド不織布と形成アパチュアド熱可塑性フィルムとのラミネートを記載する１９９８年１２月２１日発行のカロ等の米国特願第０９／２１７，７３６号において詳細に記載されている。好ましくは、身体接触面は複数の顕微鏡的、不連続、離間区域を備え、これらの区域は低表面エネルギー材料を堆積させて構成される。このような堆積の表面エネルギーは下層のポリマー層の表面エネルギーより低く、このこれらの堆積と下層との間に表面エネルギーグラジエントを生じる。このような表面エネルギーグラジエントはトップシートの身体接触面と接触する流体に対して力を加えてこれらの流体を身体接触面からそらせ、トップシートを通過させてコア４２によって吸収させる。このような表面堆積は２０００年２月１５日発行のケレット等の米国特許第６，０２５，０４９号に詳細に記載されている。
【００３６】
トップシート３８は急速な裏抜け（すなわち生理用ナプキン２０の本体面２０Ａからコア４２までの流体の急速移動）を有するが、また本発明の工程においては、適当なトップシート３８がこのような収得された流体の濡れ戻しを抑止することが重要である。公知のように、着用者の運動が吸収性製品に対して力を加え、これらの力がコアから吸収性製品の身体面に向かっての流体運動を生じ、これによって流体が身体の表面を濡れ戻しさせる。濡れ戻しは、身体表面に向かうこのような逆流に対するバリアをなす事によって抑止することができる。このようなバリアは多くの形をとることができる。前述の米国特許第３，３４２，３１４号に記載の構造は逆流を部分的に抑止するために毛管サイズを使用する。さらに、前記の形成フィルムウエブは身体の運動によって生じる剪断力に対してある程度抵抗性であって、身体の表面と吸収性コアの上面との間にある程度の分離を生じる。逆流を抑止する他の手段は逆流に対する化学的バリアを形成するにある。前記の米国特許第６，０２５，０４９号およびぜの米国特願第０８／８３２，７１５号に記載の表面エネルギーグラジエントは、このような濡れ戻しに対する表面の化学的バリヤを成すものと考えられる。
【００３７】
本発明のトップシートは前記の流体処理特性のほかに、望ましい触感を有する。前述のように、このような望ましい触感は、トップシートの表面の上方に突出した多数のフィブリルが存在してこのような望ましい触感を生じるものと考えられる。このようなフィブリルは着用者の身体と接触する柔らかなビロード状の表面をなし、トップシートの感触を改良する。トップシート３８の構造に依存してこのようなフィブリルは前記の米国特許第６，０２５，４９４号に記載のミクロ構造をなすことができ、または構造全体から上方に突出した不織布材料の繊維部分とすることができる。
【００３８】
柔らかさは触感評価によって容易に識別される。例１と例２において明瞭に見られるように、下記の「分析法」に記載のような「パネル柔らかさ法」を用いて評価される場合、パネラーは本発明のトップシート３８を非常に正確に格付けする。適当には、本発明によるトップシート３８を使用する吸収性製品は約３０パネルスコア単位（ＰＳＵ）から約６０ＰＳＵまでの柔らかさ格付けを有する。好ましくは、約３５ＰＳＵ乃至約６０ＰＳＵの範囲内の柔らかさ格付けが好ましい。さらに好ましくは約４０ＰＳＵ乃至約６０ＰＳＵの範囲内の柔らかさが好ましい。
【００３９】
フィブリルはトップシート材料の面から上方に突出するので生理用ナプキン２０の身体面２０Ａに対して圧縮性を与える。このような圧縮性はフィブリルのサイズとその機械的特性との両方に依存することは明らかであろう。下記の「分析法」に記載の「荷重下の厚さテスト」はこれらの両方の原因を評価してこの触感アスペクトに関する全体的解答を与えている。このテストに見られるように、この方法はサンプルを圧縮するのに必要な力をフィブリルの近似的長さによって測定する。従って、低圧縮値を有するサンプルはその「楽な」感触の故に特に好ましい。実施例２に示す圧縮度の例データは本発明によるトップシートを種々の先行技術のトップシートと比較している。適当には、本発明によるトップシートは約４００グラム／平方センチメートル未満の圧縮度を有する。好ましくは圧縮度は約３７５グラム／平方センチメートル未満、さらに好ましくは約３５０グラム／平方センチメートル未満とする。
【００４０】
この圧縮度は、トップシート材料の表面とフィブリルの遠位端との間にある体積によって画成されるトップシート区域によるものと考えられる。この区域はフィブリルから成る材料のみによって占有されているのであるから、この区域が低密度を有することは理解されよう。この表面密度の測定法は下記の「分析法」に記載の「荷重下の厚さテスト」に記載されている。この区域の圧縮度が低い理由は、この区域においては圧縮に抵抗する材料はフィブリルから成る材料のみだからである。圧縮が続けられてフィブリルを相互に近接させて下層のトップシート材料の密度に近づくと、圧縮力は当然に増大するに相違ない。約０．０３５グラム／立方センチメートル未満の表面密度を有する材料が望ましい柔らかさを有することが発見された。約０．０３グラム／立方センチメートル未満の「表面密度」が好ましい。
【００４１】
本発明によってトップシートに対してこのような望ましい表面感触を与えるフィブリルは種々の手段によって備えることができる。例えば、米国特許第４，２９，６４３号に記載のハイドロ・フォーミング法、前記の米国特願第０８／８３２，７１５号に記載の不織布材料から成る表面、１９９９年２月１１日にミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチャリング・カンパニー名義で公表されたＰＣＴ出願ＷＯ第９９／０６６２３号に記載されたようなテンプレートから軟化した材料をナッピングして分離する方法、１９９８年６月９日発行のアール等の同一譲渡米国特許第５，７６３．０４４号に記載のように体表面に熱間融成材料を印刷する方法、ブラッシング法、およびその他の業界公知の手段。
【００４２】
流体処理特性と感触特性の特に好ましい組合わせを有するトップシート３８は複数のマクロアパチュアと多数のマイクロアパチュアとを有する形成熱可塑性フィルム材料において、マイクロアパチュアとマクロアパチュアとの間のランド区域も、低表面エネルギー材料を堆積して成る複数の顕微鏡的不連続、離間区域を備える構造を含む。このような構造は、前記の米国特許第６，０２５，０４９号に記載のようにこれらの堆積と形成フィルムの下方ポリマー層との間に表面エネルギー・グラジエントを生じる構造、１９９７年４月１１日発行のケレット等の米国特願第０８／８３２，７１５号および１９９８年８月１１日発行のクリー等の米国特許第５，７９２，４０４号に記載のような低表面エネルギー材料の複数の堆積を有する不織布材料において、これらの堆積と不織布材料の下層のポリマー構造との間に表面エネルギーグラジエントを生じる構造である。
【００４３】
トップシートとして使用するに適した他の材料は、１９９７年５月１３日発行のベンソン等の米国特許第５，６２８，６９７号によるアパチュアを備えた不織布材料、１９９６年１２月５日発行のビアン等の米国特願第０８／７６１，９０５号および１９９９年６月２４日発行のリー等の米国特願第０９／３４４，１６１号に記載の永久的に親水性の形成フィルム材料、およびいずれも２０００年４月７日発行のリー等の（それぞれＰ＆ＧケースＮｏ．８０１１および８０１２の）米国特願第＿＿＿＿号に記載のテキスチャード、マイクロアパチュアポリマーフィルムウエブおよび米国特願第＿＿＿＿号に記載のこれらの三次元表面組織を有するアパチュアド・ポリマーウエブである。これらの各特許の開示をここに引例とする。
【００４４】
バックシート
バックシート４０は吸収性コア４２の中に吸収されて含まれた排泄物がパンツ、パジャマ、下着などの生理用ナプキン２０と接触する製品を濡らすことを防止する。バックシート４０は好ましくは体液の流れに対して抵抗性であって、またさらに好ましくは体液（例えば月経および／または尿）に対して不裏抜け性である。バックシート４０は好ましくは可撓性材料から製造される。本明細書において、「可撓性」とは、撓み性であって人体の全体的形状および輪郭に容易に合致する材料を言う。バックシート４０は織布材料または不織布材料、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性フィルムのポリマーフィルム、またはフィルムを被覆された不織布材料などの複合材料を含むことができる。好ましくはバックシート４０は約０．０１２ｍｍ（０．５ミル）乃至約０．０５１ｍｍ（２．０ミル）の範囲内の厚さを有するポリエチレンフィルムである。バックシートは、より布様外観を呈するため、エンボス仕上げおよび／またはマテ仕上げを有することができる。さらに、バックシート４０は排泄物がこのバックシート４０を通過することを防止すると同時に、吸収性コア４２からの水蒸気の脱出を可能とすることができる（すなわち呼吸性）。適当なバックシート材料は、オハイオ州、コネチカットのクロペイ．コーポレーションから製品ナンバー１８−１４０１として得られる。適当な呼吸性バックシート材料は、トンプソンなどの米国特許第３，９２９，１３５号などのアパチュアドフィルムのラミネートを裏返して、テーパもか面の小さな開口が吸収性コア４２に対向し、この吸収性コアがエクソンの米国特許第４，７７７，０７３号に記載のような微細孔フィルムに対して接着積層されたラミネート構造である。
【００４５】
吸収性コア
吸収性コア４２は体液（例えば月経および／または尿）を吸収して保持する事のできる任意の吸収性手段とすることができる。本発明の目的に適した吸収性コアはこのような液体に対する高い親和性を有する。この高い親和性の故に、吸収性コア４２は特にトップシート３８からこのような液体を吸引してこのように吸引された液体を保持するのに有効である。コア４２の適当な構造は、生理用ナプキン２０の身体面２０Ａの上に堆積したトップシート３８を通して効果的に吸引して貯蔵するための高いキャピラリー圧を有する。また適当なコア構造は、その高い脱着キャピラリー圧の故に、またコア構造が超吸収性材料からなり、得られた流体を浸透圧によって貯蔵することのできる超吸収性材料からなるが故に、流体をよく保持することができる。
【００４６】
前述のように、本発明のコア４２は、その高いキャピラリー吸収圧の故に、これより低いキャピラリー吸収圧を有するコアよりもはるかに完全にトップシート３８を乾燥させることができる。吸収圧を測定する方法は下記の「分析法」などの中に記載されている。コア４２は特に高い吸収圧を有するが故に、トップシート３８の上に堆積した流体を収得するのに極めて有効である。適当には、平均吸収圧は少なくとも約７ｃｍである。好ましくは平均吸収圧は少なくとも約１０ｃｍ、さらに好ましくは約１２ｃｍとする。代表的には平均吸収圧は約７ｃｍと約２５ｃｍの範囲内にある。さらに代表的には、平均吸収圧は約１０ｃｍと約２５ｃｍとの間にある。
【００４７】
吸収性コア４２は種々のサイズおよび形状（例えば長方形、楕円、砂時計型、ドッグボーン型、非対称型など）に製造することができる。また吸収性コア４２の形状および構造は種々とすることができ（例えば吸収性コアは相異なるキャリパー区域を有し、例えば中央において厚くなるような輪郭）とすることができ、またはあるいは複数の層または構造からなることができる。しかし吸収性コアの全吸収容量は設計量および生理用ナプキンの所望の用途と両立するものでなければならない。さらに、吸収性コアのサイズおよび容量は、失禁パッド、パンティライナー、通常の生理用ナプキンまたは１晩生理用ナプキンなど、種々の用途に対応するように変動されなければならない。
【００４８】
吸収性コア４２を製造するには、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプを含む混合物など、一般に生理用ナプキンその他の吸収性製品において使用される各種の液体吸収性材料が適当である。他の適当な吸収性材料の例は、コンフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に強化された変性または橋かけ結合セルローズ繊維、クリンプドポリエステル繊維などの合成繊維、ピート モス、ティシュラップおよびティシュラミネートを含むティシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料またはこれらの材料の任意の等価材料またはこれらの材料の組合せまたは混合物である。吸収性コアの形状および構造も変動され（例えば吸収性コアは相異なるキャリパー区域を備え、例えば中央部において厚くなるような輪郭を備え）、相異なる親水性グラジエント、超吸収性グラジエント、またはより低密度のまた低平均坪量の収得区域を有し、あるいは単一または複数の層または構造からなることができる。
【００４９】
本発明による特に好ましい吸収性コア４２はエアレイド繊維ウエブの中に広葉樹パルプ繊維および針葉樹パルプ繊維の組合わせを使用する。このように材料組合わせの中に広葉樹繊維を含ませる事により、このような繊維を含有しない吸収性コアと比較して毛管圧を増大しまた流体分布を改良することができる。またエアレイド組織を使用する事により、コア４２全体に超吸収性粒状材料を含有させ、先行技術のコアと比較して剛さ制御を改良することが可能となる。従って、本発明の吸収性コア４２はその高い毛管圧と、その超吸収性材料を使用することによるその高い容量と、剛さおよびその他の物理特性に対する高度の制御の故に前記のトップシート材料と共に使用するのに好適である。
【００５０】
本発明の特に好ましい吸収性コア４２は、広葉樹パルプ繊維と針葉樹パルプ繊維との実質的に均一な混合物からなるエアレイド繊維ウエブである。好ましくは、吸収性繊維ウエブはまたその全体にわたって分散された超吸収性粒子を含有する。さらに、繊維ウエブ層は、前記の均一な繊維混合物の中に成分結合材繊維としての合成繊維を含むことができる。
【００５１】
特記なき限り、下記に示す全て組成パーセントは考慮される重量パーセントとして示される。好ましくは、本発明の吸収性繊維ウエブ４０は、約４：１乃至約約１：２、さらに好ましくは約３：１乃至約１：１、最も好ましくは約２：１の範囲内の針葉樹パルプ繊維と広葉樹パルプ繊維の混合比を含む。特に好ましい広葉樹パルプ繊維はユーカリ繊維である。特に適当なユーカリ繊維は、ユーカリプツス・グランディス種の繊維を含む。広葉樹パルプ繊維特にユーカリ繊維は広い表面積を有し、従って高い毛管圧を有する吸収性ウエブを生じる。しかし、ウエブ中の広葉樹パルプ繊維が多すぎると、その全体的吸収容量を低下させる。さらに、過度の広葉樹パルプ繊維の存在はウエブの流体処理速度を許容不能のレベルまで低下させる。本発明の吸収性コア４２の中の広葉樹材料として使用されるその他の適当なパルプ材料はアカシア繊維、カシ繊維、モミジ繊維およびサクラ繊維を含む。
【００５２】
吸収性コア４２の中に、広葉樹パルプ繊維が多数の針葉樹パルプ繊維と共に配合される。針葉樹パルプ繊維は好ましくはこの組織の中に前述の比率で配合される。特に好ましい針葉樹パルプ繊維はサザン・針葉樹パルプ繊維である。適当なその他の針葉樹パルプ繊維はウエスタンおよびノザン針葉樹パルプ繊維を含む。
【００５３】
針葉樹パルプ繊維と広葉樹パルプ繊維との配合は、相異なるサイズの繊維を全体的に含むウエブを生じる。これは優れた繊維表面積分布を生じまた好ましい実施態様において高い全体的表面積を生じる。前述のように、広葉樹の使用は、毛管圧と、容量および／または流体処理速度との妥協を意味する。本発明の吸収性コア４２はエアレイドされているので、この種のコアは吸収性材料を容易に介在させることができる。このような超吸収性材料は吸収性コア４２の全体的容量を改良する事により、高い容量と高い毛管圧とを組合わせる利点がある。
【００５４】
本発明の好ましい吸収性コア４２はまた２成分結合材繊維および／または超吸収性粒子を含む。さらに好ましい実施態様においては、ウエブの中に２成分繊維と超吸収性粒子の両方が存在して、これらの成分がウエブの厚さ全体に実質的に均一な混合物をなして配合される。
【００５５】
２成分繊維の添加は、通気結合、加熱ロールによる結合、超音波結合およびその他結合材料が融解される方法などの加熱結合工程を可能とすることは明らかであろう。またこのような結合は層全体の確実な剛さ制御を可能とする。ウエブの剛さは、２成分繊維の量と、加熱結合工程の時間および温度パラメータを調整する事によって制御される。適当には、ウエブの約５％乃至約３０％の範囲を２成分繊維とする。特に好ましい実施態様においては、ウエブの約１５％乃至約２５％が２成分繊維である。好ましい繊維は、ポリプロピレンコアがポリエチレンシースによって包囲されたポリエチレン／ポリプロピレン繊維からなる。このような適当な５０％／５０％同心構造の２成分繊維はデンマーク、バルデのダナクロンから入手される。
【００５６】
またその他の結合材がウエブ構造の中に含まれることができる。ポリエチレン粉末状結合材および／またはラテックス結合材をウエブ構造の中に含有させることができる。ポリエチレンなどの粉末結合材の使用により、ウエブは前記の２成分結合材を含む繊維の場合と同様に加熱結合される構造となる。ラテックスまたは類似の結合材が使用される場合、このラテックスは結合材として作用しこの構造は「ラテックス結合」と記載することができる。
【００５７】
前記の説明は、特に好ましいコアの繊維部分の構成要素が相互作用して高い毛管圧を生じる態様を説明したのであるが、吸収性コア４２の他の構成要素もまたその機能に貢献することができる。さらに詳しくは、前記のように本発明の吸収性コア４２の中に超吸収性材料を使用する事が好ましい。代表的な超吸収性材料の例は、ルイジアナ．ガリービルのストックハウセン ルイジアナ有限会社から市販されているＳＡＢ ９６０である。本発明において使用される好ましい超吸収性粒子物質は、一般に使用される超吸収性材料と比較してゲル阻止力が低いが故に高い裏抜け率を有する。好ましい材料の例は、パラタインのケミカル・コーポレーションから入手されるＡＳＡＰ ２３００のような表面橋かけ結合されたポリアクリラートおよび１９９９年３月１日発行のヒルド等の同時係属同一譲渡米国特願第０９／２５８，８９０号に記載の混合ベッド材料を含む。ＡＧＭ粒子は好ましくは吸収性コア４２の約１０％乃至約５０％の範囲内で含有される。これより多量のこのような超吸収性材料は吸収性コア４２の全体的容量をを増大する。しかし過度の超吸収性材料は、ゲル阻止効果または類似の効果の故に吸収性コア４２の裏抜け率を低減させる。
【００５８】
本発明の吸収性繊維ウエブは業界公知の任意適当なエアレイ技術によって製造することができる。エアレイド技術の使用により、組織全体に粒状超吸収性材料を含有させることができ、また他のウエブ形成技術によって可能である以上にウエブの物性に対する確実な制御を実施することができる。
【００５９】
ウエブが２成分繊維を含む場合、このウエブは前記のように加熱結合エアレイド技術を結合して形成される事が好ましい。このような構造においては、粉末結合材またはラテックスなどの追加的結合材を使用することは必要でない。それでもこのような追加的材料は多結合エアレイドウエブを形成するために含有させることができる。さらにウエブはなんらかの２成分繊維を含む必要はなく、前記のように超吸収性粒子および針葉樹パルプ繊維と共にラテックスをしようしてラテックス結合エアレイド構造を形成することができる。エアレイド構造を形成する適当な方法は業界公知である。他の方法は、多数の広葉樹パルプ繊維および針葉樹パルプ繊維と共にポリエチレンなどの粉末結合材を使用して加熱結合されたエアレイドウエブを形成するにある。
【００６０】
米国特許第５，４４５，７７７号は、エアレイド繊維ウエブに対して粒状超吸収性材料および／または粉末結合材（前記のポリエチレン結合材）を添加する好ましい方法を記載している。このような技術は本発明の吸収性繊維ウエブ４０の構成に適している。
【００６１】
本発明のエアレイド構造は、使用される製品に適した任意の坪量および密度で形成することができる。適当には、坪量は約６０ｇ／平方メートルおよび約４００ｇ／平方メートルの範囲内とし、また密度は約０．０５ｇ／ｃｃと約０．２ｇ／ｃｃとの範囲内とすることができる。生理用ナプキンに使用される好ましい構造は約２０００ｇ／平方メートルの全坪量と、約０．１３Ｇ／４ｃｃの好ましい密度と、約１．５ｍｍのキャリパーとを有することができる。
【００６２】
これより厚い製品については、本発明の吸収性コア４２は広葉樹パルプ繊維と針葉樹パルプ繊維のフラフを含むことができ、この場合、キャリパーと坪量はこのような製品のユーザの必要に見合うように修正される。オプションとしてこの構造全体に均等に超吸収性材料を合体させることができる。
【００６３】
吸収性コア４２の他の好ましい材料は１９９８年８月１８日発行のダイヤー等の米国特許第５，７９５，９２１号に記載のような高内部相エマルジョンから形成されたポリマーフォーム（ＨＩＰＥフォーム）を含む。このようなフォーム材料は、前記の高い毛管吸収圧を生じる程度の適当な小セルサイズを有するが、月経などの血液を主成分とする流体中の不溶性成分を自由に運動させる程度の開度を有するように製造することができる。これらの吸収性フォームは、水相と輸相との堆積：重量比が約２０：１乃至約１２５：１の範囲内となるようにＨＩＰＥを重合する事によって形成される。
【００６４】
前記の吸収性材料のほか、吸収性コア４２は業界公知のその他の型の吸収性材料、例えばクレープド セルローズ ワッディング、コンフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に強化され、変性されまたは橋かけ結合されたセルローズ繊維、クリンプト ポリエステル繊維などの合成繊維、ピートモス、ティシュ ラップおよびティシュ ラミネートを含むティシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、または任意の同等の材料またはこれらの材料の組合わせまたは混合物を含むことができる。このような追加材料は収得部品４４について前述したような追加層の形をとり、または吸収性コア４２の他の好ましい構造とすることができる。
【００６５】
このような他の好ましい構造はなおも前述の吸収性コア４２についての流体処理要件を満たさなければならないが、これらの構造は本発明の吸収性製品の全体的に望ましい流体処理性能および感触を有する吸収性製品を形成しながらも前記以外の性能特性に見合うだけの追加的設計柔軟性を設計者に与えるものである。本発明の目的に適しているコア構造の例は、非結合ウインドを形成するようにトップシートに対してパタン結合された収得部品を含み、この収得部品が、セルローズ繊維、２成分繊維、超吸収性粒子およびラテックス結合材の混合物からなる多結合エアレイド不織布材料からなる吸収性コアの上に載置され、このような構造は１９９８年５月８日発行のダニエルス等の同一譲渡同時係属米国特願第０９／０７４，９０９号および１９９６年１２月２０日発行のリナード等の国際特願第ＰＣＴ／ＵＳ９６／２０８７３号（この特願は米国を指名する）に記載され、またカールド・嵩高繊維、高表面積繊維および１９９６年８月２７日発行のホーネイ等の米国特許第５，５４９，５８９号に記載のような熱可塑性結合繊維構造である。これらの各開示をここに引例とする。また吸収性コア４２は繊維材料とＨＩＰＥフォームとの混合物または組合わせから成り、ここにフォームはシート状または粒状とすることができる。
【００６６】
収得部品（または「収得層」または分布層」）４４が使用された場合、これはトップシート３８の下に配置される。本明細書に使用される用語「層」または「ウエブ」は非限定的に、単一の折り畳まれていないシート、折り畳まれた複数のシート、材料ストリップ、緩いまたは結合された繊維、材料の多層またはラミネート、またはこれらの材料の組合わせを含む。従ってこれら２つの用語は単一の折り畳まれていない層まはシートに限定されるものではない。収得層４４は、トップシート３８を通して生理用ナプキンが流体を引き込む能力を増大させるために、トップシート３８の下方に空所容積を成している。好ましい実施態様において、収得部品４４は生理用ナプキン２０が束状化抵抗を改良するように横方向圧縮力に対して弾性を示す事が好ましい。
【００６７】
収得層は排泄された体液を急速に集めて一時的に保持し、また最初の流体接触点から収得層および吸収性コアの他の部分への流体の移動を容易にするのに役立つ。排泄物の輸送の改良が重要であることの二、三の理由がある。すなわち吸収性コア全体を通しての排泄物の分布をより均一にして生理用ナプキン２０を比較的薄くさせるにある。この場合輸送とは、流体の１方向、２方向または全ての方向（ｘ−ｙ面および／またはｚ方向）の液体輸送を含むものとする。収得層は、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエチレンを含む合成繊維の不織ウエブまたは織成ウエブ、棉またはセルローズ、およびこれらの繊維の配合物を含む天然繊維、または任意同等の材料または材料組合わせを含む相異なる数種の材料からなることができる。収得層とトップシートとを有する生理用ナプキンの例は、オズボーンに発行された米国特許第４，９５０，２６４号、１９９１年１２月１７日にクリー名義で出願され１９９３年６月２４日にＰＣＴ出願第ＷＯ ９３／１１７，７２５号として公表された米国特願第０７／８１０，７７４号においてさらに詳細に記載され、これらの引例のそれぞれの開示をここに引例とする。好ましい実施態様において、収得層はトップシートに対して、ウエブを相互に接合する通常手段、最も好ましくは前記のクリー出願に記載のような溶融結合によって結合することができる。
【００６８】
収得部品４４は液体裏抜け性でなければならない。収得部品４４は好ましくはユーザの皮膚に対して形状合致性で、柔らかな感触を有しまた非刺激性である。収得部品４４８からだ対向面（または側面）と衣類対向面とを有する。収得部品４４任意のサイズおよび形状を有することができる。図１の実施態様において、収得部品４４は、生理用ナプキン２０の本体部分２２の上に重なるトップシート部分と同様に、レーストラック状を成し、側面縁において少し凹形を成す。しかし収得部品４４のサイズは好ましくはトップシート３８と同程度に大きくない。
【００６９】
収得部品４４はトップシート３８を融着させることができ
前記の目的に適した任意材料で形成することができる。収得部品４４は例えば織布材料または不織布材料からなることができる。これらの材料の繊維またはその他の部品は合成繊維とし、または部分的に合成で部分的に天然繊維とすることができる。適当な合成繊維はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、粘性ナイロン、または酢酸セルローズ繊維を含む。適当な天然繊維は棉、セルローズまたはその他の天然繊維を含む。また収得部品４４は少なくとも部分的に橋かけされたセルローズ繊維とすることができる。収得部品４４は非織成であれば種々の工程によって製造することができる。これらの工程は非限定的に、エアレイド法、ウェットレイド法、メルトブローン法、スパンボンデッド法、カージング法、加熱結合法、エアスルー結合法、粉末結合法、ラテックス結合法、溶媒結合法、スパンレース法およびこれらの方法の組合わせを含む。
【００７０】
収得部品４４は、前述のブック層に関する前記の米国特許第５，５４９，５８９号に記載のようにして構成することができる。収得部品４４の他の好ましい構造は２枚の不織布材料のラミネートである。このラミネートの最上層（または「第２トップシート」）４６は好ましくはＷＡ、ワシュウガルのＦｉｂｅｒｗｅｂ， Ｎｏｒｔｈ Ａｍｅｒｉｃａ から入手されるＮｏ．０６５ＭＬＰＶ６０Ｕ（または”Ｐ−９”）と呼ばれる１９ｇ／ｙｄ２（２２．５ｇ／平方メートル）スパンボンディング ポリプロピレン不織布材料を含む。ラミネートの下層（または第３トップシート」）４８は好ましくは粉末結合またはラテックス結合を使用して加熱結合された多ボンディング エアレイド不織材料とする。好ましい実施態様において、多結合されたエアレイド不織材料は約７７％のセルローズ繊維と、約２０％の粉末結合材と、約３％のラテックス結合材（ウエブの両側に１．５％噴霧）とを含み、また約５０ｇ／ｙｄ２（約６０ｇ／平方メートル）の坪量を有する（特記なきかぎりすべての％は重量％である）これらの多ボンディングされたエアレイド不織布は好ましくは、約７７％のセル繊維と、約２０％の粉末結合剤と、約３％のラテックス結合剤（ウエブの各側面に１．５％づつ噴霧）を含有し、５０ｇ／ｙｄ２ （約６０グラム／平方メートル）の坪量を有する（特記なき限りこれらのすべてのパーセントは重量パーセント）。このような多結合エアレイド不織布は好ましくはカナダ、ブリティッシュ・コロンビア、デルタのＭｅｒｆｉｎ Ｈｙｇｉｅｎｉｃ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ，Ｌｔｄ から製品Ｎｏ．９０８３０Ｘ３１２として得られる。これら２つの不織布層は多ボンディング エアレイド材料をスパンボンディングポリプロピレン不織布材料の上に堆積させる事によって相互に積層される。このラミネートを形成する工程においてスパンボンディング材料はプロセス・エイドまたはキャリアウエブとして使用される。
【００７１】
他の実施態様において、スパンボンディングされたポリプロピレン不織布材料はより大ききな坪量またはより低い坪量を有することができ、またあるいはこの不織布材料の代わりにエアレイド ティシュ、ウェットレイド ティシュまたは前記の材料のいずれかを使用することができる。ポリプロピレン不織布材料の代わりにウェットレイド ティシュが使用される場合、ラミネートの配向は好ましくは逆転され、仕上がり製品において多ボンディング エアレイド不織布材料がウェットレイド ティシュ層の上に配置される。これより厚い生理用ナプキンの場合、前記の収得部品のいずれをも使用することができる。さらに、好ましい厚い生理用ナプキン実施態様において、低密度ラテックス結合エアレイド材料が全収得部品として使用される（すなわち第３トップシートを必要としない）。この目的に適した低密度ラテックス結合エアレイド材料はＮＣ、Ｍｔ．ＨｏｌｌｙのＷａｌｋｉｓｏｆｔ，ＵＳＡから入手される製品Ｎｏ．ＦＧ４１３ＭＨＢとして知られている約８０グラム／平方メートルの坪量を有する材料である。
【００７２】
前記のトップシート３８は好ましくは収得部品４４に対してまたは吸収性コア４２に対して、は両方に対して融着される。トップシートを下層部品に対して個別の箇所で融着する適当な方法は前記の米国特願第０９／０７４，９０９号に記載されている。前記の特願に示すように、下層に対するトップシートの結合は好ましくは個別箇所において実施され、製品の中央部は「非結合ウインド」を備える。
【００７３】
生理用ナプキン組立体
トップシート３８、含まれる場合には収得部品４４、バックシート４０および吸収性コアは業界公知の種々の構造に組み立てることができる（積層または「サンドウィッチ」形状および包み込みまたは「筒状」形状）。図１と図２はサンドウィッチ形状に組み立てられた生理用ナプキン２０の好ましい実施態様を示す。図１乃至図３においては、トップシート３８とバックシート４０は全体として吸収性コア４２より大きな長さおよび幅方向サイズを有する。トップシート３８とバックシート４０は吸収性コア４２の縁を越えて延在して外周部３０を成す。トップシート３８の衣類対向側面は好ましくは前述のように収得部品４４の身体対向面に対して接合される。またもし望むならば収得部品４４は吸収性コア４２に対して接合することができる。これらの部品が結合されるとこれら部品はトップシート３８を収得部品４４に対して接合するための前記の方法のいずれかによって接合することができる。しかし図示の実施態様において、収得部品４４は吸収性コア４２に対して直接に接合されていない。バックシート４０は好ましくは吸収性コアの衣類対向面に対して接着剤によって接合される。
【００７４】
また吸収性コア４２と収得部品４４の縁を越えて延在するトップシート３８とバックシート４０の部分は好ましくは相互に接合される。トップシート３８とバックシート４０のこれらの部分は業界公知の任意適当な方法によって接合することができる。本明細書において使用される用語「結合された」とは、１つの部品が多の部品に対して直接に固着する事によって他の部品に直接に固着される形状、１つの部品を中間部材に対して固着し、この中間部材を他の部品に対して固着する事によって１つの部品を他の部品に間接的に固着する形状、および１つの部品が他の部品と一体をなす形状、すなわち１つの部品が他の部品の本質的一部をなす形状とを包括する。好ましくは、図示の実施態様において、トップシート３８とバックシート４０のこれらの部分は吸収性コアの縁を越えて延在する部分全体に渡って接着剤を使用して結合され、また本体部分の末端縁２８においてクリンプシールを実施し、この場所においてトップシート３８とバックシート４０は圧力および熱と圧力を加える事によって濃密化される。
【００７５】
吸収性製品構造の例
本発明の特に好ましい実施態様は、前記の米国特許第６，０２５負０４９号によるトップシートと、前記の特に好ましいコアとを含む。この特に好ましい構造の性能は下記の表１においてサンプル２として示されている。表１に示すデータに見られるように、この特に好ましい実施態様は流体操作特性と柔らかさの非常に望ましいバランスを備えている。
【００７６】
さらに詳しくは、特にこの好ましい実施態様のトップシート３８の身体面と接触した流体を通過させることのできるマクロアパチュアと、形成されたフィルムがトップシートとして使用される時に上方に延在して身体接触面２０Ａを形成する多数ミクロアパチュアとを有する形成熱可塑性フィルムからなる。またミクロアパチュアとマクロアパチュアとの管のランド区域は低い表面エネルギー材料の堆積からなる複数の巨視的不連続離間区域を備える。これらの堆積と特に好ましいトップシート３８の下層ポリマー構造との間に表面エネルギーグラジエントが存在しこのエネルギーグラジエントが身体面２０Ａ上に堆積した体液をマクロアパチュアまで移動させこれらのアパチュアを通してコア４２によって吸収させる力を生じる。
【００７７】
またこの好ましい実施態様は前述のようにトップシート３８の下に配置される収得部品４４を含む。この収得部品４４は、スパンボンデッド ポリプロピレン不織布材料の第２トップシート４６と、前述のようにまた前記の米国特許第５．５４９．５８９号に記載のように粉末結合およびラテックス結合を使用して加熱結合された多ボンディグ エアレイド不織布材料の第３トップシート４８とを含む。
【００７８】
この好ましい実施態様のコア４２は前述において詳細に説明され、また１９９９年４月８日発行のノエルの同一譲渡米国特願第６０／１２８，３５２号にさらに詳細に記載されている。前述のように、コア４２のこれらの好ましい構造は、高い毛管厚を生じる広葉樹と針葉樹の配合物と、高い浸透貯蔵能力を生じる超吸収性ポリマーとを含む。
【００７９】
前記の好ましい部品が、業界公知の不透液性バックシート４０と共に、前述の「生理用ナプキンの組立て」に記載の形状に従って、本発明の生理用ナプキン２０の好ましい実施態様として組立てられる。
【００８０】
オプション部品
フラップ
図１と図２に図示の生理用ナプキン２０は本体部分２２に接合されたフラップ２４のオプションペアを含む。これらのフラップ２４は本体部分２２の縦方向側面縁部２６を越えて外側に、その近位端６０からその遠位端（または「自由端部」）６２まで延在する。フラップ２４は本体部分２２の少なくとも中央区域３６から外側に延在する。図１に図示のように、各フラップ２４はフラップ横断中心線Ｔ１によって前半部分６４と後半分６６とに分割される。フラップ横断中心線Ｔ１は生理用ナプキンの主横断中心線Ｔと一致することができるが、これは絶対必要ではない。
【００８１】
フラップ２４は任意適当な方法で本体部分２２に対して接合される。好ましくは図１−図３の実施態様において、フラップ２４は本体部分２２と一体を成す（すなわち、フラップ２４はトップシート３８とバックシート４０の一体的延長を成す）。他の実施態様において、フラップ２４は本体部分２２に対して接合される別個の部品を成すことができる。フラップ２４はそれぞれ本体部分２２に対して継手にそって接合される。これは、例えば継手線６８等の縦方向配向（または「縦方向」）継手である。本明細書において、用語「継手」（または「継手線」）とはフラップ２４が本体部分２２から延長されこの本体部分に接合された区域を言う。付図の実施態様において接合線６８は凹形の内側に向けられた区域または線によって画成されると考えられる。
【００８２】
フラップ２４は任意適当な形状とすることができる。適当なフラップは１９９３年４月２７日に発行のファン・チルバーグ、再審査照明に記載の再審査特許Ｂ１第４，５８９，８７６号、１９８７年８月１１日発行のファン・チルバーグの米国特許第４，６８７，４７８号、１９９５年２月１４日発行のラバッシュ等の米国特許第５，３８９，０９４号、１９９６年９月２４日発行のワインベルガー等の米国特許第５，５５８，６６３号（着用者によって施用されるフラップの変更態様を記載）、および１９９６年１０月３日発行のラッシュ等の国際特願ＰＣＴ ＵＳ第９６／１５９７号に記載されている。ヒンジおよび伸張性区域または相異なる伸張度区域を成す変形区域を含むフラップ２４のその他のフィーチャが１９９８年５月８日発行のダニエルス等の米国特願第０９／０７４，９０９号および１９９６年１２月２０日発行のリナード等の国際特願ＰＣＴ／ＵＳ第９６／２０８７号に記載され、この特願は米国を指名する。
【００８３】
取付け手段
ナプキン２０の衣類面２０Ｂはこの生理用ナプキンを着用者の下着に固着するためのファスナーを備えることができまたは備えることが好ましい。図３は、生理用ナプキンの本体部分第２２図を下着の股部分に固着するように成された中心パッドファスナー８２を示す。接着剤ファスナーおよび機械的ファスナーなど業界公知の任意の型のファスナーを使用することができる。接着剤から成るファスナーがこの目的のために有効に作用することが発見され、この場合感圧接着剤が好ましい。好ましい実施態様において、中心パッドファスナー８２は生理用ナプキンの縦方向中心線Ｌに対して定心された一対の相互離間された縦方向ストリップまたは接着剤区域から成る。
【００８４】
フラップの遠位端縁部６２に隣接したフラップ２４の外側面は好ましくはフラップ接着剤８４を備える。フラップ接着剤８４は、フラップ２４がパンティの股部分にそって巻き付けられた後に、このフラップ２４を定置保持するために使用される。適当な接着剤ファスナーは米国特許第４，９１７，６９７号においてさらに詳細に説明されている。フラップ２４は、このフラップを下着に固着することにより、または対向フラップに固着することにより定置保持される。
【００８５】
本発明において使用されるファスナーは接着剤取付け手段に限定されない。この目的に、業界公知の任意の型のファスナーを使用することができる。例えば、ＶＥＬＣＲＯまたは１９９０年８月７日発行のバットレルの米国特許第４，９４６，５２７号、または１９９５年２月２８日発行のグーレ等の米国特許第５，３９２，４９８号に記載のような機械的ファスナーによって生理用ナプキン２０を着用者に固着する事もできよう。しかし簡単のため、ファスナーを接着剤取付け手段として記載する。
【００８６】
接着剤取付け手段はそれぞれ着脱自在のリリースライナー、８６で示す中心パッドリリースライナーおよびフラップリリースライナーによってカバーされる。接着剤が使用前に外部表面に固着しないようにするため、感圧接着剤をリリースライナー８６によってカバーしなければならない。適当なリリースライナーが米国特許第４，９１７，６９７号に記載されている。生理用ナプキンを包装するための個別パッケージとしても作用することのできる特に好ましいリリースライナーハスワンソン等に発行された米国特許第４，５５６，１４６号に記載されている。
【００８７】
本発明の生理用ナプキン２０はリリースライナー８６を除去し生理用ナプキン２０をパンティの中に配置することによって使用される。本体部分２２をパンティの股部分の中に配置し、この本体部分２２の一端をパンティの前部にむかって延在させ他端をパンティの後部に向かって延在させる。バックシート４０をパンティの股部分の中心の内側面と接触させる。中心接着剤ファスナー８２が本体部分２２を定置保持する。フラップ２４の遠位端部分がパンティの側面縁部の回りに折り込まれる。フラップ接着剤８４がフラップ２４をパンティの下側面に対してまたは対向フラップに対して固着する。
【００８８】
実施例
実施例１
この実施例は本発明の生理用ナプキンの種々の実施態様と先行技術の中では最もよいと考えられる市販の生理用ナプキンの例とについて、下記の「分析法」に従って評価された流体処理特性および柔らかさを比較するものである。
【００８９】
【表１】
サンプルの説明
１．先行技術：米国特許第６，０２５，０４９号に記載のトップシート、特願第０９／０７４，９０９号に記載のコア
２．本発明：米国特許第６，０２５，０４９号に記載のトップシート、前記の特に好ましいコア
３．本発明：米国特許第６，０２５，０４９号に記載のトップシート、厚いエアフェルトコア
４．先行技術：米国特許第４，３４２，３１４号によるトップシート、熱いエアフェルトコア
５．本発明：特願第０９／２１７，７３６号に記載のトップシート、前述の特に好ましいコア
６．先行技術：米国特許第４，３４２，３１４号によるトップシート、特願第０９／０７４，９０９号に記載のコア
７．先行技術：日本、Ｋａｏ Ｍｆｇ．Ｃｏ．からＬｓｕｒｉｅｒ Ｓｏｆｔｍｅｓｈ Ｕｌｔｒａ として入手される薄い生理用ナプキン
８．先行技術：日本、Ｋａｏ Ｍｆｇ．Ｃｏ．からＬｓｕｒｉｅｒ Ｓｏｆｔｍｅｓｈ Ｓｌｉｍ
として入手される厚い生理用ナプキン
９．先行技術：日本においてＵｎｉＣｈａｒｍ からＳｏｆｙ Ｓａｒａ として入手される薄い生理用ナプキン。
１０．先行技術：ＮＪ．スキルマンのＰｅｒｓｏｎａｌ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｃｏ． からＳｔａｙｆｒｅｅ Ｕｌｔｒａ Ｔｈｉｎ として 入手される薄い生理用ナプキン
１１．先行技術：ベネズエラのＪｏｈｎｓｏｎ ＆ Ｊｏｈｎｓｏｎ から Ｓｔａｙｆｒｅｅ Ａｌａｓ Ｎｏｒｍａｌ Ｍａｌｌａ Ｓｉｅｍｐｒｅ Ｓｅｃａ として入手される厚い生理用ナプキン
１２．先行技術：ドイツにおいてＫｉｎｂｅｒｌｙ−Ｃｌａｒｋ ＧｍｂＨ からＫｏｔｅｘ Ｃａｍｅｌｉａ として入手される薄い生理用ナプキン
１３．韓国において、Ｅｌｌｅａｉｒ からＥｌｉｓ として入手される薄い生理用ナプキン。
１４．本発明：米国特許第５，７９５，９２１号に記載のコアを有する前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による永久的親水性トップシート
１５．本発明：米国特許第５，７９５，９２１号に記載のコアを有する前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による形成されたフィルム ポリエチレン トップシート
１６．先行技術：ドイツ、ペンヌのＣｏｒｏｖｉｎ ＧｍｂＨ からＣｏｒｏｌｉｎｄ として市販され、米国特許第５，６２８，０９７号によって２０グラム／平方メートルの坪量を有するようにアパチュア加工された疎水性不織布トップシート
１７．先行技術：ドイツ、ペンヌのＣｏｒｏｖｉｎ ＧｍｂＨ からＣｏｒｏｌｉｎｄ として市販され、米国特許第５，６２８，０９７号によって２０グラム／平方メートルの坪量を有するようにアパチュア加工された界面活性剤処理疎水性不織布トップシート
【００９０】
実施例 ２
この実施例はそれぞれ本発明によるトップシートと先行技術によるトップシートの柔らかさ関連特性を比較する。
【００９１】
【表２】
【００９２】
サンプルの説明
サンプル Ｎｏ．
１．米国特許第６，０２５，０４９号に記載のトップシート
２．米国特許第４，３４２，３１４号に記載のトップシート
３．特願第０９／２１７，７３６号に記載のトップシート
４．日本、Ｋａｏ Ｍｆｇ．Ｃｏ．からＬｓｕｒｉｅｒ Ｓｏｆｔｍｅｓｈ Ｕｌｔｒａ として入手される薄い生理用ナプキン上のトップシートとして使用される不織布
５．日本においてＵｎｉＣｈａｒｍ からＳｏｆｙ Ｓａｒａ として入手される薄い生理用ナプキン上にトップシートとして使用される形成フィルム
６．ＮＪ．スキルマンのＰｅｒｓｏｎａｌ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｃｏ． からＳｔａｙｆｒｅｅ Ｕｌｔｒａ Ｔｈｉｎ として入手される薄い生理用ナプキンの上にトップシートとして使用される不織布
【００９３】
サンプルの説明
サンプルＮｏ．
７．ベネズエラのＪｏｈｎｓｏｎ ＆ Ｊｏｈｎｓｏｎ から Ｓｔａｙｆｒｅｅ Ａｌａｓ Ｎｏｒｍａｌ Ｍａｌｌａ Ｓｉｅｍｐｒｅ Ｓｅｃａ として入手される厚い生理用ナプキンの上のトップシートとして使用される形成フィルム
８．ドイツにおいてＫｉｎｂｅｒｌｙ−Ｃｌａｒｋ ＧｍｂＨ からＫｏｔｅｘ Ｃａｍｅｌｉａ として入手される薄い生理用ナプキン上のトップシートとして使用される不織布
９．日本においてＥｌｌｅａｉｒ からＥｌｉｓ として入手される薄い生理用ナプキン上のトップシートとして使用される不織布
１０．前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による形成されたフィルム ポリエチレン トップシート
１１．米国特許第４，６２９，６４３号に記載の形成フィルムトップシート
１２．先行技術：ドイツ、ペンヌのＣｏｒｏｖｉｎ ＧｍｂＨ からＣｏｒｏｌｉｎｄ として市販され、米国特許第５，６２８，０９７号によって２０グラム／平方メートルの坪量を有するようにアパチュア加工された疎水性不織布トップシート
１３．前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による永久的親水性トップシート
１４．前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による永久的テキスチャー化親水性トップシート
【００９４】
分析法
滴収得時間
１）約１８×１８ｃｍのトップシートサンプルを平坦面上の１層のＢＯＵＮＴＹタオル（ＯＨ、シンシナティー プロクター ＆ ギャンブル・カンパニーから入手される）の上に配置する。前記トップシートサンプルの上に、２．５ｃｍ離間して各列３穴の３列に配置された１８の１．９ｃｍ（３／４”）穴を有する１５ｃｍ長×２０ｃｍ幅×１ｃｍ厚さの透明なＬｅｘａｎ（登録商標）プレートを配置する。このサンプルに上に前記プレートによって加えられる圧力は〜０．０２ｐｓｉ（０．１４ｋＰａ）であって、トップシートとＢｏｕｎｔｙ タオルとの間の密接な接触を保証する。
【００９５】
あるいは、製品全体を評価すべきならば、プレートは使用されない。その代わりに、１８の滴（段階２参照）が製品サンプルの上にパタンを成して滴下される。この際に、６滴が製品の縦方向中心線と横方向中心線との交点に隣接して配置され、３滴が縦方向中心線の各末端に隣接して加えられ、また３滴が横方向中心線の各末端に隣接して加えられる。
【００９６】
２）ピペット（１００マイクロリットル容量のＥｐｐｅｎｄｏｒｆ Ａｉｒ Ｄｉｓｐｌａｃｅｍｅｎｔ Ｐｉｐｅｔｔｅ が満足であることが発見された）から羊の血液の４５マイクロリットル滴をサンプルの表面上にプレート中の１つの穴の中に加える。ピペットの先端はトップシート表面の約３−５ｍｍ上方にあり、またこれらの滴はピペットからの滴下によって加えられる力が最小限となるように加えられなければならない。
【００９７】
３）滴がサンプルと接触するやいなや、収得のタイミングを開始する。
【００９８】
４）滴がサンプルの中に入る結果、サンプルの上側面が再び見え始めるやいなやタイミングを停止する。
【００９９】
５）収得時間が６０秒を越える場合、結果を６１秒として記録する。
【０１００】
６）サンプルあたり１８測定が成されるようにＬｅｘａｎプレートの残余の穴を通してさらに１７回、段階１−５を繰り返す。
【０１０１】
７）さらに２つのトップシートサンプルについて段階１−６を繰り返す。
【０１０２】
８）６０秒以内にサンプルの中に入り通過しなかった滴について６１秒を使用して、平均滴収得時間を計算する。
【０１０３】
液体裏抜け時間
このテスト法は、裏抜け時間、すなわちトップシート材料または吸収性製品の体側表面に加えられ下方の吸収体と接触させられた既知量の液体がそのサンプルを通過するのに必要な時間を測定するにある。本明細書において使用される方法は Ｅｕｒｏｐｅａｎ Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｎｏｎｗｏｖｅｎｓ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ （ベルギー、ブラッセル）に記載の標準方法Ｎｏ．１５０．３−９６と下記の点が相違する。
【０１０４】
【０１０５】
濡れ戻し
濡れ戻しテストは、吸収性構造からトップシートを通して出てトップシートの表面に濡れを生じる液体量を測定するためのテストである。本明細書において使用される方法は、 Ｅｕｒｏｐｅａｎ Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｎｏｎｗｏｖｅｎｓ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ （ベルギー、ブラッセル）に記載の標準方法Ｎｏ．１５１．１−９６であって下記の点が相違する。
【０１０６】
【０１０７】
パネル柔らかさ
概観
一連のテスト製品またトップシート材料の感触柔らかさを比較するため、訓練された格付け人パネルを使用する。
【０１０８】
格付け人
格付け人はすべて女性であって、感触柔らかさの小さな差異を区別する能力を得るように訓練されている。この訓練の一部として、各格付け人は、すべての評価において使用される「きき腕」（すなわち最も敏感な手）を識別する。これらの格付け人はスタディごとに注意され、時間に伴なうずれを最小限にするように必要な程度に再訓練される。
【０１０９】
装置
感触ボックス。
他の格付け人からの格付け人の分離、スリットを通してのサンプルアクセスを可能とするサンプルとパネリストとの間のバリヤなどのフィーチャ、およびその他の業界公知のフィーチャを有する感触評価用に設計された部屋が好ましいが、下記に説明する感触ボックスが柔らかさ評価のために適当であることが発見された。サンプル挿入のための開いた後方と、黒いカーテンで仕切られた正面開口（このカーテンはそれぞれ２１センチメートル幅の２部分から成り、格付け人が容易にアクセスするようにその中央において分離される）とを備えた３３ｃｍ×４３ｃｍ（正面）×２０ｃｍ（奥行き）の長方形ボックス。
【０１１０】
フェルト。
トップシートのみのサンプルが格付けされる時には基板として２３ｃｍ×１８ｃｍが使用される。適当な素材はＮＨ、ハンプトンのＫｕｍｉｎ Ｆｅｌｔから入手されるような ５４ Ｐｏｌｙｅｓｔｇｅｒ ｆｅｌｔ， Ｒａｉｎｂｏｗ Ｃｌａｓｓｉｃ， Ｒｏｙａｌ Ｂｌｕｅ である。
【０１１１】
方法
１）パネルモデレータが第１サンプルを感触ボックスの中に導入する。任意の１テスト期間中に、６までのテストサンプルが評価される。各シリーズにおいて、２つのコントロールサンプル、すなわちその一方は比較的高い柔らかさ読取値を有するサンプル（前記の米国特許第４，６２９，６４３〜３５号に記載のようにして作製されたハイドロフォームド フィルム、また他の一方は比較的低い柔らか読取値を有するサンプル（前記の米国特許第４，３４２，３１４〜５号によって作製されたフォームドフィルム）が使用される。サンプルは各格付け人に対してランダム順序で呈示される。トップシートのみのサンプルが評価される際に、サンプルはまずフェルトの表面に平滑に広げられた後に、格付け人に呈示される。各サンプルは一度だけ評価される。
【０１１２】
２）格付け人は柔らかさについて６０点スケールで各サンプルを格付けし、この場合、柔らかさ０点は全く柔らかでないことであり、６０点は非常に柔らか／フラッフィと識別する。サンプルの柔らかさ格付けを決定するため格付け人は彼女のきき腕の最初の３指の指先のみを使用する（これらの指はその指先のみがサンプルと接触するように弧状に曲げられる）。テスト間の一致性を保持するためコントロールサンプルのみが使用される。各サンプルの格付けはサンプルデータシート上の線形スケールの上に格付けをマークすることによって記録される。
【０１１３】
３）最小限第１２図格付け人について段階１と２を繰り返す。
【０１１４】
リポート
コントロールサンプルを含めてテストされた各サンプルの平均標準偏差をリポートする。統計学的に有意な差異を決定する公知の方法（例えば変数分析、Ｎｅｗｍａｎ−Ｋｅｕｌｓ Ｍｌｔｉｐｌｅ Ｒａｎｇｅ Ｔｅｓｔ など）を使用することができる。
【０１１５】
荷重下の厚さ
概観：
このテスト手順は材料の厚さを加えられた荷重の関数として特定するにある。この手順を用いて得られたデータを使用して、圧縮度と表面密度を加えられた荷重の関数として計算することができる。
【０１１６】
テスト範囲
このテスト手順は厚さ０．２−５ｍｍの範囲内の材料に適用される。この手順によってテストされるサンプルは平坦であって、有意曲率を有しないものでなければならない。材料の上側面と下側面は本質的に平行でなければならない。
【０１１７】
サンプリング
サンプルは、サンプルを圧縮するために使用される直径２５．４ｍｍのプラテンより大きくなるように切断される。３．８１ｃｍ×６．９９ｃｍの長方形切断ダイスが適当である。テストされる区域は平坦でなければならない。サンプルは個別の材料からまたは仕上がり製品から切り出されるが、テスト区域にはシワまたは曲げがあってはならず、サンプリング手順が材料のサイズを乱してはならない。例えば仕上がり製品のサンプリングに際して、サンプル材料は他の材料からきれいに分離されなければならない。少なくとも相異なる３サンプルを測定して平均結果をリポートしなければならない。
【０１１８】
装置：
一定伸張率（ＣＲＥ）テスターを使用する。適当なＣＲＥテスターはＭＡ、カントン、インストロン・コーポレーションから入手されるＩｎｓｔｒｏｎ Ｍｏｄｅｌ ５５６４ である。ＣＲＥテスターはクロスヘッド位置の０．０１ｍｍまでの正確な制御と測定とを実施できなければならない。ＣＲＥテスターは０．５ ｇｒａｍ ｆｏｒｃｅ （５ ｍｌＮ） までの荷重精度を測定することができるなければならない。ＣＲＥテスターは加えられた１Ｎ荷重において０．０２ｍｍ未満のコンプライアンスを有しなければならない。移動するクロスヘッドは、ロード・セルに対して取付けられた直径２５．４ｍｍ（５．０７平方センチメートル面積）の円形の平らなプラテンディスクを備えなければならない。直径が少なくとも１００ｍｍの円形の平らなプラテンが下方静止クランプ上に剛性的に取付けられなければならない。各面は０．０２ｍｍまたはこれ未満の公差をもって相互に平行でなければならない。
【０１１９】
手順：
１．トップシートのサンプルのグラム数は、正確に既知の１００平方センチメートルまたはこれ以上の面積を分析バランス上で最近０．００２ｇまで計量することによって決定されなければならない。
【０１２０】
２．プラテンを相互に平行に既知距離をもって離間し、平らなサンプルを下方プラテン上に載置する。１．００ｍｍの厚さのサンプルの場合、３．００ｍｍが推奨される出発離間距離である。各テストの開始に際してこれらのプラテンが相互に接触しないようにしてＣＲＥロードセルをゼロ位置に決定しなければならない。
【０１２１】
３．サンプルが圧縮されて５００グラムの荷重に達するまで、ＣＲＥテスターが上方プラテンをサンプルにむかって毎分２．５４ｍｍの速度で下降させ、走行ｍｍあたり少なくとも１００データ点を記録する。
【０１２２】
４．任意の与えられた荷重における材料の厚さを上方プラテンの位置によって決定する。厚さは、それぞれサンプルに対する１００Ｐａと１０００Ｐａとに対応する５グラム力と５０ｇ力の荷重において測定されなければならない。
【０１２３】
計算：
圧縮度は、５ｇと５０ｇの間の応力／歪み圧縮曲線のセカント傾斜を計算し、この傾斜を圧縮された面積によって割ることによって決定される。圧縮度の単位はグラム毎ｃｍ３である。この傾斜は荷重の変化量を厚さの変化によって割ることによって計算される。例えば材料が５ｇ荷重のもとに厚さ１．００ｍｍであって５０グラム荷重のもとに厚さ０．７０ｍｍまで圧縮されたとすれば、
【数１】
【数２】
【０１２４】
同様に、与えられた荷重における表面密度は、グラム数（材料グラム数枚平方センチメートル）を当該荷重下の厚さによって割ることによって計算される。
【０１２５】
例えば、０．００３２５グラム／平方センチメートルのグラム数を有しまた１００パスカルの印加圧において０．０６５の厚さを有する材料の表面密度は下記である。
【数３】
【０１２６】
平均吸収圧
このテストは、吸収または脱着される流体量が高さ０センチメートルにおいて吸収される量（自由吸収量）の半分に等しくなる高さを測定する。表題「Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｍｅｍｂｅｒｓ ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ ａ Ｈｉｇｈ Ｓｕｒｆａｃｅ Ａｒｅａ Ｍａｔｅｒｉａｌ ｆｏｒ Ａｂｓｏｒｂｉｎｇ Ｂｏｄｙ ｆｌｕｉｄｓ」の１９９９年３月１日発行のヤング等の米国特願第０９／１５８，８８９号に記載の「毛管吸収」法を下記のように変更して使用した
【０１２７】
１）所期吸引高さは２００センチメートルでなく、５０センチメートルとする。
２）テストは制御された温度と相対湿度でなく、周囲実験条件で実施される。
３）ガラスフリット２０２はジャケットを備えない。
４）タンク２０６とバランス２０７は格納されない。
５）シリンダ２６６とピストン２８８は３１℃で平衡化されない。
６）蒸発を最小限に成すためにアパチュアドフィルムでなく、閉鎖フィルムを使用する。
７）セットアップ高さは５０センチメートルとする。
８）蒸発ロスの修正は実施されない。
９）平均毛管吸収圧は、サンプルのアップテイクが０センチメートルの高さにおけるサンプルアップテイクの半分に等しくなる高さとして吸収等温線から測定される。
【０１２８】
この特願に記載されたすべての特許、特願（およびこの特願に基づくいずれの特許、並びに公表された任意の関連の外国特願）およびこの特願全体に記載された出版物をここに引例とする。しかしここにここに引例として含まれた文献が本発明を教示または開示するとは明白に認められない。また本明細書に記載の市販の材料または製品が本発明を教示または開示するとは明白に認められない。
【０１２９】
本発明は前記の説明のみに限定されるものでなく、その趣旨の範囲内において任意に変更実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明による吸収性コアとトップシートとを含む生理用ナプキンの形の吸収性製品の好ましい実施態様の平面図
【図２】
図１に図示の本発明の好ましい実施態様の２−２線にそった断面図
【図３】
図１に図示の本発明の好ましい実施態様の３−３線にそった断面図
【符号の説明】
２０ 生理用ナプキン
２０Ａ 生理用ナプキンの身体面
２１ トップシート
２２ 本体
２３ バックシート
２４ フラップ
２５ コア
３８ トップシート
４０ バックシート
４２ コア
４４ 収得部品
４６ 第２トップシート
４８ 第３トップシート
８２ ファスナー
８４ リリースライナー
これは、放棄された１９９４年６月３０日発行の部分継続特願第０８／２６８，４０４号である放棄された１９９４年１０月２０日発行の継続特願第０８／３２６，５７１号である放棄された１９９５年５月３１日発行の継続特願第０８／４４２．９３５号である１９９７年４月１１日発行のクレレット等の米国係属特願第０８／８３２，７１５号の部分継続である係属中の１９９９年４月８日発行のウオーカ等の米国特願第６０／１２８，２６７号の部分継続である。
【０００２】
発明の分野
本発明は皮膚触感および流体収得保持などの流体処理特性との改良組合わせを有する生理用ナプキン、パンティ・ライナー、オシメ、成人失禁パッドおよびブリーフなどの吸収性製品に関するものである。
【０００３】
発明の背景
生理用ナプキン、パンティ・ライナー、オシメ、成人失禁パッド、ブリーフおよびタンポンなどの吸収性製品は公知であって、尿、糞、および月経などの人体排泄物を吸収するために広く使用されている。代表的な使い捨て吸収性製品は液体不裏抜け性側面ライナーおよび内部の吸収性コアを含むことが多い。吸収性コアは側面ライナーと不透液性バックシートとの間に挟持され、このバックシートは衣類および皮膚を吸収された排泄物との接触から防護する。代表的には側面ライナーはアパチュアを備えた形成フィルムまたは不織トップシート層などのトップシートを含む。また側面ライナーは第１トップシート（これはしばしば分布層、サージ処理層、吸収層または類似の用語で呼ばれる）と流体連通したトップシートなどの多層構造を含む。
【０００４】
このような吸収性製品は、ユーザの流体処理必要性を満たすため、貯まった人体排泄物を吸収性製品の人体接触面から急速に除去し（収得）またこのような収得した流体を人体の表面から離して保持する（保持または濡れ戻し防止）必要がある。代表的には、吸収性製品の流体処理性能は収得の必要と流体保持の必要（濡れ戻し防止）とのバランスをとることを意味する。一般に、コアとトップシートの特性はこのバランスをとるために相互作用する。
【０００５】
吸収性製品の使用者はその他の必要を示し、これらの必要もまた最大限度に満足させなければならない。例えば吸収性製品の人体接触面はできるだけ皮膚に優しくなければならない。皮膚に対する優しさは、柔らかさ、圧縮性、皮膚の近くに流体を保持しないこと、流体を含有しないこと、熱い汗ばんだ感覚を生じるように皮膚を遮断しないことなどの特性を含む。月経用製品の使用者にとっては、またコアによって吸収された月経ができるだけ見えないように隠される（マスキング）ことが重要である。この型の特性は、ある程度コアの性能に依存するが、これより多くトップシートの性能に依存する。
【０００６】
前記の代表的な吸収性製品のコアは２つの基本的要件を持っている。すなわち貯まった流体をトップシートから落としこれらの流体を吸収性コアの中に貯蔵のために引き込むことと、コアまたは製品全体に対して加えられる圧力の結果として、先に吸収された流体の放出（すなわちコアの「絞り出し」と、これに伴う人体表面の濡れ戻し）に抵抗することである。その他の考慮、例えば吸収性コアの全体容積、その厚さおよびその剛性もまた優れた吸収性製品の設計に取って重要である。
【０００７】
コア成分として使用するに適した各種の繊維質ウエブ構造が業界公知であって、その多くが高い毛管圧とその他の望ましい特性を生じるために試みられた。例えば、いずれもベルナルディンに発行された米国特許第５，００９，６５０号および第４，６９９，６１９号がある。ベルナルディン装置は主として広葉樹繊維からなる層を覆った針葉樹パルプ繊維層を含んでいる。しかしベルナルディンの装置は本発明によって示されるような高い毛管圧と流体保持特性を達成できない。さらにベルナルディン装置は層全体に超吸収性粒子を含有させることができない。また保持特性の改良のための２成分繊維の使用も記載されていない。
【０００８】
吸収性製品のトップシートは好ましくは溜まった液体をその表面を通して急速に浸透させなければならない（すなわちトップシートは高い液体裏抜け性を有しなければならない）。さらに流体がトップシートを裏抜けした後、これらの流体が再びライナー表面に逆流してはならない（すなわちトップシートは濡れ戻しを防止しなければならない）。また好ましいトップシートは柔らかで、快適で、できるだけ使用者の皮膚を刺激しないものでなければならない。
【０００９】
当業界ではこのような必要に答えるようにトップシートの特性を改良することを絶えず試みてきた。その１例としての先行技術の１つのアプローチは、形成されたアパチュアを有する熱可塑性フィルムのウエブからなるトップシートを使用するにあった。１９８２年８月３日発行のレイデル等の米国特許第４，３４２，３１４号は、この特許の開示を引例とするが、この種の代表的な成形フィルムを開示している。このようなウエブは、流体を一方の面（着用者接触面）からトップシート素材の中に形成された三次元毛管を通してウエブの中にまたウエブを通して流体を導入しつぎに下方の吸収性構造の中に導入するために毛管流体輸送を利用する。プラスチック様の外観および触感に関する使用者の関心に答えるため、さらに顕微鏡的表面組織（ミクロ組織）および／または顕微鏡的アパチュア（ミクロアパチュア）を含んで、さらにこのようなウエブの視覚感覚と触感とを増進した熱可塑性フィルムウエブが開発された。このような改良の代表的フィルムウエブは１９８４年７月３１日発行のアール等の米国特許第４，４６３，０４５号および１９８６年１２月１６日発行のカロ等の米国特許第４，６２９，６４３号に記載され、これらの開示をここに引例とする。このような形成フィルムトップシートは広く商業的成功を収めたが、多くの使用者はこれをプラスチック様で実際に柔らかではないと受け止めている。
【００１０】
前記以外の先行技術のアプローチはトップシート材料として不織材料ウエブを使用するにある。例えば、前記の成形フィルムトップシート材料と比較して望ましい触感利点を有すると言われている不織材料が１９９５年５月９日発行のカオー・コーポレーションの公開日本特願第７−１１９０１２号に記載されている。
【００１１】
このような不織トップシートの繊維の性質はある程度望ましい触感を与えてはいるが、不織材料は濡れ戻しを防止する点で欠陥のかることが広く知られている。
【００１２】
フィルム材料と不織材料のこれらの利点を結びつける１つのアプローチは、形成フィルム上にオーバレイまたはラミネートとして繊維材料を使用するにあった。この種の代表的なトップシートは、形成フィルム材料のオーバレイとしての不織材料を記載した１９９７年７月１日発行のアジズ等の法令発明登録（ＳＩＲ）第Ｈ１６７０号、および形成フィルムからなる中央区域と形成フィルム上に不織材料が重ねられた側面区域とを有する構造を記載した１９９６年１１月８日にスガハラ名義で発行され１９９３年５月２７日に公開さた米国特願第０８／７４４，８９２号に開示され、その開示をここに引例とする。この種類のウエブは形成フィルムを通しての輸送のほか、繊維間スペースからなる三次元毛管を通しての毛管流体輸送特性と、流体を着用者の接触面から下方の吸収構造に向かって案内する特性とを示す。このようなウエブは、その表面の繊維質の故に、美しい布様表面外観と布様の触感とを示すことができる。しかし公知のようにこのようなウエブは積層ウエブを形成するために追加的材料を使用しまたその製造のために追加的処理段階を必要とするが故に、単一材料を含むトップシートよりも製造コストが高い。さらにこのようなウエブは、流体が不織部分の小さい内部繊維毛管の中に「ひっかかって人体の接触面の近くに留まるるが故に、なおも流体処理上の問題がある。
【００１３】
また業界においては、アパチュア付き（非形成）フィルムを下層の腐蝕層に対して接着して、谷によって相互に分離された一連の隆起ピークを成す事により、前記の三次元毛管による流体操作利点を生じると共に、このように形成されたフィルムのプラスチック感触を低減させる方法が試みられた。このような構造は１９９６年７月１６日発行のゼラゾスキー等の米国特許第５，５３６，５５５号および１９９７年１月２３日発行のキンパリー−クラーク・コーポレーション等のＰＣＴ特願ＷＯ ９７／０２１３３号に記載されている。このような構造はトップシート材料と着用者の身体との間の接触面積を低減させるが、なおもフィルム材料が着用者と接触してプラスチック様触感を生じる。またこのような材料は前記のような積層材料のコスト上の問題点を有する。
【００１４】
１９９７年７月１日にジャクソンなどに発行された米国特許第５，６４３，２４０号は不織ウエブの上にアパチュアフィルム層を重ね合わせた多層構造を有する吸収性製品の身体側ライナー（トップシート）を記載し、この構造においては、フィルム層と不織ウエブは、これらの層が一緒に使用された場合に、このような身体側層を有する吸収性製品は優れた裏抜け率と優れた濡れ戻し性とを有すると言われている。しかし、この請求された吸収性製品の請求された浸透率および濡れ戻し値は前記の各引例に記載された成形フィルムトップシートを有する先行技術の吸収性製品の値と比較すれば、これらの先行技術の製品と請求された製品の性能は極めて類似している。またこの米国特許第’２４０特許の身体接触面は形成フィルムであるから、前記の成形フィルムの触感の欠点がなおも存在するであろう。
【００１５】
従って、優れた流体処理特性と優れた触感特性とを結びつけた改良型吸収性製品の必要性が相変わらず存在する。前述のように、トップシートと吸収性コアの望ましい特性がこれに関連している。例えば、高い毛管圧能力を有するコアはまた同時にトップシートから流体を排出する傾向が強く。従ってトップシートの濡れ戻し防止を支援する。従って吸収性製品全体の設計は複数の設計上の考慮のある程度の妥協を必要とする。例えば、高い毛管圧を有する吸収性コアと、触感と流体処理性能とのバランスをとるトップシートとを前述のように結合することができる。言い替えれば、本発明のコアと本発明のトップシートとを使用する事により、優れた感触と流体処理特性との両方を有する吸収性製品が考えられる。
【００１６】
発明の概要
本発明は感触と流体収得および保持などの流体処理特性との改良された組合わせを有する生理用ナプキン、パンティライナー、オシメ、成人用パッドおよびブリーフなどの吸収性製品に関するものである。このような改良された性質は改良型コアと改良型トップシートとを組合わせることによって達成される。本発明の特に好ましい実施態様は、約３５秒未満の滴収得時間と、約５５秒未満の裏抜け時間と、３０ミリグラム未満の濡れ戻しと、３０乃至６０ＰＳＵの範囲内のパネル柔らかさスコアとを有する。これらの特性は改良された吸収性コア構造を改良された感触および流体処理性と結合することによって得られる。
【００１７】
本発明の好ましい実施態様において、改良型コアは多数の広葉樹パルプ繊維と、多数の針葉樹パルプ繊維と、超吸収性粒子とを含有する。両方の繊維型と超吸収性粒子はエアレイドウエブ構造全体に実質的に均一な混合物として存在する。広葉樹パルプ繊維は好ましくはユーカリ繊維であって、この繊維は好ましくはウエブ重量の約１０％乃至約５０％存在する。針葉樹パルプ繊維は好ましくはサザン針葉樹クラフト繊維であって、これは好ましくはウエブ重量の約２０％乃至約６０％配合される。あるいはまた、パルプ繊維は２成分熱可塑性繊維とすることができる。
【００１８】
本発明による好ましいトップシートはすぐれた流体処理特性と共に改良された感触を有する。トップシートは流体透過性であるが濡れ戻しに対するバリヤを成す。また本発明によるトップシートは好ましくはトップシート材料の下層面から上方に突出した多数のフィブリルを有し、フィブリルの突出する箇所では柔らなビロード様表面を生じる。
【００１９】
発明の詳細な説明
吸収性製品
本発明は触感と流体処理特性との優れた組み合わせを有する吸収性製品に関するものである。本明細書に記載のような生理用ナプキン、オシメ、成人用失禁パッドおよびブリーフ、パンティライナーなどの吸収性製品は一般に３つの基本的構造部品を有する。このような部品の１つは実質的に液状の不裏抜け性バックシートである。このバックシートの上に、本明細書に記載の構造のような吸収性コアが配置される。このバックシートに接合された吸収性コアの上に、吸収性製品の少なくとも外周にそって、透液性トップシートが配置される。オプションとして少なくとも１つの収得部品（場合によって流体分布層と呼ばれる）がこれらのトップシートと吸収性コアとの間に配置される。
【００２０】
本発明は、流体処理特性と触感特性との前述のような優れた組み合わせを有する吸収性製品を生じるためにトップシートと吸収性コアとの新規な組合わせを使用するものである。先行技術の吸収性製品は１つの製品の中にこれらの特性のいずれか１つを与えることができたが、その両方を与えることができなかった。さらに詳しくは、優れた柔らかさと結びついた急速流体収得（低い裏抜け時間と高い滴収得時間）および低い濡れ戻し性（低いぬれ戻し量）とを有する。下記の実施例１は、本発明の二、三の実施態様の流体処理特性と柔らかさを先行技術の吸収性製品と比較している。これらの例は本発明の吸収性製品の優れた性能を明らかに示している。
【００２１】
前述のように、本発明の製品は一般にその上に堆積した体液の急速な収得を生じる。流体の収得は各種のテスト流体を使用して種々の方法で評価することができるが、下記の「分析法」章に記載された滴収得時間と液体裏抜け時間測定法は体液を急速に収得する吸収性製品の能力に関する有効な情報を与えるものと考えられる。いずれの方法も、サンプルとしての人体表面に急速に堆積された一定の流体量を１つのサンプルが収得するのに必要な時間を決定する。このようにして本発明による適当な吸収性製品は約３５秒未満、好ましくは約３０秒未満、さらに好ましくは約２５秒未満、さらに好ましくは約２０秒未満、最も好ましくは約１５秒未満の「滴収得時間」を有する。同様に、本発明による適当な吸収性製品は約６０秒未満、約５５秒未満、さらに約５０秒未満の「液体裏抜け時間」を有する。
【００２２】
また本発明よる吸収性製品は、この吸収性製品が着用者の運動によって力を受けた時にその内部から体表に向かって吸収された体液が移動することを防止して濡れ戻しを最小限に成す。下記の「分析法」に記載の「ぬれ戻しテスト」はこの濡れ戻しの実験手段である。このテストは、サンプルが流体の制御量を吸収し、つぎに制御された圧力を受けた後にこのサンプル面上に戻る吸収されたテスト流体の量を測定する方法てである。この方法によって評価された時に本発明による適当な吸収性製品は約４０ミリグラム未満、好ましくはさらに３０ミリグラム未満、さらに好ましくは２０ミリグラム未満の「濡れ戻し」を有する。
【００２３】
また本発明による吸収性製品は望ましい感触を有する。理論にこだわるつもりではないが、本発明の吸収性製品の触感の主たる原因は着用者の皮膚と吸収性製品の身体側面との相互作用にある。下記に詳細に説明するように、吸収性製品の身体側面は、トップシート材料の構造の上に突出した多数のフィブリルと圧縮性の低密度の身体接触面との故にビロード状の組織を有すると考えられる。
【００２４】
本発明は幼児のオシメと成人用失禁製品を含めてあらゆる型の吸収性製品に適当であるが、特に好ましい実施態様としてこれを図１に示す月経用パッド、生理用ナプキン２０について説明する。この場合用語「生理用ナプキン」とは、女性の外陰部において泌尿生殖器の外部に隣接して着用され、着用者の身体からの月経流体およびその他の膣排泄物（例えば血液、月経および尿）を吸収して収容するためのものである。部分的に着用者の前庭の内部および部分的に外部に配置される陰唇間装置もまた本発明の主旨の範囲内にある。本明細書において用語「外陰部」とは女性の外部から見える生殖器を言う。しかし、本発明はその他の婦人用の衛生用または月経用パッド、例えばパンティライナー、またはその他の吸収性製品、例えば失禁パッド、タンポンおよび類似物にも適用される。
【００２５】
図１は生理用ナプキンの構造をより明瞭に示すために構造の一部を切断された本発明よる生理用ナプキン２０の平坦な状態の平面図である。着用者２０Ａと接触する生理用ナプキン２０の表面が図面の観察者の方に向けられている。図１に図示のように、この生理用ナプキン２０は好ましくは透液性トップシート２１と、不透液性バックシート２３と、コア２５とを含み、コア２５はトップシート２１とバックシート２３との中間に配置される。図１に図示の生理用ナプキン２０は着用者の下着の上に配置される前の生理用ナプキンを示す簡単な吸収性製品である。しかし、本発明は図１に示すの生理用ナプキンの特定の型または構造に限定されないことを了解されたい。
【００２６】
図１の生理用ナプキン２０は２つの面すなわち身体接触面または「身体面」２０Ａと衣類面とを有する。生理用ナプキン２０は図１において身体面から見たように図示されている。生理用ナプキン２０が着用された時に、身体面は着用者の身体に隣接して着用されるが、衣類面はその反対側に配置されて着用者の下着に隣接するように配置される。
【００２７】
生理用ナプキン２０は２つの中心線、すなわち縦方向中心線「Ｌ」と横方向中心線「Ｔ」とを有する。本明細書において「縦方向」は、生理用ナプキン２０が着用された時に直立した着用者を右半分と左半分に２分する垂直面と全体的に整列され（例えば近似的に平行な）生理用ナプキン２０の面の線、軸線または方向を言う。また本明細書において使用される用語「横断」または「横方向」は相互に交換される用語であって、全体として前記縦方向に対して垂直な生理用ナプキン２０の面の中にある線、軸線または方向を言う。
【００２８】
また図１に示す生理用ナプキン２０は外周部３０を有し、この外周部は生理用ナプキン２０の外側縁によって画成され、その縦方向縁（または横縁）は２６で示され、末端縁（または「末端」は）２８で図示されている。図１に示す実施態様において、生理用ナプキン２０は好ましくはその縦方向中心線と横方向中心線に対して対称的であるが、一方の中心線に対して対称的な構造も本発明の主旨の範囲内にある。生理用ナプキン２０は好ましくは側面フラップまたは「ウィング」３４を有し、これらのウィングは着用者のパンティの股部分にそって折り畳まれる。ウィング３４は種々の目的に役立つが、例えば着用者のパンティを汚れから防護しまた生理用ナプキンを着用者のパンティに対して固着するのに役立つ。トップシート、バックシートおよび吸収性コアは公知の種々の構造に組立られるが（いわゆる「チューブ型」製品または側面フラップ製品）、好ましい生理用ナプキン構造は全体として１９９０年８月２１日発行のオズボーン等の米国特許第４，９５０，２６４号、１９８４年１月１０日発行のデマレース等の米国特許第４，４２５，１３０号、１９８２年３月３０日発行のアール等の米国特許第４，３２１，９２４号、１９８７年８月１８日発行のファン・チルバーグ等の米国特許第４，５８９，８７６号に記載されている。
【００２９】
図１に図示の生理用ナプキン２０の好ましい実施態様においては、トップシート２１とバックシート２３は吸収性コア２５よりも大きな縦方向サイズと幅方向サイズとを有する。トップシート２１とバックシート２３は吸収性コア２５の縁部を越えて延在して生理用ナプキンの外周部のみならずサイドフラップを形成する。図１に図示のように、バックシート２３とトップシート２１は生理用ナプキン２０の衣類面と身体面と隣接配置され、好ましくは相互に接合されて外周部３０を成す。例えば、バックシート２３とトップシート２１は相互に、均一な連続的な接着剤そう、接着剤のパタン層、または接着剤の別々の線、螺旋、または点の列によって相互に固着される。満足されると発見された接着剤はＭＮ，セントポールのＨ．Ｂ．フラー・カンパニーによって商品名ＨＬ−１２５８またはＨ−２０３１で市販されている。あるいはまたトップシート２１とバックシート２３は加熱接合、加圧接合、超音波接合、動的機械的接合、またはその他トップシートとバックシートを接合するための業界公知の適当な方法によって相互に接合することができる。
【００３０】
図１−図３は本発明の生理用ナプキン２０の本体部分２２のそれぞれの部品を示す。この本体部分２２は少なくとも３つの主要部品を含む。これらの主要部品は透液性トップシート３８、不透液性バックシート４０、およびトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コア４２である。好ましくは、生理用ナプキン２０の本体部分２２は少なくとも１つのオプションとしての収得部品４４を含む。この収得部品４４はトップシート３８と吸収性コア４２との間に配置された別個の部品とし、またはトップシート３８の一部または吸収性コア４２の一部とすることができる。
【００３１】
トップシート
トップシート３８は、液体（例えば月経および／または尿）を厚さ全体にそって容易に裏抜けさせることのできる透液性部品である。トップシート３８は好ましくは可撓性であって、着用者の皮膚に対して柔らかな感触を与え非刺激的なものである。前述のように。本発明による好ましいトップシートは優れた感触と優れた流体特性とを有する。
【００３２】
本発明の好ましい実施態様において、トップシートの身体面の少なくとも一部は液体がトップシートを通して容易に転送されるように親水性とする。これは、体液が吸収性コア４２の中に流入して吸収されるのでなく、トップシートから離れて流れる傾向を低下させる。トップシート３８の身体面はこれを界面活性剤によって処理する事によって親水性に成される。界面活性剤によってトップシートを処理する適当な方法はオズボーン等の米国特許第４，９５０，２５４号および１９９６年５月２８日発行のウヌーク等の米国特許第５，５２０，８７５号に記載されている。さらに詳しくは、特に好ましい界面活性剤は１９９９年４月８日発行のストーン等の同時係属、同一譲渡米国特願第０９／２８７，９８６号に記載されている。
【００３３】
本発明よる好ましいトップシート３８は、生理用ナプキン２０の身体面２０Ａに堆積した体液がトップシート３８を急速に通過して吸収性コア４２によって吸収されるようにする手段を備える事によって、その触感と流体処理特性との好ましいバランスを発生する。またこのような好ましいトップシートは、生理用ナプキン２０が着用者の運動によって力を加えられた時に期しされた液体が反対方向に移動することを抑止するバリアを成して、濡れ戻しを最小限に成す。またトップシートは、その下部構造の上方に突出するフィブリルを備え、これらのフィブリルが実質的に均等な柔らかで絹様の触感を与える事によって望ましい触感特性を有する。
【００３４】
適当なトップシートは広範な材料から製造することができる。例えば不織布材料、アパチュア処理しれた形成熱可塑性フィルム、アパチュアを備えたプラスチックフィルムおよびハイドロフォーム処理された熱可塑性プラスチックフィルムなどのポリマー材料、多孔性フォーム、網状フォーム、網状熱可塑性フィルムおよび熱可塑性スクリムなどから製造される。適当な織布材料および不織布材料は、合成繊維（例えばポリエステル、ポリプロピレンまたはポリエチレン繊維などのポリマー繊維）からなることができる。適当なトップシートは形成熱可塑性フィルム層と繊維層とからなり、または後で消せされる２層の熱可塑性フィルム層からなる複合構造とすることができる。
【００３５】
前述のように、このような好ましいトップシート３８は透液性であって、コア４２によって吸収されるために堆積された体液を急速に裏抜けさせる。このような急速裏抜けを達成する１つの手段は、トップシートを通る複数のアパチュアを備えるにある。このようなアパチュアを有するトップシートは、低エネルギー表面材料を表面上に顕微鏡的に相互離間して堆積された形成フィルムを開示する前記の米国特願第０８／８３２，７１５号、およびアパチュアド不織布と形成アパチュアド熱可塑性フィルムとのラミネートを記載する１９９８年１２月２１日発行のカロ等の米国特願第０９／２１７，７３６号において詳細に記載されている。好ましくは、身体接触面は複数の顕微鏡的、不連続、離間区域を備え、これらの区域は低表面エネルギー材料を堆積させて構成される。このような堆積の表面エネルギーは下層のポリマー層の表面エネルギーより低く、このこれらの堆積と下層との間に表面エネルギーグラジエントを生じる。このような表面エネルギーグラジエントはトップシートの身体接触面と接触する流体に対して力を加えてこれらの流体を身体接触面からそらせ、トップシートを通過させてコア４２によって吸収させる。このような表面堆積は２０００年２月１５日発行のケレット等の米国特許第６，０２５，０４９号に詳細に記載されている。
【００３６】
トップシート３８は急速な裏抜け（すなわち生理用ナプキン２０の本体面２０Ａからコア４２までの流体の急速移動）を有するが、また本発明の工程においては、適当なトップシート３８がこのような収得された流体の濡れ戻しを抑止することが重要である。公知のように、着用者の運動が吸収性製品に対して力を加え、これらの力がコアから吸収性製品の身体面に向かっての流体運動を生じ、これによって流体が身体の表面を濡れ戻しさせる。濡れ戻しは、身体表面に向かうこのような逆流に対するバリアをなす事によって抑止することができる。このようなバリアは多くの形をとることができる。前述の米国特許第３，３４２，３１４号に記載の構造は逆流を部分的に抑止するために毛管サイズを使用する。さらに、前記の形成フィルムウエブは身体の運動によって生じる剪断力に対してある程度抵抗性であって、身体の表面と吸収性コアの上面との間にある程度の分離を生じる。逆流を抑止する他の手段は逆流に対する化学的バリアを形成するにある。前記の米国特許第６，０２５，０４９号およびぜの米国特願第０８／８３２，７１５号に記載の表面エネルギーグラジエントは、このような濡れ戻しに対する表面の化学的バリヤを成すものと考えられる。
【００３７】
本発明のトップシートは前記の流体処理特性のほかに、望ましい触感を有する。前述のように、このような望ましい触感は、トップシートの表面の上方に突出した多数のフィブリルが存在してこのような望ましい触感を生じるものと考えられる。このようなフィブリルは着用者の身体と接触する柔らかなビロード状の表面をなし、トップシートの感触を改良する。トップシート３８の構造に依存してこのようなフィブリルは前記の米国特許第６，０２５，４９４号に記載のミクロ構造をなすことができ、または構造全体から上方に突出した不織布材料の繊維部分とすることができる。
【００３８】
柔らかさは触感評価によって容易に識別される。例１と例２において明瞭に見られるように、下記の「分析法」に記載のような「パネル柔らかさ法」を用いて評価される場合、パネラーは本発明のトップシート３８を非常に正確に格付けする。適当には、本発明によるトップシート３８を使用する吸収性製品は約３０パネルスコア単位（ＰＳＵ）から約６０ＰＳＵまでの柔らかさ格付けを有する。好ましくは、約３５ＰＳＵ乃至約６０ＰＳＵの範囲内の柔らかさ格付けが好ましい。さらに好ましくは約４０ＰＳＵ乃至約６０ＰＳＵの範囲内の柔らかさが好ましい。
【００３９】
フィブリルはトップシート材料の面から上方に突出するので生理用ナプキン２０の身体面２０Ａに対して圧縮性を与える。このような圧縮性はフィブリルのサイズとその機械的特性との両方に依存することは明らかであろう。下記の「分析法」に記載の「荷重下の厚さテスト」はこれらの両方の原因を評価してこの触感アスペクトに関する全体的解答を与えている。このテストに見られるように、この方法はサンプルを圧縮するのに必要な力をフィブリルの近似的長さによって測定する。従って、低圧縮値を有するサンプルはその「楽な」感触の故に特に好ましい。実施例２に示す圧縮度の例データは本発明によるトップシートを種々の先行技術のトップシートと比較している。適当には、本発明によるトップシートは約４００グラム／平方センチメートル未満の圧縮度を有する。好ましくは圧縮度は約３７５グラム／平方センチメートル未満、さらに好ましくは約３５０グラム／平方センチメートル未満とする。
【００４０】
この圧縮度は、トップシート材料の表面とフィブリルの遠位端との間にある体積によって画成されるトップシート区域によるものと考えられる。この区域はフィブリルから成る材料のみによって占有されているのであるから、この区域が低密度を有することは理解されよう。この表面密度の測定法は下記の「分析法」に記載の「荷重下の厚さテスト」に記載されている。この区域の圧縮度が低い理由は、この区域においては圧縮に抵抗する材料はフィブリルから成る材料のみだからである。圧縮が続けられてフィブリルを相互に近接させて下層のトップシート材料の密度に近づくと、圧縮力は当然に増大するに相違ない。約０．０３５グラム／立方センチメートル未満の表面密度を有する材料が望ましい柔らかさを有することが発見された。約０．０３グラム／立方センチメートル未満の「表面密度」が好ましい。
【００４１】
本発明によってトップシートに対してこのような望ましい表面感触を与えるフィブリルは種々の手段によって備えることができる。例えば、米国特許第４，２９，６４３号に記載のハイドロ・フォーミング法、前記の米国特願第０８／８３２，７１５号に記載の不織布材料から成る表面、１９９９年２月１１日にミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチャリング・カンパニー名義で公表されたＰＣＴ出願ＷＯ第９９／０６６２３号に記載されたようなテンプレートから軟化した材料をナッピングして分離する方法、１９９８年６月９日発行のアール等の同一譲渡米国特許第５，７６３．０４４号に記載のように体表面に熱間融成材料を印刷する方法、ブラッシング法、およびその他の業界公知の手段。
【００４２】
流体処理特性と感触特性の特に好ましい組合わせを有するトップシート３８は複数のマクロアパチュアと多数のマイクロアパチュアとを有する形成熱可塑性フィルム材料において、マイクロアパチュアとマクロアパチュアとの間のランド区域も、低表面エネルギー材料を堆積して成る複数の顕微鏡的不連続、離間区域を備える構造を含む。このような構造は、前記の米国特許第６，０２５，０４９号に記載のようにこれらの堆積と形成フィルムの下方ポリマー層との間に表面エネルギー・グラジエントを生じる構造、１９９７年４月１１日発行のケレット等の米国特願第０８／８３２，７１５号および１９９８年８月１１日発行のクリー等の米国特許第５，７９２，４０４号に記載のような低表面エネルギー材料の複数の堆積を有する不織布材料において、これらの堆積と不織布材料の下層のポリマー構造との間に表面エネルギーグラジエントを生じる構造である。
【００４３】
トップシートとして使用するに適した他の材料は、１９９７年５月１３日発行のベンソン等の米国特許第５，６２８，６９７号によるアパチュアを備えた不織布材料、１９９６年１２月５日発行のビアン等の米国特願第０８／７６１，９０５号および１９９９年６月２４日発行のリー等の米国特願第０９／３４４，１６１号に記載の永久的に親水性の形成フィルム材料、およびいずれも２０００年４月７日発行のリー等の（それぞれＰ＆ＧケースＮｏ．８０１１および８０１２の）米国特願第＿＿＿＿号に記載のテキスチャード、マイクロアパチュアポリマーフィルムウエブおよび米国特願第＿＿＿＿号に記載のこれらの三次元表面組織を有するアパチュアド・ポリマーウエブである。これらの各特許の開示をここに引例とする。
【００４４】
バックシート
バックシート４０は吸収性コア４２の中に吸収されて含まれた排泄物がパンツ、パジャマ、下着などの生理用ナプキン２０と接触する製品を濡らすことを防止する。バックシート４０は好ましくは体液の流れに対して抵抗性であって、またさらに好ましくは体液（例えば月経および／または尿）に対して不裏抜け性である。バックシート４０は好ましくは可撓性材料から製造される。本明細書において、「可撓性」とは、撓み性であって人体の全体的形状および輪郭に容易に合致する材料を言う。バックシート４０は織布材料または不織布材料、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性フィルムのポリマーフィルム、またはフィルムを被覆された不織布材料などの複合材料を含むことができる。好ましくはバックシート４０は約０．０１２ｍｍ（０．５ミル）乃至約０．０５１ｍｍ（２．０ミル）の範囲内の厚さを有するポリエチレンフィルムである。バックシートは、より布様外観を呈するため、エンボス仕上げおよび／またはマテ仕上げを有することができる。さらに、バックシート４０は排泄物がこのバックシート４０を通過することを防止すると同時に、吸収性コア４２からの水蒸気の脱出を可能とすることができる（すなわち呼吸性）。適当なバックシート材料は、オハイオ州、コネチカットのクロペイ．コーポレーションから製品ナンバー１８−１４０１として得られる。適当な呼吸性バックシート材料は、トンプソンなどの米国特許第３，９２９，１３５号などのアパチュアドフィルムのラミネートを裏返して、テーパもか面の小さな開口が吸収性コア４２に対向し、この吸収性コアがエクソンの米国特許第４，７７７，０７３号に記載のような微細孔フィルムに対して接着積層されたラミネート構造である。
【００４５】
吸収性コア
吸収性コア４２は体液（例えば月経および／または尿）を吸収して保持する事のできる任意の吸収性手段とすることができる。本発明の目的に適した吸収性コアはこのような液体に対する高い親和性を有する。この高い親和性の故に、吸収性コア４２は特にトップシート３８からこのような液体を吸引してこのように吸引された液体を保持するのに有効である。コア４２の適当な構造は、生理用ナプキン２０の身体面２０Ａの上に堆積したトップシート３８を通して効果的に吸引して貯蔵するための高いキャピラリー圧を有する。また適当なコア構造は、その高い脱着キャピラリー圧の故に、またコア構造が超吸収性材料からなり、得られた流体を浸透圧によって貯蔵することのできる超吸収性材料からなるが故に、流体をよく保持することができる。
【００４６】
前述のように、本発明のコア４２は、その高いキャピラリー吸収圧の故に、これより低いキャピラリー吸収圧を有するコアよりもはるかに完全にトップシート３８を乾燥させることができる。吸収圧を測定する方法は下記の「分析法」などの中に記載されている。コア４２は特に高い吸収圧を有するが故に、トップシート３８の上に堆積した流体を収得するのに極めて有効である。適当には、平均吸収圧は少なくとも約７ｃｍである。好ましくは平均吸収圧は少なくとも約１０ｃｍ、さらに好ましくは約１２ｃｍとする。代表的には平均吸収圧は約７ｃｍと約２５ｃｍの範囲内にある。さらに代表的には、平均吸収圧は約１０ｃｍと約２５ｃｍとの間にある。
【００４７】
吸収性コア４２は種々のサイズおよび形状（例えば長方形、楕円、砂時計型、ドッグボーン型、非対称型など）に製造することができる。また吸収性コア４２の形状および構造は種々とすることができ（例えば吸収性コアは相異なるキャリパー区域を有し、例えば中央において厚くなるような輪郭）とすることができ、またはあるいは複数の層または構造からなることができる。しかし吸収性コアの全吸収容量は設計量および生理用ナプキンの所望の用途と両立するものでなければならない。さらに、吸収性コアのサイズおよび容量は、失禁パッド、パンティライナー、通常の生理用ナプキンまたは１晩生理用ナプキンなど、種々の用途に対応するように変動されなければならない。
【００４８】
吸収性コア４２を製造するには、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプを含む混合物など、一般に生理用ナプキンその他の吸収性製品において使用される各種の液体吸収性材料が適当である。他の適当な吸収性材料の例は、コンフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に強化された変性または橋かけ結合セルローズ繊維、クリンプドポリエステル繊維などの合成繊維、ピート モス、ティシュラップおよびティシュラミネートを含むティシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料またはこれらの材料の任意の等価材料またはこれらの材料の組合せまたは混合物である。吸収性コアの形状および構造も変動され（例えば吸収性コアは相異なるキャリパー区域を備え、例えば中央部において厚くなるような輪郭を備え）、相異なる親水性グラジエント、超吸収性グラジエント、またはより低密度のまた低平均坪量の収得区域を有し、あるいは単一または複数の層または構造からなることができる。
【００４９】
本発明による特に好ましい吸収性コア４２はエアレイド繊維ウエブの中に広葉樹パルプ繊維および針葉樹パルプ繊維の組合わせを使用する。このように材料組合わせの中に広葉樹繊維を含ませる事により、このような繊維を含有しない吸収性コアと比較して毛管圧を増大しまた流体分布を改良することができる。またエアレイド組織を使用する事により、コア４２全体に超吸収性粒状材料を含有させ、先行技術のコアと比較して剛さ制御を改良することが可能となる。従って、本発明の吸収性コア４２はその高い毛管圧と、その超吸収性材料を使用することによるその高い容量と、剛さおよびその他の物理特性に対する高度の制御の故に前記のトップシート材料と共に使用するのに好適である。
【００５０】
本発明の特に好ましい吸収性コア４２は、広葉樹パルプ繊維と針葉樹パルプ繊維との実質的に均一な混合物からなるエアレイド繊維ウエブである。好ましくは、吸収性繊維ウエブはまたその全体にわたって分散された超吸収性粒子を含有する。さらに、繊維ウエブ層は、前記の均一な繊維混合物の中に成分結合材繊維としての合成繊維を含むことができる。
【００５１】
特記なき限り、下記に示す全て組成パーセントは考慮される重量パーセントとして示される。好ましくは、本発明の吸収性繊維ウエブ４０は、約４：１乃至約約１：２、さらに好ましくは約３：１乃至約１：１、最も好ましくは約２：１の範囲内の針葉樹パルプ繊維と広葉樹パルプ繊維の混合比を含む。特に好ましい広葉樹パルプ繊維はユーカリ繊維である。特に適当なユーカリ繊維は、ユーカリプツス・グランディス種の繊維を含む。広葉樹パルプ繊維特にユーカリ繊維は広い表面積を有し、従って高い毛管圧を有する吸収性ウエブを生じる。しかし、ウエブ中の広葉樹パルプ繊維が多すぎると、その全体的吸収容量を低下させる。さらに、過度の広葉樹パルプ繊維の存在はウエブの流体処理速度を許容不能のレベルまで低下させる。本発明の吸収性コア４２の中の広葉樹材料として使用されるその他の適当なパルプ材料はアカシア繊維、カシ繊維、モミジ繊維およびサクラ繊維を含む。
【００５２】
吸収性コア４２の中に、広葉樹パルプ繊維が多数の針葉樹パルプ繊維と共に配合される。針葉樹パルプ繊維は好ましくはこの組織の中に前述の比率で配合される。特に好ましい針葉樹パルプ繊維はサザン・針葉樹パルプ繊維である。適当なその他の針葉樹パルプ繊維はウエスタンおよびノザン針葉樹パルプ繊維を含む。
【００５３】
針葉樹パルプ繊維と広葉樹パルプ繊維との配合は、相異なるサイズの繊維を全体的に含むウエブを生じる。これは優れた繊維表面積分布を生じまた好ましい実施態様において高い全体的表面積を生じる。前述のように、広葉樹の使用は、毛管圧と、容量および／または流体処理速度との妥協を意味する。本発明の吸収性コア４２はエアレイドされているので、この種のコアは吸収性材料を容易に介在させることができる。このような超吸収性材料は吸収性コア４２の全体的容量を改良する事により、高い容量と高い毛管圧とを組合わせる利点がある。
【００５４】
本発明の好ましい吸収性コア４２はまた２成分結合材繊維および／または超吸収性粒子を含む。さらに好ましい実施態様においては、ウエブの中に２成分繊維と超吸収性粒子の両方が存在して、これらの成分がウエブの厚さ全体に実質的に均一な混合物をなして配合される。
【００５５】
２成分繊維の添加は、通気結合、加熱ロールによる結合、超音波結合およびその他結合材料が融解される方法などの加熱結合工程を可能とすることは明らかであろう。またこのような結合は層全体の確実な剛さ制御を可能とする。ウエブの剛さは、２成分繊維の量と、加熱結合工程の時間および温度パラメータを調整する事によって制御される。適当には、ウエブの約５％乃至約３０％の範囲を２成分繊維とする。特に好ましい実施態様においては、ウエブの約１５％乃至約２５％が２成分繊維である。好ましい繊維は、ポリプロピレンコアがポリエチレンシースによって包囲されたポリエチレン／ポリプロピレン繊維からなる。このような適当な５０％／５０％同心構造の２成分繊維はデンマーク、バルデのダナクロンから入手される。
【００５６】
またその他の結合材がウエブ構造の中に含まれることができる。ポリエチレン粉末状結合材および／またはラテックス結合材をウエブ構造の中に含有させることができる。ポリエチレンなどの粉末結合材の使用により、ウエブは前記の２成分結合材を含む繊維の場合と同様に加熱結合される構造となる。ラテックスまたは類似の結合材が使用される場合、このラテックスは結合材として作用しこの構造は「ラテックス結合」と記載することができる。
【００５７】
前記の説明は、特に好ましいコアの繊維部分の構成要素が相互作用して高い毛管圧を生じる態様を説明したのであるが、吸収性コア４２の他の構成要素もまたその機能に貢献することができる。さらに詳しくは、前記のように本発明の吸収性コア４２の中に超吸収性材料を使用する事が好ましい。代表的な超吸収性材料の例は、ルイジアナ．ガリービルのストックハウセン ルイジアナ有限会社から市販されているＳＡＢ ９６０である。本発明において使用される好ましい超吸収性粒子物質は、一般に使用される超吸収性材料と比較してゲル阻止力が低いが故に高い裏抜け率を有する。好ましい材料の例は、パラタインのケミカル・コーポレーションから入手されるＡＳＡＰ ２３００のような表面橋かけ結合されたポリアクリラートおよび１９９９年３月１日発行のヒルド等の同時係属同一譲渡米国特願第０９／２５８，８９０号に記載の混合ベッド材料を含む。ＡＧＭ粒子は好ましくは吸収性コア４２の約１０％乃至約５０％の範囲内で含有される。これより多量のこのような超吸収性材料は吸収性コア４２の全体的容量をを増大する。しかし過度の超吸収性材料は、ゲル阻止効果または類似の効果の故に吸収性コア４２の裏抜け率を低減させる。
【００５８】
本発明の吸収性繊維ウエブは業界公知の任意適当なエアレイ技術によって製造することができる。エアレイド技術の使用により、組織全体に粒状超吸収性材料を含有させることができ、また他のウエブ形成技術によって可能である以上にウエブの物性に対する確実な制御を実施することができる。
【００５９】
ウエブが２成分繊維を含む場合、このウエブは前記のように加熱結合エアレイド技術を結合して形成される事が好ましい。このような構造においては、粉末結合材またはラテックスなどの追加的結合材を使用することは必要でない。それでもこのような追加的材料は多結合エアレイドウエブを形成するために含有させることができる。さらにウエブはなんらかの２成分繊維を含む必要はなく、前記のように超吸収性粒子および針葉樹パルプ繊維と共にラテックスをしようしてラテックス結合エアレイド構造を形成することができる。エアレイド構造を形成する適当な方法は業界公知である。他の方法は、多数の広葉樹パルプ繊維および針葉樹パルプ繊維と共にポリエチレンなどの粉末結合材を使用して加熱結合されたエアレイドウエブを形成するにある。
【００６０】
米国特許第５，４４５，７７７号は、エアレイド繊維ウエブに対して粒状超吸収性材料および／または粉末結合材（前記のポリエチレン結合材）を添加する好ましい方法を記載している。このような技術は本発明の吸収性繊維ウエブ４０の構成に適している。
【００６１】
本発明のエアレイド構造は、使用される製品に適した任意の坪量および密度で形成することができる。適当には、坪量は約６０ｇ／平方メートルおよび約４００ｇ／平方メートルの範囲内とし、また密度は約０．０５ｇ／ｃｃと約０．２ｇ／ｃｃとの範囲内とすることができる。生理用ナプキンに使用される好ましい構造は約２０００ｇ／平方メートルの全坪量と、約０．１３Ｇ／４ｃｃの好ましい密度と、約１．５ｍｍのキャリパーとを有することができる。
【００６２】
これより厚い製品については、本発明の吸収性コア４２は広葉樹パルプ繊維と針葉樹パルプ繊維のフラフを含むことができ、この場合、キャリパーと坪量はこのような製品のユーザの必要に見合うように修正される。オプションとしてこの構造全体に均等に超吸収性材料を合体させることができる。
【００６３】
吸収性コア４２の他の好ましい材料は１９９８年８月１８日発行のダイヤー等の米国特許第５，７９５，９２１号に記載のような高内部相エマルジョンから形成されたポリマーフォーム（ＨＩＰＥフォーム）を含む。このようなフォーム材料は、前記の高い毛管吸収圧を生じる程度の適当な小セルサイズを有するが、月経などの血液を主成分とする流体中の不溶性成分を自由に運動させる程度の開度を有するように製造することができる。これらの吸収性フォームは、水相と輸相との堆積：重量比が約２０：１乃至約１２５：１の範囲内となるようにＨＩＰＥを重合する事によって形成される。
【００６４】
前記の吸収性材料のほか、吸収性コア４２は業界公知のその他の型の吸収性材料、例えばクレープド セルローズ ワッディング、コンフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に強化され、変性されまたは橋かけ結合されたセルローズ繊維、クリンプト ポリエステル繊維などの合成繊維、ピートモス、ティシュ ラップおよびティシュ ラミネートを含むティシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、または任意の同等の材料またはこれらの材料の組合わせまたは混合物を含むことができる。このような追加材料は収得部品４４について前述したような追加層の形をとり、または吸収性コア４２の他の好ましい構造とすることができる。
【００６５】
このような他の好ましい構造はなおも前述の吸収性コア４２についての流体処理要件を満たさなければならないが、これらの構造は本発明の吸収性製品の全体的に望ましい流体処理性能および感触を有する吸収性製品を形成しながらも前記以外の性能特性に見合うだけの追加的設計柔軟性を設計者に与えるものである。本発明の目的に適しているコア構造の例は、非結合ウインドを形成するようにトップシートに対してパタン結合された収得部品を含み、この収得部品が、セルローズ繊維、２成分繊維、超吸収性粒子およびラテックス結合材の混合物からなる多結合エアレイド不織布材料からなる吸収性コアの上に載置され、このような構造は１９９８年５月８日発行のダニエルス等の同一譲渡同時係属米国特願第０９／０７４，９０９号および１９９６年１２月２０日発行のリナード等の国際特願第ＰＣＴ／ＵＳ９６／２０８７３号（この特願は米国を指名する）に記載され、またカールド・嵩高繊維、高表面積繊維および１９９６年８月２７日発行のホーネイ等の米国特許第５，５４９，５８９号に記載のような熱可塑性結合繊維構造である。これらの各開示をここに引例とする。また吸収性コア４２は繊維材料とＨＩＰＥフォームとの混合物または組合わせから成り、ここにフォームはシート状または粒状とすることができる。
【００６６】
収得部品（または「収得層」または分布層」）４４が使用された場合、これはトップシート３８の下に配置される。本明細書に使用される用語「層」または「ウエブ」は非限定的に、単一の折り畳まれていないシート、折り畳まれた複数のシート、材料ストリップ、緩いまたは結合された繊維、材料の多層またはラミネート、またはこれらの材料の組合わせを含む。従ってこれら２つの用語は単一の折り畳まれていない層まはシートに限定されるものではない。収得層４４は、トップシート３８を通して生理用ナプキンが流体を引き込む能力を増大させるために、トップシート３８の下方に空所容積を成している。好ましい実施態様において、収得部品４４は生理用ナプキン２０が束状化抵抗を改良するように横方向圧縮力に対して弾性を示す事が好ましい。
【００６７】
収得層は排泄された体液を急速に集めて一時的に保持し、また最初の流体接触点から収得層および吸収性コアの他の部分への流体の移動を容易にするのに役立つ。排泄物の輸送の改良が重要であることの二、三の理由がある。すなわち吸収性コア全体を通しての排泄物の分布をより均一にして生理用ナプキン２０を比較的薄くさせるにある。この場合輸送とは、流体の１方向、２方向または全ての方向（ｘ−ｙ面および／またはｚ方向）の液体輸送を含むものとする。収得層は、ポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエチレンを含む合成繊維の不織ウエブまたは織成ウエブ、棉またはセルローズ、およびこれらの繊維の配合物を含む天然繊維、または任意同等の材料または材料組合わせを含む相異なる数種の材料からなることができる。収得層とトップシートとを有する生理用ナプキンの例は、オズボーンに発行された米国特許第４，９５０，２６４号、１９９１年１２月１７日にクリー名義で出願され１９９３年６月２４日にＰＣＴ出願第ＷＯ ９３／１１７，７２５号として公表された米国特願第０７／８１０，７７４号においてさらに詳細に記載され、これらの引例のそれぞれの開示をここに引例とする。好ましい実施態様において、収得層はトップシートに対して、ウエブを相互に接合する通常手段、最も好ましくは前記のクリー出願に記載のような溶融結合によって結合することができる。
【００６８】
収得部品４４は液体裏抜け性でなければならない。収得部品４４は好ましくはユーザの皮膚に対して形状合致性で、柔らかな感触を有しまた非刺激性である。収得部品４４８からだ対向面（または側面）と衣類対向面とを有する。収得部品４４任意のサイズおよび形状を有することができる。図１の実施態様において、収得部品４４は、生理用ナプキン２０の本体部分２２の上に重なるトップシート部分と同様に、レーストラック状を成し、側面縁において少し凹形を成す。しかし収得部品４４のサイズは好ましくはトップシート３８と同程度に大きくない。
【００６９】
収得部品４４はトップシート３８を融着させることができ
前記の目的に適した任意材料で形成することができる。収得部品４４は例えば織布材料または不織布材料からなることができる。これらの材料の繊維またはその他の部品は合成繊維とし、または部分的に合成で部分的に天然繊維とすることができる。適当な合成繊維はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、粘性ナイロン、または酢酸セルローズ繊維を含む。適当な天然繊維は棉、セルローズまたはその他の天然繊維を含む。また収得部品４４は少なくとも部分的に橋かけされたセルローズ繊維とすることができる。収得部品４４は非織成であれば種々の工程によって製造することができる。これらの工程は非限定的に、エアレイド法、ウェットレイド法、メルトブローン法、スパンボンデッド法、カージング法、加熱結合法、エアスルー結合法、粉末結合法、ラテックス結合法、溶媒結合法、スパンレース法およびこれらの方法の組合わせを含む。
【００７０】
収得部品４４は、前述のブック層に関する前記の米国特許第５，５４９，５８９号に記載のようにして構成することができる。収得部品４４の他の好ましい構造は２枚の不織布材料のラミネートである。このラミネートの最上層（または「第２トップシート」）４６は好ましくはＷＡ、ワシュウガルのＦｉｂｅｒｗｅｂ， Ｎｏｒｔｈ Ａｍｅｒｉｃａ から入手されるＮｏ．０６５ＭＬＰＶ６０Ｕ（または”Ｐ−９”）と呼ばれる１９ｇ／ｙｄ２（２２．５ｇ／平方メートル）スパンボンディング ポリプロピレン不織布材料を含む。ラミネートの下層（または第３トップシート」）４８は好ましくは粉末結合またはラテックス結合を使用して加熱結合された多ボンディング エアレイド不織材料とする。好ましい実施態様において、多結合されたエアレイド不織材料は約７７％のセルローズ繊維と、約２０％の粉末結合材と、約３％のラテックス結合材（ウエブの両側に１．５％噴霧）とを含み、また約５０ｇ／ｙｄ２（約６０ｇ／平方メートル）の坪量を有する（特記なきかぎりすべての％は重量％である）これらの多ボンディングされたエアレイド不織布は好ましくは、約７７％のセル繊維と、約２０％の粉末結合剤と、約３％のラテックス結合剤（ウエブの各側面に１．５％づつ噴霧）を含有し、５０ｇ／ｙｄ２ （約６０グラム／平方メートル）の坪量を有する（特記なき限りこれらのすべてのパーセントは重量パーセント）。このような多結合エアレイド不織布は好ましくはカナダ、ブリティッシュ・コロンビア、デルタのＭｅｒｆｉｎ Ｈｙｇｉｅｎｉｃ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ，Ｌｔｄ から製品Ｎｏ．９０８３０Ｘ３１２として得られる。これら２つの不織布層は多ボンディング エアレイド材料をスパンボンディングポリプロピレン不織布材料の上に堆積させる事によって相互に積層される。このラミネートを形成する工程においてスパンボンディング材料はプロセス・エイドまたはキャリアウエブとして使用される。
【００７１】
他の実施態様において、スパンボンディングされたポリプロピレン不織布材料はより大ききな坪量またはより低い坪量を有することができ、またあるいはこの不織布材料の代わりにエアレイド ティシュ、ウェットレイド ティシュまたは前記の材料のいずれかを使用することができる。ポリプロピレン不織布材料の代わりにウェットレイド ティシュが使用される場合、ラミネートの配向は好ましくは逆転され、仕上がり製品において多ボンディング エアレイド不織布材料がウェットレイド ティシュ層の上に配置される。これより厚い生理用ナプキンの場合、前記の収得部品のいずれをも使用することができる。さらに、好ましい厚い生理用ナプキン実施態様において、低密度ラテックス結合エアレイド材料が全収得部品として使用される（すなわち第３トップシートを必要としない）。この目的に適した低密度ラテックス結合エアレイド材料はＮＣ、Ｍｔ．ＨｏｌｌｙのＷａｌｋｉｓｏｆｔ，ＵＳＡから入手される製品Ｎｏ．ＦＧ４１３ＭＨＢとして知られている約８０グラム／平方メートルの坪量を有する材料である。
【００７２】
前記のトップシート３８は好ましくは収得部品４４に対してまたは吸収性コア４２に対して、は両方に対して融着される。トップシートを下層部品に対して個別の箇所で融着する適当な方法は前記の米国特願第０９／０７４，９０９号に記載されている。前記の特願に示すように、下層に対するトップシートの結合は好ましくは個別箇所において実施され、製品の中央部は「非結合ウインド」を備える。
【００７３】
生理用ナプキン組立体
トップシート３８、含まれる場合には収得部品４４、バックシート４０および吸収性コアは業界公知の種々の構造に組み立てることができる（積層または「サンドウィッチ」形状および包み込みまたは「筒状」形状）。図１と図２はサンドウィッチ形状に組み立てられた生理用ナプキン２０の好ましい実施態様を示す。図１乃至図３においては、トップシート３８とバックシート４０は全体として吸収性コア４２より大きな長さおよび幅方向サイズを有する。トップシート３８とバックシート４０は吸収性コア４２の縁を越えて延在して外周部３０を成す。トップシート３８の衣類対向側面は好ましくは前述のように収得部品４４の身体対向面に対して接合される。またもし望むならば収得部品４４は吸収性コア４２に対して接合することができる。これらの部品が結合されるとこれら部品はトップシート３８を収得部品４４に対して接合するための前記の方法のいずれかによって接合することができる。しかし図示の実施態様において、収得部品４４は吸収性コア４２に対して直接に接合されていない。バックシート４０は好ましくは吸収性コアの衣類対向面に対して接着剤によって接合される。
【００７４】
また吸収性コア４２と収得部品４４の縁を越えて延在するトップシート３８とバックシート４０の部分は好ましくは相互に接合される。トップシート３８とバックシート４０のこれらの部分は業界公知の任意適当な方法によって接合することができる。本明細書において使用される用語「結合された」とは、１つの部品が多の部品に対して直接に固着する事によって他の部品に直接に固着される形状、１つの部品を中間部材に対して固着し、この中間部材を他の部品に対して固着する事によって１つの部品を他の部品に間接的に固着する形状、および１つの部品が他の部品と一体をなす形状、すなわち１つの部品が他の部品の本質的一部をなす形状とを包括する。好ましくは、図示の実施態様において、トップシート３８とバックシート４０のこれらの部分は吸収性コアの縁を越えて延在する部分全体に渡って接着剤を使用して結合され、また本体部分の末端縁２８においてクリンプシールを実施し、この場所においてトップシート３８とバックシート４０は圧力および熱と圧力を加える事によって濃密化される。
【００７５】
吸収性製品構造の例
本発明の特に好ましい実施態様は、前記の米国特許第６，０２５負０４９号によるトップシートと、前記の特に好ましいコアとを含む。この特に好ましい構造の性能は下記の表１においてサンプル２として示されている。表１に示すデータに見られるように、この特に好ましい実施態様は流体操作特性と柔らかさの非常に望ましいバランスを備えている。
【００７６】
さらに詳しくは、特にこの好ましい実施態様のトップシート３８の身体面と接触した流体を通過させることのできるマクロアパチュアと、形成されたフィルムがトップシートとして使用される時に上方に延在して身体接触面２０Ａを形成する多数ミクロアパチュアとを有する形成熱可塑性フィルムからなる。またミクロアパチュアとマクロアパチュアとの管のランド区域は低い表面エネルギー材料の堆積からなる複数の巨視的不連続離間区域を備える。これらの堆積と特に好ましいトップシート３８の下層ポリマー構造との間に表面エネルギーグラジエントが存在しこのエネルギーグラジエントが身体面２０Ａ上に堆積した体液をマクロアパチュアまで移動させこれらのアパチュアを通してコア４２によって吸収させる力を生じる。
【００７７】
またこの好ましい実施態様は前述のようにトップシート３８の下に配置される収得部品４４を含む。この収得部品４４は、スパンボンデッド ポリプロピレン不織布材料の第２トップシート４６と、前述のようにまた前記の米国特許第５．５４９．５８９号に記載のように粉末結合およびラテックス結合を使用して加熱結合された多ボンディグ エアレイド不織布材料の第３トップシート４８とを含む。
【００７８】
この好ましい実施態様のコア４２は前述において詳細に説明され、また１９９９年４月８日発行のノエルの同一譲渡米国特願第６０／１２８，３５２号にさらに詳細に記載されている。前述のように、コア４２のこれらの好ましい構造は、高い毛管厚を生じる広葉樹と針葉樹の配合物と、高い浸透貯蔵能力を生じる超吸収性ポリマーとを含む。
【００７９】
前記の好ましい部品が、業界公知の不透液性バックシート４０と共に、前述の「生理用ナプキンの組立て」に記載の形状に従って、本発明の生理用ナプキン２０の好ましい実施態様として組立てられる。
【００８０】
オプション部品
フラップ
図１と図２に図示の生理用ナプキン２０は本体部分２２に接合されたフラップ２４のオプションペアを含む。これらのフラップ２４は本体部分２２の縦方向側面縁部２６を越えて外側に、その近位端６０からその遠位端（または「自由端部」）６２まで延在する。フラップ２４は本体部分２２の少なくとも中央区域３６から外側に延在する。図１に図示のように、各フラップ２４はフラップ横断中心線Ｔ１によって前半部分６４と後半分６６とに分割される。フラップ横断中心線Ｔ１は生理用ナプキンの主横断中心線Ｔと一致することができるが、これは絶対必要ではない。
【００８１】
フラップ２４は任意適当な方法で本体部分２２に対して接合される。好ましくは図１−図３の実施態様において、フラップ２４は本体部分２２と一体を成す（すなわち、フラップ２４はトップシート３８とバックシート４０の一体的延長を成す）。他の実施態様において、フラップ２４は本体部分２２に対して接合される別個の部品を成すことができる。フラップ２４はそれぞれ本体部分２２に対して継手にそって接合される。これは、例えば継手線６８等の縦方向配向（または「縦方向」）継手である。本明細書において、用語「継手」（または「継手線」）とはフラップ２４が本体部分２２から延長されこの本体部分に接合された区域を言う。付図の実施態様において接合線６８は凹形の内側に向けられた区域または線によって画成されると考えられる。
【００８２】
フラップ２４は任意適当な形状とすることができる。適当なフラップは１９９３年４月２７日に発行のファン・チルバーグ、再審査照明に記載の再審査特許Ｂ１第４，５８９，８７６号、１９８７年８月１１日発行のファン・チルバーグの米国特許第４，６８７，４７８号、１９９５年２月１４日発行のラバッシュ等の米国特許第５，３８９，０９４号、１９９６年９月２４日発行のワインベルガー等の米国特許第５，５５８，６６３号（着用者によって施用されるフラップの変更態様を記載）、および１９９６年１０月３日発行のラッシュ等の国際特願ＰＣＴ ＵＳ第９６／１５９７号に記載されている。ヒンジおよび伸張性区域または相異なる伸張度区域を成す変形区域を含むフラップ２４のその他のフィーチャが１９９８年５月８日発行のダニエルス等の米国特願第０９／０７４，９０９号および１９９６年１２月２０日発行のリナード等の国際特願ＰＣＴ／ＵＳ第９６／２０８７号に記載され、この特願は米国を指名する。
【００８３】
取付け手段
ナプキン２０の衣類面２０Ｂはこの生理用ナプキンを着用者の下着に固着するためのファスナーを備えることができまたは備えることが好ましい。図３は、生理用ナプキンの本体部分第２２図を下着の股部分に固着するように成された中心パッドファスナー８２を示す。接着剤ファスナーおよび機械的ファスナーなど業界公知の任意の型のファスナーを使用することができる。接着剤から成るファスナーがこの目的のために有効に作用することが発見され、この場合感圧接着剤が好ましい。好ましい実施態様において、中心パッドファスナー８２は生理用ナプキンの縦方向中心線Ｌに対して定心された一対の相互離間された縦方向ストリップまたは接着剤区域から成る。
【００８４】
フラップの遠位端縁部６２に隣接したフラップ２４の外側面は好ましくはフラップ接着剤８４を備える。フラップ接着剤８４は、フラップ２４がパンティの股部分にそって巻き付けられた後に、このフラップ２４を定置保持するために使用される。適当な接着剤ファスナーは米国特許第４，９１７，６９７号においてさらに詳細に説明されている。フラップ２４は、このフラップを下着に固着することにより、または対向フラップに固着することにより定置保持される。
【００８５】
本発明において使用されるファスナーは接着剤取付け手段に限定されない。この目的に、業界公知の任意の型のファスナーを使用することができる。例えば、ＶＥＬＣＲＯまたは１９９０年８月７日発行のバットレルの米国特許第４，９４６，５２７号、または１９９５年２月２８日発行のグーレ等の米国特許第５，３９２，４９８号に記載のような機械的ファスナーによって生理用ナプキン２０を着用者に固着する事もできよう。しかし簡単のため、ファスナーを接着剤取付け手段として記載する。
【００８６】
接着剤取付け手段はそれぞれ着脱自在のリリースライナー、８６で示す中心パッドリリースライナーおよびフラップリリースライナーによってカバーされる。接着剤が使用前に外部表面に固着しないようにするため、感圧接着剤をリリースライナー８６によってカバーしなければならない。適当なリリースライナーが米国特許第４，９１７，６９７号に記載されている。生理用ナプキンを包装するための個別パッケージとしても作用することのできる特に好ましいリリースライナーハスワンソン等に発行された米国特許第４，５５６，１４６号に記載されている。
【００８７】
本発明の生理用ナプキン２０はリリースライナー８６を除去し生理用ナプキン２０をパンティの中に配置することによって使用される。本体部分２２をパンティの股部分の中に配置し、この本体部分２２の一端をパンティの前部にむかって延在させ他端をパンティの後部に向かって延在させる。バックシート４０をパンティの股部分の中心の内側面と接触させる。中心接着剤ファスナー８２が本体部分２２を定置保持する。フラップ２４の遠位端部分がパンティの側面縁部の回りに折り込まれる。フラップ接着剤８４がフラップ２４をパンティの下側面に対してまたは対向フラップに対して固着する。
【００８８】
実施例
実施例１
この実施例は本発明の生理用ナプキンの種々の実施態様と先行技術の中では最もよいと考えられる市販の生理用ナプキンの例とについて、下記の「分析法」に従って評価された流体処理特性および柔らかさを比較するものである。
【００８９】
【表１】
１．先行技術：米国特許第６，０２５，０４９号に記載のトップシート、特願第０９／０７４，９０９号に記載のコア
２．本発明：米国特許第６，０２５，０４９号に記載のトップシート、前記の特に好ましいコア
３．本発明：米国特許第６，０２５，０４９号に記載のトップシート、厚いエアフェルトコア
４．先行技術：米国特許第４，３４２，３１４号によるトップシート、熱いエアフェルトコア
５．本発明：特願第０９／２１７，７３６号に記載のトップシート、前述の特に好ましいコア
６．先行技術：米国特許第４，３４２，３１４号によるトップシート、特願第０９／０７４，９０９号に記載のコア
７．先行技術：日本、Ｋａｏ Ｍｆｇ．Ｃｏ．からＬｓｕｒｉｅｒ Ｓｏｆｔｍｅｓｈ Ｕｌｔｒａ として入手される薄い生理用ナプキン
８．先行技術：日本、Ｋａｏ Ｍｆｇ．Ｃｏ．からＬｓｕｒｉｅｒ Ｓｏｆｔｍｅｓｈ Ｓｌｉｍ
として入手される厚い生理用ナプキン
９．先行技術：日本においてＵｎｉＣｈａｒｍ からＳｏｆｙ Ｓａｒａ として入手される薄い生理用ナプキン。
１０．先行技術：ＮＪ．スキルマンのＰｅｒｓｏｎａｌ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｃｏ． からＳｔａｙｆｒｅｅ Ｕｌｔｒａ Ｔｈｉｎ として 入手される薄い生理用ナプキン
１１．先行技術：ベネズエラのＪｏｈｎｓｏｎ ＆ Ｊｏｈｎｓｏｎ から Ｓｔａｙｆｒｅｅ Ａｌａｓ Ｎｏｒｍａｌ Ｍａｌｌａ Ｓｉｅｍｐｒｅ Ｓｅｃａ として入手される厚い生理用ナプキン
１２．先行技術：ドイツにおいてＫｉｎｂｅｒｌｙ−Ｃｌａｒｋ ＧｍｂＨ からＫｏｔｅｘ Ｃａｍｅｌｉａ として入手される薄い生理用ナプキン
１３．韓国において、Ｅｌｌｅａｉｒ からＥｌｉｓ として入手される薄い生理用ナプキン。
１４．本発明：米国特許第５，７９５，９２１号に記載のコアを有する前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による永久的親水性トップシート
１５．本発明：米国特許第５，７９５，９２１号に記載のコアを有する前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による形成されたフィルム ポリエチレン トップシート
１６．先行技術：ドイツ、ペンヌのＣｏｒｏｖｉｎ ＧｍｂＨ からＣｏｒｏｌｉｎｄ として市販され、米国特許第５，６２８，０９７号によって２０グラム／平方メートルの坪量を有するようにアパチュア加工された疎水性不織布トップシート
１７．先行技術：ドイツ、ペンヌのＣｏｒｏｖｉｎ ＧｍｂＨ からＣｏｒｏｌｉｎｄ として市販され、米国特許第５，６２８，０９７号によって２０グラム／平方メートルの坪量を有するようにアパチュア加工された界面活性剤処理疎水性不織布トップシート
【００９０】
実施例 ２
この実施例はそれぞれ本発明によるトップシートと先行技術によるトップシートの柔らかさ関連特性を比較する。
【００９１】
【表２】
サンプルの説明
サンプル Ｎｏ．
１．米国特許第６，０２５，０４９号に記載のトップシート
２．米国特許第４，３４２，３１４号に記載のトップシート
３．特願第０９／２１７，７３６号に記載のトップシート
４．日本、Ｋａｏ Ｍｆｇ．Ｃｏ．からＬｓｕｒｉｅｒ Ｓｏｆｔｍｅｓｈ Ｕｌｔｒａ として入手される薄い生理用ナプキン上のトップシートとして使用される不織布
５．日本においてＵｎｉＣｈａｒｍ からＳｏｆｙ Ｓａｒａ として入手される薄い生理用ナプキン上にトップシートとして使用される形成フィルム
６．ＮＪ．スキルマンのＰｅｒｓｏｎａｌ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｃｏ． からＳｔａｙｆｒｅｅ Ｕｌｔｒａ Ｔｈｉｎ として入手される薄い生理用ナプキンの上にトップシートとして使用される不織布
【００９３】
サンプルの説明
サンプルＮｏ．
７．ベネズエラのＪｏｈｎｓｏｎ ＆ Ｊｏｈｎｓｏｎ から Ｓｔａｙｆｒｅｅ Ａｌａｓ Ｎｏｒｍａｌ Ｍａｌｌａ Ｓｉｅｍｐｒｅ Ｓｅｃａ として入手される厚い生理用ナプキンの上のトップシートとして使用される形成フィルム
８．ドイツにおいてＫｉｎｂｅｒｌｙ−Ｃｌａｒｋ ＧｍｂＨ からＫｏｔｅｘ Ｃａｍｅｌｉａ として入手される薄い生理用ナプキン上のトップシートとして使用される不織布
９．日本においてＥｌｌｅａｉｒ からＥｌｉｓ として入手される薄い生理用ナプキン上のトップシートとして使用される不織布
１０．前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による形成されたフィルム ポリエチレン トップシート
１１．米国特許第４，６２９，６４３号に記載の形成フィルムトップシート
１２．先行技術：ドイツ、ペンヌのＣｏｒｏｖｉｎ ＧｍｂＨ からＣｏｒｏｌｉｎｄ として市販され、米国特許第５，６２８，０９７号によって２０グラム／平方メートルの坪量を有するようにアパチュア加工された疎水性不織布トップシート
１３．前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による永久的親水性トップシート
１４．前記の米国特願第＿＿＿＿号（Ｐ＆Ｇケース８０１２。特願番号は判明した時に出願人が追加）による永久的テキスチャー化親水性トップシート
【００９４】
分析法
滴収得時間
１）約１８×１８ｃｍのトップシートサンプルを平坦面上の１層のＢＯＵＮＴＹタオル（ＯＨ、シンシナティー プロクター ＆ ギャンブル・カンパニーから入手される）の上に配置する。前記トップシートサンプルの上に、２．５ｃｍ離間して各列３穴の３列に配置された１８の１．９ｃｍ（３／４”）穴を有する１５ｃｍ長×２０ｃｍ幅×１ｃｍ厚さの透明なＬｅｘａｎ（登録商標）プレートを配置する。このサンプルに上に前記プレートによって加えられる圧力は〜０．０２ｐｓｉ（０．１４ｋＰａ）であって、トップシートとＢｏｕｎｔｙ タオルとの間の密接な接触を保証する。
【００９５】
あるいは、製品全体を評価すべきならば、プレートは使用されない。その代わりに、１８の滴（段階２参照）が製品サンプルの上にパタンを成して滴下される。この際に、６滴が製品の縦方向中心線と横方向中心線との交点に隣接して配置され、３滴が縦方向中心線の各末端に隣接して加えられ、また３滴が横方向中心線の各末端に隣接して加えられる。
【００９６】
２）ピペット（１００マイクロリットル容量のＥｐｐｅｎｄｏｒｆ Ａｉｒ Ｄｉｓｐｌａｃｅｍｅｎｔ Ｐｉｐｅｔｔｅ が満足であることが発見された）から羊の血液の４５マイクロリットル滴をサンプルの表面上にプレート中の１つの穴の中に加える。ピペットの先端はトップシート表面の約３−５ｍｍ上方にあり、またこれらの滴はピペットからの滴下によって加えられる力が最小限となるように加えられなければならない。
【００９７】
３）滴がサンプルと接触するやいなや、収得のタイミングを開始する。
【００９８】
４）滴がサンプルの中に入る結果、サンプルの上側面が再び見え始めるやいなやタイミングを停止する。
【００９９】
５）収得時間が６０秒を越える場合、結果を６１秒として記録する。
【０１００】
６）サンプルあたり１８測定が成されるようにＬｅｘａｎプレートの残余の穴を通してさらに１７回、段階１−５を繰り返す。
【０１０１】
７）さらに２つのトップシートサンプルについて段階１−６を繰り返す。
【０１０２】
８）６０秒以内にサンプルの中に入り通過しなかった滴について６１秒を使用して、平均滴収得時間を計算する。
【０１０３】
液体裏抜け時間
このテスト法は、裏抜け時間、すなわちトップシート材料または吸収性製品の体側表面に加えられ下方の吸収体と接触させられた既知量の液体がそのサンプルを通過するのに必要な時間を測定するにある。本明細書において使用される方法は Ｅｕｒｏｐｅａｎ Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｎｏｎｗｏｖｅｎｓ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ （ベルギー、ブラッセル）に記載の標準方法Ｎｏ．１５０．３−９６と下記の点が相違する。
【０１０４】
濡れ戻し
濡れ戻しテストは、吸収性構造からトップシートを通して出てトップシートの表面に濡れを生じる液体量を測定するためのテストである。本明細書において使用される方法は、 Ｅｕｒｏｐｅａｎ Ｄｉｓｐｏｓａｂｌｅ ａｎｄ Ｎｏｎｗｏｖｅｎｓ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ （ベルギー、ブラッセル）に記載の標準方法Ｎｏ．１５１．１−９６であって下記の点が相違する。
【０１０６】
パネル柔らかさ
概観
一連のテスト製品またトップシート材料の感触柔らかさを比較するため、訓練された格付け人パネルを使用する。
【０１０８】
格付け人
格付け人はすべて女性であって、感触柔らかさの小さな差異を区別する能力を得るように訓練されている。この訓練の一部として、各格付け人は、すべての評価において使用される「きき腕」（すなわち最も敏感な手）を識別する。これらの格付け人はスタディごとに注意され、時間に伴なうずれを最小限にするように必要な程度に再訓練される。
【０１０９】
装置
感触ボックス。
他の格付け人からの格付け人の分離、スリットを通してのサンプルアクセスを可能とするサンプルとパネリストとの間のバリヤなどのフィーチャ、およびその他の業界公知のフィーチャを有する感触評価用に設計された部屋が好ましいが、下記に説明する感触ボックスが柔らかさ評価のために適当であることが発見された。サンプル挿入のための開いた後方と、黒いカーテンで仕切られた正面開口（このカーテンはそれぞれ２１センチメートル幅の２部分から成り、格付け人が容易にアクセスするようにその中央において分離される）とを備えた３３ｃｍ×４３ｃｍ（正面）×２０ｃｍ（奥行き）の長方形ボックス。
【０１１０】
フェルト。
トップシートのみのサンプルが格付けされる時には基板として２３ｃｍ×１８ｃｍが使用される。適当な素材はＮＨ、ハンプトンのＫｕｍｉｎ Ｆｅｌｔから入手されるような ５４ Ｐｏｌｙｅｓｔｇｅｒ ｆｅｌｔ， Ｒａｉｎｂｏｗ Ｃｌａｓｓｉｃ， Ｒｏｙａｌ Ｂｌｕｅ である。
【０１１１】
方法
１）パネルモデレータが第１サンプルを感触ボックスの中に導入する。任意の１テスト期間中に、６までのテストサンプルが評価される。各シリーズにおいて、２つのコントロールサンプル、すなわちその一方は比較的高い柔らかさ読取値を有するサンプル（前記の米国特許第４，６２９，６４３〜３５号に記載のようにして作製されたハイドロフォームド フィルム、また他の一方は比較的低い柔らか読取値を有するサンプル（前記の米国特許第４，３４２，３１４〜５号によって作製されたフォームドフィルム）が使用される。サンプルは各格付け人に対してランダム順序で呈示される。トップシートのみのサンプルが評価される際に、サンプルはまずフェルトの表面に平滑に広げられた後に、格付け人に呈示される。各サンプルは一度だけ評価される。
【０１１２】
２）格付け人は柔らかさについて６０点スケールで各サンプルを格付けし、この場合、柔らかさ０点は全く柔らかでないことであり、６０点は非常に柔らか／フラッフィと識別する。サンプルの柔らかさ格付けを決定するため格付け人は彼女のきき腕の最初の３指の指先のみを使用する（これらの指はその指先のみがサンプルと接触するように弧状に曲げられる）。テスト間の一致性を保持するためコントロールサンプルのみが使用される。各サンプルの格付けはサンプルデータシート上の線形スケールの上に格付けをマークすることによって記録される。
【０１１３】
３）最小限第１２図格付け人について段階１と２を繰り返す。
【０１１４】
リポート
コントロールサンプルを含めてテストされた各サンプルの平均標準偏差をリポートする。統計学的に有意な差異を決定する公知の方法（例えば変数分析、Ｎｅｗｍａｎ−Ｋｅｕｌｓ Ｍｌｔｉｐｌｅ Ｒａｎｇｅ Ｔｅｓｔ など）を使用することができる。
【０１１５】
荷重下の厚さ
概観：
このテスト手順は材料の厚さを加えられた荷重の関数として特定するにある。この手順を用いて得られたデータを使用して、圧縮度と表面密度を加えられた荷重の関数として計算することができる。
【０１１６】
テスト範囲
このテスト手順は厚さ０．２−５ｍｍの範囲内の材料に適用される。この手順によってテストされるサンプルは平坦であって、有意曲率を有しないものでなければならない。材料の上側面と下側面は本質的に平行でなければならない。
【０１１７】
サンプリング
サンプルは、サンプルを圧縮するために使用される直径２５．４ｍｍのプラテンより大きくなるように切断される。３．８１ｃｍ×６．９９ｃｍの長方形切断ダイスが適当である。テストされる区域は平坦でなければならない。サンプルは個別の材料からまたは仕上がり製品から切り出されるが、テスト区域にはシワまたは曲げがあってはならず、サンプリング手順が材料のサイズを乱してはならない。例えば仕上がり製品のサンプリングに際して、サンプル材料は他の材料からきれいに分離されなければならない。少なくとも相異なる３サンプルを測定して平均結果をリポートしなければならない。
【０１１８】
装置：
一定伸張率（ＣＲＥ）テスターを使用する。適当なＣＲＥテスターはＭＡ、カントン、インストロン・コーポレーションから入手されるＩｎｓｔｒｏｎ Ｍｏｄｅｌ ５５６４ である。ＣＲＥテスターはクロスヘッド位置の０．０１ｍｍまでの正確な制御と測定とを実施できなければならない。ＣＲＥテスターは０．５ ｇｒａｍ ｆｏｒｃｅ （５ ｍｌＮ） までの荷重精度を測定することができるなければならない。ＣＲＥテスターは加えられた１Ｎ荷重において０．０２ｍｍ未満のコンプライアンスを有しなければならない。移動するクロスヘッドは、ロード・セルに対して取付けられた直径２５．４ｍｍ（５．０７平方センチメートル面積）の円形の平らなプラテンディスクを備えなければならない。直径が少なくとも１００ｍｍの円形の平らなプラテンが下方静止クランプ上に剛性的に取付けられなければならない。各面は０．０２ｍｍまたはこれ未満の公差をもって相互に平行でなければならない。
【０１１９】
手順：
１．トップシートのサンプルのグラム数は、正確に既知の１００平方センチメートルまたはこれ以上の面積を分析バランス上で最近０．００２ｇまで計量することによって決定されなければならない。
【０１２０】
２．プラテンを相互に平行に既知距離をもって離間し、平らなサンプルを下方プラテン上に載置する。１．００ｍｍの厚さのサンプルの場合、３．００ｍｍが推奨される出発離間距離である。各テストの開始に際してこれらのプラテンが相互に接触しないようにしてＣＲＥロードセルをゼロ位置に決定しなければならない。
【０１２１】
３．サンプルが圧縮されて５００グラムの荷重に達するまで、ＣＲＥテスターが上方プラテンをサンプルにむかって毎分２．５４ｍｍの速度で下降させ、走行ｍｍあたり少なくとも１００データ点を記録する。
【０１２２】
４．任意の与えられた荷重における材料の厚さを上方プラテンの位置によって決定する。厚さは、それぞれサンプルに対する１００Ｐａと１０００Ｐａとに対応する５グラム力と５０ｇ力の荷重において測定されなければならない。
【０１２３】
計算：
圧縮度は、５ｇと５０ｇの間の応力／歪み圧縮曲線のセカント傾斜を計算し、この傾斜を圧縮された面積によって割ることによって決定される。圧縮度の単位はグラム毎ｃｍ３である。この傾斜は荷重の変化量を厚さの変化によって割ることによって計算される。例えば材料が５ｇ荷重のもとに厚さ１．００ｍｍであって５０グラム荷重のもとに厚さ０．７０ｍｍまで圧縮されたとすれば、
【数１】
同様に、与えられた荷重における表面密度は、グラム数（材料グラム数枚平方センチメートル）を当該荷重下の厚さによって割ることによって計算される。
例えば、０．００３２５グラム／平方センチメートルのグラム数を有しまた１００パスカルの印加圧において０．０６５の厚さを有する材料の表面密度は下記である。
【数３】
平均吸収圧
このテストは、吸収または脱着される流体量が高さ０センチメートルにおいて吸収される量（自由吸収量）の半分に等しくなる高さを測定する。表題「Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｍｅｍｂｅｒｓ ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ ａ Ｈｉｇｈ Ｓｕｒｆａｃｅ Ａｒｅａ Ｍａｔｅｒｉａｌ ｆｏｒ Ａｂｓｏｒｂｉｎｇ Ｂｏｄｙ ｆｌｕｉｄｓ」の１９９９年３月１日発行のヤング等の米国特願第０９／１５８，８８９号に記載の「毛管吸収」法を下記のように変更して使用した
【０１２７】
１）所期吸引高さは２００センチメートルでなく、５０センチメートルとする。
２）テストは制御された温度と相対湿度でなく、周囲実験条件で実施される。
３）ガラスフリット２０２はジャケットを備えない。
４）タンク２０６とバランス２０７は格納されない。
５）シリンダ２６６とピストン２８８は３１℃で平衡化されない。
６）蒸発を最小限に成すためにアパチュアドフィルムでなく、閉鎖フィルムを使用する。
７）セットアップ高さは５０センチメートルとする。
８）蒸発ロスの修正は実施されない。
９）平均毛管吸収圧は、サンプルのアップテイクが０センチメートルの高さにおけるサンプルアップテイクの半分に等しくなる高さとして吸収等温線から測定される。
【０１２８】
この特願に記載されたすべての特許、特願（およびこの特願に基づくいずれの特許、並びに公表された任意の関連の外国特願）およびこの特願全体に記載された出版物をここに引例とする。しかしここにここに引例として含まれた文献が本発明を教示または開示するとは明白に認められない。また本明細書に記載の市販の材料または製品が本発明を教示または開示するとは明白に認められない。
【０１２９】
本発明は前記の説明のみに限定されるものでなく、その趣旨の範囲内において任意に変更実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明による吸収性コアとトップシートとを含む生理用ナプキンの形の吸収性製品の好ましい実施態様の平面図
【図２】
図１に図示の本発明の好ましい実施態様の２−２線にそった断面図
【図３】
図１に図示の本発明の好ましい実施態様の３−３線にそった断面図
【符号の説明】
２０ 生理用ナプキン
２０Ａ 生理用ナプキンの身体面
２１ トップシート
２２ 本体
２３ バックシート
２４ フラップ
２５ コア
３８ トップシート
４０ バックシート
４２ コア
４４ 収得部品
４６ 第２トップシート
４８ 第３トップシート
８２ ファスナー
８４ リリースライナー
Claims (15)
- 身体面と衣類面とを有し、また
濡れ戻しを防止するバリヤを成すトップシートであって、約４８８ｇ／立方センチメートル未満の圧縮度を有する透液性トップシートと、
前記トップシートの下に配置され少なくとも吸収性製品の外周にそってトップシートに接合された不透液性バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、高い内部表面積を有し、この内部表面積が高い毛管圧を生じて前記身体面上に堆積された体液の吸収を増進するように成された吸収性コアとを含む吸収性製品において、
前記トップシートと前記コアが協働して、約５５秒未満の液体裏抜け性と３０ミリグラム未満の濡れ戻しとを前記吸収性製品に与えることを特徴とする吸収性製品。 - 身体面と衣類面とを有し、また
濡れ戻しを防止するバリヤを成すトップシートであって、約４８８ｇ／立方センチメートル未満の圧縮度を有する透液性トップシートと、
前記トップシートの下に配置され少なくとも吸収性製品の外周にそって前記トップシートに接合された不透液性バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、高い内部表面積を有し、この内部表面積が高い毛管圧を生じて前記身体面上に堆積された体液の吸収を増進するように成された吸収性コアとを含む吸収性製品において、
前記トップシートと前記コアが協働して、約３０秒未満の滴収得時間と３０ミリグラム未満の濡れ戻しとを前記吸収性製品に与えることを特徴とする吸収性製品。 - 身体面と衣類面とを有し、また
濡れ戻しを防止するバリヤを成すトップシートと、
前記トップシートの下に配置され少なくとも吸収性製品の外周にそって前記トップシートに接合された不透液性バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、高い内部表面積を有し、この内部表面積が高い毛管圧を生じて前記身体面上に堆積された体液の吸収を増進するように成された吸収性コアとを含む吸収性製品において、
ここに、前記吸収性製品は約３０乃至約６０ＰＳＵの範囲内のパネル柔らかさを有し、前記トップシートと前記コアが協働して、約３０秒未満の滴収得時間と３０ミリグラム未満の濡れ戻しとを前記吸収性製品に与えることを特徴とする吸収性製品。 - 身体面と衣類面とを有し、また
濡れ戻しを防止するバリヤを成すトップシートであって、前記トップシートは約０．０３５グラム毎立方センチメートル未満の表面密度を有する液体裏抜け性トップシートと、
前記トップシートの下に配置され少なくとも吸収性製品の外周にそって前記トップシートに接合された不透液性バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、高い内部表面積を有し、この内部表面積が高い毛管圧を生じて前記身体面上に堆積された体液の吸収を増進するように成された吸収性コアとを含む吸収性製品において、
ここに、前記トップシートと前記コアが協働して、約３０秒未満の滴収得時間と３０ミリグラム未満の濡れ戻しとを前記吸収性製品に与えることを特徴とする吸収性製品。 - 身体面と衣類面とを有し、また
濡れ戻しを防止するバリヤを成すトップシートと、
前記トップシートの下に配置され少なくとも吸収性製品の外周にそって前記トップシートに接合された不透液性バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置され、高い内部表面積を有し、この内部表面積が高い毛管圧を生じて前記身体面上に堆積された体液の吸収を増進するように成された吸収性コアとを含む吸収性製品において、
ここに、前記吸収性製品は約３０乃至約６０ＰＳＵの範囲内のパネル柔らかさを有し、前記トップシートと前記コアが協働して、約３０秒未満の滴収得時間と３０ミリグラム未満の濡れ戻しとを前記吸収性製品に与えることを特徴とする吸収性製品。 - 前記吸収性コアの前記少なくとも一部は約７ｃｍより高い平均吸収圧を有することを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の吸収性製品。
- 前記吸収性コアは約７ｃｍ乃至約２５ｃｍの範囲内の平均吸収圧を有することを特徴とする請求項６に記載の吸収性製品。
- 前記トップシートが形成された熱可塑性フィルム材料から成り、前記フィルム材料は複数のマクロアパチュアと多数のマイクロアパチュアとを有し、ここに前記マイクロアパチュアと前記マクロアパチュアとの間のランド区域も複数の顕微鏡的、不連続、相互離間された区域を備え、これらの区域は低表面エネルギー材料の堆積から成り、これらの低エネルギー材料の堆積がこれらの堆積と前記形成されたフィルムの下層のポリマー構造との間に表面エネルギーグラジエントを形成することを特徴とする請求項１乃至７にず吸収性製品。
- 前記トップシートは不織布材料から成り、この不織布材料が低表面エネルギー材料の複数堆積を有し、これらの低エネルギー材料の堆積がこれらの堆積と前記形成されたフィルムの下層のポリマー構造との間に表面エネルギーグラジエントを形成することを特徴とする請求項１乃至７にず吸収性製品。
- 前記トップシートは不織布材料と形成されたアパチュアを備えた熱可塑性フィルムとから成り、前記不織布材料はラミネートを成すために前記熱可塑性フィルムに接合された面と反対側の面において低エネルギー材料の堆積を有し、前記低エネルギー材料がその堆積と不織布材料の下層のポリマー構造との間に表面エネルギーグラジエントを生じることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の吸収性製品。
- 前記吸収性コアは高内相エマルジョンから形成されたポリマーフォームから成ることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかに記載の吸収性製品。
- 前記吸収性コアは化学的に強化され捻られカールされたバルク繊維と、高表面積繊維と、熱可塑性結合繊維との配合物から成ることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかに記載の吸収性製品。
- 前記吸収性コアは広葉樹繊維と針葉樹繊維の実質的に均等な混合物から成るエアレイド繊維から成ることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかに記載の吸収性製品。
- 前記吸収性コアはさらに超吸収性粒子を含有することを特徴とする請求項１２または１３のいずれかに記載の吸収性。
- 前記吸収性製品はさらに不結合ウインドを形成するように前記トップシートに対してパタン結合された収得部品を含み、また前記収得部品は前記トップシートと前記吸収性コアとの間に配置されまた前記吸収性コアはセル繊維、２成分繊維、超吸収性粒子およびラテックス結合材から成る多結合エアレイド不織布材料を含むことを特徴とする請求項１乃至１４のいずれかに記載の吸収性製品。
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