以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつが示されている。図2は図1におけるII−II線断面図である。本実施形態のおむつ1は、液透過性の表面シート2、液不透過性ないし撥水性(以下、これらを総称して液不透過性という)の裏面シート3及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体4を具備し、実質的に縦長に形成されている。
表面シート2としては、不織布やそれに多数の開孔を形成したもの、或いは穿孔フィルムなどを用いることができる。表面シート2は、液透過性であることに加えて通気性も有している。裏面シート3は、液不透過性であることに加えて透湿性も有している。つまり裏面シート3は透湿シートである。本発明において透湿性というときには、主として水蒸気の透過性に関する性質をいう。また、通気性というときは、主として空気の透過性に関する性質をいう。透湿性があるということは、水蒸気はもちろんのこと、空気の透過性もあることを意味する。同様に、通気性があるということは、空気はもちろんのこと、水蒸気の透過性もあることを意味する。透湿シートからなる裏面シート3の透湿度(JIS Z 0208)は、1440〜8000g/(m2・24h)、特に2400〜6500
g/(m2・24h)であることが好ましい。
おむつ1は、股下部の両側縁が円弧状に湾曲しており、全体として長手方向中央部が内方に括れた砂時計状の形状となっている。表面シート2及び裏面シート3はそれぞれ、吸収体4の左右両側縁及び前後両端縁から外方に延出している。裏面シート3は、表面シート2の左右両側縁及び前後両端縁から外方に延出し、おむつ1の輪郭を画成している。
裏面シート3は、透湿シートのみから構成されていてもよく、或いは透湿シートの外面に、不織布等からなる通気性を有する外装シート(図示せず)が積層されたものから構成されていてもよい。透湿シートと外装シートとが積層されて裏面シート3が構成されている場合、両シートは例えばホットメルト粘着剤によって接合されている。透湿シートが有する透湿性を損なわないようにするために、ホットメルト粘着剤は、例えばビード塗工やスパイラル塗工のような間欠パターンで塗工されている。また、透湿シートと外装シートとが積層されて裏面シート3が構成されている場合、その積層体としての透湿度も前記の範囲であることが好ましい。
おむつ1における長手方向の両側には、一対の立体ギャザー6,6及び一対のレッグギャザー7,7が、各々弾性部材を配設することによって形成されている。両ギャザー6,7は何れもおむつ1の長手方向に延びている。立体ギャザー6は、弾性部材61を有する立体ギャザー形成用のシート材62から形成されている。立体ギャザー6の働きは、吸収体4に吸収されずに横方向へ拡散してきた液がそれ以上横方向へ拡散しないようにするための障壁なので、立体ギャザー6を構成するシート材62は撥水性のものであることが好ましい。またおむつ1の着用中における着装内の湿度上昇を抑える観点から、通気性を有することが好ましい。
以上の各観点から、シート材62としては、それ自体撥水性を有するか、又は撥水処理された不織布や透湿シート等を用いることが好ましい。特に不織布を用いることが好ましい。好ましい不織布の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を単独で用いた繊維又はこれらの複合繊維を用いた、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンボンドーメルトブローンースパンボンド不織布、スパンボンドーメルトブローンーメルトブローンースパンボンド不織布等が挙げられる。一方、透湿シートを用いる場合は、不織布からなるシート材を基材とし、透湿シートを一部に用いる方法が好ましい。透湿シートは、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂に、無機フィラーを混練したものを溶融押し出して、延伸したものからなる。
立体ギャザーを形成するシート材62は、これらの不織布と弾性体とを複合化して形成してもよいし、予め不織布に繊維状エラストマー材料を複合化したシート材料に伸縮性を付与したシートを用いてもよい。伸縮性を付与する方法としては、エラストマーと不織布を未伸長下で複合化した後に、不織布にスリット加工や、ある種の破砕処理を施す方法が挙げられる。
シート材62は、おむつ1の長手方向に延びる縦長形状のものであり、その一側縁に弾性部材61が伸長状態で固定されている。シート材62は、吸収体4の左右両側縁よりも幅方向の外方の位置において、おむつ1の長手方向に沿って表面シート2に接合されている。その接合部が、立体ギャザー6の立ち上がり基端部6aとなっている。
シート材62は、基端部6aから幅方向の外方に延出しており、その延出部において、裏面シート3と接合されている。これによって、レッグフラップL(図2参照)が形成されている。レッグフラップLには、一本又は複数本(本実施形態においては複数本)のレッグ部弾性部材71が、略直線状に配設されて、レッグギャザー7が形成されている。レッグ部弾性部材71は、シート材62の延出部と裏面シート3との間に配設されている。また、シート材62は、後述の通気性撥水シート10と接合されており、それらの接合部から外方に液が浸透しないようになっている。
先に述べた通り、シート材62は通気性を有している。また裏面シート3は透湿性を有している。従って、レッグフラップLは通気性ないし透湿性を有している。従って、おむつ1においては、吸収体4の左右両側縁よりも幅方向の外方の部位が通気性ないし透湿性を有している。換言すれば、幅方向の最外方に位置するレッグ部弾性部材71と吸収体4の側縁との間の部位が通気性ないし透湿性を有している。
おむつ1の左右両側部の構成は以上の通りになっており、一方、おむつ1の前後両端部の構成は次の通りになっている。おむつ1の前後両端部においては、吸収体4の前後端縁から表面シート2及び裏面シート3が延出し、これらが接合されて、おむつ1の幅方向に延びるウエストフラップW(図1参照)を形成している。ウエストフラップWを構成するこれらのシートは、すべて通気性ないし透湿性を有しているので、ウエストフラップWは通気性ないし透湿性を有している。
ウエストフラップWにおいては、前述したシート間に、幅方向に延びるウエスト部弾性部材81が一本又は複数本配されて(本実施形態では複数本)、ウエストギャザー8が形成されている。前述した通り、ウエストフラップWは通気性ないし透湿性を有しているので、長手方向の最外方に位置するウエスト部弾性部材81と吸収体4の端縁との間の部位は、通気性ないし透湿性を有している。なお本実施形態においては、前後のウエストフラップWにウエスト部弾性部材が配されているが、おむつ1の具体的な用途によっては、前後のウエストフラップWの何れか一方にのみウエスト部弾性部材が配されていてもよい。
おむつ1における長手方向の一方の端部においては、その両側縁部に一対のファスニングテープFTが取り付けられている。また、他方の端部においては、外装シート5上にランディングテープLTが取り付けられている。ファスニングテープFT及びランディングテープLTは、おむつ1の着用状態において、ファスニングテープFTがランディングテープLTに止着するような構成になっている。ファスニングテープFT及びランディングテープLTは、例えば面ファスナのループ部材とフック部材との組み合わせからなる。
図2に示すように、吸収体4は吸収コア4a及びそれを被覆する被覆シート4bから構成されている。被覆シート4bは吸収コア4aの肌対向面の全域を被覆している。更に被覆シート4bは、吸収コア4aの左右両側縁から外方へ延出し、その延出部分が吸収コア4aの裏面シート対向面における左右両側部を被覆するように下側に折り込まれている。被覆シート4bとしては、ティッシュペーパーや不織布などの液透過性を有する柔軟なシート材料が用いられる。被覆シート4bとして不織布が用いられる場合、該不織布は透水性であることが好ましい。該不織布としては、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布、エアスルー不織布などが挙げられる。不織布を形成する繊維は、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性繊維からなることが好ましい。繊維は単独でも2種類以上の樹脂を複合化した複合化繊維でもよい。特に風合いが良好な点で、鞘がポリエチレン、芯がポリプロピレンからなる芯鞘型の複合繊維が好ましい。不織布は単層でも多層でも良い。不織布には、界面活性剤処理やコロナ処理などの親水化処理を施してあることが好ましい。不織布を、界面活性剤で処理する場合には、少なくとも3回の繰り返しの吸収に対しても界面活性剤が流れ落ちない処理、すなわち繰り返し耐久性を発現する処理をすることが、流れ落ちた界面活性剤が通気性撥水シート10を親水性に替えてしまうのを防ぐ観点から好ましい。耐久性を発現する界面活性剤の例としては、例えば特開平4−197257号公報や特開平5−285170号公報に記載のものなどが挙げられる。
一方、吸収コア4aは、親水性を有する長繊維のウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持されて構成されている。吸収コア4aは、十分な吸収容量を有しながらも、薄型且つ低坪量であり、更に高通気性を有するものである。高吸収性ポリマーは、少なくともその一部がウエブ中に埋没担持されている。吸収コア4aの製造条件によっては高吸収性ポリマーのほぼ全部がウエブ中に均一に埋没担持される場合もある。
長繊維は、好ましくは吸収コア4aの平面方向に一方向に配向している。長繊維が一方向に配向していることに起因して、吸収コア4aに液が吸収されると、該液は長繊維の配向方向へ優先的に拡散する。つまり吸収コア4aの平面方向に優先的に拡散する。逆に、長繊維の配向方向と直交する方向への拡散は抑制される。長繊維がおむつ1の長手方向に配向している場合には、おむつ1の側部からの液漏れ(横漏れ)が効果的に防止される。
長繊維の繊維径に特に制限はない。一般に1.0〜10dtex、特に1.7〜7.8dtex、とりわけ2.1〜6.7dtexの長繊維を用いることで満足すべき結果が得られる。本明細書において長繊維とは、繊維長をJIS L1015の平均繊維長測定方法(C法)で測定した場合、好ましくは70mm以上、更に好ましくは80mm以上、一層好ましくは100mm以上である繊維のことをいう。ただし、測定対象とするウエブの全長が100mm未満である場合には、当該ウエブ中の繊維の好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上、一層好ましくは80%以上がウエブ全長にわたって延びている場合に、当該ウエブの繊維は長繊維であるとする。
吸収コア4aに含まれる長繊維は一般に連続フィラメントと呼ばれるものである。また、連続フィラメントの束が一方向に配向したものは一般にトウと呼ばれている。従って、長繊維コアにおける長繊維とは、連続フィラメントを含む概念のものである。また長繊維が配向したウエブとは、連続フィラメントのトウ層を含む概念のものである。また、該長繊維の一部が切断され繊維長が前記の値を下回る繊維(切断された繊維)が、吸収体中に混合されても良い。多くの場合、該切断された繊維は製造工程において生じるものである。
前述の通り、長繊維は親水性を有するものである。親水性を有する長繊維として本発明において用いられるものには、本来的に親水性を有する長繊維、及び本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維の双方が包含される。好ましい長繊維は本来的に親水性を有する長繊維であり、特にポリアミド(ナイロン)、アクリル、アセテートやレーヨンの長繊維が好ましい。とりわけ水分率が10%未満の繊維であるアセテート、ポリアミド(ナイロン)、アクリルは、湿潤しても嵩高性が保持されるので特に好ましい。アセテートとしては、セルローストリアセテート及びセルロースジアセテートが好ましい。水分率は25℃、相対湿度65%の環境下で測定した値である。
また、長繊維としては捲縮しているものを用いることが好ましい。長繊維はその捲縮率(JIS L0208)が好ましくは10〜90%であり、更に好ましくは10〜60%であり、一層好ましくは20〜60%、一層更に好ましくは20〜50%である。この範囲の捲縮率を有する捲縮した長繊維を用いることで、吸収体内の繊維の充填密度が過度に高くならなくなり、後述する吸収体の通気性が良好になる。また捲縮率がこの範囲内であることによって、ウエブ4a中に高吸収ポリマーを安定的に且つ多量に埋没担持させることができる。つまり、長繊維の捲縮率を前記の範囲内に設定することで、吸収体の通気性と吸収性能を両立させることができる。長繊維を捲縮させる手段に特に制限はない。また、捲縮は二次元的でもよく或いは三次元的でもよい。
捲縮率は、長繊維をまっすぐに、かつ繊維自身を伸張させずに引き伸ばしたときの長さ(A)と、自然状態における繊維の始点と終点との間に結んだ直線の長さ(B)との差の、伸ばしたときの長さ(A)に対する百分率で定義され、以下の式から算出される。
捲縮率=(A−B)/A × 100 (%)
自然状態とは、長繊維の一方の端部を水平な板に固定し、繊維をその自重で下方に垂らした状態をいう。
高吸収性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでも良い。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状が不定形タイプ、塊状タイプ又は俵状タイプである場合には、ウエブの重量に対して同量以上、10倍以下の坪量で埋没担持させることができる。また、球粒凝集タイプや球状タイプの場合には、ウエブの重量に対して同量以上、5倍以下の坪量で埋没担持させることができる。これらの粒子形状は、特に高吸収量と薄型化を両立させたい場合は前者を、風合い(高吸収性ポリマーのしゃり感の低減)を重視する場合は後者を選択することが望ましい。高吸収性ポリマーは、ウエブの厚み方向に均一に分布していてもよく、或いは表面シート2の側又は裏面シート3の側に偏在して分布していてもよい。更に、ウエブの平面方向に関しても均一に分布していてもよく、或いは所定のパターンを形成するように分布していてもよい。高吸収性ポリマーの分布の態様は、おむつ1の具体的な用途に応じて適宜選択すればよい。
長繊維が捲縮を有する場合には、ウエブには、高吸収性ポリマーの粒子を保持し得る多数の空間を有している。その空間内に高吸収性ポリマーが保持される。その結果、多量の高吸収性ポリマーを散布してもその極端な移動や脱落が起こりにくくなる。また着用者が激しい動作を行っても吸収コア4aの構造が破壊されにくくなる。使用する高吸収性ポリマーによって、捲縮率や使用する長繊維の量を適宜調節する。
以上の構造を有する吸収コア4aを備えた吸収体4を有するおむつ1は、薄型且つ低坪量で、高通気性のものとなる。おむつ1の通気性の程度は、おむつ1の肌当接面側から吸収体4にまでわたる厚み方向の領域の通気抵抗値(高吸収性ポリマー100g/m2あたり)で表して、好ましくは0.4kPa・s/m以下、更に好ましくは0.3kPa・s/m以下である。通気抵抗値は、小さければ小さいほど通気性が高いことを意味する。このような通気抵抗値は、フラップパルプ及び高吸収性ポリマーの積繊体からなる従来の吸収体を有するおむつの通気抵抗値の約1/2という極めて低い値となる。通気抵抗値の下限に特に制限はなく、その値が小さければ小さいほど通気性は高くなる。通気抵抗値はカトーテック製の通気性試験機KES−F8(商品名)によって測定される。この装置によれば、一定流量の空気(4cc平方cm/sec)を通過させたときの圧力損失が測定される。測定された通気抵抗値を高吸収性ポリマー100g/m2あたりの値に換算する。本実施形態においては、おむつ1の肌当接面側から吸収体4にまでわたる厚み方向の領域には、表面シート2及び吸収体4が存在しているので、前記の通気抵抗値は、表面シート2及び吸収体4の両者を含んだ状態で測定される。従って例えば表面シート2と吸収体4との間に、当該技術分野においてサブレイヤーシート又はセカンドシートと呼ばれる液透過性のシートが介在配置されている場合には、これら3つの部材を含んだ状態で前記の通気抵抗値が測定される。
長繊維のウエブを含む吸収体4は、その厚み方向及び平面方向の何れにも高通気性を有する。従って、おむつ1の着用中においては、着用者の身体から放出される水蒸気が吸収体4を通じておむつ1の外部に効果的に放出される。その結果、着装内での湿度の上昇が効果的に抑制される。
吸収コア4aと裏面シート3(即ち透湿シート)との間には、通気性撥水シート10が配されている。更に、通気性撥水シート10と裏面シート3(即ち透湿シート)との間には、厚み方向にわたって及び/又は平面方向にわたって空気の流通が可能な空間を有する空間形成材料11が配されている。おむつ1を平面視したときの通気性撥水シート10、空間形成材料11及び吸収体4の位置関係は図3(a)に示す通りであり、空間形成材料11は、吸収体4の前後端縁及び左右側縁から外方へ延出している。これに代えて、図3(b)に示すように、吸収体4が、おむつ1の前後端縁まで延びており、空間形成材料11が吸収体4の左右側縁のみから外方へ延出するようにしてもよい。或いは、後述する図7に示すように、吸収体4と空間形成材料11とはほぼ同形であってもよい。
図3(a)及び(b)に示すように、おむつ1の腹側部又は背側部において、通気性撥水シート10はその左右両側縁が、空間形成材料11の幅方向両側縁よりも内方で終端している。通気性撥水シート10は、好ましくは前述のようにシート材62と接合されて、それらの接合部から外方に液が浸透しないようになっているため、通気性撥水シート10とシート材62は、連続したシートのごとく空間形成材料11を覆う。これによって、空間形成材料11は排泄物によって濡れることがなく、従って通気性を確保することができる。また股下部においては、図2に示すように、通気性撥水シート10はその左右両側縁が、空間形成材料11の幅方向両側縁よりも内方で終端しているか、あるいは通気性撥水シート10の左右両側縁と空間形成材料11の幅方向両側縁が一致している。
通気性撥水シート10は、(イ)吸収コア4aに吸収された液から生じる湿気を、透湿シートからなる裏面シート側へ通過させる目的、及び(ロ)吸収コア4aに吸収された液が裏面シート側へ滲み出すのを遮断し、液によって透湿シートからなる裏面シート3が湿潤しないようにする目的で用いられる。一方、空間形成材料11は、通気性撥水シート10と裏面シート3との間に、空気の流通が十分な可能な空間を形成する目的で用いられる。
通気性撥水シート10及び空間形成材料11を、前記の順序で吸収コア4aと透湿シートからなる裏面シート3との間に配置することで、吸収コア4aに吸収された液から生じる湿気がおむつ1の外部へと放出されやすくなる。この理由は次の通りである。通気性撥水シート10及び空間形成材料11が配されていない従来の吸収性物品では、吸収コア4aに吸収された液によって透湿シートからなる裏面シートが湿潤し、湿潤した部分があたかも液によって上から蓋をされたような状態になる。その結果、その部分から湿気が外部へ放出されにくくなる。従って従来の吸収性物品では、裏面シートに透湿シートを用いても、当該透湿シートが本来的に有する透湿性が十分に発揮されていなかった。これに対して本実施形態のおむつ1においては、通気性撥水シート10によって、吸収コア4aに吸収された液が透湿シートからなる裏面シート3へ到達するのが遮断されるので、該裏面シート3が湿潤しづらい状態になっている。それに加えて、通気性撥水シート10と裏面シート3との間に配置された空間形成材料11によって両シート間に非湿潤ないし低湿潤状態に保たれた空気の流路が形成される。これらのことによって裏面シート3の透湿性が確保され、吸収コア4aに吸収された水分から生じた湿気が該流路を経由し裏面シート3を通じて外部へ放出されやすくなる。また、レッグフラップLやウエストフラップWを通じての湿気の放出も可能になる。これらの結果、装着状態のおむつ内が低湿度に保たれ、装着感が良好になり、また皮膚がかぶれにくくなる。特に、おむつ1の肌当接面側から吸収体4にまでわたる厚み方向の領域の通気抵抗値が前述した値以下である場合には、湿気の放出が一層促進され、装着状態のおむつ内が一層低湿度になる。
前述の観点から、通気性撥水シート10は、吸収コア4aの裏面シート対向面の全域を被覆していることが特に好ましいが、少なくとも吸収コア4aの裏面シート対向面における長手方向及び/又は幅方向の中央領域を被覆していることが好ましい。本実施形態においては、通気性撥水シート10は、吸収コア4aの裏面シート対向面の全域を被覆し、且つ吸収コア4aの前後端縁及び左右両側縁から外方へ延出している。
通気性撥水シート10としては、空気を十分に透過させ且つ液体の透過を十分に阻止できるものを用いることが好ましい。その観点から、通気性撥水シート10は、JIS P8117に準じて測定された通気度(ガーレー)が2〜100秒/(300ml・32枚)であり、好ましくは2〜60秒/(300ml・32枚)、更に好ましくは2〜30秒/(300ml・32枚)である。この範囲の通気度は、裏面シート3として用いられる透湿シートの通気度とは桁違いのものである。仮に透湿シートの通気度の前記の方法で測定したとすると、測定時間が余りにも長すぎて測定不能になってしまう。
前記の通気度は、通気性撥水シート70×70mmに裁断して32枚重ね、透気度測定器〔熊谷理機工業(株)社製のGURLEY DENSOMETER(商品名)〕を用いて測定する。300mlの空気が透過するのに要する時間を測定し、その時間を通気度の値とする。
また通気性撥水シート10は、液体の透過を十分に阻止する観点から、その撥水性の程度が、耐水圧で表して3〜20g/cm2、特に8〜15g/cm2であることが好ましい。
耐水圧の測定は、JIS L1092繊維製品の防水性試験方法に準じて行う。JISに示された耐水度試験(静水圧法、A法)は主に通気性のない繊維製品に適用されるものとして定められており、通気性のある製品に適用する場合はスプレー法を適用する。しかし、発明の吸収性物品の場合、実使用時を想定するとスプレー状に液体の負荷がかかる場合は想定されにくく、むしろ耐水度試験の条件に即していると考えられる。すなわち、本発明による耐水圧の試験は次のようにして行う。
図4に示すように、試験片100を、上下のゴムパッキン101,101を介して内径35mmのガラス製シリンダー102,102に挟み込む。試験片上に人工尿を供給する。このとき、内径3mmのシリコンチューブ103から0.1g/secの流量となるように人工尿を供給し、人工尿がシリンダーの内壁を伝わせるようにして、水滴の落下の影響を最小限にとどめるようにする。人工尿の供給開始から人工尿が試験片100を通過し、下方から漏れ始めるまでの時間(t:sec)を測定する。その漏れ始めた時間tまでに供給された人工尿の量を算出し、試験片に掛かる圧力(g/cm2)を次式により算出し、これを耐水圧の値とする。
耐水圧(g/cm2)=(0.1×t)÷(1.75×1.75×π)
試験は5枚の試験片で行い、その平均値を算出する。ある試験片の測定値が平均値の2割を超えて振れた場合はその試験片の測定値は廃棄し、再測定を行う。人工尿は生理食塩水にノニオン界面活性剤(C12アルキルエーテルのエチレオキサイド6モル付加物)を適宜加えて、表面張力を50±2dyn/cmに調整したものを用いる。ノニオン界面活性剤は適宜変更可能である。
前記の通気度及び耐水圧を有する材料として好ましいものには、例えば各種不織布や連通孔(オープンセル)発泡体などが挙げられる。特にメルトブローン不織布又はメルトブローン不織布を含む不織布積層体を用いることが好ましい。とりわけ、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布や、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)不織布を用いることが好ましい。これらの材料を用いる場合には、通気度や耐水圧が前記の範囲となるように、その坪量や厚みを適宜調整する。
一方、空間形成材料11は、厚み方向にわたって及び/又は平面方向にわたって通気性を有する材料であって且つ通気性撥水シート10と裏面シート3との間に空間を形成するに足る厚み及び嵩高さを有することが好ましい。これらの観点から、空間形成材料11は、例えば一方向に配向された多数の長繊維からなるか、不織布からなるか、又は連通孔(オープンセル)発泡体からなることが好ましい。
空間形成材料11が一方向に配向された多数の長繊維からなる場合、該長繊維としては、吸収コア4aを構成する長繊維として先に説明したものと同様のものを用いることができるが、より繊維径の太い繊維を用いることができる。すなわち、一般に1.0〜15dtex、特に1.7〜12dtex、とりわけ3.3〜10dtexの長繊維を用いることができる。従って、空間形成材料11として用いられる長繊維に関しては、吸収コア4aを構成する長繊維に関して先に述べた説明が適宜適用される。空間形成材料11が一方向に配向された多数の長繊維からなる場合、該長繊維の坪量は7〜100g/m2、特に10〜50g/m2であり、厚み(3.5g/cm2加重下)は0.2〜6mm、特に0.3〜4mmであることが、空気の流通が十分に可能な空間を形成し得る点から好ましい。空間形成材料11として長繊維を用いると、吸収コア4aに吸収された液が万一通気性撥水シートを通過して空間形成材料11にまで達しても、すぐに乾燥するので好ましい。この理由は、一方向に配向された多数の長繊維は液の拡散性に優れるので乾燥性が良好だからである。なお長繊維は、異形断面形状のものが好ましい。この理由は、圧縮時にも繊維同士が密着しづらく、微細な空間が確保できるので、空気の流通が十分に確保されるからである。
空間形成材料11が不織布からなる場合、該不織布としては例えばエアレイド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布や、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)不織布を用いることできるが、加重下の圧縮に優れ、空気の流通が十分に確保される点でエアレイド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布を用いることが好ましい。不織布はその坪量が10〜50g/m2、特に20〜40g/m2であり、厚み(3.5g/cm2加重下)が0.2〜2.0mm、特に0.3〜1.5mmであることが、空気の流通が十分に可能な空間を形成し得る点から好ましい。
不織布を形成する繊維は、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性繊維からなることが好ましい。繊維は単独でも2種類以上の樹脂を複合化した複合化繊維でもよい。特に加重下での厚みを確保する上で、芯にポリエチレンテレフタレートを用いた芯鞘型複合繊維が好ましい。また、複合繊維は偏芯の芯鞘型又はサイドバイサイド型の構造で、立体捲縮が掛かった繊維であることも好ましい。
更に、不織布を構成する繊維の樹脂として、例えばエステル系、ウレタン系、スチレン系、オレフィン系、アミド系等の熱可塑性エラストマー、メタロセン触媒を用いた低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等を単独で、又は混合して使用してもよい。中でも、メタロセン触媒を用いて製造された低密度ポリエチレンと複合化した複合繊維が好ましい。
不織布は好ましくは撥水性である。また、見かけの厚みを増すために、不織布にエンボス処理や開孔処理、折り曲げ加工やプリーツ加工を施しても良い。見かけの厚みとは、エンボス処理を施したものであればエンボスの凸部など、3.5g/cm2加重下で最も厚みのある場所での厚みをいう。
一方、空間形成材料11が連通孔(オープンセル)発泡体からなる場合、その見掛け密度が0.05〜0.6g/cm3、特に0.1〜0.5g/cm3であり、厚み(3.5g/cm2加重下)が0.4〜3.0mm、特に1.0〜2.5mmであることが、同様の理由により好ましい。
空間形成材料11はその大きさが通気性撥水シート10とほぼ同じであるか、或いはそれより小さいことが好ましい。尤も、通気性撥水シート10よりも空間形成材料11を大きくすることは妨げられない。また図2に示すように、空間形成材料11は、おむつ1の幅方向に関し、先に説明した立体ギャザー6の立ち上がり位置である基端部6aよりも外方へ延出している。これによって、レッグフラップLが通気性であることと相俟って、レッグフラップLからの湿気の放出が促進される。また空間形成材料11は、立体ギャザー6の基端部6aよりもおむつ幅方向外方へ延出し、更におむつ幅方向の左右両縁部まで延在していてもよい。これによってレッグフラップLからの湿気の放出が一層促進される。おむつ長手方向に関しても同様であり、空間形成材料11は、おむつ長手方向の前後両端部まで延在していることが、ウエストフラップWが通気性であることと相俟って、ウエストフラップWからの湿気の放出が促進されるので好ましい。空間形成材料11が、おむつ1の長手方向の前後両端部まで及び幅方向の左右両縁部まで延在していると更に一層効果的である。
長繊維からなる空間形成材料11がおむつ幅方向の左右両縁部まで延在している場合、とりわけおむつ1の股下部における左右両縁部まで延在している場合には、空間形成材料11として一方向に配向された多数の長繊維を用い、且つ該長繊維の配向方向を、おむつ1の長手方向に一致させることが好ましい。こうすることで、おむつ1の股下部における液の横漏れが効果的に防止される。
次に、本発明の第2ないし第5の実施形態について図5ないし図8を参照して説明する。これらの実施形態に関し特に説明しない点については先に述べた実施形態に関する説明が適宜適用される。また図5ないし図8において、図1及び図2における部材と同じ部材には同じ符号を付してある。
図5(a)ないし(c)に示す実施形態のおむつ1は、先に説明した実施形態のおむつと同様に展開型のものである。しかし通気性撥水シート10および空間形成材料11の配置位置が、先に説明した実施形態のおむつと相違している。具体的には、本実施形態のおむつ1における吸収体4は、吸収コア4aのみから構成されており、先に説明した実施形態で用いた被覆シートは用いられていない。被覆シートの代わりに、本実施形態では通気性撥水シート10によって吸収コア4aが被覆されている。通気性撥水シート10は吸収コア4aの裏面シート対向面の全域を被覆している。更に通気性撥水シート10は、吸収コア4aの左右両側縁から外方へ延出し、その延出部分が吸収コア4aの肌対向面における左右両側部を被覆するように上側に折り込まれている。吸収コア4と通気性撥水シート10との対向面には接着剤(図示せず)が不連続に塗布されて、両者の保形性を確保している。本実施形態のおむつ1における通気は、図5(c)に示すように、おむつ1の前後端縁において空間形成材料11が露出した部分を通じて行われる。
空間形成材料11は通気性撥水シート10の幅方向両側縁よりも内方で終端している。通気性撥水シート10は、好ましくは裏面シート3と接合部Aにおいて接合されており、それによって接合部Aからに幅方向内方に液が浸透しないようになっている。
本実施形態によれば、吸収コア4aの左右両側部が通気性撥水シート10で被覆されているので、吸収コア4aに吸収された液が、該コア4aの幅方向外方へにじみ出しづらくなっている。その結果、横漏れが効果的に防止されるという利点がある。しかも本実施形態では通気性撥水シート10が吸収コア4aを被覆する被覆シートを兼用しているので、おむつ1の構成部材の点数が少なくなるという利点もある。
図6(a)及び(b)に示す実施形態のおむつ1は、図1に示す実施形態のおむつと同様に展開型のものである。しかし通気性撥水シート10および空間形成材料11の配置位置が、図1に示す実施形態のおむつと相違している。具体的には、本実施形態のおむつ1はその腹側部又は背側部において、通気性撥水シート10はその左右両側縁が、空間形成材料11の幅方向両側縁よりも外方に延出し、好ましくはおむつ1の両端縁で終わっている。これによって、空間形成材料11は排泄物によって濡れることがなく、従って通気性を確保することができる。通気性撥水シート10は、好ましくは前述のようにシート材62と接合されている。また、股下部においては通気性撥水シート10はその左右両側縁が、空間形成材料11の幅方向両側縁よりも外方に延出しているか、または通気性撥水シート10の左右両側縁と空間形成材料11の幅方向両側縁が一致している。
本実施形態では、通気性撥水シート10上に相対向する一対の立体ギャザーを2組以上有していてもよい。具体的には図6(a)に示すように、吸収体1の側縁から側方に延出したレッグフラップの側縁部に、おむつ1の長手方向に延びる弾性ストランドを伸長状態で配してレッグギャザー71を形成し、更に、レッグギャザー71と吸収体4の側縁部との間に基端部を有する第1立体ギャザー6A及び第2立体ギャザー6Bを配している。第1立体ギャザー6Aは吸収体寄りに配されており、第2立体ギャザー6Bはレッグギャザー寄りに配されている。第1立体ギャザー6A及び第2立体ギャザー6Bはそれぞれ別々のシートから形成してもよいし、図6(a)に示すように一枚のシートから形成しても良い。
図7に示す実施形態のおむつ1は、これまでに説明した実施形態のおむつと異なりパンツ型のものである。おむつ1における吸収体4は肌対向面側に配された第1吸収コア41と裏面シート対向面側に配された第2吸収コア42とを備えている。両吸収コアは同形をしている。両吸収コアは、その全体がティッシュペーパーや透水性の不織布からなる透水性の被覆シート(図示せず)で被覆されて吸収体4を形成している。
第1吸収コアは、親水性を有する長繊維のウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持されて構成されている。この構成は、先に述べた各実施形態の吸収コアと同様である。一方、第2吸収コア42は高吸収性ポリマーを含むか又は含まないフラッフパルプの積繊体から構成されている。
表面シート2は吸収体4の上面の全域を被覆している。更に表面シート2は、吸収体4の左右両側縁から外方へ延出し、その延出部分が吸収体4の裏面シート対向面における左右両側部を被覆するように下側に折り込まれている。
吸収体4の下側には防漏カフ形成用シート12が配されている。防漏カフ形成用シート12は、吸収体4の左右両側縁から外方へ延出し、その延出部分が上方へ向けて立ち上がっている。そして立ち上がった延出部分によって防漏カフ13が形成されている。防漏カフ形成用シート12と吸収体4とは、吸収体4の裏面シート対向面において接合されている。防漏カフ13の自由端には弾性部材131がおむつ1の長手方向に延びるように伸長状態で固定されている。これによって防漏カフ13に伸縮性が付与される。
おむつ1の外面は、それぞれシート材料からなる第1外装体15及び第2外装体16の2枚の外装体17で構成されている。各外装体15,16はいずれも砂時計型で同形をしており、おむつ1の輪郭を画成している。両外装体15,16間には、弾性部材18が、おむつ1の長手方向に延びるように伸長状態で固定されている。弾性部材18は、外装体17の左右両側部にそれぞれ複数本ずつ配されている。これによって外装体17に伸縮性が付与されて、レッグギャザーが形成される。
防漏カフ形成用シート12と外装体17との間には、空間形成材料11が配されている。そして本実施形態においては、防漏カフ形成用シート12として通気性撥水シートが用いられ、また外装体17における第1外装体15として透湿シートが用いられている。透湿シートからなる第1外装体15は、おむつ1における液不透過性ないし撥水性の裏面シートとしての役割も有する。なお外装体17における第2外装体16としても透湿シートが用いられている。本実施形態のおむつ1がこのような構成を有することによって該おむつ1は、先に述べた各実施形態のおむつと同様に、防漏カフ形成用シート12と外装体17との間に、空間形成材料11による空気の流路が形成される。それによって透湿シートからなる第1外装体15の透湿性が確保され、吸収体に吸収された水分から生じた湿気が該流路を経由し外部へ放出されやすくなる。
図8に示す実施形態のおむつ1は、図7に示す実施形態のおむつと同様にパンツ型のものである。おむつ1における吸収体4が、第1吸収コア41と第2吸収コア42とから構成されている点も、図7に示す実施形態と同様である。但し、第1吸収コア41においては、高吸収性ポリマーが、コア41の幅方向中央域の位置において、コア41の長手方向に延びるように散布されており、コア41の左右の側部域には高吸収性ポリマーが存在していない点が、図7に示す実施形態と異なる。また、第2吸収コア42においては、コア42の幅方向中央域と、左右の側部域との境界部に欠落部44,44が形成されている点が、図7に示す実施形態と異なる。
吸収体4はその全体が表面シート2に被覆された状態で、その幅方向中央域4Cが防漏カフ形成用シート12に、ホットメルト粘着剤45を介して固定されている。一方、吸収体4の左右の側部域4S,4Sは防漏カフ形成用シート12に接合されていない。また、各側部域4S,4Sの外縁4Eには、おむつ長手方向に沿って弾性部材46,46が伸長状態で固定されている。弾性部材48は、吸収体4を被覆する表面シート2の内面に、図示しない接着剤によって伸長状態で固定されている。弾性部材46は、おむつの腹側部及び背側部において、吸収体4と共に防漏カフ形成用シート12上に固定されている。
弾性部材46は、吸収体4の幅方向における中央域4Cより外側の他の部位に固定しても良い。例えば、吸収体4の肌当接面側における第1吸収コア41と表面シート2との間、吸収体4の非肌当接面側における第2吸収コア42と表面シート2との間、第1吸収コア41と第2吸収コア42との間、各側部域4Sの外縁4Eにおける表面シート2の外面側(吸収体4側とは反対側の面等)に固定することができる。吸収体4の側部域4Sの外縁から、側部域4Sと中央域4Cとの境界部までの距離(おむつ1の幅が最も狭い部位で測定)は、例えば10〜100mmであり、乳幼児用おむつの場合、10〜50mm程度であることが好ましい。
以上の構成を有するおむつ1を着用すると、吸収体4の左右の側部域4Sが、図8に示すように、防漏カフ形成用シート12から離間して起立する。この理由は、(イ)側部域4Sが防漏カフ形成用シート12に接合されていないこと、(ロ)欠落部44の存在によって吸収体4が折れ曲がり易くなっていること及び(ハ)弾性部材46が収縮することによるものである。本実施形態のおむつ1においては、図7に示す実施形態のおむつと同様の効果が奏されることに加えて、側部域4Sが、防漏カフ形成用シート12から離間して起立する結果、側部域4Sに対応する位置の防漏カフ形成用シート12がむき出しとなり通気性が更に向上する。
図8において、コア41の左右の側部域4Sに、高吸収性ポリマーが存在していない領域を設けることにより、起立する側部域の空気透過性が向上する。これに対して、左右の側部域4Sに高吸収性ポリマーを配すると、吸収性能は向上するものの、液吸収後飽和に達した高吸収性ポリマーが水蒸気の透過性を阻害してしまう。従って、中央域4Cで主として液を吸収するようにして、左右の側部域4Sには液を分配させないことが、通気性を確保するために好ましい。高吸収性ポリマーを含まない領域の幅は、吸収体の側縁から10mm以上、より好ましくは20mm以上である。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の各実施形態においては、通気性撥水シートと透湿シートとの間に空間形成材料が連続して配されていたが、これに代えて、同一の又は異なる複数の空間形成材料を用い、各空間形成材料を、各空間形成材料間に空隙が形成されるように間欠的に通気性撥水シートと透湿シートとの間に平面方向にわたって配してもよい。この場合、当該空隙は、通気性撥水シートと透湿シートの間において平面方向へ連続していることが好ましい。更に当該空隙が、おむつの前後方向端部及び/又は幅方向の縁部にまで延在していることが好ましい。これらのことによって湿気の放出が一層促進される。
また図1ないし図5に示す実施形態におむつにおいては、吸収コア4aとして、高吸収性ポリマーが混合されたフラッフパルプの積繊体を用いることもできる。
また前記の各実施形態は使い捨ておむつに係るものであったが、本発明は使い捨ておむつ以外の吸収性物品、例えば生理用ナプキンや失禁パッド等にも同様に適用可能である。