JP2021083950A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄型かつ軽量でありつつ、体液の吸収性に優れた吸収性物品の提供。【解決手段】液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート13と、これらの間の吸収層12とを備え、吸収層12は、トウからなる繊維集合体と、その内部に担持された高吸収性ポリマーとを含み、吸収層12を全体的に包む複合型不織布11を備え、複合型不織布11は、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブ層との一体化物であり、トップシート10と吸収層12との間の幅方向ほぼ中央部に、長手方向に延びて、吸収層12をトップシート10向けて露出させる開口部11aを少なくとも1つ有する吸収性物品1。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
軽失禁製品、尿取りパッド等の吸収性物品は、一般に、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収層と、で構成されている。尿等の体液は、トップシートを通って吸収層に吸収される。
吸収層としては、フラッフパルプと高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下「SAP」ともいう)とを含有する吸収性コアと、吸収性コアを包むクレープ紙等のキャリアシートとを備えた態様が広く知られている。このような吸収層は、フラッフパルプ短繊維及びSAPを積繊ドラム上で積繊することにより吸収性コアを作製する工程と、得られた吸収性コアをキャリアシートで包む工程とを含む製造方法で作製される。これらの吸収層は、比較的剛性が高い吸収層として知られている。
一方、フラッフパルプ短繊維の積繊体に代えて、フィラメント状の長繊維ウェブで構成されたトウ(繊維束)を開繊した、トウからなる繊維集合体を吸収層に用いることが提案されている。フラッフパルプ短繊維に代えてトウからなる繊維集合体を用いることにより、柔軟性及び可撓性に優れた吸収層が得られる。このような吸収層を備えると、衣服の下に吸収性物品を着用していることが目立ち難くなり、また、吸収性物品のフィット性も向上する。
吸収性物品は社会に広く普及しているが、近年では、吸収性物品を衣服の下に着用していることが目立たず、着用時に違和感(つけている感)がなく、フィット性の良い吸収性物品が、活動的なユーザー向けの市場で特に要望されている。これらの要望に応える手段の一つとして、トウからなる繊維集合体を含む吸収層を用いた吸収性物品が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、トウからなる繊維集合体及びSAP粒子を含有する吸収層を用い、該吸収層が、股間部に対応する主吸収部と、股間部の両側部に対応する従吸収部とを含み、従吸収部のSAP粒子の坪量が主吸収部よりも少なく、従吸収部が柔軟に脚周りにフィットする、吸収性物品が開示されている。
また、特許文献2には、トウからなる繊維集合体、及び該集合体中に含有されるSAP粒子を有する吸収層と、該吸収層の裏面(非肌)側に設けられ、該集合体から抜け出たSAP粒子を保持する保持シートと、を備える吸収性物品が開示されている。
特開2007−268218号公報 特開2006−149674号公報
しかしながら、吸収性物品を特許文献1、2に記載の態様で薄型化、軽量化する場合、吸収性をある程度犠牲にしなければならない。特に、吸収層面積の小さい軽失禁製品や尿取りパッドでは十分な吸収性が保たれない。したがって、トウからなる繊維集合体、及びSAP粒子を含む吸収層を用いて薄型化、軽量化を実施しても吸収性能が高水準に維持され、さらに尿等の体液を吸収して高重量になった状態で着用していても、ヨレ等が発生せず、着用感やフィット性に優れた吸収性物品が市場から望まれている。
本発明の目的は、薄型かつ軽量でありつつ、体液の吸収性に優れた吸収性物品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、目的に叶う吸収性物品を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は、好ましい実施形態として、下記(1)〜(9)の吸収性物品を提供する。
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に設けた吸収層と、を備える吸収性物品であって、
前記吸収層は、トウからなる繊維集合体と、前記トウからなる繊維集合体の内部に固着担持された高吸収性ポリマーと、を含み、前記吸収層を全体的に包む複合型不織布を更に備え、前記複合型不織布は、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブ層との一体化物であり、前記トップシートと前記吸収層との間に介在する領域における前記吸収性物品の幅方向ほぼ中央部に、前記吸収性物品の長手方向に延びて、前記吸収層を前記トップシートに向けて露出させる開口部を有することを特徴とする、吸収性物品。
(2)前記複合型不織布は、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブ層との一体化物であり、前記スパンボンド不織布の坪量が7g/m以上20g/m以下、前記パルプ繊維ウェブの坪量が30g/m以上70g/m以下、且つ前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウェブ層との比(前記スパンボンド不織布重量/前記パルプ繊維ウェブ層重量)が40/60以上10/90以下である、上記(1)の吸収性物品。
(3)前記開口部は、帯状に延びる略矩形状である、上記(1)又は(2)の吸収性物品。
(4)前記吸収性物品の長手方向において、前記開口部の両縁辺は、前記複合型不織布の両縁辺とそれぞれ離隔している、上記(1)〜(3)のいずれかの吸収性物品。
(5)前記吸収性物品の幅方向において、前記開口部の寸法が5mm以上100mm以下である、上記(1)〜(4)のいずれかの吸収性物品。
(6)前記吸収性物品の長手方向において、前記開口部の寸法が、前記吸収層の最大寸法の20%以上であり、かつ前記吸収性物品の幅方向において、前記開口部の寸法が、前記吸収層の最大寸法の20%以上80%以下である、上記(1)〜(5)のいずれかの吸収性物品。
(7)前記複合型不織布は、前記パルプ繊維ウェブ層が前記吸収層に面するように及び/又は接するように、前記吸収層を全体的に包む、上記(1)〜(6)のいずれかの吸収性物品。
(8)前記複合型不織布は、前記スパンボンド不織布の一面に前記パルプ繊維ウェブ層に含まれるパルプ繊維の少なくとも一部が絡み付いた一体化物であり、かつ、前記パルプ繊維の一部が前記スパンボンド不織布の他面に露出した構造である、上記(1)〜(7)のいずれかの吸収性物品。
(9)前記スパンボンド不織布の材質は、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリスチレンから成る群から選択される、1種又は2種以上である、上記(1)〜(8)のいずれかの吸収性物品。
本発明によれば、薄型かつ軽量でありつつ、体液の吸収性に優れた吸収性物品を提供することができる。
本発明の第一実施形態である吸収性物品の構成を示す模式図である。(a)はトップシート側から見た模式平面図。(b)は(a)のX−X切断線における模式断面図。 本発明の第二実施形態である吸収性物品の構成を示す模式図である。(a)はトップシート側から見た模式平面図。(b)は(a)のX−X切断線における模式断面図。 本発明の第三実施形態である吸収性物品の構成を示す模式図である。(a)はトップシート側から見た模式平面図。(b)は(a)のX−X切断線における模式断面図。 第一実施形態の吸収性物品の効果を説明する模式図である。(a)は模式斜視図。(b)は幅方向の模式断面図。 高吸収性ポリマーの、トウからなる繊維集合体への担持率を測定する方法を説明する図面である。
以下、図面を参照しつつ本実施形態の吸収性物品1、2、3について詳細に説明する。図1は、第一実施形態である吸収性物品1の構成を模式的に示す平面図であり、図1(a)はトップシート10側から見た模式平面図、図1(b)は図1(a)におけるX−X切断線における幅方向の模式断面図である。図2は、第二実施形態である吸収性物品2の構成を示す模式図であり、図2(a)はトップシート10側から見た模式平面図、図2(b)は図2(a)のX−X切断線における幅方向の模式断面図である。図3は、第三実施形態である吸収性物品3の構成を示す模式図である。図3(a)はトップシート10側から見た模式平面図、図3(b)は図3(a)のX−X切断線における幅方向の模式断面図である。図4は、吸収性物品1の効果を説明する模式図であり、図4(a)は模式斜視図、図4(b)は幅方向の模式断面図である。なお、図4では、第一実施形態の吸収性物品1の要部の構成を示している。また、各図は、吸収性物品1、2、3の各構成部材の長手方向及び幅方向の寸法の大小関係を規定するものではない。
本明細書において、吸収性物品1、2、3の着用時とは、吸収性物品1、2、3の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。着用とは、吸収性物品1、2、3を身体に装着した状態をいう。なお、吸収性物品1、2、3は、通常衣類の内部において身体に装着されるものであるが、吸収性物品1、2、3の少なくとも一部が外部に露出するように身体に装着してもよい。吸収性物品1、2、3の長手方向とは、吸収性物品1、2、3を着用したときに着用者の股間部を介して身体の前後にわたる方向であり、図中符号Yで示す。吸収性物品1、2、3の幅方向とは、長手方向に対してほぼ直交する方向(幅方向)であり、図中符号Xで示す。吸収性物品1の厚み方向とは、トップシート10、複合型不織布11で被覆した吸収層12、及びバックシート13といった各部材の積層方向であり、図中符号Zで示す。また、肌側面とは、吸収性物品1、2、3の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌に接する面又は着用者の肌を臨む面であり、非肌側面とは、吸収性物品1、2、3の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の衣服に接する面又は着用者の衣服を臨む面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
吸収性物品1、2、3としては、ベビー用又は成人用を問わず、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等が例示されるが、これに限定されるものではなく、その他の吸収性物品であってもよい。また、アウターとしての各種紙おむつと、インナーとしての吸収性物品1、2、3とを組み合わせて用いることもできる。
[吸収性物品]
図1に示す本実施形態の吸収性物品1は、着用時に肌側に位置する液透過性のトップシート10と、着用時に非肌側に位置する液不透過性のバックシート13と、トップシート10とバックシート13との間に設けられ、複合型不織布11で全体的に覆われた吸収層12と、立体ギャザー14と、を備えている。ここで、複合型不織布11は、スパンボンド不織布(不図示)とパルプ繊維ウェブ層(不図示)との一体化物であり、スパンボンド不織布の坪量が好ましくは7g/m以上20g/m以下、パルプ繊維ウェブの坪量が好ましくは30g/m以上70g/m以下、且つスパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブ層との比(スパンボンド不織布重量/パルプ繊維ウェブ層重量)が好ましくは40/60以上10/90以下である。また、複合型不織布11は、トップシート10と吸収層12との間に介在する領域において、幅方向のほぼ中央部(幅方向中央部及びその幅方向の近傍領域)に、長手方向に延びて吸収層12をトップシート10に向けて露出させる少なくとも1つの開口部11aを有している。なお、本明細書では、同一部材については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
吸収性物品1の、長手方向及び幅方向の寸法は特に限定されないが、それぞれ例えば100mm以上800mm以下の範囲、及び50mm以上500mm以下の範囲である。吸収性物品1の寸法を前記の範囲に調整することにより、軽失禁パッド、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等に適した吸収性物品1を得ることができる。なお、上記した長手方向及び幅方向の寸法は、吸収性物品2、3にも適用できる。
本実施形態でも使用する、トウからなる繊維集合体に高吸収性ポリマーを担持させた吸収層12は、優れた体液吸収性を有するものの、トウからなる繊維集合体には体液を長手方向(繊維の揃った方向)に拡散し易くかつ幅方向には体液を拡散し難いという特性がある。したがって、吸収層12は、体液拡散性が十分ではないという問題点がある。本発明者は、この問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、吸収層12のトップシート10側に前述の構成を有し、体液を長手方向および幅方向に拡散し易い複合型不織布11を配置することにより、吸収層12の前述の問題点が解決され、全体として体液の拡散性が向上することが判明した。しかしながら、複合型不織布11と吸収層12との組み合わせだけでは、着用者の排泄部に主に対面する吸収層12の略中心領域(長手方向及び幅方向の中央部及びその近傍)に対して多量の体液が勢いよく排出された場合は、体液が複合型不織布11により瞬間的に遮蔽され、吸収層12に効率よく吸収されず、横漏れにつながる可能性があることが本発明者のさらなる研究により判明した。
本発明者は前述の知見に基づいて更に研究を重ねた結果、吸収層12を複合型不織布11で全体的に覆った上で、着用者の排泄部に主に対面する、複合型不織布11のトップシート10側面の幅方向ほぼ中央部に、長手方向に延びて、吸収層12をトップシート10に向けて露出させる開口部11aを設けることで、吸収層12の体液拡散性が顕著に向上し、勢いよく排出された体液をより速やかに吸収層12中のトウからなる繊維集合体に引き込み、体液が長手方向にも幅方向にも拡散し、吸収されることを見出した。
ここで、吸収性物品1の要部(複層型不織布11のトップシート10側面及び吸収層12)の構成を示す模式図である図4(a)及び図4(b)に示すように、吸収層12に吸収された体液は、開口部11aの作用により、吸収層12の長手方向及び幅方向の中心部から全方位においてほぼ同じ拡散速度で効率的にかつ経時的に同心円25状に拡散し易くなり、吸収速度及び拡散性の高水準での両立が達成される。また、体液が吸収層12の端部に達したときには、端部に達するまでの領域で体液が十分に吸収されることから、横漏れが防止される。その結果、複合型不織布11で包まれた吸収層12の使用及び複合型不織布11に対する開口部11aの形成により、薄型かつ軽量でありつつ、体液の吸収性に優れ、横漏れが顕著に防止された吸収性物品1を提供することができる。なお、後述する吸収性物品2、3でも同様の作用効果が得られる。
以下、シート状又は板状の各構成部材について、順を追って詳細に説明する。なお、各構成部材は、シート状及び板状以外の立体形状を有していてもよい。
(トップシート)
トップシート10は、本実施形態では吸収層12を全体的に覆う複合型不織布11における、トップシート10側の全面を覆うように設けられている。トップシート10は、体液が複合型不織布11を介して吸収層12へと移動するような液透過性を備えた基材から構成される。トップシート用の液透過性基材としては、例えば、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンド等の同種又は異種の不織布を積層した複合不織布、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム等からなる発泡フィルム、これらの2種以上の積層体である複合シート等が挙げられる。これらの中でも、体液の吸収層12への移行性、吸収性物品1内での体液の拡散性等の観点から、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド/スパンボンド複合不織布などが好ましい。
トップシート10には、例えば液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。エンボス加工や穿孔加工は、公知の方法で制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート10には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。
本実施形態のトップシート10の坪量は特に限定されないが、強度、加工性及び液戻り量の観点から、18g/m以上40g/m以下であることが好ましい。トップシート10の形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収層12へと誘導するために必要とされる、吸収層12を覆う形状であればよい。
(複合型不織布)
本実施形態では、複合型不織布11が吸収層12を全体的に包んでいる。ここで、全体的に包むとは、後述する開口部11aを除いて、吸収層12の肌側面、非肌側面、及び側面がすべて複合型不織布11により覆われていることを意味する。本実施形態の複合型不織布11は、吸収層12を複合型不織布11で包装した形態でもよく(ただし包装形態には制限はない)、吸収層12の立体形状に合わせて複合型不織布11を所定形状の袋状に成形し、その中に吸収層12を収納した形態でもよく、箱状に成形した複合型不織布11に吸収層12を収納した形態でもよい。また、複合型不織布11により吸収層12を包む場合、後述するパルプ繊維ウェブ層が、吸収層12に面するように及び/又は吸収層12に接するようにすることが好ましい。これにより、吸収層12、特に高吸収性ポリマーのズレや移動が抑えられるといった効果が得られる。尚、より具体的には、パルプ繊維ウェブ層の面を吸収層12側に、スパンボンド不織布の面を肌側(トップシート10の側)にすることが好ましい。この向きで配置することにより、吸収層12やSAPのズレ、移動を抑えることが可能となる。
本実施形態の複合型不織布11において、そのトップシート10側の面(肌側の面、以下「トップシート側面」という)を、複合型不織布11のトップシート10と吸収層12との間に介在する領域ともいうことができる。また、複合型不織布11のトップシート側面は、吸収性物品1を着用したときに、長手方向の一端から中央部までの領域が主に身体の前側に面し、長手方向の中央部から他端までの領域が主に身体の後側に面する。したがって、本明細書では、身体の前側に面する領域を前側領域(図4において「前」で示す領域)、身体の後側に面する領域を後側領域(図4において「後」で示す領域)と、それぞれ呼ぶことがある。ここで、前側領域及び後側領域は、トップシート側面における長手方向の中心線(該面の長手方向両端から等距離の位置を幅方向に延びる仮想中心線、以下単に「長手方向中心線」ともいう)に対してほぼ対称であり、ほぼ等面積であり、好ましくは等面積及びほぼ同形状である。
本実施形態の複合型不織布11は、トップシート側面において、幅方向中央部及びその幅方向近傍を長手方向に延びて、吸収層12をトップシート10に向けて露出させる開口部11aを有している。開口部11aは、長手方向に帯状に延びる略矩形状の領域である。長手方向中心線で区分される、開口部11aの前側領域に存在する領域と、開口部11aの後側領域に存在する領域とは、長手方向中心線を基準にして対称であり、ほぼ同形状及びほぼ胴面積である。このような開口部11aの対称性が、体液のほぼ均一な拡散に寄与し、図4に示した同心円25状の体液の拡散を実現できるものと考えられる。また、開口部11aの長手方向の外側両縁辺は、トップシート側面の長手方向の両縁辺からそれぞれ所定の幅を空けて離隔していることが好ましい。これにより、体液の吸収層12へのほぼ均一な拡散が得られ、吸収層12を包む複合型不織布11の全体としての強度も保たれる。前述のように本実施形態の開口部11aの平面形状は略矩形状(又は略長方形)であるが、これに限定されず、例えば、正方形、円形、長円、楕円形、四角が丸まった角丸長方形等でもよい。
開口部11aの寸法は特に限定されないが、例えば吸収層12の長手方向の最大寸法が50mm以上750mm以下及び幅方向の最大寸法が20mm以上470mm以下である場合、開口部11aの長手方向寸法が10mm以上(より好ましくは10mm以上吸収層12の長手方向最大寸法以下)及び幅方向寸法が5mm以上100mm以下であることが好ましい。これにより、体液の整流作用が生じ、体液の吸収層12への均一かつ迅速な吸収が起こり易くなる。また、開口部11aの長手方向寸法は吸収層12の長手方向最大寸法の20%以上であり(より好ましくは20%以上100%以下)、かつその幅方向寸法が吸収層12の幅方向最大寸法の20%以上80%以下であることが好ましい。幅方向に開口部が複数ある場合は、その合計での寸法比率とする。これにより、吸収層12を包む複合型不織布11の全体としての強度、高吸収性ポリマーの吸収層12からの脱落防止性、吸収性物品1としての形態安定性等を保持しつつ、体液の吸収層への拡散性を更に高めることができる。
本実施形態の複合型不織布11は、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブとの一体化物である。ここで、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブとが一体化されているとは、具体的には通常の使用においてはパルプ繊維がスパンボンド不織布から容易に脱落しないことを意味する。特にウォータージェットによりパルプ繊維がスパンボンド不織布に水流交絡されている場合は、パルプ繊維のスパンボンド不織布からの脱落は非常に起こりにくい。該一体化物の好ましい実施形態としては、例えば、スパンボンド不織布の一面において、スパンボンド不織布を構成する繊維の一部と、パルプ繊維ウェブ層を構成するパルプ繊維の一部とが互いに絡み合ってスパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブ層とが強固に固着し、かつスパンボンド不織布の他面において、パルプ繊維の一部がスパンボンド不織布を厚み方向に貫いて露出した形態が挙げられる。このような一体化物は、例えば、水流交絡法により得ることができる。
複合型不織布11に含まれるスパンボンド不織布としては、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法等で作製された不織布を特に限定なく使用できるが、当該不織布を構成する繊維の材質としては、例えば、ナイロン(商標名)、ビニロン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂を好ましく使用できる。スパンボンド不織布は、これらの材質からなる合成樹脂繊維を用いて作製されたものであり、複数の合成樹脂繊維を含んでいてもよい。スパンボンド不織布11の坪量は特に限定されないが、引っ張り強度と触感の柔らかさの観点から、7g/m以上20g/m以下である。
パルプ繊維ウェブとしては、パルプ繊維を主体とする不織布を特に限定なく使用でき、さらに、スパンボンド不織布の表面に水流交絡法によりパルプ繊維を吹き付けることにより形成されるパルプ繊維ウェブでもよい。ここで使用されるパルプ繊維としては特に限定されないが、好ましくはラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルースおよびダグラスファー等の針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)である。NBKPは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。パルプ繊維ウェブの坪量は特に限定されないが、例えば、均一性、触感、吸収性等の観点から、好ましくは30g/m以上70g/m以下である。
複合型不織布11における、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブとの重量構成比は、例えば、体液の吸収性や拡散性等の観点から、(スパンボンド不織布の重量/パルプ繊維ウェブの重量)として、40/60重量%以上10/90重量%以下である。
本実施形態では、後述するように、複合型不織布11が水流交絡法により作製されることがある。複合型不織布11において、スパンボンド不織布の被水流交絡(パルプ繊維ウェブ)面が非肌側面を臨むように配置される場合、被水流交絡面の下側に高吸収性ポリマーを含有する吸収層12が配置される。その結果、被水流交絡面に形成されたウォータージェットによる凹凸が吸収層12のズレ、移動を顕著に抑制することから、体液の吸収性や吸収速度を高水準に維持しつつ、体液の吸収後も厚さや触感を長手方向、幅方向でより均一に保つことができるため、着用感が向上する。
また、複合型不織布11について、テンシロンでの引張強度試験において、25mm幅に形成した試験片を縦方向に2mm伸ばすのに必要な力(引張強度)は特に限定されないが、例えば、吸収性物品1の全体的な強度や、交換時の吸収性物品1の引き抜き性等の観点から、好ましくは1.5N/25mm以上5.0N/25mm以下である。
<複合型不織布の製造方法>
本実施形態の複合型不織布11は、例えば、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブと、を積層して一体化する工程と、得られた積層体を必要に応じてロールなどを用いて加圧及び/又は加熱する工程と、を含む製造方法により作製することができる。また、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブとを接着剤を用いるか又は縫製により一体化してもよい。また、スパンボンド不織布に対し、ウォータージェット(水流)とともにパルプ繊維ウェブを構成するパルプ繊維を噴射する水流交絡工程、を含む製造方法によっても、複合型不織布11が得られる。複合型不織布11にはエンボス加工を施してもよい。
前述した製造方法のなかでも、外観、触感の柔らかさと強度の両立の観点から、水流交絡法を利用する方法が好ましい。水流交絡工程では、外観、触感の柔らかさと効率のバランスの観点から、ウォータージェットを噴射するウォータージェットノズルの穴直径Φが0.06mm以上0.15mm以下であることが好ましく、且つウォータージェットノズルの間隔が0.4mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
(吸収層)
吸収層12は、前述のように、トウからなる繊維集合体と、該繊維集合体に固着担持された高吸収性ポリマーと、を含む。これらの材料の使用は、例えば、吸収性物品1の吸収性能や、軽量化、薄型化等に大きく寄与する。
トウからなる繊維集合体は、トウを開繊した長繊維フィラメント(以下単に「長繊維」ともいう)の集合体であり、長繊維の配向方向が揃うように収束されている。本実施形態では、長繊維の配向方向が、吸収性物品1の長手方向となるように、配置することが好ましい。例えば、連続フィラメントのトウを開繊し、適当な長さに切断することで、長繊維の束から構成された繊維集合体を製造することができる。トウからなる繊維集合体は、前述のように、長繊維の配向方向に体液が拡散し易いという特性を有している。
トウからなる繊維集合体の基材としては、綿等に由来する天然セルロース、レーヨン等の再生セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等を用いることができ、これらの中でも、綿等に由来する天然セルロース、レーヨン等の再生セルロース、セルロースアセテート等の繊維を用いることが好ましく、嵩高さを得やすく、吸収層12に柔軟性及び可撓性を付与できる、セルロースアセテートからなる繊維を用いることがより好ましい。
また、トウからなる繊維集合体の繊度は、特に限定されないが、吸収層12が所望の性能を発揮し、使用上十分な強度を有するようにする点から、例えば、0.1dtex以上10dtex以下であればよい。
また、トウからなる繊維集合体において、繊維間の絡みが弱い場合は、絡みを融着して固定させる目的で、バインダーを用いることが好ましい。バインダーとしては、トリアセチン等を用いることができる。
トウからなる繊維集合体の坪量は、好ましくは20g/m以上100g/m以下である。トウからなる繊維集合体の坪量が上記の範囲であることにより、十分な吸収性を担保できる程度に高吸収性ポリマーを担持でき、柔軟性及び可撓性に優れる吸収層12を得ることができる。トウからなる繊維集合体の坪量が100g/mを超えると、吸収層12の厚みを薄くする際の圧縮の度合いが大きくなり、トウからなる繊維集合体の本来の柔軟性及び可撓性が損なわれる傾向があり、好ましくない。
トウからなる繊維集合体に固着担持させる高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、体液の逆流を防止できるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸・ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン・無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の、カルボキシル基含有モノマーを含む重合体が挙げられる。高吸収性ポリマーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これら高吸収性ポリマーの中でも、重量当たりの体液吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムがより好ましい。
また、高吸収性ポリマーは、粒子形状のものを用いることが好ましい。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、好ましくは50μm以上1000μm以下である。50μm未満では、高吸収性ポリマー粒子が吸収層12から脱落し難くなる傾向にあり、1000μmを超えると、体液を吸収したときに異物感が生じ易くなる傾向がある。別の実施形態では、高吸収性ポリマーを繊維状に成形し、これをトウからなる繊維集合体に混合してもよい。
高吸収性ポリマーの坪量は、好ましくは60g/m以上500g/m以下、より好ましくは60g/m以上300g/m以下である。また、高吸収性ポリマーの坪量は、トウからなる繊維集合体の坪量に対して、好ましくは0.6倍以上5.0倍以下、より好ましくは0.6倍以上3.0倍以下である。これにより、必要な吸収量を確保できるとともに、トウからなる繊維集合体が高吸収性ポリマーを良好に担持することができ、着用時にざらざらとした違和感が生じることによる着用感の低下を避けることができる。トウからなる繊維集合体の坪量に対する、高吸収性ポリマーの坪量が5.0倍を超えると、トウからなる繊維集合体が高吸収性ポリマーを良好に担持することができなくなる傾向がある。
本実施形態では、トウからなる繊維集合体への高吸収性ポリマーの担持率は、70%以上であることが好ましい。これにより、着用時にざらざらとした違和感が生じることによる着用感の低下を一層少なくすることができる。なお、担持率の下限は、吸収層12に設定される尿等の体液の吸収量等に応じて適宜設定すればよい。以下、トウからなる繊維集合体への高吸収性ポリマーの担持率の測定方法について、図5を用いて説明する。測定は、(イ)、(ロ)、(ハ)、及び(ニ)の順で実施される。
(イ)トウからなる繊維集合体に高吸収性ポリマーを担持した吸収層12であるシート(縦370mm、横110mm)と、試験後に脱落する高吸収性ポリマーを回収する容器と、を用意する。
(ロ)該シートの縦方向の他方端部が下になるように、縦方向の一方端部の横方向両端部(図5における符号a)を把持する。このとき、該シートの縦方向の他方端部が、上記容器の底面から約30cmの位置となるように調整する。
(ハ)次いで、下方向(図5における矢印bの方向)に約5cm変位させ、元の位置に戻す、という振るい操作を連続的に往復20回行う。
(ニ)容器に脱落した高吸収性ポリマーの重量を測定し、下記式に基づいて、トウからなる繊維集合体への高吸収性ポリマーの担持率A(%)を算出する。
A(%)=[(B−C)/B]×100
〔式中、Bは振るい操作前の上記シートに担持させた高吸収性ポリマーの重量(g)を示す。Cは脱落した高吸収性ポリマーの重量(g)を示す。〕
吸収層12は、例えば、トウからなる繊維集合体に高吸収性ポリマーを混合することにより製造できるが、高吸収性ポリマーの脱落を防止する観点から、高吸収性ポリマーをトウからなる繊維集合体に固着担持させることが好ましい。固着方法としては公知の方法を制限なく採用でき、例えば、高吸収性ポリマーを含むトウからなる繊維集合体の厚み方向両側に耐熱性シートを重ね合わせ、これを加熱及び/又は加圧し、高吸収性ポリマーをトウからなる繊維集合体に固着担持させてもよい。また、ホットメルト接着剤等のバインダを用いて高吸収性ポリマーをトウからなる繊維集合体に固着担持させてもよい。
吸収層12全体としての形状は、特に限定されるものではなく、例えば、矩形状、砂時計状、I字状、長方形の4角を丸く成形した角丸長方形状、長円状、楕円状等である。吸収層12は、2層以上を重ねて用いてもよい。また、吸収層12の厚みは、吸収しようとする体液の種類や、吸収層12の形態や材質等に応じて適宜選択されるが、体液の吸収性、保持性や、着用者が吸収性物品1の体液吸収後でも違和感なく動作できるといった観点から、好ましくは1mm以上10mm以下の範囲から適宜選択するのがよい。また、吸収層12の、長手方向の寸法は50mm以上500mm以下、幅方向の寸法は10mm以上250mm以下、であることが好ましい。
本実施形態では、高吸収性ポリマーの脱落防止や吸収層12の形状の安定化等の観点から、吸収層12の全体を包むキャリアシート(不図示)を用いてもよい。すなわち、吸収層12をキャリアシートで包んだ後に、複合型不織布11で包み、複合型不織布11のみ又は複合型不織布11とキャリアシートの両方に開口部11aを設ければよい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュー、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布等が挙げられる。キャリアシートを複数備える場合は、複数のキャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
(バックシート)
バックシート13は、吸収層12が保持している体液が衣類を濡らしたり、皮膚表面に付着したりしないような通気性又は非通気性の液不透過性基材からなる。バックシート用基材としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体である複合シート等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂からなるフィルム、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合フィルム等が挙げられる。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布との積層体である複合不織布、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とスパンボンド不織布との積層体である複合不織布などが挙げられる。
バックシート13の坪量は特に限定されないが、強度及び加工性の観点から、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。また、着用時の蒸れを防止するため、バックシート13には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート13に通気性を付与する方法としては特に限定されず公知の方法を採用できるが、例えば、バックシート用基材である樹脂フィルムを多孔質化する方法、バックシート用基材にエンボス加工を施す方法などが挙げられる。樹脂フィルムを多孔質化する方法の一例としては、樹脂にフィラーを含有させてフィルム化し、得られたフィルムからフィラーを除去する方法等が挙げられる。フィラーとしては例えば炭酸カルシウム等の無機塩が挙げられる。
(立体ギャザー)
また、立体ギャザー14は、必要に応じて、吸収性物品1の使用者が排泄した体液の横漏れを防止するために設けられる。立体ギャザー14は、本実施形態では幅方向一端がバックシート13の肌側面に固定され、幅方向途中部がトップシート10の幅方向端部近傍に固定され、幅方向他端が折り曲げ自在の自由端14aとなるように設けられた部材であるが、これに限定されず、例えば、吸収性物品1の長手方向に沿って、トップシート10の幅方向両端部、バックシート13の非肌側面の幅方向両端部等から、それぞれの幅方向外方に延伸し、折り曲げ自在の一対の部材として構成してもよい。。
立体ギャザー14は、例えば、立体ギャザー用弾性部材と、立体ギャザーシートと、を含んで構成される。立体ギャザー用弾性部材を長手方向に沿って設けることで、立体ギャザー14に起立性を付与し、着用者の体型に合わせて変形可能なものとすることができる。立体ギャザー用弾性部材としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等からなる、糸状、紐状、帯状のものを適宜使用することができる。立体ギャザーシートとしては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は液不透過性の不織布、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布等が使用される。
[吸収性物品の製造方法]
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができ、例えば、衣類側から、バックシート13、複合型不織布11で全体を覆った吸収層12、トップシート10の順に積層し、複合型不織布11は開口部11aがトップシート10側に位置するように配置し、トップシート10とバックシート13とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで、吸収性物品1を製造することができる。そして、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折りにして折り畳めばよい。
図2は、第二実施形態である吸収性物品2の構成を示す。吸収性物品2は、複合型不織布11に代えて複合型不織布20を備える以外は、吸収性物品1と同じ構成を有し、同じ変形例を含んでいる。複合型不織布20は、材質的には複合型不織布11と同じであるが、そのトップシート側面に2つの開口部20aを有している。
2つの開口部20aは、トップシート側面の幅方向中央部近傍に互いに離隔してほぼ平行に設けられ、長手方向に帯状に延びる略矩形状の平面形状を有する領域であり、吸収層12をトップシート10に向けて露出させている。2つの開口部20aは。トップシート側面における長手方向中心線、及び幅方向の中心線(該面の幅方向両端から等距離の位置を長手方向に延びる仮想中心線、以下単に「幅方向中心線」ともいう)をそれぞれ基準にして対称であり、前側領域及び後側領域の形状及び寸法が略同じである。また、2つの開口部20a間の幅寸法は本実施形態を示す図2では、開口部20aの幅寸法よりも小さく記載されているが、これに限定されず、2つの開口部20a間の幅寸法が開口部20aの幅寸法と同じであるか又は上回っていてもよい。開口部20aの長手方向及び幅方向の寸法は、開口部11aの長手方向及び幅方向の寸法に準じて適宜選択される。また、開口部20aは、長手方向及び幅方向の各両縁辺が、トップシート側面の長手方向及び幅方向の各両縁辺と離隔するように配置されている。
所定の材質を有する複合型不織布20を用いた上で、複数個の同じ平面形状の開口部20aを所定の位置に設け、開口部20aの配置に対称性を持たせることで、吸収層12を包む複合型不織布20の強度を保ちつつ、吸収層12における体液の拡散方向を改変し、体液の拡散性や吸収速度の向上を図り、吸収層12の体液吸収能力を最大限発揮させ、横漏れを防止することができるものと考えられる。
図3は、第三実施形態である吸収性物品3の構成を示す。吸収性物品3は、複合型不織布11に代えて複合型不織布21を備える以外は、吸収性物品1と同じ構成を有し、同じ変形例を含んでいる。複合型不織布21は、材質的には複合型不織布11と同じであるが、長手方向に帯状に延びる略矩形状の開口部21aと、その幅方向両側に開口部21aと略平行に配置され、開口部21aよりも長手方向寸法及び幅方向寸法が共に短い2つの開口部21bとを有している。
開口部21aは、複合型不織布21のトップシート側面の、幅方向中央部近傍において長手方向に帯状に延びる。2つの開口部21bは、開口部21aを基準にして幅方向に対称な位置に配置されている。また、開口部21a、21bを含む開口部群は、トップシート側面の長手方向中心線及び幅方向中心線を基準にして対称であり、かつ略同面積及び略同形状である。開口部21a、21bの長手方向及び幅方向の寸法は、開口部11aの長手方向及び幅方向の寸法に準じて適宜選択される。本実施形態を示す図3では、開口部21aの長手方向及び幅方向の各寸法が、開口部21bの長手方向及び幅方向の各寸法よりも大きく記載されているが、これに限定されず、開口部21a、21bの寸法の大小関係を適宜選択できる。また、21a、21bは、それぞれの各縁辺が、トップシート側面の各縁辺と離隔するように配置されている。
本実施形態でも、所定の材質を有する複合型不織布21を用いた上で、開口部21a、21bの配置の対称性を保つことにより、吸収層12における体液の拡散方向を改変し、体液の拡散性や吸収速度の向上を図り、吸収層12の体液吸収能力を最大限発揮させ、横漏れを防止することができるものと考えられる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1、2、3 吸収性物品
10 トップシート
11、20、21 複合型不織布
11a、20a、21a、21b 開口部
12 吸収層
13 バックシート
14 立体ギャザー
25 体液の同心円状の拡散

Claims (9)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートの間に設けた吸収層と、を備える吸収性物品であって、
    前記吸収層は、トウからなる繊維集合体と、前記トウからなる繊維集合体の内部に固着担持された高吸収性ポリマーと、を含み、
    前記吸収層を全体的に包む複合型不織布を更に備え、
    前記複合型不織布は、
    スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブ層との一体化物であり、
    前記トップシートと前記吸収層との間に介在する領域における前記吸収性物品の幅方向ほぼ中央部に、前記吸収性物品の長手方向に延びて、前記吸収層を前記トップシートに向けて露出させる開口部を少なくとも1つ有すること、を特徴とする、吸収性物品。
  2. 前記複合型不織布は、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウェブ層との一体化物であり、前記スパンボンド不織布の坪量が7g/m以上20g/m以下、前記パルプ繊維ウェブの坪量が30g/m以上70g/m以下、且つ前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウェブ層との比(前記スパンボンド不織布重量/前記パルプ繊維ウェブ層重量)が40/60以上10/90以下であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記開口部は、帯状に延びる略矩形状である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性物品の前記長手方向において、前記開口部の両縁辺は、前記複合型不織布の両縁辺とそれぞれ離隔している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記吸収性物品の幅方向において、前記開口部の寸法が5mm以上100mm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収性物品の前記長手方向において、記開口部の寸法が、前記吸収層の最大寸法の20%以上であり、かつ前記吸収性物品の幅方向において、前記開口部の寸法が、前記吸収層の最大寸法の20%以上80%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記複合型不織布は、前記パルプ繊維ウェブ層が前記吸収層に面するように及び/又は接するように、前記吸収層を全体的に包む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記複合型不織布は、前記スパンボンド不織布の一面に前記パルプ繊維ウェブ層に含まれるパルプ繊維の少なくとも一部が絡み付いた一体化物であり、かつ、前記パルプ繊維の一部が前記スパンボンド不織布の他面に露出した構造である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  9. 前記スパンボンド不織布の材質は、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリスチレンから成る群から選択される、1種又は2種以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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