JP2004524041A - 黄色ブドウ球菌特異検出培養基と同培養基を用いる識別及び/または計数方法 - Google Patents

黄色ブドウ球菌特異検出培養基と同培養基を用いる識別及び/または計数方法 Download PDF

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Abstract

【課題】黄色ブドウ球菌の特異検出−及び/又はコアグラーゼ陽性ブドウ球菌とコアグラーゼ陰性との間を区別し、ブドウ球菌がブドウ球菌属細菌を分離して黄色ブドウ球菌種を識別することを可能にするための、少なくとも1つの酵素基質、好適には発色剤又は蛍光剤、更に好適にはインドキシル又はナフトール系を使用する培養基と黄色ブドウ球菌を識別し随意に計数するため当該培養基を用いる方法を提供する。
【解決手段】黄色ブドウ球菌培養基とα−グルコシダーゼ活性の検査を可能にする少なくとも1つの酵素基質を含む構成とする。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、黄色ブドウ球菌の特異検出のため及び/又はコアグラーゼ陽性ブドウ球菌をコアグラーゼ陰性ブドウ球菌と比較して識別し、ブドウ球菌属細菌を分離して黄色ブドウ球菌種を識別することを可能にするための、少なくとも1つの酵素基質を使用する培養基に関する。本発明はまた、このような培養基を使用して、黄色ブドウ球菌を識別し随意に計数するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1999年、43個の種と亜種を含むブドウ球菌(Staphylococcus)属のうち、17個が人体から発見された。これらのほとんどは人の日和見病原体で、外傷又は医薬品の直接着床による皮膚損傷の場合に高い危険性を示す。さらに、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)種は、注射器やカテーテルなどの器具による治療を含む入院を必要とする患者にしばしば見られる細菌である。したがって、院内感染症への関与が益々増加しているこの病原菌の存在を検出することには大きい価値がある。
【0003】
ブドウ球菌(Staphylococci)の中でも、黄色ブドウ球菌は、多数の細胞外酵素と毒素を生成するので、最も悪性の種であることに疑いはない。それは、単なるひょう疽から、敗血症、心内膜炎、肺又は骨関節感染症など、予後もあまり楽観出来ない最も深刻な感染症に至るまで、多くの様々な病気の原因となりうる。
【0004】
加えて、5個の種、即ち黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、ブドウ球菌(Staphylococcus haemolyticus)、腐生ブドウ球菌(Staphylococcus saprohyticus)、及びスタフィロコッカス・オミニス(Staphylococcus hominis)のみで、病院で分離される病原性菌株の少なくとも1%を占め、これらだけで、一般的に見られるブドウ球菌株の98%以上を占める。その他の種に出会うことは稀で比較的非病原性が低い。
【0005】
細菌学においては、コアグラーゼの生成を特徴とするこれら黄色ブドウ球菌種を別の「コアグラーゼ陰性」の種と対比するのが一般的である。
【0006】
黄色ブドウ球菌をアウレウス属でないブドウ球菌属と識別するための在来法は、遊離コアグラーゼ(free coagulase)とデオキシリボヌクレアーゼを検出すること、及びフィブリノーゲン類似因子、プロティンA及び莢膜抗原の存在を実証するためラテックス上に凝集させることにより実施される。
【0007】
他にも潜在病原性ブドウ球菌種で、コアグラーゼを発現する能力を有するものがあることに注目しなければならない。
【0008】
コアグラーゼ陽性種には、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・インターメジス(Staphylococcus intermedius)、スタフィロコッカス・ハイイカス(Staphylococcus hyicus)、スタフィロコッカス・デルフィニス(Staphylococcus delphinis)、スタフィロコッカス・ルトラエ(Staphylococcus lutrae)及びスタフィロコッカス・シュライフェリ(Staphylococcus schliferi)がある。
【0009】
黄色ブドウ球菌の存在を評価するため、選択培養基で培養する技術が存在する。それらは次の培養基である。
【0010】
チャップマン高塩濃度培養基(NaCl75%含有)は、一般的にマンニトールを加水分解する黄色ブドウ球菌及びブドウ球菌用に選択される。これらの細菌は培養基を赤色から黄色に変色させる。微生物の中には、あるいはグループD腸球菌は特に、培養基上に同様の反応を生じさせることがある。したがって、カタラーゼ(連鎖球菌に関して陰性)を検証することが必要である。
【0011】
ベアードパーカー培養基(選択剤として亜テルル酸カリウムと塩化リチウムを含有)は、食品中のコアグラーゼ陽性ブドウ球菌を分離し計数するため使用され、コアグラーゼの活性の実証を可能にする。この培養基上で黄色ブドウ球菌のコロニーと、他のコアグラーゼ陽性種のコロニーは、中心が黒色で不透明の環で囲まれた形で出現する。その他の微生物もこの培養基上で成長することがありうる。これには主に次のグループが含まれる。
・腸球菌及びリステリア属の:グラム陽性球菌
・プロテウス及びシュードモナス属の:グラム陰性桿菌
【0012】
事実、チャップマン高塩濃度培養基技術を用いる黄色ブドウ球菌の検出は、感度(求める種が検査済みの生体サンプルの中に少量存在するとき、その種を実証する能力)及び特に特異性(検査済みの生体サンプルが別の種を含むとき求める種を検出する能力)に欠ける。
【0013】
同様に、ベアードパーカー培養基技術を用いる黄色ブドウ球菌の検出も、感度と特異性に欠ける。したがって、黄色ブドウ球菌種に属さない1部の種、特にスタフィロコッカス・シュライフェリとスタフィロコッカス・サプロフィチカスもまた、明るい環に囲まれたコロニーを発現する可能性がある。黄色ブドウ球菌の種の中には、検出すべき酵素活性を示さないことや培養基中で成長しないこともある。それは、生体サンプル中に存在する量が少な過ぎる及び/又は培養基中の成分の選択性が強過ぎるために成長が抑制されるからである。
【0014】
したがって、ベアード−パーカーとチャップマンの培養基によるこの検出は、推定的な判断の域を出ず、確証を得るためには別の検査を必要とすることがわかる。そこで、黄色ブドウ球菌の識別のためにさらに作業が必要となり、分析の時間と費用が増加する。それには多数の試薬及び適任者の関与を必要とする。
【0015】
グルコシダーゼ系の基質を使用することもまた可能である。これは、使用する分子構成によって、α−グルコシダーゼ活性又はβ−グルコシダーゼ活性のいずれかの検出を可能にする。
【0016】
各種ブドウ球菌種識別のためα−グルコシダーゼを使用することは、公知である。しかし、各種ブドウ球菌種によるこれらの糖類の調査では、現在のところ黄色ブドウ球菌の簡単な識別はできない。それは、特異性(麦芽糖、ツラノース、蔗糖、トレハロースの場合など)や感度(メチル−α−グルコシド、ラフィノース、ツラノースの場合など)が十分でないからである。(S.バスコム及びM.ナナフィ、1998年、好気性及び通性嫌気性グラム陽性球菌の特徴付けと識別における酵素検査の使用、Clin.Microbiolol.Rev.11:318−340)(WEクロース他、1982年、API Staph−IDENTシステムを用いるブドウ球菌種の識別、J.Clin.Microbiol.16(3):509−516)。この現状は、この型のα−グルコシダーゼ活性を研究する専門の科学者に二の足を踏ませるものである。
【0017】
他方、最近の出版物はβ−グルコシダーゼ活性の研究の有効性に言及している。例えば、この特許EP−B−0.741.797号の場合、インドキシル系の発色基質を2つ使用して、ブドウ球菌のホスファターゼ活性と他の細菌属のβ−グルコシダーゼ活性を検出可能にし、選択培養基上でブドウ球菌属細菌を他の細菌から区別するための方法を説明している。
【0018】
ゲル培養基の上でのブドウ球菌の検出について比較してみると、この特許による方法ではブドウ球菌を他の属の細菌と区別することだけが可能なのに対して、我々の発明は、ブドウ球菌属の他の細菌から黄色ブドウ球菌を識別することを可能にする。
【0019】
論文「人体の臨床試験片から黄色ブドウ球菌を分離し推定識別するための新発色培養基、CHROMagar Staph.aureus、の評価」、O.ガイロット他、2000年、J.Clin.Microbiol.38、4、1587−1591、では、黄色ブドウ球菌種に関し紫色着色を示す発色基質を用いて、ブドウ球菌を隔離し黄色ブドウ球菌を識別するための発色培養基、CHROMager(商標)Staph.aureus、を記述し評価している。同一属のその他の種は、理論上、それらが青色に着色するか又は無色になることで検出される。基本的にβ−グルコシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、及びホスファターゼの活性を使用しており、黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌との区別を可能にする抑制剤デフェロキサミンをも使用している。さらに、特許出願WO−A−00/53799号がこの題名で申請された。この特許出願は、黄色ブドウ球菌を検出するための、少なくとも以下の2つの発色剤を結合する培養基を提案する。
・5−臭素−6−塩素−3−インドキシルリン酸塩、ホスファターゼ活性、及び
・5−臭素−4−塩素−3−インドキシルグルコシド、β−グルコシダーゼ活性、
【0020】
これらは上述の特許出願EP−B−0.741.797号で既に記述している。事実、この新規文書は、単純に且つ本質的に、デフェロキサミンという成長抑制剤を、発色体に添加するのみである。前記のデフェロキサミンは、黄色ブドウ球菌を表皮ブドウ球菌と一層明確に識別することを可能にする。現在、デフェロキサミンは、表皮ブドウ球菌の成長抑制剤として既に公知であるが、その他のブドウ球菌種に関しては知られていない。(Lindsay J.A.、Aravena−roman M.A.、Riley T.V.、−デスフェリオキサミンに対する感受性検査による血液培養からの表皮ブドウ球菌とスタフィロコッカス・オミニスとの識別、European J.of Clin.Microbiol.et Inf.Diseases−1993年、12巻、127−131頁)。
【0021】
CHROMager(商標)Staph.aureus培養基と比較して、我々の培養基は、黄色ブドウ球菌を表皮ブドウ球菌と一層容易に区別することが可能であるが、この2つの種は、CHROMager(商標)培養基上では同一色のコロニーを生じる。これは、黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌に関して陽性であるホスファターゼ基質の特異性の欠如、及びデフェロキサミンによる後者の抑制が部分的のみであるとの事実による。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明にしたがって、α−グルコシダーゼ活性のみを検出することにより、黄色ブドウ球菌を表皮ブドウ球菌及び腐生ブドウ球菌から分離することは、以前から可能であることを特筆する必要がある。これらは臨床的に分離される3つの主要ブドウ球菌種である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
事実、またあらゆる予想に反して、本願発明者達は、α−グルコシド系の基質により、感度が良く特異的な黄色ブドウ球菌識別が可能であることを実証した。具体的に言うと、反応培養基の定義を可能にする作動条件及び/又は特定α−グルコシダーゼ基質及び/又は少なくとも第2酵素基質の結合の選択を通じて、
最も一般的に分離される主なコアグラーゼ陽性ブドウ球菌種(実質的に黄色ブドウ球菌及びスタフィロコッカス・インターメジス)と、最も一般的に存在するコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(実質的に表皮ブドウ球菌、ブドウ球菌(Staphylococcus haemolyticus)、及び腐生ブドウ球菌)とを見分けること、及び/又は
黄色ブドウ球菌を特異的に識別すること、
が可能である。
【0024】
例えば、少なくとも第2酵素基質を添加することにより、本発明の応用上の特徴および利点が得られる。こうして本発明の利点は、第1には、黄色ブドウ球菌によって強く発現し他のブドウ球菌種によっては発現が極めて弱いα−グルコシダーゼ活性を、第2には、ほとんどのブドウ球菌によって発現するが黄色ブドウ球菌によっては発現しないβ−グルクロニダーゼ及び/又はβ−ガラクトシダーゼ及び/又はβ−グルコシダーゼの活性を、使用する基質の作用として検出することにより得られる。この第2活性により、黄色ブドウ球菌を他のブドウ球菌属の種と一層明確に区別することが可能になる。
【0025】
この趣旨で、本発明は、黄色ブドウ球菌培養基、及びα−グルコシダーゼ活性実証のための酵素基質を少なくとも1つ含む、黄色ブドウ球菌及び/又はコアグラーゼ陽性ブドウ球菌の検出用培養基に関する。
【0026】
α−グルコシダーゼ活性実証のための酵素基質は、発色剤又は蛍光剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施の第1改良型にしたがうと、α−グルコシダーゼ活性実証のための発色剤又は蛍光剤は、黄色ブドウ球菌及びコアグラーゼ陽性のブドウ球菌を検出するため、インドキシル系又はウンベリフェロン系である。
【0028】
実施の第1改良型にしたがうと、この培養基は、発色剤として、
・6−臭素−3−インドキシル−α−D−グルコシド、
・5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシド、
・5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシド、
・6−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシド、及び/又は
・4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシド、
を用いる。
【0029】
実施の第2改良型にしたがうと、黄色ブドウ球菌検出を可能にするために、α−グルコシダーゼ活性を実証するための発色剤は、ナフトール系である。
【0030】
実施の第2改良型にしたがうと、この培養基は発色剤として、2−ナフチル−α−D−グルコピラノシドを用いる。
【0031】
1実施例にしたがうと、培養基は少なくとも2つの異なる酵素基質を使用する。好適には2つの発色剤で、1つはα−グルコシダーゼ活性の実証用で、他方はオシダーゼ(β−グルコシダーゼ及び/又はβ−グルクロニダーゼ及び/又はβ−ガラクトシダーゼ)及び/又はエステラーゼ(エステラーゼ/リパーゼ及び/又はホスファターゼ及び/又はβ−サルファターゼ)及び/又はペプチダーゼ及び/又はコアグラーゼの活性検出用である。
【0032】
加えて、培養基は、2つの発色剤を次の対から選択し使用する。
・5−臭素−6−塩素−3−インドキシル−β−D−ガラクトシドと化合した
5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシド、又は
・6−塩素−3−インドキシル−β−D−グルクロニドと化合した
5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシド
・5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−β−D−グルクロニドと化合した
6−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシド、又は、
・5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−β−D−グルクロニドと化合した
6−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシド。
【0033】
培養基は、ブドウ球菌属細菌の成長を促す少なくとも1つの抑制剤、塩化リチウム(LiCl)、アジ化ナトリウム(NaN)、コリスチン、アンフォテリシン、アズトレオナム、コリマイシン、塩化ナトリウム(NaCl)、又はデフェロキサミンなど、を用いるのが好適である。
【0034】
実施の1つの改良型にしたがうと、培養基はブドウ球菌属細菌の成長を助ける抑制剤4つを含む抑制剤の混合物を使用する。これらの抑制剤は、
LiCl、
O/129、
アズトレオナム、及び
アンフォテリシン、
である。
【0035】
別の改良型にしたがうと、培養基は、麦芽糖を、好適には100mg/l〜300mg/lの間の濃度で使用する。
【0036】
本発明はまた、細菌の種を少なくとも1つ含む試料中の黄色ブドウ球菌種細菌1つ以上を識別するための方法に関する。この方法は、次のステップを含む。
・上述のような培養基に、試料の全部又は1部を接種するステップ、及び
・培養基に反応する各発色剤の着色又は各蛍光剤の蛍光を観察するのに十分な大きさの細菌コロニーが生じるように、上記接種済み培養基を培養するステップ。
【0037】
この方法により、試料中の1つ以上を計数することも可能になる。この場合は、その黄色ブドウ球菌種細菌に関係して着色又は蛍光により識別されるコロニーを計数するステップを含む第3のステップを実行する。
【0038】
実験1:各種インドキシル誘導体系発色マーカを含む各種α−グルコシダーゼ基質の評価:
【0039】
下記の培養基は、基剤中に
・ペプトンをリットル当たり11グラム(g/l)、
・TRIS緩衝液を0.65g/lと、
・寒天を14g/lを、
下の表1に記載した発色α−グルコシダーゼ基質と組合せて調合した。
【表1】
Figure 2004524041
表1:使用する発色α−グルコシダーゼ基質に関する略語
【0040】
α−グルコシダーゼ基質は、ジメチルスルホキシドの中で、200g/lの濃度で可溶化される。基質の最終濃度100mg/lを得るのに十分な体積を、4つの溶融培養基に添加する。BioMerieux内部コレクションから生成される微生物を、培養基の1つ毎に、0.5マクファーランド(MacFarland)の懸濁液を用いて、それ自体の上に3ダイアルとして、播種した。しかし、一般に利用することのできる、例えばATCC又はNCTCなどのコレクションから生成される微生物から導き出される結果は、全く同じである。ディッシュ(dishes)を37℃で48時間培養した。培養後24時間及び48時間の時、コロニーを目視で検査し、着色及びその着色強度もまた記録した。
【0041】
下の表2では、後に続く表と同じく、Cは培養後のコロニーの着色を示し、Iは着色の強度を示し、記号「−」は色又は強度が無いことを意味し、最後にTIは、培養時間を定義する。着色の強度は、任意の尺度であるが、全ての生体サンプル及び検査培養基全部に共通であることに注意しなければならない。この尺度は、この実験及び後に続く実験全てにも有効である。これは次のように定義することが出来る。
・0は、活性の欠如に相当する、
・0.1は、着色の微かな痕跡の存在に相当する、
・0.5は、極めて淡い着色の存在に相当する、
・1は、強度は弱いが明確な着色の存在に相当する、
・1.5は、着色1と2との中間である着色の存在に相当する、
・2は、中間強度の確実な着色の存在に相当する、
・2.5は、着色2と3との中間である着色の存在に相当する、
・3は、強い着色の存在に相当する、
・3.5は、着色3と4との中間である着色の存在に相当する、
・4は、極めて強い着色の存在に相当する。
【0042】
結果を下の表2に示す。
【表2】
Figure 2004524041
表2:各種インドキシル誘導体系発色マーカを含む各種α−グルコシダーゼ基質の評価
【0043】
基質5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシドに関しては、24時間でブドウ球菌株間の着色強度に相違が確認された。これは、黄色ブドウ球菌を検出し、ブドウ球菌属の他の種と識別することを可能にする。48時間では、黄色ブドウ球菌とスタフィロコッカス・キシロサス(Staphylococcus xylosus)との識別には疑問が残りうる。
【0044】
他の3つの基質に関しては、培養時間の影響を受けず、着色強度の相異は24時間でも48時間でも、黄色ブドウ球菌を検出し、それをブドウ球菌属の他の種と識別することを可能にする。
【0045】
しかし、黄色ブドウ球菌株とスタフィロコッカス・キシロサス株(コアグラーゼ陰性)との間の強度の相異は、3つの基質、6−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシド、6−臭素−3−インドキシル−α−D−グルコシド及び5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシド、についてより顕著であることが注目される。これらは、マーカ色と培養基色との間のコントラストが良く、5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシドよりも明確である
【0046】
実験2:ゲル状培養基におけるα−グルコシダーゼ活性及び別のオシダーゼ活性の直接検出による黄色ブドウ球菌の同一属の種との区別
【0047】
下記の培養基は、基剤中に
・ペプトンをリットル当たり11グラム(g/l)、
・TRIS緩衝液を0.65g/l、
・寒天を14g/l、
含み、2つの発色基質と混合して調合したが、うち1つによりα−グルコシダーゼ活性の検出が可能である。これらの複合基質を下の表3に示す。
【表3】
Figure 2004524041
表3:発色性α−グルコシダーゼ基質と別の酵素活性に関して特異な発色基質の各種組合せに関する略号
【0048】
各α−グルコシダーゼ200g/lの原液を、ジメチルスルホキシドの中に調合する。各α−グルコシダーゼ基質につき100mg/lの最終濃度を得るのに十分な体積を、4つの溶融培養基に添加する。同時に、上述の、別のオシダーセ活性1つ毎に十分な体積の基質を、基質によって50mg/l〜0200mg/lの間の濃度で、4つの培養基に添加する。BioMerieux内部コレクションから得られる微生物を、培養基の1つ毎に、0.5マックファーランドの懸濁液を用いて、それ自体の上に3ダイアルとして、播種した。ディッシュを37℃で48時間培養した。24時間及び48時間の培養後に形成されたコロニーを目視で検査した。着色及びこの着色強度もまた記録した。
【0049】
結果を下の表4に示す。
【表4】
Figure 2004524041
表4:基質の各種組合せの評価
【0050】
上の結果は、検査する発色基質の全ての対を使用して24時間培養の後、黄色ブドウ球菌を、ごく一般的に見られる別の種(表皮ブドウ球菌,腐生ブドウ球菌など)と識別することが可能であることを示している。
【0051】
それぞれ基質の対である、実験のA、B、C及びDは、色の範囲及び/又は色の強度を利用することにより、各種ブドウ球菌種を識別することを可能にする。第1に、発色の相異によりスタフィロコッカス・キシロサスの明確な検出を可能にし、第2に、黄色ブドウ球菌は、最も強いレベルの色強度を示すため、同一色を示す同一属の別の種と識別することが可能になる。
【0052】
スタフィロコッカス・インターメジスだけは、基質対Aを用いた48時間の結果に問題を残す。しかし、24時間培養の結果に不明瞭さはなく、識別時間が短い程培養基は有効なので、この方が有利である。このコアグラーゼ陽性ブドウ球菌種は、ほとんどの識別方法、特にチャップマン、ベアードパーカー及びCHROMager(商標)Staph aureus培養基などでは、黄色ブドウ球菌から識別されない。
【0053】
実験3:実験2に記載の基質の混合を含む我々の培養基の1つと市販培養基との比較調査
【0054】
生体サンプル中の黄色ブドウ球菌の存在を検出する以下の培養基は、次の会社から入手できる。
・CHROMager Staph aureus培養基(参照番号TA600)は、フランス、パリのCHROMager社から。
・チャップマン(参照番号43311)及びベアードパーカー(参照番号43521)培養基は、フランス、マルシイレトワールのBioMerieux社から。
【0055】
下の表5に示す略語は、次の通りである。
・Aは、実験2に記載の混合物Aを含む培養基に相当する。
・Bは、コロニーのピンク着色を通じてブドウ球菌を分離し黄色ブドウ球菌を識別するため用いるCHROMager Staph aureus培養基に相当する。別のブドウ球菌種は、青緑色を示すか又は無色である。
・Cは、黄色ブドウ球菌及びマンニトールを加水分解するブドウ球菌の分離に用いるチャップマン培養基に相当する。これらの細菌は培養基中に存在する変色指示薬を赤色から黄色に変色する。及び
・Dは、黄色ブドウ球菌を分離して特徴付けるため使用するベアードパーカー培養基に相当する。この培養基は、コアグラーゼの検出に対応して、黒色の中心をハローと呼ばれる明るい領域が囲む固有のコロニーを24時間で生じる。
【0056】
臨床検査で最も一般的に見られる12のブドウ球菌種に属する36株を上述の培養基で検査した。BioMerieux内部コレクションから入手できる微生物を、培養基の1つ毎に、0.5マックファーランドの懸濁液を用いて、それ自体の上に3ダイアルとして、播種した。ディッシュを37℃で48時間培養した。形成されたコロニーを24時間及び48時間培養後、目視で検査した。我々の培養基、及びCHROMager Staph aureus着色培養基の上のコロニーの着色を、例1に記載した方法と尺度にしたがって記録した。チャップマン培養基の読取りついては、記号「−」は、変色指示薬の変化が無く、寒天はコロニーの周りで赤のままである(マンニトール−菌株)ことに相当し、記号「+」は、変色指示薬が変化し、寒天はコロニーの周りで黄色になる(マンニトール+菌株)ことに相当する。ベアードパーカー培養基の読取りついては、記号「−」は、コロニーの周りの明るいハローの欠如(コアグラーゼ−菌株)に相当し、記号「+」は、コロニーの周りの明るいハローの存在(コアグラーゼ+菌株)に相当する。
【0057】
下の表5では、着色は、培養後のコロニーの着色に相当する。頭文字「C.M.」は、培養後のコロニーの周りのチャップマン培養基の着色をあらわす。「ハロー」は、培養後のコロニーの周りのベアードパーカー培地の明るい領域をあらわす。最後に、記号「数」は、培養基により特性変色又はハローによって識別された菌種当たりの株数をあらわす。
【表5】
Figure 2004524041
表5:本発明にしたがう培養基と市販培養基との比較
【0058】
黄色ブドウ球菌の株全部が、本発明にしたがった培地、及びCHROMager Staph aureusとチャップマン培養基の上で識別された。加えて、コアグラーゼ陽性の菌種スタフィロコッカス・インターメジスの株が、本発明にしたがう我々の培養基の上で、CHROMager Staph aureusとベアードパーカー培養基の上と同様に識別された。結果はまた、本発明による培養基と、ベアードパーカー培養基上では、偽陽性が認められなかったことを示している。CHROMager Staph aureus培養基と、チャップマン高塩濃度培養基(NaCl75%含有)上では、黄色ブドウ球菌を一定のコアグラーゼ陰性種と識別することが出来ないこともまたわかる。したがって、この黄色ブドウ球菌の存在を実証するためにさらに検査を実行する必要がある。
この実験は、本発明にしたがう方法の特異性と信頼性を実証する
【0059】
実験4:ナフトール誘導体に基づくα−グルコシダーゼ系を含む培養基を用いる各種作業条件の評価
【0060】
下記の実験は、液体培養基中でナフトール誘導体系の発色基質存在の下で実行した。
【0061】
培養基及び基質は、BioMerieux社(フランス、マルシイレトワール)製のAPI「galleries」(商標)の中に配分した。
【0062】
「galleries」は、微生物中の酵素活性を検索するための半定量的方法の構成要素となり、迅速に同時に19個の酵素活性を検査することを可能にする。各「gallery」は、酵素基質を含んだ溶液が配分された杯状容器を20個を含む。酵素アッセイは、細菌検査液65μlを5−6マックファーランドで各容器に配分して実行される。
【0063】
各杯状容器の着色強度を、37℃で4時間培養後、適切な試薬、上述のBioMerieux社から入手可能なZYM A(参照番号:70470)及びZYM B(参照番号:70480)を添加した後、目視で検査する。着色強度は、酵素により加水分解された基質の量に正比例する。
【0064】
次いで、着色強度に関する値を、次の分類にしたがって、結果用紙に記録する。0点は、陰性反応に相当し、5点は、最大強度の反応に相当する。1、2、3及び4点は、相関、したがって酵素活性の中間レベルに相当する。この記録に関するさらに詳細な情報は、同一名の「galleries」に掲載されているAPI読取尺度で確認できる。
【0065】
実験1及び2に見られるように、微生物はBioMerieux内部コレクションから入手した。
【0066】
検査する酵素活性と対応するナフトール誘導体基質を下の表6に記述する。
【表6】
Figure 2004524041
表6:ナフトール誘導体を含む発色基質を用いた酵素活性の検査リスト
【0067】
酵素活性の結果を下の表7に示す。
【表7】
Figure 2004524041
表7:α−グルコシダーゼ活性の検出による黄色ブドウ球菌株の識別の他ブドウ球菌種との比較
【0068】
表7の結果によると、2−ナフチル−α−D−グルコピラノシドを用いるα−グルコシダーゼ活性の検出のみが、黄色ブドウ球菌株によって強力に発現し、コアグラーゼ陽性であるこの株を別のブドウ球菌種と識別することを可能にする。他の酵素活性については、黄色ブドウ球菌株と他の菌種の株との間の着色強度の相異が遙かに少ないので、各種菌種の間を識別するのは困難である。ナフトール系の発色基質の場合は、スタフィロコッカス・インターメジスなどのコアグラーゼ陽性ブドウ球菌の識別が不可能であることに注目しなければならない。その他のブドウ球菌、スタフィロコッカス・サプロフィチカス、スタフィロコッカス・エピデルミディス及びスタフィロコッカス・ヘモリチカスは、コアグラーゼ陰性である。
【0069】
実験5:蛍光基質などの非発色基質を用いるα−グルコシダーゼの検出
【0070】
実験1に記載の培養基の基剤に、寒天を除き、発色基質の代わりに蛍光基質を含ませたものの中に、下記の培養基を調合した。コアグラーゼ陽性のブドウ球菌種の実証用に蛍光基質を使用することの利点を強調するため、以下の酵素活性に特有の、表8に記述する4つの蛍光基質を比較した。
【表8】
Figure 2004524041
表8:検査蛍光基剤に関する略語
【0071】
基質は実験1及び2に用いた溶液に可溶性にした。各基剤の最終濃度は、培養基に関し200mg/lである。
【0072】
各種液体培養基を、BioMerieux社製の自動VITEK2(商標)装置に独特の銀行カード大の支持体の杯状容器内に分配した。培養器を一体化したVITEK2システムは、接種から結果の報告まで、ステップ全体を取扱う。0.5マックファーランドにおける接種材料の調製だけは、この装置特有のチューブ内で直接検査される菌株1つ毎に、比濁計を用いて技術者がおこなう。自動化システムは、比濁法を使用して細菌成長を、蛍光を使用して酵素活性を、15分間隔で19時間に亘って読取ることを可能にする。
【0073】
実験1、2及び4のように、調査菌株はBioMerieux内部コレクションの1部である。
【0074】
下の表9に示す結果は、装置を用いて測定できる最大レベルの蛍光を得るため必要な培養時間を時間単位であらわす。
【表9】
Figure 2004524041
表9:菌株1つ毎に各酵素活性の最大レベル蛍光を得るため必要な培養時間を時間単位であらわす結果の要約表
【0075】
結果の解析は、ウンベリフェロン系の蛍光基質を用いてα−グルコシダーゼ活性を検出することにより、コアグラーゼ陽性菌種(黄色ぶどう球菌及びStaphylococcus intermedius)を、コアグラーゼ陰性菌種(表皮ブドウ球菌,Staphylococcus xylosus,腐生ブドウ球菌,及び、Staphylococcus haemolyticus)から、読取時間の関数として、識別することが可能であることを示す。特に、4−MU−α−GLU基質のα−グルコシダーゼによる加水分解は、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌株については培養時間8時間以内、コアグラーゼ陰性菌種については培養時間10時間後に最大レベルの蛍光を得ることを可能にする。
【0076】
調査したその他3つの基質に関しては、コアグラーゼ陽性ブドウ球菌種を、スタフィロコッカス・エピデルミディスなどのコアグラーゼ陰性ブドウ球菌種と識別することは困難と思われる。この種については最大レベルの蛍光に到達する所要時間が、コアグラーゼ陽性菌種が示すものに極めて近いか、またはほとんど同じだからである。
【0077】
この例は、蛍光基質を用いてα−グルコシダーゼ活性を検出することの1つの利点を明らかに示している。
【0078】
実験6:α−グルコシダーゼの検出を促進する抑制剤と、本発明にしたがう酵素基質との混合物
【0079】
基質の特異性を更に強調するため多数の調査をおこなった。想定した解決策の中で、抑制剤を添加することの可能性が、全く意外で著しく有利な解決策をもたらした。
【0080】
抑制剤はそれ自体では、強調すべきブドウ球菌の検出は不可能なので、一定の抑制剤の組合せを想定した。それらの組合せのほとんどは、当業者にその主旨に沿った解決策の模索の続行を断念させるものであるが、それは例えば次の様な場合である。
【0081】
第1の組合せは、3つの抑制剤、塩化リチウムLiCl(2g/l)、アンフォテリシン(0.005g/l)、アズトレオナム(0.008g/l)の組合せある。これら3つの化合物がブドウ球菌の成長に与える影響は、ごく僅かである一方、検出される酵素活性(α−グルコシダーゼ及びβ−グルクロニダーゼ)には影響がない。
【0082】
抑制剤混合物の第2の組成は、前述の検査と同様のもので、LiCl(3g/l〜7g/lの範囲)及びアズトレオナム(同時に0.008g/l〜0.003g/lの範囲)の濃度のみが同時に修正される(逆濃度範囲の調剤)。LiCl濃度が増加するにつれて、ブドウ球菌の成長が減速する。この効果は、アズトレオナムについては観測されず、濃度の増加は細菌成長を妨げない。酵素活性については、α−グルコシダーゼ及びβ−グルクロニダーゼの検出に関して(濃度に関係なく)抑制剤の影響はない。抑制剤濃度が増加するにつれて、選択性が強化されるが、ブドウ球菌受精率は減少する。
【0083】
抑制剤の前述の混合物は、第1にコリスチンを用い、第2にアズロレオナムの濃度を上げて、完成する。培養基に対するコリスチンの添加に伴うこの増加は、ブドウ球菌成長にはほとんど影響がない。その上、前の検査で識別された重要菌種がこれら新しい条件の下で抑制されるので、選択性は強化される。α−グルコシダーゼ検出の感度は、使用する濃度(0〜32mg/l)に関係なく、アズトレオナムの存在下では微かに減少する。
【0084】
培養基の性能レベル、ブドウ球菌及び非ブドウ球菌の受精率、及び酵素活性の発現を,前述の検査で定義する抑制剤混合物(LiCl、アンフォテリシン、アズトレオナム)の存在下で、より広範な菌株のサンプルについて評価する。培養基に対する4つの選択剤を添加しても、ブドウ球菌の成長はほんの僅か遅くなるだけで、全体としては、黄色ブドウ球菌におけるα−グルコシダーゼ発現のレベルには影響しない。他方、β−グルクロニダーゼ活性の検出/発現は、これら抑制剤の存在で著しく変化する。特にリステリア、エンテロコッカス・フェシウム、クレブシエラ・ニューモニア、アシネトバクター・バウマニイ、及び桿菌に関して、選択性は、未だ完全ではない。
【0085】
次に、ビブリオスタチック化合物O/129を添加し、アズトレオナム濃度を増加し(32mg/l)、抑制剤混合物からコリスチンを除去して、β−グルコシダーゼ活性を特徴付けた。下記の実験を、次の培養基中で実行した。
−ペプトンを20.1g/l、
−Tris緩衝液を0.65g/l、
−寒天を14g/l、
−6−塩素−3−インドキシル−β−D−グルコシドを0.125g/l、
−5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシドを0.100g/l、
−塩化マンガンを0.0018g/l、及び
−ピルビン酸ナトリウムを4g/l。
さらに、抑制剤混合物の組成は以下の通りである。
−Liclを5g/l、
−O/129を0.010g/l、
−アストレオナムを0.032g/l、
−アンフォテリシンを0.005g/l
【0086】
すべての培養基の性能レベルは、極めて良好である。具体的には、ブドウ球菌種の成長が正常である。その上、α−グルコシダーゼとβ−グルコシダーゼ活性の検出が、抑制剤によって影響を受けず、非ブドウ球菌属(リステリア、アシネトバクター属、クレブシエラ属など)の成長が抑制されるので選択性レベルは申し分ない。
【0087】
実験7:麦芽糖添加による劣弱接種材料の感度の強化
−ペプトンを20.1g/l、
−Tris緩衝液を0.65g/l、
−寒天を14g/l、
−6−塩素−3−インドキシル−β−D−グルコシドを0.125g/l、
−5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシドを 0.100g/l、
−塩化マンガンを0.004g/l、
−ピルビン酸ナトリウムを4g/l、
−塩化リチウムを4g/l、
−アズトレオナムを0.032g/l、
−アンフォテリシンを0.002g/l、及び
−麦芽糖を最終濃度0又は0.1又は0.3又は0.4g/l
を、含む培養基中で下記の実験をおこなった。
【0088】
麦芽糖は、例えば濃度100g/lなどで水中に溶解し、そして上述の最終濃度を得るのに十分な体積を3つの溶融培養基に添加した。BioMerieux内部コレクションから得たブドウ球菌株を、発色培養基各1つ自体の上に(ディッシュの全表面に渡って密接に並ぶ直角の筋状に)、1/30000に希釈した0.5マックファーランドの懸濁液を使用して播種し、ディッシュを37℃で48時間培養した。形成されたコロニーを18、24及び48時間培養後、目視で検査し、コロニーの着色強度を記録した。
【0089】
検査実施濃度の中では、麦芽糖100mg/lと300mg/lを使用した場合に最良の結果が得られた。したがって、下の表10にこれらの濃度を示した。麦芽糖400mg/lを使用した結果は極めて良好であるが、何か別のコアグラーゼ陰性のブドウ球菌もまたα−グルコシダーゼ活性を有するので、偽陽性の可能性がある。
【表10】
Figure 2004524041
表10:ブドウ球菌のα−グルコシダーゼ活性に対する麦芽糖の影響の評価
【0090】
着色を記録し、これら着色の強度を採点した。読取尺度は、上で表2及び4に関して使用したものと同じである。
【0091】
したがって、麦芽糖は黄色ブドウ球菌、特に重要菌種(3、4、5及び6)の、α−グルコシダーゼ発現を活性化し、それによりこれらの菌株は麦芽糖含有培養基の上に緑/薄緑のコロニーを発生することが出来る。このとき、上述のように非黄色ブドウ球菌と識別される危険性を持つコロニーは、麦芽糖が欠如して白色のままである。
【0092】
雑件
α−グルコシダーゼを検出する以下の発色基質は、以下の会社から入手できる。
5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシドは、スイス、スタードのBIOSYNTH社から参照番号B−73230で、
6−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシドは、上のBIOSYNTH社から参照番号B−5015で、また
6−臭素−3−インドキシル−α−D−グルコシドの合成は、Inalco社の特許WO99/50438号に記述されており、
2−ナフトール−α−D−グルコピラノシドは、当業者に公知であり、Sigma社などから入手できる。
【0093】
α−グルコシダーゼを検出する蛍光基質4−メチルウムベリフェリル−α−D−グルコシドは、当業者に公知であり、Sigma社などから入手できる。
【0094】
5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシドに関しては、次の方法で合成できる。
【0095】
下記化学式の5−臭素−4−塩素−1−メチルインドール−3−イル−α−D−グルコシド
【化1】
Figure 2004524041
が、5−臭素−4−塩素−3−インドリル・アセテート又は、5−臭素−4−塩化インドリル1,3−ジアセテートから得られる。
【0096】
ステップ1:5−臭素−4−塩素−N−メチル−3−インドリル・アセテートの合成
【0097】
上のうち1つのエステル3ミリモルを、無水ジエチルエステル35mlに溶解して、エーテル内の過剰のジアゾメタン−3塩化ホウ素化合物を添加することにより、1−位置にある窒素上でメチル化する。塩酸1Mを用いて有機相を抽出し、水洗して乾燥する(NaSO)。溶剤を除去して残渣を5酸化リン存在の下で真空乾燥すると生成物質0.62gが得られる。
【0098】
ステップ2:5−臭素−4−塩素−1−メチル−3−インドリル−α−D−グルコシドの合成
【0099】
A.上述の方法で得られるN−メチル化アセテートエステル(0.6g、2ミリモル)を無水エチルアセテート中に溶解し、過剰のメタノール化水溶性アンモニアをアルゴン雰囲気下で添加することにより加水分解する。雰囲気温度で16時間後に、減圧下の蒸発により溶剤と余剰アンモニアを除去し、固体残渣を追加精製することなく直接グリコシル化する。
B.5−臭素−4−塩素−1−メチルインドール−3−イルを、ジクロロメタン中に採取し、ジクロロメンタン中のグルコースペンタアセテート溶液(1.45g、5ミリモル/20ml)を使用し、次いでジクロロメタンに溶解済みの塩化錫(2ミリモル)を用いて、撹拌しながら0℃で処理する。反応を一晩中続けると、1M氷塩酸とともに撹拌することによって、生成物が分離される。錫塩を除去した後、PHASE−SEP紙を通じて有機層を濾過し、MgSOを使用して乾燥する。TLC(薄膜クロマトグラフィー)では、紫外線下で2つの斑点が検出される。ジクロロメタン−エチルアセテートを溶離液とするシリカゲルカラム上での第1分離の後、ナトリウムメトキシドのメタノール性溶液の存在下で、2つの化合物から別個にアセチル基を取除いて、α−及びβ−グルコシドの混合物が得られる。
C.α型が顕著に発現し、残留β−グルコシドは、37℃まで冷却しβ−グルコシダーゼを存在させて培養した温水中に溶解することにより、除去することが出来る。溶液を濾過しエーテルを用いてインディゴ色素(indigo pigment)を抽出する。残留水溶性溶液を減圧下で蒸発し、凍結乾燥するとα−グルコシド(120mg)が得られる。
【0100】
β−グルクロニダーゼを検出する発色基質6−塩素−3−インドキシル−β−D−グルクロニドは、今なおスイス、スタードにあるBIOSYNTH社から参照番号C−5050で入手できる。
【0101】
同じくβ−グルクロニダーゼを検出する発色基質5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−β−D−グルクロニドは、BIOSYNTH社から参照番号B−7400で入手できる。
【0102】
β−ガラクトシダーゼを検出する発色基質6−塩素−3−インドキシル−β−D−ガラクトシドは、BIOSYNTH社から参照番号C−5000で入手できる。
【0103】
β−グルコシダーゼを検出する発色基質5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−β−D−グルコシドは、BIOSYNTH社から参照番号B−7250で入手できる。

Claims (13)

  1. 黄色ブドウ球菌培養基と、α−グルコシダーゼ活性発現のための少なくとも1つの酵素基質とを含む黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及び/又はコアグラーゼ陽性ブドウ球菌(Staphylococci)検出のための培養基。
  2. α−グルコシダーゼ活性発現のための酵素基質が、発色剤又は蛍光剤であることを特徴とする請求項1に記載の培養基。
  3. α−グルコシダーゼ活性発現のための発色剤又は蛍光剤が、インドシキシル系又はウンベリフェロン系のものであることを特徴とする、黄色ブドウ球菌の検出とコアグラーゼ陽性ブドウ球菌の検出のための請求項2に記載の培養基。
  4. 発色剤
    ・6−臭素−3−インドキシル−α−D−グルコシド、及び/又は
    ・5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシド、及び/又は
    ・5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシド、及び/又は
    ・6−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシド、及び/又は
    ・4−メチルウンベリフェリル−α−D−グルコシド
    を使用することを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の培養基。
  5. α−グルコシダーゼ活性を実証する発色剤がナフトール系であることを特徴とする黄色ブドウ球菌検出のための請求項2に記載の培養基。
  6. 発色剤として、2−ナフチル−α−D−グルコピラノシドを用いることを特徴とする請求項2又は5のいずれかに記載の培養基。
  7. 少なくとも2つの異なる酵素基質、1つはα−グルコシダーゼ活性実証のためで、他はオシダーゼ(β−グルコシダーゼ及び/又はβ−グルクロニダーゼ及び/又はβ−ガラクトシダーゼ)及び/又はエステラーゼ(エステラーゼ/リパーゼ及び/又はホスファターゼ及び/又はβ−サルファターゼ)及び/又はペプチダーゼ及び/又はコアグラーゼの活性検出のため、好適には2つの発色剤を用いることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の培養基。
  8. 次の対
    ・5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシドと5−臭素−6−塩素−3−インドキシル−β−D−ガラクトシド、
    ・5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−N−メチル−α−D−グルコシドと6−塩素−3−インドキシル−β−D−グルクロニド、
    ・6−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシドと5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−β−D−グルクロニド、
    ・6−塩素−3−インドキシル−α−D−グルコシドと5−臭素−4−塩素−3−インドキシル−β−D−グルコシド、
    から選ぶ発色剤2つを用いることを特徴とする請求項7に記載の培養基。
  9. 黄色ブドウ球菌属細菌の成長を有利にする少なくとも1つの抑制剤、塩化リチウム(LiCl)、アジ化ナトリウム(NaN)、コリスチン、アンフォテリシン、アズトレオナム、コリミシン、塩化ナトリウム(NaCl)、又はデフェロキサミンなどを用いる、ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の培養基。
  10. ブドウ球菌属細菌の成長に有利な、次の抑制剤
    LiCl、
    O/129、
    アズトレオナム、及び
    アンフォテリシン、
    の4つを含む、抑制剤の混合物を用いることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の培養基。
  11. 麦芽糖を、好適には100〜300mg/lの間の濃度で用いることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の培養基。
  12. 少なくとも1つの細菌種を含む試料中の黄色ブドウ球菌属細菌1つ以上を識別するための方法であって、
    ・請求項1から11のいずれかに記載の培養基に、試料の全部又は1部を接種するステップと、
    ・前記培養基を用いて反応する各発色剤の着色又は各蛍光剤の蛍光を観測するに十分な大きさの細菌コロニーを生じるため、上記接種済み培養基を培養するステップと、
    の各ステップを含む方法。
  13. 黄色ブドウ球菌属の細菌に関係する着色又は蛍光により識別されるコロニーを数えるステップを含む、第3のステップが実行されることを特徴とする、試料中の黄色ブドウ球菌種細菌1つ以上を計数することをも可能にする請求項12に記載の方法。
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