JPH04288388A - 高温用ガスケットとその製造方法 - Google Patents

高温用ガスケットとその製造方法

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JPH04288388A
JPH04288388A JP5279791A JP5279791A JPH04288388A JP H04288388 A JPH04288388 A JP H04288388A JP 5279791 A JP5279791 A JP 5279791A JP 5279791 A JP5279791 A JP 5279791A JP H04288388 A JPH04288388 A JP H04288388A
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gasket
weight
sheet
fibers
vermiculite
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JP5279791A
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Keiji Yamada
啓二 山田
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温用ガスケット及びそ
の製造方法に関する。特に、600℃を超えるような高
温条件の下でも優れたシール性、耐熱性を有するガスケ
ットであって、石綿に替えてセラミックを主成分とする
もので構成された熱機関の排気ガスシール材や自動車の
エンジン等に用いられるガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】熱機関の排気ガスシール材や自動車のエ
ンジンなどに用いられる高温用ガスケットは、石綿を主
原料とし、他に弾性を付与するための天然ゴムあるいは
ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(S
BR)等の弾性物質と、必要に応じて添加される加硫剤
等の補助剤を用いて構成されたものが一般的である。
【0003】従来、このような用途に用いられるガスケ
ットとしては、石綿と弾性物質とを加熱成形して得られ
る”ジョイントシート”状ガスケットや、石綿とエマル
ジョンラテックス等の弾性物質とを混合したスラリーを
抄造成形して得られる”ビータシート”状ガスケットが
知られている。これらのガスケットは、主としてアスベ
ストの繊維を60〜95重量%含有している。そのため
、ガスケットを製造する際は勿論のこと、このアスベス
ト繊維を施工した施設からアスベスト粉が飛散して、健
康を害する原因となっていたため、改善が望まれていた
【0004】我国では、昭和49年の国際ガン条約調印
に伴い、これまでに種々の法令にてその取扱いを規制し
てきた。例えば、昭和51年4月1日付で「特定化学物
質等障害予防規則」を設けたこと、昭和53年3月30
日に労働基準施行規則の一部を改正し、ガン源性物質も
しくはガン源性因子、又はガン源性工程における業務に
よる疾病について、「アスベストにさらされる業務によ
る肺ガン又は中皮腫」を指定したことなどがそれである
【0005】また、米国環境保護庁(EPA)において
は、1983年1月にアスベスト製品の使用禁止につい
ての提案がなされ、1986年6月には行政管理予算局
(OMB)の了解を得て1988年1月より建材製品へ
の使用禁止が提案されると共に、1991年よりの全面
使用禁止が提案されている。これに対し、米国三大ガス
ケットメーカーは、この提案を段階的に受け入れる宣言
を1986年7月に行っている。
【0006】また、国際的にも1986年6月の国際労
働機構(ILO)の提案によって、”石綿の利用におけ
る安全に関する条約と勧告”が審議検討されている。こ
のような国際情勢の下、最近では、アスベスト代替繊維
として、セピオライト繊維、ガラス繊維、カーボン繊維
、ステンレス繊維等の無機質繊維、あるいは芳香族ポリ
アミド繊維、フェノール繊維、ポリエチレン繊維等の有
機質繊維を用いることが考えられており、これらの繊維
によってガスケットを製造する試みがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、アスベス
ト繊維を用いたガスケットは公害の問題を抱えていると
共に、600℃付近までは良好な物性を保持し得るもの
の、それよりも高い温度例えば800℃以上の高温にお
いては、結晶水の脱水により強度劣化が起こるという欠
点があった。
【0008】一方、前記アスベスト代替繊維としての無
機質繊維あるいは有機質繊維を使用したガスケットにも
次のような問題点があった。即ち、前記無機質繊維のう
ち、例えばセピオライト等は結晶水を持っているため、
高温域において前記アスベストと同様に強度劣化が生じ
る。しかも、この無機繊維単体でガスケットを製作した
場合、アスベストを使用したガスケットと同様に引張強
度や復元率等が劣るという問題があった。特に、カーボ
ン繊維、芳香族ポリアミド繊維、フェノール繊維、ポリ
エチレン繊維等は200℃付近からの特性劣化が著しく
、400℃以上では完全に炭化又は焼失して結合劣化が
起こるため、400℃以上の高温域では使用することが
できないという問題があった。
【0009】本発明の目的は、アスベストを素材とする
高温ガスケットの上述の如き問題点、及び各種無機繊維
を使用することによる引張強度や弾性率の低下、それに
伴うガスケット機能の低下、即ちシール機能、信頼性、
耐久性等が不足するという問題点を克服することができ
る高温用ガスケットとその製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノンアスベス
ト系ガスケットについて、更に引張強度や弾性率などの
特性低下によるガスケットとしての性質の低下を克服す
るものとして、セラミック系無機繊維を配合することに
よってガスケットの耐熱性を向上させることとし、天然
マイカを用いることによって特に圧縮破壊強度や弾性率
などを向上させることとし、無機質結合材を用いること
によって高温域における強度を補償し、更に未膨張バー
ミキュライトを用いることによって特に高温での復元率
等をより一層向上させるようにした点に特徴を有するも
のである。
【0011】また、このようなガスケットを製造するに
当たっては、前記セラミック系無機繊維、有機質弾性物
質、無機質結合材、天然マイカ及び未膨張バーミキュラ
イトからなる配合物を湿式混合してから抄造し、次いで
脱水プレスしてから乾燥し、その後ホットプレスすると
いう方法の採用により、上述の従来技術が抱える問題点
を一挙に克服することとしたのである。
【0012】殊に、本発明においては、天然マイカと未
膨張バーミキュライトとを併用することとしたので、そ
れらの相乗作用により高耐熱性、高復元率及び高強度の
ガスケットを得ることができる。このような構想の下に
完成した本発明は、繊維や弾性物質等からなる混合物ス
ラリーを抄造し積層成形してなるビータシート状ガスケ
ットを、前記セラミック系無機繊維を10〜30重量%
、有機質弾性物質を2〜5重量%、無機質結合材を2〜
5重量%の割合で配合すると共に、更に5〜30重量%
の天然マイカと、60〜80重量%の未膨張バーミキュ
ライトとを配合してなる配合物にて構成したことを特徴
とする高温用ガスケットとその製造方法に関するもので
ある。
【0013】
【作用】本発明にかかるガスケットは、セラミックス無
機繊維、有機質弾性物質、無機質結合材、それに加えて
天然マイカ及び未膨張バーミキュライトを水溶液中に分
散させたもの、即ち有機質弾性物質を混合することによ
り得られるエマルジョン、又はそれらに必要に応じて加
硫剤等の補助添加剤をも加えてなるエマルジョンを、抄
造機にて抄造し、一定の厚みに積層することにより得ら
れるビータシート状ガスケットである。このビータシー
ト状ガスケットはジョイントシート状ガスケットに比べ
て均一性の高いものが得られるため、近年では広汎な用
途に使用されている。
【0014】さて、本発明のガスケットを構成する主体
の一つは、セラミックス無機繊維である。この繊維は人
造無機繊維であり、シリカ−アルミナ系セラミックファ
イバー、アルミナ及びムライトの結晶質ファイバー、並
びにシリカファイバー等が用いられる。その他、耐熱性
の要求が低い、例えば使用温度が300℃以下で用いる
ものについては極細のガラス繊維も使用することができ
る。
【0015】かかるセラミックス無機繊維には、「ショ
ット」と呼ばれる非繊維状物が含有されていることがあ
る。この非繊維状物質は、ガスケットの特性向上にあま
り貢献するものではないのでガスケット中に含まれない
ことが望ましい。それ故、この繊維中に含まれる実質的
には44μm以上の非繊維状物は20%以下(比無機繊
維)に抑えることが望ましい。
【0016】また、このセラミックス無機繊維の繊維径
は12μm未満のものであることが望ましい。その理由
は、この繊維径が12μm以上になると、単位体積当り
の繊維数量が少なくなるためにシート密度が低下すると
共に、製造工程における抄造後のプレス工程において折
損を起こし易いために、気密性(シール性)や引張強度
を悪化させるからである。この繊維径は、とりわけ1〜
3μmの範囲であるが有利である。
【0017】さて、ガスケットは一般に、圧縮復元特性
に優れたものでなければならない。それ故、配合される
無機繊維の特性としては剛直性に優れると共に、シート
状物としての保持性に優れていることが必要である。本
発明のガスケットは上述の如き性質のセラミックス無機
繊維を10〜30重量%配合させたものである。かかる
無機繊維の配合量が10重量%よりも少ないと、シート
の成形が著しく困難になる。一方、その配合量が30重
量%よりも多いと、他の組成物の配合量が減少し、目標
とする諸特性が得られなくなる。
【0018】本発明においては、高温での復元率や耐熱
性を向上させるために所定量の未膨張バーミキュライト
が配合されている。この未膨張バーミキュライトは、薄
片多重構造の粒子状物であって、Si−O四面体層とM
g−O(OH)又はAl−O八面体層との2:1型層構
造を基本とし、それらが層間に水を介してつながった雲
母状構造の含水鉱物であり、弾力性や断熱性に優れてい
る。しかも、この未膨張バーミキュライトは、加熱する
と脱水して剥離膨張し10〜25倍に伸長するという特
性を有する。ただ、層間の結合力が乏しく少しの外力で
薄片化するため、単独にて形態を維持することは難しい
【0019】このような特性を有するバーミキュライト
の使用法について検討した結果、有機酸ナトリウムによ
り処理することが効果的であることを知見した。以下に
その理由を説明する。一般に、未膨張バーミキュライト
の膨張率や弾力性は、粒径の大きさに比例することが知
られている。ところが、シート製造用のバーミキュライ
トというのは、分散性が良好で粒径の小さいものが好ま
れる。そこで本発明においては、粒径が0.1〜1.2
mmというバーミキュライトを使用した。ところが、粒
径の小さなバーミキュライトを使用すると、得られたシ
ートは膨張力、弾性力共にバーミキュライトの粒径に比
例して小さくなってしまう。
【0020】ところで、本発明者らは、かつて有機酸ナ
トリウムによりバーミキュライト粒子層間のカチオンを
置換することにより、膨張力、弾性力が向上し、更に置
換していないバーミキュライトよりも低い温度から膨張
することを知見している(特開昭59−230737号
公報参照)。これは、バーミキュライトの粒径が小さい
ものでも、有機酸ナトリウムで処理をすれば同様の効果
を得ることができることを意味する。
【0021】そこで、本発明においてはこの現象に着目
し、有機酸ナトリウム処理が施されたバーミキュライト
を使用することにより、特性的に優れたシートを製作す
ることとした。尚、このような有機酸ナトリウムによる
処理、即ち上記有機酸ナトリウム水溶液中に未膨張のバ
ーミキュライトを浸漬する処理を施すことにより、未膨
張バーミキュライトの膨張力が向上する理由は、層間の
カルシウムイオン又はマグネシウムイオンが、ナトリウ
ムイオンに置換されることにより、加熱時に層間の水が
抜けにくくなるためと思われる。
【0022】以上説明したように、本発明においては、
上述の如き性質の未膨張バーミキュライトが用いられ、
その量は60〜80重量%としている。かかるバーミキ
ュライトの量が60重量%よりも少ないと、シートの膨
張力が少なくなるために復元率の高いものが得難くなる
。一方、その量が80重量%よりも多いと、バーミキュ
ライトは粒状のため引張強度が著しく低下してしまう。
【0023】本発明のガスケットにおいては、弾性率、
復元率及び耐熱性を向上させるために、更に天然マイカ
が5〜30重量%配合されている。これは、繊維径の小
さいセラミック系無機繊維との混合であるために、シー
ト状物は極めて空隙率が高く、前記無機繊維がバーミキ
ュライトに接する面積が極めて少なくなり、従って、バ
ーミキュライトが空隙内で単独に加熱膨張してしまい、
バーミキュライトの優れた高温復元特性を十分に活用で
きないからである。
【0024】それ故に、本発明では中間的な大きさ(1
0〜350メッシュ)のフィラーを添加する必要が生じ
たのである。このような要請に応えられる中間的なフィ
ラーとして、本発明では天然マイカが用いられている。 この天然マイカは、融点が1300℃と高く、1000
℃以上の高温域でも形状変化をほとんど起こさないとい
う特性を有する。加えて、この天然マイカは比較的高い
アスペクト比を有しており、しかもアスベストのように
人体に悪影響を及ぼさず、この目的のフィラーとして最
適である。
【0025】かかる天然マイカは、ガスケット配合物中
に占める割合が5〜30重量%となるように配合するこ
とが必要である。この配合量が5重量%よりも少ないと
、バーミキュライトの膨張力を活用することができない
。一方、30重量%よりも多いと、天然マイカは粒体で
あるために強度劣化につながる。尚、平均アスペクト比
は70以上で、粒径範囲が0.5〜2.8mmのフィラ
ーを用いることが望ましい。この粒径が0.5mm未満
ではバーミキュライトとの接触面積が著しく減少するた
め、バーミキュライトの膨張特性を十分に活かすことが
できず、高温復元性が低下してしまう。一方、粒径が2
.8mmを超えると引張強度を著しく低下させる。
【0026】本発明においては、無機質結合材が配合さ
れている。その配合比率は、要求性能及び製法により制
限されるものであるが、この無機質結合材の量が不足す
ると、強度が得られないばかりか抄造されたシートが不
均一になる。一方、あまりに多量に使用すると、水に対
する膨潤性のために、ゴムラテックス等の凝集不良を導
いて濾水性を悪くし、シート状物の製造を困難にする。 しかも、繊維物質の配合比も制限され、強度や弾性に悪
影響が出るため、多量使用には制約がある。このように
して決められる無機質結合材の量は、2〜5重量%の範
囲が適当である。
【0027】かかる無機質結合材としては、モンモリロ
ナイト、クレー、タルク、カオリナイト、合成四ケイ化
フッ素型雲母などが好適である。それらのうちモンモリ
ロナイトは水に膨潤し易い上、結合力も優れているため
、400℃以上における強度維持に有効かつ好適である
。このモンモリロナイトは、通常、天然に産出するベン
トナイト原鉱の主成分であり、大別するとNaイオンに
富み多量の水を吸収して高い膨潤性を示すNa−モンモ
リロナイトと、CaイオンやMgイオンに富み膨潤性の
低いCa−モンモリロナイトとがある。その他に該Ca
−モンモリロナイトをソーダ処理して活性化したNa−
モンモリロナイトもあげられる。
【0028】しかしながら、どのモンモリロナイトにお
いても、他の含水ケイ酸塩アルミニウム鉱物であるカオ
リナイト、タルク等とは異なり、程度の差はあるものの
いずれも膨潤性を示す。かなでも活性化したNa−モン
モリロナイトは膨潤性と結合性が特に優れており、本発
明の目的によく叶うものである。その化学式は次のよう
に表される。
【0029】 (OH)4 Si(Al3.34Mg0.66)O20
−Na0.66その他に、膨潤性を示す無機結合材で前
記モンモリロナイトと同様の性能を示すものとして、セ
ピオライト、合成四ケイ化フッ素型雲母、ボールクレー
等が知られており、これらをモンモリロナイトの代わり
に使用することができる。本発明においては、有機質弾
性物質が用いられている。この物質はガスケット組成物
としてとりわけ有用であり、例えば天然ゴムのエマルジ
ョンや、NBR、SBR等の合成ゴムラテックスバイン
ダーが好適である。かかる有機質弾性物質の配合比率は
、高温時に燃焼もしくは炭化して特性を悪化させるので
むしろ少ない方が好ましいが、シート成形の必要性から
2〜5重量%程度使用することが好ましい。
【0030】更に、本発明においては、ゴムラテックス
の耐久性及び強度の向上のために、ゴム加硫剤(具体的
には、硫黄、塩化硫黄)等が使用されてもよい。但し、
本発明においては、モンモリロナイト等の無機結合材と
、天然マイカ及びバーミキュライトにより圧縮破壊強度
、弾性率及び復元率を確保できるので、助材として用い
られる。また、本発明においては、上述の如き各配合材
の他に、カオリナイト(Al2 Si2 O5 (OH
)4)等の、膨潤性はないが結合力を期待できる無機物
質等も補強剤として添加することができる。
【0031】さて、上述のような配合比率で配合した原
料組成物を成形後プレスしてシート状としたガスケット
は、その密度が0.4〜2.0g/cm3の範囲であり
、優れた耐熱性、引張強度、弾性率、復元率等を示す。 一般に、ガスケットにおける引張強度、弾性率及び復元
率等の特性は、密度によって影響される。本発明のガス
ケットについては、その密度が2.0g/cm3よりも
大きくなると、無機繊維が折れて、引張強度、弾性率及
び復元率が低下する虞れがある。本発明者らの研究によ
れば、ガスケットの密度のより好ましい範囲は、0.6
〜1.4g/cm3 である。
【0032】このような密度を有するガスケットを製造
するには、好ましくは、湿式混合、抄造、脱水、乾燥を
経た後にホットプレスすることが有利である。その理由
は、ホットプレスを採用するとゴム等の有機質弾性物質
に流動性が生じるので、前記無機繊維が粉砕されて繊維
のアスペクト比を低下させることがなく、容易に前記好
適密度となし得るからである。
【0033】尚、このようなガスケットは、SUS30
4等の金属板でくるんだくるみガスケットや、金属板を
コアとしたスチールベストガスケットや、ガスケットシ
ートの開口部を金属グロメット加工して使う場合や、各
々の表面に固体潤滑性を付与するためにカーボンシート
を接着したり、カーボンもしくはそれに類する固体潤滑
剤を含浸して使う場合にも有効に用いられる。
【0034】
【実施例】(実施例1)SiO2 が50重量%、Al
2 O3 が50重量%の組成比率で、平均繊維径が1
.8μmのシリカ−アルミナ系セラミックファイバー(
イビデン株式会社製商品名:イビウール)を脱ショット
加工することにより、44μm以上のショット含有率を
20%以下に低下させたセラミックファイバーを用意し
た。そして、このセラミックファイバー:23gを水3
0リットル中に入れて解繊した。
【0035】次に、平均粒径が1.4μm、アスペクト
比が80の天然マイカ(商品名:スゾライトマイカ):
6g、Na−モンモリロナイト:3g、及び予め有機酸
ナトリウムで処理した未膨張バーミキュライト:81g
を前記30リットルの水中に加え十分に混合した。その
後、更にNBR系ラテックス(日本ゼオン株式会社製商
品名:ニポール1562,濃度41%):6gを加え、
硫酸バンドにて凝集させることによりスラリーを調整し
た。
【0036】次に、前記スラリーを340mm×340
mmの手抄機にて抄造し、厚さが4mmの湿潤したシー
ト状物とした。このシート状物を面圧300kg/cm
2 でプレスし、120℃×1hrの条件で乾燥させた
。 乾燥後そのシートを面圧60kg/cm2 、温度30
0℃で15分間ホットプレスした。このシート状物の端
部を切断して厚さ0.8mm、300mm角、密度1.
25g/cm3 のシート状物とした。このシート状物
の機械的特性を表1に示す。
【0037】(実施例2)基本的には前記実施例1と同
様であるが、天然マイカ量を6gから17gに増量し、
一方、未膨張バーミキュライトを81gから69gへ減
量した配合物について前記実施例1と同じ処理を施すこ
とにより、板厚0.8mm、300mm角、密度1.2
5g/cm3 のシート状物を製造した。このシート状
ガスケットの機械的特性を表1に示す。
【0038】(実施例3)基本的には前記実施例1と同
様であるが、セラミックファイバー量を23gから12
gに減量し、一方、未膨張バーミキュライトを81gか
ら92gへ増量した配合物について前記実施例1と同じ
処理を施すことにより、板厚0.8mm、300mm角
、密度1.25g/cm3 のシート状物を製造した。 このシート状ガスケットの機械的特性を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(比較例1)基本的には前記実施例1と同
様であるが、セラミックファイバー:29g、天然マイ
カ:23g、Na−モンモリロナイト:3g、未膨張バ
ーミキュライト:58g、及びNBR系ラテックス:6
gからなる配合物について前記実施例1と同じ処理を施
すことにより、板厚0.8mm、300mm角、密度1
.25g/cm3 のシート状物を製造した。このシー
ト状ガスケットの機械的特性を表2に示す。
【0041】(比較例2)基本的には前記実施例1と同
様であるが、セラミックファイバー:6g、天然マイカ
:6g、Na−モンモリロナイト:3g、未膨張バーミ
キュライト:98g、及びNBR系ラテックス:6gか
らなる配合物について前記実施例1と同じ処理を施すこ
とにより、板厚0.8mm、300mm角、密度1.2
5g/cm3 のシート状物を製造した。このシート状
ガスケットの機械的特性を表2に示す。
【0042】(比較例3)基本的には前記実施例1と同
様であるが、セラミックファイバー:29g、Na−モ
ンモリロナイト:3g、未膨張バーミキュライト:81
g、及びNBR系ラテックス:6gからなる配合物につ
いて前記実施例1と同じ処理を施すことにより、板厚0
.8mm、300mm角、密度1.25g/cm3 の
シート状物を製造した。このシート状ガスケットの機械
的特性を表2に示す。
【0043】(比較例4)基本的には前記実施例1と同
様であるが、天然マイカ:40g、Na−モンモリロナ
イト:3g、未膨張バーミキュライト:69g、及びN
BR系ラテックス:6gからなる配合物について前記実
施例1と同じ処理を施したが、ガスケットを製造するこ
とはできなかった。
【0044】
【表2】
【0045】上記実施例1〜3及び比較例1〜4の結果
から、天然マイカ及び有機酸ナトリウムトで処理した未
膨張バーミキュライトを所定の範囲内で併用した配合原
料については、ガスケットとして良好な性能が得られた
。しかし、未膨張バーミキュライトの配合量を所定の範
囲よりも少なくしたものは、高温での復元率が著しく低
下するため、フランジ間の歪量を十分にシールすること
ができない。一方、所定の範囲よりも多くしたものにつ
いては、温度に関係なく引張強度が著しく低下してしま
うため、熱によるエンジン本体の膨張に追随できず、ボ
ルト孔周辺にクラックが発生して十分なシール性が得ら
れなかった。
【0046】また、天然マイカを所定の範囲よりも少な
くしたものについては、バーミキュライトとセラミック
ファイバーとの接触面積が極めて少ないために、バーミ
キュライトの膨張特性を十分に活用できないため高温復
元性が低下してしまう。一方、所定の範囲よりも多くし
たものについては、他の組成物の添加量が極めて少なく
なる(特にセラミックファイバーの添加量が少なくなる
)ために、製造不能に陥ってしまう。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の高温用ガス
ケットにおいては、人体に有害な石綿を全く必要としな
い。更に、強度が高く、950℃という高温下において
も燃焼酸化による繊維の消失粉化(結合劣化)がなく、
ガスシール性、断熱性、風蝕性等の点においても優れて
いる。
【0048】その結果、次のような波及的効果が得られ
る。第一に熱風発生炉のシール材として用いた場合、高
温ガスのリークを完全に防止できる。第二に化学工業用
反応釜として多く用いられるグラスライニング機器にお
いては、900℃近い熱によってフランジ面がかなり凹
凸状に変形するが、本発明のガスケットを用いることに
よりガスケットが凹凸に選択的に膨張し、流体を完全に
シールすることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  少なくとも無機繊維、弾性物質、結合
    材を含むビータシート状ガスケットにおいて、セラミッ
    ク系無機繊維を10〜30重量%、有機質弾性物質を2
    〜5重量%、無機質結合材を2〜5重量%の割合で配合
    すると共に、更に5〜30重量%の天然マイカと、60
    〜80重量%の未膨張バーミキュライトとを配合してな
    る配合物にて構成したことを特徴とする高温用ガスケッ
    ト。
  2. 【請求項2】  前記ビータシート状ガスケット内にお
    ける天然マイカ及び未膨張バーミキュライトは平行な配
    位状態にあることを特徴とする請求項1に記載の高温用
    ガスケット。
  3. 【請求項3】  前記ビータシート状ガスケットに用い
    る天然マイカの粒径を0.5〜2.8mmとし、未膨張
    バーミキュライトの粒径を0.1〜1.2mmとしたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の高温用ガスケッ
    ト。
  4. 【請求項4】  セラミック系無機繊維、有機質弾性物
    質、無機質結合材、天然マイカ、未膨張バーミキュライ
    トからなる配合物を湿式混合してから抄造し、次いで脱
    水プレスしてから乾燥し、その後ホットプレスすること
    を特徴とする高温用ガスケットの製造方法。
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