JP2004527585A - 脂質−ポリマー結合体 - Google Patents

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Abstract

ポリ[(N−(2−ヒドロキシエチル)−グルタミン](PHEG)のようなポリ(アミノ酸)、ポリ(アミノ酸誘導体)又はポリ(アミノ酸類似化合物)の脂質結合体を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、脂質−ポリマー結合体及びその調製と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
脂質−ポリマー−結合体はよく知られており、様々な異なる用途に使用されている。その中の一つが、リポソーム、ニオソームやリバース小胞(reversed vesicles)のような二分子膜小胞系、ミセル系、ナノカプセル、ナノスフェア等のコロイド状担体組成物への包含である。このようなコロイド状担体組成物のなかでよく知られた代表的なものは、リポソームで形成されている。以後、特にリポソームについて言及するが、本明細書における説明、開示及び教示は、他のコロイド状担体組成物にも同様に関わるということを念頭においておかなければならない。
リポソームはコロイド状担体粒子のグループに属し、水性相を封入した一つ以上の同心円状の脂質二分子膜からなる微細な小胞である。その大きさ、表面電荷、脂質組成物、二分子膜流動性という点における構造上の汎用性、また、ほとんどすべての薬物を封入することができるという点から、薬物送達系としてのリポソームの重要性は容易に理解されていた。しかしながら、リポソームが静脈内に注入されると、リポソームは単核食細胞系(MPS)によって異物粒子として認識され、肝臓、脾臓及び骨髄のような食細胞の多い器官へと循環系から容易に消失する。この作用を抑制するいくつかの可能性が明確にされてきた。例えばリポソームの粒子径を小さくしたり、リポソームの表面電荷を変更することである。また、もう一つは、リポソームの表面に特定の親水性ポリマー成分を導入してリポソームを表面修飾することに関する開発で、この親水性の基が粒子表面でのタンパク質の吸着をおさえるのである。その結果、こうしてできたリポソームはMPSの細胞による認識を免れ、総循環における滞留時間が長くなる。リポソームの表面修飾のよく知られた例として、脂質誘導体のリポソーム組成物を調製する際に親水性ポリマーのポリエチレングリコール(PEG)を結合させる例が挙げられる。通常、このポリマーは、疎水性部位で末端が改質されており、この疎水性部位はホスファチジルエタノールアミン誘導体又は長鎖脂肪酸の残基である。ポリエチレングリコール自体がかなり安定したポリマーであり、タンパク質粘着を阻止し、生理学的条件下では酵素による劣化又は加水分解による劣化をうけないポリマーである。血漿半減期を伸ばし食細胞が多い器官への集積を減らすという点に関して良好な結果が得られ、PEGで表面修飾されたリポソームの静脈内投与は様々な種類の動物、そして人間にも行われた(非特許文献1)(非特許文献2)(非特許文献3)。ドキソルビシンを含有した上記のようなリポソーム製剤に対して市場の認可もでている。
【0003】
一方で、長期循環性(long circulating)リポソームにポリエチレングリコールポリマーを使用することによる短所にもいくつか直面することになった。PEGをグラフトしたリポソームは非生分解性であるため、大食細胞や皮膚に集積することが懸念される。PEGリポソームを二度目に注入すると、長期循環性が失われていること(迅速なクリアランス)がわかった(非特許文献4)。PEG−リポソームを患者に使用した最近の研究によると、PEG−リポソームが急性の副作用(顔面紅潮、胸部圧迫、息切れ、血圧の変化)を誘発する可能性があり、PEG−リポソーム処方の投与(注入)が終了するとすぐにそれらの副作用は消えることがわかった。最近のデータでは、副作用の誘発は補体活性のしわざであると指摘されている(非特許文献5)。今のところ、PEG−リポソームを基本とした市販の製剤は水性懸濁液製剤である。一般的なリポソーム水性懸濁液製剤やPEG−リポソームの貯蔵寿命はかなり限界があることはよく知られている。こうした製剤のビヒクル又は分散媒の取り除き方についての技術もいくつか知られており、例えば、噴霧乾燥、ダイアフィルトレーション、回転蒸発等、さらに好ましくは凍結乾燥が挙げられる。近年、テクネチウムキレート化剤ヒドラジノニコチンアミドを含ませPEG−リポソームの貯蔵寿命を改善して長くする凍結乾燥法が提案された(非特許文献6)。しかし、結果とこの技術のリポソーム製剤への適用性についてはさらに調査研究する必要がある。
【0004】
ポリエチレングリコールの使用には欠点があることから、それに代わるポリマーを探すことに研究者たちは駆りたてられた。リポソームに結合するために小胞形成脂質で誘導体化するのに適した候補として多くのポリマーが提案された(特許文献1参照)。親水性を有する水溶性ポリマーのポリビニルピロリドン、ポリアクリロイルモルフォリン、ポリ2−メチル−2−オキサゾリン、ポリ2−エチル−2−オキサゾリン、ポリアクリルアミド及びポリグリセロールは、静脈内投与後のリポソームの循環時間をある程度長くすることがわかった。しかしながら、そのような脂質ポリマー結合体は、既知の脂質−PEG−結合体にまさる利点がなかったということが主な理由で、今に至るまで市販の薬物製剤の分野に適用されなかった。そのため、脂質で誘導体化してリポソームのようなコロイド状担体組成物中に結合できるポリマーであって、長期循環性を有しさらにPEGよりも優位な点、たとえば生分解性を有するポリマーを見つける必要が依然としてある。
【0005】
【特許文献1】
EP-0688207
【非特許文献1】
Storm G., Belliot S.O., Daernen T., Lasic D.D.: Surface modification of nanoparticles to oppose uptake by the mononuclear phagocyte system in Adv. Drug delivery Rev. 17, 31-48, (1995)
【非特許文献2】
Moghimi S.M., Hunter A.C., Murray J.C.: Long-circulating andtarget-specific nanoparticles; theory to practice in Pharmacol. Rev. 53, 283-318, (2001)
【非特許文献3】
Boerman O.C., Dams E.T., Oyen W.J.G., Corstens F.H.M., Storm G.: Radiopharmaceuticals for scintigraphic imaging of infection and inflammation in Inflamm. Res. 50, 55-64, (2001)
【非特許文献4】
Dams E.T., Laverman P., Oijen W.J., Storm G., Scherphof G.L., Van der Meer J.W., Corstens F.H., Boennan O.C.: Accelerated blood clearance and altered biodistribution of repeated injections of sterically stabilized liposomes in J. Pharmacol. Exp. Ther. 292, 1071-1079, (2000)
【非特許文献5】
Szebeni J., Baranyi L., Savay S., Lutz H., Jelezarova E., Bunger R., Alving C.R.: The role of complement activation in hypersensitivity to Pegylated liposomal doxorubicin (Doxil) in J. Liposome Res. 10, 467-481, (2000)
【非特許文献6】
Laverman P., van Bloois L., Boerman O.C., Oyen W.J.G., Corstens F.H.M., Storm G.: Lyophilisation of Tc-99m-HYNIC labelled PEG-liposomes in J. Liposome Res. 10(2&3), page 117-129 (2000)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
脂質−ポリマー結合体が提供されるが、脂質−ポリマー結合体は、少なくとも1つの疎水性無極部位と親水性を有する極性ヘッド基からなる両親媒性脂質と、N−及びC−末端基を有するポリマー又はそのモノマー前駆体とから得ることができ、前記のポリマーはポリ(アミノ酸)、ポリ(アミノ酸誘導体)又はポリ(アミノ酸類似化合物)であり、前記の脂質はポリマーのN又はC末端基と共有結合しており、ポリマーは以下の式:
‐[NHCHR(CH2mCO]n‐で表され、式中、‐Rは-H, -CH3, -CHCH3OR1, -(CH2)xOR1, -(CH2)x-CO-NHR1, -(CH2)x-NH-CO-R1, -(CH2)x-SOyCH3又は-(CH2)xCOOHと定義され、
‐R1は水素又は(C1−C4)アルキル基で1個以上の水酸基又は1個のジ(C1−C4)アルキルアミン基で置換されており、xは0〜4、m=1又は0、y=1又は2である。また、このような結合体の調製方法及び結合体の使用についても提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の組成物中の両親媒性脂質−ポリマー−結合体は、両親媒性脂質とポリマー又はそのモノマー前駆体から得られる。
本発明の脂質−ポリマー結合体に使用される両親媒性脂質は、少なくとも1つの疎水性を有する無極のテールと親水性を有する極性ヘッド基からなる様々な合成又は天然の脂質から選択すればよく、小胞形成脂質や膜脂質がある。
脂質−ポリマー結合体に使用される両親媒性脂質の重要な特色の一つは、脂質中、ポリマー鎖との共有結合に適した極性ヘッド基に官能基を含むということである。極性ヘッド基としては、例えば、第一又は第二アミン基、水酸基、アルデヒド基、ハロゲン化物又はカルボン酸基が挙げられる。脂質の疎水性部位によって、リポソームのような二分子膜構造中に脂質−ポリマー結合体が包含されることが可能となり、疎水性部位はアンカーとして作用する。
両親媒性脂質の例として、リン脂質、糖脂質、セラミド、コレステロール及びその誘導体、飽和又は部分不飽和の分岐又は直鎖の炭素数8〜50のモノ又はジアルキルアミン、アリールアルキルアミン、シクロアルキルアミン、アルカノール、アルデヒド、カルボハライド(carbohalide)又はアルカノイック酸、及びこれらの無水物が挙げられるが、このなかで炭素原子の総数は25以上が好ましい。
より具体的には、適切な両親媒性脂質の例として、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ステアリルアミン、ミリスチルアルコール、コレステロール及びパルミチン酸が挙げられる。
脂質−ポリマー−結合体において推奨される両親媒性脂質とは、多くの場合はアルカリ鎖である2つの疎水性鎖と、前記に記載のとおり官能基を含む極性ヘッド基とを有する脂質である。ホスファチジルエタノールアミン誘導体、なかでもジステアリルホスファチジルエタノールアミンは、反応性アミノ基を有することから上記記載の推奨されるリン脂質である。
さらに推奨される両親媒性脂質としては、第一又は第二アミンを親水性極性ヘッド基として有し、さらに飽和又は不飽和の炭素数8〜50の分岐又は直鎖の疎水性を有する2つの無極部位を有する。この例としては、1−ヘプタデシルオクタデシルアミン並びにジステアリルアミンやN−スクシニルジオクタデシルアミン(DODASuc)のようなジステアリルアミン含有化合物が挙げられる。
【0008】
本発明の脂質−ポリマー−結合体のポリマー部分は、ポリ(アミノ酸)、ポリ(アミノ酸誘導体)又はポリ(アミノ酸類似化合物)で形成されている。ポリ(アミノ酸誘導体)は、アミノ酸モノマーからなるポリマーで、1個以上の置換基が結合している。この例としては、ポリ(2‐ヒドロキシエチル)−L−グルタミンが挙げられる。本願明細書に開示されているポリ(アミノ酸類似化合物)とは、アミノ酸モノマーの炭素原子鎖長が短かったり長いポリマーを指す。その例として、ポリ(ホモセリン)やポリ(ペンタホモセリン)が挙げられる。
ポリマーは、ポリマー鎖全体を通して同じモノマーからなるホモポリマーである。また、ポリマー部分はポリ(アミノ酸)、ポリ(アミノ酸誘導体)及びポリ(アミノ酸類似化合物)からなる群から選択されるブロック共重合体で構成することも可能であるし、或いは1種以上のアミノ酸、アミノ酸誘導体及びアミノ酸類似化合物からなる群から選択される適切なモノマーを交互に並べたもの又は順番を制御して並べたもの、又はランダム重合したものでポリマー部分を形成することも可能である。ポリマーは直鎖でも分岐していてもよく、グラフトポリマーも含まれるが、直鎖が好ましい。
有用なアミノ酸としては、天然のα−アミノ酸が挙げられる。しかし、非タンパク性又は天然でないアミノ酸と同様にβ−アミノ酸にも関心がもたれてきたようである。L体とD体両方のアミノ酸及びその誘導体を使用することができる。脂質−ポリマー−結合体におけるポリマーのアミノ酸配列がL体アミノ酸の残基によって形成されると、できたポリマーは酵素劣化をうけやすい。一方、本発明の脂質−ポリマー−結合体におけるポリマーのアミノ酸配列がD体アミノ酸によって形成される場合は、できたポリマーはペプチド劣化酵素に対して安定した傾向がある。また、L体アミノ酸とD体アミノ酸の混合物も使用できる。コロイド状担体粒子の表面修飾に本発明の脂質−ポリマー−結合体が取り込まれるので、ポリマーの異なる特性を考慮すると、結合体調製用の出発物質にL体及び/又はD体を選択的に使用して表面修飾を調整することができる。
【0009】
ポリ(アミノ酸)、ポリ(アミノ酸誘導体)及びポリ(アミノ酸類似化合物)は、本発明の脂質−ポリマー−結合体にとりこむのに適しているが、これらの重要な特性の一つは水に溶ける(100部の水に対して少なくとも1部、好ましくは30部の水に対して1部、最も好ましくは10部以下の水に対して1部)ということである。また、このポリマーは、水中におけるポリマーのχ−パラメーターによっても特徴づけることができる。このポリマーと溶媒の相互作用パラメーターは、例えば膜浸透圧法で求めることができる。本発明の脂質−ポリマー−結合体中において優位に使用することができるポリマーは、χ−パラメーターが水中で0.65以下、好ましくは0.5以下である。
ポリマーのもう一つの重要な特徴は、pH値4〜8の範囲(生理的範囲)内では荷電した基が実質的な量含まれないということである。中性アミノ酸モノマー又はアミノ酸類似モノマーをポリマー又はアミノ酸誘導体モノマーの調製に使用することが好ましく、これらは中性であるか中和しておいたものである。本発明のコロイド状担体組成物の長期循環性を阻害しないような低い割合であれば荷電した基を含ませることはできるようである。2−ヒドロキシエチル−L−グルタミンと荷電したモノマーの共重合体について実証されているように、正帯電している基は負帯電している基よりもより高い割合で含有させることができる。
ポリマー作成に適したモノマーとしては、他にはアラニン、トレオニン、バリン、サルコシン、α−アミノアジピン酸、α、γ−ジアミノ酪酸誘導体、オルニチン、グルタミンとグルタミン酸を含むグルタミン誘導体、アスパラギンとアスパラギン酸を含むアスパラギン誘導体、リジン誘導体、メチオニンとメチオニン誘導体、セリン及びその誘導体、さらにホモセリンやペンタホモセリンのようなCH2基を付加した類似化合物がある。側基として適しているのは、炭素数1〜4のアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、酸アミド、アリール基、又はこれらを組み合わせたものであるが、ポリマーの水溶性を保つことが前提である。これらの基の例としては、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル及び2,3−ジヒドロキシプロピルが挙げられる。使用できるポリマーには、例えば、ポリ(D,L−セリン)(PDLS)、ポリ(2−ヒドロキシエチル)−D,L−グルタミン(PDLHEG)、ポリ(2−ヒドロキシブチル)−L−グルタミン(PHBG)、及び1%のグルタミン酸を含むポリ(HEG−co−グルタミン酸)共重合体(PHEG1%GA)が挙げられる。好ましいポリマーとしては、ポリ(D,L−グルタミン)(PDLG)、ポリ(D,L−アスパラギン)(PDLA)、ポリ(ヒドロキシプロピル)−L−グルタミン(PHPG)、ポリ(2−ヒドロキシプロピル)−L−グルタミン(P2HPG)、並びにベータアラニンと2−ヒドロキシエチル−L−グルタミンの共重合体(PbAHEG)及び5%と1%のジメチルアミノエチル側基を含むポリ(HEG−co−ジメチルアミノエチル−グルタミン)共重合体(PHEG5%DG及びPHEG1%DG)が挙げられる。より好ましいポリマーは、ポリ−[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン](PHEG)、ポリ(2−ヒドロキシエチル)−L−アスパラギン(PHEA)、及びポリ(D,L−メチオニンスルホキシド)(PDLMS)といったホモポリマーである。
ポリマー鎖には、モノマーサブユニットが5〜500、好ましくは20〜100個含まれている。ポリマーの平均分子量は500〜75000、好ましくは2000〜15000である。平均分子量はこの分野で既知の様々な方法で評価することができる。本出願における実施例では、分子量の評価はNMRデータをもとに行った。
【0010】
本発明の組成物に取り込まれる脂質−ポリマー−結合体を作成するには、重合や脂質との結合に先立って、アミノ酸モノマーの側鎖に含まれる反応性基を保護する製造方法が好ましくは採用されてきた。
脂質−ポリマー−結合体はこの分野で既知の方法に従って調製することができる。アミノ酸のポリマーを調製する方法として、任意に1種以上の保護基を有していてもよい対応のアミノ酸N−カルボキシ−無水物(NCA)を、炭素数1〜4のアルキル第一アミンのような求核剤で開環重合を開始させる方法がよく知られている。脂質−ポリマー−結合体を得るためのもう一つの方法としては、開環NCA重合における開始剤として、例えばN−Boc−1,4−ジアミノブタンのような保護官能基を有するアミンを使用する方法がある。このプロセスでは二つのステップ、即ち、官能基の脱保護のステップとその後の反応性基で脂質に結合させるステップが余計に必要ではあるが、この方法で調製した脂質−ポリマー−結合体も本発明のコロイド状担体組成物に組み込むのに適している。
両親媒性脂質が、炭素数8〜50の分岐又は直鎖のモノ又はジアルキル、ジヒドロキシアルキル若しくはジアルキレンアミン、アルカノール又はセラミドであるならば、それを開環重合のプロセスで開始剤として有利に使用することができる。これは、一つのステップで重合の最中に両親媒性脂質がポリマーに結合することを意味している。ポリアミノ酸の分子量は、溶媒又は溶媒の組み合わせ、使用する化学物質の純度、及び重合開始剤に対するモノマーの割合に著しく左右される。一般に、重合開始剤に対するモノマーの割合が高ければ高いほど、ポリマーの分子量は大きくなる。
所定の組成のポリマーを調製すべき時は、固相法によるペプチドの合成方法を用いることが好ましい。
【0011】
ポリマーの繰り返し単位に存在する保護基は、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール又は2,3−ジヒドロキシプロピルアミンのようなアミノアルコールを使ってアミノ分解して取り除くことができる。
本発明の脂質−ポリマー−結合体は、リポソーム、ニオソームやリバース小胞のような二分子膜小胞系、ミセル系、ナノカプセル、ナノスフェア等の本発明のコロイド状担体組成物中に有利に包含することができる。推奨されるコロイド状担体系は、二分子膜小胞系である。
リポソームの調製にあたっては、リポソーム調製に通常使用される成分、例えば、小胞形成脂質、安定剤等と本発明の脂質−ポリマー−結合体を混合する。ポリマー−脂質結合体を含有しない対応のリポソームに比べて、リポソームの血中循環時間を数倍延長するのに十分なモル濃度で結合体を含有させる。ポリマー結合体は、通常1〜15モルパーセント、好ましくは3〜10モルパーセント、最も好ましくは5〜7.5モルパーセントの割合で含有する。
【0012】
リポソームの平均粒径は、動的光散乱(DLS)法で求める場合、200nmより小さく、好ましくは150nmより小さく、100nm未満が最も好ましい。
このタイプのコロイド状担体粒子の平均粒径の下限は20nmである。
ポリマー−脂質−結合体は、帯電したリポソームに取り込まれるとゼータ電位を下げる性質を示したが、このようにしてポリマーのグラフト化によって表面電荷が遮蔽された。
本組成物にはいくつかの投与方法があるが、非経口的投与が好ましい。有効成分に応じて、また医学的適応又は治療すべき疾患に応じて、静脈内注入、皮下注入、筋肉注入、腹腔内注入、関節内注入等で投与することができる。
本発明のリポソーム製剤をラットに静脈内投与した結果、リポソームの血中循環時間を所望の目的に応じて変えることができることがわかってきた。血中循環時間は使用した脂質−ポリマー−結合体に左右されるが、特に脂質とポリマーの組み合わせの選択、ポリマーの分子量及びグラフト密度に左右される。例えば、脂質−PHEG−結合体、脂質−PHEA−結合体及び脂質−PDLMS−結合体は、両親媒性脂質が2つの疎水性テールを有する(PHEG−ジアミノブタンDODASuc、PHEA‐DODASuc及びPDLMS−DODASuc)が、これらについては、対応のPEG−グラフトリポソームで得た結果と同様の結果が見られた。
本発明による脂質−ポリマー−結合体で調製したリポソーム製剤の安定性は、従来のリポソーム製剤の安定性に比べておおむね向上する。それにくわえて、脂質−ポリマー−結合体を適切に選ぶことによってリポソーム製剤の安定性はさらに向上する。この選択は有効な配合剤の選択にも依存することがわかるであろう。例えば、コルチコステロイド自体ではなくコルチコステロイドの水溶性誘導体をリポソーム製剤に封入すれば、リポソーム製剤の安定性が向上するという結果となる。リン酸プレドニゾロンをポリヒドロキシエチルアスパラギン−DODASuc−結合体含有リポソームに封入した場合、ポリ(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン−ジアミノブタンDODASuc−結合体含有リポソームに封入した場合に比べてわずかながら良い結果がでた。噴霧乾燥、凍結乾燥、回転蒸発等のこの分野で既知の方法によって、リポソーム組成物から水性ビヒクルを取り除き、安定性をさらに向上させることができる。
【0013】
脂質−ポリマー−結合体が本発明のコロイド状担体組成物に組み込まれると、この組成物に長期循環性が付与される。このコロイド状担体組成物が、脂質−ポリマー−結合体を含有しないような組成物に比べて血中循環時間が増加しているのは、長期循環性によると理解すべきである。長期循環性については、この分野で既知の方法によって求めることができる(Torchilin VP, Shtilman MI, Trubetskoy VS, Whiteman K, Milstein AM.: Amphiphilic vinyl polymers effectively prolong liposome circulation time in vivo. Biochimica et Biophysica Acta (1994) 1195: 181-184; Torchilin VP, Trubetskoy VS, Whiteman KR, Caliceti P, Ferruti P, Verones FM.: New synthetic amphiphilic polymers for steric protection of liposomes in vivo. Journal of pharmaceutical sciences (1995) 84 (9): 1049-1053)。リポソームに関しては、ある方法を実施例に記載した。このように、上記の組成物、とりわけ小胞系組成物は様々な用途に利用することができる。循環薬物レザバー(reservoir)として以外に、上記の組成物は受動的に標的疾患部位(腫瘍、感染、炎症)に送達するためにも、また、例えばモノクローン抗体のようなホーミングデバイス(homing devices)に結合させて能動的に血流中の細胞や内皮(例えば脈管形成にかかわるレセプター)という標的に送達するためにも使うことができる。人工的酸素供給システム、血液プール像、カテーテルや血管系プロテーシスのような生体材料用の防汚塗料も、さらなる用途となろう。
さらに、脂質−ポリマー−結合物は生分解性を有し、とりわけ人間の細胞にも動物体内の細胞にも集積する危険がないという事実があることから多くの利点がある。
また、脂質−ポリマー−結合体は、PEG−リポソームと比べて脂質の分量への依存性が低くなっていることがわかった。
さらに付け加えると、これが非常に重要な利点なのであるが、本発明の組成物を二度目に注入した後のクリアランスの増大は必ずしも見られるわけではなく、血中循環時間の短縮はほどほどである。これは、PEGで被覆したコロイド状担体組成物に比べると重大な利点を意味するといえよう。
【0014】
本発明のコロイド状担体組成物は、治療、診断、予防等において様々な可能性を提供するものである。脂質−ポリマー−結合体には多様性があるので、その成分は目的に応じて選択することができ、また、選択範囲となる種々のコロイド状担体システムには多様性があるので、一般に、すべての有効な配合剤は適切なコロイド状担体組成物を構成することが可能となろうことは容易に明らかであろう。本発明の組成物を静脈内投与した後の最初の事例において、血中循環時間には何ら影響がないか若しくはほんのわずかな影響しか見られないのであれば、基準となるセットに応じて循環時間を延ばすために、脂質−ポリマー−結合体の多数の様々なパラメーター(例えば、分子量、ドラフト密度、ポリマー、脂質等)やコロイド状担体組成物の多数の様々なパラメーターを変えることは、この分野の当業者であれば可能である。本発明の組成物が、水溶性コルチコステロイドを有効な配合剤として含む際に、非常に興味深い結果が見られる。この組成物を生体内実験の関節炎モデルにおいて一回のみ静脈内注入したところ、封入していないコルチコステロイド化合物を繰り返し注入した場合、又は従来のリポソームに封入したときと同じくらい効果があることがわかった。興味深い水溶性コルチコステロイドとは、リン酸ブデゾニド並びにフルニソリド及びプロピオン酸フルチカゾンの水溶性誘導体である。関節炎による症状の全面的な小康状態が長く続くという好ましい効果があり、一方、コルチコステロイドを主とした治療による副作用は抑えられる。これは、投与すべきコルチコステロイドの量を抑えられることと、またコルチコステロイドは通常血液からの迅速なクリアランスを示すものであるが、今回はそれを使用することができたという理由からである。また、他の疾病においてコルチコステロイドが薬剤として選択される場合又は共同の治療薬として使用される場合、本発明の組成物の有益な効果が容易に認識できるであろう。他の有効な配合剤も、本発明の組成物において興味深い効果を示している。
【0015】
前述の発明を明確化し理解できるようにするために図示と実施例によって詳細に記載したが、この分野の当業者であれば本発明の教示することを鑑み、添付のクレームから逸脱することなく変更したり修正することができるであろうことは容易に明らかとなろう。
以下の実施例によって、本発明をさらに説明する。
【0016】
(実施例1)
ヘプタデシルオクタデシルアミン末端基を有するポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)(PBLG−ヘプタデシルオクタデシルアミン)
0.94g(3.6mmol)のγ−ベンジル−L−グルタメート N−カルボキシ無水物(NCA)を、窒素雰囲気下5mlの乾燥DMFに溶解させた。25mg(0.05mmol)の1−ヘプタデシルオクタデシルアミン(Sigma Aldrich社)を1mlの乾燥クロロホルムに溶解させた溶液を直ちに添加した。ほぼ即座に、気泡(二酸化炭素)が形成された。溶液を室温で1日攪拌し、10〜20倍の過剰の水に析出させた。白色の析出物を回収し真空内で乾燥させた。収量:0.75g
特性:
1H−NMR(CDCl3) (溶媒のピークを基準としたppmのδ):
グルタミン酸ベンジル:7.2 (C65), 5.0 (ベンジルCH2), 3.9 (α−CH)、2.8及び2.2 (β及びγCH2)
アルキル鎖:1.2(CH2アルキル鎖), 0.85 (CH3)
【0017】
(実施例2)
ヘプタデシルオクタデシルアミン末端基を有するポリ[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン](PHEG−ヘプタデシルオクタデシルアミン)
5mlの乾燥DMFに0.60gのPBLG−ヘプタデシルオクタデシルアミン(上記参照)を溶解した溶液に、0.15gの2−ヒドロキシピリジンと0.8mlのエタノールアミンを加えた。この溶液を窒素雰囲気下室温で3日間攪拌し、10〜20倍の過剰のジエチルエーテルに析出させた。生成物を回収し真空内で乾燥させた。水溶性のポリマー生成物をセルロースエステル透析チューブ(MWCO500)の中で水に対して透析を2日間行った。凍結乾燥後、ヘプタデシルオクタデシル末端基を有する精製PHEGを得た。収量:0.30g
特性:
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたppmのδ):
ヒドロキシエチルグルタミン:4.1 (α−CH), 2.2及び1.8-1.9 (β及びγCH2), 3.4 (CH2−OH), 3.1 (CH2−NH2)
アルキル鎖:1.2 (CH2アルキル鎖), 0.8 (CH3)
ステアリルのシグナルとα−CHシグナルの積分値の比からPHEGの分子量は12,000と算定された。
【0018】
(実施例3)
開始剤としてのN−Boc−1,4−ジアミノブタンを介して導入されたジステアリルアミン末端基を有するポリ−[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン](PHEG−ジアミノブタン−DODASuc)
2.5g(9.5mmol)のγ−ベンジル−L−グルタメート N−カルボキシ無水物を2.5mlの乾燥エチルアセテートと12.5mlの乾燥ジクロロメタンの混合物に溶解させた。N−Boc−1,4−ジアミノブタン1モル濃度のジクロロメタン溶液0.95ml(0.95mmol)を開始剤として添加した。混合物を窒素雰囲気下室温で3日間攪拌し、その後メタノールに析出させた。収量:1.48g、PBLG−N−Boc−ジアミノブタン
1H−NMR(CDCl3)スペクトルによると、N−Boc−1,4−ジアミノブタンシグナルがδ1.4-1.3にあることがわかった。
Maldi TOF ms:
ベンジルグルタミン酸繰り返し単位の質量:nx219
m/z 1471 (n=5), 1636 (n=6), 1855 (n=7), 2074 (n=8)、N−Boc−1,4−ジアミノブタン(187Da)基と環状ペプチド末端基(112Da)を有するナトリウム付加物の質量に相当。
m/z 1433(n=5), 1652 (n=6), 1872 (n=7)、N−Boc−1,4−ジアミノブタン(187Da)基と環状ペプチド末端基(112Da)を有するカリウム付加物の質量に相当。
【0019】
PBLG−N−Boc−ジアミノブタンの脱保護:
738mgのPBLG−N−Boc−ジアミノブタンを5mlの4N塩酸のジオキサン溶液中で3.5時間攪拌した。その後、反応混合物をロータリーエバポレーター(Rotavap)で溶媒を蒸発させた。残渣を5mlのテトラヒドロフランに溶解し、80mlのNaHCO3溶液(6.5gを水に溶かす)に滴下した。生成物を濾取して水で洗浄した後、真空中で乾燥させた。収量:677mg、PBLG−ジアミノブタン
1H−NMR(CDCl3)により、保護基が首尾よく除去されたことがわかった。
Maldi TOFの質量分析により、所望のモル質量(molmasses)であることがわかった。
ベンジルグルタミン酸繰り返し単位の質量:nx219
m/z 1318 (n=5), 1537 (n=6), 1756 (n=7), 1976 (n=8)、 1,4−ジアミノブタン(87Da)基と環状ペプチド末端基(112Da)を有するナトリウム付加物の質量に相当。
【0020】
DODASucとの結合:
62mg(0.1mmol)のN−スクシニル−ジオクタデシルアミン(DODASuc、Schmitt et al, J. Am. Chem. Soc. 1994, 116, 19, 8485-8491)と、13.7mg(0.12mmol)のN−ヒドロキシスクシンイミドと、0.66mgのジメチルアミノピリジン(DMAP)とを2mlのジクロロメタンに溶解させた。0℃まで冷却した後、24.6mg(0.12mmol)のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を加えた。溶液を0℃で1時間、さらに室温で一晩攪拌した。その後、不溶分のジシクロヘキシル尿素を濾過により除去し、200mgのPBLG−ジアミノブタンを含む3mlのジクロロメタン溶液と14μlのトリエチルアミンに、濾液を添加した。室温で一晩攪拌した後、溶液をメタノールに滴下し、濾別して乾燥させた。収量:135mg。1H−NMR(CDCl3)のスペクトルによると、ジステアリルが存在した。CH2シグナル:δ1.4-1.2、CH3シグナル:δ0.9-0.8
Maldi TOF質量分析で、DODASucがPBLG−ジアミノブタンに結合していることを示す所望のモル質量が明らかになった。
m/z 1922 (n=5), 2141 (n=6), 2360 (n=7), 2580 (n=8), 2799 (n=9), 3018 (n=10)、環状ペプチド末端基(112Da)を有するPBLG−ジアミノブタン−DODASucのナトリウム付加物の質量に相当。
構造:
【0021】
【化1】
Figure 2004527585
【0022】
アミノ分解:
120mgのPBLG−ジアミノブタンDODASucと10.8mgの2−HPを1.3mlのジメチルホルムアミドに溶解して、0.68mlの2−アミノエタノールを添加した。窒素雰囲気下40℃で24時間攪拌した後、溶液をクロロホルムに滴下した。生成物を濾取し真空中で乾燥させた。収量:83mg、PHEG−ジアミノブタン−DODASuc
1H−NMR(DMSO)によると、ジステアリルのシグナルがδ1.2-1.4(CH2)とδ0.8-0.9(CH3)に見られた。
ステアリルのシグナルとα−CHシグナルの積分値の比からPHEGの分子量は4000と算定された。
構造:
【0023】
【化2】
Figure 2004527585
【0024】
(実施例4)
開始剤としてのジステアリルアミンを介して導入されたアミン末端基を有するポリ−[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン](PHEG−ジステアリルアミン)
1.0g(3.8mmol)のγ−ベンジル−L−グルタメート N−カルボキシ無水物を1mlの乾燥エチルアセテートと5mlの乾燥クロロホルムの混合物に溶解させた。その後、163mgのジステアリルアミンを3.26mlのクロロホルムに溶解した溶液2ml(0.19mmol)を添加した。フラスコに塩化カルシウム管を取り付け、混合物を窒素雰囲気下室温で4日間攪拌した。混合物をメタノールに滴下し、ポリマーを濾過して単離し、真空中で乾燥させた。収量:757mg、PBLG−ジステアリルアミン
反応:
【0025】
【化3】
Figure 2004527585
【0026】
1H−NMR(CDCl3)の分析によると、生成物中にジステアリルのシグナルが示された。CH3シグナル:δ0.9(t), CH2シグナル:δ1.3-1.2
Maldi TOF ms:
ベンジルグルタミン酸繰り返し単位の質量:nx219
m/z 1971 (n=6), 2190 (n=7), 2410 (n=8), 2629 (n=9), 2848 (n=10)、ジステアリルアミン(521Da)基と環状ペプチド末端基(112Da)を有するナトリウム付加物の質量に相当。
m/z 2206 (n=7), 2427 (n=8)、ジステアリルアミン(521Da)基と環状ペプチド末端基(112Da)を有するカリウム付加物の質量に相当。
【0027】
アミノ分解:
アミノエーテルと2−ヒドロキシピリジンを触媒として用いて、上記で調製したPBLG−ジステアリルアミン(600mg)のアミノ分解をジメチルホルムアミド中で行ったところ、430mgのPHEG−ジステアリルアミンを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)でジステアリルアミンのシグナルが検出された。
構造:
【0028】
【化4】
Figure 2004527585
【0029】
(実施例5)
ジアミノブタンDODASuc末端基を有するポリ−[N−(ヒドロキシアルキル)−L−グルタミン]
PBLG−ジアミノブタンBOC:
3gのベンジル−L−γ−グルタメート N−カルボキシ無水物(NCA)を8mlの乾燥DMFに溶解した溶液に、0.1gのN−BOC−1,4−ジアミノブタンを1mlのクロロホルムに溶解した溶液を加えた。最初の数時間、気体(二酸化炭素)の発生が認められた。この溶液を窒素雰囲気下室温で1日攪拌した。およそ100mlのメタノールに析出させた後、ポリマーを濾取して乾燥させたところ、BOC−保護アミノ基を含むPBLGを2g得た。
1H−NMR(CDCl3)(溶媒のピークを基準としたδ):
BOC:1.4(CH3
PBLG:2.2及び2.6(β及びγ−CH2), 4.0(α−CH), 5.0(ベンジルCH2), 7.3(フェニル)
【0030】
PBLG−ジアミノブタン (保護BOC基の除去):
5mlの4N塩酸/ジオキサンに1.1gのPBLG−ジアミノブタンBOCを溶解した溶液を3〜4時間攪拌し、その後およそ80mlのNaHCO3溶液(水に6.5g溶解)に滴下した。生成物を濾取し、水で洗浄し真空中で乾燥させた。収量:1g、PBLG−ジアミノブタン
1H−NMR(CDCl3)(溶媒のピークを基準としたδ):
PBLG:2.2及び2.6(β及びγ−CH2), 4.0(α−CH), 5.0(ベンジルCH2), 7.3(フェニル)
BOCシグナル:なし
【0031】
PBLG−ジアミノブタンDODASuc(DCC結合):
170mgのN−スクシニル−ジオクタデシルアミン(DODASuc)と、90mgのDCCと、10mgの4−(ジメチルアミノ)ピリジニウム4−トルエンスルホナート(DPTS)とを4mlのジクロロメタンに溶解した。溶液を室温で1時間攪拌した。0.73gのPBLG−ジアミノブタンと40μlのトリエチルアミンを3mlのクロロホルムに溶解した溶液を添加した。室温で一晩攪拌した後、溶液(ジシクロヘキシル尿素析出分を含む)を過剰なメタノール(およそ100ml)に滴下した。ポリマー生成物を濾取し乾燥させた。収量:0.5g
1H−NMR(CDCl3)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリルシグナル:0.8-0.9(CH3), 1.2-1.4(メチレンプロトン)
PBLG:2.2及び2.6(β及びγ−CH2), 4.0(α−CH), 5.0(ベンジルCH2), 7.3(フェニル)
【0032】
5.1 PHEG−ジアミノブタンDODASuc
以下のようにして、PBLG−ジアミノブタンDODASucをエタノールアミンでアミノ分解することによってPHEG−ジアミノブタンDODASucを得た。
0.5gのPBLG−ジアミノブタンDODASucと15mgの2−ヒドロキシピリジンを4mlのDMFに溶解した。さらに2mlのエタノールアミンを加えた。窒素雰囲気下40℃で24時間攪拌した後、溶液をおよそ100mlのジエチルエーテルに析出させた。PHEG−ジアミノブタンDODASucを水に溶解し、透析を行って(MWCO500)凍結乾燥させたところ、精製されたPHEG−ジアミノブタンDODASuc結合体を0.35g得た。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリルのシグナル:0.8-0.85(CH3), 1.2-1.5(メチレンプロトン)
PHEG:1.7-2.2(β及びγ−CH2), 3.1及び3.3(ヒドロキシエチル), 4.2(α−CH), 4.7(OH), 7.8及び8.2(NH)
ジステアリルのシグナルとα−CHシグナルの積分値の比からPHEGの分子量はおよそ4000と算出された。
Maldi−TOFにより、PHEG−ジアミノブタンDODASuc結合体の分子構造が確認されている。
Na+付加物:m/z 3064.5 (n=13), 3236.1 (n=14), 3408.7 (n=15), 3580.6 (n=16), 3752.9 (n=17), 3924.7 (n=18), 4096.7 (n=19), 4268.4 (n=20), 4441.1 (n=21), 4613.3 (n=22), 4785.1 (n=23)等
【0033】
5.2 ポリ−[(2−ヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASuc
以下のようにして、PBLG−ジアミノブタンDODASucを2−プロパノールアミン(イソプロパノールアミン)でアミノ分解することによってポリ−[(2−ヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASucを得た。
0.15gのPBLG−ジアミノブタンDODASucと0.05gの2−ヒドロキシピリジンを4mlのDMFに溶解した。さらに1mlの2−プロパノールアミンを添加した。窒素雰囲気下40℃で24時間攪拌した後、溶液をおよそ100mlのジエチルエーテルに析出させた。乾燥後、0.1gのPHisoPG−ジアミノブタンDODASucを得た。ポリマーを水に溶解し、透析を行って(MWCO500)、凍結乾燥させたところ、精製されたポリ−[(2−ヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASucを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリルのシグナル:0.8-0.85(CH3), 1.2-1.5(メチレンプロトン)
PHPG:1.7-2.2(β及びγ−CH2), 1.0(CH3), 3.0, 3.3及び3.7(ヒドロキシプロピル), 4.2(α−CH), 4.7(OH), 7.8及び8.2(NH)
測定分子量:約4000
【0034】
5.3 ポリ−[(3−ヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASuc
PBLG−ジアミノブタンDODASucを3−プロパノールアミンでアミノ分解することによってポリ−[(3−ヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASucを得た。
0.3gのPBLG−ジアミノブタンDODASucと0.1gの2−ヒドロキシピリジンを4mlのDMFに溶解した。さらに2mlの3−プロパノールアミンを加えた。窒素雰囲気下40℃で24時間攪拌した後、溶液をおよそ100mlのジエチルエーテルに析出させた。乾燥後、0.25gのPHPG5000−ジアミノブタンDODASucを得た。ポリマーを水に溶解し、透析を行って(MWCO500)、凍結乾燥させたところ、精製されたポリ−[(3−ヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASucを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリルのシグナル:0.8-0.85(CH3), 1.2-1.5(メチレンプロトン)
PHPG:1.7-2.2(β及びγ−CH2), 1.5, 3.1及び3.3(ヒドロキシプロピル), 4.2(α−CH), 4.6(OH), 7.8及び8.2(NH)
分子量:約5000
Maldi TOF:
Na+付加物:m/z 3623 (n=15), 3810 (n=16), 3996 (n=17), 4182 (n=18), 4368 (n=19), 4555 (n=20)等
【0035】
5.4 ポリ−[(4−ヒドロキシブチル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASuc
PBLG−ジアミノブタンDODASucを4−ブタノールアミンでアミノ分解することによってポリ−[(4−ヒドロキシブチル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASucを得た。
0.3gのPBLG−ジアミノブタンDODASucと0.1gの2−ヒドロキシピリジンを4mlのDMFに溶解した。さらに2mlの4−ブタノールアミンを加えた。窒素雰囲気下40℃で48時間攪拌した後、溶液をおよそ100mlのジエチルエーテルに析出させた。ポリマーを水に溶解し、透析を行って(MWCO500)、凍結乾燥させたところ、精製されたポリ−[(4−ヒドロキシブチル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASucを0.2g得た。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリルのシグナル:0.8-0.85(CH3), 1.2-1.5(メチレンプロトン)
PHBG:1.7-2.2(β及びγ−CH2), 1.4, 3.1及び3.3(ヒドロキシブチル), 4.2(α−CH), 4.5(OH), 7.8及び8.2(NH)
分子量:約4000
【0036】
5.5 ポリ−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASuc
PBLG−ジアミノブタンDODASucを2,3−ジヒドロキシプロピルアミンでアミノ分解することによってポリ−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASucを得た。
0.15gのPBLG−ジアミノブタンDODASucと0.06gの2−ヒドロキシピリジンを3mlのDMFに溶解した。さらに1mlの2,3−ジヒドロキシプロピルアミンを加えた。窒素雰囲気下40℃で1日攪拌した後、溶液をおよそ100mlのジエチルエーテルに析出させた。ポリマーを水に溶解し、透析を行って(MWCO500)、凍結乾燥させたところ、精製されたポリ−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)−L−グルタミン]ジアミノブタンDODASucを0.1g得た。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリルのシグナル:0.8-0.85(CH3), 1.2-1.5(メチレンプロトン)
ポリ(ジヒドロキシプロピル)G:1.7-2.2(β及びγ−CH2), 3.1及び3.3-3.6(ジヒドロキシプロピル), 4.2(α−CH), 4.6及び4.8(OH), 7.8及び8.2(NH)
分子量:約4000
【0037】
(実施例6)
コレステリル−PHEG
2mlのクロロホルムに0.2gのPBLG−NH2と20μlのトリエチルアミンを溶解した溶液に、1mlのクロロホルムに0.07gのコレステリルクロロホルメートを溶解した溶液を加えた。溶液を室温で約1時間攪拌し、ジエチルエーテルの中に析出させた。回収し、乾燥させて0.13gのポリマー生成物を得た。
エタノールアミンでアミノ分解(2−ヒドロキシピリジンは触媒の役目)を40℃で1日行うと、コレステリル−PHEGが得られた。ポリマー生成物を透析(MWCO500)によって精製した。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
PHEG:1.7-2.2(β及びγ−CH2), 3.1及び3.3(ヒドロキシエチル), 4.2(α−CH), 4.7(OH), 7.8及び8.2(NH)
コレステリル:0.6-1.6
分子量:約4000
Maldi TOFにより、コレステリル−PHEG結合体の分子構造が確認されている。
Na+付加物:m/z 3046 (n=14), 3218 (n=15), 3390 (n=16), 3562 (n=17), 3735 (n=18), 3907 (n=19), 4080 (n=20)等
【0038】
(実施例7)
ポリ(2−ヒドロキシエチル)−DL−グルタミンジアミノブタンDODASuc
合成は、ポリ(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミンジアミノブタンDODASuc(実施例8)の合成と同様であるが、いくつか細かい点が異なる。
γ−ベンジル−DL−グルタミンNCAを、γ−ベンジル−L−グルタメートとγ−ベンジル−D−グルタメートの1:1の混合物から合成し、エチルアセテート/ヘキサン(約1:5)から結晶化させた(実施例1参照)。
ポリ(ベンジル−DL−グルタミン)ジアミノブタンBOCを、メタノールの代わりに水を使って析出させた。
ポリ(ベンジル−DL−グルタミン)ジアミノブタンDODASucをメタノールの中で析出させた。
NMRスペクトルは、ポリ(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミンジアミノブタンDODASuc(実施例8.1)と実質的に同じである。
分子量:約3000
【0039】
(実施例8)
PHEG共重合体:ポリ(HEG−co−グルタミン酸)ジアミノブタンDODASuc;グルタミン酸5%含有
1.5mlのDMFに0.14gのPBLGジアミノブタンDODASucと、0.05gの2−ヒドロキシピリジンと、約1mlのエタノールアミンとを溶解させた溶液を窒素雰囲気下室温で1日攪拌した。その後、この溶液をジエチルエーテル中に析出させた。生成物は、部分的にエタノールアミンでアミノ分解されたPBLGジアミノブタンDODASuc(5%のベンジルエステル側基を有するPHEG)であったが、回収して乾燥させた。DMSO中で記録されたNMRによると、未反応ベンジル基が5%存在することが明らかになった。
前記のポリマーを8.5mlの1M水酸化ナトリウムに溶解し4時間攪拌した。溶液を1N塩酸で中和させ、数日間透析を行った(MWCO500)。透析した溶液を凍結乾燥させた結果、負帯電(生理的pH値において)した共重合体−脂質−結合体(0.1g)を得た。
DMSO中のNMRによると、ベンジル基が完全に変換されていることがわかった。
Maldi TOFを使って、グルタミン酸とヒドロキシエチルグルタミン繰り返し単位の両方が存在することを確認した。
分子量:約3500
【0040】
(実施例9)
PHEG共重合体:ポリ(HEG−co−ジメチルアミノエチルグルタミン)ジアミノブタンDODASuc;ジメチルアミノエチル側基5%含有
2.5mlのDMFに0.25gのPBLGジアミノブタンDODASucと、0.08gの2−ヒドロキシピリジンと、1mlのエタノールアミンとを溶解させた溶液を窒素雰囲気下室温で2日間攪拌した。できた溶液をジエチルエーテル中に析出させた。部分的にエタノールアミンでアミノ分解されたPBLGジアミノブタンDODASuc(5%のベンジルエステル側基を有するPHEG)を回収して乾燥させた。CDCl3中で記録されたNMRによると、未反応ベンジル基が5%存在することが明らかになった。
2.5mlのDMFに、0.16gの上記の部分エタノールアミン−アミノ分解化PBLGジアミノブタンDODASucと、0.06gの2−ヒドロキシピリジンと、1mlのN,N−ジメチルエチレンジアミンとを溶解させた溶液を、窒素雰囲気下40℃で1日攪拌した。ジエチルエーテルに析出させると粉末が得られ、この粉末を回収し真空中で乾燥させた。DMSOのNMRによると、残っていたベンジル基が完全に変換されていることがわかった。生成物を水に溶解させ、数日間透析(MWCO500)をした後、凍結乾燥させた。収量:0.1gの正帯電したPHEG共重合体−脂質−結合体。
分子量:約4000
【0041】
(実施例10)
ステアリルアミンとヘプタデシルオクタデシルアミン末端基をそれぞれ有するポリ(2−ヒドロキシエチル)−L−アスパラギン(PHEA)
β−ベンジル−L−アスパラテート N−カルボキシ無水物(NCA):
50mlの蒸留したTHFに5gのβ−ベンジルL−アスパラテートを懸濁させた懸濁液におよそ16mlのホスゲン20%のトルエン溶液を含ませ、この懸濁液を60〜65℃で加熱した(溶液上は窒素ガス気流)。約10分後、透明な液を得た。およそ1.5時間後、溶液を約140mlのn−ヘキサンにゆっくり注いだ。ほとんど即座に結晶が形成された。さらに−20℃で一晩結晶化させた後、NCA結晶性生成物を単離した。さらに、THF/ヘキサンと加熱したクロロホルムで結晶化させ、4.3gの微細な針状結晶を得た。(Biopolymers 1976, 15(9) 1869-71)
1H−NMR(CDCl3)(溶媒のピークを基準としたδ):
ベンジル基:7.3(フェニル), 5.1(CH2
アスパラテート NCA:2.8及び3.0(β−CH2), 4.5(α−CH), 6.4(NH)
【0042】
ステアリル−PBLA:
0.95gのβ−ベンジルL−アスパラテートNCAのDMF溶液2mlに、0.5mlのクロロホルムに0.04gのステアリルアミンを溶解させた溶液を加えた。60℃で数時間攪拌した後、濁った液をメタノール中に析出させた。乾燥後、0.56gのポリ(ベンジルL−アスパラテート)ステアリルアミンを得た。
【0043】
ヘプタデシルオクタデシル−PBLA:
0.5gのβ−ベンジルL−アスパラテートNCAのDMF溶液2mlに、約1mlのクロロホルムに0.1gの1−ヘプタデシルオクタデシルアミンを溶解させた溶液を加えた。室温で3日間攪拌した後、濁った液をメタノール中に析出させた。収量:0.2g、ポリマー生成物PBLA−ヘプタデシルオクタデシルアミン
【0044】
ステアリル−/ヘプタデシルオクタデシル−PHEA:
エタノールアミンと触媒の2−ヒドロキシピリジンを使い、上記のPBLA−結合体を40℃で1日間アミノ分解した後、ジエチルエーテルに析出させたところ、ステアリル又はヘプタデシルオクタデシルのテールをそれぞれ含む水溶性のポリ(ヒドロキシエチル)L−アスパラギン(PHEA)を得た。脂質−ポリマー−結合体を透析(MWCO500)で精製した。
ステアリル−PHEA:
Maldi TOF: Na+付加物 m/z 2823 (n=16), 2981 (n=17), 3139 (n=18), 3297 (n=19), 3455 (n=20), 3613 (n=21)等
Maldi TOFにより、各PHEA鎖は遊離のアミノ末端基を含むという結論がでた。
ヘプタデシルオクタデシル−PHEA:
NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ヘプタデシルオクタデシル:0.8及び1.2
PHEA:2.2-2.6(β−CH2), 3.1及び3.4(ヒドロキシエチル), 4.5(OH+α−CH), 7.8及び8.3(NH)
分子量:約6000
【0045】
(実施例11)
ポリ(2−ヒドロキシエチル)−L−アスパラギンDODASuc
PBLA DODASuc:
5mlのDMFに1.7gのβ−ベンジルL−アスパラテートN−カルボキシ無水物(NCA)を溶解させた溶液に、2MメチルアミンのTHF溶液0.2mlを加えた。この透明な溶液を1日攪拌した後、メタノール(約100ml)と水(250ml)の混合物中に析出させた。収量:1.3g、メチルアミドとアミノ末端基を有するPBLA
0.4gのPBLAと、30mgのDCCと、10mgのDPTSと、100mgのN−スクシニル−ジステアリルアミンとを5mlのDMSOと1mlのクロロホルムに溶解した溶液を1日攪拌してから、水の中で析出させた。ポリマー生成物を攪拌し、ジエチルエーテルで洗浄後、乾燥させた。
【0046】
PHEA DODASuc:
DMF溶液中、エタノールアミンでPBLADODASucを40℃で1日間アミノ分解(触媒として2−ヒドロキシピリジン使用)したところ、PHEADODASucを得た(透析と凍結乾燥を経て0.2g)。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリル:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.4(CH2−N)
PHEA:2.4-2.8(β−CH2), 3.2及び3.4(ヒドロキシエチル), 4.6(α−CH+OH), 7.8-8.5(NH)
測定分子量:約3000
Maldi TOFにより、PHEA DODASuc結合体の分子構造が確認されている。
Na+付加物: m/z 2084 (n=9), 2243 (n=10), 2401 (n=11), 2559 (n=12), 2718 (n=13)、2876 (n=14)等
【0047】
【化5】
Figure 2004527585
【0048】
(実施例12)
ポリ(2−ヒドロキシエチル)−L−アスパラギンDSPESuc結合体
ベンジル−L−アスパラテートNCAをメチルアミンで開始した重合によって得たPBLA(ポリベンジル−L−アスパラテート)をアミノ分解して、アミノ末端基を有するPHEAを作製した。スクシニル化DSPE(合成はJACS, 116, 8485 (1994)のDPPEで記載の方法と同様)は、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)を使って現場でまずNHSエステルに変換された。
70mgのスクシニル化DSPEと、20mgのNHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)と、5mgのDMAPと、30mgのDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)とを2mlのジクロロメタンに溶解させた溶液を、約3〜4時間攪拌した。この混合物に、0.13gのアミノ末端基を有するPHEA(分子量約4000)を含む2mlのDMSO溶液を加えた。一晩攪拌した後、混合物をエーテル中に析出させた。析出物を回収し、水に溶かし数日間透析した(MWCO500)。凍結乾燥させたところ、約80mgのPHEA−DSPEを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
DSPE:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.4(CH2−N)
PHEA:2.4-2.8(β−CH2), 3.2及び3.4(ヒドロキシエチル), 4.6(α−CH+OH), 7.8-8.4(NH)
測定分子量:約4000
【0049】
(実施例13)
ポリ(DL−セリン)DODASuc
O−ベンジル−DL−セリンN−カルボキシ無水物(NCA):
30mlの蒸留した(乾燥)THFに2.5gのO−ベンジル−DL−セリンを懸濁させた懸濁液に約10mlのホスゲンの20%トルエン溶液を含ませ、60〜65℃で加熱した(溶液上は窒素ガス気流)。約5分後、透明な液を得た。約1.5時間後、溶液をおよそ100mlのn−ヘキサンにゆっくり注いだ。生成物は油として分離した。溶媒はデカンテーションによって除去し、油の方は約25mlのエチルアセテートに溶解させ、そこに100mlのヘキサンをゆっくりと加えた。激しくフラスコを振って−20℃で冷却したところ、O−ベンジル−DL−セリンNCAは結晶化し始めた。エチルアセテート/ヘキサン及び/又はクロロホルム/ヘキサンから同様に再結晶化させて、2gの結晶性物質を得た。(Biopolymers 1976, 15(9), 1869-71)
1H−NMR(CDCl3)(溶媒のピークを基準としたδ):
ベンジル基:4.5(CH2), 7.2(フェニル)
セリンNCA:3.7(β−CH2), 4.4(α−CH), 5.8(NH)
【0050】
ポリ(O−ベンジル−DL−セリン):
0.9gのO−ベンジル−DL−セリンNCAのDMF溶液2.5mlに、0.08mlの2MメチルアミンのTHF溶液を加えた。室温で数時間攪拌すると、溶液が濁り粘性を帯びてきた。1日後、この粘性を帯びた「結晶化した」溶液をメタノール/水と混合して、ポリマー生成物を完全に析出させた。収量:0.6g、ポリマー生成物ポリ(O−ベンジル−DL−セリン)
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ベンジル基:4.4(CH2), 7.2(フェニル)
ポリセリン:3.5(β−CH2), 4.7(α−CH), 8.2(NH)
【0051】
ポリ(O−ベンジル−DL−セリン)DODASuc:
150mgのN−スクシニル−ジオクタデシルアミン(DODASuc)と、80mgのDCCと、5mgのDPTSとを4mlのクロロホルムに溶解した。この溶液を室温で1時間攪拌した。0.6gのポリ(O−ベンジル−DL−セリン)と約50μlのトリエチルアミンとを約5mlのクロロホルムに溶解した溶液を添加した。室温で一晩攪拌した後、溶液(ジシクロヘキシル尿素析出物を含む)を過剰なメタノール(約100ml)に滴下した。ポリマー生成物を濾取して乾燥させた。収量:0.4g
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリル:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.6(CH2−N)
ベンジル基:4.4(CH2), 7.2(フェニル)
ポリセリン:3.5(β−CH2), 4.7(α−CH), 8.2(NH)
【0052】
ポリ(DL−セリン)DODASuc:
0.1gのポリ(O−ベンジル−DL−セリン)DODASucを約4mlの33%HBr/AcOH溶液に溶解し、1時間攪拌した。この溶液を水中で析出させた。ポリマー析出物を濾取し、水で洗浄し回収した後、4mlの1M水酸化ナトリウムに溶解させた(1〜2時間)。できた溶液を1N塩酸溶液で中和して、数日間透析をおこなった(MWCO500)。この透析をおこなった溶液を凍結乾燥させた。収量:20mg、ポリ(DL−セリン)DODASuc
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリル:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.6(CH2−N)
ポリセリン:3.6(β−CH2), 4.3(OH), 5.0(α−CH), 8.0(NH)
ジステアリルのシグナルとα−CHシグナルの積分値の比からポリセリンの分子量は約1500と算出された。
【0053】
【化6】
Figure 2004527585
【0054】
(実施例14)
ポリ−L−スレオニンDODASuc
合成は、ポリ(D,L−セリン)DODASucの合成と同様で、O−ベンジル−L−スレオニン、HCL及びホスゲンを出発物質としてO−ベンジル−L−スレオニンN−カルボキシ無水物(NCA)を介して合成した。
ポリ−L−スレオニンDODASuc(M=約2000):
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリル:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.6(CH2−N)
ポリスレオニン:1.0(CH3), 4.0(β−CH), 4.3(α−CH), 5.0(OH), 7.8(NH)
【0055】
(実施例15)
ポリ(D,L−メチオニンスルホキシド)DODASuc
DL−メチオニンN−カルボキシ無水物(NCA):
40mlの蒸留した(乾燥)THFに2.5gのDL−メチオニンを懸濁させた懸濁液に約15mlのホスゲンの20%トルエン溶液を含ませ、60〜65℃で加熱した(溶液上は窒素ガス気流)。ほぼ即座に透明な液が形成された。約1時間後、溶液をおよそ140mlのn−ヘキサンにゆっくり注いだ。DL−メチオニンNCAを−20℃で結晶化させた(数日かかる)。エチルアセテート/ヘキサンから再結晶させて、約0.7gの結晶性物質を得た。(Biopolymers 1976, 15(9), 1869-71)
1H−NMR(CDCl3)(溶媒のピークを基準としたδ):
メチオニンNCA:2.0-2.4(β−CH2+CH3), 4.5(α−CH), 6.8(NH)
【0056】
ポリ(DL−メチオニン):
0.7gのDL−メチオニンNCAのDMF溶液2.5mlに、0.1mlの2MメチルアミンのTHF溶液を加えた。1日後、濁った液を約100mlのメタノールに析出させて、その後乾燥させた。収量:0.33g、ポリマー生成物:ポリ(DL−メチオニン)
1H−NMR(CDCl3/TF−d)(溶媒のピークを基準としたδ):
ポリメチオニン:2.0-2.3(CH2及びCH3), 2.6(CH2), 4.7(α−CH)
【0057】
ポリ(DL−メチオニン)DODASuc:
80mgのN−スクシニル−ジオクタデシルアミン(DODASuc)と、45mgのDCCと、5mgのDPTSとを2mlのクロロホルムに溶解した。この溶液を室温で1時間攪拌した。0.33gのポリ(DL−メチオニン)と約20μlのトリエチルアミンとを約2.5mlのDMSOに溶解した溶液を添加した。室温で一晩攪拌した後、溶液(ジシクロヘキシル尿素析出物を含む)を過剰なメタノール(約100ml)に滴下した。ポリマー生成物を濾取して乾燥させた。収量:0.22g
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリル:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.4(CH2−N)
ポリメチオニン:1.8(β−CH2), 2.0(CH3), 2.4(γ−CH2), 4.4(α−CH), 8.1(NH)
【0058】
ポリ(DL−メチオニンスルホキシド)DODASuc:
ポリ(DL−メチオニン)DODASucの一酸素添加:
0.3gのヨウ素酸ナトリウムの水溶液2mlを、約6mlの酢酸に0.22gのポリ(DL−メチオニン)ジアミノブタンDODASucを懸濁させた懸濁液にゆっくり添加した。得られたオレンジ/赤色の溶液(数時間後に形成)を一晩攪拌した。その後、約15mlの水を加え、できたオレンジ/赤色の溶液を数日間透析した(MWCO500)。凍結乾燥させた後、0.25gの生成物を得た。
1H−NMR(D2O)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリル:0.7(CH3), 1.2(CH2)(広いピーク)
ポリメチオニンスルホキシド:2.0(β−CH2), 2.5(CH3), 2.8(γ−CH2), 4.3(α−CH), 8.5(NH)
計測した分子量:約4000
【0059】
【化7】
Figure 2004527585
【0060】
(実施例16)
ポリ(DL−グルタミン)DODASuc
ペプチド固相合成方法によって、ポリ(DL−グルタミン)DODASuc結合体をAnsynth Service B.V.社が合成した(約50mgのスケール)。Fmoc保護基付きアミノ酸を使って、樹脂に結合したポリ(DL−グルタミン)(n=20)を順次作り上げた。N末端にN−スクシニル−ジステアリルアミンを結合した。C末端はアミドに変えた。
1H−NMRスペクトルによって構造が確認された。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリル:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.4(CH2−N)
ポリグルタミン:1.7-2.2(β−及びγ−CH2), 4.2(CH), 6.8及び7.3(NH2), 8.2(NH)
【0061】
【化8】
Figure 2004527585
【0062】
(実施例17)
ポリ(DL−アスパラギン)DODASuc
ペプチド固相合成方法を用いて、Fmoc保護基付きアミノ酸から出発してポリ(DL−アスパラギン)DODASuc結合体をAnsynth Service B.V.社が合成した(約50mのgスケール)。樹脂に結合したポリ(DL−アスパラギン)(n=20)を順次作り上げた。N末端にN−スクシニル−ジステアリルアミンを結合した。C末端はアミドに変えた。DMSO中で記録された1H−NMRスペクトルによって構造が確認された。
1H−NMR(DMSO−d6)(溶媒のピークを基準としたδ):
ジステアリル:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.4(CH2−N)
ポリアスパラギン:2.5(CH2), 4.5(CH), 7.0及び7.4(NH2), 8.1(NH)
【0063】
【化9】
Figure 2004527585
【0064】
(実施例18)
ポリ(D,L−アラニン)DODASuc
95mgのポリ−DL−アラニン(シグマ社;MW:約2000)を4mlのDMSOに溶解させた。40μlのトリエチルアミンをこの溶液に添加した。さらに、この溶液を0.1gのDODASucと70mgのDCCと5mgのDPTSとを2mlのクロロホルムに溶解して1時間攪拌しておいた溶液に加えた。1日攪拌した後、混合物をメタノール/ジエチルエーテル混合物の中で析出させた。析出物を濾取し乾燥させた。
DMSOにおける1H−NMR:
ジステアリル:0.8(CH3), 1.2(CH2), 1.4(CH2N)
ポリアラニン:1.2(CH3), 4.2(CH), 8.0(NH)
【0065】
(実施例19)
β−アラニンとヒドロキシエチルL−グルタミンのペプチド共重合体
DODASuc-(β-Ala)3-Glu(OBzl)-(β-Ala)4-Glu(OBzl)-(β-Ala)3-Glu(OBzl)-(β-Ala)2-NH2
Fmocで保護されたモノマーから出発して固相合成方法を用いて、β−アラニンとL−グルタミン酸ベンジルのペプチド共重合体をAnsynth Service B.V.社が合成した。
C末端:アミド; N末端:DODASuc
DODASuc-(β-Ala)3-HEG-(β-Ala)4-HEG-(β-Ala)3-HEG-(β-Ala)2-NH2
その後、DMF中で行われたアミノ分解(エタノールアミン)反応によって、グルタミン酸ベンジルの単位をヒドロキシエチルグルタミン(HEG)単位に変えた。
DMSO中で記録された1H−NMRにより、ベンジル基がなくなり変換されていることが明らかになった。
【0066】
(実施例20)
PHEG−ステアリルアミン含有リポソームの調製
33.8mgの卵黄ホスファチジルコリン(EPC)(Lipoid社 (Ludwigshafen)製)と、9.67mgのコレステロール(Sigma Aldrich社製)と、30.0mgのポリ−[N−(2−ヒドロキシエチル)−L−グルタミン]−ステアリルアミン(PHEG−ステアリルアミン)(合成済み)とを秤量し、50mlの丸底フラスコに移した。500kBqのトリチウム標識コレステリルオレイルエーテルを脂質マーカーとして添加した。脂質とラベルを約10mlのエタノールに溶解させた。その後、Rotavaporを使って真空下40℃で1時間乾涸させ、続いて窒素ガスを1時間流した。
PBSを乾燥した脂質フィルムに添加し、脂質フィルムを完全に水和させるためにガラスビーズの存在下1時間振動を与えた。
リポソーム懸濁液を押出し成形機(Avestin社製、最大容量15ml)に移し、窒素ガスを使って加圧し、孔径がそれぞれ200nmと100nmの二枚の上下に配置されたポリカーボネートフィルターから6回、孔径がそれぞれ100nmと50nmのフィルターから18回押し出した。その後、リポソーム懸濁液を透析部(Slide-A-Lizer, 10,000MWCO)で1リットルの滅菌したPBSに対して24時間にわたり2回透析をおこなった。
リポソームの平均粒子径は光散乱法(Malvern Zeta-sizer)によって求めたところ、93.6±0.9nmであることがわかった。分散指数は0.099±0.02であった。リポソーム調製中の脂質損失は、製剤の最終放射能と押出し工程前の放射能とを比較して求めたところ25%であった。リポソーム懸濁液を窒素雰囲気下4℃で保存した。
【0067】
(実施例21)
脂質−ポリマー−結合体を含むリポソームの調製
実施例20記載のように、膜法(film method)を用いてリポソームを調製した。卵黄ホスファチジルコリンの代わりにジパルミトイルホスファチジルコリンを使用した。5mMのHEPESバッファーを乾燥した脂質フィルムに添加し、脂質フィルムを完全に水和させるためにガラスビーズの存在下5分間振動を与えた。孔径が100nmと200nmの2枚の上下に配置されたPC膜からリポソームを12回押し出して分級した。得られたリポソーム分散液を透析し(MWCO10,000)、平均粒子径を動的光散乱法で求めた。リポソーム製剤の特性については表1を参照。
【0068】
(実施例22)
リポソームに組み込まれた3H標識を用いたポリマー−脂質−結合体をラットに静脈内注入(1回)を行った後の比較動態
雄ラット(Wistar, Crl: (WI) BR(非近交系、SPF)(チャールスリバー社、ドイツSulzfeld)が、標準的なペレット状の実験動物用の餌(altromin社、コードVRF1、ドイツLage)と水道水を自由に利用できるようにした。リポソーム製剤はそれぞれ放射能40〜50kBqの3H標識を用いたコレステリルオレイルエーテル(Amersham社)を含有するが(脂質50μモルあたりのリポソームの組成については表1に示す)、各リポソーム製剤をラットの尻尾の静脈に単回投与した。特に示していない限り、投与した総脂質は5μモルであった。
投与後の以下の時点、5分後、4時間後、24時間後及び48時間後に、各ラットの尻尾の静脈から血液サンプルを採取した。回収したサンプルの量は、採取ごとに約300μlであった。
回収したサンプルをヘパリン化生理食塩水で処理した(heparinised)チューブに移し−20℃で保管した。
100μlのアリコートを以下の方法に従って可溶化した。
【0069】
−100μlをシンチレーションバイアル(20ml)に移した。
−100μlの「Solvable」を添加した。これを少なくとも1時間培養した。
−100μlの1mM EDTAと200μlのH22(30%)を添加した。この混合物を室温で24時間、その後50℃で一晩培養した。
−シンチレーション液(scintillation fluid)として「Ultima Gold」(10ml)を添加した。
−放射能をLSCで測定した。
すべての放射能測定は、パッカード社のシンチレーション計数管(1900TR)を用いて行った。計測時間は、統計的精度が±0.2%になるか、最高5分経つまでかのいずれかが先に達成されるまでとした。パッカード社の1900TRは、自動的にバックグラウンド計数を差し引いて、1分間あたりのカウント数(CPM)を1分間あたりの壊変数(DPM)に変換するようにプログラムされていた。
記載の製剤のうちのいくつかについては、注入から48時間後にラットの肝臓と脾臓を解剖してリポソームの位置を以下の方法に従って査定した。
器官を均質化し、得られたホモジェネートを25ml(肝臓)又は5ml(脾臓)に希釈した。1mlのホモジェネートをシンチレーションバイアルに移し、引き続きそこに以下のものを添加した。
【0070】
−200mlの「Solvable」(混合しサンプルを50℃で一晩培養)
−200mlの0.5M EDTA溶液
−250mlのH22(30%)溶液(50℃で一晩培養)
−10mlのシンチレーション液「Ultima Gold」(Vortexミキサーにかけて、サンプルを24時間培養)
その後、ベータシンチレーション計数管で10分間サンプルをカウントした。リポソーム製剤の結果について図6に示す。
実施例21で調製したリポソーム製剤の組成と該実施例の生体内テストで得た結果を、表1に示す。血中循環時間の増加を評価したが、評価中、
−「良好」とは、循環時間への効果がPEG−DSPE含有リポソームによって示される効果に匹敵することを意味する。
−「中くらい」とは、循環時間への効果が、PEG−DSPE含有リポソームによる効果とポリマーコーティングのない非表面修飾のリポソームによる効果との中間であることを意味する。
−「わずか」とは、現在の条件下における循環時間への効果が表面修飾のないリポソームの場合とほぼ同様であることを意味する。
【0071】
【表1】
Figure 2004527585
【0072】
Figure 2004527585
【0073】
Figure 2004527585
【0074】
*:投与した総脂質は0.5μモル(図1、図2参照)
**:投与した総脂質は0.05μモル(図1、図2参照)
***:投与した総脂質は0.005μモル(図1、図2参照)
(#):2度目の注入(TL:1μモル)を1週間後に行ったところ、実施例5.1の脂質−ポリマー−結合体を含むリポソームに関して循環時間に減少が見られた。実施例11の結合体を含むリポソームもまた同様な減少を示したが、2匹に関してはこの結果がそれほど著しくなかった。
【0075】
(実施例23)
脂質−ポリマー−結合体とリン酸プレドニゾロンを含むリポソームの調製
750mgのジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)(Lipoid社 Ludwigshafen)と、220.0mgのコレステロール(Sigma Aldrich社)と、270.0mgの実施例11の脂質−ポリマー−結合体、並びに750mgのジパルミトイルホスファチジルコリンと、250.8mgのコレステロールと、267.6mgのPEG−ジステアロイルホスファチジルエタノール−アミン(PEG−DSPE)(Avanti Polar Lipids社)とをそれぞれ秤量し、100mlの丸底フラスコで混合した。実施例14の脂質−ポリマー−結合体の方は、脂質類をメタノールとクロロホルムの1:1の混合物約30mlに溶解し、PEG−DSPEの方は脂質類をエタノールに溶解させた。この後、真空下40℃で1時間かけてRotavaporで乾固させ、続いて窒素ガスを1時間流した。
1200mgのリン酸プレドニゾロン二ナトリウム(PLP)(OPG Nieuwegein)を秤量し、12mlの滅菌したPBSに溶解させた。この溶液を乾燥した脂質フィルムに添加し、脂質フィルムを完全に水和させるためにガラスビーズの存在下、1時間振動を与えた。
リポソーム懸濁液を押出し成形機(Avestin社製、最大容量15ml)に移し、窒素ガスによる加圧のもと、上下に配置された2枚のポアフィルターで孔径がそれぞれ200nmと100nm、100nmと50nm、及び50nmと50nmから6回押し出した。その後、リポソーム懸濁液を透析部(Slide-A-Lizer, 10,000MWCO)で1リットルの滅菌したPBSに対して24時間にわたり2回透析をおこなった。
リポソームの平均粒子径を光散乱法(Malvern Zeta-sizer)で求めたところ、それぞれ85nmと90nmであることがわかった。分散指数は0.1より小さかった。リン酸プレドニゾロンの封入効率をHPLC方法で求めたところ、2.6%であることがわかった。リポソーム懸濁液を窒素雰囲気下4℃で保存したところ、少なくとも5週間は安定していることがわかった。この間、実施例14の脂質−ポリマー−結合体を含むリポソーム製剤は、参照用の脂質−ポリマー−結合体PEG−DSPEを含むリポソーム製剤に比べわずかに良い性能をしめした。(図3参照)
【0076】
(実施例24)
アジュバント関節炎モデルのラットにおけるリン酸プレドニゾロン含有リポソーム調合物の循環時間と治療効果の評価
フロイント不完全アシュバントに熱不活性化させた結核菌を加えたものを、ルイスラットの尻尾の根元に皮下注射(免疫)した。免疫から9〜12日で足に炎症がではじめ、およそ20日後にもっともひどくなり、その後次第に炎症が消散した。
免疫を与えて10日から35日までの足の炎症の重篤度を目視により点数化して疾病の評価を行った。足の炎症スコアが最高スコアの中間点に達したところで(14〜15日目)、すべてのラットをグループ分けし、平均スコアが同じ5匹のグループに分けて以下の静脈注射を1回行った。
1.10mg/kgのPHEA−DPDASucリポソームに含有されたPLPで、実施例23のようにして調製されたもの、又は
2.10mg/kgのPEG−DSPEリポソームに含有されたPLPで、実施例23(参照用)のようにして調製されたもの、又は
3.PBS(対照)
t=0、24及び48時間において、血液サンプルを回収しリポソームPLPの血漿濃度を分析した。
血液中のPHEA−リポソーム及びPEG−リポソーム両方の循環挙動をPLPの血漿濃度特性として図4に図示したが、両タイプのリポソームは循環半減期に関しては同様に良好な性能を示している。
対照としての生理食塩水で処方したラットに対する、アジュバント関節炎のラットにおける10mg/kgのPLP−PHEA−リポソームと10mg/kgのPLP−PEG−リポソームの治療薬効を図5に示す。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】総脂質の含有量が異なるPEG−DSPE含有リポソーム製剤において、注入投与量に対する血液サンプル中の実測した割合(%)の平均値と時間との関係をグラフに表したものである。(実施例22)
【図2】総脂質の含有量が異なるPHEA−DODASuc含有リポソーム製剤において、注入投与量に対する血液サンプル中の割合(%)の平均値と時間との関係をグラフに表したものである。(実施例22)
【図3】PEG−DSPE含有リポソーム製剤とPHEA−DODASuc含有リポソーム製剤のそれぞれに封入されたリン酸プレドニゾロンの割合(%)を時間との関係で表したものである。(実施例23)
【図4】PEG−DSPE含有リポソームとPHEA−DODASuc含有リポソームに封入されたリン酸プレドニゾロンの血液中濃度と時間との関係をグラフに表したものである。(実施例24)
【図5】生理食塩水とリン酸プレドニゾロン含有リポソーム(各リポソームはPEG−DSPE又はPHEA−DODASucでコーティング)を一回のみ静脈内注入した場合、注入前後の足の炎症スコアと時間との関係をグラフに表したものである。(実施例24)
【図6】脂質−ポリマー−結合体として、PEG−DSPE、PHEG−ジアミノブタンDODASuc、PHPGジアミノブタンDODASuc、PHBGジアミノブタンDODASuc及びPHEA−DODASucをそれぞれ含むリポソーム、並びに従来のリポソーム(表面修飾なし)を静脈内投与した後、リポソーム投与注入量に対する肝臓、脾臓、及び(肝臓+脾臓)で検出された割合(%)をグラフに表したものである。(実施例21)

Claims (13)

  1. 少なくとも1つの疎水性無極部位と親水性極性ヘッド基からなる両親媒性脂質と、N−及びC−末端基を有するポリマー又はそのモノマー前駆体とから得ることができる脂質−ポリマー結合体であって、該ポリマーがポリ(アミノ酸)、ポリ(アミノ酸誘導体)又はポリ(アミノ酸類似化合物)であり、該脂質が該ポリマーのN又はC末端基に結合しており、該ポリマーが以下の式:
    -[NHCHR(CH2mCO]n
    (式中、
    ‐Rは、-H, -CH3, -CHCH3OR1, -(CH2)xOR1, -(CH2)x-CO-NHR1, -(CH2)x-NH-CO-R1, -(CH2)x-SOyCH3又は-(CH2)xCOOHと定義され
    ‐R1は水素又は(C1−C4)アルキル基で、1個以上の水酸基又は1個のジ(C1−C4)アルキルアミン基で置換されており、
    xは、0〜4、
    m=1又は0、
    y=1又は2)
    で表される脂質−ポリマー結合体。
  2. 該両親媒性脂質が、リン脂質、糖脂質、セラミド、コレステロール及びその誘導体、飽和又は不飽和の分岐又は直鎖の炭素数8〜100のモノ又はジアルキルアミン、アリールアルキルアミン、シクロアルキルアルキルアミン、アルカノール、アルデヒド、カルボハライド又はアルカノイック酸、及びこれらの無水物からなる群から選択され、炭素原子の総数が25以上である請求項1記載の結合体。
  3. 該両親媒性脂質が少なくとも2つの疎水性無極部位を有する請求項2記載の結合体。
  4. 該両親媒性脂質が、1−ヘプタデシルオクタデシルアミン、N−スクシニルジオクタデシルアミン及びジステアリルホスファチジルエタノールアミンからなる群から選択される請求項3記載の結合体。
  5. 該ポリマーの水におけるχ−パラメーターが、0.65以下、好ましくは0.5以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の結合体。
  6. 該ポリマーが、α−アミノ酸及びその誘導体又は類似化合物からなる請求項1〜5のいずれか1項記載の結合体。
  7. 該ポリマーが、生理的pH範囲4〜8において実質的な量の荷電基を含まない請求項1〜6のいずれか1項記載の結合体。
  8. 該ポリマーが、生理的pH値4〜8において中性であるか又は中和されているアミノ酸モノマー、アミノ酸類似化合物モノマー又はアミノ酸誘導体モノマーからなる請求項7記載の結合体。
  9. 該ポリマーの分子量が500〜75,000、好ましくは2,000〜15,000である請求項1〜8のいずれか1項記載の結合体。
  10. 該ポリマーが生分解性である請求項1〜9のいずれか1項記載の結合体。
  11. 該ポリマーが、ポリ[(N−(2−ヒドロキシエチル)]−L−グルタミンである請求項1記載の結合体。
  12. 該ポリマーが、ポリ(2−ヒドロキシエチル)−L−アスパラギンである請求項1記載の結合体。
  13. 該ポリマーがポリ(D,L−メチオニンスルホキシド)である請求項1記載の結合体。
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