JP2004519471A - 重合性歯科用組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、重合性歯科用組成物の製造方法に関する。特に、本発明は、特定の小粒子を含有する重合性歯科用組成物の製造方法に関する。更に、本発明は、請求の範囲に記載された方法によって得ることができる重合性歯科用組成物に関する。
【0002】
重合性部分を含有する加水分解性シロキサンモノマーの合成は公知であり、これらのモノマーの加水分解によって、重合性重縮合物がもたらされる(例えば、特許文献1参照)。
重合組成物の物理特性を改良するために、重合性ポリシロキサンを重合性歯科用組成物に取り込むことは、既知である(例えば、特許文献2参照)。
重合性成分および有機ポリシロキサン粒子を含む重合性歯科用組成物は公知である(例えば、特許文献3および4参照)。粒子は平均粒径が5〜200nmの球形マイクロゲルであり、それぞれは、単一の架橋分子からなる。重合性歯科用組成物は、極性溶媒中で粒子を製造し、次に単離した粒子を重合性ベース成分と混合することによって製造される。粒子の製造は、適切なシロキサン前駆体の加水分解、粒子間の縮合を回避するための単官能性トリオルガノシリル基による残存する縮合性の基の飽和、およびコロイド懸濁系からの粒子の単離を含む多数の反応工程を必要とする複雑な操作である。このような一般的な粒子およびその製造方法も公知である(例えば、特許文献5参照)。
【特許文献1】米国特許第6124491号公報
【特許文献2】独国特許出願公開第19903177号公報
【特許文献3】独国特許出願公開第19816148号公報
【特許文献4】独国特許出願公開第19847635号公報
【特許文献5】欧州特許第10744432号公報
【0003】
従来技術における既知の粒子は問題を含んでいる。従来技術の方法に従って製造された粒子は、それらを形成した反応混合物から単離する際に凝集し易いので、取り扱いが困難である。凝集は、歯科用組成物の粘度を増大させる凝集体の形成を引き起こし、凝集体の大きさが可視光の波長に近い場合には光学特性を劣化させる場合がある。更に、凝集体の形成は熱力学的に有利な作用なので、重合性モノマー中に粒子を再分散させるためには、多大なエネルギーと時間を消費する工程が必要とされる。
【0004】
したがって、本発明の課題は、詳細に明らかにされたナノ粒子を含有する重合性歯科用組成物の製造方法を提供することであり、この方法は複雑で多大なエネルギーと時間を消費する反応工程を有しない。
【0005】
したがって、本発明は、重合性歯科用組成物の製造方法であって、
(a)(i)1つの加水分解性シロキサン基および少なくとも1つの重合性有機部分を有する少なくとも1つのハイブリッドモノマー化合物を含有する1〜99重量%のハイブリッドモノマー成分と、(ii)前記ハイブリッドモノマー化合物の前記重合性有機部分と重合可能である99〜1重量%のモノマー成分とを含む液体混合物を製造する工程、および
(b)少なくとも化学量論的に十分な量の水を上記混合物へ添加し、前記ハイブリッドモノマー化合物の前記加水分解性シロキサン基を加水分解して、前記モノマー成分中に分散された1〜100nmの平均粒径を有する球形の重合性ナノ粒子を形成し、これにより、前記ナノ粒子がSi−O−Si結合と周囲に露出された重合性部分を有する構造を有することを特徴とする製造方法を提供する。
【0006】
本発明は、反応希釈剤などのモノマー成分中における重合性球形ナノ粒子の均質な混合物を提供する。本明細書におけるナノ粒子という用語は、1〜100nmの平均粒径を有する粒子に対して使用される。
【0007】
ナノ粒子は低極性モノマー成分中でその場で形成され、それによって、歯科用組成物においてナノ粒子を単離および再分散させる必要がない。更に、本発明による粒子は、粒子間の縮合を回避するために、残存する縮合性基を単官能性トリオルガノシリル基により更に飽和させることなく使用することができる。したがって、本発明の方法は、複雑で多大なエネルギーと時間を消費する反応工程を必要とせず、ワンポット反応で歯科用組成物を提供する。ナノ粒子は安定かつ均一にモノマー成分中に分散され、それにより、ナノ粒子が凝集体へ擬集することが回避される(表3の実施例7と比較例1および2とを比較されたい)。
【0008】
驚いたことに、好ましくは低極性の重合性モノマー成分中の加水分解性シロキサン基の加水分解は、粒度分布が狭く、Si−O−Si結合、および周囲に露出した重合性有機部分を有する詳細に明らかにされた構造を有する粒子をもたらすことが判明した。次に、ナノ粒子は、重合性モノマー成分と共重合させることができ、それによって、モノマー成分の重合マトリックスが形成され、分散したナノ粒子はマトリックスへ架橋される。本発明に従ってモノマー成分の重合マトリックス中にナノ粒子を取り込むことによって、強度が増大し、重合収縮が減少した硬化歯科用組成物が提供されるが、この歯科用組成物は、ナノ粒子を含有しない同一の組成物と比較して、同じかまたはわずかに上昇した粘度(好ましくは、10%未満)を有する。
【0009】
好ましくは、本発明に従って形成されるナノ粒子は平均粒径が1〜20nmであり、最も好ましくは1〜5nmである。ナノ粒子の大きさは、ハイブリッドモノマー成分のタイプおよび量を選択すること、ならびに更なる共加水分解性成分の存在によって制御することができる。
【0010】
本発明による方法は、重合性有機部分および加水分解性基を有する1つまたは複数のハイブリッドモノマー化合物を含有する1〜99重量%のハイブリッドモノマー成分と、ハイブリッドモノマー化合物の重合性有機部分と重合可能である99〜1重量%のモノマー成分とを含む液体混合物を製造する工程を含む。
【0011】
1つの実施形態では、本発明による方法は、重合性有機部分および加水分解性基を有する1つまたは複数のハイブリッドモノマー化合物を含有する1〜50重量%のハイブリッドモノマー成分と、ハイブリッドモノマー化合物の重合性有機部分と重合可能である99〜50重量%のモノマー成分とを含む液体混合物を製造する工程を含む。好ましくは、混合物は90重量%以上のモノマー成分、より好ましくは70重量%以上のモノマー成分を含む。この実施形態によると、ナノ粒子有含量が低い歯科用組成物が形成される。
【0012】
もう1つの実施形態では、本発明による方法は、重合性有機部分および加水分解性基を有する1つまたは複数のハイブリッドモノマー化合物を含有する50〜99重量%のハイブリッドモノマー成分と、ハイブリッドモノマー化合物の重合性有機部分と重合可能である50〜1重量%のモノマー成分とを含む液体混合物を製造する工程を含む。好ましくは、混合物は30重量%以下のモノマー成分、より好ましくは10重量%以下のモノマー成分を含む。この実施形態によると、ナノ粒子有含量が高い歯科用組成物が形成される。
【0013】
本発明の方法において用いられるハイブリッドモノマー化合物は、好ましくは、次式(I):
【0014】
【化1】
【0015】
(式中、
Aは重合性部分で、好ましくはアクリレートまたはメタクリレート基であり、
Rx、Ry、Rzは同一でも異なっていてもよく、独立して、置換もしくは非置換のC1〜C18アルコキシ、C5〜C18シクロアルコキシ、C5〜C15アリールオキシ、C2〜C18アシルオキシまたはハロゲンを表し、
Xは窒素原子、あるいは置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C1〜C18オキシアルキレン、またはC1〜C18カルボキシアルキレン基であり、
Yは置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C1〜C18オキシアルキレン、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18オキシシクロアルキレン、C5〜C15アリーレン、またはC5〜C15オキシアリーレンまたはヘテロアリーレン基、あるいはウレタン、−O−CONH−もしくはチオウレタン−OCSNH−結合部分であり、
nは1〜10、好ましくは1〜5の整数である。)
による加水分解性シロキサン基を含む。
【0016】
重合性部分として定義されるA基は、ラジカル重合されることが可能な多重結合を含有する任意の部分でよい。好ましくは、多重結合は炭素−炭素二重結合である。Aとして好ましい部分は、アクリレート基またはメタクリレート基である。
【0017】
Rx、Ry、Rzは、同一でも異なっていてもよい。Rx、Ry、Rzは、ハイブリッドモノマー成分の加水分解および架橋を可能または容易にする加水分解性脱離基を提供して、反応希釈剤などのモノマー成分との混合物中で分子間Si−O−Si結合を形成するように選択される。
【0018】
C1〜C18アルコキシとして定義されるRx、Ry、Rzは、直鎖または分枝基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシ、ならびにペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、へプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、またはドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、またはオクタデシルオキシの種々の異性体などの高級アルカノールの基であることができる。
【0019】
C5〜C18シクロアルコキシとして定義されるRx、Ry、Rzは、5〜18個の環炭素原子を含有する単環式または多環式基、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシまたはシクロオクチルオキシである。
【0020】
C5〜C15アリールオキシとして定義されるRx、Ry、Rzは、例えば、フェノキシ、トリルオキシ、インデニルオキシ、およびナフチルオキシであることができる。
【0021】
C2〜C18アシルオキシとして定義されるRx、Ry、Rzは、直鎖基でも分枝基でもよく、アシル基は酸素原子によって結合される。「アシル」は、HCOまたは(アルキル)CO基を意味し、アルキル基は直鎖または分枝基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、ならびにペンタン、へキサン、ヘプタンおよびオクタンの種々の異性体である。典型的なアシルオキシ基には、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ、2−メチルプロパノイルオキシ、ブタノイルオキシおよびパルミトイルオキシが含まれる。
【0022】
ハロゲンとして定義されるRx、Ry、Rzは、塩素、臭素またはヨウ素であることができ、好ましくは塩素または臭素である。
【0023】
Rx、Ry、Rzに適用される「置換」という表現は、C1〜C18アルコキシ、C5〜C18シクロアルコキシ、C5〜C15アリールオキシまたはC2〜C18アシルオキシ基が、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルアミノ基、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ基、フッ素、塩素または臭素などのハロゲン原子、C1〜C6アシルオキシ基、またはC1〜C6アシルアミド基から選択される好ましくは1〜5個の同一または異なる置換基によって置換され得ることを意味する。好ましい置換基は、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルアミノ基、およびジ(C1〜C6アルキル)アミノ基である。
【0024】
C1〜C18アルキレンとして定義されるXは、直鎖基の−(CH2)a−を意味し、a=1〜18、すなわち、例えばメチレン、エチレン、n−プロピレン、ならびにプロペン、ブテン、ペンテン、へキセン、ヘプテン、オクテンおよび高級同族体の分枝二官能性基であり、それによって、アルキレン基は更に、アクリロキシ基またはメタクリロキシ基などの上記で定義したA基の1〜9個の部分によって置換されることが可能である。
【0025】
C1〜C18オキシアルキレンとして定義されるXは、直鎖基の−O(CH2)a−を意味し、a=1〜18、すなわち、例えばオキシメチレン、オキシエチレン、オキシ−n−プロピレン、ならびにオキシプロペン、オキシブテン、オキシペンテン、オキシへキセン、オキシヘプテン、オキシオクテンおよび高級同族体の分枝二官能性基であり、それによって、オキシアルキレン基は更に、アクリロキシ基またはメタクリロキシ基などの上記で定義したA基の1〜9個の部分によって置換されることが可能である。
【0026】
C1〜C18カルボキシアルキレンとして定義されるXは、直鎖基の−OCO(CH2)a−を意味し、a=1〜18、すなわち、例えばカルボキシメチレン、カルボキシエチレン、カルボキシ−n−プロピレン、ならびにカルボキシプロペン、カルボキシブテン、カルボキシペンテン、カルボキシへキセン、カルボキシヘプテン、カルボキシオクテンおよび高級同族体の分枝二官能性基であり、それによって、カルボキシアルキレン基は更に、アクリロキシ基またはメタクリロキシ基などの上記で定義したA基の1〜9個の部分によって置換されることが可能である。
【0027】
C1〜C18アルキレンとして定義されるYは、直鎖基の−(CH2)a−を意味し、a=1〜18、すなわち、例えばメチレン、エチレン、n−プロピレン、ならびにプロペン、ブテン、ペンテン、へキセン、ヘプテン、オクテンおよび高級同族体の分枝二官能性基である。
【0028】
C1〜C18オキシアルキレンとして定義されるYは、直鎖基の−O(CH2)a−を意味し、a=1〜18、すなわち、例えばオキシメチレン、オキシエチレン、オキシ−n−プロピレン、ならびにオキシプロペン、オキシブテン、オキシペンテン、オキシへキセン、オキシヘプテン、オキシオクテンおよび高級同族体の分枝二官能性基である。
【0029】
C5〜C18オキシシクロアルキレンとして定義されるYは、5〜18個の環炭素原子を含有する環状基、例えば、オキシシクロペンタン、オキシシクロヘキサン、オキシシクロヘプタンおよびオキシシクロオクタン基を意味する。
【0030】
C5〜C15アリーレンとして定義されるYは、例えば、フェニレン、トリレン、ペンタリニレン、インデニレン、ナプチレン、アズリニレンおよびアントリレンであることができる。
【0031】
C5〜C15オキシアリーレンとして定義されるYは、酸素原子が結合した上記アリーレン基であることができる。
【0032】
ヘテロアリーレン基として定義されるYは、1つまたは複数の炭素以外の原子を環内に含有する単環式または多環式芳香族化合物を意味する。
【0033】
Yに適用される「置換」という表現は、C1〜C18アルキレン、C1〜C18オキシアルキレン、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18オキシシクロアルキレン、C5〜C15アリーレン、またはC5〜C15オキシアリーレンまたはヘテロアリーレン基が、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルアミノ基、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ基、フッ素、塩素または臭素などのハロゲン原子、C1〜C6アシルオキシ基、またはC1〜C6アシルアミド基から選択される1〜5個の同一または異なる置換基によって置換されることを意味する。好ましい置換基は、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルアミノ基、およびジ(C1〜C6アルキル)アミノ基である。
【0034】
最も好ましくは、ハイブリッドモノマー化合物は、以下の式1〜10:
【0035】
【化2】
【化3】
【0036】
[式中、
Rは、ジエポキシド由来の残基、特に、次式:
【0037】
【化4】
【0038】
(式中、XはC(CH3)2、−CH2−、−O−、−S−、−CO−、または−SO2−である。)
の残基であり、
R1は、水素、あるいは置換もしくは非置換のC1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキル、C5〜C18アリールまたはヘテロアリール基であり、
R2は、二価の置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18アリーレンまたはヘテロアリーレンであり、
R3は式3および式7では同一または異なる置換基を表してよく、置換もしくは非置換のC1〜C18アルキル、C2〜C12アルケニル、C5〜C18シクロアルキル、C6〜C12アリールまたはC7〜C12アラルキル基、あるいは以下の式I、IIまたはIII:
【0039】
【化5】
【0040】
(式中、
R5は二価の置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18アリーレンまたはヘテロアリーレン基で、好ましくはCH2CH2CH2であり、
R6は置換もしくは非置換のC1〜C18アルキル、C2〜C12アルケニル、C5〜C18シクロアルキル、C6〜C12アリールまたはC7〜C12アラルキル基である。)
のうちの1つによって表されるシロキサン部分であり、
R7は、置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C2〜C12アルケニル、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18アリーレンまたはヘテロアリーレン基であり、
R8は、ヒドロキシル基の保護基であり、好ましくはエーテル、エステルまたはウレタン基を形成し、
M’およびM”は、同一または異なる置換基を表してよく、以下の式IV、VまたはVI:
【0041】
【化6】
【0042】
(式中、
Qはエーテル、エステル、ウレタン、またはチオウレタン結合基であり、
R5およびR6は上記の通りである。)のうちの1つによって表されるシロキサン部分、好ましくはエーテル、エステルまたはウレタン基を形成するヒドロキシル基の保護基、あるいはR3が上記で定義された式I、II、またはIIIのうちの1つで表されるシロキサン部分である場合には水素である。]
の化合物である。
【0043】
上記のアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキル、アルキレン、アルケニレン、およびシクロアルキレン基は、直鎖でも分枝鎖でもよい。
【0044】
Rx、Ry、Rz、X、Y、R1、R2、R3、R5、R6、およびR7のための任意の置換基は、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルアミノ基、ジ(C1〜C6アルキル)アミノ基、フッ素、塩素または臭素などのハロゲン原子、C1〜C6アシルオキシ基、またはC1〜C6アシルアミド基から選択される。好ましい置換基は、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、C1〜C6アルキルアミノ基、およびジ(C1〜C6アルキル)アミノ基である。これらの置換基のうちの少なくとも1つは存在することができる。複数の置換基が存在する場合、置換基は同じでも異なっていてもよい。
【0045】
ハイブリッドモノマー化合物の具体例は、下記式11または12により示される。
【0046】
【化7】
【化8】
【0047】
本発明によるハイブリッドモノマー化合物の重合性有機部分と重合可能であるモノマー成分は、好ましくは、単官能性または多官能性アクリレートまたはメタクリレートから選択される。ハイブリッドモノマー化合物の重合性有機部分と重合可能であるモノマー成分の特定の例としては、以下のように、メチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクリレート、ビニル、ビニレンまたはビニリデン、アクリル酸またはメタクリル酸置換されたスピロオルトエステル、スピロオルトカーボネートまたはビシルオオルトエステル、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、フルフリルメタクリレートが挙げられる。
【0048】
ハイブリッドモノマー化合物の重合性有機部分と重合可能であるモノマー成分は、上記化合物の混合物でもよい。
【0049】
更に、ハイブリッドモノマー化合物の重合性有機部分と重合可能であるモノマー成分は、上記化合物と、2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザ−ヘキサデカン−1,16−ジイル−ジメタクリレート(UDMA)のようなウレタンジメタクリレートや、あるいは2,2−ビス−[p−(ω−メタクリロイルオキシオリゴ(エトキシ))−フェニル]−プロパンのような芳香族ジメタクリレートなどの他の重合性モノマーとの混合物でもよい。
【0050】
本発明によると、化学量論的に十分な量の水をハイブリッドモノマー成分およびモノマー成分の混合物に添加し、ハイブリッドモノマー化合物の加水分解性シロキサン基を加水分解し、球形の重合性ナノ粒子を形成する。水は、反応の過程で反応混合物中に存在する全ての反応性シロキサン結合を加水分解するのに十分な量が添加される。
【0051】
ハイブリッドモノマー化合物を加水分解して、THF、ジオキサン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチルまたはアセトンなどの少量の有機溶媒の存在下で重合性ナノ粒子を形成することができる。
【0052】
ハイブリッドモノマー化合物の加水分解は、酸または塩基触媒の存在下、あるいは中性条件下で行われる。加水分解は、−20〜+120℃の間の温度で行われるのが好ましく、室温が都合よい。加水分解およびナノ粒子形成の反応速度は、フッ化アンモニウムまたはフッ化水素の添加によって増大させることができる。
【0053】
更に、種々のハイブリッドモノマーIの混合物のナノ粒子を形成することが可能である。
【0054】
種々のハイブリッドモノマーIと、アミノプロピルトリエトキシシラン、チオプロピルトリエトキシシラン、2,3−エポキシプロピルトリエトキシシランなどの段階的に成長させることが可能な基を含有する他の加水分解性シロキサン成分との混合物のナノ粒子を形成することが可能である。
【0055】
具体例では、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、モノメチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランまたはテトラクロロシランなどの重合性基を含有しない他の加水分解性シロキサン成分の存在下で、ナノ粒子を形成できることが示される。更なるシラン化合物の使用は、通常、平均粒径の増大をもたらことになり、それによって、更なるシラン化合物の増加量は粒子の平均粒径を増大させるであろう。シラン化合物の存在下でのナノ粒子の共縮合は、シラン化合物が主に粒子のコア部分に存在するナノ粒子を提供するであろう。
【0056】
アルコキシドや金属アセチルアセトネートなどの金属錯体の群から選択される金属化合物の存在下でナノ粒子を形成することができ、それによって、金属は、Ba、Al、La、Ti、Zr、Tlまたは他のランタニドまたはアクチニドの遷移元素(単数または複数)の群から選択される。更なる金属化合物の使用は、通常、平均粒径の増大をもたらことになり、それによって、更なる金属化合物の増加量は粒子の平均粒径を増大させるであろう。金属化合物の存在下でのナノ粒子の共縮合は、金属化合物が主に粒子のコア部分に存在するナノ粒子を提供するであろう。
【0057】
本発明の方法で得ることができる歯科用組成物は、それ自体で使用することができる。更なる工程を加えて、本発明の方法で得られる組成物を修正してもよい。したがって、本発明の方法は、更に、必要に応じて、本発明の方法で得られる歯科用組成物に更なる成分を添加する工程を含むことができる。このような成分には、更なる重合性成分、充填剤、重合開始剤および安定剤などの、歯科用組成物の製造のために歯科分野で通常使用される任意の成分が含まれる。
【0058】
特に、メチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、重合性ジまたはポリ(メタ)アクリレートは、更なる重合性成分として言及することができる。重合性ジまたはポリ(メタ)アクリルレートの例としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクレート、およびグリセロールトリメタクリレートが挙げられる。
【0059】
充填剤は、La2O3、ZrO2、BiPO4、CaWO4、BaWO4、SrF2、Bi2O3、多孔質ガラス、あるいはポリマーグラニュレート、脆化ガラス繊維などの有機充填剤、あるいは有機および/または無機充填剤の組み合わせ、または反応性無機充填剤から選択され得る。
【0060】
本発明を、以下の実施例によって説明する。
【実施例】
【0061】
[製造例1]
3−アミノプロピルトリエトキシシラン50.000g(225.9mmol)、2,3−(エポキシプロポキシ)メチルメタクリレート64.218g(451.7mmol)および2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.1144gを90℃で4時間反応させた。得られたメタクリレート末端マクロモノマーは、クロロホルム、DMFおよびTHFなどの有機溶媒に可溶性である。IRスペクトルにおいて、915および3050cm-1のエポキシド基の吸収は観察されなかった。1720cm-1(エステル基)および3400cm-1(OH基)に新しい吸収が現れた。(C23H43O9NSi)、505.68g/mol、η(23 ℃ )=34mPa*s。
【0062】
【化9】
【0063】
[製造例2]
3−アミノプロピルトリメトキシシラン50.000g(278.88mmol)、2,3−(エポキシプロポキシ)メチルメタクリレート79.285g(557.76mmol)、および2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.129gを90℃で4時間反応させた。得られたメタクリレート末端マクロモノマーは、クロロホルム、DMFおよびTHFなどの有機溶媒に可溶性である。IRスペクトルにおいて、915および3050cm-1のエポキシド基の吸収は観察されなかった。1720cm-1(エステル基)および3400cm-1(OH基)に新しい吸収が見られた。(C20H37O9NSi)、463.60g/mol、η(23 ℃ )=28mPa*s。
【0064】
【化10】
【0065】
[製造例3]
マクロモノマー6a
EGAMA20.232g(109.8mmol)、アミノプロピルトリエトキシシラン12.158g(54.9mmol)およびBHT0.032gを均一に混合し、室温で12時間攪拌して、マクロモノマー6aを得た。C27H47NO11Si、589.75g/mol、m/z(FAB−MS)=590。
【0066】
[製造例4]
マクロモノマー6b
EGAMA24.574g(133.42mmol)、アミノプロピルトリメトキシシラン11.960g(66.71mmol)およびBHT0.037gを均一に混合し、室温で12時間攪拌して、マクロモノマー6bを得た。C24H41NO11Si、547.24g/mol、m/z(FAB−MS)=548。
【0067】
[実施例1]
TGDMA中におけるナノ粒子への縮合
EGAMAおよびアミノプロピルトリメトキシシランの付加生成物6b1.000g(1.826mmol)をTGDMA9.000gに溶解した。この溶液に水0.150g(8.33mmol)を添加して、反応混合物を得た。反応混合物を室温で14日間攪拌した。形成された粒子は、平均粒径が3nmであることが分かった。図1による透過型電子顕微鏡写真は、形成したナノスケールの粒子を示す。IRスペクトルでは、メタクリレート基の二重結合は1720cm-1に見られた。
【0068】
[実施例2〜6]
TGDMA中におけるナノ粒子への縮合
実施例1に記載したのと同一の手順に続いて、更なるナノ粒子を製造した(表1)。
【0069】
表1:重合性モノマーTGDMA中におけるナノ粒子の製造および得られた縮合混合物の粘度
【表1】
【0070】
ナノ粒子溶液1,3および5と、2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパンとを、それぞれ30/70重量%の比率で混合した。ナノ粒子を含まないビス−GMA/TGDMA(30/70重量%)と、混合物の収縮および転化率(DSC)を比較した。
【0071】
表2:ナノ粒子の混合物の収縮および転化率(DSC)
【表2】
【0072】
[実施例7]
樹脂混合物中におけるナノ粒子への共縮合
マクロモノマー6a41.65g(70.6mmol)、テトラエトキシシラン36.77g(176.5mmol)を、酢酸エチル46.05gと、80重量%の2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザ−ヘキサデカン−1,16−ジイル−ジメタクリレート(UDMA)、15重量%のジエチレングリコールジメタクリレート(DGDMA)および5重量%のトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)を含む樹脂混合物105.00gと共に、均一に混合した。樹脂混合物は0.1重量%のBHTで安定化される。その後、マクロモノマー6aおよびテトラエトキシシランをナノ粒子へ共縮合させるために、混合物を激しく攪拌しながら3.6重量%のフッ化水素水溶液17.13gを一度に添加した。室温で3日間攪拌した後、無水硫酸ナトリウム13.02g(91.6mmol)を添加した。更に1日攪拌を続けた。その後、硫酸ナトリウムをろ過により除去し、酢酸エチルおよびエタノールを蒸発させた。生成物は、23℃の粘度が5.00Pasで、20℃の屈折率がnD=1.4775の透明な液体であることが分かった。
【0073】
[比較例1]
マクロモノマー6a0.48g(94mmol)およびテトラエトキシシラン48.94g(235mmol)を、BHT60.5mgと共にアセトン27.83g中で均一に混合した。その後、マクロモノマー6aおよびテトラエトキシシランをナノ粒子へ共縮合させるために、混合物を激しく攪拌しながら3.6重量%のフッ化水素水溶液22.82gを一度に添加した。室温で3日間攪拌した後、少量の白色沈殿物をろ過により除去し、アセトンおよびエタノールを蒸発させた。全ての水を除去するために、クロロホルム100mlで残渣を溶解させ、再度蒸発させた。この手順を4回繰り返した。その後、クロロホルム48.86gと、実施例7で説明したのと同じ組成の樹脂混合物113.98gとの中に透明な固体のナノ粒子を再分散させた。わずかに濁った溶液へ再分散させるために、混合物を超音波で20分間処理した。その後、クロロホルムを蒸発させて、23℃の粘度が20.8Pasで、20℃の屈折率がnD=1.4778のわずかに濁った液体を得た。
【0074】
[比較例2]
2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザ−ヘキサデカン−1,16−ジイル−ジメタクリレート(UDMA)720.00g(80重量%)と、ジエチレングリコールジメタクリレート(DGDMA)135.09g(15重量%)と、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)45.05g(5重量%)とを含む均質な樹脂混合物を製造し、BHT900mgで安定化した。混合物の粘度は23℃で1.33Pasであり、20℃の屈折率はnD=1.4740である。
【0075】
表3:実施例7と比較例1および2との比較
【表3】
【0076】
[応用例1]
実施例1のナノ粒子30.00gを、2,2−ビス−[p−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン70.00g、カンファーキノン0.30g、ジメチルアミノメチル安息香酸エチルエステル0.35gおよびジ−tert−ブチルクレゾール0.10gと共に、均一に混合した。この混合物に、バリウムアルモ−シリケートガラス300gを添加し、均一に混合した。複合体は、次の特性:圧縮強度255±34MPa、曲げ強度68±9MPa、ヤング率1640±70MPaを特徴とする。
【0077】
[応用例2]
実施例7の生成物128.35gを、カンファーキノン0.387g、ジメチルアミノメチル安息香酸エチルエステル0.452gと共に均一に混合した。この混合物100.00gに、ストロンチウム−フルオロ−シリケートガラス255gを添加し、均一に混合した。複合体は、次の特性:圧縮強度328±22MPa、曲げ強度84±6MPa、ヤング率6.27±0.37GPaを特徴とする。
Claims (17)
- 重合性歯科用組成物の製造方法であって、
(a)(i)1つの加水分解性シロキサン基および少なくとも1つの重合性有機部分を有する少なくとも1つのハイブリッドモノマー化合物を含有する1〜99重量%のハイブリッドモノマー成分と、(ii)前記ハイブリッドモノマー化合物の前記重合性有機部分と重合可能である99〜1重量%のモノマー成分とを含む液体混合物を製造する工程、および
(b)少なくとも化学量論的に十分な量の水を前記混合物へ添加し、前記ハイブリッドモノマー化合物の前記加水分解性シロキサン基を加水分解して、前記モノマー成分中に分散された1〜100nmの平均粒径を有する球形の重合性ナノ粒子を形成し、これにより、前記ナノ粒子がSi−O−Si結合と周囲に露出された重合性部分を有する構造を有することを特徴とする製造方法。 - 前記ナノ粒子が1〜20nmの平均粒径を有する請求項1記載の方法。
- 前記ナノ粒子が1〜5nmの平均粒径を有する請求項1記載の方法。
- 前記ハイブリッドモノマー化合物が下記式(I):
Aは重合性部分で、好ましくはアクリレートまたはメタクリレート基であり、
Rx、Ry、Rzは同一でも異なっていてもよく、独立して、置換もしくは非置換のC1〜C18アルコキシ、C5〜C18シクロアルコキシ、C5〜C15アリールオキシ、C2〜C18アシルオキシまたはハロゲンであり、
Xは窒素原子、あるいは置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C1〜C18オキシアルキレン、またはC1〜C18カルボキシアルキレン基であり、
Yは置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C1〜C18オキシアルキレン、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18オキシシクロアルキレン、C5〜C15アリーレン、またはC5〜C15オキシアリーレンまたはヘテロアリーレン基であり、
nは1〜10の整数である。)
で表わされる化合物である請求項1記載の方法。 - 前記ハイブリッドモノマー化合物が下記式1〜10:
Rはジエポキシド由来の残基で、特に、下記式:
で表わされる残基であり、
R1は、水素、あるいは置換もしくは非置換のC1〜C18アルキル、C5〜C18シクロアルキル、C5〜C18アリールまたはヘテロアリール基であり、
R2は、二価の置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18アリーレンまたはヘテロアリーレンであり、
R3は式3および式7では同一または異なる置換基を表してよく、置換もしくは非置換のC1〜C18アルキル、C2〜C12アルケニル、C5〜C18シクロアルキル、C6〜C12アリールまたはC7〜C12アラルキル基、あるいは下記式I、IIまたはIII:
R5は、二価の置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18アリーレンまたはヘテロアリーレン基で、好ましくはCH2CH2CH2であり、
R6は、置換もしくは非置換のC1〜C18アルキル、C2〜C12アルケニル、C5〜C18シクロアルキル、C6〜C12アリールまたはC7〜C12アラルキル基である。)
のうちの1つによって表されるシロキサン部分であり、
R7は、置換もしくは非置換のC1〜C18アルキレン、C2〜C12アルケニル、C5〜C18シクロアルキレン、C5〜C18アリーレンまたはヘテロアリーレン基であり、
R8は、ヒドロキシル基の保護基であり、好ましくはエーテル、エステルまたはウレタン基を形成し、
M’およびM”は、同一または異なる置換基を表してよく、下記式IV、VまたはVI:
Qはエーテル、エステル、ウレタン、またはチオウレタン結合基であり、
R5およびR6は上記の通りである。)のうちの1つによって表されるシロキサン部分、好ましくはエーテル、エステルまたはウレタン基を形成するヒドロキシル基の保護基、あるいはR3が上記で定義された式I、II、またはIIIのうちの1つで表されるシロキサン部分である場合には水素である。]
で表わされる化合物である請求項1記載の方法。 - 前記重合性モノマーは、メチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクリレート、ビニル、ビニレンまたはビニリデン、アクリル酸またはメタクリル酸置換スピロオルトエステル、スピロオルトカーボネートまたはビシクロオルトエステル、グリセリントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、およびフルフリルメタクリレートからなる群から選択される単官能性または多官能性のアクリレートまたはメタクリレートである請求項1記載の方法。
- 前記ナノ粒子は、金属アセチルアセトネートなどのアルコキシドおよび金属錯体からなる群から選択される金属化合物の存在下で形成され、前記金属はBa、Al、La、Ti、Zr、Tl、In、他のランタニドおよびアクチニドの遷移元素(単数および複数)からなる群から選択される請求項1記載の方法。
- La2O3、ZrO2、BiPO4、CaWO4、BaWO4、SrF2、Bi2O3、または多孔質ガラスから選択される無機充填剤、あるいはポリマーグラニュレート、脆化ガラス繊維などの有機充填剤、あるいは有機および/または無機充填剤の組み合わせ、または反応性無機充填剤を添加する工程を更に含む請求項1記載の方法。
- 重合開始剤および安定剤を添加する工程を更に含む請求項1記載の方法。
- 前記加水分解が触媒の存在下で行われる請求項1記載の方法。
- 前記触媒は酸または塩基である請求項12記載の方法。
- 前記加水分解が中性条件下で行われる請求項1記載の方法。
- 前記組成物が、重合性ジまたはポリ(メタ)アクリレート、少なくとも1種の重合性モノマー、重合開始剤および/または増感剤、および安定剤を含む請求項1記載の方法。
- 前記加水分解が、THF、ジオキサン、クロロホルム、トルエン、アセトンなどの有機溶媒の存在下で行われる請求項1記載の方法。
- 前記加水分解が、メチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、3,(4),8,(9)−ジメタクリロイルオキシメチルトリシクロデカン、ジオキソランビスメタクリレート、グリセロールトリメタクリレート、およびフルフリルメタクリレートなどの重合性モノマーの存在下で行われる請求項1記載の方法。
- 請求項1〜請求項16のいずれかに記載の方法に従って得られる重合性歯科用組成物。
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