JP2004522941A - タンパク質esm−1を検出するためのキット及び前記キットを使用する検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、試料中のタンパク質ESM−1を検出するためのキットに関する。本発明は、このようなキットを使用して試料中のタンパク質ESM−1を検出するための方法にも関する。
【0002】
タンパク質ESM−1のための本発明によるキット及び検出方法は、生物学的試料、特に内皮血管壁の劣化が疑われる患者からの生物学的試料中のタンパク質ESM−1を定量することについて、特に産業上利用可能性がある。
【背景技術】
【0003】
タンパク質ESM−1 (内皮細胞特異的分子1 (Endothelial cell-specific Molecule-1)) は、主に内皮細胞によって発現され、そして血管内皮細胞によって優勢に発現されるタンパク質である。タンパク質ESM−1は、LASSALLE et al. (1996) によって初めて記載された。ESM−1のメッセンジャーRNAは、その配列が LASSALLE et al. (1996) による論文の図1に記載されている184アミノ酸のポリペプチドをコードする。
【0004】
ヒト内皮細胞の細胞溶解産物から単離されたタンパク質ESM−1は、20kDaの見かけ分子量を有する。タンパク質ESM−1の分泌形態が50kDaの見かけ分子量を有するので、このことは、その分泌されたタンパク質ESM−1が翻訳後修飾を受けたことを示している。
【0005】
タンパク質ESM−1を検出するためのモノクローナル抗体の使用は、番号第2,775,691号のもとで公開されたフランス特許出願、及び BECHARD et al. (2000) による論文中に開示されている。これらモノクローナル抗体は、タンパク質GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)と融合されたタンパク質ESM−1の位置79におけるアミノ酸から位置184におけるアミノ酸に及ぶ配列から構成される抗原でマウスを免疫化することによって調製された。3ファミリーのモノクローナル抗体が特性決定され、これら抗体ファミリーは、抗原決定基AgD1 79P−99C(抗体MEP01、MEP06及びMEP21)、AgD2 119S−139V(抗体MEP08及びMEP13)及びAgD3 159G−184R(抗体MEP04、MEP14及びMEP19)にそれぞれ固定された。
【0006】
BECHARD et al. (2000) は、モノクローナル抗体MEP19及びMEP21を使用して試料中のタンパク質ESM−1を検出する試験を行う“サンドイッチ”タイプの免疫酵素的試験の開発が記載している。この試験によって、その著者は、敗血症性ショックのために入院している患者の血清中にタンパク質ESM−1が強く産生されていることを証明できた。この文献の図4中に掲示された結果は、抗体MEP19及びMEP21を使用する検出試験によって、4ng/mLを上回るタンパク質ESM−1の濃度を検出できることを示している。
【0007】
しかしながら、BECHARD et al. (2000) によって記載されたタンパク質ESM−1についての免疫酵素的試験は、試料中の高い濃度のタンパク質ESM−1については適するが、少量のこのタンパク質を検出しない。しかしながら、この少量のタンパク質は、本発明によって示されるように、患者における内皮細胞壁の劣化のような生理学的障害においては有意なものである。
【発明の要旨】
【0008】
本発明者らは、技術の現状において記載された試験よりもずっと感度が良い、試料中のタンパク質ESM−1を検出するための免疫学的試験を開発するために努力してきた。
【0009】
本発明の目的は、試料中のタンパク質ESM−1を検出用キットであって:
a)タンパク質ESM−1のアミノ酸配列の位置1におけるアミノ酸と位置78におけるアミノ酸の間に含有されるN末端領域に特異的に固定される第一抗体;及び
b)タンパク質ESM−1のアミノ酸配列の位置79におけるアミノ酸と位置184におけるアミノ酸の間に含有されるC末端領域に特異的に固定される第二抗体
を含んでなるキットである。
【0010】
本発明の更なる目的は、試料中のタンパク質ESM−1を検出するための方法であって、次の段階:
a)試験される試料を、タンパク質ESM−1のアミノ酸配列のN末端領域又はC末端領域に特異的に固定される第一抗体がその上に不動化されている支持体と接触させ;
b)該不動化抗体とタンパク質ESM−1との間に潜在的に形成される複合体を、該第一抗体によって認識されないN末端領域又はC末端領域に特異的に固定される第二抗体と接触させ;そして
c)タンパク質ESM−1と該第二抗体の間に潜在的に形成される複合体を検出すること
を含んでなることを特徴とする方法である。
【0011】
本発明は、上の方法において使用される一定の抗体にも関する。
本発明の更なる目的は、患者、特に敗血症性ショックもしくは癌を患っている患者又は血管内皮細胞に対して細胞障害性となるおそれのある治療的処置を受ける患者における、内皮血管壁の劣化を検出するための本発明による検出用キットの使用である。
【発明の詳しい説明】
【0012】
本発明による検出用キット
本発明による検出用キットは、試料中のタンパク質ESM−1の存在を高い感度で検出できるようにする。
【0013】
タンパク質ESM−1の存在が探求される試料は、あらゆるタイプのものでありうる。好ましくは、それは、血清、血漿、全血、尿、脳脊髄液、又は、培養上澄み液もしくは細胞溶解産物のような、生物学的流体である。
【0014】
本発明者らは、真核細胞によって分泌されたタンパク質ESM−1が、大腸菌の細胞のような原核細胞によって産生されたタンパク質ESM−1においては見出されない格別な特性を有することを示した。
【0015】
タンパク質ESM−1は、真核細胞、特に内皮細胞によって、糖タンパク質の形態で、より正確にはコンドロイチン/デルマタン硫酸タイプの鎖を有するプレテオグリカンの形態で分泌される。更に、本発明者らは、真核細胞によって分泌されたタンパク質ESM−1が、このタンパク質のN末端領域のシステイン残基間でジスルフィド架橋が形成されることによって引き起こされるコンホメーション修飾を包含する他の翻訳後修飾を受けることを示した。184アミノ酸のポリペプチドESM−1は、配列番号1として参照される。
【0016】
タンパク質ESM−1についての高感度免疫学的検出試験法を開発するため、本発明者らは、LASSALLE et al. (1996) によって記載された配列番号1の位置20におけるアミノ酸から位置78におけるアミノ酸に及ぶN末端領域であって、その位置20におけるアミノ酸が、分泌されたタンパク質ESM−1のアミノ末端アミノ酸を構成するN末端領域に対して向けられるモノクローナル抗体を調製する戦略をとった。
【0017】
本発明者らによって調製されるモノクローナル抗体は、好ましくは、真核細胞によって分泌されて上で述べた翻訳後修飾を受けたタンパク質ESM−1に対して向けられる。
より具体的には、本発明者らは、ジスルフィド架橋の生成から起きるコンホメーション修飾を受けるタンパク質ESM−1の領域に特異的に固定されるモノクローナル抗体、換言すれば、配列番号1のタンパク質ESM−1のアミノ酸配列の位置20におけるアミノ酸から位置78におけるアミノ酸に及ぶタンパク質ESM−1のN末端領域に対して向けられた抗体を産生するハイブリドーマの細胞株を生成させた。
【0018】
試料中のタンパク質ESM−1を検出するツールを得るために、本発明者らは,タンパク質ESM−1の2つの別異の領域に特異的に結合する2つの抗体、即ち、それぞれESM−1の位置20におけるアミノ酸から位置78におけるアミノ酸に及ぶN末端領域に特異的に結合する抗体と、ESM−1の配列の位置79から位置184に及ぶC末端領域に特異的に結合する抗体を使用する、“サンドイッチ”タイプの免疫学的試験を開発した。
【0019】
従って、本発明の第一の目的は、試料中のタンパク質ESM−1を検出するためのキットからなり、前記キットは:
a)このタンパク質のアミノ酸配列の位置20におけるアミノ酸と位置78におけるアミノ酸の間に含有されるタンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する第一抗体;及び
b)タンパク質ESM−1のアミノ酸配列の位置79におけるアミノ酸と位置184におけるアミノ酸の間に含有されるC末端領域に特異的に結合する第二抗体
を含んでなるキットである。
【0020】
ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体は、好ましくは、真核細胞によって分泌されかつ上で詳述された翻訳後修飾を受けたタンパク質ESM−1のN末端領域に対して特異的に向けられる。これは、N末端領域に特異的に結合する抗体が、真核細胞によって産生されるタンパク質ESM−1の精製調製物を動物に注射する段階を包含する方法に従って得られたことを意味する。
【0021】
本発明の文脈における“抗体”によって、タンパク質ESM−1のN末端領域又はC末端領域に特異的に結合することのできる“パラトープ”を含有する分子が意味されると理解されるべきである。本発明による“抗体”によって、タンパク質ESM−1のN末端領域又はC末端領域に特異的に結合することができる同じ“パラトープ”を全てが含有する分子の集団が意味されるとも理解されるべきである。
【0022】
“パラトープ”によって、イムノグロブリンのH鎖又はL鎖の可変ドメインVH及びVLの超可変ドメイン、若しくは、CDRドメイン中に局在化した抗体のFab断片中に含有される抗原結合部位が意味されると理解されるべきである。
【0023】
本発明による抗体は、KOHLER 及び MIELSTEIN(1975) によって記載された技術によるハイブリドーマからでも、KOZBOR(1983) によって記載されたヒトB細胞のハイブリドーマの技術によってでも調製されうる。本発明による抗体は、米国特許第4,946,778号中に、及び MARTINEAU et al. (1998) によって開示されたもののような単一鎖Fvキメラ抗体(ScFvは“単一鎖Fv”を表す)の断片をも包含する。本発明による抗体は、RIDDER et al. (1995) によって記載されたもののようなファージバンク(“ファージディスプレーライブラリー”)によっても産生されうる。本発明による抗体は、REINMANN et al. (1997) 又は LEGER et al. (1997) よって記載された技術に従って産生されるヒト抗体でもありうる。
【0024】
タンパク質ESM−1についての本発明による検出用キットは、好ましくは、2つの抗体の1つが支持体上に不動化されることを含んでなる。この好ましい態様においては、本検出用キットは、タンパク質ESM−1についての“サンドイッチ”タイプの免疫検出試験を行うための“すぐに使える”形態で与えられる。
【0025】
本発明によって、試料中のタンパク質ESM−1の存在を検出するための上で定義されたようなキットの使用は、BECHARD et al. (2000) によって記載されたESM−1を検出する試験で観察された検出感度よりも10倍大きいものをもたらすことが示された。
【0026】
本発明による免疫検出試験法の高い感度は、生物学的試料、例えば、ヒト血清中の、非常に低い濃度のタンパク質ESM−1を検出することを可能にし、従って、患者における内皮血管壁の劣化を早期に検出できるようにした。
【0027】
特に、本発明による免疫検出用キットの使用は、敗血症を患う“アトピー”個体における1〜3ng/mLのESM−1の血清濃度を検出できるようにした。
実施例に示されるように、本発明による免疫検出用キットの使用は、100〜200pg/mLのオーダーのESM−1の濃度を検出するために使用されうる一方で、BECHARD et al. (2000) によって記載された試験は、1ng/mL未満のESM−1の濃度を検出しないものである。
【0028】
ESM−1のN末端領域に対して向けられる抗体は、有利には、真核細胞、例えば、LASSALLE et al.によって記載されたタンパク質ESM−1をコードするDNA挿入物を含有する発現ベクター、例えば、ベクターpcDNA3によって形質転換されたCHO株の細胞によって合成された組み換えタンパク質ESM−1で、哺乳類、好ましくはマウスを免疫化した後に得られるハイブリドーマ株によって産生されるモノクローナル抗体である。
【0029】
好ましくは、受託番号I−2572のもと2000年10月17日にパスツール (Pasteur) 研究所のコレクション・デ・カルチャーズ・デ・マイクロオルガニズムズ (Collection de Cultures de Micro-organismes)(CNCM)に寄託されMEC15と命名されたハイブリドーマ株によって産生されるモノクローナル抗体である。
【0030】
このMEC15抗体は、本発明の目的を構成する。
タンパク質ESM−1のC末端部分に特異的に結合する抗体は、大腸菌のような原核細胞によって産生されタンパク質ESM−1に対して向けられる抗体でも、CHO株の細胞のような真核細胞によるもののいずれでもよい。
【0031】
タンパク質ESM−1のC末端部分に特異的に結合する抗体は、好ましくは、タンパク質ESM−1の次の3つの抗原決定基:
・BECHARD et al. (2000) によって記載されたハイブリドーマ株MEP01、MEP06及びMEP21によって産生される抗体のような、ESM−1の位置79におけるプロリン残基から位置99におけるシステイン残基に及ぶ決定基AgD1;
・BECHARD et al. (2000) によって記載されたハイブリドーマMEP08及びMEP13によって産生される抗体によって認識される、ESM−1の位置119におけるセリン残基から位置139におけるバリン残基に及ぶ抗原決定基AgD2;
・BECHARD et al. (2000) によって記載されたハイブリドーマ株MEP04、MEP14及びMEP19によって産生される抗体によって認識される、ESM−1の位置159におけるグリシン残基から位置184におけるアルギニン残基に及ぶ抗原決定基AgD3のうちの1つを認識することのできる抗体の中から選ばれる。
【0032】
好ましい態様においては、当業者は、タンパク質ESM−1のC末端領域に特異的に結合する抗体の使用について、次の抗体:
・受託番号I−1944のもと1997年11月19日にCNCMへ寄託されたハイブリドーマ株によって産生される、抗原決定基D1の特異的モノクローナル抗体 (抗体MEP21);
・受託番号I−1941のもと1997年11月19日にCNCMへ寄託されたハイブリドーマ株によって産生される、抗原決定基D2の特異的モノクローナル抗体(抗体MEP08);
・受託番号I−1942及びI−1943のもと1997年11月19日にCNCMへ寄託されたハイブリドーマ株によって産生される、抗原決定基D3の特異的モノクローナル抗体(I−1942:抗体MEP14、I−1943:抗体MEP19);
を有利なものとして挙げることができる。
【0033】
本発明による免疫検出用キットの好ましい態様においては、第一及び第二抗体は、2つの抗体のそれぞれの認識部位があまりに近い場合における立体障害現象によって引き起こされうる一方の抗体の他方に関する競合的固定がタンパク質上でいかようにも起こらないように、タンパク質ESM−1上のそれらのそれぞれの認識部位が互いから非常に離れるように選ばれる。
【0034】
従って、本発明による検出用キットの好ましい態様においては、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する第一抗体は、ハイブリドーマ株MEC15によって産生される抗体である。この好ましい態様によれば、タンパク質ESM−1のC末端領域に特異的に結合する抗体は、ハイブリドーマ株MEP14によって産生されるモノクローナル抗体である。
【0035】
一般に、タンパク質ESM−1のC末端領域に対して向けられる抗体は、タンパク質GSTと融合したタンパク質ESM−1のC末端領域をコードするDNA挿入物を含有する発現ベクターを調製し、次いで、前記発現ベクターで形質転換された大腸菌細胞の細胞溶解産物から得られた精製タンパク質ESM−1でマウスを免疫化することからなる、BECHARD et al. (2000) によって記載された技術に従って選択されうる。このように免疫化されたマウス脾臓細胞を、モノクローナル抗体を産生する一連のハイブリドーマを得るために骨髄腫細胞と融合した後、タンパク質ESM−1のC末端領域に特異的に結合する興味の対象となる抗体が、ESM−1に由来するペプチドであって、このタンパク質のC末端領域のN終末の進行性欠失を含有するペプチドを使用して、エピトープをマッピングすることによって選択されうる。
【0036】
同様に、当業者は、全タンパク質ESM−1、好ましくは真核宿主細胞によって産生される全タンパク質ESM−1でマウスを免疫化し、次いで、その免疫化マウスの脾臓細胞から一連のハイブリドーマ株を産生させ、次いで、N末端領域に特異的に結合する興味の対象である抗体を、例えば、ESM−1のC末端領域に特異的に固定される抗体での競合的免疫検出試験法により選択することによって、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体を選択することができる。興味の対象である抗体は、ESM−1のC末端領域の特異的抗体と競合しないもの、換言すれば、タンパク質ESM−1の抗原決定基D1、D2及びD3の特異的抗体と競合しない抗体である。
【0037】
本発明による検出用キットを構成する2つの抗体のうちの1つは、好ましくは、支持体上に不動化される。抗体がその上に不動化される支持体は、免疫検出試験、特に“サンドイッチ”タイプの免疫検出試験の当業者にとって公知のあらゆるタイプのものでありうる。
【0038】
例としては、抗体がその上に不動化される支持体は、水に不溶性の有孔性又は非有孔性材料でありうる。その支持体は、親水性であり、そして、シリカ、硫酸マグネシウム及び硫酸アルミニウムのような無機粉末;天然ポリマー、特に、セルロース材料及びそれらの誘導体;ニトロセルロース、セルロースアセテート、ポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、架橋デキスロラン、アガロース、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリ(ビニルブチレート)のような天然又は合成ポリマー類;生体ガラス又はセラミックスのような一定のタイプのガラスを含有することができる。
【0039】
本発明による抗体の支持体上への固定は、当業者にとって周知の技術によって行われうる。その支持体は、小片、又は特にビーズを包含する種々の異なる形態であってもよい。支持体の表面は、特異的であっても非特異的であってもよい共有結合性又は非共有結合性相互作用を介して抗体を固定するために、多官能基性であっても多官能基化されることができるものであってもよい。
【0040】
例としては、抗体を支持体上に不動化させるために、当業者は、米国特許第4,168,146号又は米国特許第4,347,311号を有利に参照することができる。
検出用キットを構成する抗体の1つは、有利には、それの直接的又は間接的検出を可能とする分子に共有結合で結合する。
【0041】
抗体が支持体上に不動化される態様においては、他方の抗体は、それの直接的又は間接的検出を可能とする分子に好ましくは共有結合で結合する。
検出を可能にする分子は、同位体であっても非同位体であってもよい。
【0042】
例示的であるが非限定的な例として、検出を可能にする分子は、酵素、酵素断片、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素又は触媒のように、触媒反応に関与しうる。検出を可能にする分子は、蛍光体、着色剤、又は化学発光分子のような色原体でもありうる。
【0043】
従って、検出を可能にする分子は、ICHINOSE et al. (1991) によって記載された分子若しくは蛍光性イソチオシアネート誘導体、フィコエリトリン、ローダミンイソチオシアネート、ダンシルクロリド又は化合物XRITC、魚類 Aequorea Victoria のタンパク質GFP(“緑色蛍光タンパク質”)及びその多くの誘導体、又はタンパク質YFP(“黄色蛍光タンパク質”)並びにタンパク質ルシフェラーゼのような、蛍光分子でありうる。
【0044】
触媒活性を有する検出を可能にする分子のうち、好ましい分子は、国際分類 I.U.B. に従う次の酵素:(i)クラス1の酸化還元酵素、及び(ii)クラス3の加水分解酵素である。好ましい酸化還元酵素は、(i)クラス1.1、最も特定的には、1.1.1、1.1.3及び1.1.99の脱水素酵素、及び(ii)クラス1.11のペルオキシダーゼ、及び(iii)クラス3.1、最も特定的にはクラス3.1.3、及びクラス3.2、最も特定的にはクラス3.2.1の加水分解酵素である。好ましい脱水素酵素は、リンゴ酸脱水素酵素、グルコース−6−リン酸脱水素酵素及び乳酸脱水素酵素である。好ましい酸化酵素は、グルコース酸化酵素である。好ましいペルオキシダーゼは、ホースラディッシュペルオキシダーゼである。好ましい加水分解酵素は、アルカリ性ホスファターゼ、β−グルコシダーゼ及びリゾチーム (lyzozyme) である。
【0045】
検出を可能にする分子は、例えば、[3H]、[32P]及び[125I]の中から選ばれる同位体によって放射標識された分子でもありうる。
検出を可能にする分子が間接的マーカーを含んでなる態様においては、本発明による検出用キットを構成する抗体の1つは、ビオチン又はストレプトアビジンのようなリガンドに共有結合しうる。
【0046】
この特定的な態様においては、検出を可能にする分子は、抗体に共有結合しているリガンド上に固定されるように選ばれる。検出を可能にする分子は、例えば、それ自体がビオチン又はストレプトアビジンそれぞれに結合しうる。
【0047】
本発明による検出用キットの別の態様によれば、試験される試料中に存在するタンパク質ESM−1とタンパク質ESM−1の特異的抗体の1つの間に複合体が形成されたことを明らかにする手段は、抗体、例えば、抗ESM−1抗体のFc部分に特異的に結合できる抗体又はその抗ESM−1抗体が属するイソタイプに特異的に結合することができる抗体、例えば、イソタイプIgG1のマウス抗体を特異的に認識する抗体でありうる。
【0048】
本発明による検出用キットの好ましい態様においては、支持体上に不動化されるのは、タンパク質ESM−1のC末端領域を特異的に認識する抗体である。
そのような検出用キットは、有利には、ハイブリドーマMEP14(CNCM番号I−1942)によって産生される抗体が支持体上に不動化されており、そしてハイブリドーマMEC15(CNCM番号 I−2572)によって産生される抗体がタンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体であるところのキットである。
【0049】
従って、本検出ツールは、例えばラットからの、イソタイプIgG1のマウス抗体を特異的に認識するビオチン化モノクローナル抗体であることができ、その検出系はストレプトアビジン−ペルオキシダ−ゼ接合体によって供給される。
本発明による免疫検出法
本発明の更なる目的は、試料中のタンパク質ESM−1を検出するための方法であって、次の段階:
a)試験される試料を、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する第一抗体又はタンパク質ESM−1のC末端領域に結合する第一抗体と接触させ;
b)該試料中に存在するタンパク質ESM−1と該第一抗体の間に潜在的に形成される複合体を、該N末端領域及び該C末端領域の中から選ばれ該第一抗体により認識されないタンパク質ESM−1の領域に特異的に結合する第二抗体と接触させ;そして
c)タンパク質ESM−1と該第二抗体の間に形成される複合体を検出する
段階を含んでなることを特徴とする方法である。
【0050】
“タンパク質ESM−1と該第二抗体の間に形成される複合体”によって:
・タンパク質ESM−1と該第一抗体の間に形成される複合体、及び
・該第二抗体
の間に形成される複合体が把握されるべきである。
【0051】
上の免疫検出法の第一の態様によれば、第一又は第二抗体が、支持体の表面上に不動化されうる。
上の免疫検出法の第二の態様によれば、支持体上に不動化される抗体が、タンパク質ESM−1のC末端領域に特異的に結合する抗体であり、そして、第二抗体が、このタンパク質のN末端領域に特異的に結合する抗体である。
【0052】
上の免疫検出法の第三の態様によれば、支持体上に不動化される抗体は、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体であり、そして、第二抗体は、このタンパク質のC末端領域に特異的に結合する抗体である。
【0053】
ESM−1のN末端又はC末端領域上に特異的に結合する抗体は、上に定義された通りである。
本発明による検出方法の好ましい態様においては、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体は、受託番号I−2572のもとCNCMへ2000年10月17日に寄託されたハイブリドーマによって産生される抗体MEC15である。
【0054】
第二抗体は、受託番号I−1942のもと1997年11月19日にCNCMへ寄託されたハイブリドーマによって産生される抗体MEP14でありうる。
上に記載された方法の段階c)は、第二抗体に固定されることができるビオチン化抗体を用いて行われることができ、その検出を可能にする分子は、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼタイプの複合体からなる。
本発明による検出方法の用途
本発明者らは、タンパク質ESM−1の本発明による免疫検出の方法が、ヒト、特に敗血症を患っている患者におけるタンパク質ESM−1の血清濃度を高い感度で定量でき、かつそれら患者にいて循環しているタンパク質ESM−1の量とその敗血症の重症度の間の相関関係を樹立できることを示した。
【0055】
Ammerican College of Chest Physicians/Society of Critical Care Medcine Consensus Conference (1992年の、敗血症及び多発性臓器不全についての定義及び敗血症における革新的治療法の使用についてのガイドライン;Crit Care Med., vol. 20: 864-874) によって定義された基準によれば、敗血症は、増大する重症度の3つのカテゴリー、即ち、:敗血症、重症敗血症及び敗血症ショックに分けられることができる。
【0056】
本発明による免疫検出法の恩恵で、敗血症の重症度とその患者において循環しているタンパク質ESM−1の濃度の間の相関関係が樹立された。
更に、本発明による免疫検出試験法の高い感度によって、単純敗血症を患う患者は、低濃度とはいえ有意に検出可能でありかつ健康なボランティアの血清中に見出されるタンパク質ESM−1の濃度よりも有意に高い(p<0.001)循環性タンパク質ESM−1の濃度を有することが示された。
【0057】
これまで、患者における敗血症の進展は、3つのマーカー、即ち、それぞれC反応性タンパク質、可溶性ICAM−1タンパク質及びプロカルシトニンを定量することによって追跡されていた。
【0058】
本発明によって、C反応性タンパク質及び可溶性ICAM−1タンパク質のレベルの進展はESM−1の濃度の進展と相関しないことが示された。
対照的に、プロカルシトニンのレベルの進展とタンパク質ESM−1のものとの間には良好な相関関係がある。しかしながら、敗血症の場合におけるプロカルシトニンの生物学的意義は分かっておらず、従って、このタンパク質は敗血症の進展についての良好な生物学的マーカーに該当しない。
【0059】
他方、タンパク質ESM−1は、炎症反応の調節におけるそれの役割のために、敗血症の進展の新たなマーカーを構成する。その生物学的意義は、炎症反応、特に、白血球の新たな補充であって、原因となる異なる組織、特に肺組織におけるこれら細胞の血管外遊出又は大量浸潤の現象中の、又は、内皮血管壁の劣化と少なくとも同時発生的な現象の時点での白血球の新たな補充の制御されない進展と直接関連付けられることである。
【0060】
かくして、本発明者らは、本発明の免疫検出試験法が1〜3ng/mLのオーダーの低濃度の循環性タンパク質ESM−1を検出できるようにし、アトピー患者において見出されるこれら低濃度を、健康なボランティアにおいて測定されるng/mLのオーダー又は一層低い基礎濃度から明らかに識別できることを示した。
【0061】
更に、敗血症を患っている患者において見出される血清ESM−1の量が、これら患者についての致死の信頼性ある診断法に相当することが示された。かくして、試験された68患者について、その入院後10日後に死亡した患者は、生存した患者の血清中に見出されたESM−1の濃度より有意に高い循環性ESM−1の濃度(生存した患者における4.0±0.6ng/mLに対し、死亡した患者においては10.6±0.8ng/mL[p>0.01])を、第0日及び第1日に示した。
【0062】
循環性タンパク質ESM−1のレベルと患者の致死の予測との間におけるこの密接な相関関係は、敗血症の慣用的マーカー、換言すれば、C反応性タンパク質、プロカルシトニン及び可溶性ICAM−1タンパク質については見出されなかった。
【0063】
しかしながら、患者における循環性ESM−1の濃度を測定するだけでは、医師が患者の状態全体に適する治療的手段をとれるようにする医学的診断を行うには十分でない。
本発明の更なる目的は、ヒト、特に患者における内皮血管壁の劣化を in vitro で検出するための、タンパク質ESM−1についての本発明による検出用キットの使用からなる。
【0064】
本発明は、患者における敗血症の重症度のマーカーを in vitro で追跡するための上で定義されたタンパク質ESM−1についての検出用キットの使用にも関する。
本発明によって、正常よりも高い循環性タンパク質ESM−1の濃度が、臓器移植を受けて免疫抑制化合物で処置された患者において見出されることも示された。循環性タンパク質ESM−1の濃度の増大は、内皮細胞、特に血管壁の内皮細胞に対する免疫抑制化合物の細胞障害活性の指標である。
【0065】
従って、タンパク質ESM−1についての本発明による検出用キットの使用によって、免疫抑制化合物で治療された患者を追跡してこれら免疫抑制化合物が細胞障害性となる時を特定することが可能となる。
【0066】
これら患者において正常より高い循環性ESM−1のレベルを検出することは、この測定が患者における他の生理学的パラメーターを伴なう時には、投与される免疫抑制化合物の量を適度にするための医師にとっての指標に相当しうる。
【0067】
更なる側面によると、本発明は、免疫抑制化合物で処置された患者、特に臓器移植を受けた患者において in vitro でタンパク質ESM−1を定量するための本発明による免疫検出用キットの使用に関する。
【0068】
本発明者らは、癌、特に気管支−肺癌を患っている患者における循環性タンパク質ESM−1のレベルが有意に増大することも示した。
更に別の側面によると、本発明は、癌を患っている患者においてタンパク質ESM−1を in vitro で定量するための上で定義されたような免疫検出用キットの使用にも関する。
【0069】
一般に、1ng/mLより高い循環性タンパク質ESM−1のレベルは、血管壁の内皮細胞の劣化を意味し、従って、患者の臨床的診断が確立される間に医師によって考慮に入れられるべきパラメーターに相当するが、このパラメーター単独では、即ち、独立して解釈しても、患者についての治療的又は臨床的診断方法をそれ自体確立し得ないことが理解される。
【0070】
本発明は、次の図及び実施例によって更に例示されるが、いかなるやり方によっても限定されるものではない。
【実施例】
【0071】
実施例1:真核細胞によって産生されるタンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合するモノクローナル抗体の調製
システイン残基に富むタンパク質ESM−1のN末端領域に対して向けられる抗ESM−1モノクローナル抗体を得るために、タンパク質ESM−1をコードするDNA挿入物を含有する発現ベクターによって形質移入されたCHO細胞株によって産生された天然形態のタンパク質ESM−1が、精製された。
【0072】
タンパク質ESM−1をコードするcDNA配列は、配列表における配列番号2として参照される。
ESM−1のcDNAは、真核性発現ベクターpcDNA3(in vitorgen)に挿入され、次いで、製造業者の推奨によるリポフェクタミン(Gibco)でCHO細胞中に形質移入された。形質移入の48時間後、その細胞は、1000μg/mLの量の選択剤(G418,Gibco)の存在下で継代培養された。2週間の選択の後、G418に耐性のあるCHO細胞は、限界希釈によってクローン化された。次いで、ESM−1を発現しているクローンが選択され、CHO-ESM(CNCMへ寄託された)と命名された。
【0073】
産生のため、CHO-ESM 細胞は、子ウシ胎児血清を有さない培地(培地CHOSFMII,Gibco)中で懸濁状態で培養された。その上澄み液はpH8に調整され、そしてDEAE−セファロースのカラム(ファルマシア)に通された。そのカラムは、50mMTris、pH8、0.2MNaCl緩衝液で洗浄された。タンパク質ESM−1は、50mMTris、pH8、1MNaCl緩衝液中で溶出された。次いで、その溶出液は、50mMTris、pH8緩衝液中で1:4に希釈され、そしてアガロース(Biord)上に不動化された抗ESM−1モノクローナル抗体(MEC4)の存在下でインキュベートされた。攪拌しながら4℃で一晩インキュベートした後、そのアガロースビーズが、50mMTris、pH8、0.2MNaCl緩衝液で洗浄された。ESM−1は、3MMgCl2で溶出された。その溶出液は、濃縮され、50mMTris、pH8、0.5MNaCl緩衝液中で透析され、そして−70℃で保存された。
【0074】
Balb/cマウスは、Freund のアジュバントの存在下、標準的免疫化プロトコールに従って、マウス当たり10μgの精製組み換えタンパク質ESM−1の注射によって免疫化された。
【0075】
抗ESM−1モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞は、BECHARD et al. (2000) によって記載された技術に従って、融合し、スクリーニングし、そしてサブクローニングすることによって得られた。
【0076】
5つのハイブリドーマ細胞クローンが得られ、総称的にMEC(CHO細胞によって産生されたESM−1へのマウスモノクローナル抗体 (Mouse Monoclonal Antibody to ESM-1 produced by CHO Cells))と命名された。
【0077】
選択された4つハイブリドーマのは、イソタイプIgG1,kのもので、それぞれMEC4、MEC5、MEC15及びMEC36と命名された。
それらハイブリドーマの1つは、イソタイプIgM,kのもので、ハイブリドーマMEC11であった。
【0078】
これらハイブリドーマ細胞クローンは、血清の不存在下で培地中で培養され、それら抗ESM−1抗体は、ファルマシア(UPPSALA、スウェーデン)によって販売されているタンパク質G−セファロースのカラム上でクロマトグラフィーによって精製された。
【0079】
実施例2:CHO株の細胞によって産生されたタンパク質ESM−1のN末端部分に対して特異的に向けられるモノクローナル抗体の選択
クラス IgG1,KのMEC抗体は、異なるイソタイプのMEP抗体の存在下1μg/mLの最終濃度においてMECシリーズの抗体とESM/Fcとの間に強い結合が持続することによって選択された。それら試験は、MEP及びMEC抗体の選択についての上の例に従って(特に、LASSALLE et al. (1996) によって記載された競合実験による免疫検出法によって)、ELISAによって行われた。
【0080】
実施例3:タンパク質ESM−1についての本発明による免疫検出試験
本免疫検出試験は、その全体に渡った特性が BECHARD et al. (2000) によって記載されたものと同一である“サンドイッチ”タイプの免疫酵素的試験からなった。
【0081】
ハイブリドーマ株MEP14(CNCM 番号 I−1942)によって産生された抗ESM−1モノクローナル抗体は、0.1M、pH9.5の炭酸緩衝液中で5μg/mLの濃度に希釈され、そして96穴プレート(プレートE.I.A./R.I.A., Costar, Cambridge, MA, 米国)上に+4℃で一晩吸着された。
【0082】
そのプレートは、0.1%のウシ血清アルブミン及び5mMのEDTAを含有する200μL/穴の容量のPBS緩衝液と共に実験室温度で1時間飽和され、次いで、ELISA緩衝液(0.1%のTween20を追加された上のPBS緩衝液)で2回洗浄された。
【0083】
BECHARD et al. (2000) によって記載された技術に従って、精製タンパク質ESM−1で較正が行われた。
血液試料は、ELISA緩衝液中で逐次的に希釈され(1:2〜1:128)、そして実験室温度で1時間ELISAプレート上でインキュベートされた。
【0084】
それら穴は、ELISA緩衝液で3回洗浄され、次いで、ESM−1に対して向けられた、穴あたり100μLの緩衝液中の0.1μg/mLの濃度の第二モノクローナル抗体、即ち、抗体MEC15(CNCM番号I−2572)と共に、実験室内温度で1時間インキュベートされた。
【0085】
3回洗浄した後、ELISA 緩衝液中で希釈された、マウスIgG1に対して向けられるビオチン化ラットモノクローナル抗体(PHARMINGENによって販売されているもの)が加えられ、1時間放置してインキュベートされた。
【0086】
ELISA緩衝液中で3回洗浄した後、その穴は、1:10,000v/vの希釈率でストレプトアビジン−ペルオキシダ−ゼ接合体(ZYMEDによって販売されているもの)と共にインキュベートされた。
【0087】
ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ接合体との30分のインキュベーションの後、各々の穴の3回洗浄がELISA緩衝液中で、次いで、2回洗浄がPBS緩衝液中で行われた。
【0088】
ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ接合体は、5μLのH2O2の存在下、SIGMA(Saint−Louis,MO,米国)によって販売されている基質TMBに30分間曝露された。
【0089】
この曝露反応は、100μLの容量の2NのH2SO4の添加によって停止された。
そのプレートは、分光光度計(anthos labtech LP40.フランス)を用いて、405nmの波長で読まれた。
【0090】
タンパク質ESM−1の血漿又は血清濃度は、光学密度測定値から計算され、ng/mLで表現された。
【0091】
実施例4:
本発明による免疫検出試験及び従来技術の免疫検出試験でのESM−1の測定の比較結果
形質移入されたCHO細胞株によって産生され、次いで、実施例1において記載された通りに精製された既知の濃度の組み換えタンパク質ESM−1の比較測定が行われた。
【0092】
第一の測定は、実施例3の教示に従って行われた。簡単に説明すると、抗体MEP14がELISAタイプの96穴プレート上に不動化され、次いで、既知の濃度のタンパク質ESM−1を含有する一連のPBS緩衝液と接触状態に置かれた。洗浄の後、不動化抗体MEP14とタンパク質ESM−1の間に形成された複合体が、本発明の抗体MEP15を含有する緩衝溶液と共にインキュベートされた。
【0093】
更に数組の洗浄の後、その形成された抗原/抗体複合体は、ビオチン化ラット抗体抗マウスIgG1、次いでストレプトアビジン−ペルオキシダ−ゼ接合体と逐次的にインキュベートされてから、過酸化水素に曝露された。
【0094】
第二の試験は、ELISAタイプの96穴プレート上に不動化された抗体MEP19を使用しかつ抗体MEP21を“サンドイッチ”タイプのこの免疫酵素的技術における第二抗体として使用することを除いて同じ条件下で行われた。
【0095】
その結果を、図1中に示す。
本発明による抗体の組み合わせで、0.15〜0.2ng/mLのオーダーのタンパク質ESM−1の濃度で光学密度値の有意な差が得られた。
【0096】
対照的に、抗体MEP19とMEP21の組み合わせでは、1又は2ng/mLに等しいESM−1の濃度について光学密度値における有意な増大が得られるに過ぎなかった。
これら2試験の間では本発明の免疫検出試験の方が5〜10倍高い感度差で観察されうるので、図1において得られた結果は、タンパク質ESM−1についての本発明による免疫検出試験が、従来技術の免疫検出試験と比較して高い感度を有することを明確に示している。
【0097】
実施例5:
株HEK293の形質移入細胞によって産生されたタンパク質ESM−1のN末端領域に対して向けられた本発明の異なる複数の抗体を用いる免疫検出試験の比較結果
“サンドイッチ”タイプの免疫検出試験は、実施例3において記載されたプロトコールに従って行われた。
【0098】
全ての場合において、抗体MEP14が、ELISAタイプの96穴プレートの穴中に不動化された。このように調製されたプレートを株HEK293の形質転移細胞によって産生された組み換えESM−1の既知濃度の溶液と共にインキュベートして洗浄した後、形成された抗原/抗体複合体が、第二抗体、即ち、それぞれ抗体MEC2、抗体MEC15及び抗体MEC36の存在下でインキュベートされた。
【0099】
その結果を図2中に示す。
真核細胞によって産生された組み換えタンパク質ESM−1のN末端領域に対して向けられるモノクローナル抗体を“サンドイッチ”タイプの免疫酵素的試験において使用することは、高い感度のタンパク質ESM−1の測定をもたらし、かくして、その感度がある抗体から別の抗体まで再現されることが、この結果によって示される。
【0100】
0.15〜0.2ng/mLのオーダーのESM−1の濃度を、試験された抗体MEC15、MEC2及びMEC36のグループについて検出することができた。
【0101】
実施例6:異なる重症度の敗血症を患っている患者における循環性タンパク質ESM−1を定量するための本発明による免疫検出試験の応用
A.材料及び方法
A.1 免疫検出試験
本免疫検出試験は、上の実施例3に記載されたプロトコールに従って行われた。
A.2 他の血液マーカーの試験
血清可溶性ICAM−1タンパク質の定量試験が、市販のELISA試験 (Diaclone-Research, Besancon, フランス) で行われた。そのプレートは、分光光度計 (Anthos labtech LP 40, フランス) を用いて450nmの波長で読まれた。血清可溶性ICAM−1の濃度は、光学密度の測定値から計算され、ng/mLで表現された。可溶性ICAM−1タンパク質の濃度の正常値は、571±168ng/mL(219〜1042;n=77)であった。
【0102】
タンパク質プロカルシトニンを定量する試験は、ILMAタイプの免疫学的試験(Lumitest, B. R. A. M. S.-Diagnosica GmbH, ドイツ)で行われた。
プロカルシトニンの正常値は、0.5ng/mL未満である。全身性炎症反応症候群(SIRS)を患っている患者について測定された値は、一般に0.5〜2ng/mLであった。
【0103】
C反応性タンパク質の量は、免疫ネフェロメトリーによって測定された。その正常値は10mg/L未満 (Morley et al., 1982, Ann. Acad. N. Y. Sci., vol. 389:406-418) であった。
A.3 対象
本検討は、4グループの対象、即ち、1グループの非アトピー健康対象(性比1)及び3グループの全身性及び/又は肺敗血症炎症性問題を患っている患者(性比1.6、年齢:56±2才)について行われた。
【0104】
全ての非アトピー健康対象は即時型過敏症皮膚反射試験(乱刺法)に陰性反応を示し、そしてアレルギーの臨床的履歴を示さなかった。
血液試料が採取された時には、68患者のうち、コルチコステロイドで処置された者も、血液透析を受けた者もいなかった。
【0105】
本実験プロトコールは、スイス大学病院の地方倫理委員会によって承認された。
A.4 定義
次の用語が、本検討において用いられた。
【0106】
感染症は、微生物の存在下での炎症反応、又はこれら微生物によって宿主の本来無菌の組織が侵襲されることによる炎症反応によって特徴付けられる細菌現象である。
感染症の兆候を伴なわない全身性炎症反応症候群(SIRS)は、4つの次の臨床的基準:
a)発熱又は低体温(100.4°Fより上[<38℃]、又は>96.8°F[>36℃]の体温);
b)頻脈(>90拍動/分);
c)頻呼吸(>20呼吸/分、又はPaCO2<4.3kPa[32mmHg]);及び
d)異常白血球数>12,000細胞/mm3;<4000細胞/mm3、又は10%を超える未成熟形態の存在それぞれ;
の少なくとも2つの存在によって特徴づけられる。
【0107】
敗血症は、感染症を伴なうSIRSと定義される。
重症敗血症は、臓器の機能不全、低灌流又は低血圧が付随した敗血症と定義される。低灌流及び灌流における異常には、尿量過少(分泌容量<30ml/h)、乳酸アシドーシス(2mmol/Lより大きい血清乳酸のレベル)、又は鎮静を伴なわない精神状態の急性劣化(Glasgowタイプの昏睡スコアに従う基礎値に関して少なくとも3点減少するもの)が含まれるが、それらに限られない。
【0108】
敗血症ショックは、適切な蘇生法及び妥当な血圧を維持するための血管活性アミンが必要であるにも関わらず、灌流異常病態(上を参照のこと)の存在が付随した、収縮期血圧における持続性減少(<90mmHg、又は収縮期血圧の基礎値と比較して40mmHgの減少)を伴なう、敗血症の存在と定義づけられる (Crit. Care Med. 19992, vol. 20:864-874)。
A.5 検討の説明
各々の患者について、次の生物学的及び臨床的パラメータが得られた:年齢、性別、Crit. Care ed., 1992, vol. 20: 864-874 において定義された第一及び第二の診断、先例、治療、血液採取10日前の生命状態、タンパク質ESM−1の血清及び血漿濃度。
【0109】
殆どの患者について、循環性可溶性 ICAM−1(sICAM−1)、プロカルシトニン (proCT) 及びC反応性タンパク質(CRP)のような他の血液生物学的パラメータも測定された。
【0110】
血液試料は、患者(又は健康なボランティア)の各々から乾燥チューブ中及びEDTAで処理されたチューブ中に取り込まれ、JouanC31タイプ(フランス)の遠心機中で、3500r.p.m. の速度で30分遠心分離された。
【0111】
その血清及び血漿試料は、試験が行われる前に−20℃で短時間保存された。
入院10日間の生存期間は「これら患者において感染症が死に直接寄与した」又は「他の死因と比較して初期炎症性問題の寄与が除外されえない」と仮定することによって選ばれた。
A.7 統計的分析
データは、平均±標準偏差として表現される。
【0112】
異なるグループの間のESM−1、sICAM−1、プロカルシトニン及びCRPの平均レベルの比較が、“一元分析”試験Anova (Bonferroni-Dunn)、Kruskal-Wallis 試験及び Mann-Whitney 試験を使用して行われた。
【0113】
マーカーの値間の相互関連付けが、Spearman 等級付け試験を使用して行われた。
循環性マーカーのレベルと患者状態の重症度の間の相互関連付けが、“一元分析”試験Anova (Bonferroni-Dunn)、Mann-Whitney 試験及び Wilcoxon 試験を使用して行われた。
【0114】
一般に、p<0.05の値は、統計的に有意であるとみなされた。
グラフは、それらの中央値及び第一及び第三4分位値により表される縦棒のグラフの形態で作製された。
B.結果
B.1 ESM−1の血漿レベルと血清レベルの間の相関関係
第一の試験では、血液試料を採取する条件がESM−1レベルの値に影響しうるかどうかを確認した。41の健康な対象におけるESM−1の血漿レベルと血清レベルの値の比較により、強い相関関係(r=0.85;p<0.0001)が示されていた。図3では、コントロールグループに関する限り、この検討の最初の36患者については、所与の患者についてESM−1の血漿レベルと血清レベルの間に有意な差は検出されえないことが観察できる。
【0115】
これら結果は、まず、血液の凝固はESM−1レベルを変えないことを示唆する。これら結果は、タンパク質ESM−1が、血液試料と血漿試料のいずれからでも定量されうることも示唆する。
【0116】
従って、ESM−1の血清レベルだけが、残りの検討について用いられた。
B.2 コントロールグループ
ESM−1の血清レベルの平均値は、表1に示されているように、健康な対象においては0.7±0.4ng/mLである一方で、アトピー対象のグループにおいてはESM−1の血清レベルは1.0±0.1ng/mLであった。
【0117】
差は小さいものの、統計的に有意(p<0.05)であった。
結論として、本検討において言及されたコントロールグループは、一般集団の代表である健康な非アトピー対象のグループであるので、この健康な非アトピー対象のグループにおけるESM−1レベルの平均値が基準正常値と決定された。
B.3 患者のグループ
患者の複数のグループにおける循環性マーカーの結果が、表1に纏められ、図4及び5中に示されている。
【0118】
重症敗血症と認定された患者の血清において、sESM−1、sICAM−1、CRP及び proCT レベルが、各々の患者グループについて、コントロールグループと比較して強く増大した(表1)。
【0119】
これら増大したレベルは、敗血症を患っている患者のグループにおけるプロカルシトニン(表1、図4及び5)を除いて、全てのマーカー及び全ての患者のグループについて統計的に有意なもの(p<0.01又はそれを下回る)であった。
【0120】
障害の重症度は、敗血症、重症敗血症及び敗血症ショックとそれぞれ命名された3つのレベルに従って定義された。これらグループの各々において、ESM−1レベルは、障害の重症度に統計的に相関するやり方(p<0.01,n=61)で増大した(表2を参照のこと)。
【0121】
類似の増大が、血清プロカルシトニン及びCRPレベル(それぞれp=0.0001,n=34と、p<0.01,n=43)について見出された。
しかしながら、sICAM−1のレベルは正常値の約5倍まで増加したが、各々の患者のグループ内においては、類似のレベルを示したにすぎなかった。
【0122】
CRP(Anova及び Mann-Whitney) 及びProCTレベル (Mann-Whitney) は、敗血症を患っている患者のグループを、重症敗血症を患っている患者から識別できるようにしたが、それは、ESM−1レベルについてはそうではなかった。
【0123】
ESM−1 (Anova及び Mann-Whitney) 及びProCTレベル (Mann-Whitney) は、重症敗血症を患っている患者のグループを、敗血症ショックを患っている患者から識別できるようにしたが、CRPレベルについてはそうではなかった(表2参照のこと)。
【0124】
これら結果からみて、CRPは、最も重症度の低い障害についての最も感度の良好なマーカーと考えられ、そして、ESM−1レベルは、より重症な敗血症についてProCTマーカーよりも良好なマーカーと考えられる。
【0125】
ESM−1、sICAM−1、CRP又はProCTの血清レベルの間の相関関係を調査することによって、CRPレベルとプロカルシトニンレベルの間の有意な相関関係(p<0.01、表3)が樹立された。
【0126】
しかしながら、他のマーカー間には有意な相関関係が見出されなかった(表3参照のこと)。
更に、敗血症ショックを患っている患者のグループにおいては、ESM−1のレベルと血漿クレアチニンのレベルの間に相関関係が観察されなかった(結果は示されていない)。
【0127】
ESM−1の血清レベルが死亡兆候を予測できるかどうかを確認するために、第一のアプローチは、死亡した患者と生存している患者の間で血清ESM−1の平均レベルを比較することであった。
【0128】
蘇生した患者及び致命的結末を迎えた患者の全ての患者を考慮に入れると、その結果は、入院の日(第0日)における血清ESM−1のレベルが、第10日に死亡した患者のグループにおいて有意により高かったことを示した(第10日;p<0.01;図6A及び図7)。このような差は、他のマーカーであるsICAM−1、CRP又はProCTについては示されなかったことが強調されうる(図6B〜9)。
【0129】
第二のアプローチにおいては、sESM−1及びsICAM−1のレベルが、入院の日(第0日)と24時間後(第1日)の両方で測定された。第0日でのESM−1のレベルは、生存した患者よりも死亡した患者において有意に高かった(図7A)。この差は、第1日でも持続した(n=20,p<0.05)(図7A)。
【0130】
このような差は、他のマーカーであるsICAM−1(図7B)、CRP、プロカルシトニン又はsICAM−1のもいずれにも観察されなかった。
敗血症ショックを患っている患者のグループ内だけででも、第0日及び第1日(n=11)におけるESM−1の血清レベルは、生存した患者よりも死亡した患者において有意に高かった(図8A〜B)。
【0131】
各々のグループにおいて、各々の患者の第0日におけるsICAM−1、第1日におけるsICAM−1(図8B)、第0日におけるCRP又は第0日におけるProCTのレベルと、第10日の生存の間に統計的に有意な相関関係が見出されなかった。
【0132】
この実施例におけるこれら結果は、循環性タンパク質ESM−1の濃度の平均値が、健康な対象と比較して大きく高いことを示している。この循環性ESM−1の平均濃度の増大は、その障害の臨床的重症度のレベルと相関している。障害の初期の段階における循環性ESM−1の最も高いレベルは、10日後の患者の生存の見込みがより低いことと関連した。
【0133】
先の検討と矛盾することなく、C反応性タンパク質若しくはCRP(Morley et al.)、プロカルシトニン若しくはProCT (ASSICOT M et al.; MULLER B et al.; WANNER GA et al.) 及び可溶性ICAM−1若しくはsICAM−1 (KAYAL S et al.; SESSLER C N et al. (1995); SESSLER C N et al. (1993)) のような循環性マーカーも、本検討の患者において有意に増大した。CRP及びProCTマーカーは、患者の臨床的重症度に相関した。
【0134】
しかしながら、3つのマーカー、即ち、CRP、ProCT、sICAM−1のレベルを測定しても、循環性タンパク質ESM−1のレベルの測定とは対照的に、死亡前兆を予測できなかった。更に、ESM−1の血清レベルの予言的な値は、入院の第0日における血清ESM−1の初期値に優勢にリンクしていた。
【0135】
本検討においては、血清ESM−1のレベルの増大は、血漿クレアチニンレベルの増大によって測定されたとき、腎機能不全とは相関しなかった。この結果は、敗血症ショックを患っている患者における血清中のタンパク質ESM−1の増大したレベルが、劣化した肺組織又はストレス状態にある血管壁の細胞から起きることを示唆する。
【0136】
結論として、この実施例に提示された検討の結果は、ESM−1が、敗血症を患っている患者における内皮細胞の機能不全の新たなマーカーに相当することを示している。
可溶性接着分子、サイトカイン類、プロカルシトニン、又は一定の細胞の特殊な機能不全の他のマーカーのような循環性マーカーを他のパラメーターの値と組み合わせれば、タンパク質ESM−1のレベルは、敗血症を患っている患者についての臨床的重症度と結末に関する有用な情報を供給する。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】
【0140】
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【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】図1は、タンパク質ESM−1についての本発明による免疫検出試験(白抜きの丸)と、黒塗りの丸で表される BECHARD et al. (2000) により記載された検出試験の検出の感度の比較を示す。縦座標は、試験された試料中のタンパク質ESM−1のng/mLで表現された濃度を表す。光学密度が横座標上に表されている。
【図2】図2は、“サンドイッチ”タイプの免疫酵素的技術に従って行われた免疫検出プロファイルを示す。全ての場合において、ハイブリドーマMEP14によって産生されたモノクローナル抗体が、マイクロ滴定プレート上に吸着された。光学密度が横座標上に表されている。縦座標は、HEK293株の細胞によって産生されたタンパク質ESM−1におけるng/mLで表現された濃度を表す。この免疫検出試験において用いられた第二抗体は、タンパク質ESM−1のN末端領域に対して特異的に向けられた抗体であった。それは、抗体MEC2(図2A)、MEC15(図2B)及び MEC36(図2C)であった。
【図3】図3は、健康なボランティア若しくは患者の血漿又は血清中に見出されたタンパク質ESM−1の濃度の比較を示す。縦座標は、タンパク質ESM−1のng/mLで表現された血清濃度を表す。横座標は、タンパク質ESM−1のng/mLで表現された血漿濃度を表す。
【図4】図4は、健康なボランティア又は増大する臨床的重症度の敗血症を患っている患者の血清中に見出された循環性タンパク質ESM−1の量を示す。ng/mLで表現された血清タンパク質ESM−1の濃度が、縦座標上に示されている。横座標は、試験された個体の異なる集団、即ち、それぞれ健康な対象(CTRL)、Crit. Care Med., 1992, vol. 20: 864-874 に公開されている臨床的定義に従う敗血症、重症敗血症又は敗血症ショックを患っている患者を示す。
【図5】図5は、健康者の集団、又は、敗血症、重症敗血症もしくは敗血症ショックを患っている患者の集団における3つの敗血症マーカーの定量を示す。 図5Aは、血清中の可溶性ICAM−1タンパク質のng/mLで表現された定量を示す。 図5Bは、C反応性タンパク質のmg/mLで表現された定量を示す。 図5Cは、血清プロカルシトニンのng/mLで表現された定量を示す。
【図6】図6は、それぞれ生存した患者及び死亡した患者の入院第0日における、循環性タンパク質ESM−1のレベルと、3つの慣用的敗血症マーカー、即ち、それぞれ可溶性ICAM−1タンパク質、C反応性タンパク質及びプロカルシトニンの各々のレベルとの間の比較を示す。 図6Aは、タンパク質ESM−1のng/mLで表現された血清レベルを示す。 図6Bは、可溶性ICAM−1タンパク質のng/mLで表現された血清レベルを示す。 図6Cは、C反応性タンパク質のng/mLで表現された血清レベルを示す。 図6Dは、プロカルシトニンのng/mLで表現されたレベルを示す。
【図7】図7は、タンパク質ESM−1又は可溶性ICAM−1タンパク質の量の入院後第0日及び第1日の患者における前兆値を死亡した患者のものと比較して示す。 図7Aは、生存した患者(黒塗りの丸)及び死亡した患者(白抜きの丸)において入院後第0日及び第1日にそれぞれ見出されたタンパク質ESM−1のng/mLで表現されたレベルを示す。 図7Bは、その同じ患者における血清可溶性ICAM−1タンパク質のレベルを示す。
【図8】図8は、ESM−1及び可溶性ICAM−1タンパク質のレベルの入院後第0日及び第1日に測定された死亡前兆値を示す。 図8Aは、生存した患者(黒塗りの円)及び死亡した患者(白抜きの円)における血清タンパク質のng/mLで表現されたレベルを示す。 図8Bは、生存した患者(黒塗りの円)及び死亡した患者(白抜きの円)における血清可溶性ICAM−1タンパク質のng/mLで表現されたレベルを示す。
Claims (18)
- 試料中のタンパク質ESM−1の検出用キットであって:
a)このタンパク質のアミノ酸配列の位置20におけるアミノ酸と位置78におけるアミノ酸の間に含有されるタンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する第一抗体;及び
b)タンパク質ESM−1のアミノ酸配列の位置79におけるアミノ酸と位置184におけるアミノ酸の間に含有されるC末端領域に特異的に結合する第二抗体
を含んでなるキット。 - 請求項1記載の検出用キットであって、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体が、真核細胞により産生された組み換えタンパク質ESM−1で哺乳類を免疫化することによって得られたことを特徴とするキット。
- 請求項1及び2の1項に記載の検出用キットであって、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体が、受託番号I−2572のもと2000年10月17日にパスツール研究所のコレクション・デ・カルチャーズ・デ・マイクロオルガニズムズ(CNCM)に寄託されMEC15と命名されたハイブリドーマ株によって産生されるモノクローナル抗体であることを特徴とするキット。
- 請求項1〜3の1項に記載の検出用キットであって、ESM−1のC末端に特異的に結合する抗体が、次の3つの抗原決定基:
a)ESM−1の位置79におけるプロリン残基から位置99におけるシステイン残基に及ぶ決定基AgD1;
b)タンパク質ESM−1の位置119におけるセリン残基から位置139におけるバリン残基に及ぶ抗原決定基AgD2;
c)タンパク質ESM−1の位置159におけるグリシン残基から位置184におけるアルギニン残基に及ぶ抗原決定基 AgD3;
の1つを認識することのできる抗体の中から選ばれることを特徴とするキット。 - 請求項4記載の検出用キットであって、タンパク質ESM−1のC末端領域に特異的に結合する抗体が、次の抗体:
a)受託番号I−1944のもと1997年11月19日にCNCMへ寄託されたハイブリドーマ株によって産生される抗体MEP21;
b)受託番号I−1941のもとCNCMへ1997年11月19日に寄託されたハイブリドーマ株によって産生されるモノクローナル抗体MEP08;
c)受託番号I−1942のもとCNCMへ1997年11月19日に寄託されたハイブリドーマ株によって産生されるモノクローナル抗体MEP14;
d)受託番号I−1943のもとCNCMへ1997年11月19日に寄託されたハイブリドーマ株によって産生されるモノクローナル抗体MEP19;
の中から選ばれることを特徴とするキット。 - 請求項1〜5の1項に記載の検出用キットであって、該2つの抗体の少なくとも1つがある分子に共有結合で連結されて、それの直接的又は間接的検出を可能にすることを特徴とするキット。
- 請求項1〜6の1項に記載の検出用キットであって、該第一又は該第二抗体が支持体上に不動化されることを特徴とするキット。
- 請求項7記載の検出用キットであって、支持体上に不動化される抗体がタンパク質ESM−1のC末端領域を特異的に認識する抗体であることを特徴とするキット。
- 試料中のタンパク質ESM−1を検出するための方法であって、次の段階:
a)試験される試料を、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する第一抗体と、又はタンパク質ESM−1のC末端領域に結合する第一抗体と接触させ;
b)該試料中に存在するタンパク質ESM−1と該第一抗体の間に潜在的に形成される複合体を、N末端領域又はC末端領域から選ばれるタンパク質ESM−1の領域であって該第一抗体により認識されない領域に特異的に結合する第二抗体と接触させ;そして
c)タンパク質ESM−1と該第二抗体の間に形成される複合体を検出すること
を含んでなることを特徴とする方法。 - 請求項9記載の検出方法であって、該第一抗体が支持体上に不動化されることを特徴とする方法。
- 請求項9及び10の1項に記載の検出方法であって、該第一抗体が、タンパク質ESM−1のC末端領域に特異的に結合する抗体であり、該第二抗体が、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体であることを特徴とする方法。
- 請求項9〜11のいずれか1項に記載の検出方法であって、タンパク質ESM−1のN末端領域に特異的に結合する抗体が、受託番号I−2572のもとCNCMへ2000年10月17日に寄託されたハイブリドーマによって産生される抗体 MEC15であることを特徴とする方法。
- 請求項9〜12のいずれか1項に記載の検出方法であって、段階c)が、該第二抗体に固定されることのできるビオチン化抗体を使用して行われることを特徴とする方法。
- 該番号I−1942のもと1997年11月19日にCNCMへ寄託されたハイブリドーマ株MEC15。
- 受託番号I−2572のもとCNCMへ2000年10月17日に寄託されたハイブリドーマ株MEC15によって産生されるモノクローナル抗体。
- ヒトにおける内皮血管壁の劣化を in vitro で検出するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の検出用キットの使用。
- 免疫抑制化合物で処置された患者におけるタンパク質ESM−1を in vitroで定量する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の検出用キットの使用。
- 癌を患う患者におけるタンパク質ESM−1を in vitro で定量するための請求項1〜8のいずれか1項に記載の検出用キットの使用。
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