JP2004509006A - シングルトラックの車両のホイールでのブレーキ力を制御する方法及び該方法を実行するためのブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
【解決手段】フロントホイールブレーキのブレーキ圧力(pVR)を調整するホイールブレーキ回路(RBKVR)と、リヤホイールブレーキのブレーキ圧力(pHR)を調整するホイールブレーキ回路(RBKHR)と、両プレッシャ・モジュレータを制御する制御回路(STKHBZ,STKFBZ)と、を有するブレーキ装置を用いて、シングルトラックの車両のホイール(VR,HR)におけるブレーキ力を制御する方法である。リヤホイール用のブレーキ回路におけるブレーキ圧力(pHRsoll)が、フロントホイール用のブレーキ回路で検出されたブレーキ圧力(pVRist)に従って、制御ユニット(94)内にストアされた理想的なブレーキ力分布特性に基づいて算出され、ホイールブレーキ回路に設けられたプレッシャ・モジュレータによって調整される。
【解決手段】フロントホイールブレーキのブレーキ圧力(pVR)を調整するホイールブレーキ回路(RBKVR)と、リヤホイールブレーキのブレーキ圧力(pHR)を調整するホイールブレーキ回路(RBKHR)と、両プレッシャ・モジュレータを制御する制御回路(STKHBZ,STKFBZ)と、を有するブレーキ装置を用いて、シングルトラックの車両のホイール(VR,HR)におけるブレーキ力を制御する方法である。リヤホイール用のブレーキ回路におけるブレーキ圧力(pHRsoll)が、フロントホイール用のブレーキ回路で検出されたブレーキ圧力(pVRist)に従って、制御ユニット(94)内にストアされた理想的なブレーキ力分布特性に基づいて算出され、ホイールブレーキ回路に設けられたプレッシャ・モジュレータによって調整される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の、シングルトラックの車両のホイールにおけるブレーキ力を制御する方法と、請求項6の前提部分に記載の、この方法を実行するためのブレーキ装置とに関する。特に、本発明は、2つのホイールに、互いに別々に、出来る限り可能なグリップによって、理想的なブレーキ力分布曲線に近いか又はその曲線に沿ってブレーキを掛けることができる、オートバイ用のブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シングルトラックであれマルチトラックであれ、如何なるデザインの車両も、ブレーキ過程及び加速過程の際に、物理的な状態及び車両の構造的な特徴に基づき、リヤアクスル及びフロントアクスルへの負荷を変化させる。結果は、リヤホイール及びフロントホイールにおけるブレーキ力が同じであっても、グリップの差及びそれと共に異なったブレーキ作用である。グリップのこのような差が、リヤホイールにおけるブレーキ過程中のより僅かな可変の負荷成分の故に、ブレーキの掛け過ぎ及び結果としてホイールロックを引き起こすことができるのは、フロントホイールにおける減速度過程のための最大限のブレーキ力が達成され、効果的に利用されることができる前である。このことはトラックの不安定性を引き起こし、その時々の段階において車両の横滑り又はスリップを引き起こすことがある。従って、熟練したドライバでさえ、車両、特にオートバイへの制御を維持することは最早不可能である。
【0003】
このような事態を改善するために、リヤアクスル用の自動車両構造体に設けられた液圧式のブレーキ装置には、圧力制御装置、プレッシャ・レギュレータ、負荷従属形のプレッシャ・レギュレータ(例えばDE−C−29 10 960)、減圧弁、前記構成部材の組合せ(例えばEP−B−0 451 555)並びに電子制御式のABS、ASR及び車両走行動力学制御装置が用いられた。
【0004】
最初に挙げた構成要素の場合、欠点は、負荷従属形のプレッシャ・レギュレータの場合でさえ、一方ではホイールブレーキ装置の公差を補償するため、他方では、通常の負荷検出方法では検出することができない、重心の高さによる影響を、阻止するためには、構成要素に固有の、段階式の識別と、ブレーキ力分布のための理想的な特性曲線との間の著しい間隔を保たねばならないという点に(例えば、EP−B−0 451 555の図2,11,20,21及び26を参照せよ)に、見出される。
【0005】
同様なことは例えばEP−B−0 623 079から知られた回路に当て嵌まる。これらの回路の場合、リヤホイールブレーキ又はフロントホイールブレーキの作動と共に2つのホイールが同時に作動されるが、グリップの均等な利用は前記の理由から不可能である。
【0006】
既にABSを装着した、すなわちロックが防止される、シングルトラックの車両の場合、最良の制動減速度を達成するためのABSモジュレータが、各々のアクスル及びそれと共に各々のホイールに関連して設けられている。このことは理想的な識別に基づくABS制御ブレ−キングを可能にするが、最小限度達成可能なブレーキ距離は、このような装置(例えば、DE−C−35 30 280,DE−C−35 30 286,DE−C−36 03 074)の場合、複数のABSモジュレータの別個の起動可能性の故に、ドライバの、常に2つのモジュレータを同時に作動させようとする感情及び熟練に、強く依存する。更に、理想的な特性曲線はABSの場合のみ達成される。減速度が安定限界を著しく下回る場合には、このような装置は、無制御のブレーキ装置に比較して何等利点を有しない。
【0007】
オートバイドライバの、1つのブレーキ回路のみを主として作動しようとする通常の態度は、出来る限り良いブレーキ距離並びにフロントホイール及びリヤホイールにおけるグリップの均等な利用の達成を妨げる。この点での改善をもたらしたのは出願人のEP−B−0 761 520から公知の回路(部分的に一体形の回路)である。この回路では、フロントホイールにおけるコントロールバルブ(=ABSモジュレータ)の作動と共に、リヤホイールにおけるABSモジュレータが自動的に起動される。しかし、ABSを有するブレーキ力制動装置の、ドライバの負担を軽減するこのような改善された回路装置の場合でさえ、ブレーキの状態に依存する変数も考慮されない。それ故に、出来る限り良い減速度のための、グリップの最適な利用は、ドライバによる影響の行使なしには不可能である。
【0008】
前記の欠点は、特にオートバイの場合に、走行安全性に重大な作用を及ぼす。何故ならば、ここでは、静的及び動的軸荷重が、乗用車の場合よりも著しく激しく変化することができるからであり、確実な全重量とアンローデッド・ウェートの比がより高いからであり、及び重心の高さとホイール・ベースの比が、車輪荷重の少ない変動及び大きな振動抑制力を有する乗用車の場合よりも著しく大きくて、激しく変化するからである。このことは、オートバイのアクスルの重量(Achsmasse)が小さいにも拘わらずカーブでのオートバイの走行性を激しく損なう。
【0009】
最後に、開閉弁を用い、負荷変化の際の該開閉弁による衝撃を伴う通常のディジタル式の圧力制御は、車両走行動力学制御装置における欠点と見なされている。このような衝撃は、特に、オートバイでの利用の場合に、走行装置での不安定を発生させるであろう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
EP−B−0 761 520に記載された、前提部分を形成する従来の技術を前提として、シングルトラックの車両の複数のホイールにおけるブレーキ力を制御するための方法であって、ブレ−キ過程中に自動的にホイールと路面とのグリップの出来る限り良い利用を可能にする方法を記載し、この方法を実行する簡単な構造のブレーキ装置を製造するという課題が本発明の基礎になっている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題は請求項1及び6に記載の特徴によって解決される。本発明の好都合な又は適切な実施の形態は請求項2乃至5並びに7乃至12の主題である。
【0012】
本発明によれば、フロントホイールブレーキでのブレーキ圧力を調整するためのプレッシャ・モジュレータを有するホイールブレーキ回路と、リヤホイールブレーキでのブレーキ圧力を調整するためのプレッシャ・モジュレータを有するホイールブレーキ回路と、2つのプレッシャ・モジュレータを制御するための少なくとも1つの制御回路と、制御ユニットとを具備するブレーキ装置を用いて、シングルトラックの車両のホイールにおけるブレーキ力を制御する方法で、リヤホイール用のホイールブレーキ回路におけるブレーキ圧力pHRSOLLを、フロントホイール用のホイールブレーキ回路で検出されたブレーキ圧力pVRistに従って、制御ユニット内にストアされた理想的なブレーキ力分布特性に基づいて算出し、リヤホイール用のホイールブレーキ回路に設けられたプレッシャ・モジュレータによって調整する。
【0013】
結果として、部分的に一体形のブレーキ装置又は完全に一体形のブレーキ装置の場合、リヤホイールブレーキ回路内のブレーキ圧力は、フロントホイールブレーキ回路内での、コマンドとしてのブレーキ圧力を用いて、理想的なブレーキ圧力分布に応じて、算出及び調整される。それ故に、ホイールと路面の間のグリップの最適な利用がなされる。
【0014】
本発明に係わる方法では、制御ユニット内にストアされたブレーキ力分布特性は、好都合なことには、2つの理想的なブレーキ力分布曲線を含み、これらのブレーキ力分布曲線のうち、一方の曲線は無負荷の車両を表わし、これに対し、他方の曲線は最大限に負荷された車両を表わしている。
【0015】
好ましくは、更に、フロントホイール用のホイールブレーキ回路で検出されたブレーキ圧力のために、2つの理想的なブレーキ力分布曲線を考慮して、車両の実際の負荷に従って2つの理想的なブレーキ力分布曲線の間に又は該曲線の一方にある圧力計算変数の、その計算に用いられる、車両の実際の負荷を表わすカウンタを形成し、リヤホイール用のブレーキ圧力pHRSOLLを、計算された圧力計算変数に従って算出する。
【0016】
本発明の好都合な選択的な実施の形態では、リヤホイール用のブレーキ圧力pHRSOLLの算出の際に、リヤホイールのブレーキディスクの、測定された又は計算された温度を共に考慮して、所定の温度限度を越える際に、リヤホイール用のブレーキ圧力pHRSOLLを下げる。
【0017】
好適に用いられた温度モデルによれば、ブレーキディスクの温度の計算の際に、点火「オン」と共に、常に2つの温度関数を形成し、これらの温度関数のうち一方の温度関数は、点火「オフ」及び新たな点火「オン」の後に、常に、最後に計算された温度値の際に始まる補助関数として用いられ、これに対し、更に計算された温度値をもたらす他方の温度関数は、点火「オン」と共に、常に再度ゼロで始まり、後者は第1の温度関数の結果を計算し、ますます上昇して、2つの温度関数は同じ結果をもたらす。
【0018】
装置の点では、本発明は、上記方法を実行するために、フロントホイールブレーキに加えることができるブレーキ圧力を調整するためのプレッシャ・モジュレータを有する、フロントホイール用のホイールブレーキ回路と、リヤホイールブレーキに加えることができるブレーキ圧力を調整するためのプレッシャ・モジュレータを有する、リヤホイール用のホイールブレーキ回路と、2つのプレッシャ・モジュレータを制御することができる第1の制御回路と、2つのプレッシャ・モジュレータのうちの一方を制御することができる第2の制御回路とを具備する、シングルトラックの車両用のブレーキ装置において、2つのプレッシャ・モジュレータのうちの他方は、第2の制御回路によって制御可能であることを特徴とするブレーキ装置を提案する。従って、好ましくは常に2つのホイールブレーキ回路が、ブレ−キングの際に作動される。このことは、全体として、より良いブレーキ作用をもたらす。
【0019】
ブレーキ装置の好都合な実施の形態では、各々のプレッシャ・モジュレータは弁体を有し、この弁体は、各々のホイールブレーキに加えることができる所定の動圧をプレッシャチャンバ内で調整するために、ブレーキ作動中に圧力媒体を強制貫流されるスロットルギャップを制御可能に制限することが提案されている。
【0020】
スロットルギャップを調整するための、各々のプレッシャ・モジュレータの弁体が、コントロールプランジャによって、液圧で及び電磁式に制御可能であることは好ましい。この場合、各々のプレッシャ・モジュレータのコントロールプランジャは、コントロールチャンバへの加圧及び/又は、コントロールチャンバ内で摺動自在に案内されておりかつコントロールチャンバによって液圧で加圧可能なコントロールピストンによる機械式の加圧によって移動可能であることができる。各々のプレッシャ・モジュレータのコントロールプランジャは、更に、コントロールプランジャのアンカ及び磁気コイルからなる磁気駆動装置によって移動可能であることができる。
【0021】
好ましい実施の形態では、各々のホイールブレーキ回路は圧力センサを有する。
【0022】
特に、本発明に係わる方法の以下の利点及びこの方法に適切なブレーキ装置を要約する。
【0023】
効果的な一体形のブレーキの導入は可能となる。ドライバの個々の習慣の排除が達成可能である。
【0024】
車両のドライバの負担はブレーキ力分布の感情的な調整から軽減されるので、ドライバは交通の出来事により多く専念することができる。
【0025】
2つのブレーキは、非常状況では、特にハンドブレーキシリンダによって著しく速く作動され、このことはブレーキ距離の短縮に作用を及ぼす。このことは、大部分の二輪車のドライバが主に1つのブレーキしか利用しないという事情も考慮に入れる。
【0026】
動的な効果を暗黙のうちに考慮することによって、リヤホイールの持ち上がり傾向を減少することができる。
【0027】
2つのホイールにおけるグリップの均等な利用は、カーブでのブレ−キングの際のロール・ステア作用を改善する。
【0028】
ブレ−キングの開始及びブレ−キングの際の走行装置の不安定が減少される。
【0029】
リヤホイールブレーキ回路には、2つのブレーキの作動中に、比例的にのみ負荷が掛けられる。このことによって、ブレーキディスク、ブレーキ・ライニング及びキャリパの熱的な過負荷は最早リヤホイールに生じない。
【0030】
本発明の他の特徴及び利点は以下の記述から明らかである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態を詳述する。図1は非作動状態にある部分的に一体形のブレーキ装置を示している。部分的に一体形のブレーキ装置は、大まかに、ハンドブレーキシリンダHBZに関連して設けられている制御回路STKHBZと、フットブレーキシリンダFBZに関連して設けられている制御回路STKFBZと、フロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVRと、このホイールブレーキ回路から分離された、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHRとに区分される。制御回路STKHBZとホイールブレーキ回路RBKVRとの間には、コントロールバルブRGVVRの形のプレッシャ・モジュレータが接続されている。これに対し、制御回路STKFBZとホイールブレーキ回路RBKVRとの間には、コントロールバルブRGVVRとは異なるコントロールバルブRGVHRの形のプレッシャ・モジュレータが接続されている。コントロールバルブRGVVR及びコントロールバルブRGVHRは、構造及び機能の点で、原理的に、出願人のEP−B−0 761 520から公知である。まず、本明細書によって、この公報を参照するよう明文をもって指摘しておく。
【0032】
非常にコンパクトな構造のコントロールバルブRGVVR及びRGVHRは、該コントロールバルブがスロットルバルブとして形成されており、該スロットルバルブはプレッシャチャンバ10を有し、該プレッシャチャンバ内にバルブピストン12が摺動可能に設けられていること、実質的にこのことにおいて抜きん出ている。バルブピストン12は貫通孔14を有し、この貫通孔で、弁体16と共に、スロットルギャップ18を形成する。スロットルギャップ18には、外力で支援されたブレーキ作動中に、圧力媒体が強制貫流され、スロットルギャップは弁体16の制御によって調整可能である。それ故に、プレッシャチャンバ10には所定の動圧が発生される。動圧は、ホイールブレーキ回路RBKVR又はホイールブレーキ回路RBKHRにおけるフロントホイールVR又はリヤホイールHR夫々にブレーキ力を発生させるために、供給されている。外力による支援の停止の際には、バルブピストン12をプレッシャチャンバ10内で弁体16によって移動させることができる。弁体16は貫通孔14を閉じるので、プレッシャチャンバ10内には残余ブレーキ圧力(Restbremsdruck)が発生される。
【0033】
コントロールバルブRGVVR及びRGVHRは、夫々、3つのチャンバからなるバルブハウジングを有する。このバルブハウジングは、プレッシャチャンバ10の他に、コントロールチャンバ20及び排出チャンバ22を区画している。両チャンバはバルブハウジングの壁部によって互いに分離されている。コントロールチャンバ20には、コントロールプランジャ24が摺動可能に設けられており、このコントロールプランジャは液圧で又はアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)のために電磁式に制御されてコントロールチャンバ20の軸方向に移動可能である。この目的のために、コントロールプランジャ24は、コントロールチャンバ20内で案内されるアンカ及びこのアンカに同軸に設けられているバルブピンからなる。このバルブピンは、密閉要素によって密閉された状態で、コントロールチャンバ20と排出チャンバ22との間の壁部を通って延びており、排出チャンバ22に突入している。コントロールチャンバ20と排出チャンバ22との間の壁部において圧液で密閉状態で案内される、コントロールプランジャ24のバルブボルトは、コントロールプランジャ24のアンカよりも小さい直径を有する。コントロールプランジャ24の回りには、コントロールチャンバ20内で、実質的に完全に圧力媒体が流れることができる。このために、コントロールプランジャ24のアンカには、孔が形成されている。この孔は、アンカの、図1で左の側を、アンカの、図1で右の側と接続する。
【0034】
コントロールチャンバ20を半径方向に取り囲む、バルブハウジングの部分には、磁気コイル26が設けられている。この磁気コイルはコントロールプランジャ24のアンカを少なくとも部分的に同軸に取り囲む。ハンドブレーキシリンダHBZ又はフットブレーキシリンダFBZの作動に係わりなくスロットルギャップ18を変えるために、コントロールプランジャ24のアンカ及び磁気コイル26からなる磁気駆動装置によって、コントロールバルブRGVVR又はRGVHRを制御することができる。このとき、コントロールプランジャ24は軸方向に移動される。このために、磁気駆動は、適切な、ほぼ比例する電流・力特性(Strom−Kraft−Charakteristik)によって実行されている。
【0035】
図1に示されたコントロールバルブRGVVRの場合、コントロールプランジャのアンカの、排出チャンバ22に対向する側で、コントロールチャンバ20又はアンカにストッパ28が形成されている。ストッパはコントロールチャンバ20におけるコントロールプランジャ24の進路を、図1で左に対し制限する。最後に、コントロールチャンバ20は接続部30を有する。この接続部を通じて、コントロールプランジャ24を液圧で制御することができる。
【0036】
排出チャンバ22には、弁体16が設けられており、弁体は金属製の球として形成されている。この球には、コントロールチャンバ20と排出チャンバ22との間の壁部の中を密閉状態で延びている、コントロールプランジャ24のバルブピンによって、機械式に力を加えることができる。弁体16と、コントロールプランジャ24のバルブピンとは、2つの別個の構成要素である。それ故に、弁体16には、コントロールプランジャ24のバルブボルトによって、圧力のみを加えることができる。更に、排出チャンバ22は接続部32を有する。この接続部を通って圧力媒体は排出チャンバ22から流出することができる。
【0037】
排出チャンバ22とプレッシャチャンバ10との間に、肩部34が設けられている。肩部は、プレッシャチャンバ10に収容されておりかつコントロールプランジャ24と同一の軸線上に位置しているバルブピストン12のための、排出チャンバ側のストッパを形成している。排出チャンバ22をプレッシャチャンバ10と圧液で連通する、バルブピストン12の貫通孔14には、排出チャンバ側に、環状のシートが取り付けられている。このシートは、貫通孔14と同様に、バルブピストン12の中心軸と同軸に向けられており、スロットルギャップ18の制限のために、弁体16と協働し又は外力による支援の停止の際に弁体16と液密に接触する。バルブピストン12の貫通孔14には、復帰ばね36が収容されている。復帰ばねは、バルブピストン12の、プレッシャチャンバ側の肩部において支持され、弁体16をコントロールプランジャ24のバルブピンの方へ押圧する。バルブピストン12の外周面は密閉要素を有するので、スロットルギャップ18のみが、バルブピストン12の貫通孔14を通って、プレッシャチャンバ10を排出チャンバ22と液圧で接続させ又は、外力による支援の停止の際には、弁体16がバルブピストンのシートにおいてバルブピストン12の貫通孔14を閉じた後に、プレッシャチャンバ10内に残余ブレーキ圧力が発生されることができる。
【0038】
プレッシャチャンバ10には、プランジャばね38が収容されている。プランジャばねは、復帰ばね36の復原力よりも大きな力によって、バルブピストン12を、バルブハウジングの肩部34へ予め負荷する。最後に、プレッシャチャンバ10も接続部40を有する。
【0039】
コントロールバルブRGVVRは、コントロールバルブRGVHRと同様に、非制御状態では、閉鎖位置(Durchgangs−Null−Stellung)に切り換えられている。この閉鎖位置では、バルブピストン12は復帰ばね36によってバルブハウジングの肩部34の方へ予め負荷されている。これに対し、バルブピストン12の肩部において支持される復帰ばね36は、コントロールプランジャ24を、弁体16と、コントロールプランジャ24のバルブピンとの間の接触によって、コントロールチャンバ20内のストッパ28の方へ押圧する。その場合、スロットルギャップ18は、図1の描写とは異なって、最大限開かれている。
【0040】
コントロールバルブRGVVRは、以下のように、部分的に一体形のブレーキ装置へ切り換えられている。
【0041】
コントロールバルブRGVVRのプレッシャチャンバ10の接続部40は、送出し管42を通って、モータMによって駆動される液圧ポンプ44の出力端に液圧で接続されている。液圧ポンプの入力端は吸入管46を通って圧力媒体用のリザーバ48に接続されており、液圧ポンプは、外力で支援されたブレーキ作動中に、スロットルギャップ18への強制貫流を引き起こす。送出し管42へは逆止め弁50が接続されており、逆止め弁は圧力媒体が液圧ポンプ44の方向に戻ることができることを阻止する。送出し管42からは、逆止め弁50と、コントロールバルブRGVVRのプレッシャチャンバ10との間で、送出し管52が分岐されており、送出し管は挟み機構(Zuspannorgan)として用いられるキャリパ54へ至る。
【0042】
キャリパ54、図示した実施の形態ではフローティング・キャリパは、ピストン58が液圧で密閉状態で案内されているプレッシャチャンバ56を有するピストン・シリンダ装置を具備する。プレッシャチャンバ56は送出し管52に接続されている。それ故に、ピストン58に、液圧ポンプ44によって発生されかつコントロールバルブRGVVRによって制御される動圧を加えることができる。更に、キャリパ54はブレーキ・ライニング60を有し、これらのブレーキ・ライニングは、ピストン・シリンダ装置への加圧の際に、ピストン58によってブレーキ・ディスク62の方へ押圧される。
【0043】
更に、コントロールバルブRGVVRの排出チャンバ22は帰り管64を通じてリザーバ48に接続されている。
【0044】
最後に、コントロールチャンバ20内で案内されるコントロールプランジャ24によってコントロールバルブRGVVRを液圧で制御するためには、1系統式のハンドブレーキシリンダHBZが用いられる。このハンドブレーキシリンダはハンドブレーキレバー66によって作動されることができ、ハンドブレーキシリンダHBZが非作動の状態で調整レザーバ68に接続されたプレッシャチャンバ70を有する。このためには、プレッシャチャンバ70は制御導管72を通ってコントロールバルブRGVVRの接続部30に接続されている。
【0045】
結果として、液圧ポンプ44と、送出し管42と、帰り管64を通じてリザーバ48に接続されているコントロールバルブRGVVRと、送出し管52と、キャリパ54のピストン・シリンダ装置とは、閉鎖可能なバルブピストン12によって一体化された残余ブレーキ機能を有する外力用のホイールブレーキ回路RBKVRを形成する。このホイールブレーキ回路を、コントロールバルブRGVVRの磁気コイル26によって電磁式に制御し、あるいはコントロールバルブRGVVRとは液圧に関し異なった液圧式の制御回路STKHBZによって制御することができる。この制御回路は、ハンドブレーキシリンダHBZと、制御導管72と、コントロールバルブRGVVRのコントロールチャンバ20と、コントロールバルブのコントロールプランジャ24とからなる。
【0046】
図1の上部には、リヤホイールHRに関連して設けられた構成要素、すなわち、部分的に一体形のブレーキ装置の制御回路STKFBZ、コントロールバルブRGVHRと、ホイールブレーキ回路RBKHRとが示されている。これらの構成要素が、フロントホイールVRに関連して設けられた構成要素、すなわち、ハンドブレーキシリンダHBZ、コントロールバルブRGVVR及びホイールブレーキ回路RBKVRと異なっている限りにおいてのみ、以下、前者の構成要素を説明する。ここでは、同一の又は対応の要素は、ダッシュを補った同一の参照符号を有する。部分的に一体形のブレーキ装置の、図1で上の部分も、非作動の状態で示されている。しかし、コントロールバルブRGVHRのスロットリルギャップ18´は実際に最大限開放されている。
【0047】
制御回路STKFBZのフットブレーキシリンダFBZは、同様に、1系統式であり、フットブレーキレバー74によって作動されることができる。フットブレーキシリンダFBZのプレッシャチャンバ76には、制御導管78を介して、コントロールバルブRGVHRが接続されており、このコントロールバルブは実質的にコントロールバルブRGVVRと同様に構成されており、作動する。
【0048】
コントロールバルブRGVHRは、バルブハウジングの、コントロールチャンバ側の端部に追加の作動チャンバ80が設けられており、この作動ルチャンバにはコントロール又はインテグラル・ピストン82が摺動可能に収容されていることによってのみ、コントロールバルブRGVHRと異なっている。コントロールピストン82とは密閉要素が協働し、密閉要素は作動チャンバ80をコントロールバルブRGVHRのコントロールチャンバ20´に対し密閉する。コントロールピストン82によって、このコントロールピストンと直列に接続されているコントロールプランジャ24´に機械式に力を加えることができるのは、作動チャンバ80に制御圧力が生起されるときである。最後に、作動チャンバ80は接続部84を有する。接続部を通じて、コントロールチャンバは制御導管86に接続されている。この制御導管は制御回路STKHBZの制御導管72から分岐しているので、リヤホイールHRにおけるブレーキ回路は、フロントホイールVRにおけるブレーキ回路によって共に制御されることができる。このことは部分的に一体形のブレーキ装置にとって特徴的である。
【0049】
最後に、図1に示した部分的に一体形のブレーキ装置の構造については、フロントホイールVR及びリヤホイールHRに関連して夫々回転速度センサ88が設けられていることもコメントしなければならない。更に、制御回路STKHBZに、ホイールブレーキ回路RBKVRに、制御回路STKFBZに及びホイールブレーキ回路RBKHRには夫々、ブレーキ圧力制御のために、これから詳述するようにその時々の圧力を検出するための圧力センサ90が設けられている。回転速度センサ88及び圧力センサ90は、液圧ポンプ用のモータM並びにコントロールバルブRGVVR及びRGVHRの磁気コイル26と同様に、制御ライン92を通じて制御ユニット94と電気的に接続されている。制御回路STKHBZ及びSTKFBZにおける圧力センサ90については、この箇所で、これらの圧力センサ90がまず第1に制御良度の改善のために用いられ、安全工学の観点で制御回路STKHBZ及びSTKFBZの連続的な漏れ試験を可能にすることもコメントしておく。
【0050】
以下、部分的に一体形のブレーキ装置の機能方法を、まず、フロントホイールVRに関連して設けられた構成要素すなわち制御回路STKHBZ、コントロールバルブRGVVR及びホイールブレーキ回路RBKVRに基づいて説明する。
【0051】
ハンドブレーキレバー66を引くことによって、ハンドブレーキシリンダHBZのプレッシャチャンバ70には、ハンドブレーキレバー66に作用する作動力に比例する圧力が生起される。この圧力は、液圧式の制御回路STKHBZでも、制御導管72を通じて、制御圧力として、コントロールバルブRGVVRのコントロールチャンバ20に供給されている。
【0052】
コントロールバルブRGVVRのコントロールチャンバ20に存する制御圧力は、コントロールプランジャの横断面に対応する、コントロールプランジャ24の液圧の作用面、その作用面に圧力を加える故に、コントロールプランジャ24を図1で右へ移動させると共に、復帰ばね36の力によってコントロールプランジャ24に接触している弁体16を、バルブピストン12の貫通孔14に設けられたシートの方向に移動させる。液圧式の制御回路STKHBZによる、液圧での、コントロールバルブRGVVRのこのような制御は、外力で支援されたブレーキ作動中でも、外力による支援の停止の際でも、同じである。
【0053】
外力によって支援されたブレーキ作動中に、液圧ポンプ44を作動するモータMは、関連の圧力センサ90によって検出される、液圧式の制御回路STKHBZにおける所定の信号圧力を越えると同時に、制御ユニット94によって始動される。しかし、液圧ポンプ44は、オートバイの全使用期間中も、同様に駆動されるだろう。
【0054】
液圧ポンプ44は圧力媒体をリザーバ48から吸入管46を通じて吸い込み、圧力媒体を、逆止め弁50及び送出し管42を通じて、コントロールバルブRGVVRのプレッシャチャンバ10へ送り込む。プレッシャチャンバ10からは、圧力媒体がバルブピストン12の貫通孔14を通り、スロットルギャップ18を通って排出チャンバ22に流れ込み、そこから、帰り管64を通ってリザーバ48に戻る。ハンドブレーキレバー66の作動の開始時にコントロールバルブRGVVRのコントロールプランジャ24及びそれと共に弁体16はバルブピストン12に設けられたシートの方向に僅かのみ移動されていて、その結果、スロットルギャップ18はほとんど完全に開いているので、液圧ポンプ44はスロットルギャップ18を通して相当に無圧で圧力媒体を循環させる。
【0055】
弁体16は、液圧が加圧されたコントロールプランジャ24のバルブボルトによって、復帰ばね36の力に抗して、バルブピストン12のシートの方向に、以下の力によって、すなわち、コントロールチャンバ20内でハンドブレーキシリンダHBZによって加えられる制御圧力と、コントロールプランジャ24のバルブピンの横断面によって規定される、コントロールプランジャ24の液圧の作用面との積に等しい力によって、更に押される。弁体16がバルブピストン12のシートに接近すると、スロットルギャップ18は狭くなる。このことによって、液圧ポンプ44によって送出し管42及びプレッシャチャンバ20を通って循環される圧力媒体の貫流横断面が減じられる。結果として、ホイールブレーキ回路RBKVRでは、スロットルギャップ18の手前で圧力媒体の循環方向に動圧が発生される。この動圧は、プレッシャチャンバ10、送出し管42及び送出し管52を通って、キャリパ54のピストン・シリンダ装置のプレッシャチャンバ56まで伝えられる。それ故に、ピストン・シリンダ装置のピストン58及びブレーキ・ライニング60によって、ブレーキ・ディスク62にブレーキ力が加えられる。
【0056】
外力で支援されたブレーキ作動中にブレーキ圧力を減じようとするとき、ハンドブレーキレバー66の負荷軽減によって制御回路STKHBZ内で制御圧力が減じられて、コントロールバルブRGVVRのコントロールプランジャ24は、弁体16と共に、スロットルギャップ18を拡大させつつ自らの出発位置に戻る。コントロールプランジャは、コントロールチャンバ20内での制御圧力の低下に抗して、弁体16を介して、プレッシャチャンバ10内の循環する圧力媒体の、スロットルギャップ18の拡大に連れて低下する動圧と、復帰ばね36の力とによって、負荷される。制御回路STKHBZにおける所定の信号圧力を下回ると共に、場合によっては、液圧ポンプ44のモータMのスイッチが切られる。それ故に、圧力媒体の循環は終了され、ブレーキ圧力はゼロに下がる。
【0057】
外力による支援が、ホイールブレーキ回路RBKVR内での液圧ポンプ44の例えば停止によって、止まるとき、必要な残余ブレーキ圧力はバルブピストン12によって加えられる。この場合、液圧が加えられるコントロールプランジャ24によって、復帰ばね36の力に抗して、スロットルギャップ18の閉鎖路の分だけ移動された弁体16は、バルブピストン12の貫通孔14をシートにおいて液圧で液密に閉じる。それ故に、閉じられたバルブピストン12を弁体16及びコントロールプランジャ24によって更に移動させることによって、プレッシャチャンバ10に残余圧力が発生される。残余ブレーキ圧力は、送出し管52を通して、キャリパ54のピストン・シリンダ装置へ伝えられる。それ故に、ピストン58及びブレーキ・ライニング60によってブレーキディスク62に残余ブレーキ圧力が加えられることができる。
【0058】
アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の場合、コントロールバルブRGVVRは以下のように作動する。
【0059】
アンチロック・ブレーキ・システムの原理は、ブレーキ圧力が供給されているブレーキ過程中に、減速度が、制動されたホイールにおける所定の減速度閾値を上回るとき、ホイールブレーキ圧力は、減速度がこのホイールにおける第2の減速度閾値を下回るまで、減じられることにある。このためには、供給されているホイールブレーキ圧力をゼロまで下げることが必要であり得る。その後、ホイールブレーキ圧力は、ホイールに新たにブレーキが掛けられ過ぎるか、あるいはドライバーによって予め設定されたブレーキ圧力が達成されるまで、再度上げられる。このことは、コントロールバルブRGVVRのコントロールプランジャ24が、コントロールバルブのアンカ及び磁気コイル26によって追加的に電磁式に制御可能であることによって、達成される。
【0060】
ABSの場合に、ホイールブレーキ回路RBKVRを通してキャリパ54にあるホイールブレーキ圧力が、フロントホイールVRにブレーキを掛けすぎるとき、このことは、前記センサ機構によって、知られた方法で認識される。ブレーキ圧力は、コントロールバルブのアンカ及び磁気コイル26からなる磁気駆動装置の制御によって、適切に調整される。この場合、磁気力は、図1で左へ、及びそれと共にコントロールプランジャ24に作用する液圧に抗して、コントロールプランジャ24のアンカに作用する。従って、コントロールプランジャ24からこのコントロールプランジャのバルブボルトを通って弁体16へと図1で右に作用する結果的に生じる力は、減じられる。極端な場合、結果的に生じる力をゼロに下げることができるのは、磁気コイル26を無段階に制御可能に導通することにより、磁気力を、以下の程度に、すなわち、この磁気力が、コントロールプランジャ24における、液圧の制御圧力によって加えられる力を、補償するほどに、大きくすることによってである。その結果、復帰ばね36及び供給されている動圧によって負荷される弁体16は、図1で左に、バルブピストン12のシートから離隔する方向に押圧されて、スロットルギャップ18が拡大される。結果として、キャリパ54のプレッシャチャンバ56に送出し管52を通して供給されている動圧は、減速度閾値を下回るまで、減じられる。
【0061】
その後、コントロールバルブRGVVRの電磁制御が減じられる。それ故に、コントロールプランジャ24からこのコントロールプランジャのバルブボルトを通って弁体16へと図1で右に作用する結果的に生じる力は、再度増大する。結果として、弁体16は図1で右にバルブピストン12のシートの方向に押圧され、スロットルギャップ18は狭められる。このことによって、キャリパ54のプレッシャチャンバ56内で送出し管52を通して供給されている動圧は、フロントホイールVRに再度ブレーキが掛けられ過ぎるか、あるいはスロットルギャップ18が上記のように再度液圧のみで制御回路STKHBZを介して調整され、キャリパ54では、作動力に比例するブレーキ力がホイールブレーキ回路RBKVRを介して供給される。ABSで制御される制動中に継続する制御工程が調整される。
【0062】
リヤホイールHRに関連して設けられ、図1で上部に示された構成要素、すなわち、部分的に一体形のブレーキ装置の制御回路STKFBZ、コントロールバルブRGVHRと、ホイールブレーキ回路RBKHRとに関しては、ハンドブレーキシリンダHBZが作動されるとき、同様に制御導管72及び86を通して液圧で制御されるコントロールピストン82は、コントロールバルブRGVHRの中で、このコントロールバルブのコントロールプランジャ24´及びそれと共に弁体16´を、液圧ポンプ44´の同時的な始動の下で、バルブピストン12´の貫通孔14´にあるシートの方向に移動させる。それ故に、スロットルギャップ18´が狭くなることによって、キャリパ54´にある動圧がプレッシャチャンバ10´に発生される。
【0063】
制動中にハンドブレーキシリンダHBZ及びフットブレーキシリンダFBZが作動されるとき、コントロールバルブRGVHRのコントロールプランジャ24´において、2つのシリンダによる大きな方の制御圧力のみが、コントロールチャンバ20´への加圧によって又はコントロールピストン82による加圧によって作動される。
【0064】
ホイールブレーキ回路RBKHRのキャリパ54´に供給されたブレーキ圧力が、センサ機構がリヤホイールHRでのロック傾向を認識するほど大きいとき、ホイールブレーキ回路RBKHRでアンチロック制御が上に既述したように実行される。この場合、コントロールバルブのアンカ及び磁気コイル26´からなる磁気駆動装置は、コントロールプランジャ24´及びそれと共に弁体16´を、バルブピストン12´のシートから、作動チャンバ80内のコントロールピストン82に供給されている制御圧力に抗して引き離す。作動チャンバ80内のコントロールピストン82は、コントロールバルブRGVHRの、拡大するバルブギャップギャップ18´によって減少する動圧が、必要に応じて調整された状態にあるまで、戻る。
【0065】
上記の記述からは、ホイールブレーキ回路RBKHRを介してリヤホイールにおけるキャリパ54´に供給されたブレーキ圧力を、コントロールプランジャのアンカ及び磁気コイル26´からなる、コントロールバルブRGVHRの磁気駆動装置への導通によって、積極的に調整することができることが明らかである。このことが、フロントホイールVR及びリヤホイールHRにおける、ブレーキ力の最適化された分布を保つために、如何になされるかを、以下、より詳細に説明する。
【0066】
図2は非作動状態にある完全に一体形のブレーキ装置を示している。以下、このブレーキ装置を、構造、回路及び機能に関し、部分的に一体形のブレーキ装置と異なる限りのみ記述する。同様に、同一の又は対応の要素は、場合によってはダッシュを補った、同一の参照符号を有する。
【0067】
図1と2の比較からは、完全に一体形のブレーキ装置の場合、構造、回路及び機能の点で同一であって、上記の部分的に一体形のブレーキ装置のコントロールバルブRGVHRに対応する2つのコントロールバルブRGVVR及びRGVHRが用いられ、すなわち、二重に液圧で(接続部30又は30´、接続部84又は84´によって)及び一重に電気式に(磁気コイル26又は26´によって)制御可能であることが直接明らかである。更に、図1に示した部分的に一体形のブレーキ装置の補足としての図2に示した完全に一体形のブレーキ装置の場合、制御回路STKFBZの液圧式の制御導管78から、コントロールバルブRGVVRの制御接続部84に接続されている制御導管96が分岐している。結果として、ハンドブレーキシリンダHBZの作動中に、フロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVRに関連して設けられたコントロールバルブRGVVRのコントロールチャンバ20及びそれと共にコントロールプランジャ24のみならず、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHRに関連して設けられたコントロールバルブRGVHRのコントロールチャンバ80´及びそれと共に、コントロールピストン82´を介して、コントロールプランジャ24´にも液圧が加えられる。これに対し、フットブレーキシリンダFBZの作動中に、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHRに関連して設けられたコントロールバルブRGVHRのコントロールチャンバ20´及びそれと共にコントロールプランジャ24´のみならず、フロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVRに関連して設けられたコントロールバルブRGVVRの、コントロールチャンバ80及びそれと共に、コントロールピストン82を介して、コントロールプランジャ24にも、液圧が加えられる。換言すれば、ハンドブレーキレバー66の把握又はフットブレーキレバー74への足踏みは、フロントブレーキ及びリヤホイールブレーキを共に作動させるために十分である。
【0068】
制動減速度の増加につれて、リヤホイールHRの伝達可能なブレーキ力が減少し(ブレーキ動力学)、リヤホイールHRが極端な場合に路面との接触を失うので、前記の部分的に一体形のブレーキ装置の場合のみならず、最後に論じた完全に一体形のブレーキ装置の場合にも、コントロールプランジャのアンカ及び磁気コイル26´からなる、コントロールバルブRGVHRの磁気駆動装置によって、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHR内のブレーキ圧力は、以下に詳述する如く、ブレーキ力の理想的な分布すなわちフロントホイールVRとリヤホイールHRとの間のブレーキ力の理想的な分布に従って減じられる。
【0069】
オートバイのホイールVR,HRにおけるブレーキ力を制御するための今記述する方法では、オートバイのブレ−キング中にホイールと路面とのグリップを出来る限上手く利用するために、2つのホイールVR,HRは、その動的な車輪荷重に出来る限り従って、ブレーキ力を加えねばならないという考察が出発点となっている。その時々の動的な車輪荷重へのこれらのブレーキ力の適合は、ここではオートバイのドライバに委ねられるべきでない難しい課題である。その特別な理由は、この適合が、オートバイの場合、他の車両の場合よりも難しいからである(重心の高さ対ホイールベースの比、転倒の危険性)。換言すれば、走行サイクル中に変化する影響を、フロントホイールVRとリヤホイールHRの間のブレーキ力の分布の適切な制御によって、自動的に補償することが意図されている。その目的は、どのブレ−キング過程も、理想的な認識に近い状態で実行するためである。このことは、その時々の状態の下で、ホイールと路面との間のその時々に与えられたグリップの均等な利用を意味する。このためには、上記の部分的に一体形のブレーキ装置又は完全に一体形のブレーキ装置内でリヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHRに設けられたコントロールバルブRGVHRは、圧力センサ90によってフロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVR内で測定される、コマンドとしてのブレーキ圧力pVRistに従って、ブレーキ装置の制御ユニット94にストアされた所定のブレーキ圧力分布特性を基礎として導通される。その目的は、既にブレーキ過程への入り込みの際にオートバイのホイールVR,HRをグリップの均等な利用に晒すためである。この場合、オートバイの負荷状態も考慮される。更に、特に、リヤホイールHRにおけるブレーキ・ディスク62´での、温度の発生も、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHR内のブレーキ圧力を制御する際に、選択的に考慮することができる。
【0070】
以下、図3乃至8を参照しつつ、ブレーキ力の分布を制御する際の方法の過程を詳述する。但し、各々のホイールVR,HRにおける上記のABS制御が、基本的には、ブレーキ力分布の制御に独立してなされることを、前もって言っておかねばならない。或るホイールVR,HRがABS制御の状態にあるとき、このホイールVR,HRには、ホイールと路面とのグリップの最適な利用が既に達成される。これから説明する制御サイクルは、8msの時間的間隔で一巡される。
【0071】
図3に示すように、ステップ100での点火のスイッチオン後に、まず、ステップ102で、整数のカウンタ(Zaehler)BLZをゼロにセットする。このカウンタは0と255の間にあることができ、オートバイの負荷のための尺度である。次に、104では、その時々の制御サイクルnのためのカウンタBLZnを評価する。このことは図1に示した部分的に一体形のブレーキ装置に関して図4に、及び図2に示した完全に一体形のブレーキ装置に関して図5に詳細に示されている。
【0072】
図4が示すように、ステップ106でのカウンタBLZの評価の際に、まず、ABS制御を伴うブレーキング過程があるか否かの問合せがなされる。このことが否定されるとき、ステップ108で、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnを、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0073】
ステップ106でABS制御を有するブレーキング工程があるとき、次に、ステップ112で、1つのホイールのみがABS制御状態にあるか否かを検査する。このことが否定されるとき、すなわち、2つのホイールがABS制御状態にあるとき、ステップ108では、再度、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnを、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。従って、1つのホイールもABSで制御されないか、あるいは、2つのホイールがABSで制御されるとき、負荷状態に関するカウンタBLZnは変化を受けないことが指摘される。
【0074】
1つのホイールのみがABS制御状態にあるとき、ステップ114で、このホイールがフロントホイールVRであるか否かを検査する。このことが否定されるとき、すなわち、リヤホイールHRであるに違いないとき、ステップ116で、リヤホイールHR用のフットブレーキが作動されるか否かの検査が続く。このことが肯定されると、ステップ118で、瞬時の制御サイクルnのカウンタBLZnを、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0075】
ステップ116が、リヤホイールHR用のフットブレーキが作動されないという結果に至るとき、ステップ120では、先の制御サイクルnのカウンタBLZn−1がゼロであるか否かを検査する。このことが肯定的な結果に至るとき、ステップ118では、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnを、再度、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0076】
ステップ120で最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1が等しくない、すなわちゼロより大きいとき、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnはステップ122で挙げる関係式から算出され、すなわち、カウンタBLZは1だけ引き下げられすなわち切り下げられる。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0077】
図4の左側のステップ114が、フロントホイールVRがABS制御状態にあるという結果に至るとき、ステップ124では、先の制御サイクルnのカウンタBLZn−1が255の数値を有し、すなわち、カウンタBLZの上限が既に達せられているか否かを検査する。このことが肯定の結果に至るとき、ステップ108では、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnを、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0078】
ステップ124でカウンタBLZn−1が255の数値にまだ達しなかったとき、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnはステップ126で挙げられた関係式から算出され、すなわち、カウンタBLZは1だけ引き上げられすなわち切り上げられる。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0079】
更に、完全に一体形のブレーキ装置に関する図5は、図5でステップ116に応じて問合せが何等なされないという事実を除いて、部分的に一体形のブレーキ装置に関する図4に対応している。
【0080】
実際の制御サイクルnの、かくて得られたカウンタBLZnを用いて、図3に応じて、処理を継続する。ステップ104におけるカウンタBLZnの評価に平行して、部分的に一体形のブレーキ装置又は完全に一体形のブレーキ装置のフロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVRに設けられた圧力センサ90によって、キャリパ54のプレッシャチャンバ56に供給されているブレーキ圧力の瞬時の実際値pVRistを検出する。このブレーキ圧力値pVRistは、更なるブレーキ力分布制御のコマンド又は重要な入力値として用いられる。
【0081】
ステップ128では、圧力計算変数(Durchberechnungsgrosse)pBLZ0及びpBLZ1を、フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力に関する実際値pVRistの関数fBLZ0及びfBLZ1として評価する。これに関しては、この箇所で、図6を参照するよう指示しなければならない。図6では、リヤホイールHRにおけるブレーキ圧力pHRは、フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力pVRの関数として記入されている。いわば、ここでは、リヤホイールHRにおけるブレーキ力も、フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力pVRの関数として記入されているだろう(圧力及び力は互いに比例関係にある)。このダイヤフラムには、2つの曲線すなわち関数fBLZ0及びfBLZ1が描かれている。これらの曲線はオートバイの異なった負荷状態に関する理想的なブレーキ力分布の曲線である。これらの曲線の各点は、フロントホイールVRにおける所定のブレーキ圧力pVRに、リヤホイールHRにおける所定のブレーキ圧力pHRを関連させる。このブレーキ圧力の場合、タイヤと路面の間のグリップの最適な利用が存する。曲線fBLZ0は、無負荷のオートバイ用の理想的なブレーキ力分布の、車両に特有な曲線である。この曲線fBLZ0では、例えばドライバのための、既に基礎負荷が表わされることができる。これに対し、曲線fBLZ1は、完全にすなわち最大限に負荷されたオートバイに関する理想的なブレーキ力分布の、車両に特有な曲線を表わしている。曲線fBLZ0及びfBLZ1は、車両に特有に、すなわち、走行テストの実行によって算出され、部分的に一体形の又は完全に一体形のブレーキ装置の制御ユニット94内に電子式に(EPROMで)、例えば多数の支点の形でストアされている。この場合、中間値を算術的に補間することができる。曲線fBLZ0及びfBLZ1の垂直方向の間隔は、コンピュータ内部で1バイトとして処理される。1バイトは、曲線fBLZ0とfBLZ1との間の、相応に256の部分ステップの数を有する。
【0082】
フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力に関する、各々の制御サイクルnにおいて検出された実際値pVRistに関して、ステップ128で、ブレーキ装置の制御ユニット94にストアされた上記のブレーキ力分布特性から、曲線fBLZ0及びfBLZ1上に割り当てられておりかつオートバイの負荷状態を表わす圧力計算変数pBLZ0及びpBLZ1が評価される。図6では、このことは垂直方向に延びている破線によって示されている。この破線の、曲線fBLZ0及びfBLZ1との各々の交点には、各々の圧力計算変数pBLZ0及びpBLZ1が割り当てられている。破線の位置は、フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力に関する検出された実際値pVRistから生じる。
【0083】
従って、制御の次のステップ130のための入力変数として、カウンタBLZn及び圧力計算変数pBLZ0及びpBLZ1が用いられる。ステップ130では、これらの変数から、図3に挙げられた計算規則によって、圧力計算変数pBLZを計算する。この圧力計算変数はオートバイの負荷状態を表わしている。この計算規則に従って、図6では、いわば、カウンタBLZnが増加する曲線fBLZは、曲線fBLZ0とfBLZ1との間で上方にシフトされる。これに対し、カウンタBLZnが減少する曲線fBLZは、曲線fBLZ0とfBLZ1との間で下方にシフトされる。カウンタBLZnが実際の制御サイクルnで一定であるとき、曲線fBLZのシフトは生じない。前記のこと並びに図4及び5からは、上方又は下方への曲線fBLZのシフトが可能である(ステップ120及び124を参照:シフトの限界は曲線fBLZ0及びfBLZ1によって形成される)限り、曲線fBLZのシフトは、ホイールVR,HRのうちの1がABS制御に入るときにはじめてなされることが明らかである。ホイールVR,HRのうちの何れもABS制御にないか、あるいは2つのホイールVR,HRがABS制御にあるとき、曲線fBLZのシフトは生じない。換言すれば、2つのホイールVR,HRのうちの1つのみをABSで制御する際に、曲線fBLZ0とfBLZ1の間のブレーキ力分布が起動状態として変えられ、2つのホイールVR,HRがABS制御に入り、その結果、出来る限り良い減速度又は出来る限り短いブレーキ距離を達成するために、タイヤと路面の間のグリップが最適に利用される。実際また、2つのホイールVR,HRが共同でのみABS制御から出る。
【0084】
例えば急カーブ又はカーブでブレーキを入れる際の、理想的な特性曲線へのブレーキ力分布曲線のシフト又は適合は、実際に重要である。この場合、中立なコーナリング特性、すなわち、フロントアクスル及びリヤアクスルにおけるキングピン傾角の同一の変化が達成可能である。従って、コーナリングフォースの最善の利用も保証され、車両の、ドライバにとって不意の働きが回避される。同様のことが高速度の場合にも当て嵌まる。
【0085】
図3に示した方法の複数の次のステップでは、リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の温度も考慮される。リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の温度の考慮は、ここに記した方法の順序でなされることができるが、なされなくてもよい。温度の補償とも呼ばれることができる、この過程のための入力変数として、リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の温度Tnが用いられる。この温度は、基本的には、適切なセンサ機構(温度センサ)によって実際に測定されることができるが、ここで記載の方法例では、温度モデルを用いて計算される。以下、この温度モデルを、図7及び8を参照して詳述する。
【0086】
温度補償の目的は走行安全性を高めることである。オートバイの場合、特に、リヤホイールにおける軸荷重の、マルチトラックの車両に比較して大きな差に基づいて、基本的には、かように大きなブレーキ力は作用しない。しかし、例えば長い下り坂の場合のような走行状態があって、このような走行状態では、ドライバによるリヤホイールへの過剰な荷重が生じることがある。従って、このことに伴う可能な機能的な損傷は走行作動中に自動的に防止されるべきである。その目的は、ここではドライバを支援するためである。原理的には、フロントホイールにおけるブレーキディスクに関する温度補償も可能であるだろう。しかし、フロントホイールにおける1つ又は複数のブレーキディスクは、基本的にはより安全に設計されており、パネルによって覆われていないので、冷たい相対風に位置している。
【0087】
図3に立ち返れば、ステップ132では、リヤホイールのブレーキディスク62´の実際の温度Tnが、予め設定された上限温度TGrenzより下にあるか、この上限温度に対応しているかを検査する。この場合、上限温度TGrenzは、特にブレーキ・フルイドの臨界温度を表わす一定値である。検査の結果が肯定であれば、温度補償の必要性は全然存在しない。圧力計算変数pTempを、ステップ134で、予め算出された圧力計算変数pBLZと等しいと置く。
【0088】
ステップ132での検査が、温度Tnが上限温度TGrenzよりも大きいという結果に至るとき、ステップ136では、温度Tnが最高温度Tmaxよりも小さいかあるいはそれと等しいかを検査する。この場合、最高温度Tmaxは、ホットフェーディングが生じないように、設計により超過されるべきでない一定値である。
【0089】
温度Tnが最高温度Tmaxよりも上にあるとき、リヤホイールHRにおけるブレーキ圧力は著しく制限されねばならない。次に、ステップ138では、圧力計算変数pTempを、上記の圧力計算変数pBLZ及び圧力値pTmaxの最大値と等しいと置く。この場合、図6に示したpTmaxは、最高温度Tmaxに割り当てられた、比較的低い、一定の圧力値である。この圧力値では、該圧力値がリヤホイールブレーキ54´に加えられるだろうとき、いずれにせよ、ブレーキディスク62´の更なる加熱は見込まれない。
【0090】
ステップ136での検査が、温度Tnが最高温度Tmaxよりも依然として下にある、すなわち、上限温度TGrenzと最高温度Tmaxの間にあるという結果に至るとき、ステップ140で挙げられた計算規則が実行される。
【0091】
これに応じて、圧力計算変数pTempを、上記の圧力計算変数pBLZ及びステップ140で角括弧に括られた項の最小値と等しいと置く。角括弧に括られた項は上記の圧力計算変数pBLZか、あるいは圧力計算変数pBLZよりも小さい圧力値を生じさせる。ここでは温度Tnと上限温度TGrenzとの差は最高温度Tmaxと上限温度TGrenzとの差に対し比例関係に置かれ、次に、この比例に圧力計算変数pBLZと圧力値pTmaxとの差が乗じられることが明らかである。換言すれば、圧力計算変数pBLZは、所定の方法で、温度Tn及び圧力計算変数pBLZと圧力値pTmaxとの間隔に応じて減じられる(redyziert)。結果は、リヤホイールのブレーキディスク62´の温度を所定の限度に保つという目標を有する、ブレーキ圧力の所定の減少である。
【0092】
次に、ステップ142のための入力変数として、今や算出された圧力計算変数pTempの他に、ABS制御によって算出された圧力値pABSが用いられる。この圧力値は、ABS制御中に、キャリパ54´におけるリヤホイールHRのホイールブレーキ回路RBKHRに設けられたコントロールバルブRGVHRによって調整されるだろう。リヤホイールHRにおけるブレーキ圧力に関する目標値pHRsollよりも、ステップ142では、圧力値pABS及び圧力計算変数pTempのより小さな値を設定する。この思想では、このことがリヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´での温度の発生のために必要であるとき、リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の一定の冷却のために、ホイールと路面との間のグリップの、ABS制御に基づいて可能な最適の利用を控える。このステップ142もその時々の必要要件に応じて無くても済むだろうが、ここでは、あった方が好ましい。
【0093】
次に、ステップ144では、リヤホイールHRにおけるブレーキ圧力のための算出された目標値pHRsollを、図1及び2を参照して詳述したように、リヤホイールHRのホイールブレーキ回路RBKVRに設けられたコントロールバルブRGVHRによって、磁気コイル26´への適当な導通によって、調整する。
【0094】
点火が更に「オン」にあるすなわちスイッチオンされていることが、最後にステップ146で確認される限り、次の制御サイクルは、図4及び5に示すように、ステップ104及びそれと共にカウンタBLZnの評価を始める。点火がスイッチオフされたとき、制御過程は148で終了される。
【0095】
最後に、図7及び8を参照して、リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の温度Tnの計算のために好ましくは用いられる温度モデルを記述する。
【0096】
150での点火「オン」後に、ステップ152で、まず、図8に示されたかつ常に共に計算される2つの温度関数F1及びF2に関する開始値を定める。図8では、一目瞭然であるように、左側に温度関数F1のみが示されている。
【0097】
ステップ154では、次に、温度関数F1の計算がなされる。実際の制御サイクルnの温度値Taltnは、記述の関係式から生じる。この関係式で、以下の変数が計算される(既知の変数は再度挙げない)。
Δt=ブレーキディスク62´にエネルギが供給されるか又はブレーキディスク62´からエネルギが運び出される間の時間間隔。
v=好ましくはフロントホイールVRにおける回転速度センサ88の信号から評価される、車両の速度。
K1=供給された特に機械的な摩擦エネルギの故のブレーキディスク62´の加熱を表わしている、走行テストによって算出された定数。
K2=向かい風による特に熱放射及び周囲吹付の故の、ブレーキディスク62´の冷却を表わしている、走行テストによって算出された定数。
【0098】
ステップ156では、次に、修正項KTを温度値Taltn及びTn−1の関数として計算する。関連の計算式はK=1+k×max[0,(Taltn−Tn−1)]である。但し、kは一定の位取り因数である。
【0099】
ステップ158では、次に、温度Tnを前記温度関数F2から計算する。KTが常に1より大きいかそれと等しいかであるので、この修正項KTが温度関数F2を「加速させる」か、あるいはますます上昇し、温度関数F1及びF2が再度重なり合って延びていることは、明らかである。計算された温度Tnを、図3に示した制御経過(ステップ132)で、更に処理することができる。
【0100】
ステップ160では、温度関数F1の温度値Taltnを、実際の制御サイクルnにおいて、値TSPとして制御ユニット94に記憶する。それ故に、温度値は点火「オフ」及び新たな点火「オン」の後に、更なる処理のために使用可能である。
【0101】
ステップ162での問合せが、点火が更に「オン」にある、すなわち、スイッチオンされているという結果に至るとき、新たな制御サイクルがステップ154を始める。そうでないとき、164での制御過程は終わる。
【0102】
図8が最後に明示していることは、図7に示した経過ダイアフラムから既に明らかなように、ブレーキディスク62´の温度の計算の際に、点火「オン」と共に、常に2つの温度関数F1,F2が形成され、これらの温度関数のうち一方の温度関数F1は、点火「オフ」及び新たな点火「オン」の後に、常に、最後に計算された温度値Taltn−1=TSPの際に再度始まり、これに対し、更に計算された温度値Tnをもたらす他方の温度関数F2は、点火「オン」と共に、常に再度ゼロで始まり、後者は第1の温度関数F1の結果Taltnを計算し、ますます上昇して、2つの温度関数がTXで再度同じ結果をもたらすことである。更に、参照符号w及びkは、温度関数F2において、エネルギがいつブレーキディスク62´に供給され(w)、いつ排出される(k)か、を例示している。
【0103】
前記の温度モデルは、一方では、ブレーキディスクの温度を検出するためのコストのかかるセンサ機構が不要であるという利点を有する。他方では、オートバイの停止の際にバッテリから出力を取り去るであろう電子的な構造素子及び時間緩衝素子なしにやっていくことは好都合である。特に、最後に挙げた利点は、この温度モデルを、他の応用のためにも有利にする。これらの応用の場合、ウォームアップ段階及びクールダウン段階を有するある物体の、その可変の温度をコンピュータによって算出することが意図されている。
【0104】
フロントホイールでのブレーキ圧力pVRを調整するためのプレッシャ・モジュレータを有するホイールブレーキ回路と、リヤホイールでのブレーキ圧力pHRを調整するためのプレッシャ・モジュレータを有するホイールブレーキ回路と、2つのプレッシャ・モジュレータを制御するための少なくとも1つの制御回路と、制御ユニットとを具備するブレーキ装置を用いて、シングルトラックの車両のホイールにおけるブレーキ力を制御する方法が開示されている。本発明では、リヤホイール用のホイールブレーキ回路でのブレーキ圧力pHRSOLLを、フロントホイール用のホイールブレーキ回路で検出されたブレーキ圧力pVRistに従って、制御ユニット内にストアされた理想的なブレーキ力分布特性に基づいて算出し、リヤホイール用のホイールブレーキ回路に設けられたプレッシャ・モジュレータによって調整する。結果として、ホイールと路面との間のグリップの出来る限り良い利用をブレーキ過程の際に自動的に可能にする方法を記述する。本発明はこの方法を実行するための簡単な構造のブレーキ装置をも含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートバイ用のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)を有し、本発明に係わる方法を実行するための液圧式の部分的に一体形のブレーキ装置の、その回路図を示している。
【図2】オートバイ用のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)を有し、本発明に係わる方法を実行するための液圧式の完全に一体形のブレーキ装置の、その回路図を示している。
【図3】いわば部分的に一体形のブレーキ装置及び完全に一体形のブレーキ装置に当て嵌まる経過ダイヤフラムであって、本発明に従って、フロントホイールのホイールブレーキ回路内の実際の圧力に応じてリヤホイールのホイールブレーキ回路における目標圧力が如何に算出されるかを例示する経過ダイヤフラムを示している。
【図4】リヤホイールのホイールブレーキ回路における目標圧力を図3に基づいて算出する際にオートバイの負荷状態が如何に考慮されるかを、部分的に一体形のブレーキ装置の場合に例示する経過ダイヤフラムを示している。
【図5】リヤホイールのホイールブレーキ回路における目標圧力を図3に基づいて算出する際にオートバイの負荷状態が如何に表わされるかを、完全に一体形のブレーキ装置の場合に例示する経過ダイヤフラムを示している。
【図6】本発明に係わる方法の例示に用いられるダイヤフラムを示している。このダイヤフラムでは、リヤホイールのホイールブレーキ回路内の圧力は、フロントホイールのホイールブレーキ回路内の圧力の関数として記入されており、負荷なしの又は基本負荷を有するオートバイ及び最大限に負荷されたオートバイに関する理想的なブレーキ力分布曲線が記されており、これらのブレーキ力分布曲線の間には、所定の走行状態に関するブレーキ力分布曲線が点線で示されている。
【図7】いわば部分的に一体形のブレーキ装置及び完全に一体形のブレーキ装置に当て嵌まる経過ダイヤフラムであって、本発明に係わる温度モデルによって計算されたブレーキディスクの温度が、その時々のホイールブレーキ回路内の目標圧力の算出の際に如何に考慮されるかを例示する経過ダイヤフラムを示している。
【図8】温度が時間の関数として記入されていて、コンピュータによって算出された2つの温度曲線F1及びF2を有する、本発明に係わる温度モデルを例示するために用いられるダイヤフラムを示している。
【符号の説明】
10…プレッシャチャンバ、12…バルブピストン、14…貫通孔、16…弁体、18…スロットルギャップ、20…コントロールチャンバ、22…排出チャンバ、24…コントロールプランジャ、26…磁気コイル、28…ストッパ、30…接続部、32…接続部、34…肩部、36…復帰ばね、38…プランジャばね、40…接続部、42…送出し管、44…液圧ポンプ、46…吸入管、48…リザーバ、50…逆止め弁、52…送出し管、54…キャリパ、56…プレッシャチャンバ、58…ピストン、60…ブレーキ・ライニング、62…ブレーキディスク、64…帰り管、66…ハンドブレーキレバー、68…補償レザーバ、70…プレッシャチャンバ、72…制御導管、74…フットブレーキレバー、76…プレッシャチャンバ、78…制御導管、80…コントロールチャンバ、82…コントロールピストン、84…接続部、86…制御導管、88…回転速度センサ、90…圧力センサ、92…制御ライン、94…制御ユニット、96…制御導管、100乃至164…方法のステップ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の、シングルトラックの車両のホイールにおけるブレーキ力を制御する方法と、請求項6の前提部分に記載の、この方法を実行するためのブレーキ装置とに関する。特に、本発明は、2つのホイールに、互いに別々に、出来る限り可能なグリップによって、理想的なブレーキ力分布曲線に近いか又はその曲線に沿ってブレーキを掛けることができる、オートバイ用のブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シングルトラックであれマルチトラックであれ、如何なるデザインの車両も、ブレーキ過程及び加速過程の際に、物理的な状態及び車両の構造的な特徴に基づき、リヤアクスル及びフロントアクスルへの負荷を変化させる。結果は、リヤホイール及びフロントホイールにおけるブレーキ力が同じであっても、グリップの差及びそれと共に異なったブレーキ作用である。グリップのこのような差が、リヤホイールにおけるブレーキ過程中のより僅かな可変の負荷成分の故に、ブレーキの掛け過ぎ及び結果としてホイールロックを引き起こすことができるのは、フロントホイールにおける減速度過程のための最大限のブレーキ力が達成され、効果的に利用されることができる前である。このことはトラックの不安定性を引き起こし、その時々の段階において車両の横滑り又はスリップを引き起こすことがある。従って、熟練したドライバでさえ、車両、特にオートバイへの制御を維持することは最早不可能である。
【0003】
このような事態を改善するために、リヤアクスル用の自動車両構造体に設けられた液圧式のブレーキ装置には、圧力制御装置、プレッシャ・レギュレータ、負荷従属形のプレッシャ・レギュレータ(例えばDE−C−29 10 960)、減圧弁、前記構成部材の組合せ(例えばEP−B−0 451 555)並びに電子制御式のABS、ASR及び車両走行動力学制御装置が用いられた。
【0004】
最初に挙げた構成要素の場合、欠点は、負荷従属形のプレッシャ・レギュレータの場合でさえ、一方ではホイールブレーキ装置の公差を補償するため、他方では、通常の負荷検出方法では検出することができない、重心の高さによる影響を、阻止するためには、構成要素に固有の、段階式の識別と、ブレーキ力分布のための理想的な特性曲線との間の著しい間隔を保たねばならないという点に(例えば、EP−B−0 451 555の図2,11,20,21及び26を参照せよ)に、見出される。
【0005】
同様なことは例えばEP−B−0 623 079から知られた回路に当て嵌まる。これらの回路の場合、リヤホイールブレーキ又はフロントホイールブレーキの作動と共に2つのホイールが同時に作動されるが、グリップの均等な利用は前記の理由から不可能である。
【0006】
既にABSを装着した、すなわちロックが防止される、シングルトラックの車両の場合、最良の制動減速度を達成するためのABSモジュレータが、各々のアクスル及びそれと共に各々のホイールに関連して設けられている。このことは理想的な識別に基づくABS制御ブレ−キングを可能にするが、最小限度達成可能なブレーキ距離は、このような装置(例えば、DE−C−35 30 280,DE−C−35 30 286,DE−C−36 03 074)の場合、複数のABSモジュレータの別個の起動可能性の故に、ドライバの、常に2つのモジュレータを同時に作動させようとする感情及び熟練に、強く依存する。更に、理想的な特性曲線はABSの場合のみ達成される。減速度が安定限界を著しく下回る場合には、このような装置は、無制御のブレーキ装置に比較して何等利点を有しない。
【0007】
オートバイドライバの、1つのブレーキ回路のみを主として作動しようとする通常の態度は、出来る限り良いブレーキ距離並びにフロントホイール及びリヤホイールにおけるグリップの均等な利用の達成を妨げる。この点での改善をもたらしたのは出願人のEP−B−0 761 520から公知の回路(部分的に一体形の回路)である。この回路では、フロントホイールにおけるコントロールバルブ(=ABSモジュレータ)の作動と共に、リヤホイールにおけるABSモジュレータが自動的に起動される。しかし、ABSを有するブレーキ力制動装置の、ドライバの負担を軽減するこのような改善された回路装置の場合でさえ、ブレーキの状態に依存する変数も考慮されない。それ故に、出来る限り良い減速度のための、グリップの最適な利用は、ドライバによる影響の行使なしには不可能である。
【0008】
前記の欠点は、特にオートバイの場合に、走行安全性に重大な作用を及ぼす。何故ならば、ここでは、静的及び動的軸荷重が、乗用車の場合よりも著しく激しく変化することができるからであり、確実な全重量とアンローデッド・ウェートの比がより高いからであり、及び重心の高さとホイール・ベースの比が、車輪荷重の少ない変動及び大きな振動抑制力を有する乗用車の場合よりも著しく大きくて、激しく変化するからである。このことは、オートバイのアクスルの重量(Achsmasse)が小さいにも拘わらずカーブでのオートバイの走行性を激しく損なう。
【0009】
最後に、開閉弁を用い、負荷変化の際の該開閉弁による衝撃を伴う通常のディジタル式の圧力制御は、車両走行動力学制御装置における欠点と見なされている。このような衝撃は、特に、オートバイでの利用の場合に、走行装置での不安定を発生させるであろう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
EP−B−0 761 520に記載された、前提部分を形成する従来の技術を前提として、シングルトラックの車両の複数のホイールにおけるブレーキ力を制御するための方法であって、ブレ−キ過程中に自動的にホイールと路面とのグリップの出来る限り良い利用を可能にする方法を記載し、この方法を実行する簡単な構造のブレーキ装置を製造するという課題が本発明の基礎になっている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この課題は請求項1及び6に記載の特徴によって解決される。本発明の好都合な又は適切な実施の形態は請求項2乃至5並びに7乃至12の主題である。
【0012】
本発明によれば、フロントホイールブレーキでのブレーキ圧力を調整するためのプレッシャ・モジュレータを有するホイールブレーキ回路と、リヤホイールブレーキでのブレーキ圧力を調整するためのプレッシャ・モジュレータを有するホイールブレーキ回路と、2つのプレッシャ・モジュレータを制御するための少なくとも1つの制御回路と、制御ユニットとを具備するブレーキ装置を用いて、シングルトラックの車両のホイールにおけるブレーキ力を制御する方法で、リヤホイール用のホイールブレーキ回路におけるブレーキ圧力pHRSOLLを、フロントホイール用のホイールブレーキ回路で検出されたブレーキ圧力pVRistに従って、制御ユニット内にストアされた理想的なブレーキ力分布特性に基づいて算出し、リヤホイール用のホイールブレーキ回路に設けられたプレッシャ・モジュレータによって調整する。
【0013】
結果として、部分的に一体形のブレーキ装置又は完全に一体形のブレーキ装置の場合、リヤホイールブレーキ回路内のブレーキ圧力は、フロントホイールブレーキ回路内での、コマンドとしてのブレーキ圧力を用いて、理想的なブレーキ圧力分布に応じて、算出及び調整される。それ故に、ホイールと路面の間のグリップの最適な利用がなされる。
【0014】
本発明に係わる方法では、制御ユニット内にストアされたブレーキ力分布特性は、好都合なことには、2つの理想的なブレーキ力分布曲線を含み、これらのブレーキ力分布曲線のうち、一方の曲線は無負荷の車両を表わし、これに対し、他方の曲線は最大限に負荷された車両を表わしている。
【0015】
好ましくは、更に、フロントホイール用のホイールブレーキ回路で検出されたブレーキ圧力のために、2つの理想的なブレーキ力分布曲線を考慮して、車両の実際の負荷に従って2つの理想的なブレーキ力分布曲線の間に又は該曲線の一方にある圧力計算変数の、その計算に用いられる、車両の実際の負荷を表わすカウンタを形成し、リヤホイール用のブレーキ圧力pHRSOLLを、計算された圧力計算変数に従って算出する。
【0016】
本発明の好都合な選択的な実施の形態では、リヤホイール用のブレーキ圧力pHRSOLLの算出の際に、リヤホイールのブレーキディスクの、測定された又は計算された温度を共に考慮して、所定の温度限度を越える際に、リヤホイール用のブレーキ圧力pHRSOLLを下げる。
【0017】
好適に用いられた温度モデルによれば、ブレーキディスクの温度の計算の際に、点火「オン」と共に、常に2つの温度関数を形成し、これらの温度関数のうち一方の温度関数は、点火「オフ」及び新たな点火「オン」の後に、常に、最後に計算された温度値の際に始まる補助関数として用いられ、これに対し、更に計算された温度値をもたらす他方の温度関数は、点火「オン」と共に、常に再度ゼロで始まり、後者は第1の温度関数の結果を計算し、ますます上昇して、2つの温度関数は同じ結果をもたらす。
【0018】
装置の点では、本発明は、上記方法を実行するために、フロントホイールブレーキに加えることができるブレーキ圧力を調整するためのプレッシャ・モジュレータを有する、フロントホイール用のホイールブレーキ回路と、リヤホイールブレーキに加えることができるブレーキ圧力を調整するためのプレッシャ・モジュレータを有する、リヤホイール用のホイールブレーキ回路と、2つのプレッシャ・モジュレータを制御することができる第1の制御回路と、2つのプレッシャ・モジュレータのうちの一方を制御することができる第2の制御回路とを具備する、シングルトラックの車両用のブレーキ装置において、2つのプレッシャ・モジュレータのうちの他方は、第2の制御回路によって制御可能であることを特徴とするブレーキ装置を提案する。従って、好ましくは常に2つのホイールブレーキ回路が、ブレ−キングの際に作動される。このことは、全体として、より良いブレーキ作用をもたらす。
【0019】
ブレーキ装置の好都合な実施の形態では、各々のプレッシャ・モジュレータは弁体を有し、この弁体は、各々のホイールブレーキに加えることができる所定の動圧をプレッシャチャンバ内で調整するために、ブレーキ作動中に圧力媒体を強制貫流されるスロットルギャップを制御可能に制限することが提案されている。
【0020】
スロットルギャップを調整するための、各々のプレッシャ・モジュレータの弁体が、コントロールプランジャによって、液圧で及び電磁式に制御可能であることは好ましい。この場合、各々のプレッシャ・モジュレータのコントロールプランジャは、コントロールチャンバへの加圧及び/又は、コントロールチャンバ内で摺動自在に案内されておりかつコントロールチャンバによって液圧で加圧可能なコントロールピストンによる機械式の加圧によって移動可能であることができる。各々のプレッシャ・モジュレータのコントロールプランジャは、更に、コントロールプランジャのアンカ及び磁気コイルからなる磁気駆動装置によって移動可能であることができる。
【0021】
好ましい実施の形態では、各々のホイールブレーキ回路は圧力センサを有する。
【0022】
特に、本発明に係わる方法の以下の利点及びこの方法に適切なブレーキ装置を要約する。
【0023】
効果的な一体形のブレーキの導入は可能となる。ドライバの個々の習慣の排除が達成可能である。
【0024】
車両のドライバの負担はブレーキ力分布の感情的な調整から軽減されるので、ドライバは交通の出来事により多く専念することができる。
【0025】
2つのブレーキは、非常状況では、特にハンドブレーキシリンダによって著しく速く作動され、このことはブレーキ距離の短縮に作用を及ぼす。このことは、大部分の二輪車のドライバが主に1つのブレーキしか利用しないという事情も考慮に入れる。
【0026】
動的な効果を暗黙のうちに考慮することによって、リヤホイールの持ち上がり傾向を減少することができる。
【0027】
2つのホイールにおけるグリップの均等な利用は、カーブでのブレ−キングの際のロール・ステア作用を改善する。
【0028】
ブレ−キングの開始及びブレ−キングの際の走行装置の不安定が減少される。
【0029】
リヤホイールブレーキ回路には、2つのブレーキの作動中に、比例的にのみ負荷が掛けられる。このことによって、ブレーキディスク、ブレーキ・ライニング及びキャリパの熱的な過負荷は最早リヤホイールに生じない。
【0030】
本発明の他の特徴及び利点は以下の記述から明らかである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態を詳述する。図1は非作動状態にある部分的に一体形のブレーキ装置を示している。部分的に一体形のブレーキ装置は、大まかに、ハンドブレーキシリンダHBZに関連して設けられている制御回路STKHBZと、フットブレーキシリンダFBZに関連して設けられている制御回路STKFBZと、フロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVRと、このホイールブレーキ回路から分離された、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHRとに区分される。制御回路STKHBZとホイールブレーキ回路RBKVRとの間には、コントロールバルブRGVVRの形のプレッシャ・モジュレータが接続されている。これに対し、制御回路STKFBZとホイールブレーキ回路RBKVRとの間には、コントロールバルブRGVVRとは異なるコントロールバルブRGVHRの形のプレッシャ・モジュレータが接続されている。コントロールバルブRGVVR及びコントロールバルブRGVHRは、構造及び機能の点で、原理的に、出願人のEP−B−0 761 520から公知である。まず、本明細書によって、この公報を参照するよう明文をもって指摘しておく。
【0032】
非常にコンパクトな構造のコントロールバルブRGVVR及びRGVHRは、該コントロールバルブがスロットルバルブとして形成されており、該スロットルバルブはプレッシャチャンバ10を有し、該プレッシャチャンバ内にバルブピストン12が摺動可能に設けられていること、実質的にこのことにおいて抜きん出ている。バルブピストン12は貫通孔14を有し、この貫通孔で、弁体16と共に、スロットルギャップ18を形成する。スロットルギャップ18には、外力で支援されたブレーキ作動中に、圧力媒体が強制貫流され、スロットルギャップは弁体16の制御によって調整可能である。それ故に、プレッシャチャンバ10には所定の動圧が発生される。動圧は、ホイールブレーキ回路RBKVR又はホイールブレーキ回路RBKHRにおけるフロントホイールVR又はリヤホイールHR夫々にブレーキ力を発生させるために、供給されている。外力による支援の停止の際には、バルブピストン12をプレッシャチャンバ10内で弁体16によって移動させることができる。弁体16は貫通孔14を閉じるので、プレッシャチャンバ10内には残余ブレーキ圧力(Restbremsdruck)が発生される。
【0033】
コントロールバルブRGVVR及びRGVHRは、夫々、3つのチャンバからなるバルブハウジングを有する。このバルブハウジングは、プレッシャチャンバ10の他に、コントロールチャンバ20及び排出チャンバ22を区画している。両チャンバはバルブハウジングの壁部によって互いに分離されている。コントロールチャンバ20には、コントロールプランジャ24が摺動可能に設けられており、このコントロールプランジャは液圧で又はアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)のために電磁式に制御されてコントロールチャンバ20の軸方向に移動可能である。この目的のために、コントロールプランジャ24は、コントロールチャンバ20内で案内されるアンカ及びこのアンカに同軸に設けられているバルブピンからなる。このバルブピンは、密閉要素によって密閉された状態で、コントロールチャンバ20と排出チャンバ22との間の壁部を通って延びており、排出チャンバ22に突入している。コントロールチャンバ20と排出チャンバ22との間の壁部において圧液で密閉状態で案内される、コントロールプランジャ24のバルブボルトは、コントロールプランジャ24のアンカよりも小さい直径を有する。コントロールプランジャ24の回りには、コントロールチャンバ20内で、実質的に完全に圧力媒体が流れることができる。このために、コントロールプランジャ24のアンカには、孔が形成されている。この孔は、アンカの、図1で左の側を、アンカの、図1で右の側と接続する。
【0034】
コントロールチャンバ20を半径方向に取り囲む、バルブハウジングの部分には、磁気コイル26が設けられている。この磁気コイルはコントロールプランジャ24のアンカを少なくとも部分的に同軸に取り囲む。ハンドブレーキシリンダHBZ又はフットブレーキシリンダFBZの作動に係わりなくスロットルギャップ18を変えるために、コントロールプランジャ24のアンカ及び磁気コイル26からなる磁気駆動装置によって、コントロールバルブRGVVR又はRGVHRを制御することができる。このとき、コントロールプランジャ24は軸方向に移動される。このために、磁気駆動は、適切な、ほぼ比例する電流・力特性(Strom−Kraft−Charakteristik)によって実行されている。
【0035】
図1に示されたコントロールバルブRGVVRの場合、コントロールプランジャのアンカの、排出チャンバ22に対向する側で、コントロールチャンバ20又はアンカにストッパ28が形成されている。ストッパはコントロールチャンバ20におけるコントロールプランジャ24の進路を、図1で左に対し制限する。最後に、コントロールチャンバ20は接続部30を有する。この接続部を通じて、コントロールプランジャ24を液圧で制御することができる。
【0036】
排出チャンバ22には、弁体16が設けられており、弁体は金属製の球として形成されている。この球には、コントロールチャンバ20と排出チャンバ22との間の壁部の中を密閉状態で延びている、コントロールプランジャ24のバルブピンによって、機械式に力を加えることができる。弁体16と、コントロールプランジャ24のバルブピンとは、2つの別個の構成要素である。それ故に、弁体16には、コントロールプランジャ24のバルブボルトによって、圧力のみを加えることができる。更に、排出チャンバ22は接続部32を有する。この接続部を通って圧力媒体は排出チャンバ22から流出することができる。
【0037】
排出チャンバ22とプレッシャチャンバ10との間に、肩部34が設けられている。肩部は、プレッシャチャンバ10に収容されておりかつコントロールプランジャ24と同一の軸線上に位置しているバルブピストン12のための、排出チャンバ側のストッパを形成している。排出チャンバ22をプレッシャチャンバ10と圧液で連通する、バルブピストン12の貫通孔14には、排出チャンバ側に、環状のシートが取り付けられている。このシートは、貫通孔14と同様に、バルブピストン12の中心軸と同軸に向けられており、スロットルギャップ18の制限のために、弁体16と協働し又は外力による支援の停止の際に弁体16と液密に接触する。バルブピストン12の貫通孔14には、復帰ばね36が収容されている。復帰ばねは、バルブピストン12の、プレッシャチャンバ側の肩部において支持され、弁体16をコントロールプランジャ24のバルブピンの方へ押圧する。バルブピストン12の外周面は密閉要素を有するので、スロットルギャップ18のみが、バルブピストン12の貫通孔14を通って、プレッシャチャンバ10を排出チャンバ22と液圧で接続させ又は、外力による支援の停止の際には、弁体16がバルブピストンのシートにおいてバルブピストン12の貫通孔14を閉じた後に、プレッシャチャンバ10内に残余ブレーキ圧力が発生されることができる。
【0038】
プレッシャチャンバ10には、プランジャばね38が収容されている。プランジャばねは、復帰ばね36の復原力よりも大きな力によって、バルブピストン12を、バルブハウジングの肩部34へ予め負荷する。最後に、プレッシャチャンバ10も接続部40を有する。
【0039】
コントロールバルブRGVVRは、コントロールバルブRGVHRと同様に、非制御状態では、閉鎖位置(Durchgangs−Null−Stellung)に切り換えられている。この閉鎖位置では、バルブピストン12は復帰ばね36によってバルブハウジングの肩部34の方へ予め負荷されている。これに対し、バルブピストン12の肩部において支持される復帰ばね36は、コントロールプランジャ24を、弁体16と、コントロールプランジャ24のバルブピンとの間の接触によって、コントロールチャンバ20内のストッパ28の方へ押圧する。その場合、スロットルギャップ18は、図1の描写とは異なって、最大限開かれている。
【0040】
コントロールバルブRGVVRは、以下のように、部分的に一体形のブレーキ装置へ切り換えられている。
【0041】
コントロールバルブRGVVRのプレッシャチャンバ10の接続部40は、送出し管42を通って、モータMによって駆動される液圧ポンプ44の出力端に液圧で接続されている。液圧ポンプの入力端は吸入管46を通って圧力媒体用のリザーバ48に接続されており、液圧ポンプは、外力で支援されたブレーキ作動中に、スロットルギャップ18への強制貫流を引き起こす。送出し管42へは逆止め弁50が接続されており、逆止め弁は圧力媒体が液圧ポンプ44の方向に戻ることができることを阻止する。送出し管42からは、逆止め弁50と、コントロールバルブRGVVRのプレッシャチャンバ10との間で、送出し管52が分岐されており、送出し管は挟み機構(Zuspannorgan)として用いられるキャリパ54へ至る。
【0042】
キャリパ54、図示した実施の形態ではフローティング・キャリパは、ピストン58が液圧で密閉状態で案内されているプレッシャチャンバ56を有するピストン・シリンダ装置を具備する。プレッシャチャンバ56は送出し管52に接続されている。それ故に、ピストン58に、液圧ポンプ44によって発生されかつコントロールバルブRGVVRによって制御される動圧を加えることができる。更に、キャリパ54はブレーキ・ライニング60を有し、これらのブレーキ・ライニングは、ピストン・シリンダ装置への加圧の際に、ピストン58によってブレーキ・ディスク62の方へ押圧される。
【0043】
更に、コントロールバルブRGVVRの排出チャンバ22は帰り管64を通じてリザーバ48に接続されている。
【0044】
最後に、コントロールチャンバ20内で案内されるコントロールプランジャ24によってコントロールバルブRGVVRを液圧で制御するためには、1系統式のハンドブレーキシリンダHBZが用いられる。このハンドブレーキシリンダはハンドブレーキレバー66によって作動されることができ、ハンドブレーキシリンダHBZが非作動の状態で調整レザーバ68に接続されたプレッシャチャンバ70を有する。このためには、プレッシャチャンバ70は制御導管72を通ってコントロールバルブRGVVRの接続部30に接続されている。
【0045】
結果として、液圧ポンプ44と、送出し管42と、帰り管64を通じてリザーバ48に接続されているコントロールバルブRGVVRと、送出し管52と、キャリパ54のピストン・シリンダ装置とは、閉鎖可能なバルブピストン12によって一体化された残余ブレーキ機能を有する外力用のホイールブレーキ回路RBKVRを形成する。このホイールブレーキ回路を、コントロールバルブRGVVRの磁気コイル26によって電磁式に制御し、あるいはコントロールバルブRGVVRとは液圧に関し異なった液圧式の制御回路STKHBZによって制御することができる。この制御回路は、ハンドブレーキシリンダHBZと、制御導管72と、コントロールバルブRGVVRのコントロールチャンバ20と、コントロールバルブのコントロールプランジャ24とからなる。
【0046】
図1の上部には、リヤホイールHRに関連して設けられた構成要素、すなわち、部分的に一体形のブレーキ装置の制御回路STKFBZ、コントロールバルブRGVHRと、ホイールブレーキ回路RBKHRとが示されている。これらの構成要素が、フロントホイールVRに関連して設けられた構成要素、すなわち、ハンドブレーキシリンダHBZ、コントロールバルブRGVVR及びホイールブレーキ回路RBKVRと異なっている限りにおいてのみ、以下、前者の構成要素を説明する。ここでは、同一の又は対応の要素は、ダッシュを補った同一の参照符号を有する。部分的に一体形のブレーキ装置の、図1で上の部分も、非作動の状態で示されている。しかし、コントロールバルブRGVHRのスロットリルギャップ18´は実際に最大限開放されている。
【0047】
制御回路STKFBZのフットブレーキシリンダFBZは、同様に、1系統式であり、フットブレーキレバー74によって作動されることができる。フットブレーキシリンダFBZのプレッシャチャンバ76には、制御導管78を介して、コントロールバルブRGVHRが接続されており、このコントロールバルブは実質的にコントロールバルブRGVVRと同様に構成されており、作動する。
【0048】
コントロールバルブRGVHRは、バルブハウジングの、コントロールチャンバ側の端部に追加の作動チャンバ80が設けられており、この作動ルチャンバにはコントロール又はインテグラル・ピストン82が摺動可能に収容されていることによってのみ、コントロールバルブRGVHRと異なっている。コントロールピストン82とは密閉要素が協働し、密閉要素は作動チャンバ80をコントロールバルブRGVHRのコントロールチャンバ20´に対し密閉する。コントロールピストン82によって、このコントロールピストンと直列に接続されているコントロールプランジャ24´に機械式に力を加えることができるのは、作動チャンバ80に制御圧力が生起されるときである。最後に、作動チャンバ80は接続部84を有する。接続部を通じて、コントロールチャンバは制御導管86に接続されている。この制御導管は制御回路STKHBZの制御導管72から分岐しているので、リヤホイールHRにおけるブレーキ回路は、フロントホイールVRにおけるブレーキ回路によって共に制御されることができる。このことは部分的に一体形のブレーキ装置にとって特徴的である。
【0049】
最後に、図1に示した部分的に一体形のブレーキ装置の構造については、フロントホイールVR及びリヤホイールHRに関連して夫々回転速度センサ88が設けられていることもコメントしなければならない。更に、制御回路STKHBZに、ホイールブレーキ回路RBKVRに、制御回路STKFBZに及びホイールブレーキ回路RBKHRには夫々、ブレーキ圧力制御のために、これから詳述するようにその時々の圧力を検出するための圧力センサ90が設けられている。回転速度センサ88及び圧力センサ90は、液圧ポンプ用のモータM並びにコントロールバルブRGVVR及びRGVHRの磁気コイル26と同様に、制御ライン92を通じて制御ユニット94と電気的に接続されている。制御回路STKHBZ及びSTKFBZにおける圧力センサ90については、この箇所で、これらの圧力センサ90がまず第1に制御良度の改善のために用いられ、安全工学の観点で制御回路STKHBZ及びSTKFBZの連続的な漏れ試験を可能にすることもコメントしておく。
【0050】
以下、部分的に一体形のブレーキ装置の機能方法を、まず、フロントホイールVRに関連して設けられた構成要素すなわち制御回路STKHBZ、コントロールバルブRGVVR及びホイールブレーキ回路RBKVRに基づいて説明する。
【0051】
ハンドブレーキレバー66を引くことによって、ハンドブレーキシリンダHBZのプレッシャチャンバ70には、ハンドブレーキレバー66に作用する作動力に比例する圧力が生起される。この圧力は、液圧式の制御回路STKHBZでも、制御導管72を通じて、制御圧力として、コントロールバルブRGVVRのコントロールチャンバ20に供給されている。
【0052】
コントロールバルブRGVVRのコントロールチャンバ20に存する制御圧力は、コントロールプランジャの横断面に対応する、コントロールプランジャ24の液圧の作用面、その作用面に圧力を加える故に、コントロールプランジャ24を図1で右へ移動させると共に、復帰ばね36の力によってコントロールプランジャ24に接触している弁体16を、バルブピストン12の貫通孔14に設けられたシートの方向に移動させる。液圧式の制御回路STKHBZによる、液圧での、コントロールバルブRGVVRのこのような制御は、外力で支援されたブレーキ作動中でも、外力による支援の停止の際でも、同じである。
【0053】
外力によって支援されたブレーキ作動中に、液圧ポンプ44を作動するモータMは、関連の圧力センサ90によって検出される、液圧式の制御回路STKHBZにおける所定の信号圧力を越えると同時に、制御ユニット94によって始動される。しかし、液圧ポンプ44は、オートバイの全使用期間中も、同様に駆動されるだろう。
【0054】
液圧ポンプ44は圧力媒体をリザーバ48から吸入管46を通じて吸い込み、圧力媒体を、逆止め弁50及び送出し管42を通じて、コントロールバルブRGVVRのプレッシャチャンバ10へ送り込む。プレッシャチャンバ10からは、圧力媒体がバルブピストン12の貫通孔14を通り、スロットルギャップ18を通って排出チャンバ22に流れ込み、そこから、帰り管64を通ってリザーバ48に戻る。ハンドブレーキレバー66の作動の開始時にコントロールバルブRGVVRのコントロールプランジャ24及びそれと共に弁体16はバルブピストン12に設けられたシートの方向に僅かのみ移動されていて、その結果、スロットルギャップ18はほとんど完全に開いているので、液圧ポンプ44はスロットルギャップ18を通して相当に無圧で圧力媒体を循環させる。
【0055】
弁体16は、液圧が加圧されたコントロールプランジャ24のバルブボルトによって、復帰ばね36の力に抗して、バルブピストン12のシートの方向に、以下の力によって、すなわち、コントロールチャンバ20内でハンドブレーキシリンダHBZによって加えられる制御圧力と、コントロールプランジャ24のバルブピンの横断面によって規定される、コントロールプランジャ24の液圧の作用面との積に等しい力によって、更に押される。弁体16がバルブピストン12のシートに接近すると、スロットルギャップ18は狭くなる。このことによって、液圧ポンプ44によって送出し管42及びプレッシャチャンバ20を通って循環される圧力媒体の貫流横断面が減じられる。結果として、ホイールブレーキ回路RBKVRでは、スロットルギャップ18の手前で圧力媒体の循環方向に動圧が発生される。この動圧は、プレッシャチャンバ10、送出し管42及び送出し管52を通って、キャリパ54のピストン・シリンダ装置のプレッシャチャンバ56まで伝えられる。それ故に、ピストン・シリンダ装置のピストン58及びブレーキ・ライニング60によって、ブレーキ・ディスク62にブレーキ力が加えられる。
【0056】
外力で支援されたブレーキ作動中にブレーキ圧力を減じようとするとき、ハンドブレーキレバー66の負荷軽減によって制御回路STKHBZ内で制御圧力が減じられて、コントロールバルブRGVVRのコントロールプランジャ24は、弁体16と共に、スロットルギャップ18を拡大させつつ自らの出発位置に戻る。コントロールプランジャは、コントロールチャンバ20内での制御圧力の低下に抗して、弁体16を介して、プレッシャチャンバ10内の循環する圧力媒体の、スロットルギャップ18の拡大に連れて低下する動圧と、復帰ばね36の力とによって、負荷される。制御回路STKHBZにおける所定の信号圧力を下回ると共に、場合によっては、液圧ポンプ44のモータMのスイッチが切られる。それ故に、圧力媒体の循環は終了され、ブレーキ圧力はゼロに下がる。
【0057】
外力による支援が、ホイールブレーキ回路RBKVR内での液圧ポンプ44の例えば停止によって、止まるとき、必要な残余ブレーキ圧力はバルブピストン12によって加えられる。この場合、液圧が加えられるコントロールプランジャ24によって、復帰ばね36の力に抗して、スロットルギャップ18の閉鎖路の分だけ移動された弁体16は、バルブピストン12の貫通孔14をシートにおいて液圧で液密に閉じる。それ故に、閉じられたバルブピストン12を弁体16及びコントロールプランジャ24によって更に移動させることによって、プレッシャチャンバ10に残余圧力が発生される。残余ブレーキ圧力は、送出し管52を通して、キャリパ54のピストン・シリンダ装置へ伝えられる。それ故に、ピストン58及びブレーキ・ライニング60によってブレーキディスク62に残余ブレーキ圧力が加えられることができる。
【0058】
アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の場合、コントロールバルブRGVVRは以下のように作動する。
【0059】
アンチロック・ブレーキ・システムの原理は、ブレーキ圧力が供給されているブレーキ過程中に、減速度が、制動されたホイールにおける所定の減速度閾値を上回るとき、ホイールブレーキ圧力は、減速度がこのホイールにおける第2の減速度閾値を下回るまで、減じられることにある。このためには、供給されているホイールブレーキ圧力をゼロまで下げることが必要であり得る。その後、ホイールブレーキ圧力は、ホイールに新たにブレーキが掛けられ過ぎるか、あるいはドライバーによって予め設定されたブレーキ圧力が達成されるまで、再度上げられる。このことは、コントロールバルブRGVVRのコントロールプランジャ24が、コントロールバルブのアンカ及び磁気コイル26によって追加的に電磁式に制御可能であることによって、達成される。
【0060】
ABSの場合に、ホイールブレーキ回路RBKVRを通してキャリパ54にあるホイールブレーキ圧力が、フロントホイールVRにブレーキを掛けすぎるとき、このことは、前記センサ機構によって、知られた方法で認識される。ブレーキ圧力は、コントロールバルブのアンカ及び磁気コイル26からなる磁気駆動装置の制御によって、適切に調整される。この場合、磁気力は、図1で左へ、及びそれと共にコントロールプランジャ24に作用する液圧に抗して、コントロールプランジャ24のアンカに作用する。従って、コントロールプランジャ24からこのコントロールプランジャのバルブボルトを通って弁体16へと図1で右に作用する結果的に生じる力は、減じられる。極端な場合、結果的に生じる力をゼロに下げることができるのは、磁気コイル26を無段階に制御可能に導通することにより、磁気力を、以下の程度に、すなわち、この磁気力が、コントロールプランジャ24における、液圧の制御圧力によって加えられる力を、補償するほどに、大きくすることによってである。その結果、復帰ばね36及び供給されている動圧によって負荷される弁体16は、図1で左に、バルブピストン12のシートから離隔する方向に押圧されて、スロットルギャップ18が拡大される。結果として、キャリパ54のプレッシャチャンバ56に送出し管52を通して供給されている動圧は、減速度閾値を下回るまで、減じられる。
【0061】
その後、コントロールバルブRGVVRの電磁制御が減じられる。それ故に、コントロールプランジャ24からこのコントロールプランジャのバルブボルトを通って弁体16へと図1で右に作用する結果的に生じる力は、再度増大する。結果として、弁体16は図1で右にバルブピストン12のシートの方向に押圧され、スロットルギャップ18は狭められる。このことによって、キャリパ54のプレッシャチャンバ56内で送出し管52を通して供給されている動圧は、フロントホイールVRに再度ブレーキが掛けられ過ぎるか、あるいはスロットルギャップ18が上記のように再度液圧のみで制御回路STKHBZを介して調整され、キャリパ54では、作動力に比例するブレーキ力がホイールブレーキ回路RBKVRを介して供給される。ABSで制御される制動中に継続する制御工程が調整される。
【0062】
リヤホイールHRに関連して設けられ、図1で上部に示された構成要素、すなわち、部分的に一体形のブレーキ装置の制御回路STKFBZ、コントロールバルブRGVHRと、ホイールブレーキ回路RBKHRとに関しては、ハンドブレーキシリンダHBZが作動されるとき、同様に制御導管72及び86を通して液圧で制御されるコントロールピストン82は、コントロールバルブRGVHRの中で、このコントロールバルブのコントロールプランジャ24´及びそれと共に弁体16´を、液圧ポンプ44´の同時的な始動の下で、バルブピストン12´の貫通孔14´にあるシートの方向に移動させる。それ故に、スロットルギャップ18´が狭くなることによって、キャリパ54´にある動圧がプレッシャチャンバ10´に発生される。
【0063】
制動中にハンドブレーキシリンダHBZ及びフットブレーキシリンダFBZが作動されるとき、コントロールバルブRGVHRのコントロールプランジャ24´において、2つのシリンダによる大きな方の制御圧力のみが、コントロールチャンバ20´への加圧によって又はコントロールピストン82による加圧によって作動される。
【0064】
ホイールブレーキ回路RBKHRのキャリパ54´に供給されたブレーキ圧力が、センサ機構がリヤホイールHRでのロック傾向を認識するほど大きいとき、ホイールブレーキ回路RBKHRでアンチロック制御が上に既述したように実行される。この場合、コントロールバルブのアンカ及び磁気コイル26´からなる磁気駆動装置は、コントロールプランジャ24´及びそれと共に弁体16´を、バルブピストン12´のシートから、作動チャンバ80内のコントロールピストン82に供給されている制御圧力に抗して引き離す。作動チャンバ80内のコントロールピストン82は、コントロールバルブRGVHRの、拡大するバルブギャップギャップ18´によって減少する動圧が、必要に応じて調整された状態にあるまで、戻る。
【0065】
上記の記述からは、ホイールブレーキ回路RBKHRを介してリヤホイールにおけるキャリパ54´に供給されたブレーキ圧力を、コントロールプランジャのアンカ及び磁気コイル26´からなる、コントロールバルブRGVHRの磁気駆動装置への導通によって、積極的に調整することができることが明らかである。このことが、フロントホイールVR及びリヤホイールHRにおける、ブレーキ力の最適化された分布を保つために、如何になされるかを、以下、より詳細に説明する。
【0066】
図2は非作動状態にある完全に一体形のブレーキ装置を示している。以下、このブレーキ装置を、構造、回路及び機能に関し、部分的に一体形のブレーキ装置と異なる限りのみ記述する。同様に、同一の又は対応の要素は、場合によってはダッシュを補った、同一の参照符号を有する。
【0067】
図1と2の比較からは、完全に一体形のブレーキ装置の場合、構造、回路及び機能の点で同一であって、上記の部分的に一体形のブレーキ装置のコントロールバルブRGVHRに対応する2つのコントロールバルブRGVVR及びRGVHRが用いられ、すなわち、二重に液圧で(接続部30又は30´、接続部84又は84´によって)及び一重に電気式に(磁気コイル26又は26´によって)制御可能であることが直接明らかである。更に、図1に示した部分的に一体形のブレーキ装置の補足としての図2に示した完全に一体形のブレーキ装置の場合、制御回路STKFBZの液圧式の制御導管78から、コントロールバルブRGVVRの制御接続部84に接続されている制御導管96が分岐している。結果として、ハンドブレーキシリンダHBZの作動中に、フロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVRに関連して設けられたコントロールバルブRGVVRのコントロールチャンバ20及びそれと共にコントロールプランジャ24のみならず、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHRに関連して設けられたコントロールバルブRGVHRのコントロールチャンバ80´及びそれと共に、コントロールピストン82´を介して、コントロールプランジャ24´にも液圧が加えられる。これに対し、フットブレーキシリンダFBZの作動中に、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHRに関連して設けられたコントロールバルブRGVHRのコントロールチャンバ20´及びそれと共にコントロールプランジャ24´のみならず、フロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVRに関連して設けられたコントロールバルブRGVVRの、コントロールチャンバ80及びそれと共に、コントロールピストン82を介して、コントロールプランジャ24にも、液圧が加えられる。換言すれば、ハンドブレーキレバー66の把握又はフットブレーキレバー74への足踏みは、フロントブレーキ及びリヤホイールブレーキを共に作動させるために十分である。
【0068】
制動減速度の増加につれて、リヤホイールHRの伝達可能なブレーキ力が減少し(ブレーキ動力学)、リヤホイールHRが極端な場合に路面との接触を失うので、前記の部分的に一体形のブレーキ装置の場合のみならず、最後に論じた完全に一体形のブレーキ装置の場合にも、コントロールプランジャのアンカ及び磁気コイル26´からなる、コントロールバルブRGVHRの磁気駆動装置によって、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHR内のブレーキ圧力は、以下に詳述する如く、ブレーキ力の理想的な分布すなわちフロントホイールVRとリヤホイールHRとの間のブレーキ力の理想的な分布に従って減じられる。
【0069】
オートバイのホイールVR,HRにおけるブレーキ力を制御するための今記述する方法では、オートバイのブレ−キング中にホイールと路面とのグリップを出来る限上手く利用するために、2つのホイールVR,HRは、その動的な車輪荷重に出来る限り従って、ブレーキ力を加えねばならないという考察が出発点となっている。その時々の動的な車輪荷重へのこれらのブレーキ力の適合は、ここではオートバイのドライバに委ねられるべきでない難しい課題である。その特別な理由は、この適合が、オートバイの場合、他の車両の場合よりも難しいからである(重心の高さ対ホイールベースの比、転倒の危険性)。換言すれば、走行サイクル中に変化する影響を、フロントホイールVRとリヤホイールHRの間のブレーキ力の分布の適切な制御によって、自動的に補償することが意図されている。その目的は、どのブレ−キング過程も、理想的な認識に近い状態で実行するためである。このことは、その時々の状態の下で、ホイールと路面との間のその時々に与えられたグリップの均等な利用を意味する。このためには、上記の部分的に一体形のブレーキ装置又は完全に一体形のブレーキ装置内でリヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHRに設けられたコントロールバルブRGVHRは、圧力センサ90によってフロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVR内で測定される、コマンドとしてのブレーキ圧力pVRistに従って、ブレーキ装置の制御ユニット94にストアされた所定のブレーキ圧力分布特性を基礎として導通される。その目的は、既にブレーキ過程への入り込みの際にオートバイのホイールVR,HRをグリップの均等な利用に晒すためである。この場合、オートバイの負荷状態も考慮される。更に、特に、リヤホイールHRにおけるブレーキ・ディスク62´での、温度の発生も、リヤホイールHR用のホイールブレーキ回路RBKHR内のブレーキ圧力を制御する際に、選択的に考慮することができる。
【0070】
以下、図3乃至8を参照しつつ、ブレーキ力の分布を制御する際の方法の過程を詳述する。但し、各々のホイールVR,HRにおける上記のABS制御が、基本的には、ブレーキ力分布の制御に独立してなされることを、前もって言っておかねばならない。或るホイールVR,HRがABS制御の状態にあるとき、このホイールVR,HRには、ホイールと路面とのグリップの最適な利用が既に達成される。これから説明する制御サイクルは、8msの時間的間隔で一巡される。
【0071】
図3に示すように、ステップ100での点火のスイッチオン後に、まず、ステップ102で、整数のカウンタ(Zaehler)BLZをゼロにセットする。このカウンタは0と255の間にあることができ、オートバイの負荷のための尺度である。次に、104では、その時々の制御サイクルnのためのカウンタBLZnを評価する。このことは図1に示した部分的に一体形のブレーキ装置に関して図4に、及び図2に示した完全に一体形のブレーキ装置に関して図5に詳細に示されている。
【0072】
図4が示すように、ステップ106でのカウンタBLZの評価の際に、まず、ABS制御を伴うブレーキング過程があるか否かの問合せがなされる。このことが否定されるとき、ステップ108で、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnを、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0073】
ステップ106でABS制御を有するブレーキング工程があるとき、次に、ステップ112で、1つのホイールのみがABS制御状態にあるか否かを検査する。このことが否定されるとき、すなわち、2つのホイールがABS制御状態にあるとき、ステップ108では、再度、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnを、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。従って、1つのホイールもABSで制御されないか、あるいは、2つのホイールがABSで制御されるとき、負荷状態に関するカウンタBLZnは変化を受けないことが指摘される。
【0074】
1つのホイールのみがABS制御状態にあるとき、ステップ114で、このホイールがフロントホイールVRであるか否かを検査する。このことが否定されるとき、すなわち、リヤホイールHRであるに違いないとき、ステップ116で、リヤホイールHR用のフットブレーキが作動されるか否かの検査が続く。このことが肯定されると、ステップ118で、瞬時の制御サイクルnのカウンタBLZnを、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0075】
ステップ116が、リヤホイールHR用のフットブレーキが作動されないという結果に至るとき、ステップ120では、先の制御サイクルnのカウンタBLZn−1がゼロであるか否かを検査する。このことが肯定的な結果に至るとき、ステップ118では、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnを、再度、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0076】
ステップ120で最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1が等しくない、すなわちゼロより大きいとき、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnはステップ122で挙げる関係式から算出され、すなわち、カウンタBLZは1だけ引き下げられすなわち切り下げられる。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0077】
図4の左側のステップ114が、フロントホイールVRがABS制御状態にあるという結果に至るとき、ステップ124では、先の制御サイクルnのカウンタBLZn−1が255の数値を有し、すなわち、カウンタBLZの上限が既に達せられているか否かを検査する。このことが肯定の結果に至るとき、ステップ108では、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnを、最後の制御サイクルn−1のカウンタBLZn−1と等しいと置く。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0078】
ステップ124でカウンタBLZn−1が255の数値にまだ達しなかったとき、実際の制御サイクルnのカウンタBLZnはステップ126で挙げられた関係式から算出され、すなわち、カウンタBLZは1だけ引き上げられすなわち切り上げられる。110では、この制御サイクルnのためのカウンタBLZnの評価は終了している。
【0079】
更に、完全に一体形のブレーキ装置に関する図5は、図5でステップ116に応じて問合せが何等なされないという事実を除いて、部分的に一体形のブレーキ装置に関する図4に対応している。
【0080】
実際の制御サイクルnの、かくて得られたカウンタBLZnを用いて、図3に応じて、処理を継続する。ステップ104におけるカウンタBLZnの評価に平行して、部分的に一体形のブレーキ装置又は完全に一体形のブレーキ装置のフロントホイールVR用のホイールブレーキ回路RBKVRに設けられた圧力センサ90によって、キャリパ54のプレッシャチャンバ56に供給されているブレーキ圧力の瞬時の実際値pVRistを検出する。このブレーキ圧力値pVRistは、更なるブレーキ力分布制御のコマンド又は重要な入力値として用いられる。
【0081】
ステップ128では、圧力計算変数(Durchberechnungsgrosse)pBLZ0及びpBLZ1を、フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力に関する実際値pVRistの関数fBLZ0及びfBLZ1として評価する。これに関しては、この箇所で、図6を参照するよう指示しなければならない。図6では、リヤホイールHRにおけるブレーキ圧力pHRは、フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力pVRの関数として記入されている。いわば、ここでは、リヤホイールHRにおけるブレーキ力も、フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力pVRの関数として記入されているだろう(圧力及び力は互いに比例関係にある)。このダイヤフラムには、2つの曲線すなわち関数fBLZ0及びfBLZ1が描かれている。これらの曲線はオートバイの異なった負荷状態に関する理想的なブレーキ力分布の曲線である。これらの曲線の各点は、フロントホイールVRにおける所定のブレーキ圧力pVRに、リヤホイールHRにおける所定のブレーキ圧力pHRを関連させる。このブレーキ圧力の場合、タイヤと路面の間のグリップの最適な利用が存する。曲線fBLZ0は、無負荷のオートバイ用の理想的なブレーキ力分布の、車両に特有な曲線である。この曲線fBLZ0では、例えばドライバのための、既に基礎負荷が表わされることができる。これに対し、曲線fBLZ1は、完全にすなわち最大限に負荷されたオートバイに関する理想的なブレーキ力分布の、車両に特有な曲線を表わしている。曲線fBLZ0及びfBLZ1は、車両に特有に、すなわち、走行テストの実行によって算出され、部分的に一体形の又は完全に一体形のブレーキ装置の制御ユニット94内に電子式に(EPROMで)、例えば多数の支点の形でストアされている。この場合、中間値を算術的に補間することができる。曲線fBLZ0及びfBLZ1の垂直方向の間隔は、コンピュータ内部で1バイトとして処理される。1バイトは、曲線fBLZ0とfBLZ1との間の、相応に256の部分ステップの数を有する。
【0082】
フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力に関する、各々の制御サイクルnにおいて検出された実際値pVRistに関して、ステップ128で、ブレーキ装置の制御ユニット94にストアされた上記のブレーキ力分布特性から、曲線fBLZ0及びfBLZ1上に割り当てられておりかつオートバイの負荷状態を表わす圧力計算変数pBLZ0及びpBLZ1が評価される。図6では、このことは垂直方向に延びている破線によって示されている。この破線の、曲線fBLZ0及びfBLZ1との各々の交点には、各々の圧力計算変数pBLZ0及びpBLZ1が割り当てられている。破線の位置は、フロントホイールVRにおけるブレーキ圧力に関する検出された実際値pVRistから生じる。
【0083】
従って、制御の次のステップ130のための入力変数として、カウンタBLZn及び圧力計算変数pBLZ0及びpBLZ1が用いられる。ステップ130では、これらの変数から、図3に挙げられた計算規則によって、圧力計算変数pBLZを計算する。この圧力計算変数はオートバイの負荷状態を表わしている。この計算規則に従って、図6では、いわば、カウンタBLZnが増加する曲線fBLZは、曲線fBLZ0とfBLZ1との間で上方にシフトされる。これに対し、カウンタBLZnが減少する曲線fBLZは、曲線fBLZ0とfBLZ1との間で下方にシフトされる。カウンタBLZnが実際の制御サイクルnで一定であるとき、曲線fBLZのシフトは生じない。前記のこと並びに図4及び5からは、上方又は下方への曲線fBLZのシフトが可能である(ステップ120及び124を参照:シフトの限界は曲線fBLZ0及びfBLZ1によって形成される)限り、曲線fBLZのシフトは、ホイールVR,HRのうちの1がABS制御に入るときにはじめてなされることが明らかである。ホイールVR,HRのうちの何れもABS制御にないか、あるいは2つのホイールVR,HRがABS制御にあるとき、曲線fBLZのシフトは生じない。換言すれば、2つのホイールVR,HRのうちの1つのみをABSで制御する際に、曲線fBLZ0とfBLZ1の間のブレーキ力分布が起動状態として変えられ、2つのホイールVR,HRがABS制御に入り、その結果、出来る限り良い減速度又は出来る限り短いブレーキ距離を達成するために、タイヤと路面の間のグリップが最適に利用される。実際また、2つのホイールVR,HRが共同でのみABS制御から出る。
【0084】
例えば急カーブ又はカーブでブレーキを入れる際の、理想的な特性曲線へのブレーキ力分布曲線のシフト又は適合は、実際に重要である。この場合、中立なコーナリング特性、すなわち、フロントアクスル及びリヤアクスルにおけるキングピン傾角の同一の変化が達成可能である。従って、コーナリングフォースの最善の利用も保証され、車両の、ドライバにとって不意の働きが回避される。同様のことが高速度の場合にも当て嵌まる。
【0085】
図3に示した方法の複数の次のステップでは、リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の温度も考慮される。リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の温度の考慮は、ここに記した方法の順序でなされることができるが、なされなくてもよい。温度の補償とも呼ばれることができる、この過程のための入力変数として、リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の温度Tnが用いられる。この温度は、基本的には、適切なセンサ機構(温度センサ)によって実際に測定されることができるが、ここで記載の方法例では、温度モデルを用いて計算される。以下、この温度モデルを、図7及び8を参照して詳述する。
【0086】
温度補償の目的は走行安全性を高めることである。オートバイの場合、特に、リヤホイールにおける軸荷重の、マルチトラックの車両に比較して大きな差に基づいて、基本的には、かように大きなブレーキ力は作用しない。しかし、例えば長い下り坂の場合のような走行状態があって、このような走行状態では、ドライバによるリヤホイールへの過剰な荷重が生じることがある。従って、このことに伴う可能な機能的な損傷は走行作動中に自動的に防止されるべきである。その目的は、ここではドライバを支援するためである。原理的には、フロントホイールにおけるブレーキディスクに関する温度補償も可能であるだろう。しかし、フロントホイールにおける1つ又は複数のブレーキディスクは、基本的にはより安全に設計されており、パネルによって覆われていないので、冷たい相対風に位置している。
【0087】
図3に立ち返れば、ステップ132では、リヤホイールのブレーキディスク62´の実際の温度Tnが、予め設定された上限温度TGrenzより下にあるか、この上限温度に対応しているかを検査する。この場合、上限温度TGrenzは、特にブレーキ・フルイドの臨界温度を表わす一定値である。検査の結果が肯定であれば、温度補償の必要性は全然存在しない。圧力計算変数pTempを、ステップ134で、予め算出された圧力計算変数pBLZと等しいと置く。
【0088】
ステップ132での検査が、温度Tnが上限温度TGrenzよりも大きいという結果に至るとき、ステップ136では、温度Tnが最高温度Tmaxよりも小さいかあるいはそれと等しいかを検査する。この場合、最高温度Tmaxは、ホットフェーディングが生じないように、設計により超過されるべきでない一定値である。
【0089】
温度Tnが最高温度Tmaxよりも上にあるとき、リヤホイールHRにおけるブレーキ圧力は著しく制限されねばならない。次に、ステップ138では、圧力計算変数pTempを、上記の圧力計算変数pBLZ及び圧力値pTmaxの最大値と等しいと置く。この場合、図6に示したpTmaxは、最高温度Tmaxに割り当てられた、比較的低い、一定の圧力値である。この圧力値では、該圧力値がリヤホイールブレーキ54´に加えられるだろうとき、いずれにせよ、ブレーキディスク62´の更なる加熱は見込まれない。
【0090】
ステップ136での検査が、温度Tnが最高温度Tmaxよりも依然として下にある、すなわち、上限温度TGrenzと最高温度Tmaxの間にあるという結果に至るとき、ステップ140で挙げられた計算規則が実行される。
【0091】
これに応じて、圧力計算変数pTempを、上記の圧力計算変数pBLZ及びステップ140で角括弧に括られた項の最小値と等しいと置く。角括弧に括られた項は上記の圧力計算変数pBLZか、あるいは圧力計算変数pBLZよりも小さい圧力値を生じさせる。ここでは温度Tnと上限温度TGrenzとの差は最高温度Tmaxと上限温度TGrenzとの差に対し比例関係に置かれ、次に、この比例に圧力計算変数pBLZと圧力値pTmaxとの差が乗じられることが明らかである。換言すれば、圧力計算変数pBLZは、所定の方法で、温度Tn及び圧力計算変数pBLZと圧力値pTmaxとの間隔に応じて減じられる(redyziert)。結果は、リヤホイールのブレーキディスク62´の温度を所定の限度に保つという目標を有する、ブレーキ圧力の所定の減少である。
【0092】
次に、ステップ142のための入力変数として、今や算出された圧力計算変数pTempの他に、ABS制御によって算出された圧力値pABSが用いられる。この圧力値は、ABS制御中に、キャリパ54´におけるリヤホイールHRのホイールブレーキ回路RBKHRに設けられたコントロールバルブRGVHRによって調整されるだろう。リヤホイールHRにおけるブレーキ圧力に関する目標値pHRsollよりも、ステップ142では、圧力値pABS及び圧力計算変数pTempのより小さな値を設定する。この思想では、このことがリヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´での温度の発生のために必要であるとき、リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の一定の冷却のために、ホイールと路面との間のグリップの、ABS制御に基づいて可能な最適の利用を控える。このステップ142もその時々の必要要件に応じて無くても済むだろうが、ここでは、あった方が好ましい。
【0093】
次に、ステップ144では、リヤホイールHRにおけるブレーキ圧力のための算出された目標値pHRsollを、図1及び2を参照して詳述したように、リヤホイールHRのホイールブレーキ回路RBKVRに設けられたコントロールバルブRGVHRによって、磁気コイル26´への適当な導通によって、調整する。
【0094】
点火が更に「オン」にあるすなわちスイッチオンされていることが、最後にステップ146で確認される限り、次の制御サイクルは、図4及び5に示すように、ステップ104及びそれと共にカウンタBLZnの評価を始める。点火がスイッチオフされたとき、制御過程は148で終了される。
【0095】
最後に、図7及び8を参照して、リヤホイールHRにおけるブレーキディスク62´の温度Tnの計算のために好ましくは用いられる温度モデルを記述する。
【0096】
150での点火「オン」後に、ステップ152で、まず、図8に示されたかつ常に共に計算される2つの温度関数F1及びF2に関する開始値を定める。図8では、一目瞭然であるように、左側に温度関数F1のみが示されている。
【0097】
ステップ154では、次に、温度関数F1の計算がなされる。実際の制御サイクルnの温度値Taltnは、記述の関係式から生じる。この関係式で、以下の変数が計算される(既知の変数は再度挙げない)。
Δt=ブレーキディスク62´にエネルギが供給されるか又はブレーキディスク62´からエネルギが運び出される間の時間間隔。
v=好ましくはフロントホイールVRにおける回転速度センサ88の信号から評価される、車両の速度。
K1=供給された特に機械的な摩擦エネルギの故のブレーキディスク62´の加熱を表わしている、走行テストによって算出された定数。
K2=向かい風による特に熱放射及び周囲吹付の故の、ブレーキディスク62´の冷却を表わしている、走行テストによって算出された定数。
【0098】
ステップ156では、次に、修正項KTを温度値Taltn及びTn−1の関数として計算する。関連の計算式はK=1+k×max[0,(Taltn−Tn−1)]である。但し、kは一定の位取り因数である。
【0099】
ステップ158では、次に、温度Tnを前記温度関数F2から計算する。KTが常に1より大きいかそれと等しいかであるので、この修正項KTが温度関数F2を「加速させる」か、あるいはますます上昇し、温度関数F1及びF2が再度重なり合って延びていることは、明らかである。計算された温度Tnを、図3に示した制御経過(ステップ132)で、更に処理することができる。
【0100】
ステップ160では、温度関数F1の温度値Taltnを、実際の制御サイクルnにおいて、値TSPとして制御ユニット94に記憶する。それ故に、温度値は点火「オフ」及び新たな点火「オン」の後に、更なる処理のために使用可能である。
【0101】
ステップ162での問合せが、点火が更に「オン」にある、すなわち、スイッチオンされているという結果に至るとき、新たな制御サイクルがステップ154を始める。そうでないとき、164での制御過程は終わる。
【0102】
図8が最後に明示していることは、図7に示した経過ダイアフラムから既に明らかなように、ブレーキディスク62´の温度の計算の際に、点火「オン」と共に、常に2つの温度関数F1,F2が形成され、これらの温度関数のうち一方の温度関数F1は、点火「オフ」及び新たな点火「オン」の後に、常に、最後に計算された温度値Taltn−1=TSPの際に再度始まり、これに対し、更に計算された温度値Tnをもたらす他方の温度関数F2は、点火「オン」と共に、常に再度ゼロで始まり、後者は第1の温度関数F1の結果Taltnを計算し、ますます上昇して、2つの温度関数がTXで再度同じ結果をもたらすことである。更に、参照符号w及びkは、温度関数F2において、エネルギがいつブレーキディスク62´に供給され(w)、いつ排出される(k)か、を例示している。
【0103】
前記の温度モデルは、一方では、ブレーキディスクの温度を検出するためのコストのかかるセンサ機構が不要であるという利点を有する。他方では、オートバイの停止の際にバッテリから出力を取り去るであろう電子的な構造素子及び時間緩衝素子なしにやっていくことは好都合である。特に、最後に挙げた利点は、この温度モデルを、他の応用のためにも有利にする。これらの応用の場合、ウォームアップ段階及びクールダウン段階を有するある物体の、その可変の温度をコンピュータによって算出することが意図されている。
【0104】
フロントホイールでのブレーキ圧力pVRを調整するためのプレッシャ・モジュレータを有するホイールブレーキ回路と、リヤホイールでのブレーキ圧力pHRを調整するためのプレッシャ・モジュレータを有するホイールブレーキ回路と、2つのプレッシャ・モジュレータを制御するための少なくとも1つの制御回路と、制御ユニットとを具備するブレーキ装置を用いて、シングルトラックの車両のホイールにおけるブレーキ力を制御する方法が開示されている。本発明では、リヤホイール用のホイールブレーキ回路でのブレーキ圧力pHRSOLLを、フロントホイール用のホイールブレーキ回路で検出されたブレーキ圧力pVRistに従って、制御ユニット内にストアされた理想的なブレーキ力分布特性に基づいて算出し、リヤホイール用のホイールブレーキ回路に設けられたプレッシャ・モジュレータによって調整する。結果として、ホイールと路面との間のグリップの出来る限り良い利用をブレーキ過程の際に自動的に可能にする方法を記述する。本発明はこの方法を実行するための簡単な構造のブレーキ装置をも含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートバイ用のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)を有し、本発明に係わる方法を実行するための液圧式の部分的に一体形のブレーキ装置の、その回路図を示している。
【図2】オートバイ用のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)を有し、本発明に係わる方法を実行するための液圧式の完全に一体形のブレーキ装置の、その回路図を示している。
【図3】いわば部分的に一体形のブレーキ装置及び完全に一体形のブレーキ装置に当て嵌まる経過ダイヤフラムであって、本発明に従って、フロントホイールのホイールブレーキ回路内の実際の圧力に応じてリヤホイールのホイールブレーキ回路における目標圧力が如何に算出されるかを例示する経過ダイヤフラムを示している。
【図4】リヤホイールのホイールブレーキ回路における目標圧力を図3に基づいて算出する際にオートバイの負荷状態が如何に考慮されるかを、部分的に一体形のブレーキ装置の場合に例示する経過ダイヤフラムを示している。
【図5】リヤホイールのホイールブレーキ回路における目標圧力を図3に基づいて算出する際にオートバイの負荷状態が如何に表わされるかを、完全に一体形のブレーキ装置の場合に例示する経過ダイヤフラムを示している。
【図6】本発明に係わる方法の例示に用いられるダイヤフラムを示している。このダイヤフラムでは、リヤホイールのホイールブレーキ回路内の圧力は、フロントホイールのホイールブレーキ回路内の圧力の関数として記入されており、負荷なしの又は基本負荷を有するオートバイ及び最大限に負荷されたオートバイに関する理想的なブレーキ力分布曲線が記されており、これらのブレーキ力分布曲線の間には、所定の走行状態に関するブレーキ力分布曲線が点線で示されている。
【図7】いわば部分的に一体形のブレーキ装置及び完全に一体形のブレーキ装置に当て嵌まる経過ダイヤフラムであって、本発明に係わる温度モデルによって計算されたブレーキディスクの温度が、その時々のホイールブレーキ回路内の目標圧力の算出の際に如何に考慮されるかを例示する経過ダイヤフラムを示している。
【図8】温度が時間の関数として記入されていて、コンピュータによって算出された2つの温度曲線F1及びF2を有する、本発明に係わる温度モデルを例示するために用いられるダイヤフラムを示している。
【符号の説明】
10…プレッシャチャンバ、12…バルブピストン、14…貫通孔、16…弁体、18…スロットルギャップ、20…コントロールチャンバ、22…排出チャンバ、24…コントロールプランジャ、26…磁気コイル、28…ストッパ、30…接続部、32…接続部、34…肩部、36…復帰ばね、38…プランジャばね、40…接続部、42…送出し管、44…液圧ポンプ、46…吸入管、48…リザーバ、50…逆止め弁、52…送出し管、54…キャリパ、56…プレッシャチャンバ、58…ピストン、60…ブレーキ・ライニング、62…ブレーキディスク、64…帰り管、66…ハンドブレーキレバー、68…補償レザーバ、70…プレッシャチャンバ、72…制御導管、74…フットブレーキレバー、76…プレッシャチャンバ、78…制御導管、80…コントロールチャンバ、82…コントロールピストン、84…接続部、86…制御導管、88…回転速度センサ、90…圧力センサ、92…制御ライン、94…制御ユニット、96…制御導管、100乃至164…方法のステップ。
Claims (12)
- フロントホイールブレーキ(54)でのブレーキ圧力(pVR)を調整するためのプレッシャ・モジュレータ(RGVVR)を有するホイールブレーキ回路(RBKVR)と、リヤホイールブレーキ(54´)でのブレーキ圧力(pHR)を調整するためのプレッシャ・モジュレータ(RGVHR)を有するホイールブレーキ回路(RBKHR)と、これら2つのプレッシャ・モジュレータ(RGVVR,RGVHR)を制御するための少なくとも1つの制御回路(STKHBZ,STKFBZ)と、制御ユニット(94)とを具備するブレーキ装置を用いて、シングルトラックの車両のホイール(VR,HR)におけるブレーキ力を制御する方法において、
前記リヤホイール(HR)用の前記ホイールブレーキ回路(RBKHR)におけるブレーキ圧力(pHRSOLL)を、前記フロントホイール(VR)用の前記ホイールブレーキ回路(RBKVR)で検出されたブレーキ圧力(pVRist)に従って、前記制御ユニット(94)内にストアされた理想的なブレーキ力分布特性(図6)に基づいて算出し、前記リヤホイール(HR)用の前記ホイールブレーキ回路(RBKHR)に設けられた前記プレッシャ・モジュレータ(RGVVR)によって調整することを特徴とする方法。 - 前記制御ユニット(94)内にストアされたブレーキ力分布特性(図6)は、2つの理想的なブレーキ力分布曲線(fBLZ0,fBLZ1)を含み、これらのブレーキ力分布曲線のうち、一方の曲線(fBLZ0)は無負荷の車両を表わし、これに対し、他方の曲線(fBLZ1)は最大限に負荷された車両を表わしていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記フロントホイール(VR)用の前記ホイールブレーキ回路(RBKVR)で検出されたブレーキ圧力(pVRist)のために、前記2つの理想的なブレーキ力分布曲線(fBLZ0,fBLZ1)を考慮して、前記車両の実際の負荷に従って前記2つの理想的なブレーキ力分布曲線(fBLZ0,fBLZ1)の間に又は該曲線の一方にある圧力計算変数(pBLZ)の、その計算に用いられる、前記車両の実際の負荷を表わすカウンタ(BLZn)を形成し、前記リヤホイール(HR)用の前記ブレーキ圧力(pHRSOLL)を、前記計算された圧力計算変数(pBLZ)に従って算出することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記リヤホイール(HR)用の前記ブレーキ圧力(pHRSOLL)の算出の際に、前記リヤホイールのブレーキディスク(62´)の、測定された又は計算された温度(Tn)を共に考慮して、所定の温度限度(TGrenz,Tmax)の超過の際に、前記リヤホイール(HR)用の前記ブレーキ圧力(pHRSOLL)を下げることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法。
- 前記ブレーキディスク(62´)の温度の計算の際に、点火「オン」と共に、常に2つの温度関数(F1,F2)を形成し、これらの温度関数のうち一方の温度関数(F1)は、点火「オフ」及び新たな点火「オン」の後に、常に、最後に計算された温度値(Taltn−1=TSP)の際に再度始まる補助関数として用いられ、これに対し、更に計算された前記温度値(Tn)をもたらす他方の温度関数(F2)は、点火「オン」と共に、常に再度ゼロで始まり、後者(F2)は前記第1の温度関数(F1)の結果(Taltn)を計算し、ますます上昇して、2つの温度関数は(図8ではTXで)同じ結果をもたらすことを特徴とする請求項4に記載の方法。
- フロントホイールブレーキ(54)に加えることができるブレーキ圧力(pVR)を調整するためのプレッシャ・モジュレータ(RGVVR)を有する、フロントホイール(VR)用のホイールブレーキ回路(RBKVR)と、リヤホイールブレーキ(54´)に加えることができるブレーキ圧力(pHR)を調整するためのプレッシャ・モジュレータ(RGVHR)を有する、前記リヤホイール(HR)用のホイールブレーキ回路(RBKHR)と、2つのプレッシャ・モジュレータ(RGVVR,RGVHR)を制御することができる第1の制御回路(STKHBZ)と、前記2つのプレッシャ・モジュレータ(RGVVR,RGVHR)のうちの一方(RGVHR)を制御することができる第2の制御回路(STKFBZ)とを具備し、請求項1乃至5のいずれか1に記載の方法を実行するための、シングルトラックの車両用のブレーキ装置において、
前記2つのプレッシャ・モジュレータ(RGVVR,RGVHR)のうちの他方(RGVHR)は、前記第2の制御回路(STKFBZ)によって制御可能であることを特徴とするブレーキ装置。 - 各々のプレッシャ・モジュレータ(RGVVR,RGVHR)は弁体(16,16´)を有し、この弁体は、各々のホイールブレーキ(54,54´)に加えることができる所定の動圧をプレッシャチャンバ(10,10´)内で調整するために、ブレーキ作動中に圧力媒体を強制貫流されるスロットルギャップ(18,18´)を制御可能に限定することを特徴とする請求項6に記載のブレーキ装置。
- 前記スロットルギャップ(18,18´)を調整するための、各々のプレッシャ・モジュレータ(RGVVR,RGVHR)の前記弁体(16,16´)は、コントロールプランジャ(24,24´)によって、液圧で及び電磁式に制御可能であることを特徴とする請求項7に記載のブレーキ装置。
- 各々のプレッシャ・モジュレータ(RGVVR,RGVHR)の前記コントロールプランジャ(24,24´)は、コントロールチャンバ(20,20)への加圧及び/又は、コントロールチャンバ(80,80´)内で摺動自在に案内されておりかつこのコントロールチャンバ(80,80´)を通じて液圧で加圧可能なコントロールピストン(82,82´)による機械式の加圧によって、移動可能であることを特徴とする請求項8に記載のブレーキ装置。
- 各々のプレッシャ・モジュレータ(RGVVR,RGVHR)の前記コントロールプランジャ(24,24´)は、このコントロールプランジャ(24,24´)のアンカ及び磁気コイル(26,26´)からなる磁気駆動装置によって移動可能であることを特徴とする請求項8又は9に記載のブレーキ装置。
- 各々のホイールブレーキ回路(RBKVR,RBKHR)は圧力センサ(90)を有することを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1に記載のブレーキ装置。
- 各々の制御回路(STKHBZ,STKFBZ)は圧力センサ(90)を有することを特徴とする請求項6乃至11のいずれか1に記載のブレーキ装置。
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