JP2004536487A - リーク電流を減少させたバッファ回路及びフィールドプログラマブルデバイスにおいてリーク電流を減少させる方法 - Google Patents

リーク電流を減少させたバッファ回路及びフィールドプログラマブルデバイスにおいてリーク電流を減少させる方法 Download PDF

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Abstract

選択したインバータと接地又はパワーとの間に直列に付加的なトランジスタを付加することによりスタチックCMOS装置におけるリーク電流を減少させる技術。直列した2個のインバータからなる選択したバッファへNMOS及びPMOSトランジスタが付加されている。PMOSトランジスタ(124)は第一インバータ(112,114)とパワー(Vdd)の間に接続されており、且つNMOSトランジスタ(126)は第二インバータ(128)と接地との間に接続している。これらの付加したトランジスタは、バッファが使用されている場合にはオンであり且つバッファが使用されていない場合にはオフであるようにメモリセル(130)により制御される。一方、PMOSトランジスタを付加することなく且つ第一インバータの既存のPMOSトランジスタをVggウエル内に位置すべく製造する。選択したバッファ対で同一の技術を使用する。
【選択図】図4(B)

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路チップにおいて電力消費を減少させることに関するものであって、更に詳細には、サブミクロンIC装置、特に深サブミクロンCMOSIC装置においてリーク電流を減少させることにより電力消費を減少させることに関するものである。
【背景技術】
【0002】
将来の電子システムは継続して益々増加する速度を必要とし且つ可及的に少ない電力を消費するものと予測される。より高い速度を達成し且つ低い電力消費を維持するために、電子システムの主要なコンポーネントのうちの1つとしての集積回路(IC)チップは、可及的に少ない電力を消費しながら益々より高い周波数において動作することが必要となる。CMOS技術を使用して製造されるICチップの場合、速度を増加させ且つチップ寸法を減少させるために装置の寸法が小型化するに従い、低い電力消費の目的を達成するためには増加される静的電力消費が主要な問題となる。静的電力は、積極的に状態を変化するものでない回路及び個別的な装置、即ち定常的にオフ状態にあるトランジスタによって消費される。現在のまでのところ、CMOS技術における静的電力消費は無視可能なものであった。然しながら、装置寸法が継続して小型化することはこのことを変えることとなる。
【0003】
継続する処理の進化は、CMOS製造における臨界的寸法を減少させることを可能とした。IC装置寸法は、現在のところ、許容不可能な静的電力消費レベルを回避するために新たな技術が実現されない限り、静的電力消費が主要な懸念事項となる臨界的な点に到達しているか又は到達せんとしている。装置寸法が小型化すると、電力供給電圧(Vdd)において減少が発生する。より低いVddはより低い動的電力消費に対応するものであるが、それは、又、装置の速度を減少させる。装置の速度を維持するか又は増加させるために、与えられた処理においてのトランジスタのスレッシュホールド電圧(Vth)を減少させるための努力が為されている。然しながら、トランジスタのサブスレッシュホールド電圧電流、即ちリーク電流は、Vthが減少するに従い指数的に増加する。従来のより大型の装置寸法においては、この指数的リーク電流増加は未だ無視可能なものであった。然しながら、現在及び将来の装置寸法においては、このリーク電流における指数的増加は静的電力消費において迅速且つ認知可能な増加となる。従って、新たなアプローチを採用することなしに、設計者は速度と電力消費との間の許容不可能なトレードオフ即ち利益衡量についての決定を行うことを必要とされる場合がある。
【0004】
この増加する電力消費問題に対処するために、トランジスタの電圧スレッシュホールドレベルを増加することが可能である。然しながら、このことは装置を使用することが可能なトランジスタの速度又は周波数に悪影響を与える場合がある。更に、Vthを増加させることは、装置において維持されねばならない雑音余裕のために他の問題を導入する場合がある。VthをVdd/3を超えて増加させることは、装置の機能性に悪影響を与えるものであることが判明している。
【0005】
装置寸法が継続して小型化するに従い、この静的電力消費問題は、半導体業界全体にとって益々重要なものとなる。このことは、現在、大多数のものが静的オフ状態に止まる単一ダイ上に多数のトランジスタを具備するフィールドプログラマブルデバイス(FPD)等のチップの製造業者にとって特に重要である。
【0006】
FPDは入力/出力ポートの周辺部で汎用ルーチング(経路付け)マトリクス(GRM)により取囲まれているコンフィギャラブル(configurable)即ち形態特定可能な論理要素(CLE)のアレイから構成されるプログラム可能な論理装置である。一般的に、FPDはスタチックランダムアクセスメモリセル(SRAM)、アンチヒューズ、EPROM、フラッシュセル、又はEEPROM等のプログラミング要素を包含している。これらのメモリ要素は、CLEにより実施される機能、CLEの間においてGRMにおける信号のルーチング即ち経路付け、及び入力/出力ポートの機能性を制御するために使用される。最近、FPD製造業者はGRMにおいて経路付けすべき高いファンアウトの信号をサポートするために多数のドライバ又はバッファを提供する傾向を示している。FPDはユーザにより必要とされる任意の論理機能を実施すべく設計される。
【0007】
実際に、FPDユーザがFPDにより実現されるべき機能を設計し、且つFPDがその機能を実施すべくプログラムされると、そのFPDにおいて使用可能な多数の資源は使用されることはない。従って、FPDは、任意の与えられた時間において使用されることのない高いパーセンテージのトランジスタを有している場合がある。FPDのリーディング製造業者であるザイリンクス社はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として知られる多様なFPDを製造している。ザイリンクス社のFPGAのユーザにより使用される典型的な設計の解析は、FPGA資源の60乃至90%が典型的に使用されるものではないことを示している。これらの不使用の資源は、静的モードにあり、従って、与えられたプロセスに対して静的電力消費が増加するに従い、FPGA又はFPDは全体的な電力消費における大きな増加に直面する蓋然性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、CMOS装置において増加した速度で動作し且つリーク電流を減少させ、それによりICチップ電力消費を減少させる新たな回路技術を実現することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上述した問題を解決し且つCMOSIC設計の技術において顕著な進化を提供するものである。より詳細に説明すると、本発明は選択したインバータ又は論理ゲートと接地又はパワー即ち電力との間に直列して付加的なトランジスタを付加することにより静的CMOS装置におけるリーク電流を減少させる技術を提供するものである。
【0010】
本発明の第一の別の側面においては、NMOS及びPMOSトランジスタが直列する2個のインバータからなる選択したバッファへ付加される。該PMOSトランジスタは第一インバータと電源との間に接続され且つ該NMOSトランジスタは第二インバータと接地との間に接続される。該付加したトランジスタは、該バッファが使用されている場合にオンであり且つ該バッファが使用されていない場合にオフであるメモリセルによって制御される。
【0011】
本発明の第二の別の側面においては、NMOSトランジスタが直列する2個のインバータからなる選択したバッファへ付加されている。該NMOSトランジスタは選択したバッファの第二インバータと接地との間に接続されており且つ該バッファが使用されている場合にオンであり且つ該バッファが使用されていない場合にオフであるメモリセルにより制御される。第一インバータのPMOSトランジスタはVggウエル内に位置すべく製造される。
【0012】
本発明の第三の別の側面においては、NMOSトランジスタが選択したバッファ対へ付加されており、その各対は直列した2個のインバータから構成されている。単一のNMOSトランジスタが各選択したバッファの第二インバータと接地との間に接続されており且つ該バッファのうちの一方又は両方が使用されている場合にオンであり且つ該バッファの両方が使用されていない場合にオフであるメモリセルにより制御される。各バッファにおける第一インバータのPMOSトランジスタはVggウエル内に位置すべく製造される。
【0013】
本発明の第四の別の側面においては、上述した技術の各々が信号を高容量相互接続線上へ駆動するために使用されるドライバにおいて使用され、その場合に該ドライバはインバータと直列接続した論理ゲートから構成されるバッファを有している。
【0014】
本発明の五番目の別の側面においては、上述した技術の各々がフィールドプログラマブルゲートアレイの回路において使用される。
【0015】
これら及びその他の本発明の重要な側面については以下の詳細な説明においてより完全に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本明細書において記載する回路技術はFPDにおいて使用するものに制限されるものではないが、本発明の各実施例は市場においてVirtex(商標)FPGAとして知られるザイリンクス社により製造されている特定のFPGAについて説明する。(Virtexは本件特許出願の所有者であるザイリンクス社の登録商標である)。図面、特に図1を参照すると、本発明の1実施例に基づいて構成することが可能な1つのFPGAが例示されている。
【0017】
図1はFPGAの一般的なアーキテクチャを図示したブロック図である。図1はFPGAにおける複数個のタイルからなるアレイの一部を例示している。各タイルは論理ブロックL及びルーチング即ちスイッチング構成体Rを包含している。又、各タイル内には、相互接続線を形成するために隣接するタイルにおけるラインセグメントを接続するラインセグメントが存在している。上述したCLEは論理ブロックL内に包含されており、且つ相互接続線及びスイッチング構成体Rが結合してGRMを形成している。FPGAにおける相互接続線の殆どは図面を見にくくしないように図1内には示していない。タイル1、タイル2、タイル3として示した3つのタイルがより詳細に示されている。短い及び中間の長さの相互接続線がタイル1、タイル2、タイル3とそれらのすぐ隣りのものとの間に延在して示されている。太い黒色の線6VM、6VN、6VSは複数個のタイルにわたってほぼ南北方向に走行する相互接続線を表わしている。この装置において水平方向に走行する同様の相互接続線が存在しているが図示していない。N,S,E,Wの記号を付けたタイル2の単一長さ線は、隣接するタイルの間を接続し且つタイル2の論理ブロックLへ接続する複数個の線を表わしている。導電線の数及びそれらの長さ等の相互接続アーキテクチャの詳細は本発明にとって重要なものではなく、後の図に関して必要な場合にのみ説明を行う。論理ブロックLは論理機能発生器を表わしている。図1のFPGAにおいては、これらの論理ブロックは複数個のルックアップテーブルを有している。
【0018】
図1のFPGA内に包含されるものであるが図示されていないものは、論理ブロックLの機能性を制御するために使用されるメモリセルからなるアレイ及び相互接続線を互いに接続する接続である。これらのメモリはSRAMセル、フラッシュセル、EPROM、EEPROM、又はアンチヒューズとすることが可能であるが、好適なFPGAにおいてはSRAMセルである。一般的に、相互接続線は互いに接続可能であり、且つ単一長線は、論理ブロックLへ接続させることが可能である。タイルアレイの周辺部には入力/出力ポートを包含する入力/出力ブロックが設けられているが、図1には示していない。入力/出力ポートの機能性もメモリセルにより制御される。
【0019】
図2に移ると、単一タイルの詳細がブロック図のレベルで図示されている。該タイルは垂直及び水平線を包含しており、各々は複数個の導電性トレースを表わしており、それを介して論理データ信号を経路付けさせることが可能である。一般的に、タイルの周辺部において出入りする3種類の導電線が存在している。これらの種類は長尺線(LVN,LVS,LHE,LHW)、中間線(VN,VS,HE,HW)及び直接接続線(N,S,E,W)を包含している。該長尺線はアレイの長さ又は幅の全体、又は第二実施例においてはアレイの長さ又は幅の半分にわたり延在している。該中間線はタイルの複数個の長さ(この実施例においては6個又は2個のタイル)にわたり延在している。該直接接続線は隣接するタイルの間を接続する。
【0020】
図2に図示した4個の主要な機能的ブロックが存在している。第一のものは非局所的相互接続体と記号の付けた領域である。この領域内において、直接接続線N,S,E,Wの各々は互いに接続させることが可能であり、中間長線40,42の幾つかは互いに接続させることが可能であり、中間長線40,42の幾つかは直接接続線へ接続させることが可能であり、且つ長尺線44,46の幾つかは中間長線へ接続させることが可能である。同様の相互接続構成の詳細な説明については「階層的相互接続線を具備するFPGA繰返し可能相互接続構成体(FPGA Repeatable Interconnect Structure with Hierarchical Interconnect Lines)」という名称の米国特許第5,914,616号において見出すことが可能であり、該特許を引用により本明細書に取込む。形成される接続はNMOSパストランジスタを制御するメモリセルのプログラミングにより決定される。
【0021】
2番目の主要な機能的ブロックはIMUXの記号を付してある。IMUX領域は、どの信号がCELへ入力されるかを決定するマルチプレクサを有している。該マルチプレクサはメモリセルにより制御されるバッファ型NMOSパストランジスタから構成されている。直接接続線N,S,E,Wの各々はIMUX領域への入力である。更に、中間長線50の幾つか及びCLE出力線52の幾つかがこの領域内へ接続される。
【0022】
3番目の主要な機能的ブロックはCLEの記号を付してある。この領域内には論理機能発生器が設けられており、それは、1実施例においては、ルックアップテーブル(LUT)を有している。該LUTはユーザの論理機能を実施すべくプログラムされているメモリセルを有している。
【0023】
4番目の主要な機能的ブロックはOMUXの記号を付してある。OMUX領域は他のタイル又は入力/出力ポートへ分布されるべくCLE出力のどれが非局所的相互接続体領域内へ接続されるべきかを選択するマルチプレクサを有している。図2のタイルは、更に、米国特許第5,914,616号において記載されている。
【0024】
図3に移ると、OMUX領域からのマルチプレクサのうちの1つの概略図が示されている。この図の左側にはIN0−IN23の記号を付した24個の入力が存在しており、それらは右側においてパストランジスタ選択マトリクス100へ接続している。このパストランジスタ選択マトリクスは2個のステージから構成されている。第一ステージにおいて、24個の入力のうちの4個が第二ステージへ通過すべく選択され、その場合に4個の入力のうちの1つが出力へ通過される。第一ステージにおいて、24個の入力は6個毎の4個のグループに群別されている。例えば、IN16−IN23はトップグループを構成している。1個のパストランジスタが片側において各入力線へ接続しており且つ反対側において第一ステージ共通ノード102へ接続している。従って、4個の第一ステージ共通ノード102が存在しており、且つ各第一ステージ共通ノードは第二ステージパストランジスタへの入力である。第二ステージパストランジスタの各々は、一方の側において第一ステージ共通ノードのうちの1つへ接続しており、且つ第二の側において、第二ステージ共通ノード104へ接続している。4個のグループのうちの各々と関連する1個の第二ステージパストランジスタが存在している。第二ステージ共通ノード104は直列接続されている2個のインバータからなるバッファ106への入力である。該バッファの出力108はOMUX領域からの出力のうちの1つとなる。この例示的なFPGAにおいて、OMUX領域においてこのような16個のマルチプレクサが存在している。選択マトリクスの上部にわたりメモリセル110が設けられており、それらの出力はパストランジスタの制御ゲートへ接続している。該メモリセルはVgg電圧により電圧が供給され、該電圧は供給電圧Vddよりも10−15%だけ高い。このことは論理1をパスする場合にNMOSパストランジスタを横断しての電圧降下を最小とさせる。左側から右側へ、最初の6個のメモリセルの各々は4個の別々のパストランジスタを制御し、それらは選択マトリクス100の第一ステージにおける4個のグループの各々から1個づつである。残りの4個のメモリセルは選択マトリクスの第二ステージにおける単一のパストランジスタを制御する。por b信号は、リセット信号であり、且つパワーアップにおいてのみ低へ移行し、全ての出力信号を論理1とさせる。por bにより制御されるトランジスタは非常に小型であり、且つその静的電力リークは無視可能なものである。
【0025】
動作について説明すると、ただ1つの経路のみが導通状態にあり競合が存在することがないように第一ステージメモリセルのうちの1つと第二ステージメモリセルのうちの1つのみが論理「1」でプログラムされることをソフトウエアが確保する。例えば、第一及び第七メモリセルが論理「1」でプログラムされている場合に、IN23は第二共通ノード104へパス即ち通過される。残りのメモリセルの各々は論理「0」でプログラムされる。適切なプログラミングにより、24個の入力のうちのいずれか1つをOMUX出力を駆動するために選択することが可能である。
【0026】
図4A及びBはトランジスタスタッキング(stacking)と呼称される回路設計技術の1実施例を示している。図4Aは図3の2個のインバータを包含する詳細な回路106の実現例を示している。PMOSトランジスタ116の制御ゲート120は第一インバータ出力122へ接続している。PMOSトランジスタ116はインバータ入力118上に弱い高電圧信号が存在する場合に信号の伝播を高速化させるプルアップトランジスタとして作用する。第一インバータ122の出力は標準のCMOSインバータである第二インバータの入力へ接続している。これらのインバータは、当業者にとって公知の如く、共にバッファを形成すべく動作する。リークを過剰に増加させることなしにスイッチング速度を最大とさせるために、バッファ106内の1個のトランジスタ114のみが低スレッシュホールドトランジスタとされる。(トランジスタ114における三角形の記号は、それが低スレッシュホールドトランジスタであることを表わしている)。トランジスタ114は、それが該バッファの第一インバータステージの一部であり、従って第二ステージのものよりもより小型の寸法であるために選択されている。又、PMOSトランジスタ112ではなくNMOSトランジスタ114は、ノード118における上昇入力信号が存在する場合に高いスイッチング速度が重要であるので低スレッシュホールドであるように選択されている。注意すべきことであるが、バッファ106が使用されていない場合にトランジスタ114はオンであり、且つトランジスタ114がオンである場合にはそれを横断しての電圧降下が存在しないので、この低スレッシュホールドトランジスタは静的電力を消費することはない。
【0027】
図4Bは同一の回路を図示しているが、2個の付加的なトランジスタと1個のメモリセルとが付加されている。説明の便宜上、同一の構成要素には同一の参照番号を付してある。第一インバータはPMOSトランジスタ112とVddとの間に接続している付加的なPMOSトランジスタ124を有している。トランジスタ124は仮想Vddトランジスタと呼称される。第二インバータはNMOSトランジスタ128と接地との間に接続している付加的なNMOSトランジスタ126を有している。この付加的なNMOSトランジスタは仮想接地トランジスタと呼称される。仮想Vddトランジスタ124及び仮想接地トランジスタ126の制御ゲートは夫々メモリセル130の相補的及び真出力へ接続している。FPGAユーザの設計条件に依存して、任意の与えられたスイッチ及びOMUX領域におけるそれに対応するバッファを使用するか又は使用しない場合がある。特定のバッファが使用される場合には、メモリセル130は両方の仮想トランジスタをターンオンすべくプログラムされ、且つ第一インバータはパワー即ち電力へ接続され且つ第二インバータは接地へ接続される。この状態において、該バッファは、基本的に、仮想パワー及び接地トランジスタがあたかも存在しないかのように動作する。該バッファが使用されない場合には、仮想トランジスタをターンオフさせるためにメモリセル130がプログラムされる。
【0028】
積層型仮想トランジスタの付加は、該バッファに関連するリーク電流を著しく減少させる。装置寸法に依存して該スイッチ又はバッファが使用されない場合には、リーク電流は10−20の係数だけ減少される。このことは、BSIM3.3スパイスモデルにおけるサブスレッシュホールド電流公式を使用して数学的に示すことが可能である。0.15ミクロンプロセス及び0.18ミクロンプロセスにおけるこのスタッキング即ち積層概念のシミュレーションはこれらの結果を確認する。同様の結果は、又、スタッキングが0.15ミクロンプロセス技術よりもより小さな寸法においてサブスレッシュホールド電流を更に減少させることを示している。従って、プロセス技術が小型化するに従い、スタッキング概念を使用することはより有益的なものとなる。
【0029】
仮想パワー及び接地トランジスタを付加することは各バッファに対して必要とされる面積を増加させる犠牲を伴う。図5は図4からの仮想トランジスタ124のうちの1つである仮想Vddを除去した別の実施例を示している。この実施例において、仮想Vddトランジスタは付加していないが、第一インバータのPMOSトランジスタ112を領域132によって表わしたVddウエル内に位置すべく製造すべきである。Vggは、典型的に、通常のパワーであるVddよりも10−15%だけ高い電圧を意味している。0.15ミクロンプロセス技術におけるシミュレーション結果は、Vggウエル内に位置すべくPMOSトランジスタ112を製造することはそのリーク電流を2を超える係数だけ減少させることを示している。これは、主に、スレッシュホールド電圧のVbsに対する依存性に起因するものであり、該電圧はベース即ち基板ウエルと該トランジスタのソース端子との間の電圧である。PMOSトランジスタのソースがVddへ接続され且つそのベース即ちウエルがVggヘ接続されると、VbsはVgg−Vddと等しく、リーク電流を減少させる。
【0030】
図6は更に別の変形実施例を示しており、それは、Vggウエル内にインバータPMOSトランジスタを製造することにより仮想Vddトランジスタを除去することに加えて、OMUX出力バッファを対構成にグループ化し、従って各バッファ対は共通仮想接地トランジスタを共用する。この図において、各バッファ150の第一インバータステージ(共通の論理記号で概略的に示してある)は図5に関して説明したように同じに製造される。第二ステージは、各バッファ対に対して1個の仮想接地トランジスタ152のみが付加され且つ各第二ステージインバータからのNMOSトランジスタ154のソースが仮想接地トランジスタ152のドレインへ接続される点が異なっている。単一メモリセル156がバッファ対に対する仮想接地トランジスタ152を制御する。この実施例は、更に、仮想接地トランジスタの数及び各OMUX出力バッファに対して図5のスタッキング技術を実現するために使用されるメモリセルの数を半分にすることによりスタッキングにより発生する面積上の犠牲を減少させる。
【0031】
然しながら、図6の実施例はFPGAをプログラムするのに必要な「配置及び経路付け」ソフトウエアに対して複雑性を付加させる。配置及び経路付けソフトウエアは、FPGAにおける設計を実現するために使用される自動化ツールの一部である。簡単に説明すると、ユーザがFPGAに必要とされる機能を決定した後に、論理ブロックをどのようにコンフィギュア(configure)即ち形態特定し且つそれらを一体的に接続させるかを決定する自動化ソフトウエアツールによりその設計が実現される。このプロセスにおける配置及び経路付けステップは、ユーザの論理を実現し且つ論理ブロックを一体的に接続させるためにどの論理ブロック及びどの相互接続線を使用するかを決定する。図6のスタッキング技術実施例は、この配置及び経路付け解析を複雑化させる。何故ならば、静的電力消費における減少を最大とさせるために、与えられた設計において使用されるバッファ及び使用されないバッファは異なるグループに分離されるべきだからである。使用されないバッファの仮想接地トランジスタがターンオンされる場合には静的電力消費における節約は存在しない。従って、可及的に可能な範囲において、配置及び経路付けソフトウエアは、同一の仮想接地トランジスタを共用するバッファ対を介して活性信号の対の経路付けを試みるべきである。
【0032】
資源の利用が非常に低い場合には、配置及び経路付けソフトウエアによる特別の経路付けの努力なしであってもリークの節約は顕著なものである。
【0033】
3つの異なるスタッキング技術実施例について上に説明したが、設計考慮事項に依存して単一のFPD内にこれら3つの全てを組込むことが不可能である理由は存在しない。
【0034】
使用されるスタッキング技術に拘わらずに、配置及び経路付けステップが完了された後に、該ソフトウエアは、仮想接地及び/又は仮想パワートランジスタを制御するメモリセルのプログラミングを決定せねばならない。当業者により理解されるように、このことは、使用されるバッファ及び使用されないバッファを識別し且つ仮想制御メモリセルを適宜「1」又は「0」で設定する簡明な手順である。仮想制御メモリセルをプログラミングするためのコンフィギュレーション即ち形態特定データは該装置に対するコンフィギュレーションデータファイル内に包含されている。
【0035】
図2に戻ると、図の左側には底部においてLVS及び上部においてLVNの記号を付けた垂直線が示されている。この線はアレイの高さ又は第二実施例においてはアレイ高さの半分にわたり走行することが可能な四本の垂直長尺線を表わしている。各行及び列はこのような長尺線を有している。然しながら、説明の便宜上、それらはこの単一の列においてのみ図示してある。
【0036】
図7は図2に示したような垂直長尺線上に信号を経路付けさせるために使用される構成体を示した回路概略図である。図の左側には10個の入力IN0−IN9 160が存在している。これらの入力は2ステージパストランジスタ選択マトリクス162に第一ステージにおける5個の入力と第二ステージにおける選択経路を制御する2個のパストランジスタの2つのグループを供給している。図7の上部にわたり該選択マトリクスを制御する7個のメモリセル164が存在している。左側から右側へ、最初の5個のメモリセルは図3に関して説明したのと同一の態様で選択マトリクスの第一ステージを制御する。6番目のメモリセルは図3に関して説明したのと同一の態様で選択マトリクスの第二ステージにおける下側のパストランジスタ166を制御する。第二ステージの上側のトランジスタ170は2入力NORゲート168により制御され、該ゲートはその入力のうちの一方を6番目のメモリセルの真出力から受取り且つその他方の入力を7番目のメモリセルの相補的出力から受取る。上側パストランジスタ170は、NORゲート168への両方の入力が低である場合にのみ「オン」である。NORゲート168は、第二ステージにおける上部トランジスタ170が不使用である場合にオフであることを確保することによりリーク電流を減少させ、且つ該NORゲートは1個のメモリセルより小型であり、従ってチップ上の空間を節約している。7番目のメモリセルの出力は図7の回路における幾つかの異なる構成体へ供給される。この7番目のメモリセルは、垂直の長尺線ドライバがユーザの設計において使用される場合にのみ論理「1」でプログラムされる。該ドライバが使用される場合には、NORゲート168は7番目のメモリセルの相補的出力から「0」を受取る。従って、この状態においてNORゲート168は6番目のメモリセルからの信号のインバータとして作用し、選択マトリクス162の第二ステージにおける導通経路を決定する。
【0037】
点線領域171内の構造は結合して長尺線上への信号を駆動するバッファとして動作する。領域171からのNANDゲート176は図7Aにおいてより詳細に示してある。NANDゲート176は2個のPMOSトランジスタ220及び2個のNMOSトランジスタ222及び224から構成されている。このNANDゲートの動作は当業者にとって容易に理解可能である。図7aに示したように、NMOSトランジスタ224のソースは仮想接地トランジスタ172のドレインへ接続している。図7に戻ると、7番目のメモリセルが論理「1」でプログラムされると、領域171における仮想接地トランジスタ172はオンし、該バッファをイネーブルさせる。NANDゲート176は7番目のメモリセルから論理「1」を受取り且つNORゲート178は7番目のメモリセルの相補的出力から論理「0」を受取る。当業者により理解されるように、これらの条件下において、両方の論理ゲートがパストランジスタマトリクス162の第二共通ノードへ接続しているデータ信号線180から来るそれらの他方の入力を反転させる。次いで、該バッファの第二インバータ182はデータ信号を再度反転させ、バッファ機能を完了する。NORゲート178の出力からフィードバック経路が設けられている。信号線180上のデータ信号が高である場合には、NORゲート178は該データ信号を反転させ、そのことはPMOSトランジスタ184をターンオンさせ且つデータ線180を高へ移行させる。ノード180上のデータ信号が低である場合には、NORゲート178は高信号を出力し、PMOSトランジスタ184をターンオフさせる。図3におけるように、por b信号はパワーアップにおいてのみ低へ移行し、全ての出力信号を論理1とさせる。por bにより制御されるトランジスタは非常に小型であり、且つその静的電力リークは無視可能なものである。
【0038】
図8は水平長尺線上の信号を駆動する回路を図示している。NANDゲート192と、NORゲート194と、インバータ196と、メモリセル198と、仮想接地トランジスタ200及びPMOSトランジスタ204とからなる点線領域190は図7に関して説明したのと同一の態様で動作する。図8が図7と異なる点は、選択マトリクス206がより少ない数の入力を有しており且つどの信号をバッファ190へパスさせるかを選択するためのデコーディング構成体の一部として2個のNORゲート208,210を包含している点である。NORゲート208及び210の各々は第三メモリセル198から1個の入力を受取る。NORゲート208は第一メモリセルからその第二入力を受取る。NORゲート210は第二メモリセルからその第二入力を受取る。第三メモリセルが論理「1」でプログラムされている場合には、図8の構成体はアクティブである。NORゲート208及び210は、第一及び第二メモリセル内に夫々プログラムされた値を反転させ、且つこれらのメモリセルのプログラミングは、どの信号が選択マトリクス206を介して通過されるかを決定する。NORゲート208に関連する第一メモリセルは選択マトリクス206の第一ステージを制御する。同様に、NORゲート210と関連する第二メモリセルは選択マトリクス206の第二ステージを制御する。第三メモリセルが「0」でプログラムされている場合には、NORゲート208及び210の出力は低である。
【0039】
図7及び8に関連して1つのスタッキング技術について説明したが、上述した技術の各々はこれらの図の構成に対しても適用可能である。例えば、OMUXドライバに対して図6において示したように、長尺線ドライバを対構成にグループ化させることが可能である。例示的なFPGAにおける特定のドライバを本発明の種々の実施例を使用して示したが、これらの技術を適用することが可能な本装置におけるその他のドライバが存在している。更に、一般的に、FPD業界はFPD上の経路付けマトリクス内のファンアウト容量及び速度を向上させるために任意の与えられた装置上でより多くのドライバを使用する傾向があり、装置の寸法が小型化するに従い本発明技術をより重要なものとさせる。
【0040】
本発明の上の説明は例示的なものであり且つ制限的なものでないことを意図している。本発明のその他の実施例は上の開示に鑑み当業者にとって自明なものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を使用可能なFPGAを図示したハイレベルのブロック図。
【図2】図1の1個のタイルを示したより詳細なブロック図。
【図3】図2のOMUXの一部の概略図。
【図4】(A)及び(B)は本発明のスタッキング技術の1実施例を示した各概略図。
【図5】本発明のスタッキング技術の1実施例を示した概略図。
【図6】本発明のスタッキング技術の1実施例を示した概略図。
【図7】本発明のスタッキング技術の1実施例を使用した垂直長尺線ドライバを示した概略図。
【図7A】図7の領域171の詳細を示した概略図。
【図8】本発明のスタッキング技術の1実施例を使用した水平長尺線ドライバを示した概略図。

Claims (11)

  1. サブスレッシュホールド電流効率的バッファにおいて、
    直列接続した第一及び第二インバータ、
    メモリセル、
    前記メモリセルにより制御され且つ前記第二インバータと接地との間に接続されているNMOSトランジスタ、
    を有しているサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  2. 請求項1において、更に、前記メモリセルの相補的出力により制御され且つ前記第一インバータと電力供給源との間に接続されているPMOSトランジスタを有しているサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  3. 請求項1において、前記第一インバータが電力供給源のものよりもより高い電圧でバイアスされている電圧ウエル内に位置すべく製造されたPMOSトランジスタを有しているサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  4. 請求項1において、前記電流効率的バッファが第一及び第二バッファを有しており、各バッファは直列接続されている2個のインバータを具備しており、且つ前記NMOSトランジスタが接地と各バッファの第二インバータとの間に直列接続されているNMOSトランジスタを有しているサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  5. 請求項4において、前記第一及び第二バッファの各々が、電力供給源のものよりもより高い電圧でバイアスされている電圧ウエル内に位置すべく製造されているPMOSトランジスタを有しているサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  6. 請求項1において、前記サブスレッシュホールド電流効率的バッファが論理ブロックと経路付けマトリクスとを具備しているフィールドプログラマブルデバイスの一部であるサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  7. 請求項1において、更に、電力供給源と前記少なくとも1個のバッファとの間に接続されており且つ前記メモリセルにより制御されるPMOSトランジスタを有しているサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  8. 請求項7において、前記メモリセルが、それと関連するバッファ対が不使用である場合に各PMOSトランジスタをターンオフさせるべく接続されているサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  9. 請求項1において、前記メモリセルが、それと関連するバッファ対が不使用である場合に各NMOSトランジスタをターンオフさせるべく接続されているサブスレッシュホールド電流効率的バッファ。
  10. フィールドプログラマブルデバイス(FPD)におけるサブスレッシュホールド電流を減少させる方法において、
    FPD内の選択したバッファに関しNMOSトランジスタを設け、
    前記NMOSトランジスタの状態を制御するためにメモリセルを設け、
    使用されていないバッファのNMOSトランジスタをターンオフさせるために前記メモリセルをプログラミングする、
    上記各ステップを有している方法。
  11. 請求項10において、更に、前記FPD内の選択したバッファに関しPMOSトランジスタを設け、且つ使用されていないバッファのPMOSトランジスタをターンオフさせるために前記メモリセルをプログラミングすることにより前記PMOSトランジスタの状態を制御することを包含している方法。
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