JP2004511696A - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Abstract

エンジン・ピストン(10)は、ピストンの長手方向軸線(14)の周囲に生成されたクラウン部分(12)、およびクラウンから軸方向に延在し、ピン軸線(30)を画定して、直交する推力軸線(40)の対向する側で隔置された1対のピストン・ピン・ボス(26、28)を有する。周方向に不連続のスカートが、推力軸線を中心とする横方向の推力および非推力支持領域(34、36)をそれぞれ画定し、それぞれは、凸状に湾曲した強化リブ(62、64、66、68)によってボスに結合する。ピストンの非推力側にある支持領域(36)は、推力領域(34)より周方向に短く、ピストンの一方側でピストンの質量を削減し、強化リブは、ボスとの交差箇所でピン軸線方向にずれる。質量削減窪み(106、108)が、クラウンの下側でスカートのない周囲(37)と強化リブとボスの間に形成され、ずれたリブ(66、68)によって、窪みは、(110)でさらに延在することができ、質量をさらに削減することができる。質量削減が非対称なので、ボスおよびピストン軸線は推力領域(34)に向かってずれ、ピストンの重心がピン軸線を通して、またはピン軸線の付近に作用するようにすることができる。

Description

【0001】
本発明はエンジンに、特に内燃機関の鋳造または鍛造一体ピストンに関する。
【0002】
エンジンのピストンは、アルミ合金から鋳造し、必要な機械加工を最小限にて精密で比較的低コストの構成要素として生産することが知られている。エンジンの効率および/または性能の向上は、ピストンと、それが往復するシリンダ・ボアとの間の摩擦を低くし、低質量のピストンを使用することから結果することも知られ、そのため、使用する金属の量を、特に摩擦を生成する領域において最小にするピストンの設計が提案されてきた。
【0003】
例えば、一体ピストンは、作動時に燃焼室の一部を形成する上部クラウン面、支持面を備えて、それらの面の間に延在する下部クラウン面、ピストンの長手方向軸線である回転軸の周囲で、往復運動の方向であるリング溝のベルトを画定する周囲壁を備えるヘッド、またはクラウン部分を有することが知られている。クラウンは、概ね、長手方向軸線の周囲で円形であり、真の円形か、当技術で長円として知られる些細な状態で円形から外れてもよい。このような一体ピストンは、長手方向軸線の周囲に生成され、周囲でヘッド支持面から軸方向に延在し、往復運動するピストンとシリンダ・ボアの間で長手方向軸線に対して横方向に作用する推力に対する支えを提供する管状スカートを有することも知られている。
【0004】
ピストンは、長手方向軸線に沿って往復運動するため、ヘッド支持面から軸方向に延在し、ピン軸を画定するヘッドの直径方向またはほぼ直径方向の弦に沿って相互から隔置された1対のピストン・ピンによって、接続棒のピストン・ピンに装着することが一般的慣行である。
【0005】
ピストンに作用する横方向の力は、クラウンに作用する燃焼圧によってシリンダ壁と強制的に係合するピストン、および往復運動中の長手方向軸線に対する接続棒の傾斜、さらにシリンダ内のピストンの熱膨張によって生じる。
【0006】
ピストンとシリンダ壁間の摩擦を生じる横方向の力が、エンジン・サイクル中に変動する燃焼室および接続棒からの動的力と、ピストンおよびシリンダの熱膨張という比較的静止した力との組合せである限り、ピストンの形状はシリンダの形状とは異なり、したがってその間の接触が、必要な場合を除いて回避されることが知られている。さらに、横方向の動的推力が、ピン軸線に対して直角の方向に作用し、直径方向に延在する推力軸を中心とするので、周囲スカートを、ピン軸線の両側にある推力軸線を中心とし周囲のスカートがない部分によって隔置された支持提供領域に限定し、周方向に完全な帯および/またはピン・ボスによって、ヘッド支持面から軸方向に延在して関連する支持領域を相互およびピン・ボスに接続する強化リブを通して相互を直接支えることにより、支持領域に強度および剛性を与えることが知られている。
【0007】
ヘッド周の内側にこのような力伝達構造を設けると、摩擦接触が減少し、さらに周を辿る管状壁より剛性が高くなる可能性があるが、重要なことに、使用する金属の量も減少する。
【0008】
ピン軸線の前記対向側に作用する横方向の推力は、これを生じさせるピストンにかかる力が異なるので、支持領域は推力領域および非推力領域としても知られる。
【0009】
このような構造の一例が欧州特許出願第2−0902180号で示され、これにより(鋳造による)製造時各ピン・ボスとスカートがない周との間の領域でヘッドの支持面に肉ぬき窪みを生成することも知られる。このような窪みは、そこから隔置される周への近接性に関して、少なくともリング溝の半径方向深さ、および強化リブの位置によって寸法的に制限される。
【0010】
概して、不完全なスカートを有するピストンを長手方向軸線に沿って見ると、ピン軸線および推力軸線を中心に鏡像対称である。しかし、推力領域に向かって幾何学的長手方向軸線と交差するピストンの直径からずれた、ピストン・ピン軸線を画定しほぼ直径方向の弦に沿って存在することは知られており、その理由および効果は、ピン軸線を、燃焼圧が作用する幾何学的軸線からずらし、シリンダ内でピストンを位置決めして、作業温度でピストンが膨張する前に、壁との衝撃を緩和する回転運動を生成することである。
【0011】
このようにピン軸線をピン・ボスとともに、重心も推力領域に向かってオフセットさせるまでずらすと、比較的軽度ではあるが、ピン軸線の周囲で、ピストンに作用する力の関数として変動する別個の回転運動が生成される。
【0012】
改良された低摩擦、低質量の構成の一体エンジン・ピストンを提供することが、本発明の目的である。
【0013】
本発明によると、一体金属本体を備えるエンジン・ピストンは、
(i)上部クラウン面、下部支持面、およびこれら面間に延在し、リング溝の帯を画成周壁によって構成される長手方向ピストン軸線を中心とするほぼ円形の断面のヘッドと、
(ii)支持面から軸方向に延在し、ピン軸線を画定するヘッドの直径に沿って、ヘッドの周および相互から隔置された1対のピストン・ピン・ボスと、
(iii)軸方向に延在し、ピン軸線の対向する側で隔置された推力支持領域と非推力支持領域とを周で画定する、周方向に不完全な支持スカート部分とを備え、前記支持領域はそれぞれ、領域の端部間で周方向に延在し、ピン軸線に直角の推力軸線を画定するヘッドの直径を中心とし、さらに、
(iv)個々に前記推力および非推力支持領域の端部に関連する支持スカート強化リブを備え、前記強化リブはそれぞれ、ヘッドから軸方向に延在して、関連する領域の端部を前記ピストン・ピン・ボスに接続し、
ピストンは、推力支持領域が、非推力支持領域より周方向の範囲が大きく、推力支持領域の端部それぞれに関連する強化リブが、関連するピストン・ピン・ボスに向かって収束し、それと合流し、非推力支持領域の端部から延在する強化リブに関して周に向かってピン軸線に沿った方向に変位した外方向凸状区間へ、関連する領域の端部がほぼ平滑に遷移する曲線区間を有することを特徴とする。
【0014】
支持面は、自身内にそれぞれが各ピストン・ピン・ボスと関連した1対の窪みを形成し、前記窪みがそれぞれピン・ボスと周壁との間に配置され、ピン軸線に対して非対称で、軸線の一方側の窪みは、スカートのない周によって画定され、ボスおよび強化リブが推力支持領域とボスを接続し、軸線の他方側の窪みは、スカートのない周によって画定され、ボスおよび強化リブが非推力領域をボスに接続することが好ましい。
【0015】
次に、本発明の実施形態について、添付図面に関して例示により説明する。
【0016】
図を参照すると、アルミ合金または鋼から鋳造、または他の方法で成形した一体金属本体を備えるエンジン・ピストンは、長手方向軸線を中心とするほぼ円形の断面のヘッド、またはクラウン12で構成される。ヘッドは、ほぼ円形の上部クラウン面(図示せず)、下部支持面18、およびこれら円形面の間に延在し、軸方向に隔置されたリング溝24の帯を設けた周壁20を備える。ヘッドの断面は、円形、または当該技術分野で常識的範囲で多少図形から変形した長円でもよいが、このような変化があっても、ヘッドは、クラウンの幾何学的中心である1本の長手方向軸14の周囲で画定されると見なすと都合がよい。
【0017】
1対のピストン・ピン・ボス26、28が、支持面から軸方向に延在し、長手方向軸線14と交差する直径31から小さい距離だけ変位したピン軸線30を画定するヘッド支持面の直径方向弦に沿って、ヘッドの周囲および相互から隔置されている。ピン軸線30は以下で詳述する。
【0018】
周方向に不完全な支持スカート部分は、概ね32で示され、これも支持面から軸方向に延在し、その周囲には推力支持領域34および非推力支持領域36が画定され、これら領域はピン軸線の対向する側で隔置され、スカートがない部分37、38によって周方向に分離される。各前記支持領域34および36は、ピン軸線30および直径31に直角で、長手方向軸線14にて後者と交差する推力軸線40を画定するヘッドの直径を中心とする。推力支持領域34は、推力軸線上の点45を中心として領域端42と44の間で周方向に延在し、非推力支持領域36は、推力軸線上の点49を中心として領域端46と48で周方向に延在している。ピストンは、推力軸線に対して対称である。
【0019】
支持スカート強化リブ52、54、56および58は、推力および非推力領域の端部42、44、46および48と連係し、各強化リブは、長手方向軸線の方向にヘッドから延在し、連係領域端をピストン・ピン・ボスに接続している。つまり、リブ52および56は、領域端42および46をそれぞれピン・ボス26と接続し、リブ54および58は、領域端44および48をそれぞれピン・ボス28と接続する。
【0020】
本発明によると、推力支持領域34は、非推力支持領域36より周方向の範囲が大きく、この推力領域に連係する強化リブ52および54はそれぞれ、曲線区間62、64を有し、これはそれぞれ、領域の端部42、44から、外側に凸状の区間にほぼ滑らかに遷移して、関連するボス26、28に向かって収束し、非推力支持領域の対向する端部46、48から延在する対応リブ56、58の合流点からピン軸線に沿って周方向に向かう方向に変位して、凸状区間と合流する。この実施形態では、しかし必ずしも必要ではないが、強化リブ56および58もそれぞれ、曲線区間66、68を有し、これはそれぞれ非推力支持領域から外側に凸状の区間へほぼ滑らかに遷移して、関連するボス26、36に向かって、前記端部と関連ボスの間の部分69まで収束することが都合がよい。リブ56および58は、推力支持領域に関連するリブ52および54とほぼ同じ曲率であることも都合がよい。
【0021】
各リブの凸状領域は、推力軸線からほぼ同じ距離で開始、終了し、つまり支持面から軸方向に延在して推力軸線に平行な概念上のリブ面の外側に配置される。リブ52の凸状部分は、仮想的リブ面72に対して画定され、リブ54、56および58の対応する凸状部分は、仮想的リブ面74、76および78に対して画定される。強化リブ52は、凸状区間62の端部62’から、ボス26と合流するまで、終端領域82としてリブ面72に沿って延在する。同様に、リブ54、56および58は、それぞれ終端領域84、86および88を有する。
【0022】
非推力領域36と連係するリブ面76および78が、推力領域と連係するリブ面より推力軸線に近く、しかしてピン軸線が推力領域に向かって変位している限り、終端領域86および88は、領域82および84より推力軸線の方向にさらに延在するものと期待される。
【0023】
支持領域34を伴う強化リブ52および54はそれぞれ、支持領域からピン・ボスまでその長さに沿ってほぼ均一の厚さであるが、ヘッド支持面と反対側の縁90で、厚さが支持領域の縁に向かってより大きい剛性を与え、全体的には熱膨張による推力負荷の変化および往復ピストンに作用する燃焼圧の変化に対応するために剛性および弾性が最適にバランスするよう、軸方向の厚さを変化させてもよい。支持領域36に連係する強化リブ56および58は、同様に形成してよいが、非推力領域が熱作用による横方向の力が小さく、燃焼力がかなり小さければ、強化リブは多少薄くして、過度の剛性を回避し、ピストンの金属含有量および重量の削減に寄与するようにする。
【0024】
個々の強化リブの終端領域82・・・88がボスと合流する箇所で、リブ縁90が、仮想的リブ面内で前記推力軸線方向に延在し、ピン軸線に沿って他方の支持領域の対応するリブから隔置されたボスの少なくとも一部と重なる。さらに、各ボスと連係する強化リブは、前記推力軸線方向でボスを横切って延在し、その終端領域が、横並びの関係でピン軸線に関して相互に重なる。重なった強化リブは、ボスに重なってそれと一体になるブリッジ92、93により、相互に接続された終端領域を有することができるので都合がよい。
【0025】
したがって、周方向の範囲が異なり、連続的強化帯で直接結合されていない別個のスカート支持領域を使用する構成に加えて、推力を強化リブ間で直接伝達することに関して、強化リブが相互に整列せずに各ボスと合流し、推力が対向するスカート領域ではなくボスに伝達され、主にその抵抗を受ける構成が、既知の配置構成とは異なる。
【0026】
推力および非推力支持領域34および36の少なくとも一方、好ましくはそれぞれは、その領域より周方向で小さく、前記端部において領域と連係する強化リブの軸方向の縁を越えて軸方向に延在する舌を有する。推力領域34の舌94は周方向に延在し、したがって仮想的リブ面72と74の間に在り、同様に非推力領域36の舌先96は、周方向で仮想的リブ面76と78の間に在る。
【0027】
各強化リブの縁90のヘッド支持面から軸方向の距離は、ヘッド支持面およびスカートがない周辺区間37および38のそれにほぼ平行に延在する面にリブ縁があるように設定する。しかし、各リブの軸方向の深さは、推力または非推力領域からの距離の関数として変化してよい。特に、各前記領域の端部に隣接部では、周方向にも軸方向にも舌部分の端部と合流するよう、軸方向にクラウン支持面から離れるよう湾曲してもよい。
【0028】
ピストンは、ヘッド支持面18内に形成され、それぞれ各ピン・ボスを連係する1対の肉抜き窪み106および108も含む。窪みは、推力軸線40に対して鏡面対称であるが、各窪みは、ピン軸線30または直径31に対して非対称である。
【0029】
窪み106は、ピン軸線30の一方(推力)側では、スカートのない周辺36(しかし少なくともリング溝24の深さによってそこから隔置され)、ボス26および推力領域34をボスに接続する強化リブ54によって画定される。ピン軸線の他方(非推力)側では、窪みが、スカートのない周辺37、ボス26、および非推力領域36をボスに接続する強化リブ56によって画定される。
【0030】
非推力領域およびその強化リブが、シリンダ・ボアとの接触によって伝達しなければならない推力が、推力領域よりはるかに小さい限りは、推力領域34より周方向の範囲が短い非推力領域36を画定することにより、シリンダ・ボアとの接触面積が即座に減少することができるばかりでなく、推力支持領域と比較して、領域から金属を削減することによって質量も減少する。
【0031】
ピン軸線に沿って強化リブ56をスカートのない周辺37から効果的に変位させるため、ピン軸線の非推力側の質量減少窪み106は、110で示すように、ボスの側部および周辺をさらに延在させて、その体積が増加させることにより従来の対称的設計と比較して、金属を削減することができる。
【0032】
したがって、質量が減少するのは、非推力領域が周方向に短くなったばかりでなく、それと連係する強化リブが推力軸線に向かって変位し、窪みを支持表面へと延在させたことにもよる。
【0033】
また、周壁は、望ましくは、リング溝24から窪みの一方またはそれぞれへと壁を通って延在する複数の排液通路112を含む。窪みを延在させた結果、周方向の排液の範囲に関して、通路の数を増加させ、ピン軸線の推力側より非推力側で排液通路の数を増加させることが可能である。
【0034】
所望に応じて、破線120で示すように、窪み106および108は、それを横切って延在する筋かいウェブを有し、スカートのない周辺37が外部負荷によって内側に座屈する傾向を排除することができる。
【0035】
このような質量減少は、直径31の非推力側の金属を減少させることによって得られ、したがって重心が推力支持領域に変位することが理解される。ピストン・ピン軸線が、燃焼圧が効果的に作用する方向の幾何学的長手方向軸線14から変位する限り、直径31の非推力側の金属減少が、ピストンの合計質量を全体的に減少できるばかりでなく、質量の非対称を画定することも可能にし、したがって重心がさらに、推力支持領域に向かってずれ、場合によってはピン軸線30を通して作用もし、それによってピストン・ピン軸線に相対に質量重心に寄与可能な回転運動の影響を低減する。
【0036】
ピストン・ピン軸線を幾何学的軸線から変位させるのは必須ではなく、このような場合、このような非対称ピストンの重心が、ピン軸線を中心とする回転運動を生成することが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
ピンの長手方向軸線に沿ってピストンの下から見た図である。

Claims (16)

  1. 一体金属本体を備えるエンジン・ピストン(10)で、
    (i)上部クラウン面、下部クラウン面(18)、およびこれら面間に延在し、リング溝(24)の帯を画定する自身の周壁(20)とによって画定された、長手方向ピストン軸線(14)を中心とするほぼ円形の断面のヘッド(12)と、
    (ii)支持面から軸方向に延在し、ピン軸線(30)を画定するヘッドの直径に沿って、ヘッドの周および相互から隔置された1対のピストン・ピン・ボス(26、28)と、
    (iii)軸方向に延在し、ピン軸線の対向する側で隔置された推力支持領域(34)と非推力支持領域(36)とを周で画定する、周方向に不完全な支持スカート部分(32)であって、前記支持領域がそれぞれ、領域の端部(42、44;46、48)間で周方向に延在し、ピン軸線に直角の推力軸線(40)を画定するヘッドの直径を中心としたものである、支持スカート部分とさらに、
    (iv)個々に前記推力および非推力支持領域の端部に関連する支持スカート強化リブ(52、54、56、58)を備え、前記強化リブはそれぞれ、ヘッドから軸方向に延在して、関連する領域の端部を前記ピストン・ピン・ボスに接続し、
    推力支持領域が、非推力支持領域より周方向の範囲が大きく、推力支持領域(34)の端部関連する強化リブ(52、54)のそれぞれが、関連するピストン・ピン・ボスに向かって収束し、それと合流し、非推力支持領域(36)の端部から延在する強化リブ(56、58)に関して周に向かってピン軸線に沿った方向に変位した外方向凸状区間へ、関連する領域の端部からほぼ滑らかに遷移する曲線区間を有するピストン。
  2. 支持面(18)が、自身内に形成され、それぞれがピストン・ピン・ボス(26、28)を伴う1対の窪み(106、108)を有し、前記窪みがそれぞれ、ピン・ボスと周壁の間に配置され、ピン軸線を中心に非対称であり、窪みは、ピン軸線の一方側で、スカートがない周によって画定され、ボスおよび強化リブが、推力支持領域とボスを接続し、ピン軸線の他方側では、スカートのない周によって画定され、ボスおよび強化リブが非推力領域をボスに接続する、請求項1に記載のピストン。
  3. リング溝(24)から少なくとも1つの窪みの中に周壁を通して延在する複数の排液通路(112)を含み、ピン軸線(30)の非推力側にある排液通路の数が、推力側の通路の数より多い、請求項2に記載のピストン。
  4. 重心およびピストン・ピン軸線(30)が、長手方向軸線(14)から、同じ方向にほぼ同じ距離だけ変位する、請求項2または3に記載のピストン。
  5. 強化リブ(52、56;54、58)は、関連する推力および非推力領域から伝達される力が相互からずれる方向にて、前記ピン・ボス(26;28)と合流する、請求項1から4いずれか1項に記載のピストン。
  6. 非推力支持領域(38)の一端に関連する各強化リブ(56、58)が、曲線区間(66、68)を有し、これが、領域の端部から、前記端部と関連ボス(26;28)の間の点(69)に向かって収束し外側に凸状の区間までほぼ滑らかに遷移する、請求項1から5いずれか1項に記載のピストン。
  7. 推力および非推力領域に関連する強化リブの外側に凸状の区間が、ほぼ同じ曲率を有する、請求項5または6に記載のピストン。
  8. 各凸状区間の隔置された端部が、推力軸線(40)にほぼ平行に延在するリブ面(72、74、76、78)にある、請求項1から7いずれか1項に記載のピストン。
  9. 凸状区間の端と関連ピストン・ボスの間にある各強化リブが、リブ面でほぼ終端領域(82、84、86、88)として延在する、請求項8に記載のピストン。
  10. 各強化リブが軸方向にほぼ均一の深さである、請求項1から9いずれか1項に記載のピストン。
  11. 各強化リブの少なくとも軸方向の縁(90)が、推力または非推力領域からピン・ボスまでの長さに沿って、ほぼ均一の厚さである、請求項10に記載のピストン。
  12. リブの終端領域の軸方向の縁(90)が、ボスの少なくとも一部に、それから隔置された関係で重なる、請求項11に記載のピストン。
  13. 各ボス(26;28)に関連する推力および非推力領域の強化リブの終端領域(82、86;84、88)が、相互に重なる関係で、ボスを横切って延在する、請求項12に記載のピストン。
  14. 前記重なる終端領域(82、86;84、88)が、ボスと重なりそれと一体であるブリッジ(92;93)によって相互に接続される、請求項13に記載のピストン。
  15. 推力および非推力支持領域(34、36)の少なくとも一方が、軸方向に延在して、その端部から間隔をあけて終了し、領域の前記端から延在する強化リブの軸方向縁を越えて軸方向に延在する舌(94、96)を有する、請求項1から14いずれか1項に記載のピストン。
  16. 前記推力および非推力支持領域それぞれで、舌(94、96)の周方向の範囲は、それが完全に関連する強化リブのリブ面(72、74;76、78)間に含まれるような範囲である、請求項15に記載のピストン。
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