JP6876430B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、吸収性物品に関する。
経血等の排泄液を吸収する吸収性物品として生理用ナプキンが知られている。このような生理用ナプキンの例として、特許文献1には、横方向圧縮の影響を受けると、吸収性コア12に設けられた中央の縦線22を備える成形線20に沿って、吸収性コア12を上向き(肌側)に屈曲させて、身体フィット性を改善させる生理用ナプキン10が開示されている。
特表2002−538849号公報
しかし、特許文献1の生理用ナプキン10の成形線20は、縦方向の中央部(股領域)に設けたものであり、着用時に、吸収性コア12の上向きの屈曲が減少して、着用者の身体へのフィット性が低下してしまう恐れがある。また、着用者の身体にフィットさせようと上向きに屈曲させた縦方向の中央部に、吸収した排泄物が留まってしまうと、排泄物が吸収性物品の表面上で広がってしまったり、使用者に不快感や肌荒れを生じさせたりする恐れがあった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、着用者の身体にフィットさせつつ、吸収体のより広い範囲で排泄物を吸収することができる吸収性物品を提供する。
上記目的を達成するための主たる発明は、
互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を備え、
液体吸収性繊維を有する吸収体と、
前記厚さ方向において、前記吸収体より肌側に配置された肌側シートと、
前記幅方向に所定の長さを有し、前記肌側シート及び前記吸収体が圧搾されている圧搾部と、
を有する吸収性物品であって、
前記吸収体は、非肌側面の前記幅方向における中央位置を含む中央領域に、前記長手方向に沿った凹部を有し、
前記厚さ方向において前記凹部に肌側から隣接する肌側部位の繊維密度は、前記幅方向において前記凹部に外側から隣接する外側部位の繊維密度よりも高く、
前記凹部の最も深い最深部と前記幅方向において重なる位置における、前記吸収体の前記厚さ方向の中央は、前記外側部位における、前記吸収体の前記厚さ方向の中央より、前記肌側に位置しており、
前記凹部は、着用時に股間部に位置する股間部位に設けられ、且つ前記股間部位より前記長手方向の外側に延出しており、
前記厚さ方向に見た場合に、前記凹部と前記圧搾部は、前記股間部位より前記長手方向の外側においてのみ交差し、
前記肌側部位の肌側面と前記肌側シートとの間には、空間を有しており、
前記圧搾部の肌側面と前記肌側シートとの間には、空間を有していないことを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、股間部位においては凹部によって吸収体を肌側に隆起させて、着用者の排泄口の近くでより速く排泄物を吸収することができ、吸収した排泄物を凹部に沿って吸収体の長手方向に拡散し、股下部より長手方向の外側で交差した圧搾部によって、幅方向に拡散することができるため、吸収性物品のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。
図1は、生理用ナプキン1を厚さ方向の肌側から見た正面図である。 図2は、ナプキン1を厚さ方向の非肌側から見た平面図である。 図3は、図1中のA−A矢視で示す概略断面である。 図4は、ナプキン1の吸収体10を厚さ方向の非肌側から見た平面図である。 図5Aは、図1中のB−B矢視で示す部分において、加工前の吸収体10に吸収体点状圧搾部ED10を形成した概略断面図である。図5Bは、図5Aの吸収体10に凹部15を形成した概略断面図である。図5Cは、図5Bの吸収体10にトップシート20を積層した概略断面図である。図5Dは、図5Cのナプキン1に本体点状圧搾部ED20を形成した概略断面図である。 図6は、一対のロール部50の概略拡大図である。 図7は、ナプキン1の使用態様について説明する図である。 図8Aは、図5Dにおける凹部15の概略断面図である。図8Bは、図1中のD−D矢視で示す概略断面である。図8Cは、図1中のE−E矢視で示す概略断面である。 図9Aは、使用前のナプキン1の凹部15を説明する図である。図9Bは、着用状態のナプキン1の凹部15を説明する図である。 図10は、別の実施形態における股間部位における凹部15の概略断面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を備え、液体吸収性繊維を有する吸収体と、前記厚さ方向において、前記吸収体より肌側に配置された肌側シートと、前記幅方向に所定の長さを有し、前記肌側シート及び前記吸収体が圧搾されている圧搾部と、を有する吸収性物品であって、前記吸収体は、非肌側面の前記幅方向における中央位置を含む中央領域に、前記長手方向に沿った凹部を有し、前記厚さ方向において前記凹部に肌側から隣接する肌側部位の繊維密度は、前記幅方向において前記凹部に外側から隣接する外側部位の繊維密度よりも高く、前記凹部の最も深い最深部と前記幅方向において重なる位置における、前記吸収体の前記厚さ方向の中央は、前記外側部位における、前記吸収体の前記厚さ方向の中央より、前記肌側に位置しており、前記凹部は、着用時に股間部に位置する股間部位に設けられ、且つ前記股間部位より前記長手方向の外側に延出しており、前記厚さ方向に見た場合に、前記凹部と前記圧搾部は、前記股間部位より前記長手方向の外側においてのみ交差することを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、股間部位においては凹部によって吸収体を肌側に隆起させて、着用者の排泄口の近くでより速く排泄物を吸収することができ、吸収した排泄物を凹部に沿って吸収体の長手方向に拡散し、股下部より長手方向の外側で交差した圧搾部によって、幅方向に拡散することができるため、吸収性物品のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。
かかる吸収性物品において、前記厚さ方向の非肌側にそれぞれウイング粘着部を備えた、前記幅方向の外側に突出する一対のウイング部を有しており、前記厚さ方向に見た場合に、前記一対のウイング粘着部よりも前記長手方向の外側において、前記凹部と前記圧搾部が交差することが望ましい。
このような吸収性物品によれば、長手方向においてウイング粘着部が設けられている領域は、着用者の排泄口に近い領域であるため、長手方向においてウイング粘着部と重なる領域で吸収した排泄物を、ウイング粘着部よりも長手方向の外側で交差した圧搾部によって、幅方向に拡散することができるため、吸収性物品のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。
かかる吸収性物品において、前記厚さ方向の非肌側にそれぞれウイング粘着部を備えた、前記幅方向の外側に突出する一対のウイング部を有しており、前記厚さ方向に見た場合に、前記長手方向において、前記ウイング粘着部と重なる領域では、前記凹部と前記圧搾部が交差しないことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、長手方向においてウイング粘着部が設けられている領域は、着用者の排泄口に近い領域であるため、長手方向においてウイング粘着部と重なる領域で排泄物を吸収し、吸収体の長手方向の外側に向かって排泄物を拡散させることができる。
かかる吸収性物品において、前記厚さ方向において、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の最も肌側に位置する肌側上部は、前記外側部位における肌側面より肌側に位置しており、前記圧搾部のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の最も肌側に位置する圧搾上部は、前記外側部位における肌側面より非肌側に位置していることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、股間部位はより肌側に位置するため、排泄物をより排泄口の近くで吸収することができ、股間部位から離れた位置に設けられた圧搾部においては、肌側からより離れているため、排泄物が肌に接しないような状態で排泄物を拡散させやすくすることができる。
かかる吸収性物品において、前記厚さ方向において、前記股間部位における前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の最も肌側に位置する肌側上部は、前記外側部位における肌側面より非肌側に位置しており、前記圧搾部のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の最も肌側に位置する圧搾上部は、前記外側部位における肌側面より非肌側に位置しており、前記肌側上部から前記外側部位の肌側面までの長さが、前記圧搾上部から前記外側部位の肌側面までの長さより短いことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、股間部位はより肌側に位置するため、排泄物をより排泄口の近くで吸収することができ、股間部位から離れた位置に設けられた圧搾部においては、肌側からより離れているため、排泄物が肌に接しないような状態で排泄物を拡散させやすくすることができる。
かかる吸収性物品において、前記圧搾部のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度が、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度よりも高いことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、肌側部位で吸収し、長手方向に拡散した排泄物を、より繊維密度が高い圧搾部と交わることで幅方向に拡散させることができるため、吸収体のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。
かかる吸収性物品において、前記圧搾部のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の前記吸収体の厚みが、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の前記吸収体の厚みよりも小さいことが望ましい。
圧搾部における厚みが最も薄い領域の吸収体の厚みが、凹部における厚みが最も薄い領域の吸収体の厚みより小さい吸収性物品においても、吸収した排泄物を凹部に沿って吸収体の長手方向に拡散し、股間部位より長手方向の外側で交差した圧搾部で、幅方向に拡散することができるため、吸収性物品のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。
かかる吸収性物品において、前記厚さ方向に見た場合の前記凹部と前記圧搾部が交差した交差部分における、前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度は、前記股間部位における、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度より高く、かつ、前記交差部分よりも前記長手方向の外側における、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度よりも高いことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、股間部位で吸収され、凹部に沿って拡散された排泄物は、毛管現象により、より繊維密度が高い凹部と圧搾部が交差した交差部分に引き込まれる。そして、交差部分より長手方向の外側は、より繊維密度が低くなっていることから、交差部分より長手方向の外側には、排泄物が拡散しづらくなっており、吸収性物品の長手方向の外側から排泄物が、漏れてしまう恐れを軽減することができる。
かかる吸収性物品において、前記交差部分よりも前記長手方向の外側における、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度は、前記股間部位における、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度より低いことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、このような吸収性物品によれば、交差部分より長手方向の外側では、股間部位よりも起伏の少ない身体の形状に適切にフィットさせることができ、吸収性物品の長手方向の外側から排泄物が、漏れてしまう恐れを軽減することができる。
かかる吸収性物品において、前記肌側部位の肌側面と前記肌側シートとの間には、空間を有しており、前記圧搾部の肌側面と前記肌側シートとの間には、空間を有していないことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、肌側部位の肌側面と肌側シートとの間に空間を有し、圧搾部の肌側面と肌側シートとの間に空間を有していない吸収性物品においても、吸収した排泄物を凹部に沿って吸収体の長手方向に拡散し、股間部位より長手方向の外側で交差した圧搾部で、幅方向に拡散することができるため、吸収性物品のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。
===第1実施形態===
<生理用ナプキン1の基本的構成>
本実施形態に係る吸収性物品の一例として生理用ナプキン1(以下、「ナプキン1」という。)について説明する。なお、以下の説明では、吸収性物品の例として生理用ナプキンについて説明するが、本実施形態の吸収性物品には、所謂おりものシート(例えば、パンティーライナー)等も含まれており、生理用ナプキンに限定されるものではない。
図1は、生理用ナプキン1を厚さ方向の肌側から見た正面図である。図2は、ナプキン1を厚さ方向の非肌側から見た平面図である。図3は、図1中のA−A矢視で示す概略断面である。また、以下の説明では、ナプキン1の製品長手方向に沿った「長手方向」と、ナプキン1の製品短手方向に沿って長手方向と直交する「幅方向」と、長手方向及び幅方向とそれぞれ直交する「厚さ方向」と定義する。長手方向は、ナプキン1の使用時において着用者の腹側となる「前側」と、着用者の背側となる「後側」とを有する。厚さ方向は、ナプキン1の着用時に着用者の肌と当接する側(図3において上側)である「肌側」(「上側」ともいう。)と、その反対側(図3において下側)である「非肌側」(「下側」ともいう。)とを有する。また、図中のX−X線は幅方向における中心線である。
ナプキン1は、平面視縦長形状のシート状部材であり、液透過性のトップシート(肌側シート)20と、液吸収性の吸収体10と、液不透過性のバックシート(非肌側シート)30とが厚さ方向の肌側から非肌側へと順に積層されている(図3参照)。そして、これら各部材20、10、30は、それぞれ厚さ方向に隣接する部材と、ホットメルト接着剤等の接着剤HMAで接合されている。なお、接着剤HMAは、吸収体10の肌面側及び非肌面側のそれぞれ全域に亘って任意の塗布パターンで塗布されており、Ωパターンやスパイラルパターン、ストライプパターン等の塗布パターンから選択することができる。
トップシート20及びバックシート30の平面形状は同形状であり、その平面サイズは、吸収体10の平面サイズよりも大きい。そして、図1及び図2に示すように、両シート20、30の外周縁部20e、30e同士が接着又は溶着で接合されることにより、両シート20、30同士の間に吸収体10が保持される。また、ナプキン1を下着(不図示)に載置固定する際に供される固定部となる、トップシート20及びバックシート30の長手方向の略中央部が幅方向の外側に延出したウイング部20w、30wが形成されている。
吸収体10は、吸収性コア11と上側シート12と下側シート13とを有する。吸収性コア11は、経血等の液体(排泄液)を吸収して保持する部材である。吸収性コア11は、液体吸収性繊維であるセルロース系吸収性繊維と、熱可塑性樹脂繊維とを有し、これらの繊維同士が互いに混合した状態で、図1の破線で示されるように平面視縦長形状に成形されている。例えば、液体吸収性繊維としてはパルプ繊維等が使用され、熱可塑性樹脂繊維としては、鞘がポリエチレン(PE)で芯がポリエチレンテレフタレート(PET)の所謂鞘芯構造の複合繊維等が使用される。なお、この液体吸収性繊維としてレーヨン繊維を用いてもよく、熱可塑性樹脂繊維としてポリプロピレン(PP)の単独繊維や、PEの単独繊維を用いてもよい。また、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等の液体吸収性粒状物を液体吸収性繊維に加えてもよい。
上側シート12は、吸収性コア11と平面形状が略同形のシート部材であり、吸収性コア11の肌側面を覆うようにして接着剤HMAによって接合されている(図3)。上側シート12は、エアスルー不織布等の不織布やティッシュペーパー等の、液透過性に優れた柔軟なシートが用いられる。下側シート13は、吸収性コア11と平面形状が略同形のシート部材であり、吸収性コア11の非肌側面を覆うようにして接着剤HMAによって接合されている(図3)。下側シート13は、SMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布等の不織布やティッシュペーパー等の柔軟なシートが用いられる。
図4は、ナプキン1の吸収体10を厚さ方向の非肌側から見た平面図である。図4は、便宜上、ナプキン1の外形を点線で示している。吸収体10には、吸収体10の剛性を高め、液体の吸収性及び拡散性を向上させるために、複数の吸収体点状圧搾部ED10が設けられている。吸収体点状圧搾部ED10の平面形状は略円形であり、千鳥状の配置パターンとされているが、何等これに限らない。また、吸収体10の厚みは、3mm以下、望ましくは2mm以下であり、吸収体10の繊維密度は、1.0×10〜4.0×10(g/m)で、概ね均一である。ただし、吸収体10の単位面積当たりの繊維の質量は、長手方向における前側部と中央部と後側部とで異なっている。本実施形態において、液体吸収性繊維の単位面積当たりの質量(重量)(以下、「単位面積当たりの繊維の質量」ともいう。)は、前側部は175(g/m)、中央部は250(g/m)、後側部は175(g/m)であり、中央部の単位面積当たりの繊維の質量が最も多く、前側部及び後側部の吸収体10の厚み(tb10)より、中央部の吸収体10(t10)の厚みの方が大きい(t10>tb10)。
吸収体10の前側部、中央部、後側部の各厚み、単位面積当たりの繊維の質量、及び液体吸収性繊維の密度(「繊維密度」ともいう。)は周知の方法で測定することができる。例えば、各厚みは、ミツトヨ(株)製のダイアルシックネスゲージID−C1012C又はそれと同等のものを使用し、接触子の面積を20cm、接触圧を3gf/cmに設定して対象部位を加圧して測定したり、その他、目視で比較したり、ナプキン1を長手方向に切った断面を撮影した画像を用いて比較したりしてもよい。また、単位面積当たりの繊維の質量は、例えば、対象部位をナプキン1から対象サンプルとして切り出し、対象サンプルの質量を直示天秤(例えば、研精工業株式会社製 電子天秤HF−300)で測定し、対象サンプルの面積を測定し、単位面積当たりの質量を算出してもよい。繊維の密度は、例えば、対象部位をナプキン1から対象サンプルとして切り出し、上述の測定方法で対象サンプル単位面積当たりの質量(g/m)を測定し、上述の測定方法で対象サンプルの厚さ(m)を測定して、対象サンプル単位面積当たりの質量を対象サンプルの厚さで除することで算出することができる(g/m)。
さらに、吸収体10の非肌側面には、幅方向の中央領域に、長手方向に沿った線状の凹部15が形成されている。凹部15は、着用時に少なくとも股間部に位置する股間部位を含む、吸収体10の長手方向の全長に亘って略直線状に設けられている。なお、「股間部位」とは、着用者がナプキン1を使用した際に股間部に位置する領域であり、具体的には、ナプキン1の長手方向においてウイング粘着部40wが形成されている領域をいう。凹部15は、着用時に厚さ方向の肌側に突出して折れ曲がるように誘導する。凹部15の詳細は、後述する。
トップシート20は、ナプキン1の使用時において着用者の肌と当接する部材であり、経血等の液体を厚さ方向の肌側から非肌側に透過させ、吸収体10に移動させる。トップシート20は、エアスルー不織布等の適宜な不織布の液透過性の柔軟なシートが用いられる。
図1に示すように、トップシート20の肌側面には、線状圧搾部ELと、本体点状圧搾部ED20が形成されており、これにより、トップシート20と吸収体10とが一緒に厚さ方向に圧搾されて接合一体化されている。線状圧搾部ELは、吸収体10の外周縁部に沿って複数連なって形成されていて、全体として長手方向に長い略環状をなしている。
線状圧搾部ELは、一対の中央線状圧搾部ELcと、前側線状圧搾部ELfと、後側線状圧搾部ELbと、一対の長手線状圧搾部ELmとから成る。各線状圧搾部ELの太さ(例えば、中央線状圧搾部ELcにおける幅方向の長さ)は、1mm〜10mmの幅を有している。中央線状圧搾部ELcは、長手方向に沿った形状を有しており、長手方向の中央部で、吸収体10の幅方向の端部にそれぞれ設けられている。前側線状圧搾部ELfは、ナプキン1の前側の端部の外形に沿った形状を有しており、吸収体10の前側に設けられている。後側線状圧搾部ELbは、ナプキン1の後側の端部の外形に沿った形状を有しており、吸収体10の後側に設けられている。長手線状圧搾部ELmは、長手方向に沿った形状を有しており、線状圧搾部ELcと線状圧搾部ELbとの間であって、ナプキン1の後側の領域で、吸収体10の幅方向の端部にそれぞれ設けられている。中央線状圧搾部ELcと長手線状圧搾部ELmは、長手方向に沿っていることから、厚さ方向に見た場合に、中央線状圧搾部ELcと長手線状圧搾部ELmは、それぞれ凹部15とは交差する部分を有していない。前側線状圧搾部ELfは、前側の端部で、幅方向に所定の長さを有している圧搾部であり、厚さ方向に見た場合に、前側の端部において、凹部15と前側圧搾部ELfが交差している。同様に、後側線状圧搾部ELbは、後側の端部で、幅方向に所定の長さを有している圧搾部であり、厚さ方向に見た場合に、後側の端部において、凹部15と後側圧搾部ELbが交差している。これらの線状圧搾部ELのうち、幅方向に所定の長さを有する圧搾部は、前側線状圧搾部ELfと後側線状圧搾部ELbである。
バックシート30は、ナプキン1の使用時においてトップシート20を透過して吸収体10によって吸収された液体が下着等の着衣側(非肌側)に染み出すことを抑制する。バックシート30は、ポリエチレン(PE)等の適宜な樹脂フィルムの液不透過性の柔軟なシートが用いられる。
図2に示すように、バックシート30の非肌面側には、ナプキン1の使用時にナプキン1を下着等に貼付して固定するための接着部(ウイング接着部40w、本体接着部40c)が設けられている。ウイング接着部40wは、ウイング部30wの非肌面側に略矩形状に形成される一対の接着部である。本体接着部40cは、1対のウイング接着部40wの幅方向の間の部分に、バックシート30と吸収体10とが重複する部分で長手方向に沿った複数の帯状の領域に適宜な接着剤HMAを塗布することにより形成されている。ナプキン1を使用する際は、本体接着部30cを下着の股下部(クロッチ部)内側に貼付した状態で下着ごとナプキン1を装着することで、着用者の身体に対して吸収体10の位置がずれないようにする。同様に、ウイング接着部40wは、ウイング部30wの領域に、略矩形形状の領域に適宜な接着剤HMAを塗布して形成している。ナプキン1を使用する際は、ウイング部30w(20w)を非肌側に折り曲げて、ウイング接着部40wを下着の股下部の外側に貼付するようにしてナプキン1が固定され、使用時の位置ずれ等を抑制する。
<点状圧搾部ED10、ED20、及び凹部15の形成について>
続いて、点状圧搾部ED10、ED20及び凹部15の形成について説明する。吸収体点状圧搾部ED10及び本体点状圧搾部ED20は、肌側又は非肌側から厚さ方向に圧搾することによって設けられており、少なくとも肌側又は非肌側が凹んでいる。凹部15は、長手方向に沿った線状の圧搾部であり、吸収体10(ナプキン1)の幅方向の中心線X−Xを含む中央領域に設けられており、略矩形状で、所定の面積を有する。また、凹部15は、吸収体10の非肌面側から厚さ方向に圧搾して設けられた非肌側面が凹んだ線状の凹部である。
図5A〜図5Dは、点状圧搾部ED10、ED20、及び凹部15の形成について説明した図である。図5Aは、図1中のB−B矢視で示す部分において、加工前の吸収体10に吸収体点状圧搾部ED10を形成した概略断面図である。図5Bは、図5Aの吸収体10に凹部15を形成した概略断面図である。図5Cは、図5Bの吸収体10にトップシート20を積層した概略断面図である。図5Dは、図5Cのナプキン1に本体点状圧搾部ED20を形成した概略断面図である。なお、図5Aにおける吸収体10は、図1中のB−B矢視で示す部分の吸収体10であって、点状圧搾部ED10、ED20及び凹部15を形成する前の加工前の吸収体10に吸収体点状圧搾部ED10を形成した状態を示しており、図5Bは、図5Aの吸収体10に凹部15を形成した加工途中の状態を示しており、図5Dは、吸収体10に点状圧搾部ED10、ED20及び凹部15を形成した加工後の吸収体10を示しており、便宜上、吸収体10として示している。また、図5A、図5B、図5C中のy−y線は厚さ方向における吸収体10の中心線であり、図5D中のY−Yは、厚さ方向におけるナプキン1の中心線である。なお、中心線Y−Yは、ナプキン1の厚さ方向における中心線であり、後述の吸収体10の外側領域Lの厚さ方向における中心線でもある。
まず、吸収体点状圧搾部ED10を形成する。加工前の吸収体10は、その全域に亘って厚みt10を有しており、吸収体10の肌側の面は肌側面10t、非肌側の面は非肌側面10bである。複数の突部を有する凸ローラー(不図示)と、表面が平らなアンビルローラー(不図示)との間のロール間隙に、加工前の吸収体10を通して、吸収体10の非肌側から圧搾加工を行うことにより吸収体点状圧搾部ED10が形成される。
図5Aに示すように、吸収体点状圧搾部ED10が形成された部分は、肌側及び非肌側のそれぞれから凹んでおり、吸収体10の厚さ方向における略中央部に位置する。また、圧搾加工によって、吸収体点状圧搾部ED10の吸収体10の厚みは、厚みt10より小さくなり、繊維が圧し潰されて、t10の厚みを有する部分より繊維密度が高くなっている。
続いて、凹部15を形成する。凹部15は、吸収体10の幅方向における中央領域に圧搾加工を加えることで形成される(図5B)。具体的には、搬送方向に沿って駆動回転する上ロール51uと下ロール51dを有する一対のロール部50を用いて形成する。
図6は、一対のロール部50の概略拡大図である。吸収体10は長手方向が搬送方向を向いた状態で搬送され、搬送方向と直交する方向を「CD方向」と定義した場合に、吸収体10の幅方向は、基本的にCD方向を向いている。
上ロール51uには、回転方向の全周に亘って連続して環状に突出したリブ部51rが設けられており、リブ部51rの回転方向と直交する断面の形状は、上ロール51uの回転半径方向の外側に向かうにつれてリブ幅が狭くなり、先端にはCD方向に平行な頂面51rtを備える略等脚台形状を有している。形成された凹部15のうち、頂面51rtが当接した部分の少なくとも一部が、後述する最深部15mとなる。頂面51rtのCD方向(幅方向)の長さは、0.5mm〜3.0mmであることが好ましく、本実施形態においては、1.0mmである。また、下ロール51dには、外周面にリブ部51rに対向する位置に、リブ部51rを挿入することができる溝部51mが回転方向の全周に亘って連続して環状に設けられており、溝部51mの回転方向と直交する断面の形状も、下ロール51dの回転半径方向の内側に向かうにつれて溝幅が狭くなりCD方向に平行な底面51mbを備える略等脚台形状を有している。
凹部15は、リブ部51rを溝部51mに押し込んで、頂面51rtが接触した部分の吸収体10の厚みが最も薄くなるように圧搾加工を行うことで形成される。具体的には、上下ロール51u、51dの間を搬送方向に沿って、吸収体10の非肌側面10bを上ロール51u、吸収体10の肌側面10tを下ロール51d側とした状態で、吸収体10を通過させて、図6に示すように、加工前の吸収体10の肌側面10tよりも肌側に位置する部分まで、リブ部51rを溝部51mに押し込むことで形成される。また、下ロール51dの外周面と溝部51mとの境部分と当接する吸収体10の部分Pに、後述の肌側凹部Pが形成される。
このとき、凹部15のうち、頂面51rtと当接して吸収体10の厚みが最も薄くなった部分の繊維密度が高くなる。凹部15は、アンビルロールを用いて形成した点状圧搾部ED10、ED20とは異なり、リブ部51rを溝部51mに押し込むことによって形成しているため、点状圧搾部ED10、ED20よりも押し固めた加工を施している。
続いて、図5Cに示すように吸収体10の肌側から、予め接着剤HMAを塗布したトップシート20を積層し、固着する。
トップシート20を積層した後、本体点状圧搾部ED20を形成する。トップシート20の上からトップシート20と吸収体10を厚さ方向に一緒に圧搾して本体点状圧搾部EDが形成される。本体点状圧搾部ED20は、吸収体点状圧搾部ED10と同様に、複数の突部を有する凸ローラー(不図示)と、表面が平らなアンビルローラー(不図示)との間のロール間隙にトップシート20を載置した吸収体10を通して、肌側から圧搾加工を行うことで形成される(図5D)。
本体点状圧搾部ED20の形成後、線状圧搾部ELを形成する。線状圧搾部ELは、線状圧搾部ELに対応した配置パターンの複数の突部を有する凸ローラー(不図示)と、表面が平らなアンビルローラー(不図示)との間のロール間隙に、吸収体10を通して、肌側から圧搾加工を行うことにより、線状圧搾部ELが形成される。
なお、点状圧搾部ED10、ED20、凹部15、及び線状圧搾部ELはいずれも厚さ方向に圧搾して形成されているが、吸収体点状圧搾部ED10と凹部15の形成よりも、本体点状圧搾部ED20と線状圧搾部ELの形成の方がより大きな力を加えて圧搾しているため、本体点状圧搾部ED20と線状圧搾部ELにおける吸収体10の繊維密度は、吸収体点状圧搾部ED10と凹部15における吸収体10の繊維密度より高い。
その後、バックシート30を吸収体10の非肌側から積層して固着する。このとき、予めバックシート30の略全面に所定の塗布パターンで接着剤HMAを塗布しておき、吸収体10の非肌面側から、一定の圧力を加えてバックシート30を積層する。
<ナプキン1の使用時について>
以下、ナプキン1の使用時の態様について説明する。図7は、ナプキン1の使用態様について説明する図である。着用者がナプキン1を装着する際には、まず、図7の状態Aで表されるように、平らな状態のナプキン1を下着の股下部(クロッチ部)に固定する。このとき、吸収体10の幅方向の長さは70mmであり、ウイング部30w(20w)を非肌側に折り曲げて、ウイング接着部40wを下着の股下部外側に貼付してナプキン1が固定すると、ナプキン1の幅方向の長さは、吸収体10の幅方向の長さと同程度となる。一般的に、着用者の股間幅は約30mmであるため、この状態Aのナプキン1(吸収体10)の幅方向の長さの方が長い状態となっている。通常、吸収体10の幅方向の長さが長いほど、より多くの排泄物を吸収することができるが、吸収体10の幅方向の長さが長すぎると、着用者の股下の幅よりも大きくなるため、着用者に違和感を与えたり、想定外の部分で折れ曲がってしまったりして、排泄物が漏れてしまう恐れがある。そのため、後述のように、着用者の身体に応じて変形させることを考慮して、吸収体10の長さを70mm程度とすることが適切である。
続いて、下着を着用者の股間201K側に引き上げる動作を行う。このとき、図7の状態Bに表すようにナプキン1は、吸収体10の凹部15に沿って肌側に突出するように折れ曲がる。そして、ナプキン1が着用者の股間201Kに着用された状態では、図7の状態Cに表すように、凹部15に誘導されて肌側に突出した部分(図8A等における肌側部位H)が、膣口等の排泄口201Heが存在する隙間に接しやすくなる。これにより、着用者に良好なフィット性を感じさせやすくなると共に、経血等の排泄液を漏れなく吸収体10に吸収させ易くすることができる。また、着用者の身体の形状に応じて変形するため、着用者の股幅よりも長い幅を有する吸収体10(ナプキン1)が着用者の身体に適したサイズとなり、排泄物の吸収量を確保しつつ、ナプキン1を着用者の身体にフィットさせることができる。
<凹部15の構成及び作用について>
まず、股間部位における凹部15について説明する。図8Aは、図5Dにおける凹部15の概略断面図である。図9Aは、使用前のナプキン1の凹部15を説明する図、図9Bは、着用状態のナプキン1の凹部15を説明する図である。以下の説明における各部分の長さや深さは、周知の方法で測定することができる。例えば、ナプキン1を幅方向に切った断面を撮影した画像を用いて測定することができる。
凹部15は、圧搾によって形成された溝であり、使用前のナプキン1の状態において、吸収体10の非肌側面10bの、幅方向の一方側において肌側に湾曲し始めた部分から、他方側において肌側に湾曲し終えた部分までをいう。凹部15の幅方向の長さ15wは、1.5mm〜3.5mmが好ましく、本実施形態においては、長さ15wは約2.4mmである。この15wが長いほど、吸収体10が折れ曲がりやすくなるが、凹部15は圧搾によって形成されているため、繊維を押し潰して硬くなる恐れがあり、長さ15wを長くするほど、排泄物等の液体を保持する容量が減少してしまう。そのため、肌側へ突出するように折り曲げるための折り曲げやすさと、排泄物を吸収する吸収体10の液体吸収領域の確保を考慮して、凹部15の幅方向の長さ15wを2.0mm〜3.0mmとすることが好ましい。
吸収体10のうち、厚さ方向において、凹部15に肌側から隣接する部位を肌側部位Hといい、幅方向において、凹部15と重なる部分(図8Aにおける濃い砂地模様の領域)である。また、幅方向において肌側部位Hに外側から隣接する部位を外側部位Lといい、各点状圧搾部ED10、20や凹部15が形成されていない吸収体10の厚みt10を有する部分であり、外側部位Lの肌側面10t、非肌側面10bは、加工前の吸収体10の肌側面10t、非肌側面10bとほぼ同じ位置である。本実施形態において、厚みt10は、約1.3mmである。
このとき、肌側部位Hの繊維密度は、外側部位Lの繊維密度より高い。一般的に繊維密度が高いほど毛管作用によって、より速く液体を吸収することが知られている。そのため、着用状態において(図7の状態C)、肌側に隆起するように折れ曲がると、排泄口に当接する肌側部位Hの繊維密度が高いことで、より速く排泄物を吸収することができる。肌側部位Hのうち、凹部15の最も深い部分である最深部15mに肌側から隣接する領域であり、幅方向において最深部15mと重なる領域を高密度領域DHという。最深部15mは、幅方向に所定の長さ(例えば、約0.8mm)を有しており(図8AにおけるW)、高密度領域DHは、長手方向だけでなく、幅方向に沿った平面領域を有している。
高密度領域DHの厚さ方向の中央Hcは、外側部位Lの厚さ方向の中央Lcよりも肌側に位置している。本実施形態において、中央Lcは、加工前の吸収体10の厚さ方向の中央y−yとほぼ同じ位置である。これによって、着用時に、着用者の股(脚)によって幅方向に力が加えられて、吸収体10が肌側へ突出するように折れ曲がるように誘導されると、より着用者の排泄口に近い位置で排泄物を吸収することができる。
股間部位における最深部15mの深さ、つまり、股間部位の外側部位Lの非肌側面10b(加工前の吸収体10)から最深部15mまでの厚さ方向の距離L2は、最深部15mから肌側部位H(高密度領域DH)の肌側面10tまでの厚さ方向の距離L1より長い(L2>L1)。本実施形態においては、最深部15mの深さL2を約0.8mmとし、最深部15mから肌側部位Hの肌側面10tまでの厚さ方向の距離L1を約0.5mmとして、圧縮加工により高密度領域DHの繊維密度を高くしている。
なお、凹部15は、股間部位に限らず、長手方向の全長に亘って、高密度領域DHを有しており、肌側部位Hの繊維密度が、外側部位Lの繊維密度より高い。また、吸収体10の股間部位を含む長手方向における中央部は、後側の端部を含む後側部より吸収体10の厚みが大きく(t10>tb10)、凹部15は、一対のロール部50を用いて圧搾加工されているため、股間部位における肌側部位Hが後側の端部における肌側部位Hよりも強く圧搾されて、股間部位における肌側部位Hの繊維密度が、後側の端部における繊維密度よりも高くなっている。同様に、股間部位における高密度領域DHの繊維密度は、後側の端部における高密度領域DHの繊維密度より高い。さらに、吸収体10の長手方向の全長に亘って、高密度領域DHの厚さ方向の中央Hcは、外側部位Lの厚さ方向の中央Lcよりも肌側に位置している。
続いて、凹部15と後側線状圧搾部ELbについて説明する。図8Bは、図1中のD−D矢視で示す概略断面であり、図8Cは、図1中のE−E矢視で示す概略断面である。図1中のD−D矢視で示す部分は、交差部分Jbよりも長手方向の後側の凹部15の概略断面である。図1中のE−E矢視で示す部分は、後側線状圧搾部ELbの概略断面図である。
図1に示す交差部分Jbは、厚さ方向の肌側から見た場合の凹部15と後側線状圧搾部ELbとが交差する部分であり、交差部分Jfは、厚さ方向の肌側から見た場合の凹部15と前側線状圧搾部ELfとが交差する部分である。以下、ナプキン1の後側について説明するが、前側における凹部15と前側線状圧搾部ELfについても同様である。
交差部分Jbは、股間部位より後側に設けられており、股間部位には設けられていない。後側線状圧搾部ELbは、凹部15の形成よりも強い力を加えて圧搾加工を施しており、凹部15における肌側部位H及び高密度領域DHよりも後側線状圧搾部ELbの繊維密度の方が高い。さらに、後側線状圧搾部ELbの幅方向の略中央部で、吸収体10の厚みが最も薄い領域である高密度圧搾領域DELは、後側線状圧搾部ELbの中で最も繊維密度が高い領域であり、凹部15の高密度領域DHよりも繊維密度が高い。後側線状圧搾部ELb及び高密度圧搾領域DELの厚さ方向の中央は、吸収体10の厚さ方向の略中央であり、ナプキン1の厚さ方向の中央Y−Yとほぼ同じである。
ナプキン1の吸収体10は、長手方向における中央部と後側部とで単位面積当たりの繊維の質量が異なることから、中央部(股間部位)の肌側部位Hは、後側部の肌側部位Hの繊維密度より高く、中央部の高密度領域DHの繊維密度は、後側部の高密度領域DHの繊維密度より高い。股間部位の高密度領域DHの繊維密度をより高くして、剛性を高めることで、着用状態(図7の状態C)において、図9Bに示すように吸収体10の肌側部位Hを肌側に隆起させる変形をさせやすくする一方、交差部分Jbより長手方向の外側では、股間部位よりも起伏の少ない臀部の形状に適切にフィットさせることができる。
また、後側線状圧搾部ELbの繊維密度は、長手方向における中央部の肌側部位Hの繊維密度より高く、高密度領域DHの繊維密度より高い。また、交差部分Jbは、予め凹部15を形成して、肌側部位Hや高密度領域DHを形成した部分に、更に肌側から圧搾を加えている。そのため、交差部分Jbの繊維密度は、後側線状圧搾部ELbのうち凹部15と交差していない部分の繊維密度より高い。
なお、肌側部位H、高密度領域DH、後側線状圧搾部ELb、交差部分Jbの各部分の繊維密度は、必ずしも一定ではない。例えば、肌側部位Hにおいては、高密度領域DHが最も繊維密度が高く、外側部位Lに隣接する部分の繊維密度は低くなっている。そのため、肌側部位H等の各部分の繊維密度が一定でない場合には、各部分の「繊維密度」は、各部分の全体における平均繊維密度を意味する。そして、繊維密度の高低を比較する際には、各部分の平均繊維密度を比較する。具体的には、上述の方法と同様に、周知の方法で測定して比較することができる。例えば、肌側部位H(幅方向の長さ15wの範囲)を、長手方向の所定の長さ(10mm)のサンプルとしてナプキン1からそれぞれ切り出し、サンプルの質量を直示天秤(例えば、研精工業株式会社製 電子天秤HF−300)で測定し、ナプキン1を幅方向に切った断面を撮影した画像を用いて肌側部位Hの面積を算出し、サンプルの質量を、肌側部位Hの面積とサンプルとして切り出した所定の長さ(10mm)の積で除することで、肌側部位Hの繊維密度を算出することができる。同様にして、各部位の繊維密度を算出し、比較することができる。
また、高密度圧搾領域DELの肌側面から非肌側面までの厚さ方向の距離L4は、股間部位の高密度領域DHにおける最深部15mから肌側面10tまでの厚さ方向の距離L1よりも小さい。また、同様に、距離L4は、後側部の高密度領域DHにおける最深部15mから肌側面10tまでの厚さ方向の距離L3よりも小さい。つまり、高密度圧搾領域DELの吸収体10の厚み(L4)は、高密度領域DHの吸収体10の厚み(L1、L3)よりも小さい。
ナプキン1は、凹部15を形成することによって、着用者の股(脚)で幅方向の内側への力が加えられると、肌側へ隆起する変形をさせ易くして、着用者の排泄口にフィットさせやすくしている。図9Aは、使用前のナプキン1の凹部15を説明する図であり、図9Bは、着用状態のナプキン1の凹部15を説明する図である。図9Aに示すように、高密度領域DHの厚さ方向の中央Hcが、外側部位Lにおける吸収体10の厚さ方向の中央Lcよりも肌側に位置しているため、図9Bに示すように、着用状態(図7の状態C)では、高密度領域DHが最も肌側に位置して、着用者の排泄口のより近くで高密度領域DHが排泄物を吸収しやすくなる。
このとき、ナプキン1の凹部15は、圧搾加工によって形成されているため、肌側部位H(高密度領域DH)は、外側部位Lよりも繊維密度が高く、股間部位において高密度領域DHや肌側部位Hが吸収した排泄物は、毛管作用によって、吸収体10の前側と後側に拡散されやすくなる。もし、凹部15の肌側部位Hと外側部位Lの繊維密度をほぼ同じにすると、吸収体10における排泄物の拡散は、通常、略円形状に広がっていき、その拡散速度は一定であるため、股間部位に排泄物が留まってしまい、着用者に違和感を生じさせたり、肌荒れを生じさせたりする恐れがある。その点、圧搾加工によって繊維密度を高くした凹部15を形成することによって、排泄物の流路となり、排泄物を長手方向に拡散させることができるため、股間部位に排泄物が留まってしまうことによる着用者の違和感を減少させることができる。
しかし、凹部15を吸収体10の長手方向の全長に亘って形成すると、肌側部位Hが吸収体10の前端及び後端にまで形成されているため、排泄物の量が多くなると、肌側部位Hに沿って拡散した排泄物が吸収体10の前端、後端から漏れてしまう恐れがある。そのため、ナプキン1は、股間部位より後側に、凹部15と幅方向に所定の長さを有する後側線状圧搾部ELbが交差する交差部分Jbを有している。これによって、排泄物を幅方向に向かって拡散させて、交差部分Jbより長手方向の後側に拡散させることを軽減させることができる。つまり、肌側部位H(高密度領域DH)に沿って吸収体10の後側に向かって拡散した排泄物が交差部分Jbに到達すると、交差部分Jbを分岐点として、高密度領域DHよりも繊維密度が高い後側線状圧搾部ELbに向かって拡散しやすくなる。このように、ナプキン1は、後側から排泄物が漏れてしまう恐れを軽減しつつ、着用者の身体にフィットさせることができる。
さらに、交差部分Jbにおける吸収体10の厚みが最も薄い領域における繊維密度は、股間部位における高密度領域DHの繊維密度よりも高く、交差部分Jbより長手方向の外側における高密度部位DHの繊維密度よりも高い。そのため、吸収体10の股間部位で吸収され、肌側部位Hに沿って後側に拡散された排泄物は、肌側部位H(高密度部位DH)よりも繊維密度が高い交差部分Jbに引き込まれやすくなる。そして、交差部分Jbより長手方向の外側の繊維密度は交差部分Jbよりも低くなっているため、排泄物は交差部分Jbより後側に向かって拡散しづらくなり、ナプキン1の後端から排泄物が漏れてしまう恐れを軽減させることができる。交差部分Jbの後側の凹部15の肌側部位Hの繊維密度よりも、交差部分Jbから幅方向に沿った領域を有する後側線状圧搾部ELbの繊維密度の方が高いため、交差部分Jbまで拡散された排泄物は、交差部分Jbを分岐点として、後側線状圧搾部ELbに沿って幅方向に拡散されやすくなる。
なお、交差部分Jbは、上述のとおり、肌側部位Hや高密度領域DHを形成した部分に、更に肌側から後側線状圧搾部ELbを形成する圧搾を加えた部分であるため、後側線状圧搾部ELbの中でも最も繊維密度が高い部分を有している。そのため、肌側部位H(高密度領域DH)に沿って拡散された排泄物は、交差部分Jbの最も繊維密度が高い部分に引き込まれやすい。しかし、繊維密度が高い領域は液体を吸収しやすい性質を有しているが、液体をより多く保持することが困難な領域となっている。そのため、交差部分Jbが引き込んだ液体のうち交差部分Jb内で保持することができなくなった液体は、より繊維密度の高い後側線状圧搾部ELbに沿って拡散することになる。
なお、交差部分Jb、交差部分Jfは、股間部位には設けられず、股間部位より後側及び外側に設けられている。具体的には、交差部分Jbはウイング粘着部40wより後側に位置し、交差部分Jfはウイング粘着部40wより前側に位置している。長手方向においてウイング粘着部40wと重なる位置には、凹部15と線状圧搾部ELとが交差する部分は設けられていない。吸収体10のうち、長手方向においてウイング粘着部40wが設けられている領域は、着用状態(図7の状態C)において、着用者の排泄口に近い領域で、股間部位である。吸収体10のうち、長手方向においてウイング粘着部40wが設けられている領域である股間部位には、排泄物が留まらないことが好ましいため、吸収した排泄物をより速く長手方向に拡散させる必要がある。そのため、長手方向においてウイング粘着部40wが設けられている領域には、凹部15と線状圧搾部ELとが交差する部分を設けないことにして、排泄物を幅方向に拡散するよりも長手方向に拡散させることを促している。そして、ウイング粘着部40wより後側に交差部分Jbを設け、ウイング粘着部40wより前側に交差部分Jfを設けることで、着用者の肌に当接する領域から離れた領域で、排泄物を幅方向に拡散させることを促すため、吸収体10のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。
また、図8A及び図8Bに示すように、股間部位(中央部)及び後側部の肌側部位Hのうち、吸収体10の厚みが最も薄い領域である高密度領域DHの最も肌側に位置する肌側上部HTは、それぞれ肌側部位Hに幅方向に隣接する外側部位Lの肌側面10tより肌側に位置している。一方、後側線状圧搾部ELbのうち、吸収体10の厚みが最も薄い領域である高密度圧搾領域DELの最も肌側に位置する圧搾上部ELTは、後側線状圧搾部ELbと幅方向に隣接する外側部位Lの肌側面10tより非肌側に位置しており、高密度領域DELの最も非肌側に位置する圧搾下部ELUは、外側部位Lの非肌側面10bより肌側に位置している。このとき、圧搾上部ELTは、股間部位における外側部位Lの肌側面10tより非肌側に位置しており、圧搾下部ELUは、股間部位における外側部位Lの非肌側面10bより肌側に位置している。つまり、高密度圧搾領域DELは、吸収体10の肌側面及び非肌側面からそれぞれ凹んでいる。
着用状態(図7の状態C)において、ナプキン1の股間部位は、図9Bに示すように、着用時に排泄物を最初に吸収する部分であり、排出された排泄物をできるだけ早く吸収するために、高密度領域DHをより肌側に設けることが好ましい。そのために、股間部位における高密度領域DHをより肌側に設けることで、より早く排泄物を吸収させることができる。一方、股間部位から離れた位置に設けられた後側線状圧搾部ELbは、高密度圧搾領域DELの肌側面をより非肌側に設けて、吸収した排泄物を、吸収体10の厚さ方向の内側で拡散させることで、排泄物が肌に接する恐れを軽減させることができる。これによって、着用者が、排泄物を排出した直後だけでなく、一定時間経過後であっても不快に感じる恐れを軽減させることができる。
さらに、吸収体10の長手方向の中央部には、高密度領域DHの幅方向の両外側に一対の肌側凹部Pが設けられており(図8A)、後側部には一対の肌側凹部Pが設けられていない(図8B)。各肌側凹部Pは、吸収体10の肌側面に、長手方向に沿って設けられている。股間部位は一対の肌側凹部Pを有することで、着用状態(図7の状態C)において、肌側部位Hが肌側に隆起するように吸収体10が折れ曲がったときに、肌側部位Hのうちの肌側凹部P同士の間の領域が、着用者の肌に当接する部分となり(図9B)、肌側凹部Pを有さない場合よりも、より平面に近い高密度領域DHを着用者の肌に当接させることができ、肌当たりを向上させることができる。なお、前側部及び後側部においては、着用者の肌に隆起させた凹部15の平面を着用者の肌に当接させる必要が少ないため、一対の肌側凹部Pを後側部(前側部)に設けられていない(図8B)。
また、図8Aに示すように、股間部位においては、肌側凹部Pの最も深い部分とトップシート20とは離間しており、肌側凹部Pが設けられた部分については、肌側部位Hの肌側面とトップシート20との間に空間を有している。これに対し、後側線状圧搾部ELbは、トップシート20と吸収体10に対して厚さ方向に圧搾加工を施しているため、図8Cに示すように、後側線状圧搾部ELbの肌側面とトップシート20との間には、空間を有していない。このようなナプキン1においても、排泄物を凹部に沿って吸収体10の長手方向に拡散し、交差部分Jbで後側線状圧搾部ELbに沿って、幅方向に拡散させることができるため、吸収体10のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。
なお、ナプキン1においては、吸収体10の長手方向の全長に亘って凹部15を形成したが、これに限られない。凹部15は、股間部位、且つ股間部位より長手方向の外側に延出していればよく、例えば、吸収体10の前端から股間部位の後端まで凹部15を設け、前側線状圧搾部ELfと交差する部分を設けることによって、吸収体10の前側について幅方向への排泄物の拡散を促すことができる。同様に、股間部位の前端から吸収体の後端まで凹部15を設け、後側線状圧搾部ELbと交差する部分を設けることによって、吸収体10の後側について幅方向への排泄物の拡散を促すことができる。但し、吸収体10の長手方向の全長に亘って凹部15を形成し、前側線状圧搾部ELfと後側線状圧搾部ELbのそれぞれと交差する部分を設けることによって、吸収体10の前後において、幅方向への排泄物の拡散を促すことができるため、より広い範囲で排泄物を吸収することができ、吸収性物品1から排泄物が漏れてしまう恐れをより軽減することができる。
また、凹部15の形成方法は、上述のような、単位面積当たりの繊維の質量が異なる領域を有する加工前の吸収体10に、回転方向の全周に亘って連続して突出したリブ部51rを有する上ロール51uと、回転方向の全周に亘って連続して環状に設けられた溝部51mを有する下ロール51dとで圧搾加工を施す方法に限られない。例えば、単位面積当たりの繊維の質量が略一定の加工前の吸収体10に、回転方向に突出高さの異なるリブ部を備えた上ロールと、回転方向の全周に亘って連続した溝部を有する一対のロール部を用いて圧搾加工を施したりする等、適宜変更することができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態においては、吸収体10の長手方向における中央部の単位面積当たりの繊維の質量が、前側部及び後側部の単位面積当たりの繊維の質量より大きいことにしたが、これに限られない。吸収体10の単位面積当たり質量を全域に亘って略均一としてもよい。繊維密度が均一である場合でも、交差部分Jb、Jfを股間部位より長手方向の外側に設けることによって、股間部位で吸収した排泄物を、股間部位より長手方向の外側で幅方向に向かって拡散することができる。単位面積当たりの繊維の質量は、排泄物の吸収量や肌当たり等によって適宜変更が可能である。
また、吸収体10の単位面積当たりの質量を部分的に異なるものとした場合でも、全域に亘って略均一にした場合でも、股間部位における高密度領域DHの繊維密度と交差部分Jbより後側における高密度領域の繊維密度を略同じにしてもよい。このような場合においも、凹部15に沿って排泄物は長手方向の外側に拡散され、交差部分Jbでより繊維密度の高い後側線状圧搾部ELbに沿って幅方向への拡散が促されるため、吸収体10のより広い範囲で排泄物の吸収が可能となる。
上述の実施形態においては、図8A及び図8Bに示すように、股間部位及び後側部の高密度領域DHの肌側上部HTをそれぞれ外側部位Lの肌側面10tより肌側に設けて、肌側部位Hを肌側に突出させたが、これに限られない。図10は、別の実施形態における股間部位における凹部15の概略断面図である。図10に示すように、股間部位における高密度領域DHの肌側上部HTを外側部位Lの肌側面10tより非肌側に設けてもよい。股間部位に限らず、前側部及び後側部についても同様である。後側線状圧搾部ELbの高密度圧搾領域DELの圧搾上部ELTは、後側線状圧搾部ELbと幅方向に隣接する外側部位Lの肌側面10tより非肌側に設けている。このとき、肌側部位Hの肌側上部から外側部位Lの肌側面10tまでの長さL6(図10)は、後側線状圧搾部ELbの圧搾上部ELTから外側部位Lの肌側面10tまでの長さL5(図8C)より短くすることが好ましい。これによって、股間部位においては、高密度領域DHがより肌側に位置するため、図9Bに示すようにナプキン1が折れ曲がった状態で、高密度領域DHを着用者の排泄口により近くに設けることができ、排出された排泄物をより速く吸収することができる。一方、股間部位から離れた位置に設けられた後側線状圧搾部ELbにおいては、高密度圧搾領域DELが肌側からより離れているため、吸収した排泄物を肌側からより離れた位置で拡散することができるため、排泄物が肌に接することを軽減することができる。
また、股間部位における高密度領域DHの肌側上部HTを外側部位Lの肌側面10tより非肌側に設けた場合には、使用前のナプキン1の状態において(図10)、肌側部位Hの肌側面とトップシート20との間に空間を有しており、高密度領域DHの肌側上部HTとトップシート20とは離間している。このようなナプキン1においても、凹部15に沿って長手方向に拡散した排泄物を、交差部分Jbで後側線状圧搾部ELbに沿って、幅方向に拡散させることができるため、吸収体10のより広い範囲で排泄物を吸収させることができる。また、着用中において、着用者の股(脚)による幅方向の力が弱められて、図9Bの折り曲げ形状が図9Aのように平らに近い状態になった場合には、肌に接するトップシート20に排泄物が残存してしまう恐れを軽減したり、着用後の処分時に手が汚れてしまう恐れを軽減したりすることができる。
さらに、上述の実施形態においては、吸収体10の長手方向の中央部には、高密度領域DHの幅方向の両外側に一対の肌側凹部Pが設けられていたが、必ずしもこれに限られない。一対の肌側凹部Pを有していなくても、股下部位における肌側部位Hの繊維密度が、長手方向の一端部における肌側部位Hの繊維密度より高ければ、股下部位における吸収体10のフィット性を確保しつつ、着用者の腹部又は臀部の形状に応じた変形が可能となる。
1 生理用ナプキン(ナプキン)、10 吸収体、10t 肌側面、10b 非肌側面、11 吸収性コア、12 上側シート、13 下側シート、15 凹部、15m 最深部、20 トップシート(肌側シート)、20e 外周縁部、20w ウイング部、30 バックシート(非肌側シート)、30e 外周縁部、30w ウイング部、40c 本体接着部、40wウイング接着部、50 一対のロール部、51u 上ロール、51d 下ロール、51r リブ部、51m 溝部、51rt 頂面、51mb 底面、201K 股間、201He 排泄口、DH 高密度領域、DEL 高密度圧搾領域、ED10 吸収体点状圧搾部、ED20 本体点状圧搾部、EL 線状圧搾部(圧搾部)、ELc 中央線状圧搾部、ELf 前側線状圧搾部(圧搾部)、ELb 後側線状圧搾部(圧搾部)、長手線状圧搾部ELm、ELT 圧搾上部、ELU 圧搾下部、H 肌側部位、HT 肌側上部、Jb 交差部分、Jf 交差部分、L 外側部位、HMA 接着剤、P 肌側凹部

Claims (9)

  1. 互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を備え、
    液体吸収性繊維を有する吸収体と、
    前記厚さ方向において、前記吸収体より肌側に配置された肌側シートと、
    前記幅方向に所定の長さを有し、前記肌側シート及び前記吸収体が圧搾されている圧搾部と、
    を有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、非肌側面の前記幅方向における中央位置を含む中央領域に、前記長手方向に沿った凹部を有し、
    前記厚さ方向において前記凹部に肌側から隣接する肌側部位の繊維密度は、前記幅方向において前記凹部に外側から隣接する外側部位の繊維密度よりも高く、
    前記凹部の最も深い最深部と前記幅方向において重なる位置における、前記吸収体の前記厚さ方向の中央は、前記外側部位における、前記吸収体の前記厚さ方向の中央より、前記肌側に位置しており、
    前記凹部は、着用時に股間部に位置する股間部位に設けられ、且つ前記股間部位より前記長手方向の外側に延出しており、
    前記厚さ方向に見た場合に、前記凹部と前記圧搾部は、前記股間部位より前記長手方向の外側においてのみ交差し、
    前記肌側部位の肌側面と前記肌側シートとの間には、空間を有しており、
    前記圧搾部の肌側面と前記肌側シートとの間には、空間を有していないことを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品において、
    前記厚さ方向の非肌側にそれぞれウイング粘着部を備えた、前記幅方向の外側に突出する一対のウイング部を有しており、
    前記厚さ方向に見た場合に、前記一対のウイング粘着部よりも前記長手方向の外側において、前記凹部と前記圧搾部が交差することを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項1又は2に記載の吸収性物品において、
    前記厚さ方向の非肌側にそれぞれウイング粘着部を備えた、前記幅方向の外側に突出する一対のウイング部を有しており、
    前記厚さ方向に見た場合に、前記長手方向において、前記ウイング粘着部と重なる領域では、前記凹部と前記圧搾部が交差しないことを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記厚さ方向において、
    前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の最も肌側に位置する肌側上部は、前記外側部位における肌側面より肌側に位置しており、
    前記圧搾部のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の最も肌側に位置する圧搾上部は、前記外側部位における肌側面より非肌側に位置していることを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記厚さ方向において、
    前記股間部位における前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の最も肌側に位置する肌側上部は、前記外側部位における肌側面より非肌側に位置しており、
    前記圧搾部のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の最も肌側に位置する圧搾上部は、前記外側部位における肌側面より非肌側に位置しており、
    前記肌側上部から前記外側部位の肌側面までの長さが、前記圧搾上部から前記外側部位の肌側面までの長さより短いことを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記圧搾部のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度が、
    前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項6に記載の吸収性物品において、
    前記圧搾部のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の前記吸収体の厚みが、
    前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の前記吸収体の厚みよりも小さいことを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品において、
    前記厚さ方向に見た場合の前記凹部と前記圧搾部が交差した交差部分における、前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度は、
    前記股間部位における、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度より高く、かつ、
    前記交差部分よりも前記長手方向の外側における、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度よりも高いことを特徴とする吸収性物品。
  9. 請求項8に記載の吸収性物品において、
    前記交差部分よりも前記長手方向の外側における、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度は、
    前記股間部位における、前記肌側部位のうち前記吸収体の厚みが最も薄い領域の繊維密度より低いことを特徴とする吸収性物品。
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