JP2004508459A - 有機ベースのワニスでコートした圧延金属基板、およびそのようなワニスを圧延金属の表面に塗布するための方法 - Google Patents

有機ベースのワニスでコートした圧延金属基板、およびそのようなワニスを圧延金属の表面に塗布するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004508459A
JP2004508459A JP2002514238A JP2002514238A JP2004508459A JP 2004508459 A JP2004508459 A JP 2004508459A JP 2002514238 A JP2002514238 A JP 2002514238A JP 2002514238 A JP2002514238 A JP 2002514238A JP 2004508459 A JP2004508459 A JP 2004508459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lacquer
particles
varnish
aluminum
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002514238A
Other languages
English (en)
Inventor
レッドフォード、キース
シモン、クリスチャン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Norsk Hydro ASA
Original Assignee
Norsk Hydro ASA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Norsk Hydro ASA filed Critical Norsk Hydro ASA
Publication of JP2004508459A publication Critical patent/JP2004508459A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D163/00Coating compositions based on epoxy resins; Coating compositions based on derivatives of epoxy resins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives
    • C09D7/60Additives non-macromolecular
    • C09D7/61Additives non-macromolecular inorganic
    • C09D7/62Additives non-macromolecular inorganic modified by treatment with other compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/40Additives
    • C09D7/66Additives characterised by particle size
    • C09D7/67Particle size smaller than 100 nm
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/34Silicon-containing compounds
    • C08K3/346Clay
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/08Ingredients agglomerated by treatment with a binding agent
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31678Of metal

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

有機ベースの、好ましくは透明かつ光沢性の、ラッカー/ワニスの層を有するアルミニウム、アルミ合金または鋼の圧延金属表面。ラッカー/ワニスまたはゲルコートは、制御された量の、主として1〜100nmの範囲のサイズを有する無機ポリマー粒子を含み、これらの粒子はラッカーの有機網とは無関係であるか、またはこの網への結合を有する三次元網を形成することができる。これらのポリマー粒子は、典型的には、以下の群のうちから選択されるモノマー化合物の加水分解および縮合反応によって得られる反応生成物である:i)M(OR)、またはii)R’−M(OR)(ここで、Mは金属イオンであり、およびRは1ないし8個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリールまたはそのような基の組合せのうちから選択される有機基であり、R’=RまたはR−Xであり、Xは、例えば、アミン、カルボキシルまたはイソシアネートのような有機基であり、およびnは1ないし6の整数である)。その代わりに、ポリマー粒子は天然もしくは合成のクレーベースの粉末またはそのような粉末の組合せを含むことができる。本発明は、さらに、アルミニウム、アルミ合金または鋼の圧延表面のコイルコーティングへのそのようなラッカー/ワニスの使用に関する。

Description

【0001】
本発明は、改変有機ラッカー/ワニスの層で保護されたアルミニウムまたは鋼の金属基板、および圧延アルミニウムまたは鋼のコイルコーティングへの有機ベースのゲルコートに基づく有機ベースのラッカー/ワニスの使用に関する。
【0002】
(背景)
アルミニウムを陽極酸化することで、酸化アルミニウムの非常に硬く、かつスクラッチ耐性の表面が形成される。しかしながら、このプロセスには幾つかの大きな制限がある。陽極酸化するアルミニウム合金のタイプに関する制限が存在する。酸化アルミニウム中に取り込まれている合金の元素がマンガンである場合、透明酸化物が変色して褐色になる。高濃度のケイ素では酸化物は灰色になり、色の濃度はそれらの元素の濃度に依存する。さらに、連続陽極酸化ラインの生産性は低い。厚い酸化物層、約20μmの層のライン速度は約5〜10m/分であり、これに対して連続ラッカー処理(コイルコーティング)は50ないし200m/分の速度で変化する。
【0003】
陽極酸化アルミニウムの可屈曲性は非常に制限され、この酸化物は大きい屈曲半径で既にクラックを形成する。今日、これは、陽極酸化が最終的な屈曲形状を与えられている製品のみに用いられることを意味する。したがって、陽極酸化は、連続ラインよりも生産性が非常に低い、別々の製品を扱うプラントにおいて行われる。
【0004】
異なるタイプのコーティングがPCT特許出願PCT/NO98/00301から公知であって、これは2種類のポリマーの混合物から製造される2種類のラッカーからなり、その第1のものはフェノールおよびホルムアルデヒドの縮合重合によって製造され、第2のものはアミンポリマーの熱硬化による。このコーティングでは、25℃で30秒に8.2gのロードで40Kp/mmの微小硬度が得られる。このラッカー系は明瞭な黄色を有し、ポリマーのフェノール成分のためにその耐候性は乏しい。
【0005】
したがって、スクラッチ耐性であり、連続的に、かつ陽極酸化プロセスに関連する問題なしに塗布することができるハードコーティングの必要性が存在する。
【0006】
乾燥形態で純粋に有機性であり、かつ透明ラッカーとして有意により光沢性のある表面を伴ってそれらを製造することができるという、無機含有物を含むラッカーを上回る利点または特徴を有するラッカーの形態でのコーティングの製造が従来公知である。しかしながら、それらの外見を変化させる通常の充填材を含めることができないため、それらの耐摩耗性が特に良好なものではないというのがこれらのラッカーおよびコーティングに関する不利益である。
【0007】
SE特許出願9603174−5(KompoPigment Ltd.)は、塗料またはラッカーの耐摩耗性を改善するためにSiOの粒子が添加されている、特定含量のポリマーを含む水性塗料およびラッカーの製造を提示しており、その粒子は150nmまで、好ましくは100nm以下のサイズを有し、最大で分散物の乾燥重量の65%の含量である。
【0008】
EP A1 0 555 052は流動混合物を記述しており、これはアクリルモノマー、シリカ粒子および前記混合物を紫外線硬化させるための少なくとも1種類の開始剤に加えて、紫外線照射によって生じる混合物の分解を阻害するための成分を含む。前記混合物のシリカ粒子は、典型的には、15〜30nmのサイズである。この混合物の目的は、耐摩耗性および耐候性である透明な有機ベースのコーティングの製造である。この特許はその範囲において1つの有機系、すなわち、アクリルに限定されており、これはその基礎においてシリカ粒子を含むモノマーの混合物であって有機樹脂ではない。
【0009】
a.o.EP 0 786 499から、幾つかの官能基を含む有機モノマー(Bと呼ぶ)と組み合わされている多官能性有機金属成分(Aと呼ぶ)からなる組成物から耐摩耗性コーティングを形成することができるという事実が公知である。この公知法については、重合/硬化の前に有機金属成分と有機モノマーとの間に強い結合が形成されることが示されている、第4頁、第29〜30行を参照。引き続く重合はAおよびB成分の組合せを含む網を生じ、そこでは単一の共通網において無機成分が有機重合構造に化学的に結合する。
【0010】
DE 199 24 644から、ナノ粒子を含むラッカーの製造方法が公知である。この方法は、金属酸化物の加水分解および縮合、いわゆるゾル−ゲル合成による粒子のインサイツ形成を含む。示唆されるように製造をインサイツで行う目的は、粒子サイズを制御し、凝集が望ましいものよりも大きい粒子につながらないようにすることである。この公報はマトリックスおよびナノ粒子の単一共通網につながる系に集中しすぎている、例えば、カラム2、第63〜66行を参照。
【0011】
水性塗料およびラッカーが関連ポリマーの分散物であり、溶媒(実際には分散剤)の除去の後、保護層を構築することは注目に値する。これは、ポリマーが実際の溶液の形態で存在しないことを意味する。水が蒸発してポリマーが表面上に定着するとき、多くの微小ポリマー粒子が「一緒に浮遊し」、連続保護コーティングを構築する。これが多くの目的に十分良好な程度に生じるとしても、水性塗料およびラッカーがもたらす保護は、依然として、塗布前にはポリマーが完全に溶解し、かつ硬化の間にポリマーの単一分子中に基礎を有する連続保護層を形成する有機ベースのラッカーおよび溶媒よりもかなり弱い。
【0012】
水性および有機ベースのラッカーおよび塗料の間の上記化学的相違のため、前記スウェーデン特許に記載されるもののような方法を有機溶媒をベースとするラッカーにそのまま適用することはできない。
【0013】
数マイクロメートル(μm)のサイズの無機粒子を水性または有機ベースのラッカー系に添加することが公知である(いわゆる、充填材または顔料)。この改変は耐摩耗性に幾らか影響を及ぼし得るが、むしろ(色のような)外見を変化させるか、またはラッカーの重量を増加させるのに用いられる。
【0014】
耐摩耗性等に関するすべての要求を満たし、かつ簡潔な塗布方法を有する、アルミニウムおよび鋼、特には、圧延アルミニウムおよび鋼の表面を保護するための公知法は存在しない。
【0015】
(目的)
本発明の目的は、アルミニウムおよび/または鋼の圧延表面に、硬く、耐摩耗性、耐候性、滑らかさ、光沢性および透明の保護層をもたらすのに適するラッカーおよびコーティングを提供することである。
【0016】
本発明の第2の目的は、透明有機ラッカー系の耐摩耗性を、透明性および光沢性のようなそれらの他の特性を変化させることなく改変することである。
【0017】
(本発明)
本発明は、請求項1の特徴付け部分によって定義される特徴を特徴とする、有機ベースで、好ましくは、透明かつ光沢性のラッカー/ワニスの層を有するアルミニウム、アルミ合金または鋼の圧延金属表面に関する。
【0018】
本発明の金属基板の好ましい実施形態は請求項2〜9によって定義される。
【0019】
本発明は、さらに、請求項10によって定義されるように、高い耐摩耗性を有する有機ベースで、好ましくは、透明かつ光沢性のラッカー/ワニスの使用に関する。
【0020】
本発明による使用の好ましい実施形態は請求項11〜16によって定義される。
【0021】
本発明の核は、従来記述されるタイプのラッカー/ワニスを用いるアルミニウムまたは鋼の圧延表面のコイルコーティングに関するものと同様に表すことができ、このラッカー/ワニスはナノサイズの粒子、すなわち、主として1〜100nmの範囲のサイズを有する粒子が供給されている。このような粒子はそのような粒子の形態でそのまま「添加する」ことはできず、それらの供給は、インサイツで、またはラッカーの基剤成分にそれらを添加する直前に生じる化学反応によって粒子が形成される1つ以上の代替法によってなす必要がある。そのようなラッカー系を調製するため主に異なる方法は3つあり、以下、それぞれ、モデル1、モデル2およびモデル3とも呼ぶ。これらの方法がそのようなものとして本発明の主題ではなく、本願と同じ優先日を有するノルウェー特許出願2000 3462号がカバーするものであるとしても、完結のためにこれらの方法を簡単に説明する。
【0022】
重要な態様は、関連するタイプおよびサイズの粒子が別々の粒子としてはラッカーマトリックス中に存在しないということである。これらの粒子は、むしろ、ラッカーの有機網に加えてそれら自体の無機/有機網を形成する。これらの2種類の網は互いに独立に並行して存在するが、大なり小なり、架橋結合によって互いに結合し得る。網形成の程度は、幾らかの程度までは、3つの製造モデルのうちのどれが選択されるのか、および粒子サイズによる依存を受け、理論的根拠では完全に予測することができない。しかしながら、本発明は特定の程度の網形成またはそのような網を形成するためのいかなる特定の機構にも限定されるものではない。
【0023】
2種類の主に独立の網の実際の意味は、a.o.、形成されるコーティングが強いだけではなく、それに加えて、ナノ粒子がラッカーの有機樹脂と共に網内に結合しているようなものを含めて、他の多くのラッカー/コーティングよりも柔軟であることである。柔軟性に乏しいコーティングは、それら自体が柔軟性/可動性である材料の最上部に置かれた場合、すぐにクラックを形成する。巨大コイルに巻かれている圧延アルミニウムまたは鋼は、最終硬化ラッカーが、それが金属に持続性の保護をもたらし得るべき場合、柔軟であることが重要である利用の典型的な例である。
【0024】
金属基板および本発明により使用に適するラッカー/ワニスは第1の方法(以下、モデル1と呼ぶ)によって製造することができ、それによると、まず、前記種類の1種類以上の無機ポリマー粒子の部分的加水分解によって粒子分散物(ゾル)を調製する。改変しようとするラッカーの溶媒に相容性の溶媒をこの目的のために用いる。その後、この段階で所望のサイズのナノ粒子を含む前記ゾルをラッカーに添加する。ポリマーの吸着、シラン、ジルコネート、ジルコアルミニネート、オルソチアネート、アルミネートとの反応、またはそのような処理の組合せを含み得る処理によって粒子の表面を改変することも好ましい。
【0025】
化学的には、本発明の幾つかの実施形態、モデル1および2による金属−有機化合物からのゾルの調製には2つの工程がある。式M(OR)またはR’−M(OR)のモノマー化合物を含む溶液を出発溶液として用いる。式M(OR)において、Mは金属イオンであり、Rは1ないし8個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリールまたはこれらの組合せのうちで選択される有機基である。式R’−M(OR)において、R’=Rであるか、またはR’=R−Xであり、ここでXは、例えば、アミン、カルボキシまたはイソシアネートのような有機基である。Rは1〜4個の炭素原子を有する単純なアルキルであることが好ましい。指数は金属イオンの原子価に依存して1ないし6の整数である。
【0026】
第1工程は金属アルコキシドの加水分解であり、ここではアルコキシドリガンドをヒドロキシル基によって置換する:
M−OR+H−OH M−OH+ROH
第2工程は縮合であり、ここではヒドロキシル基を他の金属中心からのヒドロキシルもしくはアルコキシル基と反応させてM−O−M結合及び水もしくはアルコールを形成させることができる。
【0027】
M−OH+HO−M M−O−M+H
または
M−OR+HO−M M−O−M+ROH
反応の過程は、化合物R’−M(OR)から出発した場合、基R’が加水分解または縮合反応に関与しないため、基本的に同じである。
【0028】
生じる溶液は溶媒中に分散した無機ポリマー粒子からなる。
【0029】
好ましい変種には、加水分解/縮合工程の間の官能性OH基を有する化合物、例えば、ブチルジグリコールまたはエチルヘキサノールの添加が含まれる。これは、ラッカー/ゲルコートに適合する安定なゾルの形成を示している。
【0030】
例えば、アクリルラッカーを改変しようとする場合、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(−APS)の加水分解/縮合の間にブチルジグリコール(BDG)を添加することが好ましい。BDG分子は−APS(−ODGB)のエトキシ基を置換することができる。−ODGBは、おそらくは、−ODGB置換基とSi原子との相互作用の可能性のため、−OEtの場合よりも−OHによって置換することがより非常に困難である。そのような相互作用はOEtとSi原子との間では重要ではない。一般には、より大きなアルコール分子は、可能性のある加水分解の後、より小さいアルコール分子よりもシラン近傍に長期間留まるという事実のため、より大きなアルコール残基は−OHによって置換することがより困難であることが予想される。結果として、反対の反応(Si−OHおよびEtOHからSiOR+HOへの縮合)はより小さいものよりもより大きいアルコール分子について生じるものと思われる。粒子形成にとって、Si原子の2つの部位のみが加水分解/縮合に利用可能であるということが決め手である。加水分解/縮合の可能性を有する3つもしくは4つの部位は、通常、大凝集の形成につながり、これは一般に有機溶媒中での溶解が困難である。分子内接触加水分解/縮合の代わりとして、分子間の変種も可能である。この場合、別のシラン分子近傍のシラン分子のアミノ基が前者のシラン分子の加水分解/縮合を触媒する。この方法では、アクリルラッカーに適合するナノ粒子が形成される。
【0031】
金属基板および本発明による使用に適するラッカー/ワニスは、以下モデル2と呼ばれる、異なる変種によって調製することができる。この変種によると、制御された量の上述のタイプの無機化合物を既存の市販透明ラッカーまたは既存の市販ゲルコートに添加する。所望のサイズの範囲内にある粒子のインサイツ形成を得るため、2つの必要な反応、すなわち、縮合反応および加水分解の反応速度の間の正しいバランスを保証する化学的条件を確立することが必要である。縮合反応はモノマー(単一)分子からのポリマー鎖の形成(重合)を与えるが、加水分解はラッカーの成分との接触で生じる多結晶沈殿またはオキソ水酸化物沈殿を与える。強力なリガンドでのアルコキシド基の交換(置換)と組み合わされる金属−有機化合物の適切な選択は縮合反応と比較して加水分解反応を減速させ、これはそれらの鎖が長すぎるものになることなく依然としてここでオリゴマーとして示される範囲内に留まることを保証する。実際には、これは、粒子がしばしば数nmのサイズのもののみであり、最も典型的には10nm未満であることを意味する。粒子は30nm未満であることがことが好ましく、これは、それがラッカーが明るいままであることを保証するためである。
【0032】
モデル1と同じ方法で、ポリマーの吸着、シラン、ジルコネート、ジルコアルミネート、オルソチタネート、アルミネートとの反応、またはそのような処理の組合せを含み得る処理によって粒子の表面を改変することがさらに好ましい。
【0033】
調製の第3の変種、モデル3によると、凝集した上記タイプの粒子の粉末を最初に確立させる。粉末の凝集は、機械的処理、化学的処理またはそのような処理の組合せでナノサイズの粒子に崩壊し得るような緩さである。これは、クレーベースの材料がモデル3に用いることができる代替物を代表することを意味する。モデル1と同じ方法で、ポリマーの吸着、シラン、ジルコネートとの反応、またはそのような処理の組合せを含み得る処理によって粒子の表面を改変することがさらに好ましい。
【0034】
3つの既述の実施形態/変種に共通のことは、既存のラッカー、好ましくは、有機溶媒をベースとする光沢性の透明ラッカーから出発することができ、かつそれらの特性を無機ポリマー粒子での処理によって変化させることができ、それにより生じるラッカーがナノサイズの粒子を取り込むことである。これらの粒子は、既述のように、ラッカー自体の有機網に加えて生じる三次元網を形成し、最終硬化ラッカーが依然としてその柔軟性を保持し、かつ脆化することなしに通常の有機ベースのラッカーと比較して卓越した耐摩耗性をラッカーに付与するのに貢献する。この無機粒子を含むさらなる網は主としてラッカーの有機網とは無関係であるが、部分的に結合していてもよい。
【0035】
一般には、コーティング法および基板の特性に依存して、1ないし50μmの厚みを有するコーティングが作製される。本発明によって作製されるコーティングの改善された特性、例えば、高い耐摩耗性のため、コーティングの厚みはさらに小さいものであり得、例えば、1ないし10μmの範囲である。
【0036】
制御された量の無機ポリマー粒子の添加が意味するところは、粒子が上述のような網を形成するのに十分な量であるということである。必要とされる量は、別々の事例の各々において、粒子サイズ、粒子のタイプおよびラッカーのタイプに基づいて決定しなければならない。一般には、無機粒子の量は、当該ラッカーに基づく算出で0.5ないし50重量%の区間に留まる。この下限に近いか、またはそれを下回る濃度では、粒子は、ラッカーの特性の所望の改善を得るのに必要な網を限られた程度にしか形成することができない。前記上限を上回る濃度では、粒子がラッカーの外見に否定的な影響を及ぼし、それによりもはや粒子添加以前のように光沢性で、滑らかで、かつ透明であるように見えない危険性がある。
【0037】
本発明による金属イオンMは一連の金属、例えば、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、ケイ素、マグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルトおよび幾つかの他のもののうちから選択される。研究により、金属イオンがジルコニウム、アルミニウム、チタン、ケイ素またはこれらの組合せである化合物が目的に非常に良く適することが見出されおり、したがって、これらの金属が本発明による金属イオンの好ましい実施形態を構成する。分子の有機部分Rはアルキル、アルケニル、アリールまたはこれらの基の組合せであり、実用的な理由から最大で8個の炭素原子を含む基にサイズが限定される。しかしながら、Rは4個を上回る炭素原子を持たないことが好ましく、より好ましくは、メチル、エチル、プロピルまたはブチルのような単純なアルキルである。
【0038】
多くの異なる有機タイプのラッカーが本発明の目的に適し、そのタイプは主として使用領域によって決定される。最も重要なものに言及すると、アクリルラッカー、エポキシラッカー、ポリエステルラッカー、ポリウレタンラッカー、ポリアミドラッカーおよびポリカーボネートラッカーがすべて本発明による基本ラッカーとして用いることができる。
【0039】
以下、幾つかの本発明による製造方法についての幾つかの試験例によって本発明をさらに詳述する。鋼表面に関連する利用は含まれないが、接着特性および硬度は幾らか異なるものの、原理的に鋼はアルミニウムに類似することは強調されなければならない。
【0040】
実施例1
USA、Valspar製の市販透明エポキシラッカーVS 150をモデル2によって改変し、アルミニウムシートのコーティングに用いた。
【0041】
このエポキシラッカーは樹脂および架橋剤の両者を含む一成分ラッカーであった。
【0042】
改変:61gのCH、Sigma Aldrich製テトラエトキシ−オルソシラン(TEOS)、200gのブタノールおよび121gのCH、Sigma Aldrich製アルミニウムsec−ブトキシドの混合物20mlを、滴下により、各液滴間に約2秒の間隔をとって、激しい攪拌(800rpm)の下で40mlのラッカーに添加した。全プロセスは約40分続いた。
【0043】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」(ロッド番号26)によってラッカーをアルミニウムシートに塗布した。塗布の直後、アルミニウムシートの温度(「ピーク金属温度」PMT)を250℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。コート層は8μmと測定された。
【0044】
試験:ドイツ、Erichsenタイプの硬度ペンによって耐摩耗性を試験した。この方法は硬度ペンで引っ掻き傷をつけることからなる。加えられる力はバネによって制御される。この力に相関する硬度値をペンから読み取る。並行読み取りは、改変ラッカーで覆われたシートに対する力が1Nを超え、それに対して非改変ラッカーで覆われたシートに対する力は0.2Nを下回ることを示した。
【0045】
実施例2
市販の透明アクリルラッカー(ドイツ、Rhenania製SZ−006)をモデル2によって改変し、アルミニウムシートのコーティングに用いた。
【0046】
このアクリルラッカーは樹脂および架橋剤の両者を含む一成分ラッカーであった。
【0047】
改変:4.7gのCH、Sigma Aldrich製テトライソプロピルオルソチタネートを12.9gのメタクリル酸に攪拌下で添加した。15分の攪拌の後、その溶液を26.4gのラッカーに攪拌下で添加した。
【0048】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」(ロッド番号26)を用いてラッカーをアルミニウムシートに塗布した。その直後、アルミニウムシートの温度(「ピーク金属温度」PMT)を241℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。コート層は8μmと測定された。
【0049】
試験:
耐摩耗性
耐摩耗性をEyre/Biceri製のUniversal Wear Testing Machineによって試験した。ラッカー処理したシートのうちの1枚を装置に固定した。木綿ポールを可動パーツに取り付け、ラッカー処理したシート上に588gの定重量で置き(3×荷重)、装置を始動させた。ターンの回数を自動的にカウントした。20ターンの後、シートの表面を金属処理して観察した。非改変ラッカーでコートした部分のダイラインの数は比較的多かった。改変ラッカーでコートした部分ではダイラインはほとんど見ることができなかった。1が最良(ダイラインなし)で6が最悪(多くのダイライン)である1ないし6の経験的スケールでは、改変ラッカーは値2を獲得し、非改変ラッカーは値3を獲得した。
【0050】
透明性
ラッカーは光学的に透明であった。ラッカーの透明性は輝度(RD/20)を測定することによって定量化することができる。改変ラッカーの輝度は1793の値を有し、これは非改変ラッカーの輝度(1773)の幅内であった。
【0051】
実施例3
実施例2に用いたものと同じ市販ラッカーをモデル1によって改変し、アルミニウムシートのコーティングに用いた。
【0052】
改変:CH、Sigma Aldrich製のチタンプロポキシドのアルコラート溶液11.34gを7.74のヘキサン酸に攪拌下で添加した。その後、1gの蒸留水を攪拌下で添加した。15分の攪拌の後、生じたゾル10gを0.165gのアミノプロピルトリエトキシシランに攪拌下で添加した。その後、生じた混合物1gを10gのラッカーに攪拌下で添加した。
【0053】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」(ロッド番号26)によってラッカーをアルミニウムシートに塗布した。その直後、アルミニウムシートの温度(「ピーク金属温度」PMT)を241℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。コート層は8μmと測定された。
【0054】
特徴付けおよび試験
ゾル粒子サイズ
光散乱の原理によってゾル粒子サイズを決定した。UK、Malvern製の市販機器「Zetasizer 3」をサイズ分布の決定に用いた。サイズ分布は狭く、平均粒子サイズは5nmであった。
【0055】
耐摩耗性
実施例3と同様に、Eyre/Biceri製のUniversal Wear Testing Machineによって耐摩耗性を試験した。定重量は588gであった(3×荷重)。非改変ラッカーでコートした部分のダイラインの数は比較的多かった。改変ラッカーでコートした部分ではダイラインはほとんど見ることができなかった。1が最良(ダイラインなし)で6が最悪(多くのダイライン)である1ないし6の経験的スケールでは、改変ラッカーは値2を獲得し、非改変ラッカーは値3を獲得した。
【0056】
透明性
ラッカーは光学的に透明であった。ラッカーの透明性は拡散透過を測定することによって定量することができる。これは、例えば、透明ガラスプレートをラッカーの基板として用いることによって行うことができる。まず、ガラスプレート単独で拡散透過を測定する。その後、ラッカーをガラスプレートに塗布し、拡散透過を再度測定する。ラッカー塗布後の拡散透過における変化はラッカーの透明性の良好な尺度である(ラッカーとガラスプレートとの界面が光散乱に大きく寄与することがないという条件で)。測定はDIN 5036規格に従う装置で行った。
【0057】
透明ガラスプレートの拡散透過は0.5%と測定された。非改変ラッカーをガラスプレートに塗布した(5μmのコーティング層)。その後、拡散透過は1.5%と測定された。改変ラッカーの拡散透過は6%未満と測定された。
【0058】
実施例4
実施例2に用いた市販ラッカーをモデル1によって改変し、アルミニウムシートに塗布した。
【0059】
改変:CH、Sigma Aldrich製のテトライソプロピルオルソチタネート4.7gを15.3gのペンタン酸(吉草酸)に攪拌下で添加した。その後、0.45gの蒸留水を攪拌下で添加した。このゾルを15分攪拌した後、10gのゾルを10gのラッカーに攪拌下で添加した。
【0060】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」(ロッド番号26)によってラッカーをアルミニウムシートに塗布した。その直後、アルミニウムシートの温度(「ピーク金属温度」PMT)を241℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。コート層は8μmと測定された。
【0061】
特徴付けおよび試験
ゾル粒子サイズ
ゾル粒子サイズはUK、Malvern製「Zetasizer 3」によって測定した。サイズ分布は狭く、平均粒子サイズは3nmであった。
【0062】
耐摩耗性
実施例3と同様に、Eyre/Biceri製のUniversal Wear Testing Machineによって耐摩耗性を試験した。定重量は980gであった(5×荷重)。非改変ラッカーでコートした部分のダイラインの数は比較的多かった。改変ラッカーでコートした部分ではダイラインはほとんど見ることができなかった。1が最良(ダイラインなし)で6が最悪(多くのダイライン)である1ないし6の経験的スケールでは、改変ラッカーは値3を獲得し、非改変ラッカーは値6を獲得した。
【0063】
透明性
ラッカーは光学的に透明であった。ラッカーの透明性は輝度(RD/20)を測定することによって定量することができる。改変ラッカーの輝度は1693の値を有し、これは非改変ラッカーの輝度(1773)に匹敵するものであった。
【0064】
実施例5
実施例2に用いたものと同じ市販ラッカーをモデル3によって改変し、アルミニウムシートに塗布した。
【0065】
改変:20nmの平均サイズを有するチタニア粒子を含む、USA、Nanophase製の市販酸化チタン10g(有機溶媒中に20重量%)を10gのラッカーに攪拌下で添加した。
【0066】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」(ロッド番号26)によってラッカーをアルミニウムシートに塗布した。その直後、アルミニウムシートの温度(「ピーク金属温度」PMT)を241℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。コート層は8μmと測定された。
【0067】
試験:実施例3と同様に、「テーバー研磨機(taber abraser)」を用いて耐摩耗性を試験した。非改変ラッカーでコートしたシートについて測定した重量損失は改変ラッカーでコートしたシートの重量損失よりも有意に大きかった。
【0068】
実施例6
市販透明エポキシラッカーをモデル3によって改変し、アルミニウムシートに塗布した。
【0069】
このエポキシラッカーは、樹脂および架橋剤の両者を含む一成分ラッカーであった。
【0070】
改変:Condea Chemi製の市販ベーマイト粉末9gを20gのブタノールに攪拌下で添加した。その後、2.14gのメタクリル酸を攪拌下で添加した。15分の攪拌の後、生じたゾルに超音波処理(300W 5分、50%パルス)を施し、そのゾルを10gのラッカーに攪拌下で添加した。
【0071】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」によってラッカーをアルミニウムシートに塗布した。その直後、PMTを250℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。
【0072】
試験:実施例3と同様に、「テーバー研磨機」を用いて耐摩耗性を試験し、試験の前後にシートを秤量した。非改変ラッカーでコートしたシートについて測定した重量損失は改変ラッカーでコートしたシートの重量損失よりも有意に大きかった。
【0073】
実施例7
実施例2に用いたものと同じ市販ラッカーをモデル3によって改変し、アルミニウムシートに塗布した。
【0074】
改変:英国、Tioxide製の市販酸化チタン粉末3gを6gのブチルジグリコール(BDG)および8.33gの1−メトキシ−1−アセトキシプロパンに添加した。その後、生じた分散物に超音波処理を17分間施した(200W、50%サイクル)。その後、ラッカーの成分を以下の順序で、かつ攪拌下で添加した:0.0072gのPTSA溶液、7.2gのHMMMメラミン樹脂溶液、9gのブロックHDIイソシアネート樹脂溶液および29.4gのアクリル樹脂溶液。
【0075】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」(ロッド番号26)によってラッカーをアルミニウムシートに塗布した。その直後、アルミニウムシートの温度(「ピーク金属温度」PMT)を241℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。コート層は12μmと測定された。
【0076】
試験
耐摩耗性
実施例3と同様に、Eyre/Biceri製のUniversal Wear Testing Machineによって耐摩耗性を試験した。定重量は588gであった(3×荷重)。非改変ラッカーでコートした部分のダイラインの数は比較的多かった。改変ラッカーでコートした部分ではダイラインはほとんど見ることができなかった。1が最良(ダイラインなし)で6が最悪(多くのダイライン)である1ないし6の経験的スケールでは、改変ラッカーは値1を獲得し、非改変ラッカーは値3を獲得した。
【0077】
透明性
ラッカーは光学的に透明であった。ラッカーの透明性は輝度(RD/20)を測定することによって定量することができる。改変ラッカーの輝度は1727の値を有し、これは非改変ラッカーの輝度(1693)に匹敵するものであった。
【0078】
実施例8
実施例2に用いたものと同じ市販ラッカーをモデル1によって改変し、アルミニウムシートに塗布した。
【0079】
改変:60gのアミノプロピルトリエトキシシラン(−APS)を13.2gのBDGおよび15.18gの蒸留水に添加した。このゾルを穏やかに12時間攪拌した。次に、5gのゾルを1gのラッカーに穏やかな攪拌下で添加した。
【0080】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」(ロッド番号26)によってラッカーをアルミニウムシートに塗布した。その直後、アルミニウムシートの温度(「ピーク金属温度」PMT)を241℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。コート層は7μmの厚みと測定された。
【0081】
試験
耐摩耗性
「テーバー研磨機」により、ISO規格D4060−95に従って耐摩耗性を測定した。この方法は、ラッカー表面を、試料上で回転するラバーホィールによる摩耗に露出することを含む。回転回数は自動的に登録し(1000回)、その力は既知重量(500g)によって決定する。試験の前後でシートを秤量した。非改変ラッカーでコートしたシートの重量損失は12.37mgであり、それに対して改変ラッカーでコートしたシートの重量損失は1.22mgであった。
【0082】
耐摩耗性は、実施例3と同様に、Eyre/Biceri製のUniversal Wear Testing Machineによっても試験した。定重量は980gであった(5×荷重)。非改変ラッカーでコートした部分のダイラインの数は比較的多かった。改変ラッカーでコートした部分ではダイラインはほとんど見ることができなかった。1が最良(ダイラインなし)で6が最悪(多くのダイライン)である1ないし6の経験的スケールでは、改変ラッカーは値1を獲得し、非改変ラッカーは値6を獲得した。
【0083】
実施例9
実施例2に用いたものと同じ市販ラッカーをモデル1によって改変し、アルミニウムシートに塗布した。
【0084】
改変:日本、Nissan Chemicals製の市販シリカゾル100gを、ゆっくりとした攪拌の下で15分間、22.4gのγ−APSに添加した。その後、10.2gの改変ゾルを3.3gの−APSおよび1.5gのBDGの混合物にゆっくりとした攪拌の下で添加した。生じた組成物5.1gを1gのラッカーにゆっくりとした攪拌の下で添加した。
【0085】
塗布:5分の攪拌の後、「バーコーティング」(ロッド番号26)によってラッカーをアルミニウムシートに塗布した。その直後、アルミニウムシートの温度(「ピーク金属温度」PMT)を241℃に保持する対流式オーブンにシートを入れた。その後、シートをオーブンから取り出し、冷水で冷却した。コート層は7μmの厚みと測定された。
【0086】
試験
耐摩耗性
実施例3と同様に、Eyre/Biceri製のUniversal Wear Testing Machineによって耐摩耗性を試験した。定重量は588gであった(3×荷重)。非改変ラッカーでコートした部分のダイラインの数は比較的多かった。改変ラッカーでコートした部分ではダイラインはほとんど見ることができなかった。1が最良(ダイラインなし)で6が最悪(多くのダイライン)である1ないし6の経験的スケールでは、改変ラッカーは値1を獲得し、非改変ラッカーは値3を獲得した。
【0087】
下記表は、用いられたラッカー/ワニスのタイプ並びに各種硬度試験および輝度試験の結果を要約する。
【表1】
Figure 2004508459
【表2】
Figure 2004508459
【表3】
Figure 2004508459
各種試験からの結果は、本発明による方法の3つの実施形態(のいずれか)に従う改変により、ラッカーの輝度を維持しながら高い耐摩耗性を備えるラッカー系が達成されることを示す。
【0088】
本発明が主として既存の市販ラッカー/ワニスの改変に関連するが、そのような製品に排他的に限定されるものではないことが強調される。したがって、本発明は他のラッカー/ワニス、例えば、以前には商業的に入手可能ではなかった特別なラッカーおよびそれ自体が別の発明を構成する可能性がある新規ラッカーまたはワニス等に適用可能である。
【0089】
さらに、我々は、単純化のため、即時使用可能なラッカー/ワニスの改変を説明している。商業的状況においては、ナノ粒子を最後の工程よりプロセスの別の工程として導入することによって改変を行うことが確実により好都合であり得る。
【0090】
さらに、我々は、ラッカー/ワニスが関連使用現場に対応して特定量の粒子をその都度供給される方法でプロセスを説明している。高濃度の粒子を添加することも可能であり、その場合、使用者は塗布直前にその濃縮物を同じタイプの標準ラッカー/ワニスで所望の濃度(これもまた、摩耗強度、それを塗布しようとする基板等に従って変化し得る)まで希釈する。
【0091】
最後に、本発明によるラッカーの製造方法に関連して、3つの代替法は、あらゆる実際の状況において相互に排他的であり、そのためモデル1が選択される場合にはその用途についてはモデル2および3が自動的に廃棄されるものと認められ得る方法で説明されている。しかしながら、これら3つのモデルを組み合わせることは十分に可能であるため、これは正しくはない。例えば、微細分散粉末(モデル3)が添加される系を、モデルNo.1による粒子分散物から、または本発明のモデルNo.2によるラッカー中でのインサイツ形成によって他の無機粒子を同時に生成させながら、塗布することができる。
【0092】
前記変形は、本発明の精神を関連使用領域に適合させるために熟練した専門家が導入し得るあらゆる他の改変と同様に、すべて本発明の範囲内にある。

Claims (16)

  1. 有機ベースの、好ましくは透明かつ光沢性の、ラッカー/ワニスの層を有するアルミニウム、アルミ合金または鋼の圧延金属基板であって、
    ラッカー/ワニスが制御された量の、主として1〜100nmの範囲の粒子サイズを有する無機ポリマー粒子を含み、該粒子が主としてラッカー/ワニスの有機網とは無関係の三次元網を形成することを特徴とする圧延金属基板。
  2. 前記無機ポリマー粒子が、以下の群のうちから選択されるモノマー化合物の加水分解および縮合反応から生じる反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載される圧延金属基板:
    i)M(OR)、またはii)R’−M(OR)
    (ここで、Mは金属イオンであり、およびRは1ないし8個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリールまたはこれらの組合せのうちから選択される有機基であり、R’=RまたはR−Xであり、Xは、例えば、アミン、カルボキシルまたはイソシアネートのような有機基であり、およびnは1ないし6の整数である)。
  3. 前記無機ポリマー粒子が、凝集金属酸化物粒子の粉砕天然もしくは合成酸化物粉末、または天然もしくは合成のクレーベースの粉末、またはそのような粉末/粒子の組合せを含むことを特徴とする、請求項1に記載される圧延金属基板。
  4. 前記粒子に、ポリマーの吸着、シラン、ジルコネート、ジルコアルミネート、オルソチタネート、アルミネートとの反応、またはそのような処理の組合せを含む処理による表面改変を施すことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載される圧延金属基板。
  5. Rが4個までの炭素原子を有する基、特には、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはこれらの基の組合せであることを特徴とする、請求項1〜2に記載される圧延金属基板。
  6. 金属イオンMがジルコニウム、アルミニウム、チタン、ケイ素またはこれらの金属の組合せからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜2に記載される圧延金属基板。
  7. 前記無機ポリマー粒子が30nm未満のサイズを有することを特徴とする、請求項1に記載される圧延金属基板。
  8. 前記無機ポリマー粒子が硬化ラッカー/ワニス中に0.5〜50重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1に記載される圧延金属基板。
  9. 前記層の厚みが1〜10μmの幅内にあることを特徴とする、請求項1に記載される圧延金属基板。
  10. 制御された量の、主として1〜100nmの範囲の粒子サイズを有する無機ポリマー粒子を含む、有機ベースの、好ましくは透明かつ光沢性の、ラッカー/ワニスであって、該粒子が主としてラッカー/ワニスの有機網とは無関係の三次元網を形成することができるラッカー/ワニスの、アルミニウム、アルミ合金または鋼の圧延表面のコイルコーティングへの使用。
  11. アルミニウムまたは鋼、好ましくは圧延アルミニウムまたは鋼の表面上の保護コーティングとしての請求項10に記載される使用であって、前記無機ポリマー粒子が以下の群:
    i)M(OR)、もしくはii)R’−M(OR)
    (ここで、Mは金属イオンであり、およびRは1ないし8個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アリールまたはこれらの組合せのうちから選択される有機基であり、R’=RまたはR−Xであり、Xは、例えば、アミン、カルボキシルまたはイソシアネートのような有機基であり、およびnは1ないし6の整数である)
    のうちから選択されるモノマー化合物の加水分解および縮合反応から生じる反応生成物、または天然もしくは合成のクレーベースの粉末、またはそのような粉末/粒子の組合せである使用。
  12. 前記金属イオンMがジルコニウム、アルミニウム、チタン、ケイ素またはこれらの金属の組合せである、請求項10に記載される使用。
  13. Rが4個までの炭素原子を有する基、特には、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはこれらの基の組合せである、請求項10に記載される使用。
  14. 前記無機ポリマー粒子が30nm未満のサイズを有する、請求項10に記載される使用。
  15. 前記無機ポリマー粒子が、硬化ラッカー/ワニス中に、非硬化ラッカー/ワニスに基づく算出で0.5〜50重量%の量で存在する、請求項10に記載される使用。
  16. 前記ポリマー粒子が、凝集金属酸化物粒子の粉砕天然もしくは合成酸化物粉末、または天然もしくは合成のクレーベースの粉末、またはそのような粉末/粒子の組合せを含む、請求項10に記載される使用。
JP2002514238A 2000-07-05 2001-07-05 有機ベースのワニスでコートした圧延金属基板、およびそのようなワニスを圧延金属の表面に塗布するための方法 Pending JP2004508459A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
NO20003463A NO319406B1 (no) 2000-07-05 2000-07-05 Valset metallsubstrat med sjikt av en organisk basert lakk, samt anvendelse av organisk basert, modifisert lakk til bandlakkering av valsede metallflater
PCT/NO2001/000288 WO2002008344A2 (en) 2000-07-05 2001-07-05 Rolled metal substrate coated with organic based varnish, and method for applying such varnish to surfaces of rolled metal

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004508459A true JP2004508459A (ja) 2004-03-18

Family

ID=19911351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002514238A Pending JP2004508459A (ja) 2000-07-05 2001-07-05 有機ベースのワニスでコートした圧延金属基板、およびそのようなワニスを圧延金属の表面に塗布するための方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20030186067A1 (ja)
EP (1) EP1297081A2 (ja)
JP (1) JP2004508459A (ja)
AU (1) AU2001292446A1 (ja)
CA (1) CA2414993A1 (ja)
NO (1) NO319406B1 (ja)
WO (1) WO2002008344A2 (ja)
ZA (1) ZA200300060B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10213756A1 (de) * 2002-03-26 2003-10-09 Behr Gmbh & Co Kreislauf oder Komponente hiervon für ein Kühlmittel
SE528890C2 (sv) * 2005-02-17 2007-03-06 Sandvik Intellectual Property Metallsubstrat, artikel och förfarande
GB0912201D0 (en) 2009-07-14 2009-08-26 Imerys Minerals Ltd Coating compositions

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3751856T3 (de) * 1986-10-03 2001-04-19 Ppg Industries Ohio, Inc. Organisch-anorganisches Hybridpolymer
DE3834773A1 (de) * 1988-10-12 1990-04-19 Fraunhofer Ges Forschung Teilchenfoermige polykondensate, verfahren zu deren herstellung und deren verwendung
DE4337643C1 (de) * 1993-11-04 1995-08-03 Rwe Dea Ag Verfahren zur Herstellung von in Wasser dispergierbaren Tonerdehydraten böhmitischer Struktur und Verwendung derselben
US5493005A (en) * 1995-02-21 1996-02-20 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force Hydroxy-pendent benzoxazole copolymers
US5580819A (en) * 1995-03-22 1996-12-03 Ppg Industries, Inc. Coating composition, process for producing antireflective coatings, and coated articles
DE19540623A1 (de) * 1995-10-31 1997-05-07 Inst Neue Mat Gemein Gmbh Verfahren zur Herstellung von Kompositmaterialien mit hohem Grenzflächenanteil und dadurch erhältliche Kompositmaterialien
DE19543204C2 (de) * 1995-11-20 1997-09-18 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von nanodispersem Titandioxid und seine Verwendung
US6280838B1 (en) * 1997-01-10 2001-08-28 U. S. Philips Corporation Optical element, a display device provided with said optical element, and a method of manufacturing the optical element
DE19721600A1 (de) * 1997-05-23 1998-11-26 Hoechst Ag Nanoporöse interpenetrierende organisch-anorganische Netzwerke
DE59811774D1 (de) * 1998-06-05 2004-09-09 Cabot Corp Nanoporöse interpenetrierende organisch-anorganische netzwerke
DE19909877A1 (de) * 1999-03-06 2000-09-07 Basf Coatings Ag Sol-Gel-Überzug für einschichtige oder mehrschichtige Lackierungen
DE19924644A1 (de) * 1999-05-28 2000-11-30 Argotec Lacksysteme Gmbh Verfahren zum Herstellen eines Nanopartikel enthaltenden Mediums, insbesondere Lackes
DE19931204A1 (de) * 1999-07-07 2001-01-18 Rwe Dea Ag Verfahren zur Herstellung von in organischen Lösungsmitteln dispergierbaren Metalloxiden

Also Published As

Publication number Publication date
US20030186067A1 (en) 2003-10-02
EP1297081A2 (en) 2003-04-02
WO2002008344A3 (en) 2002-04-11
NO20003463L (no) 2002-01-07
ZA200300060B (en) 2003-07-22
WO2002008344A2 (en) 2002-01-31
NO319406B1 (no) 2005-08-08
AU2001292446A1 (en) 2002-02-05
NO20003463D0 (no) 2000-07-05
CA2414993A1 (en) 2002-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7214607B2 (ja) 被覆金属顔料、それを製造および使用するための方法、被覆剤、ならびに物品
JP5008226B2 (ja) 金属顔料組成物、その製造方法、その金属顔料組成物を含有する塗料組成物およびインキ組成物
JPH0753837B2 (ja) 合成樹脂で被覆した金属顔料、該顔料の製造方法及び用途
EP1711538B1 (de) Oberflächenmodifizierte partikel enthaltende härtbare zusammensetzung
CN102282222B (zh) 聚合物包覆的铝微粒
JP2006283030A (ja) 表面処理されたナノ結晶粒子を含む、実質的に透明な耐摩耗性フィルム
JPH09241380A (ja) 層状有機チタノシリケート、その成形体及びこれらの製造方法
US6939605B2 (en) Multi-layer coating
CN100478363C (zh) 包含表面改性粒子的可固化组合物
JP2007332218A (ja) ハードコート液
JP5781366B2 (ja) 樹脂被覆メタリック顔料
JP2004504472A (ja) 有機系ワニスまたはゲルコート、その製造および使用方法、およびそのようなワニスまたはゲルコートを含む基材
JP2004508459A (ja) 有機ベースのワニスでコートした圧延金属基板、およびそのようなワニスを圧延金属の表面に塗布するための方法
US20030162874A1 (en) Organic based varnish or gelcoat, methods for its manufacture and use, and substrate comprising such varnish or gelcoat
JP2013018920A (ja) インクセットおよび記録物
JP4638771B2 (ja) ホワイトパール塗膜形成方法及び積層塗膜
JP5885500B2 (ja) 透明被膜形成用塗料および透明被膜付基材
JPH05302041A (ja) 被覆用組成物及び表面被覆物品
KR100838614B1 (ko) 표면-변형 입자를 함유하는 경화형 조성물
WO2016137459A1 (en) Core/shell particles comprising a titanium dioxide core
WO1997045498A1 (en) Highly tintable, abrasion-resistant coating compositions
EP3116918A1 (en) Process for preparing recyclable template hollow particles using solvent-based silica precursors
KR20100003718A (ko) 오모실 조성물과 이를 포함하는 코팅 조성물
KR20070015935A (ko) 표면-변형 입자를 포함하는 경화성 조성물