JP2003522806A - 改良された薬物送達のための生体高分子の修飾 - Google Patents

改良された薬物送達のための生体高分子の修飾

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Abstract

(57)【要約】 ジスルフィド結合によって結合された生体高分子と治療薬とを含んでなる、生物学的に活性なコンジュゲートが開示される。このコンジュゲートは、好適な担体とともに医薬組成物として製剤化された場合、in vivo安定性および活性が向上し、種々の細胞、組織および器官に対するターゲッティングが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本願は、2000年2月15日出願の米国仮出願第60/182,558号お
よび2000年6月14日出願の米国仮出願第60/211,508号の優先権
を主張するものである。本発明は、治療用タンパク質などの治療薬を被験体内の
特定の組織、器官もしくは細胞へ送達するための、またはそのin vivo安定性を
増強することによる治療薬の生物学的利用能を拡大するための、生体高分子の化
学修飾に関する。生体高分子はまず、該生体高分子の側鎖に1個以上のジスルフ
ィド結合を導入するよう修飾される。これにより生体高分子と、これもまた反応
性チオール部分を与えるように修飾された治療薬との反応が促進され、生体高分
子−治療薬コンジュゲートが形成される。生体高分子および治療薬の部位特異的
反応により、その生体高分子によってターゲッティングされる所望の部位へ送達
する上で治療薬の安定性が高くなる。
【0002】
【発明の背景】
生体高分子は、外科的癒着の形成を防止または軽減するための外科用品などの
多様な生物医学用途に、また、薬物送達用途に有用な生体適合性高分子である。
多くの生体高分子は体内に見られる天然物質であることから、生体機能に対して
許容されない毒性または傷害性作用を持たない。このような生体高分子の一例と
して、例えば滑液中、硝子液中、血管壁および臍帯、ならびにその他の結合組織
で見られる天然のムコ多糖であるヒアルロン酸(「HA」)がある。ヒアルロン
酸は、N−アセチル−D−グルコサミン残基とD−グルクロン酸残基が、β1−
3グルクロン結合およびβ1−4グルコサミン結合で交互に結合することによっ
て構成されており、繰り返し単位は−(1→4)−β−D−GlcA−(1→3
)−β−D−GlcNAc−となっている。ヒアルロン酸が水に溶解すると極め
て粘稠な流体となる。天然源から単離されたヒアルロン酸の分子量は、一般に5
×10〜1×10ダルトンの範囲にある。
【0003】 Balazs et al.に対する米国特許第4,582,865号明細書には、とりわ
け、HAの架橋ゲルが、ゲルの巨大分子マトリックスに共有結合されておらず、
そこに分散している低分子量物質の放出を緩慢にすることができることが記載さ
れている。関連技術の開示を含む米国特許第4,636,524号明細書も参照
されたい。これらの両特許には、HAがジビニルスルホンとの反応によって架橋
されているHA組成物および薬物送達用途におけるこの架橋HA組成物の使用が
記載されている。
【0004】 R. V. Sparer et al., 1983, Chapter 6, pages 107-119, in T. J. Roseman
et al., Controlled Release Delivery Systems, Marcel Dekker, Inc., New Yo
rkには、エステル結合により直接、または中間結合基としてアラニンブリッジを
はじめとするエステル複合体により、ヒアルロン酸と共有結合させたクロラムフ
ェニコールの持続放出について記載されている。このHAはアミド結合を介して
HAにシステイン残基を結合させることで修飾され、次に、このシステイン修飾
されたHAは結合したシステイン残基間にジスルフィド結合を形成することで架
橋される。同様に、I. Danishefsky et al., 1971, Carbohydrate Res., Vol. 1
6, pages 199-205には、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド(「EDC」)水溶液の存在下でムコ多糖とアミノ酸エステルと
を反応させることによりムコ多糖のカルボキシル基を置換アミドに変換するムコ
多糖修飾について記載されている。生体高分子のカルボキシル基を求核試薬と反
応させて水溶性アミドを生成することによるヒアルロン酸の修飾、および徐放性
薬物送達のためのその組成物の使用について記載している米国特許第4,937
,270号明細書および米国特許第5,760,220号明細書も参照されたい
【0005】 VivoRx Pharaceuticals, Ins.に譲渡された一連の特許には、医薬上有効な不
溶性薬剤のin vivo送達のための組成物について記載されている。薬剤物質の送
達は、例えば、生体適合性高分子から形成したポリマーシェルに有効薬を封入す
ることにより達成される。この生体適合性高分子は、タンパク質、脂質、DNA
分子、または多糖であってよく、医薬上有効な薬剤はタキソールのような治療用
タンパク質であってよい。この高分子には共有結合スルフィドリル基またはジス
ルフィド結合が含まれ、架橋するとジスルフィド結合を形成し得る。ポリマーシ
ェルは超音波照射法を用いて形成される。これらの組成物は、先行技術の組成物
に比べて毒性が少なく、溶解度が高く、ターゲッティング性が向上していること
が記載されている。関連のVivoRx特許としては、米国特許第5,498,421
号、米国特許第5,439,686号、米国特許第5,362,478号、米国
特許第5,635,207号、米国特許第5,560,933号、米国特許第5
,635,207号および米国特許第5,639,473号がある。
【0006】 米国特許第5,496,872号明細書は、反応性チオール基を有する生体適
合性および生分解性架橋高分子に関するものである。この反応性チオール基は架
橋して隣接する分子間にジスルフィド結合を形成し、三次元ネットワークを形成
し得る。これらの高分子は組織を結合する、または組織と移植した生体材料とを
結合するのに使用できる。
【0007】 米国特許第5,932,552号明細書には、生物医学用途を有するケラチン
ヒドロゲルが記載されている。このヒドロゲルはジスルフィド結合によって結合
した架橋ケラチンから形成される。この特許に記載される生物医学用途の中には
、組織の修復における細胞の足場としてのヒドロゲルの使用がある。
【0008】 米国特許第5,354,853号明細書および同5,451,661号明細書
にはそれぞれ、リン脂質−糖コンジュゲートの製造、およびペプチド、タンパク
質および核酸などの生物学的に活性な薬剤と結合させた脂質が記載されている。
これらのコンジュゲートは薬物送達用途に特に有用であるものとして記載されて
いる。
【0009】 Toole et al.に対する米国特許第5,902,795号明細書には、哺乳類の
癌の治療に用いられる、1〜16の間の繰り返し単位を有するヒアルロン酸オリ
ゴ糖が開示されている。この特許では、オリゴ糖が、細胞移動の際に特定の腫瘍
細胞の表面で発現する膜会合ヒアルロナン結合タンパク質のレベルを下げる働き
をするとされている。この治療は哺乳類における腫瘍転移の発生率を小さくする
と考えられている。
【0010】 A. Burnkop-Schnurch et al., J. Controlled Release, 2000, 66, 39には、
カルボジイミド化学を用いてL−システインで修飾されたカルボキシメチルセル
ロース(「CMC」)およびポリカルボフィルの合成が記載されている。これら
の高分子はシステインと反応して、アミノ酸の主要アミノ基と該高分子のカルボ
ン酸との間でアミド結合を形成する。このチオール化高分子は、酸化されると、
ジスルフィドブリッジを形成する。これらの錠剤の溶解が薬剤を伴う場合と伴わ
ない場合の双方で分析された。これらの錠剤は安定性および粘弾性が向上してい
ることが分かった。
【0011】 同時係属の米国特許出願第09/430,857号は、ヒアルロン酸の結合に
よって修飾された表面に関するものである。この表面はステントまたは外科用チ
ューブのような医療装置の一部であってもよい。この表面は誘導体化されたヒア
ルロン酸と反応する反応性アミノ基を含むように修飾される。修飾された装置お
よび器具は親水性となり、抗付着性および抗血小板接着性を有し、これにより血
栓に関する危険性が小さくなる。
【0012】 本発明による生体高分子コンジュゲートは、生体高分子と治療薬との間のある
程度の部位特異的反応により、被験体の所望の部位に送達する際に治療薬の安定
性および活性が高まることから、先行技術の薬物送達ビヒクルに優る著しい改良
となる。
【0013】
【発明の概要】
本発明は、生体高分子と治療薬がジスルフィド結合によって結合している、生
体高分子−治療薬コンジュゲートに関する。本発明による生物学的に活性なコン
ジュゲートは、被験体内の特定の細胞、器官もしくは組織へ治療用タンパク質を
in vivo送達するための薬物送達媒体(vehicle)として有用である。薬物送達特
異性は、生体高分子構造および分子量を適宜選択することにより達成される。
【0014】 コンジュゲートの製造に用いられる化学作用は、生体高分子と治療薬との間の
部位特異的反応を可能とするものである。治療薬は反応性チオール基を含み、そ
れは、例えばシステインなどのように、非修飾型の治療薬に存在しているもので
あってもよい。あるいは、このチオール基は、通常は反応性チオール基を含まな
い修飾型の治療薬に導入してもよい。
【0015】 一つの実施態様によれば、治療薬はこの反応性チオール基を介して化学修飾型
の生体高分子と反応し得る。この反応は、典型的には、約6.0〜約10の範囲
のpHで起こる。生体高分子は、カルボジイミドのような活性化剤と反応するこ
とで活性化および修飾され、有機ジスルフィド化合物と反応する。この有機ジス
ルフィド化合物は、アミノ基または水酸基など、活性化剤の存在下で生体高分子
のカルボン酸基と反応性のある末端基を含む。この生体高分子、活性化剤および
有機ジスルフィド化合物の反応は約2.0〜8.0のpHで起こる。
【0016】 他の実施態様によれば、治療薬はここでもまたチオール基を介して生体高分子
の還元性末端と反応させることができる。生体高分子をまず、アミノ基または水
酸基など、生体高分子の末端カルボキシル基と反応性のある末端基を含む有機ジ
スルフィド化合物と反応させる。生体高分子と有機ジスルフィド化合物の反応は
広いpH範囲、典型的には約2.0〜9.0のpHで起こる。
【0017】 一つの態様によれば、生体高分子と治療薬の反応によりジスルフィド結合を介
して生体高分子と治療薬の結合が起こる。架橋基またはスペーサー(低級アルキ
ルであり得る)により、生体高分子と治療薬との間に距離が置かれる。この架橋
基およびスペーサーは、治療薬の反応性チオールによる有機ジスルフィド化合物
の開裂によって生じたものである。
【0018】 典型的な生体高分子としては、ヒアルロン酸などのあらゆるポリアニオン性多
糖、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウ
ムおよびヒアルロン酸カルシウムなどのそのあらゆるヒアルロン酸塩、カルボキ
シメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、コンドロイチン−6−硫酸
、硫酸デルマチン(dermatin sulfate)、ヘパリンおよび硫酸ヘパリン、ならび
にポリアクリル酸、ポリカルボフィル、カルボキシメチルキトサン、ポリ−α−
グルタミン酸、ポリ−γ−グルタミン酸、カラギーナンおよびアルギン酸ナトリ
ウムが挙げられる。本発明による生体高分子の共通の特徴は、生体適合性(この
用語は本明細書中で定義されている)であること、カルボン酸官能基を含むこと
、および有機ジスルフィド化合物と反応するように修飾できることである。かか
る修飾は、例えば、生体高分子をカルボジイミドのような好適な活性化剤と反応
させて、そのカルボキシル基を、例えばアミン基または水酸基による求核アタッ
クを受けやすくすることにより起こる。あるいは、このような修飾は、シッフ塩
基を用いて末端カルボニル基を還元することにより、生体高分子の末端基で起こ
り得る。
【0019】 好ましい実施態様によれば、生体高分子は、約7.5×10ダルトン〜約1
×10ダルトンの範囲の分子量を有するヒアルロン酸である。ヒアルロン酸は
、好ましくは活性化剤と反応させて求核アタックを受けやすくすることにより活
性化する。この目的に好適な活性化剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミドおよび1−エチル−3−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミドメチオジドが挙げられる。
【0020】 有機ジスルフィド化合物は、実質的にはジスルフィド結合を有する有機化合物
のいずれであってもよい。このジスルフィド結合はアルキル鎖の一方の末端に位
置し、その鎖のもう一方の末端は生体高分子のカルボニル基と反応性のある基で
終わるのが好ましい。生体高分子と反応する基は、好ましくはアミノ基、カルボ
キシル基または水酸基であり、最も好ましくはアミノ基である。生体高分子と反
応し得ることに加え、この有機ジススルフィド化合物はまた、治療薬の活性型チ
オール基とも反応し得る。好ましい有機ジスルフィド化合物としては、一般に、
ニトロ−ピリジン、チオ−ピリジン、置換S−フェニルジスルフィド、S−スル
ホン酸誘導体、9−アンスリメチルチオエステル、S−カルボキシメチル誘導体
およびニトロ−チオ安息香酸誘導体が挙げられる。より好ましくは、有機ジスル
フィド化合物はチオ−ニトロ−ピリジンであり、最も好ましくは3−ニトロ−2
−ピリジンスルフェニル−エチルアミンである。
【0021】 治療薬は好ましくは次のうちの1つ以上とする:有機小分子、タンパク質、核
酸、抗体、ペプチド、アミノ酸、脂質、多糖、細胞増殖因子、および酵素。より
好ましくは、治療薬は天然もしくは組換えコロニー刺激因子(「CSF」)、ア
ミノ酸またはグルコセレブロシダーゼである。治療薬は修飾生体高分子と反応す
るための反応性チオール基を含んでいなければならない。反応性チオール基は、
システインの場合には本質的に治療薬の一部であってもよいし、あるいは反応性
チオール基は公知の技術を用いて治療用分子に導入してもよい。例えば、遊離チ
オール基を、コンジュゲート形成および修飾のために組換え治療用タンパク質分
子へ導入することができる。さらに、高血圧を治療するのに用いられる薬剤であ
るカプトプリルのようないくつかの治療薬は、本質的に以下の構造:
【化1】 で示されるような遊離スルフィドリル基を含む。治療薬のアミノ基は、便宜には
トラウト試薬(アミノチオラン)と反応させることによりチオールに変換するこ
とができる。
【0022】 治療薬は治療する特定の適応症に対して選択し、生体高分子は、特定の器官、
細胞または組織をターゲッティングする能力に関して、そのタイプおよび分子量
の双方について選択する。例えば、重篤な肝臓病であるゴーシェ病を治療する治
療薬としては、グルコセレブロシダーゼ酵素がある。グルコセレブロシダーゼは
適当な大きさのヒアルロン酸分子とコンジュゲートを形成することにより、肝臓
にターゲッティングすることができる。
【0023】 本発明による生物学的に活性なコンジュゲートは、非コンジュゲート化または
非修飾治療薬の使用に比べて、あるいはポリエチレングリコール(「PEG」)
または脂質などの他の担体またはコンジュゲート化化合物の使用に比べて、治療
薬の安定性を向上させる。安定性が高まることにより、被験体の体内での滞留時
間が長くなり、血流循環時間が長くなる。本発明によるコンジュゲートはまた、
特定の組織、器官および細胞に対するターゲッティングの向上を示す。ターゲッ
ティングの向上は特定のタイプおよび分子量の生体高分子を選択することにより
達成される。
【0024】 さらなる態様によれば、本発明は、生体高分子をジスルフィド結合によってあ
る基材の表面に結合させることを含む。この基材は高分子材料、セラミックまた
は金属であってもよい。好ましくは、この基材はステント、グラフト、縫糸、カ
テーテル、チューブまたはガイドワイヤなどの医療装置または器具の一部である
。この基材はアミノ基を含むように修飾すれば、後にチオール基に変換可能であ
る。次に、この基材を有機ジスルフィド化合物で修飾した生体高分子と反応させ
れば、基材上に生体高分子を固定化することができる。
【0025】 特に示さない限り、本明細書で用いる総ての技術用語および科学用語は、本発
明の属する分野における通常の知識を有する者に一般に理解されているものと同
義である。本明細書に記載のものと同様または同等の方法および材料のいずれを
本発明の実施または試験に用いてもよいが、以下、好ましい方法および材料を記
載する。本明細書において引用する公開特許出願および発行または承認特許をは
じめとする全ての刊行物は、引用することにより本明細書の一部とする。特に示
さない限り、本明細書で使用または意図する技術は当業者に十分に公知な標準的
な方法論である。材料、方法および例は単に説明のためのものであって、限定を
意図するものではない。
【0026】 本発明のその他の特徴および利点については、次の好ましい実施態様の説明お
よび添付の特許請求の範囲より明らかとなろう。
【0027】
【発明の具体的説明】
本発明による生物学的に活性な生体高分子−治療薬コンジュゲートは、種々の
化学的製法を用いて製造できる。本発明によるコンジュゲートの重要な特徴は、
治療薬と生体高分子の間の結合にジスルフィド結合が含まれるということにある
。このジスルフィド結合は、活性型チオールを含む治療薬を、これもまた有機ジ
スルフィド化合物と反応させることでジスルフィド基を含むように修飾した生体
高分子と反応させることにより形成される。本発明による生体高分子−治療薬コ
ンジュゲートを製造する方法を以下にさらに詳細に説明する。
【0028】 このコンジュゲートの製造に先立ち、まず、適当な生体高分子を選択し、治療
薬と反応してジスルフィド結合を形成し得るように生体高分子を修飾する必要が
ある。生体高分子はカルボニル基を含む生体適合性高分子から選択する。本明細
書において「生体適合性」とは、生体機能に対して医療上許容されない毒性また
は傷害性作用を持たない、あるいは身体にとって耐えられる物質を表すものとす
る。許容される生体高分子の例としては、ヒアルロン酸のようなポリアニオン性
多糖、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシ
ウムおよびヒアルロン酸カルシウムなどのそのあらゆるヒアルロン酸塩、カルボ
キシメチルセルロース(「CMC」)、カルボキシメチルアミロース、カルボキ
シメチルキトサン、コンドロイチン−6−硫酸、硫酸デルマチン、ヘパリンおよ
び硫酸ヘパリン、ならびにポリ−α−グルタミン酸、ポリ−γ−グルタミン酸、
カラギーナンおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。本明細書において「ポ
リアニオン性多糖」とは、1を超える負帯電基(例えば約pH4.0を超えるp
H値におけるカルボキシル基)を含有する多糖類を意味するものとする。
【0029】 特定の用途に好適な生体高分子は、特定の組織、器官または細胞をターゲッテ
ィングするそれらの能力およびそれらのin vivo安定性、すなわち、循環系また
は特定の組織、細胞もしくは器官におけるin vivo滞留時間を基にして候補生体
高分子の群から選択する。好ましい実施態様によれば、生体高分子は、約7.5
×10ダルトン〜約1×10ダルトンの範囲の分子量を有するヒアルロン酸
である。
【0030】 これらの生体高分子は、好適な活性化剤と反応させて生体高分子上のカルボキ
シル基を求核アタックを受けやすくすることにより、「活性化」することができ
る。好適な活性化剤としては、カルボジイミド、好ましくは1−エチル−3−(
3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよび1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミドメチオジドが挙げられる。生体高分子と
活性化剤の間の反応は、水性媒質中で、好ましくは約2.0〜約8.0のpH、
より好ましくは約4.0〜約5.1のpHで起こる。生体高分子の活性化は、治
療薬が生体高分子の中間カルボン酸基と結合されるならば有用であり得る。
【0031】 この活性化生体高分子を有機ジスルフィド化合物と反応させる。好適な有機ジ
スルフィド化合物としては、ニトロ−ピリジン、チオ−ピリジン、置換S−フェ
ニルジスルフィド、S−スルホン酸誘導体、9−アンスリメチルチオエステル、
S−カルボキシメチル誘導体およびニトロ−チオ安息香酸誘導体をはじめとする
広範な分子から選択することができるが、好ましくはチオ−ニトロ−ピリジンで
ある。特に好ましい有機ジスルフィド化合物は3−ニトロ−2−ピリジンスルフ
ェニル−エチルアミンである。
【0032】 一つの実施態様によれば、有機ジスルフィド化合物は一般式: R−L−S−S−M {式中、Rはアミノ基、水酸基またはカルボニル基であり、Lは、場合により存
在するスペーサー、好ましくは低級ノルマルまたはイソ置換アルキル基、より好
ましくはエチル基であり、各Sは硫黄原子であり、かつ、Mは有機部分である}
の化合物である。スペーサーLは、活性化された生体高分子と反応性のある末端
基を含む。好ましくは、末端基は、アミノ基、カルボキシル基または水酸基であ
るが、最も好ましくはアミノ基である。生体高分子と反応し得ることに加え、有
機ジスルフィド化合物はまた、治療薬の活性なチオール基とも反応し得る。
【0033】 本発明において好ましい有機ジスルフィド化合物である3−ニトロ−2−ピリ
ジンスルフェニル−エチルアミンの製造は以下のように示すことができる。
【化2】
【0034】 上記のように、ベンジル−3−ニトロ−2−ピリジル−スルフィドをジクロロ
エタンおよび塩化スルフリルと反応させて塩化3−ニトロ−2−ピリジンスルフ
ェニルを製造する。この塩化3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルを2−アミ
ノエタンチオールおよび蟻酸と反応させて、沈殿生成物として3−ニトロ−2−
ピリジンスルフェニル−エチルアミンを製造する。
【0035】 次に、活性化された生体高分子を以下の反応スキーム: G−COOH+R−L−S−S−M→G−COR−L−S−S−M {式中、Gはペンダントカルボキシル基を有する生体高分子であり、Rは好まし
くはアミノ基であり、Lは、場合により存在するスペーサー、好ましくは低級ア
ルキル基であり、各Sは硫黄原子であり、かつ、Mは有機部分である}で示され
るように、有機ジスルフィド化合物と反応させることができる。好ましくは、こ
の有機ジスルフィド化合物は3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル−エチルア
ミン(「NEA」)であり、NEAと、好ましい生体高分子であるヒアルロン酸
の反応は以下に示されるように説明することができる。なお、「EDC」は1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを表し、「HOB
t」はヒドロキシベンゾトリアゾールを表す。
【0036】
【化3】
【0037】 あるいは、生体高分子は以下の反応スキーム: G−CHO+R−L−S−S−M→G−C−R−L−S−S−M {式中、G、R、L、SおよびMは上記定義の通り}に示されるように、有機ジ
スルフィド化合物と反応させることができる。好ましくは、この有機ジスルフィ
ド化合物は3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル−エチルアミン(「NEA」
)であり、NEAと、好ましい生体高分子であるヒアルロン酸の反応は以下に示
されるように説明することができる。なお、NaCNBHはシアノ水素化ホウ
素ナトリウムである。
【0038】
【化4】
【0039】 上記で説明した反応スキームでは、生体高分子末端の環は、炭水化物において
自然に起こる変旋光平衡の結果として開環する。これにより、分子中の唯一のア
ルデヒド基である末端アルデヒド基が生じ、シッフ塩基が生じ得る。アルデヒド
は有機ジスルフィド化合物の末端アミノ基と反応する。シアノ水素化ホウ素ナト
リウムの添加は、生じたシッフ塩基を還元するための周知の反応である。シッフ
塩基を還元できることが知られているその他の試薬としては、水素化ホウ素ナト
リウム、水素化ホウ素リチウム、シアノ水素化ホウ素リチウム、水素化ナトリウ
ムアンモニウム、水素化リチウムアンモニウム、シアノ水素化ホウ素テトラブチ
ルアンモニウム、ナトリウムアマルガム、カリウムグラファイト、および白金ま
たはニッケル上での触媒的水素化が挙げられる。
【0040】 上述のように、この実施態様では、有機ジスルフィド化合物の結合により生体
高分子の末端を還元することになる。これにより、量的に制御される方式で、生
体高分子1モル当たり有機ジスルフィド化合物1モルが反応し、収率が高くなり
、しかもより厳密な薬剤ターゲッティングおよび送達が可能となる。
【0041】 有機ジスルフィド化合物の結合は、生体高分子内に内在するアルデヒドに限定
する必要はない。例えば、Raja et al., Analytical Biochemistry 139: 168-17
7, (1984)に記載されているように、還元/酸化系によって生体高分子にアルデ
ヒドを導入することもできる。あるいは、水酸基またはカルボキシル基など、生
体高分子の既存の官能基を修飾することにより、生体高分子にアルデヒドを結合
させることもできる。これに伴う方法は化学分野では周知である。ひとたび生体
高分子にアルデヒドを導入または結合できれば、本明細書に記載のように有機ジ
スルフィド化合物がその生体高分子と反応し得る。
【0042】 次に、生体高分子−有機ジスルフィド複合体を、選択した治療薬と反応させる
。治療薬は治療する特定の病態、およびターゲッティングする器官、組織または
細胞に基づいて選択する。好適な治療薬としては、有機小分子、タンパク質、核
酸、抗体、ペプチド、アミノ酸、脂質、多糖、細胞増殖因子、および酵素が挙げ
られる。より好ましくは、治療薬は天然または組換えコロニー刺激因子、アミノ
酸またはグルコセレブロシダーゼである。
【0043】 グルコセレブロシダーゼは、ゴーシェ病として知られる肝臓症状を治療するの
に用いられる酵素である。グルコセレブロシダーゼを治療薬として選択する場合
、治療薬を肝細胞へターゲッティングするために適当な分子量のヒアルロン酸を
選択することも有利である。
【0044】 治療薬とHA−NEA複合体の反応は以下に示されるように説明できる。
【化5】
【0045】 上記の反応スキームに示されるように、選択した治療薬はHA−NEAコンジ
ュゲートと反応してチオ−ニトロ−ピリジン残基を脱離する活性型チオール(−
SH)基を含む。治療薬(上記では黒丸で示されている)は、ジスルフィド結合
とアミン末端を有するエチル鎖(スペーサー)によってヒアルロン酸に結合され
る。この反応は約6〜10の範囲の中性〜塩基性pHで起こる。
【0046】 本発明による生物学的に活性なコンジュゲートは、周知の製剤化プロトコール
を用い、適当な医薬上許容される担体、および所望により他の治療薬または診断
薬とともに、医療診断または治療用の医薬組成物として製剤化することができる
。医薬組成物の投与は、錠剤、移植片、注射溶液などのような適当なビヒクルを
用いて行なうことができる。許容される担体としては、緩衝剤およびアジュバン
トが挙げられる。医薬組成物中で用いる生物学的に活性なコンジュゲートの正確
な量は、治療する症状の性質、および用いる治療薬の効力に基づいて決定できる
。本発明では、局所投与と徐放性投与による療法を考える。この用途に用いる場
合、「被験体」とは、限定されるものではないが、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブ
タ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、霊長類、ラットおよびマウスをはじめとするヒト
または非ヒト哺乳類を表すものとする。
【0047】 また、本発明による方法は、医療装置または器具の表面修飾にも使用できる。
ヒアルロン酸などの生体高分子は、例えば、以下に示すように、トラウト試薬、
次いでHA−NEAと反応することができる露出したアミノ基を含むように修飾
された基材面に固定化することができる。
【0048】
【化6】
【0049】 例えば、アリルアミンの常温プラズマ蒸着によって製造したアミノ化面をトラ
ウト試薬のような試薬で処理してアミノ基を遊離チオール基に変換する。この誘
導体化した表面を、次いでHA−NEAで処理し、ジスルフィド結合によって表
面にHAを固定化する。このアプローチの利点は、生体高分子において表面と活
性化されたジスルフィドの間の遊離スルフィドリル基に反応特異性があることで
ある。これらの反応条件下、活性化された生体高分子は表面と反応できるだけで
、他の生体高分子の分子とは反応できず、これにより生体高分子の厚さが十分規
定される修飾面ができる。これに対し、グルタルアルデヒドおよびカルボジイミ
ドなどの外から加える活性化剤を用いて同じ結果を得ようとしても、高分子間の
共有結合が形成され、生体高分子被覆の厚さが制御できずに厚くなる可能性があ
る。もう1つの利点としては、水性溶媒、周囲温度、および約6〜10の範囲の
pHの使用といった穏やかな反応条件の使用にある。
【0050】 この表面修飾を用いることにより、ステントまたはカテーテルの表面特性を改
良したり、血小板の活性化や凝集を防いだり、あるい細胞接着を防いだりするこ
とができる。このアプローチのさらなる利点は、HAが表面と反応するだけでそ
れ自体とは反応せず、従って、HA層の厚さおよび組成が容易に制御できること
にある。
【0051】 上記の説明から、当業者ならば、本発明の実質的な特徴を容易に確認すること
ができ、また、本発明の精神および範囲から外れることなく、本発明の種々の変
更および改変をなして種々の用途および条件にそれを適合させることができる。
【0052】 当業者には明らかであろうが、本発明による方法の具体的詳細は本明細書に例
示される具体的方法とは異なってもよい。
【0053】 以下、本発明の実施例を単に説明のために挙げるが、これらは添付の特許請求
の範囲で示される本発明を限定するものではない。実施例1 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル−エチルアミン(NEA)の合成 ベンジル−3−ニトロ−2−ピリジルスルフィド(10グラム、40.6mm
ol)をトルエンとの共蒸発により共沸乾燥させ、1,1−ジクロロエタン(2
1mL)に溶かした。反応溶液を0℃まで冷却し、塩化スルフリル(4.24m
L、52.78mmol)、次いでトリエチルアミン(100μL、1.4mm
ol)を加えた。これにより生じた沈殿を回収し、ヘキサンで洗浄し、減圧下で
乾燥させ、さらに精製せずに用いた。
【0054】 90%蟻酸230mL中の2−アミノエタンチオール(4.1グラム、36.
19mmol)溶液に、上記の塩化3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルを加
えた。この溶液を1時間激しく攪拌した。生じた沈殿を濾別し、上清に多量のジ
エチルエーテルを加えた。沈殿を回収し、温メタノールに溶解し、再度ジエチル
エーテルで沈殿させた。3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル−エチルアミン
は全体収率68%で得られた。
【0055】実施例2 1%〜2%NEA修飾を有するHA−NEAの合成 70キロダルトンHAの8.0%溶液(312μL、62μmol)に、1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール(「HOBt」)(16.8mg、124μmo
l)を加えた。この溶液にNEA(25.0mg、93μmol)を加えた。反
応混合物のpHを、2MのHClを添加しすることにより3.0に調整した。こ
の酸性化した反応混合物に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−
カルボジイミド(「EDC」)(35.7mg、186μmol)を加え、混合
物を室温で1.5時間攪拌した。上記の試薬の総てを十分な量の水に溶かし、最
終のHA濃度を反応溶液の1%とした。反応物を、リン酸緩衝生理食塩水(「P
BS」)に対して24時間透析した後、水に対してさらに24時間透析すること
により精製した。生成物は凍結乾燥により回収した。
【0056】実施例3 15%〜20%NEA修飾を有するHA−NEAの合成 70キロダルトンHAの8.0%溶液(312μL、62μmol)に、HO
Bt(16.8mg、124μmol)を加えた後、NEA(25.0mg、9
3μmol)を加えた。反応混合物のpHを、2MのHClを添加することによ
り3.0に調整した。この酸性化した反応混合物にEDC(71.3mg、37
2μmol)を加え、混合物を室温で1.5時間攪拌した。上記の試薬の総てを
十分な量の水に溶かし、最終のHA濃度を反応溶液の1%とした。反応物を、リ
ン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)に対して24時間透析した後、水に対してさ
らに24時間透析することにより精製した。生成物は凍結乾燥により回収した。
【0057】実施例4 40%〜50%NEA修飾を有するHA−NEAの合成 70キロダルトンHAの8.0%溶液(312μL、62μmol)に、HO
Bt(16.8mg、124μmol)を加えた後、NEA(25.0mg、9
3μmol)を加えた。反応混合物のpHを、2MのHClを添加することによ
り3.0に調整した。この酸性化した反応混合物にEDC(178.3mg、9
30.1μmol)を加え、混合物を室温で1.5時間攪拌した。上記の試薬の
総てを十分な量の水に溶かし、最終のHA濃度を反応溶液の1%とした。反応物
を、リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)に対して24時間透析した後、水に対
してさらに24時間透析することにより精製した。生成物は凍結乾燥により回収
した。
【0058】実施例5 N−メチルピロリドン(「NMP」)50部と水50部の溶媒混合物を用いたH A−NEAの合成 70キロダルトンHAの8.0%溶液(312μL、62μmol)に、HO
Bt(16.8mg、124μmol)を加えた後、NEA(25.0mg、9
3μmol)を加えた。反応混合物のpHを、2MのHClを添加することによ
り3.0に調整した。この酸性化した反応混合物にEDC(35.7mg、18
6μmol)を加え、混合物を室温で1.5時間攪拌した。上記の試薬の総てを
十分な量の50:50NMP/水混合物に溶かし、最終のHA濃度を反応溶液の
1%とした。反応物を、リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)に対して24時間
透析した後、水に対してさらに24時間透析することにより精製した。生成物は
凍結乾燥により回収した。
【0059】実施例6 エチルアルコール50部と水50部の溶媒混合物を用いたHA−NEAの合成 70キロダルトンHAの8.0%溶液(312μL、62μmol)に、HO
Bt(16.8mg、124μmol)を加えた後、NEA(25.0mg、9
3μmol)を加えた。反応混合物のpHを、2MのHClを添加することによ
り3.0に調整した。この酸性化した反応混合物にEDC(35.7mg、18
6μmol)を加え、混合物を室温で1.5時間攪拌した。上記の試薬の総てを
十分な量の50:50EtOH/水混合物に溶かし、最終のHA濃度を反応溶液
の1%とした。反応物を、リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)に対して24時
間透析した後、水に対してさらに24時間透析することにより精製した。生成物
は凍結乾燥により回収した。
【0060】実施例7 高分子量HAを用いたHA−NEAの合成 100キロダルトンHAの1.0%溶液(5mL、124μmol)に、HO
Bt(33.5mg、248μmol)を加えた後、50.0mg(186μm
ol)のNEAを加えた。反応混合物のpHを、2MのHClを添加することに
より3.0に調整した。この酸性化した反応混合物にEDC(142.7mg、
744μmol)を加え、混合物を室温で1.5時間攪拌した。上記の試薬の総
てを十分な量の水に溶かし、最終のHA濃度を反応溶液の0.2%とした。反応
物を、リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)に対して12時間透析した後、水に
対してさらに12時間透析することにより精製した。生成物は凍結乾燥により回
収した。
【0061】実施例8 HA−NEAの特性決定 上記のように製造したHA−NEAのUV分析によれば、345nmにおいて
λ最大値が見られるが、これはDTTで還元した際に401nmへの深色シフト
が起きる3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基に相当する(図1)。
NMRによれば、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基から生じる芳香族領
域内の明確な一連のピークが示される(図2)。修飾されたHA構造の根拠はI
Rスペクトルにも見られる(図3)。アミド系は1655cm−1に見られ、1
655cm−1におけるHAカルボキシルピークは小さくなっている。IRスペ
クトルは3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基、特にそれぞれ1557cm −1 と746cm−1に存在する芳香族ニトロ系およびピリジニル系に帰属させ
ることができるさらなるピークを含む。
【0062】実施例9 35%NEA修飾を有する末端結合HA−NEAの合成 HAの2.0%溶液(60キロダルトン、pH4.1)10mLにNEA(6
4.5mg、240μmol)を加えた。反応物を室温で24時間攪拌し、その
時、シアノ水素化ホウ素ナトリウム151mg(2.4mmol)を加えた。次
いで、この混合物を1時間攪拌した。混合物は、0.45μmフィルターで濾過
し、1MのNaClに対して24時間透析した後、PBSおよび水に対してさら
に48時間透析することにより精製した。生成物は凍結乾燥により回収した。
【0063】実施例10 50%NEA修飾を有する末端結合HA−NEAの合成 HAの10.0%溶液(60キロダルトン、pH4.1)10mLにNEA(
64.5mg、240μmol)を加えた。反応物を室温で24時間攪拌し、そ
の時、シアノ水素化ホウ素ナトリウム151mg(2.4mmol)を加えた。
次いで、この混合物を1時間攪拌した。混合物は、0.45μmフィルターで濾
過し、1MのNaClに対して24時間透析した後、PBSおよび水に対してさ
らに48時間透析することにより精製した。生成物は凍結乾燥により回収した。
【0064】実施例11 HAに対するシステインの結合 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルの量に対して2.25当量のダンシル
−L−システインを、HA−NEA複合体(4mg、10μmol)に加えた。
そのpHを0.5MのHClを用いて6.5に調整し、反応物をPBSに対して
12時間透析した後、水に対してさらに12時間透析した。次いで、保持物を凍
結乾燥し、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル修飾の量に対して定量的なシ
ステイン組み込みを伴うHA−システインコンジュゲートを形成した。
【0065】実施例12 HAに対するシステインの結合 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルの量に対して2.25当量のダンシル
−L−システインを、HA−NEA複合体(4mg、10μmol)に加えた。
そのpHを0.5MのHClを用いて8.0に調整し、反応物を室温で2時間攪
拌した。反応混合物をPBSに対して12時間透析した後、水に対してさらに1
2時間透析した。次いで、保持物を凍結乾燥し、3−ニトロ−2−ピリジンスル
フェニル修飾の量に対して定量的なシステイン組み込みを伴うHA−システイン
コンジュゲートを形成した。
【0066】実施例13 HAに対するシステインの結合 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルの量に対して2.25当量のダンシル
−L−システインを、HA−NEA複合体(4mg、10μmol)に加えた。
そのpHを0.5MのHClを用いて10.0に調整し、反応物を室温で2時間
攪拌した。反応混合物をPBSに対して12時間透析した後、脱イオン水に対し
てさらに12時間透析した。次いで、保持物を凍結乾燥し、3−ニトロ−2−ピ
リジンスルフェニル修飾の量に対して定量的なシステイン組み込みを伴うHA−
システインコンジュゲートを形成した。
【0067】実施例14 HAの還元性末端に対するシステインの結合 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルの量に対して2.25当量のダンシル
−L−システインを、43mg(0.64μmol)のHA−NEA複合体に加
えた。反応物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を0.1MのNaClに対し
て12時間透析した後、脱イオン水に対してさらに12時間透析した。次いで、
保持物を凍結乾燥し、HA−システインコンジュゲートを形成した。
【0068】実施例15 HAに対するリボヌクレアーゼAの結合 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニルの量に対して2.25当量のダンシル
−L−システインを、HA−NEA複合体(4mg、10μmol)に加えた。
そのpHを0.5MのHClを用いて10.0に調整し、反応物を室温で2時間
攪拌した。反応混合物をPBSに対して12時間透析した後、脱イオン水に対し
てさらに12時間透析した。次いで、保持物を凍結乾燥し、3−ニトロ−2−ピ
リジンスルフェニル修飾の量に対して定量的なシステイン組み込みを伴うHA−
システインコンジュゲートを形成した。
【0069】 以上、本発明を特定の好ましい実施態様により説明したが、その他の改良、改
変および変更も容易になすことができることは当業者にとって明らかである。か
かる改良、改変および変更も総て、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の
範囲内にあるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル−エチルアミンで修飾したヒアルロン
酸のUV分析結果を示すグラフである。
【図2】 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル−エチルアミンで修飾したヒアルロン
酸のH NMRトレースである。
【図3】 3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル−エチルアミンで修飾したヒアルロン
酸のIRスペクトルのトレースである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C076 AA11 AA36 AA95 BB01 BB11 CC14 CC16 CC27 CC42 EE09 EE30 EE32 EE36 EE37 EE41 FF31 FF63

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: A−L−S−S−B {式中、Aは生体高分子であり、Lは場合により存在するスペーサーであり、B
    は治療薬であり、かつ、各Sは硫黄原子である} の化合物を含んでなる、生物学的に活性な、生体高分子と治療薬とのコンジュゲ
    ート。
  2. 【請求項2】 スペーサーが低級ノルマルまたはイソ置換アルキル基である、請求項1に記載
    のコンジュゲート。
  3. 【請求項3】 スペーサーがエチル基である、請求項2に記載のコンジュゲート。
  4. 【請求項4】 スペーサーが存在しない、請求項1に記載のコンジュゲート。
  5. 【請求項5】 生体高分子が、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
    ルアミロース、カルボキシメチルキトサン、コンドロイチン−6−硫酸、硫酸デ
    ルマチン、ポリカルボフィル、ヘパリンおよび硫酸ヘパリンからなる群から選択
    される、請求項1に記載のコンジュゲート。
  6. 【請求項6】 生体高分子がヒアルロン酸である、請求項5に記載のコンジュゲート。
  7. 【請求項7】 ヒアルロン酸の分子量が約7.5×10ダルトン〜約1×10ダルトンの
    範囲である、請求項6に記載のコンジュゲート。
  8. 【請求項8】 生体高分子が、ポリアクリル酸、ポリ−α−グルタミン酸、ポリ−γ−グルタ
    ミン酸、カラギーナン、アルギン酸カルシウムおよびアルギン酸ナトリウムから
    なる群から選択される、請求項1に記載のコンジュゲート。
  9. 【請求項9】 治療薬が、有機小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、抗体、アミノ酸、脂質
    、多糖、細胞増殖因子、および酵素からなる群から選択される、請求項1に記載
    のコンジュゲート。
  10. 【請求項10】 治療薬が天然または組換えコロニー刺激因子である、請求項9に記載のコンジ
    ュゲート。
  11. 【請求項11】 治療薬がアミノ酸である、請求項9に記載のコンジュゲート。
  12. 【請求項12】 治療薬がグルコセレブロシダーゼである、請求項9に記載のコンジュゲート。
  13. 【請求項13】 生体高分子が、その生体高分子主鎖上の1個以上のペンダントカルボン酸基に
    よってコンジュゲートの残りの部分と結合している、請求項1に記載のコンジュ
    ゲート。
  14. 【請求項14】 生体高分子が、その生体高分子の末端部分の一個のカルボニル基によってコン
    ジュゲートの残りの部分と結合している、請求項1に記載のコンジュゲート。
  15. 【請求項15】 式: A−L−S−S−B {式中、Aは生体高分子であり、Lは場合により存在するスペーサーであり、B
    は治療薬であり、かつ、各Sは硫黄原子である} の化合物を含んでなる、生物学的に活性な、生体高分子と治療薬とのコンジュゲ
    ートの製造方法であって、 被験体の細胞種、組織種または器官に対して特異性を有する生体高分子を選択
    し、 その生体高分子を、スペーサーおよび該生体高分子と反応し得る末端基を含有
    する有機ジスルフィド化合物と反応させ、 所望のin vivo標的へ送達する特定用途の治療薬を選択し(ここで、この治療
    化合物は反応性チオール基を含有する)、 この修飾治療薬を修飾生体高分子と反応させて生物学的に活性な式A−L−S
    −S−Bのコンジュゲートを形成し、さらに その生物学的に活性なコンジュゲートを単離する 工程を含んでなる、方法。
  16. 【請求項16】 生体高分子が、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
    ルアミロース、カルボキシメチルキトサン、コンドロイチン−6−硫酸、硫酸デ
    ルマチン、ポリカルボフィル、ヘパリンおよび硫酸ヘパリンからなる群から選択
    される、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 生体高分子がヒアルロン酸である、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ヒアルロン酸の分子量が約7.5×10ダルトン〜約1×10ダルトンの
    範囲である、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 有機ジスルフィド化合物が3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル−エチルア
    ミンである、請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 生体高分子を、有機ジスルフィド化合物と反応させる前にカルボジイミドと反
    応させる、請求項17に記載の方法。
  21. 【請求項21】 生体高分子を、有機ジスルフィド化合物と反応させる前に活性化剤と反応させ
    ることにより活性化する、請求項16に記載の方法。
  22. 【請求項22】 生体高分子が、その生体高分子主鎖上の1個以上のペンダントカルボン酸基に
    よってコンジュゲートの残りの部分と結合している、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 生体高分子が、ポリアクリル酸、ポリ−α−グルタミン酸、ポリ−γ−グルタ
    ミン酸、カラギーナンおよびアルギン酸ナトリウムからなる群から選択される、
    請求項15に記載の方法。
  24. 【請求項24】 治療薬が、有機小分子、タンパク質、ペプチド、核酸、アミノ酸、抗体、脂質
    、多糖、細胞増殖因子、および酵素からなる群から選択される、請求項15に記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 治療薬が天然または組換えコロニー刺激因子である、請求項24に記載の方法
  26. 【請求項26】 治療薬がアミノ酸である、請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 治療薬がグルコセレブロシダーゼである、請求項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】 生体高分子がその生体高分子の末端部分の一個のカルボニル基によってコンジ
    ュゲートの残りの部分と結合している、請求項15に記載の方法。
  29. 【請求項29】 生体高分子、活性化剤、および有機ジスルフィド化合物の反応生成物を含んで
    なり、前記生体高分子が、有機ジスルフィド化合物の末端部分のアミノ基または
    水酸基と反応する少なくとも1個のカルボン酸基を生体高分子主鎖上に含有する
    ものである、化学修飾された生体高分子。
  30. 【請求項30】 生体高分子が、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
    ルアミロース、カルボキシメチルキトサン、コンドロイチン−6−硫酸、硫酸デ
    ルマチン、ポリカルボフィル、ヘパリンおよび硫酸ヘパリンからなる群から選択
    される、請求項29に記載の化学修飾された生体高分子。
  31. 【請求項31】 生体高分子がヒアルロン酸である、請求項30に記載の化学修飾された生体高
    分子。
  32. 【請求項32】 生体高分子が、ポリアクリル酸、ポリ−α−グルタミン酸、ポリ−γ−グルタ
    ミン酸およびアルギン酸塩からなる群から選択される、請求項29に記載の化学
    修飾された生体高分子。
  33. 【請求項33】 有機化合物が、ニトロ−ピリジン、チオ−ピリジン、置換S−フェニルジスル
    フィド、S−スルホン酸誘導体、9−アンスリメチルチオエステル、S−カルボ
    キシメチル誘導体およびニトロ−チオ安息香酸誘導体からなる群から選択される
    、請求項29に記載の化学修飾された生体高分子。
  34. 【請求項34】 有機化合物がチオ−ニトロ−ピリジンである、請求項33に記載の化学修飾さ
    れた生体高分子。
  35. 【請求項35】 末端基がアミノ基である、請求項29または33に記載の化学修飾された生体
    高分子。
  36. 【請求項36】 ジスルフィドが、低級ノルマルまたはイソ置換アルキルスペーサーによって末
    端基に結合している、請求項29または33に記載の化学修飾された生体高分子
  37. 【請求項37】 生体高分子、還元剤、および有機ジスルフィド化合物の反応生成物を含んでな
    り、前記生体高分子が、有機ジスルフィド化合物の末端部分のアミノ基または水
    酸基と反応するカルボニル基を該生体高分子の末端部分に含有するものである、
    化学修飾された生体高分子。
  38. 【請求項38】 生体高分子が、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
    ルアミロース、カルボキシメチルキトサン、コンドロイチン−6−硫酸、硫酸デ
    ルマチン、ポリカルボフィル、ヘパリンおよび硫酸ヘパリンからなる群から選択
    される、請求項37に記載の化学修飾された生体高分子。
  39. 【請求項39】 生体高分子がヒアルロン酸である、請求項38に記載の化学修飾された生体高
    分子。
  40. 【請求項40】 生体高分子が、ポリアクリル酸、ポリ−α−グルタミン酸、ポリ−γ−グルタ
    ミン酸およびアルギン酸塩からなる群から選択される、請求項37に記載の化学
    修飾された生体高分子。
  41. 【請求項41】 有機化合物が、ニトロ−ピリジン、チオ−ピリジン、置換S−フェニルジスル
    フィド、S−スルホン酸誘導体、9−アンスリメチルチオエステル、S−カルボ
    キシメチル誘導体およびニトロ−チオ安息香酸誘導体からなる群から選択される
    、請求項37に記載の化学修飾された生体高分子。
  42. 【請求項42】 有機化合物がチオ−ニトロ−ピリジンである、請求項41に記載の化学修飾さ
    れた生体高分子。
  43. 【請求項43】 末端基がアミノ基である、請求項37または41に記載の化学修飾された生体
    高分子。
  44. 【請求項44】 ジスルフィドが、低級ノルマルまたはイソ置換アルキルスペーサーによって末
    端基に結合している、請求項37または41に記載の化学修飾された生体高分子
  45. 【請求項45】 請求項1に記載のコンジュゲートと医薬上許容される担体を含んでなる、医薬
    組成物。
  46. 【請求項46】 生体高分子が癌細胞をターゲッティングするように選択される、請求項45に
    記載の医薬組成物。
  47. 【請求項47】 生体高分子が肝細胞をターゲッティングするように選択される、請求項45に
    記載の医薬組成物。
  48. 【請求項48】 生体高分子が脾臓細胞をターゲッティングするように選択される、請求項45
    に記載の医薬組成物。
  49. 【請求項49】 治療薬が天然または組換えコロニー刺激因子である、請求項45に記載の医薬
    組成物。
  50. 【請求項50】 生物学的に活性なコンジュゲートの持続性in vivo放出をもたらすように製剤
    化されている、請求項45に記載の医薬組成物。
  51. 【請求項51】 請求項45に記載の医薬組成物を被験体に投与することを含んでなる、被験体
    の治療方法。
  52. 【請求項52】 医薬組成物が被験体において増強されたin vivo安定性を有する、請求項51
    に記載の方法。
  53. 【請求項53】 医薬組成物が肝細胞をターゲッティングするものである、請求項51に記載の
    方法。
  54. 【請求項54】 医薬組成物が癌細胞をターゲッティングするものである、請求項51に記載の
    方法。
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