JP2004525621A - グルコセレブロシダーゼ活性を有する二機能性融合タンパク質 - Google Patents

グルコセレブロシダーゼ活性を有する二機能性融合タンパク質 Download PDF

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Abstract

本発明は、ゴーシェ病、ファブリー病、テイ・サックス病など、糖脂質蓄積症の治療に基づく療法を利用しながら二機能性融合タンパク質を投与することによる酵素補充療法および/または糖脂質代謝の増強を目的とした、本質的に免疫グロブリン(Ig)分子とグルコセレブロシダーゼの生物活性を有するタンパク質(GCR様タンパク質)とからなる新規なグルコセレブロシダーゼ二機能性融合タンパク質に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ゴーシェ病、ファブリー病、テイ・サックス病など、糖脂質蓄積症の治療に基づく療法を利用しながら二機能性融合タンパク質を投与することによる酵素補充療法および/または糖脂質代謝の増強を目的とした、免疫グロブリン(Ig)分子(抗体全体、Ig重鎖もしくは軽鎖、またはこれらの断片)とグルコセレブロシダーゼ(GCR)の生物活性を本質的に有するタンパク質(この用語にはオリゴペプチドも含まれる)(GCR様タンパク質)とからなるGCR二機能性融合タンパク質(GCR融合タンパク質)に関する。
【0002】
Ig部分のアミノ酸配列を選択的に変更することによって、特性が改良された、たとえば安定性が向上したGCR融合タンパク質が得られる。さらに、GCRを短くしたものとIg鎖を使用した融合タンパク質を得ることもできる。
【0003】
本発明はまた、このようなGCR融合タンパク質を含む薬剤組成物、治療方法、および治療システム、ならびにゴーシェ病、またはファブリー病やテイ・サックス病などの糖脂質蓄積症によって引き起こされる別の疾患の治療方法であって、この疾患を患う対象に、薬剤として許容される担体中に組換えによって産生した治療量のGCR融合タンパク質を含む薬剤組成物を投与することを含む治療方法に関する。
【0004】
(背景)
ゴーシェ病、テイ・サックス病、またはファブリー病のような糖脂質蓄積症を治療するために、脾摘出または骨髄移植ではなく、このような疾患に罹患した生物の酵素を増強するために外来性のβグルコシダーゼを投与することは、リソソーム蓄積欠損症の治療向けにすでに文献に記載されている。たとえば、De Duve,C.のFed.Proc.第23巻、1045ページ(1964年)、およびBarton,N.W.等のProc.Natl.Acad.Sci.第87巻、1913ページ(1990年)を参照されたい。これらには、ゴーシェ病治療にβグルコシダーゼ、および特にGCRを使用することが記載され、それと共に治療反応を得る難しさも記載されている。しかし、こうした疾患を治療するための酵素の投与量は、2週間毎に体重1キログラムあたり約60単位であり、70kgの患者を治療する年間平均費用が、酵素だけで約380,000米ドルになることを意味する。これは、外来性の酸性βグルコシダーゼの細胞内半減期が短いためである。
【0005】
in−vivoでの半減期がかなり改良され、腫瘍細胞など、特定の細胞型への標的指向性を促進する抗体−酵素融合タンパク質が記載されている。たとえば、サイトカインのインターロイキン2(IL−2)と、腫瘍抗原の上皮性細胞接着分子(Ep−CAM)またはジシアロガングリオシドGD2に免疫反応性のある単クローン性抗体重鎖とが、それぞれ抗体KS1/4およびch14.18を使用することによって2種の独立した融合タンパク質の形で融合されて、それぞれ融合タンパク質ch14.18−IL−2およびKS1/4−IL−2になっている。たとえば、米国特許第5,650,150号を参照されたい。
【0006】
したがって、本発明の目的は、知られているコスト高な手順よりも安価であり、かつ大部分の患者、特に開発途上国にいる患者の相場の範囲に収まる、効率のよい投与方法および方式を可能にする、ゴーシェ病、ファブリー病、テイ・サックス病など、糖脂質蓄積症を有効に治療するのに適する化合物を見出すことであった。本発明の目標は、少ない用量で投与でき、さらに活性がそれほど低下しないままで生物中での半減期がより長く、かつ糖脂質代謝が起こる特定の細胞への標的指向性がより良好であるために、ゴーシェ病、ファブリー病、およびテイ・サックス病をより安価かつ有効に治療できる、これらの疾患を治療する分子を提供することであった。
【0007】
(発明の概要)
今回、GCRの生物活性を有するタンパク質を、抗体全体、Ig重鎖または軽鎖、Ig重鎖の断片、たとえば重鎖定常部(CH)、Fc断片、もしくはFab断片のようなIg分子に結合させると、有効性および半減期の延長において予想外の相乗作用が起こることを発見した。
【0008】
融合タンパク質および特定の融合タンパク質の改変は当技術分野で公知である。たとえば、融合タンパク質は、タンパク分解酵素とタンパク質の主鎖そのものとが物理的に接触するのを効果的に妨げ、したがって分解を予防することができる。ある状況下での追加の利点には、特定の発現系での収率が向上すること、標的タンパク質が正確に折り畳まれること、治療用タンパク質の安定性を向上させ、循環時間を延長させ、かつ生物活性を増強することが含まれる。この種の一変更形態は、免疫グロブリンのFc部を使用することである。抗体は、機能上独立した2個の部分、すなわち抗原を結合する「Fab」として知られている可変ドメイン、および補体および食細胞など、エフェクター機能との関連をもたらす「Fc」として知られている定常ドメインを含む。
【0009】
免疫グロブリンのFc部は、半減期が特に短い、あるタンパク質に融合させると、血漿半減期を延長させる(Capon等のNature第337巻:525〜531ページ(1989年))。
【0010】
Fcドメインを使用して、Fc受容体への結合、タンパク質Aへの結合、補体の固定化、胎盤通過など、どれも免疫グロブリンのFcタンパク質に備わっている機能を組み込んである治療用の融合タンパク質も構築されている。たとえば、IgG1抗体のFc領域と、CD30−LのN末端、すなわちホジキン病の腫瘍細胞、未分化リンパ腫細胞、T細胞白血病細胞、および他の悪性細胞型上に発現したCD30受容体を結合する分子のN末端とが融合されている(米国特許第5,480,981号)。さらに、1996年には、免疫グロブリンのFc部とある種の非突然変異体標的タンパク質を含む融合タンパク質を発現させてから、その標的タンパク質をタンパク質分解によって切断することによって、前記の標的タンパク質の効率的な発現および分泌を実現できることが報告されている(WO96/08570、US5,541,087)。
【0011】
Igポリペプチド鎖と融合させるのに適するGCR様タンパク質は、米国特許第5,879,680号で示されているようなアミノ酸配列および関連するDNA配列を含むものでもよいが、それから得られた切断型または突然変異型でもよい。米国特許第5,879,680号の教示では、切断型および突然変異型は除外されているが、これらのタンパク質とその合成方法および条件が具体例として記載されており、調製および使用に関係のあるこの開示を特に参照により本明細書に組み込む。
【0012】
好ましい切断型は、たとえば、天然のGCR酵素をカルボキシ末端部位から切断していき、この酵素の約3分の1から2分の1のアミノ酸配列としたものからなる。これらの切断タンパク質は、制限酵素などの適切な試薬を用い、所望の鎖を切断することによって、全長タンパク質から得ることができる。
【0013】
Igポリペプチド鎖との融合に適切な候補である有効なGCR様タンパク質を同定するアッセイ、ならびに本発明による融合化合物の活性を証明するアッセイは、参照文献として引用した米国特許に記載されており、したがって、本発明の実施に向けて、ゴーシェ病、ファブリー病、テイ・サックス病など、糖脂質蓄積症を治療するための代替融合タンパク質を容易に特定できると考えられる。
【0014】
本発明は、動物のグルコセレブロシドを加水分解する能力の内にGCR様活性を有し、より高い発現レベル、より高い溶解性、より良好な組織分布、マクロファージへのより良好な標的化など、追加の有利な特性も有する新規なタンパク質を提供する。このような新規なタンパク質には、GCR様タンパク質と、抗体全体またはその断片(Ig重鎖もしくは軽鎖、またはCH、FcもしくはFab断片のような重鎖の断片)のようなIg分子との融合タンパク質;このような融合タンパク質のGCR様タンパク質またはIg部が変更型グリコシル化を経ている形;切断もしくは突然変異アミノ酸配列を含み、たとえば新生児Fc受容体(FcRn)対する親和性が低下しているGCR融合タンパク質の形;および特定のリンカーを含むGCR融合タンパク質が含まれる。
【0015】
(詳細な説明)
本発明の目的は、特性が改良されたGCR様活性を有するタンパク質を提供することであり、前記タンパク質は、抗体全体、Ig重鎖もしくは軽鎖、または重鎖の断片(たとえばCH、FcもしくはFab断片)のようなIg分子と、GCR様タンパク質とを含む融合タンパク質であり、前記Ig部分が、(リンカー分子を介して)前記GCR様タンパク質に共有結合によって直接または間接に融合している。好ましい実施形態では、Ig部分は、そのC末端を介して、(リンカー分子を媒介として)前記GCR様タンパク質のN末端に共有結合によって直接または間接に融合し、GCR部だけでなくIg部も変更または突然変異を経ていてよく、次の群、すなわち、
(I)H2N−Ig−GCR−COOH
(II)H2N−Ig−L−GCR−COOH
(III)H2N−Ig−GCRm−COOH
(IV)H2N−Igm−GCR−COOH
(V)H2N−Igm−GCRm−COOH
(VI)H2N−Igm−L−GCR−COOH
(VII)H2N−Ig−L−GCRm−COOH
(VIII)H2N−Ig−GCRtrunc−COOH
(IX)H2N−Ig−L−GCRtrunc−COOH
(X)H2N−GCR−Ig−COOH
(XI)H2N−GCR−L−Ig−COOH
(XII)H2N−GCRm−Ig−COOH
(XIII)H2N−GCR−Igm−COOH
(XIV)H2N−GCRm−Igm−COOH
(XV)H2N−GCR−L−Igm−COOH
(XVI)H2N−GCRm−L−Ig−COOH
(XVII)H2N−GCRtrunc−Ig−COOH
(XVIII)H2N−GCRtrunc−L−Ig−COOH
から選択されていてよい。
【0016】
本明細書では、Igは、Ig重鎖もしくは軽鎖、またはIg重鎖の断片(たとえばCH、FcもしくはFAB断片)を意味する。GCRは、哺乳類、特にヒト由来、特に好ましくはヒトリソソーム由来の天然のGCRを意味し、これには天然の供給源を操作して得た組換え型GCRも含まれる。
【0017】
GCRtruncは、そのアミノ酸配列が切断されているが突然変異はしていない本発明によるGCRである。切断型は、本質的にグルコセレブロシダーゼ生物活性を完全に備えている、またはわずかにしか低下させずに備えているタンパク質断片である。本発明によるGCRの好ましい切断型は、天然のグルコセレブロシダーゼ酵素のC末端を詰めた、約3分の1から2分の1のアミノ酸配列からなるものである。
【0018】
GCRmは、そのアミノ酸配列が突然変異しているが切断はされていない本発明によるGCRである。突然変異の数は限定しないが、その分子の生物活性が喪失しない範囲に限る。好ましい実施形態では、突然変異の度合は、アミノ酸残基の5パーセントと30パーセントの間であり、特に好ましい実施形態では、5パーセントと20パーセントの間である。GCR生物活性を向上させた変異体は、当技術分野で述べられている手順によって発生させることができる。
【0019】
本発明によるGCR、GCRm、GCRtruncは、グリコシル化されているか、グリコシル化されていない、部分的にグリコシル化されている、あるいはそのグリコシル化パターンが変更されている。
【0020】
GCR融合タンパク質は、標準の技術、たとえばタンパク質Aカラムによって精製できる。
【0021】
Lは、たとえばグリシンおよび/またはセリンなど、一連のペプチドを意味する。ペプチドリンカーは、長さが残基5〜25個、好ましくは10〜20個のグリシンペプチドとセリンペプチドの混合列である。特に好ましいものは、タンパク質分解によって切断できるリンカー、特にカテプシンのようなリソソームプロテアーゼによって切断できるリンカーである。
【0022】
好ましい実施形態では、Ig部分は、Fc受容体を有する細胞に特異的である。したがって、GCRに結合させるべき好ましいIg分子の断片はFc領域である。免疫グロブリンのFc領域は免疫グロブリン重鎖定常部のカルボキシル末端部側アミノ酸配列である。Fc領域は、免疫グロブリンの生物学的機能が決定される際に特に重要であり、そのような生物学的機能はエフェクター機能と呼ばれる。公知のとおり免疫グロブリンサブクラスの重鎖は4個または5個のドメインを含む。IgMおよびIgEは5個の重鎖ドメインを有し、IgA、IgDおよびIgGは4個の重鎖ドメインを有する。IgA、IgDおよびIgGのFc領域はヒンジ−CH2−CH3ドメインの二量体であり、IgMおよびIgEではヒンジ−CH2−CH3−CH4ドメインの二量体である(「Fundamental Immunology」、W.E.Paul編、1993年、Raven Press,New York、ニューヨーク参照)。
【0023】
本明細書で使用する用語「Fcタンパク質」は、免疫グロブリン重鎖定常部のカルボキシル末端部、またはその類似体もしくは部分を意味する。すなわち、たとえばIg、好ましくはIgGの免疫グロブリンFc領域であり、1個のヒンジ部と1個のCH2ドメインと1個のCH3ドメインの部分を少なくとも1個含むといえる。
【0024】
Fc領域は、そのアミノ末端がペプチド結合によってGCRのカルボキシ末端側アミノ酸に連結しており、あるいは、好ましい実施形態では、Fc領域のカルボキシ末端がペプチド結合によってGCRのアミノ末端側アミノ酸に結合している。
【0025】
状況によっては、融合タンパク質のIg分子内、特にFc領域中のあるアミノ酸を突然変異させることが役立つ。たとえば、新生児Fc受容体(FcRn)はIgGを結合するので、融合タンパク質の臨床上の有効性を低下させることがある。
【0026】
したがって、Fcmは、上記で定義したFc部のアミノ酸配列を突然変異させ、かつ/またはそのグリコシル化パターンを変更したものである。このようなFc部の変更によって、特性が改良された融合タンパク質がもたらされる。この点から、Fcmには、FcRn受容体に対する融和性が低下した、付加的な変更もしくは突然変異を経たFc部が含まれる。たとえば、IgG重鎖のCH2ドメインとCH3ドメイン(310と433の残基)間の接合部に位置するIgGヒスチジンがFcRn受容体とのpH依存的な結合の一因になることが知られている(Raghavan等のBiochemistry第34巻(45:14649〜57ページ(1995年))。またIle253とHis435および436(Kim等のEur.J.Immunol.第34巻:2429〜34ページ(1994年))、ならびに残基309(ラット、マウス、およびヒトIgGのLeu、Val、Gln、またはMet)と311(ラット、マウス、およびヒトIgGのGlnまたはArg)(Kabat等の「Sequences of proteins of immunological interest」、米保健社会福祉省、米メリーランド州ベセズダ(1991年))も、FcRn受容体と相互に作用するようである。したがって、本発明の目的は、FcRn受容体との結合を担うドメイン中の1個または複数のアミノ酸に突然変異、欠失、または挿入があり、in vivoでの循環半減期が延長されている融合タンパク質を提供することである。
【0027】
本発明の好ましい実施形態のGCR融合タンパク質は、前記突然変異が、253位がIleでなく、309位がLeu、Val、GlnまたはMetでなく、310位がHisでなく、311位がGlnまたはArgでなく、433位がHisでなく、435位がHisでなく、さらに436位がHisでないことにあるIgG1Fc部を含む。本発明によるこれらおよび他の変異体タンパク質によって、対Fc受容体結合性の向上、安定性の向上、正確な活性型高次構造選択能の向上、薬物動態特性の向上、合成の向上、または他の有利な特徴が確立することができる。GCR融合タンパク質の具体的な改良方法は、部位特異的突然変異誘発技術である。様々な種類の部位特異的突然変異誘発技術が利用でき、これらを代替法として利用して同様の結果が得られることに注目しておきたい。これらの技術の中から選択する戦略は、分子生物学の分野の技術者によく知られている。同様に、標的DNAの突然変異誘発を無作為および半無作為に実現する技術にも様々な種類がある。このような技術も分子生物学の分野の技術者によく知られている。
【0028】
本発明によるIg分子およびGCR様タンパク質は、リンカー分子によって結合されていてもよく、アミノ酸リンカーの長さは様々である。本発明のリンカー(L)は、以下で定義するリンカー分子であり、プロテアーゼ切断部位を含んでいてもよい。
【0029】
ペプチドリンカーは多くの場合、たとえばグリシンおよび/またはセリンなど、一続きのペプチドである。ペプチドリンカーは、長さが残基約5〜25個、好ましくは10〜20個のグリシンペプチドとセリンペプチドの混合列である。特に好ましいものは、タンパク質分解によって切断できるリンカー、特にカテプシンのようなリソソームプロテアーゼによって切断できるリンカーである。
【0030】
好ましいアミノ酸リンカーLを使用するが、これには以下の配列、すなわち、
1.Ala Ala Ala
2.Ala Ala Ala Ala、
3.Ala Ala Ala Ala Ala、
4.Ser、
5.Ser Ser、
6.Gly Gly Gly、
7.Gly Gly Gly Gly、
8.Gly Gly Gly Gly Gly、
9.Gly Gly Gly Gly Gly Gly Gly、
10.Gly Pro Gly、
11.Gly Gly Pro Gly Gly、
12.Gly Gly Gly Gly Ser、およびリンカーがプロテアーゼ切断部位を含むべきならば、
13.Gly Gly Tyr Leu
14.Gly Gly Tyr
15.Gly Phe Ala Leu
16.Gly Pro Arg Leu、および
17.小部分1〜16の任意の組合せが含まれる。
【0031】
追加の適切なリンカーは、Robinson等、1998年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第95巻5929ページに記載されている。
【0032】
本明細書で使用する「タンパク質分解による切断部位」は、タンパク質分解酵素または他のタンパク質分解性切断剤によって優先的に切断されるアミノ酸配列を意味する。タンパク質分解による切断部位には、タンパク質分解酵素、特にカテプシンまたは他のリソソームプロテアーゼによって識別されるアミノ酸配列が含まれる。
【0033】
本発明の別の目的は、抗体全体を使用したGCR融合タンパク質を構築することである。そのような融合分子は、抗体重鎖および軽鎖の可変部と特定の抗原に結合するエピトープを含む。たとえば、抗体重鎖のC末端にGCRを融合させる。抗体全体の融合タンパク質をコードするDNA構築物は、これまでに記載されているように構築することができる(Gillies等[1991年]のHybridoma第10巻347〜356ページ)。
【0034】
本発明はまた、上記で開示し、特許請求の範囲で叙述する融合タンパク質のいずれかをコードするDNA分子に関する。
【0035】
好ましい実施形態として、上記および特許請求の範囲で定義してある融合タンパク質をコードするDNA分子であって、
(a)シグナル/リーダー配列
(b)Ig分子の配列
(c)GCRの生物活性を有する標的タンパク質の配列
を含むDNA分子を開示する。
【0036】
上記で示した本発明のシグナル配列は、小胞体膜を通るタンパク質の輸送を開始するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。本発明で有用となるシグナル配列には、抗体軽鎖シグナル配列、たとえば抗体14.18(Gillies等のJour.of Immunol.Meth.、第125巻:191ページ(1989年))、抗体重鎖シグナル配列、たとえばMOPC141抗体重鎖シグナル配列(Sakano等のNature第286巻:5774ページ(1980年))、および当技術分野で知られている他の何らかのシグナル配列が含まれる(たとえば、WatsonのNucleic Acids Research第12巻:5145ページ(1984年)を参照)。この各参考文献を参照により本明細書に組み込む。シグナル配列は、当技術分野でよく特性付けられており、通常16〜30個のアミノ酸残基を含むことが知られているが、含んでいるアミノ酸残基がより多いことも、より少ないこともある。典型的なシグナルペプチドは、3つの領域、すなわち塩基性のN末端領域、中央の疎水性領域、およびより極性の強いC末端領域からなる。中央の疎水性領域は、新生ポリペプチド輸送の際、膜の脂質二重層を貫通する形でシグナルペプチドを固定する4〜12個の疎水性残基を含む。開始の後、シグナルペプチドは、通常小胞体内腔内でシグナルぺプチダーゼとして知られている細胞酵素によって切断される。
【0037】
シグナルペプチドの潜在する切断部位は、一般に「(−3、−1)ルール」に従う。したがって典型的なシグナルペプチドは、−1位および−3位に小さな中性アミノ酸残基を有し、この領域内ではプロリン残基を欠いている。シグナルペプチダーゼによって、−1と+1位のアミノ酸間にあるようなシグナルペプチドが切断されることになる。このようにして、シグナル配列をコードするDNAの部分が、分泌される際に融合タンパク質のアミノ末端から切断されるといえる。これによって、Ig領域と標的タンパク質からなる融合タンパク質の分泌がもたらされる。von Heijneがシグナルペプチド配列の詳細な議論を提示している(Nucleic Acids Res.第14巻:4683ページ(1986年))。当分野の技術者には明らかであるが、特定のシグナル配列が分泌カセット中での使用に適合するには、いくつかの決まりきった実験法が必要である。シグナル配列は、「シグナルペプチド」、「リーダー配列」、または「リーダーペプチド」とも呼び、本明細書ではシグナル配列と同義のこれらの各用語を使用することもある。
【0038】
本発明はまた、標的タンパク質、すなわちGCR融合タンパク質の発現を促進する前記DNA分子を含む発現ベクターに関する。本明細書で使用する「ベクター」とは、宿主細胞中に取り込み、かつ宿主細胞ゲノムと再結合させてそれに組み込むのに適格であるか、あるいは自律的にエピソームとして複製するのに適格なヌクレオチド配列を含む任意の核酸を意味する。このようなベクターには、線状の核酸、プラスミド、ファージイミド、コスミド、RNAベクター、ウイルスベクターなどが含まれる。ウイルスベクターの非限定的な例には、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ関連ウイルスが含まれる。本明細書で使用する「標的タンパク質の発現」は、DNA配列の転写、mRNA転写物の翻訳、および正確な活性高次構造に折り畳まれたタンパク質産物の分泌を意味するものと理解される。
【0039】
本発明に従うと、この出願で定義した融合タンパク質の発現に適する、真核生物、好ましくは哺乳類の宿主細胞が使用される。このような宿主細胞に前記ベクターを形質移入し、本発明の融合タンパク質を発現させ、精製し、さらに単離する方法は、当技術分野でよく知られている。
【0040】
したがって、本発明による方法は、
(i)分泌のためのリーダー配列;Ig部;GCR、GCRm、もしくはGCRtrunc部分;および任意にIgとGCR部間のリンカー配列を含む前駆体タンパク質をコードするDNAを構築すること、
(ii)認可された発現ベクター中に前記融合DNAを配置すること、
(iii)真核細胞中で前記融合タンパク質を発現させること、および
(iv)前記の分泌された融合タンパク質を精製すること
を含む。
【0041】
本発明はまた、上記および以下で定義してある少なくとも1種のGCR融合タンパク質、好ましくはIgGFc部のC末端アミノ酸がGCR様タンパク質のN末端アミノ酸にペプチド結合によって結合している融合タンパク質、薬剤として許容される担体、希釈剤、および賦形剤を含む薬剤組成物に関する。このような薬剤組成物は、GCR欠損疾患を共同で治療する場合に有用な他の薬物または医薬を任意に含んでいてもよい。
【0042】
この種の薬剤組成物は、静脈内、皮下、筋肉内、同所注射、同所注入向けでも、経口、経肺、経鼻、経皮、または他の投与形態向けでもよい。投与は、周期的な単位投与、継続的な注入、蠕動による送達、大量注射などによって実施できる。経路は含んでよい。
【0043】
一般に、本発明に含まれるのは、有効量の本発明のタンパク質または派生産物、ならびに薬剤として許容される希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤、および/または担体を含む薬剤組成物である。このような組成物は、緩衝液の内容(たとえばトリス−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pH、およびイオン強度の様々な希釈剤;界面活性剤や可溶化剤などの添加剤(たとえばTween80、ポリソルベート80)、抗酸化剤(たとえばアスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(たとえばチメロサール、ベンジルアルコール)、および充填物質(たとえばラクトース、マンニトール)を含む。
【0044】
上記および以下で述べる用語「非経口」には、皮下、静脈内、関節内、および気管内の注射および注入技術が含まれる。非経口投与が好ましい。
【0045】
本明細書で使用する用語「薬剤として許容される担体または賦形剤」は、活性化合物または患者と有害反応を起こさない不活性な非毒性の液体充填剤、希釈剤、溶媒、または溶液を意味する。適切な液体担体は、石油、動物、植物、または合成品由来のものを含めて、無菌水、生理食塩水、水性デキストロース、糖溶液、エタノール、グリコール類、および油類など、当技術分野でよく知られている。非経口投与用の製剤は、補助剤または溶媒の典型的なものを含んでよい。
【0046】
前記の適切な製剤に関して、本発明の融合タンパク質が、何らかの非毒性の有機もしくは無機酸と共に最終的に薬剤として許容される塩を形成すると、溶解性の変化を示すことが指摘されるはずである。無機酸は、たとえば、塩酸、硫酸、リン酸、およびオルトリン酸一水素ナトリウムや硫酸水素カリウムなどの酸性金属塩である。有機酸の例は、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、およびスルホン酸など、モノ、ジ、およびトリカルボン酸である。カルボキシ末端アミノ酸部分の塩には、何らかの適切な無機または有機塩基と共に形成された非毒性カルボン酸塩が含まれる。このような塩には、たとえばナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属、およびトリアルキルアミンなど、第一級、第二級および第三級アミンが含まれる。
【0047】
通常、ゴーシェ病、テイ・サックス病、またはファブリー病のような糖脂質蓄積症の治療でのGCR融合タンパク質の投与量は、1日あたり体重1キログラムあたり0.01mg〜25mg、好ましくは約0.1〜2mg、より好ましくは約0.1〜1mgである。有効投与量は、従来技術で知られている診断ツールを使用して決定することができる。一般に、所与の患者にとっての治療上許容される最適な投与量および投与速度は、前記の範囲内で、使用する特定の活性材料の活性度、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、クリアランス速度、または治療の目的など、様々な要因に応じて変わる。当分野の技術者であれば、投与を行い、所望の治療効果を観察することによって、有効投与量を突き止められるであろう。投与量も治療の過程で変化してよく、最初は治療利益が見られるまで比較的多い投与量を使用し、治療利益の維持にはより少ない投与量を使用する。
【0048】
本発明はまた、GCR融合タンパク質療法によって、ゴーシェ病、ファブリー病、テイ・サックス病など、様々な糖脂質蓄積疾患を治療し、かつこれらの疾患に関連した酵素を扱うための治療方法および治療システムに関する。
【0049】
本発明の実施を進め方の点からみると、この治療方法は、様々な様式を含む。たとえば、GCR融合タンパク質は、ビタミンなど、他の薬物および/または添加剤と共に、混合物にしてから、すなわち同時に投与することも、逐次投与することもでき、あるいは単独の薬物療法として投与することもできる。さらに、添加剤および/もしくは追加の薬物とこの融合タンパク質は、投与の間に0〜3週間、すなわち最初に活性薬物が投与されたほぼ直後から最初に薬物が投与されてから最高で3週間の間隔を置いて分けて投与することもできる。その上、順序を様々に変える、すなわち融合タンパク質より先に添加剤および/または追加の薬物を投与することも、逆の順序で投与を行うこともできると考えられる。
【0050】
別の実施形態では、本発明が、たとえば脾臓を部分的にまたはすべて除去してしまう外科的手順と共に実施できると考えられる。これに関しては、本発明方法は外科的手順の後に実行される。あるいは活性薬物の投与の合間に外科的手順を行うこともできる。この方法のよい例は本方法と外科的脾臓除去の併用である。
【0051】
本方法による治療は、通常、1回または複数の投与サイクルで活性薬物を投与することを含む。たとえば、GCR融合タンパク質を単独または同時に投与する場合、1種の脂質蓄積疾患薬、あるいは前記薬物と添加剤および/もしくは別の薬物とを含む治療用組成物を、約2日〜約3週間の期間にわたり1サイクルで投与する。その後は、診療を行う医師の判断に従って、必要に応じてこの治療サイクルを繰り返すことができる。同様に、2種の異なる薬品の逐次投与を考える場合も、投与時期は通常同じ期間に及ぶ。各サイクルの間隔は約0〜2ヶ月で様々である。
【0052】
本発明は、別の実施形態の形で、骨髄移植、または糖脂質の重要な蓄積部位として働く臓器、たとえば脾臓を除去することによる外科手術と併せて、あるいは糖脂質蓄積疾患に罹患したヒトに前もって酵素増強治療を行うことによって遺伝子治療を成功させる準備を行うために、補助治療として、患者にある量の上記で定義したGCR融合タンパク質を含む治療用組成物を投与することを含む、ゴーシェ病の治療方法を記載する。
【0053】
本発明による疾患の1種を酵素補充もしくは増強療法によって補助的に治療する場合、融合タンパク質の投与は、他の手術、すなわち外科処置と分けて、手術と融合タンパク質の投与の間に0〜3週間、すなわち骨髄移植などの手術または活性薬の外科処置のほぼ直後からその薬品が投与されてから最高で3週間の間隔を置いて行うことができる。さらに、順序を様々に変える、すなわち骨髄移植または外科処置より先に融合タンパク質を投与することも、その逆の順序で投与を行うこともできると考えている。
【0054】
さらに、本発明は、本発明の方法を実施するのに必要な試薬を供給する梱包および/またはキットを含むシステムを企図する。したがって、糖脂質蓄積症を治療するためのキットであって、
a)ある量の上記で定義したGCR融合タンパク質を含む治療用組成物、
b)任意選択の添加剤または前記疾患治療用の補助的な薬物、および
c)ゴーシェ病、テイ・サックス病、またはファブリー病を治療する方法中の試薬の使用についての説明書
を含むパッケージを含むキットを記載する。
【0055】
本発明のキットに含まれる試薬は、通常本明細書で記載したような治療用組成物として配合され、したがってキットの形で配布するのに適する様々な形態のいずれでもよい。本発明の融合タンパク質、および任意選択の補助的な薬物および/もしくは添加剤を提供する形態には、液体、粉末、錠剤、懸濁液などの製剤が含まれる。パッケージ中の各試薬は、本発明の方法に従って、分割して投与するのに適する別々の容器中に提供してもよく、あるいは組成物の形で合体させて1個の容器中に提供してもよい。
【0056】
パッケージは、本明細書に記載の本発明の方法による試薬を1または複数回分だけ含有すればよい。通常、パッケージは、本明細書で記載した治療サイクルに足りる量を含有することになる。
【0057】
本発明のキットは、パッケージ中に含まれる材料の「使用説明書」も含む。この説明書は、融合タンパク質の使用に関するものであり、かつ/または本発明の方法に従う糖脂質蓄積症を治療するための任意の補助的な薬物および/もしくは添加剤についてのものである。方法というものが疾患の相や型、患者、および病態に応じて幅広く変化し得る限り、それに合わせて説明書も様々に変えて、投与の手順を具体的に述べてよい。本発明は、本発明の方法による融合タンパク質の使用に関する特殊性以外の説明書の性質を限定的なものであるとみなさない。
【0058】
配列の報告
本明細書では以下のアミノ酸配列を使用した。
【0059】
配列番号1 ヒトリソソームGCRアミノ酸配列(1文字表記コード)
MAGSLTGLLL LQAVSWASGA RPCIPKSFGY SSVVCVCNAT YCDSFDPPTF
PALGTFSRYE STRSGRRMEL SMGPIQANHT GTGLLLTLQP EQKFQKVKGF
GGAMTDAAAL NILALSPPAQ NLLLKSYFSE EGIGYNIIRV PMASCDFSIR
TYTYADTPDD FQLHNFSLPE EDTKLKIPLI HRALQLAQRP VSLLASPWTS
PTWLKTNGAV NGKGSLKGQP GDIYHQTWAR YFVKFLDAYA EHKLQFWAVT
AENEPSAGLL SGYPFQCLGF TPEHQRDFIA RDLGPTLANS THHNVRLLMLD
DQRLLLPHWA KVVLTDPEAA KYVHGIAVHW YLDFLAPAKA TLGETHRLFP
NTMLFASEAC VGSKFWEQSV RLGSWDRGMQ YSHSIITNLL YHWGWTDWN
LALNPEGGPN WVRNFVDSPI IVDITKDTFY KQPMFYHLGH FSKFIPEGSQ
RVGLVASQKN DLDAVALMHP DGSAVVVVLN RSSKDVPLTI KDPAVGFLET
ISPGYSIHTY LWRRQ。
【0060】
配列番号2 ヒトIgG1Fc領域−成熟タンパク質コード配列(1文字表記コード)
EPKSCDKTHT CPPCPAPELL GGPSVFLFPP KPKDTLMISR TPEVTCVVVD
VSHEDPEVKF NWYVDGVEVH NAKTKPREEQ YNSTYRVVSV LTVLHQDWLN
GKEYKCKVSN KALPAPIEKT ISKAKGQPRE PQVYTLPPSR EEMTKNQVSL
TCLVKGFYPS DIAVEWESNG QPENNYKTTP PVLDSDGSFF LYSKLTVDKS
RWQQGNVFSC SVMHEALHNH YTQKSLSLSP GK。
【0061】
配列番号3 ヒトIgG2Fc領域−成熟タンパク質コード配列(1文字表記コード)
ERKCCVECPP CPAPPVAGPS VFLFPPKPKD TLMISRTPEV TCVVVDVSHE
DPEVQFNWYV DGVEVHNAKT KPREEQFNST FRVVSVLTVV HQDWLNGKEY
KCKVSNKGLP APIEKTISKT KGQPREPQVY TLPPSREEMT KNQVSLTCLV
KGFYPSDIAV EWESNGQPEN NYKTTPPMLD SDGSFFLYSK LTVDKSRWQQ
GNVFSCSVMH EALHNHYTQK SLSLSPGK。
【0062】
以下の実施例によって、本発明を限定することなくより詳細に述べる。
【実施例】
【0063】
実施例1
ヒトFc−GCRの発現
標準の技術によって、GCRの成熟型をコードする配列をオリゴヌクレオチドから完全に合成した。
【0064】
合成したDNAが5’末端にXmal適合性オーバーハングを有し、かつ3’末端にXhol適合性オーバーハングを有するように操作した。
【0065】
このDNAをクローン化し、配列解析によって、突然変異のない成熟GCRタンパクをコードすることを確認した。
【0066】
発現ベクターpdCs−Fc−GCRは、以下のように構築した。Lo等の[Protein Engineering(1998年)第11巻:495ページ]に従って、pdCs−FcベクターのXmal−Xhol断片に、GCRcDNAを含有するXmal−Xhol制限酵素断片を連結させた。得られたベクターpdCs−Fc−GCRを使用して哺乳類の細胞に形質移入し、Fc−GCRの発現に備えた。このベクターは、ヒト免疫グロブリンγ1鎖Fc領域を発現する。
【0067】
Fcタンパク質部分は、通常グリコシル化部位も含んでいる。この部位は、任意選択で、標準の手法によって非グリコシル化配列に変化させてもよい。
【0068】
実施例2
形質導入およびFc−GCR融合タンパク質の発現
一過性の形質移入では、BHK細胞にプラスミドを導入した。プラスミドDNAとリン酸カルシウムの共沈殿[Sambrook等(1989年)の「Molecular Cloning−A Laboratory Manual」、Cold Spring、Harbor、ニューヨーク]によって、または供給者のプロトコルに従ってLipofectamine Plus(Life technologies、メリーランド州ゲーサーズバーグ)を使用するリポフェクションを行うことによって、細胞に形質移入を施した。
【0069】
安定した細胞株を発生するために、一過性の形質移入と細胞株の発生の両方にNS/0細胞を使用した。
【0070】
安定に形質移入されたクローンを得るために、電気穿孔法によって細胞にプラスミドDNAを導入した。約5×106個の細胞をPBSで1度洗浄し、0.5mlのPBSに再懸濁させた。次いで、氷上のGene Pulser Cuvette(電極の間隔0.4cm、Bio Rad)中、線状にしたプラスミドDNA10μgを細胞と共に10分間インキュベートした。電気穿孔法は、Gene Pulser(Bio Rad、カリフォルニア州Hercules)を使用して、設定を0.25Vおよび500マイクロFとして行った。氷上で細胞を10分間かけて回復させ、その後これを増殖培地中に再懸濁させ、次いで96穴プレートに載せた。形質導入後2日目に導入した100nMのメトトレキサート(MTX)存在下で成長させることによって、安定に形質移入されたクローンを選別した。細胞に3日毎にもう2〜3回供給を行うと、2〜3週間中にMTX耐性クローンが出現した。クローンの上清を抗FcELISAによって評価して、高産生株を特定した。高産生クローンを単離し、100nMのMTXを含有する増殖培地中で増殖させた。
【0071】
10%のウシ胎児血清、2nMのグルタミン、およびペニシリン/ストレプトマイシンを補充したダルベッコ変法イーグル培地中でBHKおよびNS/0細胞を成長させた。
【0072】
ゲル電気泳動法による型通りの特徴付けについては、馴化培地中のFc融合タンパク質をプロテインAセファロース(Repligen、マサチューセッツ州ケンブリッジ)上で捕捉し、次いで、2−メルカプトエタノール添加または無添加のタンパク質試料緩衝液中で煮沸することによって溶離した。SDS−ゲルで電気泳動を行った後、クーマシー染色によってタンパク質バンドを可視化した。精製のために、リン酸ナトリウム緩衝液(pH3、100mMのNaH2PO4、150mMのNaCl)中で、プロテインAセファロース上に結合した融合タンパク質を溶離した。次いで、溶離されたものを、pH8の2MトリスHCl 0.1容で直ちに中和した。
【0073】
実施例3
炭水化物の特徴付け
エンドグリコシダーゼHをpH6.0、100mMの酢酸ナトリウムに溶解させ、最終濃度を10単位/mlとした。N−グリカナーゼを250単位/mlの50%グリセロール中の懸濁液として補給した。ヒト胎盤酵素、またはGCR活性を含む50μlのアリコートのデシル−アガロース画分を0.5%SDS/1Mβ−メルカプトエタノールに調整し、2分間沸騰させた。次いで、pH6.0、200mMの酢酸ナトリウム(エンドグリコシダーゼH用)またはpH8.5、200mMのリン酸ナトリウム(N−グリカナーゼ用)に適する緩衝液で試料を希釈して、SDS0.1%、NP−40 0.7%、およびβ−メルカプトエタノール0.02Mの最終組成物とした。試料を再度1分間煮沸し、次いでエンドグリコシダーゼHまたはN−グリカナーゼを加えて、最終濃度をそれぞれ50mu/mlまたは20U/mlとした。消化は、37℃で約16時間とした。両方の脱グリコシル化反応のコントロールとしてカルボキシペプチダーゼYを使用した。
【0074】
実施例4
アミノ酸配列の解析:
アミノ酸配列の解析用に使用した試料は、上述のように、電気泳動法によってSDSゲル上で分別し、次いで、Matsudaira(J.B.C.第262巻:10035ページ、1987年)に記載されているとおりにPVDF膜に移した。通常、電気泳動の後、ゲルをトランスファー緩衝液(0.1MのCAPS、10%のメタノール、pH11.0)中で10分間インキュベートしてからトランスブロットを行った(50maで4時間)。次いで、ゲルをHPLC級の水で5分間洗浄し、(50%メタノール中)0.1%のクーマシーブルーR250で5分間かけて染色し、最後に50%メタノール−10%酢酸で10分間かけて脱染した。PVDF膜を再度HPLC級の水で洗浄し、窒素流存在下で乾燥させ、アミノ酸の配列決定に使用するまで密閉袋中、−20℃で保管した。
【0075】
アミノ酸配列の解析は、120A型オンラインPTHアミノ酸解析装置を装備したApplied Biosystems 470A型の気相配列決定装置を使用して行った。膜細片にポリブレンでの前処理を行わずに、直接にプログラム03R PTHを使用して配列決定を行った。問題のタンパク質バンドを含むPVDF膜のおよそ2×8mmの小片を切除し、テフロンシールの中央に据え、配列決定装置のカートリッジブロック内に配置した。このようにしてPVDF膜の多数の細片を積み重ねることができるので、配列決定に利用できるタンパク質の量が増大する。組換え型GCRの配列を決定するために、100ピコモルのヒト胎盤GCRを電気泳動にかけ、PVDFにトランスブロットし、10回のアミノ酸配列にかけた後に得られた収率と比較することによって、初回の収率および平均反応収率を算出した。
【0076】
本文に記載の方法を使用して、成熟ヒト胎盤GCRのN末端アミノ酸配列と組換え型ヒトGCRのN末端アミノ酸配列を比較した。直接的な化学的配列決定法によって決定された、成熟ヒトGCRおよび組換え型GCRのN末端アミノ酸は同一であり、組換えによって産生された酵素のシグナル配列が正しくプロセシングされていたことを示唆した。
【0077】
実施例5
GCRアッセイ:
pHプロファイルおよび阻害試験については、0.15%のTritonX−100、β−D−1−14Cグルコセレブロシド(50mg/mlのタウロコール酸ナトリウム中7.5mg/ml)2.5μl、および試料を含有する総体積200μlの100mMのリン酸カリウム緩衝液を使用して、GCR活性を測定した。コンズリトールBエポキシドとのプレインキュベーションは、37℃で30分間とした。Kmの決定では、0.15%のTritonX−100および0.125%のタウロコール酸ナトリウムを含有する100mMのリン酸カリウム緩衝液中で人工基質の4−メチルアンベラファリ(methylumbellifery)−β−D−グルコピラノシド(4MUGP)を使用し、pHを5.9として、βグルコシダーゼ活性を評価した。4MUGPを使用して組換え型GCRの精製もモニタした。
【0078】
本明細書で記載した実施例および実施形態は、例示的な目的を考えたものに過ぎないこと、ならびに当分野の技術者なら、様々な変更形態またはそれを考えての変更を考え付くことになろうが、それらが本出願および添付の特許請求の範囲の精神および視野に含まれることを理解されたい。
【0079】
当分野の技術者には、この開示の観点から他の使用法がわかるであろう。

Claims (25)

  1. 本質的に免疫グロブリン分子(Ig)もしくはその断片と免疫グロブリンでない分子とからなる融合タンパク質であって、免疫グロブリンでない分子が、グルコセレブロシダーゼの生物活性を有するタンパク質(GCR様タンパク質)である融合タンパク質。
  2. Ig分子がFc受容体に特異的である請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. Ig分子のC末端がGCR様タンパク質のN末端に共有結合によって結合している請求項1または2に記載の融合タンパク質。
  4. Ig分子とGCR様タンパク質がリンカー分子によって融合されている請求項1から3のいずれかに記載の融合タンパク質。
  5. リンカー分子がプロテアーゼ切断部位を含む請求項4に記載の融合タンパク質。
  6. プロテアーゼ切断部位がリソソームプロテアーゼに特異的な請求項5に記載の融合タンパク質。
  7. GCR様タンパク質がGCRである請求項1から6のいずれかに記載の融合タンパク質。
  8. GCRが切断され(GCRtrunc)、または突然変異している(GCRm)請求項7に記載の融合タンパク質。
  9. GCRまたはGCR様タンパク質が、そのグリコシル化パターンを変更されている、またはグリコシル化されていない請求項7または8に記載の融合タンパク質。
  10. Ig分子がFc部である請求項1から9のいずれかに記載の融合タンパク質。
  11. Ig分子が抗体全体である請求項1から9のいずれかに記載の融合タンパク質。
  12. Ig分子またはその断片が設計されたものである請求項1から11のいずれかに記載の融合タンパク質。
  13. Ig分子のFcRn受容体に対する親和性を低下させてある請求項12に記載の融合タンパク質。
  14. 融合タンパク質内のIg分子を二量体化してある請求項1から13のいずれかに記載の融合タンパク質。
  15. 請求項1から14の融合タンパク質のいずれかをコードするDNA配列。
  16. 請求項1から14の少なくとも一項に記載の融合タンパク質をコードするDNA分子であって、
    (a)シグナル/リーダー配列
    (b)Ig分子
    (c)GCRの生物活性を有する標的タンパク質配列
    を含むDNA分子。
  17. 請求項15または16に記載のDNAを含む発現ベクター。
  18. 請求項17に記載のベクターを含む、請求項1から14の少なくとも一項に記載の融合タンパク質を発現させるのに適する宿主細胞。
  19. 請求項1から14の少なくとも一項に記載の融合タンパク質の産生方法であって、前記方法が
    (i)分泌のためのリーダー配列;Ig分子;GCR、GCRmもしくはGCRtrunc部;および任意選択のリンカー配列を含む前駆体タンパク質をコードするDNAを構築すること、
    (ii)適切な発現ベクター中に前記融合DNAを配置すること、
    (iii)真核細胞中で前記融合タンパク質を発現させること、および
    (iv)前記の分泌された融合タンパク質を精製すること
    を含む方法。
  20. 請求項1から14の少なくとも一項に記載の融合タンパク質と、少なくとも1種の薬剤として許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む薬剤組成物。
  21. 少なくとも1種の追加の薬剤として有効な薬物および/または補助剤を含有する請求項20に記載の薬剤組成物。
  22. 請求項1から14のいずれかに記載の融合タンパク質の、糖脂質蓄積症治療用薬剤組成物の製造での使用。
  23. 糖脂質蓄積症がゴーシェ病、ファブリー病、およびテイ・サックス病からなる群から選択される請求項22に記載の使用。
  24. 糖脂質蓄積症を患う対象に請求項16または17に記載の薬剤組成物を投与することを含む前記疾患の治療方法。
  25. 糖脂質蓄積症がゴーシェ病、ファブリー病およびテイ・サックス病からなる群から選択される請求項18に記載の方法。
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