JP2004530165A - 偏光ビームスプリッター用の多層複屈折性フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、他にも用途はあるがとりわけ投影システムに有用な偏光ビームスプリッターに関する。とくに、偏光ビームスプリッターは、比較的高い屈折率のプリズムと複屈折性多層フィルムとを組合せたものである。多層フィルムは、偏光子として機能し、少なくとも2種の異なる材料を含有する。その材料のうちの少なくとも1種は、一軸配向後に複屈折を呈する。多層フィルムは、近紫外光および青色光に安定であるように選択される。
【背景技術】
【0002】
反射型液晶ディスプレイ(LCD)イメージャーを使用する投影システムでは、投光ビームおよび投影画像が偏光ビームスプリッター(PBS)とイメージャーとの間で同一の物理的空間を共有するように光路が折り曲げられ、これにより、コンパクトなデザインが提供される。ほとんどの反射型LCDイメージャーは偏光回転性である。すなわち、偏光光は、最も暗い状態を得るべく実質的に偏光状態を変化させずに透過されるかまたは所望のグレースケールが得られるように偏光状態を回転させて透過される。したがって、一般的には、入力ビームとして偏光光ビームが使用される。PBSは入力ビームを偏光させかつ光路を折り曲げるように機能しうるので、PBSを使用すると魅力的なデザインが提供される。
【0003】
PBSは、入射光線を第1の(透過)偏光成分と第2の(反射)偏光成分とに分割する光学素子である。一般的なPBSの1つは、s偏光光とp偏光光とを識別するマクニール偏光子である(米国特許第2,480,731号)。マクニール偏光子では、s偏光は反射され、そしてブルースター角近傍の狭い角度範囲でp偏光はほとんど透過される。p成分は、入射面内に偏光された光に対応する。s成分は、入射面に垂直に偏光された光に対応する。入射面は、反射光線と反射表面の法線とにより規定される平面を意味する。
【0004】
当業者の中には、他のタイプのPBSを考案したものもいる。たとえば、米国特許第5,912,762号(リー(Li)ら)には、PBSに使用しうる薄膜偏光デバイスが開示されている。このデバイスは、プリズムの形態の第1および第2の光透過性基材と、プリズム間に配置された複数の薄膜層と、を有する。薄膜層は、高屈折率層と低屈折率層とを含み、高屈折率層は1つ以上の異なる屈折率を有し、低屈折率層は1つ以上の異なる屈折率を有する。光透過性基材は、低屈折率層のそれぞれの屈折率よりも大きい屈折率を有する。プリズムは、低屈折率層の最も高い屈折率に対する臨界角(すなわち、全内反射条件を生じる角度)よりも大きいかまたはそれに等しい複数の角度で入射光が薄膜層に当たるように造形される。マクニール偏光子のように、米国特許第5,912,762号の偏光子はs偏光光とp偏光光とを識別するが、後者では、s偏光光は透過され、p偏光光は反射される。
【0005】
他の例として、WO00/70386の図1には、ガラスキューブ54中に被包されかつx偏光(すなわち、ほぼs偏光)で入射した光を反射するように配向された多層複屈折性フィルム52を含むデカルトPBS素子50が開示されてる。第11頁の第9〜11行を参照されたい。WO00/70386公報中の表記は、y偏光がほぼs偏光であると記されている点が異なる。大きい円錐角の入射光線に対して、デカルトPBSは、s偏光対p偏光にのみ基づいて識別するPBSよりも高いコントラストを提供することが実証されている。
【0006】
以上で論じた技術は、多層フィルムを用いる有用なPBSを開示したものであるが、投影システムに使用するのに十分に適しているとは思われない。そのようなシステムでは、PBSは、典型的には、おそらく長期間にわたり広範な波長をもつ高強度の光にさらされる。米国特許第2,480,731号および米国特許第5,912,762号の無機物ベースの多層フィルムは、高強度の青色光に安定であると思われるが、小さいFナンバーのシステムに必要とされる角度性能に欠点がある。当技術を進歩させるのに必要なのは、光源に耐える耐久性を有すると同時に、観測者が見たときに投影システムの生成画像が明るく、鮮鋭に、明瞭に見え、かつ鮮明な色を有するように、大きい円錐角の入射光に対してコントラストが得られる、多層フィルムをベースとしたPBSである。
【発明の開示】
【0007】
偏光ビームスプリッターは、米国特許第5,962,114号に開示されているように、複屈折性高分子多層フィルムから作製することができる。多くのポリマーは可視光に対して高い透過性を呈するが、近紫外(UV)領域に強い吸収ピークを有するものが多い。その結果として、吸収テールがスペクトルの可視部に入り込むこともある。吸収される光のパーセントは低いかもしれないが、強い光ビームの吸収されたエネルギーにより、フィルムが過熱され、ポリマーの熱誘導分解、光誘導分解、または両方を生じる可能性がある。いくつかの高屈折率ポリマーでは、青色領域の吸収テールが強くフィルムが黄色を呈するほどである。高強度の投影システム用の安定な多層PBSにポリマーを選択する際の重要なパラメーターは、可視スペクトルに対するその吸収端の近接度である。
【0008】
本発明は、少なくとも1つの高屈折率(すなわち、n=1.60よりも大きい屈折率)プリズムを複屈折性多層フィルム(便宜上、「多層フィルム」と記すこともある)と組合せたPBSを提供する。多層フィルムは偏光子として機能する。それは、近紫外光および青色光に関連づけられる波長に暴露したときに安定である交互材料層を含有する。これらの材料層は、可視スペクトル内におけるそれらの吸収スペクトルおよびUVおよび赤外(IR)における吸収端の位置に基づいて選択される。
【0009】
スペクトルのUV末端において、多層フィルム中の材料層の吸収端は、PBSに投光する最短波長よりも、好ましくは少なくとも40nm短く、より好ましくは50nm短く、最も好ましくは60nm短い。カラー投影ディスプレイの場合、420nmよりも短い青色光は、ディスプレイのカラーバランスや輝度に実質的な影響を及ぼすことなく除くことができる。したがって、好ましい実施形態では、PBSに投光する最短波長は420nmである。光源にもよるが、好ましい短波長端の波長は、410nmのようにより短くてもよいし、430nmのようにいくらか長くてもよい。スペクトルのIR末端において、多層フィルム中の材料層の吸収端は、PBSに投光する最長波長よりも、好ましくは少なくとも40nm長く、より好ましくは50nm長く、最も好ましくは60nm長い。これらの要件により、x方向(延伸方向)に材料間で高屈折率差を生じるように配向させることのできる材料のいくつかの組合せは、除外される可能性がある。実用的な加工および環境安定性の要件により、利用可能な材料のセットは、配向後に材料間で(x方向の)比較的小さい屈折率差(すなわち、0.15未満のΔnx)を有する材料に限定される可能性がある。
【0010】
本明細書中では、「約」という用語は、波長、屈折率、比、重量パーセント、モルパーセントのような性質に関するそれぞれの数値による記述を小変更するものとみなされるが、これらの性質に限定されるものではない。たとえば、波長に関する500nmという記述は、約500nmを意味する。「通過軸」という用語は、偏光子の光透過軸を意味し、多層フィルムのy軸または非延伸方向に対応する。「消光軸」という用語は、偏光子の反射軸を意味し、多層フィルムのx軸または延伸方向に対応する。
【0011】
「吸収端」という用語は、一般的には、高分子材料が実質的に不透明になる波長を意味する。より正確な定義は、空気中で垂直入射させたときの厚さ0.1mmのフィルムの透過率が10%である波長である。多層フィルム中の個々の材料層は、x方向、y方向、およびz方向を有する。x方向は、延伸方向(「横方向」または「TD」としても知られる)すなわちフィルムが配向された方向を表す。y方向は、非延伸方向(「機械方向」または「MD」としても知られる)を表す。z方向は、他の非延伸方向を表し、個別層の厚さ方向である。
【0012】
典型的には異なる屈折率の2層が多層フィルムの作製に使用されるが、3種以上の材料を使用することも本発明の範囲内である。二成分多層フィルムは入射光波に対して矩形波屈折率プロフィールを呈するが、多層フィルムの光学的反復単位は矩形波を呈する必要はない。複数の材料層を使用することにより、y方向およびz方向に沿って実質的に一致した屈折率をもたせると同時にx方向に沿って任意の周期的屈折率変調プロフィールを構築することができる。他の選択肢として、たとえばルゲートフィルターのように任意の連続的屈折率変化プロフィールを使用することにより、複屈折性偏光子を作製することができる。二成分系の材料が加工時に相互拡散する場合、連続的屈折率変化を生じる可能性がある。同様に、連続的屈折率変化は、コレステリック液晶フィルムにも存在する。
【0013】
本発明の多層フィルムは、高分子材料の共押出および配向により作製される必要はなく、たとえばエピタキシャル真空蒸着のような当技術分野で公知の技術により構築される複屈折性有機結晶性層を包含しうる。
【0014】
本発明の多層フィルムの材料層は、厳密に直交した光軸を有する必要はない。軸の方向は、直交状態から数度だけずれていてもよく、たとえば10°までずれていてもよい。
【0015】
本発明の複屈折性多層フィルムおよびそれから得られるPBSは、その組成および構成に起因して、投影システムまたはディスプレイに使用される多種多様な光源に暴露したときに長期耐久性を呈する。典型的な光源は、ランプとリフレクターとを備える。好適なランプとしては、キセノンランプ、白熱ランプ、レーザー、発光ダイオード(LED)、金属ハロゲン化物アーク光源、および高圧水銀光源が挙げられる。そのような光源は、青色および近紫外の波長の光を放出することができる。公知のごとく、多くの高分子系フィルムは、そのような波長に暴露したときに急速に分解する可能性がある。
【0016】
本発明の多層フィルムは、空気または低屈折率(すなわち、1.60未満の屈折率)のプリズムに入れるか包埋したとき、材料層のx方向の屈折率値の差が小さいため低いコントラスト比(すなわち、100:1未満のコントラスト比)を呈する。「コントラスト比」とは、多層フィルムの2つの直交軸に平行な偏光面を有する光の2つの透過率値の比を意味する。コントラスト比は、フィルムのほかにビームの性質にも依存するであろう。たとえば、広範な角度にわたって分布した光円錐の光ビームのほうが、狭い円錐角にわたって分布した光ビームよりも、コントラスト比は小さいであろう。
【0017】
有利には、高屈折率(すなわち、1.6よりも大きくかつ多層フィルムで全内反射条件を生じるおそれのある屈折率よりも小さい屈折率)のプリズム中に多層フィルムを入れるか包埋したとき、コントラスト比は、入射光円錐のすべての光線にわたって平均して、100:1を超える程度まで、好ましくは300:1を超える程度まで、より好ましくは1000:1を超える程度まで、実質的に増加する。一態様において、この利点は、所望のコントラスト比を達成する際、多層フィルムに必要な層の数を少なくしうることを意味する。一般的には、必要な層の数を少なくすれば、必要な層の数が多い類似のフィルムと比較して、製造プロセスの複雑さを低減させることができる。高屈折率プリズムに包埋された多層フィルムの組合せ物は、多くの投影システムおよびディスプレイシステムに使用される典型的な光源に耐えるのに十分な耐久性をもつ改良されたPBSを形成し、しかも優れたコントラストを提供する。プリズムの屈折率は、好ましくは、入射光線の最大入射角が全内反射(TIR)の臨界角に近くかつそれを超えないように選択される。
【0018】
したがって、簡潔にまとめると、本発明は、PBSであって、(a)通過軸を有する複屈折性フィルムと、ここで、前記複屈折性フィルムは、少なくとも第1の材料層と第2の材料層との多層を含み、それぞれの材料層は、可視スペクトル中に吸収端を有し、紫外領域では、前記吸収端は、前記偏光ビームスプリッターに投光する光の最短波長よりも少なくとも40nm短く、赤外領域では、前記吸収端は、前記偏光ビームスプリッターに投光する光の最長波長よりも少なくとも40nm長い、(b)1.6よりは大きいが前記複屈折性フィルムの通過軸に沿って全内反射を生じるおそれのある値よりは小さい屈折率を有する少なくとも1つのプリズムと、を備える前記PBSを提供する。好ましい実施形態では、PBSに投光する最短波長は420nmであり、最長波長は680nmである。この実施形態では、好ましい吸収端は、380nmよりも短い波長および720nmよりも長い波長に存在する。
【0019】
本発明の他の実施形態は、(a)以上に記載のPBSと、ここで、第1の偏光状態の光に対して前記PBSを通り抜ける第1の経路が規定される、(b)光を反射させて前記偏光ビームスプリッターに戻すように配置された少なくとも1つのイメージャーと、ここで、前記少なくとも1つのイメージャーが受けた光の一部分は偏光回転され、偏光回転された光は、前記イメージャーから前記PBSを通り抜ける第2の経路に沿って伝播する、を備える光デバイスに関する。
【0020】
本発明のさらに他の実施形態は、光を発生する光源と、前記光源からの光を調整する調整光学素子と、前記調整光学素子からの調整された光に画像を重ねて画像光を形成するイメージングコアと、を備える投影システムに関する。前記イメージングコアは、先に記載のPBSと少なくとも1つのイメージャーとを含む。
【0021】
本発明のPBSは、(1)比較的低い複屈折性の材料を使用したときのプリズムに必要とされる屈折率の範囲、(2)適切な安定性をもつ高分子PBS多層フィルムに必要とされる吸収端の波長域、ならびに(3)近紫外光および青色光に暴露したときに安定性を呈する利用可能な材料の組合せが、本発明により初めて確認されたという点で、WO00/70386に開示されているデカルトPBSとは異なる。
【0022】
本発明のPBSは、米国特許第5,912,762号に開示されているPBSとも異なる。その特許には、透明基材すなわちプリズムは各低屈折率層の屈折率よりも大きい屈折率を有するとの開示がなされている。
【0023】
一方、本発明の場合、プリズムは、好ましくは、多層フィルム中のすべての光学層のいずれの屈折率よりも高いが複屈折性多層フィルム偏光子の通過軸に沿ってTIR条件を生じない程度に十分に低い屈折率を有する。「光学層」という用語は、入射光の反射および透過に関与する層を意味する。100:1、好ましくは300:1、より好ましくは1000:1の所要のレベルを満足する消光比を生成するのに十分にx偏光光に対する各層の界面反射係数が大きいというように、多層界面における内部入射角は十分に大きくなければならない。所与の波長の光に対する界面反射率の所要のレベルは、多層フィルム中の層の数および層の厚さ分布から計算することができる。
【0024】
図面を参照しながら本発明についてさらに説明する。
【0025】
これらの図面は、理想化され、尺度どおりにはなっておらず、単に例示することを意図したものであって、限定することを意図したものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、第1のセットの屈折率n12x、n12y、n12zを有する第1の材料層12と、第2のセットの屈折率n14x、n14y、n14zを有する第2の材料層14との交互層を含む1つの例示的な複屈折性多層フィルム10の断面図である。図2は、複屈折性多層フィルム10中の2層だけを示す斜視図であり、それぞれの層は、x、y、およびz方向の屈折率を有する。図3は、実質的に立方体を形成するように位置決めされた第1のプリズム22と第2のプリズム24とを有するPBS20の斜視図である。複屈折性多層フィルム10は、立方体の対角面に沿って包埋されている。すなわち、プリズムの斜辺面間にはさまれている。
【0027】
図4aは、図3の線分4−4に沿った断面図であり、1層の高屈折率層と1層の低屈折率層とを含む単純化されたフィルムにおける例示的なs偏光入射光線30aの経路を示している。実際のフィルムには何百層もの層が含まれているが、このフィルムでは、単純化して偏光子の動作原理を例示する。多層フィルム10は、主にs偏光光を反射し、主にp偏光光を透過する。動作時、入射s偏光光線30aは、最初にプリズム22の表面23に当たることにより空気(n空気=1.0)からPBS20に移動する。この特定の光線が表面23に垂直に当たった場合には、実質的に光線30aの屈曲を生じることなくプリズム22中に透過される。ほとんどの用途では、光線円錐は、表面23に入射するであろう。表面23では、入射光の一部分が反射される(図示せず)。フィルム10の位置に起因して、光線30aは、法線13に対して45°で層12に当たり、光線30aが高屈折率の材料からより低屈折率の材料12に移動するので(nプリズム 22>n12)、透過する際、法線13から遠ざかる方向に屈曲される。光線30aは層12からさらに低い屈折率を有する層14に伝播するので(すなわち、n12>n14)、この場合にもまた法線15から遠ざかる方向に屈曲される。光線30aが層14から出てプリズム24に伝播し、低屈折率材料から高屈折率材料に移動する際(すなわち、nプリズム 24>n14)、法線17の方向に屈曲し、概略図に示されるようにPBSから出る。実際には、多くのペアの層が使用され、光線30aは、フィルムを横切るにつれて徐々に減少する。フィルムは、好ましくは、光線30aのほとんどまたはすべてを反射する。nプリズムは好ましくはn12よりも大きいが、以下に記載されているように、Δnxの大きさに依存して、n12に等しくてもよいしまたはそれよりもわずかに小さくてもよい。プリズムの屈折率は、層14の屈折率よりも大きくなければならない。選択された断面および入射偏光光線30aは、PBSの反射軸(すなわち、消光方向)だけについて示したものである。消光軸に沿って、常に、低屈折率層と高屈折率層とが交互に現れるであろう。
【0028】
誘電体材料のいかなる界面においても、s偏光光に対するフレネル反射係数は、入射角と共に単調増加する。s偏光光は、フィルムの平面内屈折率だけを感知するので、フィルムのz屈折率による影響は受けない。本発明の1つの目的は、消光軸に沿ってフレネル反射係数を最大化すると同時にほとんどの投影システムにおいて小型化するうえで好ましい立方体形状を呈するように、複屈折性多層フィルムの消光軸に沿って層界面で高い内部入射角を有するPBSを提供することである。そのような物品は、立方体を構成するプリズムの屈折率を増大させることにより考案することができる。プリズムの屈折率の限界は、以下に記載されているように、多層フィルム偏光子の通過軸に沿った高い透過率の必要性により決定される。
【0029】
図4bは、図3の線分4−4に沿った断面図であり、2層だけを含む単純化されたフィルムにおける例示的なp偏光入射光線30bの経路を示している。この場合、光線30bは、層のy屈折率およびz屈折率を感知し、層材料は、y屈折率およびz屈折率がすべての層について実質的に同一であるように選択されている。表面23では、入射光の一部分が反射される(図示せず)。フィルム10の位置に起因して、光線30bは、法線13に対して45°で層12に当たり、光線30bが高屈折率の材料からより低屈折率の材料12に移動するので(nプリズム 22>n12)、透過する際、法線13から遠ざかる方向に屈曲される。光線30bが層12から層14に伝播する際、交互層の屈折率が光線30bの偏光方向について実質的に一致するので、方向の実質的な変化は生じない。光線30bが層14から出てプリズム24に伝播し、低屈折率材料から高屈折率材料に移動する際(すなわち、nプリズム 24>n14)、法線17の方向に屈曲し、概略図に示されるようにPBSから出る。図4bの層12および14中に示された伝播角は、図4aの層14中の伝播角と同一である。
【0030】
しかしながら、2つの図面は、通過軸に対する3つの可能なケースのうちの1つを示しているにすぎない。消光軸(x軸)に沿った層の屈折率は高屈折率から低屈折率に交互に変化するが、通過軸(y軸)に沿った屈折率は、すべての層について実質的に同一であろう。そして、後者の屈折率は、多層フィルムが、(1)正の複屈折性層と等方性層との交互層(「ケース1」と呼ぶ)、(2)負の複屈折性層と等方性層との交互層(「ケース2」と呼ぶ)、または(3)負の複屈折性層と正の複屈折性層との交互層(「ケース3」と呼ぶ)を有するかに依存して、同一の低屈折率値もしくは高屈折率値またはなんらかの中間値をとりうる。
【0031】
図4aおよび図4bは、たとえば一軸配向ポリエチレンテレフタレート(PET)と等方性材料とを有する多層フィルムを用いて生成しうるケース1を示している。この場合、PET層の光軸は、x方向である。複屈折性層が一軸配向シンジオタクチックポリスチレンのような負の複屈折性材料である場合、交互等方性層は、高屈折率層であり、通過方向(y方向)の屈折率は、より高い屈折率値を有するであろう。多層フィルムが正の複屈折性材料と負の複屈折性材料とを交互に有する場合、y方向の屈折率は、x方向の低屈折率値と高屈折率値との中間値を有するであろう。
【0032】
PBSに課せられる1つの要件は、通過軸に対して高い透過率値を提供することである。このため、プリズムの屈折率は、図4aのθ2およびθ4として示される伝播角が90°に近づくこともそれを超えることもないように、すなわち、入射円錐角内の入射光線に対してTIR条件が存在しないように、十分に低くなければならない。また、実際問題として、90°に近い伝播角はいくつかの理由で回避すべきである。たとえば、通過軸に沿った伝播角が著しく大きいと、多層フィルムへの入射角の小さい光線が入射角の大きい光線と著しい異なる横変位をもつようになり、入射光円錐中の種々の光線から形成される画像の非点収差量が増大するであろう。伝播角が著しく大きいと、入射光線の吸収および散乱の量が増大する可能性もある。
【0033】
したがって、x方向に沿った最大伝播角の必要性は、y方向に平行な直交偏向光線に対する中程度の伝播角の必要性とのバランスをとらなければならない。上述したケース1の場合、x方向に偏光された光線の最大伝播角は、y方向に沿って偏光された光線の伝播角でもあるので、約60°〜80°の範囲に限定すべきである。1.65のx屈折率ならび1.55のyおよびz屈折率を有するPETの場合、プリズムの屈折率は、好ましくは1.70超、より好ましくは1.80超であるが、好ましくは約1.90未満である。所与の複屈折性多層フィルムに対して許容できるプリズムの屈折率範囲は、x屈折率差(Δnx)の値および入射光線の円錐角に依存する。伝播角は、スネルの法則を用いて計算することができる。x方向に沿った透過率値は、公知の光学的多層反射アルゴリズムを用いて計算することができる。
【0034】
上述したケース2の場合、y軸に沿った層の屈折率は、多層フィルムの最高屈折率に等しく、y軸に平行に偏光された光線の伝播角は、ケース1よりも小さいであろう。そのような構成にすれば、非点収差量が減少するか、またはその代わりに、より高い屈折率のプリズムを使用することが可能になり、さらにはx方向に平行に偏光された30aのような光線のTIR点までの屈折率のプリズムさえも使用することが可能になる。
【0035】
正確な屈折率の複屈折性材料が与えられれば、x方向に偏光されたすべての光線に対して全内反射を呈しかつy方向に偏光されたすべての光線を透過するPBSが得られるであろう。そのようなPBSの動作は、グラン・トンプソン(Glan−Thompson)偏光子の動作に似ているであろう。単一の複屈折性層だけが必要なこともあろうが、立方体において45°で機能させるために、複屈折率は、0.5を超える程度まで非常に高くなければならないであろう。
【0036】
本発明のPBSの作製に使用される各コンポーネントおよびPBSの組立て方法について以下で詳細に論じる。
【0037】
プリズム
プリズムは、少なくとも1.60、より好ましくは少なくとも1.70、最も好ましくは少なくとも1.80の屈折率を有する任意の光透過性材料から構築することができる。しかしながら、プリズムは、全内反射条件、すなわち、伝播角が90°に近いかまたはそれを超える条件、を生じるおそれのある屈折率よりも小さい屈折率をもたなければならない。そのような条件は、スネルの法則を用いて計算することができる。「光透過性」材料とは、光源からの入射光の少なくとも一部分を透過する材料である。いくつかの用途では、入射光をフィルタリングして望ましくない波長を取除くことができる。プリズムとして使用するのに好適な材料としては、セラミックス、ガラス、およびポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ガラスは、セラミックスに属する物質であると考えられる。とくに有用なガラスは、鉛のような金属の酸化物を含有し、そのようなガラスは、典型的には1.60よりも大きい屈折率を有する。オーハラ(Ohara)から入手可能な市販のガラスであるPBH55は、1.85の屈折率を有し、重量基準で75%の酸化鉛を含有する。
【0038】
前面または背面投影システムのような投影システムでは、典型的には、実質的に立方体を形成するように実質的に直角三角柱の2つのプリズムが使用されるであろう。この場合、PBSは、以下で論じるように、接合手段を用いて2つのプリズムの斜辺面間にはさまれる。立方体形状のPBSはコンパクトなデザインを提供するので、すなわち、小型で軽量で持ち運び可能なプロジェクターを提供するように光源および他のコンポーネントたとえばフィルターを配置することができるので、ほとんどの投影システムにおいて立方体形状のPBSが好ましい。いくつかのシステムでは、1つ以上の面が正方形でないように、立方体形状のPBSを改変することも可能である。非正方形面を使用する場合、カラープリズムまたは投影レンズのような次に隣接するコンポーネントにより整合性平行面を提供しなければならない。
【0039】
立方体は好ましい一実施形態であるが、他のPBS形状を使用することもできる。たとえば、いくつかのプリズムを組合せて集成することにより、直方体形のPBSを提供するができる。いかなるPBS形状であっても、高屈折率であることが必要であり、包埋された偏光子として機能する複屈折性多層フィルムが必要であり、しかも、先に述べたように、x軸に平行な偏光光線に対して高い内部入射角を生成することが必要である。
【0040】
プリズムの寸法つまり得られるPBSの寸法は、意図した用途に依存する。例示的なフロントプロジェクターにおいて、フィリップス・コーポレーション(Philips Corp.)により市販されているUHP型ランプのような小型のアーク高圧Hg型ランプを用いてそのビームをF/2.2の光円錐として形成し、スリー・ファイブ・システムズ(Three−Five Systems)から入手可能なSXGA解像度イメージャーのような対角寸法0.78インチのイメージャーと併用されるPBSキューブに投光する場合、PBSは、40mmの長さ、幅、および高さ、ならびに57mmの対角寸法を有する立方体である。ビームのf/#、イメージャーとPBSとの間の光学的距離(すなわち、距離単位ごとに実際の距離を屈折率で割って合計した値)、およびイメージャーのサイズは、PBSのサイズを決定するいくつかの因子である。
【0041】
多層フィルム
先に述べたように、複屈折性多層フィルムは、異なる屈折率の少なくとも2種の材料を有する。好ましくは、半結晶性ポリマーの場合、有用なフィルムを生成するために、以下の条件を満足しなければならない。以下に列挙した条件は、満足する必要のある主要な条件であるにすぎない。他の条件、たとえば、限定されるものではないが全フィルム厚さ、については、別に論じる。
【0042】
1つの条件は、第1の材料のyおよびz方向(非延伸方向)の屈折率(n1yおよびn1z)が互いに実質的に類似し(すなわち、互いの屈折率の5%以内)かつそれぞれ第2の材料のyおよびz方向の屈折率n2yおよびn2zに実質的に類似しているということである。理想的には、これらの4つの屈折率はすべて同一であるが、多くの場合、実際にそのような正確な一致を達成することは困難である。層内のy屈折率とz屈折率とを一致させるために使用される一方法は、真の一軸配向を生じさせることである。「真の一軸配向」という表現は、yおよびz方向にフィルムを緩和させながらx方向にフィルムを延伸することを意味する。真の一軸配向を行えば、所与の層においてyおよびz屈折率を実質的に類似させることができる。第1の材料のy屈折率に一致するように第2の材料を選択した場合、第2の材料層もまた第1の材料層と同一の延伸条件に付されるので、2層のz屈折率もまた一致するはずである。
【0043】
多くの実用的用途では、内部入射角にもよるが、層間の小さいz屈折率の不一致は許容できる。層間のz屈折率の不一致の許容される大きさは、x屈折率の不一致に関連する。なぜなら、所望の反射率を生成するために多層フィルムに必要とされる層の数が後者の値によって決定されるからである。理想的には、高屈折率プリズムに浸漬される複屈折性多層フィルムの場合、種々の層間のΔnyおよびΔnzはゼロでなければならない。実際には、ΔnyおよびΔnzがゼロである多層フィルムを作製するのは困難である。米国特許第5,882,774号には、Δnyを操作することによりz屈折率差を補償する方法が記載されている。ΔnyおよびΔnzの若干の変化は、本発明を実施する際には許容できる。したがって、比Δnz÷Δnxおよび比Δny÷Δnxは、好ましくは0.2未満、より好ましくは0.1未満、最も好ましくは0.05未満である。同様に、単一層のyおよびz屈折率間の差は、理想的にはゼロである。したがって、層内の複屈折率(ny−nz)もまた、Δnxと比較して小さくなければならない。したがって、比(ny−nz)÷Δnxは、好ましくは0.2未満、より好ましくは0.1未満、最も好ましくは0.05未満である。
【0044】
他の条件は、第1および第2の材料が最初は等方性材料(すなわち、x、y、およびz方向について実質的に類似の屈折率を有する材料)でありかつ一軸配向後に材料の少なくとも一方が複屈折を呈するということである。したがって、次の3つの可能な組合せが存在する。(1)第1の材料は複屈折を呈するが、第2の材料は等方性を保持する。(2)第1の材料は等方性を保持するが、第2の材料は複屈折を呈する。(3)第1および第2の材料は、両方とも複屈折を呈する。好ましい実施形態では、一軸配向後、第1の材料は複屈折性で延伸方向に沿って屈折率の増加を生じるが、第2の材料は等方性を保持し、第1および第2の材料間の屈折率差は、典型的には、延伸方向について0.15と0.20の間である。
【0045】
さらに他の条件は、近紫外光および青色光に関連づけられる波長に長期間暴露したときに本発明の多層フィルムが安定でなければならないということ、すなわち、ごくわずかな光分解を呈するにすぎないということである。40mmの長さおよび幅ならびに57mmの対角寸法を有するPBSキューブを備えた例示的なフロントプロジェクターで使用する場合、フィリップス・コーポレーション(Philips Corp.)により市販されているUHP型ランプのような小型のアーク高圧Hg型ランプを用いてそのビームをF/2.2の光円錐として形成し、スリー・ファイブ・システムズ(Three−Five Systems)から入手可能なSXGA解像度イメージャーのような対角寸法0.78インチのイメージャーと併用されるPBSキューブに投光し、かつシャープなバンドエッジフィルターを用いてフィルタリングにより420nm未満の光を除去したとして、多層フィルムは、好ましくは少なくとも1000時間、より好ましくは少なくとも2000時間の寿命をもたなければならない。多層フィルムはまた、低いヘイズ、使用環境において長期間にわたり低い収縮、および良好な透過性を呈するものでなければならない。
【0046】
以上に記載した要件が原因で、ごくわずかな高分子材料が使用に供しうるにすぎない。好適な高分子材料について以下で論じる。
【0047】
材料選択
多層フィルムは、少なくとも2つの異なる高分子材料を用いて構築される。好ましい実施形態では、多層フィルムは、第1のポリマーと第2のポリマーとの交互層を有する。便宜上、第1の材料層を「高屈折率層」と呼び、一方、第2の材料層を「低屈折率層」と呼ぶ。これらの相対値は、多層フィルムのx方向に沿って観測される屈折率を指す。記載のごとく、第1または第2の層として使用される有用なポリマーは、可視スペクトルの近紫外領域および青色領域の波長の光による光分解を受けにくいポリマーである。好ましくは、有用なポリマーは、≦360nmおよび≧750nmの領域に吸収端をもたなければならない。ポリエチレンナフタレート(PEN)のような多くの高屈折率ポリマーは、385nmの領域に吸収端を有する。この端からの吸収テールが原因で、可視スペクトル中に有意な吸収を生じる可能性がある。PENの場合、厚さ130μmのサンプルフィルムの吸収テールは、波長400nmで2.5%であり、約450nm〜500nmの近傍で実質的にゼロまで低下する。このため、強い青色光をPENに投光すると、フィルムがかなり劣化し、ポリマーの著しい黄変を生じる可能性がある。
【0048】
高屈折率層として使用するのに好適で好ましいポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。PETの吸収端は320nmであるので、青色光による光分解は本質的に回避される。一軸配向後、PETフィルムは、延伸方向(x方向)に1.68の屈折率ならびに非延伸方向(yおよびz方向)に1.54の屈折率を有する。
【0049】
結晶化度の変化に対する安定性を付与し、かつより低屈折率のプリズムを使用したときに改良された光学的性能が得られるように屈折率を増大させるべく、少量のPENをPETに混合することが可能である。好ましくは、PENとPETとの混合物は、2種のポリマーの現場押出により得られるエステル交換コポリマーの形態である。これらの低含有率混合物(典型的には50モル%未満のPENを含有する混合物)は、純粋なPENよりも低波長側に吸収端を有することが観測されている。たとえば、PENが20%混合されたポリエステルは、純粋なPENでは385nmであるのに対して、374nmに吸収端を有する。PET中に20モル%のPENを含有するフィルムが光を実質的に吸収しない波長は、純粋なPENでは450nmであるのに対して、420mmである。したがって、420nm未満の波長の光が実質的に存在しない用途では、80モル%PET/20モル%PENの材料を高屈折率層として使用すれば、光分解が最小限に抑えられるという利点が得られる。
【0050】
スペクトルのUV末端において、多層フィルム中およびPBS中の材料層の好適な吸収端は、好ましくは380nm未満、より好ましくは370nm未満、さらに最も好ましくは360nm未満である。スペクトルのIR末端において、多層フィルム中およびPBS中の材料層の好適な吸収端は、好ましくは720nm超、より好ましくは730nm超、最も好ましくは740nm超である。
【0051】
高屈折率層としてPETを使用したときに低屈折率層として使用するのに好適なポリマーは、次のとおりである。低屈折率ポリマーは、典型的なPET延伸温度で一軸配向させたときに等方性の状態を保持することが望ましい。したがって、低屈折率ポリマーは、好ましくはPETのガラス転移温度よりも低い(すなわち80℃未満の)ガラス転移温度を有する。等方性の状態を保持するために、これらのポリマーはまた、好ましくは、配向プロセス時および最終用途において結晶化を防止するのに十分な不規則性を有する。最終用途がポリマーのガラス転移温度を超える場合、ポリマー主鎖の不規則性は、ポリマーの結晶化を防止するために通常必要とされる不規則性よりもさらに大きいことが望ましい。多層フィルムの光学的性能のために、これらのポリマーは、好ましくは1.535〜1.555、より好ましくは1.540〜1.550の範囲に等方性屈折率を有する。以下の説明では、高屈折率材料としてPETを使用したときに低屈折率材料として有用である好適なコポリエステルについて述べる。
【0052】
低屈折率ポリマーは、好ましくは次の性質を有する。(1)PET溶融加工時の熱安定性、(2)UV安定性またはUVA保護性、(3)高透明性(すなわち、高透過性および低吸収性)、(4)共押出時に安定な流れを与えるPETに十分に近いレオロジー特性、(5)PETとの良好な層間接着性、(6)低分散性、および(7)複屈折を伴わない延伸性(すなわち、配向能力)。
【0053】
高屈折率ポリマーとしてPETを含有する多層フィルムにおいて、カルボキシレートコモノマーサブユニットとして、テレフタレートおよびシクロヘキサンジカルボキシレート、ならびにグリコールコモノマーサブユニットとして、エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、およびトリメチロールプロパンを含むコポリエステルが、低屈折率ポリマーとしてとくに有用であることを見いだした。コポリエステルは、イーストマン・ケミカル・カンパニー(Eastman Chemical Co.)から入手可能なポリエチレンシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCTG)とブレンドすることができる。
【0054】
ポリマー主鎖の不規則性の増大およびポリマーの充填能力の低減によりコポリエステルの結晶化を抑制する目的で、ネオペンチルグリコール(NPG)および2−ブチル2−エチル1,3−プロパンジオール(BEPD)のような分枝状コモノマーを共重合させて上記のコポリエステルを得ることができる。90〜120℃で行った結晶化速度の研究を通じて、NPGおよびとくにBEPDを含有するコポリエステルが、分枝状コモノマーを含まない上記のコポリエステルよりもかなり長期間にわたりヘイズおよび結晶化を生じない状態を保持することを見いだした。
【0055】
コポリエステル(coPET)などで使用するのに好適なコモノマーは、ジオール型であっても、ジカルボン酸型であっても、エステル型であってもよい。ジカルボン酸コモノマーとしては、(1)テレフタル酸、(2)イソフタル酸、(3)フタル酸、(4)すべてのナフタレンジカルボン酸異性体(2,6−、1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、1,8−、2,3−、2,4−、2,5−、2,7−、および2,8−)、(5)二安息香酸類、たとえば、4,4’−ビフェニルジカルボン酸およびその異性体、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸およびその異性体、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸およびその異性体、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸およびその異性体、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸およびその異性体、(6)ハロゲン化芳香族ジカルボン酸類、たとえば、2−クロロテレフタル酸および2,5−ジクロロテレフタル酸、(7)他の置換芳香族ジカルボン酸類、たとえば、第三級ブチルイソフタル酸およびナトリウムスルホン化イソフタル酸、(8)シクロアルカンジカルボン酸類、たとえば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびその異性体ならびに2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸およびその異性体、(9)二環式または多環式ジカルボン酸類、たとえば、種々のノルボルナンおよびノルボルネンジカルボン酸異性体、アダマンタンジカルボン酸異性体、およびビシクロオクタンジカルボン酸異性体、(10)アルカンジカルボン酸類、たとえば、セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、およびドデカンジカルボン酸、ならびに(11)縮合環芳香族炭化水素(インデン、アントラセン、フェナントレン、ベンゾナフテン、フルオレンなど)の任意のジカルボン酸異性体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の選択肢として、以上に列挙したこれらのジカルボン酸のアルキルエステル、たとえば、ジメチルテレフタレート、を使用してもよい。
【0056】
好適なジオールコモノマーとしては、(1)線状もしくは分枝状アルカンジオール類またはグリコール類、たとえば、エチレングリコール、トリメチレングリコールのようなプロパンジオール、テトラメチレングリコールのようなブタンジオール、ネオペンチルグリコールのようなペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、および高級ジオール、(2)エーテルグリコール類、たとえば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、およびポリエチレングリコール、(3)鎖エステルジオール類、たとえば、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエート、シクロアルカングリコール類、たとえば、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびその異性体ならびに1,4−シクロヘキサンジオールおよびその異性体、(4)二環式または多環式ジオール類、たとえば、種々のトリシクロデカンジメタノール異性体、ノルボルナンジメタノール異性体、ノルボルネンジメタノール異性体、およびビシクロオクタンジメタノール異性体、(5)芳香族グリコール類、たとえば、1,4−ベンゼンジメタノールおよびその異性体、1,4−ベンゼンジオールおよびその異性体、ビスフェノール類、たとえば、ビスフェノールA、2,2’−ジヒドロキシビフェニルおよびその異性体、4,4’−ジヒドロキシメチルビフェニルおよびその異性体、ならびに1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびその異性体、ならびに(6)これらのジオールの低級アルキルエーテル類またはジエーテル類、たとえば、ジメチルまたはジエチルジオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
ポリエステル分子に分枝状構造を付与しうる三官能性または多官能性コモノマーを使用することもできる。それらは、カルボン酸型であっても、エステル型であっても、ヒドロキシ型であっても、エーテル型であってもよい。例としては、トリメリト酸およびそのエステル、トリメチロールプロパン、およびペンタエリトリトールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
同様にコモノマーとして好適なのは、混合官能基型のモノマー、たとえば、パラヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸およびそれらの異性体のようなヒドロキシカルボン酸類、ならびに混合官能基型の三官能性または多官能性コモノマー、たとえば、5−ヒドロキシイソフタル酸などである。
【0059】
好ましい一実施形態では、coPETは、次のコモノマー:5〜45モル%の1,4−ジメチルテレフタレート、5〜45モル%の1,2−エタンジオール、5〜45モル%の1,4−ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレート、5〜45モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール、0.5〜5モル%のトリメチロールプロパン、0〜10モル%のネオペンチルグリコール、および0〜10モル%の2−ブチル2−エチル1,3トリメチロールプロパンジオールを含む。モルパーセント(モル%)は、全コモノマー組成物を基準にする。
【0060】
シンジオタクチックポリスチレン(sPS)は、低屈折率ポリマーとしても使用することができる。一軸配向sPSは負の複屈折性であり、可視光に対して0.08〜0.09の屈折率差を有する。x方向に沿って配向したsPSは、低屈折率材料になり、好適な等方性材料は、高屈折率層に使用することができる。等方性材料に必要とされる屈折率は、1.62程度である。
【0061】
本明細書で論じた判定基準が満たされるかぎり、第1および第2の材料層として他のポリマー材料を使用することもできる。
【0062】
多層フィルムの作製方法
多層フィルムは、共押出を行ってからインラインでまたは別の操作として配向させることにより、作製することができる。多層フィルムは、典型的には、約800〜1000層の高屈折率材料と低屈折率材料との交互層を含有する。簡潔にまとめると、共押出プロセスは以下のステップを含む。
【0063】
第1および第2の押出機により、第1および第2のポリマー材料の溶融ストリームをフィードブロックに送出する。米国特許第3,801,429号には、代表的で有用なフィードブロックが記載されている。フィードブロックは、第1の材料と第2の材料との交互光学層を生成する。いくつかの実施形態では、フィードブロックは、第1の材料の層、第2の材料の層、または異なる第3の材料の層であってもよい保護境界層(PBL)を生成する。一般的には、PBLは、多層フィルムがフィードブロックを通って加工されるときに光学層を保護する役割を担い、光学層としては機能しない。PBLは、多層フィルムの両方の主面または一方の表面だけを保護しうる。
【0064】
フィードブロックを出た後、材料ストリームは、マルチプライヤー中を通過する。一般的には、マルチプライヤーは、材料ストリームを2つのストリームに分割し、互いに積重ねることによりそれらを組合せる。このプロセスにより、層の合計数は2倍になる。米国特許第5,094,788号および同第5,094,793号には、代表的で有用なマルチプライヤーが記載されている。2つ以上のマルチプライヤーを使用することもできる。マルチプライヤーは、対称であってもよいし、すなわち、等分に流入ストリームを分割するものであってもよいし、非対称であってもよい、すなわち、不等分に流入ストリームを分割するものであってもよい。それぞれの部分は、層のパケットとして知られる。不等分パケットの体積比は、マルチプライヤー比として知られる。第1のパケット中のそれぞれの層の厚さは、第2のパケット中のものよりもこのマルチプライヤー比だけで厚くなる。このようにして、より広い範囲の層厚さ値を生成することにより、多層フィルムの波長域を広げることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、マルチプライヤー通過後、第3の押出機により、材料ストリームに外側高分子スキン層を付加する。外側スキン層を設けると、後続の加工時に多層フィルムを保護したり(たとえば、引掻き傷を生じる可能性を最小限に抑えたり)、一軸延伸プロセスを助長したりするなどの特徴が得られる。これらについてはいずれも、以下で説明する。スキン層は、第1の材料(高屈折率)の層、第2の材料(低屈折率)の層、第3の材料(PBL)の層、または異なるポリマーの層であってもよい。スキン層に好適なポリマーとしては、PET、coPET、ポリエチレン、およびポリプロピレン(PP)が挙げられる。スキン層は、光学層ではない。所望により、スキン層がPBLに強く接合しないような好適な材料を選択することにより、プリズム中に組入れる前にスキン層を最終多層フィルムから取除くことができる。
【0066】
マルチプライヤー通過後、材料ストリームをフィルムダイに通し、得られた押出物をキャスティングホイール上に誘導する。典型的には、キャスティングホイールを冷水などで冷却する。典型的には、高圧ピニング装置を用いてキャスティングホイールに押出物を押付ける。押出物がキャスティングホイール上で冷却されるにつれて、多層フィルムが形成される。得られた多層フィルムは、少なくとも第1および第2の材料(すなわち、光学層)の交互層を含有する。場合により、多層フィルムは、PBLおよび/または外側スキン層をさらに含有する。
【0067】
MD方向に連続ウェブの収縮を可能にする市販のテンターは存在しないので、MD方向の緩和(収縮)を可能にしてTD方向にキャストウェブの配向を得るためには、小片を個別に配向させなければならない。キャウトウェブ片は、市販のテンターで配向させるかまたは独国のブルックナー・ジャーマン・テクノロジー(Bruckner German Technology,Germany)製のKARO IVのような特定部品オリエンターを用いて配向させることが可能である。
【0068】
先に述べたように、外側スキン層(便宜上、「スキン」と呼ぶ)は、とくに配向プロセス時に使用したときに多くの特徴を提供することができる。スキンによりフィルム厚さが増加するので、フィルムの曲げ剛性が大きくなる。このようにして、延伸プロセス時の皺発生を最小化するのにスキンが役立ちうる。後加工時、たとえば、巻取時、保存時、および将来の変換ステップ時、スキンは保護層として作用する。
【0069】
いくつかの実施形態では、スキンは、均一なフィルム厚さを達成する役割を担いうる。このことは、多層フィルムの光学的性能に影響を及ぼす可能性がある。図6は、以下の実施例2に詳細に記載されている1つの特定例を図示したものである。グラフは、スキンがある場合(曲線A)およびスキンがない場合(曲線B)について延伸された多層フィルムの延伸方向(MD)に沿ったフィルム厚さをフィルムに沿った種々の位置の関数として示している。x軸上のゼロの値は、フィルムの中心を示す。MD方向の全フィルム幅は、曲線Bのフィルムでは10.5cmであり、曲線Aのフィルムでは約9.0cmであることから、非延伸方向により多くの寸法緩和を得るのに特定のスキン材料が役立ちうることがわかる。
【0070】
好ましい実施形態では、スキンは、結晶性アイソタクチックポリプロピレンホモポリマー、より好ましくは結晶性プロピレン含有コポリマーを含有する。スキン層樹脂の融点は、示差走査熱量測定(DSC)法に準拠して、120〜160℃、好ましくは120〜150℃、より好ましくは120〜140℃である。スキン層樹脂は、典型的には、ASTM D1238−95(「押出可塑度計による熱可塑性物質の流量」)に準拠して230℃の温度および21.6Nの力で測定したときに、7〜18g/10分、好ましくは10〜14g/10分のメルトフローインデックスを有する。
【0071】
スキン層に使用される結晶性プロピレン含有コポリマーは、プロピレンと、エチレンまたは4〜10個の炭素原子を有するアルファ−オレフィン材料とのコポリマーを含み、コポリマーのプロピレン含有率が90重量%よりも大きい。4〜7重量%のエチレン含有率を有するエチレン−プロピレンコポリマーが、とくに好ましい。「コポリマー」という用語は、コポリマーだけでなくターポリマーおよび4種以上の成分ポリマーからなるポリマーをも包含する。好ましくは、コポリマーはランダムコポリマーである。
【0072】
スキン層樹脂はまた、酸化防止剤、安定剤、中和剤、可塑剤、着色剤、滑剤、プロセス助剤、核剤、紫外光安定剤、帯電防止剤、および他の改質剤のような当技術分野で公知の添加剤および他の成分を各場合に有効な量で含んでいてもよい。
【0073】
1つの好適なスキン層樹脂は、11g/10分のメルトフローインデックスおよび134℃の融点を有するエチレン−プロピレンランダムコポリマー樹脂であり、テキサス州ヒューストンのアトフィナ・ペトロケミカルス・インコーポレーテッド(Atofina Petrochemicals,Inc.,Houston,TX.)から製品名8650として市販されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、スキン層におけるプロピレン含有コポリマーの使用は、ASTM D1003(「透明プラスティックのヘイズおよび視感透過率」)に準拠して測定したときに低いヘイズを有するフィルムを達成する役割を担いうる。延伸プロセス後、スキン層は除去され、ヘイズ値は好ましくは5%未満である。
【0075】
好ましい実施形態では、PBS中に組入れる前に多層フィルムからスキンを取除く。スキンを取除くことにより、最終フィルム厚さが減少するので、望ましくない非点収差は最小限に抑えられる。図4bは、PBS中を通過するときの入射光線30bの変位を示している。フィルム厚さが減少するにつれて、変位もまた減少するので、非点収差は最小限に抑えられる。
【0076】
PBSの組立て
作製後、以下の方法に概説されているように、高屈折率プリズム中に多層フィルムを包埋してPBSを作製することができる。
【0077】
典型的には真空チャックでフィルムを保持しながら、第1の量の接着材を送出して多層フィルムの第1の面に一様に分配する。機械方向(透過方向またはy方向)の屈折率が多層フィルムの屈折率のごく近傍にあるかぎり、任意の接着材を使用することができる。反射防止コーティングを用いてプリズムの斜辺面と接着材との界面からの反射を抑制することはできるが、そのようなコーティングを高分子フィルムに適用することは困難であるので、接着材とフィルムとの界面からの反射をこのようにして制御することはできない。このため、フィルムと接着材との屈折率差は、0.05未満、好ましくは0.02未満でなければならない。光開始剤を接着材に添加することにより、接着材を光硬化性にすることができる。接着材を露出させた状態で、できるだけ均一な接着材厚さが達成されるように第1のプリズムをその上に配置する。接着材の体積を制御して所定のパターンで送出し、フィルム上にプリズムを配置する力の大きさを制御することにより、均一な接着材厚さを達成することができる。接着材は、湿潤時、0.01から0.1mmまで、好ましくは約0.05mmの厚さを有する。第1のプリズムに多層フィルムの第1の面を固定して接着材を硬化させる。光開始剤が接着材に添加されている場合、接着材の硬化に使用する光源を、プリズムの露出した面に平行に、すなわち、フィルムに対して45°で配置する。第2の量の接着材を送出して多層フィルムの第2の面(このときの露出面)上に一様に分配する。この場合にもまた、均一な接着材厚さになるように、第2のプリズムをその上に配置する。次に、第2の部分の接着材を硬化させてPBS集成体を完成させる。好ましい実施形態では、多層フィルムは、プリズムの斜辺面より長さがわずかに長い。また、高効率の微粒子空気(HEPA)濾過機能を備えた環境中でPBSを組立てることが好ましい。当業者であれば、この組立プロセスを遂行するための自動化プロセスを考案することができる。
【0078】
好ましい実施形態では、接着材は、製品番号NOA61(ニュージャージー州クランベリーのノーランド・カンパニー(Norland Company,Cranbury,New Jersey)製)として市販されている液体フォトポリマー98重量部と、LUCRIN TPO−L(BASF製)として市販されているホスフィンオキシド開始剤2重量部と、を含む。そのような接着材を用いて、約400nmの光を放出するランプを、プリズムの露出面上に配置する。0.05mmの湿潤厚さでは、硬化時間は1〜2分である。全PBSを組立てた後、所望により、所定の時間、たとえば10分間、にわたりハロゲンランプを用いて窒素ブランケット下で後硬化させることができる。45℃の強制空気オーブン中にPBSを12時間配置することにより、多層フィルムとプリズムとの接着性を増大させることができる。
【0079】
所望により、接着性を増大させるために、フィルムが積層されるプリズム表面(典型的には斜辺面)を表面修飾する。代表的な表面修飾としては、コロナ処理(空気、窒素、または他の適切なガスを用いる)およびプラズマ処理が挙げられる。所望により、プリズムの表面の少なくとも1つに反射防止コーティングを施すことができる。
【0080】
先に述べたような接着材接合手段は、1つの代表的な接合手段である。他の接合手段を利用することも可能である。
【0081】
用途
本発明の偏光ビームスプリッターは、光イメージングシステムの1つのコンポーネントとして有用である。「光イメージングシステム」という用語は、前面および背面投影システム、投影ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、バーチャルビューア、ヘッドアップディスプレイ、光コンピューティング、光相関、および他の類似の光学ビューイングおよびディスプレイシステムを包含する。
【0082】
図5は、光ビーム54を提供する光源52を備えた光学ディスプレイまたはイメージングシステム40を示している。光源52は、ランプ51およびリフレクター53を備える。光ビーム54は、光を予備偏光させうる投光光学素子62中を通過する。次に、光ビーム54は、立方体50を構成する2つのプリズム66および68に包埋された複屈折性多層フィルム64を含むPBS50に当たる。フィルム64は、s偏光光を反射するように配向されている。偏光ビーム70は、カラースプリッター/コンバイナープリズム56に誘導され、そこで偏光ビーム70は、3つのサブビーム72、74、および76に分割される。3つのサブビーム72、74、および76は、反射および変調されて、それぞれ赤色、緑色、および青色の反射イメージャー82、84、および86から出る。それらの動作を制御するために、イメージャー82、84、および86にコントローラー(図示せず)を接続することができる。典型的には、コントローラーは、イメージャーのさまざまなピクセルを活性化させて反射光中に画像を生成する。反射および変調されたサブビームは、コンバイナー56により再び組合されて組合せビーム90に変換される。組合せビーム90の変調成分は、PBS50中を通過し、投影レンズ92により画像として投影される。光学ディスプレイ40は、コンパクトな前面または背面投影システムの作製に使用することができる。
【0083】
調整光学素子62は、光源52により放出された光の特性を投影システムにより望まれる特性に変化させる。たとえば、調整光学素子62は、光の拡散、光の偏光状態、および光のスペクトルを変化させうる。調整光学素子62は、たとえば、1つ以上のレンズ、偏光コンバーター、プレ偏光子、および/または不要な紫外光または赤外光を除去するフィルターを含みうる。いくつかの実施形態では、調整光学素子62は、光源52からの光の大部分を使用するために、小さいFナンバー、たとえば、2.5以下のFナンバーをもちうる。
【0084】
他の実施形態の投影システム200を図7に示す。システムは、曲面リフレクター213を有するアークランプ211のような光源210を使用して、光を投光光学素子215に誘導する。示された実施形態では、調整光学素子215は、コリメーティングレンズ217、第1の小型レンズアレイ219、第2の小型レンズアレイ221、および集光レンズ227を含む。第2の小型レンズアレイ221と集光レンズ227との間に、調整光学素子215は、たとえばゲフッケン(Geffkcken)型デザインのオプションとしての偏光コンバーター223を含んでいてもよい。偏光コンバーター223の変換効率にもよるが、偏光コンバーター223に続いてオプションとしてのプレ偏光子225を含むことが有利なこともある。対をなす小型レンズアレイ219および221は、コリメーティングレンズ217から名目上平行な光を受ける。偏光コンバーター223およびプレ偏光子225は、PBS250に入射する光を所望の偏光状態に偏光させる。当然のことながら、投光光学素子は、この特定の実施形態に記載されているよりも多いまたは少ない光学素子を含むものであってもよい。小型レンズアレイ219および221ならびに集光レンズ227は、反射イメージャー226、228、および230に一様に投光すべく、光を造形および均一化する。PBS250は、s偏光光を3つの反射イメージャー226、228、および230に再誘導する。
【0085】
マルチイメージャーシステムでは、カラープリズム236は、それぞれのイメージャーに関連する個別のカラーバンドに光を分離する。示された3つのイメージャー構成では、カラープリズム236は、典型的には、原色バンド:赤色、緑色、および青色に光を分離する。システムの光学的応答をさらに最適化するために、それぞれのイメージャーとカラープリズム236との間に、視野レンズ238、240、および242のような介在レンズを挿入してもよい。イメージャー226、228、および230は、特定の画像情報に応じて、反射時に光の偏光状態をさまざまな度合に変調する。次に、カラープリズム236は、赤色、緑色、および青色の画像を再び組合せて組合せ画像光をPBS250に送り、そこで実質的にp偏光光だけを通過させることにより画像の偏光状態を分析する。s偏光光は、光源212に再誘導される。PBS250中を通過した光は、投影レンズシステム234により集められ、その後、ビューイング用のスクリーン(図示せず)に結像させることが可能である。オプションとしてのポスト偏光子244を、PBS250と投影レンズシステム234との間に挿入してもよい。当然のことながら、複数のイメージャーを用いて他の光学的構成を用いることも可能である。
【実施例】
【0086】
本発明のさまざまな実施形態および詳細事項を示すために以下の実施例を提供する。実施例はこの目的に役立つものであるが、使用した特定の成分および量ならびに他の条件および細目は、本発明の範囲を過度に限定するように解釈すべきものではない。別段の記載がないかぎり、パーセントはすべて重量パーセントである。
【0087】
ガラス転移温度(T g )の決定
以下の調製例で適用可能な場合には、ASTM D3418に準拠してDSCにより20℃/分の走査速度でかつ二次加熱Tgをとることにより熱履歴を除去してTgを測定した。
【0088】
【表1】
【0089】
調製例1
この例では、多層フィルム中の低屈折率層として使用するためのコポリエステル(便宜上、coPET−Aと記す)の合成について記載する。第2表に列挙された成分をバッチ反応器中に仕込んだ。0.20MPaの圧力下で、メタノールを除去しながら、この混合物を254℃まで加熱した。45.5kgのメタノールを除去した後、52gのホスホノ酢酸トリエチルを反応器に仕込み、次に、285℃に加熱しながら圧力を133Paまで徐々に低下させた。
【0090】
60/40重量%フェノール/o−ジクロロベンゼン中で測定したときに0.84dL/gの固有粘度を有するポリマーが生成されるまで、縮合反応副生物エチレングリコールを連続的に除去した。下記の化学構造はcoPET−Aを示したものである。
【化1】
【0091】
調製例2
この例では、多層フィルム中の低屈折率層として使用するためのコポリエステル(便宜上、coPET−Cと記す)の合成について記載する。第2表に列挙された成分をバッチ反応器中に仕込んだ。0.20MPaの圧力下で、メタノールを除去しながら、この混合物を254℃まで加熱した。4.1kgのメタノールを除去した後、52gのホスホノ酢酸トリエチルを反応器に仕込み、次に、285℃に加熱しながら圧力を133Paまで徐々に低下させた。
【0092】
60/40重量%フェノール/o−ジクロロベンゼン中で測定したときに0.82dL/gの固有粘度を有するポリマーが生成されるまで、縮合反応副生物エチレングリコールを連続的に除去した。
【0093】
調製例3
この例では、多層フィルム中の低屈折率層として使用するためのコポリエステル(便宜上、coPET−Dと記す)の合成について記載する。第2表に列挙された成分をバッチ反応器中に仕込んだ。0.20MPaの圧力下で、メタノールを除去しながら、この混合物を254℃まで加熱した。35.4kgのメタノールを除去した後、57gのホスホノ酢酸トリエチルを反応器に仕込み、次に、285℃に加熱しながら圧力を133Paまで徐々に低下させた。
【0094】
60/40重量%フェノール/o−ジクロロベンゼン中で測定したときに0.82dL/gの固有粘度を有するポリマーが生成されるまで、縮合反応副生物エチレングリコールを連続的に除去した。
【0095】
調製例4
この例では、多層フィルム中の低屈折率層として使用するためのコポリエステル(便宜上、coPET−Eと記す)の合成について記載する。第2表に列挙された成分をバッチ反応器中に仕込んだ。0.20MPaの圧力下で、メタノールを除去しながら、この混合物を254℃まで加熱した。33.2kgのメタノールを除去した後、38gのホスホノ酢酸トリエチルを反応器に仕込み、次に、285℃に加熱しながら圧力を133Paまで徐々に低下させた。
【0096】
60/40重量%フェノール/o−ジクロロベンゼン中で測定したときに0.81dL/gの固有粘度を有するポリマーが生成されるまで、縮合反応副生物エチレングリコールを連続的に除去した。
【0097】
調製例5
coPET AとPCTGとの50/50(重量基準)ブレンドを用いて、coPET(便宜上、coPET−Bと記す)を作製した。NMRおよびTgのデータは、この調製例では得られなかった。
【0098】
【表2】
【0099】
上記のcoPETの調製例について、強制空気対流式オーブン中において種々の温度で試験を行い、結晶化度に起因するヘイズがもしあれば、そのレベルを決定した。それぞれのサンプルについて、100時間かけて試験した。ヘイズレベルは、目視検査で決定した。「無」は、入射光の透過率が90%よりも大きく、非常に少ないかまたはほとんどゼロのヘイズを呈することを意味し、「低」は、透過率が75%よりも大きく、軽度のヘイズを呈することを意味し、「中」は、透過率が50%よりも大きく、中程度のヘイズを呈することを意味し、「高」は、透過率が25%よりも小さく、高度のヘイズを呈することを意味する。パーセントはすべて、定性的なものであった。試験後、それぞれのサンプルを対照サンプル(すなわち、オーブン中に暴露されていないサンプル)と比較し、ヘイズの量を定性的に決定した。ヘイズのデータを下記の第3表に示す。
【0100】
【表3】
【0101】
実施例1
PETが第1の高屈折率材料でありcoPETが第2の低屈折率材料である896層を含む多層フィルムを、共押出および配向プロセスにより作製した。フィードブロック法(たとえば、米国特許第3,801,429号に記載されているような方法)を用いて、30%の比バンド幅の光反射バンドを生成するのに十分な層の厚さ範囲を有する約224層を形成した。それぞれの材料の最も厚い層と最も薄い層との比を1.30に設定し、フィードブロックにより層の厚さにほぼ直線勾配をもたせた。
【0102】
0.74dl/gの固有粘度(IV)を有するPETを56.8kg/時の速度で一方の押出機によりフィードブロックに供給し、coPET−B(先の調製例5に記載)を同一の速度で他方の押出機により供給した。
【0103】
これらの溶融ストリームをフィードブロックに誘導し、PBLとして役立つcoPET−Bの2層の外側層をフィードブロックに通して、PETとcoPET−Bとの224層の交互層を形成した。PBLを光学層よりもかなり厚くした。前者は、coPET−Bの全溶融フローの約20%を含む(各面10%ずつ)。
【0104】
次に、材料ストリームを非対称二倍マルチプライヤー(米国特許第5,094,788号および同第5,094,793号に記載されているようなマルチプライヤー)に通した。マルチプライヤー厚さ比は、約1.25:1であった。224層からなる各セットは、フィードブロックにより生成された近似的な層の厚さプロフィールを有し、全厚換算係数は、マルチプライヤーおよびフィルム押出速度により決定される。次に、約1.55:1のマルチプライヤー比で第2の非対称二倍マルチプライヤーに材料ストリームを通した。
【0105】
マルチプライヤー通過後、ポリプロピレン(PP)(アトフィナ・ペトロケミカル・インコーポレーテッド(Atofina Petrochemicals,Inc.)、製品番号8650)からなる外側スキン層を溶融ストリームに付加した。28.6kg/時の速度で第3の押出機にPPを供給した。次に、材料ストリームをフィルムダイに通し、水冷キャスティングホイール上に送出した。キャスティングホイール上の入口水温は、8℃であった。高圧ピニング装置を用いてキャスティングホイールに押出物を押付けた。ピニングワイヤーは約0.10mmの太さであった。また、約6.4kVの電圧を印加した。得られる多層フィルムに平滑な外観をもたせるために、ウェブがキャスティングホイールに接触する箇所から3〜5mm離間させて、ピニングワイヤーの位置決めをオペレーターが手作業で行った。最終フィルム厚さを正確に制御するために、キャスティングホイール速度を調整した。
【0106】
PP押出機および関連溶融プロセス装置を254℃に保持した。PETおよびcoPET−B押出機、フィードブロック、スキン層モジュール、マルチプライヤー、ダイ、および関連溶融プロセス装置を266℃に保持した。
【0107】
多層フィルムの7インチ×10インチ(17.8×25.4cm)サンプルを標準的フィルムテンターに供給して一軸延伸を行った。連続的配向フィルムに関してはキャウトウェブ片の縁部をテンタークリップにより掴持した。テンタークリップの離間距離が固定されているので、クリップ近傍のフィルムはMD方向に収縮することができないが、ウェブの前縁および後縁は拘束しなかったので、MD方向に収縮した。その収縮は、クリップからの距離が長くなるほど大きかった。アスペクト比を十分に大きくすると、サンプルの中心は、真の一軸配向を行うのに十分な程度に収縮することができる。すなわち、収縮はTD延伸比の平方根に等しかった。
【0108】
8インチ(20.3cm)の初期クリップ距離から56インチ(142cm)の最終クリップ距離まで、サンプルをTD方向に延伸し、次に、延伸温度で51インチ(129.5cm)まで緩和させた。98.9℃のテンター温度、6:1の延伸比、および5cm/秒の延伸速度で延伸を行った。クリップ内の材料は延伸されないので、初期物品サイズ対最終物品サイズは、延伸比(6:1)と同じではなかった。
【0109】
一軸配向多層フィルムを39mm×58mm部分にカットした。フィルムが斜辺面に沿って存在するように、この部分を屈折率1.85の2つの45°ガラスプリズム間にラミネートした。それぞれのプリズムは、2つの40mmの底辺および57mmの斜辺を有していた。プリズムの露出表面すべてに、あらかじめ反射防止コーティングを施した。
【0110】
PBSの吸光度の実験値を得るために、プリズムを再利用できるように結合が永続的なものとならないようにして、二成分エポキシの一方の成分だけを用いてフィルムをラミネートした。
【0111】
立方体面を入射光ビームに対して−10°の方向を向けて、得られたPBSをパーキン・エルマー・ラムダ−19(Perkin Elmer Lambda−19)分光光度計(コネチカット州ノーウォークのパーキン・エルマー・インストラメント(Perkin Elmer Instruments,Norwalk,CT)から入手可能)で測定した。負の角度により、立方体中のフィルムへの入射角が45度よりも小さいことを示した。屈折率1.85の立方体の場合、−10°は、フィルムへの入射角が39.6°であることに対応させた。グラン−トンプソン(Glan−Thompson)偏光子を用いて分光光度計ビームを偏光させ、s偏光光が立方体中のフィルムに入射するような方向に向けた。グラフ1に示されるように、測定により、PBSの吸光度スペクトルまたは光学濃度(−log10透過率)を得た。平均吸光度は約3.0であり、これは1000:1のコントラストに対応した。同一のグラフ上にプロットされているのは、空気中における垂直入射時の裸のフィルムの吸光度スペクトルであった。PBSにおいて比較的小さい角度で得られた吸光度と比較して、空気中で測定されたフィルムの吸光度が著しく大きいことが、グラフ1から実証された。入射光がPBS面に対して−13°である場合、すなわち、多層フィルムに対して38°である場合、コントラストは減少したが、依然として300:1よりも大きかった。PBS面に垂直入射した場合および正の角で入射した場合、理論上、フィルムの反射率は大きくなるが、ラムダ−19(Lambda−19)計測器で測定したところ有意な増加は測定されなかった。この結果は、PBSフィルムからの散乱光の残留レベルまたは分光光度計のノイズレベルに起因する可能性がある。以下のグラフ1中の「s−pol」は、s偏光を意味する。
【0112】
スキンを除去した後で測定されたフィルムのヘイズは、わずか1.4%であり、以下の実施例2の約15%とは対照的であった。この実施例で使用したスキンは、実施例2のスキンの融解温度と比較して低い融解温度(134℃)を有する。ヘイズは、メリーランド州コロンビアのBYK−ガードナー(BYK−Gardner,Columbia,MD.)製のヘイズ−ガード・プラス(Haze−Gard Plus)計測器を用いて測定した。
【0113】
収縮は、85℃において15分後で0.13%であった。
【0114】
【表4】
【0115】
実施例2
この実施例では、90/10coPEN/PETG多層フィルムについてPPスキンがある場合とない場合を示す。図6は、一軸配向時にスキン層を使用する利点のいくつかを示している。
【0116】
以下の変更点以外は実施例1に従ってPBSを作製した。多層フィルムにおいて、高屈折率材料は、それぞれ90対10の重量比のポリエチレンナフタレートとPETとのコポリマーであり(便宜上、90/10coPENと呼ぶ)、低屈折率材料は、イーストマン・ケミカル・カンパニー(Eastman Chemicals Company)から市販されているPETG(ポリエチレンシクロヘキサンジメタノールテレフタレート)であった。
【0117】
90/10coPENを39kg/時の速度で一方の押出機によりフィードブロックに供給し、PETGを63kg/時の速度で他方の押出機により供給した。これらの溶融ストリームをフィードブロックに誘導し、PBLとして役立つPETGの2層の外側層をフィードブロックに通して、coPENおよびPETGの光学層を形成した。
【0118】
マルチプライヤー通過後、45.5kg/時の速度で第3の押出機を用いて、PP(アトフィナ・ペトロケミカル・インコーポレーテッド(Atofina Petrochemicals Inc.)、製品番号3652)の外側スキン層を付加した。
【0119】
溶融プロセス装置を266℃に保持した。
【0120】
光学層およびPETG PBLを含有する多層キャストウェブは、0.32mmの厚さであった(スキンなし)。スキン層はそれぞれの面上で0.038mmであった。スキンのある多層キャストウェブおよびスキンのない多層キャストウェブを10インチ×10インチ(25.4cm×25.4cm)サンプルにカットし、138℃において6対1の延伸比でテンターにより配向させた。MD方向の緩和に及ぼすスキン層の影響を図6のグラフにより示す。プロピレンスキンのある延伸された10×10インチサンプルは、より均一なフィルム厚さ、およびスキンなしで延伸された同一出発サイズのサンプルよりも小さい最終MD寸法を呈した。収縮が増大したことにより、複屈折性層のnyとnzとの差が小さくなる。
【0121】
また、サンプルを7×10インチにカットし、7インチをMD方向にしてテンターに供給した。PPスキンのないサンプルは、わずかの例外を除いて皺が発生し、PPスキンのあるサンプルは、フラットなフィルム試料を生成した。延伸後にスキンを除去し、ヘイズ−ガード・プラス(Haze−Gard Plus)を用いてフィルムのヘイズを測定したところ、測定値は約15%であった。このヘイズのほとんどは、スキンにより付与された表面粗さに起因するものであり、フィルムの外側PBLと、プリズムにフィルムをラフィネートするために使用される接着材と、の屈折率を一致させることにより、大幅に減少させることができると考えられる。しかしながら、実施例1のスキン材料を使用すれば、屈折率の一致度が同じでも、より少ないヘイズが得られる。
【0122】
収縮は、85℃において15分後で0.13%であった。
【0123】
実施例3
20モル%のPENと80モル%のPETとの混合物を供給して現場押出でエステル交換した物質が第1の高屈折率材料でありcoPET Bが第2の低屈折率材料である896層を含む多層フィルムを、共押出および配向プロセスにより作製した。フィードブロック法(たとえば、米国特許第3,801,429号に記載されているような方法)を用いて、30%の比バンド幅の光反射バンドを生成するのに十分な層の厚さ範囲を有する約224層を形成した。それぞれの材料の最も厚い層と最も薄い層との比を1.30に設定し、フィードブロックにより層の厚さにほぼ直線勾配をもたせた。
【0124】
0.74dl/gの初期固有粘度(IV)を有するPETを、43.1kg/時の速度で押出機に供給し、0.50dl/gの初期固有粘度を有するPENを、13.7kg/時の速度で同一押出機に同時に供給した。PETとPENとのエステル交換混合物を56.8kg/時の組合せ速度でこの押出機によりフィードブロックに供給し、coPET−B(先の調製例5に記載)を56.8kg/時で他の押出機により供給した。
【0125】
これらの溶融ストリームをフィードブロックに誘導し、PBLとして役立つcoPET−Bの2層の外側層をフィードブロックに通して、PETとPENとのエステル交換混合物と、coPET Bと、の224層の交互層を形成した。PBLを光学層よりもかなり厚くした。前者は、coPET−Bの全溶融フローの約20%を含む(各面10%ずつ)。
【0126】
次に、材料ストリームを非対称二倍マルチプライヤー(米国特許第5,094,788号および同第5,094,793号に記載されているようなマルチプライヤー)に通した。マルチプライヤー厚さ比は、約1.25:1であった。224層からなる各セットは、フィードブロックにより生成された近似的な層の厚さプロフィールを有し、全厚換算係数は、マルチプライヤーおよびフィルム押出速度により決定される。次に、約1.55:1のマルチプライヤー比で第2の非対称二倍マルチプライヤーに材料ストリームを通した。
【0127】
マルチプライヤー通過後、ポリプロピレン(PP)(アトフィナ・ペトロケミカル・インコーポレーテッド(Atofina Petrochemicals,Inc.)、製品番号3652)からなる外側スキン層を溶融ストリームに付加した。28.6kg/時の速度で第3の押出機にPPを供給した。次に、材料ストリームをフィルムダイに通し、水冷キャスティングホイール上に送出した。キャスティングホイール上の入口水温は、8℃であった。高圧ピニング装置を用いてキャスティングホイールに押出物を押付けた。ピニングワイヤーは約0.10mmの太さであった。また、約6.4kVの電圧を印加した。得られる多層フィルムに平滑な外観をもたせるために、ウェブがキャスティングホイールに接触する箇所から3〜5mm離間させて、ピニングワイヤーの位置決めをオペレーターが手作業で行った。最終フィルム厚さを正確に制御するために、キャスティングホイール速度を調整した。
【0128】
PP押出機および関連溶融プロセス装置を254℃に保持した。PET/PENおよびcoPET−B押出機、フィードブロック、スキン層モジュール、マルチプライヤー、ダイ、および関連溶融プロセス装置を266℃に保持した。
【0129】
多層フィルムの7インチ×10インチ(17.8×25.4cm)サンプルを標準的フィルムテンターに供給して一軸延伸を行った。連続的配向フィルムに関してはキャウトウェブ片の縁部をテンタークリップにより掴持した。テンタークリップの離間距離が固定されているので、クリップ近傍のフィルムはMD方向に収縮することができないが、ウェブの前縁および後縁は拘束しなかったので、MD方向に収縮した。その収縮は、クリップからの距離が長くなるほど大きかった。アスペクト比を十分に大きくすると、サンプルの中心は、真の一軸配向を行うのに十分な程度に収縮することができる。すなわち、収縮はTD延伸比の平方根に等しかった。
【0130】
8インチ(20.3cm)の初期クリップ距離から56インチ(142cm)の最終クリップ距離まで、サンプルをTD方向に延伸し、次に、延伸温度で51インチ(129.5cm)まで緩和させた。102.8℃のテンター温度、6:1の名目上の延伸比、および5cm/秒の延伸速度で延伸を行った。クリップ近傍では能動的に52℃まで冷却され延伸がわずかに少ないので、最終延伸比を物品の中央部分で測定したところ約6.3であった。
【0131】
一軸配向多層フィルムを39mm×58mm部分にカットした。フィルムが斜辺面に沿って存在するように、この部分を屈折率1.85の2つの45°ガラスプリズム間にラミネートした。それぞれのプリズムは、2つの40mmの底辺および57mmの斜辺を有していた。プリズムの露出表面すべてに、あらかじめ反射防止コーティングを施した。
【0132】
光学性能は、実施例1のフィルムと類似していた。収縮は、85℃において15分後で0.13%であった。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明に係る例示的な複屈折性多層フィルム10の断面図である。
【図2】本発明に係る例示的な複屈折性多層フィルム10中の2層の材料層の斜視図である。
【図3】本発明に係る例示的な偏光ビームスプリッター20の斜視図である。
【図4a】図3の線分4−4に沿った断面図である。
【図4b】図3の線分4−4に沿った断面図である。
【図5】本発明の一態様に係る投影システムに有用な例示的な光学系40の概略図である。
【図6】一軸配向後のフィルムの厚さをフィルム位置の関数としてプロットしたグラフである。
【図7】本発明の一態様に係る複数の反射画像に基づく投影ユニットの概略図である。
Claims (33)
- 偏光ビームスプリッターであって、
(a)少なくとも第1の材料層と第2の材料層との多層を含み、それぞれの材料層は、可視スペクトル中に吸収端を有し、紫外領域では、前記吸収端は、前記偏光ビームスプリッターに投光する光の最短波長よりも少なくとも40nm短く、赤外領域では、前記吸収端は、前記偏光ビームスプリッターに投光する光の最長波長よりも少なくとも40nm長い、通過軸を有する複屈折性フィルムと、
(b)1.6よりは大きいが前記複屈折性フィルムの通過軸に沿って全内反射を生じるおそれのある値よりは小さい屈折率を有する少なくとも1つのプリズムと、
を備える、偏光ビームスプリッター。 - 実質的に立方体を形成するように位置決めされた2つの直角プリズムを備え、前記複屈折性フィルムが、前記立方体の対角面に沿って存在するように前記2つのプリズム間に配置される、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記プリズムが、ガラス、ポリマー、またはセラミックスである、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記第1の材料層が、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとのエステル交換コポリマーからなる群より選択されるポリマーである、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとの前記エステル交換コポリマーが前記第1の材料全体を基準にして50モル%未満のポリエチレンナフタレートを含有する、請求項4に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記第2の材料が、コポリエステルおよびシンジオタクチックポリスチレンからなる群より選択される、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記コポリエステルが、1,4−ジメチルテレフタレート、1,2−エタンジオール、1,4−ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール、およびトリメチロールプロパンを含む、請求項6に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記コポリエステルが、ネオペンチルグリコールおよび2−ブチル2−エチル1,3−プロパンジオールをさらに含む、請求項7に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記コポリエステルが、約5〜45モル%の1,4−ジメチルテレフタレート、約5〜45モル%の1,2−エタンジオール、約5〜45モル%の1,4−ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレート、約5〜45モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール、約0.5〜5モル%のトリメチロールプロパン、約0〜10モル%のネオペンチルグリコール、および約0〜10モル%の2−ブチル2−エチル1,3−プロパンジオールを含む、請求項8に記載の偏光ビームスプリッター。
- ポリエチレンシクロヘキサンジメタノールテレフタレートをさらに含む、請求項7に記載の偏光ビームスプリッター。
- 約300対1よりも大きいコントラスト比を有する、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 1000対1よりも大きいコントラスト比を有する、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記プリズムと前記複屈折性フィルムとの間に配置された接合手段をさらに備える、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記接合手段が、光透過方向において前記フィルムの屈折率の0.05単位以内の屈折率を有する接着材である、請求項13に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記接合手段が、光透過方向において前記フィルムの屈折率の0.02単位以内の屈折率を有する接着材である、請求項13に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記材料層のうちの少なくとも1層が複屈折を呈する、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記第1および第2の材料層の吸収端が、紫外領域では約380nmよりも短く、赤外領域では約720nmよりも長い、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記第1および第2の材料層の吸収端が、紫外領域では約370nmよりも短く、赤外領域では約730nmよりも長い、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 前記第1および第2の材料層の吸収端が、紫外領域では約360nmよりも短く、赤外領域では約740nmよりも長い、請求項1に記載の偏光ビームスプリッター。
- 第1および第2の主面を有する多層フィルムであって、少なくとも第1の材料層と第2の材料層とを含み、それぞれの材料層が、可視スペクトル中に吸収端を有し、紫外領域では、前記吸収端が、前記多層フィルムに投光する光の最短波長よりも少なくとも40nm短く、赤外領域では、前記吸収端が、前記多層フィルムに投光する光の最長波長よりも少なくとも40nm長い、多層フィルム。
- 前記第1および第2の材料層の吸収端が、紫外領域では約380nmよりも短く、赤外領域では約720nmよりも長い、請求項20に記載の多層フィルム。
- 前記材料層のうちの少なくとも1層が一軸配向後に複屈折を呈する、請求項20に記載の多層フィルム。
- 前記第1の材料層が、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとの混合物からなる群より選択されるポリマーであり、かつ前記第2の材料層が、約5〜45モル%の1,4−ジメチルテレフタレート、約5〜45モル%の1,2−エタンジオール、約5〜45モル%の1,4−ジメチルシクロヘキサンジカルボキシレート、約5〜45モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール、約0.5〜5モル%のトリメチロールプロパン、約0〜10モル%のネオペンチルグリコール、および約0〜10モル%の2−ブチル2−エチル1,3−プロパンジオールを含むコポリエステルである、請求項20に記載の多層フィルム。
- 前記主面のうちの少なくとも一方の面上に配置された高分子スキン層をさらに含む、請求項20に記載の多層フィルム。
- 前記高分子スキン層が、約230℃および約21.6ニュートンにおいてASTM D 1238−95に準拠して測定したときに約7〜18g/10分のメルトフローインデックスを有するコポリマーを含有する結晶性プロピレンである、請求項24に記載の多層フィルム。
- 前記高分子スキン層が、プロピレンとエチレンとのランダムコポリマーおよびプロピレンとアルファ−オレフィンとのコポリマーからなる群より選択され、それぞれのコポリマーが4〜10個の炭素原子を有し、かつそれぞれのコポリマーが約90重量%よりも大きいプロピレン含有率を有する、請求項24に記載の多層フィルム。
- 前記高分子スキン層が、DSC測定に準拠して120〜140℃の融点を有するランダムエチレン−プロピレンコポリマーからなる群より選択される、請求項24に記載の多層フィルム。
- (a)請求項1に記載の偏光ビームスプリッターであって、第1の偏光状態の光に対して前記偏光ビームスプリッターを通り抜ける第1の経路が規定された偏光ビームスプリッターと、
(b)光を反射させて前記偏光ビームスプリッターに戻すように配置された少なくとも1つのイメージャーであって、前記少なくとも1つのイメージャーが受けた光の一部分は偏光回転され、偏光回転された光は、前記イメージャーから前記偏光ビームスプリッターを通り抜ける第2の経路に沿って伝播するイメージャーと、
を備える、光デバイス。 - 前記偏光ビームスプリッターの複屈折性フィルムが吸収端を有し、かつ前記第1および第2の材料層の吸収端が、紫外領域では約380nmよりも短く、赤外領域では約720nmよりも長い、請求項28に記載の光デバイス。
- 前記光を発生する光源と、前記偏光ビームスプリッターに達する前に前記光を調整する光調整光学素子と、をさらに備える、請求項28に記載の光デバイス。
- 前記少なくとも1つのイメージャーから画像光を投影する投影レンズシステムをさらに備える、請求項28に記載の光デバイス。
- (a)光を発生する光源と、
(b)前記光源からの光を調整する調整光学素子と、
(c)前記調整光学素子からの調整された光に画像を重ねて画像光を形成するイメージングコアであって、請求項1に記載の偏光ビームスプリッターと少なくとも1つのイメージャーとを含むイメージングコアと、
(d)前記イメージングコアからの画像光を投影する投影レンズシステムと、
を備える、投影システム。 - 前記偏光ビームスプリッターの複屈折性フィルムが吸収端を有し、かつ前記第1および第2の材料層の吸収端が、紫外領域では約380nmよりも短く、赤外領域では約720nmよりも長い、請求項32に記載の投影システム。
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