JPH04194463A - 高温用リングガスケット - Google Patents

高温用リングガスケット

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JPH04194463A
JPH04194463A JP2322330A JP32233090A JPH04194463A JP H04194463 A JPH04194463 A JP H04194463A JP 2322330 A JP2322330 A JP 2322330A JP 32233090 A JP32233090 A JP 32233090A JP H04194463 A JPH04194463 A JP H04194463A
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JP
Japan
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ring gasket
gasket
ring
sheet
inorganic
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Application number
JP2322330A
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English (en)
Inventor
Masami Tokoro
所 雅美
Kazuhiko Shiratani
和彦 白谷
Masahiko Miura
三浦 正彦
Shizuo Itani
静雄 井澗
Keiichi Sakashita
敬一 阪下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Nippon Gasket Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Nippon Gasket Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高温用リングガスケットに関し、特に内燃機
関の排気系部品な、ど高い温度条件のもとでも優れたシ
ール性および耐熱性を有するリングガスケットについて
の提案である。
〔従来の技術〕
上記の用途に用いられる高温用リングガスケットは、膨
張黒鉛シートや石綿を主原料とし、他に弾性を付与する
ための天然ゴムあるいはニトリルゴム(NBR)、スチ
レンブタジェンゴム(SBR)などの弾性物質と、必要
に応じて添加される加硫剤等の補助剤を用いたものをリ
ング状に加工し、金属材で巻装して構成されたものが一
般的である。
ところで、上記した用途に用いられるリングガスケット
を構成するシート材としては、石綿と弾性物質とを加熱
成形して得られる“ジヨイントシート1、および石綿と
エマルジョンラテックスなどの弾、性物質を混合したス
ラリ、−を、抄造成形して得られる°′ビータシート”
などがあった。
これら既知のリングガスケット構成材は、主としてアス
ベストの繊維を60〜95重量%含有してぃる。そのた
めに、リングガスケットを製造する際はもちろんのこと
、このアスベスト繊維を施工した施設からアスベストの
粉が飛散するため、健康障害を引、き起こす恐れがあり
、改善が望まれていた。
そこで、我国では、昭和49年の国際ガン条約調印を発
端に、これまでに種々の法令でその取り、  扱いを規
制してきた。例えば、昭和51年4月1日付で「特定化
学物質等障害予防規則」を設けたこと、昭和53年3月
30日に労働基準施行規則の一部を改正し、ガン源性物
質、ガン混性因子、またはガン源性工程を含む業務に起
因した疾病について、「アスベストにさらされる業務に
よる肺ガンまたは中皮腫」を指定したことなどがある。
また、米国環境保護片(EPA)においては、1983
年1月にアスベスト製品の使用禁止についての提案がな
され、1986年6月には行政管理予算局(OMB)の
了解を得て1988年1月より建材製品への禁止を提案
すると共に、1991年よりの全面使用禁止を提案して
いる。
そして、米国3大ガスケツトメーカーは、この、 提案
を段階的に受は入れる宣言を、1986年7月に採択し
ている。
また、これらの国に限らず国際的にも、1986年−6
月の国際労働機構(ILO)の提案によって、°°石綿
の利用における安全に関する条約と勧告”′と題された
討議・審議がなされている。
このような国際情勢の下で、最近では、アスベスト代替
繊維として、セピオライト繊維、ガラス゛繊維、カーボ
ン繊維およびスヂンレス繊維等の無機質繊維あるいは、
芳香族ポリアミド繊維、フェノール繊維およびポリエチ
レン繊維等の有機質繊維を用いることが考えられており
、これらの繊維゛によってガスケットを製造した試みも
ある。
また膨張黒鉛シート掌金属で巻装してなるリングガスケ
ットにおいては、比較的温度の低い部分や高温でも酸素
濃度が低い場合における使用に対しては有効だが、特に
高温下で使用した場合、巻装した金属が変形し、金属同
士の接合部が離れて開口し、内部の膨張黒鉛シートが大
気に曝され酸化焼失するという問題点があった。
さらに、近年自動車の高出力化および高速燃費低減のた
め、排気ガス温度は上昇する傾向にある。
かかる高温下においては、排気系部品の接合フランジ部
分の熱変形量は極めて大きく、従来のリングガスケット
を用いた場合、復元率が不足し排気ガスが漏れるという
問題点もあった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のように、アスベスト繊維を用いたリングガスケッ
ト構成材は公害の問題を抱えているとともに4600°
C付近までは良好な物性を保持しうるものの、それより
も高い、例えば950°C以上の高温においては、結晶
水の脱水により強度劣化が起る欠点があった。
また一方で、前記アスベスト代替繊維としての無機質繊
維あるいは有機質繊維等を使用したリングガスケット構
成シートにも次のような問題点があった。
すなわち、前記無機質繊維のうち、例えばセビオライト
などは結晶水を持っているため、高温域で前記アスベス
トと同様に強度劣化が生じる。しかも、この無機繊維単
体でガスケットを製作した場合、アスベストを使用した
ガスケットと同様に強度や復元率等が劣るという問題点
があった。特に、無機質繊維のうち例えばカーボン繊維
や有機質繊維のうち例え・ば芳香族ポリアミド繊維、フ
ェノール繊維およびポリエチレン繊維、さらに膨張黒鉛
シートなどは、200°C付近からの特性劣化が著しく
、とくに400℃以上では完全に炭化または焼失して結
合劣化が起るため、400℃以上の高温下では使用する
ことができないという問題点があった。       
     ・ さらに、従来のリングガスケットG1において巻装した
金属材2の接合一部6′は突合わ□せ接合であるため、
熱変形等により・この接合部6′が離れて開口するとい
う問題点があった(第2図参照)。
また、その他の従来リングガスケ・ットG2には第3図
に示すようなものがある。このガスケア)Gtは、金属
材2の遊端を重合させクリンチ加工した接合構造6“が
考案され、そして実施されているが、この接合構造6″
は、一般に装着する相手フランジ5部分にて拘束状態で
組付けられる。
かかるクリンチ加工したリングガスケットG2の接合構
造6“は、前記接合部のように開口することはないが、
リングガスケットを構成するシート1材が拘束されるた
め、シート1自体の復元特性が活用されない。すなわち
膨張シート1を用いる場合、膨張シート1の膨張力が巻
装した金属材2により拘束されてしまうという問題点が
あった。
さらに、従来のリングガスケット断面は、製造時にほぼ
真円となっており、装着時相手フランジに締め付けられ
、断面はレーストラック状に近くなる。その結果、外被
材に応力集中点が発生し、圧縮、復元の繰り返される条
件下で、前記要因にもとづ(疲労によりバネ特性の低下
を招くと共に外被材の亀裂原因を生み、耐久性が悪くな
るという問題点があった。
本発明の目的は、アスベストを素材とするリングガスケ
ットの、環境公害などの上述した問題点、および各種無
機繊維を使うことによる引張強度や弾性率の低下、さら
にはリングガスケットにおいて巻装してなる金属当接部
分の開口による、リングガスケット構成材料シートの熱
的劣化、それに伴うリングガスケット機能の低下、すな
わちシール機能や信頼性、耐久性などが不足すると言う
問題点を解消し得る高温用リングガスケットを提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、強度や復元率等の特性劣化によるリングガス
ケットとしての性質、すなわちシール機能、信顧性、耐
久性の低下を克服するものとして、まず無機繊維を配合
することによって耐熱性を向上させ、また未膨張バーミ
キユライトを用いることによって、特に高温での復元率
等をより一層向上させ、さらに無機質結合材を用いるこ
とによって高温域における強度を補償し又は、有機結合
材や天然有機繊維を用いることによりリングガスケット
としての加工性および装着性を向上させたものである。
すなわち本発明は、無機繊維、未膨張バーミキユライト
および無機質結合材と、有機質結合材と天然有機繊維の
いずれか1種又は2種以上とからなるシート状物を、リ
ング状に加工した後、これを金属材で巻装してなる高温
用リングガスケットである。
さらに本発明にて使用する未膨張バーミキユライト↓よ
、その粒子層間イオンを有機酸ナトリウムで置換するこ
とにより、加熱膨張特性を向上し、また前記未膨張バー
ミキユライトの加熱膨張特性を有効利用するために巻装
した金属に遊嵌部を設け、かつその重合部分に固体潤滑
材を塗布したので、■フランジ間で圧縮された状態でも
断面が真円に近い形状を維持し、■急激な排気ガス温度
の変化に追随できるバネ特性と耐久性とを具え、かつ低
コストなリング状ガスケットを提供することができる。
【作 用〕
本発明に従うリングガスケットを構成する主体の1つは
無機繊維である。無機繊維は、シリカアルミナ系セラミ
ックファイバー、シリカファイバー、アルミナファイバ
ー、ウオラステナイト等を用いることができるが、汎用
性およびコスト等を考えるとシリカアルミナ系セラミッ
クファイバーが望ましい。
かかるシリカアルミナ系セラミックファイバーには、い
わゆる“′ショット“と呼ばれる非繊維状物が含有され
ていることがある。この非繊維状物質“ショット”4は
、ガスケットの特性向上にあまり貢献するものではない
ので、含まない方が良い。
従って、この繊維中に含まれる非繊維状物、実質的には
長さが44μm以上の非繊維状物は無機繊維対比で20
%以下に抑えることが望ましい。
また、このセラミックス無機繊維の繊維径は20μm未
満のものであることが望ましい。なぜならこの繊維径が
20μm以上になると、単位体積当りの繊維数量が少な
(なるために、シート材の密度が低下するとともに、製
造工程における抄造後のプレス工程において折損を起こ
し易いために、気密性(シール性)あるいは引張強さを
悪化させるからである。この繊維径はとりわけ1〜3μ
mの範囲内のものが有利である。
さて、リングガスケット構成シート材は、一般に、圧縮
復元特性に優れたものでなければならないから、配合さ
れる無機繊維の特性としては、剛直性に優れるとともに
シート状態を保持する能力(保持性)に優れていること
が必要である。本発明の高温リングガスケット用のシー
ト材は、上述の如き性質の無機繊維を10〜50−t%
配合することが好ましい。かかる無機繊維の配合量が1
0wt%より少ないと、高温での復元率および引張強さ
が低下する。一方、配合量が50−t%より多いと、繊
維が折損し易く、却って引張強さが低下することに加え
、気密性の低下が生じる。
このため、本発明の高温用リングガスケット用のシート
材においては、高温での復元率や耐熱性を向上させるた
めに、未膨張バーミキユライトを配合する。この未膨張
バーミキユライトというのは、薄片多重構造の粒子状物
であり、Si −0四面体層とMg −0(OH)また
はAl−0八面体層との2:1型層構造を基本とし、そ
れらが眉間に水を介してつながった雲母状構造の含水鉱
物であって、弾力性や断熱性に優れる物質である。しか
も、この未膨張バーミキユライトは、加熱すると脱水し
て剥離膨張し10〜25倍に伸長する特性を有する。た
だ、眉間の結合力が乏しいため、少しの外力で薄片化し
てしまうから単独にて形態を維持することは難しい。本
発明では上述したように、リングガスケットの断面形状
が如何なる圧縮応力下においても真円に近い形状、すな
わち、リングガスケット及びその内部シートに均一な圧
力がかかる設計であることから、バーミキュライトの薄
片化も極めて起こりにくい。
また本発明では、このようなバーミキュライトの特性は
、有機酸ナトリウムを用いた処理によって、さらに有効
に利用できることを知見した。以下にその理由を説明す
る。
一般に未膨張バーミキユライトの膨張率や弾力性は、粒
径の大きさに比例することが知られている。ところがシ
ート材の製造に供するバーミキュライトは、分散性が良
く、かつ粒径の小さいものが好まれる。
そこで本発明においては、粒径0゜1〜2.8鵬の小さ
いバーミキュライトを使うこととした。ところが、粒径
の小さいバーミキュライトを使用すると、得られたシー
トは、膨張力および弾性力ともバーミキュライトの粒径
に比例し・て小さいものとなった。これは歓迎すべきこ
ととは言えない。−さて、本発明者らは、先に有機酸ナ
トリウムによりバーミキュライト粒子の眉間のカチオン
を置換することにより、膨張力および弾性力が上昇し、
さらに置換していないバーミキュライトよりも低い温度
から膨張することを知見している(特開昭59−230
737号公報参照)。これは、バーミキュライトの粒径
が小さいものでも、有機酸ナトリウムで処理をすれば同
様の効果を得ることができることを意味している。  
′   ゛ そこで本発明では、この現象に着目して、有機酸ナトリ
ウム処理を施した未膨張バーミキユライトを使用するこ
とにより、特性の優れたシート材を製作することとした
。 ′ なお、このような有機酸ナトリウムによる処理、すなわ
ち上記有機酸ナトリウム水溶液中に未膨張バーミキユラ
イトを浸漬する処理を行うことにより、未膨張バーミキ
ュライトの膨張力が向上する理由は、眉間のカルシウム
イオンまたはマグネシウムイオンが、ナトリウムイオン
に置換されることにより、加熱時に眉間の水が抜けにく
くなるためであると考えられる。
以上説明したように、本発明の高温用ガスケットを構成
するシート材には、上述の如き性質の未膨張バーミキユ
ライトを用いるが、その量は5〜80−t%とすること
が好ましい。なぜなら、5wt%よりも少ないと、シー
トの膨張力が少なくなるために高復元率のものが得難い
。一方80w t%より多いと、バーミキュライトは粒
状のた。め引張強さが著しく低下してしまう。
次に、本発明においては、無機質結合材を配合する。無
機質結合材が少なすぎると、耐熱強度が不足するし、ま
た多すぎると、前記未膨張バーミキユライトの膨張力を
拘束してしまう。望ましくは1〜30w t%の範囲と
する。
かかる無機質結合材としては、モンモリロナイト、クレ
ー、タルク、カオリナイト、合成四ケイ化弗素型雲母な
どが好適である。      。
さらに本発明では有機質結合材および天然有機繊維のい
ずれか一種または二種を用いる。
有機質結合材は無機質結合材同様、未膨張バーミキユラ
イトの低温における膨張力を低下させる゛   傾向に
あるばかりでな(、有機結合材が多いと高温においてこ
れら有機結合材が焼失した場合、構成物中、これら有機
結合材部分は空隙となり、リングガスケットの熱へたり
が大きくなってしまう。
本発明に使用される有機質結合材の量は基本的に常温で
リングガスケットを製作する際に形状が保持できる程度
の量があればよ(、従って、有機質結合材の量は0.1
〜4wt%が望ましい。
有機質結合材は、NBRラテックスや、スターチ等が使
用される。
一方天然有機繊維は、リングガスケット構成物の強度を
増加する作用のほかに無機質繊維に粘着する性質がない
ため、低温において無機質繊維相互のからみ合いを妨げ
ないので、未膨張バーミキユライト、が膨張する際にそ
の膨張を拘束する作用もない。しかし天然有機繊維は、
−旦リングガスケットが実際に使用された後には焼失す
るので、多量に添加する必要はない。したがって、天然
有機繊維を配合する場合は0.1〜5重量%1なかでも
1〜2重量%が好適である。本発明に使用するのに好適
な天然有機繊維は、絹繊維、羊毛、カシミア、モヘア、
麦稈、ヤシ、マニラ麻、亜麻、大麻、綿、カポック、パ
ルプおよびコツトンリンク−等であり、前記有機質結合
材を含め要求に応じていずれか1種または2種を使用す
る。
本発明においては、前記各構成物からなるシート材をリ
ング状に加工した後、金属材で巻装しリングガスケット
とする必要がある。
金属材で巻装する理由は、従来用いていたアスベストや
膨張黒鉛シートにて実施されていることと同様であり、
前記リングガスケット構成物を単体でガスケットとして
使用するには、フランジ間の熱膨張収縮による摺動や、
内燃機関の振動に対して前記構成物単体では耐久性に劣
るためである。
また、−船釣に自動車等の排気系に用いられているガス
ケットは排気通路番こ突出あるいはシール部であるフラ
ンジ内部に設置されたり様々な設、開位置が提唱、実施
されている。加えて、自動車には加・減速で代表される
急激な排気ガス温度変化があり、かつ、様々な運転条件
からエキゾースト・マニホールド等の排気部品は耐久・
信顛性に冨む設計要件からヒートマスが大きくなってい
る。
従って、前記排気部品の温度は排気ガス温度が高くなる
条件下で暖まりにくく、ガス温度が低くなる過程では冷
めにくい状態環境にある。すなわち、排気ガス温度変化
と排気部品の熱変形(以下、フランジ部の熱変形と称す
る)は同期しないことを意味する。また、フランジの熱
歪みは長時間経過後、塑性変形が生じ変形が戻らないこ
ともある。
以上のことから、前記様々の設置位置と排気ガス温度の
変化のもとで長時間のガス・シール性を確保するために
は、ガスケットには一定の圧縮量で且つ、最大の復元量
を発揮することが望まれる。
従って、巻装に用いる金属材は、単に内部シート材の保
護のみでなく、本発明の高温用リングガスケットにおい
ては、その断面形状は芯付きツル巻きバネを呈し、良好
な圧縮−復元特性を示し、それ自体が特に低温度域では
有効なガスケットとして作用する。
金属材としては、SOS 304やSO5430あルイ
ハSOS 310S等、一般の耐熱鋼材またはSO33
01等の耐熱バネ材が有利に適合する。さらに金属材に
て巻装する際の金属材端同士の接合部には重合部を設け
、かつその重合部は遊嵌状態とする必要がある。
この重合部の幅は、リングガスケットの圧縮率、すなわ
ち取付は時の締付圧力およびガスケットが当接する相手
側フランジの熱変形量に応じた設計が必要であり、使用
時フランジの熱変形量が最大となった際にもリングガス
ケットを構成するシート状物が外部に露出しないことが
必要である。
なぜなら、本発明の高温リングガスケットの適用環境で
は、温度の上昇とともに相手側フランジは熱変形し、こ
れに応じてリングガスケット構成物中の未膨張バーミキ
ユライトが膨張しフランジ間を常にシールするが、フラ
ンジ変形量がリングガスケット重合部の幅より大の場合
、リングガスケット構成物が外部に露出し、振動等によ
ってバーミキュライト等が膨出してしまうからである。
また前記重合部の幅が大きい場合、その重合部のために
ガスケットとしての圧縮率が低下してしまうからである
すなわち、重合部は、個々に応じた設計が必要であるが
、−船釣にはリングガスケット厚み(太さ)の10〜7
0%の範囲で設けることが望ましい。
更に本発明において前記金属材の遊嵌部は、ガスケット
の膨張−収縮運動により摺動するため、摩擦係数を小さ
くすることと同時に焼付きを防止するため固体潤滑材を
塗布することが好ましい。
前記固体潤滑材としては、周知のMoS、等が使用でき
るが、特に高温用リングガスケットとしては耐熱性に優
れたBN等が望ましい。
また、固体潤滑材は、従来技術である相手フランジとの
接面部及び接面部に塗布することにより、相手フランジ
の熱挙動によるリングガスケットの断面形状の変形に対
して常に真円に近い形状を維持するのに有効に働く。
また、本発明に使用するリングガスケット構成物をリン
グ状に加工するためにはシート状物とすることが有利で
あり、このシート状物の嵩密度は低すぎるとガスケット
とした際の熱へたり率が大きくなり、また高すぎるとガ
スケットとしての圧縮率が小さくなることから、0.4
〜1.2 g/cm3の範囲とする必要がある。
なお、シート状物の製造方法としては、従来のビータ−
シートやジヨイントシートと同様な方法が可能であるが
、構成材料を均一混合する上でビータ−シート法、すな
わち湿式抄造方法が望ましい。
[実施例] 実施例l 5iO□:50賀t%およびAhO3:50@t%の組
成比で、平均繊維径が1.8μmのシリカ−アルミナ系
セラミックファイバー(商品名:イビウール、イビデン
株式会社製)を、脱ショット加工することにより、44
μm以上のショット含有率を20%以下に低下させたも
のを用意した。このようにして得られたセラミックファ
イバー1.5kgを水lll13の中に入れて解繊させ
た。
次に1.Na−モンモリロナイト: 0.35kg、そ
して予め有機酸ナトリウムで処理した未膨張バーミキュ
ライト:3kgを、前記の水1Il13中に加えてよく
混合した後、さらにNBR系ラテックス(濃度41%)
 0.36kgを加え、硫酸バンドにて凝集させること
によりスラリーを調整した。
次に、得られたスラリーを抄造した後、脱水プレス乾燥
し、厚さ4mm+、嵩密度0.8g/cII+3のシー
ト状物とした。
さらにこのシート状物を第1、図(ハ)に示すように、
内径40閤1外径50mmのドーナツ状のリングガスケ
ット構成シート材1に打ち抜いた後、太さ(直径)  
0.3mmのステンレスII (SUS304)製の金
属材2で巻装した。そして、その巻装した金属材2の接
合部がリングガスケットのちょうど外周部分に当るよう
に位置させ、幅3閣の遊嵌部3を設けた。
なお、この遊嵌部3及び遊嵌代部には、加工する前に固
体潤滑材4としてBNを塗布しておいた。
このようにして内径39.8m、外径50.1mm、太
さ(直径)4閣の第1図(b)に示すようなリングガス
ケットを得た。
得られたリングガスケットの物性を第1表に示す。さら
にリングガスケットの性能を調査するために次のような
耐久試験を実施した。
上記リングガスケットを第1図に示すように、排気量2
000cc、 DOHCターボ付エンジンのヘッドおよ
びエキゾーストマニホールドのフランジ5間のガスケッ
トとして取付けた。そして排気ガス温度900℃でエン
ジンを200時間運転した。
その結果、フランジ間は排気ガスの熱により約0.3m
程度の歪みが発生し、またフランジ本体は加熱により0
.4閣程度膨張することが判った。しかし、耐久試験中
にガス漏れ、締付はボルトのゆるみ等の重大問題は全く
発生しなかった。
比較例1 実施例1の配合原料から未膨張バーミキユライトを除い
たものにて、実施例1と同様なリングガスケットを製造
した。
このリングガスケントの物性を第1表に示し、また、実
施例1と同様の耐久試験を実施した。
その結果、フランジ間の歪量およびフランジ本体の膨張
量は実施例1と同じであったにもがかわらず、試験開始
後約50時間でガス漏れが発生した。
比較例2 実施例1と同様、なリングガスケット用構成シート材を
用いてリングガスケットを製造したものであるが、第3
図に示すように巻装してなる金属材2の接合部(重合ク
リンチ加工)6をリングガスケットの上部に設けて製造
した。
このリングガスケットの物性を第1表に示し、また実施
例1同様の耐久試験を実施した。
その結果、フランジ間の歪量およびフランジ本体の膨張
量は実施例1と同じであったにもかがわらず、試験開始
後132時間でガス漏れが発生した。
比較例3 実施例1と同様なリングガスケットであるが、遊嵌部に
固体潤滑材を塗布せずに製造した。このリングガスケッ
トの物性を第1表に示し、また実施例1と同様の耐久試
験を実施した。
その結果、フランジ間の歪量およびフランジ本体の膨張
量は実施例1と同じであったにもかかわらず、試験開始
後150時間でガス漏れが発生した。
また、試験終了後のリングガスケットの遊嵌部は金属同
士が焼き付いていた。
以上の実施例および比較例の結果から、有機酸ナトリウ
ムで処理した未膨張バーミキユライトを併用した配合原
料は、リングガスケット構成材料シートとして良好な機
能が得られた。  しかし、未膨張バーミキユライトを
配合していないものは、高温での復元率が著しく低下す
るため、フランジ間の歪量を十分にシールすることがで
きていない。
また、巻装する金属材の接合部については、その接合部
を重合、遊嵌せしめることにより、前記リングガスケッ
ト構成シート材の膨張力を有効に活用でと、リングガス
ケットとして良好な性能が得られた。
しかし、前記接合部のクリンチ加工部分を相手側フラン
ジと接触する面とした比較例2(第3図参照)は、リン
グガスケット構成シート材の膨張力が拘束されてしまう
ため、十分なシール性が得られなかった。
また、前記遊嵌部の重合部分に固体潤滑材を塗布するこ
とにより、リングガスケットの熱膨張収縮による動きを
円滑にせしめることができた。
固体潤滑材を塗布しないものは、高温下において金属同
士が焼き付いてしまい、十分なシール性が得られなかっ
た。
よって、本発明の高温リングガスケットにおいては、ガ
スケットとしての復元性を確保するためにリングガスケ
ット構成シート材に未膨張バーミキユライトを用いるこ
とが必要であり、前記未膨張バーミキユライトの熱膨張
特性を効果的に用いるために、巻装した金属材には遊嵌
部を設け、かつ遊嵌部の重合部分には固体潤滑材を塗布
することが有利である。
〔発明の効果] 以上説明したように本発明の高温用リングガスケットは
、人体に有害であるとされる石綿の使用を全く必要とせ
ず、しかも、高温下において従来にない高復元率を得ら
れる上に、リングガスケット構成シート材の燃焼酸化に
よる焼失、粉化(結合劣化)がなく、ガスシール性や断
熱特性、風蝕性などの点においても優れたものが得られ
る。
その結果、本発明においては次のような波及的効果があ
る。
第1に自動車用としては、 (1)エキゾースト・マニホールドから、シリンダ・ヘ
ッドへの熱量を減じることから、シリンダ・ヘッド内を
通流する冷却水への伝熱量が少なくなり、ラジェータの
小型化が図れ、低コスト、エンジン・ルームの有効活用
が実現する。
(2)エキゾースト・マニホールドのシリンダ・ヘッド
に接するフランジ面は、温度が従来技術より上昇し、且
つ均熱分布になることから、フランジ面の熱歪みを軽減
することができる。さらにはエキゾースト・マニホール
ド内のガス温度も上昇させることができるから、 ■エンジンの暖気過程で排気温度が速やかに上昇し排気
エミッシヨンを低減化し、 ■触媒の活用開始点をアップすることができる。
(3)上記(2)の排気温上昇により、過給機付のエン
ジンにおいて、排気熱を仕事量に変えることになり、エ
ンジン出力の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、 (b)、 (C)は、本発明の高温用
リングガスケットの断面図および全体の一部切欠き斜視
図、第2図および第3図は、従来のリングガスケット断
面図である。 1・・・リングガスケット構成シート材、2・・・金属
材、 3・・・遊嵌部、     −4・・・固体潤滑
材、5・・・フランジ、6・・・接合部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.無機繊維,未膨張バーミキユライトおよび無機質結
    合材と、有機質結合材と天然有機繊維のいずれか1種又
    は2種以上とからなるシート状物を、リング状に加工し
    た後、これを金属材で巻装してなる高温用リングガスケ
    ット。
  2. 2.前記未膨張バーミキユライトは、粒子層間のカチオ
    ンを有機酸ナトリウムにて置換したことを特徴とする請
    求項1記載の高温用リングガスケット。
  3. 3.巻装した金属材の端部を遊嵌部を介して重合し、該
    重合部及び重合代部及び相手フランジ接面部に固体潤滑
    材を塗布したことを特徴とする請求項1記載の高温用リ
    ングガスケット。
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