JPH08500241A - 歯周病病原性細菌のタンパク質加水分解活性の測定系 - Google Patents
歯周病病原性細菌のタンパク質加水分解活性の測定系Info
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- JPH08500241A JPH08500241A JP6500473A JP50047392A JPH08500241A JP H08500241 A JPH08500241 A JP H08500241A JP 6500473 A JP6500473 A JP 6500473A JP 50047392 A JP50047392 A JP 50047392A JP H08500241 A JPH08500241 A JP H08500241A
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Abstract
(57)【要約】
比色アッセイによって、例えば歯肉下プラークの標本中におけるタンパク質加水分解活性の存在を、前記標本中における歯周病病原性細菌類によって産生されたトリプシン様酵素によって加水分解され発色団を放出する色素原性試験物質によって検出する。発色団の放出は、可視の色の変化と関連しており、歯周病の存在を示唆する。このタンパク質加水分解活性のための色素原性アッセイの結果は、少なくとも1,000,000乃至10,000,000のオーダーの最小数の微生物類が前記標本中に存在するならば、信頼性がある。本発明の比色アッセイは、標本の大きさが不適切である結果として誤りの陰性の結果が起こらないように、前記標本が必要数の微生物類を含んでいるかどうかを示す。前記標本中の微生物類の酵素活性の非特異的マーカーは、例示すればホスファターゼ又はぺプチダーゼ酵素類であり、非特異的酵素活性に応答して、非特異的色素原性試験物質から発色団を放出することによって標本の大きさが十分であることを示す。
Description
【発明の詳細な説明】
歯周病病原性細菌のタンパク質加水分解活性の測定系
技術分野
本発明は、一般に、哺乳類における口腔疾患の存在を判定するための系に関し
、特にヒト又は動物における歯周病活性を測定するために有用な比色試験に関す
る。
技術背景
歯周病は、ヒト生歯の主な疾患である。今日では、より多くの歯がカリエス(
虫歯)よりも歯周病の影響で失われている。歯周病は、歯肉(gum)及び歯を
支持する骨類に影響を及ぼす一群の状態である。歯周病の根本的原因は、組織の
実際の破壊を結果的にもたらすかも知れない歯肉(gum)の炎症の原因となる
細菌性プラーク(歯垢)である。症例によっては、骨の破壊がその点(プラーク
)で起こり、そこで歯の骨に対する結合が失われることもある。
歯周病では、通常、歯肉線の上(歯肉上)及び下(歯肉下)の両方において、
歯に付着したプラーク中における細菌の大きな集合がある。このプラークは、そ
の深部において石灰化されることがあり、歯石(calculs)として知られ
ているものを形成する。このプラーク及びこれに関連する歯石は、歯と歯肉の間
にポケットを形成しするが、このポケットは本疾患に特徴的なものである。現在
、歯周病は、ポケットの存在及び深度、歯の骨への結合の喪失、及び歯肉の乳頭
出血のような指標類の臨床観察によって診断される。しかし、臨床観察は、必ず
しも信頼性ある指標であるとは限らない。例えば深部のポケットに、炎症組織破
壊の原因となる可能性のある細菌類(歯周病原性の細菌類)が必ずしも感染して
いるとは限らない。現在のところ、残念なことに、前記ポケットが歯周病細菌類
によって感染されているかどうかを調べるための信頼性があり、安価でかつ客観
的な手段がない。
特に歯周病治療のために取られる必要のある典型的な矯正措置の辛さに鑑みれ
ば、診断試験がないことが深刻な問題となってきた。このような措置として、罹
患歯根を露出させかつポケットを除去するために罹患歯肉組織を切除することを
挙げることができる。最近になって、より保存性の良い外科的治療が開発され、
通常、歯肉片を歯から遊離させ、露出したばかりの歯のすべての歯石及びプラー
クの表面を洗浄し、その後、この洗浄表面上に前記歯肉を縫合して戻すことが行
われている。患者が専門的なメンテナンス治療を受け続ける限りにおいて、両方
の外科的手法は、等しく良好に作用する。
歯周病は、旧来から、宿主組織が細菌及び/又は細菌産生物に応答しているこ
とを意味する歯肉の炎症として定義されてきたが、歯周病は医学的意味における
細菌感染のようには治療されてこなかった。その例として、歯周病は、歯上での
プラークの成長が避けられないものであること更にはプラークが身体の外部にあ
るので全身投与薬物類によって治療できるようには思われないことから、当該技
術分野では抗生物質によって治療されていない。更に、歯周病が1種又は数種の
特に破壊力の強い細菌類に特異的であるとは考えられてこなかった。実際に、約
200種の微生物類が種々のプラーク標本から単離されている。従って、歯を機
器で加工して集積した細菌性堆積物を非特異的に除去することを必要とする物理
的治療が歯周病治療のための適切な手段であると考えられてきた。
歯周病は、グラム陰性嫌気性細菌類の増殖によりコロニーが形成されるとき起
こるような歯を支える組織の進行的損失を特徴とする(例えばLoescheら
、“Role of Spirochetes in Periodontal
Disease”、Host−Parasite Interaction in Periodontal Disease,
Genco and Merg
engagen編著、American Society of Microb
iology、Washington DC、1982,62−65頁及びSi
ots、“Importance of Black Pigmented B
acteroides in Human Periodontal Dise
ase”、同上、27−45頁参照)。
スピロヘータ類及び黒色色素化バクテロイデス(BPB)は、特に、ポケット
が探針使用(probing)によって出血した場合及び疾患進行の臨床的証拠
がある場合に、特に顕著になる。従って、これらの嫌気性生物類を目的とした薬
物療法の可能性が生じる。実際に、嫌気性細菌に対して有効な抗生物質であるメ
トロニダゾールの使用によって、有益な結果が観察されている。メトロニダゾー
ル(metronidazole)は、商標FLAGYLの下に、G.D.Se
arle&Co.,Chicago,IL60680から入手可能であり、また
、Zenith Laboratories社、Ramsey,NJから一般的
形態で入手可能である。しかしポケットのような臨床症状の一部が薬物治療患者
において観察されるであろうが必ずしも感染されていないかも知れないので、歯
周病治療における薬物類の使用によって、嫌気性歯周感染の存在を検出する客観
的手段の必要性が高まってきた。従って、当該技術分野においては、薬物治療の
奏功性をモニター(monitor)するための簡易で、信頼性ある検査が必要
とされている。
スピロヘータ類及びBPBのレベル上昇を培養法により細菌学的に診断するこ
とは、現時点では研究施設で実施できるのみである。しかし、ある種のスピロへ
ータ類は、既存の技術では培養によって増殖できない。
スピロヘータの存在は、相コントラスト(phase contrast)又
は暗視野コンデンサー類(dark field condensers)のい
ずれかの下に顕微鏡検査によって判定できる。歯周病存在を判定するための一つ
の先行技術は、ほとんどがスピロヘータである運動形態(motile for
ms)の存在を判定するためにプラークの顕微鏡検査を必要としており、それに
よって、治療を増強するか又は終結させる必要性を評価する。Keyesら、”
Diagnosis of Creviculoradicular Infe
ctions”、同上、395−403頁及びListgartenら、J.C lin.Periodontal.
,第8巻、122−138頁(1981)参
照。しかし、BPBの同定のための同様の顕微鏡手技は全く存在していない。従
って、現在のところ、歯科医/臨床医は、歯周病に相関する細菌性パラメータ群
についての必要なアッセイ及び測定を行うために、高価な顕微鏡及び関連ビデオ
装置の購入に依存しなければならず、及び/又は、利用可能な高度技術の研究施
設設備を有していなければならない。
当該技術分野の現況を鑑みるに、嫌気性細菌による歯周病活性の存在を確認す
るために信頼性ありかつ安価な検査系(test system)の必要性が大
いにある。更に、歯科医/臨床医が便利に実施できる検査系が求められている。
このような検査系は、患者に対してその状態についてアドバイスする際及び治療
の有効性をモニタリングする際に重要な価値を有するであろう。
歯周病存在の判定を可能にする簡易かつ安価な検査では、疑いのある歯周病病
原性細菌の試料のタンパク質分解活性を測定する。更に具体的に述べると、この
アッセイ法は、例えば歯肉下プラークの標本中におけるトリプシン様活性(tr
ypsin−like activity)の存在を検出するように実施する。
1態様において、色素生産性試験物質は、標本中のトリプシン様酵素類(try
psin−like enzymes)によって加水分解されると発色団若しく
は色素(chromophore)を放出するような発色団と組み合わせた一種
類のアミノ酸又はぺプチド基質からなる。前記の放出による色の変化を検出する
ことで、上記トリプシン様活性が存在しているかどうか、従って、歯周病の原因
となる微生物類が存在するかどうかが示される。
上記の技術の一つの問題は、前記検査の結果が歯周病病原性の微生物類の存在
を高い信頼性で表示にするためには、ある最小数の微生物類が前記標本中に存在
しなければならないことにある。従って、もし前記標本自体が小さく、かつその
結果、最小数未満の上記微生物類しか含有されていないならば、その際には、歯
周病産生性の微生物類が前記標本中にたとえ存在していても、前記検査手法は誤
りの陰性の結果をもたらすかも知れない。
従って、本発明の目的は、歯周病の存在を判定するための改良された検査を提
供することである。
本発明のもう一つの目的は、歯周病を同定できかつ臨床観察を必要としない検
査系を提供することであり、その結果、臨床的にはまだ観察できないような初期
において歯周病を検出できる。
更に本発明の目的は、特に、トリプシン様活性を有するTreponemad enticola
,Bacteroides gingivalis,Bact eroides forsythus
,Capnocytophaga gin givalis
及びその他の微生物類の存在を口腔試料中において検出するた
めの検査法を提供することである。
また、本発明の目的は、熟練していない者でも歯科医/臨床医の職場内で実施
できかつ高価な又は特殊な機器を要さない歯周病の検査法を提供することである
。
更に本発明の目的は、信頼性ある歯周病の検査法を提供することである。
更に本発明の目的は、ある特定の患者の検査結果の信頼性を表示する歯周病検
査法を提供することである。
また本発明の目的は、菌の感染力をモニターするために使用できる歯周病検査
法を提供することである。
更に本発明のもう一つの目的は、疫学調査のため、軍人スクリーニング検査の
ようなスクリーニング検査のため、及び歯周病患者の治療奏功性をモニタリング
するため、患者の定期検診の一部として容易に実施可能な歯周病検査法を提供す
ることである。
更にもう一つの本発明の目的は、好気性条件下で嫌気性細菌類を検出可能な歯
周病検査法を提供することである。
また本発明の別の目的は、細菌試料の培養を必要とせずなおかつプラーク又は
その他の標本試料を直接検査する歯周病検査法を提供することである。
更に、本発明の目的は、歯周病の存在を判定する際に有用である便利なアッセ
イキット(assay kit)を提供することである。
また本発明の目的は、比色系(colorimetric system)を
提供することであり、それによって歯周病の存在が色の変化によって判定できる
。
発明の開示
上記の及びその他の目的、特徴及び利点等は、歯周病病原性細菌類のタンパク
質加水分解活性(proteolytic activity)を測定する改良
検査を提供する本発明によって達成される。本発明によれば、哺乳類、例えばヒ
トの口腔から細菌菌叢(bacterial flom)の試料を採取する、次
に色素原性試験物質(achromogenic test substanc
e)前記試料のタンパク質加水分解活性を測定する段階が提供される。
特に、トリプシン様活性は、T.denticola,B.gingival is
,B.forsythus,C.gingivalisのような歯周病病原
性の生物類が前記活性を特徴としているので、測定される。歯周病病原性の疑い
のある生物類によって産生されたタンパク質加水分解酵素は、それがトリプシン
阻害剤によって阻害されないこと、それがカルシウムを必要としないこと、それ
がEDTAによって阻害されないこと、及びそれが酸性pHにおいて活性である
ことからみて、トリプシンではない。しかし、それは、トリプシン測定に通常使
用されるぺプチド物質(例:BANA)と実際に反応し、従って、前記酵素は
“トリプシン様(trypsin−like)”と称されてきた。
本発明によれば、前記標本が信頼できる検査結果をもたらすために十分な所定
の最小数の微生物類を含有するかどうかを指示するために、前記標本を非特異的
酵素マーカー対して更にアッセイする。
広範囲にわたる結果の分析によって、標本中約100万乃至1,000万の細
菌群が、タンパク質加水分解酵素検査による信頼できる結果をもたらすために十
分であることが判明した。しかし、もし前記標本自体が少なく例えば百万未満の
桁数(オーダー)の細菌群を有しているとすると、その際には、前記検査手法は
、前記標本中の細菌が余りに少ないという理由だけで、陰性の結果を生ずること
になるかも知れない。
数種類の酵素類は、全部とはいわないまでもほとんどの口腔菌叢の構成員が有
しているようである。これらの共通の非特異的酵素類の活性測定は、微生物類な
どの存在の指標として及びそれゆえ標本の大きさが十分であることの指標として
使用できる。本発明は、発色団(chromophore)を放出するために前
記非特異的マーカー酵素によって酵素的に分解可能であり、それによって、試料
中に少なくとも所定の数の微生物類が存在する場合に観察可能な色の変化をもた
らす第2の発色団含有色素原産性試験物質(a second chromop
hore−containing chromogenic test sub
stance)を提供する。一つの例示的態様では、前記非特異的酵素マーカー
は、口腔菌叢に見られる全部とはいわないまでもほとんどの細菌類中に存在する
ホスファターゼである。もし前記ホスファターゼ酵素が第2の色素原性物質と反
応して陽性の結果を生ずると、その際には、試料中に十分な生物類があり、トリ
プシン様酵素検査について、真の信頼できる検査結果が得られる。一方、もし前
記ホスファターゼ試験が陰性であれば、陰性のトリプシン様酵素検査が予測され
るであろう。臨床医は、そのことから、前記試料が余りに少なすぎること及びそ
の臨床医が前記患者から再度試料を採取すべきであることにすぐに気がつくであ
ろう。
ホスファターゼ酵素類によって酵素的に分解可能な第2の色素原性試験物質類
の具体的例としては、アルカリホスファターゼによって良好な結果を生じるパラ
−ニトロフェノールリン酸エステル及びオルト−ニトロフェノールリン酸エステ
ル類が、また酸ホスファターゼ酵素類によって良好な結果を生じるo−カルボキ
シフェノールリン酸エステル類が挙げられる。
もう一つの例示的態様において、前記非特異的酵素マーカーは、ぺプチダーゼ
であり、更に具体的には、アミノペプチダーゼである。アミノペプチダーゼによ
って酵素的に分解される例示的な第2の色素原性試験物質は、L−プロリン−β
−ナフチルアミドである。
これらの第2の色素原性試験物質類をトリプシン様活性のための色素原性物質
類と併用できる。歯周病病原性の疑いのある細菌類のトリプシン様活性を測定す
るための具体的例は、N−べンゾイル−DL−アルギニン−2−ナフチルアミド
(BANA)及びべンゾイル−DL−アルギニン−p−ニトロアニリド(BAP
NA)である。
ある組み合わせの色素原性試験物質類を選択するための唯一の基準は、それぞ
れの発色団類の放出によってもたらされた色変化が互いに識別可能でなければな
らないということにある。従って、下記でより十分に説明するが、もしBANA
を用いてトリプシン様活性を測定すれば、ホスファターゼによって加水分解可能
で発色団を放出する基質類は色の点で両立可能であり、第2の試験物質として利
用でき有益であろう。L−プロリン−DL−ナフチルアミドはアミノペプチダー
ゼ類によって加水分解可能であり、前記第2の試験物質として利用でき有益であ
る。ある態様においては、酵素活性に応答して色の変化を生じる発色剤(a c
olor developer)を添加する。
本発明のキットの面において、比色アッセイキット(a colorimet
ric assay kit)が、歯周病の存在を示するために提供される。前
記キットには、(1)哺乳類の口腔由来の細菌菌叢中において歯周病病原性の疑
いのある細菌によって産生されるタンパク質加水分解酵素に特異的な第1の色素
原性物質、及び(2)前記細菌菌叢によって産生される酵素類に対して非特異的
な第2の色素原性試験物質が付属されており、前記第2の色素原性試験物質があ
る量の微生物に応答して酵素的分解を起こす。
前記第1の色素生産性試験物質は、トリプシン様酵素活性に特異的であり、B
ANA、BAPNA、及び2−アルギニン−7−アミノ−4−トリフルオロメチ
ルクマリンからなる群から選択される。前記第2の色素原性物質は、前記酵素ホ
スファターゼに特異的であり、p−ニトロフェノールリン酸エステル、o−ニト
ロフェノールリン酸エステル、及びo−カルボキシルリン酸エステルからなる群
から選択される。
本発明のアッセイキットの面の更に1態様においては、前記第2の色素原性試
験物質は、前記酵素ぺプチダーゼに特異的であり、L−プロリン−β−ナフチル
アミド、L−ロイシン−β−ナフチルアミド、及びL−フェニルアラニン−β−
ナフチルアミドからなる群から選択される。
本発明の比色アッセイキットは、ある態様において、色剤(a colord
eveloper)を付属している。前記は、ファーストガーネット(fast
garnet)、ファーストブルー(fast blue)、及びp−ジメチ
ルアミノシンナムアルデヒドの酸性溶液(an acidified solu
tion of p−dimethylaminocinnamaldehyd
e)からなる群から選択される。
発明を実施するための最良の形態
歯周病に特徴的な微生物類を高レベル含有する疑いのある口腔標本を、歯周病
をもたらす疑いのある生物類によって産生された酵素類に特異的な発色団含有基
質に供する。T.denticola,B.gingivalis,B.for sythus
及びスピロヘータ類は、基質を加水分解可能でそれによって反応生
成物として発色団を放出するようなタンパク質加水分解酵素及び/又はぺプチダ
ーゼを産生する。この放出された発色団を次に比色法で観察できる。ある態様に
おいては、もう一つの色素生成剤(chromogenic agent)すな
わち発色剤(color developer)を添加する必要がある。酵素条
件に応答して色がでるか又はでないかは、歯周病に関連する増強された細菌条件
に相関している。
歯周病に関連していることが既知の細菌種の中でも、下記の種:スピロヘータ
であるT.denticola;BPBの内で最も強力なB.gingival is
;進行性の破壊部位から頻繁に単離される生物であるB.forsythu s
;及び糖尿病における歯周病に関連している生物であるC.gingival is
;の全てが、トリプシン基質であるN−べンゾイル−DL−アルギニン−2
−ナフチルアミド(BANA)の加水分解によって測定可能なトリプシン様酵素
を有している。J.Oral.Microl. Immuno.,Vol.1,
65−70頁参照(1986)。少なくとも40種のその他のプラーク種は、前
記のBANA基質を加水分解不可であるが、これらの種は、歯周病をもたらす点
において特に重要であると考えられていない。従って、前記プラークがBANA
を加水分解する能力は、プラーク中において1種以上のこれらの細菌種が存在し
ていること及び/又は比例的に増加していることを反映でき、従って、歯周病プ
ラーク中における嫌気性感染の一つの測定法を提供するものである。
具体的に例示される態様において、ぺプチド基質BANAは、無色である。標
本中の細菌とインキュベーションされると、発色団β−ナフチルアミドがアルギ
ニンのカルボキシル基との間の結合から解かれ放出される。その後ファーストガ
ーネットのような発色剤を添加すると、高レベルの酵素活性が前記標本中にあれ
ば明るい橙々〜赤色が形成されることになる。黄色の発色は、陰性の結果として
解釈される。別の有益な態様において、ぺプチド基質は、べンゾイル−DL−ア
ルギニン−p−ニトロアニリド(BAPNA)であり、それが加水分解すると色
を形成し、それによって、標本の酵素活性を示すためのその他の発色剤の必要性
がなくなる。
当然ながら、陽性及び陰性の試験の間で色の変動があるが、それは、酵素活性
の程度が種々であるとして解釈され、また、歯科医/臨床医がモニターすべき状
態を示唆すると解釈される。経験から、比色検査系における発色の程度の解釈は
、酵素活性の存在又は不在を判定する比較目的のための標準化されたカラーチャ
ートの開発に容易に影響されることが示唆されている。
先にも述べたように、その簡易性と経済性に寄与している米国特許出願第74
0,097号の発明の特徴の一つは、標本の大きさ又は含量は別個に定量したれ
測定したりする必要が必ずしもないことにある。しかし、試験結果は、発色につ
いてある最低レベルの微生物類に依存している。広範囲の試験の結果、約1,0
00,000乃至10,000,000の細菌が標本中にあることが信頼できる
結果をもたらすことが示された。プラーク標本は、例えばもし活動性の歯周病が
存在すれば、本文に記載の技術において陽性酵素反応をもたらすために必須の量
の生物類を含有可能である。
本発明の系の好適な態様において、標本中の微生物の量が所定量を越えている
こと及びそれゆえタンパク質加水分解酵素試験によって信頼できる結果をもたら
すに足るを示すために第2の色素原性の試験物質が提供さる。前記第2の色素原
性の基質が口腔の菌叢中に見られる全部とはいわないまでもほとんどの細菌類中
に存在する酵素によって加水分解可能であり、その結果、それが標本中に存在す
る微生物類の量の測定値として使用できることは有益である。好適な態様におい
て、前記第2の発色団含有基質の酵素的分解は、試料中に約1,000,000
を越えるか又はタンパク質分解及び/又はぺプチダーゼ酵素試験によって真の信
頼性ある結果を与えるために必要なその他の予め定めた数の微生物類があれば、
観察可能な色の変化を生ずる。前記の最小の予め定めた数は、当然、酵素分解に
対する色素生産性の試験物質の感度に依存する。
ホスファターゼは、口腔菌叢中に多く存在する酵素である。アルカリ性及び酸
性ホスファターゼは、試験溶液のpHに依存し、酵素作用の非特異的マーカーと
して使用できる。ホスファターゼは、リン酸エステル類の加水分解及び合成及び
リン酸からその他化合物へのリン酸基運搬を触媒する酵素である。従って、ホス
ファターゼの作用によって加水分解可能で発色団ニトロフェノールを放出するo
−ニトロフェノールリン酸エステルのようなリン酸基含有基質類は、第2の色素
原性試験物質類として適切である。その他の例示的例はp−ニトロフェノールリ
ン酸エステル及びo−カルボキシフェノールリン酸エステルである。
当然、口腔の細菌菌叢中に共通して見られるその他の酵素類の活性を、ホスフ
ァターゼ活性の代わりに使用できる。具体例を挙げると、プロリン、ロイシン、
及びフェニルアラニンのためのアミノペプチダーゼ類である。しかし、前記ぺプ
チダーゼに特異的である選択された第2の色素原性物質は、歯周病の疑いのある
細菌類のトリプシン様活性を示唆する色変化を観察する臨床医の能力を妨害する
ような色をもたらす発色団を放出してはならない。このことは、例えばもしBA
PNA中に見られる前記ニトロアニリド発色団を用いてプロリンのβ−ナフチル
アミド誘導体を第2の色素原性試験物質として使用するならば、達成できる。こ
の場合、BAPNA加水分解のための陰性反応は、無色であり、一方、プロリン
加水分解の陽性反応は、反応混合物に対してファーストガーネットを添加した後
は赤橙色である。β−ナフチルアミド発色団を含有するその他の基質類を色素生
産性基質として使用できることが当業者に自明であることは当然である。
具体的な例示的態様において、プラーク試料を滅菌キュベットで移し小型の栓
付き滅菌済バイアル中で激しく攪拌しながら水溶液中に懸濁する。BANAのス
トック溶液を、BANA(Sigma Chemical 社 St.Loui
s、MO)44mgを1mlのジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解させ
、調製する。使用前に、前記BANAストック溶液をpH8.5の0.1Mトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタンハイドロクロらいド緩衝液で1:100容
量混合物に希釈する。前記緩衝BANA溶液を前記プラーク試料に添加し、一晩
インキュベーションした。1滴のファーストガーネットを添加すると、約5分以
内に色が生じた。
実験室結果は、BANA試料溶液のpHが約5.0乃至8.5の間の範囲にあ
ることが示唆される。ソレンセン(Sorensen)リン酸緩衝液又はEDT
A含有リン酸緩衝液のようなその他の緩衝液も使用できる。この結果は、純粋な
精製水中の非緩衝溶液が緩衝溶液と同様に作用することを示している。通常、イ
ンキュベーションは、約1時間未満(すなわち、約1分から5分のオーダー)か
ら約24時間の範囲の時間を要している。更に、インキュベーション温度は、約
25℃乃至60℃の範囲にあるべきであり、好適には、約37℃乃至55
℃であるべきである。
本発明の具体的例示的態様において、第2の色素生産性試験物質であるp−ニ
トロフェノールリン酸エステル(pNPP)を、上記のようにして調製した反応
試薬BANA含有アルカリ性緩衝水溶液に添加する。別の態様では、BANAを
pNPP反応試薬の後に添加できる。その後前記標本を前記試薬類含有溶液に添
加し、前記溶液を約37℃でインキュベーションする。両試薬類ともに、無色で
ある。しかし、標本中微生物由来アルカリ性ホスファターゼの作用で、発色団p
−ニトロフェノールが放出される。もし十分な量の微生物類が前記試料中に存在
すれば、前記溶液は黄色に変化し観察可能であろう。検査を実施している臨床医
は、黄色の出現により前記標本の大きさが適切であることを確認し、更に、例え
ばファーストガーネットのような発色剤を添加し、前記β−ナフチルアミド発色
団がトリプシン様酵素を産生する細菌類によってBANAから放出されたかどう
かが示唆される。もしそうであれば、橙赤色が出現し、前記標本中に歯周病病原
性の細菌類が存在していることが示唆されるであろう。もし色が黄色のままであ
ったならば、その際には、歯周病病原性の生物類の存在と矛盾する。臨床医は、
従って、黄色が歯周病病原性生物類がないことの結果であり、前記標本の大きさ
が余りに少なかったことによるのではないことを確信する。従って、不適切な標
本サイズによる誤陰性結果の可能性に関して、当該技術に存在する疑いが排除さ
れる。
スピロヘータ類及び/又はB.gingivalis、C.gingival is
、T.denticola及びB.forsythusにより生じる嫌気性
歯周病感染のBANA加水分解陽性による判定は、また、o−ニトロフェノール
リン酸エステル(ONP)の取り込みによって改良される。このことは、反応混
合物のpHに依存性にONPがアルカリ性又は酸性ホスファターゼ類によって加
水分解できるという事実の結果であり、プラーク試料中に存在するであろう種々
のプラーク細菌類及び宿主細胞類が有している。ONPの加水分解は、約1,0
00,000の細菌類が試料中に存在するときに陽性の結果をもたらす。この数
の細菌類は、約10μg(正味重量)のプラーク試料に対応する。プラーク10
μgを含有する全プラーク試料は、陽性のONP試験結果をもたらすであろう。
もし臨床医が極めて少なく裸眼ではほとんど見えないプラーク試料を取り出しそ
れをBANA−ONP反応混合物に添加すれば、下記の発色シークエンスが出現
する。
陰性のONP反応は、臨床医に対して、プラーク試料が少なすぎ信頼性ある結
果が得られないことを示唆するであろう。その後、前記臨床医は、患者から再度
試料を採るか又は歯肉組織の臨床的所見に応じて次回まで試料を再度採らないか
のいずれかを行うであろう。一方、陽性のONP反応は、臨床医に対して、試料
中に十分なプラークがあり、ファーストガーネット試薬の添加に進むように示唆
するであろう。もしファーストガーネットの添加後に色変化が全くないならば、
臨床医は、嫌気性生物類の存在と関連する疾病プラークがないと判断する。
下記は、BANA−ONP併用混合物を用いて入手可能な所見を例示したもの
である:プラーク標本は、歯科医のもとで患者48例から採取し、上述のBAN
A−ONP併用混合物中で一晩インキュベーションした。
色反応の結果を、乳頭出血、ポケット深度、及び歯の骨への結合喪失のような
臨床症状の検査による臨床所見及びスピロヘータ類の顕微鏡所見と比較した。下
記の第I表に結果を示した。患者を診断した臨床医は、酵素検査結果を全く知ら
ないでそのように診断した。
顕微鏡検査に関して、緩衝液に分散させた試料10μgを20×30mmカバ
ースライド下のガラススライドにのせ密封した。顕微鏡検査のための標本は、Z
eiss 暗視野顕微鏡による検査前に嫌気性チェンバー中に保存した。100
x油浸対物レンズの20個の視野又は細菌200個のいずれか最初にきた方を計
数した。高出力視野(hpf)当たりのスピロヘータ類の数をその後計算した。
1個の高出力視野の容積はおよそ1.86×10-5mlである。
これらの結果は、前記併用酵素アッセイが臨床状況を高い信頼性で反映してい
ることを明白に示している。前記酵素試薬類によって感染していると判定された
全22のプラークは、歯周病の臨床診断と一致していた。BANA酵素反応が陰
性であった21のプラーク(項目3−5)中において、これらの患者21例中の
19例が歯周病治療を全く必要としないと臨床的に診断された。これらのBAN
A酵素陰性試料(項目5)の内2個がo−ニトロフェノールリン酸エステル検査
に関連して量が少な過ぎるとして廃棄し、臨床医はより多い標本を用いて再検査
すべきであるということが示唆された。
別の態様において、トリプシン様酵素基質は、BAPNAからなり、第2の色
素原性試験物質は、L−プロリンアミノペプチダーゼのナフチルアミド誘導体で
あるN−L−プロリン−β−ナフチルアミド(PNA)である。先の例に関して
述べると、前記BAPNA基質はBANAについて説明したように調製し、PN
Aをそれに添加した。標本をこの混合物と一晩、インキュベーションした。黄色
の出現は、嫌気性感染を示していた。色が出現しないことは、標本が余りに少な
すぎたか又は嫌気性感染が全くないことをそれが示唆している点において、あい
まいな結果である。ファーストガーネットのような発色剤の添加は、前記ジレン
マを解決する。PNA加水分解による橙々色から赤色への出現は、十分なプラー
クが前記試料中に存在することを示唆している。もし黄色が出現すれば、その際
には、プラーク試料が余りに少なすぎることになる。このことは、下記の図で例
示される。
当然、非特異的酵素反応で呈した色が特異的トリプシン様酵素反応の結果とし
て呈した色を妨害しない限りにおいて、その他の色素原性試験物質類を本文で記
載したものに代えることができる。更に具体的な例は、酸フォスファターゼの基
質であるo−カルボキシフェノールリン酸エステルであり、また、L−ロイシン
及びL−フェニルアラニンのβ−ナフチルアミド誘導体類である。
しかし、その他の発色団含有基質類を本発明の実施に使用することができるこ
とを理解されたい。トリプシンはアルギニン又はリジンにおいてタンパク質類を
攻撃するので、これらの塩基性アミノ酸類を伴ったその他のぺプチド/発色団組
み合わせ類がBANA又はBAPNAの代わりとなることができることが明らか
である。例示的例は、L−BANA及びL−BAPNAのような上述のBANA
及びBAPNA化合物類の立体異性類似体類(stereoisomerica
nalogues)である。T.denticola及び数種のB.gingi
valis金株類は、インビトロでL−ピロリドニル−β−ナフチルアミドに対
して活性であり、その結果、この非ぺプチド発色団は、嫌気性歯周病感染の存
在を判定する際に価値があるであろう。本文で述べた全てのぺプチド発色団類は
、Sigma Chemicals,St.Louis,MO,U.S.A.の
ような化学薬品供給会社から購入できる。
発色剤に関して、発色団の放出を比色法で示すいかなる発色剤も本発明の実施
において利用できる。例示的例は、化学的にはo−アミノ−アゾトルエン−ジア
ゾニウム塩と称されるファーストガーネット−gbc塩(Sigma Chem
icals,St.Louis,MO,U.S.A.);ファーストブルー;及
びp−ジメチル−アミノシンナムアルデヒドの酸性溶液が挙げられる。
別の態様においては、タンパク質加水分解活性を、2−アルギニン−7−アミ
ノ−4−トリフルオロ−メチルクマリン誘導体類のような蛍光原性試験物質によ
って測定できる。タンパク質加水分解活性は、従って、蛍光団(fluorop
hore)の放出によってUV光源で検出できる蛍光(fluorescenc
e)として示すことができる。従って、本文で使用した用語“発色団(fluo
rophore)”は、広い意味で、可視可能な光線又は紫外線を吸収する物質
又は蛍光を発する物質を含むと解釈される。ぺプチド基質と蛍光団との併用は、
蛍光団が放出された時にUV光で観察可能な色変化をもたらす結果となるであろ
う。例えば蛍光ブルーから蛍光グリーンへのストークス(Stokes)シフト
が観察可能であろう。
本発明の上述の具体的態様の実施において、試料採取技術には、歯肉下プラー
クの取り出し(removal)が含まれていた。本発明の目的等に有効である
と考えられているサンプリング技術は、原則的に、当該技術で公知のいかなるこ
のような方法であってもよく、いかなる組織、体液、又はその他の疾病の疑いの
ある標本をサンプリングするためにも適用でき、従って、例示的に示すと、歯肉
下プラーク、歯肉間隙液体、歯肉上プラーク、口腔組織、唾液又は口腔洗浄去痰
薬等が含まれる。唾液又は口腔洗浄去痰薬は、当然、使用に先立ち、いかなる既
知の方法によっても濃縮可能である。好適には、歯周病の疑いのある標本を、外
見上歯周病が全くない患者の4分円(puadrant)当たり最も歯周病に侵
されている部位又は各第1臼歯の近心頬の隣接面部位のいずれかから、取り出す
。好適には、試料部位の歯肉上プラークは取り出し捨てるのがよい。フィルター
ぺ
ーパー等を、歯肉近心の開口部に配置し、毛細管の作用で歯肉近心液体を採取す
る。その後、タンパク質を前記フィルターペーパーから溶出させ、色素原性試験
物質に供する。
先の例示的例は口腔標本のタンパク質加水分解活性を標本及び色素原性試験物
質(類)を含有する液体溶液中で測定する態様に関しているが、標本の酵素活性
は、本発明の原則に従った多数の別の態様によっても測定できる。一つの考えら
れた態様においては、口腔標本及び/又は色素原性試験物質を吸収するか又は受
け取る少なくとも1個の多孔性表面部分、及びいくつかの態様では更に増色剤を
、実質的に剛性である担体に付属させる。前記多孔性材料は、フィルターペーパ
ーのような、繊維質吸収剤、織布又は不織布材料であることができる。
産業上の利用可能性
本発明による歯周病検査の用途に関連した利点及び利益類は数多く、しかも、
商業的に重要であると考えられている。前記方法類は、嫌気性感染の存在又は不
在を最初に判定する際と同様に歯周病治療においても有用である。本発明は、特
に、一般的な歯周病、すなわち、患者がスピロヘータ類、T.denticol
a,B.gingivalis,B.forsythus及びC.gingiv
alisの有意な増大を示す慢性破壊性歯周病の同定に有用である。本発明の検
査は、また、種々の段階の前記疾患治療を定量的に評価するのに有用であり、治
療が適切であったか否か及び治療手段に別の正当な方法があるか否かを判定する
際に役立つ。前記方法は、メンテナンスのための定期的来院に際して再治療が必
要かどうかを調べる際の用途に特に適している。
更に、本発明の目的のために、本検査はヒト歯周病に限定されておらず、疾病
を引き起こす微生物類が哺乳類に一般的に存在するかどうかを判定するのにも容
易に適用される。本発明の方法は、そのようにして、獣医学で適用されるであろ
う。
本発明を具体的態様及び適用の観点から記載してきたが、当業者は、この教示
を参照して、本発明の請求の範囲に記載された範囲又は精神から逸脱することな
く追加的に態様を生み出せるであろう。従って、本開示における説明は、本発明
の理解を促進するために提供されており、本発明の範囲自体を限定することを意
図していない。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. (a)複数種の微生物類を含有する細菌菌叢の試料を哺乳類口腔から採取 する段階; (b)前記複数種の微生物類中のいくつかの微生物類が所定の数を越える かどうかを判定する段階;及び (c)前記判定段階に応答して、前記細菌菌叢のタンパク質加水分解活性 を前記細菌菌叢中の歯周病病原性の疑いのある細菌によって産生されたタンパク 質分解酵素に対し特異的な色素原性試験物質によって測定する段階;からなる方 法。 2.前記判定方法が、少なくとも所定数の前記微生物類が前記試料中に存在する ことを条件として発色団が放出されかつ観察可能であるように、前記試料中の微 生物類の酵素活性によって加水分解可能な第2の色素原性試験物質に前記細菌菌 叢試料を供することからなることを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。 3.前記の微生物類の所定数が、約1,000,000から約10,000,0 00のオーダーであることを特徴とする請求の範囲第2項記載の方法。 4.前記第2の色素原性試験物質がホスファターゼによって加水分解可能である ことを特徴とする請求の範囲第2項記載の方法。 5.前記ホスファターゼがアルカリホスファターゼ及び酸ホスファターゼからな る群から選択されることを特徴とする請求の範囲第4項記載の方法。 6.前記第2の試験物質がp−ニトロフェノールリン酸エステル、o−ニトロフ ェノールリン酸エステル及びo−カルボキシルフェノールリン酸エステルからな る群から選択されることを特徴とする請求の範囲第4項記載の方法。 7.前記第2の色素原性試験物質がぺプチダーゼによって加水分解可能なことを 特徴とする請求の範囲第2項記載の方法。 8.前記ぺプチダーゼがアミノペプチダーゼであることを特徴とする請求の範囲 第7項記載の方法。 9.前記第2の試験物質がN−L−プロリン−β−ナフチルアミド、L−ロイシ ン−β−ナフチルアミド、及びL−フェニルアラニン−β−ナフチルアミドから なる群から選択されることを特徴とする請求の範囲第7項記載の方法。 10.前記試料中に前記歯周病病原性の微生物類が存在することを条件として発 色団が放出されかつ観察可能であるように、前記色素原性試験物質が前記試料中 の歯周病病原性の疑いのある微生物類のトリプシン様活性に対し特異的であるこ とを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。 11.前記色素原性試験物質が発色団と組み合わせたぺプチド基質からなること を特徴とする請求の範囲第10項記載の方法。 12.発色団と組み合わされた前記ぺプチド基質がBANA及びBAPNAから なる群から選択されることを特徴とする請求の範囲第11項記載の方法。 13.前記測定段階が更に発色剤を添加する段階を含む請求の範囲第1項記載の 方法。 14.発色団と組み合わされた前記ぺプチド基質が2−アルギニン−7−アミノ −4−トリフルオロメチルクマリンであって、発色団が放出されかつUV光によ って観察可能である請求の範囲第11項記載の方法。 15.歯周病病原性細菌類を含有する疑いのある細菌標本を哺乳類の口腔から採 取すること; 前記採取した細菌標本を液体媒体中に分散させる段階; 歯周病病原性細菌類に起因する酵素的分解に対し感受性である発色団含有 基質を前記液体媒体に添加する段階; 少なくとも所定数の前記微生物類が前記採取した細菌標本中に存在するこ とを条件として発色団が放出されかつ観察可能であるように、前記細菌標本中の 微生物類の酵素活性に対して感受性である第2の発色団含有基質を前記液体媒体 に対して更に添加すること; 前記液体媒体を観察し、それによって、色の変化により前記細菌標本中に おける前記所定数の微生物類存在するかが示される段階;及び 前記観察に応答して、前記歯周病病原性細菌類の存在を示す色の変化につ いて前記液体媒体を更に観察する段階;からなる方法。 16.前記発色団含有基質及び前記第2の発色団含有基質と前記液体媒体とをそ れぞれの基質類の酵素的分解が可能とように十分な時間インキュベーションする 段階を更に含む請求の範囲第15項記載の方法。 17.前記液体媒体に対して発色剤を添加する段階を含む請求の範囲第15項記 載の方法。 18.前記発色剤が前記観察段階の前に前記インキュベーションされた液体に添 加される請求の範囲第17項記載の方法。 19.前記発色剤が前記の更に観察する段階の前に前記インキュベーションされ た液体に添加される請求の範囲第17項記載の方法。 20.前記発色団含有基質が、前記細菌標本中の歯周病病原性の細菌類によるト リプシン様活性に対し特異的である請求の範囲第15項記載の方法。 21.ホスファターゼ活性による発色団の放出により生じる色が前記歯周病病原 性細菌類の酵素活性に応答して生じる色と両立不可能でないことを条件として、 前記第2の発色団含有基質が前記ホスファターゼ活性に対し特異的である請求の 範囲第15項記載の方法。 22.前記液体媒体が5.0乃至8.5の間のpHを有する請求の範囲第21項 記載の方法。 23.前記pHが約5.0乃至6.0の間にあること及び前記第2の発色団含有 基質が酸ホスファターゼに対し特異的である請求の範囲第22項記載の方法。 24.前記第2の発色団含有基質がo−カルボキシフェノールリン酸エステルで ある請求の範囲第23項記載の方法。 25.前記pHが約6.0乃至8.5の間にあること及び前記第2の発色団含有 基質がアルカリホスファターゼに対し特異的である請求の範囲第22項記載の方 法。 26.前記第2の発色団含有基質がo−ニトロフェノールリン酸エステル及びp −ニトロフェノールリン酸エステルからなる群から選択される請求の範囲第25 項記載の方法。 27.ぺプチダーゼ活性による発色団の放出により生じる色が前記歯周病病原性 細菌類の酵素活性に応答して生じる色と両立不可能でないことを条件として、前 記第2の発色団含有基質が前記ぺプチダーゼ活性に対し特異的であることを特徴 とする請求の範囲第15項記載の方法。 28.前記第2の発色団含有基質がL−プロリン−β−ナフチルアミド、L−ロ イシン−β−ナフチルアミド、及びL−フェニルアラニン−β−ナフチルアミド からなる群から選択される請求の範囲第27項記載の方法。 29.(1)哺乳類の口腔由来の細菌菌叢中の歯周病病原性の疑いのある細菌類 によって産生されたタンパク質加水分解酵素に対し特異的な第1の色素原性試験 物質;及び (2)前記細菌菌叢によって産生された酵素類に対し非特異的な第2の色 素生原試験物質であって、微生物類の量に応答して酸素的分解を受ける第2の色 素原性試験物質;からなる比色アッセイキット。、 30.前記第1の色素原性試験物質がトリプシン様酵素活性に対し特異的である 請求の範囲第29項記載の比色アッセイキット。 31.前記第1の色素原性試験物質がBANA、BAPNA、及び2−アルギニ ン−7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリンからなる群から選択される請 求の範囲第30項記載の比色アッセイキット。 32.前記第2の色素原性試験物質が前記酵素ホスファターゼに対し特異的であ る請求の範囲第29項記載の比色アッセイキット。 33.前記第2の色素原性試験物質がp−ニトロフェノールリン酸エステル、o −ニトロフェノールリン酸エステル、及びo−カルボキシルリン酸エステルから なる群から選択される請求の範囲第32項記載の方法。 34.前記第2の色素原性物質が酵素ぺプチダーゼに対し特異的である請求の範 囲第29項記載の方法。 35.前記第2の色素原性物質がL−プロリン−β−ナフチルアミド、L−ロイ シン−β−ナフチルアミド、及びL−フェニルアラニン−β−ナフチルアミドか らなる群から選択される請求の範囲第34項記載の方法。 36.更に発色剤を含む請求の範囲第29項記載の比色アッセイキット。 37.前記発色剤がファーストガーネット、ファーストブルー、及びp−ジメチ ルアミノシンナムアルデヒドの酸性溶液からなる群から選択される請求の範囲第 36項記載の比色アッセイキット。 38.細菌菌叢の標本のタンパク質加水分解活性を測定する方法であって、前記 方法が、前記タンパク質分解活性測定の信頼性を示すために、前記細菌菌叢の標 本中に所定数の微生物類が存在するかどうかを判定する段階からなる方法。 39.前記判定段階が第2の色素生産性試験物質によって非特異的酵素活性を測 定することからなり、少なくとも所定数の微生物類の存在するかどうかを示す請 求の範囲第38項記載の方法。 40.ホスファターゼ活性を測定する請求の範囲第39項記載の方法。 41.ぺプチダーゼ活性を測定する請求の範囲第39項記載の方法。
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