JP2004524283A - 治療装置を製造するための印象材の使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、感染した硬組織に治療剤を処方するための治療装置に関する。前記治療装置は、診断添加剤を含有する鋳造化合物を用いて個々に作成することができる。
Description
【0001】
本発明は、診断用添加剤を含有する印象材を用いて個々に治療装置を製造することが可能な、治療剤を感染した硬組織に適用するための治療装置に関する。
【0002】
当業者は、例えば、EP−A−0 304 871より、例えば、歯肉ポケット、歯表面または歯根管のような口腔内の定義されたポイントから採取された個々の試料に基づいた単一部位試験に精通している。これらの試料のその後の分析は、問題点に応じて非常に大きく異なる方法を用いて行われ、次の4つの一般的アプローチに分けることができる。
【0003】
1.元々存在していた微生物の数は直接診断にとって十分でないため、微生物学的診断は、数日間にわたって好適な培養基において試料をインキュベートした後になされることが多い。微生物を増殖させた後、コロニー形成単位(CFU)を数え、試料中に存在する微生物の数を結果から引く(Kneist, S.; Klein, C.; Rupf, S.; Eschrich, K.Quintessenz(1999年)50, 33−43)。これらの試験システムにおいて、試料中に存在する生存微生物は最良の条件下で繁殖させることができる。従って、定義された培養基を用いて選択的に増殖させた微生物が、口腔と同じ遮蔽されない方法で繁殖できた場合、分析結果によれば、評価微生物にとって最も可能性のある病原潜在性が何であるかが分かる。
【0004】
しかしながら、周知の通り、かかる最適成長条件が口腔に存在することはまずないため、この試験結果は限られた情報値に過ぎない。
【0005】
これに加えて、試料をインキュベートすると、リスクを最小にするために適正な予防策をとって本来は治療しなければならない病原性の微生物の培養が作成されるということを見逃してはならない。特別な廃棄処理が必要である。これらの欠点に加えて、微生物学的診断をするためのインキュベーション方法はコストが高く、しかも非常に時間がかかる。
【0006】
2.免疫学的方法は、単一部位試験において微生物学的データを集めるための他の一般的アプローチである。この場合、微生物表面構造に対する単クローン性またはポリクローン性抗体または微生物が分泌する物質を用いる。これに加えて、例えば、炎症プロセスをモニターするのに適した抗体を用いることも可能である。WO−94/12877、US−5 665 559、WO−96/07103およびWO−96/32647がこの例について言及している。
【0007】
段落2による免疫学的方法は、段落1によるインキュベーション法よりも特異的、迅速かつ経済的であるが、特に試料採取により決まる再現性に著しく乏しい。例えば、生存微生物に加えて、死亡微生物がプラーク領域には大量に存在している。死亡微生物と生存微生物の比率は、試料採取によって異なる。抗体は生存微生物と死亡微生物を区別することはできないため、存在している評価微生物の病原性の可能性を推定するのに予測不可能な部分がある(Aass, A.M.; Preus, H.R., Zambon,J.J., Gjermo, P.Scand J.Dent Res(1994年)102, 355−360)。
【0008】
3.最高感度を有する方法は、ポリ連鎖反応技術(PCR)に基づくものである。極少量の微生物を高度の特異性で検出することができる。しかしながら、PCR技術は時間がかかり、複雑でコスト集中的であり、習得するのは簡単なことではない(Rupf, S.; Kneist, S.; Merte, K.; Eschrich, K.Eur.J.Oral.Sci(1999)107, 75−81)。
【0009】
4.さらに、口腔病を診断するのに生化学マーカを用いるいくつかの方法が記載されている。J. Meyle, Deutsche Zahnaerztliche Zeitschrift(1999年)54, 73−77)による記事に総論がある。個々の生化学マーカの情報値は、臨床研究を考慮した判別的な方法で評価しなければならず、当業者の事柄である。単一部位方法は、生化学マーカを決めるのに用いられることを強調しておく。特許明細書WO−98/21583を一例として参照されたい。この場合に必要とされる補助ツールには、調査すべき試料を結合するという特徴がある(WO−91/14000、EP−A−0 304 871およびUS−A−5 725 373)。各試料採取部位については、個々の補助ツールを用いて、個々に分析しければならない。
【0010】
原則的に、先行技術で開示された単一部位方法はすべて、膨大な個々の試料を採取することによってほぼ完了する口腔内の状況を説明することのみが可能であるという重大な欠点を持っている。試料採取には、歯周ポケットまたは根管に導入される紙片が用いられることが多い(US−A−5 725 363およびEP−A−0 304 871)。
【0011】
歯周炎病原体は歯周ポケットに遍在しているのだが、歯周炎活性は患者の歯周ポケットによって大きく異なる。この理由から、1つまたはその他の歯周炎病巣を全て対象に含む保証はできないが、診察をするために実質的に25個を超える個々の試料を採取し分析する必要がある。
【0012】
このことから、原則的に、点状記録の数では、口腔の状況の記述が不十分であることは明らかである。従って、時間とコストのかかる単一部位技術は、認定の根拠となり得るだけである。従って、単一部位技術は、口腔診断において広範囲の適用については認められない。
【0013】
口腔内において、同時に複数、かつ部位特異的および物質特異的な診断を行う単純で安価な方法が長いこと必要とされてきた。
【0014】
この問題点についてはDE−199 26 728で取り組まれている。この特許出願は、部位特異的および物質特異的口内診断に用いることのできる添加剤を含有する鋳造可能な、硬化性またはフィルム形成支持材について記載している。これらの特許には、これらの添加剤によって、当業者であれば、部位特異的および物質特異的な方法で、病原性物質および/または微生物を口内で検出する、または口腔病または治療プロセスを示す物質を、部位特異的および物質特異的な方法で検出するための画像を生成することができると説明されている。
【0015】
DE−A−198 27 417には、歯周療法学に用いられる、印象材のような基礎材料、およびこの印象材に分散された変性物質を含有する異なる細胞の光学特性を微分変性するためのフィルム形成材料について記載されている。この特許は、治療の目的でこの変性材料を用いることも可能であると報告している。これに関して、変性材料を再び疾患部位に適用すべきであると説明されている。疾患部位は、口内硬組織で直接、蛍光により識別される。疾患部位は、光力学治療により治療される。
【0016】
DE−199 26 728に記載された支持材を用いて得られた知見を基礎としたところ、感染領域の後の治療は、例えば、感染領域を清浄にし、その後、治療剤を適用することにより成されなければならない。
【0017】
これらの後の治療は、比較的、時間がかかり、十分に効果的ではないことが多く、また、DE−A−198 27 417に記載されているように、治療すべき部位が最初から分かっていないため材料が無駄になる。
【0018】
従って、感染領域をより効果的に治療することを可能とする治療装置を提供することが目的である。
【0019】
この目的は、感染硬組織を治療する方法において陰性モデルを作成するのに、部位特異的および物質特異的診断に用いることのできる添加剤を含有する支持材を用いることにより達成される。
【0020】
本発明はまた、対応の治療装置そのものおよびそれを製造する方法にも関する。
【0021】
診断添加剤の存在により、病原性物質および/または微生物を、部位特異的および物質特異的な方法で口内で検出したり、口腔病または治療プロセスを示す物質を、部位特異的および物質特異的な方法で口内で検出することが可能となる。
【0022】
この情報を基礎として用い、本発明によれば、硬組織の感染領域の部位特異的治療のための治療装置を提供することが可能となる。
【0023】
これに関連して、「部位特異的」とは、本発明において、非感染組織が治療剤と接触しないことを目的とした、実際には、好適な治療剤を選択することにより達成できる、感染領域の選択的治療を意味するものと考えられる。
【0024】
この方法では、治療剤の量を必要最低量に制限することができ、それによってコストを節約することができる。しかしながら、他に重要な点としては、患者に作用する治療剤の使用量に関して、患者に与えるストレス、および作用するまでの時間を大幅に減じることができることである。
【0025】
支持材料を用いることで大量の個々の試料を分配しながら、個々の歯の状況を完全に目視により説明し、かつ現在の臨床写真を得ることが可能とするばかりでなく、治療装置により、部位特異的な方法で感染した組織を同時に治療することが可能となるという利点もある。咬合咀嚼面および歯の前庭、舌側、歯冠、歯根、歯頚、歯肉および切歯に加えて、支持材の輪郭明瞭度もまた歯間腔領域を記録する。
【0026】
「含む」または「含有する」という用語は、特徴の決定的でない列挙を行うものである。「一つの」という文言は、前に用いた請求項における特徴に言及することを指すが、「少なくとも一つの」という意味で、前記特徴が複数存在していてもよい可能性を除外するものではない。
【0027】
本発明の意味において、「支持材」という用語は、特に、口内用途において、鋳造可能、硬化可能またはフィルム形成支持材を意味するものと考えられる。
【0028】
好適な支持材としては、歯科印象材またはフィルムが例示され、いずれの場合も、シリコーン、ポリエーテル−シリコーン、ポリエーテル、アルギナートまたは親水コロイドベースである。アルギナート、好ましくはホスフェートまたはピロホスフェートを添加しないものが、カリエス診断のような数多くの適用範囲に用いられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メソ)アクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリ塩化ビニルまたはゴムのようなその他公知の合成材料も全て支持材として用いるのに好適である。これに加えて、例えば、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールをベースとしたヒドロゲルが支持材として用いるのに好適である。歯科石膏プレパレーション、プラスチシンのような非硬化可能な混練可能な材料、または液体中の固体分散液、例えば、シリコーン、ろう、ゼラチン、デンプン、脂肪および前述の支持材から構成されたペーストおよび同様の物質も、本発明による方法を実施するのに同様に好適である。
【0029】
付加架橋または縮合架橋シリコーン、ポリエーテル−シリコーンまたはポリエーテルは、多くの印象材のベースを形成する。これらの材料の詳細については先行技術に記載されているため、詳細をここに記載する必要はない。付加架橋または縮合架橋シリコーンは、例えば、US−A−3 897 376、EP−B−0 231 420およびUS−A−4 035 453、EP−B−0 321 420の3頁、およびさらに、EP−A−0 480 238(特に、2頁、3−26行を参照)およびEP−B−0 268 347に記載されている。これらの文献の開示内容は、ここに参考文献として組み込まれる。ポリエーテル−シリコーンは、同様にその開示内容がここに参考文献として組み込まれる、特に、DE−A−37 41 575およびDE−A−38 38 587に記載されている。ポリエーテルは、同様にここに参考文献として組み込まれる、例えば、DE−B−17 45 810、DE−A−43 06 997、DE−A−40 93 555、DE−C−25 15 593、DE−A−197 19 438およびUS−A−34 53 242に記載されている。
【0030】
ポリエーテルベースの支持材が特に好適である。これに関して、この物質は、例えば、以下の成分を含んでいる。
(A)30〜97、好ましくは40〜89、特に好ましくは40〜80.5重量%の、1000〜20,000g/モルの範囲のモル質量と500〜8000g/等量の範囲のアジリジノ等量質量を有する少なくとも1種類のN−アルキルアジリジノポリエーテル、
(B)1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは1.5〜3重量%の、N−アルキルアジリジノポリエーテルを硬化させるのに好適な開始剤物質、
(C)1〜50、好ましくは5〜45、特に好ましくは8〜43重量%の有機希釈剤、
(D)1〜50、好ましくは5〜40、特に好ましくは10〜30重量%の、フィラー、染料、含量、揺変性剤、流動向上剤、ポリマー増稠剤、表面活性物質、悪臭物質(odiferous substance)およびフレーバーを含む変性剤、
(E)0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の診断添加剤。
【0031】
成分(A)は、ポリエーテル親基質を、酸化エチレン、酸化プロピレンまたはテトラヒドロフランから構成されるホモポリマー、前記モノマーのランダムコポリマーおよびターポリマー、および/または酸化エチレンと酸化プロピレンから構成されるブロックコポリマーとすることのできるN−アルキルアジリジノポリエーテルを含む。
【0032】
混合プレパレーションを硬化させて1〜20分の時間間隔に弾性固体を与えることができる構成(B)に従った開始剤物質が、2成分印象材に用いるのに好適である。この固体は、DIN/EN2482による弾性印象材に配置するのに際した要件を満たしており、24時間の貯蔵後、少なくとも20のショアA硬度(DIN 53505)である。
【0033】
多くの公知の開始剤を、触媒成分の開始剤として用いることができる。使用は、便宜上、これら開始剤および開始剤系でなされ、硬化を容易に制御でき、副作用がなく、機械的特性の必要なレベルを再現可能に達成できる。
【0034】
DE−C−914 325は、オキソニウム塩、アンモニウム塩およびスルホニウム塩を開始剤物質として用いることを提案している。
【0035】
O.C.DERMER, G.E.HAM「エチレンイミンおよびその他アジリジン」Academic Press(1969年)には、N−アルキルアジリジノ化合物を硬化するのに用いられる開始剤物質の包括的な報告がなされている。
【0036】
本発明によれば、数多くの化合物部類および化合物は、原則的に好適な重合開始剤であることが分かっている。しかしながら、アジリジノポリエーテルのカチオン重合の実際の適用においては、所望の硬化時間を確立して、十分に長い操作時間および即時の最終硬化を与えるのは非常に難しい。この目的は、例えば、EP−A−0 110 429に記載されているような特別なトリスアルキルスルホニウム塩を用いることにより達成することができる。
【0037】
原則的に、硬化速度および弾性固体の特性の基準は、特別のトリアルキルスルホニウム塩を用いて達成することができる。
【0038】
特許出願DE−100 18 918には、低度の酸性度を触媒成分に与え、容易に調整可能で、基礎成分と触媒成分が混合された後、比較的長い操作時間を達成することのできる開始剤が記載されている。
【0039】
このタイプの開始剤系は、必要な速度で基礎ペーストを硬化するのに好適である。これらを用いることにより、弾性固体の所望の特性を得ることができる。
【0040】
特許出願DE−19942459には、改善された触媒成分を含有し、増大した伸び性という特徴を有するエラストマー物質が記載されている。本発明は、開始剤としてホウ酸錯体を用いている。これらの開始剤は、N−アルキルアジリジノポリエーテルを硬化するために特定の値を有していることを証明した。
【0041】
ポリエーテルポリオール、例えば、ポリプロピレングリコールまたはテトラヒドロフラン単位および/または酸化エチレン単位および/または酸化プロピレン単位を含有する混合ポリエーテルオール、ポリエステルポリオール、例えば、ポリカプロラクトンジオールおよびポリカプロラクトントリオール、ポリカーボネートジオール、脂肪族エステル、油、脂肪、ロウ、脂肪族炭化水素、芳香脂肪族炭化水素、および同様にポリ塩基酸の単官能性または多官能性エステル、例えば、フタル酸またはクエン酸、またはアルキルスルホン酸およびアリールスルホン酸のエステルまたはアミドは、成分(C)に従って有機希釈剤として用いられる。
【0042】
成分(D)による変性剤は、大部分が、微粉砕フィラー、例えば、ケイ酸アルミニウム、沈殿ケイ酸、石英粉末、珪灰石、マイカ粉末および珪藻土、および添加すると混合効率を評価しやすくさせ、混同の危険を減じる染料および顔料、揺変性剤、例えば、微分散ケイ酸および、流動挙動に影響するその他添加剤、例えば、ポリマー増稠剤、さらに初期流動挙動を制御する表面活性物質および同様に悪臭物質およびフレーバーである。
【0043】
調査すべき部位にスプレーまたは適用、例えば、塗られる重合可能な液体またはポリマー物質の溶液もまたその他の可能な支持材とすることもできる。これらの物質は、一般的には、揮発性溶剤、および適切な場合には、物質がマーカ化合物を取り上げた後、硬化し、剥離可能な固体層を形成するその他補助物質のニトロセルロースベースのラッカーである。一般に、好適な、容易に揮発する溶剤を取り上げることのできるポリマーを用いることが可能である。同様に、例えば、アセトン中でポリウレタンを用いることも知られている。好適なフィルム形成システムは、染色およびラッカーの化学から十分に周知である。
【0044】
以下の列挙は本発明を限定するものではない。診断添加剤の例は次の通りである。
・染料インジケータ、例えば、pHインジケータ、例えば、ブロムフェノールブルー、コンゴーレッド、ブロモクレゾールグリーン、オレゴングリーン誘導体、ロドール誘導体、レドックスインジケータ、例えば、メチレンブルー、5−シアノ−2,3−ジトリル塩化テトラゾリウム(CTC)、2−(4−ヨード−フェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−塩化テトラゾリウム(INT)、8−ジメチルアミノ−2,3−ベンゾフェン−オキサジン(メルドーラズブルー)、1−メトキシフェナジンメトサルフェート(MPMS)、5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4,5−ジメチルチアゾイル)−3−(4−スルホフェニル)テトラゾリウム(MTS)、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル臭化テトラゾリム(MTT)、3,3’−(3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレン−ビス[2−(4−ニトロフェニル−5−フェニル)]−2H−塩化テトラゾリウム(NBT)、ニトロテトラゾリウムバイオレット(NTV)、フェナジンメトサルフェート(PMS)、ナトリウム3’−[1−[(フェニル−アミノ)カルボニル]−3,4−テトラゾリウム[ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸(XTT)、フェナジンエトサルフェート(PES)およびWST−1)
・蛍光インジケータ、例えば、オレゴングリーン488BAPTA、カルシウムグリーン、カルシウムオレンジおよびカルシウムクリムソン
・化学発光インジケータ
・バイタルインジケータ、例えば、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン
・その他染料インジケータ、例えば、p−ニトロアニリン誘導体、2−ナフチルアミド誘導体、7−アミノ−4−メチルクマリン誘導体、7−アミノ−4−クロロ−メチルクマリン誘導体、6−アミノキノリン誘導体、ローダミン誘導体、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、モノブロモビマン誘導体、テトラメチルローダミン誘導体、エロシン誘導体、エリスロシン誘導体、テキサスレッド誘導体、クマリン誘導体、ピリジルオキサゾール誘導体、ベンゾフラザン誘導体、ナフタレン誘導体、ジダンシルシステイン、ダンシル誘導体、アジリジン誘導体、ピレン誘導体およびクーマシーブルー)
【0045】
これに加えて、インジケータ物質は、例えば、酵素、タンパク質、糖タンパク質、リポ多糖、多糖類、多クローン性および単クローン性抗体、DNA、RNA、細胞小器官または微生物に共有結合できる。
【0046】
「診断添加剤」はまた、対マーカ化合物である有意抗体、多クローン性抗体およびそのサブクラス、同様に単クローン性抗体とも考えられる。これに加えて、抗体は、例えば、酵素、タンパク質、糖タンパク質、リポ多糖、多糖類、DNA、RNA、細胞小器官、微生物またはその他支持材に共有結合できる。
【0047】
診断添加剤は、以下の部類の酵素とすることができ、以下の列挙は例示であり本発明を限定するものではない。
・オキシドレダクターゼおよびそのサブクラス、例えば、ラクテートデヒドロゲナーゼのようなデヒドロゲナーゼ、オキシダーゼ、ペロキシダーゼ、レダクターゼ、モノオキシゲナーゼおよびジオキシゲナーゼ
・トランスフェラーゼおよびそのサブクラス、例えば、C1−トランスフェラーゼ、グルソイルトランスフェラーゼのようなグリコシルトランスフェラーゼ、フラクトシルトランスフェラーゼ、アミノトランスフェラーゼおよびホスフォトランスフェラーゼ
・ヒドロラーゼおよびそのサブクラス、例えば、エステラーゼ、グルカナーゼおよびフルクタナーゼのようなグリコシダーゼ、例えば、ジペプチジルペプチダーゼ、Arg−ジンジパン、Lys−ジンジパイン、コラゲナーゼ、ゲラチナーゼ、カテプシン、エラスターゼおよびアミダーゼ
・リアーゼおよびそのサブクラス、例えば、C−C−リアーゼ、C−O−リアーゼ、C−N−リアーゼおよびC−S−リアーゼ
・イソメラーゼおよびそのサブクラス、例えば、エピメラーゼ、シス−トランスイソメラーゼおよび分子内トランスフェラーゼ
・リガーゼおよびそのサブクラス、例えば、C−C−リガーゼ、C−O−リガーゼ、C−N−リガーゼおよびC−S−リガーゼ
【0048】
今日、2000を超える異なる酵素が知られている。作用特異性および基質特異性を考慮する系がそれらを分類するために開発された。これより、特定の基質および/または補酵素(NAP(P)、NAD(P)H、FAD、FMN、リポアミド、ユビキノン、ヘム、ATP、ADP、AMP、GTP、GDP、GMP、UTP、UDP、UMP、CTP、CDP、CMP、補酵素A、チアミンジホスフェート、ピリドキサールホスフェート、ビオチン、テトラヒドロ葉酸塩が各酵素に属することになる。これらの特定の基質および/または補酵素は、例えば、一種類以上の酵素がマーカ物質として用いられる場合には、診断添加剤として存在していなければならない。逆に、例えば、糖ホスフェート、乳酸/乳酸エステル、ピルビン酸塩、酢酸/酢酸エステル、プロピオン酸/プロピオン酸エステル、ギ酸/ギ酸エステル、ペプチドまたは合成ペプチドをマーカ物質として用いるときは、特定の酵素を診断添加剤として用いることができることは当然である。
【0049】
これに加えて、酵素は、支持材に共有結合することができる。
【0050】
診断添加剤はまた、マーカ物質を診断できるよう、同時に存在していなければならない物質でもある。かかる物質は次の通りである。
【0051】
緩衝物質、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸/酢酸エステル、クエン酸/クエン酸塩、ジエチルバルビツール酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、グリシン、グリシルグリシン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノ−エタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)イミノジアセテート(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタン−スルホン酸(BES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)−メタン(BIS−TRIS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジン)]エタンスルホン酸(HEPES)、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタン−スルホン酸(TES)およびN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−グリシン(TRICINE)
・酸、例えば、硫酸、亜硫酸、リン酸、塩酸、酢酸および硝酸
・塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、水酸化カルシウムおよび酸化マグネシウム
・溶剤、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、グリセロール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、シクロヘキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アルカンおよび酢酸エチル
・塩、例えば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化ニッケル、塩化マンガン、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウム
・その他物質、例えば、グルタチオン、ウシ血清アルブミン、スクロース、グルコース、フルクトース、トレハロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンおよび過酸化水素
【0052】
本発明の特別な実施形態において、診断添加剤はマイクロカプセル化形態で存在させることができる。診断添加剤の多数の分子をマイクロカプセルに封入することができる。マイクロカプセル化診断物質を用いると得られる相乗効果は特に有利である。
【0053】
全く一般的な方法で、検出に必要な成分がいくつかの成分に収容された本発明による多成分診断系を用いると、個々の成分は互いに分離しているが、いずれの場合もマイクロカプセルに封入されて、あるいは部分的にマイクロカプセルに封入され、部分的に自由な形態で存在させることができる。3種類以上の成分を含有している診断系の場合には、少なくとも2成分をそれぞれマイクロカプセル化し、その他の少なくとも1成分を支持材中で自由にさせることもできる。いずれの場合においても、重要なのは、所望の最終生成物を与える診断添加剤の反応は、一つの反応相手がマイクロカプセルの壁を破壊するまで、分離したままに個々の成分を保つことにより防ぐことである。
【0054】
印象材は、通常、2成分形態で提供されるため、印象材の異なる成分において、活性化合物の異なる成分をマイクロカプセル化または自由とする、つまり基本ペーストと触媒ペーストに保つと有利である。
【0055】
通常、好適な支持材を選択するとき、これらの材料が診断材料と相容性があるよう注意を払わなければならない。例えば、蛍光染料を用いるときは、当然のことながら、支持材は関連波長範囲において蛍光を発する成分は含有していてはならない。診断目的の意味での不活性支持材の要件については、当業者には自明であり、容易に考慮に入れることができる。
【0056】
診断に用いることのできる添加剤の中には市販されているものもあり、適宜、物理的、化学的、生化学的または組換え的に変性することができ、特に、酵素およびその基質、抗体およびその抗原、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの場合に当てはまる。
【0057】
本発明において、「識別可能なシグナル」という用語は検出可能なシグナルの全てを意味するものと考えられる。これには、適宜、特別な器具を用いて検出される、例えば、カラーシグナル、例えば、蛍光シグナル、UVシグナル、VISシグナル、リン光体シグナルまたはルミネッセントシグナルが含まれる。同様に、本発明による方法を用いると、サーモグラフィー、分光学またはクロマトグラフィーにより、または支持材における微細構造の変化を分析することにより、認識できるシグナルを生成することができる。人間の目により光学的に記録できるシグナルが好ましい。
【0058】
本発明において、「陰性モデル」とは、硬化印象材が硬組織を持ち上げて取り去ったときに得られる鋳型または硬組織の対応型のことを意味するものと考えられる。この陰性モデルは、上顎または下顎全体またはその分離領域のみのインプリントとすることができる。この用語にはまた、最初に作成した陰性モデルを用いてポジ型を作成する間に作成された陰性モデルも含まれる。
【0059】
本発明において、検出すべき病原性物質および/または微生物、および検出すべきで、口腔病または治療プロセスを示す、または感染した硬組織の形成を導く、またはこれに寄与する物質の例を以下に挙げる。
1.バクテリア、ウイルスまたは菌類、例えば、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸、カルボン酸、例えば、乳酸およびプロピオン酸、および同じくその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせから構成される代謝生成物。
2.バクテリア、ウイルスまたは菌類、例えば、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸、カルボン酸、例えば、乳酸およびプロピオン酸、および同じくその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせの表面構造体。
3.バクテリア、ウイルスまたは菌類、例えば、抗体、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸またはその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせとの感染に応じて形成される人間または動物の物質。
4.バクテリア、ウイルスまたは菌類(例えば、ガン)、例えば、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸、カルボン酸、例えば、乳酸およびプロピオン酸、および同じくその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせとの感染に先天的に基づかない口腔病を示す人間または動物の物質。
5.口腔病、例えば、プラークまたはバイオフィルムの発現の結果、またはそれの前提条件として知られており、例えば、抗体、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸またはその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせを含む構造に存在する物質。
6.口腔病または損傷、例えば、組織および/または骨の再生の結果として知られており、例えば、抗体、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸またはその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせを含む現在の治療プロセスを指す物質。
【0060】
診断および治療可能な口腔病としては、カリエス、早期発現歯周病、prepubital歯周病、若年性歯周病、急速進行性歯周病(RPP)、成人歯周病、難治性歯周病、歯肉炎、口臭、カンジダアルビカンス、カンジダクルゼイ、カンジダグラブラータ、カンジダルシタニエおよびカンジダドゥブリニエンシスによる感染およびガンも挙げられる。
【0061】
本発明による治療装置を用いて治療可能な歯周病の他の形態は、アクチノバチルスアクチノマイセテムコミタンス、バクテリオイデスフォーサイサス、カンピロバクターレクタス、カプノシトファージオクラセア、カプノシトファージジンジバリス、エイケネラコロデンス、フソバクテリウムヌクレアタム、ポルフィロモナスアサチャロリティカス、ポルフィロモナスジンジバリス、プレボテラデンタリス、プロボテラインターメディア、プレボルテラニグレセンスおよびトレポネマデンティコーラによる感染と因果関係がある。口道溝液中のバクテリアの存在および量は、印象材を用いることにより求めることができる。これらバクテリア、例えば、フィムブリエ、細胞外多糖類またはアドヘシンの表面抗原に抗する、特定の多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体が、この目的にとって好適である。
【0062】
カリエスは、サリバリウスサリバリウス連鎖球菌、ベスティビュラリス連鎖球菌、サーモフィラス連鎖球菌、ミュータンス連鎖球菌、ラッタス連鎖球菌、ソブリナス連鎖球菌、クリセタス連鎖球菌、ダウンエイ連鎖球菌、マカカエ連鎖球菌、フェラス連鎖球菌、ミレッリ連鎖球菌、アンギノサス連鎖球菌、コンステラタス連鎖球菌、インターメディウス連鎖球菌、ミティス連鎖球菌、オラリス連鎖球菌、サングイス連鎖球菌、ゴルドニイ連鎖球菌、パラサングイス連鎖球菌、クリスタ連鎖球菌、ミティオア連鎖球菌、アシドフィラス乳酸菌、アリメンタリウス乳酸菌、ブレヴィス乳酸菌、ブヒネリ乳酸菌、カゼイ乳酸菌、パラカゼイssパラカゼイ乳酸菌、パラカゼイssラムノサス乳酸菌、パラカゼイssトレランス乳酸菌、デルブリュッキ乳酸菌、デルブリュッキssラクティス乳酸菌、デルブリュッキssデルブリュッキ乳酸菌、デルブリュッキssバルガリクス乳酸菌、エンドカルディティス乳酸菌、フェルメンタム乳酸菌、ガセッリ乳酸菌、シュードプランタラム乳酸菌、ラーモノサス乳酸菌、サリバリウス乳酸菌、イスラエッリ放線菌、オドントリティカス放線菌、アクチノミセテムコミタンス放線菌、エイケネラ、ブランハメラカタルハリス、ベイロネーラアルカレッセン、ベイロネーラパルブラ、アクチノミセスナエスランディおよびロチアデントカリオーザによる感染と因果関係がある。印象材を用いる結果、これらのバクテリア、例えば、タンパク質、リポ多糖、糖タンパク質、フィンブリア、細胞外多糖類、アドヘシン、リポタイコ酸誘導体、グルカン結合タンパク質およびコラーゲン結合タンパク質の様々な表面抗原に抗する、多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体により可能である。カリエス誘発性バクテリアの存在および量を診断し、それに基づいて好適な治療剤を陰性モデルに適用する。
【0063】
本発明において、「治療剤」という用語は、原則的に、診断添加剤を含有する印象材を用いるとき、これらの添加剤により検出される感染を治療するのに好適な薬剤を意味するものと考えられる。
【0064】
好適な治療剤としては、硬歯物質を効果的に再石灰化することの可能なフッ素化剤、例えば、フッ素化ラッカーまたはゲル、抗生物質、静菌剤および/または殺菌剤、例えば、ラッカーやゲルの形態のクロルヘキシジン、および同じくトリクロサン、第四級アンモニウム化合物および鉱物混合物が挙げられる。
【0065】
本発明において、「前処理」という用語は表面を何らかの方法によって変性することを意味するものと考えられる。これらの方法としては、特に、機械的前処理、例えば、表面の部分研磨または削りによるものが挙げられる。しかしながら、化学物質または物質混合物の適用も含まれる。
【0066】
研磨は、歯科の当業者に知られた、メス、はさみまたはその他切断装置を用いて行うことができる。
【0067】
本発明による治療装置は、通常、印象スプーンと、スプーン内に存在し、診断添加剤を含有する支持材から構成される陰性モデルとを含む。治療剤を、この陰性モデルの少なくとも一部位に適用する。
【0068】
この治療装置を、与えられた時間にわたって、元の鋳造された硬組織に再び置く。
【0069】
治療剤を陰性モデルに如何に、そして陰性モデルのどこに適用したかによって決め、この治療剤を、硬組織の感染部位に、部位特異的な方法で配置する。
【0070】
この方法で、本発明による治療装置によれば、治療剤を効率的に用いることが可能となる。治療剤の必要量のみが適用されるため効率的であり、一方、治療剤を治療が必要な部位にのみ適用されるため効率的である。
【0071】
本発明はさらに、次のような利点を示す。すなわち、本発明を用いると、以前のように一箇所をやってから別の箇所ではなく、数箇所の患部を同時に治療できるため、処置者は以前よりも迅速に疾病または感染硬組織物質領域を治療することができる。これによって、患者のストレスも最小となり、治療コストも節約される。
【0072】
支持材を用いる結果、口道溝液中で、バクテリアの有無および代謝活性または前記バクテリアの属を示す酵素活性を測定することが可能となる。診断使用は、トリプシン様プロテアーゼ活性、好ましくはジペプチジルペプチダーゼ活性、特に好ましくはArg−ジンジパイン活性およびLys−ジンジパイン活性から構成される。Arg−ジンジパイン活性を求めるために、検出可能な残基に加えて少なくとも1つのArg残基(P1位に)を含有する合成ペプチドを用いることが可能である。Lys−ジンジパイン活性を求めるために、検出可能な残基に加えて少なくとも1つのLys残基(P1位に)を含有する合成ペプチドを用いることが可能である。p−ニトロアニリン誘導体、例えば、Nα−ベンゾイル−DL−アルギニン−p−ニトロアニリドおよび2−ナフチルアミンペプチド誘導体、例えば、Nα−ベンゾイル−DL−アルギニン−β−ナフチルアミドに加えて、6−アミノキノリンペプチド誘導体、ローダミンペプチド誘導体およびクマリンペプチド誘導体、例えば、7−アミド−4−メチルクマリン、N−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−メチルクマリン、および7−アミノ−4−クロロメチルクマリン、N−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−クロロメチルクマリン、検出可能な残基を用いることができる。
【0073】
支持材を用いる結果、多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体を用いて、サイトカインの誘導につながるバクテリア物質を診断することができる。リポ多糖類、リポアラビノマンナン、ペプチドグリカン、タイコ酸誘導体、細胞外多糖類およびリピドAに抗する抗体が好ましい。
【0074】
支持材を用いる結果、多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体を用いて、歯周炎病原体により引き起こされるサイトキニン形成を診断することができる。インターロイキンIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7およびIL−8、腫瘍壊死因子TNFα、インターフェロンα、βおよびγ、M−CSFコロニー形成因子、成長因子EGFおよびTGFαおよびMCPケモカインに対する抗体を用いることができる。
【0075】
支持材を用いる結果、アルカリホスファターゼ、アリルスルファターゼ、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ、β−グルクロニダーゼ、カテプシン(G、BおよびD)、エラスターゼ、ヒアルロニダーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、リソソーム、マトリックスメタロプロテイナーゼ(コラゲナーゼおよびゲラチナーゼ)、組織インヒビターメタロプロテイナーゼ(TIMP)、ストロメライシン、ラクトフェリン、トリプターゼおよびミエロペルオキシダーゼの酵素活性により歯周組織の破壊を診断することができる。
【0076】
支持材を用いる結果、多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体を用いて、歯肉炎の分子マーカを診断することができる。これらとしては、例えば、インターロイキンIL−1、IL−2、IL−4およびIL−6、TNFαおよびアラキドン酸誘導体、例えば、プロスタグランジンE2が挙げられる。
【0077】
支持材を用いる結果、カリエスバクテリア、例えば、プロテアーゼ、好ましくはグルコシルトランスフェラーゼ、グルカナーゼ、フルクトシルトランスフェラーゼおよびフルクタナーゼの細胞外酵素活性を診断することができる。
【0078】
支持材を用いる結果、カリエスバクテリアの代謝生成物、例えば、酪酸、ギ酸、好ましくは酢酸、プロピオン酸、特に好ましくは乳酸を診断することができる。さらに、酸の放出を伴う周囲の媒質の酸性化を、pHインジケータ、例えば、ブロモフェノールブルー、コンゴーレッド、ブロモクレゾールブルー、好ましくはロドール誘導体、特に好ましくはオレゴングリーン誘導体を用いて検出することができる。プラークのような周囲媒質中のpHの酸性化の結果、カルシウムイオンが硬歯物質から溶解する。印象材を用いることにより、カルシウムインジケータ、例えば、カルシウムクリムソン、好ましくはカルシウムグリーン、カルシウムオレンジまたは特に好ましくはカルシウムオレゴングリーン488BAPTAを用いるこのプロセスを診断することができる。
【0079】
支持材を用いる結果、上述のマーカ化合物の増減を、治療プロセスの尺度として用いることができる。
【0080】
意外なことに、口腔内で生じ、唾液腺および口道溝液の分泌による液体の連続交換がなされる動的プロセスであるにも係らず、本発明によれば、支持材表面に十分に高濃度のマーカ化合物が得られ、支持材においては、通常の治療の範囲内であっても信頼性の高い診断が可能となる。
【0081】
印象材を用いることにより、多数の個々の試料を分配しながら、目視上完全な口腔における状況の説明が得られ、現在の臨床写真を得ることができることは有利である。追加の架橋シリコーン印象材を用いることは、インプリントが殆んど時間の制限なく保持できるため、これに関して特に興味深い。
【0082】
好ましい実施形態において、支持材は、診断手順を単純化するために、少なくとも1種類の成分またはいくつかであり、診断試験系に全て必要な成分である。これらの診断添加剤は、例えば、イオン性、極性、非極性または疎水性相互作用により支持材に局所的にまたは支持材中に固定することができる。診断添加剤を高分子量担体にまず固定し、それらを支持材中に混練することにより局所的に診断添加剤を固定することもできる。これによって、支持材中の診断添加剤の拡散移動が制御される。例えば、泡形態で、支持材中に微細構造および/または微細間隔を形成すると、成分の捕捉および固定の補助することができる。成分は、本発明による支持材中で自由に利用できるか、あるいは別のファージに存在できる。
【0083】
支持材は、0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の診断添加剤を含有しているが、所望の効果を認識するのに必要なだけの量の添加剤を少なくとも含有している。本発明による方法を用いるとき、診断添加剤は、所望の効果が認識できる量で支持材に適用されなければならない。
【0084】
支持材、診断添加剤および治療剤の以下の組み合わせは特に有益であることが証明された。
【0085】
好ましくは用いられる支持材は、例えば、カラーシグナルを用いて部位特異的な方法でカリエスプロセスを判断することのできる診断添加剤の入ったアルギナート印象材である。この性質の支持材は、非常に満足いく方法で、Elmexゼリー(Wybert製)のようなフッ素化ゲルに、超精細な徹底的なフッ素化を行うことを目的として、着色部位に与えることができる。
【0086】
その他の好ましい組み合わせとしては、部位特異的な方法で、歯周感染歯肉ポケットを着色する診断添加剤を含有するアルギナートまたはポリエーテル印象材がある。これらの支持材は、ラッカーの形態で局所活性の抗生物質により着色部位に非常に容易に提供される。
【0087】
治療装置は、例えば、診断添加剤を含有する支持材を印象スプーンへ分取し、これを用いて硬組織の負のインプリントを取ることにより作成することができる。硬組織の感染部位は、硬組織に面する支持材の表面に識別可能なシグナルを生成する。
【0088】
続いて処理剤をこれらの部位に適用する。
【0089】
他の実施形態において、陰性モデルを用いて正のインプリントを生成し、一部について、長い期間にわたって使うことのできる個々の治療装置、好ましくはマウスピースの形態のものを作成する型として用いる。
【0090】
当業者に知られている個々のマウスピースまたは印象スプーンを作成するための材料がかかるマウスピースの作成に好適である。
【0091】
かかる個々の治療装置は、通常、明らかに優れた着用性を示し、歯科医にかかる人にそれぞれ繰り返し用いることができる。
【0092】
陰性モデル中で、硬組織の感染領域と検出された領域は、個々のマウスピースの表面に印が付けられる。処理剤をこれらの領域に繰り返し適用することができる。
【0093】
硬組織の感染部位を比較的長期間、例えば、数週間にわたって治療する必要があるときは非常に有利である。
【0094】
好ましい実施形態において、支持材の表面は、これらの部位で前処理され、例えば、適用すべき治療剤の貯蔵部を作成するために、これらの部位から材料が除去される。
【0095】
適用すべき治療剤に応じて、適用を実施する前にキーを作成するのも有利である。
【0096】
かかるキーは、例えば、この領域の表面を削ることにより作成することができる。プライマー状物質もまた、これに加えて、あるいは代替として適用することができる。
【0097】
本発明を実施例により以下により詳細に説明する。
【0098】
適用例1
ポリエーテル印象材を用いたArg−ジンジパインの検出
DE−C−17 45 810の実施例12に記載された通りにして得た53.2重量部のアジリジノポリエーテルを、水素添加パーム油18.1gおよびジベンジルトルエン6.4重量部と均一になるまで、通常の実験室用三つ指ニーダにおいて混合することにより、基礎ペーストを作成した。この物質を、平均モル質量が6500の酸化エチレンおよび酸化テトラメチレン単位から構成される11.8部のコポリマー、0.1部のラウリルイミダゾール、および平均モル質量が3500の酸化エチレンおよび酸化プロピレン単位から構成される5.0部のブロックコポリマーと混合した。この物質を5.3重量部の珪藻土と混合した。
【0099】
触媒ペーストを、33.8重量部のアセチルトリブチルシトレートを、14.1部の酸化エチレン−酸化プロピレンブロックコポリマー、およびDE−C−25 15 593の実施例31に記載された通りにして得られた19.0部のスルホニウム塩と均一にすることによりブレンドした。この物質を、11部の珪藻土および205部の発熱ケイ酸および1部の二酸化チタンと混合した。0.7gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび0.8gのグリシルグリシンを、緩衝物質として添加し、200μgのN−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−メチルクマリンを基質として添加した。
【0100】
基礎ペーストと触媒ペーストを、5:1の容積比で混合し、約8分後硬化させて均一なゴムとした。2μlのArt−ジンジパイン含有溶液(原液:200mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン中0.5mgのArg−ジンジパイン/ml、pH7.6)による相設定中、このゴムの表面をドープしたところ、数分後に、この部位で、360nmの励起波長に強い青色蛍光発光が見られた。
【0101】
これに続いて、ラベリングした部位を、Elyzol Dentalgel(コルゲート製、活性化合物、メトロニダゾールベンゾエート)で塗った。
【0102】
適用例2
アルギナート試験片でのArg−ジンジパインの検出
0.12gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、100μgのN−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−メチルクマリンを含有するpH7.6の溶液20mlを、10gのアルギナート(Palgat Plus Quick、ESPEデンタルAG製)に加え、全体を混練して、幅広プラスチックスパチュラを用いて1分以内で均一な物質とした。設定段階中、アルギナート試験片を、2μmのArg−ジンジパイン含有溶液(原液:200mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン中0.5mgのArg−ジンジパイン/ml、pH7.6)でドープした。5分後、この部位で、360nmの励起波長に強い青色蛍光発光が観察できた。
【0103】
これに続いて、ラベリングした部位を、Elyzol Dentalgel(コルゲート製、活性化合物、メトロニダゾールベンゾエート)で塗った。
【0104】
適用例3
アルギナート印象材を用いた歯周ポケット中のArg−ジンジパインの検出
0.24gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、0.26gのグリシルグリシンおよび200μgのN−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−メチルクマリンを含有する溶液40mlを、20gのアルギナート(Palgat Plus Quick、ESPEデンタルAG製)に加え、全体を混練して、幅広プラスチックスパチュラを用いて1分以内で均一な物質とした。アルギナート物質を、市販の印象スプーンに入れ、歯周炎患者の上顎または下顎に5分間置いた。個々の歯周ポケット端で、360nmの励起波長に強い青色蛍光発光が観察できた。これに続いて、ラベリングした部位を、Elyzol Dentalgel(コルゲート製、活性化合物、メトロニダゾールベンゾエート)で塗った。
【0105】
このようにして作成した硬化した印象材を患者の口に再び入れ、約10分間にわたって放置した。
【0106】
適用例4
アルギナート試験片での乳酸の検出
0.065gのグリシルグリシン、0.06gのトリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、9mgのNAD、0.23mgのフェナジンメタサルフェート、0.75mgの3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル臭化テトラゾリウム(MTT)およびブタの心臓ラクテートデヒドロゲナーゼの463単位を含有する溶液10mlを、5gのアルギナートに加え、全体を幅広スパチュラを用いて混練して1分以内に均一な物質とした。アルギナート試験片を、100mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、pH9.0中5μlの10mM Caラクテート溶液でドープした。4分後、ドープ部位で青色着色発現が観察された。
【0107】
この後、着色部位をメスで僅かに切り取り、Elmexゼリー(Wybert製)を充填した。
【0108】
適用例5
アルギナート印象材を用いて、歯に乳酸が形成されたか判断する
0.26gのグリシルグリシン、0.24gのトリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、36mgのNAD、0.9mgのフェナジンメトスルフェート、3mgの3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル臭化テトラゾリウム(MTT)およびブタの心臓ラクテートデヒドロゲナーゼの1850単位を含有する溶液40mlを、20gのアルギナートに加え、全体を幅広スパチュラを用いて混練して1分以内に均一な物質とした。アルギナート物質を、市販の印象スプーンに入れ、歯周炎患者の上顎または下顎に置いた。患者は予め歯を清浄にし、1%のスクロース溶液で濯いでおかなければならない。4分後、印象スプーンを取り除いた。乳酸が形成された部位は、発現された青色着色により認識できる。
【0109】
この後、着色部位をメスで僅かに切り取り、Elmexゼリー(Wybert製)を充填した。このようにして作成した硬化した印象材を患者の口に再び入れ、約10分間にわたって放置した。
本発明は、診断用添加剤を含有する印象材を用いて個々に治療装置を製造することが可能な、治療剤を感染した硬組織に適用するための治療装置に関する。
【0002】
当業者は、例えば、EP−A−0 304 871より、例えば、歯肉ポケット、歯表面または歯根管のような口腔内の定義されたポイントから採取された個々の試料に基づいた単一部位試験に精通している。これらの試料のその後の分析は、問題点に応じて非常に大きく異なる方法を用いて行われ、次の4つの一般的アプローチに分けることができる。
【0003】
1.元々存在していた微生物の数は直接診断にとって十分でないため、微生物学的診断は、数日間にわたって好適な培養基において試料をインキュベートした後になされることが多い。微生物を増殖させた後、コロニー形成単位(CFU)を数え、試料中に存在する微生物の数を結果から引く(Kneist, S.; Klein, C.; Rupf, S.; Eschrich, K.Quintessenz(1999年)50, 33−43)。これらの試験システムにおいて、試料中に存在する生存微生物は最良の条件下で繁殖させることができる。従って、定義された培養基を用いて選択的に増殖させた微生物が、口腔と同じ遮蔽されない方法で繁殖できた場合、分析結果によれば、評価微生物にとって最も可能性のある病原潜在性が何であるかが分かる。
【0004】
しかしながら、周知の通り、かかる最適成長条件が口腔に存在することはまずないため、この試験結果は限られた情報値に過ぎない。
【0005】
これに加えて、試料をインキュベートすると、リスクを最小にするために適正な予防策をとって本来は治療しなければならない病原性の微生物の培養が作成されるということを見逃してはならない。特別な廃棄処理が必要である。これらの欠点に加えて、微生物学的診断をするためのインキュベーション方法はコストが高く、しかも非常に時間がかかる。
【0006】
2.免疫学的方法は、単一部位試験において微生物学的データを集めるための他の一般的アプローチである。この場合、微生物表面構造に対する単クローン性またはポリクローン性抗体または微生物が分泌する物質を用いる。これに加えて、例えば、炎症プロセスをモニターするのに適した抗体を用いることも可能である。WO−94/12877、US−5 665 559、WO−96/07103およびWO−96/32647がこの例について言及している。
【0007】
段落2による免疫学的方法は、段落1によるインキュベーション法よりも特異的、迅速かつ経済的であるが、特に試料採取により決まる再現性に著しく乏しい。例えば、生存微生物に加えて、死亡微生物がプラーク領域には大量に存在している。死亡微生物と生存微生物の比率は、試料採取によって異なる。抗体は生存微生物と死亡微生物を区別することはできないため、存在している評価微生物の病原性の可能性を推定するのに予測不可能な部分がある(Aass, A.M.; Preus, H.R., Zambon,J.J., Gjermo, P.Scand J.Dent Res(1994年)102, 355−360)。
【0008】
3.最高感度を有する方法は、ポリ連鎖反応技術(PCR)に基づくものである。極少量の微生物を高度の特異性で検出することができる。しかしながら、PCR技術は時間がかかり、複雑でコスト集中的であり、習得するのは簡単なことではない(Rupf, S.; Kneist, S.; Merte, K.; Eschrich, K.Eur.J.Oral.Sci(1999)107, 75−81)。
【0009】
4.さらに、口腔病を診断するのに生化学マーカを用いるいくつかの方法が記載されている。J. Meyle, Deutsche Zahnaerztliche Zeitschrift(1999年)54, 73−77)による記事に総論がある。個々の生化学マーカの情報値は、臨床研究を考慮した判別的な方法で評価しなければならず、当業者の事柄である。単一部位方法は、生化学マーカを決めるのに用いられることを強調しておく。特許明細書WO−98/21583を一例として参照されたい。この場合に必要とされる補助ツールには、調査すべき試料を結合するという特徴がある(WO−91/14000、EP−A−0 304 871およびUS−A−5 725 373)。各試料採取部位については、個々の補助ツールを用いて、個々に分析しければならない。
【0010】
原則的に、先行技術で開示された単一部位方法はすべて、膨大な個々の試料を採取することによってほぼ完了する口腔内の状況を説明することのみが可能であるという重大な欠点を持っている。試料採取には、歯周ポケットまたは根管に導入される紙片が用いられることが多い(US−A−5 725 363およびEP−A−0 304 871)。
【0011】
歯周炎病原体は歯周ポケットに遍在しているのだが、歯周炎活性は患者の歯周ポケットによって大きく異なる。この理由から、1つまたはその他の歯周炎病巣を全て対象に含む保証はできないが、診察をするために実質的に25個を超える個々の試料を採取し分析する必要がある。
【0012】
このことから、原則的に、点状記録の数では、口腔の状況の記述が不十分であることは明らかである。従って、時間とコストのかかる単一部位技術は、認定の根拠となり得るだけである。従って、単一部位技術は、口腔診断において広範囲の適用については認められない。
【0013】
口腔内において、同時に複数、かつ部位特異的および物質特異的な診断を行う単純で安価な方法が長いこと必要とされてきた。
【0014】
この問題点についてはDE−199 26 728で取り組まれている。この特許出願は、部位特異的および物質特異的口内診断に用いることのできる添加剤を含有する鋳造可能な、硬化性またはフィルム形成支持材について記載している。これらの特許には、これらの添加剤によって、当業者であれば、部位特異的および物質特異的な方法で、病原性物質および/または微生物を口内で検出する、または口腔病または治療プロセスを示す物質を、部位特異的および物質特異的な方法で検出するための画像を生成することができると説明されている。
【0015】
DE−A−198 27 417には、歯周療法学に用いられる、印象材のような基礎材料、およびこの印象材に分散された変性物質を含有する異なる細胞の光学特性を微分変性するためのフィルム形成材料について記載されている。この特許は、治療の目的でこの変性材料を用いることも可能であると報告している。これに関して、変性材料を再び疾患部位に適用すべきであると説明されている。疾患部位は、口内硬組織で直接、蛍光により識別される。疾患部位は、光力学治療により治療される。
【0016】
DE−199 26 728に記載された支持材を用いて得られた知見を基礎としたところ、感染領域の後の治療は、例えば、感染領域を清浄にし、その後、治療剤を適用することにより成されなければならない。
【0017】
これらの後の治療は、比較的、時間がかかり、十分に効果的ではないことが多く、また、DE−A−198 27 417に記載されているように、治療すべき部位が最初から分かっていないため材料が無駄になる。
【0018】
従って、感染領域をより効果的に治療することを可能とする治療装置を提供することが目的である。
【0019】
この目的は、感染硬組織を治療する方法において陰性モデルを作成するのに、部位特異的および物質特異的診断に用いることのできる添加剤を含有する支持材を用いることにより達成される。
【0020】
本発明はまた、対応の治療装置そのものおよびそれを製造する方法にも関する。
【0021】
診断添加剤の存在により、病原性物質および/または微生物を、部位特異的および物質特異的な方法で口内で検出したり、口腔病または治療プロセスを示す物質を、部位特異的および物質特異的な方法で口内で検出することが可能となる。
【0022】
この情報を基礎として用い、本発明によれば、硬組織の感染領域の部位特異的治療のための治療装置を提供することが可能となる。
【0023】
これに関連して、「部位特異的」とは、本発明において、非感染組織が治療剤と接触しないことを目的とした、実際には、好適な治療剤を選択することにより達成できる、感染領域の選択的治療を意味するものと考えられる。
【0024】
この方法では、治療剤の量を必要最低量に制限することができ、それによってコストを節約することができる。しかしながら、他に重要な点としては、患者に作用する治療剤の使用量に関して、患者に与えるストレス、および作用するまでの時間を大幅に減じることができることである。
【0025】
支持材料を用いることで大量の個々の試料を分配しながら、個々の歯の状況を完全に目視により説明し、かつ現在の臨床写真を得ることが可能とするばかりでなく、治療装置により、部位特異的な方法で感染した組織を同時に治療することが可能となるという利点もある。咬合咀嚼面および歯の前庭、舌側、歯冠、歯根、歯頚、歯肉および切歯に加えて、支持材の輪郭明瞭度もまた歯間腔領域を記録する。
【0026】
「含む」または「含有する」という用語は、特徴の決定的でない列挙を行うものである。「一つの」という文言は、前に用いた請求項における特徴に言及することを指すが、「少なくとも一つの」という意味で、前記特徴が複数存在していてもよい可能性を除外するものではない。
【0027】
本発明の意味において、「支持材」という用語は、特に、口内用途において、鋳造可能、硬化可能またはフィルム形成支持材を意味するものと考えられる。
【0028】
好適な支持材としては、歯科印象材またはフィルムが例示され、いずれの場合も、シリコーン、ポリエーテル−シリコーン、ポリエーテル、アルギナートまたは親水コロイドベースである。アルギナート、好ましくはホスフェートまたはピロホスフェートを添加しないものが、カリエス診断のような数多くの適用範囲に用いられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メソ)アクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリ塩化ビニルまたはゴムのようなその他公知の合成材料も全て支持材として用いるのに好適である。これに加えて、例えば、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールをベースとしたヒドロゲルが支持材として用いるのに好適である。歯科石膏プレパレーション、プラスチシンのような非硬化可能な混練可能な材料、または液体中の固体分散液、例えば、シリコーン、ろう、ゼラチン、デンプン、脂肪および前述の支持材から構成されたペーストおよび同様の物質も、本発明による方法を実施するのに同様に好適である。
【0029】
付加架橋または縮合架橋シリコーン、ポリエーテル−シリコーンまたはポリエーテルは、多くの印象材のベースを形成する。これらの材料の詳細については先行技術に記載されているため、詳細をここに記載する必要はない。付加架橋または縮合架橋シリコーンは、例えば、US−A−3 897 376、EP−B−0 231 420およびUS−A−4 035 453、EP−B−0 321 420の3頁、およびさらに、EP−A−0 480 238(特に、2頁、3−26行を参照)およびEP−B−0 268 347に記載されている。これらの文献の開示内容は、ここに参考文献として組み込まれる。ポリエーテル−シリコーンは、同様にその開示内容がここに参考文献として組み込まれる、特に、DE−A−37 41 575およびDE−A−38 38 587に記載されている。ポリエーテルは、同様にここに参考文献として組み込まれる、例えば、DE−B−17 45 810、DE−A−43 06 997、DE−A−40 93 555、DE−C−25 15 593、DE−A−197 19 438およびUS−A−34 53 242に記載されている。
【0030】
ポリエーテルベースの支持材が特に好適である。これに関して、この物質は、例えば、以下の成分を含んでいる。
(A)30〜97、好ましくは40〜89、特に好ましくは40〜80.5重量%の、1000〜20,000g/モルの範囲のモル質量と500〜8000g/等量の範囲のアジリジノ等量質量を有する少なくとも1種類のN−アルキルアジリジノポリエーテル、
(B)1〜10、好ましくは1〜5、特に好ましくは1.5〜3重量%の、N−アルキルアジリジノポリエーテルを硬化させるのに好適な開始剤物質、
(C)1〜50、好ましくは5〜45、特に好ましくは8〜43重量%の有機希釈剤、
(D)1〜50、好ましくは5〜40、特に好ましくは10〜30重量%の、フィラー、染料、含量、揺変性剤、流動向上剤、ポリマー増稠剤、表面活性物質、悪臭物質(odiferous substance)およびフレーバーを含む変性剤、
(E)0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の診断添加剤。
【0031】
成分(A)は、ポリエーテル親基質を、酸化エチレン、酸化プロピレンまたはテトラヒドロフランから構成されるホモポリマー、前記モノマーのランダムコポリマーおよびターポリマー、および/または酸化エチレンと酸化プロピレンから構成されるブロックコポリマーとすることのできるN−アルキルアジリジノポリエーテルを含む。
【0032】
混合プレパレーションを硬化させて1〜20分の時間間隔に弾性固体を与えることができる構成(B)に従った開始剤物質が、2成分印象材に用いるのに好適である。この固体は、DIN/EN2482による弾性印象材に配置するのに際した要件を満たしており、24時間の貯蔵後、少なくとも20のショアA硬度(DIN 53505)である。
【0033】
多くの公知の開始剤を、触媒成分の開始剤として用いることができる。使用は、便宜上、これら開始剤および開始剤系でなされ、硬化を容易に制御でき、副作用がなく、機械的特性の必要なレベルを再現可能に達成できる。
【0034】
DE−C−914 325は、オキソニウム塩、アンモニウム塩およびスルホニウム塩を開始剤物質として用いることを提案している。
【0035】
O.C.DERMER, G.E.HAM「エチレンイミンおよびその他アジリジン」Academic Press(1969年)には、N−アルキルアジリジノ化合物を硬化するのに用いられる開始剤物質の包括的な報告がなされている。
【0036】
本発明によれば、数多くの化合物部類および化合物は、原則的に好適な重合開始剤であることが分かっている。しかしながら、アジリジノポリエーテルのカチオン重合の実際の適用においては、所望の硬化時間を確立して、十分に長い操作時間および即時の最終硬化を与えるのは非常に難しい。この目的は、例えば、EP−A−0 110 429に記載されているような特別なトリスアルキルスルホニウム塩を用いることにより達成することができる。
【0037】
原則的に、硬化速度および弾性固体の特性の基準は、特別のトリアルキルスルホニウム塩を用いて達成することができる。
【0038】
特許出願DE−100 18 918には、低度の酸性度を触媒成分に与え、容易に調整可能で、基礎成分と触媒成分が混合された後、比較的長い操作時間を達成することのできる開始剤が記載されている。
【0039】
このタイプの開始剤系は、必要な速度で基礎ペーストを硬化するのに好適である。これらを用いることにより、弾性固体の所望の特性を得ることができる。
【0040】
特許出願DE−19942459には、改善された触媒成分を含有し、増大した伸び性という特徴を有するエラストマー物質が記載されている。本発明は、開始剤としてホウ酸錯体を用いている。これらの開始剤は、N−アルキルアジリジノポリエーテルを硬化するために特定の値を有していることを証明した。
【0041】
ポリエーテルポリオール、例えば、ポリプロピレングリコールまたはテトラヒドロフラン単位および/または酸化エチレン単位および/または酸化プロピレン単位を含有する混合ポリエーテルオール、ポリエステルポリオール、例えば、ポリカプロラクトンジオールおよびポリカプロラクトントリオール、ポリカーボネートジオール、脂肪族エステル、油、脂肪、ロウ、脂肪族炭化水素、芳香脂肪族炭化水素、および同様にポリ塩基酸の単官能性または多官能性エステル、例えば、フタル酸またはクエン酸、またはアルキルスルホン酸およびアリールスルホン酸のエステルまたはアミドは、成分(C)に従って有機希釈剤として用いられる。
【0042】
成分(D)による変性剤は、大部分が、微粉砕フィラー、例えば、ケイ酸アルミニウム、沈殿ケイ酸、石英粉末、珪灰石、マイカ粉末および珪藻土、および添加すると混合効率を評価しやすくさせ、混同の危険を減じる染料および顔料、揺変性剤、例えば、微分散ケイ酸および、流動挙動に影響するその他添加剤、例えば、ポリマー増稠剤、さらに初期流動挙動を制御する表面活性物質および同様に悪臭物質およびフレーバーである。
【0043】
調査すべき部位にスプレーまたは適用、例えば、塗られる重合可能な液体またはポリマー物質の溶液もまたその他の可能な支持材とすることもできる。これらの物質は、一般的には、揮発性溶剤、および適切な場合には、物質がマーカ化合物を取り上げた後、硬化し、剥離可能な固体層を形成するその他補助物質のニトロセルロースベースのラッカーである。一般に、好適な、容易に揮発する溶剤を取り上げることのできるポリマーを用いることが可能である。同様に、例えば、アセトン中でポリウレタンを用いることも知られている。好適なフィルム形成システムは、染色およびラッカーの化学から十分に周知である。
【0044】
以下の列挙は本発明を限定するものではない。診断添加剤の例は次の通りである。
・染料インジケータ、例えば、pHインジケータ、例えば、ブロムフェノールブルー、コンゴーレッド、ブロモクレゾールグリーン、オレゴングリーン誘導体、ロドール誘導体、レドックスインジケータ、例えば、メチレンブルー、5−シアノ−2,3−ジトリル塩化テトラゾリウム(CTC)、2−(4−ヨード−フェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−フェニル−2H−塩化テトラゾリウム(INT)、8−ジメチルアミノ−2,3−ベンゾフェン−オキサジン(メルドーラズブルー)、1−メトキシフェナジンメトサルフェート(MPMS)、5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4,5−ジメチルチアゾイル)−3−(4−スルホフェニル)テトラゾリウム(MTS)、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル臭化テトラゾリム(MTT)、3,3’−(3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレン−ビス[2−(4−ニトロフェニル−5−フェニル)]−2H−塩化テトラゾリウム(NBT)、ニトロテトラゾリウムバイオレット(NTV)、フェナジンメトサルフェート(PMS)、ナトリウム3’−[1−[(フェニル−アミノ)カルボニル]−3,4−テトラゾリウム[ビス(4−メトキシ−6−ニトロ)ベンゼンスルホン酸(XTT)、フェナジンエトサルフェート(PES)およびWST−1)
・蛍光インジケータ、例えば、オレゴングリーン488BAPTA、カルシウムグリーン、カルシウムオレンジおよびカルシウムクリムソン
・化学発光インジケータ
・バイタルインジケータ、例えば、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン
・その他染料インジケータ、例えば、p−ニトロアニリン誘導体、2−ナフチルアミド誘導体、7−アミノ−4−メチルクマリン誘導体、7−アミノ−4−クロロ−メチルクマリン誘導体、6−アミノキノリン誘導体、ローダミン誘導体、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、モノブロモビマン誘導体、テトラメチルローダミン誘導体、エロシン誘導体、エリスロシン誘導体、テキサスレッド誘導体、クマリン誘導体、ピリジルオキサゾール誘導体、ベンゾフラザン誘導体、ナフタレン誘導体、ジダンシルシステイン、ダンシル誘導体、アジリジン誘導体、ピレン誘導体およびクーマシーブルー)
【0045】
これに加えて、インジケータ物質は、例えば、酵素、タンパク質、糖タンパク質、リポ多糖、多糖類、多クローン性および単クローン性抗体、DNA、RNA、細胞小器官または微生物に共有結合できる。
【0046】
「診断添加剤」はまた、対マーカ化合物である有意抗体、多クローン性抗体およびそのサブクラス、同様に単クローン性抗体とも考えられる。これに加えて、抗体は、例えば、酵素、タンパク質、糖タンパク質、リポ多糖、多糖類、DNA、RNA、細胞小器官、微生物またはその他支持材に共有結合できる。
【0047】
診断添加剤は、以下の部類の酵素とすることができ、以下の列挙は例示であり本発明を限定するものではない。
・オキシドレダクターゼおよびそのサブクラス、例えば、ラクテートデヒドロゲナーゼのようなデヒドロゲナーゼ、オキシダーゼ、ペロキシダーゼ、レダクターゼ、モノオキシゲナーゼおよびジオキシゲナーゼ
・トランスフェラーゼおよびそのサブクラス、例えば、C1−トランスフェラーゼ、グルソイルトランスフェラーゼのようなグリコシルトランスフェラーゼ、フラクトシルトランスフェラーゼ、アミノトランスフェラーゼおよびホスフォトランスフェラーゼ
・ヒドロラーゼおよびそのサブクラス、例えば、エステラーゼ、グルカナーゼおよびフルクタナーゼのようなグリコシダーゼ、例えば、ジペプチジルペプチダーゼ、Arg−ジンジパン、Lys−ジンジパイン、コラゲナーゼ、ゲラチナーゼ、カテプシン、エラスターゼおよびアミダーゼ
・リアーゼおよびそのサブクラス、例えば、C−C−リアーゼ、C−O−リアーゼ、C−N−リアーゼおよびC−S−リアーゼ
・イソメラーゼおよびそのサブクラス、例えば、エピメラーゼ、シス−トランスイソメラーゼおよび分子内トランスフェラーゼ
・リガーゼおよびそのサブクラス、例えば、C−C−リガーゼ、C−O−リガーゼ、C−N−リガーゼおよびC−S−リガーゼ
【0048】
今日、2000を超える異なる酵素が知られている。作用特異性および基質特異性を考慮する系がそれらを分類するために開発された。これより、特定の基質および/または補酵素(NAP(P)、NAD(P)H、FAD、FMN、リポアミド、ユビキノン、ヘム、ATP、ADP、AMP、GTP、GDP、GMP、UTP、UDP、UMP、CTP、CDP、CMP、補酵素A、チアミンジホスフェート、ピリドキサールホスフェート、ビオチン、テトラヒドロ葉酸塩が各酵素に属することになる。これらの特定の基質および/または補酵素は、例えば、一種類以上の酵素がマーカ物質として用いられる場合には、診断添加剤として存在していなければならない。逆に、例えば、糖ホスフェート、乳酸/乳酸エステル、ピルビン酸塩、酢酸/酢酸エステル、プロピオン酸/プロピオン酸エステル、ギ酸/ギ酸エステル、ペプチドまたは合成ペプチドをマーカ物質として用いるときは、特定の酵素を診断添加剤として用いることができることは当然である。
【0049】
これに加えて、酵素は、支持材に共有結合することができる。
【0050】
診断添加剤はまた、マーカ物質を診断できるよう、同時に存在していなければならない物質でもある。かかる物質は次の通りである。
【0051】
緩衝物質、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、四ホウ酸ナトリウム、酢酸/酢酸エステル、クエン酸/クエン酸塩、ジエチルバルビツール酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、グリシン、グリシルグリシン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノ−エタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)イミノジアセテート(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタン−スルホン酸(BES)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)−メタン(BIS−TRIS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、3−[4−(2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジン)]エタンスルホン酸(HEPES)、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタン−スルホン酸(TES)およびN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−グリシン(TRICINE)
・酸、例えば、硫酸、亜硫酸、リン酸、塩酸、酢酸および硝酸
・塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、水酸化カルシウムおよび酸化マグネシウム
・溶剤、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、グリセロール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセトン、ブタノン、シクロヘキサン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、アルカンおよび酢酸エチル
・塩、例えば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化ニッケル、塩化マンガン、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウム
・その他物質、例えば、グルタチオン、ウシ血清アルブミン、スクロース、グルコース、フルクトース、トレハロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンおよび過酸化水素
【0052】
本発明の特別な実施形態において、診断添加剤はマイクロカプセル化形態で存在させることができる。診断添加剤の多数の分子をマイクロカプセルに封入することができる。マイクロカプセル化診断物質を用いると得られる相乗効果は特に有利である。
【0053】
全く一般的な方法で、検出に必要な成分がいくつかの成分に収容された本発明による多成分診断系を用いると、個々の成分は互いに分離しているが、いずれの場合もマイクロカプセルに封入されて、あるいは部分的にマイクロカプセルに封入され、部分的に自由な形態で存在させることができる。3種類以上の成分を含有している診断系の場合には、少なくとも2成分をそれぞれマイクロカプセル化し、その他の少なくとも1成分を支持材中で自由にさせることもできる。いずれの場合においても、重要なのは、所望の最終生成物を与える診断添加剤の反応は、一つの反応相手がマイクロカプセルの壁を破壊するまで、分離したままに個々の成分を保つことにより防ぐことである。
【0054】
印象材は、通常、2成分形態で提供されるため、印象材の異なる成分において、活性化合物の異なる成分をマイクロカプセル化または自由とする、つまり基本ペーストと触媒ペーストに保つと有利である。
【0055】
通常、好適な支持材を選択するとき、これらの材料が診断材料と相容性があるよう注意を払わなければならない。例えば、蛍光染料を用いるときは、当然のことながら、支持材は関連波長範囲において蛍光を発する成分は含有していてはならない。診断目的の意味での不活性支持材の要件については、当業者には自明であり、容易に考慮に入れることができる。
【0056】
診断に用いることのできる添加剤の中には市販されているものもあり、適宜、物理的、化学的、生化学的または組換え的に変性することができ、特に、酵素およびその基質、抗体およびその抗原、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの場合に当てはまる。
【0057】
本発明において、「識別可能なシグナル」という用語は検出可能なシグナルの全てを意味するものと考えられる。これには、適宜、特別な器具を用いて検出される、例えば、カラーシグナル、例えば、蛍光シグナル、UVシグナル、VISシグナル、リン光体シグナルまたはルミネッセントシグナルが含まれる。同様に、本発明による方法を用いると、サーモグラフィー、分光学またはクロマトグラフィーにより、または支持材における微細構造の変化を分析することにより、認識できるシグナルを生成することができる。人間の目により光学的に記録できるシグナルが好ましい。
【0058】
本発明において、「陰性モデル」とは、硬化印象材が硬組織を持ち上げて取り去ったときに得られる鋳型または硬組織の対応型のことを意味するものと考えられる。この陰性モデルは、上顎または下顎全体またはその分離領域のみのインプリントとすることができる。この用語にはまた、最初に作成した陰性モデルを用いてポジ型を作成する間に作成された陰性モデルも含まれる。
【0059】
本発明において、検出すべき病原性物質および/または微生物、および検出すべきで、口腔病または治療プロセスを示す、または感染した硬組織の形成を導く、またはこれに寄与する物質の例を以下に挙げる。
1.バクテリア、ウイルスまたは菌類、例えば、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸、カルボン酸、例えば、乳酸およびプロピオン酸、および同じくその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせから構成される代謝生成物。
2.バクテリア、ウイルスまたは菌類、例えば、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸、カルボン酸、例えば、乳酸およびプロピオン酸、および同じくその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせの表面構造体。
3.バクテリア、ウイルスまたは菌類、例えば、抗体、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸またはその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせとの感染に応じて形成される人間または動物の物質。
4.バクテリア、ウイルスまたは菌類(例えば、ガン)、例えば、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸、カルボン酸、例えば、乳酸およびプロピオン酸、および同じくその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせとの感染に先天的に基づかない口腔病を示す人間または動物の物質。
5.口腔病、例えば、プラークまたはバイオフィルムの発現の結果、またはそれの前提条件として知られており、例えば、抗体、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸またはその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせを含む構造に存在する物質。
6.口腔病または損傷、例えば、組織および/または骨の再生の結果として知られており、例えば、抗体、抗原、リピド、タンパク質、ペプチド、多糖類、DNA、RNA、糖、アミノ酸またはその他低分子量アニオン、カチオンまたは中性物質および同じく、例えば、イオン性、極性、非極性、疎水性、共有または接着相互作用を生じさせるその組み合わせを含む現在の治療プロセスを指す物質。
【0060】
診断および治療可能な口腔病としては、カリエス、早期発現歯周病、prepubital歯周病、若年性歯周病、急速進行性歯周病(RPP)、成人歯周病、難治性歯周病、歯肉炎、口臭、カンジダアルビカンス、カンジダクルゼイ、カンジダグラブラータ、カンジダルシタニエおよびカンジダドゥブリニエンシスによる感染およびガンも挙げられる。
【0061】
本発明による治療装置を用いて治療可能な歯周病の他の形態は、アクチノバチルスアクチノマイセテムコミタンス、バクテリオイデスフォーサイサス、カンピロバクターレクタス、カプノシトファージオクラセア、カプノシトファージジンジバリス、エイケネラコロデンス、フソバクテリウムヌクレアタム、ポルフィロモナスアサチャロリティカス、ポルフィロモナスジンジバリス、プレボテラデンタリス、プロボテラインターメディア、プレボルテラニグレセンスおよびトレポネマデンティコーラによる感染と因果関係がある。口道溝液中のバクテリアの存在および量は、印象材を用いることにより求めることができる。これらバクテリア、例えば、フィムブリエ、細胞外多糖類またはアドヘシンの表面抗原に抗する、特定の多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体が、この目的にとって好適である。
【0062】
カリエスは、サリバリウスサリバリウス連鎖球菌、ベスティビュラリス連鎖球菌、サーモフィラス連鎖球菌、ミュータンス連鎖球菌、ラッタス連鎖球菌、ソブリナス連鎖球菌、クリセタス連鎖球菌、ダウンエイ連鎖球菌、マカカエ連鎖球菌、フェラス連鎖球菌、ミレッリ連鎖球菌、アンギノサス連鎖球菌、コンステラタス連鎖球菌、インターメディウス連鎖球菌、ミティス連鎖球菌、オラリス連鎖球菌、サングイス連鎖球菌、ゴルドニイ連鎖球菌、パラサングイス連鎖球菌、クリスタ連鎖球菌、ミティオア連鎖球菌、アシドフィラス乳酸菌、アリメンタリウス乳酸菌、ブレヴィス乳酸菌、ブヒネリ乳酸菌、カゼイ乳酸菌、パラカゼイssパラカゼイ乳酸菌、パラカゼイssラムノサス乳酸菌、パラカゼイssトレランス乳酸菌、デルブリュッキ乳酸菌、デルブリュッキssラクティス乳酸菌、デルブリュッキssデルブリュッキ乳酸菌、デルブリュッキssバルガリクス乳酸菌、エンドカルディティス乳酸菌、フェルメンタム乳酸菌、ガセッリ乳酸菌、シュードプランタラム乳酸菌、ラーモノサス乳酸菌、サリバリウス乳酸菌、イスラエッリ放線菌、オドントリティカス放線菌、アクチノミセテムコミタンス放線菌、エイケネラ、ブランハメラカタルハリス、ベイロネーラアルカレッセン、ベイロネーラパルブラ、アクチノミセスナエスランディおよびロチアデントカリオーザによる感染と因果関係がある。印象材を用いる結果、これらのバクテリア、例えば、タンパク質、リポ多糖、糖タンパク質、フィンブリア、細胞外多糖類、アドヘシン、リポタイコ酸誘導体、グルカン結合タンパク質およびコラーゲン結合タンパク質の様々な表面抗原に抗する、多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体により可能である。カリエス誘発性バクテリアの存在および量を診断し、それに基づいて好適な治療剤を陰性モデルに適用する。
【0063】
本発明において、「治療剤」という用語は、原則的に、診断添加剤を含有する印象材を用いるとき、これらの添加剤により検出される感染を治療するのに好適な薬剤を意味するものと考えられる。
【0064】
好適な治療剤としては、硬歯物質を効果的に再石灰化することの可能なフッ素化剤、例えば、フッ素化ラッカーまたはゲル、抗生物質、静菌剤および/または殺菌剤、例えば、ラッカーやゲルの形態のクロルヘキシジン、および同じくトリクロサン、第四級アンモニウム化合物および鉱物混合物が挙げられる。
【0065】
本発明において、「前処理」という用語は表面を何らかの方法によって変性することを意味するものと考えられる。これらの方法としては、特に、機械的前処理、例えば、表面の部分研磨または削りによるものが挙げられる。しかしながら、化学物質または物質混合物の適用も含まれる。
【0066】
研磨は、歯科の当業者に知られた、メス、はさみまたはその他切断装置を用いて行うことができる。
【0067】
本発明による治療装置は、通常、印象スプーンと、スプーン内に存在し、診断添加剤を含有する支持材から構成される陰性モデルとを含む。治療剤を、この陰性モデルの少なくとも一部位に適用する。
【0068】
この治療装置を、与えられた時間にわたって、元の鋳造された硬組織に再び置く。
【0069】
治療剤を陰性モデルに如何に、そして陰性モデルのどこに適用したかによって決め、この治療剤を、硬組織の感染部位に、部位特異的な方法で配置する。
【0070】
この方法で、本発明による治療装置によれば、治療剤を効率的に用いることが可能となる。治療剤の必要量のみが適用されるため効率的であり、一方、治療剤を治療が必要な部位にのみ適用されるため効率的である。
【0071】
本発明はさらに、次のような利点を示す。すなわち、本発明を用いると、以前のように一箇所をやってから別の箇所ではなく、数箇所の患部を同時に治療できるため、処置者は以前よりも迅速に疾病または感染硬組織物質領域を治療することができる。これによって、患者のストレスも最小となり、治療コストも節約される。
【0072】
支持材を用いる結果、口道溝液中で、バクテリアの有無および代謝活性または前記バクテリアの属を示す酵素活性を測定することが可能となる。診断使用は、トリプシン様プロテアーゼ活性、好ましくはジペプチジルペプチダーゼ活性、特に好ましくはArg−ジンジパイン活性およびLys−ジンジパイン活性から構成される。Arg−ジンジパイン活性を求めるために、検出可能な残基に加えて少なくとも1つのArg残基(P1位に)を含有する合成ペプチドを用いることが可能である。Lys−ジンジパイン活性を求めるために、検出可能な残基に加えて少なくとも1つのLys残基(P1位に)を含有する合成ペプチドを用いることが可能である。p−ニトロアニリン誘導体、例えば、Nα−ベンゾイル−DL−アルギニン−p−ニトロアニリドおよび2−ナフチルアミンペプチド誘導体、例えば、Nα−ベンゾイル−DL−アルギニン−β−ナフチルアミドに加えて、6−アミノキノリンペプチド誘導体、ローダミンペプチド誘導体およびクマリンペプチド誘導体、例えば、7−アミド−4−メチルクマリン、N−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−メチルクマリン、および7−アミノ−4−クロロメチルクマリン、N−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−クロロメチルクマリン、検出可能な残基を用いることができる。
【0073】
支持材を用いる結果、多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体を用いて、サイトカインの誘導につながるバクテリア物質を診断することができる。リポ多糖類、リポアラビノマンナン、ペプチドグリカン、タイコ酸誘導体、細胞外多糖類およびリピドAに抗する抗体が好ましい。
【0074】
支持材を用いる結果、多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体を用いて、歯周炎病原体により引き起こされるサイトキニン形成を診断することができる。インターロイキンIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7およびIL−8、腫瘍壊死因子TNFα、インターフェロンα、βおよびγ、M−CSFコロニー形成因子、成長因子EGFおよびTGFαおよびMCPケモカインに対する抗体を用いることができる。
【0075】
支持材を用いる結果、アルカリホスファターゼ、アリルスルファターゼ、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ、β−グルクロニダーゼ、カテプシン(G、BおよびD)、エラスターゼ、ヒアルロニダーゼ、ラクテートデヒドロゲナーゼ、リソソーム、マトリックスメタロプロテイナーゼ(コラゲナーゼおよびゲラチナーゼ)、組織インヒビターメタロプロテイナーゼ(TIMP)、ストロメライシン、ラクトフェリン、トリプターゼおよびミエロペルオキシダーゼの酵素活性により歯周組織の破壊を診断することができる。
【0076】
支持材を用いる結果、多クローン性抗体およびそのサブクラス、または単クローン性抗体を用いて、歯肉炎の分子マーカを診断することができる。これらとしては、例えば、インターロイキンIL−1、IL−2、IL−4およびIL−6、TNFαおよびアラキドン酸誘導体、例えば、プロスタグランジンE2が挙げられる。
【0077】
支持材を用いる結果、カリエスバクテリア、例えば、プロテアーゼ、好ましくはグルコシルトランスフェラーゼ、グルカナーゼ、フルクトシルトランスフェラーゼおよびフルクタナーゼの細胞外酵素活性を診断することができる。
【0078】
支持材を用いる結果、カリエスバクテリアの代謝生成物、例えば、酪酸、ギ酸、好ましくは酢酸、プロピオン酸、特に好ましくは乳酸を診断することができる。さらに、酸の放出を伴う周囲の媒質の酸性化を、pHインジケータ、例えば、ブロモフェノールブルー、コンゴーレッド、ブロモクレゾールブルー、好ましくはロドール誘導体、特に好ましくはオレゴングリーン誘導体を用いて検出することができる。プラークのような周囲媒質中のpHの酸性化の結果、カルシウムイオンが硬歯物質から溶解する。印象材を用いることにより、カルシウムインジケータ、例えば、カルシウムクリムソン、好ましくはカルシウムグリーン、カルシウムオレンジまたは特に好ましくはカルシウムオレゴングリーン488BAPTAを用いるこのプロセスを診断することができる。
【0079】
支持材を用いる結果、上述のマーカ化合物の増減を、治療プロセスの尺度として用いることができる。
【0080】
意外なことに、口腔内で生じ、唾液腺および口道溝液の分泌による液体の連続交換がなされる動的プロセスであるにも係らず、本発明によれば、支持材表面に十分に高濃度のマーカ化合物が得られ、支持材においては、通常の治療の範囲内であっても信頼性の高い診断が可能となる。
【0081】
印象材を用いることにより、多数の個々の試料を分配しながら、目視上完全な口腔における状況の説明が得られ、現在の臨床写真を得ることができることは有利である。追加の架橋シリコーン印象材を用いることは、インプリントが殆んど時間の制限なく保持できるため、これに関して特に興味深い。
【0082】
好ましい実施形態において、支持材は、診断手順を単純化するために、少なくとも1種類の成分またはいくつかであり、診断試験系に全て必要な成分である。これらの診断添加剤は、例えば、イオン性、極性、非極性または疎水性相互作用により支持材に局所的にまたは支持材中に固定することができる。診断添加剤を高分子量担体にまず固定し、それらを支持材中に混練することにより局所的に診断添加剤を固定することもできる。これによって、支持材中の診断添加剤の拡散移動が制御される。例えば、泡形態で、支持材中に微細構造および/または微細間隔を形成すると、成分の捕捉および固定の補助することができる。成分は、本発明による支持材中で自由に利用できるか、あるいは別のファージに存在できる。
【0083】
支持材は、0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の診断添加剤を含有しているが、所望の効果を認識するのに必要なだけの量の添加剤を少なくとも含有している。本発明による方法を用いるとき、診断添加剤は、所望の効果が認識できる量で支持材に適用されなければならない。
【0084】
支持材、診断添加剤および治療剤の以下の組み合わせは特に有益であることが証明された。
【0085】
好ましくは用いられる支持材は、例えば、カラーシグナルを用いて部位特異的な方法でカリエスプロセスを判断することのできる診断添加剤の入ったアルギナート印象材である。この性質の支持材は、非常に満足いく方法で、Elmexゼリー(Wybert製)のようなフッ素化ゲルに、超精細な徹底的なフッ素化を行うことを目的として、着色部位に与えることができる。
【0086】
その他の好ましい組み合わせとしては、部位特異的な方法で、歯周感染歯肉ポケットを着色する診断添加剤を含有するアルギナートまたはポリエーテル印象材がある。これらの支持材は、ラッカーの形態で局所活性の抗生物質により着色部位に非常に容易に提供される。
【0087】
治療装置は、例えば、診断添加剤を含有する支持材を印象スプーンへ分取し、これを用いて硬組織の負のインプリントを取ることにより作成することができる。硬組織の感染部位は、硬組織に面する支持材の表面に識別可能なシグナルを生成する。
【0088】
続いて処理剤をこれらの部位に適用する。
【0089】
他の実施形態において、陰性モデルを用いて正のインプリントを生成し、一部について、長い期間にわたって使うことのできる個々の治療装置、好ましくはマウスピースの形態のものを作成する型として用いる。
【0090】
当業者に知られている個々のマウスピースまたは印象スプーンを作成するための材料がかかるマウスピースの作成に好適である。
【0091】
かかる個々の治療装置は、通常、明らかに優れた着用性を示し、歯科医にかかる人にそれぞれ繰り返し用いることができる。
【0092】
陰性モデル中で、硬組織の感染領域と検出された領域は、個々のマウスピースの表面に印が付けられる。処理剤をこれらの領域に繰り返し適用することができる。
【0093】
硬組織の感染部位を比較的長期間、例えば、数週間にわたって治療する必要があるときは非常に有利である。
【0094】
好ましい実施形態において、支持材の表面は、これらの部位で前処理され、例えば、適用すべき治療剤の貯蔵部を作成するために、これらの部位から材料が除去される。
【0095】
適用すべき治療剤に応じて、適用を実施する前にキーを作成するのも有利である。
【0096】
かかるキーは、例えば、この領域の表面を削ることにより作成することができる。プライマー状物質もまた、これに加えて、あるいは代替として適用することができる。
【0097】
本発明を実施例により以下により詳細に説明する。
【0098】
適用例1
ポリエーテル印象材を用いたArg−ジンジパインの検出
DE−C−17 45 810の実施例12に記載された通りにして得た53.2重量部のアジリジノポリエーテルを、水素添加パーム油18.1gおよびジベンジルトルエン6.4重量部と均一になるまで、通常の実験室用三つ指ニーダにおいて混合することにより、基礎ペーストを作成した。この物質を、平均モル質量が6500の酸化エチレンおよび酸化テトラメチレン単位から構成される11.8部のコポリマー、0.1部のラウリルイミダゾール、および平均モル質量が3500の酸化エチレンおよび酸化プロピレン単位から構成される5.0部のブロックコポリマーと混合した。この物質を5.3重量部の珪藻土と混合した。
【0099】
触媒ペーストを、33.8重量部のアセチルトリブチルシトレートを、14.1部の酸化エチレン−酸化プロピレンブロックコポリマー、およびDE−C−25 15 593の実施例31に記載された通りにして得られた19.0部のスルホニウム塩と均一にすることによりブレンドした。この物質を、11部の珪藻土および205部の発熱ケイ酸および1部の二酸化チタンと混合した。0.7gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンおよび0.8gのグリシルグリシンを、緩衝物質として添加し、200μgのN−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−メチルクマリンを基質として添加した。
【0100】
基礎ペーストと触媒ペーストを、5:1の容積比で混合し、約8分後硬化させて均一なゴムとした。2μlのArt−ジンジパイン含有溶液(原液:200mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン中0.5mgのArg−ジンジパイン/ml、pH7.6)による相設定中、このゴムの表面をドープしたところ、数分後に、この部位で、360nmの励起波長に強い青色蛍光発光が見られた。
【0101】
これに続いて、ラベリングした部位を、Elyzol Dentalgel(コルゲート製、活性化合物、メトロニダゾールベンゾエート)で塗った。
【0102】
適用例2
アルギナート試験片でのArg−ジンジパインの検出
0.12gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、100μgのN−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−メチルクマリンを含有するpH7.6の溶液20mlを、10gのアルギナート(Palgat Plus Quick、ESPEデンタルAG製)に加え、全体を混練して、幅広プラスチックスパチュラを用いて1分以内で均一な物質とした。設定段階中、アルギナート試験片を、2μmのArg−ジンジパイン含有溶液(原液:200mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン中0.5mgのArg−ジンジパイン/ml、pH7.6)でドープした。5分後、この部位で、360nmの励起波長に強い青色蛍光発光が観察できた。
【0103】
これに続いて、ラベリングした部位を、Elyzol Dentalgel(コルゲート製、活性化合物、メトロニダゾールベンゾエート)で塗った。
【0104】
適用例3
アルギナート印象材を用いた歯周ポケット中のArg−ジンジパインの検出
0.24gのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、0.26gのグリシルグリシンおよび200μgのN−t−Boc−Val−Pro−Arg−7−アミド−4−メチルクマリンを含有する溶液40mlを、20gのアルギナート(Palgat Plus Quick、ESPEデンタルAG製)に加え、全体を混練して、幅広プラスチックスパチュラを用いて1分以内で均一な物質とした。アルギナート物質を、市販の印象スプーンに入れ、歯周炎患者の上顎または下顎に5分間置いた。個々の歯周ポケット端で、360nmの励起波長に強い青色蛍光発光が観察できた。これに続いて、ラベリングした部位を、Elyzol Dentalgel(コルゲート製、活性化合物、メトロニダゾールベンゾエート)で塗った。
【0105】
このようにして作成した硬化した印象材を患者の口に再び入れ、約10分間にわたって放置した。
【0106】
適用例4
アルギナート試験片での乳酸の検出
0.065gのグリシルグリシン、0.06gのトリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、9mgのNAD、0.23mgのフェナジンメタサルフェート、0.75mgの3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル臭化テトラゾリウム(MTT)およびブタの心臓ラクテートデヒドロゲナーゼの463単位を含有する溶液10mlを、5gのアルギナートに加え、全体を幅広スパチュラを用いて混練して1分以内に均一な物質とした。アルギナート試験片を、100mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、pH9.0中5μlの10mM Caラクテート溶液でドープした。4分後、ドープ部位で青色着色発現が観察された。
【0107】
この後、着色部位をメスで僅かに切り取り、Elmexゼリー(Wybert製)を充填した。
【0108】
適用例5
アルギナート印象材を用いて、歯に乳酸が形成されたか判断する
0.26gのグリシルグリシン、0.24gのトリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、36mgのNAD、0.9mgのフェナジンメトスルフェート、3mgの3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル臭化テトラゾリウム(MTT)およびブタの心臓ラクテートデヒドロゲナーゼの1850単位を含有する溶液40mlを、20gのアルギナートに加え、全体を幅広スパチュラを用いて混練して1分以内に均一な物質とした。アルギナート物質を、市販の印象スプーンに入れ、歯周炎患者の上顎または下顎に置いた。患者は予め歯を清浄にし、1%のスクロース溶液で濯いでおかなければならない。4分後、印象スプーンを取り除いた。乳酸が形成された部位は、発現された青色着色により認識できる。
【0109】
この後、着色部位をメスで僅かに切り取り、Elmexゼリー(Wybert製)を充填した。このようにして作成した硬化した印象材を患者の口に再び入れ、約10分間にわたって放置した。
Claims (13)
- 感染した組織と接触すると識別可能なシグナルを生成する診断用添加剤を含有する印象材の、感染が検出により見出された部位において部位特異的に感染した硬組織を治療するための方法における陰性モデルの調製のための使用。
- 治療剤が前記陰性モデルに適用される、請求項1に記載の使用。
- 前記印象材が、(i)シリコーン、ポリエーテルシリコーン、ポリエーテル、アルギネートまたは親水コロイドに基づく印象材またはフィルム、(ii)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メソ)アクリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリ塩化ビニルまたはゴムの群に由来する合成材料、(iii)ポリビニルピロリドンまたはポリビニルアルコールに基づくヒドロゲル、または(iv)歯科石膏プレパレーションから選択される請求項1または2のいずれかに記載の使用。
- 前記診断用添加剤が、0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%の量で存在する請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
- 前記診断用添加剤がマイクロカプセル化形態で存在している請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
- 前記診断添加剤が、染料インジケータ、蛍光インジケータ、化学発光インジケータ、生体インジケータ、抗体、酵素、緩衝物質およびその他補助物質から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
- 前記治療剤が、硬歯科物質を効率的に再石灰化することができるフッ素化剤、抗生物質、静菌剤、第四級アンモニウム化合物および鉱物混合物から選択される、請求項2〜4のいずれか一項に記載の使用。
- 前記陰性モデルの表面が、前記治療剤を適用する部位で前処理される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
- a)感染組織と接触すると識別可能なシグナルを生成する診断用添加剤を含有する印象材を提供すること、b)陰性インプリントの形成を伴って硬組織を鋳造すること、およびc)識別可能なシグナルが検出できる陰性インプリントの部位に治療剤を適用すること、により得られる治療装置。
- 支持材、または、支持材、診断用添加剤ならびに硬歯科物質の効率的な再石灰化を可能とするフッ素化剤、抗生物質、静菌剤、第四級アンモニウム化合物および鉱物混合物から選択される支持材のうちの少なくとも一成分を含むキット。
- 感染組織と接触すると識別可能なシグナルを生成する診断用添加剤を含有する印象材を用いて製造された陰性モデル上の、識別可能なシグナルを検出できる部位に、治療剤を適用する工程を含む、個々の治療装置を製造する方法。
- a)請求項11に記載の前記陰性モデルを用いて陽性モデルを製造する工程、b)工程a)からの前記陽性モデルを用いてマウスピースを製造する工程、およびc)識別可能なシグナルを検出できる前記陰性モデル上の部位を前記マウスピースに移動するか、またはマウスピース上にマーク付けする工程、を含む個々の治療装置を製造する方法。
- 工程c)に記載のラベルされた前記部位に治療剤を適用する工程d)を含む、請求項14に記載の方法。
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