JP2004525037A - 流体ディスペンサ装置 - Google Patents

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Abstract

流体ディスペンサ装置であって、本体(1)と、半分ずつ2回に分けて投与される流体を格納する貯蔵器(3)と、投与開口部(30)と、そして、駆動されるたびに流体を半分の分量ずつ投与する投与手段(5,6,7,8,9)とを有し、前記投与手段は、投与手段が連続して駆動される2回の機会のそれぞれにおいて、流体が半分の分量ずつ投与されるように実装されており、前記2回の連続する駆動機会において、装置のユーザが一方の手だけで投与手段を駆動することが可能であり、当該ディスペンサ装置は更に、ユーザの手の中でエネルギーを蓄積するように調整されたエネルギー蓄積手段(50,51,55)を有し、前記エネルギーは、ユーザの手によって前記投与手段に加えられる所定の強さの力から瞬時に解放され、それによって、半分の分量のそれぞれが残らず投与されることを保証しており、特徴となるのは、投与手段が、流体投与のために前記貯蔵器(3)の内部でスライド移動するように設置されたピストンなどの投与部材(8)と、休止位置と駆動位置との間を移動するように設置され、ユーザから駆動力を加えられることで前記貯蔵器(3)内部の前記投与部材(8)を移動させる、という駆動要素(5)であって、投与部材(8)の移動方向を実質的に横切る方向に移動するよう設置された前記駆動要素と、そして、投与手段が駆動されるたびに半分の分量の流体が投与されるようにする、分量分割手段(7,12)と、を有する点である、という前記流体ディスペンサ装置。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は流体ディスペンサ装置に関し、更に詳しく言えば、2回分タイプの装置(すなわち、半分ずつ2回に分けて連続投与するタイプのもの)に関する。
【背景技術】
【0002】
2回分タイプのディスペンサ装置自体は、すでによく知られているものである。これらは、特に薬物の投与、さらに具体的には、鼻の内部へのワクチン投与に用いられる。既存の装置では、例えば、2つある鼻孔のそれぞれに半分ずつ分けて投与しようとする場合に、分量を半分ずつの2回分に小分けできるようにするため、2つの要素を備えるのが一般的である。1つは貯蔵器を保持するもの、もう1つはピストンを保持するものである。これらが圧縮され、互いに向かって軸方向に移動すると、最初の半分が投与開口部を通って鼻孔内に放出される。分量を小分けするために、ピストンはストロークの半分まで進んだところで肩によって止められる構成になっている。そして、ピストンにストロークの残り半分を進ませるためには(すなわち、残り半分の分量を投与させるためには)、ピストン要素を貯蔵器に対して手動で回転させる必要がある。こうした型のシステムは安全かつ正確であるが、比較的複雑な操作が求められ、そのために、所望の効果を得るため、及び、2つの鼻孔のそれぞれに半分ずつの分量を2回連続して投与することを可能にするためには、両手を使わなければならない。残念ながら、2つの鼻孔のそれぞれに半分ずつの分量を2回連続して投与するために両手とも使わなければならないということは、場合によっては好ましくない。具体的に言えば、流体の投与を子供に対して行う場合など、一方の手は子供の頭を支えるために空けておく必要があろう。
【0003】
半分ずつの流体がそれぞれ残らず投与されることを保証するために(具体的に言えば、流体の一部が投与されずに残ってしまう事態を防止するために)、そして、流体が細かい霧状で噴霧されるようにするために、エネルギー蓄積手段を設けることも考えられる。こうした手段は一般的に、破壊可能な部材ブリッジ(bridges of material)を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
残念なことに、こうした種類の、従来技術として知られているエネルギー蓄積手段については、装置の輸送中に(すなわち、使用前に)部材ブリッジが壊れてしまう場合があるため、信頼性が高くない。また、前記破壊可能なブリッジの破壊閾値は様々な要因(特に製造公差)によって変化する可能性があるため、こうした蓄積手段は、信頼性の高い安定した形でのエネルギー蓄積を保証することができない。加えて、部材ブリッジの破壊に必要となる力の強さを予め定めておくことは困難であり、結果、装置の駆動に必要な駆動力の強さを事前に定めることも困難となる。
【0005】
本発明の目的は、上述の問題が生じない流体ディスペンサ装置(特に、2回分の型のもの)を提供することである。
【0006】
更に詳しく言えば、本発明の目的は、使用が簡単で信頼性が高く、駆動のたびに半分の分量が残らず細かい霧状で投与されることを保証できる、という2回分の型の流体ディスペンサを提供することである。
【0007】
また、本発明は、2回に分けて行われる投与の1回目と2回目との間に何の操作も行うことなく、単に装置を2度続けて駆動するだけでよい、という2回分の型の流体ディスペンサ装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、装置の駆動に必要な力の強さを予め定めておくことが容易、という2回分の型の流体ディスペンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明が提供するのは、流体ディスペンサ装置であって、本体と、半分ずつ2回に分けて投与される流体を格納する貯蔵器と、投与開口部と、そして、駆動されるたびに流体を半分の分量ずつ投与する投与手段とを有し、前記投与手段は、投与手段が連続して駆動される2回の機会のそれぞれにおいて、流体が半分の分量ずつ投与されるように実装されており、前記2回の連続する駆動機会において、装置のユーザが一方の手だけで投与手段を駆動することが可能であり、当該ディスペンサ装置は更に、ユーザの手の中でエネルギーを蓄積するように調整されたエネルギー蓄積手段を有し、前記エネルギーは、ユーザの手によって前記投与手段に加えられる所定の強さの力から瞬時に解放され、それによって、半分の分量のそれぞれが残らず投与されることを保証しており、特徴となるのは、投与手段が、流体投与のために前記貯蔵器の内部でスライド移動するように設置されたピストンなどの投与部材と、休止位置と駆動位置との間を移動するように設置され、ユーザから駆動力を加えられることで前記貯蔵器内部の前記投与部材を移動させる、という駆動要素であって、投与部材の移動方向を実質的に横切る方向に移動するよう設置された前記駆動要素と、そして、投与手段が駆動されるたびに半分の分量の流体が投与されるようにする、分量分割手段と、を有する点である、という装置である。
【発明の効果】
【0010】
また、分量分割手段は前記投与部材に固定されているとともに、装置が最初に駆動される際に駆動要素と協働して最初の半分の流体を投与する第1の突起、及び、最初の半分の流体が投与されている間は外れた位置に移動するように調整された第2の突起によって形成されており、前記第2の組の突起は、最初の半分の投与が完了した後、前記駆動要素と協働して、装置が2度目に駆動される際に2回目の半分の投与を行うこと、とするのが効果的である。
【0011】
また、前記分量分割手段は、前記駆動要素と共同し、最初の半分が投与された後、それを休止位置に戻すこと、とするのが効果的である。
【0012】
また、前記駆動要素は、前記投与部材と協働するカム面を有し、好ましくは、前記分量分割手段を介して協働すること、とするのが効果的である。
【0013】
また、前記エネルギー蓄積手段には、破壊可能な部材ブリッジが設けられていないこと、とするのが好ましい。
【0014】
また、前記エネルギー蓄積手段は、前記の所定の強さの力を受けると変形する、弾性変形可能な要素で成ること、とするのが効果的である。
【0015】
また、前記エネルギー蓄積手段は、装置が駆動されている間、お互いに対して移動する2つの要素のうち一方の上に設けられた弾性変形可能なキャッチで成り、前記弾性変形可能なキャッチは、前記のお互いに対して移動する2つの要素のもう一方と協働して、前記弾性変形可能なキャッチを変形させるように調整された所定の強さの力が加わるまで、それら要素がお互いに対して移動することを防止すること、とするのが効果的である。
【0016】
また、第1の変形例として、前記エネルギー蓄積手段は、前記駆動要素と装置の前記本体との間に設けられていること、とする。
【0017】
また、第2の変形例として、前記エネルギー蓄積手段は、前記投与部材と装置の本体との間に設けられていること、とする。
【0018】
また、第3の変形例として、前記エネルギー蓄積手段は、前記駆動要素と前記投与部材との間に設けられていること、とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に関する他の特徴及び効果は、非制限的な例として示す特定の実施の形態に関して、これ以降の部分に、添付の図面を参照しながらになされる詳細な説明を読めば、いっそう明らかになるであろう。
【0020】
本発明は、2回分の型の流体ディスペンサであれば、どんなものにでも適用できるが、以下の説明は、特に、本願出願人によるフランス特許出願:No. 00 11425号(2000年9月7日出願)に開示された型の装置を例に取っている。そのため、当該特許出願の内容は、参照の形で本明細書に組み入れられている。具体的には、装置の一般的な動作に関する内容であり、更に詳しく言えば、駆動手段及び分量分割手段の動作に関する内容である。
【0021】
ただし、言うまでもなく、本発明はこの用途に限定されない。逆に、2回分の型であればどんな装置にも用いることができる。
【0022】
ここで、図面を参照する。図に示す流体ディスペンサ装置は本体1を有し、本体内部には、2回分の流体が格納された流体用貯蔵器3が備えられている。また、前記2回分の流体の投与のために、投与開口部30が設けられている。効果的な構成として、投与開口部30は鼻用投与ヘッド2の一部となっており、ユーザの2つある鼻孔のそれぞれに、流体は半分ずつ2回に分けて投与される。また、ピストンなどの投与部材8が、貯蔵器3内部でスライド移動するように設置されている。前記投与部材8は駆動要素5によって移動させられ、ユーザは当該駆動要素に力を加えることで、前記投与部材8を移動させる。分量分割手段7,12は、貯蔵器に格納された流体の量を半分ずつの2回分に分割するために設けられており、最初の半分は、装置が最初に駆動される際に投与され、残りの半分は、装置が2回目に駆動される際に投与される。
また、効果的な構成として、図面に示され、フランス特許出願:No.00 11425号公報にも説明されている通り、前記分量分割手段は、突起又はラグの形で実装するのがよい(例えば、組にして)。第1の組の突起7は、駆動要素5と協働して最初の半分の分量を投与し、第2の組の突起12は、駆動要素5と協働して残りの半分の分量を投与する。更に言えば、第2の組の突起12は、弾性変形可能な様態で実装してもよい。そうすることで、最初の半分の分量が投与されている間、前記第2の組の突起12は移動して通路を空ける形となるため、前記第1の組の突起7が通過することが可能となる。その後、前記第2の組の突起12は、もともと第1の組の突起7に占有されていた初期位置に入り、ディスペンサの2回目の駆動、それによる残り半分の分量の投与に備える状態となる。また、効果的な構成として、駆動要素5は、2度あるディスペンサの駆動と駆動との間、自動的に休止位置に戻る。そのため、ユーザは、駆動要素5を連続して2回押すだけで半分ずつ2回の投与を行うことができ、装置にそれ以外の操作を行う必要もなく、一方の手しか必要としない。当然のことながら、分量の分割やピストン8の駆動のための手段については、上記以外のもの考えられる。
【0023】
図面に示した例における駆動要素5は、側面駆動要素であって、ピストン8の移動方向を実質的に横切る方向に移動する。更に具体的に言えば、図面に示した例では、駆動要素5は、ヒンジ20によって本体1上でピボット運動するように設置されており、さらにカム面6を有している。カム面6は、最初の半分の分量を投与する際には第1の組の突起7と、残りの半分の分量を投与する際には第2の組の突起12と、それぞれ協働する。
【0024】
また、第1及び第2の組の突起については、グルーブ9を通って延びることとするのが好ましい。当該グルーブはそれを目的に設けられており、駆動手段5と前記二組の突起との協働を可能にするものである。
【0025】
本発明における装置は更に、半分ずつの投与のそれぞれについて、ユーザの手にエネルギーを蓄積させた後に初めて投与を可能とするように調整された、エネルギー蓄積手段を有する。更に正確に言えば、ユーザの手に蓄積されたエネルギーは、瞬時にして所定の強さの力から解放される。そのため、ユーザから駆動要素5に加えられる前記所定の強さの力は、前記エネルギー蓄積手段を上回ることになる。そうして、瞬時の素早いスラストを投与部材8に伝えることで、投与のたびに半分の分量が残らず投与されることが保証される。
【0026】
図面には、エネルギー蓄積手段の効果的な実施の形態を示してある。本実施の形態において、エネルギー蓄積手段は弾性変形可能なキャッチ50で成り、その端部にはラグ51を設けるのが効果的である。前記キャッチ50は本体1の一部55と協働し、それによって、前記キャッチは、駆動要素5に加わる所定の強さの力を受けた時にだけ、変形することになる。当然、これと異なる形でエネルギー蓄積手段を実装することも可能である。ただし、エネルギー蓄積手段に破壊可能な部材ブリッジを設けることは避けた方がよい。
【0027】
本発明の蓄積手段は、装置にあって互いに対して移動する2つの要素の間に配置されるような設計となっている。そうして、図面に示す例では、エネルギー蓄積手段は、駆動要素5と本体1との間に配置されている。しかし、他の場所に配置することも考えられる。駆動要素5と投与部材8との間(例えば、カム面6のところ)、あるいは、投与部材8と装置本体1との間、などである。また、エネルギー蓄積手段の実装に関しても、別の形とすることが可能であり、例えば隆起の形とし、駆動要素5に加えられる前記所定の強さの力によって、この隆起が乗り越えられたり弾性変形させられたりする、という様態にしてもよい。
【0028】
側面から一方の手で駆動できるシステムを提供すること、そして、その装置を駆動する方の手にエネルギーを蓄積する手段を提供すること、これらに存する特徴の組み合わせによって、本発明は、ユーザの鼻孔の各々に半分ずつの流体を、信頼できる形で残らず投与することを保証し、その一方で、誤って片方の鼻孔に投与が2回行われてしまう事態を防ぐ。また、本発明の装置は、製造、組立て、そして使用が簡単であると共に、充分な信頼性を保証できるものとなっている。
【0029】
以上、本発明を特定の実施の形態にもとづいて説明したが、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の範囲から逸脱することなしに、当業者が必要な変形を施すことが可能であることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の流体ディスペンサ装置の効果的な実施の形態を示す概略断面図である。

Claims (10)

  1. 流体ディスペンサ装置であって、
    本体(1)と、半分ずつ2回に分けて投与される流体を格納する貯蔵器(3)と、投与開口部(30)と、そして、駆動されるたびに流体を半分の分量ずつ投与する投与手段(5,6,7,8,9)とを有し、
    前記投与手段は、投与手段が連続して駆動される2回の機会のそれぞれにおいて、流体が半分の分量ずつ投与されるように実装されており、
    前記2回の連続する駆動機会において、装置のユーザが一方の手だけで投与手段を駆動することが可能であり、
    当該ディスペンサ装置は更に、ユーザの手の中でエネルギーを蓄積するように調整されたエネルギー蓄積手段(50,51,55)を有し、前記エネルギーは、ユーザの手によって前記投与手段に加えられる所定の強さの力から瞬時に解放され、それによって、半分の分量のそれぞれが残らず投与されることを保証しており、
    特徴となるのは、投与手段が、
    流体投与のために前記貯蔵器(3)の内部でスライド移動するように設置されたピストンなどの投与部材(8)と、
    休止位置と駆動位置との間を移動するように設置され、ユーザから駆動力を加えられることで前記貯蔵器(3)内部の前記投与部材(8)を移動させる、という駆動要素(5)であって、投与部材(8)の移動方向を実質的に横切る方向に移動するよう設置された前記駆動要素と、そして、
    投与手段が駆動されるたびに半分の分量の流体が投与されるようにする、分量分割手段(7,12)と、を有する点である、
    という前記流体ディスペンサ装置。
  2. 分量分割手段(7,12)は前記投与部材(8)に固定されているとともに、装置が最初に駆動される際に駆動要素(5)と協働して最初の半分の流体を投与する第1の突起(7)、及び、最初の半分の流体が投与されている間は外れた位置に移動するように調整された第2の突起によって形成されており、
    前記第2の組の突起(12)は、最初の半分の投与が完了した後、前記駆動要素(5)と協働して、装置が2度目に駆動される際に2回目の半分の投与を行うこと、
    を特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記分量分割手段(7,12)は、前記駆動要素(5)と共同し、最初の半分が投与された後、それを休止位置に戻すこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記駆動要素(5)は、前記投与部材(8)と協働するカム面(6)を有し、好ましくは、前記分量分割手段(7,12)を介して協働すること、
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記エネルギー蓄積手段(50,51,55)には、破壊可能な部材ブリッジが設けられていないこと、
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記エネルギー蓄積手段は、前記の所定の強さの力を受けると変形する、弾性変形可能な要素(50)で成ること、
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記エネルギー蓄積手段は、装置が駆動されている間、お互いに対して移動する2つの要素(5,1;8,1;5,8)のうち一方の上に設けられた弾性変形可能なキャッチ(50)で成り、
    前記弾性変形可能なキャッチ(50)は、前記のお互いに対して移動する2つの要素のもう一方と協働して、前記弾性変形可能なキャッチ(50)を変形させるように調整された所定の強さの力が加わるまで、それら要素がお互いに対して移動することを防止すること、
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記エネルギー蓄積手段(50,51,55)は、前記駆動要素(5)と装置の前記本体(1)との間に設けられていること、
    を特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記エネルギー蓄積手段(50,51,55)は、前記投与部材(8)と装置の本体(1)との間に設けられていること、
    を特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の装置。
  10. 前記エネルギー蓄積手段(50,51,55)は、前記駆動要素(5)と前記投与部材(8)との間に設けられていること、
    を特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の装置。
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