JP2004517614A - 組み換えタンパク質を発現する発酵における代謝速度シフト - Google Patents

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Abstract

本発明は、組み換え宿主細胞によるポリペプチドの発現が誘導可能な系によって制御されている、組み換え宿主細胞によって生産されるポリペプチドの生産量を増加させる方法を提供する。より具体的には、本方法は、高代謝及び生育速度の条件下で組み換え宿主細胞を培養し、その後、ポリペプチド発現の誘導時に組み換え宿主細胞の代謝速度を低下させることを含む。特に、本発明は、誘導可能な系で制御された組み換え体大腸菌宿主細胞によって生産される抗体、成長因子、又はプロテアーゼの生産量を増加させる方法を提供する。

Description

【発明の分野】
【0001】
本発明は、組み換えタンパク質を生産する発酵、特に原核生物及び単純な真核生物系からの産物産生量の改良に関する。さらに特化すると、この発明は、大容量発酵での適切にアセンブリしたタンパク質の生産量を大幅に高める。
【0002】
(本発明の背景)
相対的に純粋で、生物学的に活性なポリペプチド及びタンパク質は、ヒト及び動物の医薬製剤、酵素、及び他の特殊化学製品の製造にとって経済的に重要である。組み換えDNA技術は、細菌や他の宿主細胞を利用して大量の外来タンパク質を生産するために選択する方法になっている。生体触媒として機能する細胞又は細胞部分の生産のための組み換えDNA技術によるタンパク質の発現は、重要な応用でもある。
【0003】
組み換えタンパク質を生産することには、そのタンパク質をコードするDNAで宿主細胞をトランスフェクトし、組み換えタンパク質の発現に適した条件下でその細胞を生育させることが含まれる。原核生物である大腸菌は、組み換えタンパク質を高生産させるように作製することができるために、宿主として好まれる。タンパク質をコードするDNAの一般的な細菌による発現に関する多くの米国特許があり、それには、細胞外又はペリプラズムキャリアータンパク質の細菌遺伝子及び非細菌遺伝子を含んでなる組み換え体DNA分子に関する米国特許第4,565,785号;外来ポリペプチドと凝集形成ポリペプチドの同時生産に関する米国特許第4,673,641号;trpプロモーター/オペレーター及びIGF―I等のポリペプチドとのtrpLE融合物を有する発現ベクターに関する米国特許第4,738,921号;外来タンパク質を含む発現コントロール配列に関する米国特許第4,795,706号;IGF―Iをコードしているような特異的環状DNAプラスミドに関する米国特許第4,710,473号;酸素送達を操作することによって細菌での発現を改良することに関する米国特許第5,342,763号;及び細菌ペリプラズムへの発現タンパク質の分泌に関する米国特許第5,639,635号が含まれる。
発酵生産量が向上すれば、組み換えタンパク質はより安価になる。生産量は、組み換えタンパク質が適切に折りたたまれ、アセンブルタンパク質が形成される速度、及びタンパク質が生産される時間の長さに依存する。
【0004】
組み換えタンパク質の発現速度は、一般的には、細胞の生育及び代謝速度に左右される。より高い生育速度では、誘導された時にタンパク質が発現されることが可能な速度は、一般的には高くなる(Curlessら.,Biotechnol.Prog.1990,6:149)。しかしながら、誘導すると、高いタンパク質発現速度が、常に活性の速度形成の速い速度、適切に形成された産物につながるわけではない。言い換えると、翻訳されたタンパク質の量は最高値となり得るが、他の要因は、産物の質、例えば、プロテアーゼ又は他の有害な翻訳後修飾によるタンパク質の分解を損なう(Ryanら.,Biotechnol.Prog.1996,12:596;Yoonら.,Biotechnol.Prog.1994,43:995)。効率的な発酵は、有用なタンパク質の生産に対して生育速度を平衡化することを要求する;これらの因子間の妥協は、総生産量の減少を生産量の理論的潜在力より低くする。結果として、幾つかの中間生育速度は、高品質産物の多量の生産にとって、より好ましい。
【0005】
さらなるやっかいな問題とは、組み換えタンパク質発現の誘導、それは、細胞にとって何ら益もなく、そして多くの場合は有意な害をともなって、基本的に、大量の産物を生成するために細胞タンパク質アセンブリプロセスを乗っ取ることである。事実、アルカリホスファターゼプロモーターを利用したリン酸欠乏によって引き起こされる誘導の場合では、リン酸飢餓そのものによって、生育速度は劇的に短くなる。しかしながら、この効果は、代謝速度に作用しない。
従って、当該分野では、有用な組み換えタンパク質生産の量を増やす必要がある。本発明は、有利にも、予期せぬように、高いレベルのタンパク質合成、アセンブリ及びフォールディングを可能にすることによって、この必要性を扱う。異なる要因が、培養の増殖期の間で誘導前、誘導後に有用タンパク質の生産量を最高値にするのに重要な役割を担う可能性があるために、可溶性、適切に折りたたまれたアセンブルした抗体断片の場合のように、これら2つの要因の別々のコントロールが、有用なタンパク質の向上した生産量につながる可能性がある。
【0006】
(本発明の要約)
本発明は、組み換え宿主細胞によるポリペプチドの発現が、誘導系によって制御されている、組み換え宿主細胞によって生産される対象のポリペプチドの産物生産量を増加させる方法を提供する。さらに具体的には、この方法は、高代謝及び生育速度の条件下で組み換え宿主細胞を培養し、次いで、ポリペプチド発現の誘導時に組み換え宿主細胞の代謝速度を減じることを含む。
特定の実施例では、本発明は、誘導系で制御されている組み換え大腸菌宿主細胞によって生産される抗体、成長因子、又はプロテアーゼの産物生産量を増加させる方法を提供する。
【0007】
さらなる特定の実施態様では、本発明は、代謝速度(速度移動)の減速を開始する時間、代謝速度の調整(移動)の速度、及び最終代謝速度を選択することによって、例えば、Fab´対FabFv抗体断片のように、異なる構造を有する活性な折りたたまれたタンパク質を増加させる方法を提供する。本発明のこれらパラメーターを調整することは、異なる二次及び三次構造、相互作用及びリフォールディング特性、大きさ及び接触領域、及びタンパク質アセンブリと機能に作用することができる他の因子を有する、正確に折りたたまれたタンパク質の生産量を高める。
【0008】
(詳細な説明)
本発明は、最初に、細胞を高い生育速度で培養し、次いで、その細胞の代謝速度を減じて(速度シフト)異種タンパク質の適切なフォールディング又はアセンブリを可能にすることによって培養中の細胞のタンパク質産生能力を増大させることによって、組み換え宿主細胞による異種組み換えタンパク質の生産量を高める方法を有利に提供する。特定の実施態様では、高い生育速度を実行することによって、非相同的な遺伝子の発現の期間が伸びることが見出された。さらなる特定の実施態様では、代謝速度のシフトは、適切に折りたたまれ、適切ならば、アセンブリされたタンパク質の生産量を高める。これらの特徴が一緒になって、発酵効率を高める。
【0009】
本発明は、細胞の細胞代謝速度の意図的なダウンシフト(酸素転移速度及び、対応して、又は発酵におけるグルコース供給速度を操作することによって)が、有意に産物生産量を向上させるという、抗CD18Fab´及び抗VEGFFabを生産する多くのアコーレ(Acaule)発酵での知見に基づく。特に、相対的に高い代謝速度で細胞を生育させること、次いで、抗体発現の誘導の後で劇的に代謝速度をシフトダウンさせることによって、生産量が大きく向上する。かなりの量のデータが、この手法によって、有意により高い力価につながる抗体断片アセンブリの期間を伸ばすことが示される。
これらの実験は、また、任意の与えられた異種タンパク質発現系、すなわち、タンパク質の性質及び宿主の特徴にとって、代謝速度シフトをチューニングすることは、さらに有用なタンパク質の生産量を増加させることになることを確立した。チューニングする変数には、代謝速度シフト、減少速度(利用可能な酸素又は炭素/エネルギー源、又は両方における減少の速度)、及び最終代謝速度(利用可能な酸素レベル、利用可能な炭素/エネルギー源レベル又は両方)を含む。
【0010】
結果として、誘導後、タンパク質発現速度は、発酵槽中の細胞の酸素取り込み速度の1つの共通尺度である代謝速度を操作することによってコントロールすることができる。代謝速度のコントロールは、大抵は発酵又は撹拌速度及び逆圧等のパラメーターの操作との組み合わせで、細胞への酸素移動速度をコントロールするように、主要な炭素源、一般的にはグルコースの供給をコントロールすることによって達成することができる。これとは逆に、代謝速度のコントロールは、グルコース供給速度の減少との組み合わせで、利用可能な酸素を限定することによって達成することができる。同じような交換条件は、タンパク質合成速度と、生育速度前誘導をコントロールすることに関して前出で論じたような代謝速度誘導後をコントロールするための有用産物の形成速度の間に存在する。抗体断片の生産量を最大する場合については、個々の軽鎖及び重鎖ポリペプチドからの可溶性で活性な産物のアセンブリの速度及び期間は、幾つかの好ましい誘導後代謝速度でおこる。
【0011】
文献中のデータは、発酵がタンパク質生産にとって好ましい生育速度を有し得ることを示すが、この出願中の結果は、発酵の異なる段階での代謝速度のシフトが重要な利益を提供することを示している。言い換えると、我々は、以前の好ましい一定の代謝速度で発酵を進めることによって得られる力価に比べると、代謝速度をシフトすることによって有意な向上した産物生産量を我々を見出す。今日までのすべてのデータは、大腸菌による抗体断片を生産する発酵を利用することで得られるが、この手法は、成長ホルモンを含む、他の原核生物及び単純な真核生物系で発現する種々のタンパク質に適用される。
ここで用いられているように、「代謝速度を減じること」又は「代謝速度をシフトダウンすること」とは、速い生育及び増大をしている宿主細胞が、生育及び増大を低下(止める)ように、宿主細胞培養条件を改変することを意味する。すでに低下した生育段階にある細胞の場合は、酸素取り込みの速度、及び対応する炭素/エネルギー源の取り込みの速度は低下している。呼吸している細胞の場合、代謝速度は、主に、細胞が利用可能な酸素を利用して利用可能な炭素/エネルギー源を酸化する速度によって決定されるので、代謝速度は、これら2つの反応物のいずれかを限定することによって減じることができる。よって、代謝速度の減少は、特に、(1)細胞培養での利用可能な酸素量を減じること(すなわち、発酵);(2)利用可能な炭素/エネルギー源;又は(3)両方を減じることから起こすことができる。
【0012】
「利用可能な酸素」という用語は、細胞によって利用することができる酸素を指し、「利用可能な酸素を低下させること」は、培養への酸素移動速度を低下させること、又は細胞によって酸素移動を低下させること、又は両方によって影響される可能性がある。大抵は、同様にして、グルコース(又はあるいは炭素/エネルギー源)の供給速度を減じることが望ましく、それ故に、どの反応物が最も直接に呼吸を限定するかによって、溶解酸素濃度は、低下し得るか又はそうではない。
【0013】
ここで用いられているように、「炭素/エネルギー源」という用語は、細胞にとっての炭素及びエネルギーの源を指す。そのような源の例としては、グリセロール、コハク酸、乳酸、及び糖類、例えばグルコース、乳糖、スクロース、及びフルクトースが含まれる。用いる特定の炭素/エネルギー源の選択は、宿主細胞の特徴に主に依存する。大腸菌発酵にとって好ましい炭素/エネルギー源は、グルコースである。
従って、低下する利用可能な炭素/エネルギー源とは、炭素/エネルギー源の濃度又は供給速度を減じること、又は宿主細胞への移動速度、又は宿主細胞の炭素/エネルギー源、又は双方を減じることを意味することが可能である。
【0014】
ここで用いられているように、「高い代謝及び生育速度条件下で宿主細胞を培養すること」とは、宿主細胞培養条件を好ましい生育に設定することを意味し、それは、例えば、代謝速度を減じて「産物生産量」を高める前に、細胞が速い生育及び代謝速度を有するように、栄養物、エネルギー及び酸素の非制限又は相対的に高い供給速度を提供することによる。これらの条件下では、宿主細胞の倍増時間は、その最小値へ低下し、宿主細胞代謝は、指数関数的に最大値へ増加し、潜在的にどちらか又は双方の条件へ達する。代謝及び生育速度の測定は、限定されるものではないが、細胞数の増加の測定、細胞密度の増加の測定(例えば、吸光度)、細胞を含有する生育培地のpH変化の測定、蓄積代謝物の測定、熱生産の測定、培地の電気伝導度の測定、栄養物供給速度の測定、及び酸素取り込みと二酸化炭素放出の測定を含む、日常的な技術を用いて容易に確かめることができる。
【0015】
ここで用いられているように、「産物の生産量」という用語は、発酵系によって生産された有用な組み換えタンパク質を指す。タンパク質量は、限定されるものではないが、クロマトグラフィー、分光分析、ゲル電気泳動、エミナーゼ(Eminase)、カマスブルー又は銀染色、及びローリーアッセイを含む、日常的手法を利用して容易に確かめることができる。タンパク質の質は、さらに、適切な生物物理的又は活性アッセイ、例えば、高速液体クロマトグラフィー、分光分析、又はエミナーゼで産物を標準と比較することによって評価する。活性アッセイによって、適切に折りたたまれた又はアセンブリした機能的タンパク質を明かにすることができる。従って、適切にアセンブリした抗体は、好ましくは、コントロールの抗体と同じような親和性で抗原と結合することができる。適切にアセンブリした成長因子、ホルモン、又はサイトカインは、その同族のレセプターと結合し、さらに、野生型成長因子、ホルモン、又はサイトカインと匹敵する様式で細胞シグナル伝達を誘導する。適切に再び折りたたまれたプロテアーゼは、野生型プロテアーゼと同じ特異性でペプチド結合を切断する。
【0016】
ここで用いられているように、「対象のポリペプチド」とは、一般的に、約10個よりも多いアミノ酸を有するペプチド及びタンパク質を指す。このポリペプチドは、細菌宿主細胞にとって内因性であり得て、酵母ポリペプチド、又はより好ましくは、哺乳動物ポリペプチドのように、宿主細胞にとって外因性であり得る。細菌ポリペプチドの例には、例えば、アルカリホスファターゼ及びベータ―ラクタマーゼが含まれる。哺乳動物ポリペプチドの例には、例えば、レニン、ヒト成長ホルモン、des―N―メチオニルヒト成長ホルモン、及びウシ成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;チロキシン;リポタンパク;アルファ―1―アンチトリプシン;インシュリンA−鎖;インシュリンB−鎖;プロインシュリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;因子VIIIC、因子IX、組織因子、及びvonWillebrands因子等の凝固因子;プロテインC等の抗凝固因子;心房性ナトリウム利尿因子;肺界面活性剤;ウロキナーゼ又はヒト尿又は組織型プラスミノーゲン活性化剤(t―PA)等のプラスミノーゲン活性化剤;ボンベシン;トロンビン;造血性成長因子;腫瘍壊死因子−アルファ及びベータ;エンケファリナーゼ;ヒト血清アルブミン等の血清アルブミン;ミューラー阻害物質;リラキシンA−鎖;リラキシンB−鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;ベータ−ラクタマーゼ等の微生物タンパク質;DNA分解酵素;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子(VEGF);ホルモン又は成長因子のレセプター;インテグリン;トロンボポエチン;プロテインA又はD;リウマチ因子;骨誘導神経向性因子(BDNF)、ニューロトロフィン―3、―4、―5又は―6(NT―3、NT―4、NT―5、又はNT―6)、又はNGF―ベータ等の神経成長因子などの神経向性因子;血小板誘導成長因子(PDGF);aFGF及びbFGF等の繊維芽成長因子;表皮成長因子(EGF);TGF―β1、TGF―β2、TGF―β3、TGF―β4、又はTGF―β5を含むTGF―アルファ及びTGF―ベータ等のトランスフォーミング成長因子(TGF);インシュリン様成長因子―I及び―II(IGF―I及びIGF―II);インシュリン様成長因子結合タンパク質;CD―3、CD―4、CD―8、及びCD―19等のCDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);ソマトトロピン;インターフェロン―アルファ、―ベータ、及び―ガンマ等のインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M―CSF、GM―CSF、及びG―CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL―1からIL―15;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞レセプター;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス性抗原、例えばAIDSエンベロープの一部等;輸送タンパク質;ホーミングレセプター;アドレシン(addressin);調節タンパク質;抗体;及び上に列挙した任意のポリペプチドの断片を含む。
【0017】
ここで用いられているように、「抗体」という用語は、完全長免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、IgM)及びそのすべてのアイソタイプ、ヒト化又はキメラ抗体、多重特異性抗体、CDR修飾抗体、及びその抗体断片を指す。抗体断片には、Fab´、Fab、scFv一本鎖抗体等が含まれる。
対象の好ましいポリペプチドは、最小のタンパク質分解と最大の適切な再折りたたみ又は活性物質で細菌細胞内で容易に産生され、それらの意図する用途のためにグリコシル化される必要のないものである。そのような哺乳動物ポリペプチドの例には、抗体(又はその断片)、IGF―I、成長ホルモン、DNA分解酵素、リラキシン、成長ホルモン放出因子、インシュリン、ウロキナーゼ、免疫毒素、及び抗原が含まれる。特に、好ましい哺乳動物ポリペプチドには、抗体、IGF―I、及び成長ホルモンが含まれる。
【0018】
修飾した「宿主細胞」とは、対象のポリペプチドをコードする核酸が導入された細胞である。あるいは、対象のポリペプチドは、制御配列が増大した発現のレベルを提供するように修飾されていることを別として、細胞のゲノムの一部分である遺伝子によってコードされることが可能である。
【0019】
宿主細胞の例には、限定されるものではないが、細菌生物体(細菌)、古細菌、酵母及び他の糸状菌、植物細胞、及び動物細胞等の単一細胞真核生物が含まれる。この目的のために適切な細菌には、好気性及び通性細菌、古細菌及び真正細菌のいずれか、特に真正細菌、そして最も好ましくは腸内細菌が含まれる。有用な細菌の例には、大腸菌、エンテロバクター、アゾトバクター、エルウィニア、バチルス、シュードモナス、クレブシエラ、プロテウス、サルモネラ、セラチア、シゲラ、リゾビア、ビトレロシラ(Vitreoscilla)、及びパラコッカスが含まれる。適切なアコーレ(Acaule)宿主には、アコーレW3110(ATCC27,325)、アコーレ294(ATCC31,446)、アコーレB、及びアコーレX1776(ATCC31,537)が含まれる。これらの例は、限定されるというよりは例示的である。上述の細菌の任意の変異細胞も、用いることができる。勿論のこと、細菌の細胞中でレプリコンの複製の可能性を考慮することで適切な細菌を選択することが必須である。例えば、アコーレ、セラチア、又はサルモネラ種は、pBR322、pBR325、pACYC177、又はpKN410のような良く知られたプラスミドがレプリコンを供給するために利用される場合に、宿主として適切に用いることができる。アコーレ株W3110は、それが組み換えDNA産物発酵のための一般的な宿主株であるために、特に好ましい親宿主である。好ましくは、宿主細胞は、最小量のタンパク質分解酵素を分泌すべきである。例えば、株W3110を修飾して、タンパク質をコードする遺伝子の遺伝的変異に作用するようにすることができ、そのような宿主の例には、完全な遺伝子型ΔfhuAを有するアコーレW3110株1A2;完全な遺伝子型ΔfhuA―ptr3を有するアコーレW3110株9E4;完全な遺伝子型ΔfhuA―ptr3phoA―Δ―E15―Δ―(argF―lac)169ompT―Δ―degP41kanを有するアコーレW3110株27C7(ATCC55,244);完全な遺伝子型ΔfhuA―ptr3phoA―Δ―E15―Δ―(argF―lac)169ompT―Δ―degP41kanrbs7―Δ―ilvGを有するアコーレW3110株37D6;非カナマイシン耐性degP欠損変異を有する株37D6である、アコーレW3110株40B4;及び1990年8月7日に発行の米国特許第4,946,783号に開示されている変異ペリプラスムプロテアーゼを有するアコーレ株が含まれている。哺乳動物細胞の例は、COS―1又はCHO細胞、HeLa細胞、293T(ヒト腎臓細胞)、マウス原発性筋芽細胞、及びNIH3T3細胞である。酵母種の例としては、サッカロミセス・セレビシェ、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・アティリス、及びファフィア・ロドシーマがある。他の適切な宿主細胞としては、SF―9細胞(ヨトウガ)等の昆虫細胞がある。
【0020】
宿主細胞は、受け入れやすい培養条件、すなわち、温度(一般的に約25―37℃)、pH(一般的にpH7―8)、湿度(一般的に約100%)、酸素、及び炭素/エネルギー源を含む栄養物の入手可能性の適切な条件下で生育する。ここに記載のように、酸素及びエネルギー源の入手可能性が、宿主細胞の生育速度を決定する。
ここで用いられているように、「大規模」発酵とは、酵素による発酵、又は少なくともおよそ1000リッターの容積、即ち、ヘッドスペースのために十分な空間を残す作業容量を指す。「小規模」発酵とは、一般的に、酵素による発酵、又はおよそ100リッターの容積より少ない、好ましくはおよそ10リッターより少ないことを指す。
【0021】
(組み換え宿主細胞)
本発明によると、当該分野の技術範囲内にある常套的分子生物学、微生物学、及び組み換えDNA技術が用いられ得る。このような技術は、文献にすべて説明されている。例えば、Sambrook,Fritsch&Maniatis,MolecularCloning:ALaboratoryManual,第2版(1989)コールド・スプリング・ハーバー研究所出版,コールド・スプリング・ハーバー,ニューヨーク(ここでは、「Sambrookら.,1989」);DNACloning:APracticalApproach,第I及びII巻(D.N.Glover編1985);OligonucleotideSynthesis(M.J.Gait編1984);NucleicAcidHybridization(B.D.Hames&S.J.Higgins編1985);TranscriptionAndTranslation(B.D.Hames&S.J.Higgins,編 1984);AnimalCellCulture(R.I.Freshney,編1986);ImmobilizedCellsAndEnzymes(IRL出版,1986);APracticalGuideToMolecularCloning(B.Perbel,1984);CurrentProtocolsinMolecularBiology,(F.M.Ausubelら.編 1994)を参照せよ。特に細菌での組み換え技術が記載されている、EscherichiacoliandSalmonella(Neidhardtら.,ASM出版,1996)。
【0022】
「組み換えDNA分子」とは、分子生物学的操作を受けたDNA分子である。
【0023】
ここでのポリヌクレオチドは、天然制御(発現コントロール)配列が近接する可能性があり、又はプロモーター、内部リボソーム侵入部位(IRES)及び他のリボゾーム結合部位配列、エンハンサー、応答エレメント、サプレッサー、シグナル配列、ポリアデニル化配列、イントロン、5´―及び3´―非コード化領域等を含む異種配列と結合する可能性がある。この核酸は、当該分野で知られている多くの手法によっても修飾することができる。そのような修飾の非制限的な例には、メチル化、「キャップ」、1つ又は複数の天然発生ヌクレオチドの類似体との置換、そして、例えば、非電荷結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロアミダイト、カルバメート等)による、及び電荷結合(例えば、ホスホロチオネート、ホスホロジチオネート等)等によるヌクレオチド間修飾によっても修飾し得る。ポリヌクレオチドは、1つ又は複数の共有結合部分、例えばタンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ―L―リジン等)、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレン等)、キレート剤(例えば、金属、放射活性金属、鉄、酸化金属等)、及びアルキル化剤等を含むことができる。このポリヌクレオチドは、メチル又はエチルホスホトリエステル又はアルキルホスホロアミダイト結合の形成によって誘導され得る。さらには、ここでのポリヌクレオチドは、直接又は間接のいずれかで検出可能なシグナルを提供することが可能な標識で修飾することも可能である。例示的な標識には、放射線同位体、蛍光分子、ビオチン等が含まれる。
【0024】
「コード化配列」又は発現産物を「コード化する」配列、例えば、RNA、ポリペプチド、タンパク質、又は酵素は、発現した場合に、そのRNA、ポリペプチド、タンパク質、又は酵素の産物を生じ、即ち、ヌクレオチド配列が、そのポリペプチド、タンパク質又は酵素に関するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列である。タンパク質に関するコード化配列は、開始コドン(通常はATG)及び終止コドンを含む。
【0025】
「遺伝子」、同じく「構造遺伝子」とも呼ばれている用語は、1つ又は複数のタンパク質又は酵素のすべて又は一部分を含むアミノ酸の特定配列をコードするか又はそれに一致するDNA配列を意味し、例えば、遺伝子が発現する条件を決定するプロモーター配列のような制御DNA配列を含むか又は含まない可能性がある。構造遺伝子ではない幾つかの遺伝子は、DNAからRNAへ転写されるが、ポリペプチド配列へは翻訳されない。他の遺伝子は、構造遺伝子のレギュレーターとして、又はDNA転写のレギュレーターとして機能することができる。
【0026】
「発現する」及び「発現」という用語は、例えば、対応する遺伝子又はDNA配列の転写及び翻訳に関わる細胞機能を活性化することによってタンパク質を生産するように、遺伝子又はDNA配列の情報が明らかになるようにすること又はそれを引き起こすことである。DNA配列は、タンパク質等の「発現産物」が形成されるように、細胞で又は細胞によって発現する。発現産物そのもの、例えば、結果として生じるタンパク質は、細胞によって「発現される」とも言われ得る。発現産物は、細胞内、細胞外又は分泌として特徴付けることが可能である。「細胞内」という用語は、細胞の内に存在するあるものである。「細胞外」という用語は、細胞の外に存在するあるものである。物質が、どこからか又は細胞の内側から顕著な量で細胞の外に見出される場合、物質は、細胞によって「分泌」される。
「発現系」という用語は、宿主細胞及び適切な条件下での適合性のあるベクターであり、例えば、ベクターによって運ばれて宿主細胞へ導入された外来性DNAによってコードされたタンパク質の発現に関する。特定の実施態様では、組み換えタンパク質は、大腸菌宿主細胞で発現する。
【0027】
「異種」という用語は、天然では発生しないエレメントの組み合わせを指す。例えば、異種DNAとは、細胞又は細胞の染色体部位には、天然には位置しないDNAを指す。好ましくは、異種DNAは、細胞にとって外来性である遺伝子を含む。異種発現制御エレメントは、天然で、作用的に結合している遺伝子とは異なる遺伝子と作用的に結合しているエレメントである。本発明の文脈では、対象のタンパク質をコードする遺伝子は、クローニング又は発現のために挿入されているベクターDNAにとっては異種であり、そのようなベクターを含有する宿主細胞にとって異種であり、それは、例えば大腸菌細胞で発現される。
【0028】
「形質移入」という用語は、細胞へ外来核酸を導入することを意味する。「形質転換」という用語は、「外来」(即ち、外因性又は細胞外)遺伝子、DNA又はRNA配列の宿主細胞への導入を意味し、それによってその宿主細胞がDNAを複製し、所望する物質、典型的には、導入された遺伝子又は配列によってコードされるタンパク質又は酵素を生産するように、導入遺伝子又は配列を発現するようにすることである。導入された遺伝子又は配列は、「クローン」又は「外来」遺伝子又は配列とも呼ばれることがあり、制御又はコントロール配列、例えば、開始、終止、プロモーター、シグナル、分泌、又は細胞の遺伝的機構によって利用される他の配列を含み得る。この遺伝子又は配列は、非機能配列又は機能が知られていない配列を含み得る。DNAは、染色体組み込みによる染色体外エレメンター、又は導入DNAを受け入れて発現する宿主細胞のいずれかとして導入することができ、或いはRNAは「形質転換され」、「形質転換体」又は「クローン」である。宿主細胞へ導入されたDNA又はRNAは、宿主細胞として同じ属又は種の細胞、又は異なる属又は種の細胞を含む、任意のソースに由来することができる。
【0029】
用いられる宿主細胞によって、形質転換は、そのような細胞にとって適した標準的技術を用いておこなう。Sambrookら.,上掲の1.82章に記載の塩化カルシウムを用いたカルシウム処理は、頑丈な細胞壁バリヤーを有する細菌細胞に対して一般的に利用される。形質転換に関するその他の方法では、Chung及びMiller(NucleicAcidsRes.1988,16:3580)に記載のように、ポリエチレングリコール/DMSOを用いる。さらにその他の方法では、エレクトロポレーションと呼ばれる技術を利用する。
「ベクター」、「クローニングベクター」及び「発現ベクター」という用語は、DNA又はRNA配列(例えば、外来遺伝子)を宿主細胞へ導入して、宿主を形質転換して導入配列の発現(例えば、転写及び翻訳)を促進することができる媒体を意味する。ベクターには、プラスミド、ファージ、ウイルス等が含まれ、それらは、下にてより詳しく論じられている。
【0030】
ベクターは、典型的には、外来DNAが挿入されるDNAの遺伝性剤を含む。DNAの1つのセグメントをその他のDNAのセグメントへ挿入する方法には、制限部位と呼ばれるDNAの特定部位(ヌクレオチドの特定グループ)を切断する制限酵素と呼ばれる酵素を利用することが含まれる。「カセット」とは、ベクターの定まった制限部位へ挿入することが可能な発現産物をコードするDNAコード化配列又はDNAのセグメントを指す。カセット制限部位は、適切なリーディングフレームへのカセットの挿入を確かなものにするように設計されている。一般的に、外来DNAは、ベクターDNAの1つ又は複数の制限部位に挿入され、その後、ベクターによって、遺伝性ベクターDNAと一緒に宿主細胞へ運ばれる。発現ベクターのような、挿入又は付加DNAを有するDNAのセグメント又は配列は、「DNAコンストラクト」とも呼ぶことができる。ベクターの共通の型は、それは、一般的に、付加的な(外来性)DNAを容易に受け入れることが可能で、容易に適切な宿主細胞へ導入することが可能な、二重鎖DNAの内蔵型分子で、通常は細菌起源である「プラスミド」である。プラスミドベクターは、大抵、コード化DNA及びプロモーターDNAを含み、外来DNAを挿入するのに適した1つ又は複数の制限部位を有する。コード化DNAとは、特定のタンパク質又は酵素に関する特定のアミノ酸配列をコードするDNA配列である。プロモーターDNAとは、コード化DNAの発現を開始し、制御し、そうでなければ媒介又はコントロールするDNA配列である。プロモーターDNA及びコード化DNAは、同じ遺伝子又は異なる遺伝子からであってもよいし、同じ又は異なる生物体からであってもよい。
【0031】
種々の真核及び原核宿主での複製及び/又は発現に関して、プラスミド及び糸状菌ベクターを含む多くのベクターが説明されている。ここで開示又は引用されているか、そうでなければ関連する分野に熟練した者に知られた方法を利用するpKKプラスミド(クローンテック)、pUCプラスミド、pETプラスミド(Novagen,Inc.マジソン,ウイスコンシン)、pRSET又はpREPプラスミド(インビトロジェン,サンディエゴ,カリフォルニア)、又はpMALプラスミド(ニューイングランドバイオラボ,ベバリー,マサチューセッツ)、及び多くの適切な宿主細胞が、限定されない例に含まれる。組み換えクローニングベクターは、大抵は、クローニング又は発現のための1つ又は複数の複製系、宿主での選択のための1つ又は複数のマーカー、例えば、抗生物質耐性、及び1つ又は複数の発現カセットを含む。
【0032】
種々の宿主/発現ベクターの組み合わせ(即ち、発現系)は、対象のタンパク質を発現するために用いられる。例えば、有用な発現ベクターは、染色体、非染色体及び合成DNA配列のセグメントで構成することができる。適切なベクターには、既知の細菌プラスミド、例えば、大腸菌プラスミドcolEl、pCR1、pBR322、pMal―C2、pET、pGEX(Smithら.,Gene67:31―40,1988)、pMB9及びその誘導体、RP4等のプラスミド;ファージDNAS、例えば、ファージ1の多くの誘導体、例えばNM989、及び他のファージDNA、例えばM13及び糸状性一本鎖ファージDNA;酵母プラスミド、例えば2mプラスミド又はその誘導体;プラスミド及びファージDNAの組み合わせから誘導したベクター、例えばファージDNA、又は他の発現コントロール配列を用いるように修飾されたプラスミド;等が含まれる。
【0033】
酵母発現系は、また、対象の任意のタンパク質を発現するための発明に従って利用することができる。例えば、2つのみに言及するが、非融合pYES2ベクター(XbaI、SphI、ShoI、NotI、GstXI、EcoRI、BstXI、BamH1、SacI、Kpn1、及びHindIIIクローニング部位;インビトロジェン)又は融合pYESHisA,B,C(XbaI、SphI、ShoI、NotI、BstXI、EcoRI、BamH1、SacI、KpnI、及びHindIIIクローニング部位;ProBond樹脂で精製し、エンテロキナーゼで切断したN末端ペプチド;インビトロジェン)は、本発明に従って用いることができる。
【0034】
宿主細胞は、本質的に、対象のポリペプチドを有することもできる。例えば、アルカリフォスファターゼは、アコーレと相同性のあるタンパク質であり、ベクターDNAによる任意のさらなる細胞の形質導入をせずに誘導することが可能である。例えば、抗体及び成長ホルモンなどの異種ポリペプチドに関しては、異種核酸(例えば、cDNA)は、適切なプロモーターのコントロール下の培養培地での発現のための複製可能なベクターへ適切に挿入される。上記のように、多くのベクターがこの目的のために利用可能であり、適切なベクターの選択は、ベクターへ挿入される核酸の大きさ、及びベクターで形質転換される特定の宿主細胞に主に依存する。各ベクターは、その機能(DNAの増幅又はDNAの発現)に依存する種々の成分、及びそれが適合する特定の宿主細胞を含む。細菌の形質転換のためのベクター成分は、一般的に、限定されるものではないが、次の1つ又は複数を含む:シグナル配列、複製の起点、1つ又は複数のマーカー遺伝子、及びプロモーター。
【0035】
ここで対象のポリペプチドをコードするDNAは、直接に発現されるだけでなく、その他のポリペプチドとの融合物として、好ましくは、成熟ポリペプチドのN末端の特異的切断部位を有するシグナル配列又は他のポリペプチドをも発現することができる。一般的には、シグナル配列は、ベクターの成分であってもよく、又は、ベクターへ挿入されるポリペプチドDNAの一部分であってもよい。選択された異種シグナル配列は、宿主細胞によって認識され、加工される(即ち、シグナルペプチダーゼで切断される)ものである。天然ポリペプチドシグナル配列を認識及び加工しない細菌宿主細胞については、そのシグナル配列は、例えば、アルカリフォスファターゼ、ペリシリナーゼ、lpp、又は熱安定エンテロトキシンIIリーダーから構成される群から選択される細菌シグナル配列によって置換される。
【0036】
発現及びクローニングベクターの双方は、1つ又は複数の選択宿主細胞でベクターが複製できるようにする核酸配列を含む。一般的に、クローニングベクターでは、この配列は、ベクターを宿主染色体DNAとは独立に複製することを可能にするものであり、複製開始点又は自己複製配列を含む。このような配列は、種々の細菌で良く知られている。プラスミドpBR322からの複製開始点は、殆どのグラム陰性細菌にとって適している。
【0037】
発現及びクローニングベクターは、さらに一般的に、選択可能なマーカーとも呼ばれる選択遺伝子を含む。この遺伝子は、選択性培養培地で生育する形質転換宿主細胞の生存又は生育に必須なタンパク質をコードする。選択遺伝子を含有するベクターで形質転換されていない宿主細胞は、培養培地では生存しない。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセート又はテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に対する耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)複合培地から得られない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードしており、例えばバシリのD―アラニンラセマーゼをコードする遺伝子がある。選択計画の一例では、薬剤を用いて宿主細胞の成長を止める。異種遺伝子によって成功裏に形質転換された細胞は、薬剤耐性を与えるタンパク質を産し、従って、選択方式を生き延びる。
【0038】
異種ポリペプチドを産する発現ベクターは、宿主生物体によって認識され、対象のポリペプチドをコードする核酸と作用可能に結合している誘導プロモーターをも含む。細菌性宿主での用途に適したプロモーターは、β―ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系(Chang等,Nature1978,275:615;Goeddel等,Nature1979,281:544)、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddelら.,NucleicAcidsRes.1980,8:4057及び欧州特許第36,776号)及びtacプロモーター(deBoerら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA1983,80:21―25)等のハイブリッドプロモーターを含む。しかしながら、他の既知の細菌プロモーターは、適している。これらのヌクレオチド配列は公表されており、よって当業者は、任意の所望の制限部位を提供するためにリンカーあるいはアダプターを利用することで選択されたポリペプチドをコードするDNA(Siebenlistら.,Cell,1980,20:269)にそれらを作用可能に結合させることが可能である。細菌系で使用するプロモーターもまた一般的に対象のポリペプチドをコードするコード化DNAと作用可能に結合したシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列を有する。このプロモーターは、制限酵素消化によって細菌ソースDNAから取り除き、所望するDNAを含有するベクターへ挿入することができる。
【0039】
「プロモーター配列」とは、細胞内のRNAポリメラーゼの結合、及び下流(3´方向)コード化配列の転写を開始することが可能なDNA制御領域である。本発明を定義する目的のために、プロモーター配列は、転写開始部位の側のその3´末端に境界があり、上流(5´方向)へ伸びて、バックグラウンドを上回る検出可能なレベルで転写を開始するために必要な最小数の塩基又はエレメントを含む。プロモーター配列内では、RNAポリメラーゼの結合を担うタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)だけでなく、転写開始部位(例えば、ヌクレアーゼS1によるマッピングで簡便に定められる)を見出せる。
【0040】
「誘導可能プロモーター」又は「制御プロモーター」とは、刺激に応答して発現を制御するプロモーターである。このプロモーターには、それぞれ遺伝子の発現を抑制又は活性化する、例えばレプレッサー又はアクチベーターの転写制御タンパク質が結合することができる。レプレッサー又はアクチベーターは、言い換えると刺激、栄養物の存在又は非存在など、ラクトース等、リン酸等の栄養物、毒素、重金属、酸性pH、上昇した温度、又は幾つかの他の環境のシグナルに対して応答性がある。
【0041】
コード化配列は、RNAポリメラーゼがコード化配列をmRNAへ転写する場合、細胞内の転写及び翻訳コントロール配列の「コントロールの下」又はそれと「作用可能に結合」していて、次いで、それは、トランス―RNAスプライシング(それがイントロンを含むならば)され、コード化配列によってコードされるタンパク質へ翻訳される。
上に列挙した成分の1つ又は複数を含む適切なベクターの構築では、標準的なライゲーション技術を用いる。必要とされるプラスミドを生成するために、単離したプラスミド又はDNA断片を、切断し、調整され、所望する形態に再ライゲーションする。
【0042】
構築されたプラスミドの正確な配列を確かめるための解析のために、ライゲーション混合物を用いて、アコーレK12株294(ATCC31,446)又は他の株を形質転換し、成功した形質転換体を適したアンピシリン又はテトラサイクリン耐性によって選択する。形質転換体からのプラスミドを、制限エンドヌクレアーゼ消化によって調製して解析し、及び/又は、Sangerら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA1977,74:5463―5467又はMessingら.,NucleicAcidsRes.1981,9:309の方法によって、又はMaxamら.,(MethodsinEnzymology1980,65:499)の方法によってシーケンシングされる。
宿主細胞は、本発明の上述の発現ベクターで形質転換し、利用されるプロモーターにとって適するように修飾された簡便な栄養培地で培養される。
【0043】
(誘導可能な発現系)
一般的に、宿主細胞と適合する種から誘導されるレプリコン及びコントロール配列を含むプラスミドベクターは、細菌宿主との関連で利用される。このベクターは、通常、形質転換細胞においてフェノタイプ選択を提供できるマーカー配列だけでなく、複製部位を有する。例えば、アコーレは、典型的には、アコーレ種から誘導されるプラスミドであるpBR322を用いて形質転換される(Bolivarら,Gene1977,2:95)。pBR322はアンピシリン及びテトラサイクリン耐性の遺伝子を含み、よってクローニング又は発現のいずれの目的でも、形質転換細胞を同定する容易な手段を提供する。pBR322プラスミド、又は他の微生物プラスミド又はファージは、選択可能なマーカー遺伝子の発現のための微生物生物体によって利用が可能なプロモーターをも一般的には含むか、又は修飾されてそれを含む。
【0044】
従って、対象のポリペプチドの発現は、当該分野で知られている任意の誘導可能なプロモーター/エンハンサーエレメントによってコントロールされることが可能であるが、これら制御エレメントは、発現のために選択された宿主において機能的であるべきである。遺伝子発現をコントロールするために利用され得るプロモーターには、限定されるものではないが、原核生物発現ベクター、例えば、ベータ―ラクタマーゼプロモーター(Villa―Komaroff,ら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA1978,75:3727―3731)、又はtacプロモーター(DeBoer,ら.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA1983,80:21―25;また、Sheibani,Prep.Biochem.Biotechnol.1999,29:77;“Usefulproteinsfromrecombinantbacteria”inScientificAmerican,242:74―94,1980;Gossenら.,Curr.Opin.Biotechnol.1994,5:516を参照せよ)が含まれる。特定の実施態様では、phoAプロモーターは、制御発現を提供する。バシラス、クロストリジウム、ラクトコッカス、ラクトバシラス、スタヒロコッカス及びストレプトコッカス等の産業上のグラム陽性菌について、主にこれら細菌の特定の糖類を利用する、又は、特に乳酸細菌(deVos,Curr.Opin.Microbiol.1999,2:289;Djordjevic及びKlaenhammer,Mol.Biotechnol.1998,9:127)のクオラムセンシング(deVosら,Curr.Opin.Biotechnol.1997,8:547)に関与している自己誘導性ペプチドを分泌する能力に基づいて、発現系が記載されている。他の発現系には、決して限定されるものではないが、トリプトファンプロモーター(Chevaletら.,Biotechnol.Bioeng.2000,69:351)、大腸菌Ntr―系(Schroeckhら.,J.Biotechnol.1999,75:241);PalkBFGHJKLプロモーター(Staijenら.,J.Bacteriol.1999,181:1610);大腸菌araBADプロモーター/araCレギュレーター系(Newman及びFuqua,Gene1999,227:197);テトラサイクリン制御系(Liuら.,Biotechniques1998,24:624;Gallia及びKhalili,Ongogene1998,16:1879);VanS―VanR二成分制御系(Haldimannら.,J.Bacteriol.1997,179:5903);カリウム制御系(Treuner―Langeら.,J.Bacteriol.1997,179:4501);pH誘導系(Sanら.,Ann.NYAcad.Sci.1994,721:268)、ペルオキシダーゼ/アスコルビン酸誘導系(Bishaiら.,J.Bacteriol.1994,176:2914);T7プロモーターに基づく系(Lama及びCarrasco,Biochem.Biophys.Res.Commun.1992,188:972を参照せよ);抗生物質誘導系(Nielsenら.,Mol.Microbiol.1991,5:1961を参照せよ);及び他の制御系(Alksne及びRasmussen,J.Bacteriol.1997,179:2006;Everettら.,Microbiology1995,141:419を参照せよ)が含まれる。
【0045】
また、酵母又は他の糸状菌からの誘導プロモーターエレメント、例えば、Gal4プロモーター、ADC(アルコールデヒドロゲナーゼ)プロモーター、PGK(ホスホグリセロールキナーゼ)プロモーター、アルカリホスファターゼプロモーターが良く知られている。
【0046】
(発酵)
種々の大規模流加発酵は、組み換えタンパク質の生産のために利用可能である。大規模発酵は、少なくとも1000リットルの容量、好ましくは、約1000から100,000リットルの容量、即ちヘッドスペースのために十分な空間を残す作業容積を有する。これらの発酵槽は、酸素及び栄養物、特にグルコース(好ましい炭素/エネルギー源)を分配するための撹拌器羽根車又は他の適切な手段を利用する。小規模発酵とは、一般的に、酵素での発酵、又はおよそ100リッターの容積より小さい、好ましくはおよそ10リッターより小さいものを指す。
【0047】
本発明の対象のポリペプチドを産するために利用する宿主細胞は、一般的に、例えば、Sambrookら.,上掲に記載のように、プロモーターを構成的又は人工的に誘導できる適切な培地で培養される。適切な培地の例は、下の実施例の章で示されている。
炭素、窒素、及び無機リン酸源に加えて任意の必須の補充物を、それのみ又はその他の補充物、又は複合窒素源等の培地との混合物として導入して適切な濃度で含めることができる。
【0048】
最初に、対象のポリペプチドの発現の前に、宿主細胞を発酵へ接種するか、又は、好ましい生育条件下、例えば、対数的生育に必要な、必須の栄養物及びpHコントロールに加えて、すべての利用可能な酸素及び炭素/エネルギー源(又は、好ましくはソース)で生育させる。本発明に従って、例えば、濃縮グルコースを設定点での溶存酸素量をコントロールする速度で供給することによって、これら条件を、宿主細胞が培養液中で所望の数又は細胞密度に増すまで維持する。
標的の細胞密度に達した後は、発酵の2つの操作が始まる。最初は、例えば、下に例示したように、リン酸レベルを欠乏させることによって、対象のポリペプチドの発現を誘導するシグナルを提供することである。
【0049】
二番目の操作(最初の操作から生じる)は、宿主細胞の代謝速度をダウンシフト又は減じることである。対数増殖期の間、代謝速度は、酸素及び炭素/エネルギー源の利用可能性と直接に比例するために、利用可能な酸素又は炭素/エネルギー源、又は双方のレベルを低下させることは、代謝速度を低下させる。撹拌速度又は逆圧等の発酵又は実行パラメーターの操作は、酸素圧を低下させることと同じく、利用可能な酸素レベルを調節する。炭素/エネルギー源の濃度又は送達速度、又は双方を低下させることは、類似の効果を有する。さらには、発現系の性質に依存して、発現の誘導は、代謝速度の劇的な減少につながる可能性がある。最後に、最高の細胞密度に達すると、生育が停止し、又は速度が劇的に低下する。
上にて論じたように、宿主細胞の代謝速度の低下は、対象のポリペプチドのさらなるコントロール発現を引き起こし、それは、フォールディング及びタンパク質アセンブリが生じることを可能する。
【0050】
遺伝子発現は、例えば、mRNAの転写を定量化するための簡便なノーザンブロッティングによって、直接に試料から測定することができる(Thomas,Proc.Natl.Acad.Sci.USA1980,77:5201―5205)。種々の標識、最も一般的には、放射性同位元素、特に32Pを用いることができる。しかしながら、ポリヌクレオチドへの導入にビオチン―修飾ヌクレオチドを利用すること等、他の技術も用いることができる。ビオチンは、次いで、アビジン又は抗体への結合ための部位として機能し、それは、放射性核種、蛍光剤、酵素等の幅広い標識で標識することができる。
対象のポリペプチドは、好ましくは、分泌ポリペプチドとしてペリプラズム又は培養培地から回収されるが、分泌シグナル無しで直接に発現した場合、宿主細胞可溶化液から回収することができる。あるいは、細胞又はその一部分は、十分に精製せずに、生体触媒として又は他の機能のために利用することができる。
【0051】
対象のポリペプチドに関して十分に均一な調製物を得るために、組み換え細胞タンパク質又はポリペプチドから対象のポリペプチドを精製することは、大抵は好ましいことである。一番目の段階として、培養培地又は可溶化液を遠心分離して粒状細胞片を取り除く。必要ならば、次いで、膜及び可溶性タンパク質分画を分離することができる。次いで、ポリペプチドが膜結合、可溶性、又は凝集形態で存在するかどうかによって、ポリペプチドを可溶性タンパク質分画、及び培養可溶化液の膜分画から精製する。その後のポリペプチドを、必要ならば、可溶化して折りたたみ、適切な精製手段の見本である次の手順によって夾雑可溶化タンパク質及びポリペプチドから精製する:免疫アフィニティー又はイオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ、又はDEAEのようなカチオン交換樹脂でのクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS―PAGE;硫酸アンモニア沈殿;例えば、セファデックスG―75を利用するゲル濾過。
【0052】
(実施例)
次の実施例は、限定することなしに、本発明を例示する。
【0053】
実施例1: 抗CD―18発酵
材料及び方法
発酵. これら発酵に利用される宿主は、49A5と命名されている大腸菌W3110の誘導体であった。49A5の完全な遺伝型は、W3110ΔfhuAphoAΔE15Δ(argF―lac)169deoCdegP41(ΔPstI―Kan)IN(rrnD―rrnE)1ilvG2096(Val)ΔfucPΔmalEである。プラスミドpS1130は、抗CD18の軽鎖断片、及びC末端ロイシンジッパーを有する重鎖の断片の遺伝子を含み、双方ともにphoAプロモーターの後方にあり、双方ともに前方にSTIIシグナル配列がある。結果として、発現の誘導によって、軽鎖及び重鎖断片が合成されてペリプラズムへ分泌され、個々のペプチドの幾つかの分画が折りたたまれて、アセンブリして重鎖にロイシンジッパーを有するFab´を形成する。
【0054】
各10リッター発酵のために、10―15%DMSOの1.5mlの培養液を含有する一本のバイアルを、0.5mlのテトラサイクリン溶液(5mg/ml)及び2.5ml1Mリン酸ナトリウム溶液を補充した500mlのLB培地を含む1L振盪フラスコで解凍した。この種培養を30℃でおよそ16時間にわたって生育させ、その後で10リッター発酵槽を接種するのに使用した。
【0055】
この発酵槽は、最初に、およそ3.5gのグルコース、75mlの1M硫酸マグネシウム、8mlの微量成分溶液(27g/L塩化第二鉄六水和物、8g/L 硫酸亜鉛七水和物、7g/L塩化コバルト(II)六水和物、7g/Lモリブデン酸ナトリウム、8g/L硫酸銅五水和物、2g/Lホウ酸、5g/L硫酸マンガン一水和物、10%塩酸)、8mlの2.7%塩化第二鉄溶液、15mlのテトラサイクリン溶液(エタノール中で5mg/ml)、7.5mlのフェルマックスアジュバント27(FermaxAdjuvant27)(又はある量の等量抗発泡剤)、1バッグのHCD塩類(19.5g二塩基性リン酸カリウム、9.75gリン酸ナトリウム一塩基性二水和物、37.5g硫酸アンモニウム、7.5gクエン酸ナトリウム二水和物、11.3gリン酸カリウム一塩基)及び150gのNZアミンA(タンパク質加水分解物)を含有する4.7リッターの培地を含んでいた。発酵を30℃で10slpmの通気でおこない、pH7.0±0.2にコントロールした(幾つかの場合で、この範囲越える臨時的逸脱が生じたが)発酵槽の逆圧及び撹拌速度は、発酵槽内での酸素輸送を操作し、そして結果として細胞の呼吸速度をコントロールするために変化させた。
【0056】
振盪フラスコからの細胞含有培地で発酵槽を接種した後で、発酵槽へ濃縮グルコース溶液を供給するためのコンピューターベースアルゴリズムを利用して、この培養を発酵槽で高細胞密度となるまで生育させた。また、水酸化アンモニウム(58%溶液)及び硫酸(24%溶液)を、pHをコントロールするのに必要なだけ発酵槽へ供給した。発砲をコントロールするために、ある場合には、抗発泡剤のさらなる添加もおこなった。培養がおよそ40OD550の細胞密度に達した時に、さらなる75mlの1M硫酸マグネシウムを発酵槽へ添加した。さらには、濃縮塩の供給(10g/L硫酸アンモニウム、26g/Lリン酸カリウム二塩基、13g/Lリン酸ナトリウム一塩基二水和物、2g/Lクエン酸ナトリウム二水和物、15g/Lリン酸カリウム一塩基、8ml/L2.7%塩化第二鉄、8ml/L微量成分溶液)を、培養がおよそ20OD550に達した時に1.9ml/minの速度で開始し、およそ940mlが発酵へ添加されるまで継続した。発酵は、典型的には、72―80時間にわたって継続した。
【0057】
発酵の間、一度、発酵のための溶存酸素設定値に達すると、グルコース供給が過度になることなく、設定値での溶存酸素濃度をコントロールするために、溶存酸素測定用電極の信号に基づいて、濃縮グルコース溶液を供給した。結果として、このコントロール計画によって、発酵における酸素輸送能力に影響を与える、撹拌速度又は逆圧等の発酵槽実行パラメーターの操作は、対応して、細胞の酸素取り込み速度又は代謝速度を操作する。
発酵からの発生気体の組成物をモニターし、発酵での酸素取り込み速度及び二酸化炭素発生速度を計算するために、質量分析計を用いた。
【0058】
生産物アッセイ. 発酵による抗体生産物の量を評価するために、幾つかのアッセイを利用することができる。アセンブリされた抗CD18Fab´―ロイシンジッパーを測定するために、カチオン交換HPLC(高速液体クロマトグラフィー)アッセイを用いた。このアッセイのための細胞試料を調製するために、発酵培養液を最初にリン酸緩衝液で希釈して20OD550の濃度にした。この希釈培養液の1mlを、後におよそ15,000xgで15分間にわたって遠心分離し、その残存上澄み液を廃棄し、細胞ペレットをHPLC分析のために取り出した。次に、アッセイに必要となるまで、このペレットを―20℃から―70℃で凍結した。この凍結ペレットを、pH8の500μlの100mM(又は200mM)トリス緩衝液、20μlの水に溶かした6mg/mlリゾチーム(新鮮に調製)、及び10μlの100mMEDTAを含む溶解緩衝液に再懸濁した。この試料は、10パルスで超音波処理し、次いで、さらなる分析の前に、通常は、少なくとも30分間氷上でインキュベートした。幾つかの場合では、その後で、第二回目の超音波処理をおこなった。次いで、この試料を、再びおよそ15,000xgで15分間にわたって遠心分離して、可溶化物(上澄みにある)の可溶性分画を得た。試料は、少なくとも1:1で希釈し、ヒューレット・パッカード1090HPLCシステムのCsXカラムへ250μlを負荷した。14分間にわたる5から50mMリン酸ナトリウム(pH7.0)のグラジエントを利用して試料を溶出し、278nmのUV吸収を利用してピークをモニターした。抗CD18Fab´2―ロイシンジッパーを含むピークを同定し、精製した標準と比較することによって定量した。
【0059】
結果
酸素取り込み速度を変化させるプロファイルを利用して(図1)、一連の抗CD18Fab´発酵をおこなった。コントロールには、以前に都合の良かった酸素取り込み速度の定数を用いた。x軸は、増殖期の間及び発酵の末期でのおおよその酸素取り込み速度を示す。3.5の1つの数字の場合は、およそ3.5mmol/l/分Oでの非シフトコントロールの実行を示す。このコントロールは、3.5のおおよその一定のOURを生じるようにOURをシフトさせるような試みが無かったという例外をともなうシフトした場合に類似する条件を利用しておこなった9の発酵の平均を示す。
【0060】
図1に示す発酵からの実際の酸素取り込み速度プロファイルは表示され、力価に従ってグループ化されている(図2)。力価が1000mg/Lを越えた実行は、細い実線で記録されている4つの実行(#1―4)で示され、力価が800―900mg/Lの間であった実行は、点線で記録された4つの実行(#5―8)で示され、非シフトコントロール実行は、太い実線で記録された実行(#9)で示されている。これらの結果は、酸素取り込みの増加したダウンシフト速度によって、抗CD18Fab´2の発酵生産量を有意に増加するという仮説を強く支持する。
【0061】
この効果の原因をさらに調べるために、これら種々の実行に関する力価アッセイ結果が、発酵時間の関数として示されている(図3)。これらの結果は、最も大きなOURシフトの場合には、抗CD18生産量が、長期間の生産物形成の結果として増加することを示唆している。
【0062】
実施例2: 抗VEGF発酵
材料と方法
発酵. これら発酵に利用した生物体は、43H1W3110ΔfhuAphoAΔE15Δ(argF―lac)169ptrAΔompTdegP41(ΔPstI―Kan)IN(rrnD―rrnE)1ilvG209(Val)prc::kanprcサプレッサーである。これら実行に利用したプラスミドは、Y0317tet20であり、それは、アンピシリン及びテトラサイクリンに対する耐性を付与する。抗VEGFFabは、phoAプロモーターから発現した。標準プロトコールとして、発酵の条件は、時間を変えなかった。酸素利用速度(OUR)シフト実行に関しては、撹拌及び逆圧は、それぞれ1000RPM及び1.0バールから600RPM、及び0.3バールへ徐々に低下させた。
標準及び「OUR」発酵プロトコールを表1に要約した。
【0063】
Figure 2004517614
【0064】
生産物試料の調製及び生産物アッセイ. 発酵培養液の1ミリリットル試料を2時間毎に取り出し、ドライアイス上で凍結させた。試料は、―20℃で長期間、貯蔵した。その後、試料を解凍し、抽出緩衝液(10mMトリスCl、pH6.8、1mMEDTA、0.2mg/mlリゾチーム、及び5mMヨードアセトアミド)で6x希釈し、ボルテックスした。氷上で10分後、1/100容量の1MMgSO及び1/100容量の2mg/mlデオキシリボヌクレアーゼを添加し、この試料を再びボルテックスした。さらなる氷上での10分間のインキュベーション後、この試料を10秒間、超音波処理(Bransonsonifier、マイクロチッププローブ、設定4、パルス)し、氷上へ戻した。超音波処理は、計2ラウンド繰り返した。次いで、この試料を、16,000Xg、4℃で20分間、遠心分離した。次いで、この結果生じた上澄みを、HPLC樹脂(PorosAL)上に固定化したVEGFを用いてアフィニティークロマトグラフィーによって分析した。このVEGFカラムは、負荷され、リン酸緩衝液生理的食塩水で平衡化し、生産物を150mMNaClを含む12mMHClで溶出した。この生産物は、試料のA280を測定し、APO2Lの抗CD18を含有するかしない発酵培養液へ精製抗VEGFを入れることによって作成した標準曲線と比較することによって定量化した。
【0065】
結果
抗VEGFFab発酵に関して観察されたことは、抗CD18Fab´で観察されたことと類似した。OURシフトを伴う又は伴わない一連の抗VEGF発酵に関する力価プロファイルを図4に示す。これらのデータは、標準プロトコールと比較し、OURシフトの結果として統計学的に有意な力価の向上を示す(表2を参照せよ)。
【0066】
Figure 2004517614
【0067】
これら実行について対応するOURプロファイルを図5に示す。
【0068】
本発明は、範囲において、ここに記載の特定の実施態様によって限定されるものではない。実際に、ここに記載のそれらに加えて、本発明の種々の修正は、前述の明細書本文及び添付図面から、当該分野に熟練した者にとって明らかとなる。そのような修正は、添付した請求項の範囲内に収まるように意図されている。
全ての値がおおよそであり、明細書本文のために提供されている。
特許、特許出願、刊行物、生産物の説明、及びプロトコールは、この出願を通して引用されており、それらの開示は、全ての目的のために、その全てが参考文献によって、ここに取り入れられている。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】一連の抗CD18Fab´発酵での抗CD18生産量(力価)を示す。X軸:酸素利用速度シフトの重要度を示す、おおよその酸素取り込み速度。
【図2】図1の発酵での実際の酸素取り込み速度プロファイルを示す。1000mg/Lを越える力価は、細い実線(−)によって示されている;800―900mg/Lの間の力価は、点線(―――――)によって示されている;そしてシフトされていないコントロール(〜600mg/L)は、太い実線( )によって示されている。
【図3】発酵時間の機能として、種々の実行の抗体生産を定量化することに関する力価の結果を示す。より低い重要度のシフトは、正方形(―――□―――)によって示され、より高い重要度のシフトは、三角(▲―――)によって示され、コントロールは、ダイヤモンド形(◆)で示されている。
【図4】図4A及び図4Bは、酸素利用速度(OUR)シフトを有する(A)又はともなわない(B)一連の抗VEGF発酵に関する力価プロファイルを示す。グラフは、それぞれ、3つの実行からのデータを示す。実行1は、ダイヤモンド形(◆)によって示し、実行2は、正方形(■)によって示し、そして実行3は、三角形(▲)によって示す。
【図5】図5A及び5Bは、図4における実行のOURプロファイルを示す。実行1は、ダイヤモンド形(◆)によって示し、実行2は、正方形(■)によって示し、そして実行3は、三角形(▲)によって示す。

Claims (23)

  1. (a)高代謝及び生育速度の条件下で組み換え宿主細胞を培養し;及び(b)ポリペプチド発現の誘導の時期に組み換え宿主細胞の代謝速度を低下させることを含む方法であり、誘導可能な系によって組み換え宿主細胞を制御することによるポリペプチドの発現である、組み換え宿主細胞によって産生される対象のポリペプチドの生産量を増加させる方法。
  2. 代謝速度を低下させることが、宿主細胞に利用可能な酸素を低下させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 代謝速度を低下させることが、宿主細胞に利用可能な炭素/エネルギー源を低下させることを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 炭素/エネルギー源がグルコースである、請求項3に記載の方法。
  5. 代謝速度を低下させることが、宿主細胞への酸素輸送速度及び利用可能な炭素/エネルギー源の双方を低下させることを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 代謝速度が段階(b)の約半分まで低下する、請求項1に記載の方法。
  7. 細胞を段階(a)の最高密度まで生育させることを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 代謝速度が段階(b)の約半分まで低下する、請求項7に記載の方法。
  9. 組み換え宿主細胞が、大腸菌及びサルモネラ菌で構成される群から選択される細菌細胞である、請求項1に記載の方法。
  10. 誘導可能な系がリン酸欠乏誘導可能な系である、請求項1に記載の方法。
  11. ポリペプチドが宿主細胞でアセンブリしている、請求項1に記載の方法。
  12. ポリペプチドが宿主細胞のペリプラズムへ分泌している、請求項9に記載の方法。
  13. ポリペプチドがFab´抗体及びFab抗体又は抗体の他の形態で構成される群から選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 宿主の代謝及び生育速度が段階(a)で最大になっている、請求項1に記載の方法。
  15. (a)高代謝及び生育速度の条件下で宿主細胞を培養し;及び
    (b)抗体、成長因子、又はプロテアーゼ発現の誘導の時期に組み換え宿主細胞の代謝速度を低下させることを含む方法であり、抗体、成長因子、又はプロテアーゼの発現が誘導可能な系によって制御されている、組み換え大腸菌宿主細胞によって生産される抗体、成長因子、又はプロテアーゼの生産量を増加させる方法。
  16. 抗体がFab´抗体である、請求項15に記載の方法。
  17. 抗体がFab抗体である、請求項15に記載の方法。
  18. 代謝速度を低下させることが、宿主細胞に利用可能な酸素を低下させることを含む、請求項15に記載の方法。
  19. 代謝速度を低下させることが、宿主細胞に利用可能な炭素/エネルギー源を低下させることを含む、請求項15に記載の方法。
  20. 炭素/エネルギー源を低下させることがグルコースである、請求項18に記載の方法。
  21. 代謝速度が段階(b)の約半分まで低下した、請求項15に記載の方法。
  22. 誘導可能な系がリン酸欠乏誘導可能な系である、請求項15に記載の方法。
  23. 宿主細胞の代謝及び生育速度が段階(a)で最大である、請求項15に記載の方法。
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