JPWO2019172362A1 - 刺激応答性ポリマー - Google Patents

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Abstract

本発明は優れたpH応答性、温度応答性を兼ね備えた刺激応答性ポリマーを提供することを目的とする。本発明の刺激応答性ポリマーは、側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有し、前記側鎖に下記一般式(1)で表される構造を有する。式(1)において、R1およびR2はそれぞれ独立に、アルキル基であり、R3はアルキレン基であり、波線は他の原子との結合部位を示す。

Description

本発明は刺激応答性ポリマーに関する。
刺激応答性ポリマーは、「環境応答性ポリマー」、「スマートポリマー」とも呼ばれる。刺激応答性ポリマーは、外部刺激(例えば、温度、pH、イオン強度、磁場、光等)によって引き起こされる環境の変化により、そのミクロ構造が変化し、結果的に巨視的変化が起こるポリマーであり、一般に前記変化は可逆的な変化である。
刺激応答性ポリマーのpHや温度によって、性質が変わる特性を利用し、薬物送達、バイオセンサ等の、化学的、生物学的応用が期待されている。
例えば、温度に応答し、膨潤収縮を繰り返すアクリルアミド誘導体類のポリマーが提案されている(例えば特許文献1参照)。
別の例としては、非特許文献1、2には、下限臨界共溶温度(LCST)を示す、温度応答性のポリアミノ酸が提案されていた。
特開平8−103653号公報
Y Tachibana, M Kurisawa et al, Chemical Communications, 2003,0, 106-107 Y Tachibana, M Kurisawa et al, Biomacromolecules, 2003, 4 (5), pp 1132-1134
従来から刺激応答性ポリマーは、多数提案されているが、刺激応答性ポリマーの特性を生かしつつ、体内で使用するためには、刺激応答性が発現する温度やpHが、体内環境と一致することが求められる。また、非特許文献1、2に開示されたポリアミノ酸は、pH応答性については開示されず、検討されていなかった。
例えば、薬剤は室温では安定を保つ機能が求められるが、体温付近では薬理活性を発揮する機能が求められる。また、がんの治療に用いられる薬剤は、約pH6.5のがん細胞では効果を発揮し、中性付近の正常細胞では副作用を抑えるために作用を発揮しないことが求められている。しかしながら、このような特性を有する刺激応答性ポリマーは知られていなかった。
従来知られている温度応答性ポリマーは、少ないpH変化では温度応答性の変化が小さく、従来知られているpH応答性ポリマーでは、少ないpH変化によって、応答性のon−offを明確に行うことが難しかった。
本発明では、僅かなpHの変化で応答性が変わり、各pHにおいて優れた温度応答性を示す、すなわち優れたpH応答性、温度応答性を兼ね備えた刺激応答性ポリマーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、側鎖に特定の構造を導入した側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有するポリマーは、好適な刺激応答性を示すことを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の刺激応答性ポリマーは、以下の[1]〜[7]に関する。
[1] 側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有し、
前記側鎖に下記一般式(1)で表される構造を有する刺激応答性ポリマー。
式(1)において、R1およびR2はそれぞれ独立に、アルキル基であり、R3はアルキレン基であり、波線は他の原子との結合部位を示す。
[2] 前記R1およびR2がそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基である、[1]に記載の刺激応答性ポリマー。
[3] 前記R1およびR2のアルキル基の炭素数の合計が、5〜12である、[1]または[2]に記載の刺激応答性ポリマー。
[4] 側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格が有する、側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数が10〜500である、[1]〜[3]のいずれかに記載の刺激応答性ポリマー。
[5] 側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格が有する、側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数が20〜300である、[1]〜[3]のいずれかに記載の刺激応答性ポリマー。
[6] マクロ開始剤由来の骨格を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の刺激応答性ポリマー。
[7] ポリエチレングリコール骨格を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の刺激応答性ポリマー。
本発明の刺激応答性ポリマーは、pH応答性、温度応答性を兼ね備えている。
図1は、実施例1で得られたPAsp(DnBen)の温度およびpHと、散乱光強度(SLI)との関係を示す図である。 図2は、実施例2で得られたPAsp(DnBpro)の温度およびpHと、散乱光強度との関係を示す図である。 図3は、実施例3で得られたPEG−PAsp(DnBen)の温度およびpHと、散乱光強度との関係を示す図である。 図4は、実施例4で得られたPEG−PAsp(DnBen)の温度およびpHと、散乱光強度との関係を示す図である。 図5は、実施例5で得られたPAsp(DiPen)の温度およびpHと、散乱光強度(SLI)との関係を示す図である。 図6は、実施例8で得られた平均重合度80のPAsp(DnBen)および、実施例9で得られた平均重合度250のPAsp(DnBen)の温度およびpHと、散乱光強度(SLI)との関係を示す図である。 図7は、実施例6で合成したPAsp(DnBen)および、実施例7で合成したPAsp(DnBpro)について、示差走査熱量計による熱反応分析−1を行った結果を示す図である。 図8は、実施例6で合成したPAsp(DnBen)について、示差走査熱量計による熱反応分析−2を行った際の1回目の昇温の結果を示す図(左図)および示差走査熱量計による熱反応分析−1を行った際の1回目の昇温の結果を示す図(右図)である。 図9は、実施例6で合成したPAsp(DnBen)および、実施例7で合成したPAsp(DnBpro)について、中和滴定による濁度測定を行った結果を示す図である。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明の刺激応答性ポリマーは、側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有し、前記側鎖に下記一般式(1)で表される構造を有する。本発明の刺激応答性ポリマーは、特定の構造を有する側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有しているため、pH応答性、温度応答性を兼ね備えている。なお、刺激応答性としてpH応答性のみを有するポリマー、温度応答性のみを有するポリマーは、従来から知られていたが、重合体の側鎖に特定の構造を有するpH応答性および温度応答性を兼ね備えたポリマーは報告されておらず、pH応答性および温度応答性を兼ね備える本発明の刺激応答性ポリマーは様々な用途への使用が可能である。また、本発明の刺激応答性ポリマーは、特定の構造を有する側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格によって刺激応答性を発現し、該骨格は、ポリアミノ酸骨格であるため、生分解性にも優れる。
式(1)において、R1およびR2はそれぞれ独立に、アルキル基であり、R3はアルキレン基であり、波線は他の原子との結合部位を示す。
本発明の刺激応答性ポリマーは、特定の側鎖を有する側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有する。このため、本発明の刺激応答性ポリマーは、pHに応じて異なった下限臨界共溶温度(LCST)を示す。本発明の刺激応答性ポリマーは、体内の温度、pHに近い範囲で刺激応答性を示すため、がんの治療薬用のドラッグデリバリーシステム(DDS)等の各種生体用途への使用が可能である。また、本発明の刺激応答性ポリマーは、生分解性を有しているため、生体材料や製剤材料に好適に使用することができる。また、pH応答性、温度応答性を兼ね備えているため、農林水産業用資材、土木・建築資材、フィルム・シート、衛生用品等、各種用途への使用が可能である。
(側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格)
本発明の刺激応答性ポリマーが有する側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格は、側鎖変性アスパラギン酸を構成単位とする骨格であり、以下の式(A)および(B)で表される構成単位の少なくとも一方を有しており、通常は両方を有している。
前記刺激応答性ポリマーは、側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有しており、該骨格は、ポリアミノ酸骨格である。このため、前記刺激応答性ポリマーは生体適合性と、生分解性を有しており、医薬材料等の生体用途に安全に使用できることが期待できる。
式(A)および(B)において、R1、R2およびR3は、それぞれ式(1)におけるR1、R2およびR3と同義である。
側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格が有する、(A)で表される構成単位と、(B)で表される構成単位との割合としては特に限定は無いが(A):(B)が、通常は1:0.5〜1:10である。
側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格が有する側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数(平均重合度)は、通常は10〜500であり、好ましい一例としては、10〜300である。側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数の下限としては、より好ましくは20であり、さらに好ましくは40であり、特に好ましくは50であり、最も好ましくは60である。側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数の上限としては、より好ましくは400であり、さらに好ましくは300であり、特に好ましくは250である。側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数の範囲としては、前記上限と下限とを、任意に組み合わせて設定することが可能である。側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数の好適な範囲の例としては、20〜300、40〜250が挙げられる。前記範囲内では刺激応答能が安定して得られるため好ましい。側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数は、刺激応答性ポリマーの用途に応じて、適宜設定すればよい。
(一般式(1)で表される構造)
前記側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格は、側鎖に下記一般式(1)で表される構造を有する。
式(1)において、R1およびR2はそれぞれ独立に、アルキル基であり、R3はアルキレン基であり、波線は他の原子との結合部位を示す。
本発明の刺激応答性ポリマーは、上記構造を有することにより、pH応答性、温度応答性を兼ね備えている。
1およびR2はそれぞれ独立に、通常は炭素数1〜12のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは2〜6のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数3または4のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数4のアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。R1およびR2は、直鎖アルキル基でも、分岐を有するアルキル基であってもよい。
また、R1およびR2のアルキル基の炭素数を合計すると、5〜12であることが好ましく、6〜8であることよりが好ましい。
3は、好ましくは炭素数2または3のアルキレン基である。R3は、直鎖アルキレン基でも、分岐を有するアルキレン基であってもよいが、直鎖アルキレン基であることが好ましい。
(刺激応答性ポリマーおよびその製造方法)
本発明の刺激応答性ポリマーは、前述の側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有し、側鎖に前述の一般式(1)で表される構造を有する。
刺激応答性ポリマーは、前記側鎖変性アスパラギン酸の単独重合体でもよく、側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格と、他の重合体からなる骨格とを有する共重合体、すなわちブロック共重合体であってもよい。本発明の刺激応答性ポリマーがブロック共重合体であると、側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格に由来する、pH応答性、温度応答性を有し、かつ、他の重合体からなる骨格に由来する性質を有する刺激応答性ポリマーを得ることが可能であり、産業上の利用範囲が広い。
前記他の重合体としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリアミノ酸、側鎖変性ポリアミノ酸(但し、前述の側鎖変性ポリアスパラギン酸を除く)、ポリグリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸交互共重合体、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。他の重合体としては、生体適合性を有する重合体が好ましく、具体的にはポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリアミノ酸、側鎖変性ポリアミノ酸(但し、前述の側鎖変性ポリアスパラギン酸を除く)が好ましい。中でも各種用途への使用が可能なポリエチレングリコールがより好ましい。すなわち、刺激応答性ポリマーが有する他の重合体からなる骨格としては、ポリエチレングリコール骨格が好ましい。
他の重合体部分の分子量としては特に限定は無いが、他の重合体部分の、単量体の繰返し単位数としては、通常は20〜50000であり、好ましくは40〜2000である。
前記他の重合体の種類や他の重合体の繰返し単位数は、刺激応答性ポリマーの用途に応じて、適宜設定することができる。
刺激応答性ポリマーの製造方法としては、特に限定は無いが、例えば以下の方法が挙げられる。有機溶媒中で、βベンジル−L−アスパラギン酸−N−カルボキシ無水物(β-benzyl-L-asparatate N-carboxy anhydride)(BLA−NCA)を、重合開始剤を用いて重合し、所望の重合度(所望のベンジル保護アスパラギン酸の繰返し単位数)のベンジル保護ポリアスパラギン酸を得る。次いで、ベンジル保護ポリアスパラギン酸のベンジル基を、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン等のアミンを用いて、置換することにより、側鎖に一般式(1)で表される構造を有する、側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有する刺激応答性ポリマーを得ることができる。
なお、刺激応答性ポリマーがブロック共重合体である場合には、例えば、開始剤として、マクロ開始剤を用いることにより、側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格と、他の重合体からなる骨格とを有するブロック共重合体を得ることができる。マクロ開始剤としては、アミン末端をもつポリエチレングリコール(PEG)等が挙げられる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
(ベンジル保護ポリアスパラギン酸の合成)
βベンジル−L−アスパラギン酸−N−カルボキシ無水物(β-benzyl-L-asparatate N-carboxy anhydride)(BLA−NCA)(1.5g、6.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(3.0mL)に溶解させ、塩化メチレン(27.0mL)を加えた。
そこに、DMFで20倍に希釈したブチルアミン(90μL、50μmol)を加え、35℃で3日間撹拌を行い、重合反応を進行させ反応液を得た。
上記のプロセスは全てアルゴン雰囲気下で行った。
DMFと塩化メチレンは、脱水したものを関東化学より購入し、ニッコーハンセン社のUltimate Solvent Systemで精製したものを用いた。ブチルアミンはWako社より購入し、アルゴン雰囲気下で蒸留したものを用いた。
重合反応後、反応液を体積比が3/2のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(500mL)に滴下し、沈殿物をフィルター濾過で回収することにより、ベンジル保護ポリアスパラギン酸(PBLA)を得た。
ヘキサンと酢酸エチルは、国産化学社より購入したものをそのまま用いた。
得られたPBLAは、1H−NMR(ESC400、JEOL)による解析から、平均重合度は106とわかった。
(ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DnBen)]の合成)
PBLA(30mg、ベンジル保護アスパラギン酸単位のモル数が0.15mmol)を塩化メチレン(3.0mL)に溶解し、ベンゼン(6.0mL)を加え、凍結乾燥した。
これをアルゴン雰囲気下でDMF(2.0mL)に懸濁し、30分間撹拌したのち、N,N−ジブチルエチレンジアミン(2.9mmol)を加え、40℃にて4時間撹拌し、反応液を得た。室温まで放冷したのち、反応液を氷冷した10%酢酸水溶液(3.0mL)にゆっくり滴下し、反応液の中和を行った。
中和した反応液は、透析膜(分子区画3.5kDa)を用いて0.01M塩酸に対して3回、純水に対して4回透析を行い、凍結乾燥により、ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DnBen)]を得た。得られたポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンは、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジブチルアミノ基が導入されていることがわかった。
塩化メチレンは国産化学社より購入したものをそのまま用いた。ベンゼンは、Wako社より購入したものをそのまま用いた。DMFは、脱水のものを関東化学より購入し、ニッコーハンセン社のUltimate Solvent Systemで精製したものを用いた。N,N−ジブチルエチレンジアミンはTCI社より購入したものを、アルゴン雰囲気下で蒸留精製したものを用いた。10%酢酸水溶液は、Wako社より購入した酢酸を希釈して用いた。0.01M塩酸は、犬印社より購入した塩酸を希釈して用いた。
得られたPAsp(DnBen)の構造式を、下記式(I)に示す。式(I)において、nは平均重合度である106を示す。
〔実施例2〕
(ポリジブチルアミノプロピルアミドアスパラギン[PAsp(DnBpro)]の合成)
N,N−ジブチルエチレンジアミンを、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミンに変更した以外は、実施例1と同様に行い、ポリジブチルアミノプロピルアミドアスパラギン[PAsp(DnBpro)]を得た。得られたポリジブチルアミノプロピルアミドアスパラギンは、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジブチルアミノ基が導入されていることがわかった。
N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミンはTCI社より購入したものを、アルゴン雰囲気下で蒸留精製したものを用いた。
得られたPAsp(DnBpro)の構造式を、下記式(II)に示す。式(II)において、nは平均重合度である106を示す。
〔実施例3〕
(PEG−ベンジル保護ポリアスパラギン酸の合成)
アミン末端をもつポリエチレングリコール(PEG)(600mg、50μmol)を塩化メチレンに溶解し、30分撹拌した。そこに、BLA−NCA(1.5g、6.0mmol)をDMF(3.0mL)に溶解させ、塩化メチレン(17.0mL)を加えることにより得た、BLA−NCA溶液を加えた。
BLA−NCA溶液を加えた後、35℃で3日間撹拌を行い、重合反応を進行させ反応液を得た。
上記のプロセスは全てアルゴン雰囲気下で行った。
DMFと塩化メチレンは、脱水のものを関東化学より購入し、ニッコーハンセン社のUltimate Solvent Systemで精製したものを用いた。アミン末端をもつPEGは、日油株式会社より購入し、イオン交換カラムにより精製したものを用いた。アミン末端をもつPEGの平均重合度は273であった。
重合反応後、反応液を体積比が3/2のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(500mL)に滴下し、沈殿物をフィルター濾過で回収することにより、PEG−ベンジル保護ポリアスパラギン酸を得た。
なお、PEG−ベンジル保護ポリアスパラギン酸とは、ポリエチレングリコールからなる部位と、ベンジル保護ポリアスパラギン酸からなる部位とを有するブロック共重合体である。
ヘキサンと酢酸エチルは、国産化学社より購入したものをそのまま用いた。
(PEG−ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PEG−PAsp(DnBen)]の合成)
PEG−ベンジル保護ポリアスパラギン酸(30mg、ベンジル保護アスパラギン酸単位のモル数が90μmol)を塩化メチレン(3.0mL)に溶解し、ベンゼン(6.0mL)を加え、凍結乾燥した。これをアルゴン雰囲気下でDMF(2.0mL)に懸濁し、30分間撹拌したのち、N,N−ジブチルエチレンジアミン(1.8mmol)を加え、40℃にて4時間撹拌した。室温まで放冷したのち、反応液を氷冷した10%酢酸水溶液(3.0mL)にゆっくり滴下し、反応液の中和を行った。
中和した反応液は、透析膜(分子区画6−8kDa)を用いて0.01M塩酸に対して3回、純水に対して4回透析を行い、凍結乾燥により、PEG−ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PEG−PAsp(DnBen)]を得た。得られたPEG−ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンのポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン部分は、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジブチルアミノ基が導入されており、ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン部分の平均重合度が65であることがわかった。
塩化メチレンは国産化学社より購入したものをそのまま用いた。ベンゼンは、Wako社より購入したものをそのまま用いた。DMFは、脱水のものを関東化学より購入し、ニッコーハンセン社のUltimate Solvent Systemで精製したものを用いた。N,N−ジブチルエチレンジアミンはTCI社より購入したものを、アルゴン雰囲気下で蒸留精製したものを用いた。10%酢酸水溶液は、Wako社より購入した酢酸を希釈して用いた。0.01M塩酸は、犬印社より購入した塩酸を希釈して用いた。
なお、PEG−ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンとは、ポリエチレングリコールからなる部位と、ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンからなる部位とを有するブロック共重合体である。
得られたPEG−PAsp(DnBen)の構造式を、下記式(III)に示す。式(III)において、mはPEG部分の平均重合度である273を示し、nはポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン部分の平均重合度である65を示す。
〔実施例4〕
(PEG−ベンジル保護ポリアスパラギン酸の合成)
アミン末端をもつポリエチレングリコール(PEG)(230mg、20μmol)を塩化メチレン(7.0mL)に溶解し、30分撹拌した。そこに、BLA−NCA(0.30g、1.2mmol)をDMF(1.0mL)に溶解させた、BLA−NCA溶液を加えた。
BLA−NCA溶液を加えた後、35℃で3日間撹拌を行い、重合反応を進行させ反応液を得た。
上記のプロセスは全てアルゴン雰囲気下で行った。
DMFと塩化メチレンは、脱水のものを関東化学より購入し、ニッコーハンセン社のUltimate Solvent Systemで精製したものを用いた。アミン末端をもつPEGは、日油株式会社より購入し、イオン交換カラムにより精製したものを用いた。アミン末端をもつPEGの平均重合度は273であった。
重合反応後、反応液を体積比が3/2のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(500mL)に滴下し、沈殿物をフィルター濾過で回収することにより、PEG−ベンジル保護ポリアスパラギン酸を得た。
なお、PEG−ベンジル保護ポリアスパラギン酸とは、ポリエチレングリコールからなる部位と、ベンジル保護ポリアスパラギン酸からなる部位とを有するブロック共重合体である。
ヘキサンと酢酸エチルは、国産化学社より購入したものをそのまま用いた。
(PEG−ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PEG−PAsp(DnBen)]の合成)
PEG−ベンジル保護ポリアスパラギン酸(30mg、ベンジル保護アスパラギン酸単位のモル数が59μmol)を塩化メチレン(3.0mL)に溶解し、ベンゼン(6.0mL)を加え、凍結乾燥した。これをアルゴン雰囲気下でDMF(2.0mL)に懸濁し、30分間撹拌したのち、N,N−ジブチルエチレンジアミン(1.2mmol)を加え、40℃にて4時間撹拌した。室温まで放冷したのち、反応液を氷冷した10%酢酸水溶液(3.0mL)にゆっくり滴下し、反応液の中和を行った。
中和した反応液は、透析膜(分子区画6−8kDa)を用いて0.01M塩酸に対して3回、純水に対して4回透析を行い、凍結乾燥により、PEG−ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PEG−PAsp(DnBen)]を得た。得られたPEG−ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンのポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン部分は、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジブチルアミノ基が導入されており、ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン部分の平均重合度が21であることがわかった。
塩化メチレンは国産化学社より購入したものをそのまま用いた。ベンゼンは、Wako社より購入したものをそのまま用いた。DMFは、脱水のものを関東化学より購入し、ニッコーハンセン社のUltimate Solvent Systemで精製したものを用いた。N,N−ジブチルエチレンジアミンはTCI社より購入したものを、アルゴン雰囲気下で蒸留精製したものを用いた。10%酢酸水溶液は、Wako社より購入した酢酸を希釈して用いた。0.01M塩酸は、犬印社より購入した塩酸を希釈して用いた。
なお、PEG−ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンとは、ポリエチレングリコールからなる部位と、ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンからなる部位とを有するブロック共重合体である。
得られたPEG−PAsp(DnBen)の構造式を、下記式(IV)に示す。式(IV)において、mはPEG部分の平均重合度である273を示し、nはポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン部分の平均重合度である21を示す。
〔散乱光強度の定量〕
実施例1〜4で合成した重合体をそれぞれ、D−PBS(Dulbecco's Phosphate−Buffered Saline)(pH7.4)に2mg/mLの濃度で溶解し、4℃で一晩静置し、溶液を得た。
溶液をD−PBSで2倍に希釈する際に、0.5M塩酸または0.5M水酸化ナトリウム水溶液を用いて、最終的に濃度が1mg/mLでかつ、pHが6.5、7.4、8.1、8.6となるように調整した。調整した溶液は4℃にて2時間以上静置した。
D−PBSはWako社より購入したものをそのまま用いた。0.5M塩酸と0.5M水酸化ナトリウム水溶液は、Wako社より購入した5M塩酸または5M水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ10倍希釈したものを用いた。
調整した溶液(30μL)をクオーツキュベットに入れ、10℃から60℃の間の5℃刻みで散乱光強度をZetasizer Nano ZS (Malvern)を用いて測定した。
結果を図1〜4に示す。
〔実施例5〕
(ベンジル保護ポリアスパラギン酸の合成)
βベンジル−L−アスパラギン酸−N−カルボキシ無水物(β-benzyl-L-asparatate N-carboxy anhydride)(BLA−NCA)(1.5g、6.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(3.0mL)に溶解させ、塩化メチレン(27.0mL)を加えた。
そこに、DMFで20倍に希釈したブチルアミン(90μL、50μmol)を加え、35℃で3日間撹拌を行い、重合反応を進行させ反応液を得た。
上記のプロセスは全てアルゴン雰囲気下で行った。
DMFと塩化メチレンは、脱水したものを関東化学より購入し、ニッコーハンセン社のUltimate Solvent Systemで精製したものを用いた。ブチルアミンはWako社より購入し、アルゴン雰囲気下で蒸留したものを用いた。
重合反応後、反応液を体積比が3/2のヘキサン/酢酸エチル混合溶媒(500mL)に滴下し、沈殿物をフィルター濾過で回収することにより、ベンジル保護ポリアスパラギン酸(PBLA)を得た。
ヘキサンと酢酸エチルは、国産化学社より購入したものをそのまま用いた。
得られたPBLAは、1H−NMR(ESC400、JEOL)による解析から、平均重合度は156とわかった。
(ポリジイソプロピルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DiPen)]の合成)
PBLA(30mg、ベンジル保護アスパラギン酸単位のモル数が0.15mmol)を塩化メチレン(3.0mL)に溶解し、ベンゼン(6.0mL)を加え、凍結乾燥した。
これをアルゴン雰囲気下でDMF(2.0mL)に懸濁し、30分間撹拌したのち、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミン(2.9mmol)を加え、40℃にて4時間撹拌し、反応液を得た。室温まで放冷したのち、反応液を氷冷した10%酢酸水溶液(3.0mL)にゆっくり滴下し、反応液の中和を行った。
中和した反応液は、透析膜(分子区画3.5kDa)を用いて0.01M塩酸に対して3回、純水に対して4回透析を行い、凍結乾燥により、ポリジイソプロピルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DiPen)]を得た。得られたポリジイソプロピルアミノエチルアミドアスパラギンは、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジイソプロピルアミノ基が導入されていることがわかった。
塩化メチレンは国産化学社より購入したものをそのまま用いた。ベンゼンは、Wako社より購入したものをそのまま用いた。DMFは、脱水のものを関東化学より購入し、ニッコーハンセン社のUltimate Solvent Systemで精製したものを用いた。N,N−ジイソプロピルエチレンジアミンはTCI社より購入したものを、アルゴン雰囲気下で蒸留精製したものを用いた。10%酢酸水溶液は、Wako社より購入した酢酸を希釈して用いた。0.01M塩酸は、犬印社より購入した塩酸を希釈して用いた。
得られたPAsp(DiPen)の構造式を、下記式(I)に示す。式(I)におい
て、nは平均重合度である156を示す。
〔実施例6〕
(ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DnBen)]の合成)
N,N−ジイソプロピルエチレンジアミンを、N,N−ジブチルエチレンジアミンに変更した以外は、実施例5と同様に行い、ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DnBen)]を得た。得られたポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンは、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジブチルアミノ基が導入されていることがわかった。
N,N−ジブチルエチレンジアミンはTCI社より購入したものを、アルゴン雰囲気下で蒸留精製したものを用いた。
得られたPAsp(DnBen)の平均重合度は156であった。
〔実施例7〕
(ポリジブチルアミノプロピルアミドアスパラギン[PAsp(DnBpro)]の合成)
N,N−ジイソプロピルエチレンジアミンを、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミンに変更した以外は、実施例5と同様に行い、ポリジブチルアミノプロピルアミドアスパラギン[PAsp(DnBpro)]を得た。得られたポリジブチルアミノプロピルアミドアスパラギンは、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジブチルアミノ基が導入されていることがわかった。
N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミンはTCI社より購入したものを、アルゴン雰囲気下で蒸留精製したものを用いた。
得られたPAsp(DnBpro)の平均重合度は156であった。
〔実施例8〕
(ベンジル保護ポリアスパラギン酸の合成)
ブチルアミンの量を、90μL、50μmolから、180μL、100μmolに変更した以外は実施例5と同様に行い、ベンジル保護ポリアスパラギン酸(PBLA)を得た。
得られたPBLAは、1H−NMR(ESC400、JEOL)による解析から、平均重合度は80とわかった。
(ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DnBen)]の合成)
平均重合度が156のPBLAを、平均重合度が80のPBLAに変更した以外は実施例6と同様に行い、ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DnBen)]を得た。得られたポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンは、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジブチルアミノ基が導入されていることがわかった。
得られたPAsp(DnBen)の平均重合度は80であった。
〔実施例9〕
(ベンジル保護ポリアスパラギン酸の合成)
ブチルアミンの量を、90μL、50μmolから、45μL、25μmolに変更した以外は実施例5と同様に行い、ベンジル保護ポリアスパラギン酸(PBLA)を得た。
得られたPBLAは、1H−NMR(ESC400、JEOL)による解析から、平均重合度は250とわかった。
(ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DnBen)]の合成)
平均重合度が156のPBLAを、平均重合度が250のPBLAに変更した以外は実施例6と同様に行い、ポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギン[PAsp(DnBen)]を得た。得られたポリジブチルアミノエチルアミドアスパラギンは、1H−NMR(ESC400、JEOL)により、アミノ酸側鎖の100%にジブチルアミノ基が導入されていることがわかった。
得られたPAsp(DnBen)の平均重合度は250であった。
〔散乱光強度の定量〕
実施例5、8、9で合成した重合体をそれぞれ、D−PBS(Dulbecco's Phosphate−Buffered Saline)(pH7.4)に2mg/mLの濃度で溶解し、4℃で一晩静置し、溶液を得た。
実施例5で合成した重合体を用いた場合には、溶液をD−PBSで2倍に希釈する際に、0.5M水酸化ナトリウム水溶液を用いて、最終的に濃度が1mg/mLでかつ、pHが7.4、8.4、9.4となるように調整した。
実施例8または9で合成した重合体を用いた場合には、溶液をD−PBSで2倍に希釈する際に、0.5M塩酸を用いて、最終的に濃度が1mg/mLでかつ、pHが6.5、7.4となるように調整した。
調整した溶液は4℃にて2時間以上静置した。
D−PBSはWako社より購入したものをそのまま用いた。0.5M塩酸と0.5M水酸化ナトリウム水溶液は、Wako社より購入した5M塩酸または5M水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ10倍希釈したものを用いた。
調整した溶液(30μL)をクオーツキュベットに入れ、実施例5で合成した重合体を用いた場合には10℃から65℃、実施例8または9で合成した重合体を用いた場合には10℃から60℃、の間の5℃刻みで散乱光強度をZetasizer Nano ZS (Malvern)を用いて測定した。
実施例5で合成した重合体についての測定結果を図5に示す。実施例8および9で合成した重合体についての測定結果を図6に示す。図6中のDP80は、実施例8で合成した重合体を意味し、DP250は、実施例9で合成した重合体を意味する。
〔示差走査熱量計による熱反応分析−1〕
実施例6で合成したPAsp(DnBen)または、実施例7で合成したPAsp(DnBpro)を、D−PBS(pH7.4)に2mg/mLの濃度で溶解し、4℃で一晩静置した。溶液をD−PBSで2倍に希釈し、最終的に1mg/mLに調整し、サンプル溶液を得た。
D−PBSはWako社より購入したものをそのまま用いた。
Microcal DSC−VP (Malvern社)のサンプルセルに減圧脱気したサンプル溶液をセル容量分入れ、10℃から80℃の間における熱反応を毎分1℃の速度で昇温することにより調査した。調査は3回行った。
得られたDSC曲線から、D−PBS同士で測定したものをベースラインとして差し引き、図7に示した。(1)で示した左図が1回目の昇温、(2)で示した中図が2回目の昇温、(3)で示した右図が3回目の昇温の結果を示す。
〔示差走査熱量計による熱反応分析−2〕
実施例6で合成したPAsp(DnBen)を、D−PBS(pH7.4)に2mg/mLの濃度で溶解し、4℃で一晩静置した。溶液をD−PBSで希釈し、最終的に0.25mg/mLに調整し、サンプル溶液を得た。
D−PBSはWako社より購入したものをそのまま用いた。
Microcal DSC−VP (Malvern社)のサンプルセルに減圧脱気したサンプル溶液をセル容量分入れ、10℃から80℃の間における熱反応を毎分1℃の速度で昇温することにより調査した。
得られたDSC曲線から、D−PBS同士で測定したものをベースラインとして差し引き、1回目の昇温結果を、上記〔示差走査熱量計による熱反応分析−1〕で行った、PAsp(DnBen)を1mg/mLに調整した際の1回目の昇温および降温の結果と共に、図8に示す。
〔中和滴定による濁度測定〕
実施例6で合成したPAsp(DnBen)または、実施例7で合成したPAsp(DnBpro)を、150mMの塩化ナトリウムを含む0.1Mの塩酸溶液に10mg/mLとなるように溶解し、4℃で一晩静置し、サンプル溶液を得た。
150mMの塩化ナトリウムを含む0.1Mの塩酸溶液は、Wako社より購入した5M塩酸に、塩化ナトリウムを加えつつ、50倍に希釈したものを用いた。
調製したサンプル溶液(7mL)を37℃に設定した恒温槽に入れ、1時間撹拌した。そこに、平沼産業社の自動滴定装置TS−2000を用いて、50mMの塩化ナトリウムを含む0.1M水酸化ナトリウム水溶液を8μLずつ加えることにより滴定し、D227411−A光学プローブ(平沼産業社)を用いて530nmの透過度を検査した。
pHは、HORIBA社マイクロ電極9618S−10Dを用いて検出した。
50mMの塩化ナトリウムを含む0.1M水酸化ナトリウム水溶液は、Wako社より購入した0.1M水酸化ナトリウム水溶液に、塩化ナトリウムを加えることにより調製した。
pHと、透過度の変化を、図9に示す。

Claims (7)

  1. 側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格を有し、
    前記側鎖に下記一般式(1)で表される構造を有する刺激応答性ポリマー。
    式(1)において、R1およびR2はそれぞれ独立に、アルキル基であり、R3はアルキレン基であり、波線は他の原子との結合部位を示す。
  2. 前記R1およびR2がそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基である、請求項1に記載の刺激応答性ポリマー。
  3. 前記R1およびR2のアルキル基の炭素数の合計が、5〜12である、請求項1または2に記載の刺激応答性ポリマー。
  4. 側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格が有する、側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数が10〜500である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の刺激応答性ポリマー。
  5. 側鎖変性ポリアスパラギン酸骨格が有する、側鎖変性アスパラギン酸の繰返し単位数が20〜300である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の刺激応答性ポリマー。
  6. マクロ開始剤由来の骨格を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の刺激応答性ポリマー。
  7. ポリエチレングリコール骨格を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の刺激応答性ポリマー。
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