JP2004517301A - 迅速に行えるマイクロウエーブ媒介固相酵素免疫検定方法 - Google Patents

迅速に行えるマイクロウエーブ媒介固相酵素免疫検定方法 Download PDF

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Abstract

【目的】迅速な病気診断のため微量の抗原または抗体を分光光度計測により検知する固相酵素免疫検定法の迅速且つ効果的な方法を提供する。
【構成】
マイクロウェーブ照射により活性化されたウェルに抗原または抗体を共有結合により固定し、短時間のマイクロウェーブ照射により遮断剤によりウェルのフリーな表面を遮蔽した後、マイクロウェーブ照射を制御して抗体または抗原を結合する。ついで、マイクロウェーブ照射を制御して接合体の結合を行い、ウェルに色素物質を添加し,分光光度計により吸光度を測定する。かかる方法により約10分でELISAを完了することができる。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はマイクロウエーブ媒介固相酵素免疫検定法(MELISA)を迅速に行う方法に関し、特に、固相酵素免疫検定法のすべての主要なステップが短時間のマイクロウェーブ照射のもとに行われるMELISAの迅速且つ効果的な方法に関する。本方法は臨床診断、分子生物学、農業、食品技術、環境科学などの技術分野において有用である。
【0002】
本発明による固相酵素免疫検定法(ELISA)は簡単であり、面倒な処理に費やす時間を省きまたは不要とすることができる。本方法は自動化の可能性を有している。
【0003】
本発明による方法は、従来のELISAが通常数時間から2日間に亘る長時間を要するのに反し10分以下で行えるという有利性を有しており、特に早急な結果が要求される病気診断に有用である。
【0004】
【従来の技術】
固相酵素免疫検定法(ELISA)は、ある種の抗原及び抗体の存在を準定量的または定量的に判定するために用いる極めて感度のよい技術である。ELISAは動物及び植物の病気診断における有用な手法となっている。更に、他の用途として、モノクローナル抗体の調製中におけるモノクローナル抗体のスクリーニング(参考資料1)、穀物や土壌及び水等の環境サンプルにおける残留農薬の検出(参考資料2及び3)、組織培養における細胞死の検知(参考資料4)等がある。ELISAを行うために、透明性、安価、入手の容易性、必要な形状への成形性、吸着により蛋白質と結合する性質を有している等の理由によりポリスチレンのマイクロ・タイター・プレートが広く用いられている。ELISAの従来の方法では、ポリスチレン・マイクロタイタープレートのウェル表面に吸着により抗原または抗体を固定化することを基礎としている。これはポリスチレンの表面と生分子との間の共役結合的相互作用がないためである。
【0005】
しかしながら、通常, 吸着は良い収率を得るためには不充分なプロセスであり、その後の処理において常に規定量通りには進行しない。かかる従来の方法における不充分さを克服するためマイクロ・タイター・プレート上の生分子の共有結合による固定が多くの人によって行われている(参考資料5)。グラフトされたプラスチック表面に免疫原を共有結合させることが報告されている(参考資料6)。それにもかかわらず、従来のELISA方法は完了するまで数時間から2日間に亘る長い時間を必要としている。この点が吸着あるいは共有結合に基づく種々のELISA方法の主な問題点となっている。緊急医療の場合においても、患者が薬物治療を受ける前に診断のために貴重な時間が失われている。農業においては、ELISAは穀物や環境サンプルの残留農薬を検知する為に有用である。穀物の輸出やマーケティングがELISA方法のこのような欠陥のために遅延し価値のある外国為替の損失をもたらす。
【0006】
出願人はマイクロウェーブを用いてELISAを迅速に行うことが出きる新規かつ独特な方法を開発した。10年来マイクロウェーブが免疫組織反応を促進することが知られている(参考資料7、8、9、10及び18)。しかし、マイクロウェーブ照射によるポリスチレン表面への抗原または抗体の共有結合による固定化はいままで報告されてはいない。事実、光学的濃度を計測して微量の抗原または抗体を検知するためにELISAのすべての主要な段階においてマイクロウェーブを短時間照射することは先行技術に知られていない。
【0007】
しかしながら、ELISAの一段階においてマイクロウェーブ照射を試みた例はある(参考資料10)。この例ではポリスチレンELISAプレートにウサギの坑癌胎児性抗原を塗布して4℃で一晩培養し、続いて癌胎児性抗原(CEA)を培養した。次のステップにおいて酵素標識抗体を添加し、著者は抗原−抗体反応に対するマイクロウェーブの影響を研究している。
【0008】
同著者のもう一つの実験において、ELISAプレートにマウスの正常な血清を塗布して4℃で一晩培養し、続いて標識されなていないウサギのマウス免疫グロブリン抗体と共に一晩培養した。次のステップでマウスのペルオキシダーゼ−坑ペルオキシダーゼ複合体を添加し、最終ステップにおける反応の反応率に対するマイクロウェーブ照射の影響を判定している。
【0009】
第3の実験において、著者等は非特異性マウス血清をプレートに塗布し、続いて馬のビオチンを結合したマウス免疫グロブリンG抗体と培養し、このプレートを用いて続いて起こるビオチン−アビジン複合体の結合に対するマイクロウェーブ照射の影響を研究している。
【0010】
前述したすべての実験においては、マイクロウェーブ照射を行ったサンプルはマイクロウェーブによる励起なしで処理されたものと比較して反応の収率はより小さかった。これらの実験はマイクロウェーブが反応性のかなりの減少をもたらし、全収率はマイクロウェーブ・オーブンの外で行われる慣例的手法によるものの略10%〜15%に過ぎないことを示している。著者によれば、予防措置として水の熱的負荷(過剰なマイクロウェーブを吸収させるための水の入ったビーカー)とプレート底部の冷却を行ったにもかかわらず、この減少値はマイクロウェーブ照射によってウェルが過度の高温になったことに起因するのではないかとしている。
【0011】
別のELISAの実験(参考資料11)においては、著者等は光ファイバー温度計を使用して温度を40℃以下に規制している。この場合も200mlの流水による熱的負荷を採用している。一方、ウェル中の溶液はウェル中に挿入されたプラスチック・チップを介して溶液中に静かに吹き込まれる空気により攪拌されている。著者等は実験で2つのステップ、主に、抗体の結合と接合体の結合のステップにおいてのみ各150ワットで6分のマイクロウェーブ照射を行っている。もう一つの実験においては、抗体の結合、抗原の結合及び接合体の結合のステップにおいて、各ステップで45〜50%のマイクロウェーブ出力によりそれぞれ15、30、30分の照射を行っている。上記両実験における残りのステップは慣例的な処理により行われている。しかし、上記実験におけるELISA値は慣例的手法よりかなり劣っている。
【0012】
著者等によれば、より長い照射時間はより高い吸光値(ELISA値)をもたらすが時間のゲインはあまりない。事実、30分あるいはそれ以上の照射時間にしても利点はない。あまりにも短い照射時間は吸光値をむしろ低下させ、使用することができない。
【0013】
報告されたマイクロウェーブ照射によるELISAの手法は以下のような欠陥を有する。(1)結果(ELISA値)が従来法よりかなり劣る、(2)時間ゲインはあまりない、同時にマイクロウェーブ・オーブンの外で行ったELISAにより得られる結果(ELISA値)と変わらない、(3)処理に水の熱的負荷を要する、(4)冷却システムまたはプレートの底部を冷却する必要がある、(5)マイクロ・タイター・プレートのウェルを攪拌するシステムが必要である、(6)すべてのステップがマイクロウェーブのエネルギーにより行われるわけではなく、報告されたELISA手法は自動化の可能性が少ないかあるいは不可能である。
【0014】
本出願人は上記欠陥の総てを克服した。事実、熱エネルギーであるマイクロウェーブは生分子を活性化も非活性化もする。適切な条件の下でなければ、マイクロウェーブは生分子を部分的または全体的に破壊し、低いあるいは望ましくないELISA値をもたらす。本発明に係る方法において適切な条件が見出され、その多くは報告された手法とは異なり、先行技術にも知られていない。本発明による方法においては、染色ステップを除き総てのステップがマイクロウェーブの励起によって行われる。報告されている公知の手法においては、遮断ステップは非特異性結合を生ずるのでマイクロウェーブ照射は行われないが、出願人は遮断ステップを短時間のマイクロウェーブ照射により行う手法を発明した。報告された手法においては、より長いマイクロウェーブ暴露時間はより高いELISA値をもたらしたが、本発明の方法に於ては材料の破壊あるいは非特異性結合をもたらす。これは報告された方法が水の熱的負荷や冷却システムを用いたために、マイクロウェーブ・エネルギーの多くが吸収され、マイクロウェーブの効果が最小となり従来手法と同様に時間効果だけが意味あるものとなったためであろう。これに反し、本発明の方法においては、如何なる水の熱的負荷も冷却システムも攪拌システムも必要としない。その上、本発明の方法においては、ELISAに要する時間は略18時間を要する慣例的方法より約200分の1で済む少ない時間で、匹敵するかあるいはより高いELISA値が得られる。それゆえ、自動化の大きな可能性を有しているといえる。
【0015】
報告されているELISA方法では、生分子と共有結合による結合を生じないマイクロ・タイター・プレートを用いて行っている。実際、マイクロウェーブは水素結合、疎水性相互作用及びファンデルワールス相互作用のような非共役2次結合による複合に容易に影響することが知られている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主たる目的は、迅速な病気診断のため微量の抗原または抗体を分光光度計測により検知する固相酵素免疫検定法の迅速且つ効果的な方法を提供するにある。本発明の他の目的は、簡単で再現性のあるしかも付加的な専門性や高価な装置を必要としない技術を提供するにある。更なる他の目的は、自動化の可能性を有し通常人に依存する人的ミスを最小化できる迅速な技術を提供するにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し、従来のELISA手法の不利な点を克服する観点から、マイクロウェーブ媒介ELISA(MELISA)の迅速且つ有効な方法を提供する。この方法は以下のステップからなる。(I)マイクロウェーブ照射により活性化された固体表面に抗原または抗体を共有結合により固定する、(II)短時間のマイクロウェーブ照射により遮断剤によりフリーな表面を遮蔽する、(III)マイクロウェーブ照射を制御して抗体または抗原を結合する、(IV)マイクロウェーブ照射を制御して接合体の結合を行う、(V)ウェルに色素物質を添加する、(VI)吸光度の値を記録する。
【0018】
マイクロウェーブ媒介ELISA(MELISA)の方法は非常に短い時間(約10分程度)で活性化された表面上で行われ、37℃で16〜18時間行われる従来のELISAと同等の効能を得る。本発明はELISA処理の自動化またはセミ自動化を可能とする潜在力を有する。
【0019】
マイクロウェーブが水素結合、疎水性相互作用及びファンデルワールス相互作用のような非共役2次結合による複合に効果のあることは知られている。この問題を克服するため、出願人は、マイクロタイター・ウェルの表面を使用する前に活性化した。活性化した表面は短時間のマイクロウェーブ暴露で抗原を共役結合により固定する。共役結合により固定化された抗原は、後続するELISAのステップにおいて繰り返される短時間のマイクロウェーブ暴露に抗する充分な安定性を示す。ELISA処理において後続する生分子結合のステップはマイクロウェーブのエネルギーに敏感な非共役結合によるものであるが、これらの問題は各ステプにおけるマイクロウェーブ照射の時間とエネルギーを制御することによって克服される。
【0020】
本発明の新規性は、ELISAをプロティナーゼ・リガンドと共役結合を形成することのできる活性化表面上で行うことにある。他の新規性は、マイクロウェーブの媒介により生分子を共役結合による固定することにあり、更に望ましくは、抗原または抗体を活性化された表面へ固定する方法ある。更に、ELISA処理の各ステップにおける制御されたマイクロウェーブの照射も新しい方法である。
【0021】
本発明に係る方法においては、抗原の結合、遮断、抗体及び接合体の結合のといったELISAの総てのステップがマイクロウェーブ照射によって行われ、酵素−基質反応のみがマイクロウェーブ・オーブンの外で室温で行われる。本発明のELISA処理は非常に迅速であり、従来の方法に匹敵するかそれ以上のELISA値を得る。
【0022】
更なる本発明の新規性は、発明に係るELISA処理が如何なる水の熱負荷も攪拌システムも不要とすることにあり、更に、特別に設計された装置を使用することにより全てまたは一部を自動化できることにある。
【0023】
本発明の更なる新規性は、直接ELISA、間接ELISAやサンドウィッチELISAのような種々のタイプのELISAに加えて放射標識免疫検定法、放射性免疫吸着試験、放射性アレルゲン吸着試験、ビオチン−、アヴィジン/ストレプトアヴィジン免疫検定法、免疫ブロット法、及び免疫染色法等のような他の免疫検定法にも使用することができることにある。
【0024】
【実施例】
本発明は、活性化されたマイクロタイタ−・プレート、モジュールあるいはウエルを用いて、マイクロウェーブの暴露によって行う固相酵素免疫検定法の新しい手法を供する。活性化された表面はマイクロウェーブ照射によって抗原を共役結合により固定する。共役結合により固定された抗原は、ELISAの後続のステップで繰り返し行う必要のる短時間のマイクロウェーブ暴露に充分耐えるほど安定している。ELISAは多くのステップを有する繊細なプロセスからなり、どのステップにおける不適切な条件も全体の結果を阻害することになる。
【0025】
本発明に係る方法においては、ポリスチレンのような不活性な固体表面は、乾燥状態において、光活性化合物を用いて光化学反応によって活性化された。固相支持体の活性化は光活性化合物を塗布した支持体をUV照射または強い日光に暴露することにより行った。この活性化支持体は、抗体検知例えば赤痢アメーバ症病原菌やアスペルギルス症原菌の抗体を検知するため、マイクロウェーブ媒介ELISA(MELISA)に供され、また、ELISAで行う対照テストに供された。処理されない支持体を用いると、マイクロウェーブの短時間照射によって生分子の結合ができない。マイクロウェーブの照射は略2450MHzの周波数で作動する家庭用マイクロウェーブ・オーブン(BPL−Sanyo、India)の内部で行った。
【0026】
公知の処理法(参考資料12,13)により赤痢アメーバ症病原菌を培養してアメーバ状抗原を得た。この抗原の蛋白質濃度はLowry等の方法(参考資料14)により測定すると1.54mg/mlであった。ELISAを行う前に、この抗原をウエル当たり1.0μgの濃度に希釈してウエルに塗布した。塗布用の緩衝溶液としてpH7.2で0.01モルのリン酸緩衝溶液(PBS)を用いた。洗浄緩衝溶液剤として、pH7.2で0.01モルのリン酸緩衝溶液(PBS)にトゥイーン系界面活性剤Tween20を0.1%溶解したものを用いた。遮断剤溶液はpH7.2で0.01モルのPBSに2%のウシ血清アルブミン(BSA)を溶解して作製した。基質溶液はpH4.5で0.1モルのリン酸クエン酸緩衝溶液に0.043%の過酸化水素と0.067%のo−フェニレンジアミンを加えて調製した。
【0027】
赤痢アメーバ症病原菌の高度免疫血清はSawhney等の方法(参考資料12)によりニュージーランド産白ラビットを用いて培養した。血清中の抗体のタイターはゲル内拡散法によりチェックした。ELISAを行う前に抗体(+ve 血清)を希釈し、実験にはPBSを用いて1:300に希釈したものを用いた。
【0028】
赤痢アメーバ症病原菌抗原の免疫感作処方を与える前に、負の調節血清(−ve 血清)を得るためラビットの耳の静脈より採血した。1:300に希釈した負の調節血清100μlをウェル毎に使用した。西洋ワサビペルオキシダーゼを接合した坑ラビット免疫グロブリンGは冷凍乾燥粉末としてシグマ社より購入した。再構成の後、タイタ−チェックボードにより最適希釈率が1:4000であることが判り実験に供した。
【0029】
ELISAは5つのステップの手順、即ち、抗原結合、遮断、抗体結合、接合体結合及び染色からなる。MELISAの各ステップは従来のELISAが行うステップを順次最適に行うものである。対照テストである従来ELISAは、活性化されたウェルに抗原を塗布して4℃で一晩放置し、37℃で2時間ウエルを遮断し、続いて抗体及び接合体の結合を37℃でそれぞれ2時間行い、室温で5分間酵素−基質反応を行う染色の後、吸光度を計測することによって行われた。本発明の方法においては、ELISAの第1ステップでは、出力700Wのマイクロウェーブの照射時間を制御することによりポリスチレン・ウエル・プレートにアメーバ抗原を共有結合により固定した。結合は10秒間で検知でき、表1に示すように照射時間と共に増加した。マイクロウェーブ照射90秒における抗原の結合は70秒照射と略同程度となった。従って、抗原固定化の適切なる時間は70秒といえる。マイクロウェーブ照射を行わない対照実験においては、37℃で70秒の時間では抗原のポリスチレン表面への結合は観察できなかった。
【0030】
MELISAの第2ステップにおいて、出力700Wのマイクロウェーブ・オーブン内で10秒間2%のBSAを用いて遮断を行い、活性化表面のフリー表面を遮断した。更に照射時間を増加すると表2に示すように非特異性結合が現れる。MELISAの第3ステップにおいて、155Wのマイクロウェーブで100秒間、固定抗原と抗体の結合を行った。このステップは重要なステップで過剰な照射時間やマイクロウェーブ出力などの過度な条件では表3に示すように非特異性結合を招く。155W出力で50秒や100秒では非特異性結合は認められない。50秒では極めて低い吸光度しか認められないが、100秒間では−ve血清や+ve血清の比率が高くなり優良な吸光度となる。150秒に時間を増加すると非特異性結合が増加する(表4参照)。
【0031】
MELISAの第4ステップにおいて、接合体の結合を出力155Wのマイクロウェーブの照射時間を制御して行った。表6に示すように100秒で優良な結果が得られる。過剰な照射時間や700Wのような高エネルギなどの過度の条件では表5に示すように非特異性結合を招く。各ステップ毎の対照実験がマイクロウェーブ・オーブンの外で同一継続時間で行われたが、これら対照実験においてはELISA値は無視し得る値か望ましくない値であった。
【0032】
MELISAの各ステップを最適化した後、発明者は生分子に傷害を与えないマイクロウェーブ照射の最適条件により全てのステップを行った。それは、照射70秒間で活性化ウェルに抗原を固定化し、照射10秒間で遮断を行い、照射100秒間の抗体結合と照射100秒間の接合体結合を行うことにより達成された。本発明による方法の全てのステップに要した時間は僅か280秒である。一方、従来のELISAでは約18時間を要する。
【0033】
赤痢アメーバ症病原菌の抗体を検知するMELISA及びELISAを同じ条件下で数回繰り返し行って、その結果は表7に示すように高度な再現性のあることが判った。
【0034】
MELISA方法は、患者の血清から採取したアスペルギルス症病原菌の抗体検知により更に実証された。アスペルギルス症病原菌の抗原は公知の方法(参考資料16)で静置培養により得た。抗原の蛋白質濃度が12.5mg/mlであることはLowry等の方法(参考資料14)により決定した。抗原の免疫反応性はニュージランド白ラビットで培養した高度免疫血清を用いてチェックした。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の10人の患者から血清サンプルを得た。これらの患者は全て公知資料の記載(参考資料17)にあるようなABPAの臨床的特徴を満たしている。
【0035】
負の調節血清サンプルは、呼吸器系や他の病気に罹っていない明らかに健康体である10人の提供者から採取した。貯えられた正及び負の血清は、対照テストであるELISA用としても採取され、従来のELISA及びとMELISAの両方において同等であることが判っている。西洋ワサビペルオキシダーゼを接合した坑ヒト免疫グロブミンGは冷凍乾燥粉末としてシグマ社より購入し、再構成を行った後、接合体の最適希釈率は1:4000であることがタイタ−チェックボードにより判った。
【0036】
本発明の方法によって検知されたアスペルギルス症病原菌の抗体(患者の血清中に存在する)は従来のELISA方法によるものと一致した。(表8参照)
種々の実験で得られた結果は次のようにグレード付けされた。
【0037】
優良=++++
良好=+++
良=++
不良=+
非検知=−
【0038】
MELISAに要した全時間は10分以下である。しかしながら、各ステップに要する時間は生分子によって変わる可能性があり、照射時間及びエネルギを少し変更するという反応条件の修正により優良な結果が得られる。
【0039】
本発明が提供するマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法(MELISA)の迅速な方法は、活性化された固相支持体を用いて行われ、以下のステップからなる。
(a)活性化された固相支持体を準備する。
(b)抗原または抗体から選択した生分子を塗布緩衝溶液で希釈し前記固相支持体の活性化されたウェルに充填し、該ウェルをマイクロウェーブ・オーブン内に配置して周波数2300〜2500MHz、出力600〜900Wのマイクロウェーブを50〜100秒間ウェルに照射し、その後適当な洗浄緩衝溶液で充分に洗浄する。
(c)ステップ(b)で得られた生分子を固定したウェルに遮断剤溶液を充填しマイクロウェーブ・オーブン内で周波数2300〜2500MHz、出力600〜800Wのマイクロウェーブを5〜20秒間ウェルに照射し、その後適当な洗浄緩衝溶液で洗浄することによりウェルの未反応のフリー・サイトを遮断する。(d)ステップ(c)で得られた抗体または抗原を固定したウエルに対応する抗原または抗体を緩衝溶液で希釈して充填し、マイクロウェーブ・オーブン内で周波数2300〜2500MHz、出力50〜200Wのマイクロウェーブを90〜200秒間ウェルに照射し、その後洗浄緩衝溶液で洗浄する。
(e)ステップ(d)で得られたウェルに適当な酵素−接合体を適切な緩衝溶液で希釈して充填し、マイクロウェーブ・オーブン内で周波数2300〜2500MHz、出力100〜300Wのマイクロウェーブを50〜150秒間ウェルに照射し、その後洗浄緩衝溶液で洗浄する。
(f)ステップ(e)で得られたウェルに基質−色素−緩衝溶液を添加して暗所に4〜10分間保持し、続いて停止溶液を添加して適切な波長の分光光度計を用いて溶液の吸光度を測定する。
【0040】
本発明の実施形態に於いては、使用する固相支持体はポリスチレン、ポリエチレン、ガラス、セルローズ、ニトロセルローズ、シリカゲル、塩化ヴィニール、ポリアニリン等から選択したが、望ましい固相支持体はポリスチレンである。他の実施形態に於ては、固相支持体の形状やサイズは、シート状、板状、ビーズのような粒状、極小球体、試験管、テスト用スティック、テスト用線条、ウエル、ELISAプレート、マイクロ・ウェル・プレートまたはモジュールから選択される。
【0041】
本発明の実施形態に於いては、生分子を固定するための固相支持体は共役結合によりリガンド分子と結合する少なくとも一つの活性基を有する支持体より選択され、該活性基はハロゲン化基、アルデヒド基、アセチル基、エポキシ基、琥珀酸アミド基、イソチオシアネート基、アジ化アシル基などから選択される。また、本発明の実施形態に於いては、該活性基は通常の化学反応や光化学反応などの公知の方法により支持体に導入してもよい。本発明の他の実施形態に於いては、光化学反応により固相支持体に活性基を導入する場合、4‐フルオロ‐3‐ニトロアジ化ベンゼン、N‐ヒドロキシスクシンイミド4‐アジ化ベンゾネート、N‐ヒドロキシスルフォスクシンイミド4‐アジ化サリチル酸、などから選択された光活性化合物を使用して乾燥状態で行う。本発明の他の実施形態に於いては、ポリスチレン表面に1‐フルオロ‐2‐ニトロ‐アジ化ベンゼンを塗布し、塗布したポリスチレン支持体を乾燥状態で365nmの紫外線に暴露して活性化する。更に本発明の他の実施形態に於いては、光化学反応の光源として紫外線ランプ、レーザービーム、明るい陽光などから選択する。更に、本発明の実施形態においては、固相支持体を活性化する光化学反応の時間は10秒から10時間の範囲から選択する。
【0042】
本発明の実施形態においては、家庭用マイクロウェーブ・オーブン、特別に設計されたマイクロウェーブ・オーブン、あるいはマイクロウェーブを発生する全ての機器または空間から選択するマイクロウェーブ装置を用いてマイクロウェーブ照射を行う。本発明の好ましい実施形態においては、ELISAの第1ステップは、周波数2300〜2500MHz、出力600〜900Wのマイクロウェーブを50〜100秒間照射することにより、活性化されたプレートに抗原または抗体を共役結合させることで行われる。本発明の好ましい実施の形態においては、ELISAの第2ステップである遮断ステップは、周波数2300〜2500MHz、出力600〜800Wのマイクロウェーブを5〜20秒間照射することにより行われる。本発明による好ましい実施形態においては、ELISAの第3ステップは、周波数2300〜2500MHz、出力50〜200Wのマイクロウェーブを90〜200秒間照射することにより対応する抗体あるいは抗原の結合を行う。本発明の好ましい実施の形態においては、ELISAの第4ステップは、周波数2300〜2500MHz、出力100〜300Wのマイクロウェーブを50〜150秒間照射することにより酵素‐接合体の結合を行う。
【0043】
本発明の好ましい実施形態によれば、抗原の結合、遮断、抗体の結合及び接合体の結合を含む全時間は、慣例的方法では通常10〜24時間要するところ、195〜470秒間である。
【0044】
本発明の他の実施形態においては、pHが6.5から11の範囲でモル濃度が0.005モルから0.1モルの範囲の、炭酸緩衝溶液やリン酸緩衝溶液のような抗原と相溶性を有する適切な組成の塗布緩衝溶液で抗原を希釈する。本発明の好ましい実施形態においては、使用する洗浄緩衝溶液は、pHが6.5から11の範囲でモル濃度が0.005モルから0.1モルの範囲のリン酸緩衝溶液と0.05%〜3%の範囲のトゥイーン系界面活性剤Tween20との混合溶液である。本発明の好ましい実施形態においては、遮断剤はウシ血清アルブミン、スキムミルク粉末、ゼラチンなどから選択される。
【0045】
本発明の他の実施形態においては、生分子は抗原あるいは抗体より選択され、抗原は免疫反応を誘出する能力を有するかまたは誘出する如何なる生分子、微生物または物質でもよい。本発明の好ましい実施の形態においては、抗体は特定の抗原を接種することにより宿主によって生成され、特異的に該抗原と結合する可能性を有する全ての生分子から選択する。更に、好ましい他の実施の形態においては、接合体はペルオキシダーゼまたはアルカリ性ホスファターゼから選択した酵素と接合した抗体または抗原を有する特殊な生分子である。更に本発明の好ましい実施の形態においては、酵素は検定が可能な発色団や蛍光団から選択した標識に替えてもよい。
【0046】
本発明による他の好ましい実施形態に於いては、本発明の方法は、直接ELISA、間接ELISAやサンドウィッチELISAなどのような異なるタイプのELISAのみならず、放射標識免疫検定法、放射性免疫吸着試験、放射性アレルゲン吸着試験、ビオチン−アヴィジン/ストレプトアヴィジン免疫検定法、免疫ブロット法、免疫染色法などのような他の免疫検定法にも使用することができる。
【0047】
本発明は更にマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法(MELISA)に用いる下記の構成からなる装置を提供する。(a)適当なポンプを用いた細いチューブにより特定の容器からサンプルあるいは試剤を活性化されたポリスチレン・プレート/モジュールに充填する充填チャンバー、(b)抗原の結合、遮断、抗体の結合、抗体‐酵素接合体の結合など全てのステップをマイクロウェーブ照射のもとで、酵素基質反応をマイクロウェーブの励起なしに環境温度で、予めプログラムされた時間の通り行うマグネトロン及び排気ファンを備える反応チャンバー、(c)ELISAプレートまたはモジュールをMELISA処理の各ステップの後に予めプログラムされた指令に基づき自動的に洗浄乾燥する洗浄兼乾燥チャンバー、(d)分光光度計を用いて比色検知を行う検知チャンバー、(e)チャンバーからチャンバーへELISAプレートまたはモジュールを搬送するのに用いられる移動架台、(f)適切なハードウェア及びソフトウェアによりMELISA方法を制御する計算手段を基礎とするマイクロプロセッサ。
【0048】
以下に実験例を参照して更に本発明を説明するが、これら実験例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0049】
実験1
固相支持体の活性化
モジュール(12ウェル・ポリスチレン・モジュール、ダイナテック社、USA)のウェルに100μlのメタノールに溶解した1‐フルオロ‐2‐ニトロアジ化ベンゼン(FNAB)を1ウェル当たり1.82mg充填し、暗所で適当に乾燥させた。それからFNABを充填したウェルをUVStratalinker2400(Stratagene社、USA)を用いて365nmの紫外線を10分間照射するか、あるいは1時間明るい陽光の下に維持した。次にウェルをメタノールで数回洗浄して非結合物質を除去し室温で乾燥した。このモジュールの活性化ウェルは本発明による方法の抗原または抗体の固定に用いられた。
【0050】
実験2
マイクロウェーブ照射による赤痢アメーバ症病原菌抗原の固定
100μlのPBSで赤痢アメーバ症病原菌抗原(1μg)を希釈したものをモジュールの活性化ウェルに充填し、周波数約2450MHz、最大出力約700Wで作動する家庭用マイクロウェーブ・オーブン(BPL‐Sanyo,India)の内部で10秒間マイクロウェーブを照射した。照射は最高出力の10にセットし、700W出力のマグネトロンのデューティ・サイクル100%で行った。ウェルは洗浄緩衝溶液で充分に洗浄し非結合抗原を除去した。続くステップは従来方法で行った。このように、遮断剤溶液(200μl)による遮断、抗体(100μl)の結合、坑ラビット血清グロブミンG‐西洋ワサビペルオキシダーゼ接合体(100μl)の結合は各ステップ2時間づつ37℃で培養することにより行った。各ステップの終了毎にウエルは洗浄緩衝溶液で充分に洗浄した。染色過程は基質溶液100μlを用いて行った。ウエルはELISAリーダー(Specyramax 190マイクロプレート分光光度計、モレキュラ・デヴァイス社、USA)を用いて490nmで読取り吸光度を記録した。すべての実験は3対のウエルで行われ、−ve血清を用いて同様の実験も行った。
【0051】
マイクロウェーブを用いた対照実験を未処理のウエルを用いて同様に行った。更なる対照実験として、活性化されたウエルを用いマイクロウェーブ照射と同じ時間37℃で抗原を培養する実験も行った。これらの両実験では抗原の固定は認められなかった。
【0052】
全ての各実験は抗原結合の時間を30,50,70、90秒と変えて繰り返し行った。抗原結合を最適化するマイクロウェーブ照射時間の結果は表1に示される。
【0053】
実験3
マイクロウェーブ照射を用いた遮断剤によるフリー表面の遮断
上述のモジュールの活性化ウエルにマイクロウェーブを70秒間照射して赤痢アメーバ症病原菌の抗原を固定した。洗浄緩衝溶液で完全に洗浄した後200μlの遮断剤溶液をウエルに添加し700Wのマイクロウェーブを10秒間照射した。引き続くステップである抗体の結合及び接合体の結合は、実験2に記載したようにマイクロウェーブ・オーブンの外で行い、染色ステップ及び吸光度読取りも実験2と同様に行った。−ve血清を用いて同じような実験も行った。遮断の最適時間を検討するために、2つの異なる実験をマイクロウェーブ暴露時間を40及び60秒と増加させる以外は同じ方法で行った。全ての実験は3対のウエルで行った。マイクロウェーブ照射の下で行う最適遮断時間の結果を表2に示す。
【0054】
実験4 高エネルギレベルのマイクロウェーブ照射による抗体の結合
モジュールの活性化ウエルに700Wのマイクロウェーブを70秒間照射して赤痢アメーバ症病原菌の抗原を固定し、実験3のように700Wのマイクロウェーブを10秒間照射して遮断剤によりフリー表面を遮断した。ウエルに坑アメーバ抗体(100μl)を充填し、700Wのマイクロウェーブに10秒間暴露した。洗浄緩衝溶液でウエルを適切に洗浄した後、接合体の結合及び次の染色過程は実験3で行ったのと同様に行った。同様の実験を−ve血清を用いても行った。実験は抗体結合のマイクロウェーブ暴露時間を30、50、70、90秒と変え、他の条件は同じにして繰り返し行われた。全ての実験は3対のウエルによって行った。高エネルギレベルのマイクロウェーブ照射による抗体結合の結果を表3に示す。
【0055】
実験5
低エネルギレベルのマイクロウェーブ照射による抗体の結合
ここでの抗体の結合の実験は、155Wの低エネルギレベルで行う以外は、実験4に記載したものと同一の条件で行った。マイクロウェーブの暴露時間は10、15、100、150秒とそれぞれ4組の実験を繰り返し行った。低エネルギレベルのマイクロウェーブ照射による抗体結合の結果は表4に示す。
【0056】
実験6
高エネルギレベルのマイクロウェーブ照射による接合体の結合
活性化ウエルに700Wのマイクロウェーブを70秒間照射して赤痢アメーバ症病原菌の抗原を固定し、続いて、700Wのマイクロウェーブを10秒間照射して遮断し、実験5のように155Wのマイクロウェーブを100秒間照射して抗体を結合した。坑ラビット血清グロブミンG‐西洋ワサビペルオキシダーゼ接合体100μlをウエルに充填し700Wのマイクロウェーブを照射した。マイクロウェーブの暴露時間は5、10、15、20秒とそれぞれ4組の実験を他の条件を実験5と同じにして行った。全ての実験は3対のウエルで行った。高エネルギレベルのマイクロウェーブ照射による接合体結合の結果を表5に示す。
【0057】
実験7
低エネルギレベルのマイクロウェーブ照射による接合体の結合
ここでの第2抗体−接合体の結合実験は、第2抗体−接合体の結合ステップが155Wの低エネルギレベルで行われる以外は、実験6で記載されたものと同様の条件で行われた。マイクロウェーブ暴露時間は4組の実験に対してそれぞれ50、100、120秒間とした。低エネルギレベルのマイクロウェーブ照射による接合体の結合の結果は表6に示す。
【0058】
実験8
マイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法(MELISA)と固相酵素免疫検定法(ELISA)による赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知
上記実験に記載したように、活性化ウエルに700Wのマイクロウェーブを70秒間照射して赤痢アメーバ症病原菌の抗原を固定し、続いて、700Wのマイクロウェーブを10秒間照射して遮断剤により遮断を行い、155Wのマイクロウェーブを100秒間照射して抗体を結合し、続いて、155Wのマイクロウェーブを100秒間照射して抗体−接合体の結合を行った。−ve血清を用いて同様の実験も行った。全ての実験は1対のウェルで行われ5回繰り返された。各ステップの終了後は洗浄緩衝溶液により洗浄した。全てのステップをマイクロウェーブの励起なしで行う以外は同じ試剤、基質および緩衝溶液を用いて従来のELISAにより対照実験を行った。このようなELISAは活性化ウエルに抗原を塗布して4℃で一晩行い、続いて遮断、抗体結合、接合体結合のステップを各ステップ37℃で2時間行った。染色ステップは発明による方法も従来方法も同じである。マイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法(MELISA)と固相酵素免疫検定法(ELISA)による赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知の結果を表7に示す。
【0059】
実験9
マイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法(MELISA)と固相酵素免疫検定法(ELISA)によるアスペルギルス症病原菌抗体の検知
患者の血清中におけるアスペルギルス症病原菌抗体の検知はマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法(MELISA)と固相酵素免疫検定法(ELISA)により実験8に記載したものと同一の条件で行った。但し、抗原はアスペルギルス症病原菌の抗原であり、抗体は10人の異なる患者の血清から採取した。非特異性抗体を有する対照血清は健康な志願者から採取し、接合体は坑ヒト血清グロブミンG‐ペルオキシダーゼを用いた。全ての実験は1対のウエルで行われた。マイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法(MELISA)と固相酵素免疫検定法(ELISA)によるアスペルギルス症病原菌抗体の検知の結果を表8に示す。
【0060】
第1ステップをMELISAにより行い残りのステップをELISAで行った赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知。
【0061】
MELISA:第1ステップ.700Wのマイクロウェーブを表に示す異なる時間照射して抗原を活性化ウエルに固定、対照テストは37℃で70秒間。
【0062】
ELISA:第2〜第5ステップ.従来例による方法。
【0063】
【表1】
Figure 2004517301
第1、第2ステップをMELISAにより行い、残りのステップをELISAで行った赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知。
【0064】
MELISA:第1ステップ.抗原結合は700Wで70秒間、第2ステップ.遮断は700Wで表に示す種々の時間。
【0065】
ELISA:第3〜第5ステップ.従来例による方法。
【0066】
【表2】
Figure 2004517301
最初の3ステップをMELISAで行い残りのステップをELISAで行った赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知。
【0067】
MELISA:第1ステップ.抗原結合は700Wで70秒間。第2ステップ.遮断は700Wで10秒間。第3ステップ.抗体結合は700Wで表に示す種々の時間。
【0068】
ELISA:第4及び第5ステップ.従来例による方法。
【0069】
【表3】
Figure 2004517301
最初の3ステップをMELISAで行い残りのステップをELISAで行った赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知。
【0070】
MELISA:第1ステップ.抗原結合は700Wで70秒間。第2ステップ.遮断は700Wで10秒間。第3ステップ.抗体結合は155Wで表に示す種々の時間。
【0071】
ELISA:第4及び第5ステップ.従来例による方法。
【0072】
【表4】
Figure 2004517301
最初の4ステップをMELISAで行い最後のステップを従来の方法で行った赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知。
【0073】
MELISA:第1ステップ.抗原結合は700Wで70秒間。第2ステップ.遮断は700Wで10秒間。第3ステップ.抗体結合は155Wで100秒間。第4ステップ.接合体結合は700Wで表に示す種々の時間。第5ステップ.染色は室温で5分間。
【0074】
【表5】
Figure 2004517301
最初の4ステップをMELISAで行い最後のステップを従来の方法で行った赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知。
【0075】
MELISA:第1ステップ.抗原結合は700Wで70秒間。第2ステップ.遮断は700Wで10秒間。第3ステップ.抗体結合は155Wで100秒間。第4ステップ.接合体結合は155Wで表に示す種々の時間。
【0076】
第5ステップ.染色は室温で5分間。
【0077】
【表6】
Figure 2004517301
赤痢アメーバ症病原菌抗体の検知、MELISAとELISAとの比較。
【0078】
MELISA:第1ステップ.抗原結合は700Wで70秒間。第2ステップ.遮断は700Wで10秒間。第3ステップ.抗体結合は155Wで100秒間。第4ステップ.接合体結合は155Wで100秒間。第5ステップ.染色は室温で5分間。
【0079】
ELISA:第1ステップ.抗原結合は4℃で一晩。第2ステップ.遮断は37℃で2時間。第3ステップ.抗体結合は37℃で2時間。第4ステップ.接合体結合は37℃で2時間。第5ステップ.染色(発色)は室温で5分間。
【0080】
【表7】
Figure 2004517301
アスペルギルス症病原菌抗体の検知、MELISAとELISAとの比較。
【0081】
表7の記載と同じ方法により行った。
【0082】
【表8】
Figure 2004517301
【0083】
MELISAのための装置
MELISAのための装置は次の構成部品から構成される。
(a)Loading(塗布)チャンバー:適当なポンプと細管を用いてサンプルや試剤を特定の容器から活性化されたポリスチレンプレート/モジュール上に自動的に塗布するためのチャンバーである。
(b)反応チャンバー:反応チャンバーはマグネトロンと排気ファン及び集中光からなり、マイクロウェーブ照射により行う抗原の結合、遮断、抗体の結合、抗体−酵素接合体の結合のステップと環境温度で行う酵素−基質反応とを予めプログラムされた請求項1に記載された時間で行うためのチャンバーである。
(c)洗浄兼乾燥チャンバー:このチャンバーにおいては、MELISAの各ステップの終了後にプログラムされた指示によりELISAプレートまたはモジュールの洗浄と乾燥を自動的に行う。
(d)検出チャンバー:このチャンバーは分光光度計を用いて色度検出を行うために使用する。
(e)移送架台:ELISAプレートまたはモジュールをチャンバーからチャンバーへ移送するために用いられる。
(f)制御ユニット:適切なハードウェア及びソフトウェアにより請求項1に記載のMELISA方法を制御する計算手段からなるマイクロプロセッサを備える。
【0084】
【本発明の効果】
従来のELISAの方法は完了までに数時間から2日間を要し、臨床診断に加えて種々の分野で世界的に使用される処理法としては重大な障害である。緊急医療の場合、患者が薬物治療を受ける前に診断の段階で貴重な時間を失ってしまう。それ故に、本発明による短時間ELISA処理法であるMELISAは、病気の診断、生化学的医療の研究及びその他の関連分野において有益であり有用性がある。本発明のELISA処理法の主たる効果を以下の通りである。
【0085】
1.本発明による方法は現存する従来のELISAの方法より極めて迅速である。
【0086】
2.本発明による方法が要する総時間は10分に満たない。このように、本発明による方法は煩わしい処理に費やす時間を不要なものとする。
【0087】
3.本発明による方法は非常に高感度で貴重な抗原または抗体の僅かな量で行える。
【0088】
4.本発明による方法は極めて正確であり、酵素−基質反応が溶液中で行うことができ、分光光度計により定量できる。
【0089】
5.本発明による方法は簡単であり、如何なる付加的専門性も付加的試剤も必要としない。
【0090】
6.本発明による方法は費用効果が高く、殆どの研究室に備えられている家庭用マイクロウェーブ・オーブン以外には如何なる付加的装置も必要としない。
【0091】
7.本発明による方法はELISAの重要な基準である再現性がある。
【0092】
8.本発明による方法によれば非特異性結合は少量であり無視し得る程度である。
【0093】
9.本発明による方法は通常人によって変わる人的エラーを最小限にできる自動化の可能性を有する。
【0094】
10.本発明による方法は、直接ELISA、間接ELISAやサンドウィッチELISAなどのような種々のタイプのELISAのみならず、放射標識免疫検定法、放射性免疫吸着試験、放射性アレルゲン吸着試験、ビオチン−アヴィジン/ストレプトアヴィジン免疫検定法、免疫ブロット法、免疫染色法などのような他の免疫検定法にも適用することができる。
【0095】
このように、本発明による方法は迅速であり、経済的であり、再現性があり、簡単であり且つ自動化の可能性を有している。本発明による方法は、臨床診断、分子生物学、農業、食品技術、環境科学、生科学的医療研究及びその他の分野で重要性が増大し、人類にとって有益なものである。
【0096】
【参考文献】
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18. Boon et al, PCT Patent application WO 89/03038 1989 Apr.

Claims (15)

  1. マイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法の迅速な方法であって、活性化された固相支持体を用いることを特徴とし、
    (a)活性化された固相支持体を用意する、
    (b)抗原あるいは抗体から選択された生分子を塗布緩衝溶液で希釈し前記固相支持体の活性化されたウェルに充填し、該ウェルをマイクロウェーブ・オーブン内に載置して、周波数が2300〜2500MHzの範囲で出力が600〜900Wの範囲のマイクロウェーブを50〜100秒間の範囲で照射し、その後適当な洗浄緩衝溶液で洗浄する、
    (c)上記ステップ(b)で得られた生分子を固定したウェルに遮断剤溶液を充填して、マイクロウェーブ・オーブン内で周波数が2300〜2500MHzの範囲で出力が600〜800Wの範囲のマイクロウェーブを5〜20秒間の範囲で照射して、洗浄緩衝溶液で洗浄することにより前記活性化ウエルのフリー・サイトを遮断する、
    (d)上記ステップ(c)で得られた抗原または抗体を固定したウェルに、対応する抗体または抗原を緩衝溶液で希釈して充填し、周波数が2300〜2500MHzの範囲で出力が50〜200Wの範囲のマイクロウェーブを90〜200秒間の範囲で照射し、その後洗浄緩衝溶液で洗浄する、
    (e)ステップ(d)で得られた前記ウェルに適当な酵素‐接合体を適切な緩衝溶液で希釈して充填し、マイクロウェーブ・オーブン内で周波数が2300〜2500MHzの範囲で出力が100〜300Wの範囲のマイクロウェーブを50〜150秒間の範囲で照射してその後洗浄緩衝溶液で洗浄する、
    (f)上記ステップ(e)で得られたウェルに基質−染料−緩衝溶液を添加して暗所で4〜10分間保管し、その後停止溶液を添加して分光光度計を用い適切な波長で溶液の吸光度を計測する、ステップからなることを特徴とするマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  2. 前記固相支持体は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ガラス、セルローズ、ニトロセルローズ、シリカゲル、塩化ヴィニール、ポリアニリン等からなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  3. 前記固相支持体は、ポリスチレンであることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  4. 前記固相支持体の形状は、シート状、プレート状、ビーズまたは極小球体のようなテスト用粒体、テスト用管体、テスト用棒体、テスト用線体、ウエル、ELISAプレート、マイクロウェル・プレートあるいはモジュールから選択することを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  5. 生分子の固定に用いる前記固相支持体は、ハロゲン基、アルデヒド基、アセチル基、エポキシ基、コハク酸アミド基、イソチオシアネート基、アジ化アシル基等からなる群から選択された少なくとも一つの活性基を有することを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  6. 前記固相支持体は、それ自身の一部に活性基を有するか、または公知の化学的方法あるいは光化学的方法あるいは他の知られた方法により活性基が導入されたものであることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  7. 前記抗原は、免疫応答を誘出するか、または誘出する能力を有することを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  8. 前記マイクロウェーブの照射はマイクロウェーブを発生する装置またはチャンバー内で行われ、該装置またはチャンバーは家庭用マイクロウェーブ・オーブン、特別に設計されたマイクロウェーブ・オーブンまたはマイクロウェーブを発生する全ての装置またはチャンバーから選択されることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  9. 抗原の結合、遮断、抗体の結合及び接合体の結合に要する総時間は195〜470秒の範囲であることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  10. 前記遮断剤は、ウシ血清アルブミン、スキムミルク粉末、ゼラチンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  11. 前記塗布緩衝溶液は、pH6.5からpH11の範囲でモル濃度が0.005モルから0.1モルの範囲の炭酸緩衝溶液またはリン酸緩衝溶液から選択されることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  12. 前記洗浄緩衝溶液は、リン酸緩衝溶液とTween20の混合溶液で、リン酸緩衝溶液はpH6.5からpH11の範囲でモル濃度が0.005モルから0.1モルの範囲であり、Tween20は0・05%から3%であることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  13. 前記接合体は、ペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼから選択された酵素と接合した抗体または抗原を有する生分子から選択されることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  14. 前記マイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法は、直接ELISA、間接ELISA、サンドウィッチELISA等種々のタイプのELISAに加えて、放射標識免疫検定法、放射性免疫吸着試験、放射性アレルゲン吸着試験、ビオチン−アヴィジン/ストレプトアヴィジン免疫検定法、免疫ブロット法、免疫染色法
    及びそれらの混合形態の検定法からなる群から選択された検定法で用いることを特徴とする請求項1記載のマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法。
  15. (a)ポンプと細管により容器からサンプルあるいは試剤を活性化されたポリスチレン・プレートまたはモジュールに充填する充填チャンバー、
    (b)マグネトロンと排気ファンと集中光を備え、抗原の結合、遮断、抗体の結合、抗体‐酵素接合体の結合のステップをマイクロウェーブの照射により、酵素基質反応を環境温度のもとで、プログラムされた請求項1記載の時間で行うための反応チャンバー、
    (c)前記ELISAプレートまたはモジュールをMELISAの各ステップの後にプログラムされた指示に基づいて自動的に洗浄乾燥する洗浄兼乾燥チャンバー、
    (d)分光光度計を用いて色度検出を行う検出チャンバー、
    (e)チャンバーからチャンバーへ前記ELISAプレートまたはモジュールを搬送する搬送架台、
    (f)ハードウェア及びソフトウェアにより請求項1に記載のMELISA方法を制御する計算手段からなるマイクロプロセッサ、以上の構成部分からなることを特徴とするマイクロウェーブ媒介固相酵素免疫検定法に用いる装置。
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