JP6734966B1 - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィット性及び漏れ防止性の高い吸収性物品を提供すること。【解決手段】互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有し、液透過性のトップシート(3)と、液不透過性のバックシート(5)と、トップシートとバックシートとの間に設けられた吸収性コア(10)と、を備えるとともに、幅方向に沿った折り部(F1、F2)を有し、折り部の少なくとも一部に吸収性コアが配置された吸収性物品(1)であって、吸収性コアは、少なくとも保水性繊維を有しており、折り部における吸収性コアの密度が0.04g/cm3以上0.3g/cm3未満であり、保水性繊維の平均繊維長が2mm未満であり、曲げ反発評価の評価結果が180度以上270度以下である。【選択図】図10

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
吸収性物品の一例として、経血等の排泄液を吸収する生理用ナプキンが知られている。このような生理用ナプキンは吸収体(吸収性コア)を備えており、吸収性コアには保水性繊維が含まれている。通常、保水性繊維として、繊維長が長い針葉樹パルプ繊維が用いられている。また、特許文献1には、保水性繊維として、針葉樹パルプ繊維よりも繊維長の短い広葉樹パルプ繊維を用いたものも開示されている。
特表2004−538024号公報
生理用ナプキンは折り畳んだ状態(例えば三つ折り状態)で個包装されるため、使用する際に折り癖が強く残ることが多い。このような折り癖や、肌当接面に皺などが生じると、フィット性が低下するため着用者が違和感を覚えたり、漏れ防止性が低下したりするおそれがある。特に、針葉樹パルプ繊維では、繊維長が長いため1本の繊維が相互に交絡する繊維本数が多くなることから、パルプ繊維間の相互作用が強い。そのため、折り癖が開放するに際し必要となるパルプ繊維の移動や繊維同士の交絡の開放が生じ辛く、結果折り癖が残りやすくなっていた。他方、繊維本数の密度を少なくすることで、繊維1本当たりの交絡繊維本数を減らすと、折り癖を残りにくくすることはできるが、毛細管効果の低下に由来する体液拡散性の悪化を伴うため漏れ防止性が低下するおそれがあった。
また、特許文献1の吸収性物品では、広葉樹パルプ繊維が用いられているが、不織布と同様の製法(エアレイド法)で形成されており、結合材が付与されている。このため、結合材によって剛性が高くなりすぎて、折り癖が残りやすくなるおそれがある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、フィット性及び漏れ防止性の向上を図ることのできる吸収性物品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有し、
液透過性のトップシートと、
液不透過性のバックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に設けられた吸収性コアと、
を備えるとともに、前記幅方向に沿った折り部を有し、前記折り部の少なくとも一部に前記吸収性コアが配置された吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、少なくとも保水性繊維を有しており、
前記折り部における前記吸収性コアの密度が0.04g/cm以上0.3g/cm未満であり、
前記保水性繊維の平均繊維長が2mm未満であり、
曲げ反発評価の評価結果が180度以上270度以下であり、
前記吸収性コアは、前記厚さ方向の中央部に、前記厚さ方向の両側の端部よりも繊維密度の高い高密度繊維領域を有する、
ことを特徴とする吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、フィット性及び漏れ防止性の高い吸収性物品を提供できる。
ナプキン1を厚さ方向の肌側から見た概略平面図である。 ナプキン1を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。 図1中のA−A矢視で示す概略断面である。 個包装状態のナプキン1を示す図である。 広葉樹パルプ繊維と針葉樹パルプ繊維の繊維長の分布を示す図である。 吸収体10の製造方法を説明するための図である 図7A〜図7Cは、曲げ反発評価の評価方法の概略説明図である。 繊維の平均繊維間距離Dpを示す図(表1)である。 繊維の繊維本数密度を示す図(表2)である。 各サンプルの評価結果を示す図(表3)である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有し、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に設けられた吸収性コアと、を備えるとともに、前記幅方向に沿った折り部を有し、前記折り部の少なくとも一部に前記吸収性コアが配置された吸収性物品であって、前記吸収性コアは、少なくとも保水性繊維を有しており、前記折り部における前記吸収性コアの密度が0.04g/cm以上0.3g/cm未満であり、前記保水性繊維の平均繊維長が2mm未満であり、曲げ反発評価の評価結果が180度以上270度以下であることを特徴とする吸収性物品である。
このような吸収性物品によれば、製品折り部における折り癖を残りにくくすることができ、また、経血等の排泄液を滞りなく拡散させることができる。よって、フィット性及び漏れ防止性の向上を図ることができる。
かかる吸収性物品であって、前記保水性繊維には、繊維長が3mm以上の繊維も含まれることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、よれを抑制することができる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアは、前記保水性繊維以外の素材も有することが望ましい。
このような吸収性物品によれば、剛性を高めることができる。
かかる吸収性物品であって、単位面積当たりにおける前記保水性繊維の平均繊維本数が300本/mm以上2500本/mm未満であることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、折り癖を残りにくくすることができるとともに、吸収性を高めることができる。
かかる吸収性物品であって、前記保水性繊維の平均繊維間距離が5μm以上40μm未満であることが望ましい。
このような吸収性物品によれば、折り癖を残りにくくすることができるとともに、吸収性を高めることができる。
かかる吸収性物品であって、前記吸収性コアは、前記厚さ方向の中央部に、前記厚さ方向の両側の端部よりも繊維密度の高い高密度繊維領域を有し、前記高密度繊維領域の前記長手方向の最大長さは、前記折り部の前記長手方向の長さよりも短いことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、折り癖を残りにくくしつつ、吸収性をより高めることができる。
かかる吸収性物品であって、前記保水性繊維の平均繊維長が、前記折り部の前記厚さ方向の長さ及び前記長手方向の長さよりも短いことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、折り癖が残りにくい。
かかる吸収性物品であって、前記素材として熱可塑性樹脂繊維を有し、前記熱可塑性樹脂繊維の単位長さ当たりの平均捲縮数は、前記保水性繊維の単位長さ当たりの平均捲縮数よりも少ないことが望ましい。
このような吸収性物品によれば、熱可塑性樹脂繊維と保水性繊維との交絡を少なくできる。これにより折り癖を残りにくくすることができ、装着感を向上でき、漏れ防止性を高めることができる。
===実施形態===
<<生理用ナプキンの基本的構成>>
本実施形態に係る吸収性物品の一例として生理用ナプキン1(以下、単にナプキン1とも呼ぶ)について説明する。なお、以下の説明では吸収性物品の例として生理用ナプキンについて説明するが、本実施形態の吸収性物品には、所謂おりものシート(例えばパンティライナー)や軽失禁パッド等も含まれており、生理用ナプキンに限定されるものではない。
図1は、ナプキン1を厚さ方向の肌側から見た概略平面図である。図2はナプキン1を厚さ方向の非肌側から見た概略平面図である。図3は、図1中のA−A矢視で示す概略断面である。図4は、個包装状態のナプキン1を示す図である。なお、図1、図3、及び図4では都合上、セパレーター50及び包装シート60などの図示を省略している。また、以下の説明では、図1〜図4に示すように、各方向を定義する。すなわち、ナプキン1の製品長手方向に沿った「長手方向」と、ナプキン1の製品短手方向に沿って長手方向と直交する「幅方向」と、長手方向及び幅方向とそれぞれ直交する「厚さ方向」と、を定義する。長手方向のうち、ナプキン1の使用時において着用者の腹側となる方向を「前側」とし、着用者の背側となる方向を「後側」とする。厚さ方向のうち、ナプキン1の着用時に着用者の肌と当接する側を「肌側(上側)」とし、その逆側を「非肌側(下側)」とする。
ナプキン1は、平面視縦長形状のシート状部材であり、一対のサイドシート2と、トップシート3と、セカンドシート4と、吸収体10と、キャリアシート6と、バックシート5とが厚さ方向の肌側から非肌側へと順に積層されて形成されている(図3参照)。そして、これら各部材は、それぞれ、厚さ方向に隣接する部材とホットメルト接着剤(HMA)等の接着剤で接合されている。なお、接着剤の塗布パターンとしては、Ωパターンやスパイラルパターン、ストライプパターン等を例示できる。
また、ナプキン1は、吸収体10が設けられたナプキン本体部20と、ナプキン本体部20の長手方向中央領域から幅方向の両外側に延出した一対のウイング部30とを有する。このウイング部30が設けられる長手方向中央領域は、ナプキン1の使用時において着用者の排泄口(股下部)と当接する領域である。
トップシート3は、ナプキン1の使用時において着用者の肌と当接する部材であり、経血等の液体を厚さ方向の肌側から非肌側に透過させ、吸収体10に移動させる。このため、トップシート3には、エアスルー不織布などの適宜な液透過性の柔軟なシートが用いられる。
セカンドシート4は、液透過性のシートであり、トップシート3と同じエアスルー不織布等を例示できる。セカンドシート4は、吸収体10の肌側面上に設けられ、経血等の排泄物の逆戻り防止、排泄物の拡散向上、及びクッション性の向上等の役割を果たす。但しナプキン1がセカンドシート4を有さなくても良い。
キャリアシート6は、液透過性のシートであっても液不透過性のシートであっても良く、ティッシュペーパーやSMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布等を例示できる。キャリアシート6は吸収体10とバックシート5の間に設けられている。但し、ナプキン1がキャリアシート6を有さなくても良い。
バックシート5は、ナプキン1の使用時においてトップシート3を透過して吸収体10によって吸収された液体が下着等の着衣側(非肌側)に染み出すことを抑制する。バックシート5には、ポリエチレン(PE)の樹脂フィルムなど適宜な液不透過性の柔軟なシートが用いられる。なお、トップシート3及びバックシート5は、平面サイズが吸収体10よりも大きくされている。
サイドシート2は、液透過性のシートであっても液不透過性のシートであっても良く、トップシート3と同じエアスルー不織布等を例示できる。
そして、図1及び図2に示されるように、サイドシート2及びトップシート3と、バックシート5との外周縁部同士が接着又は溶着で接合されることにより、これらのシート同士の間に吸収体10が保持されている。また、一対のサイドシート2は、トップシート3の幅方向の両側部から幅方向の外側に延出しており、バックシート5と共に一対のウイング部30を形成している。
ナプキン本体部20の厚さ方向における非肌側面(つまりバックシート5の非肌側面)には、長手方向に沿った複数の帯状の領域に適宜な接着剤(例えばホットメルト接着剤)を塗布することにより形成された本体部用粘着部21が設けられている(図2、図3参照)。ナプキン1の使用時に本体部用粘着部21は下着等の肌側面に貼り付けられ、これによりナプキン1は下着等に固定される。なお、仮に、折り部(前側折り部F1、後側折り部F2)の幅方向全体において、本体部用粘着部21が折り部を長手方向に横断していると、折り部で粘着剤が伸長された状態となるため、使用時に突っ張るおそれがあり、また、折り癖が残りやすくなる。よって、本実施形態では、折り部(前側折り部F1及び後側折り部F2)の幅方向全体において、本体部用粘着部21が折り部を長手方向に横断しないようにしている。これにより、粘着剤が伸長された状態となることを抑制でき、折り癖が残りにくくなる(装着感を良くでき、漏れ防止性をより高めることができる)。但し、これには限られず、例えば、本体部用粘着部21が、幅方向に沿って設けられていても良い。この場合、上記と同様の理由により、本体部用粘着部21が各折り部の少なくとも一部(好ましくは全体)と重ならないように配置すると良い。これにより、折り部の幅方向全体において、本体部用粘着部21が、折り部を長手方向に横断しないようにできる。
同様に各ウイング部30の厚さ方向における非肌側面(つまりバックシート5の非肌側面)には、ウイング部用粘着部31が設けられている(図3参照)。ナプキン1の使用時にウイング部30は非肌側に折り曲げられ、ウイング部用粘着部31は下着等の非肌側面に貼り付けられ、これによりナプキン1は下着等に固定される。
吸収体10(吸収性コアに相当)は、長手方向に沿って長い縦長の部材であり、経血等の液体(排泄物)を吸収して内部に保持する。吸収体10の詳細については後述する。セカンドシート4、吸収体10、キャリアシート6は、平面形状が同じであり、厚さ方向に積層されている。なお、本実施形態ではこれらの各部材がホットメルト接着剤(HMA)によって互いに接合されているが、接合されていなくても良い。
また、ナプキン1には、圧搾部40(凹部)が複数設けられている(図1参照)。圧搾部40は、厚さ方向の肌側から非肌側に向かって凹んだ部位であり、隣接する部位に比べて保水性繊維の密度の高い部位である。圧搾部40では、少なくとも、トップシート3、セカンドシート4、及び吸収体10の厚さ方向の全域が、厚さ方向の肌側から圧搾(エンボス加工)され、接合一体化されている。これにより、ナプキン1がよれにくくなる。但し、上記に限らず、吸収体10にのみ圧搾部40を設けたり、トップシート3から吸収体10の厚さ方向肌側の一部までにしか圧搾部40を設けなかったり、バックシート5から吸収体10に圧搾部40を設けたりしても良い。また、圧搾部40の配置パターンも図1に示すものに限らない。
また、ナプキン1の出荷時には、図2に示すようにセパレーター50と包装シート60が取り付けられている。
包装シート60は、ナプキン1を個別に包装するシート部材である。この包装シート60は、ナプキン1の使用前においてはナプキン1と厚さ方向に重ね合わせられた状態で接合されており、ナプキン1を使用する際には取り外される。本実施形態において、包装シート60は、長手方向(縦方向)に長辺を有する略長方形状のシート部材であり、ナプキン1と包装シート60とは、セパレーター50を介して接合されている。なお、ナプキン1の出荷時において、包装シート60は、吸収体10及びセパレーター50とともに長手方向に折り畳まれており、包装シート60の幅方向の両端部は、折り畳まれた状態で互いに接着(シール)されている。また、包装シート60の前側端部の幅方向の中央には、包装状態を固定するためのリードテープ62が設けられている。
セパレーター50は、ナプキン1のバックシート5と包装シート60との間に配置されるシート部材である(図2参照)。セパレーター50の肌側表面はシリコン樹脂等を用いて剥離加工が施されており、ナプキン本体部20の非肌側面に設けられた本体部用粘着部21に対して剥離可能に貼付されている。剥離加工については公知であるため説明を省略する。一方、セパレーター50の非肌側表面は、包装シート60との間に設けられた包装シート接合部によって包装シート60に固定(接合)されている。このようなセパレーター50が配置されることにより、ナプキン1の使用前において本体部用粘着部21を形成する接着剤が包装シート60に付着することや、本体部用粘着部21の粘着性が弱くなることが抑制されると共に、該本体部用粘着部21が保護される。そして、ナプキン1を使用する際には、セパレーター50が包装シート60と共に本体部用粘着部21から剥がされ、該本体部用粘着部21の粘着力によってナプキン1が着用者の下着等に固定されることになる。なお、セパレーター50と包装シート60を兼ねたものも用いても良い。具体的には、包装シート60として、肌側面がシリコン処理されており、セパレーター50と同機能を有するフィルムを用いても良い。
本実施形態において、個包装状態のナプキン1は、幅方向に沿った複数の折り目によって、図4に示すように、長手方向に折り畳まれている。具体的には、ナプキン1は、2つの折り部(前側折り部F1及び後側折り部F2)によって長手方向に3つ折りとなるように折り畳まれている。前側折り部F1は、ナプキン1の長手方向における中央の位置よりも前側に位置しており、後側折り部F2は、ナプキン1の長手方向における中央の位置よりも後側に位置している。また、前側折り部F1の少なくとも一部、及び、後側折り部F2の少なくとも一部には、それぞれ、吸収体10(吸収性コア)が配置されている。なお、前側折り部F1は、ナプキン1が折り畳まれた状態(図4)における長手方向の一端P1を中心として、長手方向両側に吸収体10の厚さ分(図1においてtで示す部分)の領域である。また、後側折り部F2は、ナプキン1が折り畳まれた状態(図4)における長手方向の他端P2を中心として長手方向の両側に吸収体10の厚さ分の領域である。
なお、ナプキン1に設けられる折り部の数や位置は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、後側折り部F2よりも後側にさらに折り部が設けられていても良い。
このように、ナプキン1は、包装シート60(及びセパレーター50)とともに、前側折り部F1及び後側折り部F2において、3つ折りに折り畳まれた状態で、製品として市場に出荷される。
そして、着用者がナプキン1を使用する際には、ナプキン1は折り畳まれた状態から展開される。このとき、折り畳まれた位置(前側折り部F1及び後側折り部F2)に折り癖が残ることが多い。このような折り癖が残ると、フィット感が低下するおそれがあるとともに、漏れ防止性が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、吸収体10の素材を検討することにより、折り癖が残ることを抑制し、フィット性及び漏れ防止性の向上を図っている。
<<吸収体10について>>
吸収体10は、液体を吸収する保水性繊維を有し、平面視縦長形状に成形されている。また、吸収体10に、保水性繊維以外の素材(例えば、熱可塑性樹脂繊維)が含まれても良い。保水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを有する場合、吸収体10は、これらの繊維同士が互いに混合した状態で形成される。
保水性繊維としては、パルプ、例えば、針葉樹又は広葉樹を原料として得られる木材パルプ、バガス、ケナフ、竹、麻、綿(例えば、コットンリンター)等の非木材パルプ;レーヨン繊維等の再生セルロース繊維;アセテート繊維等の半合成繊維等が挙げられる。通常、保水性繊維として繊維長が長い針葉樹パルプが用いられることが多い。
図5は広葉樹パルプ繊維(以下、広葉樹パルプともいう)と針葉樹パルプ繊維(以下、針葉樹パルプともいう)の繊維長の分布を示す図である。横軸は繊維長(mm)を示し、縦軸は頻度(%)を示している。図に示すように、針葉樹パルプの平均繊維長は2.5mmであり、繊維長の分布幅が広い(3mm以上の繊維が含まれる)。これに対し、広葉樹パルプの平均繊維長は0.8mmであり、繊維長の分布幅が狭い。なお、平均繊維長の定義については後述する。このように、広葉樹パルプは、針葉樹パルプと比べて繊維長が短い。本実施形態のナプキン1では、吸収体10に広葉樹パルプを用いている。これにより、保水性繊維の平均繊維長が短く(具体的には2mm未満に)なっており(図10参照)、折り癖が残りにくくなる(後述)。なお、平均繊維長を、折り部(前側折り部F1及び後側折り部F2)における厚さ方向の長さ(厚さt)、及び、長手方向の長さより短くすれば、折り部全長に亘る繊維が存在しないため、折り癖がより残りにくくなる。
また、折り部(前側折り部F1及び後側折り部F2)における吸収体10の密度は0.04〜0.3(g/cm)である(後述)。これにより、体液を滞りなく拡散させることができ、吸収性を確保することができる。
熱可塑性樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を素材とする単独繊維や、PPとPEとを重合してなる繊維、又は、PPとPEとからなる芯鞘構造の複合繊維等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂繊維では捲縮の程度を調整することが可能である。例えば、熱可塑性樹脂繊維として、融点の異なる2つの合成繊維成分からなる芯鞘型、偏心型の複合繊維を用いることで繊維を捲縮させることができる。本実施形態では、熱可塑性樹脂繊維の単位長さ当たりの平均捲縮数を、保水性繊維の単位長さ当たりの平均捲縮数よりも少なくなるように定めている。これにより、熱可塑性樹脂繊維と保水性繊維との交絡が少なくなり、折り癖が残りにくくなる。よって、熱可塑性樹脂繊維を含む場合においても、装着感を向上でき、漏れ防止性を高めることができる。なお、平均捲縮数の測定方法としては、例えば、幅方向に複数個の試験片(例えば5cm角の試験片)をサンプリングし、キーエンス製マイクロスコープVH−Z450などを用いて、試験片中の繊維に荷重がかからない状態で、1インチ(2.54cm)当たりの捲縮数を数回測定すればよい。その平均値より捲縮数(単位長さ当たりの平均捲縮数)を算出することができる。
また、吸収体10が上記以外の繊維を含んでいても良く、例えばセルロース等の天然繊維等を含んでいても良い。
また、高吸収性ポリマー(所謂SAP)等の液体吸収性粒状物を加えても良い。
吸収体10の製造方法としては、粉砕パルプや高吸収性ポリマー等を集積させる方法が知られている。
図6は、吸収体10の製造方法を説明するための図である。なお、ここでは、吸収体10として、保水性繊維と熱可塑性樹脂繊維と高吸収性ポリマー(SAP)を含むものを製造する場合について説明する。
回転ドラム70は、中空円筒形のドラムであり、周面には吸収体材料を詰める型として、複数の凹部71が所定のピッチで形成されている。回転ドラム70が回転して凹部71が材料供給部80へ進入すると、吸引部72の吸引により、材料供給部80から供給された吸収体材料が、凹部71に堆積(集積)する。
フード80a付きの材料供給部80は、回転ドラム70の上部を覆うように形成されており、材料供給部80は、パルプシートを粉砕機(不図示)で粉砕した粉砕パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)と熱可塑性樹脂との混合物を空気搬送により凹部71に供給する。また、材料供給部80は、高吸水性ポリマー粒子を供給する粒子供給部81を備えており、凹部71に対して高吸水性ポリマー粒子を供給する。吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維との混合物及び高吸水性ポリマー粒子は、混合状態で凹部71に堆積され、凹部71に吸収体10が形成される。
回転ドラム70の更なる回転により、吸収体10を収容した凹部71がドラムの最下部に到達すると、吸収体10が凹部71から外れ、コンベアにて搬送される基材(キャリアシート6など)の上に配置され、次の工程に引き渡されることになる。
なお、粉砕機においてパルプシートを粉砕する際に、パルプシートを粉砕しきれずに繊維が玉状に残ることがある。これにより、吸収体10の中にはパルプが毛玉状に密集した領域(高密度繊維領域と呼ぶ)が点在している。この高密度繊維領域では、圧搾部40とは異なり、厚さ方向の中央部において厚さ方向の両側の端部よりも繊維密度が高くなっている。この高密度繊維領域の長手方向の最大長さは、折り部(前側折り部F1及び後側折り部F2)の長手方向の長さよりも短いことが望ましい。これにより、折り曲がって負荷がかかる部位とかからない部位とに高密度繊維領域が跨らないので折り癖を残りにくくできる。また、高密度繊維領域が存在することによって、吸収性をより高めることができる。
また、吸収体10の比較例(後述)として、パルプ繊維や熱可塑性樹脂繊維や紛体などを不織布と同様の製法(エアレイド法)によってシート状に形成したもの(エアレイド)を用いた。なお、エアレイドには結合材が付与されており、図6の製造方法で製造したものより剛性が高くなっている。
===ナプキン1の評価について==
吸収体10の繊維の成分や製造方法の異なるサンプル(ナプキン1)を作製し、曲げ反発評価などの評価を行った。
<<サンプル>>
サンプルの条件については図10参照。
実施例:吸収体10に広葉樹パルプが含まれ、且つ、図6の製造方法で製造されたサンプルである。ここでは広葉樹パルプと6〜70mmの平均繊維長の熱可塑性樹脂繊維とを所定割合で混合したもの(実施例1、2)、広葉樹パルプと針葉樹パルプとを所定割合で混合したもの(実施例3、4)、及び広葉樹パルプのみのもの(実施例5)を評価した。
比較例:吸収体10に広葉樹パルプが含まれないサンプル(比較例1、2,4)、及び、吸収体10がエアレイド法で製造されたサンプル(比較例3、4)である。なお、比較例3には広葉樹パルプが含まれているが、エアレイド法で製造されている(結合材が付与されている)。
各条件のサンプルをそれぞれ複数用意し、以下の各評価(曲げ反発評価用、吸収体厚さ評価用など)を行った。
<<評価方法>>
<曲げ反発評価方法>
(準備)
個包装(包装シート60)の幅方向の両端部の接着部(シール部)を、製品(ナプキン1)を切断しないように切除した。これは、ナプキン1をできるだけ手で触らないようにするためである。そして、折り部(前側折り部F1及び後側折り部F2)の折り角度が90度以下となる状態を保持しつつ、評価対象となる折り部に触れないようにナプキン1を取り出した(すなわち、セパレーター50及び包装シート60をナプキン1から剥がした)。その後、同状態(折り部の折り角度が90度以下となる状態)を保持しながら、トルエンにてナプキン1の粘着剤(本体部用粘着部21)のみを洗浄し、一対のウイング部30は切除して測定サンプルとした(ウイング部30が存在しない場合は切除不要)。なお、製品が弾性部材を含む場合は、製品折り部の折り角度が90度以下となる状態を保持しながら、全ての弾性部材の全長にわたり長手方向に5mm間隔にて切除すべきである。その際、弾性部材周辺の部材の切断は弾性部材を切断するに必要最低限にとどめるべきである。洗浄後、評価対象の折り部が個包装時の厚さとなるようにサンプルを保持し(例えば、2つ折り厚さ分だけ隙間が空いている板材などの間に前側折り部F1が挟まれるようにサンプルを配置し)、常温にてトルエンを乾かした。
(曲げ反発評価)
図7A〜図7Cは、曲げ反発評価の評価方法の概略説明図である。
まず、図7Aに示すように、角部が直角の天面と側面を有する治具100(本実施例では1辺50cmの正六面体透明アクリル箱を使用)の天面の上に、製品折線(ここでは前側折り部F1の幅方向に沿った線)と治具100の端辺とが厚さ方向に重なるようにサンプルを配置した。そして、前側折り部F1から長手方向中央側に20mm離れた部位にて幅方向全体にガムテープなどの固定部材(不図示)を取り付け、製品サンプルを治具100上に固定した。その際、長手方向に沿う折り部を有する製品に関しては、そのすべてを展開した状態とすべきである。
次に、図7Bに示すように、サンプル(ナプキン1)の上にL字部材120(本実施例では1面30cm×30cmで150gのL字状のアクリル板を使用)を配置し、製品折線(ここでは前側折り部F1)を基点に、治具100の天面縁からはみ出た部分を鉛直方向下側(治具100の天面に対して270度)に折り曲げた。そしてL字部材120を、サンプルに対して隙間なく3秒間押し当てて静置した。
そして、図7Cに示すように、L字部材120を取り外して1分間静置した後、製品の折り部(ここでは前側折り部F1の端P1)から端部(ここでは前側端)までの平面方向仮想直線と治具100の天面とのなす角度(θ)を測定した。
<吸収体厚さ評価方法>
まず、個包装材(包装シート60及びセパレーター50)から製品(ナプキン1)を取り出した。
次に、液体窒素にてナプキン1を凍結させ、幅方向の中央部における折り部(前側折り部F1又は後側折り部F2)を長手方向に50mm切断し、切断端部より幅方向外側へ向けて全ての部材を切断したものを測定サンプルとした。なお、幅方向中央部に圧搾溝がある場合は、圧搾溝のない幅方向の同部位を測定すべきである。
次に、折り部(前側折り部F1又は後側折り部F2)を折り線に沿って肌面側に90度屈折させた状態で固定し、株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−100(レンズVH−Z20R+可変照明アタッチメントVH−K20)を使用して、測定面積:縦20mm×横20mmにて、測定サンプルの折部断面の画像を撮影し、保水性繊維を含む吸収体10の厚さを測定した。なお、折り部(前側折り部F1又は後側折り部F2)の折り線を中心に10mmの範囲を略10等分した部位をそれぞれ測定し、その平均値を吸収体10の厚さとした。
<吸収体目付評価方法>
まず、折り部(前側折り部F1又は後側折り部F2)を中心に長手方向に10mm、幅方向中央部を中心に幅方向に40mm切り出し、重量を直示天秤(例えば、研精工業株式会社製 電子天秤HF−300)で測定した。
次に、重量を測定したサンプルの接着剤を、トルエンにて洗浄して乾燥したのち、保水性繊維を含まない部材の重量を測定し、上記で測定した重量より減算し、切除面積(本実施形態では10mm×40mm)にて除算した。
<折り部の吸収体密度測定方法>
上記で測定した吸収体目付と吸収体厚さから、折り部の吸収体密度(g/cm)を計算して求めた。
<繊維長評価方法>
吸収体目付評価と同じ部分で繊維長を測定した。
パルプ繊維の平均繊維長は、重さ加重平均繊維長を意味する。重さ加重平均繊維長は、メッツォオートメーション(metso automation)社製のカヤーニファイバーラボファイバープロパティーズ(オフライン)[kajaaniFiberLab fiber properties(off−line)]により、L(w)値として測定される。なお、実施例や比較例における平均繊維長の意義及び測定方法も同様である。
また、パルプ繊維以外の繊維の平均繊維長は、JIS L 1015:2010の附属書Aの「A7.1 繊維長の測定」の「A7.1.1 A法(標準法)目盛りが付いたガラス板上で個々の繊維の長さを測定する方法」に従って測定する。上記方法は、1981年に発行されたISO 6989に相当する試験方法である。
<平均繊維間距離評価方法>
測定対象のサンプルの折り部に該当する部位を四角形形状に切り出した(厚さ方向に切断した)ものを試料とし、マイクロスコープ(KEYENCE製 VHX−2000、レンズ VH−Z20W絞り開放)の3D画像連結機能を用いて、試料の表面から深度100μmまで焦点が一致している拡大画像(例えば、広葉樹は100倍、針葉樹は500倍の画像)を得て、その拡大画像を基に焦点が一致している繊維の外側を抽出した。そこに形成された面を繊維空間とする。その繊維空間の最大内接円の直径を繊維空間距離とし、繊維空間100カ所分の平均値を平均繊維間距離(Dp)とした。
図8は、繊維の平均繊維間距離Dpを示す図(表1)である。図において繊維の割合(%)は吸収体10を構成する繊維の重量割合であり、吸収体10がコアラップシートを有する場合はコアラッシートを除く部分の重量割合、コアラップシートが無い場合はそのままの重量割合である(図9、図10においても同様)。
図8に示すように、広葉樹パルプは、針葉樹パルプよりも平均繊維間距離Dpが小さい。また、6〜70mmの平均繊維長の熱可塑性樹脂繊維を混合した場合、混合比に応じて平均繊維間距離Dpが変わっている。例えば、針葉樹パルプでは、熱可塑性樹脂繊が混合されることで平均繊維間距離Dpが小さくなっており、広葉樹パルプでは熱可塑性樹脂繊維が混合されることにより(熱可塑性樹脂繊維が多いほど)平均繊維間距離Dpが大きくなっている。
平均繊維間距離Dpは、5μm以上40μm未満であることが望ましい。これにより、適切な繊維間の間隔を保持でき、毛細管効果が作用しやすく、吸収性が良くなる。よって、折り癖を残りにくくすることができるとともに、吸収性を高めることができる。なお、平均繊維間距離Dpが小さすぎると(5μ未満の場合)、液体が通過するのに要する時間が長くなってしまい、平均繊維間距離Dpが大きすぎると(40μm以上の場合)、毛細管現象が発生しにくくなり、吸収性が低下する。より好ましくは、20μm未満であることが好ましい。広葉樹の割合が増えるほど、毛細管効果が増大し、吸収速度を向上させることができる。
図9は、繊維の繊維本数密度を示す図(表2)である。なお、繊維本数密度(単位面積当たりの平均繊維本数に相当)は、繊維太さ+平均繊維間距離にて、細密充填構造の場合に単位面積当たりに含まれる繊維の本数を試算した値である。
図9に示すように、広葉樹パルプは針葉樹パルプよりも、細くて繊維間距離が短いので、繊維本数密度が大きい。例えば、広葉樹パルプの繊維本数密度は1182.2本/mmであり、針葉樹パルプの繊維本数密度(200.3本/mm)の約6倍である。よって、広葉樹パルプを使用すると、針葉樹パルプを使用した場合と比べて高密度化が可能である。また、ここでも6〜70mmの平均繊維長の熱可塑性樹脂繊維の混合比に応じて、繊維本数密度が異なっている。
繊維本数密度は300本/mm以上2500本/mm未満であることが望ましい。繊維本数密度が300本/mm未満だと折り癖が残りにくくなるが、吸収体10がすかすかになってしまい、使用中によれてしまい、結果吸収体面積が減少し、漏れやすくなってしまう。繊維本数密度が2500本/mm以上だと折り癖が残りやすくなるとともに、吸収体10がかたく仕上がりすぎてしまい、使用中の違和感が増大してしまう。繊維本数密度が300本/mm以上2500本/mm未満であれば、毛細管効果を高めることができ、また、薄膜化及び柔軟化が可能になる。よって、折り癖を残りにくくすることができるとともに、吸収性を高めることができる。
なお、広葉樹パルプのみの場合、繊維長が短いことによって、よれやすくなるおそれがあるが、広葉樹パルプに加えて、針葉樹パルプ(繊維長3mm以上の繊維)や、6〜70mmの平均繊維長の熱可塑性樹脂繊維を含有させることにより、よれを抑制することができる。
<<評価結果について>>
図10は、各サンプルの評価結果を示す図(表3)である。ここでは、曲げ反発評価。折り部の吸収体密度、吸収体目付、保水性繊維平均繊維長の各評価結果を示している。
広葉樹パルプを用いた実施例1〜5では、曲げ反発評価の評価結果が180度以上270度以下となっている。これは、吸収体10における保水性繊維の平均繊維長が短い(2mm未満である)ため、繊維自体の自由度が大きく、且つ、摩擦が小さいことによると考えられる。このように実施例1〜5では、折り部(前側折り部F1、後側折り部F2)に折り癖が残りにくいといえる。なお、実施例3及び実施例4では針葉樹パルプも含まれている(繊維長が3mm以上の繊維も含まれる)が、広葉樹パルプとの混合により平均繊維長が2mm未満となっており、この場合においても折り癖を残りにくくすることができる(曲げ反発評価の評価結果が180度以上270度以下である)。
また、実施例1〜5では、折り部の吸収体密度が0.04〜0.3(g/cm)であり、体液を滞りなく拡散させることができ、吸収性を確保することができる。すなわち、実施例1〜5では、フィット性及び漏れ防止性の向上を図ることができる。
これに対し、比較例1、比較例2、及び比較例4では、広葉樹パルプが用いられていないため、平均繊維長2.5mmと実施例1〜5よりも長い。これにより、曲げ反発評価の評価結果が180度未満となっており、折り癖が残りやすい。なお、これらの比較例においても、例えば吸収体目付を小さくすることで、曲げ反発評価を180度以上にすることは可能である。ただし、この場合、吸収性が低下してしまうため吸収性物品として機能しなくなるおそれがある。
また、比較例3は、広葉樹パルプと針葉樹パルプの比率が実施例3と同じであり、平均繊維長も2mm未満であるが、エアレイドであり結合材が付与されている。このため、剛性が高くなり、広葉樹パルプを用いても折り癖が残りやすい(曲げ反発評価の評価結果が180度未満である)。
===その他の実施形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
前述の実施形態では、吸収性物品の一例としての生理用ナプキン1は、一対のウイング部30を有していたが、これには限られない。すなわち、ウイング部30については無くても良い。
また、前述の実施形態では、吸収体10はセカンドシート4とキャリアシート6の二枚のシートで覆われていたが、これには限られない。例えば、吸収体10の肌側面及び非肌側面を一枚のシートで包むようにして覆っても良い。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)、
2 サイドシート、3 トップシート、4 セカンドシート、
5 バックシート、6 キャリアシート、
10 吸収体(吸収性コア)、
20 ナプキン本体部、21 本体部用粘着部
30 ウイング部、31 ウイング用粘着部
40 圧搾部、
50 セパレーター、
60 包装シート、
70 回転ドラム、71 凹部、72 吸引部、
80 材料供給部、80a フード、
81 粒子供給部、
F1 前側折り部、F2 後側折り部

Claims (8)

  1. 互いに直交する長手方向、幅方向、及び厚さ方向を有し、
    液透過性のトップシートと、
    液不透過性のバックシートと、
    前記トップシートと前記バックシートとの間に設けられた吸収性コアと、
    を備えるとともに、前記幅方向に沿った折り部を有し、前記折り部の少なくとも一部に前記吸収性コアが配置された吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、少なくとも保水性繊維を有しており、
    前記折り部における前記吸収性コアの密度が0.04g/cm以上0.3g/cm未満であり、
    前記保水性繊維の平均繊維長が2mm未満であり、
    曲げ反発評価の評価結果が180度以上270度以下であり、
    前記吸収性コアは、前記厚さ方向の中央部に、前記厚さ方向の両側の端部よりも繊維密度の高い高密度繊維領域を有する、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品であって、
    前記保水性繊維には、繊維長が3mm以上の繊維も含まれる、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  3. 請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収性コアは、前記保水性繊維以外の素材も有する、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    単位面積当たりにおける前記保水性繊維の平均繊維本数が300本/mm以上2500本/mm未満である、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記保水性繊維の平均繊維間距離が5μm以上40μm未満である、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記高密度繊維領域の前記長手方向の最大長さは、前記折り部の前記長手方向の長さよりも短い、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記保水性繊維の平均繊維長が、前記折り部の前記厚さ方向の長さ及び前記長手方向の長さよりも短い、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  8. 請求項3に記載の吸収性物品であって、
    前記素材として熱可塑性樹脂繊維を有し、
    前記熱可塑性樹脂繊維の単位長さ当たりの平均捲縮数は、前記保水性繊維の単位長さ当たりの平均捲縮数よりも少ない、
    ことを特徴とする吸収性物品。
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