JP2004518104A5 - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、座席、特に、自動車の座席に乗っている物体の重量を測定するための方法と装置に関する。
【0002】
本発明は又、少なくとも重量測定装置を使用して、以下において「着座状態」と称する座席の占有状態を評価して、車両の構成部材、システムあるいはサブシステムを着座状態に基づいて調節することができる車両の構成要素、システム又はサブシステムの調整用装置と方法とに関するものである。以下では単にコンポーネントと呼ぶことにする車両の構成要素、システム又はサブシステムは、座席の座面と背もたれ、バックミラーとサイドミラー、ブレーキ、クラッチ、アクセルペダル、ハンドル、ステアリングカラム、座席のアームレスト、カップホルダ、携帯電話機、通信装置又はコンピュータの搭載用ユニット、日よけの調整可能なコンポーネントを含むが、これらには限定されない。さらに、コンポーネントは、座席の着座状態によって作動が制御されるエアバッグシステムを含む。コンポーネントは、エアバッグシステムに対応してエアバッグの膨張と排気を調節する装置のような、着座状態によって調節することが好ましい調整可能なシステムのコンポーネントであってもよい。
【0003】
本発明はさらに、1つは重量である、乗車している者の2つ以上の形態的な特徴に基づいて車両のコンポーネントを自動的に調節する装置と方法とに関連する。他の形態的な特徴は、搭乗者の背丈、搭乗者の腕の長さ、搭乗者の足の長さ、搭乗者の頭部の直系および座面に対する搭乗者の背の傾斜角を含む。本発明はここでは特に明記しない形態的な特徴も対象としている。
【0004】
発明の技術背景
エアバッグを装備した自動車は従来技術として周知である。従来のエアバッグシステムでは、車の衝突を感知して、エアバッグは急速に膨らんで、搭乗者の安全を確保する。多くの人命がこのようなエアバッグシステムによって救われている。しかし、搭乗者の着座状態によっては、現在のエアバッグをもってしても生命を救うことができない場合がある。例えば、同乗者が助手席に正常な前向き以外の姿勢で着席しているとき、例えば、同乗者が通常の位置とは違ってエアバッグの放出ドアの近くにいるような場合には、エアバッグの起動によって同乗者が重大な損傷を受けたり、場合によっては死亡することも起こりえる。
【0005】
また、場合によってはチャイルドシートが助手席に後ろ向きの姿勢で装着されており、エアバッグの起動によってチャイルドシートに着席している子供が重大な損傷を受けたり死亡したりする場合がある。
【0006】
さらに、空席の場合には、エアバッグを起動する必要はなく、交換費用が高いことや毒性のガスが室内に放出される危険性があることを考えるとエアバッグを始動することは好ましいことではない。にもかかわらず、空席であってもほとんどのエアバッグシステムは車両の衝突時にはエアバッグを起動する。
【0007】
このような理由から、本発明の出願人によって出願された、その開示内容をここに本出願に取り込む、以下の米国特許出願で着座状態検出ユニットが提案されている:Breed他による米国特許第5563462号、Breed他による1996年4月30日の米国特許出願第08/640,068号、Breed他による米国特許第5822707号、Breed 他による米国特許第5694320号、Breed他による米国特許第5748473号、Varga他による1997年2月6日の米国特許出願第08/798,029号。典型的な場合には、これらのデザインのいくつかにおいては、車両の室内に4組のセンサを設置して、運転席又は搭乗者席に超音波又は電磁波を照射してその反射波を受ける。適当なハードウエアとソフトウエアを使用することによって、搭乗者席又は運転席の乗車状態の概要を決定して、対象座席の着座状態を分類することが可能になる。
【0008】
しかし、超音波を使用した前出の文献では、後ろ向きで正常位置から外れた大人から反射された超音波パターンは、場合によっては後ろ向きのチャイルドシートからの反射波のパターンに類似している。同様に、後ろ向きのシートに正常に着座した子供と前向きの状態の誰も乗っていないシートを区別するのが困難な場合がある。別の場合には、やせた大人が前かがみでひざを立てた状態の反射波のパターンは、後ろ向きのチャイルドシートと似ている場合がある。さらに別の場合としては、前向きの搭乗者席からの反射波のパターンは、前向きのチャイルドシートや搭乗者席に座っている子供からの反射波のパターンと似ている場合がある。これらの場合はいずれも、エアバッグの起動が必要なときに従来の超音波システムはエアバッグの起動を抑制するかあるいは、望ましくないときにエアバッグを起動させる。
【0009】
これらの状態の間の区別が改善されれば、着座状態検出ユニットの信頼性は改善され、より多くの人が死亡や重大な損傷から救われるであろう、さらに、エアバッグの不必要な起動を防止することもできる。
【0010】
車両の座席の調節に関しては、自動車の運転者が着座している座席の調節は、電気的なスイッチとモータ又は機械的なレバーによって行われている。結果として、運転席が、運転者の目がいわゆる「目の楕円」の位置にきて、ペダルとハンドルを快適に操作できる適切な運転の位置にくることはほとんどない、「目の楕円」は、車両の前面ウインドウとバックミラーに対する最適な目の位置の意味である。
【0011】
実際に楕円状である目の楕円は多くの理由によって運転者の行為によって得られることはまれである。ひとつの具体的な理由は、いわゆる「4方向シート」と称する座席のほとんどの調節システムの設計が不十分なことである。座面には3自由度の動きが可能なことはよく知られている、鉛直、前後および水平又はピッチ軸周りの回転である。4方向シートは座席を制御する4つの動きを提供する:(1)座席の前面を上下させる、(2)座席の後部を上下させる、(3)座席全体を上下させる、(4)座席を前後させるである。この種の座席調整システムは、3自由度に対して4つの動きをするので混乱を生じさせる。結果として、車両の搭乗者は、座席を高くしようとして、座席が高くなるだけでなく回転するような動きに欲求不満になる。従って、搭乗者は、このシステムを使用して座席を最適な位置に位置させるのは困難であると感じ、しばしば諦めて座席を不適切な位置のまま放置する。
【0012】
今日の車両の多くは、ほとんどの搭乗者に決して使用されることの無いランバーサポートシステムを具備している。理由の一つは、搭乗者が異なれば腰部の形状は大きく異なるために、ランバーサポートをあらかじめセットすることができないためである。例えば、背の高い人が必要とするランバーサポートは、背の低い人とのものとは大きく異なる。搭乗者の大きさについて知っていなければ、ランバーサポートを自動的に調節することは不可能である。
【0013】
上述の’320特許に記載されているように、搭乗者がむち打ち症を患う場合のおよそ95%である、後ろからの衝突に対して頭を保護するためには、ヘッドレストの位置が適切でない。同様に、座席の硬さとダンピング特性は固定されており、生産されている車両に関しては、搭乗者の大きさや体重によって座席の硬さやダンピングを調節することは試みられていない。これらの調節はすべて、自動的に行われるなら、着座するものの形態に関する知識を必要とする。
【0014】
コード化された符号や乗員が身につけているものによって車両への搭乗者を識別するシステムが使用されている。このシステムは、符号化された対象物を識別するために、車両の仲に特別なセンサーと必要とする。同様に、そのようなシステムは、その符号化された対象物が車両がプログラムされている特定の人物によって使用されてはじめて機能する。例えば、車両が、母親の鍵を使用している息子や娘によって使用されると、座席の調節は間違って行われる。又、これらのシステムは、座席位置が正しいか否かとは無関係に座席位置の選択を保存するものである。4方向シートが有する問題とあわせると、搭乗者が適切に座席を設定することは起こりにくい。従って、搭乗者が車両を使用するたびに間違いが繰り返される。
【0015】
さらに、これらの符号化されたシステムは、搭乗者を識別するには未発達の方法である。後に述べるように搭乗者の形態的な特徴を測定することができれば、この点を進歩させることができる。このような測定は、例えば、高さ、体重によってであり、車両のコンポーネントを適切な位置にするために使用するだけでなく、搭乗者が詳細な調節を行った後にその位置を記憶し、同じ搭乗者が着座したときにコンポーネントの位置を再現する。この目的に関して、形態的な特徴には、高さ、体重、足または腕の長さ、頭部の直径等のようなすべての測定可能な値が含まれる。後により詳細に記載するように、好ましい実施例では、例えば、搭乗者の高さと体重を測定して、運転者の形態的な特徴の1つあるいは好ましくは2つを測定すると、座席のようなコンポーネントを調節することができ、例えば、バックミラーの自動調節および/またはサイドミラーのような当該システムに組み込まれている特長又はコンポーネントが座席位置と搭乗者の背丈に基づいて調整される。さらに、搭乗者が正常な位置にいないことを決定することができ、これに基づいて、搭乗者がエアバッグによって保護されるよりもむしろ損傷を受ける可能性が高い場合には、エアバッグの起動は行われない。さらに、インフレ−タが発生するガスの量やエアバッグ出口オリフィスの大きさのようなエアバッグの特性は、小さくて体重の軽い搭乗者に対しても大きくて体重の重い搭乗者も同様に保護するために調節される。場合によって、エアバッグの起動方向さえも制御される。
【0016】
搭乗者の形態と搭乗者が識別されたという事実に基づいて他の特徴やコンポーネントも調整可能である。これらの特徴又はコンポーネントには座席のアームレスト、カップホルダー、ハンドル(角度と軸方向位置)ペダル、電話の位置等のような搭乗者が触ったり操作しなければならないものが含まれる。ラジオ局、温度、乗り心地等のような、搭乗者の好みによって決められるべき項目は自動的に調節することが可能である。
【0017】
以下においては、車両の座席に搭載された対象物の重量を測定するための方法が多数提案されている。それらの方法には、搭載された対象物の圧力分布を測定するために座席のクッションの内部に設けられたパッド、シート又はフィルムが含まれる。すでにクロスリファレンスで参照した米国特許第5822707号の前に、座席の骨組みに設けられたひずみ測定で搭乗者を測定することは試みられていなかった。先行技術に属する重量測定システムは不正確なことで知られている。従って、もっと正確な重量測定システムが望まれる。ここに記載したひずみ測定システムは、従来技術が有していた不正確さの問題をほとんど除去しており、車両の座席に搭載された物体の重量を正確に決定することが可能である。さらに、ここに記載されているように、多くの場合、搭乗者の全重量を決定することなく車両のコンポーネントの制御を行えるための情報を十分に得ることができる。例えば、3つのサポート部材に対して搭乗者が加える力で十分である。
【0018】
上述したすべてあるいはほとんどの問題は、従来の技術では解決困難又は解決不能なものである。
【0019】
本発明の目的
従って、本発明の主要な目的は、車両の座席に搭載された対象物の重量を測定するための新規かつ改良された装置と方法を提供することであって、当該装置と方法とは、座席に搭載された対象物を評価して、搭載されたものに対して、位置および/または方向を調節し、および/またはコンポーネントの部分又はコンポーネント全体を調節する。
【0020】
本発明の別の目的は、座席の占有状態を評価して、搭乗者に対する座席の位置および/または方向を調節し、および/またはコンポーネントの一部又はコンポーネント全体を占有状態の評価と、搭乗者の重量と搭乗者が加えた力の測定値に基づいて調節する新規かつ改善された装置と方法とを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、超音波センサーと追加されたセンサーとの組み合わせによって座席の占有状態を評価して、この評価された座席の占有状態に基づいて、搭乗者に対して位置および/または方向を調節し、および/またはコンポーネントの一部又は全体の操作を調節する新規かつ改善された調整装置と方法とを提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、正常に着座した搭乗者と前向きのチャイルドシート、不正な形で着座している搭乗者と後ろ向きのチャイルドシート、および、シートが使用されているか否かを区別し、これに基づいて、搭乗者に対して位置および/または方向を調節し、および/またはコンポーネントの一部又はコンポーネント全体の操作を調節する新規かつ改善された調節装置と方法とを提供することである。
【0023】
改善された重量測定システムを提供し、それに基づいて入力として重量を使用する、例えば、コンポーネント調節装置のような他の装置又はシステムの精度を改善することが、本発明の他の目的である。
【0024】
本発明の他の目的は、上述の問題を生じずに座席の占有状態を評価する調節装置と方法とを提供することである。
【0025】
上記以外の目的と利点には以下のことが含まれる。
1.搭乗者の大きさに基づいてほぼ最適位置に車両のコンポーネントを自動的に位置付ける受動的システムを提供すること。
2.車両の特定の搭乗者を認識して、車両の種々のコンポーネントを認識された搭乗者の好みに従って調節するシステムを提供すること。
3.車両の運転者の目の位置を車両に対して特定の位置におおよそ位置付けるシステムを提供すること。
4.搭乗者の頭部とからだの各部の位置をより正確に測定して、当該情報に基づいて車両のコンポーネントを位置付けることができるパターン認識システムを提供すること。
5.座席が使用されているか否かを決定し、使用されていなければ、座席を中立位置にする方法を提供すること。
6.ペダルとハンドルを含む、車両の多くのコンポーネントを、これらがより安全でより効果的な操作が可能なように、自動的に位置調節するシステムを提供すること。
7.搭乗者がエアバッグに対して正常でない位置にいるか否かを決定し、不正常な位置にいるときには、さもなければエアバッグが起動される状況においてもエアバッグの起動を行わないように決定すること。
8.搭乗者の損傷を抑えるために搭乗者の形態と位置に基づいて、エアバッグに流入するガスの流れおよび/またはエアバッグから流出するガスの流れを調節すること。
9.座席内に設けられたセンサーによって搭乗者の形態的な特徴を測定するシステムを提供すること。
10.座席の骨組みに設けられたセンサーを使用して搭乗者の体重を決定するためのシステムと方法とを提供すること。
【0026】
本発明の上記以外の目的は、本発明の好ましい実施例に関する以下の記述によって明らかにする。
【0027】
発明の要旨
座席に搭載された対象物の重量を測定する装置に関する実施例では、当該装置は座席の支持構造のそれぞれの位置に設けられて支持構造のひずみを測定する、少なくとも1つのひずみゲージ変換器を有する。当該ひずみゲージ変換器には制御システムが組み合わせられており、ひずみゲージ変換器によって測定された支持構造のひずみに基づいて、座席に搭載された対象物の重量を決定する。座席の支持構造は、車両のフロアパンのような下部構造に搭載されている。ワイヤのような電気的接続手段が、ひずみゲージ変換器と制御システムとを接続している。各ひずみゲージ変換器は、信号調整回路とアナログからデジタルへの変換器を具備して、測定したひずみをデジタル信号として出力する。
【0028】
ひずみゲージ変換器の位置は、座席の支持構造に依存する。支持構造が、下部構造に搭載された2つの長いスライド機構と、スライドメカニズムと座席をつなぐ支持部材を有しているときは、各指示部材に複数のひずみゲージ変換器を設けてもよい。支持構造がさらにスライド部材を具備し、別のひずみゲージ変換器をそれに設けることもできる。ひずみゲージ変換器の精度を向上させる手段を用いることが好ましく、これらの手段には、例えば、支持部材を第1と第2の長手方向に向き合った端部を有するチューブで構成し、第1と第2のチューブの端部に第3のチューブを重ねて第1と第2のチューブに接合し、この第3のチューブにひずみゲージ変換器を設けることができる。チューブの代わりにそれ以外の形状のものを使用することができることは自明である。
【0029】
下部構造から座席を支持するスライド機構と、スライド機構に座席を搭載するためのボルトとを有する座席に搭載された対象物の重量を測定するための装置の他の実施例は、スライド機構のうちの1つの座席の間に設けられて座席に加えられた圧力を測定する少なくとも1つの圧力センサーを含む。各圧力センサーは、互いに移管して設けられたショック吸収性の材料からなる第1と第2の層と、第1と第2のショック吸収材料層の間に設けられた圧力に敏感な材料を有する。制御システムが搭載された対象物の重量を決定するために圧力に敏感な材料と組み合わせられて、前記少なくとも1つの圧力センサーによって測定された圧力に基づいて座席に搭載された対象物の重量を決定する。圧力に敏感な材料には、電気端子とその上面および下面が含まれる。
【0030】
座席に搭載された対象物の重量を測定するための装置の別の実施例は、座席と、座席が搭載される下部構造に設けられるロードセルが含まれる。当該ロードセルは、部材と当該部材に設置されて座席に搭載された対象物の重量で生じた引っ張りひずみを測定するためのひずみゲージを有する。制御システムが当該ひずみゲージに接続され、ひずみゲージによって測定された部材のひずみに基づいて座席に搭載された対象物の重量を決定する。部材が棒状の部材で、ひずみゲージが2つの測定エレメントを有するときは、ひずみ測定エレメントのうちの1つは棒状部材のながて方向に、他方のひずみ測定エレメントは棒状部材を横切る方法に設けられる。ひずみ測定エレメントを4つ使用するときは、最初の組を棒状部材のながて方向に使用し、第2の組を棒状部材の直行方向に使用する。部材は、チューブであってもよく、その場合には、ひずみ測定エレメントの一方はチューブの圧縮ひずみを測定するように、他方は引っ張りひずみを測定するように設けられる。部材は、一端を下部構造に固定されたトーションバーであってもよい、この場合には、ロードセルは、トーションバーの端部と端部の間に設けられ、座席に加えられた重量によってねじり力が加わるように座席に接続されたレバーを具備する。この場合には、ひずみゲージはねじれひずみ測定エレメントを含む。
【0031】
上記の重量測定装置は、他の重量測定装置と同様に、すぐ下に記載する車両のコンポーネント調節システムと方法に使用することができる。本発明のそのような装置の実施例は、座席に搭載された物体の第1の形態的な特徴を測定するための第1の測定システムと、搭載された物体の第2の形態的な特徴を測定するための第2の測定システムを有する。形態的な特徴は、搭載された物体の重量を、物体の座席の底部からの高さ、対象物が人間である場合は、腕の長さ、頭部の直系および足の長さを含むものである。当該装置はさらに、第1と第2の測定システムからの出力を受信して当該出力を処理して当該出力に基づいて着座状態を評価するプロセッサを具備する。本発明において搭載された対象物の形態的な特徴を測定するためには、本明細書に記載した測定システム以外にも従来から知られているあらゆる種類の測定システムを使用することができる。
【0032】
本発明に基づく調節システムの1つの好ましい実施例は、該当すれば、座席と座席に収容される装置からの波動を受信するための波動受信センサーと、座席に搭載された対象物の重量を測定するか座席が空席に加えられる重量が無い場合には空席であると判断する1つ以上の重量センサーを具備する。重量測定装置は座席の構造部に、ひずみ測定エレメントが搭載された対象物の重量に応じて応答するように構成されたひずみセンサーを含んでもよい。当該装置は又、波動受信センサーと重量センサーの出力を受けて、これらの出力に基づいて座席の状態を評価するプロセッサを具備する。プロセッサ手段は座席の状態に基づいて、コンポーネントの一部又はコンポーネント全体を調節する。波動受信センサーは超音波センサー、光センサーあるいは電磁センサーであることができる。波動受信センサーが超音波又は光学センサーである場合は、これらは座席に向けた超音波又は光を照射する照射手段を具備することができる。
【0033】
座席に設けられたコンポーネントが、車両の室内に対して座席の少なくとも一部を移動させることができる動力手段を具備する場合には、制御手段は当該動力手段に接続されて動力手段に座席を移動させる。この場合、プロセッサ手段は、制御手段に、少なくとも部分的には座席に使用状態の評価に基づいて動力手段を動かさせてもよい。プロセッサ手段による制御手段の指示または管理に関しては、例えば、座席に食料品の袋が搭載されている場合やチャイルドシートが後ろ向きに搭載されていると超音波又は光学センサーおよび重量センサーが評価した場合には、座席に調節が不要であると制御手段に指示する信号であってもよい。一方、プロセッサが、シートには座席の調節の利益があるあるいは望ましい大人又は子供が搭載されていると判断した場合には、プロセッサ手段は制御手段に動力手段をそのように動かすように指示することができる。例えば、シートに子供が載っていることが検出されたら、プロセッサ手段はヘッドレストを下げるように設計されていてもよい。
【0034】
特定の実施例の場合には、装置は座席に搭載された対象物の形態的な特徴、例えば、搭載されたものの高さと重量、を測定する1つ以上のセンサーを具備し、プロセッサ手段はセンサーからの入力を集めてコンポーネントをそれに従って調節する。従って、プロセッサ手段が座席の状態を評価し、座席に大人又は子供が乗っていると評価したら、プロセッサはさらに得られた体重測定または搭乗している大人又は子供に関する上記以外の形態的な特徴を測定して、それに従ってコンポーネントを調節するものであってもよい。プロセッサ手段は、上記のすべての機能を実行する単一のマイクロプロセッサであってもよい。別の場合には、座席の状態を評価するために1つのプロセッサを使用し、コンポーネントの調節に別のプロセッサを使用する。
【0035】
プロセッサ手段は、電子回路としてハードウエアに実現されたかコンピュータプログラムとしてソフトウエアに実現された評価回路を具備する。
【0036】
特定の実施例においては、相関関数または種々のセンサーからの出力と所望の結果(例えば座席の状態認識とカテゴリー分類)が、例えば、ニューラルコンピュータとしてハードウエア的に実現されたかプログラムとしてソフトウエア的に実現されたニューラルネットワークによって判断される。このニューラルネットワークによって決定された相関関数又は状態は、マイクロコンピュータに収納することができる。この場合には、マイクロコンピュータは評価回路として使用することができる。ここで回路というときは、電子的な回路とソフトウエアによってマイクロコンピュータに実現された等価な機能を有するものを意味する。
【0037】
改良された実施例では、心拍センサーを用いて搭乗者の心拍を検出してそれに対応する出力を作成する。プロセッサー手段はさらにこの出力を受けてこれに基づいて座席の状態を評価する。このような心拍センサーに加えてあるいはこれに代えて、静電容量センサーおよび/またはモーションセンサーを使用することもできる。静電容量センサーは搭乗者の存在を検出して搭乗者の存在を示す出力を発生する。モーションセンサーは搭乗者の動きを検出して、これを示す出力を出力する。これらの出力はプロセッサ手段に供給され、座席の状態を評価するために使用することができる。
【0038】
超音波、光学又は電磁センサー、重量測定手段と、測定された座席の重量とその内容物、超音波、光学あるいは電磁センサーからの反射波に基づいて座席の占有状態を評価する装置の部分は、着席状態検出ユニットを構成すると考えることができる。
【0039】
着席状態検出ユニットはさらに、座席位置検出センサーを具備してもよい。このセンサーは、座席の移動トラック上における座席の前後位置を検出するものである。この場合、評価回路は、超音波センサーからの出力、1つ以上の重量センサーおよび座席トラック位置検出センサーからの出力の相関関数に基づいて座席の状態を評価する。この構造のばあいには、座席に搭乗者がいないときの背もたれの平坦な面と、座席に搭乗者がいてその搭乗者の体の厚み分だけ座席を後ろに動かしたときの平坦な表面との区別の信頼性が向上する利点がある。
【0040】
さらに、座席状態検出ユニットはさらに、傾斜角検出センサーを具備し、評価回路は超音波、光学又は電磁センサーからの出力と、重量センサーからの出力と、傾斜角検出センサーからの出力に基づいて座席の状態を評価することもできる。この場合には、座席の状態評価のための情報として座席の背もたれの角度情報が追加されると、同様に区別が困難な状態である、搭乗者が若干前かがみになった状態と、座席の背もたれを若干前に倒した上体とを明瞭に区別することができる。この実施例は、さらに評価回路をさらに改善するために座席トラック位置検出センサーと組み合わせてもよい。
【0041】
さらに、座席状態検出ユニットはさらに、重量センサーからの出力と参照値とを比較する比較回路を具備することもできる。この場合には、比較回路は、参照値に基づいて大人と子供を識別する。
【0042】
好ましくは、座席状態検出ユニットは、超音波又は電磁的な波動を座席の方向に向けて照射し、座席方向からの反射波を受ける複数の超音波、光学又は電磁センサーと;座席の搭乗者の重量を検出する1つ以上の重量センサーと;座席のトラック位置を検出する座席トラック位置検出センサーと;傾斜角検出センサーと;超音波又は電磁センサーの出力と重量センサーの出力と座席トラック位置検出センサーの出力と、傾斜角検出センサーの出力が入力されて、これらの出力の相関関数に基づいて複数の座席状態を評価するニューラルネットワーク回路を具備する。
【0043】
ニューラルネットワークが評価して分類することができる座席状態の種類には、(i)正常に着座している搭乗者と前向きのチャイルドシート、(ii)不正常な状態で着座している搭乗者と後ろ向きのチャイルドシート、(iii)空席が含まれる。
【0044】
座席状態検出ユニットはさらに、重量センサーからの出力と参照値とを比較する比較回路と、比較回路からの比較信号と評価信号とが入力されるゲート回路とを具備してもよい。このゲート回路は、ソフトウエアとして又はハードウエアとして実現され、複数種類の座席状態を評価する出力信号を出力する。この座席状態には、(i)正常に着席した搭乗者、(ii)前向きのチャイルドシート、(iii)不正常な状態の搭乗者、(iv)後ろ向きのチャイルドシート、および(v)空席が含まれる。この構成の場合には、正常に着席した搭乗者と前向きのチャイルドシートの間の識別、不正常な状態の搭乗者と後ろ向きのチャイルドシートとの間の識別、および空席の識別の信頼性が向上する。
【0045】
複数の超音波又は電磁センサーからの出力、重量センサーからの出力、座席トラック位置検出センサーからの出力および傾斜角検出センサーからの出力は、ニューラルネットワークあるいはその他のパターン認識回路に入力され、ニューラルネットワーク回路がトレーニング段階のトレーニングに基づいて相関関数を決定する。この目的のために、ニューラルネットワークは単一のニューラルネットワーク、複数のネットワーク、その他の類似のパターン認識回路あるいは、ニューラル−ファジーシステムのようなニューラルネットワークとファジー論理システムとのこれらのアルゴリズム又はそれらの組み合わせを含むものである。
【0046】
超音波又は電磁センサーからの入力をニューラルネットワーク回路に供給する際には、最初の反射波の部分と最後の反射波の部分は各反射された超音波又は電磁センサーから除去して出力データを処理することが望ましい。これはレンジゲートの一形態である。このようにすることによって、反射超音波又は電磁波の有用な情報を含まない部分が解析対象から除去されて座席に座っているか否かおよび対象物の識別がいっそう正確に行われるようになる。
【0047】
ニューラルネットワーク回路は、複数の超音波又は電磁センサーからの出力データ、重量測定センサーからの出力データ、座席トラック位置検出センサがもしあればこれからの出力、および/またはもしあれば傾斜角検出センサーからの出力データに重み付け処理を行って相関関数を決定する。さらに、いっそう進歩したシステムでは、心拍および搭乗者の動きセンサーからの出力もこれに含めることができる。
【0048】
本発明に基づく車両の乗員室の座席の占有状態を決定する方法においては、超音波又は電磁波のような波動を乗員室の座席へ向けて照射し、乗員室からの反射波をコンポーネントによって受けて、これによってこの反射波を示す出力を出力し、座席に加えられた重量を測定してこれを表す出力を出力しこれらのセンサーと重量測定手段からの出力に基づいて座席の状態を評価する。
【0049】
座席に着席状態の評価は、受信された反射波を示す出力と測定された重量と座席の着席状態の相関を求め、マイクロコンピュータに当該相関関数を入力することによって行うこともできる。別な方法の場合には、受信した反射波を示す出力と、測定した重量と座席の状態との間の相関をニューラル回路によって求めて、受信した反射波を示す出力と測定された重量とをニューラルネットワーク回路に入力して実行することもできる。
【0050】
座席の状態の評価精度を改善するために、座席トラックの位置を測定し、それを表す出力を作成し、当該座席の状態を、受信した反射波、測定した重量および測定した座席トラック位置に基づいて評価することもできる。座席トラックの位置を測定することに加えてあるいはそれに代えて、座席の座面と背もたれのなす角度である座席の傾斜角を測定して、これを表す出力を作成し、座席の状態を受信した反射波を表す出力と、測定した重量と測定した傾斜角を表す出力(座席トラック位置が測定されていれば当該測定の出力)に基づいて座席の状態を評価することもできる。
【0051】
さらに、測定した重量を示す出力は、参照値と比較して、座席に載っている対象物、例えば、大人か子供か、を測定された重量と参照値とを比較して決定することもできる。
【0052】
追加の実施例では、本発明は車両の搭乗者の1つ以上の形態的な特徴を測定し、この測定結果を搭乗者の大きさを重量を分類するために使用し、この分類を、座席のような車両のコンポーネントの位置を当該分類に属する搭乗者にとってほぼ最適な位置に決定するために使用する。搭乗者の好みに関する追加の情報は、搭乗者の分類と関連付けて、特定の分類に属する搭乗者が乗車したときには、当該分類に関連付けられて好みが記憶される。これらの好みと関連付けられたコンポーネントの調節には、システムがあらかじめ選択した位置からマニュアルに調節された座席位置、ミラー類の位置、温度、ラジオの選局、ハンドルとハンドルカラムの位置等が含まれる。使用するのが好ましい形態的な特徴には、搭乗者の座面からの高さと搭乗者の体重である。当該高さは通常は、ヘッドレスト又はその他の適当な位置に設けられた、超音波又は電磁的センサーによって決定される。重量は車両の座席に加えられた圧力又は変位の測定や座席の支持構造に加えられた力やひずみの測定等、種々の技術によって決定することができる。
【0053】
以下の図面は本発明の実施例を示すものであるが、特許請求の範囲によって定義される本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0054】
好ましい実施例の詳細な説明
同一又は類似のエレメントには同一の番号を付番した添付図面において、図1は、本発明に基づく座席状態検出ユニットを含む調節装置を取り付けることができる乗員用座席を示すものである。座席1は、水平方向の座面部2と垂直延長方向を向いた背もたれ部3とを有する。座面部2は1つ以上の重量センサー6と7とを有し、これらが座席に搭載された対象物の重量を決定する。座面部2と背もたれ部3とのつなぎの部分には、座面部2に対する背もたれ部3の傾斜角を検出する傾斜角検出センサー9が設けられている。座面部2には座席トラック位置検出センサー10が設けられている。座席トラック位置検出センサー10は、一点差線で図示した後部参照位置からの座席1の移動極を検出する役目を果たす。背もたれには、心拍センサー31とモーションセンサー33とが設けられている。頭上のライナーには容量センサー32が設けられている。座席1は運転席、助手席あるいは自動車内のその他の席、あるいは、車両の他の席又は移動を目的としないものの席であってよい。
【0055】
センサー6と7のような重量測定手段は座席に対して、例えば座面部2の内部又はその下にあるいは座席構造に設けられ、座席に加えられた重量を測定する。座席に何も乗っていないときには重量はゼロであってもよい。センサー6と7は座席の複数の異なる部位に加えられた重量を測定するもの、または、座面部2内のエアバッグ5によるもののような冗長性を目的とした複数のセンサーを具備する。このセンサーは、座席又は背もたれに加えられた力又は圧力を測定するひずみ、力又は圧力センサーの形態、あるいは、座席表面又は7のように座席に構造部材又はその他の適切な位置に設けたひずみゲージを使用して座席全体の変位を測定する変位測定センサー、あるいは、圧力センサーを重量測定に使用するときには変位を圧力に変換するシステムのようなものであってもよい。
【0056】
図2には、4組の波動受信センサーシステム11−14が搭載された乗員室が示されている。センサーシステム11−14のそれぞれの組は、発信機と受信器を具備し、これらは単一のユニットに組み込まれていてもよいし、それぞれが別体であってもよい。この実施例では、センサーシステム11は、車両の前部ピラー、Aピラー、の上部に設けられている。センサーシステム12は中間ピラー、Bピラー、の上部に設けられている。センサーシステム13は屋根の天井部又は上部内張り(図2)にも受けられている。センサーシステムは好ましくは超音波又は電磁的なシステムである。センサーシステム11−14が超音波又は電磁的センサーとして記載されているが、本発明は、容量センサーを含む搭乗者からの距離を測定する形式の(超音波や電磁センサー以外の)センサーにも同様に適用することができる。同様に、センサーシステム11−14が受動的赤外線センサーであれば、赤外線受信装置だけを具備するものであってもよい。
【0057】
超音波又は電磁センサーシステム11−14は1つづつ又は同時に図3に示した超音波又は電磁センサードライバ回路18のような適切なドライバ回路によって制御又は駆動される。超音波又は電磁センサーシステム11−14の発信機は、対応する超音波又は電磁波を座席1の方向に向けて時刻t1、t2、t3およびt4(t4>t3>t2>t1)あるいは同時刻(t1=t2=t3=t4)にそれぞれがパルスを発信する。超音波又は電磁波の反射波は、超音波又は電磁波センサー11−14の受信機ChA−ChDが受信する。受信機ChAは超音波又は電磁波センサーシステム13に対応しており、受信機ChBは超音波又は電磁波センサーシステム14に対応しており、受信機ChCは超音波又は電磁波センサーシステム11に対応しており、受信機ChDは超音波又は電磁波センサーシステム12に対応している。
【0058】
以下の記述は超音波センサーを使用する場合について記載するが、動的赤外線センサーのような電磁的なセンサーを使用した場合にも、技術上の相違点があるが、ほぼ同様の説明が当てはまる。同様に、以下の記述は座席1が助手席の場合について記述するものである。図4(a)と4(b)は受信装置ChA−ChDによって受信された反射超音波USRWの例を示す。図4(a)は助手席1に大人が正常な状態で着席しているときに得られた反射波USRWを示し、図4(b)は大人が助手席1に前かがみの状態で座っているときの(不正常な状態の1つ)反射超音波USRWを示すものである。
【0059】
正常に着席した搭乗者の場合には、図2に示すように、超音波センサーシステム12の位置は搭乗者Aに最も近い。従って、図4(a)に示したように、照射されたあとで、反射波パルスP1は受信装置ChDによってもっとも早く受信され、反射されたパルスP1の幅はもっとも大きい。次に、超音波センサー13の搭乗者Aまでの距離が近いので、反射パルスP2がChAによって、その他の反射されたパルスP3とP4よりも早く受信される。反射されたパルスP3とP4がChCとChBに到着するまでにはP1とP2よりも時間がかかるので、反射波P3とP4は図4(a)に示した時刻に受信される。より正確には、超音波センサーシステム11から搭乗者Aまでの距離は、超音波センサーシステム14から搭乗者Aまでの距離よりも若干短いと考えられるので、反射されたパルスP3が受信装置ChCによって受信されるのは、反射されたパルスP4が受信装置ChBによって受信されるよりも若干早いはずである。
【0060】
搭乗者Aが助手席1に前かがみで座っているときは、超音波センサーシステム11と搭乗者Aとの距離がもっとも短くなる。従って、時刻t3である照射時刻から受信までの時間は最短であり、図4(b)に示すように反射されたパルスP3は受信装置ChCによって受信される。次に、超音波センサーシステム14と搭乗者Aとの距離が短く、従って、反射波P4がChBによって、その他の反射パルスP2とP1よりも先に受信される。超音波センサーシステム13と搭乗者Aまでの距離を、超音波センサーシステム12から搭乗者Aまでの距離に比較すると、前者のほうが短く、従って、反射されたパルスP2は受信装置ChAによって先に受信され、次に反射されたパルスP1がChDによって受信される。
【0061】
反射されたパルスP1−P4の形状、反射されたパルスP1−P4を受信する回数、反射されたパルスP1−P4の大きさは対象物によって異なり、搭乗者が助手席1に座っている状態、図4(a)と図4(b)、とは説明のために示した例に過ぎず、本発明がこれらの実施例に限定されるものでないことは当然である。
【0062】
図3に示した受信装置ChA−ChDの出力は、マルチプレックス回路19を介して、超音波センサー駆動回路18のタイミング信号と同期して切り替わるバンドパスフィルタ20に入力される。バンドパスフィルタ20は各反射波USRWから低周波数成分とノイズ成分を除去する。各反射波USRWに基づく出力信号はバンドパスフィルタ20を通ったあと、アンプ21によって増幅される。アンプは又、各反射波USRWに含まれる高周波成分のキャリア波を除去してエンベロープ波形を作成する。このエンベロープ波形はアナログ/デジタル変換器(ADC)22に入力されて測定データとしてデジタル化が行われる。測定データは、超音波センサー駆動回路18が出力するタイミング信号によって制御されている処理回路23に入力される。
【0063】
処理回路23は測定データを7msのインタバルで収集し、各超音波センサーシステム11−14から47点のデータポイントが作成される。各反射波USRWごとに、反射波の最初の部分T1と反射波の最後の部分T2は切り捨てられる。これを行う理由は、ニューラルネットワーク回路を後に説明するときに説明するのでここでは説明を省略する。このことによって、32データ点、31データ点、37データ点と38データ点が超音波センサーシステム11,12,13,14によってそれぞれサンプリングされる。超音波センサーシステム11−14によってデータの点数が異なる理由は、助手席1から超音波センサーシステム11−14までの距離が異なるからである。
【0064】
測定された各データは基準化回路24に入力されて基準化される。基準化された測定データは、波形データとしてニューラルネットワーク回路25に入力される。
【0065】
重量センサー6と7の出力は、アンプ26によって増幅されて、重量センサー6と7に対応付けられて、アナログ/デジタル変換器27に入力される。
【0066】
それぞれ可変抵抗素子を具備してもよい、傾斜角検出センサー9と座席トラック位置検出センサー10は、それぞれ低電流回路に接続されている。低電流回路から傾斜角検出センサー9に一定の電流が供給され、傾斜角検出センサー9は背もたれの傾斜角の変化による抵抗値の変化を特定の電圧に変換する。この出力電圧は、例えば、座面部2と背もたれ部3との間の角度を示す、角度データとしてアナログ/デジタル変換器28に入力される。同様に、低電流回路から座席トラック位置検出センサー10に一定の電流が供給され、座席トラック位置検出センサー10は座席の位置の変化による抵抗値の変化を特定の電圧に変換する。この出力電圧は、例えば、座面の位置を示す、座席位置データとしてアナログ/デジタル変換器29に入力される。このように、傾斜角検出センサー9と座席トラック位置検出センサー10からの出力はそれぞれアナログ/デジタル変換器28と29に入力される。ADC28、29からのそれぞれのデジタル化されたデータはニューラルネットワーク回路25に入力される。重量センサー6と7からのデジタル化されたデータがニューラルネットワーク回路25に入力されているが、アンプ26からの出力もまた比較回路に入力される。ゲート回路アルゴリズムと対応した比較回路は、座席1に搭載された対象物の重量が例えば60ポンドのようなあらかじめ定められた値と比較する。重量が60ポンド以上であれば、比較回路は後に記載するゲート回路に対して論理値1を出力する。対象物の重量が60ポンド未満であれば、ゲート回路に論理値0を出力する。
【0067】
心拍センサー31は、座席に人が座った場合には、座席に座った人の心拍とその大きさを検出するように構成されている。心拍センサー31の出力はニューラルネットワーク25に入力される。心拍センサー31は例えば、McEwanによる米国特許第5573012号と米国特許第5766208号とに開示されて、ここですべてを参照してここに取り込むような形式のものであってよい。心拍センサー31は搭乗者を測定することができる位置であれば座席に対してどのような位置に設けてもよい。好ましい位置の1つは、背もたれの中である。
【0068】
静電容量センサー32は座席1上に何かが搭載されているか否かを検出してその出力はニューラルネットワーク回路25に出力される。この目的に好適な静電容量センサーはKithilによる米国特許第5602734号に開示されている。静電容量センサーは一般的に図2の11−14の位置又は図1に示す位置に設置することができる。
【0069】
モーションセンサー33は座席1に搭載された対象物の動きを検出してその出力が、ニューラルネットワーク25に入力されるように構成されている。モーションセンサーはMcEwanが(米国特許第5361070号に記載してここに取り込む)記載したもの、あるいは同一の発明者による他の多くのもののように、マイクロパワーインパルスレーダーを使用することができる。前出の特許に記載されているように、特定のレンジについて観測することによって動きを感知することができる。MIRは搭乗者の検出に適用することができるレーダーの一形態であり、図2において11−14で示した位置に搭載することができる。これは超音波センサーに比較して、高速で、従って、搭乗者の動きをより簡便に追跡できる長所を有する。すべての搭乗レンジに対して反射波を取得することは超音波の場合よりも困難で、結果としてシステム全体がより効果になる。MIRはさらに、温度変化の影響を受けず超音波の40kHzと同等の分解能を有する利点を有する。より高い超音波周波数に相当する解像度を得ることはできるが、実証されてはいない。さらに、衝突時の搭乗者の動きを高速で追跡することが必要な場合には、時間分割マルチプレクシングによって互いに干渉せずにパルスを照射できるので、複数のMIRセンサーを使用することができる。
【0070】
ニューラルネットワーク回路25は前出の特許および特許出願で参照されている複数のニューラルネットワークに関する文献に記載されているトレーニングを行うことによって搭乗者Aの着座状態を認識することができる。搭乗者Aの着座状態に関してトレーニングを行ってニューラルネットワークの重み付けを開発したあと、システムをテストする。ニューラルネットワーク回路25のトレーニング手順とテスト手順を、図6に示したフローチャートを参照して以下に説明する。
【0071】
図6は、4組の超音波センサーシステム11−14、重量センサー6,7、傾斜角検出センサー9、座席トラック位置検出センサー10を車両に搭載する第1のステップを示すものである(ステップS1)。次に、データをニューラルネットワーク回路25に供給して座席状態のパターンを教育させるために、データはすべての可能な座席状態について記録され、データを取得した座席状態とともにリストが作成される。助手席の特定の着席状態に関するセンサー/変換器6,7,9−14と31−33からのデータは、ベクトルと称する(ステップS2)。傾斜角度検出センサー9、座席トラック位置検出センサー10、心拍センサー31、容量センサー32とモーションセンサー33の使用は、本発明に基づく検出装置と検出方法にとって必須のものではないことに注意する必要がある。しかし、これらのセンサはそれぞれ、単独であるいはそれ以外のものと組み合わせられることによって座席の状態検出精度を向上させることができる。
【0072】
データベクトルに関して、車両室内における、各々異なる姿勢の大人と子供、窓の状態等と、チャイルドシートが空の状態と使用されている状態とが選択された。選択された大人は、太った人、やせた人、小柄、大柄、背が高い、背が低い、めがねの有無など多くのバラエティーに富んだ人が選択された。選択された子供は幼児から大きな子供(例えば、14歳)までの子供が含まれる。さらに、選択された姿勢は、例えば、足を交差させて座席に座った状態、計器パネルに足を上げて座った状態、座って新聞を読んでいる状態、ひざを上げてあるいは上げないで前にかかんだ状態が含まれる。さらに、選択された室内状態は、座席のトラック位置、窓の開閉状態、ヘッドレストの状態、日よけの位置に関して多くのバリエーションが含まれる。さらに、非常に多くのチャイルドシートも出るが前向きの状態や、適当な場合には後ろ向きの状態において使用された。重量とそれに対応する基準化された値は以下に記載するとおりである。
明らかに、本発明において上記とは異なる重量レンジを使用することができ、異なる車両のような状態が異なるごとに重量レンジは調節することができる。重量センサーの出力は上述の重量レンジと直接関連していなくてもよい。例えば、ひずみ測定センサーが車両の座席支持部に設けられた場合には、そのようなセンサーは座席自体の重量を反映したものになる。従って重量からは加えられた重量のみを示すように座席の重量は除かれるのが好ましい。同様に、車両の座席の支持構造のうちのあるもののみにひずみ測定装置を設けることが望ましい。この場合には、搭載された対象物の重量をひずみセンサーの出力から導くことができる。この点については以下に詳細に説明する。
【0073】
これらのバリエーションの組み合わせとして、多くの種類の車両状態を準備して、この実施例の場合には、ほとんど500000以上のベクトルを準備してニューラルネットワークトレーニング用のデータとして使用した。
【0074】
次に、超音波システム11−14からの反射波およびその他のセンサー6,7,31−33からなるトレーニングデータに基づいて、ベクトルデータを収集した(ステップS3)。次に、反射波P1−P4から対象物からの反射時間が短い反射波の最初の部分(レンジゲート)(図5ではT1で示した時間)と、対象物からの反射時間が長い部分を(図5においては時間P2)(ステップS4)除去する。対象物からの反射時間が短い部分はクロストーク、つまり、それぞれの対応する受信装置ChA−ChDからの漏洩に基づく波形によるものであると理解されている。さらに、対象物からの反射時間が長い部分は、助手席から遠い位置の対象物又は重複反射の影響であると考えられる。これら2種類の反射波の部分をデータとして使用すると、トレーニングにノイズを混入させることになる。従って、これらの反射波の部分はデータから除去する。
【0075】
図7(a)に示したように、測定したデータは反射波パルスP1−P4のピーク値が同一になるように正規化する(ステップS5)。このことによって、異なる対象物や人の衣服のような表面材質による反射率の違いを除去することができる。重量センサー、座席トラック位置センサーおよび座席傾斜角センサーからのデータも、典型的には固定された正規化パラメータによって正規化されることがある。
【0076】
従って、超音波変換器、座席トラック位置検出センサー10、傾斜角検出センサー、重量センサー6,7、心拍センサー31、容量センサー32、およびモーションセンサー33からの正規化されたデータは、ニューラルネットワーク回路25に入力され、ニューラルネットワーク回路25はこれらのデータによってトレーニングされる。より正確には、ニューラルネットワーク回路25は、超音波変換器、座席トラック位置検出センサー10、傾斜角検出センサー、重量センサー6,7、心拍センサー31、容量センサー32、およびモーションセンサー33からの正規化されたデータを合計して、既知のニューラルネットワークプロセスに従って、各点のデータポイントに重み付けを行って相関関数を得る(ステップS6)。
【0077】
この実施例の場合には、好ましくは144のデータポイントが、レイヤー1の25の接続点に対して関連付けられ、各データポイントは相互にニューラルネットワークトレーニングと重み付け決定プロセスを介して関連付けられる。当該144のデータポイントは、超音波変換器から測定された138のデータポイント、座席トラック位置検出センサー10からの139番目のデータ、傾斜角検出センサー9からの140番目のデータ、重量センサー6からの141番目のデータ、心拍センサー31からの142番目のデータ、容量センサーからの143番目のデータおよびモーションセンサーからの144番目のデータから構成される。レイヤー1の各接続点は、適切な閾値を有しており、測定データの合計値が閾値を越えると、各接続点はレイヤー2の接続点に対して出力信号を出力する。重量センサーの入力は単一の入力として表現されているが、一般的には、使用されている各重量センサーから個別の入力がある。例えば、座席に4つの座席支持構造があり、各サポートにひずみ測定エレメントが設けられていれば、ニューラルネットワークには4つのデータが入力される。
【0078】
レイヤー2の接続点は20の点を有し、レイヤー1の25の接続点はレイヤー2の接続点に適切に接続されている。同様に、各データはニューラルネットワークの上述の重量決定とトレーニング過程を通じて相互に関連付けられる。レイヤー2の20の接続点のそれぞれは、適切な閾値を有しており、測定された値の合計が閾値を越えると、接続点はそれぞれレイヤー3の接続点に信号を出力する。
【0079】
レイヤー3の接続点は3つの点を有し、レイヤー2の接続点はレイヤー3の接続点に接続されて、各データは上述のように相互に関連している。レイヤー2の接続点の出力の合計が閾値を超えると、後者3の接続点は例えば、それぞれ(100)、(010)および(001)の論理値を出力する。
【0080】
各接続点の閾値の値は、重み係数をかけて順次結果を足し合わせることによって得られ、上述のトレーニング過程は閾値(ai)があらかじめ設定された出力になるように重み係数Wjを決定することに相当する。
ai=ΣWj/Xj (j=1からN)
ここで、Wjは重み付け係数であり、Xjはデータの値、Nはサンプル数である。
【0081】
このトレーニング結果に基づいて、ニューラルネットワーク回路25は相関関数の係数の重み付け又はアルゴリズムを作成する(ステップS7)。
【0082】
ニューラルネットワーク回路25が必要な数のパターンをトレーニングされたあと、テストデータを用いてトレーニングの結果をテストする。このテストデータに基づく座席状態検出の正解の数が不十分であれば、ニューラルネットワーク回路はさらにトレーニングを受け、テストが繰り返される。この実施例の場合には、テストは約600000のテストパターンに関して行われた。テストの正解率が約98%に達したときにテストを終了した。
【0083】
ニューラルネットワーク回路25は出力25a、25bと25cを出力する。各出力25a、25b、25cはゲート回路又はアルゴリズム30に対して、論理0の信号を出力する。出力25a、25b、25cからの信号に基づいて、(100)、(010)、)(001)の組み合わせのうちのいずれかが得られる。別の好ましい実施例では、トレーニングの組み合わせから空席に関するすべてのデータを除去して、空席の状態は重量センサーだけに基づいて決定される。このことによってニューラルネットワークを単純化して精度を向上させることができる。
【0084】
この実施例では、出力(001)は空席、動かない物体が搭載された状態あるいはペットが乗っている状態(VACANT)に対応し、出力(010)は後ろ向きのチャイルドシート(RFCS)又は不正常な姿勢の搭乗者(ASP)に相当し、出力(100)は正常に着席している搭乗者(NSP)又は前向きのチャイルドシート(FFCS)に相当する。
【0085】
ゲート回路(座席状態評価回路)30は、当業者であれば電子回路としてあるいはコンピュータアルゴリズムとして実現できるので、ここでは詳細な説明を省略する。ゲート回路30の機能は、超音波センサーと座席位置センサーだけが使用されたときにしばしば問題になる不明瞭性を取り除くことである。この不明瞭性とは、前向きのチャイルドシート(RFCS)と不正常な姿勢の搭乗者(ASP)との識別、正常な姿勢の搭乗者(NSP)と前向きのチャイルドシート(FFCS)との識別が時として困難なことを意味する。重量が60ポンド以上であるか否かに基づいてスイッチとして機能する1つ以上の重量センサーを追加することによって、この不明瞭さは除去できることが発見された。従って、ゲート回路は、ニューラルネットワークの出力と重量センサーからの重量が60ポンドを超えるか否かを考慮して、これによって上述の2つの状態を区別して5つの出力を行う。
【0086】
ゲート回路30は、ニューラルネットワーク25からの3種類の評価信号とそれに重ねて重量センサーからの情報を用いて、5種類の異なる座席状態の評価信号を出力する役目を果たす。5つの座席状態評価信号は、エアバッグシステムの一部であるエアバッグ起動決定回路に入力されるがここでは記述しない。当然、上述の特許と特許出願に記載されているように、このシステムの出力は、種々のライトやアラームを起動して車両の運転者に座席状態を指示することもできる。ここに記載したシステムは助手席側であるが、このシステムのほとんどは運転席にも適用できることは当然である。
【0087】
この実施例では、ニューラルネットワーク回路25が評価回路として採用されたが、相関関数の係数のマッピングデータはマイクロコンピュータに転送または埋め込んで、評価回路を構成することもできる(図6におけるステップS8を参照)。
【0088】
本発明の座席状態検出ユニットによれば、空席(VACANT)、後ろ向きのチャイルドシート(RFCS)、前向きのチャイルドシート(FFCS)、正常な姿勢の大人の乗員(NSP)、不正常な姿勢の大人の搭乗者(ASP)の識別信頼度が高い。これらの識別に基づいて、車両のコンポーネント、システムやサブシステムを制御することが可能である。例えば、エアバッグの吸気と排気をレギュレーションバルブを、評価された座席状態の識別に基づいて制御することができる。レギュレーションバルブはアナログ形でもデジタル形であってもよい。気流の制御は、例えばデューティサイクルのようにバルブの開閉時間を制御することによって行うことができる。
【0089】
さらに、上述の座席状態検出ユニットは、コンポーネント調節システムと、座席に人が乗っていることが検出された場合には以下に述べるような方法で使用することができる。
【0090】
本発明に基づくコンポーネント調節システムと方法は、座席に搭乗した人の形態に基づいてコンポーネントを自動的かつ受動的に調節するものである。すでに述べたように、調節システムは上述の座席状態検出ユニットを具備し、座席状態検出ユニットが座席に大人又は子供が乗っていることを検出したときに起動される、つまり、調節システムは座席にチャイルドシートが乗っているか動かない者が乗っていることを検出したときには作動しない。同様のシステムによって、車両の運転席やそれ以外の席を含むどの席の調節を行うこともできることは当然である。この調節システムは、上述の座席状態検出ユニットを用いることができる、つまり、同じコンポーネントが座席状態検出ユニットと調節システムに共通の部分、例えば重量検出手段を有することもできる。
【0091】
ここで記載した調節システムは、従来技術のものに比較して改善されているにもかかわらず、2人の人間がまったく同様ではあるが、好みの運転姿勢やコンポーネントの位置や方向の調整について好みが異なっている場合には十分に適切なものとはいえない。従って、コンポーネントを自動的に調節するシステムは、これらの間違いから学習する必要がある。例えば、新しい人が座席に座ったときには、当該搭乗者の最もよいコンポーネントの位置をシステムは自動的に推定して、搭乗者がこの位置にいなければ当該位置に搭乗者を動かす。搭乗者が位置を変更すれば、システムはその変更を記憶して同じ人物が車両に登場して同じ座席に着席したときにこの調整を行わなければならない。従って、システムは最初の回に完璧な設定を行う必要は無いが、その人物とその人物に対するコンポーネントの位置を記憶する必要がある。従って、システムは、搭乗者の1,2、又は3つの形態的な特徴を測定し、アルゴリズムに基づいてコンポーネントを調節する。搭乗者が調節を修正すると、システムが次回同じ測定結果を得たときに、コンポーネントを修正された後の位置に設定する。このようにして、本発明に基づくシステムがもっとも有効なのは、運転者が感知する能力に関する部分、つまり、ミラー、シート、ハンドルとハンドルカラム、アクセルクラッチおよびブレークペダルである。
【0092】
第1の測定する特徴は搭乗した者の座面からの高さである。この測定は車両の天井に設けたセンサーによって行うことができるが、座席の位置が同じであっても、搭乗者の頭部の位置は座席に対して必ずしも同じ角度ではなく、従って、天井に設けたセンサーからの角度は、少なくともセンサーが1つである場合には、一般的にいって未知であるために困難である。この問題は以下に記載するように2つ又は3つのセンサーを使用することによって解決することができる。最も簡単な解決方法はセンサーを座席に設けることである。前記’320特許では、ヘッドレストに搭載されたセンサーを具備する後部衝突乗員保護装置が開示されている。このシステムは、座席からの搭乗者の高さを測定することができるので、前記’320特許に開示された後部衝突乗員保護システムが装備されていればコストの増加なしに、搭乗者の第1の形態的特長の測定を行うことができる。適用によっては、同じ背丈の運転者が2人いることは考えにくいので、この測定で十分である。それ以外の場合には、さらに1つ以上の測定が行われる。
【0093】
次に図8に示すように、座席を調節する自動調節システム(車両のコンポーネントの例として使用したに過ぎない)100は、可動ヘッドレスト111と、搭乗者の座席からの高さを測定するための超音波センサー120と超音波受信機121とを有する。モーター191,192,193のような動力手段が座席に設けられて座席の基部を動かし、制御回路、システム又はモジュールのような制御手段が、サーボモータであってもよいサーボモータ160,170を使用したモーターとヘッドレスト駆動機構が図示されている。座席110とヘッドレスト111は透けて見えるように示した。ヘッドレスト111の鉛直方向の動きは、制御モジュール150からサーボモータ160にワイヤ131を通じて信号が送られたときに行われる。サーボモータ160は、部材164に形成されたねじ孔と螺合したリードねじ162を回転させてリードねじ162の回転方向によって、これを上下に動かす。ヘッドレスト支持棒165と166は部材164に取り付けられており、部材164とともにヘッドレスト111を上下に移動させる。このように、ヘッドレストの上下方向の位置は矢印A−Aで示したように制御することができる。超音波照射装置と受信機120,121は例えば電磁的な、動的赤外線照射装置と受信装置のような適切な波動発生および受信装置によって置換してもよい。
【0094】
コントロールモジュール150からリードねじ172を回転させるサーボモータ170にワイヤ132がつながっている。リードねじ172は透けて見えるように表現した座席の支持構造に取り付けられたシャフト173の溝孔と螺合している。リードねじ172の回転は、サーボモータ160が搭載されたサーボモータ支持部161を回転させ、このことによって座席110の溝168と169に収容されたヘッドレスト支持ロッド165と166を回転させる。サーボモータ支持部161の回転は、サーボモータ支持部161が搭載されているロッド171によって容易に行えるようになっている。このように、ヘッドレスト111は矢印B−Bで示したように前後に動かされる。ヘッドレストを上下および前後に動かすための別の設計も可能であることは当然である。
【0095】
システムの作動を以下に記載する。上述のようにニューラルネットワーク回路25によって決定される制御システムとヘッドレストを有する座席に大人又は子供が着席すると、超音波照射装置120が超音波エネルギーを照射して、当該超音波は搭乗者の頭部によって反射された受信機121に受信される。制御モジュール150に搭載された電子回路は、超音波パルスの照射から受信までの時間差に基づいて搭乗者の頭部までの距離を決定するマイクロプロセッサを有する。制御モジュール150はニューラルネットワーク回路25と同じマイクロプロセッサにあってもよいし、別でもよい。ヘッドレスト111は搭乗者の頭部の位置を発見するまで上下に動き、搭乗者の頭部の位置を発見するとその位置にとどまる。超音波パルスの照射から受信までの時間遅れに基づいて、当該システムはヘッドレストから搭乗者の頭部までの前後の距離を決定することもできる。頭部は超音波センサーの真正面に位置するとは限らないし、搭乗者は帽子をかぶっていたり、襟の高いコートを着ている、あるいは大きな髪型であるかもしれないので、この前後方向の距離測定には誤差が混入する可能性がある。
【0096】
搭乗者が座席110に乗った時に、ヘッドレスト111は上述のように搭乗者の頭部の頂部を発見するために動く。これは制御回路150の一部であるアルゴリズム又はマイクロプロセッサを使用して行うことができる。ヘッドレスト111は次に前記’320特許に記載されているような後方からの衝突保護に最適な位置へ移動する。搭乗者の高さが測定されると、制御回路150の中の別のアルゴリズムが搭乗者の測定された高さと全員の値を示したテーブルと比較して、この表に基づいて搭乗者の高さに対して適切な座席位置が選択される。例えば、搭乗者の座面からの高さが33インチであれば、これは、特定の座席と、人の測定結果の統計的な表に基づけば85%人間である。
【0097】
具体的な車両モデルを注意深く検討することによって、搭乗者の目を「目の楕円」に位置付けられた目の適切な座席の位置、当該搭乗者が快適に操作できるハンドルの位置、搭乗者が足で快適に操作できるペダルの位置を搭乗者のサイズに基づいて決定することができる。
【0098】
制御回路150によって適切な位置が決定されると、モーター191,192と193に信号が送られて座席をその位置へ移動させる。座席の位置が決定されてから後の設定時間の間に、搭乗者がこれらを再調節すると、座席の新しい位置が制御回路150の中の第2のテーブルに当該搭乗者の高さのクラスとともに記憶される。搭乗者が再度座席に座ってその高さが再度決定されると、制御回路は、最初の表よりも優先されるべき第2のテーブルのデータを読み出して、座席は調整後の位置を再現する。搭乗者が車両から離れたとき又はエンジンが止められてドアが開けられたときは、座席は車両への乗降が容易な中立位置に戻る。
【0099】
座席110は座席110とヘッドレスト111の位置をマニュアルに制御するための2つの制御スイッチ部180と182とを有する。座席制御スイッチ180は、アルゴリズムが設定した座席位置が気に入らなければ、搭乗者が位置を調節できるようにするものである。ヘッドレスト制御スイッチ182は、アルゴリズムが設定したヘッドレストの位置が、頭部に近すぎるか遠すぎて快適でないような場合に、この位置を調節するためのものである。大きな髪型の女性は、自動的に調節されたヘッドレストは髪に触ると感じる可能性がある。この調整は彼女にとっては不快で、ヘッドレストを頭からずっと遠くにおく可能性がある。特定の搭乗者の座席位置を記憶する座席メモリーシステムを有する車両の場合には、搭乗者の頭に対するヘッドレストの位置もまた記憶される。後に、搭乗者が車両に再度乗ったとき、座席は自動的に記憶された好みの位置になり、ヘッドレストもまた同様に自動的に調節される(図17B)。
【0100】
搭乗者の高さはおそらく第1の形態的特長としては最も優れたものであるが、特に2人の運転者がほぼ同じ背丈の場合には、これらを区別するには不十分である。第2の特徴として、搭乗者の体重を図8に示した座席に変位又は重量センサー200を設けた状態を示す斜視図である図9に示したように種々の方法で搭載したセンサーによって決定することができる。変位センサー200は支持部202と204によって支持されている。図9に示した装置を9A−9A線に沿って切断した図9Aによれば、座席230はフォーム層232からなりこれが変位センサー200と接するスプリングシステム234によって支持されている。変位センサー200は、一端がサポート210と反対側の変位センサー220に保持され長いケーブル205を有する。この変位センサー220はリニアレオスタット、リニア可変差分変換器(LVDT)、リニア可変キャパシタ、あるいは長さ測定のためのこれ以外のいずれかの装置であってもよいがこれらに限定されるわけではない。あるいは、当該ケーブルの代わりに、スプリングを用いて、スプリングの張力をひずみゲージ又はその他の荷重測定装置で測定するか、座席支持構造のひずみを以下により詳細に記載するように1つ以上の座席支持部に設けたひずみゲージによって測定することもできる。図9は座席デザインの1つを示すものである。同様な重量測定システムのために別のデザインをすることは可能である。座席の上面236又はその近傍での圧力測定に基づいて重量を近似的に測定する製品を入手することができる。搭乗者の体重の一部は床面やペダルに置かれた足によって支えられているので、ここで測定される体重は搭乗者の全体重ではないことに注意する必要がある。上述のように、重量は座席状態検出ユニットに関してすでに述べた重量センサー6,7によって測定することもできる。
【0101】
座席の表面236に重量が加わると、その体重はスプリング234に支持され、スプリングは下向きに変形してセンサー200のケーブル205を軸方向に引き伸ばす。長さ測定装置の例としてLVDTを使用して、ケーブル205はロッド221を引いてロッド221をシリンダ223から抜き出す(図9B)。ロッド221のシリンダ223から抜け出す方向の動きはスプリング222による抵抗を受け、重量が座席の表面236から取り除かれたときにはロッド221をシリンダ223に戻る。ロッド221がシリンダ223から引き出された量が、当業者には周知のように、変換器の巻き線226と227とのカップリングの量として測定される。LVDTは市販されている装置である。このように、座席の変形を測定して、座席に搭載された重量の測定値とすることができる。重量とLVDT出力の正確な関係はこの適用に関して一般的に実験によって決定される。
【0102】
重量と高さとの関係を用いて、車両の運転者を一群の運転者から識別することは、一般的に可能である。従って、特定の運転者が最初にその車両を使用したとき、座席は自動的に適切な位置に設定される。運転者が所定の時間内に位置を修正すると、新しい座席の位置が第2の表中に、運転者の高さと体重とともに記憶される。同じ運転者が車両に再度乗ったときに、その高さと体重が再度測定されると、座席は第2のテーブルがもしあればこれに従って位置付けられる。それ以外の場合は、第1のテーブルに基づいて位置が決定される。
【0103】
当該システムはほとんどの場合には適切である2つの形態的な特徴に基づいて運転者を識別する。上述の特許出願に記載された追加の車両ないモニターシステムが使用されると、運転者のさらに別の形態的な特徴を測定することが可能になり、運転者の識別精度をさらに向上させることができる。盗難や安全の目的のためには2つの特徴では十分ではないが、座席位置に加えて非常に多くのそれ以外の好みをこのレベルの搭乗者認識制度で実現することができる。これらには、ラジオ局の自動的な選択、車両温度、ハンドルとハンドルカラム位置の選択などが含まれる。
【0104】
高さと体重だけを使用することの利点は、すべての測定点が座席内に治まるので、座席製造業者が頭上の内張り製造者あるいはその他の部材の製造業者と連携する必要を排除することができることである。特定の車両を通常運転する運転者を識別するためには、この2つの特徴に基づくシステムで十分である。このシステムのコストは、現在使用されているメモリーのコストを若干上回るだけであり、受動的、つまり、搭乗者が最初に調整を行ったあとには搭乗者は何もする必要が無い。
【0105】
搭乗者の高さと体重を測定する代わりに、形態的な特徴のうちの何らかの2つを測定することは可能であり、トレーニング段階で、座席の状態と、つまり、大人の搭乗者、子供の搭乗者等と、2つの形態的な特徴を関連付けさせることができる。この関係はニューラルネットワークに記憶させて、使用に際しては、この2つの形態的な特徴を測定して、座席の使用状態を決定することもできる。
【0106】
もちろん、車両の別の場所に変換器を備えるなど運転者の高さを測定する他の方法もある。図10は別の方法をいくつか示したもので、2つの高さ測定センサー320,321を示した側面図であり、センサー321は上部のライナーの中に、他のセンサー320はA−ピラーの中に設置されている。ここで使用されているセンサーは、2つの変換器(つまり送信機と受信機)又は送信と受信が可能な1つの変換器であってもよい。頭上の内張りは、車両の屋根の部分の内張りであり、Aピラーは前面ウインドウの両側にある車両の前のドアが取り付けられている部分で屋根を支持する部材である。これらの変換器は、前出の特許出願に記載されているような車両の内部識別およびモニター装置のために車内にはすでに装備されているものである可能性がある。この場合には、2つの変換器を使用することによって運転者の頭部の位置をより性格に決定することができる。変換器321を単独で使用すると、頭部の方向にかかわらず変換器はその距離を測るのでその正確な位置は不明瞭になる。変換器320から頭部までの距離を知ることによって、不明瞭さは顕著に小さくなる。この論理は当然ながら使用する超音波変換器に依存する。前出の特許に指摘されているように、CCDやCMOS配列を使用した光学変換器の値段が下がってきており、車両の室内モニターのための技術として選択肢の1つになるであろう。例えば、160x160のピクセルを有する単一のCCDアレイと適切なパターン認識ソフトウエアを組み合わせると、搭乗者の頭部の写真を構成して本発明の目的のために頭部の位置を正確に決定することができる。
【0107】
図10はシートベルト330の上部アンカー点331が調節可能で、自動的にモータ332によって搭乗者の高さに基づいて適切な位置に位置付けられるシステムを図示するものである。この特徴と適切な制御回路のための計算部は、制御モジュール301内に設けられていてもよいし、適切であればそれ以外の位置にあってもよい。
【0108】
今日のラグジュアリーカーの多くは背もたれの角度調整とともに、ランバーサポート調整機能を有している。これらの追加的な座席の動きもまた本発明の座席調節システムによって制御することができる。図11は図8に示した座席において、背もたれの角度とランバーサポートの調節をするためのモーター481と482を示したものである。この例の場合には、3つのモータ482がランバーサポートを調節するために使用されている。これらの追加された動きについても図8に関してすでに述べた手順が使用される。
【0109】
最初の表は、人口の種々の人に対する最適位置に基づいて決められる。例えば、適用によっては、表は、6つの可能な座席の動き、つまり、前後、上下、座席の全体的傾斜角と背もたれの傾斜角、ランバー位置とヘッドレストの位置のそれぞれに対する人口の5%ごとの設定値を有するものであり、120の値を有する。第2の表も、同様に、特定の運転者が選択した6つの位置に関する好みの値を収容することができる。
図8は、超音波変換器120と121が一方が送信装置であって他方が受信装置であるとして記載した。しかし、適用によっては送信機であって受信機である変換器を使用することが好ましい場合もある。同様に、第3の、組み合わせ送受信機122が図11で使用されている。この構成によれば、位相アレイシステムの多くの利点を享受することができる。
【0110】
変換器の角度に関する精度は波長の変換器の直径に対する比に比例する。3つの送信機と受信器を使用すると、等価な単一の送信機と受信器の直径は、おおよそ2つの変換器の間の距離のもっとも短いものと同じである。この場合には、等価な直径は変換器120と121との距離は120と122との距離と同じである。これによって、変換器によって送信される信号の位相を制御することではるかに高精度が得られ、超音波ビームの等価方向を制御することができる。運転者の頭部をはるかに精度よく読みとることができ、使用者の頭部のマップを作成することができる。この技術とニューラルネットワークのような適切なパターン認識アルゴリズムを併用することで、運転者の頭部の正確な位置を、頭部が帽子、コートや髪型で不明瞭になっていた場合にも測定することができる。このことによって搭乗者をさらに識別することができる少なくとも1つの識別用形態特性が得られる。これは、運転者の頭部の直径である。
【0111】
搭乗者の体重を知れば、自動車とトラックの座席デザインをさらに改善することができる。特に、座席の剛性は体重の重い人にも軽い人にも同程度の快適性を実現するように調節することができる。現在までは非常に無視されていた、搭乗者のダンピングもまた、図8に示した座席に座席の剛性とダンピングを調節するための多くの構成のうちの1つを追加して示した図12のように、即座に調節することが可能になる。座面520に、コンテナー515が設けられており、従来のフォームとスプリングからなる構造はオープンセルのウレタンフォームが充填された円筒形のインターコンテナ518を収容したエアマットレス状の直方体の空気を有するコンテナが設けられている。調節可能なオリフィス525が2つのコンテナ515と518とを連結しており、両者の間を制御された空気が流れることができる。オリフィス525の開口の大きさは、制御回路150によって制御することができる。小型のエアコンプレッサ555が制御回路150の制御の下でコンテナ515の内部の圧力を制御する。圧力変換器560はコンテナ515の内部の圧力をモニターしてこの情報を制御回路150に入力する。
【0112】
システムの動作を以下に記載する。搭乗者が座席に着席すると、座席のコンテナ515の圧力が上昇し、搭乗者の体重を正確に測定することができる。制御回路150は、アルゴリズムとマイクロプロセッサを使用して、座席の適切な剛性を決定してその剛性が得られるように圧力を加える。圧力は2つのコンテナ515と518との間ではエアオリフィス525を介して均一化される。制御回路150は又、搭乗者の適切なダンピングの値を決定して、このダンピングが得られるようにオリフィス525を調節する。車両が道を走行するにつれて、道路の凹凸によって座席が上下し、搭乗者が座席に加えている力によって空気の圧力はコンテナ518の中で上下するが、搭乗者は主として518の上に座っており、コンテナ515はコンテナ518よりもはるかに大きいので、コンテナ515の圧力はコンテナ518ほどには変動しない。座席の大きな変形はまずコンテナ518で発生してその圧力がオリフィス525を通ってコンテナ515に伝達される。オリフィスの開口の大きさが2つのコンテナの間の空気の流量を決定し、従って搭乗者の動きに与えられるダンピングを決定する。この開口は制御回路150によって制御されているので、ダンピングの値も同様に制御される。従って、このような単純な構造によって、剛性とダンピングの両方を特定の運転者にとって最適値に制御することが可能である。運転者が制御回路150で定められた設定値が気に入らなければ、変更して剛性を高く又は低くできることは当然である。
【0113】
座席の剛性の変更は変形の変化に対する力の変化の割合である。この点は多くの理由で重要であるが、その1つは、座席と搭乗者の組に対する固有振動数を制御することである。搭乗者の上下動を最小にするには、この固有振動数が多くの理由によって車両から座席に伝達される振動数とは異なるようにすることが重要である。ダンピングは搭乗者の動きに抵抗する力であり、搭乗者と座席の底部との相対的な動きの速度に比例する。このようにダンピングはエネルギーを取り除いて搭乗者の震動を小さくする。これらのファクターは、運転者の座席と運転者そのものの上下動がトラック運転手の間に深刻な背中の痛みを生じさせているトラックに関しては非常に重要である。
【0114】
自動車においては、搭乗者の目の位置とペダルの位置との間の最適な上下間の距離はおよそ固定されている。運転者の目から足までの距離はすべての人について同じではない。今は、それぞれの運転者はその個性を座席を動かして足と体の角度を変更することによって吸収している。小さい運転者と大きな運転者にとって、この偏差は完全に吸収することはできず、従って、彼らの目の位置は最適な位置にきていない。同様の問題は、ハンドルの位置に関しても存在する。この問題を解決するために、ペダルとハンドルカラムは、運転者の形態に基づいて自動的に調整されるハンドルカラムとペダルシステムを有する運転席と運転者を示す図10に類似の図面である図13に示すように、動かすことができなければならない。図13では、モーター650が接続されており、ハンドルカラムの位置を調節し、別のモーター660が接続されてペダルの位置を調節する。両方のモーター650,660は制御回路150によって制御され、基本的な表はペダルとハンドルカラムの位置に関する値を含む。
【0115】
上述の特許出願で記載されている多くの車両室内識別とモニタリングシステムを利用していれば、車両の室内には多くの送信および受信変換器が設けられている。これらの変換器のうちのいくつかが超音波送信および受信装置であれば、これら配送アレイ方法に従って使用することができ、正確な距離測定とコンポーネントのマッピングを行うことができる。このことが、多くの送信および受信装置700−706を有する乗員室の内部を示す斜視図である図14に記載されている。さらに、符号化された信号を使用して変換器相互間で、超音波を使用して車両室内で情報を交換することができる。これらのセンサーのうちの1つが光学CCDセンサーまたはCMOSアレイであれば、運転者の目の位置を正確に決定してその結果を超音波を使用して座席に送信することができる。他にも多くの可能性があることは当然である。
【0116】
上記に記載の眼の楕円は、図1に類似の図15の810部分として図示した。図15には、搭乗者の両目、及び、フロントガラスとバックミラーから適切に見ることができるための特定の垂直位に両目が位置するようにシートが調節されている状態が図示されている。車両の安全と運転の容易化を改良すべく、多くのシステムが現在開発途中である。例えば、車両の前方の道路の像を補強して、「ヘッド・アップ・ディスプレイ」によってこれをフロントガラスへ投影するライト・ビジョン・システムが試験中されている。当該システムに係る問題点は、投影された像がフロントガラスを通じて見た像と正確には一致しないことである。この視差は、運転手を混乱させる原因となり、また、運転手の目の位置が正確に認識されていない限りは、訂正されない。この問題を解決する一つの方法が本明細書に記載の受動的座席調整システムを使用し、搭乗者の目の位置を上記のように適切な位置に配置することである。この方法が実施されれば、当該視差の問題を解決するだけではなく、バックミラーに対する目の位置も適切に配置されるので、車両の後方の様子を正確に見るために運転手が調整をしなくてはならない場合についても、例えあるとしても、殆んど調整を要しない。
【0117】
搭乗者の位置を判断し、当該搭乗者の位置に基づいてエアバックの配置を調整するシステムが幾つか開発中である。これらのシステムは、「スマート・エアバック」と呼ばれる。図16に図示されるように、本発明の受動的座席制御システムは、この目的にも使用することができる。図8と類似するこの図は、膨張したエアバック900、及び、衝突中におけるエアバックのガスの流出並びに流入双方を制御する構成を示している。この制御のための判断は、ヘッドレスト内に設けられた高さセンサー120、121並びに122、座席内の重量センサー、及び制御回路150が認識している座席位置に基づいてなされる(図8、9及び9A参照)。その他のスマート・エアバックシステムにでは、超音波又は光学センサーを使用した様々な位置センサーから判断された搭乗者の位置のみに基づいている。
【0118】
重量センサーと高さセンサー、及び搭乗者の位置センサーによって決定された車両に係る搭乗者の速度によって、搭乗者のエアバック衝突中においてエアバックが吸収するために必要なエネルギー量についての情報が得られる。この情報は、装備中のエアバックに注入するべきガス量や、搭乗者が衝突の間エアバックと接触している際のエネルギー浪費率を制御する出口オリフィスのサイズを決定する際に、エアバックに対する搭乗者の位置情報とともに使用される。例えば、体重の重い搭乗者である場合、エアバックのガス量、つまりは当初の圧力は上昇させて、搭乗者の相対動作を停止させるためにより大きな力を具備することが望ましい。同様に、出口オリフィスから出るガスを抑制する圧力はより大きいであろうから、搭乗者の相対速度が停止する前にエアバックの底部に達してしまうことを防止するべく、出口オリフィスのサイズも縮小されるべきである。
【0119】
エアバックに注入するガス量を変える方法は多く、そのうち幾つかは、特許文献に掲載されており、例えば、発生ガス量と発生率が制御可能なインフレータを挙げることができる。例えば、アライド・シグナル・コーポレイションが製造するあるハイブリッド型インフレータでは、2つの点火電力がインフレータ内部の蓄積ガスを熱するために利用可能である。点火電力の双方又は何れかを点火することができ、点火の時期を調節することによって、エアバッグに流入するガスの比率は、顕著に変化する。
【0120】
伝統的に、エアバッグからのガス流出は、バッグの布に設けられ、固定された直径を有するオリフィスを通じてなされている。エアバッグの外側に適用される噴出しパッチ等の手段を使用した制御手段を提供する試みが幾つかなされてきた。その他のシステムについては、1989年9月2日に出願され、現在は放棄されている米国特許出願第07/541,464号に開示されている。図16Aには、ガスを発生し、制御バルブ920を通じてエアバッグ900を充填するインフレータ910の概略図が図示されている。エアバッグ900のガス流出は、出口制御バルブ930によって制御される。当該バルブ930は、様々な多くに態様のものを得ることができ、例えば、インフレータに隣接して配置され、モーターによって作動し、エアバッグと流動的に接触しているバルブや、上記のディジタルフロー制御バルブが挙げられる。制御回路150が搭乗者の大きさと重量、及び搭乗者の着座位置と相対速度を決定すると、制御回路150と連結した出口バルブ930について適当な開口を判断する。そして、制御回路150から当該バルブを制御するモーターへ信号が送信され、適当に開口がなされる。
【0121】
同様な方法で、その他のバラメータも調整される。例えば、エアバッグの方向については、運転手に対するハンドルの角度や位置を適切に配置することによって調整することができる。シートベルトのためのプレテンショナーが装備されている場合に、シートベルトの張力、又はフォースリミッターが装備された場合のシートベルトが巻き込まれる力について、本発明のシステムによって決定される搭乗者の形態的特長に基づいて調整することができる。
【0122】
一度、運転手の形態や着座状態が認識されると、車両内の他の多くの物体も自動的にその搭乗者にあわせて調整される。自動微調整可能な座席、アームレスト、カップホルダー、携帯電話その他、運転手が触れるいかなる物体も、運転手に対応できるように移動することができる。この点については、更に、ラジオ局や室温等、上記記載の個人嗜好の事項についても該当する。
【0123】
本発明のシステムがひとたび導入されると、疲労の軽減や運転手の座席上での変化に対応できる自動微調整シート、又は一日の時間帯に基づいて自動的に位置を微調整するシート等、更なる機能が可能となる。多くの人が、例えば夜間には、背筋を伸ばした状態で着座することを好む。認識した搭乗者の形態に基づいてその他同様な改良が可能であることは、当業者にとって自明であろう。
【0124】
上記に記載のコンポ−ネント調整システム及び方法において、測定されることができる占有物の特徴の一つがその物の重量である。以下では、上記のシステム及び方法において使用可能な重量測定器具の例の幾つかを非制限的な態様で説明する。
【0125】
図18に図示された重量測定器具の第一の実施態様では、4つのひずみゲージ重量センサー又は変換機が使用されており、一方の2つが座席支持構造の取り付け金具の片側上にある1010及び1011に図示されており、他方の2つが同支持構造の他方の取り付け金具上にある同位置に図示されている(つまり、同支持構造の他方側の対応位置に隠れている)。座席支持構造は、車両のフロアパン等の基板上の座席を支持する。ひずみゲージ変換機1010と1011の各々は、増幅器、アナログからデジタル変換機、フィルター等の電子信号調整装置を具備し、それとの関連から、変換機からの出力は、デジタル信号である。
当該電子信号は、変換機1010から1011へワイヤ1020を通って伝達される。同様に、ワイヤ10201によって、変換機1010及び1011の出力は、同列にある隣の変換機(隠れた変換機の一つ)へ伝達される。さらに、ワイヤ1022によってこれらの変換機からの出力が4つ目の変換機(隠れた他方の変換機)へ運搬され、最後にワイヤ023によって、4つのデジタル信号全てを電子制御システム又はモジュール1030へ運搬される。これらの信号は、当業者に周知の時分割多元信号、又は、周波数分割多元信号である。モータ1040が制御する座席位置は、本明細書で参考文献として取り込んだ米国特許第579,576号に詳細に記載されている。最後に、座席は、支持構造上に図示していないボルトによってボルト締めされており、当該ボルトは、両取り付け金具の複数の穴1050を通って座席を接合する。
【1026】
信号調整電子器、アナログからデジタルへの変換機、その他適当な電子回路をひずみゲージ要素に隣接して配置することによって、4つの変換機を連鎖させ、そうでない場合には、接合させることができるので、これら変換機とその他の関連電子機器の稼動電力を供給するためだけではなく、制御モジュール1030にこれら変換機を接続するためにたった1つのワイヤを以って足る。
【0127】
マイクロプロセッサ等の制御システム1030が配置されており、変換機1010及び1011からデジタル信号を受信し、当該信号に基づいて座席の占有物の重量を決定する。換言すれば、変換機1010及び1011からの信号は、制御システム1030によって処理され、座席占有物の重量、つまりは、座席支持構造上の占有物からの力が表示される。
【0128】
手動制御の座席構造の典型例が図19で図示されているが、詳細については、米国特許第4,285,545号に記載がある。座席1056とスライド機構1058の間で角度付けられた直方体管状構造1060等の支持部材を介して、座席1056は、座席後部の一組のスライド機構1058に接合されている。シート1056の正面は、筐体1064と交わるスライド部材1062等の更なる支持部材を介して、車両に接合されている。スライド機構1058及びスライド部材1062は、基盤、つまりフロアパン上に座席を取り付ける支持構造を構成している。この実施のために、ひずみゲージ変換機が1065及び1066に取り付けられており、ひずみゲージ変換機1065は、各管状構造1060(1つだけ図示)に、ひずみゲージ変換機1066は、スライド部材1062に取り付けられている。ある占有物がシートクッション(図示せず)に配置された場合、支持部材1060と1062には、歪みやひずみが発生する。このひずみは、変換機1065と1066それぞれによって測定され、座席を占める物の重量判断が可能となる。より特定すれば、制御システム若しくはモジュール又はその他の互換性ある処理ユニット(図示せず)が電気ワイヤ等を介してひずみゲージ変換機1065、1066に連結し、測定されたひずみを受領し、座席の占有物の重量判断に利用する。
【0129】
図19Aには、座席支持構造の代替実施態様が図示されており、これには、支持部材上の角を橋渡しするための1つのガセットが付加されている。このガセット1068上にひずみゲージ変換機1069を配置した。ガセット1068は、支持部材ではないから、座席支持部材1060よりも厚みをかなり薄くすることが可能である。座席には占有物が積まれるので、座席支持部材1060は湾曲する。ガセット1068は、比較的弱く、支持部材に対してよりも強いひずみがガセットに発生することとなる。このようにより強いひずみが発生することによって、ひずみゲージ動的範囲をより効率的に利用することが可能となり、以って、重量測定の精度を向上させることができる。
【0130】
図19Bは、図19に図示された座席横軸方向の座席支持部材1070が図示されており、当該支持部材は、基礎クッション下で、座席の相対する両側面の間を延びて配置されている。当該支持部材1070には、車両座席が直接負荷されるので、占有物からの力、又はその重量の平均測定値を得ることができる。支持部材1070の歪み又はひずみの測定は、取り付けられた支持部材1070上にこのためにひずみゲージ変換機1072によってなされる。幾つかの適用においては、座席クッションの下の前後方向の全空間を占める。本明細書では、比較的細幅の部材として図示している。ひずみゲージ変換機1072は、電気ワイヤ(図示せず)等を介して、測定されたひずみを利用して座席の占有物の重量を決定する制御モジュール又はその他処理ユニット(図示せず)に連結している。
【0131】
図19では、支持部材160は、直方体の管として図示されている。図20A乃至20Cに図示した構造では、この直方体の管状構造が円筒状の管を代わりに使用しており、ここでは、当該支持部材の低部のみが図示されている。図20A乃至20Cには、ひずみゲージシステムの精度、つまり、ひずみゲージ変換機によるひずみの測定の精度を向上させるための3つの代替方法を図示している。いずれの場合においても、変換機を1065として、図19の支持部材1060に対応する支持部材を1060Aと表示している。図20Aにおいては、管1060Aは、切断されて、長手方向に相対する端部を有する2つの別個の管が形成されており、更に、管部分1074が溶接等によって当該2つの管の末端部に接合されている。この態様においては、より精密な管部分1074を使用することが可能で、管部分1074上に取り付けられた変換機1065によってより精確なひずみ測定が可能となる。図20Bでは、管の支持部材1060Aは、その一部分を円周状に切除されている。このように切除することによって、ひずみゲージ変換機1065が管のひずみを測定している位置の当該管の直径を調整することができる。換言すれば、ひずみゲージ変換機1065は、その部分の管の直径が残余部分の管の直径よりも小さい部分に配置される。この切除の目的は、管1060Aの有する直径に誤差が生じた場合、これを修正することである。切除の程度は、当該構造部材を過剰に弱めることがないように、管の直径の許容誤差を制御するように選択され、これにより、一定の座席への搭載量に対する各車両のひずみは、同一のものとなる。図20Cでは、管1060Aに小さな穴1078を変換機に隣接して形成し、管1060Aの製造許容誤差を補正している。上記の記載から明らかなことは、3つの技術全てが、その唯一の目標として、車両座席上の重量に対応して発生する支持部材内のひずみの精度を向上させなくてはならないことである。当然のことながら、好適な手法は、支持構造のチュービングについての製造許容誤差を制御し、車両ごとのそのばらつきを最小限にすることであろう。重量測定において精確さ望まれる幾つかの適用の場合、座席構造は、支持部材のひずみ測定能力を最適化するように、つまり、それによって占有物の重量測定を最適化するように設計されている。従って、本明細書で開示された発明は、座席の設計がひずみゲージ重量感知のために最適化される場合は、座席全体を範囲とすることを目的としており、あるいは、そのように最適化されている場合は、その座席構造を目的としている。
【0132】
上記ではひずみ測定装置について記載してきたが、圧力測定装置を座席支持構造で使用し、座席上の重量を測定することもできる。そのようなシステムを図21において図示した。当該装置についての概略が米国特許第5,785,291号に記載されており、本明細書で参考文献として取り込む。当該特許においては、車両座席は、ボルト1084を介して、スライド機構に接合している。座席とスライド機構の間に、衝撃を吸収する座金が各ボルトごとに使用されている。本発明においては、この衝撃吸収座金の代わりに、衝撃吸収材からなる2つの座金と、その間に挟まれた圧力に敏感な物質1082からなるサンドウィッチ構造を採用した。圧力に敏感な物質1082については、様々な物質を使用することができるが、一般的にこれらの物質は、物質が圧迫された場合の抵抗変化か静容量変化のいずれかを対象とする。同図では、この物質と電子制御システムをつなぐワイヤは図示していない。圧力敏感物質は、マイクロプロセッサ等の制御システムに連結することによって、座席上の占有物の重量に関連した、座席からスライドメカニズムへ付加された圧力を制御システムに表示することができる。一般的に、物質1082には、その対面に電極が組み込まれ、物質が圧迫された場合に、電極の間隔が狭くなる。これによって発生する電極間隔の変化によって、上記サンドウィッチの測定可能な抵抗と静電容量はともに変化し、それは、物質の圧縮力の相関関数である。そのような圧力センサーの使用については、衝撃吸収材1080と圧力敏感物質1082がボルト1084の回りに配置されている図示された実施態様に制限されない。同様に、それについては、その実施において衝撃吸収材を使用、又は取り込むことに制限されない。
【0133】
図22においては、米国特許第5,531,503号で記載された座席接合構造の図である。本特許においては、1100で図示された、より普及しているひずみゲージロードセル設計を利用している。そのようなロードセルデザイン1100が図22Aにおいて詳細に図示されている。
【0134】
ハーフブリッジひずみゲージシステム1110を使用した片持ちビームロードセルデザインが図22Aが図示されている。本図には図示しない電子パッケージ内に取り付けられた固定レジスタによって、ウェットストーン ブリッジシステムの残余物を提供する。経済的理由から、ハーフブリッジシステムがしばしは使用され、この場合、精確さがある程度低下されてもよい。ロードセル1100には、ひずみゲージ1110が配置される部材を含む。ひずみゲージ1100には、当該ロードセル上に配置されるひずみ測定要素1112及び1114が含まれる。長手方向の要素1112は、それが座席又はその内容物によって積載されている場合、ビームの張力ひずみを測定し、それらは、ボルト1120の一端1122に接合されている。ロードセルは、車両又はその他ボルト1130を使用する基盤に取り付けられる。ひずみ1112と1114の抵抗変化は、室温同程度変化し、ハーフブリッジの部分に渡る電圧は維持されるため、室温補正が当該システムでなされる。ひずみゲージ1100は、制御システム(図示しないマイクロプロセッサ等)にワイヤ1124を介して連結し、測定した張力ひずみを受領し、それに基づいて座席の占有物の重量を判断する。
【0135】
片持ちロードセルの使用に係る問題点は、それが設けられた部材にトルクを付与する点である。自動車への好適な取り付け部材の一つは、フロアパンであって、垂直荷重をかなり支持することができるが、典型的な場合、その厚さが約1mm(0.4インチ)であることから、抵抗トルクに対しては弱い。かかる問題は、図22Bにおいて1200として表示されているような簡単に支持されたロードセルのデザインを採用することによって克服できる。
【0136】
図22Bには、4つの要素1212、1214全てをビーム1205の頂部に取り付けたフルブリッジひずみゲージ1210が使用されている。要素1212は、ビーム1205に対して平行に取り付けられており、要素1214は、このビームに対して垂直に取り付けられている。最大ひずみは、ビーム1205の中間で発生するので、ひずみゲージ1210は、当該位置の近くに取り付けられている。一般的に1200で表示されるロードセルは、図示されていないが、ビームの両端を下方に折り曲げることによって形成された支持部1230において、フロアパンがこれを支持している。
留め具1220がビーム1205の穴1220を貫通し、過重な力を付加することなくロードセル1220をフロアパンに保持するために利用される。ボルト1240及び留め具1220のための穴がフロアパンに設けられている。座席からの力をロードセル1200に転移させるために利用されるビーム1205が有する穴1250を通って、ボルト1240は、ロードセル1200に接続される。
【0137】
電気機器パッケージは、ウレタンのポッティング化合物1244使用して、穴1262内に封入され、これには、信号コンディショニング回路、インテグラルADC1280を有するマイクロプロセッサ、及びフレックス回路1275が含まれる(図22C)。フレックス回路1275の終端は、制御システム等その他の車両電気機器と接続のための電気コネクタ1290に位置する。ビーム1205の幅は、1230の位置で若干狭くなり、ひずみゲージのひずみが一定となる。
【0138】
上記ではビーム型のロードセルについてのみ記載したが、その他の構造も利用できる。その一つが管状のロードセルである。長い形状のビームの代わりに、そのようなロードセルが図22Dの1300に一般的に図示されている。それには、管も含まれる。更に、それは、管の張力や圧縮ひずみを測定するひずみ感知要素1310を、当該要素1310に垂直に配された、図示されていない他の要素とともに具備する。温度修正は、この用に達成され、これは、ウェットストーンブリッジ回路に関してひずみゲージの使用に関する当業者にとっては、周知のことである。というのは、温度変化は、ひずみゲージの各々に対して等しく影響し、全影響がこのように回路において相殺するためである。同様のボルト1340がこの場合に使用され、ロードセルのフロアパンへの実装とロードセルへの座席の接続に供される。
【0139】
更なるロードセルのデザインが図22Eに1400として図示されとり、ここでは、トーション棒1410及び、適切に配置された捩じれひずみ感知要素1420が使用されている。レバー1430及び、図示していない座席構造に接続されたボルト1440によって、バー1410にトルクが付与される。ボルト1450は、トーション棒1410にある取り付け部材1460は、ボルト1450によって車両のフロアパンに接続される。
【0140】
上記に図示されたロードセルは、好適には、はくひずみゲージ型のものである。同様な機能を有する他のひずみゲージとしては、ワイヤひずみゲージ及び、シリコンからなるひずみゲージが挙げられる。シリコンのひずみゲージには、より大きなゲージファクタを有するという利点があるが、温度影響をより受けやすいという難点もある。本発明の大量実施を考慮するなら、電子回路(信号コンディショニング、ADC等)をひずみゲージと統合させ、低価格のパッケージを可能にできる点で、シリコンひずみゲージは利点を有益である。他のひずみゲージ材料及びロードセルデザインについても、当然のことながら、本発明の教示に取り込むことができる。
【0141】
多くの座席デザインは、シート構造が車両に接続するために、4つの接続点を有する。接続面は、3つの点によって決定されるので、重大な不安定性又は誤りが発生する可能性がある。この問題は、車両に座席を接続する方法によって悪化する恐れがある。例えばボルトを使用する接続方法によっては、座席支持構造に深刻なひずみが発生する場合がある。従って、座席構造に伸展性をいくらか導入し、これらの接続により発生した圧力を最小程度に減少させなくてはならない。他方で、コンプライアンスを付加しすぎると、座席構造を過剰に弱くすることなり得、ひいては、安全問題を潜在的に引き起こす。この問題は、座席構造のコンプライアンス断面を高度に非直線形にするか、又は、紺プライアンスの範囲をかなりの程度制限することによって解決することができる。例えば、支持部材の一つをピン留めジョイントの使用を通じて座席構造の帳部に接続することができる。ここで、ジョイントの角回転は、非常に制限されている。ひずみ測定システムの不正確さの原因となる恐れがある当該構造における接続により発生する圧力及びひずみを除去する方法については、当業者にとっては自明であろう。
【0142】
上記に記載の実施例では、ひずみ測定要素は、各指示部材に描かれている。座席の占有物の重量を精確に測定しなくてはならない場合、このようでなくてはならない。この場合、典型的には、単一値が重量表示のニューラルネットワークへ入力される。しかし、4つのひずみゲージ変換機についての実験から、ほとんどの重量、つまり殆どのひずみが後部座席支持構造部材に取り付けられたひずみ要素において発生することが判明した。実際、約85パーセントの荷重を後部支持部が担持していえる。従って、前方のひずみ測定要素を除去しても、精度が損なわれることは殆んどない。同様に、殆んどの場合、2つの後部に取り付けられた支持ひずみ要素は、ほぼ同様のひずみを測定する。従って、座席の占有物の重量をかなり精確に測定することについて、一つの後部座席支持部のひずみによって表される情報で足る。
【0143】
8つの変換機、つまり4つの超音波変換機と4つの重量変換機、からなるシステムを考える場合、コストの面からより少数の変換機が必要となったとき、8つの変換機のうち、どの変換機を除去するべきか?幸運なことに、ニューラルネットワーク技術によって、8つの変換機のうちどれが最も重要であり、その次に最も重要なのはどれか等について決定するための技術が提供されている。6つの重要な変換機が選択される場合、それは、最も有用な情報を含むとニューラルネットワークが判断した6つの変換機であり、これら6つの変換機からのデータを使用してニューラルネットワークはトレーニングされるので、システムの相対的な制度を判断することができる。例えば、8つのうちの2つ、つまりひずみゲージ重量センサーを除去しても典型的な場合、殆んど精度は低下しないことが経験から決定された。そのときに超音波変換機の一つを除去すると、精度が若干低下する。
【0144】
これと同様の技術を上記に記載の更なる変換機とともに使用することができる。変換機スペースは、超音波、光学、電磁、運動、心拍、重量、シートトラック、座席ベルトのペイアウト、背もたれの角度等からなる、おそらく20の異なる変換機、によって決定することができる。そして、ニューラルネットワークは、費用関数に関係して利用され、システム精度の費用を計算することができる。このようにして、いかなるシステム費用と精度レベルに係る最適な組み合わせも決定することができる。
【0145】
4つのひずみ測定重量センサーが車両座席構造に適用される場合、4つのひずみゲージセンサーの間で重量の分配については、車両での座席の位置、特に縦方向が非常に影響しており、その次に、背もたれ角度位置が影響する。上記使用センサーが4つ以内の場合は特に、ひずみゲージ重要センサーの精度は、シートトラック位置及び/又は背もたれ角センサーからの情報によって非常に改善された。多くの車両において、そのようなセンサーはすでに存在しており、従って、この情報を取り込むことによって、システムコストが追加されることは殆んどなく、且つ、重量センサーの精度をかなり改善させることができる。
【0146】
座席重量センサーを使用して、占有物の荷重配分を判断し、以って座席占有物の着座状態を決定する試みがなされてきた。例えば、前向きの人が適所から外れた場合、座席の重量配分は、それが適所にいる場合に比してことなるであろう。同様に、後ろ向きのチャイルドシートは、前向きのチャイルドシートに比して異なる重量配分を有するであろう。この情報は、静止しているか、又はゆっくりと変化している状態にある占有物の着座状態を判断するために有益である。例えば、車両が若干粗い道を走行している場合、長期平均化又はフィルタリング技術を使用して、占有物の総重量及び重量配分を決定することができる。従って、この情報は、前向き又は後ろ向きのチャイルドシートの識別するために有用であるかもしれない。
【0147】
しかしながら、衝突の間に適所から外れることとなる前向きの人、又は前向きのチャイルドシートについての場合、その情報は、あまり有用ではない。特に荒い道表面上での衝突に先立つパニックブレーキングは、ひずみ感知要素の出力に大きな変動を引き起こす。フィルタリングアルゴリズムについては、多くのタイムスライスのデータを要し、これもまた特に有用とならない。ニューラルネットワーク、又はその他のパターン認識システムは、しかしながら、そのような状況を認識し、システム精度を改善する有益な情報を提供できるようにトレーニングすることが可能である。
【0148】
他の力学技術も、特に車両衝突加速度計からのデータと合わさったとき、有益な情報を適用することができる。各変換機が数サイクルに渡って測定した平均重量を研究し、重量配分が変化した旨の決定をなすことができる。変化の程度に応じて、占有者がシートベルトによって拘束されているか否かを判断することもできる。シートベルト拘束が使用されない場合は、衝突加速度計からの出力を使用し、占有者の当初の位置が認識されていることを条件に、衝突前のブレーキングの間及び最終的には衝突それ自体の間における占有者の位置を推測する。
【0149】
このようにして、重量配分情報を提供する重量情報センサーによって、動的に適所から外れたことを判断するための占有者位置感知システムの精度を向上させることができる。当然のことながら、重量センサー情報がなくても、搭乗者のベルトを巻いた状態を判断するいかなる手段とも関連して車両衝突センサーデータを使用すると、車両搭乗者の動的位置判断を大いに改善させることができる。
【0150】
上記においては、好適な実施態様のいくつかを図示し、及び記載したが、本明細書で記載の目的と同一又は類似の目的を達成するために、膝位置等の搭乗者の同一又は異なる形態的特徴を測定する様々なセンサーを使用した他の組み合わせも可能である。上記記載以外にも多く応用できる。本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求項の範囲によって決定されなくてはならない。
【0151】
各車両座席に関して調整システムを使用してもよいことを記述しておかなくてはならない。この場合、座席が占有されていないと判断された場合、処理手段は、他の搭乗者に利するように座席を調整するように設計されている。つまり、前の助手席が占有されていないが、後方の助手席が占有されている場合、調整システムは、前の座席ベースを前方へ移動させるなどして、後部座席に着座する搭乗者のために前の座席を調整してもよい。
【0152】
本発明の重量測定方法の一つでは、少なくとも一つのひずみゲージ変換機が支持構造の各位置に取り付けられ、当該位置での支持構造のひずみ測定を実施し、座席の占有物の重量は、(一又は複数の)ひずみゲージ変換機によって測定された支持構造のひずみに基づいて決定される。他の方法では、座席には、座席を基板に取り付けるためのスライド機構と、座席をスライド機構に取り付けるためのボルトが含まれる。座席に付加された圧力は、スライド機構の一つと座席の間に設けられた少なくとも1つの圧力センサーによって測定される。各圧力センサーは、典型的には、お互いが離間し、ショック吸収材からなる第一と第二の層、及び、当該ショック吸収材の第一と第二の層の間に挟まれた圧力敏感材を具備する。座席の占有物の重量は、少なくとも1つの圧力センサーによって測定された圧力に基づいて判断される。座席占有物の重量測定のための更なる方法では、座席と、当該座席を支持する基板の間にロードセルが取り付けられる。ロードセルは、1つの部材と、そこに配置されたひずみゲージを含み、座席占有物の重量によって発生したそこの引っ張り歪みを測定する。座席占有物の重量は、ひずみゲージが測定した部材内のひずみに基づいて決定される。当然のことながら、ロードセルは、座席支持構造の他の場所に取り付けられてもよく、座席と基板の間ある必要はない。その場合、しかしながら、座席は、特に特定の取り付け位置のために設計されていなくてもよい。よって、座席は、重量測定装置となる。
【0153】
更に、上記に記載の重量測定システム及び機器は、特に車両における使用について説明してきたが、当然のことながら、同様の構成は、乗用車以外に適用された場合の座席占有物の重量測定に対しても、同様の目的のために重量測定が希望されているときに、応用することが可能である。
【0154】
上記には好適な実施態様の幾つかが図示及び記載されているが、同様の機能を発揮する構成部品に係る、他のジオメトリ、センサー、物質、及び異なる寸法を使用した組み合わせが可能である。本発明は、上記の実施態様に制限されず、且つ、特許請求の範囲によって判断されなくてはならない。例えば、上記に記載の重量測定機器及び方法は座席位置センサーに関連して使用し、座席占有物の識別及び位置を精確に決定することができる。
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は、座席、特に、自動車の座席に乗っている物体の重量を測定するための方法と装置に関する。
【0002】
本発明は又、少なくとも重量測定装置を使用して、以下において「着座状態」と称する座席の占有状態を評価して、車両の構成部材、システムあるいはサブシステムを着座状態に基づいて調節することができる車両の構成要素、システム又はサブシステムの調整用装置と方法とに関するものである。以下では単にコンポーネントと呼ぶことにする車両の構成要素、システム又はサブシステムは、座席の座面と背もたれ、バックミラーとサイドミラー、ブレーキ、クラッチ、アクセルペダル、ハンドル、ステアリングカラム、座席のアームレスト、カップホルダ、携帯電話機、通信装置又はコンピュータの搭載用ユニット、日よけの調整可能なコンポーネントを含むが、これらには限定されない。さらに、コンポーネントは、座席の着座状態によって作動が制御されるエアバッグシステムを含む。コンポーネントは、エアバッグシステムに対応してエアバッグの膨張と排気を調節する装置のような、着座状態によって調節することが好ましい調整可能なシステムのコンポーネントであってもよい。
【0003】
本発明はさらに、1つは重量である、乗車している者の2つ以上の形態的な特徴に基づいて車両のコンポーネントを自動的に調節する装置と方法とに関連する。他の形態的な特徴は、搭乗者の背丈、搭乗者の腕の長さ、搭乗者の足の長さ、搭乗者の頭部の直系および座面に対する搭乗者の背の傾斜角を含む。本発明はここでは特に明記しない形態的な特徴も対象としている。
【0004】
発明の技術背景
エアバッグを装備した自動車は従来技術として周知である。従来のエアバッグシステムでは、車の衝突を感知して、エアバッグは急速に膨らんで、搭乗者の安全を確保する。多くの人命がこのようなエアバッグシステムによって救われている。しかし、搭乗者の着座状態によっては、現在のエアバッグをもってしても生命を救うことができない場合がある。例えば、同乗者が助手席に正常な前向き以外の姿勢で着席しているとき、例えば、同乗者が通常の位置とは違ってエアバッグの放出ドアの近くにいるような場合には、エアバッグの起動によって同乗者が重大な損傷を受けたり、場合によっては死亡することも起こりえる。
【0005】
また、場合によってはチャイルドシートが助手席に後ろ向きの姿勢で装着されており、エアバッグの起動によってチャイルドシートに着席している子供が重大な損傷を受けたり死亡したりする場合がある。
【0006】
さらに、空席の場合には、エアバッグを起動する必要はなく、交換費用が高いことや毒性のガスが室内に放出される危険性があることを考えるとエアバッグを始動することは好ましいことではない。にもかかわらず、空席であってもほとんどのエアバッグシステムは車両の衝突時にはエアバッグを起動する。
【0007】
このような理由から、本発明の出願人によって出願された、その開示内容をここに本出願に取り込む、以下の米国特許出願で着座状態検出ユニットが提案されている:Breed他による米国特許第5563462号、Breed他による1996年4月30日の米国特許出願第08/640,068号、Breed他による米国特許第5822707号、Breed 他による米国特許第5694320号、Breed他による米国特許第5748473号、Varga他による1997年2月6日の米国特許出願第08/798,029号。典型的な場合には、これらのデザインのいくつかにおいては、車両の室内に4組のセンサを設置して、運転席又は搭乗者席に超音波又は電磁波を照射してその反射波を受ける。適当なハードウエアとソフトウエアを使用することによって、搭乗者席又は運転席の乗車状態の概要を決定して、対象座席の着座状態を分類することが可能になる。
【0008】
しかし、超音波を使用した前出の文献では、後ろ向きで正常位置から外れた大人から反射された超音波パターンは、場合によっては後ろ向きのチャイルドシートからの反射波のパターンに類似している。同様に、後ろ向きのシートに正常に着座した子供と前向きの状態の誰も乗っていないシートを区別するのが困難な場合がある。別の場合には、やせた大人が前かがみでひざを立てた状態の反射波のパターンは、後ろ向きのチャイルドシートと似ている場合がある。さらに別の場合としては、前向きの搭乗者席からの反射波のパターンは、前向きのチャイルドシートや搭乗者席に座っている子供からの反射波のパターンと似ている場合がある。これらの場合はいずれも、エアバッグの起動が必要なときに従来の超音波システムはエアバッグの起動を抑制するかあるいは、望ましくないときにエアバッグを起動させる。
【0009】
これらの状態の間の区別が改善されれば、着座状態検出ユニットの信頼性は改善され、より多くの人が死亡や重大な損傷から救われるであろう、さらに、エアバッグの不必要な起動を防止することもできる。
【0010】
車両の座席の調節に関しては、自動車の運転者が着座している座席の調節は、電気的なスイッチとモータ又は機械的なレバーによって行われている。結果として、運転席が、運転者の目がいわゆる「目の楕円」の位置にきて、ペダルとハンドルを快適に操作できる適切な運転の位置にくることはほとんどない、「目の楕円」は、車両の前面ウインドウとバックミラーに対する最適な目の位置の意味である。
【0011】
実際に楕円状である目の楕円は多くの理由によって運転者の行為によって得られることはまれである。ひとつの具体的な理由は、いわゆる「4方向シート」と称する座席のほとんどの調節システムの設計が不十分なことである。座面には3自由度の動きが可能なことはよく知られている、鉛直、前後および水平又はピッチ軸周りの回転である。4方向シートは座席を制御する4つの動きを提供する:(1)座席の前面を上下させる、(2)座席の後部を上下させる、(3)座席全体を上下させる、(4)座席を前後させるである。この種の座席調整システムは、3自由度に対して4つの動きをするので混乱を生じさせる。結果として、車両の搭乗者は、座席を高くしようとして、座席が高くなるだけでなく回転するような動きに欲求不満になる。従って、搭乗者は、このシステムを使用して座席を最適な位置に位置させるのは困難であると感じ、しばしば諦めて座席を不適切な位置のまま放置する。
【0012】
今日の車両の多くは、ほとんどの搭乗者に決して使用されることの無いランバーサポートシステムを具備している。理由の一つは、搭乗者が異なれば腰部の形状は大きく異なるために、ランバーサポートをあらかじめセットすることができないためである。例えば、背の高い人が必要とするランバーサポートは、背の低い人とのものとは大きく異なる。搭乗者の大きさについて知っていなければ、ランバーサポートを自動的に調節することは不可能である。
【0013】
上述の’320特許に記載されているように、搭乗者がむち打ち症を患う場合のおよそ95%である、後ろからの衝突に対して頭を保護するためには、ヘッドレストの位置が適切でない。同様に、座席の硬さとダンピング特性は固定されており、生産されている車両に関しては、搭乗者の大きさや体重によって座席の硬さやダンピングを調節することは試みられていない。これらの調節はすべて、自動的に行われるなら、着座するものの形態に関する知識を必要とする。
【0014】
コード化された符号や乗員が身につけているものによって車両への搭乗者を識別するシステムが使用されている。このシステムは、符号化された対象物を識別するために、車両の仲に特別なセンサーと必要とする。同様に、そのようなシステムは、その符号化された対象物が車両がプログラムされている特定の人物によって使用されてはじめて機能する。例えば、車両が、母親の鍵を使用している息子や娘によって使用されると、座席の調節は間違って行われる。又、これらのシステムは、座席位置が正しいか否かとは無関係に座席位置の選択を保存するものである。4方向シートが有する問題とあわせると、搭乗者が適切に座席を設定することは起こりにくい。従って、搭乗者が車両を使用するたびに間違いが繰り返される。
【0015】
さらに、これらの符号化されたシステムは、搭乗者を識別するには未発達の方法である。後に述べるように搭乗者の形態的な特徴を測定することができれば、この点を進歩させることができる。このような測定は、例えば、高さ、体重によってであり、車両のコンポーネントを適切な位置にするために使用するだけでなく、搭乗者が詳細な調節を行った後にその位置を記憶し、同じ搭乗者が着座したときにコンポーネントの位置を再現する。この目的に関して、形態的な特徴には、高さ、体重、足または腕の長さ、頭部の直径等のようなすべての測定可能な値が含まれる。後により詳細に記載するように、好ましい実施例では、例えば、搭乗者の高さと体重を測定して、運転者の形態的な特徴の1つあるいは好ましくは2つを測定すると、座席のようなコンポーネントを調節することができ、例えば、バックミラーの自動調節および/またはサイドミラーのような当該システムに組み込まれている特長又はコンポーネントが座席位置と搭乗者の背丈に基づいて調整される。さらに、搭乗者が正常な位置にいないことを決定することができ、これに基づいて、搭乗者がエアバッグによって保護されるよりもむしろ損傷を受ける可能性が高い場合には、エアバッグの起動は行われない。さらに、インフレ−タが発生するガスの量やエアバッグ出口オリフィスの大きさのようなエアバッグの特性は、小さくて体重の軽い搭乗者に対しても大きくて体重の重い搭乗者も同様に保護するために調節される。場合によって、エアバッグの起動方向さえも制御される。
【0016】
搭乗者の形態と搭乗者が識別されたという事実に基づいて他の特徴やコンポーネントも調整可能である。これらの特徴又はコンポーネントには座席のアームレスト、カップホルダー、ハンドル(角度と軸方向位置)ペダル、電話の位置等のような搭乗者が触ったり操作しなければならないものが含まれる。ラジオ局、温度、乗り心地等のような、搭乗者の好みによって決められるべき項目は自動的に調節することが可能である。
【0017】
以下においては、車両の座席に搭載された対象物の重量を測定するための方法が多数提案されている。それらの方法には、搭載された対象物の圧力分布を測定するために座席のクッションの内部に設けられたパッド、シート又はフィルムが含まれる。すでにクロスリファレンスで参照した米国特許第5822707号の前に、座席の骨組みに設けられたひずみ測定で搭乗者を測定することは試みられていなかった。先行技術に属する重量測定システムは不正確なことで知られている。従って、もっと正確な重量測定システムが望まれる。ここに記載したひずみ測定システムは、従来技術が有していた不正確さの問題をほとんど除去しており、車両の座席に搭載された物体の重量を正確に決定することが可能である。さらに、ここに記載されているように、多くの場合、搭乗者の全重量を決定することなく車両のコンポーネントの制御を行えるための情報を十分に得ることができる。例えば、3つのサポート部材に対して搭乗者が加える力で十分である。
【0018】
上述したすべてあるいはほとんどの問題は、従来の技術では解決困難又は解決不能なものである。
【0019】
本発明の目的
従って、本発明の主要な目的は、車両の座席に搭載された対象物の重量を測定するための新規かつ改良された装置と方法を提供することであって、当該装置と方法とは、座席に搭載された対象物を評価して、搭載されたものに対して、位置および/または方向を調節し、および/またはコンポーネントの部分又はコンポーネント全体を調節する。
【0020】
本発明の別の目的は、座席の占有状態を評価して、搭乗者に対する座席の位置および/または方向を調節し、および/またはコンポーネントの一部又はコンポーネント全体を占有状態の評価と、搭乗者の重量と搭乗者が加えた力の測定値に基づいて調節する新規かつ改善された装置と方法とを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、超音波センサーと追加されたセンサーとの組み合わせによって座席の占有状態を評価して、この評価された座席の占有状態に基づいて、搭乗者に対して位置および/または方向を調節し、および/またはコンポーネントの一部又は全体の操作を調節する新規かつ改善された調整装置と方法とを提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、正常に着座した搭乗者と前向きのチャイルドシート、不正な形で着座している搭乗者と後ろ向きのチャイルドシート、および、シートが使用されているか否かを区別し、これに基づいて、搭乗者に対して位置および/または方向を調節し、および/またはコンポーネントの一部又はコンポーネント全体の操作を調節する新規かつ改善された調節装置と方法とを提供することである。
【0023】
改善された重量測定システムを提供し、それに基づいて入力として重量を使用する、例えば、コンポーネント調節装置のような他の装置又はシステムの精度を改善することが、本発明の他の目的である。
【0024】
本発明の他の目的は、上述の問題を生じずに座席の占有状態を評価する調節装置と方法とを提供することである。
【0025】
上記以外の目的と利点には以下のことが含まれる。
1.搭乗者の大きさに基づいてほぼ最適位置に車両のコンポーネントを自動的に位置付ける受動的システムを提供すること。
2.車両の特定の搭乗者を認識して、車両の種々のコンポーネントを認識された搭乗者の好みに従って調節するシステムを提供すること。
3.車両の運転者の目の位置を車両に対して特定の位置におおよそ位置付けるシステムを提供すること。
4.搭乗者の頭部とからだの各部の位置をより正確に測定して、当該情報に基づいて車両のコンポーネントを位置付けることができるパターン認識システムを提供すること。
5.座席が使用されているか否かを決定し、使用されていなければ、座席を中立位置にする方法を提供すること。
6.ペダルとハンドルを含む、車両の多くのコンポーネントを、これらがより安全でより効果的な操作が可能なように、自動的に位置調節するシステムを提供すること。
7.搭乗者がエアバッグに対して正常でない位置にいるか否かを決定し、不正常な位置にいるときには、さもなければエアバッグが起動される状況においてもエアバッグの起動を行わないように決定すること。
8.搭乗者の損傷を抑えるために搭乗者の形態と位置に基づいて、エアバッグに流入するガスの流れおよび/またはエアバッグから流出するガスの流れを調節すること。
9.座席内に設けられたセンサーによって搭乗者の形態的な特徴を測定するシステムを提供すること。
10.座席の骨組みに設けられたセンサーを使用して搭乗者の体重を決定するためのシステムと方法とを提供すること。
【0026】
本発明の上記以外の目的は、本発明の好ましい実施例に関する以下の記述によって明らかにする。
【0027】
発明の要旨
座席に搭載された対象物の重量を測定する装置に関する実施例では、当該装置は座席の支持構造のそれぞれの位置に設けられて支持構造のひずみを測定する、少なくとも1つのひずみゲージ変換器を有する。当該ひずみゲージ変換器には制御システムが組み合わせられており、ひずみゲージ変換器によって測定された支持構造のひずみに基づいて、座席に搭載された対象物の重量を決定する。座席の支持構造は、車両のフロアパンのような下部構造に搭載されている。ワイヤのような電気的接続手段が、ひずみゲージ変換器と制御システムとを接続している。各ひずみゲージ変換器は、信号調整回路とアナログからデジタルへの変換器を具備して、測定したひずみをデジタル信号として出力する。
【0028】
ひずみゲージ変換器の位置は、座席の支持構造に依存する。支持構造が、下部構造に搭載された2つの長いスライド機構と、スライドメカニズムと座席をつなぐ支持部材を有しているときは、各指示部材に複数のひずみゲージ変換器を設けてもよい。支持構造がさらにスライド部材を具備し、別のひずみゲージ変換器をそれに設けることもできる。ひずみゲージ変換器の精度を向上させる手段を用いることが好ましく、これらの手段には、例えば、支持部材を第1と第2の長手方向に向き合った端部を有するチューブで構成し、第1と第2のチューブの端部に第3のチューブを重ねて第1と第2のチューブに接合し、この第3のチューブにひずみゲージ変換器を設けることができる。チューブの代わりにそれ以外の形状のものを使用することができることは自明である。
【0029】
下部構造から座席を支持するスライド機構と、スライド機構に座席を搭載するためのボルトとを有する座席に搭載された対象物の重量を測定するための装置の他の実施例は、スライド機構のうちの1つの座席の間に設けられて座席に加えられた圧力を測定する少なくとも1つの圧力センサーを含む。各圧力センサーは、互いに移管して設けられたショック吸収性の材料からなる第1と第2の層と、第1と第2のショック吸収材料層の間に設けられた圧力に敏感な材料を有する。制御システムが搭載された対象物の重量を決定するために圧力に敏感な材料と組み合わせられて、前記少なくとも1つの圧力センサーによって測定された圧力に基づいて座席に搭載された対象物の重量を決定する。圧力に敏感な材料には、電気端子とその上面および下面が含まれる。
【0030】
座席に搭載された対象物の重量を測定するための装置の別の実施例は、座席と、座席が搭載される下部構造に設けられるロードセルが含まれる。当該ロードセルは、部材と当該部材に設置されて座席に搭載された対象物の重量で生じた引っ張りひずみを測定するためのひずみゲージを有する。制御システムが当該ひずみゲージに接続され、ひずみゲージによって測定された部材のひずみに基づいて座席に搭載された対象物の重量を決定する。部材が棒状の部材で、ひずみゲージが2つの測定エレメントを有するときは、ひずみ測定エレメントのうちの1つは棒状部材のながて方向に、他方のひずみ測定エレメントは棒状部材を横切る方法に設けられる。ひずみ測定エレメントを4つ使用するときは、最初の組を棒状部材のながて方向に使用し、第2の組を棒状部材の直行方向に使用する。部材は、チューブであってもよく、その場合には、ひずみ測定エレメントの一方はチューブの圧縮ひずみを測定するように、他方は引っ張りひずみを測定するように設けられる。部材は、一端を下部構造に固定されたトーションバーであってもよい、この場合には、ロードセルは、トーションバーの端部と端部の間に設けられ、座席に加えられた重量によってねじり力が加わるように座席に接続されたレバーを具備する。この場合には、ひずみゲージはねじれひずみ測定エレメントを含む。
【0031】
上記の重量測定装置は、他の重量測定装置と同様に、すぐ下に記載する車両のコンポーネント調節システムと方法に使用することができる。本発明のそのような装置の実施例は、座席に搭載された物体の第1の形態的な特徴を測定するための第1の測定システムと、搭載された物体の第2の形態的な特徴を測定するための第2の測定システムを有する。形態的な特徴は、搭載された物体の重量を、物体の座席の底部からの高さ、対象物が人間である場合は、腕の長さ、頭部の直系および足の長さを含むものである。当該装置はさらに、第1と第2の測定システムからの出力を受信して当該出力を処理して当該出力に基づいて着座状態を評価するプロセッサを具備する。本発明において搭載された対象物の形態的な特徴を測定するためには、本明細書に記載した測定システム以外にも従来から知られているあらゆる種類の測定システムを使用することができる。
【0032】
本発明に基づく調節システムの1つの好ましい実施例は、該当すれば、座席と座席に収容される装置からの波動を受信するための波動受信センサーと、座席に搭載された対象物の重量を測定するか座席が空席に加えられる重量が無い場合には空席であると判断する1つ以上の重量センサーを具備する。重量測定装置は座席の構造部に、ひずみ測定エレメントが搭載された対象物の重量に応じて応答するように構成されたひずみセンサーを含んでもよい。当該装置は又、波動受信センサーと重量センサーの出力を受けて、これらの出力に基づいて座席の状態を評価するプロセッサを具備する。プロセッサ手段は座席の状態に基づいて、コンポーネントの一部又はコンポーネント全体を調節する。波動受信センサーは超音波センサー、光センサーあるいは電磁センサーであることができる。波動受信センサーが超音波又は光学センサーである場合は、これらは座席に向けた超音波又は光を照射する照射手段を具備することができる。
【0033】
座席に設けられたコンポーネントが、車両の室内に対して座席の少なくとも一部を移動させることができる動力手段を具備する場合には、制御手段は当該動力手段に接続されて動力手段に座席を移動させる。この場合、プロセッサ手段は、制御手段に、少なくとも部分的には座席に使用状態の評価に基づいて動力手段を動かさせてもよい。プロセッサ手段による制御手段の指示または管理に関しては、例えば、座席に食料品の袋が搭載されている場合やチャイルドシートが後ろ向きに搭載されていると超音波又は光学センサーおよび重量センサーが評価した場合には、座席に調節が不要であると制御手段に指示する信号であってもよい。一方、プロセッサが、シートには座席の調節の利益があるあるいは望ましい大人又は子供が搭載されていると判断した場合には、プロセッサ手段は制御手段に動力手段をそのように動かすように指示することができる。例えば、シートに子供が載っていることが検出されたら、プロセッサ手段はヘッドレストを下げるように設計されていてもよい。
【0034】
特定の実施例の場合には、装置は座席に搭載された対象物の形態的な特徴、例えば、搭載されたものの高さと重量、を測定する1つ以上のセンサーを具備し、プロセッサ手段はセンサーからの入力を集めてコンポーネントをそれに従って調節する。従って、プロセッサ手段が座席の状態を評価し、座席に大人又は子供が乗っていると評価したら、プロセッサはさらに得られた体重測定または搭乗している大人又は子供に関する上記以外の形態的な特徴を測定して、それに従ってコンポーネントを調節するものであってもよい。プロセッサ手段は、上記のすべての機能を実行する単一のマイクロプロセッサであってもよい。別の場合には、座席の状態を評価するために1つのプロセッサを使用し、コンポーネントの調節に別のプロセッサを使用する。
【0035】
プロセッサ手段は、電子回路としてハードウエアに実現されたかコンピュータプログラムとしてソフトウエアに実現された評価回路を具備する。
【0036】
特定の実施例においては、相関関数または種々のセンサーからの出力と所望の結果(例えば座席の状態認識とカテゴリー分類)が、例えば、ニューラルコンピュータとしてハードウエア的に実現されたかプログラムとしてソフトウエア的に実現されたニューラルネットワークによって判断される。このニューラルネットワークによって決定された相関関数又は状態は、マイクロコンピュータに収納することができる。この場合には、マイクロコンピュータは評価回路として使用することができる。ここで回路というときは、電子的な回路とソフトウエアによってマイクロコンピュータに実現された等価な機能を有するものを意味する。
【0037】
改良された実施例では、心拍センサーを用いて搭乗者の心拍を検出してそれに対応する出力を作成する。プロセッサー手段はさらにこの出力を受けてこれに基づいて座席の状態を評価する。このような心拍センサーに加えてあるいはこれに代えて、静電容量センサーおよび/またはモーションセンサーを使用することもできる。静電容量センサーは搭乗者の存在を検出して搭乗者の存在を示す出力を発生する。モーションセンサーは搭乗者の動きを検出して、これを示す出力を出力する。これらの出力はプロセッサ手段に供給され、座席の状態を評価するために使用することができる。
【0038】
超音波、光学又は電磁センサー、重量測定手段と、測定された座席の重量とその内容物、超音波、光学あるいは電磁センサーからの反射波に基づいて座席の占有状態を評価する装置の部分は、着席状態検出ユニットを構成すると考えることができる。
【0039】
着席状態検出ユニットはさらに、座席位置検出センサーを具備してもよい。このセンサーは、座席の移動トラック上における座席の前後位置を検出するものである。この場合、評価回路は、超音波センサーからの出力、1つ以上の重量センサーおよび座席トラック位置検出センサーからの出力の相関関数に基づいて座席の状態を評価する。この構造のばあいには、座席に搭乗者がいないときの背もたれの平坦な面と、座席に搭乗者がいてその搭乗者の体の厚み分だけ座席を後ろに動かしたときの平坦な表面との区別の信頼性が向上する利点がある。
【0040】
さらに、座席状態検出ユニットはさらに、傾斜角検出センサーを具備し、評価回路は超音波、光学又は電磁センサーからの出力と、重量センサーからの出力と、傾斜角検出センサーからの出力に基づいて座席の状態を評価することもできる。この場合には、座席の状態評価のための情報として座席の背もたれの角度情報が追加されると、同様に区別が困難な状態である、搭乗者が若干前かがみになった状態と、座席の背もたれを若干前に倒した上体とを明瞭に区別することができる。この実施例は、さらに評価回路をさらに改善するために座席トラック位置検出センサーと組み合わせてもよい。
【0041】
さらに、座席状態検出ユニットはさらに、重量センサーからの出力と参照値とを比較する比較回路を具備することもできる。この場合には、比較回路は、参照値に基づいて大人と子供を識別する。
【0042】
好ましくは、座席状態検出ユニットは、超音波又は電磁的な波動を座席の方向に向けて照射し、座席方向からの反射波を受ける複数の超音波、光学又は電磁センサーと;座席の搭乗者の重量を検出する1つ以上の重量センサーと;座席のトラック位置を検出する座席トラック位置検出センサーと;傾斜角検出センサーと;超音波又は電磁センサーの出力と重量センサーの出力と座席トラック位置検出センサーの出力と、傾斜角検出センサーの出力が入力されて、これらの出力の相関関数に基づいて複数の座席状態を評価するニューラルネットワーク回路を具備する。
【0043】
ニューラルネットワークが評価して分類することができる座席状態の種類には、(i)正常に着座している搭乗者と前向きのチャイルドシート、(ii)不正常な状態で着座している搭乗者と後ろ向きのチャイルドシート、(iii)空席が含まれる。
【0044】
座席状態検出ユニットはさらに、重量センサーからの出力と参照値とを比較する比較回路と、比較回路からの比較信号と評価信号とが入力されるゲート回路とを具備してもよい。このゲート回路は、ソフトウエアとして又はハードウエアとして実現され、複数種類の座席状態を評価する出力信号を出力する。この座席状態には、(i)正常に着席した搭乗者、(ii)前向きのチャイルドシート、(iii)不正常な状態の搭乗者、(iv)後ろ向きのチャイルドシート、および(v)空席が含まれる。この構成の場合には、正常に着席した搭乗者と前向きのチャイルドシートの間の識別、不正常な状態の搭乗者と後ろ向きのチャイルドシートとの間の識別、および空席の識別の信頼性が向上する。
【0045】
複数の超音波又は電磁センサーからの出力、重量センサーからの出力、座席トラック位置検出センサーからの出力および傾斜角検出センサーからの出力は、ニューラルネットワークあるいはその他のパターン認識回路に入力され、ニューラルネットワーク回路がトレーニング段階のトレーニングに基づいて相関関数を決定する。この目的のために、ニューラルネットワークは単一のニューラルネットワーク、複数のネットワーク、その他の類似のパターン認識回路あるいは、ニューラル−ファジーシステムのようなニューラルネットワークとファジー論理システムとのこれらのアルゴリズム又はそれらの組み合わせを含むものである。
【0046】
超音波又は電磁センサーからの入力をニューラルネットワーク回路に供給する際には、最初の反射波の部分と最後の反射波の部分は各反射された超音波又は電磁センサーから除去して出力データを処理することが望ましい。これはレンジゲートの一形態である。このようにすることによって、反射超音波又は電磁波の有用な情報を含まない部分が解析対象から除去されて座席に座っているか否かおよび対象物の識別がいっそう正確に行われるようになる。
【0047】
ニューラルネットワーク回路は、複数の超音波又は電磁センサーからの出力データ、重量測定センサーからの出力データ、座席トラック位置検出センサがもしあればこれからの出力、および/またはもしあれば傾斜角検出センサーからの出力データに重み付け処理を行って相関関数を決定する。さらに、いっそう進歩したシステムでは、心拍および搭乗者の動きセンサーからの出力もこれに含めることができる。
【0048】
本発明に基づく車両の乗員室の座席の占有状態を決定する方法においては、超音波又は電磁波のような波動を乗員室の座席へ向けて照射し、乗員室からの反射波をコンポーネントによって受けて、これによってこの反射波を示す出力を出力し、座席に加えられた重量を測定してこれを表す出力を出力しこれらのセンサーと重量測定手段からの出力に基づいて座席の状態を評価する。
【0049】
座席に着席状態の評価は、受信された反射波を示す出力と測定された重量と座席の着席状態の相関を求め、マイクロコンピュータに当該相関関数を入力することによって行うこともできる。別な方法の場合には、受信した反射波を示す出力と、測定した重量と座席の状態との間の相関をニューラル回路によって求めて、受信した反射波を示す出力と測定された重量とをニューラルネットワーク回路に入力して実行することもできる。
【0050】
座席の状態の評価精度を改善するために、座席トラックの位置を測定し、それを表す出力を作成し、当該座席の状態を、受信した反射波、測定した重量および測定した座席トラック位置に基づいて評価することもできる。座席トラックの位置を測定することに加えてあるいはそれに代えて、座席の座面と背もたれのなす角度である座席の傾斜角を測定して、これを表す出力を作成し、座席の状態を受信した反射波を表す出力と、測定した重量と測定した傾斜角を表す出力(座席トラック位置が測定されていれば当該測定の出力)に基づいて座席の状態を評価することもできる。
【0051】
さらに、測定した重量を示す出力は、参照値と比較して、座席に載っている対象物、例えば、大人か子供か、を測定された重量と参照値とを比較して決定することもできる。
【0052】
追加の実施例では、本発明は車両の搭乗者の1つ以上の形態的な特徴を測定し、この測定結果を搭乗者の大きさを重量を分類するために使用し、この分類を、座席のような車両のコンポーネントの位置を当該分類に属する搭乗者にとってほぼ最適な位置に決定するために使用する。搭乗者の好みに関する追加の情報は、搭乗者の分類と関連付けて、特定の分類に属する搭乗者が乗車したときには、当該分類に関連付けられて好みが記憶される。これらの好みと関連付けられたコンポーネントの調節には、システムがあらかじめ選択した位置からマニュアルに調節された座席位置、ミラー類の位置、温度、ラジオの選局、ハンドルとハンドルカラムの位置等が含まれる。使用するのが好ましい形態的な特徴には、搭乗者の座面からの高さと搭乗者の体重である。当該高さは通常は、ヘッドレスト又はその他の適当な位置に設けられた、超音波又は電磁的センサーによって決定される。重量は車両の座席に加えられた圧力又は変位の測定や座席の支持構造に加えられた力やひずみの測定等、種々の技術によって決定することができる。
【0053】
以下の図面は本発明の実施例を示すものであるが、特許請求の範囲によって定義される本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0054】
好ましい実施例の詳細な説明
同一又は類似のエレメントには同一の番号を付番した添付図面において、図1は、本発明に基づく座席状態検出ユニットを含む調節装置を取り付けることができる乗員用座席を示すものである。座席1は、水平方向の座面部2と垂直延長方向を向いた背もたれ部3とを有する。座面部2は1つ以上の重量センサー6と7とを有し、これらが座席に搭載された対象物の重量を決定する。座面部2と背もたれ部3とのつなぎの部分には、座面部2に対する背もたれ部3の傾斜角を検出する傾斜角検出センサー9が設けられている。座面部2には座席トラック位置検出センサー10が設けられている。座席トラック位置検出センサー10は、一点差線で図示した後部参照位置からの座席1の移動極を検出する役目を果たす。背もたれには、心拍センサー31とモーションセンサー33とが設けられている。頭上のライナーには容量センサー32が設けられている。座席1は運転席、助手席あるいは自動車内のその他の席、あるいは、車両の他の席又は移動を目的としないものの席であってよい。
【0055】
センサー6と7のような重量測定手段は座席に対して、例えば座面部2の内部又はその下にあるいは座席構造に設けられ、座席に加えられた重量を測定する。座席に何も乗っていないときには重量はゼロであってもよい。センサー6と7は座席の複数の異なる部位に加えられた重量を測定するもの、または、座面部2内のエアバッグ5によるもののような冗長性を目的とした複数のセンサーを具備する。このセンサーは、座席又は背もたれに加えられた力又は圧力を測定するひずみ、力又は圧力センサーの形態、あるいは、座席表面又は7のように座席に構造部材又はその他の適切な位置に設けたひずみゲージを使用して座席全体の変位を測定する変位測定センサー、あるいは、圧力センサーを重量測定に使用するときには変位を圧力に変換するシステムのようなものであってもよい。
【0056】
図2には、4組の波動受信センサーシステム11−14が搭載された乗員室が示されている。センサーシステム11−14のそれぞれの組は、発信機と受信器を具備し、これらは単一のユニットに組み込まれていてもよいし、それぞれが別体であってもよい。この実施例では、センサーシステム11は、車両の前部ピラー、Aピラー、の上部に設けられている。センサーシステム12は中間ピラー、Bピラー、の上部に設けられている。センサーシステム13は屋根の天井部又は上部内張り(図2)にも受けられている。センサーシステムは好ましくは超音波又は電磁的なシステムである。センサーシステム11−14が超音波又は電磁的センサーとして記載されているが、本発明は、容量センサーを含む搭乗者からの距離を測定する形式の(超音波や電磁センサー以外の)センサーにも同様に適用することができる。同様に、センサーシステム11−14が受動的赤外線センサーであれば、赤外線受信装置だけを具備するものであってもよい。
【0057】
超音波又は電磁センサーシステム11−14は1つづつ又は同時に図3に示した超音波又は電磁センサードライバ回路18のような適切なドライバ回路によって制御又は駆動される。超音波又は電磁センサーシステム11−14の発信機は、対応する超音波又は電磁波を座席1の方向に向けて時刻t1、t2、t3およびt4(t4>t3>t2>t1)あるいは同時刻(t1=t2=t3=t4)にそれぞれがパルスを発信する。超音波又は電磁波の反射波は、超音波又は電磁波センサー11−14の受信機ChA−ChDが受信する。受信機ChAは超音波又は電磁波センサーシステム13に対応しており、受信機ChBは超音波又は電磁波センサーシステム14に対応しており、受信機ChCは超音波又は電磁波センサーシステム11に対応しており、受信機ChDは超音波又は電磁波センサーシステム12に対応している。
【0058】
以下の記述は超音波センサーを使用する場合について記載するが、動的赤外線センサーのような電磁的なセンサーを使用した場合にも、技術上の相違点があるが、ほぼ同様の説明が当てはまる。同様に、以下の記述は座席1が助手席の場合について記述するものである。図4(a)と4(b)は受信装置ChA−ChDによって受信された反射超音波USRWの例を示す。図4(a)は助手席1に大人が正常な状態で着席しているときに得られた反射波USRWを示し、図4(b)は大人が助手席1に前かがみの状態で座っているときの(不正常な状態の1つ)反射超音波USRWを示すものである。
【0059】
正常に着席した搭乗者の場合には、図2に示すように、超音波センサーシステム12の位置は搭乗者Aに最も近い。従って、図4(a)に示したように、照射されたあとで、反射波パルスP1は受信装置ChDによってもっとも早く受信され、反射されたパルスP1の幅はもっとも大きい。次に、超音波センサー13の搭乗者Aまでの距離が近いので、反射パルスP2がChAによって、その他の反射されたパルスP3とP4よりも早く受信される。反射されたパルスP3とP4がChCとChBに到着するまでにはP1とP2よりも時間がかかるので、反射波P3とP4は図4(a)に示した時刻に受信される。より正確には、超音波センサーシステム11から搭乗者Aまでの距離は、超音波センサーシステム14から搭乗者Aまでの距離よりも若干短いと考えられるので、反射されたパルスP3が受信装置ChCによって受信されるのは、反射されたパルスP4が受信装置ChBによって受信されるよりも若干早いはずである。
【0060】
搭乗者Aが助手席1に前かがみで座っているときは、超音波センサーシステム11と搭乗者Aとの距離がもっとも短くなる。従って、時刻t3である照射時刻から受信までの時間は最短であり、図4(b)に示すように反射されたパルスP3は受信装置ChCによって受信される。次に、超音波センサーシステム14と搭乗者Aとの距離が短く、従って、反射波P4がChBによって、その他の反射パルスP2とP1よりも先に受信される。超音波センサーシステム13と搭乗者Aまでの距離を、超音波センサーシステム12から搭乗者Aまでの距離に比較すると、前者のほうが短く、従って、反射されたパルスP2は受信装置ChAによって先に受信され、次に反射されたパルスP1がChDによって受信される。
【0061】
反射されたパルスP1−P4の形状、反射されたパルスP1−P4を受信する回数、反射されたパルスP1−P4の大きさは対象物によって異なり、搭乗者が助手席1に座っている状態、図4(a)と図4(b)、とは説明のために示した例に過ぎず、本発明がこれらの実施例に限定されるものでないことは当然である。
【0062】
図3に示した受信装置ChA−ChDの出力は、マルチプレックス回路19を介して、超音波センサー駆動回路18のタイミング信号と同期して切り替わるバンドパスフィルタ20に入力される。バンドパスフィルタ20は各反射波USRWから低周波数成分とノイズ成分を除去する。各反射波USRWに基づく出力信号はバンドパスフィルタ20を通ったあと、アンプ21によって増幅される。アンプは又、各反射波USRWに含まれる高周波成分のキャリア波を除去してエンベロープ波形を作成する。このエンベロープ波形はアナログ/デジタル変換器(ADC)22に入力されて測定データとしてデジタル化が行われる。測定データは、超音波センサー駆動回路18が出力するタイミング信号によって制御されている処理回路23に入力される。
【0063】
処理回路23は測定データを7msのインタバルで収集し、各超音波センサーシステム11−14から47点のデータポイントが作成される。各反射波USRWごとに、反射波の最初の部分T1と反射波の最後の部分T2は切り捨てられる。これを行う理由は、ニューラルネットワーク回路を後に説明するときに説明するのでここでは説明を省略する。このことによって、32データ点、31データ点、37データ点と38データ点が超音波センサーシステム11,12,13,14によってそれぞれサンプリングされる。超音波センサーシステム11−14によってデータの点数が異なる理由は、助手席1から超音波センサーシステム11−14までの距離が異なるからである。
【0064】
測定された各データは基準化回路24に入力されて基準化される。基準化された測定データは、波形データとしてニューラルネットワーク回路25に入力される。
【0065】
重量センサー6と7の出力は、アンプ26によって増幅されて、重量センサー6と7に対応付けられて、アナログ/デジタル変換器27に入力される。
【0066】
それぞれ可変抵抗素子を具備してもよい、傾斜角検出センサー9と座席トラック位置検出センサー10は、それぞれ低電流回路に接続されている。低電流回路から傾斜角検出センサー9に一定の電流が供給され、傾斜角検出センサー9は背もたれの傾斜角の変化による抵抗値の変化を特定の電圧に変換する。この出力電圧は、例えば、座面部2と背もたれ部3との間の角度を示す、角度データとしてアナログ/デジタル変換器28に入力される。同様に、低電流回路から座席トラック位置検出センサー10に一定の電流が供給され、座席トラック位置検出センサー10は座席の位置の変化による抵抗値の変化を特定の電圧に変換する。この出力電圧は、例えば、座面の位置を示す、座席位置データとしてアナログ/デジタル変換器29に入力される。このように、傾斜角検出センサー9と座席トラック位置検出センサー10からの出力はそれぞれアナログ/デジタル変換器28と29に入力される。ADC28、29からのそれぞれのデジタル化されたデータはニューラルネットワーク回路25に入力される。重量センサー6と7からのデジタル化されたデータがニューラルネットワーク回路25に入力されているが、アンプ26からの出力もまた比較回路に入力される。ゲート回路アルゴリズムと対応した比較回路は、座席1に搭載された対象物の重量が例えば60ポンドのようなあらかじめ定められた値と比較する。重量が60ポンド以上であれば、比較回路は後に記載するゲート回路に対して論理値1を出力する。対象物の重量が60ポンド未満であれば、ゲート回路に論理値0を出力する。
【0067】
心拍センサー31は、座席に人が座った場合には、座席に座った人の心拍とその大きさを検出するように構成されている。心拍センサー31の出力はニューラルネットワーク25に入力される。心拍センサー31は例えば、McEwanによる米国特許第5573012号と米国特許第5766208号とに開示されて、ここですべてを参照してここに取り込むような形式のものであってよい。心拍センサー31は搭乗者を測定することができる位置であれば座席に対してどのような位置に設けてもよい。好ましい位置の1つは、背もたれの中である。
【0068】
静電容量センサー32は座席1上に何かが搭載されているか否かを検出してその出力はニューラルネットワーク回路25に出力される。この目的に好適な静電容量センサーはKithilによる米国特許第5602734号に開示されている。静電容量センサーは一般的に図2の11−14の位置又は図1に示す位置に設置することができる。
【0069】
モーションセンサー33は座席1に搭載された対象物の動きを検出してその出力が、ニューラルネットワーク25に入力されるように構成されている。モーションセンサーはMcEwanが(米国特許第5361070号に記載してここに取り込む)記載したもの、あるいは同一の発明者による他の多くのもののように、マイクロパワーインパルスレーダーを使用することができる。前出の特許に記載されているように、特定のレンジについて観測することによって動きを感知することができる。MIRは搭乗者の検出に適用することができるレーダーの一形態であり、図2において11−14で示した位置に搭載することができる。これは超音波センサーに比較して、高速で、従って、搭乗者の動きをより簡便に追跡できる長所を有する。すべての搭乗レンジに対して反射波を取得することは超音波の場合よりも困難で、結果としてシステム全体がより効果になる。MIRはさらに、温度変化の影響を受けず超音波の40kHzと同等の分解能を有する利点を有する。より高い超音波周波数に相当する解像度を得ることはできるが、実証されてはいない。さらに、衝突時の搭乗者の動きを高速で追跡することが必要な場合には、時間分割マルチプレクシングによって互いに干渉せずにパルスを照射できるので、複数のMIRセンサーを使用することができる。
【0070】
ニューラルネットワーク回路25は前出の特許および特許出願で参照されている複数のニューラルネットワークに関する文献に記載されているトレーニングを行うことによって搭乗者Aの着座状態を認識することができる。搭乗者Aの着座状態に関してトレーニングを行ってニューラルネットワークの重み付けを開発したあと、システムをテストする。ニューラルネットワーク回路25のトレーニング手順とテスト手順を、図6に示したフローチャートを参照して以下に説明する。
【0071】
図6は、4組の超音波センサーシステム11−14、重量センサー6,7、傾斜角検出センサー9、座席トラック位置検出センサー10を車両に搭載する第1のステップを示すものである(ステップS1)。次に、データをニューラルネットワーク回路25に供給して座席状態のパターンを教育させるために、データはすべての可能な座席状態について記録され、データを取得した座席状態とともにリストが作成される。助手席の特定の着席状態に関するセンサー/変換器6,7,9−14と31−33からのデータは、ベクトルと称する(ステップS2)。傾斜角度検出センサー9、座席トラック位置検出センサー10、心拍センサー31、容量センサー32とモーションセンサー33の使用は、本発明に基づく検出装置と検出方法にとって必須のものではないことに注意する必要がある。しかし、これらのセンサはそれぞれ、単独であるいはそれ以外のものと組み合わせられることによって座席の状態検出精度を向上させることができる。
【0072】
データベクトルに関して、車両室内における、各々異なる姿勢の大人と子供、窓の状態等と、チャイルドシートが空の状態と使用されている状態とが選択された。選択された大人は、太った人、やせた人、小柄、大柄、背が高い、背が低い、めがねの有無など多くのバラエティーに富んだ人が選択された。選択された子供は幼児から大きな子供(例えば、14歳)までの子供が含まれる。さらに、選択された姿勢は、例えば、足を交差させて座席に座った状態、計器パネルに足を上げて座った状態、座って新聞を読んでいる状態、ひざを上げてあるいは上げないで前にかかんだ状態が含まれる。さらに、選択された室内状態は、座席のトラック位置、窓の開閉状態、ヘッドレストの状態、日よけの位置に関して多くのバリエーションが含まれる。さらに、非常に多くのチャイルドシートも出るが前向きの状態や、適当な場合には後ろ向きの状態において使用された。重量とそれに対応する基準化された値は以下に記載するとおりである。
明らかに、本発明において上記とは異なる重量レンジを使用することができ、異なる車両のような状態が異なるごとに重量レンジは調節することができる。重量センサーの出力は上述の重量レンジと直接関連していなくてもよい。例えば、ひずみ測定センサーが車両の座席支持部に設けられた場合には、そのようなセンサーは座席自体の重量を反映したものになる。従って重量からは加えられた重量のみを示すように座席の重量は除かれるのが好ましい。同様に、車両の座席の支持構造のうちのあるもののみにひずみ測定装置を設けることが望ましい。この場合には、搭載された対象物の重量をひずみセンサーの出力から導くことができる。この点については以下に詳細に説明する。
【0073】
これらのバリエーションの組み合わせとして、多くの種類の車両状態を準備して、この実施例の場合には、ほとんど500000以上のベクトルを準備してニューラルネットワークトレーニング用のデータとして使用した。
【0074】
次に、超音波システム11−14からの反射波およびその他のセンサー6,7,31−33からなるトレーニングデータに基づいて、ベクトルデータを収集した(ステップS3)。次に、反射波P1−P4から対象物からの反射時間が短い反射波の最初の部分(レンジゲート)(図5ではT1で示した時間)と、対象物からの反射時間が長い部分を(図5においては時間P2)(ステップS4)除去する。対象物からの反射時間が短い部分はクロストーク、つまり、それぞれの対応する受信装置ChA−ChDからの漏洩に基づく波形によるものであると理解されている。さらに、対象物からの反射時間が長い部分は、助手席から遠い位置の対象物又は重複反射の影響であると考えられる。これら2種類の反射波の部分をデータとして使用すると、トレーニングにノイズを混入させることになる。従って、これらの反射波の部分はデータから除去する。
【0075】
図7(a)に示したように、測定したデータは反射波パルスP1−P4のピーク値が同一になるように正規化する(ステップS5)。このことによって、異なる対象物や人の衣服のような表面材質による反射率の違いを除去することができる。重量センサー、座席トラック位置センサーおよび座席傾斜角センサーからのデータも、典型的には固定された正規化パラメータによって正規化されることがある。
【0076】
従って、超音波変換器、座席トラック位置検出センサー10、傾斜角検出センサー、重量センサー6,7、心拍センサー31、容量センサー32、およびモーションセンサー33からの正規化されたデータは、ニューラルネットワーク回路25に入力され、ニューラルネットワーク回路25はこれらのデータによってトレーニングされる。より正確には、ニューラルネットワーク回路25は、超音波変換器、座席トラック位置検出センサー10、傾斜角検出センサー、重量センサー6,7、心拍センサー31、容量センサー32、およびモーションセンサー33からの正規化されたデータを合計して、既知のニューラルネットワークプロセスに従って、各点のデータポイントに重み付けを行って相関関数を得る(ステップS6)。
【0077】
この実施例の場合には、好ましくは144のデータポイントが、レイヤー1の25の接続点に対して関連付けられ、各データポイントは相互にニューラルネットワークトレーニングと重み付け決定プロセスを介して関連付けられる。当該144のデータポイントは、超音波変換器から測定された138のデータポイント、座席トラック位置検出センサー10からの139番目のデータ、傾斜角検出センサー9からの140番目のデータ、重量センサー6からの141番目のデータ、心拍センサー31からの142番目のデータ、容量センサーからの143番目のデータおよびモーションセンサーからの144番目のデータから構成される。レイヤー1の各接続点は、適切な閾値を有しており、測定データの合計値が閾値を越えると、各接続点はレイヤー2の接続点に対して出力信号を出力する。重量センサーの入力は単一の入力として表現されているが、一般的には、使用されている各重量センサーから個別の入力がある。例えば、座席に4つの座席支持構造があり、各サポートにひずみ測定エレメントが設けられていれば、ニューラルネットワークには4つのデータが入力される。
【0078】
レイヤー2の接続点は20の点を有し、レイヤー1の25の接続点はレイヤー2の接続点に適切に接続されている。同様に、各データはニューラルネットワークの上述の重量決定とトレーニング過程を通じて相互に関連付けられる。レイヤー2の20の接続点のそれぞれは、適切な閾値を有しており、測定された値の合計が閾値を越えると、接続点はそれぞれレイヤー3の接続点に信号を出力する。
【0079】
レイヤー3の接続点は3つの点を有し、レイヤー2の接続点はレイヤー3の接続点に接続されて、各データは上述のように相互に関連している。レイヤー2の接続点の出力の合計が閾値を超えると、後者3の接続点は例えば、それぞれ(100)、(010)および(001)の論理値を出力する。
【0080】
各接続点の閾値の値は、重み係数をかけて順次結果を足し合わせることによって得られ、上述のトレーニング過程は閾値(ai)があらかじめ設定された出力になるように重み係数Wjを決定することに相当する。
ai=ΣWj/Xj (j=1からN)
ここで、Wjは重み付け係数であり、Xjはデータの値、Nはサンプル数である。
【0081】
このトレーニング結果に基づいて、ニューラルネットワーク回路25は相関関数の係数の重み付け又はアルゴリズムを作成する(ステップS7)。
【0082】
ニューラルネットワーク回路25が必要な数のパターンをトレーニングされたあと、テストデータを用いてトレーニングの結果をテストする。このテストデータに基づく座席状態検出の正解の数が不十分であれば、ニューラルネットワーク回路はさらにトレーニングを受け、テストが繰り返される。この実施例の場合には、テストは約600000のテストパターンに関して行われた。テストの正解率が約98%に達したときにテストを終了した。
【0083】
ニューラルネットワーク回路25は出力25a、25bと25cを出力する。各出力25a、25b、25cはゲート回路又はアルゴリズム30に対して、論理0の信号を出力する。出力25a、25b、25cからの信号に基づいて、(100)、(010)、)(001)の組み合わせのうちのいずれかが得られる。別の好ましい実施例では、トレーニングの組み合わせから空席に関するすべてのデータを除去して、空席の状態は重量センサーだけに基づいて決定される。このことによってニューラルネットワークを単純化して精度を向上させることができる。
【0084】
この実施例では、出力(001)は空席、動かない物体が搭載された状態あるいはペットが乗っている状態(VACANT)に対応し、出力(010)は後ろ向きのチャイルドシート(RFCS)又は不正常な姿勢の搭乗者(ASP)に相当し、出力(100)は正常に着席している搭乗者(NSP)又は前向きのチャイルドシート(FFCS)に相当する。
【0085】
ゲート回路(座席状態評価回路)30は、当業者であれば電子回路としてあるいはコンピュータアルゴリズムとして実現できるので、ここでは詳細な説明を省略する。ゲート回路30の機能は、超音波センサーと座席位置センサーだけが使用されたときにしばしば問題になる不明瞭性を取り除くことである。この不明瞭性とは、前向きのチャイルドシート(RFCS)と不正常な姿勢の搭乗者(ASP)との識別、正常な姿勢の搭乗者(NSP)と前向きのチャイルドシート(FFCS)との識別が時として困難なことを意味する。重量が60ポンド以上であるか否かに基づいてスイッチとして機能する1つ以上の重量センサーを追加することによって、この不明瞭さは除去できることが発見された。従って、ゲート回路は、ニューラルネットワークの出力と重量センサーからの重量が60ポンドを超えるか否かを考慮して、これによって上述の2つの状態を区別して5つの出力を行う。
【0086】
ゲート回路30は、ニューラルネットワーク25からの3種類の評価信号とそれに重ねて重量センサーからの情報を用いて、5種類の異なる座席状態の評価信号を出力する役目を果たす。5つの座席状態評価信号は、エアバッグシステムの一部であるエアバッグ起動決定回路に入力されるがここでは記述しない。当然、上述の特許と特許出願に記載されているように、このシステムの出力は、種々のライトやアラームを起動して車両の運転者に座席状態を指示することもできる。ここに記載したシステムは助手席側であるが、このシステムのほとんどは運転席にも適用できることは当然である。
【0087】
この実施例では、ニューラルネットワーク回路25が評価回路として採用されたが、相関関数の係数のマッピングデータはマイクロコンピュータに転送または埋め込んで、評価回路を構成することもできる(図6におけるステップS8を参照)。
【0088】
本発明の座席状態検出ユニットによれば、空席(VACANT)、後ろ向きのチャイルドシート(RFCS)、前向きのチャイルドシート(FFCS)、正常な姿勢の大人の乗員(NSP)、不正常な姿勢の大人の搭乗者(ASP)の識別信頼度が高い。これらの識別に基づいて、車両のコンポーネント、システムやサブシステムを制御することが可能である。例えば、エアバッグの吸気と排気をレギュレーションバルブを、評価された座席状態の識別に基づいて制御することができる。レギュレーションバルブはアナログ形でもデジタル形であってもよい。気流の制御は、例えばデューティサイクルのようにバルブの開閉時間を制御することによって行うことができる。
【0089】
さらに、上述の座席状態検出ユニットは、コンポーネント調節システムと、座席に人が乗っていることが検出された場合には以下に述べるような方法で使用することができる。
【0090】
本発明に基づくコンポーネント調節システムと方法は、座席に搭乗した人の形態に基づいてコンポーネントを自動的かつ受動的に調節するものである。すでに述べたように、調節システムは上述の座席状態検出ユニットを具備し、座席状態検出ユニットが座席に大人又は子供が乗っていることを検出したときに起動される、つまり、調節システムは座席にチャイルドシートが乗っているか動かない者が乗っていることを検出したときには作動しない。同様のシステムによって、車両の運転席やそれ以外の席を含むどの席の調節を行うこともできることは当然である。この調節システムは、上述の座席状態検出ユニットを用いることができる、つまり、同じコンポーネントが座席状態検出ユニットと調節システムに共通の部分、例えば重量検出手段を有することもできる。
【0091】
ここで記載した調節システムは、従来技術のものに比較して改善されているにもかかわらず、2人の人間がまったく同様ではあるが、好みの運転姿勢やコンポーネントの位置や方向の調整について好みが異なっている場合には十分に適切なものとはいえない。従って、コンポーネントを自動的に調節するシステムは、これらの間違いから学習する必要がある。例えば、新しい人が座席に座ったときには、当該搭乗者の最もよいコンポーネントの位置をシステムは自動的に推定して、搭乗者がこの位置にいなければ当該位置に搭乗者を動かす。搭乗者が位置を変更すれば、システムはその変更を記憶して同じ人物が車両に登場して同じ座席に着席したときにこの調整を行わなければならない。従って、システムは最初の回に完璧な設定を行う必要は無いが、その人物とその人物に対するコンポーネントの位置を記憶する必要がある。従って、システムは、搭乗者の1,2、又は3つの形態的な特徴を測定し、アルゴリズムに基づいてコンポーネントを調節する。搭乗者が調節を修正すると、システムが次回同じ測定結果を得たときに、コンポーネントを修正された後の位置に設定する。このようにして、本発明に基づくシステムがもっとも有効なのは、運転者が感知する能力に関する部分、つまり、ミラー、シート、ハンドルとハンドルカラム、アクセルクラッチおよびブレークペダルである。
【0092】
第1の測定する特徴は搭乗した者の座面からの高さである。この測定は車両の天井に設けたセンサーによって行うことができるが、座席の位置が同じであっても、搭乗者の頭部の位置は座席に対して必ずしも同じ角度ではなく、従って、天井に設けたセンサーからの角度は、少なくともセンサーが1つである場合には、一般的にいって未知であるために困難である。この問題は以下に記載するように2つ又は3つのセンサーを使用することによって解決することができる。最も簡単な解決方法はセンサーを座席に設けることである。前記’320特許では、ヘッドレストに搭載されたセンサーを具備する後部衝突乗員保護装置が開示されている。このシステムは、座席からの搭乗者の高さを測定することができるので、前記’320特許に開示された後部衝突乗員保護システムが装備されていればコストの増加なしに、搭乗者の第1の形態的特長の測定を行うことができる。適用によっては、同じ背丈の運転者が2人いることは考えにくいので、この測定で十分である。それ以外の場合には、さらに1つ以上の測定が行われる。
【0093】
次に図8に示すように、座席を調節する自動調節システム(車両のコンポーネントの例として使用したに過ぎない)100は、可動ヘッドレスト111と、搭乗者の座席からの高さを測定するための超音波センサー120と超音波受信機121とを有する。モーター191,192,193のような動力手段が座席に設けられて座席の基部を動かし、制御回路、システム又はモジュールのような制御手段が、サーボモータであってもよいサーボモータ160,170を使用したモーターとヘッドレスト駆動機構が図示されている。座席110とヘッドレスト111は透けて見えるように示した。ヘッドレスト111の鉛直方向の動きは、制御モジュール150からサーボモータ160にワイヤ131を通じて信号が送られたときに行われる。サーボモータ160は、部材164に形成されたねじ孔と螺合したリードねじ162を回転させてリードねじ162の回転方向によって、これを上下に動かす。ヘッドレスト支持棒165と166は部材164に取り付けられており、部材164とともにヘッドレスト111を上下に移動させる。このように、ヘッドレストの上下方向の位置は矢印A−Aで示したように制御することができる。超音波照射装置と受信機120,121は例えば電磁的な、動的赤外線照射装置と受信装置のような適切な波動発生および受信装置によって置換してもよい。
【0094】
コントロールモジュール150からリードねじ172を回転させるサーボモータ170にワイヤ132がつながっている。リードねじ172は透けて見えるように表現した座席の支持構造に取り付けられたシャフト173の溝孔と螺合している。リードねじ172の回転は、サーボモータ160が搭載されたサーボモータ支持部161を回転させ、このことによって座席110の溝168と169に収容されたヘッドレスト支持ロッド165と166を回転させる。サーボモータ支持部161の回転は、サーボモータ支持部161が搭載されているロッド171によって容易に行えるようになっている。このように、ヘッドレスト111は矢印B−Bで示したように前後に動かされる。ヘッドレストを上下および前後に動かすための別の設計も可能であることは当然である。
【0095】
システムの作動を以下に記載する。上述のようにニューラルネットワーク回路25によって決定される制御システムとヘッドレストを有する座席に大人又は子供が着席すると、超音波照射装置120が超音波エネルギーを照射して、当該超音波は搭乗者の頭部によって反射された受信機121に受信される。制御モジュール150に搭載された電子回路は、超音波パルスの照射から受信までの時間差に基づいて搭乗者の頭部までの距離を決定するマイクロプロセッサを有する。制御モジュール150はニューラルネットワーク回路25と同じマイクロプロセッサにあってもよいし、別でもよい。ヘッドレスト111は搭乗者の頭部の位置を発見するまで上下に動き、搭乗者の頭部の位置を発見するとその位置にとどまる。超音波パルスの照射から受信までの時間遅れに基づいて、当該システムはヘッドレストから搭乗者の頭部までの前後の距離を決定することもできる。頭部は超音波センサーの真正面に位置するとは限らないし、搭乗者は帽子をかぶっていたり、襟の高いコートを着ている、あるいは大きな髪型であるかもしれないので、この前後方向の距離測定には誤差が混入する可能性がある。
【0096】
搭乗者が座席110に乗った時に、ヘッドレスト111は上述のように搭乗者の頭部の頂部を発見するために動く。これは制御回路150の一部であるアルゴリズム又はマイクロプロセッサを使用して行うことができる。ヘッドレスト111は次に前記’320特許に記載されているような後方からの衝突保護に最適な位置へ移動する。搭乗者の高さが測定されると、制御回路150の中の別のアルゴリズムが搭乗者の測定された高さと全員の値を示したテーブルと比較して、この表に基づいて搭乗者の高さに対して適切な座席位置が選択される。例えば、搭乗者の座面からの高さが33インチであれば、これは、特定の座席と、人の測定結果の統計的な表に基づけば85%人間である。
【0097】
具体的な車両モデルを注意深く検討することによって、搭乗者の目を「目の楕円」に位置付けられた目の適切な座席の位置、当該搭乗者が快適に操作できるハンドルの位置、搭乗者が足で快適に操作できるペダルの位置を搭乗者のサイズに基づいて決定することができる。
【0098】
制御回路150によって適切な位置が決定されると、モーター191,192と193に信号が送られて座席をその位置へ移動させる。座席の位置が決定されてから後の設定時間の間に、搭乗者がこれらを再調節すると、座席の新しい位置が制御回路150の中の第2のテーブルに当該搭乗者の高さのクラスとともに記憶される。搭乗者が再度座席に座ってその高さが再度決定されると、制御回路は、最初の表よりも優先されるべき第2のテーブルのデータを読み出して、座席は調整後の位置を再現する。搭乗者が車両から離れたとき又はエンジンが止められてドアが開けられたときは、座席は車両への乗降が容易な中立位置に戻る。
【0099】
座席110は座席110とヘッドレスト111の位置をマニュアルに制御するための2つの制御スイッチ部180と182とを有する。座席制御スイッチ180は、アルゴリズムが設定した座席位置が気に入らなければ、搭乗者が位置を調節できるようにするものである。ヘッドレスト制御スイッチ182は、アルゴリズムが設定したヘッドレストの位置が、頭部に近すぎるか遠すぎて快適でないような場合に、この位置を調節するためのものである。大きな髪型の女性は、自動的に調節されたヘッドレストは髪に触ると感じる可能性がある。この調整は彼女にとっては不快で、ヘッドレストを頭からずっと遠くにおく可能性がある。特定の搭乗者の座席位置を記憶する座席メモリーシステムを有する車両の場合には、搭乗者の頭に対するヘッドレストの位置もまた記憶される。後に、搭乗者が車両に再度乗ったとき、座席は自動的に記憶された好みの位置になり、ヘッドレストもまた同様に自動的に調節される(図17B)。
【0100】
搭乗者の高さはおそらく第1の形態的特長としては最も優れたものであるが、特に2人の運転者がほぼ同じ背丈の場合には、これらを区別するには不十分である。第2の特徴として、搭乗者の体重を図8に示した座席に変位又は重量センサー200を設けた状態を示す斜視図である図9に示したように種々の方法で搭載したセンサーによって決定することができる。変位センサー200は支持部202と204によって支持されている。図9に示した装置を9A−9A線に沿って切断した図9Aによれば、座席230はフォーム層232からなりこれが変位センサー200と接するスプリングシステム234によって支持されている。変位センサー200は、一端がサポート210と反対側の変位センサー220に保持され長いケーブル205を有する。この変位センサー220はリニアレオスタット、リニア可変差分変換器(LVDT)、リニア可変キャパシタ、あるいは長さ測定のためのこれ以外のいずれかの装置であってもよいがこれらに限定されるわけではない。あるいは、当該ケーブルの代わりに、スプリングを用いて、スプリングの張力をひずみゲージ又はその他の荷重測定装置で測定するか、座席支持構造のひずみを以下により詳細に記載するように1つ以上の座席支持部に設けたひずみゲージによって測定することもできる。図9は座席デザインの1つを示すものである。同様な重量測定システムのために別のデザインをすることは可能である。座席の上面236又はその近傍での圧力測定に基づいて重量を近似的に測定する製品を入手することができる。搭乗者の体重の一部は床面やペダルに置かれた足によって支えられているので、ここで測定される体重は搭乗者の全体重ではないことに注意する必要がある。上述のように、重量は座席状態検出ユニットに関してすでに述べた重量センサー6,7によって測定することもできる。
【0101】
座席の表面236に重量が加わると、その体重はスプリング234に支持され、スプリングは下向きに変形してセンサー200のケーブル205を軸方向に引き伸ばす。長さ測定装置の例としてLVDTを使用して、ケーブル205はロッド221を引いてロッド221をシリンダ223から抜き出す(図9B)。ロッド221のシリンダ223から抜け出す方向の動きはスプリング222による抵抗を受け、重量が座席の表面236から取り除かれたときにはロッド221をシリンダ223に戻る。ロッド221がシリンダ223から引き出された量が、当業者には周知のように、変換器の巻き線226と227とのカップリングの量として測定される。LVDTは市販されている装置である。このように、座席の変形を測定して、座席に搭載された重量の測定値とすることができる。重量とLVDT出力の正確な関係はこの適用に関して一般的に実験によって決定される。
【0102】
重量と高さとの関係を用いて、車両の運転者を一群の運転者から識別することは、一般的に可能である。従って、特定の運転者が最初にその車両を使用したとき、座席は自動的に適切な位置に設定される。運転者が所定の時間内に位置を修正すると、新しい座席の位置が第2の表中に、運転者の高さと体重とともに記憶される。同じ運転者が車両に再度乗ったときに、その高さと体重が再度測定されると、座席は第2のテーブルがもしあればこれに従って位置付けられる。それ以外の場合は、第1のテーブルに基づいて位置が決定される。
【0103】
当該システムはほとんどの場合には適切である2つの形態的な特徴に基づいて運転者を識別する。上述の特許出願に記載された追加の車両ないモニターシステムが使用されると、運転者のさらに別の形態的な特徴を測定することが可能になり、運転者の識別精度をさらに向上させることができる。盗難や安全の目的のためには2つの特徴では十分ではないが、座席位置に加えて非常に多くのそれ以外の好みをこのレベルの搭乗者認識制度で実現することができる。これらには、ラジオ局の自動的な選択、車両温度、ハンドルとハンドルカラム位置の選択などが含まれる。
【0104】
高さと体重だけを使用することの利点は、すべての測定点が座席内に治まるので、座席製造業者が頭上の内張り製造者あるいはその他の部材の製造業者と連携する必要を排除することができることである。特定の車両を通常運転する運転者を識別するためには、この2つの特徴に基づくシステムで十分である。このシステムのコストは、現在使用されているメモリーのコストを若干上回るだけであり、受動的、つまり、搭乗者が最初に調整を行ったあとには搭乗者は何もする必要が無い。
【0105】
搭乗者の高さと体重を測定する代わりに、形態的な特徴のうちの何らかの2つを測定することは可能であり、トレーニング段階で、座席の状態と、つまり、大人の搭乗者、子供の搭乗者等と、2つの形態的な特徴を関連付けさせることができる。この関係はニューラルネットワークに記憶させて、使用に際しては、この2つの形態的な特徴を測定して、座席の使用状態を決定することもできる。
【0106】
もちろん、車両の別の場所に変換器を備えるなど運転者の高さを測定する他の方法もある。図10は別の方法をいくつか示したもので、2つの高さ測定センサー320,321を示した側面図であり、センサー321は上部のライナーの中に、他のセンサー320はA−ピラーの中に設置されている。ここで使用されているセンサーは、2つの変換器(つまり送信機と受信機)又は送信と受信が可能な1つの変換器であってもよい。頭上の内張りは、車両の屋根の部分の内張りであり、Aピラーは前面ウインドウの両側にある車両の前のドアが取り付けられている部分で屋根を支持する部材である。これらの変換器は、前出の特許出願に記載されているような車両の内部識別およびモニター装置のために車内にはすでに装備されているものである可能性がある。この場合には、2つの変換器を使用することによって運転者の頭部の位置をより性格に決定することができる。変換器321を単独で使用すると、頭部の方向にかかわらず変換器はその距離を測るのでその正確な位置は不明瞭になる。変換器320から頭部までの距離を知ることによって、不明瞭さは顕著に小さくなる。この論理は当然ながら使用する超音波変換器に依存する。前出の特許に指摘されているように、CCDやCMOS配列を使用した光学変換器の値段が下がってきており、車両の室内モニターのための技術として選択肢の1つになるであろう。例えば、160x160のピクセルを有する単一のCCDアレイと適切なパターン認識ソフトウエアを組み合わせると、搭乗者の頭部の写真を構成して本発明の目的のために頭部の位置を正確に決定することができる。
【0107】
図10はシートベルト330の上部アンカー点331が調節可能で、自動的にモータ332によって搭乗者の高さに基づいて適切な位置に位置付けられるシステムを図示するものである。この特徴と適切な制御回路のための計算部は、制御モジュール301内に設けられていてもよいし、適切であればそれ以外の位置にあってもよい。
【0108】
今日のラグジュアリーカーの多くは背もたれの角度調整とともに、ランバーサポート調整機能を有している。これらの追加的な座席の動きもまた本発明の座席調節システムによって制御することができる。図11は図8に示した座席において、背もたれの角度とランバーサポートの調節をするためのモーター481と482を示したものである。この例の場合には、3つのモータ482がランバーサポートを調節するために使用されている。これらの追加された動きについても図8に関してすでに述べた手順が使用される。
【0109】
最初の表は、人口の種々の人に対する最適位置に基づいて決められる。例えば、適用によっては、表は、6つの可能な座席の動き、つまり、前後、上下、座席の全体的傾斜角と背もたれの傾斜角、ランバー位置とヘッドレストの位置のそれぞれに対する人口の5%ごとの設定値を有するものであり、120の値を有する。第2の表も、同様に、特定の運転者が選択した6つの位置に関する好みの値を収容することができる。
図8は、超音波変換器120と121が一方が送信装置であって他方が受信装置であるとして記載した。しかし、適用によっては送信機であって受信機である変換器を使用することが好ましい場合もある。同様に、第3の、組み合わせ送受信機122が図11で使用されている。この構成によれば、位相アレイシステムの多くの利点を享受することができる。
【0110】
変換器の角度に関する精度は波長の変換器の直径に対する比に比例する。3つの送信機と受信器を使用すると、等価な単一の送信機と受信器の直径は、おおよそ2つの変換器の間の距離のもっとも短いものと同じである。この場合には、等価な直径は変換器120と121との距離は120と122との距離と同じである。これによって、変換器によって送信される信号の位相を制御することではるかに高精度が得られ、超音波ビームの等価方向を制御することができる。運転者の頭部をはるかに精度よく読みとることができ、使用者の頭部のマップを作成することができる。この技術とニューラルネットワークのような適切なパターン認識アルゴリズムを併用することで、運転者の頭部の正確な位置を、頭部が帽子、コートや髪型で不明瞭になっていた場合にも測定することができる。このことによって搭乗者をさらに識別することができる少なくとも1つの識別用形態特性が得られる。これは、運転者の頭部の直径である。
【0111】
搭乗者の体重を知れば、自動車とトラックの座席デザインをさらに改善することができる。特に、座席の剛性は体重の重い人にも軽い人にも同程度の快適性を実現するように調節することができる。現在までは非常に無視されていた、搭乗者のダンピングもまた、図8に示した座席に座席の剛性とダンピングを調節するための多くの構成のうちの1つを追加して示した図12のように、即座に調節することが可能になる。座面520に、コンテナー515が設けられており、従来のフォームとスプリングからなる構造はオープンセルのウレタンフォームが充填された円筒形のインターコンテナ518を収容したエアマットレス状の直方体の空気を有するコンテナが設けられている。調節可能なオリフィス525が2つのコンテナ515と518とを連結しており、両者の間を制御された空気が流れることができる。オリフィス525の開口の大きさは、制御回路150によって制御することができる。小型のエアコンプレッサ555が制御回路150の制御の下でコンテナ515の内部の圧力を制御する。圧力変換器560はコンテナ515の内部の圧力をモニターしてこの情報を制御回路150に入力する。
【0112】
システムの動作を以下に記載する。搭乗者が座席に着席すると、座席のコンテナ515の圧力が上昇し、搭乗者の体重を正確に測定することができる。制御回路150は、アルゴリズムとマイクロプロセッサを使用して、座席の適切な剛性を決定してその剛性が得られるように圧力を加える。圧力は2つのコンテナ515と518との間ではエアオリフィス525を介して均一化される。制御回路150は又、搭乗者の適切なダンピングの値を決定して、このダンピングが得られるようにオリフィス525を調節する。車両が道を走行するにつれて、道路の凹凸によって座席が上下し、搭乗者が座席に加えている力によって空気の圧力はコンテナ518の中で上下するが、搭乗者は主として518の上に座っており、コンテナ515はコンテナ518よりもはるかに大きいので、コンテナ515の圧力はコンテナ518ほどには変動しない。座席の大きな変形はまずコンテナ518で発生してその圧力がオリフィス525を通ってコンテナ515に伝達される。オリフィスの開口の大きさが2つのコンテナの間の空気の流量を決定し、従って搭乗者の動きに与えられるダンピングを決定する。この開口は制御回路150によって制御されているので、ダンピングの値も同様に制御される。従って、このような単純な構造によって、剛性とダンピングの両方を特定の運転者にとって最適値に制御することが可能である。運転者が制御回路150で定められた設定値が気に入らなければ、変更して剛性を高く又は低くできることは当然である。
【0113】
座席の剛性の変更は変形の変化に対する力の変化の割合である。この点は多くの理由で重要であるが、その1つは、座席と搭乗者の組に対する固有振動数を制御することである。搭乗者の上下動を最小にするには、この固有振動数が多くの理由によって車両から座席に伝達される振動数とは異なるようにすることが重要である。ダンピングは搭乗者の動きに抵抗する力であり、搭乗者と座席の底部との相対的な動きの速度に比例する。このようにダンピングはエネルギーを取り除いて搭乗者の震動を小さくする。これらのファクターは、運転者の座席と運転者そのものの上下動がトラック運転手の間に深刻な背中の痛みを生じさせているトラックに関しては非常に重要である。
【0114】
自動車においては、搭乗者の目の位置とペダルの位置との間の最適な上下間の距離はおよそ固定されている。運転者の目から足までの距離はすべての人について同じではない。今は、それぞれの運転者はその個性を座席を動かして足と体の角度を変更することによって吸収している。小さい運転者と大きな運転者にとって、この偏差は完全に吸収することはできず、従って、彼らの目の位置は最適な位置にきていない。同様の問題は、ハンドルの位置に関しても存在する。この問題を解決するために、ペダルとハンドルカラムは、運転者の形態に基づいて自動的に調整されるハンドルカラムとペダルシステムを有する運転席と運転者を示す図10に類似の図面である図13に示すように、動かすことができなければならない。図13では、モーター650が接続されており、ハンドルカラムの位置を調節し、別のモーター660が接続されてペダルの位置を調節する。両方のモーター650,660は制御回路150によって制御され、基本的な表はペダルとハンドルカラムの位置に関する値を含む。
【0115】
上述の特許出願で記載されている多くの車両室内識別とモニタリングシステムを利用していれば、車両の室内には多くの送信および受信変換器が設けられている。これらの変換器のうちのいくつかが超音波送信および受信装置であれば、これら配送アレイ方法に従って使用することができ、正確な距離測定とコンポーネントのマッピングを行うことができる。このことが、多くの送信および受信装置700−706を有する乗員室の内部を示す斜視図である図14に記載されている。さらに、符号化された信号を使用して変換器相互間で、超音波を使用して車両室内で情報を交換することができる。これらのセンサーのうちの1つが光学CCDセンサーまたはCMOSアレイであれば、運転者の目の位置を正確に決定してその結果を超音波を使用して座席に送信することができる。他にも多くの可能性があることは当然である。
【0116】
上記に記載の眼の楕円は、図1に類似の図15の810部分として図示した。図15には、搭乗者の両目、及び、フロントガラスとバックミラーから適切に見ることができるための特定の垂直位に両目が位置するようにシートが調節されている状態が図示されている。車両の安全と運転の容易化を改良すべく、多くのシステムが現在開発途中である。例えば、車両の前方の道路の像を補強して、「ヘッド・アップ・ディスプレイ」によってこれをフロントガラスへ投影するライト・ビジョン・システムが試験中されている。当該システムに係る問題点は、投影された像がフロントガラスを通じて見た像と正確には一致しないことである。この視差は、運転手を混乱させる原因となり、また、運転手の目の位置が正確に認識されていない限りは、訂正されない。この問題を解決する一つの方法が本明細書に記載の受動的座席調整システムを使用し、搭乗者の目の位置を上記のように適切な位置に配置することである。この方法が実施されれば、当該視差の問題を解決するだけではなく、バックミラーに対する目の位置も適切に配置されるので、車両の後方の様子を正確に見るために運転手が調整をしなくてはならない場合についても、例えあるとしても、殆んど調整を要しない。
【0117】
搭乗者の位置を判断し、当該搭乗者の位置に基づいてエアバックの配置を調整するシステムが幾つか開発中である。これらのシステムは、「スマート・エアバック」と呼ばれる。図16に図示されるように、本発明の受動的座席制御システムは、この目的にも使用することができる。図8と類似するこの図は、膨張したエアバック900、及び、衝突中におけるエアバックのガスの流出並びに流入双方を制御する構成を示している。この制御のための判断は、ヘッドレスト内に設けられた高さセンサー120、121並びに122、座席内の重量センサー、及び制御回路150が認識している座席位置に基づいてなされる(図8、9及び9A参照)。その他のスマート・エアバックシステムにでは、超音波又は光学センサーを使用した様々な位置センサーから判断された搭乗者の位置のみに基づいている。
【0118】
重量センサーと高さセンサー、及び搭乗者の位置センサーによって決定された車両に係る搭乗者の速度によって、搭乗者のエアバック衝突中においてエアバックが吸収するために必要なエネルギー量についての情報が得られる。この情報は、装備中のエアバックに注入するべきガス量や、搭乗者が衝突の間エアバックと接触している際のエネルギー浪費率を制御する出口オリフィスのサイズを決定する際に、エアバックに対する搭乗者の位置情報とともに使用される。例えば、体重の重い搭乗者である場合、エアバックのガス量、つまりは当初の圧力は上昇させて、搭乗者の相対動作を停止させるためにより大きな力を具備することが望ましい。同様に、出口オリフィスから出るガスを抑制する圧力はより大きいであろうから、搭乗者の相対速度が停止する前にエアバックの底部に達してしまうことを防止するべく、出口オリフィスのサイズも縮小されるべきである。
【0119】
エアバックに注入するガス量を変える方法は多く、そのうち幾つかは、特許文献に掲載されており、例えば、発生ガス量と発生率が制御可能なインフレータを挙げることができる。例えば、アライド・シグナル・コーポレイションが製造するあるハイブリッド型インフレータでは、2つの点火電力がインフレータ内部の蓄積ガスを熱するために利用可能である。点火電力の双方又は何れかを点火することができ、点火の時期を調節することによって、エアバッグに流入するガスの比率は、顕著に変化する。
【0120】
伝統的に、エアバッグからのガス流出は、バッグの布に設けられ、固定された直径を有するオリフィスを通じてなされている。エアバッグの外側に適用される噴出しパッチ等の手段を使用した制御手段を提供する試みが幾つかなされてきた。その他のシステムについては、1989年9月2日に出願され、現在は放棄されている米国特許出願第07/541,464号に開示されている。図16Aには、ガスを発生し、制御バルブ920を通じてエアバッグ900を充填するインフレータ910の概略図が図示されている。エアバッグ900のガス流出は、出口制御バルブ930によって制御される。当該バルブ930は、様々な多くに態様のものを得ることができ、例えば、インフレータに隣接して配置され、モーターによって作動し、エアバッグと流動的に接触しているバルブや、上記のディジタルフロー制御バルブが挙げられる。制御回路150が搭乗者の大きさと重量、及び搭乗者の着座位置と相対速度を決定すると、制御回路150と連結した出口バルブ930について適当な開口を判断する。そして、制御回路150から当該バルブを制御するモーターへ信号が送信され、適当に開口がなされる。
【0121】
同様な方法で、その他のバラメータも調整される。例えば、エアバッグの方向については、運転手に対するハンドルの角度や位置を適切に配置することによって調整することができる。シートベルトのためのプレテンショナーが装備されている場合に、シートベルトの張力、又はフォースリミッターが装備された場合のシートベルトが巻き込まれる力について、本発明のシステムによって決定される搭乗者の形態的特長に基づいて調整することができる。
【0122】
一度、運転手の形態や着座状態が認識されると、車両内の他の多くの物体も自動的にその搭乗者にあわせて調整される。自動微調整可能な座席、アームレスト、カップホルダー、携帯電話その他、運転手が触れるいかなる物体も、運転手に対応できるように移動することができる。この点については、更に、ラジオ局や室温等、上記記載の個人嗜好の事項についても該当する。
【0123】
本発明のシステムがひとたび導入されると、疲労の軽減や運転手の座席上での変化に対応できる自動微調整シート、又は一日の時間帯に基づいて自動的に位置を微調整するシート等、更なる機能が可能となる。多くの人が、例えば夜間には、背筋を伸ばした状態で着座することを好む。認識した搭乗者の形態に基づいてその他同様な改良が可能であることは、当業者にとって自明であろう。
【0124】
上記に記載のコンポ−ネント調整システム及び方法において、測定されることができる占有物の特徴の一つがその物の重量である。以下では、上記のシステム及び方法において使用可能な重量測定器具の例の幾つかを非制限的な態様で説明する。
【0125】
図18に図示された重量測定器具の第一の実施態様では、4つのひずみゲージ重量センサー又は変換機が使用されており、一方の2つが座席支持構造の取り付け金具の片側上にある1010及び1011に図示されており、他方の2つが同支持構造の他方の取り付け金具上にある同位置に図示されている(つまり、同支持構造の他方側の対応位置に隠れている)。座席支持構造は、車両のフロアパン等の基板上の座席を支持する。ひずみゲージ変換機1010と1011の各々は、増幅器、アナログからデジタル変換機、フィルター等の電子信号調整装置を具備し、それとの関連から、変換機からの出力は、デジタル信号である。
当該電子信号は、変換機1010から1011へワイヤ1020を通って伝達される。同様に、ワイヤ10201によって、変換機1010及び1011の出力は、同列にある隣の変換機(隠れた変換機の一つ)へ伝達される。さらに、ワイヤ1022によってこれらの変換機からの出力が4つ目の変換機(隠れた他方の変換機)へ運搬され、最後にワイヤ023によって、4つのデジタル信号全てを電子制御システム又はモジュール1030へ運搬される。これらの信号は、当業者に周知の時分割多元信号、又は、周波数分割多元信号である。モータ1040が制御する座席位置は、本明細書で参考文献として取り込んだ米国特許第579,576号に詳細に記載されている。最後に、座席は、支持構造上に図示していないボルトによってボルト締めされており、当該ボルトは、両取り付け金具の複数の穴1050を通って座席を接合する。
【1026】
信号調整電子器、アナログからデジタルへの変換機、その他適当な電子回路をひずみゲージ要素に隣接して配置することによって、4つの変換機を連鎖させ、そうでない場合には、接合させることができるので、これら変換機とその他の関連電子機器の稼動電力を供給するためだけではなく、制御モジュール1030にこれら変換機を接続するためにたった1つのワイヤを以って足る。
【0127】
マイクロプロセッサ等の制御システム1030が配置されており、変換機1010及び1011からデジタル信号を受信し、当該信号に基づいて座席の占有物の重量を決定する。換言すれば、変換機1010及び1011からの信号は、制御システム1030によって処理され、座席占有物の重量、つまりは、座席支持構造上の占有物からの力が表示される。
【0128】
手動制御の座席構造の典型例が図19で図示されているが、詳細については、米国特許第4,285,545号に記載がある。座席1056とスライド機構1058の間で角度付けられた直方体管状構造1060等の支持部材を介して、座席1056は、座席後部の一組のスライド機構1058に接合されている。シート1056の正面は、筐体1064と交わるスライド部材1062等の更なる支持部材を介して、車両に接合されている。スライド機構1058及びスライド部材1062は、基盤、つまりフロアパン上に座席を取り付ける支持構造を構成している。この実施のために、ひずみゲージ変換機が1065及び1066に取り付けられており、ひずみゲージ変換機1065は、各管状構造1060(1つだけ図示)に、ひずみゲージ変換機1066は、スライド部材1062に取り付けられている。ある占有物がシートクッション(図示せず)に配置された場合、支持部材1060と1062には、歪みやひずみが発生する。このひずみは、変換機1065と1066それぞれによって測定され、座席を占める物の重量判断が可能となる。より特定すれば、制御システム若しくはモジュール又はその他の互換性ある処理ユニット(図示せず)が電気ワイヤ等を介してひずみゲージ変換機1065、1066に連結し、測定されたひずみを受領し、座席の占有物の重量判断に利用する。
【0129】
図19Aには、座席支持構造の代替実施態様が図示されており、これには、支持部材上の角を橋渡しするための1つのガセットが付加されている。このガセット1068上にひずみゲージ変換機1069を配置した。ガセット1068は、支持部材ではないから、座席支持部材1060よりも厚みをかなり薄くすることが可能である。座席には占有物が積まれるので、座席支持部材1060は湾曲する。ガセット1068は、比較的弱く、支持部材に対してよりも強いひずみがガセットに発生することとなる。このようにより強いひずみが発生することによって、ひずみゲージ動的範囲をより効率的に利用することが可能となり、以って、重量測定の精度を向上させることができる。
【0130】
図19Bは、図19に図示された座席横軸方向の座席支持部材1070が図示されており、当該支持部材は、基礎クッション下で、座席の相対する両側面の間を延びて配置されている。当該支持部材1070には、車両座席が直接負荷されるので、占有物からの力、又はその重量の平均測定値を得ることができる。支持部材1070の歪み又はひずみの測定は、取り付けられた支持部材1070上にこのためにひずみゲージ変換機1072によってなされる。幾つかの適用においては、座席クッションの下の前後方向の全空間を占める。本明細書では、比較的細幅の部材として図示している。ひずみゲージ変換機1072は、電気ワイヤ(図示せず)等を介して、測定されたひずみを利用して座席の占有物の重量を決定する制御モジュール又はその他処理ユニット(図示せず)に連結している。
【0131】
図19では、支持部材160は、直方体の管として図示されている。図20A乃至20Cに図示した構造では、この直方体の管状構造が円筒状の管を代わりに使用しており、ここでは、当該支持部材の低部のみが図示されている。図20A乃至20Cには、ひずみゲージシステムの精度、つまり、ひずみゲージ変換機によるひずみの測定の精度を向上させるための3つの代替方法を図示している。いずれの場合においても、変換機を1065として、図19の支持部材1060に対応する支持部材を1060Aと表示している。図20Aにおいては、管1060Aは、切断されて、長手方向に相対する端部を有する2つの別個の管が形成されており、更に、管部分1074が溶接等によって当該2つの管の末端部に接合されている。この態様においては、より精密な管部分1074を使用することが可能で、管部分1074上に取り付けられた変換機1065によってより精確なひずみ測定が可能となる。図20Bでは、管の支持部材1060Aは、その一部分を円周状に切除されている。このように切除することによって、ひずみゲージ変換機1065が管のひずみを測定している位置の当該管の直径を調整することができる。換言すれば、ひずみゲージ変換機1065は、その部分の管の直径が残余部分の管の直径よりも小さい部分に配置される。この切除の目的は、管1060Aの有する直径に誤差が生じた場合、これを修正することである。切除の程度は、当該構造部材を過剰に弱めることがないように、管の直径の許容誤差を制御するように選択され、これにより、一定の座席への搭載量に対する各車両のひずみは、同一のものとなる。図20Cでは、管1060Aに小さな穴1078を変換機に隣接して形成し、管1060Aの製造許容誤差を補正している。上記の記載から明らかなことは、3つの技術全てが、その唯一の目標として、車両座席上の重量に対応して発生する支持部材内のひずみの精度を向上させなくてはならないことである。当然のことながら、好適な手法は、支持構造のチュービングについての製造許容誤差を制御し、車両ごとのそのばらつきを最小限にすることであろう。重量測定において精確さ望まれる幾つかの適用の場合、座席構造は、支持部材のひずみ測定能力を最適化するように、つまり、それによって占有物の重量測定を最適化するように設計されている。従って、本明細書で開示された発明は、座席の設計がひずみゲージ重量感知のために最適化される場合は、座席全体を範囲とすることを目的としており、あるいは、そのように最適化されている場合は、その座席構造を目的としている。
【0132】
上記ではひずみ測定装置について記載してきたが、圧力測定装置を座席支持構造で使用し、座席上の重量を測定することもできる。そのようなシステムを図21において図示した。当該装置についての概略が米国特許第5,785,291号に記載されており、本明細書で参考文献として取り込む。当該特許においては、車両座席は、ボルト1084を介して、スライド機構に接合している。座席とスライド機構の間に、衝撃を吸収する座金が各ボルトごとに使用されている。本発明においては、この衝撃吸収座金の代わりに、衝撃吸収材からなる2つの座金と、その間に挟まれた圧力に敏感な物質1082からなるサンドウィッチ構造を採用した。圧力に敏感な物質1082については、様々な物質を使用することができるが、一般的にこれらの物質は、物質が圧迫された場合の抵抗変化か静容量変化のいずれかを対象とする。同図では、この物質と電子制御システムをつなぐワイヤは図示していない。圧力敏感物質は、マイクロプロセッサ等の制御システムに連結することによって、座席上の占有物の重量に関連した、座席からスライドメカニズムへ付加された圧力を制御システムに表示することができる。一般的に、物質1082には、その対面に電極が組み込まれ、物質が圧迫された場合に、電極の間隔が狭くなる。これによって発生する電極間隔の変化によって、上記サンドウィッチの測定可能な抵抗と静電容量はともに変化し、それは、物質の圧縮力の相関関数である。そのような圧力センサーの使用については、衝撃吸収材1080と圧力敏感物質1082がボルト1084の回りに配置されている図示された実施態様に制限されない。同様に、それについては、その実施において衝撃吸収材を使用、又は取り込むことに制限されない。
【0133】
図22においては、米国特許第5,531,503号で記載された座席接合構造の図である。本特許においては、1100で図示された、より普及しているひずみゲージロードセル設計を利用している。そのようなロードセルデザイン1100が図22Aにおいて詳細に図示されている。
【0134】
ハーフブリッジひずみゲージシステム1110を使用した片持ちビームロードセルデザインが図22Aが図示されている。本図には図示しない電子パッケージ内に取り付けられた固定レジスタによって、ウェットストーン ブリッジシステムの残余物を提供する。経済的理由から、ハーフブリッジシステムがしばしは使用され、この場合、精確さがある程度低下されてもよい。ロードセル1100には、ひずみゲージ1110が配置される部材を含む。ひずみゲージ1100には、当該ロードセル上に配置されるひずみ測定要素1112及び1114が含まれる。長手方向の要素1112は、それが座席又はその内容物によって積載されている場合、ビームの張力ひずみを測定し、それらは、ボルト1120の一端1122に接合されている。ロードセルは、車両又はその他ボルト1130を使用する基盤に取り付けられる。ひずみ1112と1114の抵抗変化は、室温同程度変化し、ハーフブリッジの部分に渡る電圧は維持されるため、室温補正が当該システムでなされる。ひずみゲージ1100は、制御システム(図示しないマイクロプロセッサ等)にワイヤ1124を介して連結し、測定した張力ひずみを受領し、それに基づいて座席の占有物の重量を判断する。
【0135】
片持ちロードセルの使用に係る問題点は、それが設けられた部材にトルクを付与する点である。自動車への好適な取り付け部材の一つは、フロアパンであって、垂直荷重をかなり支持することができるが、典型的な場合、その厚さが約1mm(0.4インチ)であることから、抵抗トルクに対しては弱い。かかる問題は、図22Bにおいて1200として表示されているような簡単に支持されたロードセルのデザインを採用することによって克服できる。
【0136】
図22Bには、4つの要素1212、1214全てをビーム1205の頂部に取り付けたフルブリッジひずみゲージ1210が使用されている。要素1212は、ビーム1205に対して平行に取り付けられており、要素1214は、このビームに対して垂直に取り付けられている。最大ひずみは、ビーム1205の中間で発生するので、ひずみゲージ1210は、当該位置の近くに取り付けられている。一般的に1200で表示されるロードセルは、図示されていないが、ビームの両端を下方に折り曲げることによって形成された支持部1230において、フロアパンがこれを支持している。
留め具1220がビーム1205の穴1220を貫通し、過重な力を付加することなくロードセル1220をフロアパンに保持するために利用される。ボルト1240及び留め具1220のための穴がフロアパンに設けられている。座席からの力をロードセル1200に転移させるために利用されるビーム1205が有する穴1250を通って、ボルト1240は、ロードセル1200に接続される。
【0137】
電気機器パッケージは、ウレタンのポッティング化合物1244使用して、穴1262内に封入され、これには、信号コンディショニング回路、インテグラルADC1280を有するマイクロプロセッサ、及びフレックス回路1275が含まれる(図22C)。フレックス回路1275の終端は、制御システム等その他の車両電気機器と接続のための電気コネクタ1290に位置する。ビーム1205の幅は、1230の位置で若干狭くなり、ひずみゲージのひずみが一定となる。
【0138】
上記ではビーム型のロードセルについてのみ記載したが、その他の構造も利用できる。その一つが管状のロードセルである。長い形状のビームの代わりに、そのようなロードセルが図22Dの1300に一般的に図示されている。それには、管も含まれる。更に、それは、管の張力や圧縮ひずみを測定するひずみ感知要素1310を、当該要素1310に垂直に配された、図示されていない他の要素とともに具備する。温度修正は、この用に達成され、これは、ウェットストーンブリッジ回路に関してひずみゲージの使用に関する当業者にとっては、周知のことである。というのは、温度変化は、ひずみゲージの各々に対して等しく影響し、全影響がこのように回路において相殺するためである。同様のボルト1340がこの場合に使用され、ロードセルのフロアパンへの実装とロードセルへの座席の接続に供される。
【0139】
更なるロードセルのデザインが図22Eに1400として図示されとり、ここでは、トーション棒1410及び、適切に配置された捩じれひずみ感知要素1420が使用されている。レバー1430及び、図示していない座席構造に接続されたボルト1440によって、バー1410にトルクが付与される。ボルト1450は、トーション棒1410にある取り付け部材1460は、ボルト1450によって車両のフロアパンに接続される。
【0140】
上記に図示されたロードセルは、好適には、はくひずみゲージ型のものである。同様な機能を有する他のひずみゲージとしては、ワイヤひずみゲージ及び、シリコンからなるひずみゲージが挙げられる。シリコンのひずみゲージには、より大きなゲージファクタを有するという利点があるが、温度影響をより受けやすいという難点もある。本発明の大量実施を考慮するなら、電子回路(信号コンディショニング、ADC等)をひずみゲージと統合させ、低価格のパッケージを可能にできる点で、シリコンひずみゲージは利点を有益である。他のひずみゲージ材料及びロードセルデザインについても、当然のことながら、本発明の教示に取り込むことができる。
【0141】
多くの座席デザインは、シート構造が車両に接続するために、4つの接続点を有する。接続面は、3つの点によって決定されるので、重大な不安定性又は誤りが発生する可能性がある。この問題は、車両に座席を接続する方法によって悪化する恐れがある。例えばボルトを使用する接続方法によっては、座席支持構造に深刻なひずみが発生する場合がある。従って、座席構造に伸展性をいくらか導入し、これらの接続により発生した圧力を最小程度に減少させなくてはならない。他方で、コンプライアンスを付加しすぎると、座席構造を過剰に弱くすることなり得、ひいては、安全問題を潜在的に引き起こす。この問題は、座席構造のコンプライアンス断面を高度に非直線形にするか、又は、紺プライアンスの範囲をかなりの程度制限することによって解決することができる。例えば、支持部材の一つをピン留めジョイントの使用を通じて座席構造の帳部に接続することができる。ここで、ジョイントの角回転は、非常に制限されている。ひずみ測定システムの不正確さの原因となる恐れがある当該構造における接続により発生する圧力及びひずみを除去する方法については、当業者にとっては自明であろう。
【0142】
上記に記載の実施例では、ひずみ測定要素は、各指示部材に描かれている。座席の占有物の重量を精確に測定しなくてはならない場合、このようでなくてはならない。この場合、典型的には、単一値が重量表示のニューラルネットワークへ入力される。しかし、4つのひずみゲージ変換機についての実験から、ほとんどの重量、つまり殆どのひずみが後部座席支持構造部材に取り付けられたひずみ要素において発生することが判明した。実際、約85パーセントの荷重を後部支持部が担持していえる。従って、前方のひずみ測定要素を除去しても、精度が損なわれることは殆んどない。同様に、殆んどの場合、2つの後部に取り付けられた支持ひずみ要素は、ほぼ同様のひずみを測定する。従って、座席の占有物の重量をかなり精確に測定することについて、一つの後部座席支持部のひずみによって表される情報で足る。
【0143】
8つの変換機、つまり4つの超音波変換機と4つの重量変換機、からなるシステムを考える場合、コストの面からより少数の変換機が必要となったとき、8つの変換機のうち、どの変換機を除去するべきか?幸運なことに、ニューラルネットワーク技術によって、8つの変換機のうちどれが最も重要であり、その次に最も重要なのはどれか等について決定するための技術が提供されている。6つの重要な変換機が選択される場合、それは、最も有用な情報を含むとニューラルネットワークが判断した6つの変換機であり、これら6つの変換機からのデータを使用してニューラルネットワークはトレーニングされるので、システムの相対的な制度を判断することができる。例えば、8つのうちの2つ、つまりひずみゲージ重量センサーを除去しても典型的な場合、殆んど精度は低下しないことが経験から決定された。そのときに超音波変換機の一つを除去すると、精度が若干低下する。
【0144】
これと同様の技術を上記に記載の更なる変換機とともに使用することができる。変換機スペースは、超音波、光学、電磁、運動、心拍、重量、シートトラック、座席ベルトのペイアウト、背もたれの角度等からなる、おそらく20の異なる変換機、によって決定することができる。そして、ニューラルネットワークは、費用関数に関係して利用され、システム精度の費用を計算することができる。このようにして、いかなるシステム費用と精度レベルに係る最適な組み合わせも決定することができる。
【0145】
4つのひずみ測定重量センサーが車両座席構造に適用される場合、4つのひずみゲージセンサーの間で重量の分配については、車両での座席の位置、特に縦方向が非常に影響しており、その次に、背もたれ角度位置が影響する。上記使用センサーが4つ以内の場合は特に、ひずみゲージ重要センサーの精度は、シートトラック位置及び/又は背もたれ角センサーからの情報によって非常に改善された。多くの車両において、そのようなセンサーはすでに存在しており、従って、この情報を取り込むことによって、システムコストが追加されることは殆んどなく、且つ、重量センサーの精度をかなり改善させることができる。
【0146】
座席重量センサーを使用して、占有物の荷重配分を判断し、以って座席占有物の着座状態を決定する試みがなされてきた。例えば、前向きの人が適所から外れた場合、座席の重量配分は、それが適所にいる場合に比してことなるであろう。同様に、後ろ向きのチャイルドシートは、前向きのチャイルドシートに比して異なる重量配分を有するであろう。この情報は、静止しているか、又はゆっくりと変化している状態にある占有物の着座状態を判断するために有益である。例えば、車両が若干粗い道を走行している場合、長期平均化又はフィルタリング技術を使用して、占有物の総重量及び重量配分を決定することができる。従って、この情報は、前向き又は後ろ向きのチャイルドシートの識別するために有用であるかもしれない。
【0147】
しかしながら、衝突の間に適所から外れることとなる前向きの人、又は前向きのチャイルドシートについての場合、その情報は、あまり有用ではない。特に荒い道表面上での衝突に先立つパニックブレーキングは、ひずみ感知要素の出力に大きな変動を引き起こす。フィルタリングアルゴリズムについては、多くのタイムスライスのデータを要し、これもまた特に有用とならない。ニューラルネットワーク、又はその他のパターン認識システムは、しかしながら、そのような状況を認識し、システム精度を改善する有益な情報を提供できるようにトレーニングすることが可能である。
【0148】
他の力学技術も、特に車両衝突加速度計からのデータと合わさったとき、有益な情報を適用することができる。各変換機が数サイクルに渡って測定した平均重量を研究し、重量配分が変化した旨の決定をなすことができる。変化の程度に応じて、占有者がシートベルトによって拘束されているか否かを判断することもできる。シートベルト拘束が使用されない場合は、衝突加速度計からの出力を使用し、占有者の当初の位置が認識されていることを条件に、衝突前のブレーキングの間及び最終的には衝突それ自体の間における占有者の位置を推測する。
【0149】
このようにして、重量配分情報を提供する重量情報センサーによって、動的に適所から外れたことを判断するための占有者位置感知システムの精度を向上させることができる。当然のことながら、重量センサー情報がなくても、搭乗者のベルトを巻いた状態を判断するいかなる手段とも関連して車両衝突センサーデータを使用すると、車両搭乗者の動的位置判断を大いに改善させることができる。
【0150】
上記においては、好適な実施態様のいくつかを図示し、及び記載したが、本明細書で記載の目的と同一又は類似の目的を達成するために、膝位置等の搭乗者の同一又は異なる形態的特徴を測定する様々なセンサーを使用した他の組み合わせも可能である。上記記載以外にも多く応用できる。本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求項の範囲によって決定されなくてはならない。
【0151】
各車両座席に関して調整システムを使用してもよいことを記述しておかなくてはならない。この場合、座席が占有されていないと判断された場合、処理手段は、他の搭乗者に利するように座席を調整するように設計されている。つまり、前の助手席が占有されていないが、後方の助手席が占有されている場合、調整システムは、前の座席ベースを前方へ移動させるなどして、後部座席に着座する搭乗者のために前の座席を調整してもよい。
【0152】
本発明の重量測定方法の一つでは、少なくとも一つのひずみゲージ変換機が支持構造の各位置に取り付けられ、当該位置での支持構造のひずみ測定を実施し、座席の占有物の重量は、(一又は複数の)ひずみゲージ変換機によって測定された支持構造のひずみに基づいて決定される。他の方法では、座席には、座席を基板に取り付けるためのスライド機構と、座席をスライド機構に取り付けるためのボルトが含まれる。座席に付加された圧力は、スライド機構の一つと座席の間に設けられた少なくとも1つの圧力センサーによって測定される。各圧力センサーは、典型的には、お互いが離間し、ショック吸収材からなる第一と第二の層、及び、当該ショック吸収材の第一と第二の層の間に挟まれた圧力敏感材を具備する。座席の占有物の重量は、少なくとも1つの圧力センサーによって測定された圧力に基づいて判断される。座席占有物の重量測定のための更なる方法では、座席と、当該座席を支持する基板の間にロードセルが取り付けられる。ロードセルは、1つの部材と、そこに配置されたひずみゲージを含み、座席占有物の重量によって発生したそこの引っ張り歪みを測定する。座席占有物の重量は、ひずみゲージが測定した部材内のひずみに基づいて決定される。当然のことながら、ロードセルは、座席支持構造の他の場所に取り付けられてもよく、座席と基板の間ある必要はない。その場合、しかしながら、座席は、特に特定の取り付け位置のために設計されていなくてもよい。よって、座席は、重量測定装置となる。
【0153】
更に、上記に記載の重量測定システム及び機器は、特に車両における使用について説明してきたが、当然のことながら、同様の構成は、乗用車以外に適用された場合の座席占有物の重量測定に対しても、同様の目的のために重量測定が希望されているときに、応用することが可能である。
【0154】
上記には好適な実施態様の幾つかが図示及び記載されているが、同様の機能を発揮する構成部品に係る、他のジオメトリ、センサー、物質、及び異なる寸法を使用した組み合わせが可能である。本発明は、上記の実施態様に制限されず、且つ、特許請求の範囲によって判断されなくてはならない。例えば、上記に記載の重量測定機器及び方法は座席位置センサーに関連して使用し、座席占有物の識別及び位置を精確に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の乗員室に設けられた、本発明に基づく座席状態検出ユニットと、超音波又は電磁センサー、重量センサー、傾斜角検出センサー、座席トラック位置検出センサー、心拍センサー、モーションセンサー、ニューラルネットワーク回路、およびエアバッグシステムを示すものである。
【図2】超音波又は電磁センサーの相対的な位置関係を示すために、乗員室の助手席を示すものである。
【図3】本発明に基づく座席状態検出ユニットの回路図である。
【図4】図4(a)、4(b)、4(c)は、反射波が受信機に到達する時間に取得された、各発信装置から助手席方向に向けて照射した超音波の反射波を示す図である。図4(a)は搭乗者が正常な位置にあるときの反射波の例、図4(b)は搭乗者が不正常な状態(搭乗者が前部パネルに近すぎるとき)にあるときに得られた反射波の例、図4(c)は発信されたパルスを示す。
【図5】超音波又は電磁センサーからの反射波のデータ処理を示す図である。
【図6】ニューラルネットワーク回路のトレーニングステップを示すフローチャートである。
【図7】図7(a)は、反射波をノーマライズするためのプロセスとノーマライズされた反射波を例示する図であり、図7(b)は図7(a)と同様に、ノーマライズされた反射波を取り出したデータと、座席トラック位置検出センサーのデータと、傾斜角検出センサーからのデータと重量センサーからのデータを使用して、取り出したデータを重み付けを行う過程を示したものである。
【図8】可動ヘッドレストと座席面からの搭乗者の高さを測定するためのセンサーと、座席を動かすためのモーターと、センサーとモータとに接続された制御回路とを、座席をすかして見せた、自動座席調節システムの斜視図である。
【図9】図8に示した座席に、さらに座席に取り付けた重量センサーを示す斜視図である。図9Aは、図9において線9A−9Aに沿った断面であり、図9Bは、図9Aで9Bとして示した部分の拡大図である。
【図10】1つは搭乗者の頭上のライナーの中に他方はAピラーの中に設けられた、2つの搭乗者の高さ測定センサーと、搭乗者の高さに基づいて自動的に調節される調節可能な上部固定位置を有するシートに対応したシートベルトを示すために、一部を切り取って示した自動車の内部の平面図である。
【図11】座席背もたれの傾斜角とランバーサポートを動かすためのモーターを有する、図8に示した座席を示す図である。
【図12】座席の合成とダンピングを変化させるシステムを有する図8に示した座席を示す図である。
【図13】運転者の形態に基づいて調節可能な自動調節ハンドルカラムとペダルシステムを有する運転席を示す図である。
【図14】位相配置システムにおいて使用することができる種々の発信器を示すために、部分的に取り外して自動車の乗員室内部を示す斜視図である。
【図15】前面窓とバックミラーとを正しく見ることができる上下方向位置に目を位置付けられた座席と搭乗者の目を示す図8に類似の図である。
【図16】ヘッドレストに収容された高さセンサーと座席内の重量センサーに基づいて決定される、衝突時のエアバッグのエアバッグへのガス流入量とエアバッグからのガス流出量とを制御する構造を有するエアバッグが膨らんだ状態を示す、図8に類似の図である。
【図17】図17Aは、本発明に基づく調整システムの基本的な実施例を示す概念図、図17Bは、本発明の基づく調節システムの別の実施例を示す概念図である。
【図18】図18は、座席に直接取り付けられた座席制御機構の部分に設けられた重量測定変換器を示す、搭載された対象物の重量を測定する装置の実施例を示す斜視図である。
【図19】本発明に基づく、座席に搭載された対象物の重量を測定する装置の重量測定ひずみセンサーの座席上における好ましい設置位置と、車両への座席の3つのスライド取り付け機構を示すために、座面クッションと背もたれクッションを取り外して示す座席構造の斜視図である。図19Aは、ガセットとガセットに搭載されたひずみゲージを有する、図19において円Aで示した座席構造変換器設置位置を示す別の図面であり、図19Bは、本発明に基づく座席に搭載された対象物の重量を測定する装置の中央横断支持部材に設けられた重量測定変換器の設置位置を示す図である。
【図20】20Aから20Cは、チューブ上の座席支持構造部材に搭載された本発明の座席の搭載された対象物の重量測定装置のひずみ変換器の設置に関する異なる方法を示すものである。
【図21】圧力測定変換器を使用した別の重量測定変換器を示すものである。
【図22】ひずみ変換器を使用した異なる座席構造を示すものである。図22Aは、例えば、図22に示した搭載位置に設ける本発明の片持ち梁型のロードセルの斜視図であり、図22Bは、図22Aに示した片持ち梁上のロードセルに代えて使用することができる、本発明に基づく単純支持梁型のロードセルを示す斜視図であり、図22Cは、図22Bにおいて22Cで示した部分の拡大した図であり、図22Dは、図22Aに示した片持ち梁型のロードセルに代えて本発明で使用することができる重量測定システムのチューブ型ロードセルを示す斜視図であり、図22Eは、図22Aに示した片持ち梁型のロードセルに代えて本発明において使用することができる重量測定装置のトーションビーム型のロードセルを示す斜視図である。
特許法184条の4、第1項に基づいて2001年5月17日に提出した翻訳文には欠落部分がありましたので、当該部文を補充すべく訂正いたしました。当該欠落部分は、請求項18ないし32、および、発明の詳細な説明の段落0116から0154までが該当します。さらに、発明の詳細な説明の全体並びに図面の簡単な説明の図16ないし22において、変換ミスに起因する誤字がありましたので、訂正いたしました。誤字訂正部分は下線によって示します。
【図1】車両の乗員室に設けられた、本発明に基づく座席状態検出ユニットと、超音波又は電磁センサー、重量センサー、傾斜角検出センサー、座席トラック位置検出センサー、心拍センサー、モーションセンサー、ニューラルネットワーク回路、およびエアバッグシステムを示すものである。
【図2】超音波又は電磁センサーの相対的な位置関係を示すために、乗員室の助手席を示すものである。
【図3】本発明に基づく座席状態検出ユニットの回路図である。
【図4】図4(a)、4(b)、4(c)は、反射波が受信機に到達する時間に取得された、各発信装置から助手席方向に向けて照射した超音波の反射波を示す図である。図4(a)は搭乗者が正常な位置にあるときの反射波の例、図4(b)は搭乗者が不正常な状態(搭乗者が前部パネルに近すぎるとき)にあるときに得られた反射波の例、図4(c)は発信されたパルスを示す。
【図5】超音波又は電磁センサーからの反射波のデータ処理を示す図である。
【図6】ニューラルネットワーク回路のトレーニングステップを示すフローチャートである。
【図7】図7(a)は、反射波をノーマライズするためのプロセスとノーマライズされた反射波を例示する図であり、図7(b)は図7(a)と同様に、ノーマライズされた反射波を取り出したデータと、座席トラック位置検出センサーのデータと、傾斜角検出センサーからのデータと重量センサーからのデータを使用して、取り出したデータを重み付けを行う過程を示したものである。
【図8】可動ヘッドレストと座席面からの搭乗者の高さを測定するためのセンサーと、座席を動かすためのモーターと、センサーとモータとに接続された制御回路とを、座席をすかして見せた、自動座席調節システムの斜視図である。
【図9】図8に示した座席に、さらに座席に取り付けた重量センサーを示す斜視図である。図9Aは、図9において線9A−9Aに沿った断面であり、図9Bは、図9Aで9Bとして示した部分の拡大図である。
【図10】1つは搭乗者の頭上のライナーの中に他方はAピラーの中に設けられた、2つの搭乗者の高さ測定センサーと、搭乗者の高さに基づいて自動的に調節される調節可能な上部固定位置を有するシートに対応したシートベルトを示すために、一部を切り取って示した自動車の内部の平面図である。
【図11】座席背もたれの傾斜角とランバーサポートを動かすためのモーターを有する、図8に示した座席を示す図である。
【図12】座席の合成とダンピングを変化させるシステムを有する図8に示した座席を示す図である。
【図13】運転者の形態に基づいて調節可能な自動調節ハンドルカラムとペダルシステムを有する運転席を示す図である。
【図14】位相配置システムにおいて使用することができる種々の発信器を示すために、部分的に取り外して自動車の乗員室内部を示す斜視図である。
【図15】前面窓とバックミラーとを正しく見ることができる上下方向位置に目を位置付けられた座席と搭乗者の目を示す図8に類似の図である。
【図16】ヘッドレストに収容された高さセンサーと座席内の重量センサーに基づいて決定される、衝突時のエアバッグのエアバッグへのガス流入量とエアバッグからのガス流出量とを制御する構造を有するエアバッグが膨らんだ状態を示す、図8に類似の図である。
【図17】図17Aは、本発明に基づく調整システムの基本的な実施例を示す概念図、図17Bは、本発明の基づく調節システムの別の実施例を示す概念図である。
【図18】図18は、座席に直接取り付けられた座席制御機構の部分に設けられた重量測定変換器を示す、搭載された対象物の重量を測定する装置の実施例を示す斜視図である。
【図19】本発明に基づく、座席に搭載された対象物の重量を測定する装置の重量測定ひずみセンサーの座席上における好ましい設置位置と、車両への座席の3つのスライド取り付け機構を示すために、座面クッションと背もたれクッションを取り外して示す座席構造の斜視図である。図19Aは、ガセットとガセットに搭載されたひずみゲージを有する、図19において円Aで示した座席構造変換器設置位置を示す別の図面であり、図19Bは、本発明に基づく座席に搭載された対象物の重量を測定する装置の中央横断支持部材に設けられた重量測定変換器の設置位置を示す図である。
【図20】20Aから20Cは、チューブ上の座席支持構造部材に搭載された本発明の座席の搭載された対象物の重量測定装置のひずみ変換器の設置に関する異なる方法を示すものである。
【図21】圧力測定変換器を使用した別の重量測定変換器を示すものである。
【図22】ひずみ変換器を使用した異なる座席構造を示すものである。図22Aは、例えば、図22に示した搭載位置に設ける本発明の片持ち梁型のロードセルの斜視図であり、図22Bは、図22Aに示した片持ち梁上のロードセルに代えて使用することができる、本発明に基づく単純支持梁型のロードセルを示す斜視図であり、図22Cは、図22Bにおいて22Cで示した部分の拡大した図であり、図22Dは、図22Aに示した片持ち梁型のロードセルに代えて本発明で使用することができる重量測定システムのチューブ型ロードセルを示す斜視図であり、図22Eは、図22Aに示した片持ち梁型のロードセルに代えて本発明において使用することができる重量測定装置のトーションビーム型のロードセルを示す斜視図である。
特許法184条の4、第1項に基づいて2001年5月17日に提出した翻訳文には欠落部分がありましたので、当該部文を補充すべく訂正いたしました。当該欠落部分は、請求項18ないし32、および、発明の詳細な説明の段落0116から0154までが該当します。さらに、発明の詳細な説明の全体並びに図面の簡単な説明の図16ないし22において、変換ミスに起因する誤字がありましたので、訂正いたしました。誤字訂正部分は下線によって示します。
Claims (32)
- 下部構造から座席を支持するための支持構造を具備する座席に搭載された対象物の重量を測定するための装置であって、
それぞれが前記支持構造物の対応する位置に設けられ、設けられた位置における支持構造のひずみを測定する少なくとも1つのひずみゲージ変換器と、
当該少なくとも1つのひずみゲージ変換器に対応して設けられ、前記少なくとも1つのひずみ変換装置が測定した支持構造のひずみに基づいて座席に搭載された対象物の重量を決定する制御システムとを具備する装置。 - 前記下部構造は、車両の床である請求項1に記載の装置。
- さらに前記少なくとも1つのひずみゲージ変換装置を前記制御システムに接続するための電気的接続手段を具備する請求項1に記載の装置。
- 前記少なくとも1つのひずみゲージ変換器は複数のひずみゲージ変換器を有する請求項1に記載の装置。
- 前記変換器は、単一のワイヤによってすべての変換器が制御モジュールに接続されるように前記変換器はデイジーチェーン接続されている請求項4に記載の装置。
- 前記少なくとも1つの変換器は、ひずみゲージエレメントとその近傍に設けられた信号調整電子回路を有する請求項4に記載の装置。
- 前記少なくとも1つのひずみゲージのそれぞれが信号調整回路とアナログからデジタルへの変換器を具備して測定したひずみをデジタル信号として出力するように構成された請求項1に記載の装置。
- 前記支持構造は、下部構造に搭載された2つの長いスライド機構と当該スライド機構と座席と結びつける支持部材とを具備し、前記少なくとも1つのひずみゲージ変換器は、複数のひずみゲージ変換器を有して、そのうちの1つのひずみゲージ変換器が前記支持部材のうちの少なくとも1つに設けられている請求項1に記載の装置。
- 前記支持構造はさらに、スライド部材を有し、前記ひずみゲージ変換器のうちの1つは当該スライド部材に設けられている請求項8に記載の装置。
- さらに前記ひずみゲージ変換器の精度を向上させるための手段を具備する請求項8に記載の装置。
- 前記ひずみゲージ変換器の精度を向上させるための手段は、ながて方向に対抗する端部を有する第1と第2の構造部材と、当該第1と第2の構造部材の対抗する端部に重ね合わせられて、第1と第2の構造部材に接続された第3の構造部材を有し、前記ひずみゲージ変換器のうちの1つは当該第3の構造部材上に設けられている請求項10に記載の装置。
- 前記ひずみゲージ変換器の精度を向上させるための手段は、座席近傍の第1の断面が第1の直径を有し、対応するスライド機構近傍の第2の断面が第1の断面と同一の直径を有し、当該第1と第2の断面の間の第3の断面が第1の直径よりも小さな第2の直径を有し、前記ひずみゲージ変換器のうちの1つはチューブの当該第3の断面部に設けられている請求項10に記載の装置。
- 前記ひずみゲージ変換器の精度を向上させるための手段は、開口を有するチューブからなる少なくとも1つの支持部材を有し、前記ひずみゲージ変換器のうちの1つは当該開口の近傍に設けられている請求項10に記載の装置。
- 前記支持部材はそれぞれ対応する座席側面と対応するスライド機構とをつなぐためのアングル構造を有する請求項8に記載の装置。
- 前記支持部材はそれぞれ当該構造のアングルに掛け渡したガセットを有し、前記ひずみゲージ変換器は当該ガセットに設けられた請求項14に記載の装置。
- 前記座席はクッションと座席の両サイドからクッションの下に伸びる横断支持部材を具備し、前記少なくとも1つの変換器は当該横断支持部材に設けられた請求項1に記載の装置。
- 座席の搭載状況に従って車両のコンポーネントを調節する調節システムであって、
乗員室の座席部からの波動を受信して当該少なくとも1つの波動センサーが受信した波動を示す出力を作成する少なくとも1つの波動センサーと、
当該制御システムが座席に加えられた測定重量を表す出力を作成する、請求項1に記載された重量測定装置と、
コンポーネントに関連して設けられてコンポーネントを調節する調節手段と、
前記少なくとも1つの波動センサーと前記重量測定装置からの出力を受けて、それらと座席の着座状態のうちの少なくとも1つの評価に基づいて当該座席の着座状態を評価し、当該調節手段にコンポーネントを調節するように命令するプロセッサ手段とを具備するシステム。 - 重量測定座席であって、
占有物が位置する部分を含むクッションと、
基板上に当該クッションを支持する支持構造と、
少なくとも一つのひずみゲージ変換器であって、当該少なくとも一つのひずむゲージ変換器のそれぞれは、当該支持構造のそれぞれの位置に搭載され、当該ひずみゲージ変換器が搭載されている位置にある当該支持構造のひずみを測定するように設置されている変換器と、
当該少なくとも一つのひずみゲージ変換器によって測定された当該支持構造のひずみに基づいて当該座席の占有物の重量を決定するための当該少なくとも一つのひずみ変換器と連結した制御システムからなる重量測定座席。 - 基板上に座席を支持する支持構造であって、
当該座席と連結する少なくとも一つの部材と、
少なくとも一つのひずみゲージ変換器であって、当該少なくとも一つのひずむゲージ変換器のそれぞれは、上記少なくとも1つの部材に搭載され、当該ひずみゲージ変換器が搭載されている位置にある上記少なくとも1つの部材のひずみを測定するように設置されている変換器と、
当該少なくとも一つのひずみゲージ変換器によって測定された上記少なくとも1つの部材のひずみに基づいて当該座席の占有物の重量を決定するための当該少なくとも一つのひずみ変換器と連結した制御システムからなる重量測定座席。 - 座席の占有物の重量を測定するための装置であって、当該座席は、基板に当該座席を搭載するための複数のスライド機構と当該座席を当該スライド機構に搭載するためのボルトからなり、当該装置は、
当該スライド機構の一つと当該座席に付加される圧力測定のための座席に間に配置された少なくとも1つの圧力センサーであって、当該少なくとも1つの圧力センサーのそれぞれは、圧力に敏感な物資を具備し、
上記少なくとも1つの圧力センサーによって測定される圧力に基づいて座席の占有物の重量を決定するための当該圧力に敏感な物質と連結する制御システムからなる装置。 - 上記圧力敏感物質は、その上面と下面に電極を含む請求項20に記載の装置。
- 座席の占有に基づいて、車両コンポーネントを調整するための調整システムであって、
搭乗者区分の座席エリアからの波動を受信し、当該少なくとも1つの波動センサーによって受信された反射波の出力代表値を発生させる少なくとも1つの波動センサーと、
請求項20の重量測定装置であって、上記制御システムは、当該座席に加わる測定重量
の出力代表値を発生するように配置された重量測定装置と、
上記コンポーネントを調整するために上記コンポーネントに接続されて配置された調整手段と、
上記少なくとも1つの波動センサーと上記重量測定装置からの出力を受信し、それに基づいて座席の着座状態を評価し、少なくとも当該座席の着座状態の評価に基づいて当該調整手段に当該コンポーネントを調整するよう支持する処理手段からなる調整システム。 - 上記コンポーネントは、エアバックである請求項22に記載のシステム。
- 座席の占有物の重量測定装置であって、
座席と当該座席が支持されている基板上に搭載されるために採用したロードセル、であって、当該ロードセルには、1つの部材と、上記部材に配置され、当該座席の占有物の重量が原因で当該部材に発生したひずみを測定する1つのひずみゲージが含まれるロードセルと、
当該ひずみゲージが測定した当該部材のひずみに基づいて座席の占有物の重量を測定するために 当該ロードセルと連結した制御システムからなる装置。 - 上記部材は、ビームであり、上記ひずみゲージには2つのひずみ感知要素が含まれ、第一の当該ひずみ感知要素の一つが当該ビームの縦方向に配置されており、第二の当該ひずみ感知要素の一つが当該ビームの横方向に配置されている請求項24に記載の装置。
- 上記部材は、ビームであり、上記ひずみゲージには4つのひずみ感知要素が含まれ、第一組の当該ひずみ感知要素が当該ビームの縦方向に配置されており、第二組の当該ひずみ感知要素が当該ビームの横方向に配置されている請求項24に記載の装置。
- 上記部材は、上表面に1つの穴を含むビームであり、上記ひずみゲージは、当該穴に位置する請求項24に記載の装置。
- 上記部材は、管であり、上記ひずみゲージには、上記管に配置され、当該管の圧縮ひずみを測定するように配置された少なくとも1つのひずみ探知要素と、当該管の引っ張り歪みを測定するように配置された少なくとも1つのひずみ探知要素が含まれている請求項24に記載の装置。
- 上記ロードセルは、更に上記管を座席と基板に接合するためのボルトからなる請求項28に記載の装置。
- 上記部材は、細長トーション棒であり、当該トーション棒は、その両端が基板に設置されており、上記ロードセルは、更に当該トーション棒の両端の間に配置されたレバーを具備し、当該レバーは、座席に加わる重力に基づき、当該トーション棒へトルクが付与されるように座席に接続されている請求項24に記載の装置。
- 上記ひずみゲージには、少なくとも1つの捩じれひずみ感知要素が含まれている請求項30に記載の装置。
- 座席の占有に基づいて車両のコンポーネントを調整する調整システムであって、
少なくとも1つの波動センサーであって、車両区分の座席エリアから波動を受信し、当該少なくとも1つの波動センサーによって受信された波動の出力代表値を発生させるセンサーと、
座席に加えられる測定重量の出力代表値を発生させるために上記制御システムが配置されている請求項24に記載の重量測定装置と、
コンポ−ネント調整のために当該コンポーネントに接続されて配置されている調整手段と、
当該少なくとも1つの波動センサーと当該重量測定装置からの出力を受信し、それに基づいて座席の着座状態を評価し、少なくとも座席の着座状態の評価に基づいて、当該調整手段に当該コンポーネントの調整を指示する処理手段を具備する調整手段。
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