JP2004511506A - 口腔内のバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去または低減するための口内衛生製品の調製におけるオリーブオイルの用途 - Google Patents
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Abstract
本発明は、口腔内のバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去または低減することにより、歯科疾患(虫歯、歯周病)および口臭の発生の低減を実現するための、例えば、練り歯磨き粉、洗口液、経口噴霧吸入器、またはチューインガムのような、口内衛生のための製品の調製におけるオリーブオイルの用途に関する。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般に、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品の調製におけるオリーブオイルの用途に関する。
【0002】
(背景技術)
バクテリアによるプラークは、薄い、無色かつ粘着性の、ほとんど目に見えない膜である。この膜は、歯の表面上の大部分においてのみならず、舌の裏、口蓋、粘膜、前庭、および唇の表面上に連続的に形成されている。これは、バクテリア、唾液、および食べ物の残りかすから構成されており、最も一般的な2つの歯科疾患である虫歯および歯周病の主因である。プラークを除去して口腔を健康に保つためには、日々の歯科衛生が欠かせない。
【0003】
虫歯は、局部的な感染性作用であり、外的な要因によるものである。これにより、歯の硬質組織(エナメル質)はもろくなり、虫歯の穴(cavity)が形成されることになる。このような歯科疾患をもたらす病因学上の主な病原体は、グラム陽性細菌である連鎖球菌ミュータンス(gram (+) bacteria Streptococcus mutans)であると考えられる。
【0004】
歯周病は、歯肉および歯を支える構造に影響を及ぼす疾患である。歯周病の最も初期の段階が歯肉炎である。これは、歯肉が赤みを帯びることを特徴としており、このような歯肉は、腫れたり、簡単に出血したりする。その段階において適切な処置を受けなければ、この疾患は、歯周炎となり、歯肉に取り返しがつかないダメージを与えることになる可能性がある。歯周病の最も進んだ段階である歯周炎では、歯を取り囲む骨および組織が破壊される一方で、歯肉において、より多くのバクテリアによるプラークがつまったポケットが形成される。この疾患が進行するにつれて、歯は、ゆらゆらしたり、ぐらぐらしたりするようになって、最終的には、抜け落ちたり、抜歯が必要となる場合もある。
【0005】
歯周病の主因は、バクテリアによるプラークであるが、これは、除去されないと、硬化して歯の表面上に蓄積する。バクテリアによるプラークの中に存在するバクテリアによって生成される毒素が、歯の周りの支持組織を破壊し、歯肉が緩み、バクテリアによるプラークがつまったポケットが形成されて歯が抜ける。
【0006】
歯周病は、頻繁かつ念入りにブラッシングすることに加えて、デンタルフロスを使うとともに、必要に応じて、歯間/隣接歯間ブラシ、歯間刺激剤および/または洗口液を用いることで、バクテリアによるプラークを除去することによって予防することが可能である。但し、日々の洗浄だけでは十分でなく、歯科医によって施される専門的な洗浄によって仕上げられるべきである。これにより、すでに形成されて、日々のブラッシングではまず除去できない硬化した付着物が除去されることになる。
【0007】
歯周病に対する通常の処置は、スクレーピング(scraping)、キューレットによる掻爬(curettage)、および歯根研磨(radicular planing)からなる。これは、歯肉が、歯に再び付着したり、ポケットを無くすのに十分なだけ収縮したりすることを目的として、歯周ポケットからプラークや歯石を除去することおよび歯根を研磨平坦化することを包含する。但し、最も進行した場合においては、外科的な処置を必要とする場合もある。
【0008】
一方、口臭、つまり臭い息は、様々な揮発性化合物、主に、硫化水素およびメチルメルカプタンのような揮発性硫化化合物(VSC:volatile sulphurated compounds)の生成および遊離に起因する機能異常である。口腔には、一般に、嫌気性細菌およびグラム陰性細菌(gram (−) bacteria)である微生物が含まれており、これが、ある程度までは口臭が発生する要因となっている。口臭に対処するために様々な処置が存在するが、合成生成物の投与によるものもあれば、天然生成物の投与によるものもある(スペイン特許出願第P9701545号参照)。
【0009】
バクテリアによるプラークを予防および治療するための、さらには、口臭を治療するための、様々な手段があるにもかかわらず、口腔内におけるバクテリアによるプラークの形成および/または有害な微生物の存在に対処するための治療法をさらに蓄積するという必要が依然として存在する。
【0010】
(発明の開示)
本発明は、上述のように存在する必要性に対する解決策を提供するものであり、これは、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/または有害なバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品の調製においてオリーブオイルを用いることにある。口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアをこのように全面的または部分的に低減することにより、口内疾患である虫歯、歯周炎、およびその初期段階(歯肉炎)の発生のみならず、口腔内に存在する微生物によるVSCの生成に付随する口臭の発生を低下させる。
【0011】
オリーブオイルは、食品によく用いられる製品であるが、その他にも治療および美容のための用途が知られている(スペイン特許出願第9801543号)。オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)は、単価不飽和脂肪酸であり、これが、オリーブオイルの数多くの有益な効果をもたらすものであると考えられている。とてもよく知られていることであるが、オレイン酸は、動脈硬化の予防に役立ち、高密度リポタンパク質(HDL)に係るコレステロールレベルを上げる一方で、低密度リポタンパク質(LDL)に係るコレステロールレベルを下げることにより、心血管疾患の発生に対する適切な対処法を実現するものである。
【0012】
また、オリーブオイルは、ビタミン(A、E、F、K)およびポリフェノールを含んでおり、オリーブオイル中に存在する抗酸化物質(ビタミンA、E、およびポリフェノール)が、老化を遅らせ、動脈硬化、乳ガンの発生、肝機能障害、および肝炎を予防する防御メカニズムを生物にもたらすと考えられている。
【0013】
オリーブオイルは、胃にあまり負担がかからず、胃炎および潰瘍に有益な効果を有し、胆汁分泌促進作用があり、膵臓ホルモンおよび胆汁の分泌を促進し、胆石の発生率を減少させる。その一方で、その優れた消化の良さが、結果として、栄養素、特に、ビタミンおよび鉱物塩の完全な吸収をもたらすとともに、それは、骨格に必要とされるオレアート(オレイン酸塩)を提供する。オリーブオイルによって及ぼされるミネラル化効果は、幼児期においても、ミネラル化作用の問題がよく起きる段階である老年期においても優れている。
【0014】
また、オリーブオイルは、脳および中枢神経系に対しても有益な効果を有し、感染症の発生から体を保護し、体内および体外の組織の治癒を助ける。
【0015】
前述のような治療的な効能に加えて、オリーブオイルには、美容のための用途があるが、現在のところ、しわが生じないように作用する肌保護成分として、さらには乾燥肌および鮫肌のためのローションとして徐々に用いられ始めている。また、傷んだ髪およびまつげに輝きと活力をよみがえらせ、こしがない髪の元気を取り戻すために用いられている。
【0016】
地中海地方において、オリーブオイルは、保存料および殺菌剤としてのその機能で知られている(それは、魚、野菜、チーズなどを保存するために用いられる)。最初にオリーブオイルに浸したときには大量のバクテリアを含む可能性があるチーズまたは魚のような製品の場合において、オリーブオイルに浸してから数時間後には、検出されるバクテリアの数は実質的にゼロである。
【0017】
驚くべきことに、オリーブオイルを用いて、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを低減/除去することが可能であるということが明らかにされた。
【0018】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品の調製においてオリーブオイルを用いることに関する。
【0019】
本明細書中で用いられる意味において、「口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減する」という表現は、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアが、(i)歯科疾患の発生を引き起こさないレベルまで、または(ii)口臭が気付かれるのに十分な量(一般的に、前記VSCが75ppb)でのVSCの放出を引き起こさないレベルまで、全面的または部分的に減少することを意味する。
【0020】
オリーブオイルは、オリーブの木(Olea europea L.)の果実であるオリーブを圧搾することによって得られる市販の製品である。口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品のなかに存在し得るオリーブオイルとは、どのようなオリーブオイルであってもよく、例えば、バージンオリーブオイル、精製オリーブオイル、およびオリーブオイル(最大酸度が1°であって、過酸化指数が15未満、好ましくは、10未満である、バージンオリーブオイルと精製オリーブオイルをブレンドしたもの)のような市販のオリーブオイルであってもよい。
【0021】
口内衛生製品は、口内洗浄および/または殺菌消毒に用いることが可能なあらゆる製品であってもよいだけでなく、例えば、練り歯磨き粉、洗口液、経口噴霧吸入器、チューインガムなどのようなあらゆる形態をとることが可能である。
【0022】
本発明を開発するにあたって、不可欠なことは、歯科疾患およびVSCの生成の原因である微生物の特性を分析することであった。
【0023】
バクテリアによるプラークに含まれる最も頻繁に分離された微生物を分析することにより、数多くの親油性微生物が存在することが明らかにされたが、このような微生物は、脂質または脂質に対する親和性を有する物質を多く含む細胞外被(cellular coat)を有する微生物、例えば、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、アクチノミセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)、アクチノミセス・ネスランディ(Actinomyces naeslundii)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、ストレプトコッカス・サリバリュース(Streptococcus salivarus)、ストレプトコッカス・サングイス(Streptococcus sanguis)、およびストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)であるということが分かった。このなかには、VSCの生成および歯周炎の原因となるものもある一方で、主に、ミュータンス菌(S. mutans)であるが、虫歯の発生の原因となるものもある。
【0024】
また、歯周病と関連性のあるバクテリアの種類を特定することは、その疾患についての診断および追跡のための主要な側面である。最も頻繁に関連づけられる歯周病の病原菌には、ポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インテルメディア(Prevotella intermedia)、アクチノバチルス・アクチノミセテム−コミタンス(Actinobacillus actinomycetem comitans)、フソバクテリウム・ヌクレアトゥム(Fusobacterium nucleatum)、オイコネラ・コロデンス(Eikenella corrodens)、バクテロイデス・フロシサス(Bacteroides frosythus)、キャプノサイトファーガ属菌(Capnocytophaga spp.)などがある。簡単に述べると、以下のように関連づけられる。
【0025】
成人の歯周炎と関連性があるものとして: アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、バクテロイデス・フロシサス、プレボテラ・インテルメディア、およびオイコネラ・コロデンス。
【0026】
前思春期性歯周炎と関連性があるものとして: アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、およびキャプノサイトファーガ属菌。
【0027】
若年性歯周炎と関連性があるものとして: アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、およびプレボテラ・インテルメディア。
【0028】
急速進行性歯周炎と関連性があるものとして: アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、オイコネラ・コロデンス、およびバクテロイデス・フロシサス。
【0029】
歯周病の原因として前述したバクテリアに共通する特性は、クリスタルバイオレットによる染色にかけられた場合にグラム陰性(グラム(−))細菌であるということである。
【0030】
様々な製品について行われた数多くの試験によって明らかにされたことであるが、驚くべきことに、オリーブオイルは、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを低減/除去するのに特に適した製品であった。これらのバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアのうちのあるものは、虫歯の穴の発生原因であり、また他のものは、VSC生成の原因である。このようにして、VSCの生成による口臭が減少するだけでなく、歯肉炎および歯周炎の発生および虫歯が減少することによる歯の健康において著しい改善が達成される。
【0031】
種々の試験によって明らかにされたことであるが、オリーブオイルは、オリーブオイルの含有量が平均的な、一般的に、組成全体に対して1〜60重量%の口内衛生製品の組成において静菌剤として、あるいは、オリーブオイルの含有量が高い、一般的に、組成全体に対して15〜70重量%の口内衛生製品の組成において殺菌剤として機能することが可能である。一定の濃度において、オリーブオイルが静菌剤あるいは殺菌剤として良好に機能することが可能であるということが確認できる。
【0032】
オリーブオイルの並はずれた驚異的な機能に対する驚きがあったが、これが、口腔内および/またはバクテリアによるプラーク中に存在するバクテリアの個体数を全面的または部分的に減少させるという本発明に係る本質的な目的を構成する。これらのバクテリアは、基本的に、嫌気性グラム陰性細菌、すなわち歯科疾患および口臭の発生の原因となる微生物である。
【0033】
いずれか特定の理論に結び付けられるという要請はないが、グラム(−)細菌の細胞壁の脂質含有量が高いことで、その細胞壁は、疎水性を帯びるとともに、脂質媒体において溶解することが可能となっていると考えられる。これを根拠に、なぜ、油を多く含む媒体が、水溶性媒体と比べて、グラム(−)細菌を除去する際に、より効果的であるのかについて説明がつくであろう。グラム(−)細菌は、水溶性媒体である唾液に対してよりもオリーブオイルに対しての親和性が高く、これにより、オリーブオイルに付着したり閉じこめられたりするであろうということに加えて、口をゆすぐことによって、これとともに除去されるであろうということが考えられる。
【0034】
口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品の調製においてオリーブオイルを用いることにより、例えば、次のような、数多くの利点がもたらされる。
・ 口腔および歯に係る、研磨剤によらない好適な洗浄により親油性微生物に対処する。
・ 歯周の健康における顕著な改善(虫歯の穴、歯肉炎の減少、および歯周炎の改善)を伴って、歯肉縁上および歯肉縁下の両方においてバクテリアによるプラークの絶対量を減少させる。
・ VSCを生成する微生物から生じるVSCの量を減少させることによって、口臭の発生を減少させる。このために、これらの微生物を遮断したり不活性化したり、および/または、生成微生物によって一旦放出されたVSCを中和したりする。この結果、それらは、臭いによって検知されない。
【0035】
また、本発明は、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するのに適する口内衛生製品を提供する。これは、オリーブオイルを含むが、以下、本発明に係る口内衛生のための製品と称することとする。オリーブオイルは、本発明に係る口内衛生のための製品において、その製品全体に対して、1〜70重量%の間の量で含まれていることが望ましい。
【0036】
本発明に係る口内衛生のための製品は、例えば、練り歯磨き粉、洗口液、経口噴霧吸入器、チューインガムなどのようなあらゆる形態をとることが可能であり、その組成においては、各形態に相応しい成分、添加剤、および賦形剤(溶剤)を含むことになる。
【0037】
実例として、本発明に係る口内衛生のための製品が練り歯磨き粉の形で与えられる場合において、これは、オリーブオイルに加えて、この製品に何らかの特別な特性を提供するその他の化合物を、相応しい賦形剤(溶剤)および添加剤とともに含むことが可能である。例えば、フッ素源、研磨剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、香料、調味料、保存料、着色料、増白剤などが含まれる。
【0038】
研磨剤つまり磨き粉が、研ぎ剤として用いられる結果として、エナメル質または時として歯の表面にむき出しになっている象牙質を傷つけることなく、ブラシの動きとともに、付着している残りかすが除去される。従来、例えば、炭酸カルシウム、ピロリン酸四カルシウム(tetra calcium pyrophosphate)、リン酸二カルシウム、オルトリン酸カルシウム、メタリン酸カルシウムのようなカルシウム塩、または、例えば、メタリン酸ナトリウムのようなナトリウム塩が用いられてきた。とりわけ、カルシウム塩とフッ素化合物の間に生じる不適合のために、現在では、その他の研磨剤が用いられているが、このなかには一定の形のシリカも含まれる。従来、合成されたシリカおよびケイ酸塩が用いられてきたが、これらは、熱分解プロセス(pyrogenic process)またはゲル化プロセス(gelification process)という、2つの異なる方法で得られていた。熱分解法によって得られたシリカは、増粘特性を有するにすぎないが、ゲル化されたものは、増粘剤としてとともに磨き粉としても機能した。但し、技術的な制約のため、それらの製品は、あまり融通のきくものではないということが分かった。今までにない析出(precipitated)させられたシリカおよびケイ酸塩の出現によって、CST(Controlled Structure Technology:構造制御技術)によってこれらのシリカの構造を正確に制御することが可能になってきた。これは、結果として、増粘剤および研磨剤としての多機能性を提供するシリカの広範な利用可能性につながる。
【0039】
界面活性剤は、所望の泡立ちの度合いに応じて調節可能な濃度で用いられる。一般には、組成全体に対しておよそ0.5〜2重量%で用いられるが、これは、ある限度を超えると、歯周病の発生および進行の一因となるからである。よく用いられるものには、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、およびテゴ・ベタイン(tego betaines)がある。
【0040】
保湿剤は、練り歯磨き粉に含まれる必須の成分であり、その役割は、その調製において初期の粘度を保持して、チューブの中で硬化しないようにすると同時に、洗浄水のなかに練り歯磨き粉が混和するのを助ける。このとき、よく用いられる保湿剤としては、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールがある。
【0041】
増粘剤は、親水性コロイドであり、練り歯磨き粉におけるその目的は、液体成分と固体が分離しないようにする点にある。増粘剤の具体例としては、トラガカントガム、キサンタンガム、アラビアガムなどのガム類だけでなく、カラギーン(カラギナン)、および寒天がある。
【0042】
練り歯磨き粉の使用後に口の中に残る香りおよび風味は、非常に重要な2つの特性であり、それゆえに、練り歯磨き粉の中で、その製造およびその後の保存および使用のあいだを通じて変わらないままであるということが不可欠である。法令で認められているものであれば、どんな香りを用いることも可能である。
【0043】
甘味料つまり調味料が重要であるのは、それによって、その調製に係る味が香りと調和するようになるからである。しばしば、例えば、グリセリン、ソルビトールのような保湿剤のために、練り歯磨き粉は、ほのかに甘みがあるが、これは、一般に、0.05〜0.25重量%濃度のナトリウムサッカリンによって強化される。
【0044】
通常、保湿剤および一定の粘液が微生物叢(フローラ)の形成に都合がよいので、その組成に保存料を加えることが必要である。用いられる保存料には、安息香酸誘導体、ホルムアルデヒド誘導体、およびフェノール誘導体がある。
【0045】
着色料としては、法令で認められているもののうちのいずれを用いることも可能である。
【0046】
また、練り歯磨き粉は、歯磨き剤のそれらの特徴に加えられる特性に応じて、その他の原料を含むことも可能である。具体例としては、ざらざらした表面に堆積したタンパク質を含む残りかすを最大限の注意を払って除去するという特性のために、例えば、パパインおよびキモパパインのようなタンパク質分解酵素を、洗浄剤および歯の増白剤として含むことも可能である。また、植物エキスを、歯肉および口腔組織のための美容および健康のために混和することも可能である。ビタミン、なかでも、例えば、ビタミンEのような抗酸化ビタミン、および、例えば、ビタミンB5のような傷ついた歯肉の再生に有効なその他のビタミンを、より完全なケアのために、その組成に含むことも可能である。同様に、口内の軟らかい組織または硬い組織に有益な作用を示すものであれば、どんな脂溶性ビタミンを、その組成に含むことも可能であろう。虫歯の穴の発生に対処するために、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなどのフッ素化合物を含むことも可能である。キシリトールは、その実証済みの虫歯予防特性のためだけでなく、それが、虫歯の穴を引き起こすバクテリアによって代謝(metabilised)されないということから、ますます練り歯磨き粉の組成に含められている。
【0047】
本発明によって提供される(オリーブオイル含有の)練り歯磨き粉の虫歯予防効果は、オリーブオイルによって虫歯の原因菌であるミュータンス菌(グラム(+))を除去することに基づいており、その組成に、キシリトール(天然の虫歯の原因とならない甘味料)を、一般に、組成全体に対して0.2〜40重量%の間の量で混入させたり、および/または、フッ化ナトリウム(溶解状態で完全に解離することから、最も有効なフッ素源である)を、一般に、組成全体に対して0.15〜0.33重量%の間の量で混入させたりすることによって向上させることが可能である。この場合、フッ化ナトリウムがカルシウム化合物の使用を許容しないことから、シリカ系の研磨剤を用いて、カルシウム化合物を避けることも可能であろう。
【0048】
本発明によって提供される練り歯磨き粉を用いて実現される、優れた研磨によらない洗浄作用は、例えば、フッ化ナトリウムまたはモノフルオロリン酸ナトリウムのような、採用されるフッ素源とは無関係であるが、この最後の場合においては、カルシウムを主成分とする研磨剤を用いることも可能であろう。代替的に、モノフルオロリン酸ナトリウムとフッ化ナトリウムをフッ素源として組み合わせて用いることも可能である。
【0049】
好適な実施の形態において、練り歯磨き粉の中に存在する研磨剤は、コンピュータを用いて生成される新世代のシリカであって、高度構造シリカ(high structure silicas)(CST)と呼ばれるものであるが、これは、油の吸収性が高いほど、研磨性が低く、また、より効果的な増粘/凝集力を有する。この新しい側面である高度構造シリカにおけるオリーブオイルの吸収能力は、界面活性剤を組成に含有することとともに、その組成が、固体であれ、半固体であれ、あるいは液体であれ、その組成における油の分散を促進する。
【0050】
本発明によって提供される練り歯磨き粉を例証する練り歯磨き粉は、以下の成分を有する。
【0051】
【0052】
例えば、練り歯磨き粉、洗口液、経口噴霧吸入器、チューインガムなどのような、本発明によって提供される異なる製品を、当業者に知られている従来の技術を用いて得ることも可能である。
【0053】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものとしてみなすべきではない。
【0054】
実施例1:オリーブオイルを含む練り歯磨き粉
表1に示す組成(1)および組成(2)を有する練り歯磨き粉を、従来の方法を用いて、異なる含有成分を適当な量で均質に混合することによって調製した。
【0055】
表1:オリーブオイルを含む練り歯磨き粉
【0056】
(a)緩衝剤は、例えば、クエン酸/クエン酸カリウムからなるもの、または、リン酸一カリウム/ピロリン酸四カリウムからなるもの、あるいは、その他のものであっても、練り歯磨き粉の組成において用いられるものであれば何であってもよい。
(b)ガムは、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーン(カラギナン)、またはセルロースガムであってもよい。
(c)保存料は、ジアゾリジニル尿素(diazolidinyl urea)、イミダゾリジニル尿素(imidazolidinyl urea)、安息香酸、およびその塩であってもよい。
(d)Olivem(登録商標)300(PEG−7オリーブオイル、発売元:Quimibio)、PEG−40水添ヒマシ油、およびテゴベタインCAPB(Goldsmith)
【0057】
実施例2:オリーブオイルを含む洗口液
表2に示す組成を有する洗口液(1)および(2)を、従来の技術を用いて、異なる含有成分を適当な量で均質に混合することによって調製した。
【0058】
表2:オリーブオイルを含む洗口液
【0059】
(a)緩衝剤は、例えば、クエン酸/クエン酸カリウムからなるもの、または、リン酸一カリウム/ピロリン酸四カリウムからなるもの、あるいは、その他のものであっても、練り歯磨き粉の組成において用いられるものであれば何であってもよい。
(b)保存料は、ジアゾリジニル尿素、イミダゾリジニル尿素、安息香酸、およびその塩であってもよい。
(c)Olivem(登録商標)300、PEG−40水添ヒマシ油、CAPB
【0060】
実施例3:オリーブオイルを含有する練り歯磨き粉の殺菌効果に関する試験
この試験は、オリーブオイルを含有する練り歯磨き粉の殺菌効果を測定するために行われた。この試験を実施するに際して、準拠する基準は、D.G.H.M.v.01.01.81 2.2を適宜応用したものとした。
【0061】
試験された微生物は、黄色ブドウ球菌(ATCC 6538)および鵞口瘡カンジダ菌(ATCC 102318)であった。
【0062】
微生物の懸濁液を、トリプチケースソイブロス(TSB:Trypticase Soy Broth)における38℃24時間の培養により調製した。1ml当たりのコロニー形成単位(CFU:Colony−Forming Units)数が十分であること(108−109)は、該当する10倍希釈液を抽出して、トリプチケースソイ寒天培地(TSA:Trypticase Soy Agar)において48時間37℃で培養することによって確認された。
【0063】
微生物の懸濁液0.1mlを、例えば、実施例1において示した練り歯磨き粉のような試験対象サンプル10mlと均質に混ぜ合わせた。接触時間0.5分、1分、2分、および5分の経過後に、サンプル/接種材料混合物を、0.1mlずつ取り出して、10mlのTSBにおいて37℃で72時間の二次培養を行った。測定値(+)は、「混濁」(成長あり)を示す一方で、測定値(−)は、「混濁なし」(成長なし)を示す。
【0064】
最終的に成長が抑制されていることを調べたり証明したりするために、混濁を呈さなかった試験管全てに対して、微生物の懸濁液(0.1ml、TSB中、102−103)を再接種した。そのあと24時間を経過して混濁が発生しなかった場合は、不活性化が不十分であっただけでなく、試験が、別の媒体あるいは不活性化形態で繰り返されることになることから、試験中のサンプルは、引き続き活性状態で存在していた。
【0065】
表3に、異なるサンプルについて実施された試験において得られた結果を示す。
【0066】
表3:オリーブオイルを含有する練り歯磨き粉の殺菌作用
【表3】
(+):抑制剤の有効な作用に伴う試験条件下における混濁(プラス成長)
【0067】
ここで得られた結果により、被験サンプルの殺菌機能が明らかにされた。
【0068】
実施例4:プラーク指数および歯肉炎指数に関する臨床評価研究
この試験は、バクテリアによるプラークを除去する際における有効性と同時に、歯肉炎の最初の症状である傷口からの出血を減少させる際における有効性を評価するために行われた。
【0069】
60人の個人が選ばれたが、彼らは、3つの小グループに20人ずつ無作為に分けられた。第1の小グループ(グループI)は、歯を磨くのに水を用いるように求められた。第2の小グループ(グループII)は、歯磨きにオリーブオイル(100%)を用いることとされた。第3の小グループ(グループIII)は、歯磨きにヒマワリ油(100%)を用いることとされた(別種の油の代表例として)。
【0070】
個々人は、4日間、口内衛生に係る手段を何も使用しないまま過ごし、その後、1日3回、毎回3分間、15日間にわたって、各グループに応じた歯磨きをするように指示を受けた。その期間が経過し終えると、テュレスキ(Turesky)法(エリトロシン(erythrosine)によって染色することで、Quigley−Hein指数を改良したもの)に従って、プラーク指数に係る測定が行われた。
【0071】
また、歯肉からの出血(gingival haemorrhage)が歯肉炎の最初の症状であるということに基づいて、傷口出血指数に係る測定が行われた。評価は、歯周プローブを用いて行われて、以下のように判定された。
0:出血なし
1:出血
2:出血+赤み
3:出血+赤み+腫れ
4:出血+赤み+浮腫
5:自然出血+赤み+浮腫
【0072】
ここで得られた結果により、オリーブオイルを用いたグループIIが、水またはヒマワリ油を用いた各グループと比べて、より低い出血指数およびより多くのバクテリアによるプラークの除去を達成したということが、統計上有意に明らかにされた。この結果により、170%の改善が実証された上に、オリーブオイルが、プラークの完全除去を実現するとともに、歯周病理学上の最初の症状としての歯肉炎に対処するために確かに好適な物質であるということが明らかにされた。
【0073】
実施例5:歯肉縁上におけるバクテリアによるプラークを除去する際の有効性に関する臨床研究
【0074】
この試験は、歯肉縁上におけるバクテリアによるプラークを除去する際の有効性を評価するために行われた。
【0075】
被験者40人のグループの中から無作為に選び出して、彼らを2つの小グループに分けた。彼らは、口内衛生に関する習慣について、主に、バス法によるブラッシングを、3分間、1日2回、さらに、水でゆすいだ後に、特定の洗口液でゆすぐように指示された。
【0076】
グループA(20人)は、次のものを用いた。
・フッ化ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムを界面活性剤として含む市販の家庭用練り歯磨き粉、および
・アルコールを含むリステリン(登録商標)洗口液。
【0077】
グループB(20人)は、同様のやり方を指示されたが、上記のものの代わりに以下のものを用いた。
・オリーブオイルおよびフッ化ナトリウムを特別に配合した練り歯磨き粉(実施例1、表1、組成1)、および
・オリーブオイルおよび界面活性剤を特別に配合した洗口液(溶液、あるいは水分散液)(実施例2、表2、組成1)。
【0078】
両グループとも、3日間は、いかなる形の口内衛生も行わないように指示された。その後(1日目)、各グループは、上記の手順に従い始めた。
【0079】
15日目に、新しいプラークの量に係る測定が行われた。このとき、プラークは、切歯、犬歯、および小臼歯について(前庭における歯肉縁および切縁の間)、および歯間腔について、キューレットを用いて採取された。
【0080】
バクテリアによるプラークの採取には、各被験者について、10分間という共通の継続時間が費やされた。
【0081】
試験者は、2グループの製品のどちらが、各被験者に割り当てられていたのかについて知らなかった。
【0082】
最終的な結果により、フッ化ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムを界面活性剤として含む従来の練り歯磨き粉の場合(プラーク減少が60%)との比較において、オリーブオイルを含む練り歯磨き粉および洗口液を用いた被験者のグループでは、プラークの量について統計上有意であってより多くの減少(97%)が明らかにされた。
(技術分野)
本発明は、一般に、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品の調製におけるオリーブオイルの用途に関する。
【0002】
(背景技術)
バクテリアによるプラークは、薄い、無色かつ粘着性の、ほとんど目に見えない膜である。この膜は、歯の表面上の大部分においてのみならず、舌の裏、口蓋、粘膜、前庭、および唇の表面上に連続的に形成されている。これは、バクテリア、唾液、および食べ物の残りかすから構成されており、最も一般的な2つの歯科疾患である虫歯および歯周病の主因である。プラークを除去して口腔を健康に保つためには、日々の歯科衛生が欠かせない。
【0003】
虫歯は、局部的な感染性作用であり、外的な要因によるものである。これにより、歯の硬質組織(エナメル質)はもろくなり、虫歯の穴(cavity)が形成されることになる。このような歯科疾患をもたらす病因学上の主な病原体は、グラム陽性細菌である連鎖球菌ミュータンス(gram (+) bacteria Streptococcus mutans)であると考えられる。
【0004】
歯周病は、歯肉および歯を支える構造に影響を及ぼす疾患である。歯周病の最も初期の段階が歯肉炎である。これは、歯肉が赤みを帯びることを特徴としており、このような歯肉は、腫れたり、簡単に出血したりする。その段階において適切な処置を受けなければ、この疾患は、歯周炎となり、歯肉に取り返しがつかないダメージを与えることになる可能性がある。歯周病の最も進んだ段階である歯周炎では、歯を取り囲む骨および組織が破壊される一方で、歯肉において、より多くのバクテリアによるプラークがつまったポケットが形成される。この疾患が進行するにつれて、歯は、ゆらゆらしたり、ぐらぐらしたりするようになって、最終的には、抜け落ちたり、抜歯が必要となる場合もある。
【0005】
歯周病の主因は、バクテリアによるプラークであるが、これは、除去されないと、硬化して歯の表面上に蓄積する。バクテリアによるプラークの中に存在するバクテリアによって生成される毒素が、歯の周りの支持組織を破壊し、歯肉が緩み、バクテリアによるプラークがつまったポケットが形成されて歯が抜ける。
【0006】
歯周病は、頻繁かつ念入りにブラッシングすることに加えて、デンタルフロスを使うとともに、必要に応じて、歯間/隣接歯間ブラシ、歯間刺激剤および/または洗口液を用いることで、バクテリアによるプラークを除去することによって予防することが可能である。但し、日々の洗浄だけでは十分でなく、歯科医によって施される専門的な洗浄によって仕上げられるべきである。これにより、すでに形成されて、日々のブラッシングではまず除去できない硬化した付着物が除去されることになる。
【0007】
歯周病に対する通常の処置は、スクレーピング(scraping)、キューレットによる掻爬(curettage)、および歯根研磨(radicular planing)からなる。これは、歯肉が、歯に再び付着したり、ポケットを無くすのに十分なだけ収縮したりすることを目的として、歯周ポケットからプラークや歯石を除去することおよび歯根を研磨平坦化することを包含する。但し、最も進行した場合においては、外科的な処置を必要とする場合もある。
【0008】
一方、口臭、つまり臭い息は、様々な揮発性化合物、主に、硫化水素およびメチルメルカプタンのような揮発性硫化化合物(VSC:volatile sulphurated compounds)の生成および遊離に起因する機能異常である。口腔には、一般に、嫌気性細菌およびグラム陰性細菌(gram (−) bacteria)である微生物が含まれており、これが、ある程度までは口臭が発生する要因となっている。口臭に対処するために様々な処置が存在するが、合成生成物の投与によるものもあれば、天然生成物の投与によるものもある(スペイン特許出願第P9701545号参照)。
【0009】
バクテリアによるプラークを予防および治療するための、さらには、口臭を治療するための、様々な手段があるにもかかわらず、口腔内におけるバクテリアによるプラークの形成および/または有害な微生物の存在に対処するための治療法をさらに蓄積するという必要が依然として存在する。
【0010】
(発明の開示)
本発明は、上述のように存在する必要性に対する解決策を提供するものであり、これは、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/または有害なバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品の調製においてオリーブオイルを用いることにある。口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアをこのように全面的または部分的に低減することにより、口内疾患である虫歯、歯周炎、およびその初期段階(歯肉炎)の発生のみならず、口腔内に存在する微生物によるVSCの生成に付随する口臭の発生を低下させる。
【0011】
オリーブオイルは、食品によく用いられる製品であるが、その他にも治療および美容のための用途が知られている(スペイン特許出願第9801543号)。オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)は、単価不飽和脂肪酸であり、これが、オリーブオイルの数多くの有益な効果をもたらすものであると考えられている。とてもよく知られていることであるが、オレイン酸は、動脈硬化の予防に役立ち、高密度リポタンパク質(HDL)に係るコレステロールレベルを上げる一方で、低密度リポタンパク質(LDL)に係るコレステロールレベルを下げることにより、心血管疾患の発生に対する適切な対処法を実現するものである。
【0012】
また、オリーブオイルは、ビタミン(A、E、F、K)およびポリフェノールを含んでおり、オリーブオイル中に存在する抗酸化物質(ビタミンA、E、およびポリフェノール)が、老化を遅らせ、動脈硬化、乳ガンの発生、肝機能障害、および肝炎を予防する防御メカニズムを生物にもたらすと考えられている。
【0013】
オリーブオイルは、胃にあまり負担がかからず、胃炎および潰瘍に有益な効果を有し、胆汁分泌促進作用があり、膵臓ホルモンおよび胆汁の分泌を促進し、胆石の発生率を減少させる。その一方で、その優れた消化の良さが、結果として、栄養素、特に、ビタミンおよび鉱物塩の完全な吸収をもたらすとともに、それは、骨格に必要とされるオレアート(オレイン酸塩)を提供する。オリーブオイルによって及ぼされるミネラル化効果は、幼児期においても、ミネラル化作用の問題がよく起きる段階である老年期においても優れている。
【0014】
また、オリーブオイルは、脳および中枢神経系に対しても有益な効果を有し、感染症の発生から体を保護し、体内および体外の組織の治癒を助ける。
【0015】
前述のような治療的な効能に加えて、オリーブオイルには、美容のための用途があるが、現在のところ、しわが生じないように作用する肌保護成分として、さらには乾燥肌および鮫肌のためのローションとして徐々に用いられ始めている。また、傷んだ髪およびまつげに輝きと活力をよみがえらせ、こしがない髪の元気を取り戻すために用いられている。
【0016】
地中海地方において、オリーブオイルは、保存料および殺菌剤としてのその機能で知られている(それは、魚、野菜、チーズなどを保存するために用いられる)。最初にオリーブオイルに浸したときには大量のバクテリアを含む可能性があるチーズまたは魚のような製品の場合において、オリーブオイルに浸してから数時間後には、検出されるバクテリアの数は実質的にゼロである。
【0017】
驚くべきことに、オリーブオイルを用いて、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを低減/除去することが可能であるということが明らかにされた。
【0018】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品の調製においてオリーブオイルを用いることに関する。
【0019】
本明細書中で用いられる意味において、「口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減する」という表現は、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアが、(i)歯科疾患の発生を引き起こさないレベルまで、または(ii)口臭が気付かれるのに十分な量(一般的に、前記VSCが75ppb)でのVSCの放出を引き起こさないレベルまで、全面的または部分的に減少することを意味する。
【0020】
オリーブオイルは、オリーブの木(Olea europea L.)の果実であるオリーブを圧搾することによって得られる市販の製品である。口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品のなかに存在し得るオリーブオイルとは、どのようなオリーブオイルであってもよく、例えば、バージンオリーブオイル、精製オリーブオイル、およびオリーブオイル(最大酸度が1°であって、過酸化指数が15未満、好ましくは、10未満である、バージンオリーブオイルと精製オリーブオイルをブレンドしたもの)のような市販のオリーブオイルであってもよい。
【0021】
口内衛生製品は、口内洗浄および/または殺菌消毒に用いることが可能なあらゆる製品であってもよいだけでなく、例えば、練り歯磨き粉、洗口液、経口噴霧吸入器、チューインガムなどのようなあらゆる形態をとることが可能である。
【0022】
本発明を開発するにあたって、不可欠なことは、歯科疾患およびVSCの生成の原因である微生物の特性を分析することであった。
【0023】
バクテリアによるプラークに含まれる最も頻繁に分離された微生物を分析することにより、数多くの親油性微生物が存在することが明らかにされたが、このような微生物は、脂質または脂質に対する親和性を有する物質を多く含む細胞外被(cellular coat)を有する微生物、例えば、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、アクチノミセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)、アクチノミセス・ネスランディ(Actinomyces naeslundii)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、ストレプトコッカス・サリバリュース(Streptococcus salivarus)、ストレプトコッカス・サングイス(Streptococcus sanguis)、およびストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)であるということが分かった。このなかには、VSCの生成および歯周炎の原因となるものもある一方で、主に、ミュータンス菌(S. mutans)であるが、虫歯の発生の原因となるものもある。
【0024】
また、歯周病と関連性のあるバクテリアの種類を特定することは、その疾患についての診断および追跡のための主要な側面である。最も頻繁に関連づけられる歯周病の病原菌には、ポルフィロモナス・ジンジバリス、プレボテラ・インテルメディア(Prevotella intermedia)、アクチノバチルス・アクチノミセテム−コミタンス(Actinobacillus actinomycetem comitans)、フソバクテリウム・ヌクレアトゥム(Fusobacterium nucleatum)、オイコネラ・コロデンス(Eikenella corrodens)、バクテロイデス・フロシサス(Bacteroides frosythus)、キャプノサイトファーガ属菌(Capnocytophaga spp.)などがある。簡単に述べると、以下のように関連づけられる。
【0025】
成人の歯周炎と関連性があるものとして: アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、バクテロイデス・フロシサス、プレボテラ・インテルメディア、およびオイコネラ・コロデンス。
【0026】
前思春期性歯周炎と関連性があるものとして: アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、およびキャプノサイトファーガ属菌。
【0027】
若年性歯周炎と関連性があるものとして: アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、およびプレボテラ・インテルメディア。
【0028】
急速進行性歯周炎と関連性があるものとして: アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、オイコネラ・コロデンス、およびバクテロイデス・フロシサス。
【0029】
歯周病の原因として前述したバクテリアに共通する特性は、クリスタルバイオレットによる染色にかけられた場合にグラム陰性(グラム(−))細菌であるということである。
【0030】
様々な製品について行われた数多くの試験によって明らかにされたことであるが、驚くべきことに、オリーブオイルは、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを低減/除去するのに特に適した製品であった。これらのバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアのうちのあるものは、虫歯の穴の発生原因であり、また他のものは、VSC生成の原因である。このようにして、VSCの生成による口臭が減少するだけでなく、歯肉炎および歯周炎の発生および虫歯が減少することによる歯の健康において著しい改善が達成される。
【0031】
種々の試験によって明らかにされたことであるが、オリーブオイルは、オリーブオイルの含有量が平均的な、一般的に、組成全体に対して1〜60重量%の口内衛生製品の組成において静菌剤として、あるいは、オリーブオイルの含有量が高い、一般的に、組成全体に対して15〜70重量%の口内衛生製品の組成において殺菌剤として機能することが可能である。一定の濃度において、オリーブオイルが静菌剤あるいは殺菌剤として良好に機能することが可能であるということが確認できる。
【0032】
オリーブオイルの並はずれた驚異的な機能に対する驚きがあったが、これが、口腔内および/またはバクテリアによるプラーク中に存在するバクテリアの個体数を全面的または部分的に減少させるという本発明に係る本質的な目的を構成する。これらのバクテリアは、基本的に、嫌気性グラム陰性細菌、すなわち歯科疾患および口臭の発生の原因となる微生物である。
【0033】
いずれか特定の理論に結び付けられるという要請はないが、グラム(−)細菌の細胞壁の脂質含有量が高いことで、その細胞壁は、疎水性を帯びるとともに、脂質媒体において溶解することが可能となっていると考えられる。これを根拠に、なぜ、油を多く含む媒体が、水溶性媒体と比べて、グラム(−)細菌を除去する際に、より効果的であるのかについて説明がつくであろう。グラム(−)細菌は、水溶性媒体である唾液に対してよりもオリーブオイルに対しての親和性が高く、これにより、オリーブオイルに付着したり閉じこめられたりするであろうということに加えて、口をゆすぐことによって、これとともに除去されるであろうということが考えられる。
【0034】
口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するための口内衛生製品の調製においてオリーブオイルを用いることにより、例えば、次のような、数多くの利点がもたらされる。
・ 口腔および歯に係る、研磨剤によらない好適な洗浄により親油性微生物に対処する。
・ 歯周の健康における顕著な改善(虫歯の穴、歯肉炎の減少、および歯周炎の改善)を伴って、歯肉縁上および歯肉縁下の両方においてバクテリアによるプラークの絶対量を減少させる。
・ VSCを生成する微生物から生じるVSCの量を減少させることによって、口臭の発生を減少させる。このために、これらの微生物を遮断したり不活性化したり、および/または、生成微生物によって一旦放出されたVSCを中和したりする。この結果、それらは、臭いによって検知されない。
【0035】
また、本発明は、口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去/低減するのに適する口内衛生製品を提供する。これは、オリーブオイルを含むが、以下、本発明に係る口内衛生のための製品と称することとする。オリーブオイルは、本発明に係る口内衛生のための製品において、その製品全体に対して、1〜70重量%の間の量で含まれていることが望ましい。
【0036】
本発明に係る口内衛生のための製品は、例えば、練り歯磨き粉、洗口液、経口噴霧吸入器、チューインガムなどのようなあらゆる形態をとることが可能であり、その組成においては、各形態に相応しい成分、添加剤、および賦形剤(溶剤)を含むことになる。
【0037】
実例として、本発明に係る口内衛生のための製品が練り歯磨き粉の形で与えられる場合において、これは、オリーブオイルに加えて、この製品に何らかの特別な特性を提供するその他の化合物を、相応しい賦形剤(溶剤)および添加剤とともに含むことが可能である。例えば、フッ素源、研磨剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、香料、調味料、保存料、着色料、増白剤などが含まれる。
【0038】
研磨剤つまり磨き粉が、研ぎ剤として用いられる結果として、エナメル質または時として歯の表面にむき出しになっている象牙質を傷つけることなく、ブラシの動きとともに、付着している残りかすが除去される。従来、例えば、炭酸カルシウム、ピロリン酸四カルシウム(tetra calcium pyrophosphate)、リン酸二カルシウム、オルトリン酸カルシウム、メタリン酸カルシウムのようなカルシウム塩、または、例えば、メタリン酸ナトリウムのようなナトリウム塩が用いられてきた。とりわけ、カルシウム塩とフッ素化合物の間に生じる不適合のために、現在では、その他の研磨剤が用いられているが、このなかには一定の形のシリカも含まれる。従来、合成されたシリカおよびケイ酸塩が用いられてきたが、これらは、熱分解プロセス(pyrogenic process)またはゲル化プロセス(gelification process)という、2つの異なる方法で得られていた。熱分解法によって得られたシリカは、増粘特性を有するにすぎないが、ゲル化されたものは、増粘剤としてとともに磨き粉としても機能した。但し、技術的な制約のため、それらの製品は、あまり融通のきくものではないということが分かった。今までにない析出(precipitated)させられたシリカおよびケイ酸塩の出現によって、CST(Controlled Structure Technology:構造制御技術)によってこれらのシリカの構造を正確に制御することが可能になってきた。これは、結果として、増粘剤および研磨剤としての多機能性を提供するシリカの広範な利用可能性につながる。
【0039】
界面活性剤は、所望の泡立ちの度合いに応じて調節可能な濃度で用いられる。一般には、組成全体に対しておよそ0.5〜2重量%で用いられるが、これは、ある限度を超えると、歯周病の発生および進行の一因となるからである。よく用いられるものには、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、およびテゴ・ベタイン(tego betaines)がある。
【0040】
保湿剤は、練り歯磨き粉に含まれる必須の成分であり、その役割は、その調製において初期の粘度を保持して、チューブの中で硬化しないようにすると同時に、洗浄水のなかに練り歯磨き粉が混和するのを助ける。このとき、よく用いられる保湿剤としては、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールがある。
【0041】
増粘剤は、親水性コロイドであり、練り歯磨き粉におけるその目的は、液体成分と固体が分離しないようにする点にある。増粘剤の具体例としては、トラガカントガム、キサンタンガム、アラビアガムなどのガム類だけでなく、カラギーン(カラギナン)、および寒天がある。
【0042】
練り歯磨き粉の使用後に口の中に残る香りおよび風味は、非常に重要な2つの特性であり、それゆえに、練り歯磨き粉の中で、その製造およびその後の保存および使用のあいだを通じて変わらないままであるということが不可欠である。法令で認められているものであれば、どんな香りを用いることも可能である。
【0043】
甘味料つまり調味料が重要であるのは、それによって、その調製に係る味が香りと調和するようになるからである。しばしば、例えば、グリセリン、ソルビトールのような保湿剤のために、練り歯磨き粉は、ほのかに甘みがあるが、これは、一般に、0.05〜0.25重量%濃度のナトリウムサッカリンによって強化される。
【0044】
通常、保湿剤および一定の粘液が微生物叢(フローラ)の形成に都合がよいので、その組成に保存料を加えることが必要である。用いられる保存料には、安息香酸誘導体、ホルムアルデヒド誘導体、およびフェノール誘導体がある。
【0045】
着色料としては、法令で認められているもののうちのいずれを用いることも可能である。
【0046】
また、練り歯磨き粉は、歯磨き剤のそれらの特徴に加えられる特性に応じて、その他の原料を含むことも可能である。具体例としては、ざらざらした表面に堆積したタンパク質を含む残りかすを最大限の注意を払って除去するという特性のために、例えば、パパインおよびキモパパインのようなタンパク質分解酵素を、洗浄剤および歯の増白剤として含むことも可能である。また、植物エキスを、歯肉および口腔組織のための美容および健康のために混和することも可能である。ビタミン、なかでも、例えば、ビタミンEのような抗酸化ビタミン、および、例えば、ビタミンB5のような傷ついた歯肉の再生に有効なその他のビタミンを、より完全なケアのために、その組成に含むことも可能である。同様に、口内の軟らかい組織または硬い組織に有益な作用を示すものであれば、どんな脂溶性ビタミンを、その組成に含むことも可能であろう。虫歯の穴の発生に対処するために、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなどのフッ素化合物を含むことも可能である。キシリトールは、その実証済みの虫歯予防特性のためだけでなく、それが、虫歯の穴を引き起こすバクテリアによって代謝(metabilised)されないということから、ますます練り歯磨き粉の組成に含められている。
【0047】
本発明によって提供される(オリーブオイル含有の)練り歯磨き粉の虫歯予防効果は、オリーブオイルによって虫歯の原因菌であるミュータンス菌(グラム(+))を除去することに基づいており、その組成に、キシリトール(天然の虫歯の原因とならない甘味料)を、一般に、組成全体に対して0.2〜40重量%の間の量で混入させたり、および/または、フッ化ナトリウム(溶解状態で完全に解離することから、最も有効なフッ素源である)を、一般に、組成全体に対して0.15〜0.33重量%の間の量で混入させたりすることによって向上させることが可能である。この場合、フッ化ナトリウムがカルシウム化合物の使用を許容しないことから、シリカ系の研磨剤を用いて、カルシウム化合物を避けることも可能であろう。
【0048】
本発明によって提供される練り歯磨き粉を用いて実現される、優れた研磨によらない洗浄作用は、例えば、フッ化ナトリウムまたはモノフルオロリン酸ナトリウムのような、採用されるフッ素源とは無関係であるが、この最後の場合においては、カルシウムを主成分とする研磨剤を用いることも可能であろう。代替的に、モノフルオロリン酸ナトリウムとフッ化ナトリウムをフッ素源として組み合わせて用いることも可能である。
【0049】
好適な実施の形態において、練り歯磨き粉の中に存在する研磨剤は、コンピュータを用いて生成される新世代のシリカであって、高度構造シリカ(high structure silicas)(CST)と呼ばれるものであるが、これは、油の吸収性が高いほど、研磨性が低く、また、より効果的な増粘/凝集力を有する。この新しい側面である高度構造シリカにおけるオリーブオイルの吸収能力は、界面活性剤を組成に含有することとともに、その組成が、固体であれ、半固体であれ、あるいは液体であれ、その組成における油の分散を促進する。
【0050】
本発明によって提供される練り歯磨き粉を例証する練り歯磨き粉は、以下の成分を有する。
【0051】
【0052】
例えば、練り歯磨き粉、洗口液、経口噴霧吸入器、チューインガムなどのような、本発明によって提供される異なる製品を、当業者に知られている従来の技術を用いて得ることも可能である。
【0053】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものとしてみなすべきではない。
【0054】
実施例1:オリーブオイルを含む練り歯磨き粉
表1に示す組成(1)および組成(2)を有する練り歯磨き粉を、従来の方法を用いて、異なる含有成分を適当な量で均質に混合することによって調製した。
【0055】
表1:オリーブオイルを含む練り歯磨き粉
【0056】
(a)緩衝剤は、例えば、クエン酸/クエン酸カリウムからなるもの、または、リン酸一カリウム/ピロリン酸四カリウムからなるもの、あるいは、その他のものであっても、練り歯磨き粉の組成において用いられるものであれば何であってもよい。
(b)ガムは、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーン(カラギナン)、またはセルロースガムであってもよい。
(c)保存料は、ジアゾリジニル尿素(diazolidinyl urea)、イミダゾリジニル尿素(imidazolidinyl urea)、安息香酸、およびその塩であってもよい。
(d)Olivem(登録商標)300(PEG−7オリーブオイル、発売元:Quimibio)、PEG−40水添ヒマシ油、およびテゴベタインCAPB(Goldsmith)
【0057】
実施例2:オリーブオイルを含む洗口液
表2に示す組成を有する洗口液(1)および(2)を、従来の技術を用いて、異なる含有成分を適当な量で均質に混合することによって調製した。
【0058】
表2:オリーブオイルを含む洗口液
【0059】
(a)緩衝剤は、例えば、クエン酸/クエン酸カリウムからなるもの、または、リン酸一カリウム/ピロリン酸四カリウムからなるもの、あるいは、その他のものであっても、練り歯磨き粉の組成において用いられるものであれば何であってもよい。
(b)保存料は、ジアゾリジニル尿素、イミダゾリジニル尿素、安息香酸、およびその塩であってもよい。
(c)Olivem(登録商標)300、PEG−40水添ヒマシ油、CAPB
【0060】
実施例3:オリーブオイルを含有する練り歯磨き粉の殺菌効果に関する試験
この試験は、オリーブオイルを含有する練り歯磨き粉の殺菌効果を測定するために行われた。この試験を実施するに際して、準拠する基準は、D.G.H.M.v.01.01.81 2.2を適宜応用したものとした。
【0061】
試験された微生物は、黄色ブドウ球菌(ATCC 6538)および鵞口瘡カンジダ菌(ATCC 102318)であった。
【0062】
微生物の懸濁液を、トリプチケースソイブロス(TSB:Trypticase Soy Broth)における38℃24時間の培養により調製した。1ml当たりのコロニー形成単位(CFU:Colony−Forming Units)数が十分であること(108−109)は、該当する10倍希釈液を抽出して、トリプチケースソイ寒天培地(TSA:Trypticase Soy Agar)において48時間37℃で培養することによって確認された。
【0063】
微生物の懸濁液0.1mlを、例えば、実施例1において示した練り歯磨き粉のような試験対象サンプル10mlと均質に混ぜ合わせた。接触時間0.5分、1分、2分、および5分の経過後に、サンプル/接種材料混合物を、0.1mlずつ取り出して、10mlのTSBにおいて37℃で72時間の二次培養を行った。測定値(+)は、「混濁」(成長あり)を示す一方で、測定値(−)は、「混濁なし」(成長なし)を示す。
【0064】
最終的に成長が抑制されていることを調べたり証明したりするために、混濁を呈さなかった試験管全てに対して、微生物の懸濁液(0.1ml、TSB中、102−103)を再接種した。そのあと24時間を経過して混濁が発生しなかった場合は、不活性化が不十分であっただけでなく、試験が、別の媒体あるいは不活性化形態で繰り返されることになることから、試験中のサンプルは、引き続き活性状態で存在していた。
【0065】
表3に、異なるサンプルについて実施された試験において得られた結果を示す。
【0066】
表3:オリーブオイルを含有する練り歯磨き粉の殺菌作用
【表3】
(+):抑制剤の有効な作用に伴う試験条件下における混濁(プラス成長)
【0067】
ここで得られた結果により、被験サンプルの殺菌機能が明らかにされた。
【0068】
実施例4:プラーク指数および歯肉炎指数に関する臨床評価研究
この試験は、バクテリアによるプラークを除去する際における有効性と同時に、歯肉炎の最初の症状である傷口からの出血を減少させる際における有効性を評価するために行われた。
【0069】
60人の個人が選ばれたが、彼らは、3つの小グループに20人ずつ無作為に分けられた。第1の小グループ(グループI)は、歯を磨くのに水を用いるように求められた。第2の小グループ(グループII)は、歯磨きにオリーブオイル(100%)を用いることとされた。第3の小グループ(グループIII)は、歯磨きにヒマワリ油(100%)を用いることとされた(別種の油の代表例として)。
【0070】
個々人は、4日間、口内衛生に係る手段を何も使用しないまま過ごし、その後、1日3回、毎回3分間、15日間にわたって、各グループに応じた歯磨きをするように指示を受けた。その期間が経過し終えると、テュレスキ(Turesky)法(エリトロシン(erythrosine)によって染色することで、Quigley−Hein指数を改良したもの)に従って、プラーク指数に係る測定が行われた。
【0071】
また、歯肉からの出血(gingival haemorrhage)が歯肉炎の最初の症状であるということに基づいて、傷口出血指数に係る測定が行われた。評価は、歯周プローブを用いて行われて、以下のように判定された。
0:出血なし
1:出血
2:出血+赤み
3:出血+赤み+腫れ
4:出血+赤み+浮腫
5:自然出血+赤み+浮腫
【0072】
ここで得られた結果により、オリーブオイルを用いたグループIIが、水またはヒマワリ油を用いた各グループと比べて、より低い出血指数およびより多くのバクテリアによるプラークの除去を達成したということが、統計上有意に明らかにされた。この結果により、170%の改善が実証された上に、オリーブオイルが、プラークの完全除去を実現するとともに、歯周病理学上の最初の症状としての歯肉炎に対処するために確かに好適な物質であるということが明らかにされた。
【0073】
実施例5:歯肉縁上におけるバクテリアによるプラークを除去する際の有効性に関する臨床研究
【0074】
この試験は、歯肉縁上におけるバクテリアによるプラークを除去する際の有効性を評価するために行われた。
【0075】
被験者40人のグループの中から無作為に選び出して、彼らを2つの小グループに分けた。彼らは、口内衛生に関する習慣について、主に、バス法によるブラッシングを、3分間、1日2回、さらに、水でゆすいだ後に、特定の洗口液でゆすぐように指示された。
【0076】
グループA(20人)は、次のものを用いた。
・フッ化ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムを界面活性剤として含む市販の家庭用練り歯磨き粉、および
・アルコールを含むリステリン(登録商標)洗口液。
【0077】
グループB(20人)は、同様のやり方を指示されたが、上記のものの代わりに以下のものを用いた。
・オリーブオイルおよびフッ化ナトリウムを特別に配合した練り歯磨き粉(実施例1、表1、組成1)、および
・オリーブオイルおよび界面活性剤を特別に配合した洗口液(溶液、あるいは水分散液)(実施例2、表2、組成1)。
【0078】
両グループとも、3日間は、いかなる形の口内衛生も行わないように指示された。その後(1日目)、各グループは、上記の手順に従い始めた。
【0079】
15日目に、新しいプラークの量に係る測定が行われた。このとき、プラークは、切歯、犬歯、および小臼歯について(前庭における歯肉縁および切縁の間)、および歯間腔について、キューレットを用いて採取された。
【0080】
バクテリアによるプラークの採取には、各被験者について、10分間という共通の継続時間が費やされた。
【0081】
試験者は、2グループの製品のどちらが、各被験者に割り当てられていたのかについて知らなかった。
【0082】
最終的な結果により、フッ化ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムを界面活性剤として含む従来の練り歯磨き粉の場合(プラーク減少が60%)との比較において、オリーブオイルを含む練り歯磨き粉および洗口液を用いた被験者のグループでは、プラークの量について統計上有意であってより多くの減少(97%)が明らかにされた。
Claims (6)
- 口腔内に存在するバクテリアによるプラークおよび/またはバクテリアを除去または低減するための口内衛生製品の調製におけるオリーブオイルの用途。
- 前記口内衛生製品が、練り歯磨き粉、洗口液、経口噴霧吸入器、およびチューインガムのなかから選択される請求項1に記載の用途。
- 前記口内衛生製品が、練り歯磨き粉である請求項2に記載の用途。
- 前記練り歯磨き粉が、フッ素源も含む請求項3に記載の用途。
- 前記フッ素源が、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、およびそれらの混合物のなかから選択される請求項4に記載の用途。
- 前記練り歯磨き粉が、キシリトールも含む請求項3に記載の用途。
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