JP4764587B2 - 安全キャップ - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、安全キャップが組み入れられた流体ディスペンサ装置に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、鼻用スプレー型のスプレー装置用の安全キャップに関する。
【０００２】
流体ディスペンサ（特に医薬を投与するためのもの）の分野では、特定の人々（例えば、子供たち）によって装置が不必要に駆動させられることを回避する必要がある。偶発的にディスペンサを駆動してしまったのが子供である場合など、ディスペンサ装置に格納された流体が、子供にとっては非常に危険なものということもありうる。
【０００３】
ＵＳ−３ ７６８ ７０３、ＵＳ−３ ８６６ ８０２、及びＦＲ−２ ７５０ ４０６の特許公報には、様々な型の流体ディスペンサ装置用キャップが開示されている。特に、特許公報 ＵＳ−３ ７６８ ７０３には、差し込み型固定システムを備えた安全キャップが開示されている。
【０００４】
本発明の目的は、安全キャップを有する流体ディスペンサを提供することであり、当該安全キャップは、装置が子供によって駆動されるのを防止するためのもので、従来に比べてより単純で製造コストも低い、というものである。また、本発明が特に目的とするのは、モノスプレータイプ（すなわち、投与対象の流体を投与１回分のみ格納したタイプ）の鼻用スプレー装置で使用できる安全キャップを提供することである。この場合、ディスペンサ装置のコストは重要な要素となるので、単純かつ安価なシステムが望ましい。
【０００５】
本発明が提供するのは、流体ディスペンサ装置であって、流体貯蔵器と、ポンプなどの投与部材と、投与開口部及び固定部分を備える投与ヘッドと、そして、安全キャップであって、前記ディスペンサ装置に前記キャップを固定するための固定手段を備えた安全キャップとを有し、前記固定手段は、前記ディスペンサ装置の使用に先立って前記キャップを取り去ることができるように、取り外し可能となっており、前記固定手段の取外しは、前記装置の軸に沿って前記キャップに軸方向の圧力を加える操作と、前記軸を中心に前記キャップを回す操作との組み合わせによって行われ、前記流体ディスペンサ装置の特徴は、前記キャップが固定タブを備え、当該タブの各々がＵ字形状端部を有し、前記固定部分は各固定タブの前記Ｕ字形状端部に各々対応する軸方向スロットを備えており、前記軸方向スロットは、前記キャップが回されると前記Ｕ字形状端部の枝部分の間の位置に来るように構成された各々の側壁によって規定される、ということであるような流体ディスペンサ装置である。
【０００６】
また、前記キャップが、前記軸方向の圧力が存在しない状態でディスペンサ装置と協動して前記キャップが回転するのを防ぐ弾性変形可能手段を備えている、とするのが効果的である。
【０００７】
また、前記弾性変形可能手段が圧縮されている時にだけ前記キャップは回すことができる、とするのが効果的である。
【０００８】
また、前記弾性変形可能手段は、サントプレン（Santoprene、登録商標）などの変形可能なフレキシブル素材で作られて前記キャップの内側に配置される弾性要素を有する、とするのが効果的である。
【０００９】
また、前記弾性変形可能手段は、サントプレン（Santoprene、登録商標）などの変形可能なフレキシブル素材で作られた弾性要素を有し、当該弾性要素は、キャップの端部壁に配置され、キャップの前記端部壁の内部面上及び外側面上に広がる、とするのが効果的である。
【００１０】
また、前記弾性変形可能手段は、圧縮されることで、各固定タブの前記Ｕ字形状端部が軸方向に進んで前記側壁を越えて各々のスロットを通過することができるようにし、それにより、前記キャップが回された後、前記弾性変形可能手段は前記キャップを投与ヘッドから離れていく形で軸方向に押し、この結果、前記側壁は弾性的にＵ字形状端部の前記枝の間に押し込まれてヘッドにキャップを固定する、とするのが効果的である。
【００１１】
本発明に関する他の特徴及び効果は、本発明の効果的な実施の形態（非制限的な例として示すもの）について以下に述べる詳細な説明を、添付の図面を参照しながら読めば、一層明らかになるであろう。
【００１２】
図面には、本発明の実施の形態を示す。当該実施の形態における流体ディスペンサ装置は鼻用スプレー装置であり、したがって、鼻用投与ヘッドを有する。ただし、理解しておくべきこととして、本発明はこの型の装置に限定されるものではなく、いかなる流体ディスペンサ装置にも適用できる。
【００１３】
本発明において、安全キャップ２０は流体ディスペンサ１０に取り付けられる形で利用されるが、当該ディスペンサ１０については、投与開口部１６を備えた投与ヘッド１５を有することとするのが好ましい。キャップ２０は、１個又はより多く（特に言えば、２個）の側面タブ３１を有する固定手段３０を備えており、各タブは、その終端がＵ字形状端部３２となっている。また、安全キャップ２０については、弾性変形可能手段２５を有することが好ましい。そして、当該弾性変形可能手段２５は変形可能弾性要素２５の形とするのが効果的である。なお、変形可能弾性要素２５は図６に示すように、キャップの端部（すなわち、前記キャップ２０の正面側端部の壁）に配置するのが好ましい。この弾性要素２５は変形可能な弾性素材（例えば、サントプレン（Santoprene、登録商標））で作られており、キャップが投与ヘッド１５上に正しく置かれた際には圧縮されるようにしてある。この圧縮は、図４及び図５に示すように、キャップ２０を軸Ｘに沿って前記投与ヘッド１５に対して軸方向に押しつけることで達成される。
【００１４】
効果的な構成として、弾性要素２５は、図６に示すように、キャップの内部面上に広がることで圧縮機能を発揮するとともに、キャップの外側面上に広がることで、取り扱いを容易にする、及び、押圧域を明示する、という働きをする。また、こうしたフレキシブル素材によれば、例えば、レリーフ切片を設けるなどして、キャップを手で強く掴むことが可能となり、さらに、色を塗ってキャップの特定の区域を目立たせることも容易である。
【００１５】
流体ディスペンサ装置１０は固定部分を有し、これはキャップ固定用の固定手段と協動する。本発明における固定手段は、垂直方向に伸びる少くとも１つの側壁１３によって形作られる軸方向スロット１２を含む。図４で概略的に示すように、このスロット１２は、キャップ上にある前記固定タブの各々１つの通り道となるように設計されており、詳しく言えば、キャップのうちＵ字形状端部３２が通る。側壁１３は、図６に示すような形で前記キャップの端部に位置する前記弾性要素２５が圧縮された後でのみ、キャップ２０を投与ヘッド１５上で回すことが可能となるように構成されている。キャップに前記軸方向圧力が加わった時、そして、弾性要素２５が変形させられた時、タブ３１のＵ字形状端部３２はスロット１２の上を通って側壁１３の下にくる。その状態になれば、軸Ｘを中心にキャップを回すことができるようになる。キャップが回されると、変形していた弾性要素２５は、投与ヘッド１５から離れる方向にキャップ２０を押しやり、その結果、側壁１３がＵ字形状端部３２の枝部分の間に嵌め込まれて、キャップは投与ヘッドに固定されることになる。
【００１６】
安全キャップを取り外すには、本発明の場合、先ず、前記キャップ２０に対して軸方向の圧力を加えて弾性要素２５を圧縮し、それによって側壁１３がキャップ上の固定タブ３１のＵ字形状端部３２の外に出す、という操作が必要となる。こうして軸Ｘにそった方向に圧縮する動作を終えれば、軸Ｘを中心にキャップ２０を回し、タブ３１の各々のＵ字形状端部３２を軸方向スロット１２に合う位置に持ってくることができる。そこからは、軸方向に引っぱることで、キャップは容易に取り外すことができる。
【００１７】
このように、本発明が提供するシステムは、製造が非常に容易であって、そのために非常に安価でもある。さらに当該システムでは、キャップを取り外すために２つの取扱い操作（すなわち、軸方向の圧力を加える操作及び、その後で前記軸を中心に回すという操作）が必要となるので、子供たちによる偶発的な使用を確実に防ぐことが可能となる。
【００１８】
また、本発明の安全キャップは、既存のディスペンサへの取り付けも非常に容易に行える。すなわち、単に既存の装置の投与ヘッドに前記軸方向スロットを設けるだけで、前記キャップを正しく設置することができる。
【００１９】
本発明については、特定の実施の形態を参照しながら説明してきたが、添付の請求の範囲によって規定される本発明の範囲を越えることなしに様々な修正が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施の形態における安全キャップの概略斜視図である。
【図２】 図１と同様の図であり、別の角度から見た場合の図である。
【図３】 図１及び図２に示した安全キャップの平面図である。
【図４】 図１乃至３のキャップと、前記キャップが装着されるディスペンサ装置とを示す概略斜視図である。
【図５】 本発明の安全キャップの断面図である。
【図６】 図５の線Ａ−Ａにおける断面を示す図である。

Claims (6)

1. 流体ディスペンサ装置であって、
   流体貯蔵器と、
   ポンプなどの投与部材と、
   投与開口部と投与操作を行うための側壁とを備える投与ヘッドと、そして、
   安全キャップであって、前記投与ヘッドに前記安全キャップを固定するための固定手段を備えた安全キャップと、を有し、
   前記固定手段は、前記流体ディスペンサ装置の使用に先立って前記安全キャップを取り去ることができるように、取り外し可能となっており、
   前記固定手段の取外しは、前記投与ヘッドの軸に沿って前記安全キャップに軸方向の圧力を加える操作と、前記軸を中心に前記安全キャップを回す操作との組み合わせによって行われ、
   前記安全キャップが固定タブを備え、当該固定タブが鉤状端部を有し、前記投与ヘッドは固定タブの前記鉤状端部に対応する軸方向スロットを備えており、
   前記軸方向スロットは、前記安全キャップが回されると前記鉤状端部の屈曲部分の間の位置に来るように構成された側壁によって規定される
   ことを特徴とする流体ディスペンサ装置。
2. 前記安全キャップが、前記軸方向の圧力が存在しない状態で流体ディスペンサ装置と協動して前記安全キャップが回転するのを防ぐ弾性変形可能手段を備えていること、
   を特徴とする請求項１に記載の流体ディスペンサ装置。
3. 前記弾性変形可能手段が圧縮されている時にだけ前記安全キャップは回すことができること、
   を特徴とする請求項２に記載の流体ディスペンサ装置。
4. 前記弾性変形可能手段は、サントプレン（Santoprene、登録商標）などの変形可能なフレキシブル素材で作られて前記安全キャップの内側に配置される弾性要素を有すること、
   を特徴とする請求項２又は３に記載の流体ディスペンサ装置。
5. 前記弾性変形可能手段は、サントプレン（Santoprene、登録商標）などの変形可能なフレキシブル素材で作られた弾性要素を有し、当該弾性要素は、安全キャップの端部壁に配置され、安全キャップの前記端部壁の内部面上及び外側面上に広がること、
   を特徴とする請求項２乃至４のいずれかに記載の流体ディスペンサ装置。
6. 前記弾性変形可能手段は、圧縮されることで、各固定タブの前記鉤状端部が軸方向に進んで前記側壁を越えて各々の軸方向スロットを通過することができるようにし、それにより、前記安全キャップが回された後、前記弾性変形可能手段は前記安全キャップを投与ヘッドから離れていく形で軸方向に押し、この結果、前記側壁は弾性的に鉤状端部の前記屈曲部分の間に押し込まれてヘッドに安全キャップを固定すること、
   を特徴とする請求項２乃至５のいずれかに記載の流体ディスペンサ装置。

Images