JP2004533502A - 光記録用媒体としてのメタロセニルフタロシアニン - Google Patents

光記録用媒体としてのメタロセニルフタロシアニン Download PDF

Info

Publication number
JP2004533502A
JP2004533502A JP2002582138A JP2002582138A JP2004533502A JP 2004533502 A JP2004533502 A JP 2004533502A JP 2002582138 A JP2002582138 A JP 2002582138A JP 2002582138 A JP2002582138 A JP 2002582138A JP 2004533502 A JP2004533502 A JP 2004533502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phthalocyanine
metal
group
formula
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002582138A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4634695B2 (ja
Inventor
ベイリッヒ,ユルゲン
ブラットナー,ルドルフ
ブードリー,ジャン−リュク
フライターグ,ヴォルフガング
モートン,コリン
マーフィー,ジェラルド・アンソニー
シュミッドハルター,ベアト
シュルツ,ミハエル
シュパーニ,ハインツ
シュテルン,クリスティアン
ヴォレブ,アンネマリー
ヴォレブ,ハインツ
ツェルパー,ローランド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF Schweiz AG
Original Assignee
Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG filed Critical Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG
Publication of JP2004533502A publication Critical patent/JP2004533502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4634695B2 publication Critical patent/JP4634695B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • C09B47/08Preparation from other phthalocyanine compounds, e.g. cobaltphthalocyanineamine complex
    • C09B47/24Obtaining compounds having —COOH or —SO3H radicals, or derivatives thereof, directly bound to the phthalocyanine radical
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/241Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material
    • G11B7/242Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers
    • G11B7/244Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only
    • G11B7/246Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only containing dyes
    • G11B7/248Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only containing dyes porphines; azaporphines, e.g. phthalocyanines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0033Blends of pigments; Mixtured crystals; Solid solutions
    • C09B67/0034Mixtures of two or more pigments or dyes of the same type
    • C09B67/0035Mixtures of phthalocyanines
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/26Apparatus or processes specially adapted for the manufacture of record carriers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S430/00Radiation imagery chemistry: process, composition, or product thereof
    • Y10S430/146Laser beam

Abstract

2種のフタロシアニン類(I)および(II)を含む混合物Aを、触媒の存在下でメタロセン誘導体と反応させることにより得られるメタロセニルフタロシアニン類、およびさらにオリゴマー性メタロセニルフタロシアニン類の混合物、それらの製造方法、とりわけ光記録のためのそれらの使用、ならびに光記録用媒体。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、メタロセニルフタロシアニン類、それらの混合物、それらの製造方法、および光記録のためのそれらの使用に関するものである。
【0002】
本発明は、光によるデータ保存の分野において、好ましくは1回書き込み用の保存媒体のためのものである。これにおいては、情報は、書き込み部位および未書き込み部位における染料の異なる光学的性質によって保存される。この種の保存用媒体は、たとえば“WORM”システム(write once read many(書き込み1回、読み出し多数回))として知られており、そしてさらに、たとえば“CD−R”または“DVD−R”へと細分される。
【0003】
WORMシステムでの、情報記録用の近赤外領域(NIR領域)において照射光を吸収する染料の使用は、たとえばM. EmmeliusによってAngewandte Chemie, No.11, p.1475-1502(1989)に記載されている。レーザー照射は、この種の記録用材料にデジタル形式で情報を記録するために必要な吸光度変化を、物理的(たとえば昇華または拡散により)または化学的変化(たとえば染料のホトクロミー、異性化または熱分解)によって生起させることができる。
【0004】
置換されたフタロシアニン類は、この種のWORMシステムにおいて使用される染料の重要な種類を代表しているが、その理由は、それらが適切に置換されている場合に、通常存在する中心金属原子に関係なく、700〜900nmの領域で強いNIR吸収を有していることによる。
【0005】
使用される記録層は、非常に厳しい要求、たとえばレーザー波長域における高い屈折率および低い吸光度、書き込まれたピットの高いコントラスト、異なるピット長を有するピットの均一性、日光の中および弱いレーザー光(読み出し時)下における高い光安定性、および同時に強いレーザー光(書き込み時)下において高感度を有していること、高度の長期安定性、低いノイズ、高い分解能、そして特に重要な面として、最適な書き込みパワーにおいて、ピット長の規定値からの系統的および無秩序的偏差(“ジッター(jitter)”)がきわめて小さいこと、などに適合しなければならない。
【0006】
記録層は、一般に溶液から、たとえば回転塗布法によって適用されるので、たとえばEP−A−511598記載のように(そこでされているような極性および無極性溶媒の区別に関係なく)、染料は普通の溶媒に易溶性であるべきである。
【0007】
ポリマー性またはオリゴマー性フタロシアニン、すなわち一般に連結橋として役立つ単結合または原子もしくは分子を介して結合している少なくとも2個のフタロシアニン単位を含む化合物は、光記録用としてそれ自体既知のものである。たとえば、JP−A−59073994は、フタロシアニンでつくられたマクロ環状体を主鎖の中に有しているポリマー記録材料を記載している。
【0008】
JP−A59229396は、少なくとも2個の分子、たとえば中心原子としてバナジウムまたは酸化バナジウム、VO、を含有するフタロシアニンが、−COO基または少なくとも2個の−COO基を含有する単位によって互いに結合している染料オリゴマーを含む記録用材料を記載している。
【0009】
JP−A62059285は、式Pc(CONH−L−OH)nのフタロシアニン化合物であって、ここでPcが、中心原子、たとえばCo(II)を含有するフタロシアニン基であり、LがC1〜C5アルキレンであり、そしてnが1以上の数であり、そして重付加または重縮合によって重合することのできるものを記載している。
【0010】
GB−A2259517は、式(Q−X−)qPc(−X−Q−Y)p のポリマー性フタロシアニンであって、ここでXがO、S、Se、Te、NH、N−アルキルまたはN−アリールであり、Qが炭素原子または芳香族もしくはヘテロ環状基であり、Yが連結橋を形成できる反応性基であり、そしてp≧2、q≧0、16≧(p+q)であるものを記載している。
【0011】
置換基としてフェロセン単位を少なくとも1個含有しているフタロシアニン化合物は、同様に既知である。すなわち、たとえばJ. Organomet. Chem. 468(1-2)(1994)205-212は、1、1″,1″″,1″″″−(29H,31H−フタロシアニン−2,9,16,23−テトライル)テトラキスフェロセンを記載し、Chin. Chem. Lett. 4(4)(1993)339-342は、[1−(11−フェロセニルウンデシル)−1′−[4−[4−[[9,16,23−トリス(2,2−ジメチルプロポキシ)−29H,31H−フタロシアニン−2−イル]オキシ]フェノキシ]ブチル]−4,4′−ビピリジニウマト(2−)−N29,N30,N31,N32]亜鉛ジブロミドを記載し、New J. Chem. 21(2)(1997)267-271は、1,1″−[[9,23−ビス(ドデシルチオ)−29H,31H−フタロシアニン−2,16−ジイル]ビス(ニトリロメチリジン)]ビスフェロセンを記載し、そしてJ. Organomet. Chem. 541(1-2)(1997)441-443は、[Cp(dppe)Fe−CN−MnPc]2O(ここで、dppe=1,2−エタンジイルビス(ジフェニルホスフィン);Cp=シクロペンタジエニル;Pc=フタロシアニン)の合成を記載している。
【0012】
J. Chem. Soc., Commun. 1995, 1715-1716は、フェロセンカルボニルクロリドを、置換基としてヒドロキシ基を有する金属不含有のフタロシアニンと反応させ、対応するエステル化合物を形成させることによる、液晶性フェロセニルフタロシアニン類の合成を記載している。
【0013】
Inorg. Chem. 37(1998)411-417は、中心原子に結合しているフェロセン単位を有する、ビス(フェロセンカルボキシラト)(フタロシアニナト)ケイ素の合成を記載している。
【0014】
WO−A9723354は、置換基として、とりわけ中心原子に結合したフェロセン単位を有するフタロシアニン類に基づいた光記録用材料を記載している。
【0015】
WO−A0009522は、メタロセニルフタロシアニン、またはその二価金属、オキソ−金属、ハロ−金属もしくはヒドロキシ−金属との錯体であって、ここでフタロシアニンのフェニル環4個のうち少なくとも1個が、連結単位Eを介して結合している置換基として、メタロセン基を少なくとも1個保持しているもの(ここでEは、−CH2−、−C(=O)−、−CH(C1〜C4アルキル)−、−C(C1〜C4アルキル)2−、−NH−、−S−、−O−および−CH=CH−よりなる群から選ばれる原子または原子団の少なくとも2個の鎖からなる)を記載している。
【0016】
コンピューターデータのための保管用およびバックアップ用媒体としてのCD−Rの使用は、より速い書き込み速度をますます要求するようになっている。一方、オーディオ用媒体として使用する場合には、低速(1倍速(1×))が望まれる。このことは、記録層がこのような広域動作に向けて連続的に再最適化されなければならないことになり(最近までは1〜8倍速、現在は1〜16倍速、将来は24倍速以上)、このことが、使用される記録層に対して極端に高度な要求を課している。フタロシアニンを含む記録層は、中庸速度(2〜8倍速)について良好な計測値を示すが、1倍速では、コントラスト、およびピット長やランド長の規定値からの偏差、およびさらにそれらの無秩序ぶれ(“ジッター”)に関しても好ましいものではない、ということが知られている。
【0017】
用語「コントラスト」とは、ピットおよびランド間の反射率の差、または高周波信号の対応する変調の振幅をいう。用語「ジッター」とは、特に、ピットが短すぎたり長すぎたりするのが原因となって、信号が変化してしまう時間的欠陥をいう。たとえば、CD−Rにおいては、ピットまたはランドの長さは3T〜11Tの範囲で変化しうる(1.2m/s(1倍速)の速度では、1T=231.4ns)。たとえば、3Tピットの長さがわずかに短すぎるか長すぎるかだけで、BLERの数値(=ブロックエラー率;CD上に存在する物理的エラーの数をいう)を増加させ、したがって質を低下させる。適用される基準によると、BLERは1秒あたり220未満、そして現在の市場要求によると1秒あたり10〜20未満ですらなければならない。記録用媒体が適合すべき要求項目、および適用される基準(現在は“オレンジブック”に記載のもの)については、当業者が周知しており、したがってこの件に関するこれ以上の説明は不要である。
【0018】
前述のフタロシアニン類に関連する困難を解決するために、種々の提案がなされている。特に、他の種類の染料、とりわけシアニン類と比べて比較的高い分解温度を下げる試みがなされてきた。
【0019】
したがって、DE−A4112402は、記録用薄膜として前述の波長域において吸収のあるフタロシアニンとシアニンの混合物(光吸収素子として)を提案している。しかしながら、ここでもまた、繰り返しの読み出しは、その光吸収剤を破壊することになって、所望の特性は達成されない。それに加えて、シアニン染料には光堅牢性がなく、このため通常は安定剤の添加が必要なことが知られている。
【0020】
EP−A600427は、記録層が、フタロシアニンおよび添加剤、たとえばフェロセン誘導体、金属アセチルアセトナートまたはアンチノック剤を含む光記録用媒体を記載している。その特許出願によると、記載の添加剤を添加すると記録の質が改善されるという。しかしながら、不利益な点は、追加物質を添加剤の形で使用すること、および再使用を可能にするにはその活性物質の除去または濃度の再調整が必要なので、記録層製造の際に残留した染料の回収に困難があることである。
【0021】
JP−A8−118800は、光記録用媒体であって、その記録層がフェロセン単位で置換されているアゾ化合物を含むものについて記載している。これらのアゾ化合物と、特にフタロシアニン類およびペンタメチンシアニン類との混合物についても記載している。ここでの不利な点は、該アゾ化合物または該フタロシアニン類をいずれも単独で用いた場合、満足できる記録層が得られないことである。
【0022】
すでに前記で議論したWO−0009522は、光学的情報保存媒体において記録用材料として使用できるメタロセニルフタロシアニン類を記載しているが、それは、さらなる添加剤なしに、好ましくはCD−Rに使用した場合に、先行技術のものに比べて顕著に改善された広域動作性(1〜8倍速)を発揮し、そして半導体レーザーの波長域(770〜790nm)において優れた記録および再生特性を示す。さらにまた、これらの化合物は、記録層の製造に使用した染料の回収のための、改善された方法を可能にする。しかしながら、これまでに知られている記録用材料は、非常に速い書き込み速度における高度化した要求を完全に満たすことはできない。特に、記録層の最適な厚みは、異なる書き込み速度域では異なっていることが分かっている。低書き込み速度(1〜2倍速)においては、不満足な低コントラスト(l11)が一般に臨界パラメーターになり、これは比較的厚い層によって改善できるのに対し、一方、高書き込み速度(≧4倍速)においては、臨界パラメーターは一般に短いピットまたはランド(特にL3T)においては過度のジッターであり、これは比較的薄い記録層によって低減できる。他方、薄い層は、望ましいことではないが、与えられた書き込み速度に対して、より大きな書き込みパワーが必要になり、このため、与えられたレーザー出力において、達成可能な書き込み速度がやはり制限される結果になる。
【0023】
したがって、広い帯域にわたって、すなわち低い(1〜2倍速)および非常に高い(≧12倍速)書き込み速度の両者において、1種類の同一の層厚ですべての要求仕様に適合することができ、そしてまた比較的低いレーザー出力において書き込みができる、すなわち高感度を有する、改良された記録用材料に対する要求がある。さらにまた、製造上の理由からも、広域特性が、特定の層厚においてだけでなく、できるだけ広い厚み範囲、すなわち“加工窓”の範囲内で得られることが望ましい。加工窓を測る適切な物差しは、記録層の光学密度である。したがって、加工窓の幅が非常に大きな正の数値である記録用材料を有することが望ましいが、一方、負の数値であると、すべての仕様を広域にわたって満たすことのできるような層厚が存在しないことを意味している。
【0024】
したがって、本発明の目的は、大きな加工窓、すなわち改良された正の加工窓、および高い感度を有する、新規な広域記録用材料を提供することである。特に、低い層厚、改良された再利用性、および32倍速を超える、少なくとも40倍速までの記録速度をもつ光記録用媒体が利用できるようにすることである。
【0025】
それに応じて、特許請求の範囲に記載した混合物、メタロセニルフタロシアニン化合物、それらの製造方法、それらの使用、これら混合物または化合物を含む光記録用媒体、そしてさまざまな価値が見いだされた。
【0026】
特に、本発明は、メタロセニルフタロシアニン類の混合物であって、
(a)式I:
【0027】
【化14】
Figure 2004533502
【0028】
(式中、
1は、二価金属、オキソ−金属基、ハロ−金属基もしくはヒドロキシ−金属基、または2個の水素原子であり、ここで配位子の1個または2個は、該二価金属原子、オキソ−金属基、ハロ−金属基またはヒドロキシ−金属基に結合していてよく、
Xは、ハロゲン、たとえば塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素または臭素であり、
1は、−OR1、−OOCR2、−NHR1、−N(R1)R2、−SR1、好ましくは−OR1であり、
2は、−CHO、−CH(OR3)OR4、−CH=N−OH、−CH=N−OR3、−CH=N−NHR5、−CH=N−N(R3)R5、−CH2OH、−(CH22-20OH、−CH2OR3、−CH2OOC−R3、−CO−R3、−COOHまたは−COOR3であり、
1〜R5は、互いに独立に、非置換の、またはハロゲン−、ヒドロキシ−、C1〜C20アルコキシ−、C1〜C20アルキルアミノ−またはC2〜C20ジアルキルアミノ−置換のC1〜C20アルキルであって、−O−、−S−または−NR11−(R11はC1〜C6アルキルであってよい)で中断されていてもよく、
そして、R1およびR2はまた、C5〜C20シクロアルキル、C2〜C20アルケニル、C5〜C12シクロアルケニル、C2〜C20アルキニル、C6〜C18アリールまたはC7〜C18アラルキルであってもよく、
xは、有理数0〜8、好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3であり、
1は、有理数0〜6、好ましくは整数1〜6、特に好ましくは3〜5、非常に好ましくは4であり、
2は、有理数0〜4、好ましくは0〜2、特に好ましくは0〜1であり、
ここで、(x+y1+y2)≦16、そして
15は、ヒドロキシ含有基、カルボキシ含有基または酸クロリド基含有基、好ましくは−CH2OH、−CH(Me)OH、−COOH、−COClであることができる)
のフタロシアニンを1〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、
および、
(b)式II:
【0029】
【化15】
Figure 2004533502
【0030】
のフタロシアニンを99〜1重量%、好ましくは50〜5重量%、
を含む混合物Aを、触媒の存在下でメタロセン誘導体と反応させることによって得られる混合物を提供する。
【0031】
二価金属としては、二価の遷移金属カチオン類、特に銅、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、マンガンまたはコバルト、好ましくはパラジウムまたは銅の二価カチオン類を使用することができる。
【0032】
オキソ−金属基としては、VO、MnOまたはTiOを使用することが可能である。
【0033】
ハロ−金属基としては、Al−Cl、Al−Br、Al−F、Al−I、Ga−Cl、Ga−F、Ga−I、Ga−Br、In−Cl、In−F、In−I、In−Br、Tl−Cl、Tl−F、Tl−I、Tl−Br、FeClもしくはRuCl、またはCrCl2、SiCl2、SiBr2、SiF2、SiI2、ZrCl2、GeCl2、GeBr2、GeI2、GeF2、SnCl2、SnBr2、SnI2、SnF2、TiCl2、TiF2、TiBr2を使用することが可能である。
【0034】
ヒドロキシ−金属基としては、MnOH、Si(OH)2、Ge(OH)2、Zr(OH)2、Mn(OH)2、AlOHまたはSn(OH)2を使用することが可能である。
【0035】
1〜C20アルキルは、たとえば、メチル、エチル、n−、i−プロピル、n−、s−、i−、t−ブチル、n−、ネオ−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、好ましくは、C1〜C12アルキル、たとえばメチル、エチル、n−、i−プロピル、n−、s−、i−、t−ブチル、n−、ネオ−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、または特に、分枝状C3〜C12アルキル、たとえばi−プロピル、s−、i−、t−ブチル、ネオ−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、1,3−ジメチルブチル、1−イソプロピルプロピル、1,2−ジメチルブチル、1,4−ジメチルペンチル、2−メチル−1−イソプロピルプロピル、1−エチル−3−メチルブチル、3−メチル−1−イソプロピルブチル、2−メチル−1−イソプロピルブチルまたは1−t−ブチル−2−メチルプロピル、およびC1〜C6アルキル、たとえばメチル、エチル、n−、i−プロピル、n−、s−、i−、t−ブチル、n−、ネオ−ペンチル、n−ヘキシル、2,2−ジメチルヘキシル、特に好ましくはC1〜C4アルキル、たとえばメチル、エチル、n−、i−プロピル、n−、s−、i−、t−ブチルまたは2,4−ジメチル−3−ペンチルである。
【0036】
5〜C20シクロアルキルは、たとえば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、シクロトリデシル、シクロテトラデシル、シクロペンタデシル、シクロヘキサデシル、シクロヘプタデシル、シクロオクタデシル、シクロノナデシル、シクロエイコシル、好ましくはC5〜C8シクロアルキル、たとえばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、またはビシクロアルキル、たとえば、
【0037】
【化16】
Figure 2004533502
【0038】
(式中、Xp、YpおよびZpは、それぞれ互いに独立に、水素、ハロゲン、メチルまたはエチルであることができ、そしてRp1〜Rp6は、それぞれ互いに独立に、非置換か、またはハロゲンで置換されていてよいC1〜C4アルキルであることができる)
である。好ましいビシクロアルキル基は、たとえば、
【0039】
【化17】
Figure 2004533502
【0040】
のような誘導体である。
【0041】
この種のビシクロアルキル配位子を有するフタロシアニン類の合成は、US6,348,250に詳細に記載されており、したがってこの件についてのさらなる詳細は、ここでは不要である。
【0042】
2〜C20アルケニルは、たとえば、エテニル、n−、i−プロペニル、n−、s−、i−、t−ブテニル、n−、ネオ−ペンテニル、へキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、好ましくはC2〜C6アルケニル、たとえばエテニル、n−、i−プロペニル、n−、s−、i−、t−ブテニル、n−、ネオ−ペンテニル、n−へキセニル、特に好ましくはC2〜C4アルケニル、たとえばエテニル、n−、i−プロペニル、n−、s−、i−、t−ブテニルである。
【0043】
5〜C12シクロアルケニルは、たとえば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロノネニル、シクロデセニル、シクロウンデセニル、シクロドデセニル、好ましくはC5〜C8シクロアルケニル、たとえばシクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルである。
【0044】
2〜C20アルキニルは、たとえば、エチニル、n−、i−プロピニル、n−、s−、i−、t−ブチニル、n−、ネオ−ペンチニル、へキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル、エイコシニル、好ましくはC2〜C6アルキニル、たとえばエチニル、n−、i−プロピニル、n−、s−、i−、t−ブチニル、n−、ネオ−ペンチニル、n−へキシニル、特に好ましくはC2〜C4アルキニル、たとえばエチニル、n−、i−プロピニル、n−、s−、i−、t−ブチニルである。
【0045】
6〜C18アリールは、たとえば、フェニル、1−、2−ナフチル、インデニル、アズレニル、アセナフチレニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、トリフェニレン、好ましくはフェニルである。
【0046】
7〜C18アラルキルは、たとえば、ベンジル、フェネチル、フェニル−(CH23-12−、好ましくはベンジルである。
【0047】
1〜C20アルコキシは、たとえば、メトキシ、エトキシ、n−、i−プロポキシ、n−、s−、i−、t−ブトキシ、n−、ネオ−ペントキシ、へキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシ、テトラデコキシ、ペンタデコキシ、ヘキサデコキシ、ヘプタデコキシ、オクタデコキシ、ノナデコキシ、エイコソキシ、好ましくはC1〜C6アルコキシ、たとえばメトキシ、エトキシ、n−、i−プロポキシ、n−、s−、i−、t−ブトキシ、n−、ネオ−ペントキシ、n−へキソキシ、2,2−ジメチルヘキソキシ、特に好ましくはC1〜C4アルコキシ、たとえばメトキシ、エトキシ、n−、i−プロポキシ、n−、s−、i−、t−ブトキシである。
【0048】
1〜C20アルキルアミノは、たとえば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−、i−プロピルアミノ、n−、s−、i−、t−ブチルアミノ、n−、ネオ−ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ヘプチルアミノ、オクチルアミノ、ノニルアミノ、デシルアミノ、ウンデシルアミノ、ドデシルアミノ、トリデシルアミノ、テトラデシルアミノ、ペンタデシルアミノ、ヘキサデシルアミノ、ヘプタデシルアミノ、オクタデシルアミノ、ノナデシルアミノ、エイコシルアミノ、好ましくは、C1〜C6アルキルアミノ、たとえばメチルアミノ、エチルアミノ、n−、i−プロピルアミノ、n−、s−、i−、t−ブチルアミノ、n−、ネオ−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、特に好ましくはC1〜C4アルキルアミノ、たとえばメチルアミノ、エチルアミノ、n−、i−プロピルアミノ、n−、s−、i−、t−ブチルアミノである。
【0049】
1〜C20ジアルキルアミノは、たとえば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、n−、i−ジプロピルアミノ、n−、s−、i−、t−ジブチルアミノ、n−、ネオ−ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジヘプチルアミノ、ジオクチルアミノ、ジノニルアミノ、ジデシルアミノ、ジウンデシルアミノ、ジドデシルアミノ、ジトリデシルアミノ、ジテトラデシルアミノ、ジペンタデシルアミノ、ジヘキサデシルアミノ、ジヘプタデシルアミノ、ジオクタデシルアミノ、ジノナデシルアミノ、ジエイコシルアミノ、好ましくは、C1〜C6ジアルキルアミノ、たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、n−、i−ジプロピルアミノ、n−、s−、i−、t−ジブチルアミノ、n−、ネオ−ジペンチルアミノ、n−ジヘキシルアミノ、特に好ましくはC1〜C4ジアルキルアミノ、たとえばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、n−、i−ジプロピルアミノ、n−、s−、i−、t−ジブチルアミノである。
【0050】
リン含有C1〜C4アルキルとしては、ジフェニルホスフィン基、たとえば−CH2−PAr2または−CH(Me)−PAr2(ここで、Arは非置換または置換フェニル)により置換されたメチレン、エチレン、プロピレンまたはブチレンを使用するのが好ましい。
【0051】
ジアリールホスフィンとしては、たとえばジフェニルホスフィンおよび置換されたジフェニルホスフィンを使用することができる。
【0052】
本発明記載の反応は、一般に、触媒存在下でメタロセン誘導体を用いる混合物Aのエステル化反応によって、すなわち混合物Aを、メタロセン誘導体、好ましくはヒドロキシ含有メタロセン、カルボキシ含有メタロセン、および酸クロリド基含有メタロセンよりなる群から、好ましくはメタロセンカルボニルクロリド類CpM2Cp′−COCl、メタロセンカルボン酸CpM2Cp′−COOH、(ここでCpは、
【0053】
【化18】
Figure 2004533502
【0054】
であり、そしてCp′は、
【0055】
【化19】
Figure 2004533502
【0056】
である)、およびメタロセンアルコールよりなる群から選ばれるものと、それ自体既知の方法で反応させることによって実施される。
【0057】
特に好ましいのは、そのR15がヒドロキシ含有基である混合物Aの使用、およびメタロセンがカルボキシ含有基または酸クロリド基含有基を有していることである。同程度に好ましいのは、R15がカルボキシ含有基または酸クロリド基含有基であり、そしてメタロセンがヒドロキシ含有基である、前者の変種である。
【0058】
この反応は、同様にそれ自体既知の方法により、2個のヒドロキシ含有基を縮合してエーテルを形成させるか、または1個のヒドロキシ含有基を1個のアミン含有基と融合させてウレタンを形成させることによっても実施できる。
【0059】
15としての他の可能な上述の基は、好ましくは同様な方法で得ることができる。
【0060】
出発化合物IおよびIIは、OH含有置換基を有する場合、一般に、たとえばWO98/14520記載の方法で、対応するホルミル化合物、好ましくは対応するアルデヒドの還元によって得ることができる。アルデヒドの還元は、好ましくは錯体金属水素化物、たとえば水素化ホウ素ナトリウムを使用することによって実施できる。還元は、特に好ましくは、不活性な担体、たとえばゼオライト、ろ過助剤、ケイ酸塩、酸化アルミニウム(“Alox”)上の錯体金属水素化物を用いて、とりわけ特に好ましくはAlox上の水素化ホウ素ナトリウムを用いて実施する。カルボキシ基は、それ自体既知の方法で、対応するホルミル化合物の酸化によって得ることができ、そして、所望なら、対応する酸クロリドに変換できる。
【0061】
ホルミル化合物自体は、たとえば、WO98/14520にも記載されている方法により、フタロシアニンIII:
【0062】
【化20】
Figure 2004533502
【0063】
を、たとえばEP−B373643から知られているようなVilsmeier反応において、好ましくは、オキシ塩化リン/ジメチルホルムアミド、またはオキシ塩化リン/N−メチルホルムアニリドと反応させることによって得られる。
【0064】
対応するハロゲン化化合物I〜III(x≠0のもの)は、たとえば対応するホルミル化合物を、還元して対応するアルコール化合物Vにする前でも、ハロゲン化することによって得られる。
【0065】
ハロゲン化は、EP−A513,370またはEP−A519,419に記載の通常の方法により、たとえば所望のフタロシアニンを、有機溶媒、たとえば飽和炭化水素、エーテルまたはハロゲン化炭化水素中で、またはEP−A703,281記載の方法のように、水および実質的に水と混ざらないハロゲン化芳香族溶媒を含む二相系中で、臭素と混合することによって、所望なら加熱して実施することができる。ハロゲン化は、混合物Aとメタロセン誘導体を反応させた後に初めて実施することも、同様に可能である。
【0066】
メタロセンカルボニル化合物としては、好ましいのはフェロセンカルボン酸およびエステルやハロゲン化物のような誘導体、好ましくはフェロセンカルボン酸:
【0067】
【化21】
Figure 2004533502
【0068】
である。
【0069】
メタロセンカルボニル化合物類は、一般に商業的に入手可能であるか、またはOrg. Synthesis 56(1977)28-31に記載の既知の方法により得ることができる。フェロセン誘導体類は、“The Synthesis of Substituted Ferrocenes and Other π-Cyclopentadienyl-Transition Metal Compounds(置換されたフェロセンおよび他のπ−シクロペンタジエニル−遷移金属化合物), Org. Reactions 17, 1969, 1/154, 21/3, 99/100”に記載の方法によっても同様に得ることができる。特に、前述のフェロセニル酢酸は、以下の合成経路によって得ることができる:
【0070】
【化22】
Figure 2004533502
【0071】
さらなるフェロセン誘導体、例としてフェロセニル酪酸またはフェロセノイルプロピオン酸は、たとえばJ. Am. Chem. Soc. 79, 3420-3424(1957); Docl. Acad. Nauk SSSR 118, 1958, 512/4; Proc. Acad. Sci. USSR Chem. Sect. 118, 1958, 81/3; US3,222,373に記載されている。二官能性フェロセン誘導体、たとえばフェロセンジカルボン酸または1,1′−ビスヒドロキシメチルフェロセンは、2個のフタロシアニン単位の間の連結橋として組み込むことも可能である。たとえば、フェロセンジカルボン酸の合成は、J. Polymer Sci., 54, 651(1961)の方法と同様な方法によって実施できる。1,1′−ビスヒドロキシメチルフェロセンは、商業的に入手可能である(たとえば、ALDRICH, No.37,262-5, Registry No. 1291-48-1 CHEMCATS)。
【0072】
メタロセンカルボニル化合物の混合物Aに対するモル比は、通常、所望のエステル化度およびフタロシアニンIおよびIIのモル比に依存する。好ましくは、5:1〜0.5:1、特に好ましくは2:1〜1:1の範囲である。
【0073】
反応は、通常、溶媒中で実施される。使用される溶媒は、たとえば非プロトン性有機溶媒、例としてピリジン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレンまたは酢酸エチル、またはこれらの混合物である。
【0074】
好ましいのは、比較的低沸点の極性溶媒および比較的高沸点の無極性溶媒を含む溶媒混合物の使用であり、特にカルボン酸またはカルボン酸エステル(エステル交換反応)を用いる酸触媒エステル化を実施する場合がそれに当たる。使用するフェロセン誘導体の溶解性によっては、極性溶媒の添加を省いてもよい。
【0075】
比較的低沸点の極性溶媒は、その後、好ましくは、反応を進めながら反応で生成した水(またはアルコール)と一緒に反応混合物から留去する。
【0076】
極性溶媒と無極性溶媒の重量比は、通常10:1〜1:10、好ましくは4:1〜1:1の範囲内である。
【0077】
溶媒混合物と混合物Aの重量比は、一般に2:1〜50:1、好ましくは5:1〜20:1の範囲内である。
【0078】
反応のための触媒としては、アルコールとカルボン酸のエステル化反応における、または2種のアルコール成分のエステル化における、通例の酸の使用が好ましい。これらは、たとえば:
鉱酸、たとえばH2SO4、HCl、HBr、HClO4、H3PO4
式Ar−SO3Hの芳香族スルホン酸、たとえばp−トルエンスルホン酸、
ルイス酸、たとえばFeCl3、AlCl3、ZnCl2、TiOR4(ここで、R=C1〜C6アルキル)、酸化ジブチルスズ、酸化ジオクチルスズ、である。
【0079】
触媒の量は触媒の種類に依存し、一般に、使用される混合物Aを基準に0.01〜20重量%の範囲内である。強い鉱酸およびルイス酸の場合、通常は0.1〜1重量%の量で十分である。
【0080】
反応温度は、通常は0℃から常圧下における反応混合物の還流温度までで、好ましくは室温(20℃)から130℃である。反応温度は通常、用いる溶媒、または選択した溶媒混合物の組成に依存する。
【0081】
現在までの観察に基づくと、反応圧力は本発明の成功にとって臨界的ではない。70kPa〜5MPa、好ましくは90〜120kPaの範囲で選択するのが有利である。
【0082】
反応は、好ましくは、窒素または希ガスたとえばネオンもしくはアルゴンのような、不活性ガス雰囲気中で実施される。
【0083】
本発明の混合物は、WO98/14520記載の方法で、フタロシアニンIIIから得られるホルミル化合物を、たとえば水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元して対応するアルコール化合物を形成させ、その後、そのアルコール化合物をメタロセニル基でエステル化し、ついで、所望なら、その生成物をハロゲン化することによっても得ることができる。
【0084】
本発明のさらなる実施態様は、以下の主成分を含む本発明の混合物を提供する:
(a)メタロセニルフタロシアニンIV、またはその二価金属、オキソ−金属、ハロ−金属もしくはヒドロキシ−金属との金属錯体であって、ここでフタロシアニンのフェニル環4個のうち少なくとも1個が、連結単位Eを介して結合している置換基としてメタロセン基少なくとも1個を保持しているもの(ここでEは、−CH2−、−C(=O)−、−CH(C1〜C4アルキル)−、−C(C1〜C4アルキル)2−、−NH−、−S−および−O−よりなる群から選ばれる原子または原子団の少なくとも2個の鎖を含む)、あるいは異なるメタロセニルフタロシアニンIVの混合物を、1〜99重量%、好ましくは20〜95重量%、特に好ましくは40〜90重量%、とりわけ特に好ましくは50〜80重量%、および
(b)単結合または連結原子もしくは分子を介して結合している2個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物V、それぞれ単結合および/または連結原子もしくは分子を介して結合している3個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物VI、およびそれぞれ単結合および/または連結原子もしくは分子を介して結合している4個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物VIIよりなる群から選ばれる、メタロセニルフタロシアニン化合物を99〜1重量%、好ましくは80〜5重量%、特に好ましくは60〜10重量%、とりわけ特に好ましくは50〜20重量%。
【0085】
好ましいメタロセニルフタロシアニンIV、またはその金属錯体は、式IVa:
【0086】
【化23】
Figure 2004533502
【0087】
(式中、R3は、
【0088】
【化24】
Figure 2004533502
【0089】
好ましくは、
【0090】
【化25】
Figure 2004533502
【0091】
(式中、
4およびR5は、それぞれ互いに独立に、水素またはC1〜C4アルキルであることができ、
nは、1〜4であり、
6およびR7は、それぞれ互いに独立に、水素、ハロゲン、たとえばフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、アミノ−C1〜C4アルキル、ジアリールホスフィンまたはリン含有C1〜C4アルキル、たとえば−CH2−PAr2もしくは−CH(Me)−PAr2(ここで、Arは非置換または置換フェニルである)であり、
8は、−O−R9−,−C(=O)−O−R9−または−O−C(=O)−R9−(ここで、R9は単結合、C1〜C4アルキレンまたはC2〜C4アルケニレンであり得る)であることができ、
2は、二価の遷移金属であり、
12は、水素またはメチルであり、そして
13は、単結合、−CH2−、−CH2CH2−、−CH=CH−、−CH2−C(=O)−または−CH2CH2−C(=O)−である);
zは、1〜4、好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2であって、
ここで、(x+y1+y2+z)≦16であり、
そして配位子の1または2個は、二価金属原子、オキソ−金属基、ハロ−金属基またはヒドロキシ−金属基に結合していてよく、そしてEは、前記に示したように、−CH2−、−C(=O)−、−CH(C1〜C4アルキル)−、−C(C1〜C4アルキル)2−、−NH−、−S−および−O−よりなる群から選ばれる分子鎖である)
を有するものである。
【0092】
有理数または非整数、z、x、y1およびy2(そして以下のa2〜a8も)は、少なくとも2種の異なる化合物IVの混合物が存在することを示し、そしてその2種の化合物のモル比が、対応する有理数になっている。したがって、たとえば、z=1.5は、z=1である式IVの化合物、およびz=2である別の化合物IVが、1:1のモル比で存在していることを意味するであろう。
【0093】
これも指摘しておいてよいが、フェニル環上の異なる置換位置を有する対応構造異性体は、その一般式に包含されてはいるが、明確化のために表示するということはしていない。
【0094】
これら二つの注意事項は、本特許出願明細書に記載されているすべての化学式に適用される。
【0095】
特に好ましいメタロセニルフタロシアニン類は、式IVb:
【0096】
【化26】
Figure 2004533502
【0097】
(式中、x=2.6〜3.0、好ましくは2.7〜2.9、特に2.8)、
または式IVc:
【0098】
【化27】
Figure 2004533502
【0099】
(式中、x=0〜5、好ましくは0)
を有する。
【0100】
好ましいのは、以下を含む、異なるメタロセニルフタロシアニンIVの混合物である:
(a)化合物IVd:
【0101】
【化28】
Figure 2004533502
【0102】
(R3基1個を有するもの(z=1))
を60〜95モル%、好ましくは80〜95モル%、
(b)2個のR3基を有する(z=2)化合物IVdを、5〜20モル%、好ましくは5〜10モル%、および
(c)化合物IVe:
【0103】
【化29】
Figure 2004533502
【0104】
を、0〜25モル%、好ましくは0〜10モル%
(ここで、基−OR11、R3=R14、XおよびM3は、式IVdおよびIVe中でそれぞれ同一であり、そして他は前記定義のとおりであり、そしてモル%値の合計は100%である)。
【0105】
さらに、特に好ましいのは、以下を含む、異なるメタロセニルフタロシアニンIVの混合物である:
(a)化合物IVd(ここで、R11がC1〜C12アルキル、そしてM3がパラジウムまたは銅、そしてzが1である)を60〜95モル%、好ましくは80〜95モル%、
(b)2個のR3基を有する(z=2)化合物IVdを、5〜20モル%、好ましくは5〜10モル%、および
(c)化合物IVe(ここで、R14が−CHO、−CH2OH、−COOH、−CH2OC(O)−C1〜C4アルキルまたはアセタールであり、そしてzは1または2であってよい)を、0〜25モル%、好ましくは0〜10モル%
(ここで、基−OR11、R3=R14、XおよびM3は、式IVdおよびIVe中でそれぞれ同一であり、そして他は前記定義のとおりであり、そしてモル%値の合計は100%である)。
【0106】
本発明のさらなる実施態様は、単結合または連結原子もしくは分子を介して結合している2個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物V、それぞれ単結合および/または連結原子もしくは分子を介して結合している3個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物VI、およびそれぞれ単結合および/または連結原子もしくは分子を介して結合している4個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物VIIよりなる群から選ばれる、メタロセニルフタロシアニン化合物を提供する。
【0107】
メタロセニルフタロシアニンV、VIおよびVII、およびより高級なオリゴマーは、式VIII:
【0108】
【化30】
Figure 2004533502
【0109】
(式中、
Pcは、フタロシアニン、またはその二価金属、オキソ−金属、ハロ−金属、ヒドロキシ−金属もしくは水素原子2個との金属錯体であり、そして二価金属、オキソ−金属等は前記定義のとおりであり、
Xa、Ya、Za、Maおよび−L−は、周囲炭素骨格上の置換基であって、特にXaはハロゲンであり、Yaは、置換もしくは非置換アルコキシ、アルキルアミノまたはアルキルチオであり、Zaは、ホルミル、カルボニル、ヒドロキシメチルまたはカルボキシ基であり、Maは、メタロセン基を少なくとも1個含む置換基であり、−L−は、単結合、−(CH2a7−(ここでa7=1、2、3または4)、エーテル基たとえば−O−または−(CH2a7−O−(CH2a8−(ここでa8=1、2、3または4)、エステル基、アミド基または二価のメタロセニル基であり、そして
a1は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
a2は、有理数0〜8、好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3であり、
a3は、有理数0〜6、好ましくは整数1〜6、特に好ましくは3〜5、非常に好ましくは4であり、
a4は、有理数0〜4、好ましくは0〜2、特に好ましくは0〜1であり、
a5は、有理数0〜4、好ましくは0〜2であり、
a6は、有理数1〜4、好ましくは1〜3であり、
ここで、(a2+a3+a4+a5+a6)≦16、そして1≦(a4+a5+a6)≦4)によって表すことができる。
【0110】
特に好ましい式V〜VIIのオリゴマー性フタロシアニン、およびさらなるオリゴマーで4個を超えるフタロシアニン単位を有するものは、式IX:
【0111】
【化31】
Figure 2004533502
【0112】
(式中、
1は、前記定義のとおりであり、
Xaは、ハロゲン、たとえば塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素または臭素であり、
Yaは、好ましくは−OR1、−OORC−R2、−NHR1、−N(R1)R2、−SR1、好ましくは−OR1であり、
Zaは、好ましくは−CHO、−CH(OR3)OR4、−CH=N−OH、−CH=N−OR3、−CH=N−NHR5、−CH=N−N(R3)R5、−CH2OH,−(CH22-20OH、−CH2OR3、−CH2OOC−R3、−CO−R3、−COOHまたは−COOR3であり、
3は、好ましくは、
【0113】
【化32】
Figure 2004533502
【0114】
であり、
Lは、好ましくは、−E2−または
【0115】
【化33】
Figure 2004533502
【0116】
であり、ここで
2およびM3は、それぞれ二価の遷移金属、好ましくは鉄であり、
1、E2、E3は、それぞれ互いに独立に−R8(CH21-209−、−R8(COO)1-209−、−R8OR9−、−R8(CONR101-209−、好ましくは−(CH21-8−、−(CH21-8(COO)1-8−、−(CH21-8O(CH21-8(CONH)1-8−または−CONH−であり、
1〜R7は、前記定義のとおりであり、
8およびR9は、それぞれ互いに独立に、単結合、非置換またはハロゲン−、O−、C1〜C4アルキル−、C1〜C4アルコキシ−もしくはC1〜C4アルキルアミノ−置換のC1〜C20アルキレンまたはC2〜C20アルキレニンであって、−O−、−CO−、−S−、−NR10−により中断されていてもよく、
10は、HまたはC1〜C6アルキルであることができ、
11は、H、C5〜C20シクロアルキル、C2〜C20アルケニル、C5〜C12シクロアルケニル、C2〜C20アルキニル、C6〜C18アリールまたはC7〜C18アラルキルである)
を有する。
【0117】
さらなる特に好ましい実施態様は、オリゴマー性メタロセニルフタロシアニン類IX、好ましくは二量体(好ましくは化合物V)、三量体(好ましくは化合物VI)および四量体(好ましくは化合物VII)のフタロシアニン(ここで、好ましくは、M1がPdまたはCuであり、XaがClまたはBrであり、Yaが−OCH(CHMe22であり、Maが−CH2OC(=O)Fc(Fcは非置換のフェロセン単位、−FeCp2である)であり、そしてLが−CH2−、−CH2OCH2−または−CH2OC(=O)FcC(=O)OCH2−であり、a2が0〜4であり、a3が2〜6、特に4であり、a4が0〜2であり、a5が0〜3であり、a6が1〜3であって、ここでa5+a6は3以下であり、そしてYa、MaおよびLが、好ましくは式IXのフタロシアニン骨格の1,4,5,8,9,12,13,16位置に結合している)を提供する。
【0118】
特に好ましい式IXおよびV〜VIIのフタロシアニン類は以下である:
【0119】
【化34】
Figure 2004533502
【0120】
これらの式中、
【0121】
【化35】
Figure 2004533502
【0122】
は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
【0123】
【化36】
Figure 2004533502
【0124】
はフェロセン、すなわち−FeCp2である
(ここで、個々のフタロシアニン単位を互いに結合している連結橋、すなわち、特に−CH2−O−CH2−および−CH2−、そしてまた連結単位Lは、好ましくはアルコキシ基(Ya)に対してパラ位に位置する)。
【0125】
本発明の特に好ましい実施態様は、式VIIIまたはより特定の式IX(式中、a1は1であり、a2は0であり、Yaは2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシであり、a3は4であり、a4は0であり、a5は0であり、a6は1であり、そしてLは−CH2−O−CH2−であって、そしてこれは、特定の式IXa:
【0126】
【化37】
Figure 2004533502
【0127】
(式中、
【0128】
【化38】
Figure 2004533502
【0129】
は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
そしてLは、好ましくはYaに対してパラ位に位置する)を有する)
の新規化合物を提供する。
【0130】
本発明の特に好ましい実施態様は、式VIIIまたはより特定の式IX(式中、a1は2であり、a2は0であり、Yaは2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシであり、a3は4であり、a4は0であり、a5は1であり、Maは−CH2−OCO−FeCp2であり、a6は1であり、そしてLは−CH2−O−CH2−であって、そしてこれは特定の式IXb:
【0131】
【化39】
Figure 2004533502
【0132】
(式中、
【0133】
【化40】
Figure 2004533502
【0134】
は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
Lは、好ましくはYaに対してパラ位に位置し、そして
【0135】
【化41】
Figure 2004533502
【0136】
は、FeCp2である)を有する)
の新規化合物を提供する。
【0137】
本発明のさらに特に好ましい実施態様は、式VIIIまたはより特定の式IX(式中、a1は3であり、a2は0であり、Yaは2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシであり、a3は4であり、a4は0であり、a5は0であり、a6は2であり、そしてLは−CH2−O−CH2−であって、そしてこの特定の式IXc:
【0138】
【化42】
Figure 2004533502
【0139】
(式中、
【0140】
【化43】
Figure 2004533502
【0141】
は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
そしてLは、好ましくはYaに対してパラ位に位置する)を有する)
の新規化合物を提供する。
【0142】
本発明のさらに特に好ましい実施態様は、式VIIIまたはより特定の式IX(式中、a1は3であり、a2は0であり、Yaは2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシであり、a3は4であり、a4は0であり、a5は1であり、Maは−CH2−OCO−FeCp2であり、a6は2であり、そしてLは−CH2−O−CH2−であって、そしてこの特定の式IXd:
【0143】
【化44】
Figure 2004533502
【0144】
(式中、
【0145】
【化45】
Figure 2004533502
【0146】
は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
Lは、好ましくはYaに対してパラ位に位置し、そして
【0147】
【化46】
Figure 2004533502
【0148】
は、FeCp2である)を有する)
の新規化合物を提供する。
【0149】
さらに特に好ましい実施態様は、メタロセニルフタロシアニンIVおよび少なくとも1種類のメタロセニルフタロシアニンIX(式中、M1はPdであり、そしてXおよびXaはそれぞれBrであり、−L−は−CH2−または−CH2OCH2−であり、xおよびa2はそれぞれ2〜3、好ましくは2.5〜3であり、yおよびa3はそれぞれ4であり、そしてzおよびa6はそれぞれ2以下である)を含み、メタロセニルフタロシアニンまたはメタロセニルフタロシアニン類IXの含有量が、好ましくは全混合物量を基準にして10〜30重量%である混合物を提供する。
【0150】
さらに特に好ましい実施態様は、メタロセニルフタロシアニンIVおよび少なくとも1種類のメタロセニルフタロシアニンIX(式中、M1はCuであり、−L−は−CH2−または−CH2OCH2−であり、xおよびa2はそれぞれ0〜0.3、特に好ましくは0であり、XおよびXaはそれぞれBrであり、yおよびa3はそれぞれ4であり、そしてzおよびa6はそれぞれ3以下である)を含み、メタロセニルフタロシアニンまたはメタロセニルフタロシアニン類IXの含有量が、好ましくは全混合物量を基準にして20〜50重量%、特に好ましくは30〜50重量%である混合物を提供する。
【0151】
さらに本発明は、
(a)式Iのフタロシアニンを99〜1重量%、および
(b)式IIのフタロシアニンを1〜99重量%、
を含む混合物Aを、触媒の存在下でメタロセン誘導体と反応させることによる、本発明の混合物の製造方法を提供する。
【0152】
加えて本発明は、前述の方法により得られた反応生成物から、それ自体既知の方法で分離し、そして単離することによる、新規なメタロセニルフタロシアニン化合物IV、または化合物V〜VIIIを製造するための好ましい方法を提供する。
【0153】
さらなる実施態様は、本発明の化合物もしくは混合物、または本発明の方法によって製造された化合物もしくは混合物の、光記録用媒体の製造のための使用を提供する。
【0154】
さらなる実施態様は、透明な基板、該基板上の記録層、該記録層上の反射層、そして所望ならば、該反射層上の保護層を含み、ここで該記録層が、本発明の混合物もしくは本発明の化合物、または本発明記載の方法によって製造された化合物もしくは混合物を含む、光記録用媒体を提供する。
【0155】
さらなる実施態様は、本発明による光記録用媒体の、情報の光記録、保存および再生のための、回折光素子製造のための、またはホログラム保存のための使用を提供する。
【0156】
所望ならば、本発明による光記録用媒体は、1層を超える記録層および/または1層を超える反射層もしくは部分的反射(半透明)層を含んでいてよい。
【0157】
塗布された層の支持体として役立つ基板は、一般に半透明(すなわち少なくとも10%の透過率Tを有する)、または、好ましくは透明(T≧90%)である。この支持体は、厚み0.01〜10mm、好ましくは0.1〜5mmを有することができる。
【0158】
記録層は、好ましくは透明基板と反射層の間に位置する。記録層の厚みは、一般に10〜1,000nm、好ましくは50〜500nm、特に好ましくは100nmの領域、たとえば80〜150nmである。記録層の吸収極大における吸光度は、通常0.1〜2.0、好ましくは0.5〜2.0である。層の厚みは、建設的干渉が結果として未書き込み状態を生じ、反対に破壊的干渉が結果として書き込み状態を生じるように、またはその逆になるように、読み出し波長における未書き込み状態および書き込み状態それぞれの屈折率の関数として、既知のやり方で、とりわけ特に好ましい値に選ばれる。
【0159】
一般に厚みが10〜150nmの反射層は、好ましくは高い反射率(R≧70%)および低い透明度(T≦10%)を有する。
【0160】
最上層、たとえばその層構造によって、反射層または記録層は、一般に厚み0.1〜1,000μm、好ましくは0.1〜50μm、そして特に好ましくは0.5〜15μmの範囲を有する保護層を追加的に備えているのが好ましい。この保護層は、そこに適用する、好ましくは厚み0.1〜5mmを有し、そして支持体基板と同一の材料からなる、第二の基板のための接着層としても役立つ。
【0161】
記録用媒体全体としての総反射率は、好ましくは、使用するレーザーの書き込み波長において、少なくとも60%、特に好ましくは少なくとも65%である。
【0162】
好適な基板は、たとえばガラス、鉱物、セラミックスおよび熱硬化性または熱可塑性ポリマーである。好ましい支持体は、ガラス類ならびにホモポリマー類およびコポリマー類である。
【0163】
好適なポリマー類は、たとえば熱可塑性のポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリラートおよびポリメタクリラート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、熱硬化性のポリエステルおよびエポキシ樹脂である。基板は、純粋な形態でもよく、またはさらなる通例の添加剤、たとえばUV吸収剤、またはJP04/167239に提案された染料を記録層の光保護用として含むこともできる。後者の場合、支持体基板に添加される染料は、記録層の染料に対して少なくとも10nm、好ましくは少なくとも20nmだけ浅色側に移動した吸収極大を有しているのが好都合であり得る。
【0164】
基板は、好ましくは、600〜830nm領域内の少なくともある部分では透明であって、書き込みまたは読み出し波長において、入射光の少なくとも90%を透過させることである。基板は、好ましくは被覆される側に渦巻状の案内溝を有し、その溝深さが一般に50〜500nm、溝幅が通常0.2〜0.8μm、そして半径方向の隣接溝間隔が一般に0.4〜1.6μmであり、特に好ましくは溝深さが100〜300nm、そして溝幅が通常0.3〜0.6μmのものである。
【0165】
基板の代わりに、EP−A392531記載のように、記録層自体が溝を有することも可能である。
【0166】
記録層は、もっぱらまたは実質的に、本発明のフタロシアニン1種類以上からなる。しかしながら、さらに安定性を向上させる目的で、既知の安定剤を通常の量で、たとえばJP04/025493に記載されたニッケルジチオラートを、光安定剤として添加することができる。所望なら、追加の染料も添加できるが、その量は、記録層を基準にして50重量%以下、好ましくは10重量%以下の量が有利である。本発明の記録用媒体の有利性は本発明のフタロシアニンに依存するので、いずれの追加された染料も本発明のフタロシアニンに対して浅色側に移動した吸収極大を有していること、および追加された染料の量は、その600〜830nm領域における寄与が、記録層の全吸収に対して20%以下、好ましくは10%以下であるような少量に保つことが有利である。しかしながら、特に好ましいのは、追加の染料を添加しないことである。
【0167】
反射層に適する反射材料は、特に書き込みおよび再生に使用するレーザーを容易に反射する金属類、たとえば元素の周期律表の3、4および5主族、ならびに遷移族の金属である。特に有用な金属は、Al、In、Sn、Pb、Sb、Bi、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Sc、Y、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、ならびにランタニド金属Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu、ならびにそれらの混合物および合金である。高い反射率および製造の容易性の理由から、特に好ましいのは、アルミニウム、銀、銅、金、またはそれらの合金の反射層である。
【0168】
保護層に適する材料は、主として合成ポリマーであって、直接か、または結合層を介してのいずれかで、支持体にまたは最上層に薄層状で被覆できるものである。機械的および熱的に安定なポリマーで、良好な表面特性を有し、そしてさらに修飾、たとえば印刷できるものを選ぶのが有利である。熱硬化性ポリマーおよび熱可塑性ポリマーの両者とも可能である。好ましいのは、生産が簡単で経済的な照射光硬化(たとえばUV照射による)保護層である。多数の照射光硬化材料が知られている。照射光硬化モノマーおよびオリゴマーの例は、ジオール、トリオールおよびテトラオールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、芳香族テトラカルボン酸と、アミノ基に対してオルト位置の少なくとも2個にC1〜C4アルキル基を有する芳香族ジアミンとのポリイミド、ならびにジアルキルマレイミジル基、たとえばジメチルマレイミジル基を含有するオリゴマーである。
【0169】
本発明の記録用媒体は、干渉層のような追加の層を有することもできる。また、複数の記録層(たとえば2層の記録層)を有する記録用媒体を構成することも可能である。このような材料の構造および使用は、当業者には周知のものである。干渉層を使用する場合には、干渉層は、記録層と反射層の間および/または記録層と基板の間に位置し、そして誘電材料、たとえばTiO2、Si34、ZnS、またはEP−A353393に記載されているようなシリコーン樹脂からなることが好ましい。
【0170】
本発明の記録用媒体は、使用する材料およびそれらの機能のさせ方に応じて、種々の被覆技法を用い、それ自体既知の方法によって製造することができる。
【0171】
好適な被覆方法は、たとえば浸漬、流延、塗布、ドクターナイフ塗布および回転塗布、ならびに高真空中で実施される蒸着法である。たとえば流延法を使用する場合は、有機溶媒の溶液が通常用いられる。溶媒使用の場合、使用する支持体がその溶媒に敏感でないことを確認するのが好ましい。本発明の染料の特に有利な点は、純化合物としても、また少数成分のみの混合物としても、比較的低い極性の溶媒に容易に溶解するので、アセトンや複雑な異性体混合物のような攻撃性の強い溶媒を使用しないで済む。適した被覆方法および溶媒は、たとえばEP−A401791に記載されている。
【0172】
記録層は、染料溶液を用いる回転塗布法によって塗覆するのが好ましい。この目的に有用であることが見出されている溶媒は、特にアルコール類、たとえば2−メトキシエタノール、シクロペンタノール、イソプロパノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール、n−ブタノールもしくはアミルアルコール、好ましくはシクロペンタノール、ジアセトンアルコールもしくはアミルアルコール、または好ましくはフッ素化アルコール類、たとえば2,2,2−トリフルオロエタノールもしくは2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、およびさらに、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノンおよびジイソブチルケトン、またはそれらの混合物、好ましくはアミルアルコールおよび2,6−ジメチル−4−ヘプタノンである。同様に好ましいのは、ジブチルエーテルおよび2,6−ジメチル−4−ヘプタノンまたは−ヘプタノールの混合物である。
【0173】
また特に好ましいのは、添加剤、たとえば界面活性剤または失活剤、特に過酸化物失活剤、特に好ましくはヒドロキノンモノメチルエーテル(通常はppm領域、たとえば1〜10ppmの範囲の量で使用される)の配合である。
【0174】
金属反射層は、好ましくは減圧下におけるスパッタリングまたは蒸着法によって塗覆される。支持体への良好な接着性のゆえに、金属反射層の塗覆にはスパッタリングの技法が特に好まれる。この技法については、講座書(たとえばJ. L. Vossen, W.Kern,“Thin Film Processes(薄膜製造法)”, Academic Press, 1978)および先行技術(たとえばEP−A712904)の両者に包括的に記載されているので、さらなる詳細はここでは必要としない。
【0175】
本発明の記録用媒体の構造は、一般に主に読み出しの方法に依存する。既知の機能原理は、光の透過率または好ましくは反射率の変化の測定である。
【0176】
記録用材料が反射率変化を測定するように構成される場合には、たとえば以下の構造を用いることができる:透明な支持体/記録層(1層以上)/反射層、および適切なら、保護層(必ずしも透明である必要はない)または支持体(必ずしも透明である必要はない)/反射層/記録層、そして適切なら、透明な保護層。第一の場合は、光が支持体側から入射し、一方、第二の場合は、光が記録層側、またはもし存在するなら保護層側から入射する。両者の場合とも、光検出器は、光源と同じ側に存在する。本発明によって使用される記録用材料には、第一の構成が一般に好ましい。
【0177】
記録用材料が光の透過率変化を測定するように構成される場合には、他の選択肢として、たとえば以下の構造が可能である:透明な支持体/記録層(1層以上)、および適切なら透明な保護層。書き込みまたは読み出しのための光は、支持体側または記録層側、もしくはもし存在するなら保護層側のいずれからでも入射することができ、そしてこの場合には、光検出器は常に反対側に存在する。
【0178】
したがって、本発明のさらなる実施態様は、本発明のメタロセニルフタロシアニンもしくはその混合物、または本発明記載の方法によって製造したメタロセニルフタロシアニンを含む、光記録用媒体を提供する。
【0179】
好ましい実施態様は、透明な基板、該基板上の記録層、該記録層上の反射層、そして所望なら、最終保護層を含み、ここで該記録層が本発明記載の、または本発明記載の方法によって製造されたメタロセニルフタロシアニン、またはそれの混合物を含む、光記録用媒体を提供する。
【0180】
情報の記録(記入、書き込み)および読み出しは、好ましくはレーザー光を使用して実行する。好適なレーザーは、たとえば市販の半導体ダイオードレーザー、例としてGaAsAl、InGaAlP、GaAsまたはGaNレーザーダイオードであって、波長635、650、670、680、780もしくは830nm、または390〜430nmを有するもの、あるいはガス/イオンレーザー、例としてHe/Ne、Kr、HeCdもしくはArレーザーであって、波長602、612、633、647、もしくは442および457nmを有するものである。
【0181】
記録は、好ましくは記録層に焦点を合わせたパルス長変調のレーザー光を用い、種々の長さのピットを書き込むことによって実施される。選択される記録速度は、焦点合わせの幾何構造およびレーザー出力に依存し、そして、たとえば0.01〜100m/s、好ましくは1〜50m/s(1〜40倍速に相当)、またはそれ以上、たとえば1〜48倍速でさえあり得る。
【0182】
情報の読み出しは、好ましくは低出力レーザー光および光検出器を用いた、反射率または透過率の局部測定によって実施される。記録に用いた波長のレーザー光が使用できれば、第二のレーザー装置を使用しないで済むので特に有利である。好ましい実施態様においては、したがって情報の記録と読み出しを、同一波長において実施する。読み出しの間は、使用するレーザー出力を、一般には記録に用いたレーザー光に比べて、たとえば10分の1〜50分の1に低下させる。本発明に従って使用した記録用材料の場合には、情報は1回以上読み出すことができる。適切な光検出器は、好ましくは、PINおよびAV光ダイオード、およびさらにCCD(charge-coupled device(電荷結合素子))を包含する。
【0183】
さらなる実施態様は、本発明の化合物またはその混合物を含む記録層を提供し、そしてまた、そのものから製造し、そしてさらに添加剤、たとえば安定剤またはスペクトル特性もしくは色を改変するための染料を、記録層を基準にして0.001〜20重量%の範囲の含有量で含む光記録用媒体を提供する。
【0184】
このような染料は、たとえばEP−A376327によって当業者に周知であり、たとえばシアニン類、クマリン類、アラントイン染料類、
【0185】
【化47】
Figure 2004533502
【0186】
のようなアゾ染料類、チアジン染料類、トリフェニルメタン染料類、アクリジン類、オキサゾリン類、
【0187】
【化48】
Figure 2004533502
【0188】
のようなビスアゾ染料類、キサンテン類、またはEP−A822544によって知られているジピロメテン類である。
【0189】
本発明のフタロシアニン類は、情報を高い信頼性および安定性をもって保存することを可能にし、そして非常に良好な機械的および熱的安定性を有しており、しかも高い光安定性および尖鋭なピット端部を示す。特に有利な特性は、高い信号/ノイズ比および高い光分解能であり、これにより、高速(≧4倍速)においてさえも、信号の無欠陥記録および読み出し、そして同時に低ジッターの達成が可能になる。
【0190】
本発明の媒体は、特にWORM型の光情報保存用媒体を意味する。これは、たとえば再生用CD(compact disc)として、コンピューターおよびビデオ記録機/再生機のための保存用材料として、本人証明用およびセキュリティ用カードとして、または回折光素子、たとえばホログラムの製造のために使用することができる。
【0191】
したがって、本発明はさらに、本発明の記録用媒体の、情報の光記録、保存および再生のための、回折光素子製造のための、またはホログラムの保存のための使用を提供する。記録および再生は、好ましくは400〜500nm、または特に好ましくは600〜830nmの波長範囲において実施される。
【0192】
本発明のさらなる実施態様は、本発明の混合物および式IXa〜IXdの新規化合物の、書き込み用光記録媒体で、書き込み速度が8倍速以上、好ましくは16倍速以上、特に好ましくは32倍速以上、そしてとりわけ特に好ましくは48倍速以上のものを製造するための使用を提供する。
【0193】
本発明の染料を使用した結果として、本発明の記録用媒体は、固層における吸収端が急峻で、均一、無定形の、そして低散乱の記録層を有しているのが利点である。さらなる利点は、日光の中および低エネルギー密度レーザー光のもとでの高い光安定性と、それに加えて高エネルギー密度のレーザー光のもとでの高い感度、均一な書き込み幅、良好な熱および保存安定性、そしてさらに、特に高い光分解能および非常に低いジッターである。
【実施例】
【0194】
例1
銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン(“物質1”、EP712904記載の方法で合成)97gを、N−メチルホルムアミド95gと一緒に、クロロベンゼン170g中に導入した。混合物を50℃に加熱後、オキシ塩化リン107gを、48〜52℃において4時間かけて定速添加した。ついで反応混合物をこの温度で18時間撹拌した。反応終了後、混合物を脱イオン水450mL中の酢酸ナトリウム550g調製溶液に注ぎ入れた。反応容器をクロロベンゼン約100mLですすいだ。得られた混合物(エマルション)を、30分間激しく撹拌し、その後、撹拌機を止め、層分離が起こるように1時間放置した。水層を分離除去後、クロロベンゼン層を水200mLずつで2回洗浄し、減圧で脱水した。クロロベンゼンで溶液の容積を600mLに調整し、ついでシリカゲル60を100g加えた。生成した懸濁液を20℃で1時間撹拌し、その後、ろ過した。残留物をクロロベンゼン200mLずつで4回洗浄した。
【0195】
合わせたクロロベンゼンろ液を、減圧下で残分が300mLになるまで蒸留し、ついでこれをメタノール3.5L中に25℃で注ぎ入れた。得られた懸濁液を10℃に冷却してろ過した。得られたフィルターケークを、メタノール250mLずつで3回、続いて脱イオン水500mLずつで4回洗浄した。乾燥炉中で乾燥して、銅モノホルミル−、ジホルミル−およびトリホルミル−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン(“物質2”)の混合物で、以下の特性を有するもの88gを得た:
UV/VIS:ε=160,000 L・mol-1・cm-1;λmax=712nm(NMP中)
HPLC(面積):出発物質<0.2%;モノアルデヒド:68%;ジ+トリアルデヒド:32%。
【0196】
例2
例1で得た“物質2”88gを、テトラヒドロフラン(THF)300g中に溶解した。メタノール18gを添加後、THF30g中の水素化ホウ素ナトリウム2.5gの懸濁液を、20℃で30分かけて定速添加した。
その後、該混合物を、20〜25℃でさらに3時間撹拌した。反応完結後、無水酢酸2.5gを加えて過剰のNaBH4を除去した。
【0197】
ついで、反応混合物を、シリカゲル(Becosorb 1000)90g/THFの層を通してろ過し、清澄液とした。そのシリカゲル層をTHF90gずつで2回洗浄し、そして合わせたろ液を、残分が300mL容積になるまで蒸留した。
濃縮した溶液を、水3.5L中に25℃で激しく撹拌しながら3時間かけて定速注入し、生成した懸濁液をろ過し、そしてフィルターケークを脱イオン水で洗浄した。
【0198】
乾燥炉中、70℃、100mbar圧で乾燥して、銅モノ(ヒドロキシメチル)−、ジ(ヒドロキシメチル)−およびトリ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン(“物質3”)の混合物で、以下の特性を有するもの86gを得た:
UV/VIS: λmax=719nm(NMP中)
【0199】
同様な方法を用い、パラジウムテトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン(EP−A712904記載の方法により合成)を例1における出発物質として使用した場合、パラジウムモノ(ヒドロキシメチル)−、ジ(ヒドロキシメチル)−およびトリ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンの混合物を得ることができた。
【0200】
例3
例2からの物質3の50gを、トルエン310g中に導入し、そして25℃で、固形物がすべて溶けてなくなるまで撹拌した。ついで、無水THF650g中のフェロセンカルボン酸31gの懸濁液を加えた。ついで、触媒として98%硫酸0.2gを、撹拌している反応混合物中に加えた。
反応混合物を沸騰温度(約74℃)まで加熱し、そして反応混合物からTHFをVigreuxカラムを通し、定速で3時間かけて留去した。反応中に生成した水を、同時に除去した。内部温度は、初期の74℃から100℃まで上昇するにまかせた。この温度で蒸留を中断し、混合物をさらに3時間還流させた。その後、蒸留を再開し、そしてTHFの留去により、内部温度は1時間かかって107℃に上昇した。その後、反応混合物を25℃に冷却し、そして吸引漏斗でろ過して、過剰のフェロセンカルボン酸を除去した。フィルター上の残留物をトルエン25gずつで2回洗浄した。合わせたトルエンろ液中にシリカゲル(Becosorb 1000)50gおよび活性炭5gを加え、その混合物を25℃で1時間撹拌し、吸引漏斗でろ過し、そして残留物をトルエン100mLずつで4回洗浄した。合わせたろ液を、250mbarにおいて残分が175gになるまで蒸留し、室温に冷却し、そしてメタノールと水5容積%の混合物1,600mL中に0〜5℃で導入して、最終生成物を沈殿させた。1時間撹拌後、混合物をろ過し、そしてフィルターケークを冷メタノール(水を5容積%含有)140mLずつで3回、ついで水140mLずつで3回洗浄した。減圧乾燥炉中、80℃、130mbarで乾燥して、以下の特性を有する生成物を得た:
λmax=713.5nm(ジブチルエーテル中)
HPLC:カラム: C18逆層カラム
移動相: メタノールとテトラヒドロフランの傾斜相
検出器: 319nm
(a)主たる成分:例2からの、フェロセノイル置換の銅モノ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン
(b)二量体+三量体は、単量体成分の後に、分割できないピーク群として現れた。
二量体−および三量体フタロシアニン誘導体の総含有量(LC面積):36%
【0201】
同様な方法を用い、例2記載の方法によって得ることのできたパラジウムモノ(ヒドロキシメチル)−、ジ(ヒドロキシメチル)−およびトリ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンの混合物を出発物質として使用した場合、フェロセノイル置換の、および/またはエーテル化された、パラジウムモノ(ヒドロキシメチル)−、ジ(ヒドロキシメチル)−およびトリ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン、およびその二量体および三量体の混合物を得ることができた。
【0202】
同様な方法を用い、例2記載の方法によって得ることのできたパラジウムモノ(ヒドロキシメチル)−、ジ(ヒドロキシメチル)−およびトリ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン、および例2からの物質2の混合物を、たとえば1:1の比率で出発物質として使用した場合、フェロセノイル置換の、および/またはエーテル化された、パラジウムおよび銅のモノ(ヒドロキシメチル)−、ジ(ヒドロキシメチル)−およびトリ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン、およびその二量体および三量体の混合物を得ることができた。
【0203】
例3a)
臭素化したパラジウムモノ(ヒドロキシメチル)テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン(WO00/09522から、例2記載の方法によって合成)50gを、トルエン310g中に導入し、25℃で固形物がすべて溶けてなくなるまで撹拌した。ついで、無水THF650g中のフェロセンカルボン酸17.2gの懸濁液を加えた。ついで触媒として98%硫酸0.3gを、撹拌されている反応混合物に導入した。反応混合物を沸騰温度(約74℃)まで加熱し、そして反応混合物からTHFを定速で3時間かけて留去した。反応中に生成した水を、同時に除去した。内部温度は、初期の74℃から113℃まで上昇するにまかせた。その後、反応混合物を25℃に冷却し、そして吸引漏斗でろ過して、過剰のフェロセンカルボン酸を除去した。フィルター上の残留物をトルエン25gずつで2回洗浄した。合わせたトルエンろ液中にシリカゲル(Becosorb 1000)50gおよび活性炭5gを加え、その混合物を25℃で1時間撹拌し、吸引漏斗でろ過し、そして残留物をトルエン100mLずつで4回洗浄した。合わせたろ液を、250mbarにおいて残分が180gになるまで蒸留し、室温に冷却し、そして0〜5℃のアセトニトリル1,800mL中に導入して、最終生成物を沈殿させた。1時間撹拌後、混合物をろ過し、そしてフィルターケークを冷アセトニトリル140mLずつで3回、ついで水140mLずつで3回洗浄した。減圧乾燥炉中、80℃、130mbarで乾燥して、以下の特性を有する生成物を得た:
λmax=712.5nm(ジブチルエーテル中)
HPLC:カラム: C18逆層カラム
移動相: メタノール/テトラヒドロフランの傾斜相
検出器: 319nm
二量体+三量体は、単量体成分(単量体はWO00/09522の例8で合成された試料と同じ)の後に、分割できないピーク群として現れた。
二量体−および三量体フタロシアニン誘導体の総含有量(LC面積):17%
【0204】
同様な方法を用い、臭素化しないパラジウムモノ(ヒドロキシメチル)テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン(EP−A712904記載の方法で合成)の混合物を出発物質として使用した場合、フェロセノイル置換の、および/またはエーテル化された、パラジウムモノ(ヒドロキシメチル)テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン、ならびにその二量体および三量体の混合物を得ることができた。
【0205】
例3b)
硫酸0.2gの代わりにp−トルエンスルホン1.2gを用いて、例3を繰り返した。
その結果、以下の特性を有する生成物を得た:
λmax=713nm(DBE中);
二量体および三量体:32%(LC面積)
【0206】
例4
次亜塩素酸カルシウム0.5g(3.5mmol)および水15mLを、25mL丸底フラスコに仕込み、そして冷却(0〜5℃)して不活性ガス(窒素)雰囲気下、酢酸1.5mLを加えた。2〜3分間撹拌後に、明黄色溶液が得られた。ジクロロメタン60mLに溶解した例3に記載の生成物3.0g(2.4mmol)を、この溶液に0〜5℃で加えた。その後、その混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を、10%NaHCO3溶液で、そして続けて水で2回洗浄し、その後、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そしてフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。精製生成物をTHF20mLに溶解し、そして水(300mL)を加えて沈殿させた。このような方法で得た緑色沈殿物をろ過し、ついで水で2回洗浄、そして60℃/160mbarで一晩乾燥した。以下の特性を有する、フェロセニル置換の銅モノ(ヒドロキシメチル)−、ジ(ヒドロキシメチル)−およびトリ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンの塩素化された混合物2.01g(理論量の65%)を得た:UV/VIS:λmax=716.5nm(EtOH)、塩素含有量=1.97%、鉄含有量=5.1%。
TGA:分解曲線の変曲点=257℃。
【0207】
例5
磁気撹拌機および窒素導入器を備えた250mL丸底フラスコ中で、次亜塩素酸カルシウム0.6g(4.2mmol)、水15mLおよび酢酸1.5mLの混合物中に、例1記載の生成物10g(9.4mmol)のクロロベンゼン135mL中の溶液を、0〜5℃で加えた。緑色溶液を室温で3時間撹拌した。
この混合物を、例4記載と同様に処理した。その結果、以下の特性を有する、銅モノホルミル−、ジホルミル−およびトリホルミル−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンの塩素化された混合物8.17g(理論量の79%)を得た:λmax=714nm(EtOH)、塩素含有量=2.1%、IR:1636cm-1にC=O吸収帯。
【0208】
例6
“物質6a”(例1〜3記載の方法により合成、ただし、N−メチルホルムアニリドおよびPOCl3の量は例1に比べて15%減、そしてNaBH4の量は例2に比べて15%減で使用)の、t−アミルアルコールと2,6−ジメチル−4−ヘプタノンの(90:10)混合物中の2.5力価重量%溶液(オリゴマー含有量32重量%)を、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターを通してろ過し、1.2mm厚の溝付きディスク(溝深さ:225nm、溝幅:575nm、溝間隔:1.6μm)の表面に、回転速度500rpmの回転塗布によって塗覆した。過剰の溶液は、回転速度を上げて振り飛ばした。ついで、均一に塗布された層を、70℃の対流式乾燥炉の中で20分間乾燥した。分光光度計により、吸収スペクトルを可視スペクトル領域について測定し、そして吸収極大の波長(λmax)を732nmと測定した。引き続いて60nm厚みの銀層を、生成した記録層の上に真空被覆装置(Swivel, Balzers)中で蒸着させた。その後、その上にUV硬化性光ポリマー(DSM製の650−020)の8μm厚みの保護層を、回転塗布法によって塗覆した。このようにして製造したディスクを、市販の試験機(Pulstec OMT 2000)を用いて、書き込み速度4倍速(4.8m/s)で試験し、そして“オレンジブック”(Optimum Power Control and Recording Conditions(最適出力制御および記録条件))による最適な書き込み出力を13.8mWと決定した。測定結果を下の表Aに記す。
【0209】
例7
例1〜3記載の方法で合成した“物質6b”を用いて例6を繰り返したが、例3とは異なり、100℃に3時間保持した後、反応を止めて内部温度が100℃を超えないようにした(オリゴマー含有量:41重量%)。吸収極大(λmax)は、この場合733.3nmと測定され、そして最適な書き込み出力は13.1mWであることが見出された。例6および7の測定結果を表Aに要約した。
【0210】
【表1】
Figure 2004533502
【0211】
例8
例6記載の“物質6a”と類似しているが、オリゴマー含有量が30%である化合物の、t−アミルアルコールと2,6−ジメチル−4−ヘプタノンの(90:10)混合物中の2.5力価重量%溶液を、孔径0.2μmのテフロンフィルターを通してろ過し、1.2mm厚の溝付きディスク(溝深さ:225nm、溝幅:575nm、溝間隔:1.6μm)の表面に、回転速度500rpmの回転塗布によって塗覆した。過剰の溶液は、回転速度を上げて振り飛ばした。ついで、均一に塗布された層を、70℃の対流式乾燥炉の中で20分間乾燥した。染料層の光学密度を、光度計(Dr. Schenk)により波長680nmで測定した。引き続いて60nm厚みの銀層を、生成した記録層の上に真空被覆装置(Swivel, Balzers)中で蒸着させた。その後、その上にUV硬化性光ポリマー(DSM製の650−020)の8μm厚みの保護層を、回転塗布法によって塗覆した。
【0212】
種々の光学密度を有するディスクを作成するために、回転塗布工程において異なる回転速度でこの作成手順を繰り返した。このようにして作成したディスク上に、市販のCD焼付機を用い、種々の書き込み速度(1〜12倍速)でデータを書き込んだ。その後、それぞれの書き込み速度およびそれぞれの光学密度について、動的シグナルパラメーターを全自動CD試験システム(CD-Cats SA3, Audio Development)用いて測定し、そして“オレンジブック”仕様と比較した。すべての書き込み速度のための仕様に完全に適合したディスクは、全部“加工窓”内にあった。それに反し、パラメーターの少なくとも1個が仕様に不適合であったディスクは、その窓の外側にあった。“加工窓”の幅は、“加工窓”内にあるディスクの光学密度の最高値と最低値の差によって定義される。ここでいう光学密度(OPD)は、680nmにおける吸光度(Dr. Schenk光度計)の1,000倍と定義される。たとえば、加工窓がOPD=295からOPD=310までであったとすると、この場合は15の幅を有することになる。“加工窓”がより広いほど、高品質ディスク生産の許容度はより大きい。
【0213】
1倍速(Philips)〜8倍速(Teac)の速度に対しては、“加工窓”が9と測定し、一方、1倍速(Philips)〜12倍速(Plextor)に対しては、加工窓が2と測定した。
【0214】
例9
例6記載の“物質6a”と類似しているが、オリゴマー含有量が37%である化合物を用いて例8を繰り返した。“加工窓”の幅は、1〜8倍速に対しては16、そして1〜12倍速に対しては13であった(表B参照)。
【0215】
【表2】
Figure 2004533502
【0216】
例10
例3記載の物質25gを、分取用カラム(分離域の長さ:1.2m、直径:5cm、シリカゲル60(Merck)、溶離液:トルエン)に通し、トルエン溶液によって溶離した。単量体、二量体およびより高級なオリゴマーを含む画分を個別に集め、その後、その溶離液を蒸発させた。沈殿物を60℃/165mbarで12時間乾燥した。各画分の吸収極大波長(t−アミルアルコール中20mg/L、d=0.5cm)および結合イオン含有量(重量%)を表Cに示す。
【0217】
【表3】
Figure 2004533502
【0218】
二量体は、主として組成:
【0219】
【化49】
Figure 2004533502
【0220】
(式中、
【0221】
【化50】
Figure 2004533502
【0222】
は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
【0223】
【化51】
Figure 2004533502
【0224】
は、FeCp2である)
を有するフタロシアニンからなっていた。
【0225】
“より高級なオリゴマー”は、実質的に三量体化合物プラスより少ない量の四量体およびより高分子量のオリゴマーであった。この画分の主な部分は、実質的に以下の成分からなっていた:
【0226】
【化52】
Figure 2004533502
【0227】
例11
例3に記載した物質の2力価重量(strength by weight)%溶液(t−アミルアルコール)を、回転塗布法によってガラス支持体上に塗覆し、そして70℃の炉の中で20分間乾燥した。乾燥した染料層の厚みは50nmであった。その結果、緑色で、λmax=734nmにおける極大吸収0.545A、そして780nmにおける吸収0.137Aを有する、透明均一層を得た。
【0228】
同様にして作成した、例3a記載の物質の層は、λmax=730nmにおける極大吸収0.58A、そして780nmにおける吸収0.131Aを有していた。
【0229】
例12
例3a記載の物質25gを、例10と同様にして分別した。単量体を含む画分は捨て、そして二量体およびオリゴマーを含む画分を集めて乾燥した。この物質の2力価重量%溶液(t−アミルアルコール)を、例11と同様な方法でガラス支持体上に塗覆し、そしてこの固体の吸収スペクトルを400〜800nmの可視波長域にわたって測定した。二量体およびより高級なポリマーを含む物質の吸収極大は、例6記載の混合物では732nmと測定されたのに対し、λ=737nmと測定された。
【0230】
例13
例3に記載の、フェロセノイル置換の、および/またはエーテル化された、銅モノ(ヒドロキシメチル)−、ジ(ヒドロキシメチル)−およびトリ(ヒドロキシメチル)−テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン単量体およびオリゴマーの混合物の成分を、例10記載と同様に分取用カラムで分離した。その後、乾燥した各画分の熱力学的性質を、DSC(Mettler-Toledo Star-System、35℃で45分、35〜450℃を4℃/分、Tiegel HP 金メッキ 50L)およびTGA(Mettler-Toledo Star-System、35℃で45分、35〜420℃を10℃/分、N2200mL/分、Tiegel アルミナ 50L)を用いて測定した。DSC曲線は、約200℃までは平坦であった。融点(吸熱)は観察されなかった。各画分に特有な発熱分解ピークが180〜320℃の領域に現れたが、単量体の分解開始温度は、二量体、より高級なオリゴマー、および混合物のそれより高く、そして終了温度はより低かった(表D参照)。
【0231】
各画分のそれぞれのTGAデータを、1:1単量体/二量体の混合物(混合物A)および単量体/より高級なオリゴマーの混合物(混合物B)のそれも含めて、表Eに示した。
【0232】
【表4】
Figure 2004533502
【0233】
例14
例3に記載した物質の2力価重量%溶液(t−アミルアルコール)を、回転塗布法によってガラス支持体上に塗覆し、そして70℃の炉の中で20分間乾燥した。その染料層(緑色)を、第二のガラス支持体で覆った。その後、2枚のガラス支持体を、金属クランプで挟んで固定した。このような試験片5個を、炉の中で240℃に加熱した。その後、試験片1個を取り出し、そして温度を245℃に上げ、試験片をもう1個取り出して温度を250℃に上げ、以下同様にして繰り返した。冷却した試験片を目視で検査したところ、染料層は、250〜255℃の領域で退色していた(緑色から黄色に変色)。光度計による吸収スペクトルの測定では、長波長の吸収帯が245〜260℃の領域で徐々に消失し、250〜255℃の領域で最大の減少が起こったことが確認された。
【0234】
例3a記載の物質は、同様な退色挙動を示したが、吸収帯は255℃までには消失した。
【0235】
例15
例3および例3aに記載した物質の2力価重量%溶液(t−アミルアルコール)を、それぞれ回転塗布法によって、平滑な(溝のない)ポリカーボネートディスク基板上に塗覆し、そして70℃の炉の中で20分間乾燥した。その後、染料層の反射スペクトルおよび透過スペクトルを、アレイ式光度計(ETA Optik)によって390〜1,000nmの範囲で測定し、そのデータから、そのスペクトルおよび層厚にわたって複素屈折率(n−ik)を決定した。波長780nm、(nmax)および(kmax)における値を表Fに示す。
【0236】
【表5】
Figure 2004533502
【0237】
例16
例3a記載の物質25gを、例10と同様にして分別した。単量体を含む画分は捨て、そして二量体およびより高級なオリゴマーを含む画分を集めて乾燥した。その後、これを用いて例8と同様な方法でディスクを作成した。約10%低い層厚において良質なディスクが達成され得ることが見いだされた。
【0238】
例17
例3記載の物質の、t−アミルアルコールと2,6−ジメチル−4−ヘプタノンの(90:10)混合物中の2力価重量%溶液で、あらかじめ0.2μmテフロンフィルターを通してろ過してあるものを使用して、生産ライン(Steag)上で、例6記載と同様な方法によって、CD−R(74分)を製造した(溝深さ:212nm、溝幅(半高幅):565nm、壁の傾斜角:63°、反射層:70nmAg、保護層:8μm)。回転塗布工程は、記録層の光学密度が360単位(ETA-Optik光度計)になるように実施した。
【0239】
上記のディスクに、1倍速から16倍速(Audio Tracks)までの種々の書き込み速度で、種々の市販CD−R記録機(Philips CDD3600、ヤマハ8424RW、Teac R5585 パナソニックCW7503、Plextor 8220、Plextor 12432、三洋12x、ヤマハ2100 16x)を用いて書き込みを行い、そしてCDA SL100試験システム(CD Associates)を用いて解析した。結果:試験したすべてのディスクは、“オレンジブック”仕様に適合した。
【0240】
例18
例3a記載の物質の、ジブチルエーテルと2,6−ジメチル−4−ヘプタノンの(97:3)混合物中の3力価重量%溶液で、あらかじめ0.2μmテフロンフィルターを通してろ過してあるものを使用し、生産ライン(Steag)上で例17記載と同様な方法によって、CD−R(74分)を製造し、試験した。結果:試験したすべてのディスクは、“オレンジブック”仕様に適合した。
【0241】
例19
高速記録における性質を測定するため、例17に記載したように製造したディスクに、種々の速度(16倍速、24倍速、32倍速)で、種々の層の出力および書き込み戦略(“Orange Book”PartII, Vol.2, Multi-Speed CD-Rで定義)を用い、実験室システム(非市販品)上で書き込みを行い、その後、試験した。以下の最適書き込みパラメーターまたはジッター値(3T〜11Tジッターの平均値(1Tの%値))が見出された(表G):
【0242】
【表6】
Figure 2004533502
【0243】
例20
例3記載の物質の、ジブチルエーテルと2,6−ジメチル−4−ヘプタノンの(97:3)混合物中の、3力価重量%溶液で、あらかじめ0.2μmテフロンフィルターを通してろ過してあるものを使用し、例9b記載と同様な方法によってディスクを製造した。無作為で選んだディスク1個に、市販の試験システム(Pulstec DUU 1000)を用いて、速度48m/s(40倍速)(Θ=−0.5TΔP/Popt=10%)で書き込みを行い、その後、試験した。結果を表Hに要約した(パラメーターの意味については、“Orange Book”PartII, Vol.2, Multi-Speed CD-Rを参照のこと)。
【0244】
【表7】
Figure 2004533502
【0245】
例21
例3記載の物質2.75重量%および物質A0.25重量%を、ジブチルエーテルと2,6−ジメチル−4−ヘプタノン(97:3)の溶媒混合物に溶解した。この溶液を0.2μmテフロンフィルターでろ過し、ついでこれを使用して、例17と同様な方法により、無色の(金属的)外観の記録層を有するディスクを製造した。例3a記載の物質2.70重量%および物質B0.3重量%を用いても、同様な効果が達成された。
【0246】
【化53】
Figure 2004533502
【0247】
例22
例17記載のディスクの製造において、回転塗布工程中に振り飛ばされた溶液を、密閉容器中に集めた。24時間の製造時間後に容器を交換し、そしてその溶液を光度計によって、またガスクロマトグラフィーによって分析した。所望の濃度を回復させるために2種類の溶媒成分を必要量加えた後、その溶液を生産循環路に戻した。ディスクの品質を定期的に点検した。10サイクル後では、品質に変化は見られなかった。
【0248】
この再利用方法を、同様にして例18および20の生産工程で10サイクルを超えて実行したが、品質の劣化はなかった。

Claims (14)

  1. メタロセニルフタロシアニンの混合物であって、
    (a)式I:
    Figure 2004533502
    (式中、
    1は、二価金属、オキソ−金属基、ハロ−金属基もしくはヒドロキシ−金属基、または2個の水素原子であり、ここで配位子の1個または2個は、該二価金属原子、オキソ−金属基、ハロ−金属基またはヒドロキシ−金属基に結合していてよく、
    Xは、ハロゲン、たとえば塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素または臭素であり、
    1は、−OR1、−OOCR2、−NHR1、−N(R1)R2、−SR1、好ましくは−OR1であり、
    2は、−CHO、−CH(OR3)OR4、−CH=N−OH、−CH=N−OR3、−CH=N−NHR5、−CH=N−N(R3)R5、−CH2OH、−(CH22-20OH、−CH2OR3、−CH2OOC−R3、−CO−R3、−COOHまたは−COOR3であり、
    1〜R5は、互いに独立に、非置換の、またはハロゲン−、ヒドロキシ−、C1〜C20アルコキシ−、C1〜C20アルキルアミノ−またはC2〜C20ジアルキルアミノ−置換のC1〜C20アルキルであって、−O−、−S−または−NR11−(R11はC1〜C6アルキルであってよい)で中断されていてもよく、
    そして、R1およびR2はまた、C5〜C20シクロアルキル、C2〜C20アルケニル、C5〜C12シクロアルケニル、C2〜C20アルキニル、C6〜C18アリールまたはC7〜C18アラルキルであってもよく、
    xは、有理数0〜8、好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3であり、
    1は、有理数0〜6、好ましくは整数1〜6、特に好ましくは3〜5、非常に好ましくは4であり、
    2は、有理数0〜4、好ましくは0〜2、特に好ましくは0〜1であり、
    ここで、(x+y1+y2)≦16、そして
    15は、ヒドロキシ含有基、カルボキシ含有基または酸クロリド基含有基、好ましくは−CH2OH、−CH(Me)OH、−COOH、−COClであることができる)
    のフタロシアニンを1〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、
    および、
    (b)式II:
    Figure 2004533502
    のフタロシアニンを99〜1重量%、好ましくは50〜5重量%、
    を含む混合物Aを、触媒の存在下でメタロセン誘導体と反応させることによって得られる混合物。
  2. 以下の主成分:
    (a)メタロセニルフタロシアニン、またはその二価金属、オキソ−金属、ハロ−金属もしくはヒドロキシ−金属との金属錯体であって、ここでフタロシアニンのフェニル環4個のうち少なくとも1個が、連結単位Eを介して結合している置換基として、メタロセン基少なくとも1個を保持しているもの(ここでEは、−CH2−、−C(=O)−、−CH(C1〜C4アルキル)−、−C(C1〜C4アルキル)2−、−NH−、−S−および−O−よりなる群から選ばれる、少なくとも2個の原子または原子団の鎖を含む)を1〜99重量%、
    および
    (b)単結合または連結原子もしくは分子を介して結合している2個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物、それぞれ単結合または連結原子もしくは分子を介して結合している3個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物、およびそれぞれ単結合または連結原子もしくは分子を介して結合している4個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物よりなる群から選ばれる、メタロセニルフタロシアニン化合物を99〜1重量%
    を含む、請求項1または2記載の混合物。
  3. 単結合または連結原子もしくは分子を介して結合している2個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物V、それぞれ単結合および/または連結原子もしくは分子を介して結合している3個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物VI、およびそれぞれ単結合および/または連結原子もしくは分子を介して結合している4個のフタロシアニン単位を含むフタロシアニン化合物VIIよりなる群から選ばれる、メタロセニルフタロシアニン化合物。
  4. 式VIII
    Figure 2004533502
    (式中、
    Pcは、フタロシアニン、またはその二価金属、オキソ−金属、ハロ−金属、ヒドロキシ−金属もしくは水素原子2個との金属錯体であり、
    Xa、Ya、Za、Maおよび−L−は、周囲炭素骨格上の置換基であって、特にXaはハロゲンであり、Yaは置換または非置換アルコキシ、アルキルアミノまたはアルキルチオであり、Zaはホルミル、カルボニル、ヒドロキシメチルまたはカルボキシ基であり、Maはメタロセン基を少なくとも1個含む置換基であり、−L−は、単結合、−(CH2a7−(ここでa7=1、2、3または4)、エーテル基たとえば−O−または−(CH2a7−O−(CH2a8−(ここでa8=1、2、3または4)、エステル基、アミド基または二価のメタロセニル基であり、
    a1は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10であり、
    a2は、有理数0〜8、好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3であり、
    a3は、有理数0〜6、好ましくは整数1〜6、特に好ましくは3〜5、非常に好ましくは4であり、
    a4は、有理数0〜4、好ましくは0〜2、特に好ましくは0〜1であり、
    a5は、有理数0〜4、好ましくは0〜2であり、
    a6は、有理数1〜4、好ましくは1〜3であり、
    ここで、(a2+a3+a4+a5+a6)≦16、そして1≦(a4+a5+a6)≦4)のメタロセニルフタロシアニン。
  5. a1が1であり、a2が0であり、Yaが2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシであり、a3が4であり、a4が0であり、a5が0であり、a6が1であり、そしてLが−CH2−O−CH2−であって、そして式IXa:
    Figure 2004533502
    (式中、
    Figure 2004533502
    は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
    そしてLは、好ましくはYaに対してパラ位に位置する)
    を有する、請求項4記載の化合物。
  6. a1が2であり、a2が0であり、Yaが2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシであり、a3が4であり、a4が0であり、a5が1であり、Maが−CH2−OCO−FeCp2であり、a6が1であり、そしてLが−CH2−O−CH2−であって、そして式IXb:
    Figure 2004533502
    (式中、
    Figure 2004533502
    は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
    Lは、好ましくはYaに対してパラ位に位置し、そして
    Figure 2004533502
    は、FeCp2である)
    を有する、請求項4記載の化合物。
  7. a1が3であり、a2が0であり、Yaが2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシであり、a3が4であり、a4が0であり、a5が0であり、a6が2であり、そしてLが−CH2−O−CH2−であって、そして式IXc:
    Figure 2004533502
    (式中、
    Figure 2004533502
    は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
    そしてLは、好ましくはYaに対してパラ位に位置する)
    を有する、請求項4記載の化合物。
  8. a1が3であり、a2が0であり、Yaが2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシであり、a3が4であり、a4が0であり、a5が1であり、Maが−CH2−OCO−FeCp2であり、a6が2であり、そしてLが−CH2−O−CH2−であって、そして式IXd:
    Figure 2004533502
    (式中、
    Figure 2004533502
    は、銅テトラ(α−2,4−ジメチル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニンであり、
    Lは、好ましくはYaに対してパラ位に位置し、そして
    Figure 2004533502
    は、FeCp2である)
    を有する、請求項4記載の化合物。
  9. 請求項1記載の混合物の製造方法であって、
    (a)請求項1記載の式Iのフタロシアニン1〜99重量%、および
    (b)請求項2記載の式IIのフタロシアニン99〜1重量%、
    を含む化合物Aを、触媒の存在下でメタロセン誘導体と反応させることを含む方法。
  10. 請求項4記載のメタロセニルフタロシアニン化合物または化合物類の製造方法であって、請求項9記載の方法によって得られる反応生成物からそのものを分離し、そして単離することを含む方法。
  11. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の、または請求項9もしくは10記載の方法によって製造した化合物の、光記録用媒体の製造のための使用。
  12. 透明な基板、該基板上の記録層、該記録層上の反射層、そして、所望なら、保護層を含み、ここで該記録層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の、または請求項9もしくは10記載の方法によって製造した混合物を含む、光記録用媒体。
  13. 請求項12記載の光記録用媒体の、情報の光記録、保存および再生のための、回折光素子製造のための、またはホログラムの保存のための使用。
  14. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物の、および請求項5〜8のいずれか一項に記載の化合物の、書き込み速度が8倍速以上、好ましくは16倍速以上、特に好ましくは32倍速以上、そしてとりわけ特に好ましくは48倍速以上である、書き込み可能な光記録用媒体を製造するための使用。
JP2002582138A 2001-04-17 2002-04-09 光記録用媒体としてのメタロセニルフタロシアニン Expired - Fee Related JP4634695B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CH6932001 2001-04-17
PCT/EP2002/003945 WO2002083796A1 (en) 2001-04-17 2002-04-09 Metallocenyl phthalocyanines as optical recording media

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004533502A true JP2004533502A (ja) 2004-11-04
JP4634695B2 JP4634695B2 (ja) 2011-02-16

Family

ID=4529403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002582138A Expired - Fee Related JP4634695B2 (ja) 2001-04-17 2002-04-09 光記録用媒体としてのメタロセニルフタロシアニン

Country Status (15)

Country Link
US (2) US7034148B2 (ja)
EP (1) EP1385913B1 (ja)
JP (1) JP4634695B2 (ja)
KR (1) KR100893830B1 (ja)
CN (1) CN100445335C (ja)
AT (1) ATE451428T1 (ja)
BR (1) BR0208948A (ja)
CA (1) CA2444105C (ja)
DE (1) DE60234687D1 (ja)
HK (1) HK1061040A1 (ja)
MX (1) MXPA03009459A (ja)
MY (1) MY129036A (ja)
RU (1) RU2301810C2 (ja)
TW (1) TWI223658B (ja)
WO (1) WO2002083796A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7034148B2 (en) * 2001-04-17 2006-04-25 Ciba Specialty Chemicals Corporation Metallocenyl phthalocyanines as optical recording media
DE10253610A1 (de) * 2002-11-15 2004-05-27 Bayer Ag Optische Datenspeicher enthaltend ein Co-Phthalocyanin mit einem axialen Substituenten und einem axialen Liganden in der mit Licht beschreibbaren Informationsschicht
US20100178610A2 (en) * 2008-05-21 2010-07-15 Orgchem Technologies Inc. Metallocenyl Phthalocyanine Compounds and Use Thereof
JP2010033679A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Sony Corp 光情報記録装置、光ピックアップ及びレーザ光出射方法
EP2154140A1 (en) 2008-08-14 2010-02-17 Orgchem Technologies, Inc. Metallocenyl phthalocyanine compounds and use thereof in optical recording media
US8206502B2 (en) * 2008-12-15 2012-06-26 Eastman Kodak Company Titanyl phthalocyanine with improved milling properties
RU2657491C2 (ru) * 2016-01-22 2018-06-14 Геннадий Алексеевич Матюшин Вещество, поглощающее электромагнитное излучение в ближней инфракрасной области спектра, и способ его получения
RU2764107C1 (ru) * 2020-12-27 2022-01-13 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования «Российский химико-технологический университет имени Д.И. Менделеева» (РХТУ им. Д.И. Менделеева) Способ получения высокочистых комплексов 8-гидроксихинолина с металлами

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58150956A (ja) * 1981-12-10 1983-09-07 アルカテル・エヌ・ブイ 電荷輸送有機物質
JPS5973994A (ja) * 1982-10-20 1984-04-26 Tdk Corp 光記録媒体
JPS59229396A (ja) * 1983-06-10 1984-12-22 Tdk Corp 光記録媒体
JPS6259285A (ja) * 1985-09-09 1987-03-14 Tdk Corp フタロシアニン化合物
GB2259517A (en) * 1991-09-02 1993-03-17 Ici Plc Phthalocyanine compounds
WO1997023354A1 (fr) * 1995-12-25 1997-07-03 Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. Materiau d'enregistrement optique et support d'enregistrement optique
WO2000009522A1 (en) * 1998-08-11 2000-02-24 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Metallocenyl-phthalocyanines

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5493016A (en) * 1994-04-26 1996-02-20 Xerox Corporation Processes for the preparation of alkoxy-bridged metallophthalocyanine dimers
WO1998014520A1 (en) * 1996-10-03 1998-04-09 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Substituted phthalocyanines and their use
AU2225801A (en) * 1999-12-28 2001-07-09 Mitsui Chemicals, Inc. Optical recording medium and novel azaporphyrin compounds
JP2002121414A (ja) * 2000-07-17 2002-04-23 Fuji Photo Film Co Ltd 着色組成物、インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
US7034148B2 (en) * 2001-04-17 2006-04-25 Ciba Specialty Chemicals Corporation Metallocenyl phthalocyanines as optical recording media

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58150956A (ja) * 1981-12-10 1983-09-07 アルカテル・エヌ・ブイ 電荷輸送有機物質
JPS5973994A (ja) * 1982-10-20 1984-04-26 Tdk Corp 光記録媒体
JPS59229396A (ja) * 1983-06-10 1984-12-22 Tdk Corp 光記録媒体
JPS6259285A (ja) * 1985-09-09 1987-03-14 Tdk Corp フタロシアニン化合物
GB2259517A (en) * 1991-09-02 1993-03-17 Ici Plc Phthalocyanine compounds
WO1997023354A1 (fr) * 1995-12-25 1997-07-03 Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. Materiau d'enregistrement optique et support d'enregistrement optique
WO2000009522A1 (en) * 1998-08-11 2000-02-24 Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. Metallocenyl-phthalocyanines

Also Published As

Publication number Publication date
JP4634695B2 (ja) 2011-02-16
MY129036A (en) 2007-03-30
EP1385913B1 (en) 2009-12-09
US7378221B2 (en) 2008-05-27
EP1385913A1 (en) 2004-02-04
WO2002083796A1 (en) 2002-10-24
KR100893830B1 (ko) 2009-04-17
ATE451428T1 (de) 2009-12-15
HK1061040A1 (en) 2004-09-03
RU2301810C2 (ru) 2007-06-27
BR0208948A (pt) 2004-04-20
MXPA03009459A (es) 2004-02-12
KR20030092084A (ko) 2003-12-03
CA2444105C (en) 2011-06-07
RU2003132428A (ru) 2005-04-20
CN1503827A (zh) 2004-06-09
CA2444105A1 (en) 2002-10-24
TWI223658B (en) 2004-11-11
US7034148B2 (en) 2006-04-25
US20050250942A1 (en) 2005-11-10
CN100445335C (zh) 2008-12-24
US20040132990A1 (en) 2004-07-08
DE60234687D1 (de) 2010-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6790593B2 (en) Metallocenyl-phthalocyanines
EP0313943B1 (en) 1,2-naphtalocyanine near-infrared absorbent and recording/display materials using same
US7378221B2 (en) Metallocenyl phthalocyanines as optical recording media
KR20000069578A (ko) 착물 폴리메틴 염료 및 이의 용도
EP0811506B1 (en) Optical recording material and optical recording medium
KR100437975B1 (ko) 고용량기록매체
JP2007526835A (ja) 高記憶密度を有する光学記録材料
JP2007063444A (ja) 錯化合物及びこれを用いた光記録媒体
JP4174750B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2668225B2 (ja) 光記録媒体
US20110282052A1 (en) Metallocenyl phthalocyanine compounds and use thereof
CZ2001505A3 (cs) Zařízení (10) pro ošetřování ran obsahuje bandáž (12) upravenou pro zakrytí rány (16) a utěsnění této rány (16) kolemjejího obvodu, přičemž v bandáži (12)je nad ránou * (16) vytvořena dutina, kteráje propojena s přívodem kapaliny a s drenáží pro odvod kapaliny. V přívodu kapaliny je zařazen rozprašovač (26) a čerpadlo pro kapalné léčivo. V drenáží pro odvod kapaliny je zařazeno odsávací čerpadlo a bandáž (12) vytváří nad ránou (16) poměrně utěsněný prostor pro udržování podtlaku.
KR20030085065A (ko) 정보층 내에 흡광 화합물로서의 염료를 함유하는 광학데이터 매체
JP2005053987A (ja) フタロシアニン化合物及びそれを用いた光記録媒体
JP2005053988A (ja) フタロシアニン化合物及びそれを用いた光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080819

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081118

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081219

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100427

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100510

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100601

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100608

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100701

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100722

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131126

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees