JP2004509199A - シトラコンイミド−アルコキシシランをカップリング剤として含むタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
(技術分野)
本発明は、タイヤまたはタイヤ用半製品の製造、とりわけタイヤ用のトレッド類を意図する無機充填剤で補強したジエンゴム組成物に関する。
【0002】
充填剤によって与えられる最適の補強特性を得るためには、充填剤を、エラストマーマトリックス中に、可能な限り微分割し且つ可能な限り均質に分布させるような両方の最終形で存在させなければならないことは、一般に知られている。現在のところ、そのような条件は、充填剤が先ず第1にエラストマーとの混合中にエラストマーマトリックス中に混入して離解し且つ第2にエラストマー中に均質に分散するという極めて良好な能力を有する限りにおいてのみしか、得ることはできない。
カーボンブラックがそのような能力を有することは十分に知られているが、このことは無機充填剤には一般に当てはまらない。何故ならば、無機充填剤粒子は、相互に引付け合うために、エラストマーマトリックス内で一緒に凝集するという刺激的な性向を有するからである。これらの相互作用は、無機充填剤の分散性、従って、補強特性を、混合操作中に生じ得る(無機充填剤/エラストマー)結合のすべてが実際に得られたと想定した場合の理論的に達成できたであろうレベルよりも実質的に低いレベルに制約するという有害な結果を有する;これらの相互作用は、さらにまた、未硬化状態のゴム組成物のコンシステンシーを増大させる傾向を有し、従って、それらのゴム組成物の加工(“加工性”)をカーボンブラックの存在におけるよりも困難にしている。
しかしながら、燃料経済性および環境保護の必要性が優先事項となってきていることから、耐摩耗性に悪影響を及ぼすことなく低減された転がり抵抗性を有するタイヤを製造する必要性が明白となっている。このことは、“補強用”充填剤と称する特定の無機充填剤で補強した新しいゴム組成物の発見に基づきとりわけ可能となってきており、これらの充填剤は、補強の見地から、通常のカーボンブラックと拮抗し、さらにまた、ゴム組成物に、そのゴム組成物を含むタイヤにおける低転がり抵抗性と同義である低ヒステリシスを与え得る。
【0003】
珪質またはアルミ質タイプの補強用無機充填剤を含むそのようなゴム組成物は、例えば、特許および特許出願 EP−A−0501227号(または米国特許第5227425号)、EP−A−0735088号(または米国特許第5852099号)、EP−A−0810258号(または米国特許第5900449号)、EP−A−0881252号、WO 99/02590号、WO 99/02601号、WO 99/02602号、WO 99/28376号、WO 00/05300号およびWO 00/05301号に記載されている。
とりわけ、EP−A−0501227号、EP−A−0735088号またはEP−A−0881252号を挙げれば、これらの文献は、高分散性を有する沈降シリカで補強したジエンゴム組成物を開示しており、そのような組成物は、著しく改良された転がり抵抗性を有するトレッド類を、他の特性、とりわけ、グリップ特性、耐久性および耐摩耗性に悪影響を与えることなく製造することを可能にしている。相反する諸特性のそのような妥協点を有するそのような組成物は、特定のアルミ質(アルミナまたはアルミニウム酸化物−水酸化物)による出願EP−A−0810258号およびWO 99/28376号においても、或いは補強用タイプの特定の酸化チタン類を記載している出願WO 00/73372号およびWO 00/73373号においても記載されている。
これら特定の高分散性無機充填剤の補強用充填剤としての使用は、主要成分としてであろうがなかろうが、これら充填剤を含有するゴム組成物の加工の困難性を低減しているものの、そのようなゴム組成物も、まだ依然として、カーボンブラックを通常に充填したゴム組成物におけるよりも加工するのが困難である。
とりわけ、結合剤としても知られているカップリング剤を使用することを必要としており、カップリング剤の機能は、エラストマーマトリックス内での無機充填剤の分散を容易にしながら、無機充填剤粒子表面とジエンエラストマー間の結合を与えることである。
【0004】
(無機充填剤/エラストマー)“カップリング”剤なる用語は、無機充填剤とジエンエラストマー間で十分な化学的および/または物理的結合を確立することのできる薬剤を意味するものと、公知のとおり理解される;そのようなカップリング剤は、少なくとも2官能性であり、例えば、簡略した一般式“Y−W−X”を有し、式中、
Yは、無機充填剤と物理的および/または化学的に結合し得、そのような結合が、例えば、カップリング剤のシリコン原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカの場合の表面シラノール類)間で確立され得る官能基(官能基“Y”)を示し;
Xは、ジエンエラストマーと、例えば、イオウ原子により物理的および/または化学的に結合し得る官能基(“X”官能基)を示し;
Wは、YとXを結合させることのできる2価の基である。
上記カップリング剤は、無機充填剤に対して活性である官能Yを公知の形で含むがジエンエラストマーに対して活性である官能Xは含んでいない無機充填剤を被覆するための単純な薬剤とは、とりわけ混同すべきではない。
カップリング剤、とりわけ、(シリカ/ジエンエラストマー)カップリング剤は、多数の文献に記載されており、知られている最良ものは2官能性アルコキシシラン類である。
【0005】
即ち、特許出願FR−A−2094859号においては、メルカプトシランカップリング剤をタイヤトレッドの製造において使用することが提案された。メルカプトシラン類、とりわけ、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランまたはγ−メルカプトプロピルトリエトキシシランが優れたシリカ/エラストマーカップリング特性を与え得ること、しかし、これらのカップリング剤は、その−SH官能基の高反応性故に、工業的に使用できないことが直ぐに分り、今日では周知となっている。この高反応性は、密閉式ミキサー内でのゴム組成物の調製中に、早期の加硫を極めて急激に生じ、このことは、極めて高いムーニー可塑度値における、最終的には、工業的に加工しおよび処理することが実際に不可能であるゴム組成物における“スコーチ(scorching)”としても知られている。そのようなカップリング剤およびそのようなカップリング剤を含有するゴム組成物を工業的に使用できないことを例示するには、文献として、例えば、FR−A−2 206 330号および米国特許代4,002,594号を引用することができる。
この欠点を克服するために、これらのメルカプトシラン類をポリ硫化アルコキシシラン類、とりわけ、多くの特許または特許出願に記載されているようなビス−(C1〜C4)アルコキシシリルプロピルポリスルファイド類に置換えることが提案されてきた(例えば、FR−A−2206330号、米国特許第3842111号、米国特許第3873489号、米国特許第3978103号または米国特許第3997581号を参照されたい)。
これらのポリ硫化アルコキシシラン類は、今のところ、シリカを充填した加硫ゴム組成物において、スコーチに対する抵抗性、加工性および補強力の点で最良の妥協点を与えていると一般にみなされている。これらのポリスルファイド類のうちでは、ビス−3−トリエトキシシリルプロピルテトラスルファイド(TESPTと略記する)について触れておかねばばならない。このカップリング剤は、比較的費用高で殆どの場合比較的大量に使用しなければならないとしても、補強用無機充填剤をベースとするタイヤ用のゴム組成物において、現在では疑うことなく最も一般的に使用されているカップリング剤である。
【0006】
(発明の開示)
今回、予期に反して、研究の途中で、本出願人は、特異的活性化二重エチレン結合を有するある種の特定のアルコキシシラン類が、ポリ硫化アルコキシ類、とりわけTESPTと比較して、イソプレンエラストマー(天然ゴム、合成ポリイソプレンまたはイソプレンコポリマー)をベースとするタイヤ用のゴム組成物に改良された諸特性の妥協点と改良されたカップリング性能を与え得ることを見出した。これらの特定のアルコキシシラン類は、さらにまた、上述の早期スコーチの問題および未硬化状態のゴム組成物の過剰の粘度に基づく加工性の問題も有しない。これらの欠点は、とりわけメルカプトシラン類固有のものである。
活性化二重エチレン結合を有するアルコキシシラン類は、とりわけタイヤ用のゴム組成物において明らかにすでに開示されているが(例えば、JP−A−64−029385号、EP−A−0982311号参照)、これらのカップリング剤は、これまで常に過剰の反応性を示して上記メルカプトシラン類によって起っていたスコーチと粘度増大の問題を生ずるか或いはTESPTタイプのポリ硫化アルコキシシランのカップリング性能よりも如何なる場合も明らかに劣る不十分なカップリング性能を示していた。
従って、本発明の第1の主題は、少なくとも1種のイソプレンエラストマー、補強用充填剤としての無機充填剤および(無機充填剤/イソプレンエラストマー)カップリング剤をベースとするエラストマー組成物に関し、この組成物は、上記カップリング剤がシトラコンイミド−アルコキシシランであることを特徴とする。
本発明のもう1つの主題は、タイヤ類の製造またはそのようなタイヤ用の半製品の製造における本発明に従うエラストマー組成物の使用であり、これらの半製品は、トレッド類、例えばこれらトレッド類の下に置くことを意図する下地層、クラウンプライ類、側壁類、カーカスプライ類、ビード類、プロテクター類、内部チューブ類およびチューブレスタイヤ用の気密性内部ゴム類の中からとりわけ選ばれる。
【0007】
また、本発明の主題は、本発明に従うエラストマー組成物を含む場合の上記のタイヤ類および上記の半製品類自体でもあり、これらのタイヤ類は、とりわけ、バン類、“重量車両”(即ち、地下鉄列車、バス類、道路輸送車(トラック類、トラクター類、トレーラー類)、道路外車両(農業用機械または建設機械)、航空機、および他の輸送用または操作車両の中から選ばれる旅客車両および工業用車両用を意図することができる。
本発明は、とりわけ、そのようなタイヤとりわけ重量車両タイヤ用のトレッド類に関し、これらのトレッド類は、新しいタイヤの製造或いは磨耗タイヤの再キャッピングにおいて使用することができる;本発明の組成物により、これらのトレッド類は、次の特性のすべてを有する:低転がり抵抗性、極めて良好なグリップ性および高耐摩耗性。
また、本発明は、本発明に従う組成物の製造方法にも関し、その方法は、少なくとも1種のイソプレンエラストマーに、補強用充填剤としての少なくとも1種の無機充填剤とシトラコンイミド−アルコキシシランを混入すること;および混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することを特徴とする。
一方、本発明の主題は、イソプレンエラストマーを含み無機充填剤で補強したゴム組成物における(無機充填剤/イソプレンエラストマー)カップリング剤としてのそのようなシトラコンイミド−アルコキシシランの使用に関する。
最後に、本発明の主題は、エラストマー組成物において、無機充填剤とイソプレンエラストマーをカップリングさせる方法に関し、その方法は、少なくとも1種のイソプレンエラストマーに、補強用充填剤としての少なくとも1種の無機充填剤とシトラコンイミド−アルコキシシランを混入すること;および混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することを特徴とする。
【0008】
本発明およびその利点は、以下の実施態様の説明および実施例、並びにこれらの実施例に関連する添付図面に照らして容易に理解されるであろう。添付図面は、本発明に従うまたは従わない、種々のジエンゴム組成物における伸びの関数としてのモジュラス変化の曲線を示している。
I. 使用した測定法および試験法
本発明のゴム組成物を、以下に示すようにして、硬化の前後において特性決定する。
I−1. ムーニー可塑度
フレンチ スタンダード(French Standard) NF T43−005(1991年)に記載されているような振動(oscillating)稠度計を使用する。ムーニー可塑度は、次の原理に従って測定する:原組成物(即ち、硬化前)を100℃に加熱した円筒状の囲い内で成形する。1分間の予熱後、ローターが試験片内で2 rpmで回転し、この運動を維持するのに使用したトルクを4分の回転後に測定する。ムーニー可塑度(MS 1 + 4)は、“ムーニー単位”(MU、1MU = 0.83ニュートン.メートル)で表示する。
I−2 スコーチ時間
測定は、フレンチ スタンダードNF T43−005(1991年)に従って130℃で行う。時間の関数としての稠度測定係数の展開によって、パラメーターT5(大きいローターの場合)により上記スタンダードに従って評価し、分で表示し、この係数において測定した最低値よりも5単位高い稠度測定係数(MUで表示)の増加を得るのに必要な時間として定義したゴム組成物におけるスコーチ時間を測定することが可能である。
【0009】
I−3 引張試験
これらの試験は、弾性応力および破壊時の諸特性の測定を可能にする。特に断らない限り、これらの試験は、1988年9月のフレンチ スタンダードNF T 46−002に従って行う。10%伸び(M10)、100%伸び(M100)および300%伸び(M300)での公称割線モジュラス(または見掛け応力、MPaでの)を2回目の伸び(即ち、測定自体において使用した伸び量に対しての調節サイクル後)に測定する。破壊応力(MPaでの)および破壊時伸び(%での)も測定する。これらの引張測定は、すべて、フレンチ スタンダードNF T40−101 (1979年12月)に従う規定の温度および相対湿度条件で行う。
記録した引張データを処理することにより、伸びの関数としてのモジュラス曲線をトレースすることも可能となる(添付図面参照)。ここで使用するモジュラスは、1回目の伸びで測定し、試験片の真の横断面に対して換算して算出した、公称モジュラスにおける従来のような初期断面に対してではない真の割線モジュラスである。
I−4 動的特性
動的特性ΔG*およびtan(δ)maxは、ASTMスタンダードD 5992−96に従ってビスコアナライザー(Metravib VA4000)で測定する。スタンダードASTM D 1349−99に従って、交互の単シヌソイド剪断応力に規定温度条件(23℃)下、10 Hzの周波数で供した加硫組成物サンプル(厚さ4 mmと断面400 mm2の円筒状試験片)の応答を記録する。スキャンニングは、0.1から50%(外方向サイクル)、次いで50%から1%(戻りサイクル)の変形増幅で行う。使用する結果は、複素動的剪断モジュラス(G*)および損失係数tan(δ)である。戻りサイクルにおいては、観察するtanδの最高値(tan(δ)max)および0.15および50%変形での各値間の複素モジュラスの偏差(ΔG*)を示す(ペイネ(Payne)効果)。
【0010】
II. 本発明を実施する条件
本発明に従うゴム組成物は、少なくとも次の成分の各々をベースとする:(i) (少なくとも1種の)イソプレンエラストマー(以下、コンポーネントAと称す)、(ii)補強充填剤としての(少なくとも1種の)無機充填剤(以下、コンポーネントBと称す)、および(無機充填剤/イソプレンエラストマー)カップリング剤としての(少なくとも1種の)シトラコンイミド−アルコキシシラン(以下、コンポーネントCと称す)。
勿論、“ベースとする”組成物なる表現は、使用する上記各種成分の現場反応混合物および/または生成物を含む組成物を意味するものと理解すべきであり、これらベース成分の幾つかは、本発明の組成物製造の種々の段階、とりわけその加硫中に、少なくとも部分的に一緒に反応する傾向を有するか或いは反応するように意図する。
【0011】
II−1 ジエンエラストマー ( コンポーネント A)
“ジエン”エラストマー(またはゴム)は、ジエンモノマー類、即ち、共役または共役でない2個の炭素−炭素二重結合を有するモノマー類から少なくとも1部生じたエラストマー(即ち、ホモポリマーまたはコポリマー)を一般に意味するものと理解されたい。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーは、本明細書においては、共役ジエンモノマー類から少なくとも1部得られ、ジエン起源(共役ジエン類)の1員または単位の含有量が15%(モル%)よりも多いジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。“本質的に不飽和”のジエンエラストマーのカテゴリーにおいては、“高不飽和”ジエンエラストマーは、とりわけ、50%よりも多いジエン起源(共役ジエン類)の単位含有量を有するジエンエラストマーを意味するものと理解されたい。
これらの一般的定義により、本出願においては、“イソプレンエラストマー”は、イソプレンホモポリマーまたはコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマーおよびこれらエラストマーの混合物からなる群から選ばれるジエンエラストマーを、公知のとおり、意味するものと理解されたい。イソプレンコポリマーについては、とりわけ、イソブテン−イソプレンコポリマー(ブチルゴム−IIR)、イソプレン−スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン−ブタジエンコポリマー(BIR)、またはイソプレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SBIR)が挙げられる。
【0012】
このイソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴムまたはシス−1,4タイプの合成ポリイソプレンである。これらの合成ポリイソプレンのうちでは、好ましくは90%も多い、より好ましくは98%よりも多いシス−1,4結合含有量(モル%)を有するポリイソプレン類を使用する。
上記のイソプレンエラストマーを含むブレンドにおいては、本発明の組成物は、小割合(即ち、50質量%未満)または大割合(即ち、50質量%よりも多い)のイソプレンエラストマー以外のジエンエラストマーも、意図する用途によっては含有し得る。これらイソプレンエラストマー以外のジエンエラストマーは、非ジエンエラストマーも、或いはエラストマー以外のポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーでさえも含み得る。
イソプレンエラストマー以外のそのようなジエンエラストマーとしては、とりわけ、ポリブタジエン(BR)類、ブタジエンコポリマー類とりわけスチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)類、およびこれら種々のエラストマーの混合物からなる群から選ばれた任意の高不飽和ジエンエラストマーが挙げられる。
イソプレンエラストマー以外のそのようなジエンエラストマーを使用する場合、タイヤ技術における熟練者であれば、上述のシトラコンイミド−アルコキシシラン以外のカップリング剤、とりわけポリ硫化アルコキシシラン類も、そのような場合に、これらの補足的ジエンエラストマーをカップリングさせるのに有利に使用し得ることは容易に理解するであろう。
【0013】
本発明によって提供されるカップリングの改良は、主として(即ち、50質量%より多い)、ポリイソプレン、即ち、天然ゴムまたは合成イソプレンから調製したエラストマーベースを含むゴム組成物において、とりわけ注目に値する。
本発明に従う組成物は、とりわけ、新しいまたは使用済み(再キャッピングの場合)のタイヤにおいて、とりわけ重量車両タイヤ用のトレッドにおいてに使用する。
そのような場合、本発明の最良に知られた実施態様は、イソプレンエラストマーとして、ポリイソプレン、より好ましくは天然ゴムを単独で使用することからなる。そのような条件により、転がり抵抗性および耐摩耗性の点で最良の性能が観察されるであろう。
しかしながら、タイヤ技術における熟練者であれば、イソプレンエラストマーとりわけ天然ゴムと、他のジエンエラストマーとりわけSBRおよび/またはBRとの各種ブレンドも、例えば、トレッド以外の各種タイヤ部品用に、例えば、旅客用車両、バン類または重量車両用のタイヤの側壁またはプロテクターにおいて使用できる本発明のゴム組成物において、これらのブレンドが小割合または大割合のイソプレンエラストマーを含む場合のいずれであっても、使用可能であることは理解し得るであろう。
【0014】
II−2 補強用充填剤 ( コンポーネント B)
補強用充填剤として使用する白色または無機充填剤は、補強用充填剤全体の全部またはほんの1部を構成し得、後者の場合、例えば、カーボンブラックと併用し得る。
好ましくは、本発明に従うゴム組成物においては、補強用無機充填剤は、補強用充填剤全体の大割合、即ち、50質量%よりも多く、より好ましくは補強用充填剤全体の80質量%よりも多くを構成する。
本出願においては、“補強用無機充填剤”は、その色合いおよび起原(天然または合成)の如何にかかわらず、カーボンブラックに対比しての“白色”充填剤、時には“透明”充填剤とも称される無機または鉱物充填剤を意味するものと、公知のとおり、理解されたい。この無機充填剤は、それ自体で、中間カップリング剤以外の手段に何らよることなく、タイヤの製造用に意図されるゴム組成物を補強し得、換言すれば、通常のタイヤ級カーボンブラック充填剤とその補強機能において置き換わり得る。
好ましくは、上記補強用無機充填剤は、珪質タイプの鉱物充填剤、とりわけシリカ(SiO2);アルミ質タイプの鉱物充填剤、とりわけアルミナ(Al2O3)もしくはアルミニウムオキシヒドロキサイド;またはこれら種々の充填剤の混合物である。
【0015】
使用するシリカは、当業者にとって公知の任意の補強用シリカ、とりわけ、各々450 m2/g未満、好ましくは30〜400 m2/gであるBET表面積と比CTAB表面積を有する任意の沈降または熱分解法シリカであり得る。高分散性沈降シリカ(“HD”と称する)が、とりわけ、本発明を低転がり抵抗性を有するタイヤの製造において応用する場合に好ましい;“高分散性シリカ”は、エラストマーマトリックス中で離解し且つ分散する実質的な能力を有する任意のシリカを意味するものと公知のとおり理解され、その能力は、電子または光学顕微鏡によって薄い切片上で公知の方法により観察できる。
そのような好ましい高分散性シリカの非限定的な例としては、Degussa社からのシリカUltrasil 7000;Rhodia Chimie社からのシリカZeosil 1165 MPおよび1115 MP;PPG社からのシリカHi−Sil 2000;Huber社からのシリカZeopol 8715または8745;および前述の出願EP−A−735088号に記載されている、例えば、アルミニウム−“ドープ化”シリカのような処理沈降シリカが挙げられる。
好ましく使用し得る補強用アルミナは、前述の出願EP−A−810258号に記載されているような、30〜400 m2/g、より好ましくは60〜250 m2/gのBET表面積、および最大で500 nmに等しい、より好ましくは最大で200 nmに等しい平均粒度を有する高分散性アルミナである。そのような補強用アルミナの非限定的な例は、とりわけ、アルミナ類“Baikalox”“A125”、“CR125”、“D65CR”(Baikowski社);APA−100RDX (Condea社);Aluminoxid C (Degussa社)またはAKP−G015 (Sumitomo Chemicals社)である。
本発明のゴム組成物において使用し得る補強用無機充填剤の他の例としては、出願WO 99/28376号、WO 00/73372号、WO 00/73373号に記載されているアルミニウム(オキサイド)ヒドロキサイド類または特定の酸化チタン類も挙げることができる。
【0016】
補強用無機充填剤が存在する物理的状態は、粉末、マイクロビード、顆粒、球体または任意の他の濃密形のいずれであれ、重要なことではない。勿論、“補強用無機充填剤”は、種々の補強用無機充填剤、とりわけ上述したような高分散性珪質および/またはアルミ質充填剤の混合物も意味するものと理解されたい。
本発明のゴム組成物をタイヤ用のトレッドとして使用する場合、使用する補強用無機充填剤は、とりわけシリカである場合、好ましくは60〜250 m2/g、より好ましくは80〜200 m2/gのBET表面積を有する。
補強用無機充填剤は、カーボンブラックとのブレンド(混合物)においても使用できる。適切なカーボンブラックは、あらゆるカーボンブラック、とりわけタイヤにおいて、とりわけタイヤ用のトレッドにおいて通常使用されているタイプHAF、ISAFおよびSAFのカーボンブラックである。そのようなカーボンブラックの非限定的な例としては、ブラックN115、N134、N234、N339、N347およびN375を挙げることができる。
補強用充填剤全体に存在するカーボンブラックの量は、広い範囲で変化し得るが、カーボンブラック量は、好ましくは、本発明のゴム組成物において存在する補強用無機充填剤の量よりも少ない。
【0017】
しかしながら、本発明に従う組成物においては、補強用無機充填剤に関して、小割合、好ましくは2〜20 phr (エラストマー即ちゴム100質量部当りの質量部)、より好ましくは5〜15 phr範囲の量でカーボンブラックを使用することが好ましい。これらの範囲内においては、カーボンブラックの着色特性(ブラック着色剤)および耐UV特性が、補強用無機充填剤によって与えられる典型的な性能、即ち、低ヒステリス(低減された転がり抵抗性)並びに湿地面および積雪もしくは氷結地面双方での高接地性にさらなる悪影響を及ぼすことなく、得られるという利点が存在する。
補強用充填剤全体(補強用無機充填剤+利用する場合のカーボンブラック)の量は、好ましくは10〜200 phr、より好ましくは20〜150 phr (エラストマー100質量部当りの質量部)であり、その最適量は、意図する用途に従って異なる;事実、例えば、自転車タイヤで期待される補強レベルは、連続して高速移動しがちなタイヤ、例えば、モーターサイクルタイヤ、旅客車両タイヤまたは重量車両のような公益車両タイヤにおいて要求される補強レベルよりも、公知のように、明らかに低い。
高速移動しがちであるタイヤ用のトレッドにおいては、補強用無機充填剤の量は、とりわけシリカである場合、好ましくは30〜120 phr、より好ましくは30〜100 phrである。
本発明に従う組成物中に存在する単独ジエンエラストマーがイソプレンエラストマーである場合、略号“phr”は、“phi”(イソプレンエラストマーの100質量部当りの質量部)に置換え得ることを理解されたい。
本明細書においては、BET比表面積は、“The Journal of the American Chemical Society”, vol. 60, page 309, February 1938に記載され、フレンチ スタンダードNF T 45−007(1987年11月)に相応するBrunauer、EmmettおよびTellerの方法に従う公知の方法で測定する;CTAB比表面積は、同じスタンダードNF T 45−007に従って測定した外部表面積である。
最後に、当業者であれば、この項において説明した補強用無機充填剤と等価の充填剤として、有機タイプの補強用充填剤、とりわけ、無機層(その1部は、公知のように、エラストマーに対する結合を与えるカップリング剤の使用を必要とする)で少なくとも1部被覆したタイヤ用のカーボンブラック(例えば、WO 99/28380号参照)も使用できることを理解し得るであろう。
【0018】
II−3. カップリング剤 ( コンポーネント C)
公知のとおり、前記ですでに説明したように、(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤は、本明細書において“Y”および“X”と称する少なくとも2個の官能基を有する化合物であり、一方で官能基Yによって補強用無機充填剤に、他方で官能基Xによってジエンエラストマーにグラフトさせることが可能である。
本発明のゴム組成物において使用するカップリング剤は、シトラコンイミド−アルコキシシランである。従って、このカップリング剤は、分子当り下記の官能基を含む少なくとも二官能性のオルガノシランである:
‐(i) 一方で、補強用無機充填剤上にグラフトし得るシリコン原子上の少なくとも1個のアルコキシル基(官能基“Y”);
‐(ii) 他方で、これが本発明の本質的な特徴である、イソプレンエラストマー上にグラフトし得る少なくとも1個のシトラコンイミド基(官能基“X”)。
そのようなシランは、公知のとおり、下記の一般式(I) (Me =メチル)に相応する:
【化1】
(式中、“a”は、1、2または3に等しく;R1は、シリコン原子との結合を与えることを意図する2価の基であり;R2およびR3は、1価の炭化水素基である)。
上記の式(I)において、このカップリング剤の官能基Xは、隣接カルボニル基(C=O)によって活性化された二重エチレン結合(C=C)の存在にとりわけ特徴を有する、基R1によってシリコン原子に固定されたシトラコンイミド官能基であることが理解できる。官能基Yは、シリコン原子に固定された1〜3個のアルコキシ基 (OR3)によって表されるアルコキシシリル官能基である。
【0019】
基R1は、置換されまたは置換されていないにしろ、好ましくは、1〜18個の炭素原子を含む飽和または不飽和の炭化水素基であり、この基R1は、O、SまたはNのような少なくとも1個のヘテロ原子によって炭化水素鎖内で遮断され得る。とりわけC1〜C18アルキレン基またはC6〜C12アリレン基、とりわけC1〜C10アルキレン、とりわけC2〜C4アルキレン、とりわけプロピレンが適している。
R2およびR3は、同一または異なる直鎖または枝分れ鎖であり得、好ましくは、1〜15個の炭素原子を含む。1〜15個の炭素原子を含むこれらの基R2およびR3は、より好ましくは、アルキル類、シクロアルキル類またはアリール類の中から、とりわけC1〜C6アルキル類、C5〜C8シクロアルキル類およびフェニル基の中から選ばれる。さらに好ましくは、R2およびR3は、とりわけメチルまたはエチルの中から選ばれるC1〜C3アルキルである。
換言すれば、本発明は、より好ましくは、シトラコンイミド−(C1〜C3)アルキル−(C1〜C3)アルコキシシラン、とりわけシトラコンイミド−プロピル−(C1〜C3)アルコキシシランによって実施され、そのアルコキシル基(1個以上)は、メトキシルまたはエトキシルの中から選ばれ、とりわけエトキシルである。
そのような化合物は、公知であり(例えば、EP−A−0982311号参照)、アミノアルキルアルコキシシランと無水シトラコン酸との無水有機溶媒(例えば、トルエン)、ルイス酸タイプの触媒(例えば、ZnCl2)およびヘキサメチルジシラザン(HMDS)のような環状化剤の存在下での反応による好ましい合成方法によって調製し得る。
【0020】
上述のシトラコンイミド−アルコキシシランが、イソプレンエラストマーとシリカのような補強用無機充填剤をカップリングさせるのに、それ独自で十分に有効であることを証明した。これに拘束されるものではないが、これらのシトラコンイミド−アルコキシシランは、とりわけジエンエラストマーがイソプレンエラストマー、とりわけ天然ゴムまたは合成シス−1,4−ポリイソプレンから専らなる場合に、本発明のゴム組成物における単独カップリング剤を有利に構成する。
【0021】
コンポーネントCの含有量は、好ましくは0.5 phiより多く、より好ましくは1〜15 phiである。この表示した最低量よりも低くては、効果リスクは不適切であり、一方、最高量より高くても、一般に、カップリングにおけるそれ以上の改良は観察されず、本発明の組成物のコストが増大する。これら種々の理由により、コンポーネントCの含有量は、より好ましくは2〜10 phiである。
当業者であれば、コンポーネントCのこの含有量を、意図する用途に応じて、とりわけ、本発明のゴム組成物において意図するタイヤの部品に応じて、イソプレンエラストマーの性質に応じて、さらに、使用する補強用無機充填剤の量に応じて調整できるであろう。勿論、ゴム組成物のコスト節減のために、できるだけ少なく、即ち、イソプレンエラストマーと補強用無機充填剤間の十分なカップリングにおいて正しく必要なものを使用することは望ましい。その有効性により、大多数の場合において、補強用無機充填剤量に対して0.5〜20質量%の好ましい量で上記シトラコンイミド−アルコキシシランを使用することが可能である;15%未満、とりわけ10%未満の量が、とりわけ好ましい。
上述のシトラコンイミド−アルコキシシランは、補強用無機充填剤上にとりわけシリカ上に、その1個以上のアルコキシ官能基よって事前にグラフトさせ、その後、このようにして予備カップリングさせた補強用無機充填剤を、その遊離シトラコンイミド官能基によってイソプレンエラストマーに結合させることができる。
【0022】
II−4 各種の添加剤
勿論、本発明に従うゴム組成物は、例えば、可塑剤;耐オゾン性ワックス、化学耐オゾン剤、酸化防止剤のような保護剤;疲労防止剤;接着促進剤;イオウ系、またはイオウおよび/またはパーオキサイドおよび/またはビスマレイミド供与体系のいずれかのような架橋系;加硫促進剤;加硫活性化剤等のようなイソプレンエラストマーを含みタイヤまたはタイヤトレッドの製造を意図するゴム組成物において通常使用される添加剤類のすべてまたは1部も含み得る。また、必要に応じて、通常の補強性の乏しいまたは非補強用の無機充填剤、例えば、クレー、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリンまたは通常の(非補強用)酸化チタン類の各粒子も上記補強用無機充填剤と一緒に使用し得る。
本発明に従うゴム組成物は、上述のシトラコンイミド−アルコキシシラン(コンポーネントC)以外に、補強用無機充填剤を被覆するための、例えば、単一官能基Yを含む薬剤、或いは、未硬化状態における加工能力を改善するための無機充填剤のゴムマトリックス中での分散性の改善およびゴム組成物の粘度低下用のより一般的な加工助剤も含有し得る。これら薬剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン類、とりわけ、例えばHuls社から商品名Dynasylan Octeoとして市販されている1−オクチル−トリエトキシシランまたはDegussa社から商品名Si216として市販されている1−ヘキサ−デシル−トリエトキシシランのようなアルキルトリエトキシシラン類;ポリオール類、ポリエーテル類(例えば、ポリエチレングリコール類)、第1級、第2級または第3級アミン類(例えば、トリアルカノールアミン類)、ヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサン類、例えば、α,ω−ジヒドロキシ−ポリオルガノシロキサン類(とりわけ、α,ω−ジヒドロキシ−ポリジメチルシロキサン類)である。
前述したように、本発明に従う組成物は、コンポーネントC以外のカップリング剤、例えば、ポリ硫化アルコキシシラン類も、本発明の組成物がイソプレンエラストマー以外に、例えば、SBRおよび/またはBRタイプの他のジエンエラストマーを含有し、その補強用無機充填剤へのカップリングをポリ硫化アルコキシシラン類のような通常のカップリング剤によって有利に行い得る場合に含有し得る。
【0023】
II−5. ゴム組成物の製造
本発明の組成物は、当業者にとって周知の2つの連続する調製段階、即ち、110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度(Tmax)までの高温で熱機械加工または混練する第1段階(時には、“非生産”段階と称する)、その後の、典型的には110℃よりも低い、例えば40℃〜100℃の低めの温度で機械加工し、この仕上げ段階において架橋または加硫系を混入する第2段階(時には、“生産”段階と称する)を使用して、適切なミキサー内で製造する;そのような各段階は、例えば、前述した出願EP−A−501227号、EP−A−0735088号、EP−A−0810258号、EP−A−0881252号、WO 99/28376号、WO 00/05300号およびWO 00/05301号に記載されている。
本発明に従う製造方法は、少なくともコンポーネントBとコンポーネントCを、第1のいわゆる非生産段階において、コンポーネントAに混練によって混入させること、即ち、少なくともこれらの異なるベース成分をミキサー内に導入し、1以上の工程で、110℃〜190℃、好ましくは130℃〜180℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することに特徴を有する。
【0024】
例えば、第1(非生産)段階は、単一の熱機械工程において実施し、その間に、必要なすべてのベース成分、加硫系を除いた任意の追加の被覆剤または加工剤および他の各種添加剤を通常の密閉式ミキサーのような適切なミキサーに導入する。第2段階の熱機械加工は、この密閉式ミキサー内で、混合物を落下させた後で且つ中間冷却した(好ましくは100℃よりも低い冷却温度)後に、組成物に補足的な熱処理を受けさせる目的で、とりわけ、補強用無機充填剤とそのカップリング剤とのエラストマーマトリックス内での分散をさらに改善するために加える。この非生産段階における総混練時間は、好ましくは2〜10分間である。
このようにして得られた混合物の冷却後に、加硫系を、低温で、一般的に開放ミルのような開放式ミキサー内で混入する;その後、組成物全体を数分間、例えば、5〜15分間混合する(生産段階)。
このようにして得られた最終組成物を、その後、例えば、フィルムまたはシートの形にカレンダー加工するか、或いは、押出加工して、例えば、トレッド、クラウンプライ、側壁、カーカスプライ、ビード、プロテクター、内部チューブまたはチューブレスタイヤ用の気密性内部ゴムのような半製品の製造に使用するゴム形状要素を形成させる。
【0025】
加硫(即ち、硬化)は、公知の方法で、一般的に130℃〜200℃の温度で、とりわけ硬化温度、使用する加硫系および当該組成物の加硫動力学に依存して或いはタイヤサイズに依存して変動し得る十分な時間、例えば、5〜90分間で実施する。
適切な加硫系は、好ましくは、イオウと一次加硫促進剤とりわけスルフェンアミドタイプの促進剤とをベースとする。この基礎加硫系に、上記第1非生産段階中および/または上記生産段階中に、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(とりわけ、ジフェニルグアニジン)等のような種々の公知の二次促進剤または加硫活性化剤を加え、混入する。イオウは、好ましくは0.5〜10 phr、より好ましくは0.5〜5.0 phr、例えば、本発明をタイヤトレッドに応用する場合の0.5〜3.0 phrの量で使用する。一次加硫促進剤は、とりわけ本発明をタイヤトレッドに応用する場合、好ましくは0.5〜10 phr、より好ましくは0.5〜5.0 phrの量で使用する。
本発明が“未硬化”状態(即ち、硬化前)および“硬化”即ち加硫状態(即ち、架橋または加硫後)双方の上述のゴム組成物に関することは、言うまでもないことである。
勿論、本発明に従う組成物は、単独で、或いはタイヤ製造において使用することのできる任意の他のゴム組成物とのブレンド(即ち、混合物)において使用することができる。
【0026】
(発明を実施するための最良の形態)
III. 本発明の実施例
III−1 カップリング剤の合成
下記の試験の必要のために、N−(プロピルトリエトキシシリル)シトラコンイミドを、J. Org. Chem., Vol. 62, No. 8, 2652−2654, 1997に記載されているようなN−アルキル−およびN−アリールイミド誘導体の合成方法を使用して、無水シトラコン酸の3−アミノプロピルトリエトキシシラン上での反応によって調製する。
合成等式は、下記のとおりである:
【化2】
さらに正確には、次の方法で操作する:先ず、200 mlのトルエン中に希釈した無水シトラコン酸(69.9ミリモル、即ち、6.4 mlまたは7.8 g)を、棒状磁石を備えコンデンサーを冠せた500 mlの三ツ口フラスコに導入する;120 mlのトルエン中に希釈した3−アミノプロピルトリエトキシシラン(69.9ミリモル、即ち、16.4 mlまたは15.4 g)を、滴下漏斗を使用し、滴下して上記溶液に加える。
周囲温度で5時間撹拌後、3−アミノプロピルトリエトキシシランの完全消失をGPC(ガス相クロマトグラフィー)により観察し、一方、生成したN−[プロピルトリエトキシシリル]シトラコン酸を高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により特性決定する。
その後、上記反応媒体に、9.5 gのZnCl2(これは懸濁して残存する)を1度に加え、水浴を80℃にすると同時に、120 mlのトルエン中に希釈した1.5当量(104.5ミリモル、即ち、22.6 mlまたは16.9g)のヘキサメチルジシラザン(HMDS)を、滴下漏斗により、約30分で加える。
2時間の加熱後、新たなピークの出現が、N−[プロピルトリエトキシシリル]シトラコン酸の消失につれて、HPLCおよびGPCにおいて認められる。その後、加熱を止め、撹拌を1夜続行する。反応媒体をフリットガラス上で濾過し、得られた濾液を揮発させる;ミクロフィルター上での濾過により、残留ZnCl2を除去することができ、痕跡量のHMDSは、大理石炉内での蒸留により除去する。
このようにして、19.6 gの粘稠なオレンジ色液体を得、そのプロトンおよびシリコンのNMR分析により、この液体が下記の式に相応することを明らかにする(反応収率:90%):
【化3】
比較試験の必要のために、別に、N−(プロピルトリエトキシシリル)マレイミドを、上記と同じ方法(モル量の違いを除く)で進行させて調製するが、無水シトラコン酸を無水マレイン酸に置き換える。
【0027】
III−2 ゴム組成物の調製
下記の試験においては、手順は次のとおりである:イソプレンエラストマー(または、応用可能な場合のジエンエラストマー混合物)、補強用充填剤、カップリング、次いで、加硫系を除いた各種の他の成分を密閉型ミキサーに導入し、70%まで満たす。ミキサーのタンク温度はおよそ60℃である。その後、熱機械加工(非生産段階)を、1回または2回の工程(約7分に等しい合計混練時間)で、約165℃の最高“落下”温度に達するまで行う。このようにして得られた混合物を回収し、冷却し、次いで、イオウとスルフェンアミドを開放型ミキサー(ホモ−フィニッシャー)に30℃で添加し、すべての成分を3〜4分間混合する(生産段階)。
その後、このようにして得られた組成物を、その物理的または機械的特性を測定するためのゴムシート(2〜3 mm厚)またはゴム薄膜の形にカレンダー加工するか、或いは押出加工して、所望寸法に切断および/または組み立てた後にタイヤ用の半製品として、とりわけ重量車両タイヤ用のトレッドとして直接使用できる形状要素を形成する。
下記の各試験においては、使用するイソプレンエラストマーは天然ゴムであり、補強用無機充填剤は、本発明に従う組成物において、30〜100 phrの好ましい量で使用する。一方、試験する組成物は、すべて、ブラック着色およびUV防止剤として使用した小割合のカーボンブラックN330 (約5〜6 phr)を含む(各結果表には示していない)。
【0028】
III−3 特性決定試験
A) 試験 1
この試験の目的は、下記の組成物と比較した、本発明に従う組成物の改良された(無機充填剤/イソプレンエラストマー)カップリング性能を示すことである:
‐通常のカップリング剤ポリ硫化アルコキシシラン(TESPT)を使用した従来技術の参照組成物;
‐カップリング剤として、これも隣接カルボニル基によって活性化された二重エチレン結合を含むアルコキシシラン、即ち、トリメトキシ−シリルプロピルメタクリレート(TMSPMと略記)を使用したもう1つの対照組成物。
TESPTは、式 [(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドであることを想い起されたい;これは、例えば、Degussa社から商品名“Si69”(または、カーボンブラック上に50質量%まで支持された場合の“X50S”)として、或いはWitco社から商品名“Silquest A1289”として市販されている(双方とも、nが4に近い平均値を有するポリスルフィドSnの市販混合物)。
TMSPTに関しては、例えば、Huls社から商品名“Dynasylan Memo”として市販されており、公知の下記の式に相応する(例えば、文献DE−A−4319142号または米国特許第5484848号参照):
【化4】
従って、本試験においては、重量車両タイヤ用のトレッドを意図する、天然ゴムをベースとしシリカで補強されたC−1〜C−3と表示する3つのゴム組成物を調製する。
これらの3つの組成物は、使用するカップリング剤を除いては同一である:
‐組成物C−1:TESPT;
‐組成物C−2:上記で合成したシトラコンイミド−アルコキシシラン(§III−1);
‐組成物C−3:TMSPM。
【0029】
試験する3つの組成物は、等モル量のシリコンにおいて使用する、即ち、試験する組成物の如何にかかわらず、シリカおよびそのヒドロキシル表面基に対して反応性である同じモル数のアルコキシシリル官能基を使用する。ポリイソプレンの質量に対しては、3試験例すべてにおいてシラン量は5 phi未満であり、この量は、補強用無機充填剤の量に対しては、10質量%未満を表す。
表1および2は、上記異なる各組成物の配合(表1: phrまたはphiで示した各種成分の量)、および硬化(150℃で約30分間)前後の組成物特性を示している;加硫系は、イオウおよびスルフェンアミドからなっている。添付図面1は、伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示している;これらの曲線はC1〜C3と表示されており、それぞれ、組成物C−1〜C−3に相応する。
表2および図1のこれら種々の結果の検証は、下記の観察に導いている:
‐スコーチ時間(T5)は、すべての試験例において十分に長く(20分よりも長い)、スコーチ問題に関しては、大きな安全限界を示している;
‐ムーニー可塑度は、組成物の如何にかかわらず、低いまま(最大で30 MUに等しい)であり、これは、未硬化状態で加工されるべき各組成物の極めて良好な性能の指標である;
‐硬化後、本発明に従う組成物(C−2)は高変形(M300)下での最高のモジュラス値と最高の比M300/M100を有し、これらの値は、無機充填剤によって与えられた補強品質の当業者に対する公知の指標である;
‐参照組成物C−1と比較すると、ヒステリシス特性は、低いΔG*によって具体的に示されているように、組成物C−2において実質的に改良されており、この低い特性は、低減された転がり抵抗性と同義である;
‐最後に、対照組成物C−3と比較すると、組成物C−2は、補強性とヒステリシスの点でより良好な諸特性の妥協点を示している。
本発明に従う組成物C−2のこの全体的に改良された挙動は、補強用無機充填剤とイソプレンエラストマー間の結合即ちカップリングの高品質を示唆している。
図1は、上記の観察を確証している:本発明の組成物(C−2)は、参照組成物C−1と比較して、最大伸び(300%以上)においてより大きい補強値を明白に示しており、また、組成物C−3と比較しても、伸びの如何にかかわらずいずれの場合も明白に良好な補強性を示している。
【0030】
B) 試験 2
この試験は、カップリング剤としてシトラコンイミド−アルコキシシランを含む本発明に従う組成物が、カップリング剤としてこれも隣接カルボニル基によって活性化された二重エチレン結合を含む異なるアルコキシシラン、即ち、マレイミド−アルコキシシランを使用した公知の組成物と比較して、諸特性の改良された妥協点を有することを示す。
この試験においては、天然ゴムをベースとしシリカで補強され、重量車両タイヤ用のトレッドを意図する2つのゴム組成物を調製する。これら2つの組成物は、使用するカップリング剤を除いて、同一の配合を有する。
‐組成物C−4:シトラコンイミド−トリエトキシシラン(4.7 phr);
‐組成物C−5:マレイミド−トリエトキシシラン (4.5 phr)。
マレイミド−トリエトキシシランは、下記の公知の式を有することを想い起されたい(詳細には、前述の出願JP64−029385号およびEP 0 982 311号参照):
【化5】
従って、上記式に対し、下記の式:
【化6】
を有するシトラコンイミド−トリエトキシシランは、二重エチレン結合上の水素原子に代るメチル基(CH3)の存在によってのみ異なる。
表3および4は、上記異なる各組成物の配合および硬化(150℃で約35分間)前後の組成物特性を示している。組成物C−4は、上記で試験した組成物C−2と同一である。上記2つのカップリング剤は、等モル量のトリエトキシシラン官能基にて使用している。ポリイソプレンの質量に対し、カップリング剤の量は、両試験例において5 phi未満であり、補強用無機充填剤量に対し10質量%未満である。
表4の異なる結果は、組成物C−4が、対照C−5に比較して、下記のような改良された妥協特性を有することを示している:
‐モジュラスM100、M300、比M300/M100および破壊応力の同様な値によって示されているように、実質的に等価である明らかなカップリング性能;
‐しかし、何にも増して、予想外の極めて明確なムーニー粘度の低減(42 MUの低下)。
換言すれば、シトラコンイミド−アルコキシシランは、上記試験1においてすでに示されているように、イソプレンエラストマーと無機充填剤間に優れた品質の結合を与えると共に、極めて類似した化学構造にもかかわらず、マレイミド−アルコキシシランと比較して極めて大きく改良された未硬化状態における加工性を提供している。
【0031】
C) 試験 3
この試験は、天然ゴムをベースとし、異なるタイプの補強用無機充填剤、この場合は、前述のEP−A−0810258号に記載されているような高分散性アルミナを含む組成物における本発明の有益な効果を示す。
試験する2つの組成物は、下記の違いを除いて同一である。
‐組成物C−6:TESPTカップリング剤 (4 phr);
‐組成物C−7:シトラコンイミド−アルコキシシラン (4.7 phr)。
組成物C−6は試験の対照であり、組成物C−7は本発明に従う組成物である。表5および6は、2つの組成物の配合および硬化前後の組成物特性を示す。図2は、伸び(%)の関数としてのモジュラス(MPa)の曲線を示し、これらの曲線はC6およびC7と表示され、それぞれ、組成物C−6およびC−7に相応する。
表6の結果は、再度、イソプレンマトリックスにおいて、通常のTESPTカップリング剤に比し、下記のようなシトラコンイミド−アルコキシシランの全体的優秀性を示している:
‐下記と組合さった等価の未硬化状態粘度、スコーチ抵抗性(T5)および破壊時特性;
‐曲線C6およびC7によって確認し得るように、改良されたカップリング性を明白に示すモジュラスM100、M300および比(M300/M100)の高い値(曲線C7は、伸びの如何にかかわらず、明らかに曲線C6の上に位置する)。
【0032】
D) 試験 4
この試験は、イソプレンエラストマーと組合せたときにとりわけ高性能を示すシトラコンイミド−アルコキシシランカップリング剤が、そのようなエラストマーの不存在下では、とりわけ、使用するジエンエラストマーが、例えば、旅客車タイヤ用のトレッドにおいて通常使用されるSBRのような合成エラストマーから全体的になる場合に、有効でないことを示す。
この試験においては、NRおよび/またはSBRエラストマーをベースとし、シリカで補強し、すべてカップリング剤としてシトラコンイミド−アルコキシシランを使用する3つの組成物を調製する。これらの組成物は、何よりも、使用する天然ゴムの量において下記のように異なる:
‐組成物C−8:100 phrのNR;
‐組成物C−9:50 phrのSBRを混合した50 phrのNR;
‐組成物C−10:100 phrのSBR。
従って、組成物C−8およびC−9のみが本発明に従い、対照組成物C−10はイソプレンエラストマーを含有しない。
【0033】
表7および8は、各組成物の配合および硬化前後の組成物特性を示す。シリカ量は、組成物C−9とC−10においては増大させて、公知のように、イソプレンエラストマーよりも高量の補強用無機充填剤を必要とするSBRジエンエラストマーの存在を許容させている。シトラコンイミド−アルコキシシランカップリング剤は、シリカ量に対して実質的に一定量(約9.5質量%)で使用する。
図3は、伸びの関数としてのモジュラスの曲線を示し、これらの曲線はC8〜C10と表示され、それぞれ、組成物C−8〜C−10に相応する。
表8の結果の検証は、対照組成物C−10 (SBR)が、本発明に従う組成物C−8 (NR)に比較し、可塑度の増大(試験したエラストマーの本質に基づき予期し得た)以外に、高変形M100、M300におけるモジュラス値の大きな低下による明白な劣化した硬化後特性を有することを示している。図3は、この結果を、伸びの如何にかかわらず曲線C10が曲線C8のはるか下に位置することによって確認している。
全く、これは、組成物C−10(イソプレンエラストマーを含まない)の場合におけるSBRジエンエラストマーと補強用無機充填剤間の不十分なカップリング性の当業者にとっての明白な指標である。
本発明に従う組成物C−9に関しては、この組成物が中間の補強特性を有し、一定量(50 phr)のイソプレンエラストマーの存在に基づき依然として満足し得るものであることに注目されたい(組成物C−8の値に近いモジュラスM100およびM300の値参照)。
【0034】
E) 試験 5
この最後の試験は、補強用無機充填剤用の被覆剤を本発明のシトラコンイミド−アルコキシシランカップリング剤と関連させた本発明のもう1つの好ましい実施態様を示す。
イソプレンマトリックス中での無機充填剤の分散をとりわけ改善することによって、イソプレンマトリックスは、カップリングの全体的有効性を増大させることができ、それによってカップリング性に悪影響を与えることなく、シトラコンイミド−アルコキシシラン量を低減させることが可能となる。この被覆剤は、好ましくはヒドロキシル化ポリオルガノシロキサン、とりわけα,ω−ジヒドロキシ−ポリオルガノシロキサンである。この被覆剤を、本発明に従う組成物中に、シトラコンイミド−アルコキシシランと同時に混入する(非生産段階)。
この試験においては、下記の差異を別にして、同一である2つの組成物を比較する:
・組成物C−11:TESPTカップリング剤 (4 phr);
・組成物C−12:シトラコンイミド−アルコキシシラン (3 phr) + 被覆剤 (1 phr)。
組成物C−11は、試験の対照であり、上記試験1の対照組成物C−1と同一である。本発明に従う組成物C−12は、上記試験1の組成物C−2と同一であるが、シトラコンイミド−アルコキシシランの量を、上記被覆剤の存在に基づき、40%近く減少させ(4.7 phrの代りに3 phr)、かくして、この量が、有利に、補強用無機充填剤量に対して8質量%未満(正確には、6質量%)を示す点で異なる。
表9および10は、上記各組成物の配合および硬化(150℃、25分間)前後の組成物特性を示す。
表10の結果の検証は、本発明に従う組成物C−12が、予想外に、カップリング剤量の大きな低減にもかかわらず、TESPTを使用した対照組成物C−11と比較して、下記のような全体的に改良された諸特性の妥協点を有することを示している:
‐両試験例における同等(および低い)ムーニー可塑度;
‐僅かに良好なスコーチに対する抵抗性(T5);
‐硬化後の等価の破壊時特性(応力および伸び);
‐ヒステリシス特性(tan(δ)maxおよびΔG*)に関する限りは、同等の妥協性;
‐最後に、僅かに高い高変形(M100、M300)時モジュラスと比M300/M100、このことは、より良好な補強性、従って、エラストマーと補強用無機充填剤間のより良好なカップリング性と同義である。
【0035】
(産業上の利用可能性)
要するに、イソプレンエラストマーと補強用無機充填剤をベースとする本発明に従う組成物において使用したアルコキシシランは、本発明に従う組成物に、低ヒステリシスと一緒に加硫状態において高補強特性を与えると共に、未硬化状態における極めて良好な加工特性(粘度低下)を提供する。
このアルコキシシランは、その特異的なシトラコンイミド官能基により、活性化二重エチレン結合を有するタイプの他の公知のアルコキシシランの性能よりも明白に優れた全体的性能を示すのみならず、シリカのような無機充填剤で補強したゴム組成物用の参照カップリング剤であるポリ硫化アルコキシシランTESPTの有効性よりも大きい有効性を予想外に示している。
本発明は、低転がり抵抗性と高耐摩耗性の両方を有するタイヤ用のトレッドの製造において、とりわけそれらのトレッドが専らポリイソプレンをベースとし、重車両タイプの産業用車両用のタイヤを意図している場合に使用し得るゴム組成物においてとりわけ有利に応用できる。
【0036】
表1
(1) 天然ゴム;
(2) シリカタイプ“HD” (マイクロビード形のRhodia社からの“Zeosil
1165 MP”) (BETおよびCTAB:約150−160 m2/g);
(3) TESPT (Degussa社からの”Si69”);
(4) シトラコンイミド−アルコキシシラン:N−(プロピルトリエトキシシリル)シ
トラコンイミド;
(5) トリメトキシシリルプロピルメタクリレート
(Huls社からの”Dynasylan Memo”);
(6) N−1,3−ジメチルブチル−N−フェニル パラ−フェニレンジアミン
(Flexsys社からの”Santoflex 6−PPD”);
(7) N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド;
(Flexsys社からの”Santocure CBS”)。
【0037】
表2
【0038】
表3
(1)〜(7) 表1に同じ;
(8) マレイミド−アルコキシシラン:N−(プロピルトリエトキシシリル)マレイミ
ド。
【0039】
表4
【0040】
表5
(1)〜(7) 表1に同じ;
(9) 粉末形のBaikowski社からの”Baikalox CR125”
(BET:約105 m2/g)。
【0041】
表6
【0042】
表7
(1)〜(7) 表1に同じ;
(10) 77%のブタジエン単位(58%の1−2、23%のトランス)と23%のスチレン
単位を含み、乾燥SBRで示して37.7質量%のオイル(または乾燥SBR
の100 phr当り37.5 phrのオイル)で増量した溶液SBR;Tg = −29℃;
(11) SBR用の芳香族増量オイル;
(12) ジフェニルグアニジン (Bayer社からの”Vulcacit D”)。
【0043】
表8
【0044】
表9
(1)〜(7) 表1に同じ;
(13) α,ω−ジヒドロキシ−ポリメチルシロキサン
(Rhodia社からのオイル ”Rhodorsil 48V50”)。
【0045】
表10
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に従うまたは従わない種々のゴム組成物の伸びの関数としてのモジュラス曲線を示すグラフである。
【図2】
本発明に従うまたは従わない種々のゴム組成物の伸びの関数としてのモジュラス曲線を示すグラフである。
【図3】
本発明に従うまたは従わない種々のゴム組成物の伸びの関数としてのモジュラス曲線を示すグラフである。
Claims (45)
- 少なくとも1種のイソプレンエラストマー、補強用充填剤としての無機充填剤および(無機充填剤/イソプレンエラストマー)カップリング剤をベースとするゴム組成物において、
上記カップリング剤がシトラコンイミド−アルコキシシランであることを特徴とする上記ゴム組成物。 - イソプレンエラストマーが、天然ゴム、合成シス−1,4−ポリイソプレンおよびこれらエラストマーの混合物の中から選ばれる請求の範囲第1項記載の組成物。
- 補強用無機充填剤の量が10〜200 phr (エラストマーまたはゴム100質量部当りの質量部)である請求の範囲第1項または第2項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランの量が0.5 phi (イソプレンエラストマー100質量部当りの質量部)よりも多い請求の範囲第1項〜第3項のいずれか1項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランの量が1〜15 phiである請求の範囲第4項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランが、N−[((C1〜C3)アルキル−(C1〜C3)アルコキシシリル)]シトラコンイミド類の中から選ばれる請求の範囲第1項〜第5項のいずれか1項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランが、N−[(プロピル−(C1〜C3)アルコキシシリル)]シトラコンイミド類の中から選ばれる請求の範囲第6項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランの量が補強用無機充填剤の量に対して0.5質量%〜20質量%である請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランの量が補強用無機充填剤の量に対して10質量%未満である請求の範囲第8項記載の組成物。
- 補強用無機充填剤が主としてシリカである請求の範囲第1項〜第9項のいずれか1項記載の組成物。
- 補強用無機充填剤が主としてアルミナである請求の範囲第1項〜第9項のいずれか1項記載の組成物。
- 補強用無機充填剤が補強用充填剤の全体を構成する請求の範囲第1項〜第11項のいずれか1項記載の組成物。
- カーボンブラックをさらに含む請求の範囲第1項〜第11項のいずれか1項記載の組成物。
- カーボンブラックが5〜15 phrの範囲の量で存在する請求の範囲第13項記載の組成物。
- イソプレンエラストマーが天然ゴムである請求の範囲第2項〜第14項のいずれか1項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランがN−(プロピルエトキシシリル)シトラコンイミドである請求の範囲第7項〜第15項のいずれか1項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランがN−(プロピルトリエトキシシリル)シトラコンイミドである請求の範囲第16項記載の組成物。
- 補強用無機充填剤用の被覆剤をさらに含む請求の範囲第1項〜第17項のいずれか1項記載の組成物。
- 被覆剤が加水分解ポリオルガノシロキサンである請求の範囲第18項記載の組成物。
- 被覆剤がα,ω−ジヒドロキシ−ポリオルガノシロキサンである請求の範囲第19項記載の組成物。
- シトラコンイミド−アルコキシシランの量が5 phi未満である請求の範囲第5項〜第20項のいずれか1項記載の組成物。
- 上記組成物が加硫状態にある請求の範囲第1項〜第21項のいずれか1項記載の組成物。
- 少なくとも1種のイソプレンエラストマーに、補強用充填剤としての少なくとも1種の無機充填剤と(無機充填剤/イソプレンエラストマー)カップリング剤としてのシトラコンイミド−アルコキシシランを混入すること;および混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することを特徴とするエラストマー組成物の製造方法。
- 上記最高混練温度が130℃〜180℃である請求の範囲第23項記載の方法。
- シトラコンイミド−アルコキシシランが、N−[((C1〜C3)アルキル−(C1〜C3)アルコキシシリル)]シトラコンイミド類の中から選ばれる請求の範囲第23項または第24項のいずれか1項記載の方法。
- シトラコンイミド−アルコキシシランが、N−[(プロピル−(C1〜C3)アルコキシシリル)]シトラコンイミド類の中から選ばれる請求の範囲第25項記載の方法。
- シトラコンイミド−アルコキシシランがN−(プロピルエトキシシリル)シトラコンイミドである請求の範囲第26項記載の方法。
- シトラコンイミド−アルコキシシランがN−(プロピルトリエトキシシリル)シトラコンイミドである請求の範囲第27項記載の方法。
- タイヤおよびタイヤを意図する半製品の製造において使用し、これらの半製品が、トレッド類、そのようなトレッド類用の下地層、クラウンプライ類、側壁類、カーカスプライ類、ビード類、プロテクター類、内部チューブ類およびチューブレスタイヤ用の気密性内部ゴム類の中からとりわけ選ばれる請求の範囲第1項〜第22項のいずれか1項記載のゴム組成物の使用。
- 請求の範囲第1項〜第22項のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ。
- トレッド類、そのようなトレッド類用の下地層、クラウンプライ類、側壁類、カーカスプライ類、ビード類、プロテクター類、内部チューブ類およびチューブレスタイヤ用の気密性内部ゴム類の中からとりわけ選ばれる請求の範囲第1項〜第22項のいずれか1項記載のゴム組成物を含むタイヤ用半製品。
- タイヤトレッドからなる請求の範囲第31項記載の半製品。
- 請求の範囲第31項または第32項のいずれか1項記載の半製品を含むタイヤ。
- 請求の範囲第32項記載のトレッドを含む重量車両タイヤ。
- 無機充填剤によって補強されたイソプレンエラストマーをベースとするゴム組成物における(無機充填剤/イソプレンエラストマー)カップリング剤としてのシトラコンイミド−アルコキシシランの使用。
- シトラコンイミド−アルコキシシランが、N−[((C1〜C3)アルキル−(C1〜C3)アルコキシシリル)]シトラコンイミド類の中から選ばれる請求の範囲第35項記載の使用。
- シトラコンイミド−アルコキシシランが、N−[(プロピル−(C1〜C3)アルコキシシリル)]シトラコンイミド類の中から選ばれる請求の範囲第36項記載の使用。
- シトラコンイミド−アルコキシシランがN−(プロピルエトキシシリル)シトラコンイミドである請求の範囲第37項記載の使用。
- シトラコンイミド−アルコキシシランがN−(プロピルトリエトキシシリル)シトラコンイミドである請求の範囲第38項記載の使用。
- 少なくとも1種のイソプレンエラストマーに、補強用充填剤としての少なくとも1種の無機充填剤とシトラコンイミド−アルコキシシランを混入すること;および混合物全体を、1以上の工程で、110℃〜190℃の最高温度に達するまで熱機械的に混練することを特徴とするエラストマー組成物中の無機充填剤とイソプレンエラストマーのカップリング方法。
- 上記最高混練温度が130℃〜180℃であることを特徴とする請求の範囲第40項記載の方法。
- シトラコンイミド−アルコキシシランが、N−[((C1〜C3)アルキル−(C1〜C3)アルコキシシリル)]シトラコンイミド類の中から選ばれる請求の範囲第40項または第41項のいずれか1項記載の方法。
- シトラコンイミド−アルコキシシランが、N−[(プロピル−(C1〜C3)アルコキシシリル)]シトラコンイミド類の中から選ばれる請求の範囲第42項記載の方法。
- シトラコンイミド−アルコキシシランがN−(プロピルエトキシシリル)シトラコンイミドである請求の範囲第43項記載の方法。
- シトラコンイミド−アルコキシシランがN−(プロピルトリエトキシシリル)シトラコンイミドである請求の範囲第44項記載の方法。
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