JP2004533535A - バーミキュライトホイルを製造するための方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、ガスケットシール用ホイルに関し、より詳細には、化学的に剥離したバーミキュライトに基づく、改善された特性を備えたシール層を有するホイルに関する。加えて、本発明は、該ホイルを製造及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
剥離バーミキュライト(exfoliated vermiculite)は、公知の耐熱性弾性材料である。剥離バーミキュライトは、ガスを用いて鉱物のバーミキュライトを膨張することにより従来から形成されており、この材料は、本明細書においては「ガス剥離バーミキュライト」と称される。ガスは熱的に生成され、その場合、製品は「熱的に剥離したバーミキュライト(TEV)」と称される。TEVはバーミキュライト鉱を750乃至1000℃までフラッシュ加熱(flash−heating)することにより生成され、その温度において、鉱物中の水分(遊離したもの、又は結合したもの)は急速に蒸発し、イオン反発力が原料を形成するケイ酸塩のシートを強制的に引き離し、それにより該シートの面と垂直な方向に10乃至20倍膨張する。形成された顆粒は、(水分の損失は別として)原料と実質的には同一である化学的組成を有する。ガス剥離バーミキュライトはまた、原料のバーミキュライトを例えば過酸化水素のような液体の化学薬品で処理することによっても形成され得、その場合、該過酸化水素がケイ酸塩のシート間に浸透し、次いで、例えば酸素のようなガスを生じさせ、剥離を引き起こす。
【0003】
剥離バーミキュライトの別の型は「化学的に剥離したバーミキュライト(CEV)」として周知であり、鉱物を処理し、それを水中にて膨潤することにより形成される。一つの可能な調製法において、鉱物を飽和した塩化ナトリウム溶液にて処理し、マグネシウムイオンをナトリウムイオンに変換し、n−ブチル塩化アンモニウムで処理することにより、ナトリウムイオンをn−C4−H9NH3イオンに置換する。水で洗浄すると、膨潤が起こる。膨潤した材料は、その後大きな剪断力にさらされ、非常に微細な(50μm以下の直径)バーミキュライト粒子の水性懸濁液が生成される。
【0004】
剥離バーミキュライトをシート状ガスケットの層、例えば自動車の排気ガスケット及びその他の目的にて、使用することは周知である。例えば、英国特許出願公告第2193953号は、ガス剥離バーミキュライトの粒子から形成されたシート状ガスケットの形成を開示している。そのような粒子はうまく凝集しないので、CEVの微細粒子により互いに結合される。結合剤としてCEVを使用することにより耐熱性及び弾性が保持される一方で、他の無機結合剤の使用は圧縮不可能な構造を生ずることとなる。しかしながら、剥離バーミキュライトは優れた耐熱性と高度の弾性を有するけれども、耐水性に乏しい。更に、そのような製品は低い固体含量にて高い水分含量を備えたCEVを用いて製造されるので、CEVを含む材料が水分の更なる漏れを防ぐ表皮を形成しやすいために、製造時に深刻な乾燥の問題を招く。
【0005】
国際公開第98/53022号には、シール層及び支持体層を備えたガスケットが開示されている。シール層は、該シール層の少なくとも25重量%の割合にてCEV成分を含む弾性材料から形成されている。CEV成分は、少なくとも部分的に乾燥CEVに由来する。シール層の耐水性を改良するために耐加水分解性ポリマー(hydrolysis resistant polymer)がまたシール層の20重量%未満の割合にて提供されている。
【0006】
ガスケットを製造する方法もまた記載されている。該方法は、湿ったシール層の生地(dough)を支持体材料に適用し、かつ湿ったシール層の生地を該支持体材料上にて乾燥することを含む。支持体材料はシール層のための芯を形成するとともに乾燥工程時に支持体を提供する。螺旋状に巻回されたガスケットもまた記載されている。
【0007】
ガスケットが一般的に切断されているか又は形成されているシール用ホイルは、破損することなく形成シート(forming sheet)から剥離され、梱包され、剥がれ、かつガスケットに加工されることが可能な十分な強度と可撓性を備えている必要がある。膨張黒鉛ホイルから形成されたシール用ホイルは、比較的脆弱ではあるものの、十分な強度を備えている。しかしながら、国際公開第98/53022号において、記載されているシール層がガスケット製造時の破損を避けるための十分な強度を持ち合わせていないことは明らかである。従って、螺旋状に巻回されたガスケットの形成時にシール層を支持するためにキャリアストリップが使用される。国際公開第98/53022号に記載された他の例はシール層上に形成された金属又はグラスファイバの芯を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
少なくとも幾つかの本発明の好ましい実施形態の目的は、改良された耐水性及び改良された耐破壊性を備えたシール層からなるホイルを提供することにある。応力保持における損失を低減するとともに低クリープ性を備えたシール層からなるホイルを提供することも更なる目的である。驚くべき改良点を備えたホイルを提供することは本発明の更なる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に従って、ガスケットのためのシール用ホイルを製造するための方法が提供され、該方法は、
(a)湿ったシール用ホイル材料を形成シートに適用して層を形成する工程と、
(b)該湿ったシール用ホイルからなる層を形成シート上にて部分的に乾燥する工程と、
(c)該層を形成シートから取り除き、芯を含まないガスケットシール用ホイルを形成する工程と、
(d)ガスケットの形成に使用するために、好ましくは切断して、該層を少なくとも一つの適切な形状に形成する工程と、を含み、該シール用ホイルは弾性材料からなり、該弾性材料はシール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、該CEV成分は少なくとも部分的に乾燥したCEVに由来する。
【0010】
本発明の第2の態様に従って、ガスケットのためのシール用ホイルが提供され、該シール用ホイルは弾性材料からなり、該弾性材料はシール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、該CEV成分は少なくとも部分的に乾燥したCEVに由来し、該シール用ホイルは芯キャリア材料を含んでおらず、該シール用ホイルは、ガスケット支持体層と組み合わせて使用するために、好ましくは切断することにより適切な形状に形成するのに適している。
【0011】
シール用ホイル層は、切断工程の前、又は後にガスケット支持体層と結合され得る。
本発明の第3の態様に従って、ガスケットのためのシール用ホイルの使用方法が提供され、該シール用ホイルは弾性材料からなり、該弾性材料はシール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、該CEV成分は少なくとも部分的に乾燥したCEVに由来し、該シール用ホイルはガスケットの製造において芯キャリア材料を含んでいない。
【0012】
本発明の第4の態様に従って、ガスケットを製造する方法が提供され、該方法は、
(a)弾性材料からなるシール用ホイルを適用する工程であって、該弾性材料が、シール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、該CEV成分は少なくとも部分的に乾燥したCEVに由来し、かつ該シール用ホイルはガスケット材料を形成するために支持体層への芯キャリア材料を含んでいない工程からなり、かつ、
(b)好ましくは切断することによりガスケット材料を形成し、それにより必要とされるガスケットの形状を形成する工程を選択的に含む。形成シートからシール用ホイルを取り除く工程(c)を第一の工程より先に実施することもできると考えられる。これに代えて、工程(b)を工程(c)の前に実施することもできる。好ましくは、本発明のシール用ホイルはシール用ホイルとして使用される前に少なくとも部分的に乾燥している。
【0013】
弾性材料はまた、該シール用ストリップの耐水性を改善するために耐加水分解性ポリマーからなり、該ポリマーの割合は、シール用ストリップの20重量%を超えていないことが好ましい。
【0014】
驚くべきことに、CEVのそのようなレベルにおける使用は、支持体としての芯材料を使用することなしに、乾燥した、又は半乾燥したホイルとしてガスケットの製造時に使用されるべく充分な強度を有するシール用ストリップを提供することが見出された。これに対し、これまでは、芯、又はキャリアストリップを使用することなくそのような目的のためにシール用ホイルにバーミキュライトを使用することは脆弱すぎると言われてきた。
【0015】
好ましくは、弾性材料はプレート状フィラー材料、好ましくは、破砕されたフィラー材料を更に含む。
シール用ストリップは、製造における使用時、好ましくは、該シール用ホイルが形成される形成シートからの除去時に、少量の水分を含んでいることが好ましい。
【0016】
水分はホイルの脆弱性を充分に低減するか、又はホイルの接着性を充分に増大し、製造及び該形成シートからの除去において層間剥離又は引き裂きのようなホイルに対する損傷をなくすことが好ましい。
【0017】
本発明のガスケットは、無論、静的部材、又は動的部材の間に従来のシールを提供することができる。
CEVの割合は、シール用ホイルの少なくとも30重量%であることが好ましく、シール用ホイルの少なくとも35重量%であることがより好ましい。
【0018】
典型的には、CEVのレベルは、シール用ホイルの25乃至80重量%の範囲内にあり、より典型的にはシール用ホイルの30乃至75重量%であり、最も典型的には、シール用ホイルの35乃至70重量%である。
【0019】
該ポリマーの割合は、シール用ホイルの15重量%未満であることが好ましく、より好ましくは10重量%未満である。シール用ホイルの7.5重量%未満のポリマーレベルであることが特に好ましく、1.0乃至7.5重量%の範囲のポリマーレベルは更により好ましい。
【0020】
シール用ホイルの長さは以下の工程にて使用するために適する長さである。ホイルは平坦に梱包されているか(flat packed)又はロールに巻かれた状態で保存することができる。例えば、1mより長い長さのホイルを使用することができ、例えば、5mまで、又は5mより長い長さのホイルを使用することができる。
【0021】
好ましくは、本発明の化学的に剥離されたバーミキュライト成分は、充分に乾燥したCEVを含み、引き続く剥離が起こる前に乾燥させることが可能な低減された水分含量を湿ったシール層の生地に提供する。
【0022】
耐加水分解性ポリマーという用語は、シリコン及び炭素系のエラストマー系ポリマーのような任意の適切なエラストマーを含む。本発明での使用に適したポリマーには、ニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、シロキサン(特に、ジアルキルシロキサンのような有機シロキサン類)及びエチレン−プロピルジエンモノマーが含まれる。ジエン系のポリマーは、可撓性を備えるとともに加水分解に耐え得ることから適している。
【0023】
ガスケット製造のための支持体層は、螺旋に巻回されていないガスケットを形成するためにシール用ホイルと結合され得る任意の適切な支持体材料から形成され得る。
適切な支持体層材料は、ステンレス鋼及び炭素鋼を含み、いずれも固体金属芯又は薄いシートの形状であり得る。固体金属芯は適切に形状化又は加工され、シール層を受承し得る。
【0024】
薄いシートは固形のシート、突起を備えたシート、又はミシン目のあるシート(perforated sheet)の形状であり得る。突起を備えたシートが特に好ましい。その他の適切な支持体としては、伸張した金属又は織布ガーゼのようなワイヤメッシュ、グラスファイバーメッシュのようなファイバーメッシュ、布、又はティッシュのような不織布が挙げられる。
【0025】
本発明の第5の態様に従って、弾性材料からなるシール用ホイルを有するガスケットが提供され、該弾性材料は、シール用ホイルの少なくとも25重量%の割合にてCEV成分を含み、該CEV成分は、少なくとも部分的に乾燥CEVに由来し、該シール用ホイルはガスケットの製造時にシール用ホイル弾性材料の3乃至20重量%の間の水分レベルを有する。
【0026】
製造時のシール用ホイルの水分レベルは、該シール用ホイルの弾性材料の2乃至10重量%であることが好ましく、より好ましくは3乃至5重量%である。
シール用ホイルは80%の弾性材料からなることが好ましく、より好ましくは90%の弾性材料からなり、実質的には殆ど全体が弾性材料から構成されていることが最も好ましい。
【0027】
本発明のこの態様に従うシール用ホイルは、芯材料又はキャリアストリップを含み得るか、又は含まない。
第1の態様の乾燥工程の前に、湿ったシール用ホイル材料の固体含量が、該材料の20乃至70重量%の範囲であることが好ましい。
【0028】
工程(c)は工程(d)の後に実施可能であることも考えられる。
形成シートは、湿ったシール用ホール層に適用される乾燥温度に耐え得るものである。形成シートは、ステンレス鋼、PTFEのような非反応性ポリマー、又はホイルが粘着しないその他の適切な材料であり得る。
【0029】
該シール用ホイル層の固体含量は、湿った材料の25乃至60重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、湿った材料の30乃至55重量%であり、最も好ましくは湿った材料の35乃至50重量%である。
【0030】
本発明の任意の態様に従って、CEVは熱的に剥離したバーミキュライト(TEV)のような適切な平板状の充填材と混合されると好ましい。該充填材は破砕されていると好ましい。充填材は、シール用ストリップの75重量%未満であることが好ましく、より好ましくは70重量%未満であり、最も好ましくはシール用ホイルの65重量%未満である。形成シートからの除去時に部分的に乾燥した層の水分含量は3乃至20重量%であることが好ましく、より好ましくは5乃至15重量%であり、最も好ましくは7乃至13重量%である。形成シートは連続的であり得るか、又は連続的ではない移動ベルト(moving belt)であり得る。多くの場合、層中のTEVの含量は、55重量%未満である。
【0031】
更なる乾燥工程は、形成層からシール層用ホイル材料を除去した後に実施され得る。これに代えて、形成層上にて空気乾燥することもできる。
本発明に従う、湿ったシール用ホイル層材料の生地は、50乃至135℃の温度にて乾燥され得、より好ましくは60乃至130℃、最も好ましくは80乃至125℃にて乾燥され得る。該材料は室温付近の温度にて乾燥することもできるが、これでは商品化することが難しいであろうということが予見できる。
【0032】
湿ったシール用ホイル材料はドクター・ブレードを使用する等の適切な塗布技術を用いて形成シート上に薄く塗られる。カレンダー掛けも考えられる。
湿ったシール用ホイル材料は、塗布可能なペーストの形状であることが好ましく、好ましくは、薄いペースト又は高い粘性を備えたスラリーが使用される。
【0033】
乾燥したシール用ホイル中における非乾燥由来のCEVと乾燥したCEVとの相対比は0.01:1乃至20:1であることが好ましく、より好ましくは0.05:1乃至10:1の間であり、最も好ましくは、0.1:1乃至4:1の間である。
【0034】
CEVは、例えばTEVのようなガス剥離バーミキュライトと比較した場合比較的高価な材料であるために、本発明に従う螺旋状に巻回していないガスケットにおいて、弾性層はガス剥離バーミキュライトの粒子から構成することもでき、例えば、ホイルはCEV粒子と結合したガス剥離バーミキュライトから構成することもできる。使用される材料は破砕されるか、そうでなければ、50μm未満の粒子径にまで粒子径が低減される。しかしながら、少なくとも実質的な比率の粒子径は50μmより大きく、好ましくは50乃至300μmであり、より好ましくは50乃至250μmであり、最も好ましくは50乃至200μmである。その他の可能な添加物には、タルク、マイカ、剥離していないバーミキュライトが挙げられる。
【0035】
乾燥CEVとは、CEVが20重量%未満の水分含量を、より好ましくは10重量%未満の水分含量、最も好ましくは5重量%の水分含量を有することを意味する。
湿った材料中のCEVの成分は、乾燥したCEVとスラリー状にて入手可能なCEVの混合物からなることが好ましい。しかしながら、許容可能な固体含量を与えるために充分に乾燥したCEVを使用することは必要である。湿った材料中に高含量の固体が存在することは、本発明に従って高含量の固体を維持しながらも、引き続く乾燥工程における剥離を低減するのに役立つ。
【0036】
乾燥CEVは適切な乾燥技術により調製されることが好ましい。適切な乾燥技術としては、ケーキ乾燥及び微粉砕、フィルム乾燥及び微粉砕、回転式熱風乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、圧縮空気乾燥、部分的に乾燥した固体の流動層乾燥及び棚式真空乾燥を含む真空法が挙げられる。
【0037】
好ましくは、本発明の任意の態様の任意の特徴又は任意の好ましい特徴は、第1の態様と組み合わせることができ、従って、第2の態様における方法において第1の態様を参照できると解釈されるべきである。
【0038】
使用時に、耐加水分解性ポリマーは結合剤によってバーミキュライトと結合され得る。
本発明のこの好ましい態様に従うガスケットにおいて、該層は、バーミキュライトと結合剤のみを含む材料よりも更に耐水性があり、また、バーミキュライトとポリマーのみを含む材料よりも更に耐水性がある。
【0039】
結合剤は、例えばトリエトキシビニルシラン(CH3CH2O)3SiCH=CH2のようなビニル基を有するシランのようなシランであり得る。
剥離しない(膨張する)バーミキュライトから弾性材料を構成することも可能であり、該バーミキュライトはガスケットの加熱において、例えば、そのままでTEVを形成して、弾性層を膨潤し、結果としてシール能を向上させることができる。
【0040】
弾性材料は、接着剤によって支持体層と結合可能であるが、機械的に結合されている場合有利であり得る。しかしながら、接着剤を必要としないことが好ましい。
本発明の任意の態様に従うガスケットにおいて、プレート状のフィラー粒子は、存在する場合、ストリップの面に配向する傾向にあり、多数の小さな板バネのように作用し、それにより、シール能が向上する。
【0041】
本発明の任意の態様に従って、プレート状のフィラーは、タルク、二硫化モリブデン、六方晶系窒化ホウ素、石鹸石、葉蝋石、破砕された熱的剥離バーミキュライト、マイカ、フルオロマイカ、粉末状グラファイト、ガラスフレーク、金属フレーク、セラミックフレーク、又はカオリナイトからなる群から選択され得る。しかしながら、特に好ましいバーミキュライト材料は、例えば、WRグレース社(W R Grace&Co.)より入手可能なFPSVのような実質的に50乃至300μmの範囲のプレートのサイズを備えたものである。FPSVは、WRグレース社の登録商標である。
【0042】
一般に、プレート状フィラーは、平均的な厚みの少なくとも三倍であるプレートの平均幅を有する。
シール層は、例えば20乃至50重量%のような、プレート状フィラーの5乃至80重量%を含み、プレート状フィラーの25乃至40%が乾燥したシール層中に存在していることが好ましい。
【0043】
剥離バーミキュライトに基づくシール用ホイルからなるガスケットを提供することは本発明の任意の態様の更なる目的であり、該ホイルはポリマー結合剤からなり、該ホイルは、結合剤が分解する温度にて改良されたシール能を提供する。
【0044】
選択的に、本発明の任意の態様のシール用ホイルはまた、該耐加水分解性ポリマーが分解する温度にて拡張するように選択される膨張性材料からなる。
本発明の選択的な特徴に従うガスケットにおいて、結合剤の分解を引き起こす温度にて、膨張性材料は、結合剤により残された空隙を少なくとも部分的に満たすべく膨張し、それによりシール性の維持が支援される。
【0045】
膨張性材料は剥離していないバーミキュライトであることが好ましい。その理由は、剥離後に良好な耐熱性を有するからである。別の可能性は、部分的に剥離したバーミキュライト、即ち、完全に剥離するのに通常必要とされるよりも低い温度にて剥離されたバーミキュライトを使用することである。剥離していないか、又は部分的に剥離したバーミキュライトは剥離が起こる温度まで温度を低減するために(それ自体公知である方法によって)処理され得、例えば温度は、160℃まで低減され得る。その他の可能な膨張性材料は、膨張可能な黒鉛、ケイ酸ナトリウム、及びパーライトを含む。
【0046】
ホイルの幅は、少なくとも10cmであることが好ましく、より好ましくは少なくとも20cm、最も好ましくは少なくとも30cmである。特に好ましいのは、例えば1.3mのような1mより大きな幅のホイルである。
【0047】
膨張性材料は層の50重量%まで形成され得るが、20%までであることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明をより理解するために、その実施形態を実施例により以下に記載する。本発明の異なる態様に従う例示的な実施例の詳細な説明に進む。
方法A
ペーストは以下の方法にて調製される(Z−ブレードミキサー):
グレース社製 Microlite HTS分散剤 18.07kg
グレース社製 Microlite PCEV粉末 9.49kg
グレース社製 FPSV粉末 6.58kg
NBR溶液* 6.10kg
Silquest A151 シラン** 0.19kg
注:FPSVは微細に破砕されたTEVである。
*:これは、パペンマイエル(Papenmaier)社製の高剪断(high sheer)高速溶液ミキサにおいて調製される;500gのNBR小片を2500gのトルエンに加え、5分間混合し(最高速度にて)、31.3gのPerkadox BK 40B(過酸化物硬化剤)を添加し、更に5分間混合し、密封可能な容器に移す。
**:0.103kgのシラン(エタノール溶液)と等価である。
【0049】
a)シラン及びゴム溶液を除く全てを添加する。5分間混合する。
b)シランを加えて5分間混合する。
c)NBR溶液を加えて5分間混合する。清潔なプラスチック製バッグ中へ注入し、それをプラスチック製容器にて密封する。
【0050】
方法Aの変形例
2.50kgのラテックスが6.10kgのゴム溶液に相当するように水系ラテックス(40%が固体成分)の形態にて含まれる乾燥重量が5%のNBRを含んだラテックス系のペースト(サンプル5)。
【0051】
上記処方からポリマーを除いたものであるポリマーを含まないペースト(サンプル1乃至4)。
上記サンプル5におけるラテックスの量を半分にすることにより調製された2.5%ラテックスペースト(サンプル9)。
【0052】
更なる実施例
既に述べた方法にて更に二つのサンプルを調製したが、ニトリルラテックス(Breon1562(NBRラテックス)、40%の固体成分)に基づく溶媒を含まないペーストの改変物を用いる。これは、所定のサイクルに基づいて混合され、1.02kgのラテックスをゴム溶液と置き換えた。溶媒の除去は、ペーストを安全に輸送する(特に空路輸送の場合)ことを可能にするために意図されたものである。
【0053】
適用方法
ペーストは濃厚なスラリーの形態(「バタークリーム」のような粘度)にて適用しなければならず、かつ以下に示されたペーストの処方物に水を加えて希釈することにより調製される。2部のペースト(2kgまで)を取り、清潔な容器中で一握りの大きさの塊まで破砕し、(重量で)1部の水を該容器に注ぎ、均一な調度となるまで撹拌する。ペーストの好ましい処方(更なる水を含まないもの)を以下に示す。約0.6mmの厚みまで乾燥した均等にコーティングされたペーストを0.1mmまでの厚みの形成シートに約2mmに設定されたドクター・ブレードを用いて適用する。ペーストを室温にて乾燥させ、直後に形成シートを除去してペーストのフィルムを得る。幅が124mmで5mまでの長さのホイル状のフィルムは使用可能な状態となる。典型的に、ホイルは予め圧接ローラを通過させてより可撓性にする。
【0054】
一方法において、コーティング装置を一定の割合にて通過するように、形成シートを駆動する可能性も考えられる。
使用したCEVは、約15%の固体成分を有するWRグレース社製のHTS分散剤である。使用した乾燥CEVは、WRグレース社製の「Microlite粉末」である。FPSVもまた、WRグレース社から入手した。これらの実施例において使用されたゴムはゼオン(Zeon)社から入手したニトリルゴムN36C80である。
【0055】
読者の注意は、本願に関連した、本明細書と同時に若しくは以前に提出された全ての書類及び文書に向けられている。該書類及び文書は本明細書とともに公開され、かつ該書類及び文書の全ての内容は参照として本明細書にて援用される。
【0056】
本明細書に開示された特徴の全て(添付した請求の範囲、要約書、及び図面を含む)及び/又は開示された任意の方法又はプロセスの工程の全ては、それらの特徴及び/又は工程の少なくとも幾つかが互いに他を排するような組み合わせを除いて、任意の組み合わせにおいて組み合わせることができる。
【0057】
本明細書に開示された特徴の各々(添付した請求の範囲、要約書、及び図面を含む)は、表現的に異なるように記載されていない限り、同様の、相当の、又は類似の目的に供される代替の特徴に置き換えることができる。従って、表現的に異なるように記載されていない限り、開示された各特徴は、一般的、かつ一連の同等、又は類似の特徴の一実施例のみである。
【0058】
本発明は、上述の実施形態の詳細な説明に限定されるものではない。本発明は、本明細書(添付した請求の範囲、要約書、及び図面を含む)に開示した特徴の任意の新規なもの、若しくは任意の新規な組み合わせ、又は、開示された任意の方法又はプロセス中の工程の任意の新規なもの、若しくは任意の新規な組み合わせに及ぶものである。
Claims (15)
- ガスケットのためのシール用ホイルを製造する方法において、
(a)湿ったシール用ホイルの材料を形成シートに適用して層を形成する工程と、
(b)該湿ったシール用ホイルからなる層を形成シート上にて部分的に乾燥する工程と、
(c)前記層を形成シートから取り除き、芯を含まないガスケットシール用ホイルを形成する工程と、
(d)ガスケットの形成に使用するために、好ましくは切断して、該層を少なくとも一つの適切な形状に形成する工程と、を含み、
前記シール用ホイルは弾性材料からなり、該弾性材料は該シール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、前記CEV成分は、少なくとも部分的に乾燥CEVに由来する方法。 - 弾性材料からなるガスケットのためのシール用ホイルにおいて、
前記弾性材料は該シール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、前記CEV成分は、少なくとも部分的に乾燥CEVに由来し、前記シール用ホイルは芯キャリア材料を含んでおらず、前記シール用ホイルは、ガスケット支持体層と組み合わせて使用するために好ましくは切断して適切な形状に形成するのに適しているシール用ホイル。 - 前記シール用ホイル層は切断工程の前、又は切断工程の後にガスケット支持体層と結合される請求項1に記載の方法。
- ガスケットのためのシール用ホイルの使用方法において、
前記シール用ホイルは弾性材料からなり、該弾性材料は、該シール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、前記CEV成分は、少なくとも部分的に乾燥CEVに由来し、前記シール用ホイルはガスケットの製造時に芯キャリア材料を含んでいない使用方法。 - ガスケットの製造方法において、
(a)弾性材料からなるシール用ホイルを適用する工程であって、前記弾性材料は該シール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、前記CEV成分は、少なくとも部分的に乾燥CEVに由来し、前記シール用ホイルはガスケット材料を形成するために支持体層への芯キャリア材料を含んでいない工程を備え、かつ、
(b)好ましくは切断により前記ガスケットを形成し、それにより所望のガスケット形状を形成する工程を選択的に備える方法。 - 前記シール用ホイルを形成シートから取り除く工程(c)は工程(a)より先に実施される請求項5に記載の方法。
- 工程(b)は工程(c)の前に実施される請求項5又は6に記載の方法。
- 前記シール用ホイルはシール用ホイルとして使用される前に少なくとも部分的に乾燥している請求項1、3又は5乃至7のいずれか一項に記載の方法。
- シール用ストリップは製造工程の使用時に、少量の水分を含んでいる請求項1、3又は5乃至8のいずれか一項に記載の方法。
- シール用ストリップは前記シール用ホイルが形成される形成シートからの除去時に少量の水分を含んでいる請求項1、3又は5乃至9のいずれか一項に記載の方法。
- 弾性材料からなるシール用ホイルを有するガスケットにおいて、
前記弾性材料は該シール用ホイルの少なくとも25重量%の割合でCEV成分を含み、前記CEV成分は、少なくとも部分的に乾燥CEVに由来し、前記シール用ホイルは前記ガスケットの製造時において前記シール用ホイルの弾性材料の3乃至20重量%の水分含量を有するガスケット。 - 第1の態様の乾燥工程前に前記湿ったシール用ホイル材料の固体成分が該材料の20乃至70重量%の範囲となる請求項12に記載のガスケット。
- 前記湿ったシール用ホイル層材料の生地は50乃至135℃の間の温度にて乾燥される請求項1、3、又は5乃至10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記弾性材料は、ガスで剥離されたバーミキュライトの粒子からなる請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法、ガスケット、又はシール層。
- 使用される材料が破砕されるか、又は粒子径が低減されている請求項14に記載の方法、ガスケット、又はシール用ホイル。
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