JP2021083539A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】排泄液が吸収性コアに効率よく吸い込まれ、かつ、リウェット性が向上された吸収性物品を提供することである。【解決手段】吸収性コア(10)は、粉砕された繊維を有しており、粉砕された繊維には、保水性繊維が含まれており、保水性繊維には、広葉樹からなる広葉樹保水性繊維(50L)が含まれており、吸収性物品(1)は、繊維からなる肌側シート(4)を有しており、肌側シート(4)は、吸収性コア(10)の肌側に隣接して設けられており、保水性繊維の平均繊維径が、肌側シート(4)の繊維の平均繊維径よりも小さく、吸収性コア(10)における保水性繊維の1g当たりの保持できる液体重量が、肌側シート(4)の繊維の1g当たりの保持できる液体重量よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図11

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
吸収性物品の一例として、経血等の排泄液を吸収する生理用ナプキンが知られている。このような生理用ナプキンは、吸収体(吸収性コア)と、繊維からなる肌側シートを有しており、肌側シートは、吸収体の肌側に隣接して設けられていることが一般的である。また、吸収性コアには保水性繊維が含まれており、針葉樹パルプ繊維が一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−136969号公報
肌側シートの繊維間距離は、排泄液が詰まることなくスムーズに吸収体で吸収できるように、十分に大きくして設けられているが、例えば、着用者が着席等して肌側シートに圧力がかかると、肌側シートの繊維密度が大きくなって繊維間距離が短くなる。そして、繊維間距離は、同じ繊維密度であれば、繊維径が小さいほど短くなり、一般的には、肌側シートの繊維径は、針葉樹パルプ繊維の繊維径よりも小さい。
つまり、一般的な針葉樹パルプ繊維を用いた吸収性コアにおいては、着用者等が着席等して肌側シートの繊維密度が大きくなると、肌側シートの繊維間距離が吸収性コアの繊維間距離よりも短くなり、吸収性コアから肌側シートに向けて毛細管効果が発現して、吸収性コアの液吸収性、保水性(リウェット性)が低減するおそれがあった。
本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、排泄液が吸収性コアに効率よく吸い込まれ、かつ、リウェット性が向上された吸収性物品を提供することである。
上記目的を達成するための主たる発明は、互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有し、液吸収性の吸収性コアを備えた吸収性物品であって、前記吸収性コアは、粉砕された繊維を有しており、前記粉砕された繊維には、保水性繊維が含まれており、前記保水性繊維には、広葉樹からなる広葉樹保水性繊維が含まれており、前記吸収性物品は、繊維からなる肌側シートを有しており、前記肌側シートは、前記吸収性コアの肌側に隣接して設けられており、前記保水性繊維の平均繊維径が、前記肌側シートの繊維の平均繊維径よりも小さく、前記吸収性コアにおける前記保水性繊維の1g当たりの保持できる液体重量が、前記肌側シートの繊維の1g当たりの保持できる液体重量よりも大きいことを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、排泄液が吸収性コアに効率よく吸い込まれ、かつ、リウェット性が向上された吸収性物品を提供することが可能となる。
ナプキン1を厚さ方向の肌側から見た概略平面図である。 図1中のA−A矢視で示す概略断面図である。 広葉樹パルプ繊維と針葉樹パルプ繊維の繊維長の分布を示す図である。 吸収体10の製造方法を説明するための図である。 吸収体10の厚さ方向における繊維密度の分布を説明するための図である。 セカンドシート4の繊維と吸収体10の繊維が絡み合う様子を示した説明図である。 図1中のB−B矢視で示す圧搾部40の概略断面図である。 圧搾部40の横寸法及び縦寸法を説明するための図である。 広葉樹パルプ50Lと針葉樹パルプ50Nの圧搾部を示した概略断面図である。 ナプキン1を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。 平均繊維径と保水量の評価結果を示す図(表1)である。 広葉樹パルプと針葉樹パルプの繊維幅の分布を示す図である。 コアラップシート11を有するナプキン100の概略断面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有し、液吸収性の吸収性コアを備えた吸収性物品であって、前記吸収性コアは、粉砕された繊維を有しており、前記粉砕された繊維には、保水性繊維が含まれており、前記保水性繊維には、広葉樹からなる広葉樹保水性繊維が含まれており、前記吸収性物品は、繊維からなる肌側シートを有しており、前記肌側シートは、前記吸収性コアの肌側に隣接して設けられており、前記保水性繊維の平均繊維径が、前記肌側シートの繊維の平均繊維径よりも小さく、前記吸収性コアにおける前記保水性繊維の1g当たりの保持できる液体重量が、前記肌側シートの繊維の1g当たりの保持できる液体重量よりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
このような吸収性物品によれば、吸収性コアの保水性繊維の平均繊維径が肌側シートの平均繊維径よりも小さいので、毛細管効果によって経血等が吸収性コアに効率よく吸い込まれる。また、吸収性コアの保水性繊維1g当たりの保持できる液体重量(脱水後に保持している液体重量)が、肌側シートの繊維の1g当たりの保持できる液体重量(脱水後に保持している液体重量)よりも大きいのでリウェット性を向上させることができる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性物品は、繊維からなる液透過性シートを有しており、前記液透過性シートは、前記肌側シートの肌側に隣接して設けられており、前記保水性繊維の平均繊維径が、前記液透過性シートの平均繊維径よりも小さいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、吸収性コアの肌側に設けられた肌側シートと液透過性シートのどちらの平均繊維径よりも、吸収性コアの保水性繊維の平均繊維径が小さいので、毛細管効果によって経血等が吸収性コアに効率よく吸い込まれる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性物品は、繊維からなる非肌側シートを有しており、前記非肌側シートは、前記吸収性コアに非肌側に隣接して設けられており、前記保水性繊維の平均繊維径が、前記非肌側シートの繊維の平均繊維径よりも小さいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、非肌側シートの平均繊維径よりも吸収性コアの保水性繊維の平均繊維径が小さいので、毛細管効果によって、非肌側シートが湿潤しにくく、吸収性コアと非肌側シートの接着強度の低下が抑制され、吸収性物品の変形を抑制してフィット性の低下を抑制することができる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアには、前記吸収性コアの密度がその周囲の密度よりも高い圧搾部が設けられており、前記圧搾部は、第1寸法と、前記第1寸法と直交し前記第1寸法以上の長さを有する第2寸法と、を有しており、前記圧搾部の前記第1寸法の最大値が、前記広葉樹保水性繊維の平均繊維長よりも大きいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、広葉樹の保水性繊維を含んだ吸収性コアの場合、圧搾部の第1寸法の最大値が広葉樹の保水性繊維の平均繊維長(0.79mm)より大きくなるので、平均繊維長が長い針葉樹の保水性繊維(2.5mm)のみで構成された一般的な吸収性コアに比べて、圧搾部と非圧搾部の界面(圧搾部の端)を跨ぐ保水性繊維を低減させることができ、かかる保水性繊維に沿った経血等の液の伝わり(圧搾部から非圧搾部への液の伝わり)を抑制することができ、液漏れを抑制することができる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性物品は、着用者の下着の股下部に前記吸収性物品を固定するためのウイング部を有しており、前記圧搾部は、前記肌側シートと前記吸収性コアとが一体的に圧搾されたヒンジ部を有しており、前記ヒンジ部は、前記ウイング部が前記幅方向の外側へ延出する前記長手方向における前側の延出開始点と後側の延出開始点との間の領域に、前記長手方向に前記第2寸法を有した中央ヒンジ部を備えており、前記中央ヒンジ部の前記第1寸法の最大値が、前記広葉樹保水性繊維の平均繊維長よりも大きいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、中央ヒンジ部において、圧搾部と非圧搾部の界面(圧搾部の端)を跨ぐ保水性繊維を低減させることができるので、かかる保水性繊維に沿った経血等の液の伝わり(圧搾部から非圧搾部への液の伝わり)を抑制することができ、液漏れを抑制することができる。
かかる吸収性物品であって、前記肌側シートが、肌側の表面に凹凸部を有していることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、肌側シートの肌側面に凹凸が形成されるので、凸部から凹部への経血等の流れが発生し、吸収性コアの非肌側への経血等の移動速度を向上させることができる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアは、前記吸収性コアを前記厚さ方向に3等分した際の肌側部と中央部と非肌側部を有しており、前記非肌側部における前記保水性繊維の繊維密度が、前記中央部における前記保水性繊維の繊維密度よりも大きいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、非肌側部の密度が中央部の密度よりも大きいので、中央部から非肌側へ毛細管効果が発生して経血等の拡散性が向上し、かかる毛細管効果が発生しない場合に比べて、吸収性コアの全体を使って経血等を保持することができる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアと前記肌側シートが当接する表面には、互いを接合するための接着剤が塗布されており、前記吸収性コアは、前記吸収性コアを前記厚さ方向に3等分した際の肌側部と中央部と非肌側部を有しており、前記肌側部における前記保水性繊維の繊維密度が、前記中央部における前記保水性繊維の繊維密度よりも大きく、前記接着剤が、前記吸収性コアの肌側面から、少なくとも前記厚さ方向の中心にまで達していないことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、肌側部の繊維密度が大きいので、肌側に塗布された接着剤が吸収性コアの中央へ浸透することを抑制し、吸収性コアの少なくとも中心には接着剤が存在しないので、中心よりも非肌側の吸収性コアにおいて排泄液の液拡散性を向上させることができる。
かかる吸収性物品であって、前記広葉樹保水性繊維の少なくとも一部は、前記吸収性コアの肌側の表面から突出して、前記肌側シートの内部まで延出しており、前記肌側シートの内部において、前記広葉樹保水性繊維の少なくとも一部が、前記肌側シートの繊維と接触していることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、吸収性コアの広葉樹保水性繊維が肌側シートの内部において肌側シートと接しているので、経血等が繊維を伝って吸収性コアの内部に入りやすくすることができ、液吸収速度を向上させることができる。また、繊維がシート部材に引っ掛かったような状態なので、吸収性コアのよれを抑制することができ、型崩れを抑制することができる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性物品は、前記バックシートの非肌側には、第1方向に延びるズレ止めが、前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて複数設けられており、前記ズレ止めの前記第2方向における前記間隔の最小値が、前記広葉樹からなる前記保水性繊維の平均繊維長よりも、大きいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、このような吸収性物品によれば、吸収性コアがズレ止めの間で曲がり易くなるので、吸収性物品が身体の動きと連動しやすくフィット性が向上する。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性物品は、前記吸収性コアの外周面を被覆するコアラップシートを有しており、前記コアラップシートは、前記幅方向に間隔を置いて設けられた前記長手方向に延びるコアラップ接合剤により前記吸収性コアと接合されており、前記コアラップ接合剤の前記幅方向における前記間隔の最小値が、前記広葉樹からなる前記保水性繊維の平均繊維長よりも、大きいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、左右のコアラップ接合剤を跨ぐ(コアラップ接合剤の間隔を超える)保水性繊維を低減することができ、コアラップ接合剤が塗布された部分が吸収性コア全体を固めつつ、コアラップ接合剤が塗布されていない部分が変形しやすくなるので、吸収性コアの型崩れ防止と追従性が両立した吸収性物品を提供することができる。
かかる吸収性物品であって、前記広葉樹保水性繊維の平均繊維幅は15μm以下であり、前記吸収性コアの単位面積当たりに含まれる前記広葉樹保水性繊維の本数は、300本/mm2以上、2500本/mm2未満であり、複数の前記広葉樹保水性繊維の間に高吸収性ポリマーを有していることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、広葉樹パルプに含まれた排泄液は広葉樹パルプの間にある高吸収性ポリマーに引き込まれやすいので、複数回の排泄液の吸収においても液戻りを低減することができる。
かかる吸収性物品であって、前記広葉樹保水性繊維の繊維長の標準偏差は0.27以下であり、前記広葉樹保水性繊維の繊維幅の標準偏差は7.55以下であることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、吸収体において均一な繊維密度を保持しやすいので、平面方向において偏りが少なく同心円状に拡散しやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記広葉樹保水性繊維の平均繊維長に前記広葉樹保水性繊維の繊維長の標準偏差を加えた値は、前記広葉樹保水性繊維の前記平均繊維長の2倍の値よりも小さく、前記広葉樹保水性繊維の前記平均繊維長から前記広葉樹保水性繊維の繊維長の前記標準偏差を引いた値は、前記広葉樹保水性繊維の前記平均繊維長の1/2の値よりも大きいことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、吸収体において均一な繊維密度を保持しやすいので、平面方向において偏りが少なく同心円状に拡散しやすくなる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアは、複数の熱可塑性繊維を含み、且つ前記吸収性コアを前記厚さ方向に一体的に圧搾する圧搾部を有しており、前記圧搾部において、前記熱可塑性繊維が互いに融着していることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、着用者が身体を大きく動かした場合であっても、吸収体10が型崩れを生じたり吸水性が悪化したりすることを抑制しやすくすることができる。
===第1実施形態===
<<生理用ナプキンの基本的構成>>
本実施形態に係る吸収性物品の一例として生理用ナプキン1(以下、単にナプキン1とも呼ぶ)について説明する。なお、以下の説明では吸収性物品の例として生理用ナプキンについて説明するが、本実施形態の吸収性物品には、所謂おりものシート(例えばパンティライナー)や軽失禁パッド等も含まれており、生理用ナプキンに限定されるものではない。
図1は、ナプキン1を厚さ方向の肌側から見た概略平面図である。図2は、図1中のA−A矢視で示す概略断面図である。また、以下の説明では、図1、図2に示すように、各方向を定義する。すなわち、ナプキン1の製品長手方向に沿った「長手方向」と、ナプキン1の製品短手方向に沿って長手方向と直交する「幅方向」と、長手方向及び幅方向とそれぞれ直交する「厚さ方向」と、を定義する。長手方向のうち、ナプキン1の使用時において着用者の腹側となる方向を「前側」とし、着用者の背側となる方向を「後側」とする。厚さ方向のうち、ナプキン1の着用時に着用者の肌と当接する側を「肌側(上側)」とし、その逆側を「非肌側(下側)」とする。
ナプキン1は、平面視縦長形状のシート状部材であり、一対のサイドシート2と、トップシート3と、セカンドシート4と、吸収体10と、カバーシート6と、バックシート5とが厚さ方向の肌側から非肌側へと順に積層されて形成されている(図2参照)。そして、これら各部材は、それぞれ、厚さ方向に隣接する部材とホットメルト接着剤(HMA)等の接着剤で接合されている。なお、接着剤の塗布パターンとしては、Ωパターンやスパイラルパターン、ストライプパターン等を例示できる。
また、ナプキン1は、吸収体10が設けられたナプキン本体部20と、ナプキン本体部20の長手方向中央領域から幅方向の両外側に延出した一対のウイング部30とを有する。このウイング部30が設けられる長手方向中央領域(ウイング域WAともいう。より詳しくは、ウイング部30が幅方向の外側へ延出する長手方向の前側の延出開始点t1と後側の延出開始点t2との間の領域。図1参照)は、ナプキン1の使用時において着用者の排泄口(股下部)と当接する領域である。
トップシート3(液透過性シートに相当)は、ナプキン1の使用時において着用者の肌と当接する部材であり、経血等の液体を厚さ方向の肌側から非肌側に透過させ、吸収体10に移動させる。このため、トップシート3には、エアスルー不織布などの適宜な液透過性の柔軟なシートが用いられる。
セカンドシート4(肌側シートに相当)は、液透過性の繊維からなるシートであり、トップシート3と同じエアスルー不織布等を例示できる。セカンドシート4は、吸収体10の肌側面上に(肌側面に隣接して)設けられ、経血等の排泄物の逆戻り防止、排泄物の拡散向上、及びクッション性の向上等の役割を果たす。但し、ナプキン1がセカンドシート4を有さなくても良い(例えば、トップシート3が代替してもよい)。
バックシート5は、ナプキン1の使用時においてトップシート3を透過して吸収体10によって吸収された液体が下着等の着衣側(非肌側)に染み出すことを抑制する。バックシート5には、ポリエチレン(PE)の樹脂フィルムなど適宜な液不透過性の柔軟なシートが用いられる。なお、トップシート3及びバックシート5は、平面サイズが吸収体10よりも大きくされている。
カバーシート6(非肌側シートに相当)は、液透過性のシートであっても液不透過性のシートであっても良く、ティッシュペーパーやSMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布等を例示できる。カバーシート6は吸収体10とバックシート5の間に設けられている。つまり、ナプキン1は、カバーシート6とバックシート5を備えており、カバーシート6は、吸収体10の非肌側に隣接して吸収体10に接合されており、バックシート5は、カバーシートの6非肌側に隣接してカバーシート6に接合されている。但し、ナプキン1がカバーシート6を有さなくても良い(例えば、バックシート5が代替してもよい)。
サイドシート2は、液透過性のシートであっても液不透過性のシートであっても良く、SMS不織布やトップシート3と同じエアスルー不織布等を例示できる。
そして、図1及び図2に示されるように、サイドシート2及びトップシート3と、バックシート5との外周縁部同士が接着又は溶着で接合されることにより、これらのシート同士の間に吸収体10が保持されている。また、一対のサイドシート2は、トップシート3の幅方向の両側部から幅方向の外側に延出しており、バックシート5と共に一対のウイング部30を形成している。
ナプキン本体部20の厚さ方向における非肌側面(つまりバックシート5の非肌側面)には、長手方向に沿った複数の帯状の領域に適宜な接着剤(例えばホットメルト接着剤)を塗布することにより形成された本体部用粘着部21(ズレ止めに相当)が設けられている(図2、図10参照)。つまり、バックシート5の非肌側には、長手方向に延びるズレ止めが、幅方向に間隔を置いて複数設けられている。ナプキン1の使用時に本体部用粘着部21は下着等の肌側面に貼り付けられ、これによりナプキン1は下着等に固定される。
同様に各ウイング部30の厚さ方向における非肌側面(つまりバックシート5の非肌側面)には、ウイング部用粘着部31が設けられている(図2参照)。ナプキン1の使用時にウイング部30は非肌側に折り曲げられ、ウイング部用粘着部31は下着等の非肌側面に貼り付けられ、これによりナプキン1は下着等に固定される。つまり、ウイング部30は、着用者の下着の股下部にナプキン1を固定するための部位である。
吸収体10(吸収性コアに相当)は、長手方向に沿って長い縦長の部材であり、経血等の液体(排泄物)を吸収して内部に保持する。吸収体10の詳細については後述する。セカンドシート4、吸収体10、カバーシート6は、平面形状が同じであり、厚さ方向に積層されている。なお、本実施形態ではこれらの各部材がホットメルト接着剤(HMA)によって互いに接合されているが、接合されていなくても良い。
また、ナプキン1には、圧搾部40(凹部)が複数設けられている(図1参照)。圧搾部40は、厚さ方向の肌側から非肌側に向かって凹んだ部位であり、吸収体10の密度がその周辺の密度よりも高い部位である。圧搾部40の詳細については後述する。
<<吸収体10について>>
吸収体10は、液体を吸収する保水性繊維を有し、平面視縦長形状に成形されている。また、吸収体10に保水性繊維以外の素材(例えば、熱可塑性樹脂繊維)が含まれても良い。保水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを有する場合、吸収体10は、これらの繊維同士が互いに混合した状態で形成される。
保水性繊維としては、パルプ、例えば、針葉樹(例えば、サザンイエローパイン)又は広葉樹(例えば、ユーカリ)を原料として得られる木材パルプ、バガス、ケナフ、竹、麻、綿(例えば、コットンリンター)等の非木材パルプ;レーヨン繊維等の再生セルロース繊維;アセテート繊維等の半合成繊維等が挙げられる。通常、保水性繊維として繊維長が長い針葉樹パルプが用いられることが多い。
図3は広葉樹パルプ繊維(以下、広葉樹パルプともいう。広葉樹保水性繊維に相当)と針葉樹パルプ繊維(以下、針葉樹パルプともいう)の繊維長の分布を示す図である。横軸は繊維長(mm)を示し、縦軸は頻度(%)を示している。図に示すように、針葉樹パルプの平均繊維長は2.5mmであり、繊維長の分布幅が広い(3mm以上の繊維が含まれる。標準偏差は1.6)。これに対し、広葉樹パルプの平均繊維長は0.79mmであり、繊維長の分布幅が狭い(標準偏差は0.27)。このように、広葉樹パルプは、針葉樹パルプと比べて繊維長が短い。本実施形態のナプキン1では、吸収体10に広葉樹パルプを用いている。これにより、保水性繊維の平均繊維長が短くなっている。
なお、平均繊維長は、中心繊維長(Cont)による測定で長さ加重平均繊維長L(l)を意味する。長さ加重平均繊維長は、メッツォオートメーション(metso automation)社製のカヤーニファイバーラボファイバープロパティーズ(オフライン)[kajaaniFiberLab fiber properties(off−line)]により、L(l)値として測定される。なお、これはJIS P 8226−2(パルプ-工学的自動分析法による繊維長測定方法 非偏光法に準ずる)で推奨されている方法でもある。また、JISの評価法に記載あるように、平均繊維長及び後述する繊維幅は繊維塊を除いて測定された結果である。
熱可塑性樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を素材とする単独繊維や、PPとPEとを重合してなる繊維、又は、PPとPEとからなる芯鞘構造の複合繊維等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂繊維では捲縮の程度を調整することが可能である。例えば、熱可塑性樹脂繊維として、融点の異なる2つの合成繊維成分からなる芯鞘型、偏心型の複合繊維を用いることで繊維を捲縮させることができる。
本実施形態では、熱可塑性樹脂繊維の単位長さ当たりの平均捲縮数を、保水性繊維の単位長さ当たりの平均捲縮数よりも少なくなるように定めている。これにより、熱可塑性樹脂繊維と保水性繊維との交絡が少なくなるので、柔らかく仕上げることができる。よって、熱可塑性樹脂繊維を含む場合においても、装着感を向上でき、漏れ防止性を高めることができる。
なお、平均捲縮数の測定方法としては、例えば、幅方向に複数個の試験片(例えば5cm角の試験片)をサンプリングし、キーエンス製マイクロスコープVH−Z450などを用いて、試験片中の繊維に荷重がかからない状態で、1インチ(2.54cm)当たりの捲縮数を数回測定すればよい。その平均値より捲縮数(単位長さ当たりの平均捲縮数)を算出することができる。
また、熱可塑性樹脂繊維に追加する繊維又は代わりの繊維として、保水性繊維であるレーヨン繊維等を用いてもよい。すなわち、吸収体10は、レーヨン繊維及び合成繊維(熱可塑性繊維)の少なくとも一方を有する。そうすると、吸収体10の剛性が向上するので、吸収体10の型崩れが抑制され、フィット性の低下を抑制することができる。また、レーヨン繊維を用いると吸収体10の吸収性をさらに高めることができる。
また、吸収体10が上記以外の繊維を含んでいても良く、例えばセルロース等の天然繊維等を含んでいても良い。
また、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等の液体吸収性粒状物を加えても良い。
吸収体10の製造方法としては、粉砕パルプや高吸収性ポリマー等を集積させる方法が知られている。
図4は、吸収体10の製造方法を説明するための図である。なお、ここでは、吸収体10として、保水性繊維と熱可塑性樹脂繊維と高吸収性ポリマー(SAP)を含むものを製造する場合について説明する。
回転ドラム70は、中空円筒形のドラムであり、周面には吸収体材料を詰める型として、複数の凹部71が所定のピッチで形成されている。回転ドラム70が回転して凹部71が材料供給部80へ進入すると、吸引部72の吸引により、材料供給部80から供給された吸収体材料が、凹部71に堆積(集積)する。
フード80a付きの材料供給部80は、回転ドラム70の上部を覆うように形成されており、材料供給部80は、パルプシートを粉砕機(不図示)で粉砕した粉砕パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプであり、粉砕された繊維に相当)と熱可塑性樹脂との混合物を空気搬送により凹部71に供給する。また、材料供給部80は、高吸水性ポリマー粒子を供給する粒子供給部81を備えており、凹部71に対して高吸水性ポリマー粒子を供給する。吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維との混合物及び高吸水性ポリマー粒子は、混合状態で凹部71に堆積され、凹部71に吸収体10が形成される。
回転ドラム70の更なる回転により、吸収体10を収容した凹部71がドラムの最下部に到達すると、吸収体10が凹部71から外れ、コンベアにて搬送される基材(カバーシート6など)の上に配置され、次の工程に引き渡されることになる。
なお、以後の工程において、例えば、セカンドシート4と吸収体10をホットメルト接着剤(HMA)等で接合する際に、セカンドシート4を吸収体10へ押し付ける。つまり、吸収体10は、以後の工程において厚さ方向にプレスされるので、厚さ方向の両側端部において厚さ方向の中央部よりも繊維密度が高くなる。
図5は、吸収体10の厚さ方向における繊維密度の分布を説明するための図である。図5に示すように、吸収体10を厚さ方向に3等分した際の肌側部IA、中央部MA、非肌側部OAの繊維密度(各々の拡大図の線が繊維を表している)を見てみると、肌側部IAと非肌側部OAの表面に近いほど繊維密度が大きくなっており、中央部MAでは繊維密度が低い。
すなわち、吸収体10は、吸収体10を厚さ方向に3等分した際の肌側部IAと中央部MAと非肌側部OAを有しており、非肌側部OAにおける保水性繊維の繊維密度が、中央部MAにおける前記保水性繊維の繊維密度よりも大きく、肌側部IAにおける保水性繊維の繊維密度が、中央部MAにおける前記保水性繊維の繊維密度よりも大きい。
したがって、吸収体10の肌側においては、セカンドシート4を接合するために肌側に塗布された接着剤(ホットメルト接着剤)が吸収体10に浸透することを抑制することができ、吸収体10の厚さ方向における中心にまでは達していない。すなわち、接着剤が、吸収体10の肌側面から、少なくとも厚さ方向の中心にまで達していない。つまり、吸収体10の少なくとも厚さ方向における中心には接着剤が存在しないので、中心よりも非肌側の吸収体10において排泄液の液拡散性を向上させることができる。
また、吸収体10の非肌側においては、厚さ方向の中心から非肌側へ毛細管効果が発生して排泄液の拡散性が向上するので、かかる毛細管効果が発生しない場合に比べて、吸収体10の全体を使って排泄液を保持することができる。
また、セカンドシート4と吸収体10を厚さ方向にプレスすることにより、吸収体10の保水性繊維がセカンドシート4の繊維と絡み合う。図6は、セカンドシート4の繊維と吸収体10の繊維が絡み合う様子を示した説明図である。なお、後述するが、広葉樹パルプは細いので繊維間に入り込みかかる絡み合いが発生するが、針葉樹パルプは太いので繊維間に入り込みにくくかかる絡み合いが発生しにくい(又は発生しない)。つまり、図6の保水性繊維は広葉樹パルプを表している。
図6をみると、セカンドシート4の内部において、セカンドシート4の繊維4f(拡大図に白抜き線で表示)に吸収体10の広葉樹保水性繊維10f(拡大図に黒線で表示)が接触している。つまり、広葉樹保水性繊維10fの少なくとも一部が、吸収体10の肌側の表面から突出して、セカンドシート4の内部まで延出しており、セカンドシート4の内部において、広葉樹保水性繊維10fの少なくとも一部が、セカンドシート4の繊維と接触している。
そして、この繊維同士の接触により、排泄液がセカンドシート4の繊維4fから広葉樹保水性繊維10fを伝って吸収体10の内部に入りやすくなるので、液吸収速度を高めることができる。また、保水性繊維が肌側シートに引っ掛かったような状態となるので、吸収体10のよれを抑制することができ、吸収体10の型崩れを抑制することができる
なお、一般的な吸収体として、パルプ繊維(広葉樹パルプ及び針葉樹パルプ)や熱可塑性樹脂繊維や紛体などを不織布と同様の製法(エアレイド法)によって、結合剤を用いてシート状に形成したもの(エアレイド)が知られている。エアレイドの特徴としては、結合材が用いられているので、図4の製造方法で製造したものよりも吸収体の剛性が高くなり、排泄液の液拡散性や液吸収性が低減する。つまり、図4で示す製造方法を用いて吸収体10を製造すると、エアレイド法により製造した吸収体と比べて、剛性が低くて(柔らかくて)液拡散性及び液吸収性が高い吸収体を製造することができる。
換言すると、エアレイド法により製造された吸収体は、排泄液の吸収及び拡散が、結合材により阻害されて液吸収性、液拡散性が低減するが、図4で示す製造方法の吸収体10は、粉砕されたパルプ繊維(広葉樹パルプ及び針葉樹パルプ)が絡み合って形成されているので、排泄液がスムーズに吸収及び拡散される(液吸収性及び液拡散性が高い)。
また、吸収体10の厚さは、2mm以上10mm以下であることが望ましい。吸収体10の厚さが2mm未満だと薄すぎてよれてしまい、10mmを超えると硬すぎて着用者が違和感を覚えるおそれがある。
また、広葉樹パルプの繊維本数密度は、針葉樹パルプよりも細くて繊維間距離が短いので、針葉樹パルプの繊維本数密度よりも大きい。なお、繊維本数密度は、単位面積当たりの平均繊維本数に相当し、繊維太さ+平均繊維間距離にて、細密充填構造の場合に単位面積当たりに含まれる繊維の本数を試算した値である。かかる試算値をみると、広葉樹パルプの繊維本数密度は、1182.2本/mmであり、針葉樹パルプの繊維本数密度(200.3本/mm)の約6倍である。よって、広葉樹パルプを使用すると、針葉樹パルプを使用した場合と比べて高密度化が可能である。
繊維本数密度は300本/mm以上2500本/mm未満であることが望ましい。繊維本数密度が300本/mm未満だと吸収体10がすかすかになってしまい、使用中によれてしまい、結果吸収体面積が減少し、漏れやすくなってしまう。繊維本数密度が2500本/mm以上だと吸収体10がかたく仕上がりすぎてしまい、使用中の違和感が増大してしまう。繊維本数密度が300本/mm以上2500本/mm未満であれば、毛細管効果を高めることができ、また、薄膜化及び柔軟化が可能になり、吸収性を高めることができる。
また、繊維本数密度は広葉樹パルプが針葉樹パルプよりも大きいことが好ましい。そうすると、吸収体10の柔らかさを維持しつつも、毛細管効果を増やすことができる。
また、熱可塑性樹脂繊維を含む吸収体10は、吸収体10を厚さ方向に一体的に圧搾する圧搾部40において、熱可塑性樹脂繊維同士が融着していることが望ましい。つまり、吸収体10は、複数の熱可塑性繊維を含み、且つ吸収体10を厚さ方向に一体的に圧搾する圧搾部40を有しており、圧搾部40において、熱可塑性繊維が互いに融着していることが望ましい。
つまり、圧搾部40を形成する際に、熱可塑性繊維同士が互いに融着することにより、トップシート3と吸収体10との一体性が強くなるとともに、吸収体10の形状が安定しやすくなる。これにより、例えばナプキン1を着用した状態で着用者が身体を大きく動かした場合であっても、吸収体10が型崩れを生じたり吸水性が悪化したりすることを抑制しやすくすることができる。
<<圧搾部40について>>
次に、圧搾部40について説明する。図1に示すように、本実施形態にかかるナプキン1においては、複数種類の圧搾部40を有している(以下では説明を解り易くするため代表的な圧搾部40を用いて説明する)。ナプキン1のウイング域WAにおいては、円形状に圧搾されている第1圧搾部40a、長手方向に延びる所定の寸法(後述する縦寸法に相当)を有した第2圧搾部40b(中央ヒンジ部に相当)が設けられている。また、第2圧搾部40bの前側と後側には、幅方向に延びる第3圧搾部40cが設けられている。
図7は、図1中のB−B矢視で示す圧搾部40の概略断面図である。図7に示すように、第4圧搾部40dは、厚さ方向の両側から中心へ向けて吸収体10のみが圧搾されている。つまり、第1圧搾部40a乃至第4圧搾部40dは、圧搾している部材が異なっており、第1圧搾部40a乃至第3圧搾部40cは、トップシート3、セカンドシート4、及び吸収体10が一体的に圧搾されており(ヒンジ部に相当)、第4圧搾部40dは、吸収体10のみが圧搾されている。
なお、トップシート3から吸収体10まで一体的に圧搾することにより、トップシート3及びセカンドシート4は、肌側の表面に凹凸部を有する。そうすると、肌側の表面において凸部から凹部への排泄液の流れが発生し、液吸収速度を高めることができる。
また、圧搾する部材は図7に示すものに限らず、バックシート5から吸収体10までを一体的に圧搾しても良い。また、圧搾部の配置パターンも図1に示すものに限るものではない。
<圧搾部の横寸法及び縦寸法について>
次に、圧搾部40の横寸法第1寸法に相当)及び縦寸法(第2寸法に相当)について説明する。図8は、圧搾部の横寸法及び縦寸法を説明するための説明図であり、上図は第2圧搾部40b、中央図は前側の第3圧搾部40c、下図は第1圧搾部40aと一例として三角形状の圧搾部をそれぞれ示している。そして、図8においては、横寸法を実線の矢印で、縦寸法を破線の矢印で表している。
第2圧搾部40bが長手方向に延びていることは既に述べたが、その延びているより正確な方向は、図8上図に示す破線の方向である。つまり、第2圧搾部40bは、長手方向に曲線状に延びており、かかる曲線状の寸法(第2圧搾部40bを直線状にした際の寸法)が第2圧搾部40bの縦寸法である。そして、縦寸法(縦寸法の接線)と直交する寸法が第2圧搾部40bの横寸法である。つまり、第2圧搾部40bは、複数の横寸法を有しており、図8上図に示す横寸法(実線矢印)は、第2圧搾部40bの横寸法における最大値である(図8においては以下同様とする)。
第3圧搾部40cについてその延びている方向を見てみると、例えば、図8中央図に示すように、紙面の左斜め上方向及び右斜め上方向に曲線状に延びる第3圧搾部上側40caと、紙面の上方向に突出した幅方向に曲線状に延びる第3圧搾部下側40cbと、の2つの圧搾部に分解することができる。すなわち、第3圧搾部40cは、複数の圧搾部が組み合わされて構成された1つの圧搾部と言える。そして、第3圧搾部40cのような複数の圧搾部から構成される圧搾部は、分解した圧搾部の各々がそれぞれの縦寸法と横寸法を有している。
つまり、第3圧搾部上側40caは、紙面の左斜め上方向に曲線状に延びる縦寸法と、かかる縦寸法と直交する横寸法、及び、紙面の右斜め上方向に曲線状に延びる縦寸法と、かかる縦寸法と直交する横寸法を有し、第3圧搾部下側40cbは、紙面の上方向に突出した幅方向に曲線状に延びる縦寸法と、かかる縦寸法と直交する横寸法を有している
なお、第2圧搾部40bと第3圧搾部40cは、どちらとも曲線状に延びる圧搾部40であったが、これに限るものではなく、例えば、直線状に延びていても良いし、直線状と曲線状に延びる圧搾部が組み合わされて1つの圧搾部を構成していてもよい。
次に、図8下図に示す円形状の第1圧搾部40aや三角形状の圧搾部のような、圧搾部がどちらの方向にも延びていない又は延びている方向が不明瞭(横寸法に対して縦寸法が十分に大きくなく延びている方向が不明瞭)な圧搾部(以下、ドット状圧搾部ともいう)における横寸法と縦寸法を説明する。
ドット状圧搾部においては、或る平面方向に沿ったドット状圧搾部を跨ぐ直線を引いたときに、ドット状圧延部の外縁と直線との交点間距離が最大となる寸法を、かかるドット状圧搾部の或る平面方向における跨ぎ寸法とする。つまり、例えば、図8下図において、或る平面方向として、紙面の上下方向に沿った直線を引いた場合、第1圧搾部40aでは円の中心を通過する直線(破線矢印で示す直線)、三角形状では三角形の垂線(実線矢印で示す直線)がそれぞれのドット状圧搾部の上下方向における跨ぎ寸法となる。
そして、ドット状圧搾部の跨ぎ寸法を平面方向の全方向で見たときに、跨ぎ寸法が最も短くなる寸法が横寸法である。つまり、ドット状圧搾部の横寸法は、ドット状圧搾部の跨ぎ寸法のうちの最も短い跨ぎ寸法である。そうすると、第1圧搾部40aでは円の中心を通る全方向の直線(直径)が同じ長さとなり、全ての跨ぎ寸法が最も短い跨ぎ寸法と言える。図8下図の第1圧搾部40aでは、説明を解り易くするため、紙面の左右方向を横寸法とした。また、三角形状の圧搾部では最も内角が大きい頂点からの垂線が最も短い跨ぎ寸法(横寸法)となる。図8下図では、紙面の上下方向の跨ぎ寸法となる。そして、ドット状圧搾部における縦寸法は、横寸法と直交する寸法である。つまり、第1圧搾部40aでは紙面の上下方向の跨ぎ寸法が縦寸法であり、三角形状の圧搾部では紙面の左右方向の跨ぎ寸法が縦寸法である。
また、圧搾部40の横寸法と縦寸法の長さの関係を見てみると、円形状の第1圧搾部40aにおいては、横寸法と縦寸法の長さが同じであり、その他の圧搾部40においては、縦寸法が横寸法よりも長い。つまり、圧搾部40は、横寸法(第1寸法)と、横寸法(第1寸法)と直交し横寸法(第1寸法)以上の長さを有する縦寸法(第2寸法)と、を有している。
<<保水性繊維の平均繊維長について>>
次に、保水性繊維の平均繊維長について、圧搾部40及び本体部用粘着部21との関係を説明する。先に圧搾部40との関係について説明し、その後に本体部用粘着部21との関係を説明する。上述したように、吸収体10には、保水性繊維として一般的な針葉樹パルプと平均繊維長が短くて柔らかい広葉樹パルプが用いられている。そして、図3に示すように、それぞれの平均繊維長は、広葉樹パルプが0.79mmであり、針葉樹パルプが2.5mmである。
そして、本実施形態に係る圧搾部40の横寸法(第1寸法)の最大値(1.0〜2.0mm程度)は、広葉樹パルプの平均繊維長(0.79mm)よりも大きく、針葉樹パルプの平均繊維長(2.5mm)よりも小さい。
なお、本実施形態に係る圧搾部40の寸法とは、平面方向において、圧搾部40が厚さ方向に窪み始める圧搾開始点の間の寸法を意味する。第1圧搾部40aの横寸法を例に挙げると、図7の拡大図に示すように、第1圧搾部40aが窪み始める圧搾開始点La1と圧搾開始点La2の間の横寸法Laである。
図9に示すように、広葉樹パルプ50Lか針葉樹パルプ50Nかによって、圧搾部の幅方向における左右の境界EDを跨ぐ保水性繊維の数量が異なる。広葉樹パルプ50Lの場合(図8a)、圧搾部の寸法Lが広葉樹パルプ50Lの繊維長の寸法LLより大きいので、厚さ方向に圧搾部と広葉樹パルプ50Lが重複した場合、圧搾部の境界EDにおいて繊維の跨ぎが生じたり生じなかったりする。例えば、図9aでは左上境界部P1及び左下境界部P2の2箇所で保水性繊維の跨ぎが生じる。一方、針葉樹パルプ50Nの場合(図9b)、圧搾部の寸法Lが針葉樹パルプ50Nの繊維長の寸法LNより小さいので、厚さ方向に圧搾部と針葉樹パルプ50Nが重複した場合、圧搾部の境界EDにおいて繊維の跨ぎが生ずる。例えば、図9bのように左右どちらの境界EDでも保水性繊維の跨ぎが生じ、10箇所ほどで保水性繊維の跨ぎが生じる。そして、圧搾部の境界EDで保水性繊維の跨ぎが生じると、跨ぎが生じない場合に比べて、保水性(リウェット性)が低減する。つまり、圧搾部で一度吸収した排泄液が、圧搾部の境界EDを跨った保水性繊維を伝って戻り易くなり、排泄液の引き込み性が悪くなる。
本実施形態にかかる吸収体10のように圧搾部40の横寸法の最大値以下の平均繊維長を有する広葉樹パルプ50Lを含む場合は、一般的な針葉樹パルプ50Nのみの保水性繊維と比較して、あるいは、圧搾部40の横寸法の最大値より大きい平均繊維長を有する広葉樹パルプ50Lを含む場合と比較して、保水性繊維の跨ぎが少なくなる効果がある。例えば、図8cでは、保水性繊維の跨ぎが生じる箇所が6カ所となり、図8bに示す針葉樹パルプ50N(100%)の10箇所よりも少なくなる。つまり、圧搾部40の横寸法の最大値以下の平均繊維長を有する広葉樹パルプ50Nを含む保水性繊維(図8a、図8c)においては、圧搾部の境界EDを跨ぐ保水性繊維が少なくなり、排泄液の引き込み性が悪くなり液漏れすることを抑制する。
すなわち、広葉樹パルプを含んだ吸収体10コアの場合、圧搾部40の横寸法の最大値が広葉樹パルプの平均繊維長より大きくなるので、平均繊維長が長い針葉樹パルプのみで構成された一般的な吸収体に比べて、圧搾部40と非圧搾部の境界ED(圧搾部の端)を跨ぐ保水性繊維を低減させることができ、かかる保水性繊維に沿った経血等の液の伝わり(圧搾部から非圧搾部への液の伝わり)を抑制することができ、液漏れを抑制することができる。
なお、上記では図7の拡大図に示すように、第1圧搾部40aが窪み始める圧搾開始点La1と圧搾開始点La2の間の横寸法Laとしたが、図9aに示す圧搾部の左下境界部P2及び右下境界部P4の底部が曲がり始める圧搾開始点の間の寸法としてもよい。この場合、左下境界部P2及び右下境界部P4がさらに曲がりやすくなるので、圧搾部が変形した際に身体に感じる硬さ低減されて快適な装着感が実現されたナプキン1を提供することができる。
また、第2圧搾部40bの横寸法Lbの最大値と広葉樹パルプ50Lの平均繊維長LLを比べると、第2圧搾部40b(中央ヒンジ部)の横寸法Lbの最大値が、広葉樹パルプの平均繊維長LLよりも大きい。
したがって、第2圧搾部40b(中央ヒンジ部)において、圧搾部40と非圧搾部(吸収体10)の境界EDを跨ぐ保水性繊維を低減させることができるので、かかる保水性繊維に沿った経血等の液の伝わり(圧搾部から非圧搾部への液の伝わり)を抑制することができ、液漏れを抑制することができる。
次に、保水性繊維の平均繊維長と本体部用粘着部21の関係を説明する。図10は、ナプキン1を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。図10に示すように、バックシート5の非肌側には、長手方向(第1方向に相当)に延びる本体部用粘着部21が、長手方向(第1方向)に直交する幅方向(第2方向に相当)に間隔21gを置いて複数設けられており、かかる幅方向(第2方向)の間隔21gの最小値は、広葉樹からなる保水性繊維の平均繊維長よりも大きい。
そのため、下着から変形する力を受けた場合に、本体部用粘着部21の外縁を跨ぐ保水性繊維を低減することができ、吸収体10が本体部用粘着部21の間で曲がり易くなるので、ナプキン1が身体の動きと連動しやすくフィット性が向上する。
なお、図10に示す本体部用粘着部21は、長手方向に延びて、幅方向に間隔21gを置いて複数設けられているが、これに限るものではなく、例えば、幅方向に延びて、長手方向に間隔を置いて設けられていてもよい。
===ナプキン1の評価について==
ナプキン1に用いられる広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、トップシート3、セカンドシート4、及びカバーシート6をサンプルとして、それぞれの平均繊維径、保水量、及び保水性繊維の平均繊維幅を測定し評価を行った。なお、保水量とは、繊維1g当たりの保持できる液体重量(脱水後に保持している液体重量)である。詳細は後述する。
<平均繊維径評価>
広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、トップシート3、セカンドシート4、及びカバーシート6の平均繊維径は、測定対象のサンプルに該当する部位を四角形形状に切り出したものを試料とし、マイクロスコープ(KEYENCE製 VHX−2000、レンズ VH−Z20W絞り開放)の3D画像連結機能を用いて、試料の表面から深度100μmまで焦点が一致している拡大画像(例えば、広葉樹は500倍、針葉樹は100倍の画像)を得て、かかる画像の繊維径を測定して平均繊維径とした。なお、中空繊維の場合には最外形を径として定義し、偏平繊維の場合は、平均繊維幅と平均繊維厚みの平均値を径と定義する。
図11は、平均繊維径と保水量の評価結果を示す図(表1)である。本実施形態においては、トップシート3及びセカンドシート4の平均繊維径(どちらも18μm)よりも小さい平均繊維径となるように、広葉樹パルプ(10.4μm)と針葉樹パルプ(20.7μm)を混合して保水性繊維とし、かかる保水性繊維が吸収体10に含まれている。すなわち、保水性繊維の繊維径が18μm未満になるようにして吸収体10に含まれている。そして、平均繊維径が小さく(大きく)なると、平均繊維間距離も小さく(大きく)なり、毛細管効果が大きく(小さく)なる。つまり、吸収体10の保水性繊維の平均繊維径が、吸収性コアの肌側に設けられたトップシート3及びセカンドシート4の平均繊維径よりも小さいので、毛細管効果によって経血等が吸収性コアに効率よく吸い込まれる。
<保水量評価方法>
先ずは、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、トップシート3、セカンドシート4、及びカバーシート6のサンプルの重量を直示天秤(例えば、研精工業株式会社製 電子天秤HF−300)で測定し、サンプルを準備した。次に、各々のサンプル全体をプレート状の容器に注いだ生理食塩水(0.9%NaCl溶液)に30分間浸した。30分経過後、サンプルの両側を竿に固定したクリップに留めて吊持した状態のまま10分間放置した。そして、脱水機(150G)の中にサンプルを入れて90秒間脱水した後の重量を測定し、(脱水後の重量(g)−サンプルの重量(g))/サンプルの重量(g)の算式によって保水量を求めた。すなわち、保水量とは、繊維1g当たりの保持できる液体重量(脱水後に保持している液体重量)であって、繊維内に液体を留めておける強さを表している。
上述したように、保水性繊維の平均繊維径(平均繊維間距離)がセカンドシート4(肌側シート)の平均繊維径(平均繊維間距離)よりも小さいので、毛細管効果がセカンドシート4(肌側シート)から吸収体10の方向へ発現し、排泄液がセカンドシート4(肌側シート)から吸収体10に効率よく吸い込まれる。
さらに、図11に示すように、吸収体10(広葉樹パルプ及び針葉樹パルプ)の保水性繊維1g当たりの保水量が、セカンドシート4(肌側シート)の繊維の1g当たりの保水量よりも大きいので、保水量の小さいセカンドシート4(肌側シート)からは重力等により速やかに排泄液が排除され、保水量の大きい吸収体10へと移動し、液吸収性をより一層向上させることができる。
そして、保水量の大きい吸収体10に一度吸い込まれた排泄液は、吸収体10よりも保水量の小さいセカンドシート4(肌側シート)に逆戻り(リウェット)することが抑制される。すなわち、吸収体10の保水性繊維1g当たりの保水量が、セカンドシート4(肌側シート)の繊維の1g当たりの保水量よりも大きいので、小さい場合に比べて、リウェット性をより一層向上させることができる。
また、保水性繊維の平均繊維径が、トップシート3(液透過性シート)の平均繊維径よりも小さい。つまり、吸収体10の肌側に設けられたセカンドシート4(肌側シート)とトップシート3(液透過性シート)のどちらの平均繊維径よりも、吸収体10の保水性繊維の平均繊維径が小さいので、毛細管効果によって経血等が吸収体10に効率よく吸い込まれる。
また、保水性繊維の平均繊維径が、カバーシート6(非肌側シート)の繊維の平均繊維径よりも小さい。つまり、カバーシート6(非肌側シート)の平均繊維径よりも吸収体10の保水性繊維の平均繊維径が小さいので、毛細管効果によって、カバーシート6(非肌側シート)が湿潤しにくく、吸収体10とカバーシート6(非肌側シート)の接着強度の低下が抑制され、吸収性物品の変形を抑制してフィット性の低下を抑制することができる。
<<保水性繊維の平均繊維幅について>>
次に、保水性繊維の平均繊維幅について説明する。なお、測定は、上記した平均繊維長と同様の方法で行い、FiberWidthとして測定される。
図12は、広葉樹パルプと針葉樹パルプの平均繊維幅の分布を示した図である。横軸は繊維幅(μm)を示し、縦軸は頻度(%)を示している。図12に示すように、針葉樹パルプの平均繊維幅は30μmm程度であり(上図)、繊維幅の分布幅が広い(標準偏差は11.9)。これに対し、広葉樹パルプの平均繊維幅は15μm程度であり(下図)、繊維幅の分布幅が狭い(標準偏差は7.55)。本実施形態のナプキン1では、吸収体10に広葉樹パルプを用いていることにより、針葉樹パルプのみを用いている場合と比較して、保水性繊維の平均繊維幅が短くなっている。
そして、広葉樹パルプの平均繊維幅が15μm以下であって、上述したように繊維本数密度が300本/mm以上2500本/mm未満であって、広葉樹パルプの間に高吸収性ポリマーを有するのが望ましい。そうすると、繊維が交絡しにくく、かつ、繊維幅が短いという特徴がある広葉樹パルプが密集するので、繊維に排泄液が含まれやすくなり、広葉樹パルプに含まれた排泄液は広葉樹パルプの間にある高吸収性ポリマーに引き込まれやすいので、複数回の排泄液の吸収においても液戻りを低減することができる。
また、分布幅を見てみると、広葉樹パルプは、針葉樹パルプよりも繊維長(図3)と繊維幅の分布幅が狭い。つまり、広葉樹パルプの繊維長の標準偏差は0.27以下であり、広葉樹パルプの繊維幅の標準偏差は7.55以下である。さらに、広葉樹パルプの平均繊維長に広葉樹パルプの繊維長の標準偏差を加えた値(0.79+0.27=1.06)は、広葉樹パルプの平均繊維長の2倍の値(1.58)よりも小さく、広葉樹パルプの平均繊維長から広葉樹パルプの繊維長の標準偏差を引いた値(0.79−0.27=0.52)は、広葉樹パルプの平均繊維長の1/2の値(0.395)よりも大きい。
このように分布幅が狭くて標準偏差が小さいと、吸収体において均一な繊維密度を保持しやすいので、平面方向において偏りが少なく同心円状に拡散しやすくなる。
このように、保水性繊維の平均繊維長、平均繊維幅を見てみると、広葉樹パルプと比較して、針葉樹パルプは太くて、長いので、パルプ同士が交絡しやすく、しっかりした骨格を形成する。一方、広葉樹パルプは細くて、短いので、パルプ同士の交絡はしにくいが、針葉樹パルプの間に入り込みやすいので、針葉樹パルプで作られた骨格内に広葉樹パルプが充填されることにより、ヨレ耐性が高く、液拡散性とリウェット性が高いナプキン1を提供することができる。
===第2実施形態===
次に、第2実施形態について、上記した第1実施形態と同じ点については説明を省略し、第1実施形態との相違点について説明する。
第2実施形態の第1実施形態との相違点は、第2実施形態においては、ナプキン100がコアラップシート11を有していることである。図13は、コアラップシート11を有するナプキン100の概略断面図であり、上記実施形態の図2に相当する図である。
コアラップシート11(平均繊維径15.6μm。測定方法は上記と同様の方法)は、図13に示すように、吸収体10の外周面を被覆するように設けられている。コアラップシート11としては、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性を有するシートを例示でき、吸収体10とは長手方向に延びるコアラップ接合剤(拡大図Dに示すHMA)で接合されている。つまり、ナプキン100は、吸収体10の外周面を被覆するコアラップシート11を有しており、コアラップシート11は、幅方向に間隔11gを置いて設けられた長手方向に延びるコアラップ接合剤により吸収体10と接合されている。
そして、コアラップ接合剤の幅方向における間隔11gの最小値が、広葉樹からなる保水性繊維の平均繊維長よりも大きい。そのため、コアラップ接合剤の外縁を跨ぐ保水性繊維を低減することができ、コアラップ接合剤が塗布された部分が吸収性コア全体を固めつつ、コアラップ接合剤が塗布されていない部分が変形しやすくなるので、吸収体10の型崩れ防止と追従性が両立したナプキン100を提供することができる。
なお、図13に示すコアラップ接合剤は、長手方向に延びて、幅方向に間隔11gを置いて複数設けられているが、これに限るものではなく、例えば、幅方向に延びて、長手方向に間隔を置いて設けられていてもよい。
また、コアラップシート11を有することにより、第1実施形態においては、吸収体10の肌側に隣接して設けられているシート部材がセカンドシート4であったが、第2実施形態においては、コアラップシート11となる。すなわち、第2実施形態においては、コアラップシート11が吸収体10の肌側に隣接して設けられている(第2実施形態においては、コアラップシート11が肌側シートに相当し、セカンドシート4及びトップシート3が共に液透過性シートに相当する)。
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
また、上記実施の形態においては、吸収体10等の肌側に圧搾による凹凸部(圧搾部40)を有していたが、これに限るものではない。例えば、圧搾ではなくハーフスリットでトップシート3から吸収体10までをカットして開口部を形成したような低坪量部であってもよい。かかる低坪量部によると、排泄液の厚さ方向における引き込み性を高めることができる。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 サイドシート
3 トップシート(液透過性シート)
4 セカンドシート(肌側シート)
4f セカンドシートの繊維
5 バックシート
6 カバーシート(非肌側シート)
10 吸収体(吸収性コア)
10f 広葉樹保水性繊維
11 コアラップシート
20 ナプキン本体部
21 本体部用粘着部(ズレ止め)
30 ウイング部
31 ウイング部用粘着部
40 圧搾部
40a 第1圧搾部(ヒンジ部)
40b 第2圧搾部(中央ヒンジ部)
40c 第3圧搾部(ヒンジ部)
40ca 第3圧搾部上側
40cb 第3圧搾部下側
40d 第4圧搾部
50L 広葉樹パルプ(広葉樹保水性繊維)
50N 針葉樹パルプ
50Le 端部
70 回転ドラム
71 凹部
72 吸引部、
80 材料供給部
80a フード、
81 粒子供給部
100 ナプキン(吸収性物品)
ED 境界
P1 左上境界部
P2 左下境界部
P3 右上境界部
P4 右下境界部
WA ウイング域
t1 前側の延出開始点
t2 後側の延出開始点

Claims (15)

  1. 互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有し、
    液吸収性の吸収性コアを備えた吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、粉砕された繊維を有しており、
    前記粉砕された繊維には、保水性繊維が含まれており、
    前記保水性繊維には、広葉樹からなる広葉樹保水性繊維が含まれており、
    前記吸収性物品は、繊維からなる肌側シートを有しており、
    前記肌側シートは、前記吸収性コアの肌側に隣接して設けられており、
    前記保水性繊維の平均繊維径が、前記肌側シートの繊維の平均繊維径よりも小さく、
    前記吸収性コアにおける前記保水性繊維の1g当たりの保持できる液体重量が、前記肌側シートの繊維の1g当たりの保持できる液体重量よりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、繊維からなる液透過性シートを有しており、
    前記液透過性シートは、前記肌側シートの肌側に隣接して設けられており、
    前記保水性繊維の平均繊維径が、前記液透過性シートの平均繊維径よりも小さいことを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、繊維からなる非肌側シートを有しており、
    前記非肌側シートは、前記吸収性コアに非肌側に隣接して設けられており、
    前記保水性繊維の平均繊維径が、前記非肌側シートの繊維の平均繊維径よりも小さいことを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性コアには、前記吸収性コアの密度がその周囲の密度よりも高い圧搾部が設けられており、
    前記圧搾部は、第1寸法と、前記第1寸法と直交し前記第1寸法以上の長さを有する第2寸法と、を有しており、
    前記圧搾部の前記第1寸法の最大値が、前記広葉樹保水性繊維の平均繊維長よりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項4に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、着用者の下着の股下部に前記吸収性物品を固定するためのウイング部を有しており、
    前記圧搾部は、前記肌側シートと前記吸収性コアとが一体的に圧搾されたヒンジ部を有しており、
    前記ヒンジ部は、前記ウイング部が前記幅方向の外側へ延出する前記長手方向における前側の延出開始点と後側の延出開始点との間の領域に、前記長手方向に前記第2寸法を有した中央ヒンジ部を備えており、
    前記中央ヒンジ部の前記第1寸法の最大値が、前記広葉樹保水性繊維の平均繊維長よりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記肌側シートが、肌側の表面に凹凸部を有していることを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、前記吸収性コアを前記厚さ方向に3等分した際の肌側部と中央部と非肌側部を有しており、
    前記非肌側部における前記保水性繊維の繊維密度が、前記中央部における前記保水性繊維の繊維密度よりも大きいことを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項1〜請求項7に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性コアと前記肌側シートが当接する表面には、互いを接合するための接着剤が塗布されており、
    前記吸収性コアは、前記吸収性コアを前記厚さ方向に3等分した際の肌側部と中央部と非肌側部を有しており、
    前記肌側部における前記保水性繊維の繊維密度が、前記中央部における前記保水性繊維の繊維密度よりも大きく、
    前記接着剤が、前記吸収性コアの肌側面から、少なくとも前記厚さ方向の中心にまで達していないことを特徴とする吸収性物品。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記広葉樹保水性繊維の少なくとも一部は、前記吸収性コアの肌側の表面から突出して、前記肌側シートの内部まで延出しており、
    前記肌側シートの内部において、前記広葉樹保水性繊維の少なくとも一部が、前記肌側シートの繊維と接触していることを特徴とする吸収性物品。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、カバーシートとバックシートを備えており、
    前記カバーシートは、前記吸収性コアの非肌側に隣接して前記吸収性コアに接合されており、
    前記バックシートは、前記カバーシートの非肌側に隣接して前記カバーシートに接合されており、
    前記バックシートの非肌側には、第1方向に延びるズレ止めが、前記第1方向と直交する第2方向に間隔を置いて複数設けられており、
    前記ズレ止めの前記第2方向における前記間隔の最小値が、前記広葉樹からなる前記保水性繊維の平均繊維長よりも、大きいことを特徴とする吸収性物品。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性物品は、前記吸収性コアの外周面を被覆するコアラップシートを有しており、
    前記コアラップシートは、前記幅方向に間隔を置いて設けられた前記長手方向に延びるコアラップ接合剤により前記吸収性コアと接合されており、
    前記コアラップ接合剤の前記幅方向における前記間隔の最小値が、前記広葉樹からなる前記保水性繊維の平均繊維長よりも、大きいことを特徴とする吸収性物品。
  12. 請求項1〜請求項11に記載の吸収性物品であって、
    前記広葉樹保水性繊維の平均繊維幅は15μm以下であり、
    前記吸収性コアの単位面積当たりに含まれる前記広葉樹保水性繊維の本数は、300本/mm2以上、2500本/mm2未満であり、
    複数の前記広葉樹保水性繊維の間に高吸収性ポリマーを有している、ことを特徴とする吸収性物品。
  13. 請求項1〜請求項12に記載の吸収性物品であって、
    前記広葉樹保水性繊維の繊維長の標準偏差は0.27以下であり、
    前記広葉樹保水性繊維の繊維幅の標準偏差は7.55以下である、ことを特徴とする吸収性物品。
  14. 請求項13に記載の吸収性物品であって、
    前記広葉樹保水性繊維の平均繊維長に前記広葉樹保水性繊維の繊維長の標準偏差を加えた値は、前記広葉樹保水性繊維の前記平均繊維長の2倍の値よりも小さく、
    前記広葉樹保水性繊維の前記平均繊維長から前記広葉樹保水性繊維の繊維長の前記標準偏差を引いた値は、前記広葉樹保水性繊維の前記平均繊維長の1/2の値よりも大きい、ことを特徴とする吸収性物品。
  15. 請求項1〜請求項14に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、複数の熱可塑性繊維を含み、且つ前記吸収性コアを前記厚さ方向に一体的に圧搾する圧搾部を有しており、
    前記圧搾部において、前記熱可塑性繊維が互いに融着している、ことを特徴とする吸収性物品。
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