JP2004516318A - L−アスコルビン酸の連続製造方法 - Google Patents

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Abstract

L−アスコルビン酸の形成を最大にし且つ生成されたL−アスコルビン酸の分解を最小限に抑える転化レベルにおいて、酸触媒との接触によって又は熱による自己触媒条件下で2−ケト−L−グロン酸を含む水溶液の直接転化によってL−アスコルビン酸生成物を高収率で製造する方法及び装置を提供する。L−アスコルビン酸とKLGの分離プロセスは、効率的分離プロセスによってKLGの大部分が再循環されて更に転化できるような方法で行う。次いで、分離プロセスからの生成物流を回収工程に供して、結晶L−アスコルビン酸生成物を得る。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、L−アスコルビン酸の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、生成L−アスコルビン酸生成物の分解を最小限に抑え且つ未反応出発原料を反応混合物中に再循還することができるL−アスコルビン酸の連続製造方法に関する。
【0002】
発明の背景
L−アスコルビン酸(ビタミンC)は、グルコース又はソルボースを出発原料とする、化学プロセス及び発酵プロセスの併用によって商業的に生産されている。商業的方法において生成される通常の中間体は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)又はその保護型であるジアセトン−2−ケト−L−グロン酸である。2−ケト−L−グロン酸のL−アスコルビン酸への転化は、最初のReichstein法(非特許文献1)から導かれた方法において、メタノールによるエステル化とそれに続く、化学量論量の塩基を用いた環化によって実施できる。あるいは、ジアセトン−2−ケト−L−グロン酸は、アセトンの除去とそれに続く連続的ラクトン化及びエノール化により直接環化させて、アスコルビン酸を形成できる。ジアセトン−2−ケト−L−グロン酸の直接環化には、生成したアセトン及び他の副生成物の回収のために広範な精製が必要である。
【0003】
Reichstein法の他の変形は、2−ケト−L−グロン酸の製造に必要な多くの化学的処理工程の排除又は単純化に主眼を置いている。改良には、2−ケト−L−グロン酸のエステル化の制御及びそれに続く非エステル化出発原料の除去(特許文献1)、並びにエステル化とその後の環化との改良された統合(特許文献2)などがある。
【0004】
また、酸触媒反応にも取り組みが行われてきた(例えば、特許文献3;特許文献4,特許文献5;特許文献6、特許文献7;及び特許文献8)。酸触媒反応は、酸の形態の2−ケト−L−グロン酸を使用し、このため、エステルの生成や、アスコルビン酸塩の再プロトン化による環化によって生成物を酸の形態で単離するための化学量論量の塩基の添加を必要とする次の工程が必要でない。再プロトン化工程は化学量論量の塩副生成物を生成するので、酸触媒反応は、廃棄物及び処理コストをかなり低下させると共に比較的高収率(>80%)でL−アスコルビン酸生成物を生成できる。有機溶媒及び界面活性剤の使用のような方法を改良するための変形も記載されている(例えば、特許文献9、特許文献10及び特許文献11を参照)。最初のReichstein法に比べれば改良されているが、酸触媒反応は、高収率のアスコルビン酸を得るには依然としてかなりの処理、再循還及び精製工程を必要とする。
【0005】
2−ケト−L−グロン酸からアスコルビン酸を製造する別の手段は、多量の酸触媒を使用しない水性分子内環化方法を含む(非特許文献1及び特許文献12)。水性環化は、酸触媒反応に付随する多数の精製工程を必要としないが、非酸触媒分子内環化は収率が比較的低い。例えば2−ケト−L−グロン酸は、二酸化炭素で飽和された水中で加熱することができ、分別結晶後の収率は50%である(特許文献13)。また、2−ケト−L−グロン酸又は2−ケト−L−グロン酸の誘導体は、水中で130〜140℃に加熱され、生成できるアスコルビン酸の収率は約50%である(特許文献14)。
【0006】
溶媒の除去によって最終生成物を環化流から単離する、ケト−L−グロン酸(KLG)及びその誘導体の直接環化法に向けて多数の試みがなされた。しかし、L−アスコルビン酸生成物は水性又は酸反応溶液中では不安定であるので、L−アスコルビン酸生成物の精製は妨げられる(例えば、非特許文献2)。2−ケト−L−グロン酸出発原料の転化がほとんど完全であるように反応を行う場合には特にそう言える。従って、100%未満の転化率で行うが、2−ケト−L−グロン酸出発原料を効率的に使用でき且つ精製L−アスコルビン酸を高収率で精製する方法が必要とされている。従って、本発明の目的は、このような方法を提供することである。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5,128,487号
【特許文献2】
米国特許第5,391,770号
【特許文献3】
米国特許第2,462,251号
【特許文献4】
GB1,222,322
【特許文献5】
GB2,034,315
【特許文献6】
DE3843389
【特許文献7】
WO公報 99/07691
【特許文献8】
WO公報 00/46216
【特許文献9】
米国特許第5,744,618号
【特許文献10】
WO公報 98/00839
【特許文献11】
特公昭48−015931公報
【特許文献12】
BP428,815
【特許文献13】
米国特許第2,265,121号
【特許文献14】
米国特許第2,491,065号
【非特許文献1】
T.Reichstein,A.Grussner,Helv.Ch
im.Acta 17,p311〜328,1934
【非特許文献2】
P.P.Regna及びB.P.Caldwell,J.Am.Ch
em.Soc.,66,pp.246〜250,1944
【0008】
発明の要約
本発明は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)又は2−ケト−L−グロン酸の誘導体を酸触媒又は自己触媒環化に供し、次いで未反応2−ケト−L−グロン酸出発原料を効率的に再循還できるように、生成物L―アスコルビン酸と任意の未反応2−ケト−L−グロン酸化合物とを分離する工程を含む、L−アスコルビン酸の製造方法に関する。本発明の方法は、2−ケト−L−グロン酸化合物完全転化未満のレベルで行いながら、L−アスコルビン酸の生成を最適にすることによって、L−アスコルビン酸を高収率で製造する方法を提供する。この方法では、L−アスコルビン酸生成物の分解が最小限の抑えられる。分離工程は、より多くのL−アスコルビン酸を製造するのに2−ケト−L−グロン酸を更に使用できるように、未反応2−ケト−L−グロン酸出発原料を効率的且つ非破壊的に単離するようにに設計されている。分離工程の間に単離されたL−アスコルビン酸は次に、結晶又は他の方法で処理して、L−アスコルビン酸を固体の形態で単離することができる。
【0009】
本発明は、一側面において、
(a)反応器中で2−ケト−L−グロン酸又は2−ケト−L−グロン酸の誘導体の水溶液を加熱して、L−アスコルビン酸を100%未満の転化率で生成せしめ;
(b)前記反応器から未反応2−ケト−L−グロン酸化合物及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液(post−reaction solution)を連続的に取り出し;
(c)前記反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸化合物からL−アスコルビン酸を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液と未反応2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液を形成せしめ;そして
(d)工程(c)の2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液を前記反応器に連続的に再循還させる
工程を含んでなるL−アスコルビン酸の連続製造方法を含む。
【0010】
本発明は、別の側面において、本発明の方法によって製造されるアスコルビン酸生成物を含む。
【0011】
本発明はまた、本発明の方法を実施する装置を含む。従って、本発明は、別の側面において、
(a)2−ケト−L−グロン酸をL−アスコルビン酸に転化させる反応器;
(b)未反応2−ケト−L−グロン酸及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液を、完全転化前に、反応器から連続的に取り出す導管;
(c)反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸化合物からL−アスコルビン酸生成物を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液及び2−ケト−L−グロン酸富化溶液を形成せしめる分離系;
(d)2−ケト−L−グロン酸富化溶液を前記反応器に戻す導管;
(e)新しい2−ケト−L−グロン酸を前記反応器中に運搬する導管;
(f)次の精製及び/又は貯蔵のためにL−アスコルビン酸富化溶液を取り出す導管;
(g)システム中 て反応体及び生成物をポンプ輸送する少なくとも1個のポンプ;並びに
(h)システム全体の圧力を制御するための少なくとも1個のバルブ
を含むL−アスコルビン酸の製造システムを含む。
【0012】
以下の詳細な説明をよりよくできるように、また、本発明の当業界への貢献度をよりよく理解できるように、前述の要約は本発明のより重要な特徴に的を絞っている。特許請求の範囲の主題を形成する本発明の特徴は他にもあることは言うまでもなく、それらについては以下に説明することとする。本発明は以下の詳細な説明及び図面中に記載された具体的詳細への適用に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施態様が可能であり、種々の方法で実行又は実施できる。
【0013】
前記要約から、本発明の目的は、L−アスコルビン酸の効率的製造方法を提供することであることがわかる。本発明のこれらの及び他の目的は、本発明を特徴づける種々の新しい構成要素と共に、特許請求の範囲中で詳細に示してある。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、L−アスコルビン酸の分解を最小限に抑えながらL−アスコルビン酸の生成を最大にする転化レベルにおいて、2−ケト−L−グロン酸又は2−ケト−L−グロン酸の誘導体を含む水溶液を直接転化することによって、高収率でL−アスコルビン酸を製造する方法及びシステムを提供する。L−アスコルビン酸生成物は、続いて、任意の未反応2−ケト−L−グロン酸出発原料から分離し、更に転化を行うために未反応2−ケト−L−グロン酸出発原料の大部分を再循還させることができる。
【0015】
本発明は、一側面において、
(a)反応器中で2−ケト−L−グロン酸又は2−ケト−L−グロン酸の誘導体の水溶液を加熱して、100%未満の転化率でL−アスコルビン酸を生成せしめ;
(b)前記反応器から、未反応2−ケト−L−グロン酸化合物及びL−アスコルビン酸生成物を含む反応後溶液を連続的に取り出し;
(c)前記反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸化合物からL−アスコルビン酸を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液と未反応2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液を形成せしめ;そして
(d)工程(c)の2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液を反応器に連続的に再循還させる
工程を含んでなる、L−アスコルビン酸の連続製造方法を含む。
【0016】
本明細書中で使用する「L−アスコルビン酸富化(rich)溶液」は、2−ケト−L−グロン酸に対するL−アスコルビン酸の比が工程(b)の反応後溶液に比べて増大された、L−アスコルビン酸の水溶液を意味する。同様に、「2−ケト−L−グロン酸富化溶液」又は「2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液」は、L−アスコルビン酸生成物に対する2−ケト−L−グロン酸化合物の比が、工程(b)の反応後溶液に比べて増大された、2−ケト−L−グロン酸又はその誘導体の水溶液を意味する。ここで使用する2−ケト−L−グロン酸の誘導体は、2−ケト−L−グロン酸のエステル、ジアセトン−2−ケト−L−グロン酸、及び環化によってL−アスコルビン酸にすることができる2−ケト−L−グロン酸の他の誘導体を含むことができる。
【0017】
一実施態様において、工程(a)は添加触媒を用いずに実施する。別の実施態様において、工程(a)は可溶性酸触媒の存在下に実施する。好ましくは触媒は無機酸であり、より好ましくは無機酸はHCl、HBr、HPO及びHSOからなる群から選ばれる。あるいは工程(a)は強酸樹脂触媒の存在下に実施できる。好ましい実施態様において、酸樹脂触媒はスルホン化ポリスチレン陽イオン交換樹脂を含むことができる。
【0018】
本発明は、2−ケト−L−グロン酸又はその誘導体の、100%未満の部分転化を使用する。工程(a)の転化は好ましくは約5〜約80%、より好ましくは20〜70%、更に好ましくは30〜60%である。
【0019】
一般に、この方法は、2−ケト−L−グロン酸又はその誘導体の水溶液を使用する。一実施態様において、工程(a)の水溶液は2−ケト−L−グロン酸を1〜40重量%含む。より好ましくは、工程(a)の水溶液は2−ケト−L−グロン酸を5〜30重量%含む。更に好ましくは、工程(a)の水溶液は2−ケト−L−グロン酸を5〜15重量%含む。特に好ましい実施態様において、工程(a)の水溶液は、2−ケト−L−グロン酸の製造のための発酵プロセスからの生成物流である。
【0020】
L−アスコルビン酸からの2−ケト−L−グロン酸富化溶液の分離は、好ましくは高効率である。一実施態様において、工程(c)のL−アスコルビン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも75重量%のL−アスコルビン酸から構成される。より好ましくは、工程(c)のL−アスコルビン酸富化溶液は、工程(c)のL−アスコルビン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも85重量%のL−アスコルビン酸から構成される。更に好ましくは、工程(c)のL−アスコルビン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき少なくとも90重量%のL−アスコルビン酸から構成される。
【0021】
また、工程(c)の2−ケト−L−グロン酸富化溶液は好ましくは、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも75重量%の2−ケト−L−グロン酸化合物から構成される。より好ましくは、工程(c)の2−ケト−L−グロン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも85重量%の2−ケト−L−グロン酸化合物から構成される。更に好ましくは、工程(c)の2−ケト−L−グロン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも90重量%の2−ケト−L−グロン酸化合物から構成される。
【0022】
2−ケト−L−グロン酸化合物とアスコルビン酸生成物との分離に関する純度は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)及びアスコルビン酸(AsA)にのみ基づき、従って、水及びKLG供給ブロスから生じる不揮発性不純物又は反応器副生成物を排除する。これらの不純物は、抽出物及びラフィネート中の総固形分の約25〜30重量%を占める可能性がある。好ましい実施態様において、KLGとAsAとの分離は非常に効率的であるので、抽出物中のAsA純度がラフィネート中のKLG回収率とほとんど同じであり、これは両フラクションの純度が高いことを示している。
【0023】
部分転化条件下でも、反応はL−アスコルビン酸生成物を高収率高選択率で生成する。例えば、一実施態様において、プロセスの工程(a)〜(d)は、少なくとも50モル%のL−アスコルビン酸を生成する。より好ましくは、方法の工程(a)〜(d)は、少なくとも60モル%のL−アスコルビン酸を生成する。更に好ましくは、方法の工程(a)〜(d)は、少なくとも65モル%のL−アスコルビン酸を生成する。
【0024】
一般に、反応には高温高圧が必要である。例えば好ましい実施態様において、工程(a)は、好ましくは約40〜220℃の温度において実施する。高温が好ましいので、反応は好ましくは全ての液相を保持するために加圧下に保持する。従って、一実施態様において、工程(a)は1〜30気圧で実施する。
【0025】
本発明方法は、システムの操作を容易にするために追加の工程を含むことができる。例えば、一実施態様において、方法は、工程(b)後であって工程(c)の前に、ポリマー樹脂又は活性炭材料を用いた吸着によって反応後溶液を浄化にする工程を更に含む。あるいは、この方法は、工程(b)の後であって工程(c)の前に、蒸発によって反応後溶液を濃縮する工程を更に含むことができる。
【0026】
また、一実施態様において、この方法は、(c)のL−アスコルビン酸富化溶液からL−アスコルビン酸を精製する工程(e)を更に含む。好ましくは、L−アスコルビン酸は、結晶化によってL−アスコルビン酸富化溶液から分離する。
【0027】
一実施態様において、工程(c)の分離は、代わりに、結晶化、クロマトグラフィー又は電気透析を含む。好ましい実施態様において、工程(c)のクロマトグラフィーによる分離は、擬似移動床法(SMB)によって実施する。工程(c)におけるL−アスコルビン酸と2−ケト−L−グロン酸の分離がSMBによるか他の方法によるかに関わらず、反応後溶液中のL−アスコルビン酸に対する、2−ケト−L−グロン酸化合物の重量比は、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.2〜5である。
【0028】
本発明は、別の側面において、
(a)反応器中で2−ケト−L−グロン酸の水溶液を加熱して、転化率30〜60%でL−アスコルビン酸を形成し;
(b)前記反応器から、未反応2−ケト−L−グロン酸及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液を連続的に取り出し;
(c)擬似移動床クロマトグラフィーを用いて、前記反応後溶液において未反応2−ケト−L−グロン酸からL−アスコルビン酸を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液及び粗製2−ケトL−グロン酸富化溶液を精製し、前記L−アスコルビン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸(KLG/AsA)のみに基づきL−アスコルビン酸が約90重量より多く、前記2−ケト−L−グロン酸富化溶液は、KLG/AsAのみに基づき2−ケト−L−グロン酸が約75重量%よりも多く;
(d)粗製2−ケト−L−グロン酸溶液を前記反応器に連続的に再循還させる工程を含んでなる、L−アスコルビン酸の連続製造方法を含む。
【0029】
工程(a)は、添加触媒の不存在下に実施できる。あるいは、工程(a)は、可溶性酸触媒の存在下に実施する。触媒は無機酸とすることができ、より好ましくは、HCl、HBr、HPO及びHSOからなる群から選ばれる。別の実施態様において、工程(a)は、強酸樹脂触媒の存在下において、より好ましくはスルホン化ポリスチレン陽イオン交換樹脂の存在下に、実施できる。
【0030】
本発明の方法は、一般に、2−ケト−L−グロン酸又はその誘導体の水溶液を使用する。一実施態様において、工程(a)の水溶液は、2−ケト−L−グロン酸を1〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、更に好ましくは5〜15重量%含む。特に好ましい実施態様において、工程(a)の水溶液は、2−ケト−L−グロン酸を製造する発酵プロセスからの生成物流である。
【0031】
L−アスコルビン酸からの2−ケト−L−グロン酸富化溶液の分離は好ましくは高効率である。例えば工程(c)の2−ケト−L−グロン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、更に好ましくは90重量%の2−ケト−L−グロン酸化合物から構成される。
【0032】
部分転化条件下でも、反応はL−アスコルビン酸生成物を高収率高選択率で生成する。例えば、一実施態様において、工程(a)〜(d)は、好ましくは少なくとも50モル%、より好ましくは少なくとも60モル%、更に好ましくは少なくとも65モル%のL−アスコルビン酸を生成する。
【0033】
また、好ましい実施態様において、工程(a)は温度約40〜220℃及び圧力1〜30気圧で実施する。
【0034】
本発明の方法は、システムの操作を容易にするために追加の工程を含むことができる。例えば、一実施態様において、本方法は、工程(b)後であって工程(c)の前に、ポリマー樹脂又は活性炭材料を用いた吸着によって反応後溶液を浄化にする工程を更に含む。あるいは、本方法は、工程(b)の後であって工程(c)の前に、蒸発によって反応後溶液を濃縮する工程を更に含むことができる。
【0035】
また、一実施態様において、本方法は、(c)のL−アスコルビン酸富化溶液からL−アスコルビン酸を精製する工程(e)を更に含む。好ましくは、L−アスコルビン酸は、L−アスコルビン酸富化溶液から結晶化によって分離する。
【0036】
ここで図1を参照すると、本発明は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)又は2−ケト−L−グロン酸の誘導体の水溶液10を酸触媒環化又は熱による自己触媒(self−catalyzed)環化20に供し;未反応2−ケト−グロン酸化合物及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液30を取り出し;そして未反応KLGを反応器に効率的に再循還させる(60)ことができるように、生成物L−アスコルビン酸と未反応KLGを分離する(40)工程を含んでなる、L−アスコルビン酸(AsA)の製造方法に関する。従って、本方法は、100%未満のKLG転化率で操作しながら、L−アスコルビン酸の形成を最適化することによって高収率でL−アスコルビン酸を製造する方法を提供する。KLGの完全転化の前に、反応からL−アスコルビン酸を分離することによって、L−アスコルビン酸の分解が最小限の抑えられる。未反応KLGは、L−アスコルビン酸生成物から分離され、より多くのL−アスコルビン酸を製造するのに使用できるように反応器に再循還される。分離工程40からのL−アスコルビン酸の生成物流は次に、結晶化70又は他の方法で処理されて、固体の形態のL−アスコルビン酸を単離する(80)ことができる。
【0037】
本発明において、L−アスコルビン酸は2−ケト−L−グロン酸又はその誘導体の水溶液から、部分転化を達成する条件下で容易に転化できる。部分転化は、これらの反応条件下でL−アスコルビン酸のより高い生産量を可能にする。2−ケト−L−グロン酸(KLG)又はその誘導体のL−アスコルビン酸への転化は、好ましくは約5〜80%、より好ましくは20〜70%、更に好ましくは30〜60%である。
【0038】
本方法は触媒の不存在下で実施する、「自己触媒される(reef−catalyzed)」のが好ましいが、別の実施態様においては、工程(a)は可溶性酸触媒の存在下で実施する。一実施態様において、触媒は無機酸である。一実施態様において、触媒はHCl、HBr、HPO及びHSOである。
【0039】
更に別の実施態様において、工程(a)は、強酸樹脂触媒の存在下で実施する。好ましくは、触媒はスルホン化ポリスチレン陽イオン交換樹脂である。例えば、Amberlyst(登録商標)15、Amberlyst(登録商標)19、Amberlyst(登録商標)35(Philadelphia,PAのRohm and Haas Company製)、Dowex(登録商標)M−31又はDowex(登録商標)G−26(Midland,MIのThe Dow Chemical Company製)のような強酸樹脂を使用できる。
【0040】
2−ケト−L−グロン酸の供給元は本発明の方法においては重要ではない。グルコースから(Aderson,Sら,Scinence,230,144〜149,1985)又はソルボースから(Saito,Y.,Biotechnol.Bioeng.,58(2&3),309〜315,1998)2−ケト−L−グロン酸を製造する新しい発酵プロセスを含む別の方法も開発され、今も開発され続けている。一実施態様において、工程(a)の2−ケト−L−グロン酸(KLG)の水溶液は、KLGを製造する発酵プロセスからの生成物流である。好ましくは、電気透析、イオン交換又は結晶化のようなこの濾液の初期精製を行うが、本発明の実施においては必須条件ではない。前記方法において、工程(a)の水溶液中における2−ケト−L−グロン酸又はその誘導体の濃度は、好ましくは約1〜40重量%、より好ましくは約5〜30重量%、最も好ましくは5〜15重量%である。
【0041】
反応は通常、溶媒中で実施する。溶媒選択は、各種有機溶媒又は水から行うことができ、2−ケト−L−グロン酸及びその誘導体並びにL−アスコルビン酸生成物の溶媒への溶解度のみによって制限される。2−ケト−L−グロン酸及びその誘導体は無極性溶媒への溶解度が限られるので、好ましい溶媒は少なくとも中極性であろう。例えば2−ケト−L−グロン酸からのアスコルビン酸の合成は水性溶媒を使用することができる。本明細書中で定義する「極性」又は「中極性」は、少なくともある程度は正及び/又は負に帯電した要素を含む分子を意味する。一実施態様において、溶媒は水である。別の実施態様において、2−ケト−L−グロン酸のエステルを使用する場合には特に、溶媒は、2−ケト−L−グロン酸エステルのアルコキシ部分に対応するアルコールを含む。例えば、一実施態様において、溶媒はメタノールである。別の実施態様において、溶媒はエタノールである。
【0042】
工程(b)の反応後溶液は、2−ケト−L−グロン酸(又はその誘導体)の他に、塩のような別の反応成分及び有機副生成物並びに溶媒を含むことが予想される。例えば、酸触媒転化の場合には、反応後溶液は触媒を含み得る。更に、反応後溶液は、フリル蟻酸(α―オキソ−2−フラン酢酸)、2−フルアルデヒドなどのような脱水副生成物を含み得る。他の副生成物としては、二分子反応によって生じる、より分子量の大きい化合物が挙げられる。
【0043】
2−ケト−L−グロン酸基質の転化及びL−アスコルビン酸生成物の分解は、連続的な一次反応によって説明できる。従って、高転化率低選択率ではなく、低転化率高選択率を達成する条件において2−ケト−L−グロン酸基質の転化を行うことが有利であり得る。低転化率で起こり得る収率の低下は好ましくは、効率的分離方法によって打ち消される。例えば、図2に示されるように、L−アスコルビン酸の全収率は、複数の可能な反応器−分離器方式に関して所定の1組の動力学的パラメーターによって1回通過当りの転化率が増加するにつれて減少することが予測される。図2は、プラグフロー型連続反応器系及び直列の1組の撹拌槽型回分反応器のような別の反応器方式に関する予想収率を示している。また、分離が100%未満である場合には収率が犠牲になることも示され、分離器中のL−アスコルビン酸回収率及び純度が低下するにつれてL−アスコルビン酸の全収率が劇的に低下することが予測されることがわかる(図2)。
【0044】
特定の理論にとらわれるわけではないが、本発明は一つには、効率的な再循還を伴う部分転化がL−アスコルビン酸の全収率を劇的に改良するという発見に基づく。従って、一実施態様において、未反応2−ケト−L−グロン酸化合物(KLG)及びL−アスコルビン酸を含む水性転化物流の成分を分離するための効率的分離プロセスである工程(c)を用いることによって、効率的な2−ケト−グロン酸化合物の分離及び再循還を伴う転化方法が提供される。工程(c)のL−アスコルビン酸富化溶液は、KLG及びAsAのみに基づき、少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、更に好ましくは少なくとも90重量%のL−アスコルビン酸を含む。更に、工程(c)において、粗製2−ケト−L−グロン酸富化溶液は、KLG及びAsAのみに基づき、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、更に好ましくは少なくとも90重量%の2−ケト−L−グロン酸化合物を含む。この一連の単位操作は、方法全体を簡単にし、未反応のKLG部分が効率的に再利用されるので目的L−アスコルビン酸生成物の回収率を高くすることができる。更に、自己触媒(self−catalyzing)条件下においては、本発明は、アスコルビン酸生成物を結晶の形態で回収する前に触媒及び助触媒を分離又は除去する必要がない。
【0045】
一実施態様においては、工程(b)の後であって工程(c)の前に、Dowex(登録商標)L−285(Midland,MichiganのThe Dow Chemical Companyの商標,同社製)のようなポリマー樹脂又は活性炭材料を用いた吸着によって反応後溶液を浄化する工程を更に設けることができる。例えば、このような樹脂は、反応中に形成された高分子量の着色フルフラール中間体を除去するのに使用できる。
【0046】
あるいは、又は加えて、工程(b)の後であって工程(c)の前に、システム全体の体積/質量流量を制御する手段として、反応器中の溶離剤を蒸発させる工程を更に設けることができる。例えば、工程(c)がL−アスコルビン酸の結晶化を含む場合には、結晶化の前にL−アスコルビン酸の相対濃度を増加させるために蒸発を用いることができる。あるいは、工程(c)がクロマトグラフィーによる分離を含む場合には、設備中の供給材料の容量を蒸発によって減少させ、それによって必要な脱着剤/溶離剤の量を減少させる。
【0047】
本発明の実施によって2−ケト−L−グロン酸とL−アスコルビン酸とを分離するために考えられる一般的な分離方法としては、分別結晶、電気透析膜分離及びクロマトグラフィー法が挙げられる。しかし、分別蒸留は、他の分離方法を併用しなければ(例えば、米国特許第5,817,238号)、かなりの量の2−ケト−L−グロン酸(KLG)を含むプロセス流から直接アスコルビン酸を回収する手段としては一般には効率的でない。
【0048】
電気透析による分離は、異なるpKaを有する酸が異なる速度で膜を含むセルを通って移動する結果として、より解離した化学種(species)が最初に又は優先的に移動するという原理で行われる。陰イオン交換樹脂を用いて操作される電気透析膜は、異なるpKaを有する他の成分からL−アスコルビン酸を分離することができる(例えば、米国特許第4,767,870号、第6,005,445号;欧州特許公開(A2)第0 554090号を参照)。2−ケト−L−グロン酸及びL−アスコルビン酸の流れについて電気透析分離を行うと、2−ケトL−グロン酸を転化工程に再循還し、L−アスコルビン酸を次の工程で回収することが可能になるであろう。
【0049】
クロマトグラフィーによる分離は、例えば、酸遅延に基づくイオン排除を使用することができる。イオン排除による分離は、解離定数(pKa)の異なる酸を陽イオン交換樹脂と接触させる際に行われる。陽イオン交換樹脂の負電荷は、酸の解離によって形成される負に帯電した陰イオンを反発する。強い酸の方が(すなわち、解離が大きい酸の方が)、弱い酸よりも樹脂構造から多く排除される。例えば、WO公報 97/13761には、樹脂へのL−アスコルビン酸の吸着によってL−アスコルビン酸を回収する方法が記載されている。L−アスコルビン酸は次に、中性溶媒によって脱着され、その結果、溶離剤中のL−アスコルビン酸の濃度は少なくとも、水性供給材料流中のL−アスコルビン酸と同程度に濃縮される。
【0050】
一実施態様において、工程(c)の分離プロセスは、SMBクロマトグラフィーを含む。溶離クロマトグラフィーのような他のクロマトグラフィー法も使用できるが、擬似移動床(SMB)クロマトグラフィーの方が吸着剤容積当たりの分離能が大きいので、大規模法には擬似移動床(SMB)クロマトグラフィーの方が有効である。例えば、米国特許第5,817,238号(参照することによって本明細書中に取り入れる)は、L−アスコルビン酸の結晶化時に得られる母液からのL−アスコルビン酸の回収にSMBクロマトグラフィーを使用することを記載している。精製L−アスコルビン酸は、次に結晶化プロセスに再循還されて更に精製される。しかし、米国特許第5,817,238号に記載された分離方法においては、2−ケト−L−グロン酸濃度が充分に薄い(<5%w/v)ので、L−アスコルビン酸の更なる製造のために2−ケト−L−グロン酸を回収したり再循還したりする試みはなされていない。
【0051】
擬似移動床(SMB)クロマトグラフィーは、液体クロマトグラフィーの一種である。SMB法においては、供給材料、脱着剤及び生成物の出入り口は、流体流の方向に断続的に移動される。これが、樹脂の向流移動をシュミレートする。SMBの詳細は、Wankat(Rate−Controlled Separations,Elsevier Applied Sience,1990,524ページ;参照することによって本明細書中に取り入れる)に記載されている。
【0052】
例えば、ここで図3を参照すると、代表的なSMBユニットは、単一の多段(multi−section)カラム又は電磁弁を有する一連のカラムから構成される。いずれの場合にも、カラムには樹脂が充填され、分離すべき溶液及びディスプレイサー(通常は水)が2つの異なる注入口から供給される。SMBに適した樹脂としては、Dowex Monosphere 99H(The Dow Chemical Co.,Midland,MI)、Amberlite CR1320H(The Rohm and Haas Co.,Philidelphia PA)及びPurolite 642H(Philadelphia,PA)が挙げられる。一般に、脱着剤としては水を使用する。しかし、他の溶剤も本発明の範囲内である。脱着剤:供給材料の比(Vol/Vol)は、系のパラメーターによって異なるであろう。好ましくは、6:1〜1:1の脱着剤:供給材料比を使用する。より好ましくは、脱着剤/供給材料比は約4:1〜2:1である。
【0053】
SMBユニットは、室温で操作でき、下端は、溶液が飽和状態になる温度によって、上端は、高温における樹脂の安定性によって限定される。従って、適当な温度は20〜100℃、より好ましくは20〜70℃とすることができる。
【0054】
SMBにおいて、供給材料溶液の成分は分離して、少なくとも2種の生成物流として出ていくはずである(即ち、この例では、主にKLGを含むラフィネートと、主にアスコルビン酸と含む抽出物)。異なるゾーンの使用数を増やすことによって、SMB系は、多成分(例えば再循還材料又は抽出物から除去すべき他の成分)を分離できるように設計できる。カラムへの供給口及び生成物の排出口は、樹脂の疲労又は飽和を防ぐため及び生成物純度を維持するためにカラム又は一連のカラムに沿って同時に、又は断続的に、移動する。
カラムにはディスプレーサー(供給口及び排出口と関連して移動し、再生剤として作用する)も供給するので、生成物流はディスプレーサーによって希釈されることになる。代表的には、ディスプレーサーは供給材料溶媒と同一の溶媒である。液体流の方向への断続的な出入り口の移動は、樹脂床の向流移動をシミュレートする。例えば、図3に示される通り、樹脂はアスコルビン酸より速く移動するが、KLGより遅く移動する。
【0055】
2−ケト−L−グロン酸とL−アスコルビン酸とを効率的に分離するためには、KLG対アスコルビン酸の比(重量/重量ベース)は反応後溶液中において好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.2〜5である。例えば、ここで図4を参照すると、KLG30%の供給材料組成を使用すると、KLG/AsA比が0.3〜4の反応後溶液においては20〜80%の範囲の転化レベルが得られるのに対し、KLG/AsA比が0.8〜2.5の反応後溶液では30〜60%の好ましい転化レベルが得られるはずである。
【0056】
本発明は、別の側面において、本発明の方法によって製造されるアスコルビン酸生成物を含む。本発明は、転化反応の間に形成されるL−アスコルビン酸の分解を最小限に抑える連続方法によって製造されるアスコルビン酸生成物を含んでなる。
【0057】
例えば、一実施態様において、本発明は、
(a)反応器中で2−ケト−L−グロン酸又は2−ケト−L−グロン酸の誘導体の水溶液を加熱して、100%未満の転化率でL−アスコルビン酸を生成せしめ;
(b)前記反応器から、未反応2−ケト−L−グロン酸化合物及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液を連続的に取り出し;
(c)前記反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸化合物からL−アスコルビン酸を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液と未反応2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液を形成せしめ;そして
(d)工程(c)の2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液を反応器に連続的に再循還させる
工程を含んでなる方法によって製造されるアスコルビン酸生成物を含んでなる。
【0058】
別の側面において、本発明は、
(a)反応器中で2−ケト−L−グロン酸の水溶液を加熱して、転化率30〜60%でL−アスコルビン酸を生成せしめ;
(b)前記反応器から、未反応2−ケト−L−グロン酸及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液を連続的に取り出し;
(c)擬似移動床クロマトグラフィーを用いて、前記反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸からL−アスコルビン酸を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液及び粗製2−ケト−L−グロン酸富化溶液を形成し、前記L−アスコルビン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、L−アスコルビン酸が約90重量より多く、前記2−ケト−L−グロン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、2−ケト−L−グロン酸が約75重量%よりも多く;
(d)前記粗製2−ケト−L−グロン酸溶液を前記反応器に連続的に再循還させる
工程を含んでなる、L−アスコルビン酸の連続製造方法によって製造されるアスコルビン酸生物を含んでなる方法によって製造されるアスコルビン酸生成物を含んでなる。
【0059】
本発明はまた、本発明の方法を実施する装置を含んでなる。従って、別の側面において、本発明は、
(a)2−ケト−L−グロン酸をL−アスコルビン酸に転化する反応器;
(b)未反応2−ケト−L−グロン酸及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液を、完全転化の前に反応器から連続的に取り出すための導管;
(c)前記反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸化合物からL−アスコルビン酸生成物を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液及び2−ケト−L−グロン酸富化溶液を形成するための分離系;
(d)前記2−ケト−L−グロン酸富化溶液を前記反応器に戻す導管;
(e)新しい2−ケト−L−グロン酸を前記反応器中に運搬する導管;
(f)次の精製及び/又は貯蔵のためにL−アスコルビン酸富化溶液を取り出すための導管;
(g)システム中で反応体及び生成物をポンプ輸送する少なくとも1個のポンプ;並びに
(h)システム全体の圧力を制御するための少なくとも1個のバルブ
を含む、L−アスコルビン酸の製造システムを含んでなる。
【0060】
好ましくは、この分離系は、擬似移動床クロマトグラフィーを含んでなる。また好ましくは、本発明のシステムは、ポリマー樹脂又は活性炭材料を用いた吸着によって反応後溶液を浄化するユニットを含む。この浄化ユニットは反応器と分離系の間に配置される。好ましくはまた、本発明のシステムは、反応器と分離系との間に配置された蒸発器を含む。
【0061】
好ましい実施態様において、このシステムは、反応成分が設備の次のユニットに移すことができるまで貯蔵するための手段を含む。例えば、一実施態様において、新しい2−ケト−L−グロン酸を反応器に運搬する導管は槽を含む。また、このシステムは、反応器生成物を分離系に送る前に反応器生成物を貯蔵するための槽を含むことができる。このシステムはまた、SMB分離後に単離L−アスコルビン酸富化溶液及び単離2−ケト−L−グロン酸富化溶液を貯蔵する槽を含むことができる。
【0062】
ここで図5を参照すると、一実施態様において、2−ケト−L−グロン酸(KLG)の部分転化及び再循還によるL−アスコルビン酸の生成のためのシステムは、連続反応器108を含む。反応器108は、目的反応温度に加熱されたシリコーン油浴中に沈められた管を含むことができる。反応器108への供給は、反応器供給材料を含む槽102から行われる。反応器供給材料は、新しいKLG(例えば、供給ドラム中に貯蔵された貯蔵された精製発酵ブロス)又は反応器生成物から単離された再循還KLG(SMBラフィネート再循還材料として貯蔵されたもの)からなる。
【0063】
このシステムは、L−アスコルビン酸と2−KLGを分離する擬似移動床(SMB)クロマトグラフィー系122を含むことができる。一実施態様において、SMBユニットは樹脂が充填された10個のカラムを含む。例えば、適当な樹脂としては、単分散陽イオン交換樹脂、例えば、Dowex Monosphere 99H,A−561(The Dow Chemical Co.,Midland,MI)、Amberlite CR1320H(The Rohm and Haas Co.,Philidelphia PA)及びPurolite 642H(Philadelphia,PA)が挙げられる。一般に、脱着剤としては水を使用する。しかし、他の溶剤も本発明の範囲内である。脱着剤:供給材料の比(vol/vol)は、系のパラメーターによって異なるであろう。好ましくは、6:1〜1:1の脱着剤:供給材料比を使用する。より好ましくは、脱着剤/供給材料比は約4:1〜2:1であり、2.5:1〜3.5:1の比が最も好ましい。
【0064】
前述の通り、このシステムは、出発材料、反応中間体及び反応生成物の一時貯蔵のための槽を含むことができる。一実施態様において、槽104は新しい(即ち、再循還されたのではない)KLG用のドラムであり、槽106は水を収容する槽であり、槽126はSMBユニットから再循還された、反応前のKLGの槽である。槽を出入りする流体の移動は、システム全体にわたって連続的な物質収支を有するように調節される。例えば、ポンプ128、130及び132を用いて反応器槽102への流体流を制御することができ、他のポンプを使用してシステムの他の部分全体の流体流を制御できる。
【0065】
一般に、構成要素は、システムから再循還される材料の容量を処理する際の効率が最大となるような大きさにする。従って、一実施態様において、システムは、システム全体の流体流の制御を改良するための追加ユニットを含む。例えば、システムは、分離系に入る材料の容量を減少させる蒸発系112、114を含むことができる。システムはまた、SMB分離の前に反応後溶液を精製するための浄化系118を含むこともできる。更に、浄化系118は、流体流を制御するための槽116及び120を含むことができる。
【0066】
好ましい実施態様において、SMBによって精製されたL−アスコルビン酸は、SMB生成物タンク124に貯蔵されてから、更に精製される。SMBによって精製された生成物からのL−アスコルビン酸の精製は一般には結晶化によるが、公知の他の方法も同様に使用できる。
【0067】
従って、本発明は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)又はその誘導体の水溶液からL−アスコルビン酸を効率的に製造する経済的な工業的方法を提供する。詳細には、この方法は、効率的な分離プロセスによってKLGの大部分を更なる転化のために再循還できるような方法でL−アスコルビン酸及びKLGの分離プロセスを実施しながら、転化工程におけるL−アスコルビン酸の製造を最大にするような方法で行う。分離プロセスからの生成物流は次に回収に供して、結晶L−アスコルビン酸生成物を得ることができる。
【0068】
実施例
例1
この例は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)水溶液の回分転化を示し、硫酸(HSO)触媒反応を用いた部分転化における高収率のL−アスコルビン酸(AsA)の生成を例示している。KLGの2M HSO中10重量%溶液を密封容器に入れ、80℃に加熱した。反応からサンプルを時間の関数として抽出し、組成をHPLCによって分析した。組成対時間のプロットで示された図6を参照すると、L−アスコルビン酸の最大濃度は転化率約60%(4時間)において達成される。
【0069】
例2
この例は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)水溶液の回分転化を示し、塩酸触媒反応を用いた部分転化における高収率のL−アスコルビン酸(AsA)の生成を例示している。KLGの3M HCl中10重量%溶液を密封容器に入れ、90℃に加熱した。反応からサンプルを時間の関数として抽出し、組成をHPLCによって分析した。組成(重量%)対時間のプロットで示された図7を参照すると、5.2重量%のL−アスコルビン酸濃度が転化率約65%(70分)において達成される。
【0070】
例3
この例は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)水溶液の回分転化を示し、L−アスコルビン酸(AsA)選択率の経時的変化を例示している。回分オートクレーブに、水17g、Amberlyst(登録商標)−15 15gを装填し、50psiのヘリウム下で120℃に加熱した。合計49mLの26.4重量%KLG水溶液をポンプによってオートクレーブ中に注入して、KLGの濃度を約20重量%とした。反応からサンプルを時間の関数として抽出し、組成をHPLCによって分析した。組成(モル%)対時間のプロットで示された図8を参照すると、72%のL−アスコルビン酸選択率が転化率約72%において達成される。
【0071】
例4
この例は、結晶化2−ケト−L−グロン酸(KLG)水溶液の連続転化を示し、Amberlyst(登録商標)−15触媒を用いた部分転化におけるL−アスコルビン酸(AsA)の高選択率を例示している。ガラスジャケット付きカラムに、Amberlyst(登録商標)−15 350gを装填し、大気圧において85℃に加熱した。10重量%KLG水溶液を、逆流方向に0.6ml/分の速度でポンプによって注入した。生成物を含む流出液を、24時間にわたってHPLCによって分析した。図9を参照すると、転化率約50%において約80%のL−アスコルビン酸選択率が達成される。
【0072】
例5
この例は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)を含む水性発酵ブロスの連続転化を示し、供給組成物としての発酵ブロスの使用とAmberlyst(登録商標)−15触媒を用いた部分転化におけるL−アスコルビン酸(AsA)の高収率を例示している。供給ブロスは、陽イオン交換によって、残留陽イオン塩を除去した。ガラスジャケット付きカラムに、Amberlyst(登録商標)−15 350gを装填し、大気圧において85℃に加熱した。KLG 10.26重量%の水性発酵溶液を、逆流方向に0.55ml/分の速度でポンプによって注入した。生成物を含む流出液を、3日間にわたってHPLCによって分析した。図10を参照すると、転化率約55%において約75%のL−アスコルビン酸選択率が達成される。
【0073】
例6
この例は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)を含む水性発酵ブロスの連続転化を示し、供給組成物としての発酵ブロスの使用と自己触媒条件下での部分転化におけるL−アスコルビン酸(AsA)の高収率を例示している。加熱容量が56.7mLである長さ94フィートの1/8インチTeflon(登録商標)チューブをグリコール浴中に浸漬し、40psiにおいて125℃に加熱した。KLG 11.4重量%の水性発酵溶液を1.0mL/分の速度でポンプによって注入した。生成物を含む流出液を、約1日間にわたってHPLCによって分析した。図11を参照すると、転化率約55%において約80%のL−アスコルビン酸選択率が達成される。
【0074】
例7
この例は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)を含む水性発酵ブロスの連続転化を示し、供給組成物としての陽イオン及び陰イオン交換発酵ブロスの使用と自己触媒条件下での部分転化におけるL−アスコルビン酸(AsA)の高収率を例示している。加熱容量が86mLである長さ140フィートの(ID 0.063”,OD 0.125”)のPFA TEFLON(登録商標)チューブを油浴中に浸漬し、165psiにおいて180℃に加熱した。2−ケト−L−グロン酸 12.8重量%の水性発酵溶液を32mL/分の平均速度でポンプによって注入した。反応を190時間にわたって実施し、流出液をHPLCによって分析した。操作期間全体の平均転化率及び選択率は、転化率が52%で選択率が73%であった。
【0075】
例8
この例は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)を含む水性発酵ブロスの、自己触媒条件下における連続転化を示し、カルシウム塩の中性塩分離電気透析によって調製された発酵ブロスの使用を例示している。加熱容量が86mLである長さ140フィート(ID 0.063”,OD 0.125”)のPFA TEFLON(登録商標)チューブを油浴中に浸漬し、165psiにおいて180℃に加熱した。2−ケト−L−グロン酸12.8重量%の水性発酵溶液を32mL/分の平均速度でポンプによって注入した。反応を28時間にわたって実施し、流出液をHPLCによって分析した。操作期間全体の平均転化率及び選択率は、転化率が57%で選択率が72%であった。
【0076】
例9
この例は、2−ケト−L−グロン酸(KLG)とL−アスコルビン酸(AsA)の50/50混合物を含む溶液の、イオン排除による分離を示す。KLG 15%及びAsA 15%からなる供給材料混合物の0.1床容量パルス(図12)又は0.2床容量パルス(図13)を、Dowex Monosphere 99Hイオン排除樹脂が充填されたカラムに供給した。供給材料混合物を水で溶離させた。いずれの実験に関しても、KLG及びAsAのピークは分離された。これらの実験は、本質的にパルス試験からなり、SMBユニット中におけるAsAからのKLGの分離可能性を示している。
【0077】
例10
L−アスコルビン酸(AsA)からの2−ケト−L−グロン酸(KLG)の分離を、ID 1.27”×30”のカラム10個からなる擬似移動床(SMB)パイロットユニットに関して示した。カラムには、プロトン化(H+)された形態のDowex Monosphere 99Hイオン排除樹脂を充填した。KLG 20重量%及びL−アスコルビン酸13.4重量%からなる供給材料を5.0ml/分の流量でSMBユニットに供給した。脱着剤(水)、ラフィネート及び抽出物の流量はそれぞれ、14.2、10.3及び8.9ml/分に設定した。定常状態に達した後、ラフィネート及び抽出物流を分析した。KLGはラフィネート流中において純度92.4重量%で得られ、L−アスコルビン酸は抽出物流中において純度85.5重量%で得られた。
【0078】
例11
例10に記載したSMBユニットに関して第2の実験を行った。供給材料は、KLG18重量%及びL−アスコルビン酸12重量%で構成されていた。供給材料、脱着剤、ラフィネート及び抽出物の流量はそれぞれ、2.8、14.1、9.3及び7.6ml/分に設定した。定常状態に達した後、ラフィネート流及び抽出物流を分析した。KLGはラフィネート流中において純度94.4重量%で得られ、L−アスコルビン酸は抽出物流中で純度89.9重量%で得られた。
【0079】
例12
この例は、水性発酵ブロスの自己触媒条件での連続転化における、擬似移動床(SMB)から(前記例10から)の2−ケト−L−グロン酸(KLG)の再循還材料と新しい発酵ブロスとの混合を示す。加熱容量が86mLである長さ140フィート(ID 0.063”,OD 0.125”)のPFA TEFLON(登録商標)チューブを油浴中に浸漬し、165psiにおいて180℃に加熱した。等量(KLGのモルに基づく)の陽イオン及び陰イオン交換発酵ブロスならびに擬似移動床流出液を含む12.8重量%2−ケト−L−グロン酸水溶液を平均速度32mL/分でポンプによって注入した。反応を20分間にわたって行い、流出液をHPLCによって分析した。操作期間全体の平均転化率及び選択率は、転化率が45%、選択率が73%であった。
連続転化例4〜12に関するデータを以下の表Iに要約する。全体としては、自己触媒及び酸触媒の両条件下において、使用した供給材料の型(即ち、純粋なKLG対水性発酵ブロス)又はプロトン化方法に関わらず、KLGの部分転化条件下でL−アスコルビン酸が高選択率で得られることがわかった。更に、新しいKLGと再循還KLGとのブレンドを使用しても、70%を超える選択率でL−アスコルビン酸を生成できることがわかった。
【0080】
【表1】
Figure 2004516318
【0081】
【数1】
Figure 2004516318
【0082】
【数2】
Figure 2004516318
【0083】
例13
この例は、L−アスコルビン酸の効率的製造方法としての、反応後溶液から精製されたKLGの連続再循還とKLGの部分転化の組み合わせの実現可能性を示す。パイロット反応器を、本発明の実施条件を試験するために作成した。
ここで、この実験に関する図5を参照すると、システムは連続反応器、反応器供給材料を含む槽、並びにL−アスコルビン酸と未反応KLGとを分離する擬似移動床(SMB)クロマトグラフィー系を含んでいた。このシステムはまた、SMB抽出物中のL−アスコルビン酸を結晶化させる系を含んでいた。
例えば2−ケト−L−グロン酸(KLG)のアスコルビン酸(AsA)への熱による転化を、シリコーン油(Dow Corning 550)浴中に浸漬された40フィート、OD 1/4インチのコイル状チューブ中で行った。壁厚さ0.035”及び加熱長さ約37ftでは、有効反応器容量は約185mlであった。これらの実験において、反応器供給速度は65〜75ml/分であり、平均70ml/分であった。これは2.47〜2.85分の範囲の反応器空間時間に相当する(表II)。浴温度は、所定の供給速度において177〜180℃であった。2ft×2ft×1ft(シリコン油20〜25gal)の浴中で2つのヒーターを同時に使った:(1)ベース負荷加熱を与えるパワースタットによって設定される可変出力(一般に50〜70%)を有する3kW浸漬ヒーター;(2)浴温度を制御し且つ油を循環させる1.2kW Haake DL30浸漬サーキュレーター。
【0084】
【表2】
Figure 2004516318
【0085】
図5に図示した通り、このシステムは、出発原料、反応中間体及び反応生成物の一時的貯蔵のための槽(又は他の貯蔵手段)を含んでいた。例えば、反応器への供給は、反応器供給材料を含む槽から行った。反応器供給材料は、新しいKLG(例えば、供給ドラム中に貯蔵された精製発酵ブロス)、SMB精製反応器生成物から単離された再循還KLG、及び反応体を適当な濃度に希釈するための脱イオン水から構成された。例えば、反応器供給槽へは少なくとも3つの槽がつながっていた:(a)新しい(即ち、循環されたのではない)KLG用の槽;(b)水用の第2槽;及び(c)SMBユニットから再循還されたKLG用の第3槽。槽を出入りする流体の移動は、システム全体にわたって連続的な物質収支を有するように調整された。システムはまた、分離系に入る材料の容量を減少させるために使用される蒸発ユニットを含んでいた。
【0086】
ポンプ(例えば、FMI Metering Pump;Syosset,NY)を用いて、設備全体に流体をポンプ輸送した。例えば、新しいKLGを予備反応器の槽に運搬するために少なくとも1つのポンプを用い、SMB系からのKLG再循還材料を予備反応器の槽に戻すために1つのポンプを用い、脱イオン水を予備反応器の槽に運搬するために1つのポンプを用いた。予備反応器の槽は22リットルのガラス供給槽であり、水性KLG又は他の成分(例えば、触媒)を反応器に別々に供給するための2組の複式ISCOシリンジポンプを有していた。
【0087】
全体にわたって液相条件を保持するために、反応器中の圧力は、Tescom背圧調整器を用いて反応温度において水の蒸気圧より充分に高く(180℃において約145psi)保持した。また、システムには、システム中の局所的過圧を防ぐために安全弁(250psig)を組み込んだ。例えば、圧力はKLG供給ラインでは250−psi安全弁によって制限し、反応器の内容物を液相に保持するための最小圧力は約150psigであった。
【0088】
反応器流出液は、二重管式(Cu中Ti)熱交換器中で冷却し、次いで濾過する(Pall Profile IIカートリッジ、ポリプロピレン、OD2.5”×L5”、一般には20μmであるが、一部は10μmのカートリッジを用いた)ことによって、固体副生成物の下流への流れを防ぎ且つ背圧調整器を保護した。最初は、単一のフィルター・ハウジング(Crall Products)及びバイパスを用いたが、複数の(少なくとも2つの)パラレルフィルターが一般には好ましかった。
【0089】
加熱部は全て、チタン又はPFAフルオロポリマー製であった。反応器の前及び流出液の冷却後は共に、ステンレス鋼の弁、管及び他の部品を用いた。KLG再循還材料、KLG供給材料及び反応体生成物の槽中には、腐蝕クーポンを入れた。
【0090】
パイロット反応器の操作
システムの制御方法は全体としては、ユニット供給材料(又は蒸発器の場合には生成物)の速度を下流のユニットと一致するように調節することが中心であった。SMB供給速度は綿密に制限したので、その供給材料及び生成物の速度は比較的一定に保たれた。また、蒸発器及びSMBの制御速度は濃縮材料(固形分>35%)に基づくが、反応器供給材料及び生成物は低濃度であった(固形分<15%)。従って、SMB供給から最も離れているユニットとしての反応器は、最も大きく且つ最も頻繁な速度変化が必要であった。
【0091】
1つのユニットが機能しなくなったり、保守を必要とする場合に、必ずしも全てのユニットを停止する必要がないように、システムを設計した。その代わりに、反応器の供給速度を、下流の要求に応えて「取り戻す」又は「減速する」ように変化させた。これらの供給速度の変化には、目標転化率を維持するために更に温度変化が必要である。
【0092】
本発明のシステムを用いた2週間の運転の間に使用したパラメーターを表IIに記載してある。油浴温度は177〜180℃の範囲であり、反応器の供給速度は65〜75ml/分の範囲であった。発酵ブロスからの新しい供給材料は、硫酸カルシウム沈殿及び濾過によって精製した(Genencor,Palo,Alto,CA)。
【0093】
50〜60%の範囲の2−ケト−L−グロン酸転化レベル(対象範囲)に関しては、適当な転化レベルの保持に必要なKLG供給速度と温度との間にほぼ直線的な関係があることがわかった。従って、約65〜75ml/分の範囲の供給速度では、60%のKLG転化率には約177〜180℃の範囲の温度が必要であった(表II)。同じ供給速度において、50%の転化率に必要な温度は約5〜6℃低かった。
【0094】
パイロット反応器の性能
反応器性能の主要な指標は、AsAへのKLG転化率及び選択率である。これらは、反応器供給材料及び生成物の組成から以下の式を用いて簡単に計算される:
【0095】
【数3】
Figure 2004516318
【0096】
【数4】
Figure 2004516318
[式中、x は、反応器供給材料又は生成物(j)中のKLG又はAsA(i)の重量に基づく組成である]。
【0097】
この実験においては、分析のためにサンプルを12時間毎に採取した。本発明の反応器系を用いる場合、KLG転化率は一般に、約55〜65%の範囲であることがわかった(図14,表II)。AsA形成の選択率は62.5〜78.1%であるが、選択率及び転化率の測定を行った12回の運転のうち10回については70%よりも高かった。
【0098】
SMBクロマトグラフィーは、連続系によく適合する非常に効率的な分離方法を提供することがわかった。例えば、HPLCによって分析されたAsA抽出物の純度は90%以上であり、一部のサンプルでは本質的に完全に純粋(KLG/AsAのみに基づく)であることがわかった(表II)。更に、KLGラフィネートの純度は一貫して85%よりも高く、後の方の運転では95%よりも高かった。
【0099】
全体としては、SMBクロマトグラフィーによる分離からのAsAの純度(重量%に基づく)は一貫して90%より大きく(<90%であったのは2つの運転のみであった)、一般には95%よりも大きいことがわかった。KLGの回収もまた、高効率であり、ほとんどの運転で回収率が100%に近かった。
【0100】
表IIに示した純度は、KLG/AsAのみに基づき、従って、水や、KLG供給ブロスから生じる不揮発性不純物又は反応器副生成物を排除する。一般に、これらの不純物は、抽出物及びラフィネート生成物中の総固形分の約25〜30重量%を占める。更に、回収率の計算は、SMBユニットから出るKLG及びAsAの量に標準化され(即ち、KLGout/AsAoutに基づく)、従って、SMBユニット自体の中での損失を考慮に入れない。それでも、全体的に見て、KLGとAsAとの分離は非常に効率的であるので、抽出物中のAsA純度は、ラフィネート中のKLG純度とほぼ同じであることがわかった。
【0101】
本発明を、特にその好ましい実施態様に関して詳述したが、当然のことながら、本発明の精神及び範囲内において変形及び修正が可能である。本明細書中で引用した参考文献は、特に断らない限り、参照によってそっくりそのまま本明細書中に取り入れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明の実施態様に係る、水性(Aq)2−ケト−L−グロン酸(KLG)の、KLGとアスコルビン酸(AsA)との混合物を含む生成物への転化とそれに続く、未反応KLGの再循還及びAsA生成物の結晶化を示す工程系統図である。
【図2】
図2は複数の反応器−分離器方式に関してシュミレートされた、2−ケト−L−グロン酸(KLG)のシングルパス転化に対するL−アスコルビン酸収率のプロットを示す。図中、円(○)はKLG−AsA分離工程におけるL−アスコルビン酸(AsA)回収率が100%及びAsA純度が100%であるプラグフロー型反応器(PFR)の性能を示し;三角形(△)は、一連の3個の連続撹拌槽型反応器(CSTR)の、完全なKLG−AsA分離効率に関する性能を示し;四角形(□)は、分離工程におけるAsA回収率が90%及びAsA純度が95%(KLG−AsAのみに基づく)である3個のCSTRを示し;菱形(◇)は、AsA回収率がわずか80%及びAsA純度が91%である、分離性能がそれほど良くない3個のCSTRを示す。
【図3】
図3は本発明の一実施態様に係る、代表的な擬似移動床(SMB)ユニットの略図を示す。
【図4】
図4は本発明の一実施態様の一側面を示し、本発明の一実施態様に係る、反応器へのKLG供給材料を30重量%とした場合の、種々のKLG転化レベルにおける2−ケト−L−グロン酸/L−アスコルビン酸(KLG/Asa)分離工程、例えば擬似移動床(SMB)クロマトグラフィーに使用される反応後溶液の予想組成のプロットを示している。
【図5】
図5は本発明の一実施態様に係るパイロット実験に使用した反応器の略図を示す。
【図6】
図6は本発明の一実施態様に係る、硫酸(HSO)を用いた水性2−ケト−L−グロン酸(KLG)の回分転化を示し、KLG部分転化におけるL−アスコルビン酸(AsA)の最大収率を示している。
【図7】
図7は本発明の一実施態様に係る、塩酸(HCl)を用いた水性2−ケト−L−グロン酸(KLG)の回分転化を示し、KLG部分転化におけるL−アスコルビン酸(AsA)の最大収率を示している。
【図8】
図8は本発明の一実施態様に係る回分反応器中における酸樹脂触媒による水性2−ケト−L−グロン酸(KLG)の転化を示し、反応の間のL−アスコルビン酸選択率の変化を例示する。
【図9】
図9は本発明の一実施態様に係る、連続反応器中における酸樹脂触媒による水性2−ケト−L−グロン酸(KLG)の転化を示し、部分転化における高選択率のL−アスコルビン酸の生成を例示している。
【図10】
図10は本発明の一実施態様に係る、連続反応器中に2−ケト−L−グロン酸(KLG)を含む発酵ブロスを用いる転化を示し、酸樹脂触媒と共に供給組成物として発酵ブロスを用いる場合に部分転化において達成されるL−アスコルビン酸の選択率を例示している。
【図11】
図11は本発明の一実施態様に係る、連続反応器中における2−ケト−L−グロン酸(KLG)を含む水性発酵ブロスのL−アスコルビン酸(AsA)への転化を示し、自己触媒条件下において供給組成物として発酵ブロスを用いる場合に部分転化において達成される選択率を例示している。
【図12】
図12は本発明の一実施態様に係る、KLGとL−アスコルビン酸との50/50混合物(それぞれ、15%)を含む溶液のイオン排除クロマトグラフィー(供給パルス0.1/樹脂床容積)による、2−ケト−L−グロン酸(KLG)とL−アスコルビン酸(AsA)との分離を示している。
【図13】
図13は本発明の一実施態様に係る、KLGとL−アスコルビン酸との50/50混合物(それぞれ、15%)を含む溶液のイオン排除クロマトグラフィー(供給パルス0.2/樹脂床容積)による、2−ケト−L−グロン酸(KLG)とL−アスコルビン酸(AsA)との分離を示している。
【図14】
図14は本発明の一実施態様に係る、再循還KLGを用いる連続反応器系に関する、種々の2−ケト−L−グロン酸(KLG)転化レベルにおけるL−アスコルビン酸(AsA)選択率を示している。

Claims (46)

  1. (a)反応器中で2−ケト−L−グロン酸又は2−ケト−L−グロン酸の誘導体の水溶液を加熱して、L−アスコルビン酸を100%未満の転化率で形成せしめ;
    (b)前記反応器から未反応2−ケト−L−グロン酸化合物及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液を連続的に取り出し;
    (c)前記反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸化合物からL−アスコルビン酸を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液と未反応2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液を形成せしめ;そして
    (d)工程(c)の2−ケト−L−グロン酸化合物富化溶液を反応器に連続的に再循還させる
    工程を含んでなるL−アスコルビン酸の連続製造方法。
  2. 前記工程(a)を添加触媒の不存在下に実施する請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(a)を可溶性酸触媒の存在下に実施する請求項1に記載の方法。
  4. 前記触媒が無機酸である請求項3に記載の方法。
  5. 前記無機酸がHCl、HBr、HPO及びHSOからなる群から選ばれる請求項4に記載の方法。
  6. 前記工程(a)を酸樹脂触媒の存在下に実施する請求項1に記載の方法。
  7. 前記触媒がスルホン化ポリスチレン陽イオン交換樹脂である請求項6に記載の方法。
  8. 工程(a)の転化率が約5〜約80%である請求項1に記載の方法。
  9. 工程(a)の転化率が20〜70%である請求項1に記載の方法。
  10. 工程(a)の転化率が30〜60%である請求項1に記載の方法。
  11. 工程(a)の水溶液が1〜40重量%の2−ケト−L−グロン酸を含む請求項1に記載の方法。
  12. 工程(a)の水溶液が5〜30重量%の2−ケト−L−グロン酸を含む請求項1に記載の方法。
  13. 工程(a)の水溶液が5〜15重量%の2−ケト−L−グロン酸を含む請求項1に記載の方法。
  14. 工程(a)の水溶液が、2−ケト−L−グロン酸を製造する発酵プロセスからの生成物流である請求項1に記載の方法。
  15. 工程(c)のL−アスコルビン酸富化溶液が、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも75重量%のL−アスコルビン酸を含む請求項1に記載の方法。
  16. 工程(c)のL−アスコルビン酸富化溶液が、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも85重量%のL−アスコルビン酸を含む請求項1に記載の方法。
  17. 工程(c)のL−アスコルビン酸富化溶液が、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも90重量%のL−アスコルビン酸を含む請求項1に記載の方法。
  18. 工程(c)の2−ケト−L−グロン酸富化溶液が、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも75重量%の2−ケト−L−グロン酸化合物を含む請求項1に記載の方法。
  19. 工程(c)の2−ケト−L−グロン酸富化溶液が、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも85重量%の2−ケト−L−グロン酸化合物を含む請求項1に記載の方法。
  20. 工程(c)の2−ケト−L−グロン酸富化溶液が、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、少なくとも90重量%の2−ケト−L−グロン酸化合物を含む請求項1に記載の方法。
  21. 工程(a)〜(d)が少なくとも50モル%のL−アスコルビン酸収率を生じる請求項1に記載の方法。
  22. 工程(a)〜(d)が少なくとも60モル%のL−アスコルビン酸収率を生じる請求項1に記載の方法。
  23. 工程(a)〜(d)が少なくとも65モル%のL−アスコルビン酸収率を生じる請求項1に記載の方法。
  24. 工程(a)を1〜30気圧の圧力で実施する請求項1に記載の方法。
  25. 工程(a)を約40〜220℃の温度で実施する請求項1に記載の方法。
  26. 工程(b)の後であって工程(c)の前に、ポリマー樹脂又は活性炭材料による吸着によって、反応後溶液を浄化する工程を更に含む請求項1に記載の方法。
  27. 工程(b)の後であって工程(c)の前に、反応後溶液を蒸発によって濃縮する工程を更に含む請求項1に記載の方法。
  28. L−アスコルビン酸富化溶液からL−アスコルビン酸を精製する工程(e)を更に含む請求項1に記載の方法。
  29. 結晶化によってL−アスコルビン酸溶液からL−アスコルビン酸を分離することを更に含む請求項28に記載の方法。
  30. 結晶化、クロマトグラフィー又は電気透析によって工程(c)の分離を行う請求項1に記載の方法。
  31. 擬似移動床法によって前記クロマトグラフィーを行う請求項30に記載の方法。
  32. 反応後溶液中におけるL−アスコルビン酸に対するKLGの重量比が0.1〜10である請求項1に記載の方法。
  33. 反応後溶液中におけるL−アスコルビン酸に対するKLGの重量比が0.1〜10である請求項31に記載の方法。
  34. 反応後溶液中におけるL−アスコルビン酸に対するKLGの重量比が0.2〜5である請求項1に記載の方法。
  35. 反応後溶液中におけるL−アスコルビン酸に対するKLGの重量比が0.2〜5である請求項31に記載の方法。
  36. 請求項1に方法によって製造されるアスコルビン酸生成物。
  37. (a)反応器中で2−ケト−L−グロン酸の水溶液を加熱して、L−アスコルビン酸を転化率30〜60%で生成せしめ;
    (b)前記反応器から未反応2−ケト−L−グロン酸及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液を連続的に取り出し;
    (c)擬似移動床クロマトグラフィーを用いて、前記反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸からL−アスコルビン酸を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液及び粗製2−ケト−L−グロン酸富化溶液を形成せしめ、前記L−アスコルビン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、L−アスコルビン酸が約90重量より多く、前記2−ケト−L−グロン酸富化溶液は、2−ケト−L−グロン酸及びアスコルビン酸のみに基づき、2−ケト−L−グロン酸が約75重量%よりも多く;そして
    (d)粗製2−ケト−L−グロン酸溶液を反応器に連続的に再循還させる
    各工程を含んでなるL−アスコルビン酸の連続製造方法。
  38. 請求項37に記載の方法によって製造されたアスコルビン酸生成物。
  39. (a)2−ケト−L−グロン酸をL−アスコルビン酸に転化させる反応器;
    (b)未反応2−ケト−L−グロン酸及びL−アスコルビン酸を含む反応後溶液を、完全転化前に、前記反応器から連続的に取り出す導管;
    (c)反応後溶液中の未反応2−ケト−L−グロン酸化合物からL−アスコルビン酸生成物を連続的に分離して、L−アスコルビン酸富化溶液及び2−ケト−L−グロン酸富化溶液を形成せしめる分離系;
    (d)2−ケト−L−グロン酸富化溶液を前記反応器に戻す導管;
    (e)新しい2−ケト−L−グロン酸を前記反応器中に運搬する導管;
    (f)次の精製及び/又は貯蔵のためにL−アスコルビン酸富化溶液を取り出す導管;
    (g)システム中で反応体及び生成物をポンプ輸送する少なくとも1個のポンプ;並びに
    (h)システム全体の圧力を制御する少なくとも1個のバルブ
    を含む、L−アスコルビン酸の製造システム。
  40. 前記分離系が擬似移動床クロマトグラフィーを含む請求項39に記載の製造システム。
  41. ポリマー樹脂又は活性炭材料による吸着によって反応後溶液を浄化するユニットを更に含む浄化ユニットを反応器と分離系の間に配置する請求項39に記載の製造システム。
  42. 反応器と分離系の間に蒸発器を更に含む請求項39に記載の製造システム。
  43. L−アスコルビン酸富化溶液からL−アスコルビン酸を更に精製する系を更に含む請求項39に記載の製造システム。
  44. L−アスコルビン酸生成物を取り出す導管が槽を含む請求項39に記載の製造システム。
  45. 2−ケト−L−グロン酸富化溶液を反応器に戻す導管が槽を含む請求項39に記載の製造システム。
  46. 新しい2−ケト−L−グロン酸を反応器に運搬する導管が槽を含む請求項39に記載の製造システム。
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