JPH05302041A - 被覆用組成物及び表面被覆物品 - Google Patents
被覆用組成物及び表面被覆物品Info
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- JPH05302041A JPH05302041A JP4258535A JP25853592A JPH05302041A JP H05302041 A JPH05302041 A JP H05302041A JP 4258535 A JP4258535 A JP 4258535A JP 25853592 A JP25853592 A JP 25853592A JP H05302041 A JPH05302041 A JP H05302041A
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Abstract
より、耐摩耗性並びに耐溶剤性の優れた被膜を形成しう
る各種成形品用の被覆用組成物を提供する。 【構成】 (a)分子中に少なくとも2個の(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する重合性化合物、(b)シリ
カ骨格形成能を有するオリゴマー、例えばアルコキシシ
ランの加水分解・初期縮重合物やケイ酸オリゴマーを、
コロイド状シリカ存在下で縮重合させて得られるシリカ
系縮重合体および(c)光重合開始剤からなる被覆用組
成物。
Description
ネルギー線を照射することにより、耐摩耗性並びに耐溶
剤性の優れた被膜を形成しうる各種成形品用の被覆用組
成物及びかかる組成物の硬化物で被覆された物品に関す
る。
性の大きい透明なプラスチック材料を使用することは広
く行なわれている。しかしながら、透明プラスチック材
料はガラスに比較して表面が柔らかく、表面摩耗及び引
っ掻き傷を受けやすいという欠点を有する。
るために多くの試みがなされてきた。例えば特開昭48
−26822号公報、特開昭59−64671号公報等
に開示されているように、アルコキシシラン化合物をプ
ラスチック成形品表面に塗布し熱により硬化させる方法
がある。また、特開昭56−106969号公報、特開
平2−272041号公報等に開示されているように、
コロイダルシリカと有機樹脂の混合物をプラスチック成
形品表面に塗布し熱により硬化させる方法も知られてい
る。しかしながら、これらの方法は熱により硬化させる
必要があるため、エネルギー消費量が大きく、また硬化
に長時間を要するため工業的に不利である。
公平3−6190号公報に多官能アクリレートとコロイ
ダルシリカとアクリロイルオキシ官能性シランの組み合
わせが開示されている。しかしながらこの組成物は高価
なアクリロイルオキシ官能性シランを使用する必要があ
る上に、アクリロイルオキシ官能性シランはシランカッ
プリング剤として働き、多官能アクリレートとコロイダ
ルシリカの界面の補強をするのみでありシリカ粒子は互
いに結合せず独立して存在するためシリカは骨格として
形成されておらず、その表面硬度は若干劣るものであっ
た。
表面に耐擦傷性並びに耐溶剤性を付与する有効な被覆用
組成物は見いだされていない。
点について鋭意検討した結果、分子中に少なくとも2個
のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキ
シ基を有する重合性化合物、及びコロイド状シリカの存
在下でアルコキシシランを加水分解、縮重合させて得ら
れたシリカ系縮重合体からなる組成物を各種成形品表面
に塗布し、硬化することにより、合成樹脂表面に耐擦傷
性並びに耐溶剤性を付与できることを見いだした。
くとも2個のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリ
ロイルオキシ基を有する重合性化合物、(b)シリカ骨
格形成能を有するオリゴマーをコロイド状シリカ存在下
で縮重合させて得られるシリカ系縮重合体、及び(c)
光重合開始剤からなる被覆用組成物である。
組成物の硬化物で表面が被覆された物品である。
タ)アクリレート(a)中に均一に分散したコロイド状
シリカ粒子同士を、被覆時にシリカ骨格形成能を有する
オリゴマーが結合させてシリカ骨格が形成され、更に多
官能(メタ)アクリレートの架橋重合物とIPN(Inte
rpenetrating Network) 構造を形成するため、極めて良
好な表面硬度が発現する。
は、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオ
キシ基(アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイ
ルオキシ基の意、以下同じ)を有する架橋重合性化合物
であって、各(メタ)アクリロイルオキシ基を結合する
残基が炭化水素またはその誘導体であり、その分子内に
はエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、ア
ミド結合、ウレタン結合等を含むことができる。
一般式(II)〜(IV)
ち少なくとも2個はアクリロイルオキシ基及び/又はメ
タクリロイルオキシ基、残りは水素原子、水酸基、アミ
ノ基、アルキル基又は置換されたアルキル基、pは1〜
5を表わす。)
個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素又はその誘導体の
残基、R6 は2〜20個の炭素原子を有する脂肪族もし
くは芳香族の炭化水素またはその誘導体の残基、qは1
〜20の整数を表わす。)
の整数、sは1〜50の整数を表わす。)で表される化
合物より選ばれた少なくとも1種を用いることが好まし
い。
はポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート
(アクリレートまたはメタクリレートの意、以下同じ)
やポリメチロールアルカンポリ(メタ)アクリレート等
であり、例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、テトラペンタエリスリトールオクタ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。
的には二価アルコールのヒドロキシル基と二価カルボン
酸及び(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタ
クリル酸の意、以下同じ)両者のカルボキシル基とが最
終的には等量となるような混合物を反応させることによ
り得られるが、特に好ましいものとしては、一般式HO
−R5 −OHで表されるグリコール類またはその誘導体
(α)、一般式 HOCO−R6 −COOHで表される
ジカルボン酸、これらの酸塩化物、無水物、もしくはエ
ステル(β)及び(メタ)アクリル酸またはこれらの酸
塩化物もしくはエステル(γ)とを、(α):(β):
(γ)=q+1:q:2〜2.2(モル比)の割合で反
応させて得られる化合物である。
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量が
300〜1000程度のポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チルグリコール、2,2−ジメチル1,3−プロパンジ
オール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2,
2’−チオジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール等が挙げられる。化合物(β)としては、例え
ばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸、テトラヒドロフタル酸、3,6−エンドメチ
レンテトラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、等の芳香族ジ
カルボン酸;チオジグリコール酸、チオジバレリン酸、
ジグリコール酸、などの主鎖に異種原子を含むジカルボ
ン酸など、またはこれらの酸塩化物、無水物及びエステ
ルを用いることができる。
ましい化合物としてはエチレングリコール、フタル酸及
びアクリル酸もしくはメタクリル酸とから合成されるq
が1〜10、特に1〜5のジ(メタ)アクリレートであ
る。
ルキレングリコールのジ(メタ)アクリレートであり、
例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、平均分子
量が300〜2000程度のポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロパンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(a)の中で特に好ましい架橋重合性化合物は、一般式
(II)で表される化合物である。
するオリゴマーをコロイド状シリカ存在下で縮重合させ
て得られるシリカ系縮重合体(b)は、代表的には以下
に示す2種のいずれかによって得ることができる。
オリゴマーを下記一般式(I) SiR1 aR2 b(OR3 )c (I) (式中、R1 、R2 はエーテル結合又はエステル結合を
有していてもよい炭素数1〜10炭化水素残基、R3 は
水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基、a、bは0
〜3の整数、cは4−a−bであって、1〜4の整数を
表わす。)で表わされるシラン化合物を加水分解し、初
期的な縮重合を進めることによって得る方法である。こ
の場合、加水分解とこれに続く初期的な縮重合によりオ
リゴマーを得た後に、このオリゴマー溶液中にコロイド
状シリカを分散させて更なる縮重合を進めてシリカ系縮
重合体(b)を得ることもできるが、シラン化合物の加
水分解反応の当初から系にコロイド状シリカを存在さ
せ、加水分解、縮重合を連続的に進めてシリカ系縮重合
体(b)を得ると、コロイド状シリカの均一な分散がよ
り高度に達成できるので好ましい。
コロイド状シリカのみを重合性化合物(a)中に分散さ
せようとした場合にゲル化してしまうようなシリカ分濃
度においても、重合性化合物(a)中にコロイド状シリ
カを均一に分散することを可能とする作用を有する。す
なわち、本発明によれば、被覆用組成物中にシリカを高
濃度で均一分散することが可能となり、硬化被膜に高度
の耐摩耗性を付与することが可能になる。また、このオ
リゴマーはシラノール基(Si−OH)を有するため、
シリカ骨格を形成し、極めて高度な表面硬度を発現する
ことになる。
られるシリカ骨格形成能を有するオリゴマーを用いて得
られるシリカ系縮重合体は、シラン化合物のOR3 基の
大部分を加水分解、縮重合させて得られた縮重合体であ
り、その外表面にはOR3 基が、またはOR3 基とOH
基とが存在する。
カとしては、各種の市販品が使用できる。コロイド状シ
リカの粒径は、通常1nm〜1μmであるが、特に限定
されるものではない。しかし、好ましい粒径は10nm
〜500nmである。コロイド状シリカの分散媒は、特
に限定されないが、通常、水;メタノール、イソプロピ
ルアルコールのようなアルコール類;セロソルブ類;ジ
メチルアセトアミド等が使用される。特に好ましい分散
媒は、アルコール類、セロソルブ類および水である。
れるシラン化合物としては、例えばテトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェ
ニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メ
トキシエチルトリエトキシシラン、アセトキシエチルト
リエトキシシラン、ジエトキシエチルジエトキシシラン
およびこれらの部分加水分解物が挙げられる。好ましい
シラン化合物は、前記一般式(I)において、R1 、R
2 、R3が炭素数が1〜4の炭化水素残基であるシラン
化合物である。R1 、R2 、R3が炭素数が4以下の炭
化水素残基であると、立体的な障害が小さいため、加水
分解、縮重合速度が速くなり、コロイド状シリカ粒子同
士を結合させ、シリカ骨格を形成させることが容易とな
り好ましい。特に好ましいシラン化合物は、前記一般式
(I)において、cが4であるテトラアルコキシシラン
類であり、テトラアルコキシシラン単独で、又は硬化前
の被覆組成物の安定性を考慮して、テトラアルコキシシ
ランにcが3もしくは2であるトリアルコキシシランも
しくはジアルコキシシランを混合したものを使用するこ
とが好ましい。
表わされるシラン化合物を加水分解、縮重合させて得ら
れるシリカ系縮重合体(b)を誘導するには、一般式
(I)で表わされるシラン化合物だけを用いてもよい
し、一般式(I)で表わされるシラン化合物とこれと共
縮合可能な成分を併用してもよい。シラン化合物と共縮
合可能な成分としては、例えば金属アルコキシド、有機
金属塩、金属キレート物が挙げられる。共縮合可能な成
分の使用比率は、一般式(I)で表わされるシラン化合
物100重量部に対し、0〜100重量部が好ましく、
0〜50重量部がより好ましい。
塩、金属キレート物としては、例えばチタンテトラエト
キシド、チタンテトライソプロポキド、ジルコニウムテ
トラエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシ
ド、アルミニウムトリイソプロポキシド、亜鉛アセチル
アセトネート、酢酸鉛、シュウ酸バリウム等が挙げられ
る。
しては、反応系中に水を存在させることが必要である。
反応系中における水の存在割合が反応速度に及ぼす影響
は一般には特に著しいものではないが、極端に少ない場
合には加水分解が緩慢すぎて縮重合体が得られない。
媒として、無機酸又は有機酸を使用することが可能であ
る。無機酸としては、例えば塩酸、弗化水素酸、臭化水
素酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、リン酸等が用
いられる。有機酸としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、ア
クリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
を温和に、かつ、均一に行うために溶媒を用いることが
できる。溶媒としては、反応物であるシランアルコキシ
ドと水、触媒を相溶させ得るものが望ましい。かかる溶
媒としては、水;メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類を挙げることがで
きる。これら溶媒は、前述したコロイド状シリカの分散
媒をそのまま用いてもよいし、新たに必要量加えてもよ
い。溶媒の使用量は反応物を均一に溶解できる量であれ
ば特に制限はないが、反応物の濃度が希薄になりすぎる
と、反応速度が著しく遅くなるおそれがある。シラン化
合物の加水分解と縮重合反応は、室温〜120℃程度の
温度で30分〜24時間程度の条件下で、好ましくは室
温〜溶媒の沸点程度の温度で1〜10時間程度の条件下
で行なわれる。
骨格形成能を有するオリゴマーを縮重合させてシリカ系
縮重合体(b)を製造するに際しては、オリゴマー溶液
に重合性化合物(a)を添加した後、溶媒および水を留
去する方法、あるいはオリゴマー溶液から溶媒および水
を留去しつつ重合性化合物(a)を添加する方法等によ
り実施することが好ましい。重合性化合物(a)を添加
しないでオリゴマー溶液から溶媒を完全に留去すると、
シラン化合物の縮重合が進み過ぎ、本発明の被覆用組成
物の安定性が損なわれる傾向にある。
されないが、シラン化合物を用いてシリカ骨格形成能を
有するオリゴマーを調製する場合には、好ましくはコロ
イド状シリカ固形分100重量部に対し、一般式(I)
で表されるシラン化合物5〜200重量部、さらに好ま
しくは25〜100重量部、分子内に少なくとも2個の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物
(a)5〜1000重量部、さらに好ましくは20〜2
00重量部である。
方法は、シリカ骨格形成能を有するオリゴマーとして、
ケイ酸オリゴマーを使用する方法である。
状あるいは梯子状の構造を有する分子量が数百〜数万で
あるケイ酸の部分縮合体をいう。
は、水ガラスまたはメタケイ酸ソーダから調製されたも
のが適当である。水ガラスまたはメタケイ酸ソーダから
の調製方法は、一般的に行なわれている手法が用いら
れ、例えば水ガラスまたはメタケイ酸ソーダを水により
希釈しイオン交換樹脂によりナトリウムイオンを除く方
法、または水ガラスまたはメタケイ酸ソーダを水により
希釈し過剰の塩酸を用いて酸性にした後テトラヒドロフ
ラン等の有機溶媒で抽出する方法などが挙げられる。
リカ存在下で縮重合てシリカ系縮重合体(b)を製造す
るに際しては、シラン化合物から誘導されたオリゴマー
を用いる場合と同様の手法で、コロイド状シリカが分散
されたオリゴマー溶液中の溶媒と系に存在する水とを、
重合性化合物(a)で置換させる操作とともに実施する
ことが好ましい。
カ系縮重合体(b)は、その外表面にはOH基が存在す
る。したがって、このシリカ系縮重合体(b)を用いる
場合には、均一性を向上させるために、被覆用組成物中
に親水性基を有するラジカル重合性化合物(e)を添加
することが好ましい。ここでいう親水性基としては、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、テトラヒドロフルフリ
ル基、ピロリドン基、ピリジン基等が例示され、具体的
化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビ
ニルピロリドン、ビニルピリジン、アクリル酸、メタク
リル酸等が挙げられる。これらの中で最も好ましい化合
物はヒドロキシル基を有する化合物であり、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
特に限定されないが、好ましくはコロイド状シリカ固形
分100重量部に対し、分子内に少なくとも2個の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物(a)
5〜1000重量部、さらに好ましくは20〜200重
量部、ケイ酸オリゴマー5〜100重量部、さらに好ま
しくは10〜50重量部、親水性基を有するラジカル重
合性化合物(e)1〜100重量部、さらに好ましくは
10〜50重量部である。
合開始剤(c)が必須である。重合開始剤としては、通
常のラジカル重合に用いられるものが使用できるが、紫
外線等の活性エネルギー線によりラジカルを発生する光
重合開始剤が、生産性向上の観点から特に好ましく用い
られる。
000オングストロームの範囲において活性化し得るラ
ジカル発生剤が効果的であり、一般にカルボニル化合
物、アゾ化合物、過酸化物、硫黄化合物、ハロゲン化
物、キノン系化合物等が使用可能で、これらの化合物は
1種のみならず2種以上組み合わせて使用することもで
きる。光重合開始剤の配合量は、ラジカル重合可能な単
量体混合物100重量部に対し0.01〜10重量部が
好ましい。
分子内に1個のα,β−エチレン系不飽和結合を有する
化合物を使用してもよく、被覆用組成物の均一性を向上
させるために使用することが好ましい。分子内に1個の
α,β−エチレン系不飽和結合を有する化合物として特
に好ましいものは、分子中に水酸基、環状エーテル結合
及び鎖状エーテル結合の少なくとも一種を有する化合物
であり、これらは空気中における重合活性に特に優れて
いる。分子中の側鎖に水酸基、環状エーテル結合及び鎖
状エーテル結合の少なくとも一種を有する化合物として
は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アク
リレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ブチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリ
コール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
63−28094号に開示されているように、硬化被膜
の透明性、平滑性などの外観を低下させることなく、硬
化被膜の基材との密着性を改善する目的で、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル重合体を添加してもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体としては、
重合体分子量の目安となる極限粘度[η](g/l)が
0.01〜0.30の範囲にあるものが好ましく、炭素
数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アル
キルエステルより選ばれる単量体の単独重合体またはそ
れらの共重合体から選ばれる。(メタ)アクリル酸アル
キルエステル重合体の具体例としては、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、アミルメタクリレー
ト、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、2−エチル−1−ヘキシル(メタ)アクリレート、
3−ペンチルアクリレート、3−メチル−1−ヘキシル
(メタ)アクリレート、ア−メチル1−ヘキシル(メ
タ)アクリレート、3−メチル−1−ブチルアクリレー
トの単独重合体またはそれらの共重合体等が挙げられ
る。これらの重合体は一種を単独で使用してもよいし、
二種以上を混合して用いてもよい。
各種成形品表面に塗布し、重合硬化させる。塗布に際し
て均一に塗布を行なうために、有機溶剤で希釈された被
覆用組成物を使用することが好ましい。有機溶剤は、
被覆用組成物と混合して均一な溶液を形成し、常圧で
の沸点が50℃以上200℃以下であり、常温での粘
度が10センチポイズ以下である、等の条件を満足する
ものが適当である。具体的には、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ノルマ
ルブチルアルコールなどのアルコール類、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、ジオキサン等のエーテル類、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類、N,N−ジメチル
ホルムアミドなどが挙げられ、これらの有機溶剤は単独
で又は2種以上を混合して使用することができる。これ
らの溶剤の使用量は、被覆用組成物5〜90重量部に対
し95〜10重量部であることが好ましい。
必要に応じて表面平滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、
あるいは貯蔵安定剤などの添加剤を適宜添加して使用す
ることができる。
る方法としては、刷毛塗り法、流延法、ローラーコート
法、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコート
法、ディッピング法等が挙げられるが特に限定されな
い。これらの中で、作業性あるいは生産性の点よりディ
ッピング法が特に好ましい。
布量としては、膜厚が1〜30μmの厚みになるように
塗布するのが適当である。膜厚が1μm未満の場合は、
耐摩耗性に劣り、膜厚が30μmを越える場合には硬化
被膜にクラック等が入りやすく好ましくない。
る成形品としては、公知の合成樹脂成形品が使用できる
が、特にポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレ
ートを主構成成分とする共重合体、ポリスチレン、スチ
レン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−アク
リロニトリル共重合体、ポリカーボネート、セルロース
アセテートブチレート樹脂、ポリアクリルジグリコール
カーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル
樹脂が好ましい。
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。
示す。なお、実施例中の被膜性能の評価は、以下の方法
で行なった。
し、水平に置かれたサンプル面に接触させ、0.6kg荷
重で5回転(20rpm )し、キズの程度を目視観察し、
次の基準で評価した。 〇:サンプル表面にほとんどキズがついていない。 △:サンプル表面に少しキズがつく。 ×:サンプル表面にひどくキズがつく。
離テストによった。すなわち、被膜に1mm間隔に基材に
達する被膜切断線を、縦、横それぞれに11本入れて1
mm2 の目数を100個作り、その上にセロハンテープを
貼りつけ、急激にはがした。 〇・・・・・・・・架橋硬化被膜の剥離目無し。 △・・・・・・・・剥離目の数1〜50個。 ×・・・・・・・・剥離目の数51〜100個。
ル分散型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、触
媒化成工業(株)製、商品名OSCAL−1432)6
00部、脱イオン水54部及び36%塩酸0.5部をフ
ラスコ内に投入した後、撹拌しながら80℃で1時間加
熱した。
ペンタエリスリトールペンタアクリレート65部及びテ
トラエチレングリコールジアクリレート65部を添加し
た後、10〜150mmHgの圧力下において20〜40℃
の温度で系内に存在する水及び有機溶媒を固形分50重
量%となるまで留去した。
−4−n−オクトキシベンゾフェノン2.7部、ベンゾ
インイソブチルエーテル0.5部及びメタクリル酸メチ
ル/メタクリル酸ブチル=50/50(重量比)の共重
合体([η]=0.04)0.4部を加え、被覆用組成
物溶液を調製した。
メタクリレート樹脂板(三菱レイヨン(株)製、商品名
アクリライトL)を浸漬して0.5cm/sec の速度で板
を引き上げ、被膜を形成させた。そのまま10分間放置
した後、空気中で高圧水銀灯(岩崎電気製2kw HO−
L21)の紫外線を板の両面各々20cmの距離から15
秒間照射し、表面処理されたアクリル樹脂板を得た。得
られたアクリル樹脂板の評価結果を表1に示す。
ン67部、イソプロピルアルコール分散型コロイダルシ
リカ(シリカ含量30重量%、触媒化成工業(株)製、
商品名OSCAL−1432)600部、脱イオン水4
7.3部および36%塩酸0.5部をフラスコ内に投入
した後、撹拌しながら80℃で1時間加熱した。
ペンタエリスリトールペンタアクリレート65部及びテ
トラエチレングリコールジアクリレート65部を添加し
た後、10〜150mmHgの圧力下において20〜40℃
の温度で系内に存在する水及び有機溶媒をすべて留去し
た。
4−n−オクトキシベンゾフェノン2.7部、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル0.5部及びメタクリル酸メチル
/メタクリル酸ブチル=50/50(重量比)の共重合
体([η]=0.04)0.4部を加え、被覆用組成物
溶液を調製した。
の方法で表面処理されたアクリル樹脂板を得た。得られ
たアクリル樹脂板の性質を表1に示す。
ン67部、ジメチルジエトキシシラン48部、水分散型
コロイダルシリカ(シリカ含量20重量%、日産化学工
業(株)製、商品名スノーテックスO)900部をフラ
スコ内に投入した後、室温で1時間撹拌した。セロソル
ブ1000部を添加し、ついでジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート65部及びテトラエチレングリコー
ルジアクリレート65部を添加した後、減圧下40℃で
溶剤及び水を除去し、透明なアクリル−シリカ混合物を
得た。
4−n−オクトキシベンゾフェノン2.7部、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル0.5部及びメタクリル酸メチル
/メタクリル酸ブチル=50/50(重量比)の共重合
体([η]=0.04)0.4部を加え、硬化液を調製
した。
の方法で表面処理されたアクリル樹脂板を得た。得られ
たアクリル樹脂板の性質を表1に示す。
物、他の添加物及びこれらの量を表1に示すように変え
たほかは実施例1と同様にして被覆用組成物溶液を調製
し、実施例1と同様の方法で表面処理されたアクリル樹
脂板を得た。なお、実施例9は基板としてポリカーボネ
ート、実施例10は基板としてポリスチレンを用いた。
得られたアクリル樹脂板の評価結果を表1に示した。
メタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンの樹
脂板の評価結果を、比較例4〜6として表1に示した。
ンを基板として用い表面処理を行ない、評価した結果で
ある。比較例4、5、6は各々表面処理されていないポ
リメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチ
レンの評価結果である。
0部に対し、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ゾフェノン2.7部、ベンゾインイソブチルエーテル
0.5部及びメタクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル
=50/50(重量比)の共重合体([η]=0.0
4)0.4部が添加されている。表中の略語は、以下の
通りである。 2P5A:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート BAEP:2,2−ビス−(4−アクリロイルオキシエ
トキシフェニル)プロパン THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート OSCAL1432:イソプロピルアルコール分散型コ
ロイダルシリカ(触媒化成工業(株)製) スノーテックスO:水分散型コロイダルシリカ(日産化
学工業(株)製) TES:テトラエトキシシラン MTES:メチルトリエトキシシラン DMDES:ジメチルジエトキシシラン DMDMS:ジメチルジメトキシシラン MPTMS:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン IPA:イソプロピルアルコール 合成例 36重量%塩酸1000部を脱イオン水2000部に溶
かした溶液に、メタケイ酸ナトリウム9水和物1200
部を脱イオン水3000部に溶かした溶液を20℃以下
に保ちながら滴下した。滴下終了後、1.5時間室温で
攪拌した後、テトラヒドロフラン3000部及び塩化ナ
トリウム1800部を加えて1時間激しく攪拌した。そ
の後、溶液を静置し、上層(有機層)を分離し無水硫酸
ナトリウム600部を入れ乾燥した。固形分を濾別後、
減圧下で濃縮してケイ酸オリゴマー20重量%テトラヒ
ドロフラン溶液とした。
液(固形分20重量%)450部、イソプロピルアルコ
ール分散型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、
触媒化成工業(株)製、商品名OSCAL−1432)
600部をフラスコ内に投入した後、室温で1時間撹拌
した。
タアクリレート65部、テトラエチレングリコールジア
クリレート65部、2−ヒドロキシエチルアクリレート
80部を添加した後、10〜150mmHgの圧力下におい
て20〜40℃の温度で系内に存在する有機溶媒と残存
する水を固形分50重量%となるまで留去した。
−4−n−オクトキシベンゾフェノン2.7部、ベンゾ
インイソブチルエーテル0.5部及びメタクリル酸メチ
ル/メタクリル酸ブチル=50/50(重量比)の共重
合体([η]=0.04)0.4部を加え、被覆用組成
物を調製した。
メタクリレート樹脂板(三菱レイヨン(株)製、商品名
アクリライトL)を浸漬して0.5cm/sec の速度で板
を引き上げ、被膜を形成させた。そのまま10分間放置
した後、空気中で高圧水銀灯(岩崎電気製2kw HO−
L21)の紫外線を板の両面各々20cmの距離から15
秒間照射し、表面処理されたアクリル樹脂板を得た。得
られたアクリル樹脂板の評価結果を表2に示す。
液(固形分20重量%)250部、イソプロピルアルコ
ール分散型コロイダルシリカ(シリカ含量30重量%、
触媒化成工業(株)製、商品名OSCAL−1432)
600部をフラスコ内に投入した後、室温で1時間撹拌
した。
ンタアクリレート65部、テトラエチレングリコールジ
アクリレート65部及び2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート90部を添加した後、10〜150mmHgの圧力下に
おいて20〜40℃の温度で系内に存在する有機溶媒と
残存する水をすべて留去した。
4−n−オクトキシベンゾフェノン2.7部、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル0.5部及びメタクリル酸メチル
/メタクリル酸ブチル=50/50(重量比)の共重合
体([η]=0.04)0.4部を加え、被覆用組成物
を調製した。
様の方法で表面処理されたアクリル樹脂板を得た。得ら
れたアクリル樹脂板の性質を表2に示す。
ケイ酸オリゴマーのテトラヒドロフラン溶液、親水性基
を有するラジカル重合性化合物、他の添加物及びそれら
の量を表2に示すように変えたほかは実施例11と同様
にして被覆用組成物を調製し、同様の方法で表面処理さ
れたアクリル樹脂板を得た。なお、実施例15は基板と
してポリカーボネート、実施例16は基板としてポリス
チレンを用いた。得られたアクリル樹脂板の評価結果を
表2に示した。
ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン2.7
部、ベンゾインイソブチルエーテル0.5部及びメタク
リル酸メチル/メタクリル酸ブチル=50/50(重量
比)の共重合体([η]=0.04)0.4部が添加さ
れている。表中の略語は、以下の通りである。 2P5A:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート OSCAL1432:イソプロピルアルコール分散型コ
ロイダルシリカ(触媒化成工業(株)製) THF:テトラヒドロフラン
を有する硬化被膜が形成され、合成樹脂を利用する上で
問題となっていたキズによる審美性の低下を解消するこ
とができた。
Claims (8)
- 【請求項1】 (a)分子中に少なくとも2個のアクリ
ロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有
する重合性化合物、(b)シリカ骨格形成能を有するオ
リゴマーをコロイド状シリカ存在下で縮重合させて得ら
れるシリカ系縮重合体、及び(c)光重合開始剤からな
る被覆用組成物。 - 【請求項2】 分子中に少なくとも2個のアクリロイル
オキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する重
合性化合物(a)として、下記一般式(II)〜(IV) 【化1】 (式中、Y11、Y12、Y13、……Yp2、Yp3、Yp4のう
ち少なくとも2個はアクリロイルオキシ基及び/又はメ
タクリロイルオキシ基、残りは水素原子、水酸基、アミ
ノ基、アルキル基又は置換されたアルキル基、pは1〜
5を表わす。) 【化2】 (式中、R4 は水素原子又はメチル基、R5 は2〜20
個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素又はその誘導体の
残基、R6 は2〜20個の炭素原子を有する脂肪族もし
くは芳香族の炭化水素またはその誘導体の残基、qは1
〜20の整数を表わす。) 【化3】 (式中、R7 は水素原子又はメチル基、rは2〜20の
整数、sは1〜50の整数を表わす。)で表される化合
物より選ばれた少なくとも1種を用いる請求項1記載の
被覆用組成物。 - 【請求項3】 シリカ骨格形成能を有するオリゴマーが
下記一般式(I) SiR1 aR2 b(OR3 )c (I) (式中、R1 及びR2 はエーテル結合又はエステル結合
を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基であ
って、ラジカル重合可能基及びエポキシ基を有さないも
の、R3 は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素残
基、a及びbは0〜3の整数、cは4−a−bであっ
て、1〜4の整数を表わす。)で表されるシラン化合物
を加水分解、縮重合させて得られたシリカ系縮重合体で
ある請求項1または2記載の被覆用組成物。 - 【請求項4】 一般式(I)で表されるシラン化合物の
うち、c=4、a=b=0である化合物を使用する請求
項3記載の被覆用組成物。 - 【請求項5】 一般式(I)で表されるシラン化合物の
うち、c=4、a=b=0である化合物と、c=3また
は2である化合物との混合物を使用する請求項3記載の
被覆用組成物。 - 【請求項6】 シリカ骨格形成能を有するオリゴマー
が、ケイ酸オリゴマーである請求項1または2記載の被
覆用組成物。 - 【請求項7】 (d)親水基を有するラジカル重合性ビ
ニル化合物を更に含有してなる請求項1、2または6記
載の被覆用組成物。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
の被覆用組成物の硬化物でその表面が被覆された物品。
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JP3-249123 | 1991-09-27 | ||
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-
1992
- 1992-09-28 JP JP04258535A patent/JP3072193B2/ja not_active Expired - Lifetime
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