JP4695333B2 - 流体噴霧装置 - Google Patents

Description

本発明は流体噴霧装置に関し、さらに言えば、ユーザから加えられる駆動力の向けられる方向が、装置の噴霧開口部を通して流体が噴霧される方向と異なっている、という型の流体噴霧装置に関する。

大半の流体ディスペンサ装置は、香水用、薬剤用、化粧品用のいずれのディスペンサであれ、ドーズ分の流体の投与を望むユーザがディスペンサヘッドまたは流体貯蔵器に力を加えると、その力は装置の弁またはピストンの移動方向において軸方向に向けられることになる、という形に作られている。そうした形での駆動は、噴霧方向が軸方向と一致しない装置、すなわち、噴霧方向が装置の弁の弁部材またはポンプのピストンの移動方向と平行でない装置にとっては、非常に実際的なものである。対照的に、鼻への噴霧の場合は、鼻孔内にドーズ分の流体を放出するために、流体は軸方向に投与されるが、そうした種類の噴霧では、いくつかの問題点が見られる。

具体的に言えば、装置を駆動するための力を軸方向に加えなければならないという事実は、投与の間、鼻孔の中で鼻用エンドピースを静止状態に保持することが難しい、ということを意味する。加えて、その種の駆動では、ポンプまたは弁の事前圧縮を克服するために、相当に強い力が必要となる。これは、人によっては（年輩者や子供などの場合は）困難なことであろうし、さらに、極端な場合には、鼻孔内部の負傷という結果に至るおそれもある。それらに加えて、この種の装置は、第三者が駆動するのが比較的難しい。鼻孔の中での鼻用エンドピースの接触状態を感じとれないからである。

特許文書：ＵＳ−３ ２７２ ３９１号には、固定要素を囲む形で、外側リング（具体的には、容器ネックにクランプ留めされるクランプ用リング）が組み付けられている、という装置が開示されている。そして、２つの側面駆動式要素が前記外側リングと協働してディスペンサ弁を駆動する。

本発明の目的は、上記の問題点が再現しないような流体噴霧装置を提供することである。
さらに言えば、本発明は、製造および組立が簡単かつ安価であり、ポンプまたは弁の設計を変更しなくても、現在利用可能なポンプまたは弁のいずれの種類にも適用することができる、という流体噴霧装置を提供することを目的とする。

本発明はまた、特に鼻に用いる場合に、簡単に駆動することのできる流体噴霧装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、装置が駆動されている間、装置のディスペンサ開口部を鼻孔内部で静止状態に保持できるようにする、という流体噴霧装置を提供することを目的とする。
そして本発明は、構成部品の数を少なくすることができ、さらに、駆動のために付加的な要素を必要としない、という装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明が提供するのは、流体が格納された貯蔵器と、固定用リングによって貯蔵器に設置された、流体を選択的に投与するためのポンプまたは弁と、ディスペンサ開口部を有する鼻孔への流体投与用のディスペンサヘッドと、を有する流体噴霧装置であって、休止位置と投与位置との間で移動可能であって、流体がディスペンサ開口部を通して噴霧される際の方向とは異なる方向に移動させられることによって前記ポンプまたは弁を動作させて、ディスペンサ開口部から流体を噴霧させる駆動装置を備え、前記駆動装置は、ディスペンサヘッドの側面スカートに形成されており、前記ディスペンサヘッドをはさんで径方向に対向する位置に、前記ディスペンサヘッドに対してピボット運動可能な形で設置され、下方に向けてピボット運動する際に、先端部の駆動部分が固定用リングの径方向に延びた縁部分と係合して、当該固定用リングをディスペンサヘッドに向けて相対的に押し上げるような傾斜をもって配された一対の駆動要素と、各駆動要素に設けられて、ユーザからの駆動力が加えられるプレッサ要素と、駆動要素の前記駆動部分と前記プレッサ要素とを、当該プレッサ要素が外側に開いた状態で連結する接続スペーサと、を有することを特徴とする。

ディスペンサヘッドは鼻用のディスペンサヘッドであり、当該ディスペンサヘッドは、ポンプまたは弁の駆動中、ユーザの鼻孔内の所定位置にあって、安定した状態に保たれる。

本発明に関する、他の特徴および効果については、非限定的な例として示す本発明に関する実施の形態について、添付図面を参照しながら述べる以下の詳細な説明を読めば、より明らかになるであろう。
図１は、本発明の実施の形態を多少詳細に示した図である。

ここで図面、特に図１を参照する。本発明の噴霧装置は、投与対象の流体が格納された貯蔵器１０とポンプまたは弁２０（ここでは、ポンプ）とを有する。図１において、当該ポンプは固定用リング３０によって貯蔵器１０上に設置されており、当該リング３０は、ここでは、貯蔵器のネックにスナップ留めされるスナップ方式リングとなっている。ポンプ２０は、ディスペンサヘッド４０に設けられたディスペンサ開口部４５を通して選択的に流体を投与する働きをする。ここに示す例でも、他の図に示す例のように、ディスペンサヘッド４０は鼻用のディスペンサヘッドであり、その中では、開口部４５が、鼻孔の中で流体を投与するために、軸方向の様態で配置されている。

当然のことながら、本発明は鼻への使用に用途を限定する必要はなく、どのような種類の流体ディスペンサ装置にも適用できる。ただし、これを鼻用の種類のディスペンサ装置に使用すれば、上記の効果が実現される。
本発明では、噴霧装置は、ディスペンサヘッド４０に形成された駆動システム５０を有し、駆動装置５０の移動方向は、ディスペンサ開口部４５を通して流体が噴霧される際の方向とは異なっている。より具体的に言えば、図に示す例では、駆動装置５０の移動方向は、効果的な形として、流体がディスペンサ開口部４５を通して噴霧される際の方向に対してほぼ垂直となっている。ただし、理解しておくべきこととして、駆動装置に関して選択された実施の形態の結果として、それがピボット運動要素である場合には、前記方向は必ずしも正確に垂直とはならない。

図１に示す例では、駆動システム５０は、ディスペンサヘッド４０上にピボット運動可能な形で設置された、少なくとも１つの駆動要素５１を有する。ディスペンサヘッド４０は、好ましい構成として側面スカート４１を有し、当該スカートは、径方向において対向する２つの駆動要素５１を備えている。
本発明では、駆動要素５１が、貯蔵器１０上のポンプ２０が有する固定リング３０に直接的に作用することで、前記ポンプまたは弁が駆動される。そのため、ユーザは、ディスペンサヘッド４０を鼻孔内に入れてから要素５１を駆動する、という形でドーズ分の流体を投与させるが、前記駆動操作は側面から行なわれるため、投与の間も、装置は鼻孔内で静止した状態を保ち、装置に軸方向の力が加わることはない。駆動要素５１は、ピボット運動可能な形でディスペンサヘッド４０に設置されており、駆動要素５１はそれぞれ、固定用リング３０と協働する駆動部分５２を有する。また、各駆動要素５１は、効果的な構成として、ユーザが装置駆動のために押下するプレッサ要素５４を含む。プレッサ要素５４は、好ましい構成として、接続スペーサ５３を介して駆動要素５１の駆動部分５２に接続されており、当該スペーサに関しては、硬いものとするのが好ましい。ユーザがプレッサ要素５４を押さえると、力は駆動部分５２に直接伝わり、そこから前記スペーサ５３を介して固定用リング３０に伝えられる。そして、ピボット軸Ａを中心に駆動要素５１がピボット運動することで、前記固定用リング３０が軸方向に移動し、ポンプ２０は駆動されることになる。なお、別のピボット軸を任意に設けることも可能であり、例えば、駆動要素５１とプレッサ要素５４との間、あるいは、プレッサ要素５４と接続スペーサ５３との間にさえ設けることができる。そうして、駆動要素５１とプレッサ要素５４とは、一体化した単一の部品として作ることもできる。

また、効果的な構成として、事前圧縮要素を設けることもできる。これは、事前圧縮閾値を超える力がユーザから加えられた時にだけ、ポンプまたは弁２０が駆動されるようにするものである。これによれば、１ドーズ分が残らず投与されることが確実となり、装置が中途半端にしか駆動されないという事態は生じない。
図４は本発明の参考例を示しており、ここでは、駆動装置は駆動要素５１と移動可能な中間部品５８とを有する。駆動要素５１はヘッド４０に設置されており、そのピボット軸Ａを基準にピボット運動できるようになっている。これは中間部品５８と協働するが、当該中間部品は「角度付け部分」と呼ばれるものであり、２つのブランチを有する。これらブランチのうち１つは、ヘッド４０（ここでは、貯蔵器１０に沿って横方向に延びている）に接続されており、もう１つは固定用リング３０に直接接続されている。また、角度付け部分５８は、ピボット軸Ｂを基準に変形させることができ、それによって、ユーザが側面から駆動要素５１を押さえたタイミングで、角度付け部分５８は、２つのブランチが軸Ｂを基準にピボット運動する形で変形させられ、その結果、リング３０、そして、それに続いて貯蔵器１０が軸方向に移動させられて、ポンプ２０は駆動される。

図３ａおよび図３ｂに示す例では、駆動装置５０は、側面で移動させることが可能なボタン５６の形で作られており、前記の移動がポンプまたは弁２０を駆動する。より正確に言うと、図３ａに示す例では、ロッド５７が、ピボット運動可能な形で駆動ボタン５６に接続されており、前記ロッドは傾斜／スロープ面によって導かれる。そのため、ボタン５６が駆動されると、その結果として、前記ロッド５７は垂直方向上向きに移動してポンプを駆動することになる。そしてこの時、前記ロッドの端部は固定されているか、装置の固定用リング３０と協働している。

図２は本発明に関する別の参考例を示しており、ここでは、駆動システムが、ディスペンサヘッド４０の側面スカート４１によって形成されている。図２に示すように、前記固定用リング３０は、効果的な構成として、ディスペンサヘッド４０の側面スカート４１の下側端部５０と協働する傾斜カム要素３１を有している。そのため、前記スカート４１が流体の噴霧方向を横切る方向に移動すると、この移動は傾斜カム要素３１によって変換されて、流体の噴霧方向の移動となる。図２に示す装置において、ポンプ２０の駆動ロッドは、ディスペンサヘッド４０の駆動によって移動させられる。効果的な構成として、固定用リング３０のカム要素３１が、前記ディスペンサヘッド４０の駆動ストロークの終わりに、ディスペンサヘッド４０の側面スカート４１の下側端部５０と協働する。

ヘッドに形成され、直接的にはタンクと協働しない、という側面駆動式システムに関する特別な効果とは、どんな種類、どんな形状、そんなサイズの貯蔵器にも適用できることである。つまり、各種貯蔵器ごとに特定の駆動システムを設計する必要がない。
当然のことながら、上記実施の形態については全て、非常に概略的な形でのみ図示し、説明した。これら以外の変形例を用いて、本発明の駆動システムを実装することも可能であろう。すなわち、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱しない形で、いかなる必要な修正でも施すことができる。

本発明に関する実施の形態を構成する装置を示す概略断面図である。 本発明に関する参考例を構成する装置を示す概略断面図である。 本発明に関する別の参考例を構成する装置を示す概略図である。 本発明に関するさらに別の参考例を構成する装置を示す概略断面図である。

Claims (1)

1. 流体が格納された貯蔵器（１０）と、
   固定用リング（３０）によって貯蔵器（１０）に設置された、流体を選択的に投与するためのポンプまたは弁（２０）と、
   ディスペンサ開口部（４５）を有する鼻孔への流体投与用のディスペンサヘッド（４０）と、
   を有する流体噴霧装置であって、
   休止位置と投与位置との間で移動可能であって、流体がディスペンサ開口部（４５）を通して噴霧される際の方向とは異なる方向に移動させられることによって前記ポンプまたは弁（２０）を動作させて、ディスペンサ開口部（４５）から流体を噴霧させる駆動装置（５０）を備え、
   前記駆動装置（５０）は、ディスペンサヘッド（４０）の側面スカート（４１）に形成されており、
   前記ディスペンサヘッド（４０）をはさんで径方向に対向する位置に、前記ディスペンサヘッド（４０）に対してピボット運動可能な形で設置され、下方に向けてピボット運動する際に、先端部の駆動部分（５２）が固定用リング（３０）の径方向に延びた縁部分と係合して、当該固定用リング（３０）をディスペンサヘッド（４０）に向けて相対的に押し上げるような傾斜をもって配された一対の駆動要素（５１）と、
   各駆動要素（５１）に設けられて、ユーザからの駆動力が加えられるプレッサ要素（５４）と、
   駆動要素（５１）の前記駆動部分（５２）と前記プレッサ要素（５４）とを、当該プレッサ要素（５４）が外側に開いた状態で連結する接続スペーサ（５３）と、を有すること、
   を特徴とする流体噴霧装置。

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